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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-03
(54)【発明の名称】医療用穿刺機器
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/14 20060101AFI20230926BHJP
【FI】
A61B18/14
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023518202
(86)(22)【出願日】2021-08-18
(85)【翻訳文提出日】2023-05-09
(86)【国際出願番号】 IB2021057601
(87)【国際公開番号】W WO2022064293
(87)【国際公開日】2022-03-31
(31)【優先権主張番号】63/081,369
(32)【優先日】2020-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522368684
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック メディカル デバイス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】モリヤマ、エドゥアルド
(72)【発明者】
【氏名】アリー、フェリル
(72)【発明者】
【氏名】ラウ、カイリー
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160FF49
4C160KK03
4C160KK13
4C160KK17
4C160MM33
(57)【要約】
医療用穿刺機器は、近位端を規定する近位部分と、遠位端を規定する遠位部分とを有する長尺状のシャフトを含む。前記遠位部分は、前記遠位端に向かうにつれて外径が細くなって拡張チップを規定する。内腔は、前記近位端から前記遠位端まで前記シャフトを貫通して延びている。前記シャフトは、前記近位部分から前記遠位部分まで延び、高周波発生装置に電気的に接続可能な第1の電気導体を含む。高周波穿刺電極は、前記遠位端に配置され、前記第1の電気導体に電気的に接続される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用穿刺機器において、
近位端を規定する近位部分および遠位端を規定する遠位部分を有する長尺状のシャフトであって、前記遠位部分は前記遠位端に向かうにつれて外径が細くなって拡張チップを規定し、前記近位端から前記遠位端まで前記シャフトを貫通して内腔が延びており、前記シャフトは、前記近位部分から前記遠位部分まで延び、かつ、高周波発生装置に電気的に接続可能な第1の電気導体を含む、シャフトと、
前記遠位端に配置され、前記第1の電気導体に電気的に接続される、高周波穿刺電極と、を含む医療用穿刺機器。
【請求項2】
前記シャフトは重合体スリーブを含み、前記第1の電気導体は、前記重合体スリーブに受容された金属ハイポチューブの形態である、請求項1に記載の医療用穿刺機器。
【請求項3】
前記重合体スリーブは高密度ポリエチレン製スリーブであり、前記金属ハイポチューブはステンレスハイポチューブである、請求項2に記載の医療用穿刺機器。
【請求項4】
前記シャフトは、重合体内層および重合体外層を含み、前記電気導体は、前記重合体内層と前記重合体外層との間に配置される、請求項1に記載の医療用穿刺機器。
【請求項5】
前記重合体内層は高密度ポリエチレン内層であり、前記重合体外層は低密度ポリエチレン層である、請求項4に記載の医療用穿刺機器。
【請求項6】
前記電気導体は、ワイヤまたはブレードの形態である、請求項4に記載の医療用穿刺機器。
【請求項7】
前記医療用穿刺機器は、前記電極を前記第1の電気導体に電気的に接続する第2の電気導体をさらに含む、請求項1に記載の医療用穿刺機器。
【請求項8】
前記第2の電気導体は、第1の端部と第2の端部とを有するワイヤの形態であり、前記第1の端部は、前記第1の電気導体に接合されて、前記第2の端部は、前記遠位端の遠位に間隔をおいて配置され、かつ、前記高周波穿刺電極に接合される、請求項7に記載の医療用穿刺機器。
【請求項9】
前記ワイヤは、J字形状またはコイル状である、請求項8に記載の医療用穿刺機器。
【請求項10】
前記高周波穿刺電極は、前記シャフトに向かって格納可能である、請求項1に記載の医療用穿刺機器。
【請求項11】
前記高周波穿刺電極は非侵襲的である、請求項1に記載の医療用穿刺機器。
【請求項12】
前記医療用穿刺機器は、前記シャフトの前記近位端にハンドルをさらに含み、前記第1の電気導体は、前記ハンドルを介して前記高周波発生装置に電気的に接続可能である、請求項1に記載の医療用穿刺機器。
【請求項13】
前記ハンドルは、止血弁を含む、請求項12に記載の医療用穿刺機器。
【請求項14】
前記シャフトは、約12.5Fr(約4.16mm)から約24Fr(約8mm)の間の外径を有している、請求項1に記載の医療用穿刺機器。
【請求項15】
前記シャフトは操舵可能である、請求項1に記載の医療用穿刺機器。
【請求項16】
前記遠位部分は、湾曲している、請求項1に記載の医療用穿刺機器。
【請求項17】
前記シャフトは、放射線不透過性マーカーを含む、請求項1に記載の医療用穿刺機器。
【請求項18】
前記シャフトは、エコー源性マーカーを含む、請求項1に記載の医療用穿刺機器。
【請求項19】
請求項1に記載の前記医療用穿刺機器を心房中隔に向けて前進させることと、
前記高周波穿刺電極から高周波エネルギーを供給して前記心房中隔に穿刺を形成することと、
前記拡張チップを前記穿刺を通して前進させて前記穿刺を拡張させることとを含む、医療方法。
【請求項20】
医療用穿刺システムであって、
高周波発生装置と、医療用穿刺機器とを含み、
前記医療用穿刺機器は、
i)近位端を規定する近位部分と遠位端を規定する遠位部分とを有する長尺状のシャフトであって、前記遠位部分は、前記遠位端に向かうにつれて外径が細くなって拡張チップを規定し、前記近位端から前記遠位端まで前記シャフトを貫通して内腔が延びており、前記シャフトは、前記近位部分から前記遠位部分まで延び、かつ、高周波発生装置に電気的に接続可能な第1の電気導体を含む、前記シャフトと、
ii)前記遠位端に配置され、前記第1の電気導体に電気的に接続される高周波穿刺電極と
を含む、医療用穿刺システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、医療機器に関する。より具体的には、本願は、高周波エネルギーを用いて組織を穿刺する医療機器に関する。
以下の概要は、詳細な説明の様々な態様を読者に紹介することを意図しているが、いかなる発明も定義または境界を定めるものではない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
医療用穿刺機器が開示される。いくつかの態様によれば、医療用穿刺機器は、近位端を規定する近位部分と、遠位端を規定する遠位部分とを有する長尺状のシャフトを含む。前記遠位部分は、前記遠位端に向かうにつれて外径が細くなり、拡張チップを規定する。内腔は、前記近位端から前記遠位端まで前記シャフトを貫通して延びている。前記シャフトは、前記近位部分から前記遠位部分まで延び、高周波発生装置に電気的に接続可能な第1の電気導体を含む。高周波穿刺電極は、前記遠位端に配置され、前記第1の電気導体に電気的に接続される。
【0003】
いくつかの例では、前記シャフトは重合体スリーブを含み、前記第1の電気導体は、前記重合体スリーブに受容された金属ハイポチューブの形態である。前記重合体スリーブは高密度ポリエチレン製スリーブであってよく、前記金属ハイポチューブはステンレスハイポチューブであってよい。
【0004】
いくつかの例では、前記シャフトは、重合体内層および重合体外層を含み、前記電気導体は、前記重合体内層と前記重合体外層との間に配置される。前記重合体内層は高密度ポリエチレン内層であってよく、前記重合体外層は低密度ポリエチレン層であってよい。
【0005】
いくつかの例では、前記電気導体は、ワイヤまたはブレードの形態である。
いくつかの例では、前記機器は、前記電極を前記第1の電気導体に電気的に接続する第2の電気導体をさらに含む。前記第2の電気導体は、第1の端部と第2の端部とを有するワイヤの形態であってよい。前記第1の端部は、前記第1の電気導体に接合されてよく、前記第2の端部は、前記遠位端の遠位に間隔をあいて配置され、前記高周波穿刺電極に接合されてよい。前記ワイヤは、J字形状またはコイル状であってよい。
【0006】
いくつかの例では、前記高周波穿刺電極は、前記シャフトに向かって格納可能である。
いくつかの例では、前記高周波穿刺電極は非侵襲的である。
いくつかの例では、前記機器は、前記シャフトの前記近位端にハンドルを含む。前記第1の電気導体は、前記ハンドルを介して前記高周波発生装置に電気的に接続可能であってよい。前記ハンドルは、止血弁、活栓、および/または注射器ルアーを含んでよい。
【0007】
いくつかの例では、前記シャフトは、約12.5Fr(4.16mm)から約24Fr(8mm)の間の外径を有している。
いくつかの例では、前記電極は、心臓から電気信号を収集してよい。
【0008】
いくつかの例では、前記シャフトは操舵可能である。
いくつかの例では、前記遠位部分は、湾曲している。
いくつかの例では、前記シャフトは、放射線不透過性マーカー、および/またはエコー源性マーカーを含む。
【0009】
医療方法も開示される。いくつかの態様によれば、医療方法は、前記医療用穿刺機器を心房中隔に向けて前進させることと、前記高周波穿刺電極から高周波エネルギーを供給して前記心房中隔に穿刺を形成することと、前記拡張チップを前記穿刺を通して前進させて前記穿刺を拡張させることを含む。
【0010】
医療用穿刺システムもまた、開示される。いくつかの態様によれば、医療用穿刺システムは、高周波発生装置と、医療用穿刺機器とを含む。医療用穿刺機器は、近位端を規定する近位部分と、遠位端を規定する遠位部分とを有す長尺状のシャフトを含む。前記遠位部分は、前記遠位端に向かうにつれて外径が細くなり、拡張チップを規定する。内腔は、前記近位端から前記遠位端まで前記シャフトを貫通して延びている。前記シャフトは、前記近位部分から前記遠位部分まで延び、高周波発生装置に電気的に接続可能な第1の電気導体を含む。高周波穿刺電極は、前記遠位端に配置され、前記第1の電気導体に電気的に接続される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
添付の図面は、本開示の物品、方法、および装置の例を説明するためのものであり、限定することを意図するものではない。
図1】医療用穿刺機器を含む例示的な医療用穿刺システムの斜視図である。
図2図1における囲み領域の拡大図である。
図3図1の医療用穿刺機器の断面図である。
図4A】他の例による医療用穿刺機器の遠位部分の部分斜視図であり、電極が格納された構成にある。
図4B図4Aの医療用穿刺機器の遠位部分の部分斜視図であり、電極が展開された構成にある。
図5】他の例による医療用穿刺機器の遠位部分の部分斜視図である。
図6】他の例による医療用穿刺機器の遠位部分の部分斜視図である。
図7図1のシステムを用いて心房中隔を穿刺し拡張する方法のステップを示す概略図である。
図8図7の方法の後続ステップを示す概略図である。
図9図8の方法の後続ステップを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
請求される主題の実施形態の例を提供するために、様々な装置またはプロセスまたは組成物が以下に説明される。以下に記載される例は、いかなる請求項も限定せず、いかなる請求項も、以下に記載されるものとは異なるプロセスまたは装置または組成物をカバーし得る。請求項は、以下に記載されるいずれか1つの装置またはプロセスまたは組成物の特徴の全てを有する装置またはプロセスまたは組成物、または以下に記載される装置またはプロセスもしくは組成物の複数または全てに共通する特徴に限定されない。以下に記載される装置またはプロセスまたは組成物が、本特許出願の発行により付与される排他的権利の実施形態でない可能性がある。以下に記載され、本特許出願の発行により排他的権利が付与されない主題は、別の保護手段、例えば継続の特許出願の主題である可能性があり、出願人、発明者または所有者は、本書における開示により、かかる主題を放棄、否認または公衆に提供する意図はない。
【0013】
一般に、本明細書で開示されるのは、組織を穿刺して拡張するために使用することができる医療機器、ならびに関連するシステムおよび方法である。このような装置は、本明細書では「医療用穿刺機器」と呼ぶことがある。医療用穿刺機器は、様々な医療処置において使用され得るが、比較的大きな外径のカテーテルを用いて左心房への経中隔アクセスを必要とする処置において特に有用である可能性がある。そのような処置には、例えば、冷凍アブレーション処置、僧帽弁置換処置、および心房付属器閉鎖処置が含まれ得る。本明細書に開示される医療用穿刺機器、心房中隔を穿刺し、穿刺部を十分に大きな直径[例えば、約12.5Fr(4.16mm)と約24Fr(8mm)の間]に拡張することができる。
【0014】
次に、図1および2を参照すると、一般に医療用穿刺機器102と、医療用穿刺機器102が電気的に接続される高周波(RF)発生装置104とを含むシステム100が示されている。
【0015】
RF発生装置104は、Baylis Medical Company(カナダ、モントリオール)が商品名RFP-100A RF Puncture Generatorで販売しているものなど、組織を穿刺するのに適した任意のRF発生装置であり得、および/または他の電気外科装置であり、本明細書では詳細に説明しない。
【0016】
さらに、図1および図2を参照すると、上述のように、医療用穿刺機器102は、RFエネルギーを用いて組織を穿刺し、その穿刺を比較的大きな直径に拡張するように構成される。図示の例では、医療用穿刺機器102は、長尺状のシャフト106と、ハンドル108と、高周波穿刺電極122とを含む。シャフト106は、近位端112(図3に示す)を画定する近位部分110と、遠位端116を画定する遠位部分114とを有する。内腔118(図3に示す)は、近位端112から遠位端116までシャフト106を貫通して延びる。遠位部分114は湾曲しており、遠位部分114において、シャフト106は、遠位端116に向かう外径が先細りになり、拡張先端120を画定している。ハンドル108は、近位端112にあり、ハンドル108を介して内腔118を通る流体送達のための注射器ルアー、止血弁、および/または活栓(例えば、3方活栓)などの様々なオプション機能を含むことができる。
【0017】
上述したように、シャフト106は、例えば約12.5Fr(4.16mm)と約24Fr(8mm)の間の比較的大きな外径を有してよい。
示された例では、シャフト106は、概ね固定された形状である。代替例では、シャフトは操舵可能であってよい。そのような例では、機器は、シャフトを操縦するための1つまたは複数のプルワイヤまたは他のアクチュエータを含んでよい。
【0018】
シャフト106は、シャフト106の位置の視覚化を強化するために、1つまたは複数の放射線不透過性マーカーおよび/またはエコー源性マーカー(図示せず)を選択的に含むことができる。
【0019】
さらに、図1および図2を参照すると、RF穿刺電極122は、シャフト106に接合され、シャフト106の遠位端116に配置される。RF穿刺電極122は、(以下に説明するように)RF発生装置104に電気的に接続可能であり、組織にRFエネルギーを供給して、組織を穿刺することができる。図示の例では、RF穿刺電極122は、RFエネルギーがRF穿刺電極122から組織に供給されない限り、組織を損傷しないように、非侵襲的である、すなわち、RF穿刺電極122は鈍い(例えば、丸みがある)。
【0020】
いくつかの例(図示せず)では、RF穿刺電極は、心臓から電気信号を収集するために使用することができる。
次に、図3を参照すると、図示の例では、シャフト106は、重合体スリーブ124(例えば、高密度ポリエチレンスリーブ)と、重合体スリーブ124に受容された金属ハイポチューブ(例えば、ステンレス鋼ハイポチューブ)の形態の電気導体126(ここでは、「第1の電気導体」とも称する)とを含む。電気導体126は、近位部分110から遠位部分114に延びる。電気導体126は、ハンドル108を介してRF発生装置104に電気的に接続可能であり、RF穿刺電極122に電気的に接続され、それにより、RFエネルギーがRF発生装置104から電気導体126を介してRF穿刺電極122に供給され得る。
【0021】
代替例(図示せず)では、シャフトは、重合体内層(例えば高密度ポリエチレン層)及び重合体外層(例えば低密度ポリエチレン層)を含んでよく、電気導体は、重合体内層と重合体外層との間に配置されてよい。さらなる代替例では、電気導体は、ハイポチューブの代わりに、ワイヤまたはブレードの形態であってよい。
【0022】
さらに図3を参照すると、示された例では、第1の電気導体126は、シャフト106の遠位端116から離間した所定の位置まで延びる。第2の電気導体128は、第1の電気導体126とRF穿刺電極122を電気的に接続する。第2の電気導体128は、第1の電気導体126に接合される第1の端部と、シャフト106の遠位端116から遠位方向に間隔をおいてRF穿刺電極122に接合される第2の端部とを有するワイヤの形態であり、RFエネルギーを第1の電気導体126からRF穿刺電極122に伝導するためにある。
【0023】
示された例では、RF穿刺電極122は、シャフト106に対して概ね固定された位置にある。代替例が図4Aおよび図4Bに示されており、図1図3のものと同様である特徴は、300ずつ増分された同様の部材番号で参照されている。図4Aおよび図4Bの医療用穿刺機器402では、RF穿刺電極422は、(図4Aに示すように)シャフト406に向かって後退させ、(図4Bに示すように)シャフト406から離れるように展開させ得る。このような例では、機器402は、RF穿刺電極422を格納し、かつ、展開するための1つまたは複数のプルワイヤまたは他のアクチュエータ(図示せず)を含むことができる。別の代替例が図5に示されており、図1図3のものと同様である特徴は、400ずつ増分された同様の部材番号で参照されている。図5の医療用穿刺機器502では、格納および展開可能であることに加えて、第2の電気導体528はJ字型である。これは、電極522が展開時に組織から後方に向けられるので、患者の安全性を高めることができる。さらに別の代替例が図6に示されており、図1図3のものと同様の特徴は、500ずつ増分された同様の部材番号で参照されている。図6の医療用穿刺機器600では、格納可能および展開可能であることに加えて、第2の電気導体628はコイル状(「豚尾状」とも呼ばれる)である。この場合も、電極622が展開時に組織から後方に向けられるので、患者の安全性を高めることができる。さらに別の実施例(図示せず)では、電極を第1の電気導体に直接接合することができ、第2の電気導体は省略することができる。
【0024】
次に、図7から図9を参照して、医療用穿刺機器102を使用して心房中隔700を穿刺および拡張するための方法を説明する。第1のステップ(図示せず)として、ガイドワイヤを、大腿静脈を介して、上大静脈に進めてよい。その後、シャフトの遠位端116が上大静脈に入るまで、医療用穿刺機器102をガイドワイヤ上で進めることができる。その後、ガイドワイヤを取り外すことができる。医療用穿刺機器102は、次に、右心房内に引き下げられ、RF穿刺電極122を心房中隔700の卵円窩に対して配置して、図7に示すように、心房中隔700をテント状にすることができる。任意で、医療用穿刺機器102の位置決めを確認するために、蛍光透視法または別の可視化技術を使用することができる。次のステップとして、図8に示すように、RF穿刺電極122からRFエネルギーを供給して心房中隔700を穿刺し、電極122を心房中隔700を介して左心房まで通すように、RF発生装置104(図8には示されていない)を起動することができる。任意で蛍光透視法または別の可視化技術を再び使用して、電極122の位置決めを確認することができる。次のステップとして、図9に示すように、医療用穿刺機器102は、拡張チップ120が心房中隔700の穿刺を通過して穿刺を拡張するように前進させることができる。穿刺が拡張された後、医療処置の性質に応じて、様々なステップ(例えば、冷凍アブレーション、僧帽弁置換、および心房付属器閉鎖)が実施され得る。
【0025】
上記の説明は、1つまたは複数のプロセスまたは装置または組成物の例を提供するが、他のプロセスまたは装置または組成物が、添付の請求項の範囲内にあり得ることが理解されるであろう。
【0026】
先行技術またはその他の技術に関して、(本特許出願または関連特許出願または特許において、親、兄弟、子を含めて)以前に行われた修正、特徴づけ、またはその他の主張の範囲内において、本願の本開示によって支持されるあらゆる主題の否認と解釈される可能性がある限り、出願人はここにそのような否認を取り消し、撤回する。また、出願人は、親、兄弟、子など、関連する特許出願や特許で以前に検討した先行技術については、再検討が必要な場合があることを謹んで申し添える。
図1-2】
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2023-05-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用穿刺機器において、
近位端を規定する近位部分と遠位端を規定する遠位部分とを有する長尺状のシャフトであって、前記遠位部分は前記遠位端に向かうにつれて外径が細くなって拡張チップを規定し、前記近位端から前記遠位端まで前記シャフトを貫通して内腔が延びており、前記シャフトは、前記近位部分から前記遠位部分まで延び、かつ、高周波発生装置に電気的に接続可能な第1の電気導体を含む、前記シャフトと、
前記遠位端に配置され、前記第1の電気導体に電気的に接続される高周波穿刺電極と、を含む医療用穿刺機器。
【請求項2】
前記シャフトは重合体スリーブを含み、前記第1の電気導体は、前記重合体スリーブに受容された金属ハイポチューブの形態である、請求項1に記載の医療用穿刺機器。
【請求項3】
前記重合体スリーブは高密度ポリエチレン製スリーブであり、前記金属ハイポチューブはステンレスハイポチューブである、請求項2に記載の医療用穿刺機器。
【請求項4】
前記シャフトは、重合体内層および重合体外層を含み、前記第1の電気導体は、前記重合体内層と前記重合体外層との間に配置される、請求項1から3のいずれか一項に記載の医療用穿刺機器。
【請求項5】
前記重合体内層は高密度ポリエチレン内層であり、前記重合体外層は低密度ポリエチレン層である、請求項4に記載の医療用穿刺機器。
【請求項6】
前記第1の電気導体は、ワイヤまたはブレードの形態である、請求項1からのいずれか一項に記載の医療用穿刺機器。
【請求項7】
前記医療用穿刺機器は、前記電極を前記第1の電気導体に電気的に接続する第2の電気導体をさらに含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の医療用穿刺機器。
【請求項8】
前記第2の電気導体は、第1の端部と第2の端部とを有するワイヤの形態であり、前記第1の端部は、前記第1の電気導体に接合されて、前記第2の端部は、前記遠位端の遠位に間隔をおいて配置され、かつ、前記高周波穿刺電極に接合される、請求項7に記載の医療用穿刺機器。
【請求項9】
前記ワイヤは、J字形状またはコイル状である、請求項8に記載の医療用穿刺機器。
【請求項10】
前記高周波穿刺電極は、非侵襲的であり、前記シャフトに向かって格納可能である、請求項1から9のいずれか一項に記載の医療用穿刺機器。
【請求項11】
前記医療用穿刺機器は、前記シャフトの前記近位端にハンドルをさらに含み、前記第1の電気導体は、前記ハンドルを介して前記高周波発生装置に電気的に接続可能であり、前記ハンドルは、止血弁を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の医療用穿刺機器。
【請求項12】
前記シャフトは、12.5Fr(約4.16mm)から24Fr(約8mm)の間の外径を有している、請求項1から11のいずれか一項に記載の医療用穿刺機器。
【請求項13】
前記シャフトは操舵可能である、請求項1から12のいずれか一項に記載の医療用穿刺機器。
【請求項14】
前記遠位部分は、湾曲している、請求項1から13のいずれか一項に記載の医療用穿刺機器。
【請求項15】
前記シャフトは、1つまたは複数の放射線不透過性マーカーまたはエコー源性マーカーを含む、請求項1から14のいずれか一項に記載の医療用穿刺機器。
【国際調査報告】