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特表2023-541729テンション無段調節式カウンタウェイト付き発電機構及びそれを備えたフィットネス機器
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  • 特表-テンション無段調節式カウンタウェイト付き発電機構及びそれを備えたフィットネス機器 図1
  • 特表-テンション無段調節式カウンタウェイト付き発電機構及びそれを備えたフィットネス機器 図2
  • 特表-テンション無段調節式カウンタウェイト付き発電機構及びそれを備えたフィットネス機器 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-04
(54)【発明の名称】テンション無段調節式カウンタウェイト付き発電機構及びそれを備えたフィットネス機器
(51)【国際特許分類】
   A63B 21/005 20060101AFI20230927BHJP
   A63B 22/06 20060101ALI20230927BHJP
【FI】
A63B21/005
A63B22/06
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021568484
(86)(22)【出願日】2021-08-10
(85)【翻訳文提出日】2021-11-12
(86)【国際出願番号】 CN2021111794
(87)【国際公開番号】W WO2023010595
(87)【国際公開日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】202110882159.0
(32)【優先日】2021-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521498678
【氏名又は名称】上海寅生科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100130993
【弁理士】
【氏名又は名称】小原 弘揮
(72)【発明者】
【氏名】李寅生
(72)【発明者】
【氏名】秦▲鵬▼▲飛▼
(57)【要約】
本発明は、バンドと、巻付ドラムと、取付台と、中心軸と、発条と、発電機と、調節器とを備えるテンション無段調節式カウンタウェイト付き発電機構であって、バンドの一端が巻付ドラムに連結され、バンドの一部が巻付ドラムの外周壁に巻き付けられ、巻付ドラムが回転自在に取付台に連結され、発条の外端が巻付ドラムに連結され、その内端が取付台に連結され、中心軸が回転自在に取付台に設けられ、巻付ドラムが一方向に回転自在に中心軸に外嵌されて、バンドが巻付ドラムを回転駆動する場合、中心軸が巻付ドラムとともに回転し、同時に発条が巻き上げられ、中心軸が発電機のモータ軸に連結され、調節器が発電機に連結されるテンション無段調節式カウンタウェイト付き発電機構及びそれを備えたフィットネス機器を開示している。本機構は、テンションをかける過程と発電過程とを有機的に結合させるものであり、調節器で発電機のモータ軸の回転減衰を調整して実質的にテンションを調整する。これにより、テンションの無段調節を実現できるだけでなく、トレーニング過程で人体が消耗した化学エネルギーを電気エネルギーに変換して用いることもできる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バンドと、巻付ドラムと、取付台と、中心軸と、発条と、発電機と、調節器とを備えるテンション無段調節式カウンタウェイト付き発電機構であって、
前記バンドの一端が前記巻付ドラムに連結され、前記バンドの一部が前記巻付ドラムの外周壁に巻き付けられ、
前記巻付ドラムが回転自在に前記取付台に連結され、前記発条の外端が前記巻付ドラムに連結され、その内端が前記取付台に連結され、
前記中心軸回転が前記取付台に設けられ、前記巻付ドラムが一方向に回転自在に前記中心軸に外嵌されて、前記バンドが前記巻付ドラムを回転駆動する場合、前記中心軸が前記巻付ドラムとともに回転し、同時に前記発条が巻き上げられ、
前記中心軸が前記発電機のモータ軸に連結され、前記調節器が前記発電機に連結されることを特徴とする、テンション無段調節式カウンタウェイト付き発電機構。
【請求項2】
前記巻付ドラムの外周壁に螺旋溝が設けられており、前記バンドが前記螺旋溝に収納され得ることを特徴とする、請求項1に記載のテンション無段調節式カウンタウェイト付き発電機構。
【請求項3】
前記巻付ドラムと前記中心軸との間に一方向ベアリングが設けられていることを特徴とする、請求項1に記載のテンション無段調節式カウンタウェイト付き発電機構。
【請求項4】
前記巻付ドラムの軸方向の一端の端面が前記巻付ドラムの軸方向に内部に凹んで環状の第1段差溝を形成し、前記第1段差溝の溝面が前記巻付ドラムの軸方向に内部に凹んで環状の第2段差溝を形成し、前記第2段差溝の溝面が前記巻付ドラムの軸方向に内部に凹んで環状の第3段差溝を形成し、
前記発条が前記第1段差溝に設けられ、前記一方向ベアリングが前記第2段差溝に設けられ前記中心軸に外嵌され、第1ローラーベアリングが前記第3段差溝に設けられ前記中心軸に外嵌されることを特徴とする、請求項3に記載のテンション無段調節式カウンタウェイト付き発電機構。
【請求項5】
前記取付台は、保護カバーと、コネクタとを備え、前記中心軸が回転自在に前記コネクタに設けられ、前記保護カバーが前記巻付ドラムに被覆設置され前記コネクタに連結され、前記保護カバーに前記バンドを貫通させるための通し溝が設けられており、前記発条がそれぞれ、前記保護カバーと前記巻付ドラムに連結されることを特徴とする、請求項1に記載のテンション無段調節式カウンタウェイト付き発電機構。
【請求項6】
前記保護カバーは、蓋と、ハウジングと、フランジとを備え、前記ハウジングは環状であり、前記ハウジングに前記通し溝が設けられており、前記ハウジングが前記巻付ドラムに被覆設置され、前記ハウジングの軸方向の一端に前記蓋が設けられており、軸方向の他端の外周縁に前記フランジが設けられており、前記フランジと前記コネクタとが脱着可能に連結され、前記蓋の内側面に支持ブロックが設けられており、前記発条が前記支持ブロックに外嵌され、前記発条の外端が前記巻付ドラムの内周壁に連結され、その内端が前記支持ブロックに連結されることを特徴とする、請求項5に記載のテンション無段調節式カウンタウェイト付き発電機構。
【請求項7】
前記中心軸と前記発電機との間に設けられる加速機構をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載のテンション無段調節式カウンタウェイト付き発電機構。
【請求項8】
前記加速機構は、入力軸が前記中心軸に連結され、出力歯車が前記発電機のモータ軸に連結される遊星加速器を備えることを特徴とする、請求項7に記載のテンション無段調節式カウンタウェイト付き発電機構。
【請求項9】
前記調節器に連結されるエネルギー貯蔵電池をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載のテンション無段調節式カウンタウェイト付き発電機構。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載のテンション無段調節式カウンタウェイト付き発電機構を備えることを特徴とする、フィットネス機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィットネス器具の分野に関し、特にテンション無段調節式カウンタウェイト付き発電機構及びそれを備えたフィットネス機器に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、テンションフィットネス器具には全てカウンタウェイト構造が設けられている。従来のカウンタウェイト構造は一般的に釣合重りであり、即ち、幾つかの釣合重りが、固定されたシュートに積み重なる。シュートには固定したガイドレールが2本設けられており、各釣合重りは全てガイドレールに外嵌されガイドレールにスライド可能である。そして、1本のテンションバーは上から下へ全ての釣合重りを貫通し、テンションバーにおける固定のプラグ孔が各釣合重りの中間におけるプラグ孔に対応する。トレーニング時にテンションバーを引っ張り上下に運動することでテンションのトレーニングを実現できる。なかでも、プラグを異なる釣合重りの中間における孔及びテンションバーにおける対応する孔に差し込んで、テンションバーと釣合重りとを固定することにより、トレーニング過程におけるテンションの大きさの調整を実現できる。
【0003】
このような構造は多くのデメリットがある。例えば、このようなカウンタウェイト構造に複数の釣合重りを予め設置しておく必要があることにより、フィットネス機器そのものの重量が非常に大きく、かつテンション調整過程が煩雑であり、フィットネス機器が静止状態で操作しなければならない。操作過程でプラグを調整して釣合重りに差し込みテンションバーを貫通することで、固定を行う目的を達成し、その都度調整する過程で全てプラグの抜き差し調整をしなければならないので、プラグを差し込みにくく、差し込む過程で摩擦力が大きい等の問題が現れる。その上、従来のフィットネス器具の釣合重りの重量が一定であり、テンションの大きさを調整する場合、固定のテンション値を選択することしかできず、任意のテンションの大きさを調整できず、トレーニング過程でテンションの範囲を正確に調整すること等を満足できず、かつトレーニング過程で生じた種々の運動エネルギーを収集していない。従って、新規の調整機構を設計する必要がある。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、少なくとも従来技術に存在する課題の一つを解決することを目的とする。このため、本発明の一つの目的は、テンション無段調節式カウンタウェイト付き発電機構及びそれを備えたフィットネス機器を提供することである。
【0005】
本発明の技術的手段は下記の通りである。バンドと、巻付ドラムと、取付台と、中心軸と、発条と、発電機と、調節器とを備えるテンション無段調節式カウンタウェイト付き発電機構であって、
前記バンドの一端が前記巻付ドラムに連結され、前記バンドの一部が前記巻付ドラムの外周壁に巻き付けられ、
前記巻付ドラムが回転自在に前記取付台に連結され、前記発条の外端が前記巻付ドラムに連結され、その内端が前記取付台に連結され、
前記中心軸回転が前記取付台に設けられ、前記巻付ドラムが一方向に回転自在に前記中心軸に外嵌されて、前記バンドが前記巻付ドラムを回転駆動する場合、前記中心軸が前記巻付ドラムとともに回転し、同時に前記発条が巻き上げられ、
前記中心軸が前記発電機のモータ軸に連結され、前記調節器が前記発電機に連結されるテンション無段調節式カウンタウェイト付き発電機構。
【0006】
さらに、前記巻付ドラムの外周壁に螺旋溝が設けられており、前記バンドが前記螺旋溝に収納され得る。
【0007】
さらに、前記巻付ドラムと前記中心軸との間に一方向ベアリングが設けられている。
【0008】
さらに、前記巻付ドラムの軸方向の一端の端面が前記巻付ドラムの軸方向に内部に凹んで環状の第1段差溝を形成し、前記第1段差溝の溝面が前記巻付ドラムの軸方向に内部に凹んで環状の第2段差溝を形成し、前記第2段差溝の溝面が前記巻付ドラムの軸方向に内部に凹んで環状の第3段差溝を形成し、
前記発条が前記第1段差溝に設けられ、前記一方向ベアリングが前記第2段差溝に設けられ前記中心軸に外嵌され、第1ローラーベアリングが前記第3段差溝に設けられ前記中心軸に外嵌される。
【0009】
さらに、前記取付台は、保護カバーと、コネクタとを備え、前記中心軸が回転自在に前記コネクタに設けられ、前記保護カバーが前記巻付ドラムに被覆設置され前記コネクタに連結され、前記保護カバーに前記バンドを貫通させるための通し溝が設けられており、前記発条がそれぞれ、前記保護カバーと前記巻付ドラムに連結される。
【0010】
さらに、前記保護カバーは、蓋と、ハウジングと、フランジとを備え、前記ハウジングは環状であり、前記ハウジングに前記通し溝が設けられており、前記ハウジングが前記巻付ドラムに被覆設置され、前記ハウジングの軸方向の一端に前記蓋が設けられており、軸方向の他端の外周縁に前記フランジが設けられており、前記フランジと前記コネクタとが脱着可能に連結され、前記蓋の内側面に支持ブロックが設けられており、前記発条が前記支持ブロックに外嵌され、前記発条の外端が前記巻付ドラムの内周壁に連結され、その内端が前記支持ブロックに連結される。
【0011】
さらに、前記中心軸と前記発電機との間に設けられる加速機構をさらに備える。
【0012】
さらに、前記加速機構は、入力軸が前記中心軸に連結され、出力歯車が前記発電機のモータ軸に連結される遊星加速器を備える。
【0013】
さらに、前記調節器に連結されるエネルギー貯蔵電池をさらに備える。
【0014】
上述したテンション無段調節式カウンタウェイト付き発電機構を備えることを特徴とする、フィットネス機器。
【0015】
従来技術に比べ、本発明の効果は下記の通りである。
【0016】
従来技術における釣合重り付きフィットネス機器がプラグでテンションを調整する方式とは異なり、ここで出願者は新しい道を切り開き、創造的に新規のテンション調整機構を設計している。当該機構は、テンションをかける過程と発電過程とを有機的に結合させるものであり、調節器で発電機のモータ軸の回転減衰を調整して実質的にテンションを調整する。これにより、テンションの無段調節を実現し、テンション調整の柔軟性を向上し、異なるユーザの異なるトレーニング要求を満たすことができるだけでなく、トレーニング過程で人体が消耗した化学エネルギーを電気エネルギーに変換して用い、エネルギーの無駄遣いを回避することもでき、一挙両得である。調整過程全体は簡単であり、使用しやすく、かつこの構造形態では釣合重りを用いる必要がなく、装置の重量を大幅に軽減したことで、装置の構造が小型となり、輸送取付が便利に行われるようになる。
【0017】
本発明の追加部分及びメリットは以下の説明において一部開示されており、一部が以下の説明から顕著となり、又は本発明の実践により判明される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明の実施形態又は従来技術中の技術的手段をより明確に説明するために、以下に実施形態又は従来技術の解説における使用する必要のある添付図面を簡単に説明する。明らかに、以下の解説における添付図面は本発明の幾つかの実施形態に過ぎず、当業者にとって、創造的工夫をすることなく、さらにこれらの添付図面に応じて他の添付図面を得ることができる。
図1】本発明の斜視図である。
図2】本発明の断面図である。
図3】本発明の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態の目的、技術的手段及びメリットがより明らかになるように、以下、本発明の実施形態中の添付図面を参照しながら、本発明の実施形態中の技術的手段を明確で完全に説明する。明らかに、説明される実施形態は本発明の一部の実施形態であり、全ての実施形態ではない。本発明中の実施形態に基づき、当業者が創造的な工夫をせずに得られた全ての他の実施形態は、全て本発明の保護範囲に属する。
【0020】
以下に本発明の実施形態を詳しく説明し、実施形態の例を添付図面に示す。中でも、同一又は同様の符号はいつも同一又は同様の部品、又は同一又は同様の機能を有する部品を示す。本発明の説明では、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「内」、「外」、「縦方向」、「周方向」、「径方向」、「軸方向」等で示される方位又は位置関係は、添付図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本発明について、説明の便宜上、また、説明を簡略化するために使用されるものに過ぎず、示される装置又はユニットが所定の方位を有し、所定の方位で構成、操作しなければならないことを指示したり、暗示したりしないものと理解される。そのため、本発明を制限するものとは考えられない。
【0021】
本発明において、明確に規定及び限定しない限り、「取り付けられる」、「連結される」、「接続される」、「固定される」などの用語は、広い意味で理解すべきである。例えば、固定して接続されてもよく、着脱可能に接続されてもよく、又は一体に接続されてもよい。機械的に接続されてもよく、電気的に接続されてもよい。直接連結されてもよく、中間媒介を介して間接的に連結されてもよく、2つの構成要素の内部が連通してもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて、上記用語の本発明における具体的な意味を理解することができる。
【0022】
本発明の説明では、「第1特徴」、「第2特徴」は、1つ又はそれ以上の当該特徴を含んでもよい。なお、「第1」、「第2」は目的を説明するためのものに過ぎず、相対的な重要性を指示したり、暗示したりするもの、又は指示される技術的特徴の数量を暗示するものとして理解できない。これにより、「第1」、「第2」で限定した特徴は、1つ又はそれ以上の当該特徴を含んでいることを明示又は暗示できる。
【0023】
以下に図1図3の説明を参照する。本発明の実施形態によれば、テンション無段調節式カウンタウェイト付き発電機構は、バンド1と、巻付ドラム2と、取付台と、中心軸4と、発条6と、発電機11と、調節器13とを備える。ここで述べられている調節器13は、発電機11のモータ軸の回転減衰を調整できる調節器13を言う。調節器13に調整ノブ16が設けられており、調整ノブ16を回転することで、発電機11のモータ軸の回転減衰を調整することができる。
【0024】
図2及び図3に示すように、バンド1の一端が巻付ドラム2に連結され、バンド1の一部が巻付ドラム2の外周壁に巻き付けられ、巻付ドラム2が回転自在に取付台に連結され、発条6の外端が巻付ドラム2に連結され、その内端が取付台に連結され、
中心軸4が回転自在に取付台に設けられ、巻付ドラム2が一方向に回転自在に中心軸4に外嵌され、バンド1が巻付ドラム2を回転駆動する場合、中心軸4が巻付ドラム2とともに回転し、同時に発条6が巻き上げられ、中心軸4が発電機11のモータ軸に連結され、調節器13が発電機11に連結される。
【0025】
具体的には、ここで一方向回転とは、巻付ドラム2が中心軸4に対して回転する場合、一つの方向のみに自由に回転でき、逆方向にロックされることを言う。自由に回転できる場合、巻付ドラム2と中心軸4は互いに影響せず、ロックされる場合、巻付ドラム2と中心軸4は同期して回転することができる。
【0026】
それでは、実際の応用において、テンションでバンド1が引っ張られて移動する場合、バンド1と巻付ドラム2との間の作用力は巻付ドラム2を回転駆動する。この場合、巻付ドラム2の回転方向は、中心軸4とロックするようにされるので、回転する過程で、発条6を巻き上げるだけでなく、同時に中心軸4を回転駆動することもできる。中心軸4が発電機11に連結されるので、中心軸4が回転する場合、発電機11を動かして発電させることができる。この過程で、調節器13を介して発電機11のモータ軸の回転減衰の大きさを調整することができ、そして、バンド1にフィードバックすれば、かけられたテンションの大きさを変更して、テンションに対する無段調節を実現することができる。テンションを取り除いた後、巻き上げられた発条6は貯蔵した弾性ポテンシャルエネルギーを放出し始め、巻付ドラム2を逆方向に回転駆動する。この場合、巻付ドラム2は、回転方向が中心軸4と自由に回転するようにされるので、中心軸4を回転駆動せず、バンド1を回収してリセットを実現させることしかできない。
【0027】
上述したように、従来技術における釣合重り付きプラグでテンションを調整する方式とは異なり、ここで出願者は新しい道を切り開き、創造的に新規のテンション調整機構を設計している。当該機構は、テンションをかける過程と発電過程とを有機的に結合させるものであり、調節器13で発電機11のモータ軸の回転減衰を調整して実質的にテンションを調整する。これにより、テンションの無段調節を実現し、テンション調整の柔軟性を向上し、異なるユーザの異なるトレーニング要求を満たすことができるだけでなく、トレーニング過程で人体が消耗した化学エネルギーを電気エネルギーに変換して用い、エネルギーの無駄遣いを回避することもでき、一挙両得である。調整過程全体は簡単であり、使用しやすく、かつこの構造形態では釣合重りを用いる必要がなく、装置の重量を大幅に軽減したことで、装置の構造が小型となり、輸送取付が便利に行われるようになる。
【0028】
以下、本装置の具体的構造を詳しく説明する。
【0029】
本実施形態において、図2に示すように、巻付ドラム2の外周壁に螺旋溝が設けられており、バンド1が螺旋溝に収納され得る。これにより、バンド1が乱れにくい。
【0030】
本実施形態において、図2に示すように、巻付ドラム2と中心軸4との間に一方向ベアリング3が設けられている。これにより、巻付ドラム2と中心軸4の一方向回転を実現できる。
【0031】
本実施形態において、図2に示すように、巻付ドラム2の軸方向の一端の端面が巻付ドラム2の軸方向に内部に凹んで環状の第1段差溝を形成し、第1段差溝の溝面が巻付ドラム2の軸方向に内部に凹んで環状の第2段差溝を形成し、第2段差溝の溝面が巻付ドラム2の軸方向に内部に凹んで環状の第3段差溝を形成し、発条6が第1段差溝に設けられ、一方向ベアリング3が第2段差溝に設けられ中心軸4に外嵌され、第1ローラーベアリング5が第3段差溝に設けられ中心軸4に外嵌される。設けられる段差溝は、主として、収容及び位置決めの役割を果たしており、発条6と軸受け等を取り付けやすくなる。
【0032】
本実施形態において、図2及び図3に示すように、取付台は、保護カバー7と、コネクタ9とを備え、中心軸4が第2ローラーベアリング8を介して回転自在にコネクタ9に設けられ、保護カバー7が巻付ドラム2に被覆設置されコネクタ9に連結され、保護カバー7にバンド1を貫通させるための通し溝が設けられており、発条6がそれぞれ、保護カバー7と巻付ドラム2に連結される。設けられる保護カバー7は取付台を保護する役割を果たしている。
【0033】
具体的には、図2を参照する。保護カバー7は、蓋と、ハウジングと、フランジとを備える。ハウジングは環状であり、その上に通し溝が設けられており、巻付ドラム2に被覆設置される。ハウジングの軸方向の一端に蓋が設けられており、軸方向の他端の外周縁にフランジが設けられており、フランジとコネクタ9とが脱着可能に連結され、蓋の内側面に支持ブロックが設けられており、発条6が支持ブロックに巻き上げられ、発条6の外端が巻付ドラム2の内周壁に連結され、その内端が支持ブロックに連結される。保護カバー7とコネクタ9とが脱着可能に連結されるようにして、保護カバー7を着脱しやすくなり、保護カバー7の蓋に設けられる支持ブロックにより、渦巻状の発条6を取り付けやすくなる。
【0034】
本実施形態において、図2に示すように、中心軸4と発電機11との間に設けられる加速機構をさらに備える。設けられる加速機構は発電機11のモータ軸の回転数を向上することに使用され、発電効率を向上しやすくなる。実際の応用において、加速機構は、入力軸が中心軸4に連結され、出力歯車が発電機11のモータ軸に連結される遊星加速器10を備え、コネクタ9が遊星加速器10のハウジングに連結される。もちろん、加速機構は別の構造形態であってもよく、ここでは制限されない。
【0035】
本実施形態において、図2に示すように、調節器13に連結されるエネルギー貯蔵電池15をさらに備える。ここで調節器13は、主として、発電機が電気エネルギーを発生するのに電圧を調整し安定化する役割を果たしており、エネルギー貯蔵電池15に安定したエネルギー貯蔵条件を提供する。実際の応用において、発電機11と調節器13は発電機のワイヤ12を介して連結され、エネルギー貯蔵電池15と調節器13はエネルギー貯蔵ワイヤ14を介して連結され、発電機11から発生した電気エネルギーは調節器13を介して電圧を適切な値に調整した後、使用に備えるように、エネルギー貯蔵ワイヤ14を介して電気エネルギーをエネルギー貯蔵電池15に貯蔵する。
【0036】
上述したテンション無段調節式カウンタウェイト付き発電機構を備えるフィットネス機器。
【0037】
なお、本明細書の説明において、「テンション」とは、バンド1に作用する外部主動力であり、当該作用力がバンド1にかけられて、バンド1をぴんと張り、それを引っ張って移動させることができるので、「テンション」を手の動作がフィットネス器具に作用して発生するものとして簡単に理解できない。フィットネス器具の種類に応じて、足の動作がフィットネス器具に作用して前記テンションを発生してもよいので、本出願ではテンションの源が具体的に限定されない。
【0038】
以上に本発明の実施形態を開示説明したが、当業者は、本発明の原理及び趣旨を逸脱することなく、上記実施形態について、種々の変更、修飾、置換及び変形を行うことができ、本発明の範囲が特許請求の範囲及びその等価物によって限定されることが自明である。
【符号の説明】
【0039】
1 バンド
2 巻付ドラム
3 一方向ベアリング
4 中心軸
5 第1ローラーベアリング
6 発条
7 保護カバー
8 第2ローラーベアリング
9 コネクタ
10 遊星加速器
11 発電機
12 発電機のワイヤ
13 調節器
14 エネルギー貯蔵ワイヤ
15 電池
16 調整ノブ
図1
図2
図3
【国際調査報告】