(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-03
(54)【発明の名称】呼吸用マスク
(51)【国際特許分類】
A41D 13/11 20060101AFI20230926BHJP
【FI】
A41D13/11 Z
A41D13/11 A
A41D13/11 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023539934
(86)(22)【出願日】2021-09-08
(85)【翻訳文提出日】2023-05-01
(86)【国際出願番号】 US2021049437
(87)【国際公開番号】W WO2022055977
(87)【国際公開日】2022-03-17
(32)【優先日】2021-04-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523084880
【氏名又は名称】スティーヴン エー ステンソン
【氏名又は名称原語表記】STEVEN A. STENSON
(71)【出願人】
【識別番号】523084891
【氏名又は名称】ユウコ ステンソン
【氏名又は名称原語表記】YUKO STENSON
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】スティーヴン エー ステンソン
(72)【発明者】
【氏名】ユウコ ステンソン
【テーマコード(参考)】
3B211
【Fターム(参考)】
3B211CB00
3B211CB05
3B211CB06
(57)【要約】
ユーザの鼻および口を覆うマスクは、覆い材およびバンドシステムを含む。覆い材は、上側部分および下側部分を含み、バンドシステムは、上側部分の上方側縁部に取り付けるための主バンド、および、下側部分に取り付けるための下側バンドを含む。着用中、主バンドは、上側部分の上方側縁部に常に取り付けられたままで、覆い材の上側部分をユーザの顔に対して保持する。ユーザがマスクを着用中、下側部分をユーザの顔にぴったりと保持すべき場合は、ユーザは、下側バンドの接続を維持し、ユーザがマスクを着用中、覆い材の下側部分をユーザの顔の前で自由に吊り下げるべき場合は、ユーザは、下側バンドの接続を解除する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの顔を覆うマスクにおいて、
前記ユーザの鼻および口を含む該ユーザの顔の少なくとも一部を覆い、上側部分および下側部分を含む覆い材と、
前記覆い材を前記ユーザの顔に対して保持し、該覆い材の前記上側部分の上方側縁部に取り付けるための少なくとも1つの主バンドストラップを有する主バンド、および、該覆い材の前記下側部分に取り付けるための少なくとも1つの下側バンドストラップを有する下側バンドを含むバンドシステムと
を含み、
前記ユーザが前記マスクを着用している間、前記少なくとも1つの主バンドストラップは、前記上側部分の前記上方側縁部に常に取り付けられたままであり、該ユーザが該マスクを着用している間、該少なくとも1つの主バンドストラップは、前記覆い材の該上側部分を該ユーザの顔に対して保持するものであり、
前記ユーザが前記マスクを着用している間、前記覆い材の前記下側部分を該ユーザの顔にぴったりと保持すべき場合は、該ユーザは、前記少なくとも1つの下側バンドストラップの接続を維持し、該ユーザが該マスクを着用している間、該覆い材の該下側部分を該ユーザの顔の前で自由に吊り下げるべき場合は、該ユーザは、該少なくとも1つの下側バンドストラップの接続を解除するものであるマスク。
【請求項2】
前記少なくとも1つの下側バンドストラップは、該下側バンドストラップを前記覆い部の前記下側部分に取外し自在に接続するための接続部を含むものである、請求項1に記載のマスク。
【請求項3】
各前記接続部は、ボタンまたはボタン穴、マジックテープ材、および、スナップの1つを含むものである、請求項2に記載のマスク。
【請求項4】
前記少なくとも1つの下側バンドストラップは、2つの該下側バンドストラップを含み、各々、前記覆い材の前記下側部分と前記少なくとも1つの主バンドストラップの両方に接続自在である、請求項2に記載のマスク。
【請求項5】
前記接続部は、前記覆い材の前記下側部分に取外し自在に接続するために、各前記下側バンドストラップの端部に設けられたものである、請求項4に記載のマスク。
【請求項6】
前記接続部は、前記少なくとも1つの主バンドストラップに取外し自在に接続するために、各前記下側バンドストラップの端部に設けられたものである、請求項4に記載のマスク。
【請求項7】
前記少なくとも1つの主バンドストラップは、前記ユーザの耳に接続するための2つの該主バンドストラップを含むものである、請求項1に記載のマスク。
【請求項8】
前記覆い材の前記上側部分は、前記ユーザが前記マスクを着用する間、該ユーザの鼻領域をぴったりと覆うように構成されたものであり、該覆い材の前記下側部分は、該ユーザが該マスクを着用し、前記少なくとも1つの下側バンドストラップが接続状態の間、該ユーザの口領域をぴったりと覆うように構成され、該ユーザが該マスクを着用し、該少なくとも1つの下側バンドストラップが分離状態の間、該ユーザの口領域の前で自由に吊り下げられるように構成されたものである、請求項1に記載のマスク。
【請求項9】
前記覆い材の前記下側部分は、張出し領域を両側に含み、前記少なくとも1つの下側バンドストラップは、該覆い材の該下側部分に、該張出し領域で取り付けられたものである、請求項1に記載のマスク。
【請求項10】
ユーザの鼻および口を含む顔の少なくとも一部をマスクで覆う方法において、
前記マスクは、
上側部分および下側部分を含む覆い材と、
前記覆い材を前記ユーザの顔に対して保持し、該覆い材の前記上側部分の上方側縁部に取り付けるための少なくとも1つの主バンドストラップを有する主バンド、および、該覆い材の前記下側部分に取り付けるための少なくとも1つの下側バンドストラップを有する下側バンドを含むバンドシステムと
を含み、
前記少なくとも1つの主バンドストラップは、前記上側部分の前記上方側縁部に常に取り付けられたままであり、前記方法は、
前記少なくとも1つの主バンドストラップを前記ユーザの頭部に固定して、該少なくとも1つの主バンドストラップが、前記覆い材の前記上側部分を該ユーザの顔に対して保持するようにする工程と、
選択的に、
i)前記ユーザが前記マスクを着用している間、前記覆い材の前記下側部分を該ユーザの顔に対してぴったりと保持すべき場合は、前記少なくとも1つの下側バンドストラップの接続を維持する工程、または、
ii)前記ユーザが前記マスクを着用している間、前記覆い材の前記下側部分を該ユーザの顔の前で自由に吊り下げるべき場合は、前記少なくとも1つの下側バンドストラップの接続を解除する工程と
を含む方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つの下側バンドストラップの接続を、選択的に、維持する工程および解除する工程は、取外し自在接続部を用いて実行されるものである、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
各前記接続部は、ボタンまたはボタン穴、マジックテープ材、および、スナップの1つを含むものである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つの下側バンドストラップは、2つの該下側バンドストラップを含み、各々、前記覆い材の前記下側部分と前記少なくとも1つの主バンドストラップの両方に接続自在である、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記接続部は、前記覆い材の前記下側部分に取外し自在に接続するために、各前記下側バンドストラップの端部に設けられたものである、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記接続部は、前記少なくとも1つの主バンドストラップに取外し自在に接続するために、各前記下側バンドストラップの端部に設けられたものである、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つの主バンドストラップは、前記ユーザの耳に接続するための2つの該主バンドストラップを含むものである、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記ユーザの鼻領域を、前記覆い材の前記上側部分でぴったりと覆う工程と、
i)前記少なくとも1つの下側バンドストラップを接続状態で維持することによって、前記ユーザの口領域を前記覆い材の前記下側部分でぴったりと覆う工程、または、
ii)前記ユーザが前記マスクを着用している間、前記少なくとも1つの下側バンドストラップを分離状態で配置することによって、前記覆い材の前記下側部分を該ユーザの口領域の前で自由に吊り下げるようにする工程のいずれかの工程と
を、更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
前記覆い材の前記下側部分は、張出し領域を両側に含み、前記少なくとも1つの下側バンドストラップは、該覆い材の該下側部分に、前記張出し領域で取り付けられるものである、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、呼吸用マスク、特に、ユーザおよびユーザの近くの人の両方を保護しながら、ユーザまたは着用者が飲食できるようにする呼吸用マスクに関する。
【背景技術】
【0002】
典型的には、コロナウイルス、並びに、一般的な風邪およびインフルエンザを発症させるものなどのウイルスは、人間の気道から吐き出されて空気中に浮遊する微粒子によって拡散されうる。人間が呼吸する空気中には、無数の他の汚染物質および細菌も存在する。そのようなウイルスまたは他の汚染物質の中で呼吸することで、コロナウイルス感染症、一般的な風邪、インフルエンザ、気管支炎、肺結核、および、多数の他の気道感染症などの感染症に罹りうる。ユーザの鼻、および/または、口を覆って、ユーザがウイルス、細菌、汚染物質などを吸い込むことと、ユーザが、それらを局所雰囲気中へ排出することの両方を防ぐために、様々なマスクが開発されてきた。
【0003】
典型的なマスクは、通常、織布または不織布材料の1つ以上の層から製作され、更に、ユーザの頭部または顔の周りを包むことを意図した1つ以上の弾性バンドなど、マスクをユーザの顔に固定するいくつかの手段を含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザが飲食したいか、他の態様で、ユーザの口に妨げられずにアクセスするには、典型的なマスクをユーザの顔から取り外さなければならない。その結果、マスクは、ユーザ、または、ユーザの近くの個人を、空気中に浮遊する汚染物質から保護しなくなる。
【0005】
本発明は、そのような典型的な呼吸用マスクにつきものである問題を軽減するか、および/または、防ぐものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ウイルス、細菌、汚染物質などを適切に濾過しつつ、ユーザが、選択的に、自由に飲食したり、他の形態で自分の口にアクセスしたりできる覆い部を含む呼吸用マスクを提供する。
【0007】
ここまでに記載した、および、他の本発明の目的、特徴、および、利点は、次の例示的な実施形態の詳細な記載から明らかになるものであり、添付の図面を参照して読むべきである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明による第1の実施形態のマスクを示す図であり、完全に接続されたバンドを示している。
【
図2】本発明による第1の実施形態のマスクを示す図であり、バンドが分離されたのを示している。
【
図3】本発明による第2の実施形態のマスクを示す図であり、分離された上側マスク覆い部と下側マスク覆い部、および、分離されたバンドを示している。
【
図4】本発明による第2の実施形態のマスクを示す図であり、取り付けられた上側マスク覆い部と下側マスク覆い部、および、分離されたバンドを示している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
まず、図面のうち、
図1、2を参照すると、本発明による呼吸用マスク10は、織布または不織布材料の1つ以上の層から形成された覆い部12を含む。覆い部は、呼吸用マスクを製作するのに典型的に用いられる織物など、任意の適した材料で製作される。覆い部は、着用者の鼻および口を完全に覆って、着用者が咳をしたり、くしゃみをしたり、他の態様で空気または他の流体を吐出しても、唾液、吐出物、または、他の汚染物質などの飛沫および微粒子が周囲の空気中に放出されないように設計される。そのために、覆い部は、矩形、または、ユーザの顔の一般的な形状に一致した形状など、任意の適した形状でありうる。覆い部12を、2つの領域である、鼻を覆う上側領域12Aおよび口を覆う下側領域12Bを有するものとして記載しうる。上側領域と下側領域は、必ずしも別個の部分ではないが、上側領域は、ユーザの鼻を覆うことを意図し、下側領域は、ユーザの口を覆うことを意図する。図示したように、上側領域12Aは、概して、矩形の形状で、ユーザの頬、鼻、および、上唇を覆い、下側領域12Bは、ユーザの口および顎に合うように先細である。この先細の形状は、下側領域12Bの両側で対称に張出し領域13を備えることによって実現しうる。
【0010】
マスク10は、覆い部12をユーザの頭部に固定して、ユーザの鼻および口を確実に覆うようにするバンド14、16を含む。バンド14、16は、覆い部12に、少なくとも6つの接続位置で、つまり、各側で、少なくとも3つの接続位置12-1、12-2、12-3で固定される。接続位置12-1、12-2は、概して、上側領域12Aの4つの角部に配置され、接続位置12-3は、下側領域12Bの縁部に配置される。下側領域12Bが先細の場合、接続位置12-3は、好ましくは、張出し領域13に位置する。バンド14は、覆い部12に、接続位置12-1、12-2で、任意の既知の方法で固定され、この接続は取外し自在ではない。これに対し、バンド16は、覆い部12に、接続位置12-3で、覆い部12上の接続部18およびバンド16上の相補的接続部20を用いて、任意の既知の方法で固定され、接続位置12-3での接続は取外し自在である。この取外し自在性は、接続部18、20の対を用いて、任意の既知の方法で実現しうる。限定するものではない例として、接続部18、20の対は、ボタンとボタン穴、凹凸のスナップまたはスタッド、マジックテープ(登録商標)(Velcro(商標))、クラスプなどでありうる。バンド14は、着用者の耳の上に、または、着用者の頭部の周りに取り付けられうる。各バンド16は、対応するバンド14に固定される。
【0011】
図示した実施形態において、2つのバンド14は、覆い部12の両側で、輪形状で備えられ、着用した時には、ユーザの耳の上で輪を形成しうる。本発明は、この設計に限定されず、バンド14が、覆い部12に、各側で2つ以上の位置で接続されて、ユーザの頭部に容易に固定しうる限りは、任意の形状のバンド14が適する。その代わりの設計は、例えば、単一の主ストリップを有する単一の一体型バンド14であって、主ストリップが両端で2つに分岐して、各側で2つの接続を提供するものを含みうる。この設計において、着用した時に、単一のバンドは、着用者の耳の周りで輪を形成するのではなく、ユーザの頭部の後側を包み込むようにしうる。更に、その代わりに、単一の一体型バンドは、2つに分岐する必要がなく、バラクラバまたはゲートルと同様の連続したバンドであり、但し、下側領域は、覆い部から取外し自在にしうる。更に、図示した実施形態において、バンド16を、各側で、対応するバンド14と相互接続した輪として示している。本発明は、この設計にも限定されず、更に詳しく後述するように、任意の形状のバンド16が適しうる。バンド14、16は、任意の適した弾性材料で製作しうるが、必ずしも、弾性である必要はない。任意の既存の取外し自在デバイス(例えば、バックル、スナップ、「マジックテープ」材、または、結び目)を用いて、バンドをユーザの頭部に取外し自在に固定した場合、バンドは、非弾性でありうる。
【0012】
使用時に最大の保護を行うために、ユーザは、覆い部12をバンド16に低い接続位置12-3で、相補的接続部18、20を用いて固定し、マスク10は、
図1に示すように、完全に接続される。次に、ユーザは、バンド14の輪を、自分の耳の周りに配置させて、領域12Aが確実にユーザの鼻の上に保持され、領域12Bが確実にユーザの口および顎の上に保持されるようにする。着用者が飲食したいか、任意の他の理由で、自分の口にアクセスできるようにしたい時には、マスクを着用したままで、ユーザは、
図2に示すように、バンド16を低い接続位置12-3で取り外して、覆い部12の下側領域12Bが自由に吊り下がるか、垂れ下がるようにして、ユーザの口にアクセス可能にしうる。これと同時に、バンド14は、4つの他の接続位置12-1、12-2で取り付けられたままで、上側領域12Aをユーザの鼻の上でぴったりと保持する。垂れ下がっている間も、覆い部の下側領域12Bは、ユーザの口を、ある程度保護し、ユーザの咳や、くしゃみからなどの吐出物および唾液の飛沫および微粒子が外に向かって放出されるのを防ぎうる。
【0013】
図示した実施形態において、バンド14、16は弾性で、バンド16は、バンド14に接続されて、バンド16はユーザの耳にバンド14を介して接続される。更に、図示した実施形態において、各バンド16は、対応するバンド14の周りで輪を形成して、2つのバンド間で相対移動を可能にし、マスク10を、個々のユーザの頭部サイズおよび形状に合わせて容易に調節可能にする。更に、取外し自在接続を、覆い部12とバンド14との取付け位置で提供しうる。本発明は、これらの特定の設計に限定されない。例えば、バンド16は、ユーザに、バンド14を介して接続される必要はなく、ユーザの耳に直に取り付けられるか、または、バンド16がユーザの耳の近くにある状態で共通の接続を共有しうる。更に、バンド16は、バンド14に固定接続されるか、または、取外し自在に接続されうる。その点について、接続部18、20を用いた取外し自在接続は、接続位置12-3である必要はなく、接続位置12-3とユーザの頭部の間の任意の位置に配置されうる。例えば、取外し自在接続は、バンド16がバンド14に接続される位置で提供されか、または、バンド16がユーザの耳に直に接続される場合は、その位置で提供されうる。
【0014】
第2の実施形態を、
図3、4に示している。第1の実施形態と同様の構成要素には、同じ参照符号を振り、更なる記載を行わない。第2の実施形態において、覆い部は、2つの別々の部分である、上側覆い部22および下側覆い部24から形成される。第1の実施形態における上側および下側領域と同様に、上側覆い部22は、ユーザの鼻を覆うことを意図し、下側覆い部24は、ユーザの口を覆うことを意図する。更に、第1の実施形態と同様に、上側覆い部22は、概して、矩形の形状で、ユーザの頬、鼻、および、上唇を覆い、下側覆い部24は、ユーザの口および顎に合うように先細で、それらを覆う。上側覆い部は、その上側および下側角部で、バンド14に接続位置22-1、22-2で接続され、下側覆い部24は、その下方側縁部で、バンド16に接続位置24-1で接続される。下側覆い部24の片面の上側縁部と、上側覆い部22の反対面の下側縁部とは、好ましくは、縁部の全長に延伸する「マジックテープ」材(「Velcro」)ストリップ26、28などの任意の適した手段によって、取外し自在に接続される。これにより、着用者は、上側覆い部22と下側覆い部24とを、部分的に、または、完全に(
図3を参照)分離することが可能になる。部分的に分離した場合、2つの覆い部22、24の間に、孔または間隙が形成されて、ユーザの口へ限定的アクセスが可能になり、例えば、ストローを挿入しうる。第1の実施形態のように、ユーザの鼻を上側覆い部22によって完全に保護したまま、下側覆い部24をバンド16から取り外して、下側覆い部が垂れ下がることを可能にしうる。更に、バンド16から取り外した場合、上側覆い部22を着用したまま、下側覆い部24を、取外し自在接続部26、28で分離して、ユーザの顔から完全に取り外しうる。
【0015】
ここまで記載した実施形態に、更なる変更を行いうる。例えば、下側領域をバンド16から分離した場合、ユーザの口の上に垂れ下がることを意図するが、あるデバイスを下側領域12Bまたは下側覆い部24と関連させて、下側領域または覆い部をユーザの口から離れるように付勢して、より自由なアクセスを可能にしうる。このデバイスは、下側領域12Bまたは下側覆い部24の縁部または中間部に沿って垂直方向に組み込まれた比較的弱く細長い弾性ばね、または、突っ張り部の形状でありうる。バンド16を覆い部から取り外すと、ばね、または、突っ張り部は、真っすぐになり、更に、外側に曲がって、下側領域または覆い部をユーザの口から離れるように付勢するが、それでも、垂直方向から大きく超えて付勢されることはなく、下側領域または覆い部は、水平方向には、ユーザの口の前に位置する。バンド16を外した時に、ユーザの頭部が急に移動したり、ユーザが風に吹かれたりしても、この設計は、下側領域または覆い部をユーザの口から離したままにしうる。他の変更例として、下側領域12Bまたは下側覆い部24の底部を重み付けして、バンド16を取り外した時に、下側領域または覆い部が垂直に吊り下がるのを可能にしうる。重み付けは、下側領域または覆い部の下側縁部の近くで重み付けした部材を組み込むか、接続部18を重み付けして、2つの目的を有するようにすることによって実現しうる。既に記載した変更例と同様に、重み付けは、下側領域または覆い部がユーザの口から離れて、それでも、ユーザの口の前にあるままにするのを助けうる。
【0016】
本明細書で、本発明の例示的な実施形態を添付の図面を参照して記載したが、本発明は、それらの詳細な実施形態に限定されず、当業者は、本発明の範囲および精神を逸脱することなく、様々な変形および変更を行いうると理解すべきである。
【符号の説明】
【0017】
12 覆い部
14、16 バンド
18、20 接続部
22 上側覆い部
24 下側覆い部
【国際調査報告】