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特表2023-541750チェーン搬送機構および物品仕分けシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-04
(54)【発明の名称】チェーン搬送機構および物品仕分けシステム
(51)【国際特許分類】
   B65G 17/12 20060101AFI20230927BHJP
   B65G 47/46 20060101ALI20230927BHJP
【FI】
B65G17/12 Z
B65G47/46 H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022572761
(86)(22)【出願日】2021-03-23
(85)【翻訳文提出日】2022-12-26
(86)【国際出願番号】 CN2021082453
(87)【国際公開番号】W WO2022057228
(87)【国際公開日】2022-03-24
(31)【優先権主張番号】202010997442.3
(32)【優先日】2020-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520208203
【氏名又は名称】ベイジン・ジンドン・チアンシ・テクノロジー・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】▲單▼ 文君
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ 明福
(72)【発明者】
【氏名】宋 国▲庫▼
【テーマコード(参考)】
3F015
3F034
【Fターム(参考)】
3F015AA06
3F015FA02
3F015GA01
3F034FA05
3F034FB07
3F034FC05
(57)【要約】
本開示は、仕分けの技術分野に関し、詳細にはチェーン搬送機構および物品仕分けシステムに関する。本開示により提供されるチェーン搬送機構は、チェーンおよびスプロケットを備えるチェーン伝動機構であって、チェーンが、スプロケットにより駆動されて回転する、チェーン伝動機構と、チェーン上に配置され、チェーンと共に回転するカートであって、カートがカート本体とカート本体の対向する2つの側部に対して連結された2つのホイール群と、を備え、ホイール群のそれぞれがカート本体の同一側にて間隔をおいて配置された第1のホイールおよび第2のホイールを備える、カートと、ホイール群と1対1の対応関係にあるリンケージ機構であって、リンケージ機構のそれぞれが第1のホイールおよび第2のホイールにチェーンを連結し、第1のホイールと第2のホイールとの間の距離を変更するために第1のホイールおよび第2のホイールが相互に対して揺動することを可能にする、リンケージ機構と、を備える。かかる基本に基づき、スプロケットにおけるカートの進行方向転換の安定性が効果的に改善される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チェーン搬送デバイス(10)であって、
チェーン(11)およびスプロケット(12)を備えるチェーン伝動機構(1)であって、前記チェーン(11)は、前記スプロケット(12)により駆動されて回転するように構成される、チェーン伝動機構(1)と、
前記チェーン(11)上に配置され、前記チェーン(11)と共に回転可能であるカート(2)であって、前記カート(2)は、カート本体(21)と、前記カート本体(21)の対向する2つの側部に対して連結された2つのホイール群(22)と、を備え、前記ホイール群(22)のそれぞれが、前記カート本体(21)の同一側にて間隔をおいて配置された第1のホイール(23)および第2のホイール(24)を備える、カート(2)と、
前記ホイール群(22)と1対1の対応関係にあるリンケージ機構(3)であって、前記リンケージ機構(3)のそれぞれが、前記第1のホイール(23)および前記第2のホイール(24)に前記チェーン(11)を連結し、前記第1のホイール(23)と前記第2のホイール(24)との間の距離を変更するために前記第1のホイール(23)および前記第2のホイール(24)が相互に対して揺動することを可能にする、リンケージ機構(3)と、
を備える、チェーン搬送デバイス(10)。
【請求項2】
前記リンケージ機構(3)は、支持ベース(31)、スイングアーム(32)、第1のシャフト(33)、および第2のシャフト(34)を備え、前記支持ベース(31)は、前記チェーン(11)と前記ホイール群(22)との間に位置し、かつ前記カート本体(21)に対して連結され、前記第1のシャフト(33)は、前記支持ベース(31)を通過し、かつ前記第1のホイール(23)に前記チェーンを連結し、前記スイングアーム(32)の第1の端部が、揺動的に前記支持ベース(31)に対して連結され、前記第2のシャフト(34)は、前記スイングアーム(32)の前記第1の端部の対向側の第2の端部を通過し、かつ前記第2のホイール(24)に前記チェーン(11)を連結する、請求項1に記載のチェーン搬送機構(10)。
【請求項3】
前記リンケージ機構(3)は、スイングシャフト(35)を備え、前記スイングシャフト(35)は、前記支持ベース(31)に対して回転可能に連結され、前記スイングシャフト(35)は、回転不能に前記スイングアーム(32)の前記第1の端部に対して連結される、請求項2に記載のチェーン搬送機構(10)。
【請求項4】
前記スイングアーム(32)の前記第1の端部は、連結穴(321)を備え、前記連結穴(321)の前記カート本体(21)から離れた一方の端部が、偏長であり、前記スイングシャフト(35)は、偏長部分(352)を備え、前記偏長部分(352)は、前記連結穴(321)の前記カート本体(21)から離れた一方の端部と協働して、前記スイングシャフト(35)と前記スイングアーム(32)の前記第1の端部との間に回転不能連結部を実現する、請求項2または3に記載のチェーン搬送機構(10)。
【請求項5】
前記支持ベース(31)には、制限部分(31e)が設けられ、前記制限部分(31e)は、前記スイングアーム(32)の揺動変位を制限する、請求項2から4のいずれか一項に記載のチェーン搬送機構(10)。
【請求項6】
前記制限部分(31e)は、制限溝(313)を備え、前記制限溝(313)の側壁部には、切欠部(313a)が設けられ、前記スイングアーム(32)の前記第1の端部は、前記制限溝(313)内に収容され、前記スイングアーム(32)の前記第2の端部は、前記切欠部(313a)から延出し、前記制限溝(313)の前記側壁部は、前記スイングアーム(32)の揺動変位を制限する、請求項5に記載のチェーン搬送機構(10)。
【請求項7】
前記リンケージ機構(3)は、第3のシャフト(38)および第4のシャフト(39)を備え、前記支持ベース(31)は、前記第3のシャフト(38)および前記第4のシャフト(39)を介して前記カート本体(21)に対して連結される、請求項2から6のいずれか一項に記載のチェーン搬送機構(10)。
【請求項8】
前記支持ベース(31)には、連結カラム(316)、第1の穴部分(314)、および第2の穴部分(315)が設けられ、前記リンケージ機構(3)は、協働ベース(36)および制限ピース(37)を備え、前記協働ベース(36)には、貫通穴(361)、第3の穴部分(363)、および第4の穴部分(364)が設けられ、前記連結カラム(316)は、回転不能に前記貫通穴(361)に挿入され、前記第3の穴部分(363)は、前記第1の穴部分(314)と協働して、閉じられた第1の取付穴(36a)を形成し、前記第4の穴部分(364)は、前記第2の穴部分(315)と協働して、閉じられた第2の取付穴(36b)を形成し、前記第3のシャフト(38)および前記第4のシャフト(39)は、前記第1の取付穴(36a)および前記第2の取付穴(36b)にそれぞれ挿入され、前記制限ピース(37)は、前記第3のシャフト(38)および前記第4のシャフト(39)の軸方向変位を制限する、請求項7に記載のチェーン搬送機構(10)。
【請求項9】
前記連結カラム(316)には、突出部分(317)が設けられ、前記突出部分(317)は、前記連結カラム(316)から前記連結カラム(316)の径方向外方側部に向かって延在し、前記貫通穴(361)には、溝(362)が設けられ、前記溝(362)は、前記貫通穴(361)の側壁部から前記貫通穴(361)の径方向外方側部に向かって凹状をなし、前記突出部分(317)は、前記溝(362)と協働して前記連結カラム(316)および前記貫通穴(361)の相対回転を制限する、ならびに/または
前記制限ピース(37)は、本体部分(371)、第1のクランプリング(372)、および第2のクランプリング(373)を備え、前記本体部分(371)は、前記協働ベース(36)上にクランプされ、前記第1のクランプリング(372)および前記第2のクランプリング(373)は、前記本体部分(371)上に配置され、かつ前記第3のシャフト(38)および前記第4のシャフト(39)上にそれぞれクランプされて、これにより前記第3のシャフト(38)および前記第4のシャフト(39)の軸方向変位を制限する、請求項8に記載のチェーン搬送機構(10)。
【請求項10】
ガイドレール(5)を備え、前記ガイドレール(5)は、前記スプロケット(12)に配置され、かつ前記カート(2)が前記スプロケット(12)の周方向に沿って進行方向転換する場合に前記ホイール群(22)を支承する、請求項1から9のいずれか一項に記載のチェーン搬送機構(10)。
【請求項11】
前記ガイドレール(5)は、
前記スプロケット(12)と前記チェーン(11)との間に位置し、前記スプロケット(12)の中心の上方に少なくとも部分的に位置し、かつ前記スプロケット(12)の周方向に沿って延在する第1の円弧形状セクション(511)を備える第1のトラック(51)と、
前記チェーン(11)の前記スプロケット(12)から離れた一方の側部に位置し、前記スプロケット(12)の中心の下方に少なくとも部分的に位置し、かつ前記スプロケット(12)の周方向に沿って延在する第2の円弧形状セクション(521)を備える第2のトラック(52)と、
のうちの少なくとも一方を備える、請求項10に記載のチェーン搬送機構(10)。
【請求項12】
前記ガイドレール(5)は、前記第1のトラック(51)および前記第2のトラック(52)を備え、前記第1の円弧形状セクション(511)および前記第2の円弧形状セクション(521)は、前記スプロケット(12)の周方向において千鳥状をなす、請求項11に記載のチェーン搬送機構(10)。
【請求項13】
前記第1のトラック(51)は、第1の直線状セクション(512)を備え、前記第1の直線状セクション(512)は、前記第1の円弧形状セクション(511)の前記スプロケット(12)の外方側部から離れた一方の端部に対して連結される、および/または前記第2のトラック(52)は、第2の直線状セクション(522)を備え、前記第2の直線状セクション(522)は、前記第2の円弧形状セクション(521)の前記スプロケット(12)の外方側部から離れた一方の端部に対して連結される、請求項11または12に記載のチェーン搬送機構(10)。
【請求項14】
前記カート(2)は、仕分けカートである、請求項1から13のいずれか一項に記載のチェーン搬送機構(10)。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一項に記載のチェーン搬送機構(10)を備える、物品仕分けシステム(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本開示は、2020年9月21日に出願された中国特許出願第202010997442.3号に基づくものであり、この中国特許出願の優先権を主張する。この中国特許出願の全内容が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、仕分けの技術分野に関し、詳細にはチェーン搬送機構および物品仕分けシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
例えば線形物品仕分けシステムにおいてなど、いくつかのシステムでは、カートがチェーンにより牽引される。カートは、スプロケットに到達すると、このスプロケットの周方向に沿って進行方向転換して、それぞれ異なる層間での移送を完了する。
【0004】
関連技術では、スプロケットにおけるカートの進行方向転換の安定性が低く、これは摩耗および騒音を増大させる傾向があるため、改善が緊急に必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示により解決される技術的課題は、スプロケットにおけるカートの進行方向転換の安定性を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の技術的課題を解決するために、本開示は、チェーン搬送機構を提供する。このチェーン搬送機構は、
チェーンおよびスプロケットを備えるチェーン伝動機構であって、チェーンが、スプロケットにより駆動されて回転するように構成される、チェーン伝動機構と、
チェーン上に配置され、チェーンと共に回転可能であるカートであって、カートが、カート本体と、カート本体の対向する2つの側部に対して連結された2つのホイール群と、を備え、これらのホイール群のそれぞれが、カート本体の同一側にて間隔をおいて配置された第1のホイールおよび第2のホイールを備える、カートと、
ホイール群と1対1の対応関係にあるリンケージ機構であって、リンケージ機構のそれぞれが、第1のホイールおよび第2のホイールにチェーンを連結し、第1のホイールと第2のホイールとの間の距離を変更するために第1のホイールおよび第2のホイールが相互に対して揺動することを可能にする、リンケージ機構と、
を備える。
【0007】
いくつかの実施形態では、リンケージ機構は、支持ベース、スイングアーム、第1のシャフト、および第2のシャフトを備え、支持ベースは、チェーンとホイール群との間に位置し、カート本体に対して連結され、第1のシャフトは、支持ベースを通過し、第1のホイールにチェーンを連結し、スイングアームの第1の端部が、揺動的に支持ベースに対して連結され、第2のシャフトは、スイングアームの第1の端部の対向側の第2の端部を通過し、第2のホイールにチェーンを連結する。
【0008】
いくつかの実施形態では、リンケージ機構は、スイングシャフトを備え、スイングシャフトは、支持ベースに対して回転可能に連結され、スイングシャフトは、回転不能にスイングアームの第1の端部に対して連結される。
【0009】
いくつかの実施形態では、スイングアームの第1の端部は、連結穴を備え、連結穴のカート本体から離れた一方の端部が、偏長であり、スイングシャフトは、偏長部分を備え、偏長部分は、連結穴のカート本体から離れた一方の端部と協働して、スイングシャフトとスイングアームの第1の端部との間に回転不能連結部を実現する。
【0010】
いくつかの実施形態では、支持ベースは、制限部分を備え、制限部分は、スイングアームの揺動変位を制限する。
【0011】
いくつかの実施形態では、制限部分は、制限溝を備え、制限溝の側壁部が、切欠部を備え、スイングアームの第1の端部は、制限溝内に収容され、スイングアームの第2の端部は、切欠部から延出し、制限溝の側壁部は、スイングアームの揺動変位を制限する。
【0012】
いくつかの実施形態では、リンケージ機構は、第3のシャフトおよび第4のシャフトを備え、支持ベースは、第3のシャフトおよび第4のシャフトを介してカート本体に対して連結される。
【0013】
いくつかの実施形態では、支持ベースは、連結カラム、第1の穴部分、および第2の穴部分を備え、リンケージ機構は、協働ベースおよび制限ピースを備え、協働ベースは、貫通穴、第3の穴部分、および第4の穴部分を備え、連結カラムは、回転不能に貫通穴に挿入され、第3の穴部分は、第1の穴部分と協働して、閉じられた第1の取付穴を形成し、第4の穴部分は、第2の穴部分と協働して、閉じられた第2の取付穴を形成し、第3のシャフトおよび第4のシャフトは、第1の取付穴および第2の取付穴にそれぞれ挿入され、制限ピースは、第3のシャフトおよび第4のシャフトの軸方向変位を制限する。
【0014】
いくつかの実施形態では、
連結カラムは、突出部分を備え、突出部分は、連結カラムから連結カラムの径方向外方側部に向かって延在し、貫通穴は、溝を備え、この溝は、貫通穴の側壁部から貫通穴の径方向外方側部に向かって凹状をなし、突出部分は、この溝と協働して連結カラムおよび貫通穴の相対回転を制限する、ならびに/または
制限ピースは、本体部分、第1のクランプリング、および第2のクランプリングを備え、本体部分は、協働ベース上にクランプされ、第1のクランプリングおよび第2のクランプリングは、本体部分上に配置され、第3のシャフトおよび第4のシャフト上にそれぞれクランプされて第3のシャフトおよび第4のシャフトの軸方向変位を制限する。
【0015】
いくつかの実施形態では、チェーン搬送機構は、ガイドレールを備え、ガイドレールは、スプロケットに配置され、カートがスプロケットの周方向に沿って進行方向転換する場合にホイール群を支承する。
【0016】
いくつかの実施形態では、ガイドレールは、
スプロケットとチェーンとの間に位置し、スプロケットの中心の上方に少なくとも部分的に位置し、スプロケットの周方向に沿って延在する第1の円弧形状セクションを備える第1のトラックと、
チェーンのスプロケットから離れた一方の端部に位置し、スプロケットの中心の下方に少なくとも部分的に位置し、スプロケットの周方向に沿って延在する第2の円弧形状セクションを備える第2のトラックと、
のうちの少なくとも一方を備える。
【0017】
いくつかの実施形態では、ガイドレールは、第1のトラックおよび第2のトラックを備え、第1の円弧形状セクションおよび第2の円弧形状セクションは、スプロケットの周方向において千鳥状をなす。
【0018】
いくつかの実施形態では、第1のトラックは、第1の直線状セクションを備え、第1の直線状セクションは、第1の円弧形状セクションのスプロケットの外方側部から離れた一方の端部に対して連結される、および/または第2のトラックは、第2の直線状セクションを備え、第2の直線状セクションは、第2の円弧形状セクションのスプロケットの外方側部から離れた一方の端部に対して連結される。
【0019】
いくつかの実施形態では、カートは、仕分けカートである。
【0020】
さらに、本発明は、本開示の各実施形態によるチェーン搬送機構を備える、物品仕分けシステムを提供する。
【0021】
これらのリンケージ機構は、チェーン搬送機構内に配置され、カートの同一側において隣接し合う第1のホイールと第2のホイールとの間の距離を調節可能にするために使用され、これによりスプロケットに位置するカートの進行方向転換の安定性が効果的に改善される。
【0022】
以下の添付の図面を参照とする本開示の例示の実施形態に関する詳細な説明により、本開示の他の特徴および利点が明らかになろう。
【0023】
以下、本開示の実施形態におけるまたは先行技術における技術的解決策をより明確に説明するために、これらの実施形態または先行技術を説明するために必要な添付の図面を簡単に説明する。当然ながら、以下の説明における添付の図面は、本開示のいくつかの実施形態にすぎず、当業者は、これらの添付の図面から創造的努力を伴わずに他の図面をさらに導き出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本開示のいくつかの実施形態によるチェーン搬送機構の部分構造の概略図である。
図2図1のIの部分拡大図である。
図3】リンケージ機構の概略取付図である。
図4】チェーンおよびホイール群を有するリンケージ機構の組合せ構造の三次元図である。
図5図4の分解図である。
図6図4の正面図である。
図7】支持ベースの第1の三次元図である。
図8】支持ベースの第2の三次元図である。
図9】スイングアームの第1の三次元図である。
図10】スイングアームの第2の三次元図である。
図11】スイングシャフトの三次元図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本開示の実施形態における添付の図面を参照として、本開示の実施形態における技術的解決策を明確に説明する。明白ではあるが、説明される実施形態は、本開示の実施形態のすべてではなく一部にすぎない。実際に、少なくとも1つの例示の実施形態の以下の説明は、単なる例示であり、本開示および本願またはその使用に対するいかなる限定をなすものでもない。本開示の実施形態に基づき当業者により創造的努力を伴うことなく実現されるすべての他の実施形態が、本開示の保護範囲内に含まれる。
【0026】
関連技術の当業者に知られている技術、方法、およびデバイスを詳細には論じない場合があるが、適切である場合には、これらの技術、方法、およびデバイスは、認承済み明細書の一部としてみなされるべきである。
【0027】
本開示の説明において、「前方、後方、上方、下方、左方、右方」、「横方向、長手方向、垂直方向、水平方向」、および「頂部、底部」等の方位角語によって示される方位角または位置関係は、一般的には、添付の図面に基づく方位角または位置関係であり、これは、本開示の説明を容易にしかつ単純化することを目的とするにすぎない点を理解されたい。対照的に、記述がない場合には、これらの方位角語は、引用されるデバイスまたは構成要素がある特定の方位角を有さなければならないあるいはその特定の方位角において構成および動作をなさなければならないことを示唆および暗示せず、したがって本開示の保護範囲を限定するものとして解釈することはできない。「内方、外方」という方位角語は、各構成要素自体の輪郭に対する内部および外部を示す。
【0028】
本開示の説明において、パーツを限定するための「第1の」および「第2の」等の語は、対応するパーツを識別する便宜のためのものにすぎない点を理解されたい。別様のことが述べられない限りは、上記の語は、特別な意味を有さず、本開示の保護範囲を限定するものとして解釈することはできない。
【0029】
さらに、以降で説明される本発明の種々の実施形態に含まれる技術的特徴は、相互に相容れないものでない限りは、相互に組み合わされてもよい。
【0030】
図1図11は、本開示によるチェーン搬送機構の構造を例示的に示す。
【0031】
このチェーン搬送機構10は、物品を搬送および仕分けするための物品仕分けシステム100などの設備において広く使用される。
【0032】
図1を参照すると、チェーン搬送機構10は、チェーン伝動機構1およびカート2を備える。
【0033】
チェーン伝動機構1は、チェーン11およびスプロケット12を備える。チェーン11は、2つのチェーンホイール12上に巻かれる。一方のスプロケット12は、駆動スプロケットとしての役割を果たし、他方のスプロケット12は、被動スプロケットとしての役割を果たす。このようにすることで、チェーン11は、スプロケット12により駆動されて回転し得る。多角形効果、振動、および摩耗を軽減するために、チェーン11は、小ピッチチェーンを採用し得る。多角形効果は、多角形メッシングドライブにより引き起こされるチェーンドライブの速度の非均一性を指す。チェーンのピッチがより大きいほど、多角形効果はより顕著になる。
【0034】
カート2は、チェーン11上に配置され、チェーン11と共に回転する。カート2は、カート本体21と、カート本体の2つの対向側に連結された2つのホイール群22と、を備え、ホイール群22は、チェーン11に対して連結され、したがってチェーン11は、カート2を牽引して共に回転することができる。ホイール群22のそれぞれが、第1のホイール23および第2のホイール24を備え、これらの第1のホイール23および第2のホイール24は、カート本体21の同一側にて間隔をおいて配置される。第1のホイール23および第2のホイール24は、相互に隣接し、上方層上においてカート2の移動方向に沿って連続して配置される。換言すれば、上方層上におけるカート2の移動方向に沿って、第1のホイール23は、第2のホイール24の上流側に位置し、第2のホイール24は、第1のホイール23の下流側に位置し、第1のホイール23に隣接する。チェーン11のピッチが小さい場合には、第1のホイール23および第2のホイール24は、それぞれ異なるチェーンリンクに対して連結される。
【0035】
さらに、チェーン搬送機構10が、物品仕分けシステム100に対して適用される場合には、カート2は、仕分け機構25をさらに備える。この仕分け機構25は、カート本体21上に配置され、カート2が目標仕分け位置に到達したときにカート2により担持された物品を横方向に搬送するために使用され、それにより物品は目標仕分け位置上に落下し、仕分けプロセスが完了する。この場合に、カート2は、仕分けカートである。
【0036】
作業の最中に、カート2が駆動チェーンと被駆動チェーンとの間に位置するときには、カート2は線形移動する。カート2が駆動チェーンまたは被駆動チェーンへ移動するときには、カート2は進行方向転換し、ある層から別の層へとスプロケット12の周方向に沿って移動し、それによりそれぞれ異なる層間における移動を実現する。
【0037】
以下の2つの点は、関連技術のカートの進行方向転換の安定性の低さに関する重要な理由となることが、調査後に判明した。
【0038】
一方において、関連技術では、第1のホイール23と第2のホイール24との間の距離は一定である。この場合には、この進行方向転換プロセスの最中に、カート2は、チェーン11の、具体的には小ピッチのチェーン11のそれぞれ異なるチェーンリンクの間の距離の変化に対して適合することができず、したがって安定的に進行方向転換することが困難になり、摩耗が増大する。第1のホイール23と第2のホイール24との間の距離は、第1のホイール23の中心と第2のホイール24の中心との間の距離を意味し、さらにこれはホイール距離とも呼ばれる場合があることが理解できよう。
【0039】
他方において、関連技術では、カート2は、支持されず、進行方向転換プロセスにおいて懸吊状態にある。この場合に、チェーン11、スプロケット12、およびカート2は、大きな衝撃を受け、それにより進行方向転換の安定性が影響を被り、騒音が増大する。
【0040】
上記の知見に基づき、本開示は、チェーン搬送機構10の構造を改善することにより、カート2の進行方向転換の安定性を改善し、摩耗および騒音を軽減し、チェーン搬送機構10の運転信頼性を向上させ、チェーン搬送機構10の耐用寿命を延ばす。
【0041】
調節不能なホイール距離により引き起こされる進行方向転換の安定性の低さの問題に関して、図1図11を参照すると、いくつかの実施形態では、チェーン搬送機構10は、リンケージ機構3をさらに備える。リンケージ機構3は、ホイール群22と1対1の対応関係にあり、各リンケージ機構3が、第1のホイール23および第2のホイール24にチェーン11を連結し、それにより第1のホイール23および第2のホイール24は、相対的に揺動し、それにより第1のホイール23と第2のホイール24との間の距離を変化させる。
【0042】
図2および図3は、カート2が進行方向転換する場合としない場合とをそれぞれ示す。図2および図3を比較すると、カート2が進行方向転換しない場合に比較して、カート2が進行方向転換する場合には、第1のホイール23および第2のホイール24に対して連結されたチェーンリンク同士の間の距離は縮小されることになることが分かる。この時点において、第1のホイール23と第2のホイール24との間の距離が一定であり、それに対応して縮小しない場合には、カート2は正常に進行方向転換することはできず、進行方向転換の安定性は不良となり、そのため、関連技術におけるチェーン11のピッチは、さらに縮小することは困難となる。さらに、チェーン11のピッチは、さらに縮小することが困難であるため、その結果として多角形効果をさらに改善することが困難となる。
【0043】
リンケージ機構3を設定することにより、第1のホイール23および第2のホイール24は、相互に対して揺動することが可能になり、これらのホイール間の距離は、進行方向転換プロセスにおいて第1のホイール23および第2のホイール24に対して連結されたそれぞれ異なるチェーンリンクの間の距離の変化に対して適合するように変更されることが可能となり、それにより進行方向転換の安定性が効果的に改善され、より円滑な進行方向転換プロセスが実現される。例えば、図3に示すようにカート2が進行方向転換しない場合には、リンケージ機構3は、第1のホイール23および第2のホイール24を相対的に揺動させず、距離はL2となるが、図2に示すようにカート2が頂部から底部へと進行方向転換を開始すると、リンケージ機構3は、第1のホイール23および第2のホイール24を相対的に揺動させ、距離はL2からL1へと縮小され、それにより第1のホイール23と第2のホイール24との間の距離は、第1のホイール23および第2のホイール24に連結されたチェーンリンク同士の間の距離の縮小に伴って縮小され、それにより、より円滑な進行方向転換プロセスが実現される。
【0044】
図3図11を参照すると、リンケージ機構3の一実装形態として、リンケージ機構3は、支持ベース31、スイングアーム32、第1のシャフト33、および第2のシャフト34を備える。支持ベース31は、チェーン11とホイール群22との間に位置し、カート本体21に対して連結される。第1のシャフト33は、支持ベース31を貫通し、第1のホイール23にチェーン11を連結する。スイングアーム32の第1の端部が、揺動的に支持ベース31に対して連結される。第2のシャフト34は、スイングアーム32の第1の端部の対向側の第2の端部を貫通し、第2のホイール24にチェーン11を連結する。
【0045】
上記の構成に基づき、第1のホイール23および第2のホイール24に対して連結されたチェーンリンク同士の間の距離が変化すると、第2のホイール24は、スイングアーム32の第1の端部を駆動して第2のシャフト34を揺動させ、それにより第2のホイール24は、第1のホイール23に対して揺動し、第1のホイール23と第2のホイール24との間の距離は、第1のホイール23および第2のホイール24に対して連結されたチェーンリンク同士の間の距離の変化に適合するように変更される。リンケージ機構3により、ホイール距離は、第1のホイール23および第2のホイール24に対して連結されたチェーンリンク同士の間の距離の変化に伴って変化することが可能になり、それによりこのホイール距離は、進行方向転換プロセスにおいて第1のホイール23および第2のホイール24に対して連結されたチェーンリンク同士の間の距離と一致するように自動的に調節され、それにより、より安定的かつ円滑な進行方向転換プロセスが実現されることが分かる。
【0046】
図4図11を参照すると、スイングアーム32の第1の端部と支持ベース31との間の揺動連結を実現するために、いくつかの実施形態では、リンケージ機構3は、スイングシャフト35を備え、スイングシャフト35は、支持ベース31に対して回転可能に連結され、スイングシャフト35およびスイングアーム32の第1の端部は、回転不能に連結される。このようにすることで、スイングシャフト35は、支持ベース31に対して回転し、それによりスイングアーム32の第1の端部は、支持ベース31に対して揺動する。
【0047】
スイングシャフト35とスイングアーム32の第1の端部との間の回転不能連結は、スイングシャフト35およびスイングアーム32を一体構造として構成することにより実現されてもよく、または他の様式により実現されてもよい。例えば、図4図6および図9図11を参照すると、いくつかの実施形態では、スイングアーム32の第1の端部は、連結穴321を備え、連結穴321のカート本体21から離れた一方の端部は、偏長であり、スイングシャフト35は、偏長部分352を備え、この偏長部分352は、連結穴321のカート本体21から離れた一方の端部と協働する。偏長部分352の直線状表面が、連結穴321の直線状表面と協働して、スイングシャフト35とスイングアーム32の第1の端部との間における相対揺動を制限し、それによりスイングシャフト35およびスイングアーム32の第1の端部は、回転不能に連結される。
【0048】
さらに図7を参照すると、いくつかの実施形態では、支持ベース31は、制限部分31eを備え、この制限部分31eは、スイングアーム32の揺動変位を制限する。スイングアーム32の揺動変位を制限するように制限部分31eを設定することにより、スイングアーム32は、第2のホイール24を駆動して過度に回転させることを防止されることが可能となり、それによりリンケージ機構3は、所要範囲内においてホイール距離をより正確に制御することが可能となる。
【0049】
制限部分31eの形状は様々であってよい。例えば図7をさらに参照すると、いくつかの実施形態では、制限部分31eは、制限溝313を備え、制限溝313の側壁部は、切欠部313aを備え、スイングアーム32の第1の端部は、制限溝313内に収容され、スイングアーム32の第2の端部は、切欠部313aから延出する。制限溝313の側壁部は、スイングアーム32の揺動変位を制限する。
【0050】
制限溝313は、スイングアーム32が制限位置へと揺動するときにスイングアーム32に当接するように切欠部313aに位置する側壁部を使用することにより、スイングアーム32が揺動し続けるのを防止し、それによりスイングアーム32の揺動変位を制限する。同時に、制限溝313は、スイングアーム32の第2の端部と第2のシャフト34との間の連結には影響しない。さらに、制限溝313は、スイングアーム32の第1の端部が支持ベース31から外に突出するのを防ぎ、それにより支持ベース31の厚さ方向におけるリンケージ機構3のサイズを縮小し、リンケージ機構3の表面平坦性を改善するためにも有益となる。
【0051】
上述のように、支持ベース31は、カート本体21に対して連結される。図3を参照すると、支持ベース31とカート本体21との間の連結を実現するための様式として、いくつかの実施形態では、リンケージ機構3は、第3のシャフト38および第4のシャフト39を備え、支持ベース31は、第3のシャフト38および第4のシャフト39を介してカート本体21に対して連結される。
【0052】
具体的には、図3図8を参照すると、いくつかの実施形態では、支持ベース31は、連結カラム316、第1の穴部分314、および第2の穴部分315を備え、リンケージ機構3は、協働ベース36および制限ピース37を備える。協働ベース36は、貫通穴361、第3の穴部分363、および第4の穴部分364を備える。連結カラム316は、回転不能に貫通穴361中に挿入される。第3の穴部分363は、第1の穴部分314と協働して、閉じられた第1の取付穴36aを形成する。第4の穴部分364は、第2の穴部分315と協働して、閉じられた第2の取付穴36bを形成する。第3のシャフト38および第4のシャフト39は、第1の取付穴36aおよび第2の取付穴36b内にそれぞれ挿入される。制限ピース37は、第3のシャフト38および第4のシャフト39の軸方向変位を制限する。
【0053】
制限ピース37、連結カラム316、および貫通穴361の作動下において、協働ベース36および支持ベース31は、相対的に移動または回転することができず、第3のシャフト38および第4のシャフト39を挿入するための第1の取付穴36aおよび第2の取付穴36bを形成するように安定的に連結され得る。さらに、制限ピース37の作動下において、第3のシャフト38および第4のシャフト39は、第1の取付穴36aおよび第2の取付穴36bから分離することができず、それによりカート本体21および支持ベース31は、確実に連結される。
【0054】
図3図5図7、および図8を参照すると、連結カラム316および貫通穴361の相対回転を制限するために、いくつかの実施形態では、連結カラム316は、連結カラム316から連結カラム316の径方向外方に向かって延在する突出部分317を備え、貫通穴361は、貫通穴361の側壁部から貫通穴361の径方向外方に向かって凹状をなす溝362を備え、突出部分317は、溝362内に嵌め込まれる。このようにすることで、突出部分317と溝362との間の協働に基づき、連結カラム316および貫通穴361の相対回転が制限される。図2図3、および図6では、溝362を明確に示すために、突出部分317は、溝362内に位置しない。
【0055】
図5および図6を参照すると、制限ピース37の構造形状として、制限ピース37は、本体部分371、第1のクランプリング372、および第2のクランプリング373を備える。本体部分371は、協働ベース36上にクランプされる。第1のクランプリング372および第2のクランプリング373は、本体部分371上に配置され、第3のシャフト38および第4のシャフト39の上にそれぞれクランプされる。このようにすることで、制限ピース37は、協働ベース36との間のクランプ連結を実現するだけではなく、さらに第1のクランプリング372および第2のクランプリング373を介して第3のシャフト38および第4のシャフト39の軸方向変位を制限することが可能となり、さらに第3のシャフト38の軸方向に沿った協働ベース36と支持ベース31との間の相対変位を制限することが可能となる。
【0056】
さらに、図1および図2を参照すると、進行方向転換プロセスにおいてカート2の懸吊により引き起こされる進行方向転換の安定性の問題に関して、いくつかの実施形態では、チェーン搬送機構10は、ガイドレール5を備え、ガイドレール5は、スプロケット12に配置され、カート2がスプロケット12の周方向に沿って進行方向転換するときに、ホイール群22を支承する。
【0057】
ガイドレール5は、カート2が方向転換する場合にカート2を支持するためにホイール群22を支承することが可能であり、したがってカート2の懸吊により引き起こされる進行方向転換の安定性の低さに関する問題が改善されることが可能となり、それによりカート2の進行方向転換安定性が向上し、チェーン11、スプロケット12、およびカート2に対する衝撃ならびにノイズが軽減される。
【0058】
ガイドレール5は、カート2の進行方向転換プロセスの一部のみにおいてホイール群22を支承してもよく、またはガイドレール5は、カート2の進行方向転換プロセスの全体においてホイール群22を支承してもよく、それにより進行方向転換プロセスのより高い安定性を実現する。
【0059】
例えば図1を参照すると、いくつかの実施形態では、ガイドレール5は第1のトラック51を備える。第1のトラック51は、スプロケット12とチェーン11との間に位置し、スプロケット12の中心の上方に少なくとも部分的に位置する。さらに、第1のトラック51は、第1の円弧形状セクション511を備え、第1の円弧形状セクション511は、スプロケット12の周方向に沿って延在する。この構成に基づき、カート2が、頂部から底部への進行方向転換の第1の半部に、または底部から頂部への進行方向の第2の半部に位置する場合に、カート2のホイール群22は、第1の円弧形状セクション511に対して圧迫され、第1の円弧形状セクション511により支持され、それによりカート2が懸吊されることが防止され、これに対応する進行方向転換プロセスの安定性が改善される。第1の半部および第2の半部は、進行方向転換プロセスの半分を必ずしも占めるわけではなく、すなわち進行方向転換角度は、必ずしも90°ではなく、おそらく第1の半部および第2の半部の一方がより長く、他方がより短く、すなわち第1の半部および第2の半部の一方に対応する進行方向転換角度は90°超であり、他方に対応する進行方向転換角度は90°未満である。
【0060】
図1を参照すると、別の例において、いくつかの実施形態では、ガイドレール5は第2のトラック52を備える。第2のトラック52は、チェーン11のスプロケット12から離れた一方の側に位置し、スプロケット12の中心の下方に少なくとも部分的に位置する。さらに、第2のトラック52は、第2の円弧形状セクション521を備え、第2の円弧形状セクション521は、スプロケット12の周方向に沿って延在する。この構成に基づき、カート2が底部から頂部への進行方向転換の第1の半部に、または頂部から底部への進行方向の第2の半部に位置する場合に、カート2のホイール群22は、第2の円弧形状セクション521に対して圧迫され、第2の円弧形状セクション521により支持され、それによりカート2は、懸吊されることを防止され、安定的な進行方向転換プロセスが実現される。
【0061】
図1を参照すると、別の例として、いくつかの実施形態では、ガイドレール5は、第1のトラック51および第2のトラック52の両方を備え、第1の円弧形状セクション511および第2の円弧形状セクション521は、スプロケット12の周方向において千鳥状をなす。このようにすることで、ガイドレール5は、カート2の進行方向転換プロセスの全体においてホイール群22を支承し、進行方向転換プロセスにおいてカートを継続的に支持し、それにより進行方向転換プロセスの全体の安定性を改善する。
【0062】
以下、図1図11に示す実施形態をさらに説明する。
【0063】
図1図11に示すように、この実施形態では、チェーン搬送機構10は、チェーン伝動機構1、カート2、リンケージ機構3、およびガイドレール5を備える。
【0064】
チェーン伝動機構1は、カート2を駆動するように構成され、チェーン11およびスプロケット12を備える。チェーン11は、スプロケット12に巻かれ、スプロケット12により駆動されて回転する。
【0065】
カート2は、仕分けカートであり、カート本体21、ホイール群22、および仕分け機構25を備える。ホイール群22および仕分け機構25は、カート本体21上に配置され、カート2の進行機能および仕分け機能を実現するようにそれぞれ構成される。仕分け機構25は、ベルト駆動機構を備え、ベルト駆動機構の搬送方向は、チェーン11の搬送方向に交差し(例えば垂直に)それによりベルト駆動機構上の物品は、カート2から降ろされて仕分けが完了する。2つのホイール群22が、カート本体21の対向する2つの側に配置される。各ホイール群22は、第1のホイール23および第2のホイール24を備え、これらの第1のホイール23および第2のホイール24は、カート本体21の同一側に配置され、チェーンの搬送方向に沿って連続的に配置される。ホイール群22は、チェーン11に対して連結され、それによりチェーン11は、カート2を牽引して回転時に共に回転させる。第1のホイール23および第2のホイール24は、それぞれ異なるチェーンリンクに対して連結される。
【0066】
リンケージ機構3は、チェーン11とホイール群22との間に配置され、ホイール群22と1対1の対応関係にあることによりチェーン11とホイール群22との間の連結を実現する。また、リンケージ機構3は、第1のホイール23および第2のホイール24が、第1のホイール23および第2のホイール24に対して連結されたチェーンリンク同士の間の距離の変化に伴って相対的に揺動することを可能にし、それにより第1のホイール23および第2のホイール24に対して連結されたチェーンリンクと一致するようにホイール距離を調節する。
【0067】
図2図11に示すように、この実施形態では、各リンケージ機構3は、支持ベース31、スイングアーム32、スイングシャフト35、協働ベース36、および制限ピース37を備える。
【0068】
支持ベース31は、カート本体21に対して連結され、チェーン11、第1のホイール23、およびスイングアーム32に対して連結される。支持ベース31は、第1のシャフト33を介してチェーン11および第1のホイール23に対して連結され、スイングシャフト35を介してスイングアーム32に対して連結され、第3のシャフト38および第4のシャフト39を介してカート本体21に対して連結される。
【0069】
具体的には、図7および図8に示すように、この実施形態では、支持ベース31は、第1のベース本体31aおよび第2のベース本体31bを備える。第2のベース本体31bは、第1のベース本体31aの頂部に対して連結され、第2のベース本体31bのカート本体21に対面する表面は、第1のベース本体31aのカート本体21に対面する表面と同一平面上に位置し、第2のベース本体31bの厚さは、第1のベース本体31aの厚さ未満であり、それによりステップ31cが、第2のベース本体31bのカート本体21から離れた表面と、第1のベース本体31aのカート本体21から離れた表面と、の間に形成される。
【0070】
第2のベース本体31bは、連結カラム316を備え、第1の穴部分314および第2の穴部分315は、第2のベース本体31bが第1のベース本体31aに対して連結される位置に配置される。連結カラム316は、第2のベース本体31bの厚さ方向に沿って延在し、連結カラム316は、径方向外方へと延在する突出部分317を備えることにより、支持ベース31と協働ベース36との間の連結を実現し、支持ベース31および協働ベース36の相対回転を制限する。第1の穴部分314および第2の穴部分315は、間隔をおいて配置され、第1の穴部分314および第2の穴部分315の軸は、支持ベース31の厚さ方向に沿ったものであり、第1の穴部分314および第2の穴部分315の側壁部の上向き部分は開口しており、それにより第1の穴部分314および第2の穴部分315は、協働ベース36と協働して、第3のシャフト38および第4のシャフト39を通過させるための閉じられた第1の取付穴36aおよび閉じられた第2の取付穴36bを形成する、閉じられていない穴となる。図3に示すように、第3のシャフトの一方の端部および第4のシャフト39の一方の端部は、カート本体21に対して共に連結され、第3のシャフト38の他方の端部および第4のシャフト39の他方の端部は、それぞれ第1の取付穴36aおよび第2の取付穴36bを通過し、次いで制限ピース37により停止されて、支持ベース31とカート本体21との間の連結を実現する。
【0071】
図4図6は、協働ベース36および制限ピース37の構造を示す。図4図6に示すように、この実施形態では、協働ベース36は、貫通穴361、溝362、第3の穴部分363、および第4の穴部分364を備える。貫通穴361の軸は、連結カラム316を挿入するために協働ベース36の厚さ方向に沿ったものである。溝362は、突出部分317を挿入するために貫通穴361の側壁部から貫通穴361の径方向外方に向かって凹状をなす。制限ピース37は、本体部分371、第1のクランプリング372、および第2のクランプリング373を備えるばねクリップとして構成される。本体部分371は、略L字形状であり、協働ベース36の頂部にてクランプされる。第1のクランプリング372および第2のクランプリング373は、本体部分371に対して共に連結され、相互から離間される。第1のクランプリング372の側壁部は、本体部分371から離れる側に向かって開口する。第2のクランプリング373の側壁部は、第1のクランプリング372から離れる側に向かって開口する。
【0072】
協働ベース36は、支持ベース31と共に組み立てられる場合に、ステップ31c上に配置され、ステップ31cにより支持され、一方で連結カラム316は、貫通穴361に挿入され、突出部分317は、溝362内に嵌め込まれ、それにより協働ベース36および支持ベース31は、相対回転を防止され、このときに、第3の穴部分363および第4の穴部分364は、第1の穴部分314および第2の穴部分315にそれぞれ当接して、閉じられた第1の取付穴36aおよび閉じられた第2の取付穴36bを形成する。次いで、制限ピース37が、協働ベース36に対してクランプされ、それにより第1のクランプリング372および第2のクランプリング373は、第1の取付穴36aおよび第2の取付穴36bの周囲をそれぞれ囲み、第3のシャフト38および第4のシャフト39のシャフト溝353内でそれぞれクランプされ、それにより第3のシャフト38および第4のシャフト39が出ることが防止され、支持ベース31および協働ベース36が厚さ方向において係合解除されることが防止される。
【0073】
第1のベース本体31aは、第1のシャフト穴311、スイングシャフト穴312、回避溝31d、および制限溝313を備える。第1のシャフト穴311およびスイングシャフト穴312は、間隔をおいて配置され、第1のシャフト33およびスイングシャフト35をそれぞれ通過させる。図5および図6に示すように、第1のシャフト33の一方の端部は、チェーン11に対して連結され、第1のシャフト33の他方の端部は、第1のシャフト穴311を通過し、次いで第1のホイール23に挿入され、シャフトクリップ41により停止され、それによりチェーン11と第1のホイール23との間の連結を実現する。第1のシャフト33上にスリーブ状に嵌められた軸受42およびワッシャ43は、第1のホイール23と支持ベース31との間に配置され、それにより第1のシャフト33の回転を助長する。スイングシャフト35の一方の端部は、スイングアーム32に対して連結され、スイングシャフト35の他方の端部は、スイングシャフト穴312を通過し、シャフトクリップ41により停止され、それにより支持ベース31とスイングアーム32の第1の端部との間の連結を実現する。回避溝31dは、第1のシャフト穴311とスイングシャフト穴312との間に配置され、略V字形状であり、干渉を回避するために他の構造体を避けるために使用される。制限溝313は、スイングアーム32の第1の端部を収容しスイングアーム32の揺動変位を制限するために、スイングシャフト穴312の周囲に環状に配置される。制限溝313の側壁部は、円弧形状表面であり、側壁部の第2のホイール24に対面する部分は、切欠部313aを形成するように開口する。スイングアーム32の第1の端部は、揺動するように制限溝313内に嵌め込まれ、スイングアーム32の第2の端部は、切欠部313aから延出し、第2のシャフト34を介してチェーン11および第2のホイール24に対して連結される。このようにすることで、スイングアーム32は、切欠部313aの2つの側部のエッジまで揺動した場合に、制限溝313の側壁部により阻止され、継続的に揺動することができず、それによりスイングアーム32の揺動変位が制限され、スイングアーム32の過度な揺動が防止される。
【0074】
図9および図10は、スイングアーム32の構造を示す。図9および図10に示すように、この実施形態では、支持ベース31は、カラム本体部分32aおよび延在部分32bを備える。カラム本体部分32aは、スイングアーム32の厚さ方向に沿って延在する。延在部分32bは、カラム本体部分32aの側壁部に対して連結され、延在部分32bおよびカラム本体部分32aは、スイングアーム32の第1の端部および第2の端部をそれぞれ形成する。延在部分32bのカート本体21から離れた表面は、カラム本体部分32aのカート本体21から離れた表面と同一平面上に位置し、延在部分32bの厚さは、カラム本体部分32aが延在部分32bに対してカート本体21の一方の側に向かって突出するように、カラム本体部分32aの厚さ未満である。カラム本体部分32aは、第2のシャフト34が通過するための第2のシャフト穴322を備える。第2のシャフト34の一方の端部は、チェーン11に対して連結され、第2のシャフト34の他方の端部は、第2のシャフト穴322を通過し、次いで第2のホイール24に挿入され、シャフトクリップ41により停止され、それによりチェーン11と第2のホイール24との間の連結が実現される。第2のシャフト34上にスリーブ状に嵌められる軸受42およびワッシャ43は、第2のホイール24とカラム本体部分32aとの間に配置され、それにより第2のシャフト34の回転を助長する。延在部分32bは、スイングシャフト35が通過するための連結穴321を備え、それによりスイングシャフト35とスイングアーム32の第1の端部との間の連結が実現される。
【0075】
図11は、スイングシャフト35の構造を示す。図11に示すように、この実施形態では、スイングシャフト35は、シャフト本体351と、シャフト本体351の一方の端部に対して連結された偏長部分352と、を備える。シャフト本体351は、円筒状であり、シャフト溝353は、シャフトクリップ41を取り付けるために、シャフト本体351の偏長部分352から離れた一方の端部に形成される。偏長部分352の断面は偏長である。これに対応して、連結穴321のカート本体21から離れた一方の端部が偏長である。このようにすることで、図6に示すように、スイングシャフト35が連結穴321に挿入された場合に、シャフト本体351は、連結穴321を通過し、スイングシャフト穴312に挿入され、スイングシャフト穴312を通過し、偏長部分352は、連結穴321のカート本体21から離れた一方の端部にてクランプされ、偏長部分352の円弧形状表面は、連結穴321のカート本体21から離れた一方の端部の円弧形状表面と接触状態になり、これと同時に偏長部分352の直線状表面は、連結穴321のカート本体21から離れた一方の端部の直線状表面と接触状態になり、それによりスイングシャフト35およびスイングアーム32は、相対的に回転することができず、スイングアーム32は、スイングシャフト35がスイングシャフト穴312内で回転すると、支持ベース31に対して揺動するように駆動され得る。
【0076】
チェーン11およびホイール群22が、リンケージ構造部3により連結されると、チェーン11上に配置された第1のシャフト33は、支持ベース31上の第1のシャフト穴312を通過し、第1のホイール23に挿入され、スイングシャフト35は、スイングアーム32の第1の端部の連結穴321を、および支持ベース31上のスイングシャフト穴312を連続して通過し、チェーン11上に配置された第2のシャフト34は、スイングアーム32の第2の端部の第2のシャフト穴322を通過し、第2のホイール24に挿入される。このようにすることで、カートが進行方向転換し、第1のホイール23および第2のホイール24に対して連結されたチェーンリンク間の距離が変化すると、スイングアーム32は、第2のホイール24を駆動して第1のホイール23に対して揺動させ、それにより対応してホイール距離が変更される。
【0077】
ガイドレール5は、カート2を支持するためにカート2の進行方向転換プロセスにおいてホイール群22を支承するように構成される。図1に示すように、この実施形態では、ガイドレール5は、第1のトラック51および第2のトラック52を備える。第1のトラック51は、スプロケット12とチェーン11との間に位置し、チェーン11の中心の上方に位置する。第2のトラック52は、チェーン11のスプロケット12から離れた一方の側に位置し、スプロケット12の中心の下方の位置からスプロケット12の中心の上方の位置まで上方へと延在する。
【0078】
具体的には、第1のトラック51は、第1の円弧形状セクション511および第1の直線状セクション512を備える。第1の円弧形状セクション511は、スプロケット12の中心の直上の位置からスプロケット12の周方向に沿って下方に延在する。第1の直線状セクション512は、第1の円弧形状セクション511のスプロケット12の外方側部から離れた一方の端部に対して連結される。スプロケット12の外方側部は、他方のスプロケット12から離れた側部を示す。第1の直線状セクション512は、第1の円弧形状セクション511のスプロケット12の外方側部から離れた一方の端部に対して連結され、これは、第1の直線状セクション512が第1の円弧形状セクション511から他方のスプロケット12まで延在することを意味する。
【0079】
さらに、第2のトラック52は、第2の円弧形状セクション521および第2の直線状セクション522を備える。第2の円弧形状セクション521は、スプロケット12の中心の直下の位置からスプロケット12の周方向に沿って上方に延在し、最終的にスプロケット12の中心の上方の位置まで延在する。第2の円弧形状セクション521および第1の円弧形状セクション511は、スプロケット12の周方向において千鳥状をなす。第2の直線状セクション522は、第2の円弧形状セクション521のスプロケット12の外方側部から離れた一方の端部に対して連結される。換言すれば、第2の直線状セクション522は、第2の円弧形状セクション521から他方のスプロケット12まで延在する。
【0080】
上記の配置に基づき、ガイドレール5は、カート2の進行方向転換プロセスにおいてカート2を継続的に支持する。カート2が上方位置へと進行方向転換し、カート2の重量がスプロケット12の径方向内方側部を圧迫すると、第1の円弧形状セクション511は、カート2を支持しカート2が懸吊されるのを防止するようにホイール群22を支持し、カート2が下方位置へと進行方向転換し、カート2の重量がスプロケット12の径方向外方側部を圧迫すると、第2の円弧形状セクション521は、カート2を支持しカート2が懸吊されるのを防止するようにホイール群22を支持する。スプロケット12の周方向に沿ったカート2の進行方向転換プロセスの全体において、カート2のホイール群22は、ガイドレール5により常に制約され、それによりカート2の良好な移送が実現され衝撃および騒音が軽減されることが分かる。
【0081】
第1の直線状セクション512および第2の直線状セクション522は、第1の円弧形状セクション511および第2の円弧形状セクション521の基部に配置され、これは、第1の円弧形状セクション511および第2の円弧形状セクション521を上下へと円滑に進むようにホイール群22を案内するために有利であり、これにより、より安定的な搬送プロセスが実現される。
【0082】
この実施形態では、チェーン搬送機構10は、リンケージ機構3およびガイドレール5の作動下においてカート2の進行方向転換の安定性を効果的に改善することが可能である。図1および図2に示すようなカート2が下方へと進行方向転換する初期段階における一例として、頂部から底部へのカート2の進行方向転換プロセスをみると、カート2のホイール群22は、第1の円弧形状セクション511を圧迫し、次いでカートが下方へと継続的に進行方向転換すると、ホイール群22は、第2の円弧形状セクション521を圧迫し、それにより、進行方向転換プロセスの全体において、ホイール群22はガイドレール5により支持され、チェーン11、スプロケット12、およびカート2に対する衝撃は軽減され、さらにカート2の下方進行方向転換プロセスでは、第1のホイール23および第2のホイール24に対して連結されたチェーンリンク同士の間の距離が、最初に拡大され次いで縮小され、それによりリンケージ機構3のスイングアーム32は、左下方部分に向かって揺動し、次いで右上方部分へ向かって揺動し、これにより、第1のホイール23と第2のホイール24との間の距離がL2からL1へと縮小され、次いでL1からL2へと拡大されるように、ホイール距離の調節が実現されるだけでなく、さらにホイール群22がガイドレール5と常時接触状態におかれ、ガイドレール5により継続的に支持され、それにより低振動、低衝撃、および低騒音での安定的な進行方向転換プロセスが実現される。
【0083】
このカート2の進行方向転換の安定性は改善され、したがって摩耗および騒音を軽減し、チェーン搬送機構10および物品仕分けシステム100の運転信頼性を改善し、チェーン搬送機構10および物品仕分けシステム100の耐用寿命を延ばすことが有利である。
【0084】
一方で、カート2のホイール距離は、リンケージ機構3の作動下においてそれぞれ異なるチェーンリンク同士の間の距離の変化に対して適合することが可能となり、それにより、チェーン11のピッチをさらに縮小しチェーン11の多角形効果をさらに軽減することがやはり有利である。
【0085】
上記の説明は、本開示の例示の実施形態にすぎず、本開示を限定するようには意図されず、本開示の趣旨および原理の範囲内で行われるあらゆる変更、均等代替、および改良等は、いずれも本開示の保護範囲内に含まれるように意図される。
【符号の説明】
【0086】
1 チェーン伝動機構
2 カート
3 リンケージ機構、リンケージ構造部
5 ガイドレール
10 チェーン搬送機構
11 チェーン
12 スプロケット
21 カート本体
22 ホイール群
23 第1のホイール
24 第2のホイール
25 仕分け機構
31 支持ベース
31a 第1のベース本体
31b 第2のベース本体
31c ステップ
31d 回避溝
31e 制限部分
32 スイングアーム
32a カラム本体部分
32b 延在部分
33 第1のシャフト
34 第2のシャフト
35 スイングシャフト
36 協働ベース
36a 第1の取付穴
36b 第2の取付穴
37 制限ピース
38 第3のシャフト
39 第4のシャフト
41 シャフトクリップ
42 軸受
43 ワッシャ
51 第1のトラック
52 第2のトラック
100 物品仕分けシステム
311 第1のシャフト穴
312 第1のシャフト穴
312 スイングシャフト穴
313 制限溝
313a 切欠部
314 第1の穴部分
315 第2の穴部分
316 連結カラム
317 突出部分
321 連結穴
322 第2のシャフト穴
351 シャフト本体
352 偏長部分
353 シャフト溝
361 貫通穴
362 溝
363 第3の穴部分
364 第4の穴部分
371 本体部分
372 第1のクランプリング
373 第2のクランプリング
511 第1の円弧形状セクション
512 第1の直線状セクション
521 第2の円弧形状セクション
522 第2の直線状セクション
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2023-04-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チェーン搬送デバイス(10)であって、
チェーン(11)およびスプロケット(12)を備えるチェーン伝動機構(1)であって、前記チェーン(11)は、前記スプロケット(12)により駆動されて回転するように構成される、チェーン伝動機構(1)と、
前記チェーン(11)上に配置され、前記チェーン(11)と共に回転可能であるカート(2)であって、前記カート(2)は、カート本体(21)と、前記カート本体(21)の対向する2つの側部に対して連結された2つのホイール群(22)と、を備え、前記ホイール群(22)のそれぞれが、前記カート本体(21)の同一側にて間隔をおいて配置された第1のホイール(23)および第2のホイール(24)を備える、カート(2)と、
前記ホイール群(22)と1対1の対応関係にあるリンケージ機構(3)であって、前記リンケージ機構(3)のそれぞれが、前記第1のホイール(23)および前記第2のホイール(24)に前記チェーン(11)を連結し、前記第1のホイール(23)と前記第2のホイール(24)との間の距離を変更するために前記第1のホイール(23)および前記第2のホイール(24)が相互に対して揺動することを可能にする、リンケージ機構(3)と、
を備える、チェーン搬送デバイス(10)。
【請求項2】
前記リンケージ機構(3)は、支持ベース(31)、スイングアーム(32)、第1のシャフト(33)、および第2のシャフト(34)を備え、前記支持ベース(31)は、前記チェーン(11)と前記ホイール群(22)との間に位置し、かつ前記カート本体(21)に対して連結され、前記第1のシャフト(33)は、前記支持ベース(31)を通過し、かつ前記第1のホイール(23)に前記チェーンを連結し、前記スイングアーム(32)の第1の端部が、揺動的に前記支持ベース(31)に対して連結され、前記第2のシャフト(34)は、前記スイングアーム(32)の前記第1の端部の対向側の第2の端部を通過し、かつ前記第2のホイール(24)に前記チェーン(11)を連結する、請求項1に記載のチェーン搬送機構(10)。
【請求項3】
前記リンケージ機構(3)は、スイングシャフト(35)を備え、前記スイングシャフト(35)は、前記支持ベース(31)に対して回転可能に連結され、前記スイングシャフト(35)は、回転不能に前記スイングアーム(32)の前記第1の端部に対して連結される、請求項2に記載のチェーン搬送機構(10)。
【請求項4】
前記スイングアーム(32)の前記第1の端部は、連結穴(321)を備え、前記連結穴(321)の前記カート本体(21)から離れた一方の端部が、偏長であり、前記スイングシャフト(35)は、偏長部分(352)を備え、前記偏長部分(352)は、前記連結穴(321)の前記カート本体(21)から離れた一方の端部と協働して、前記スイングシャフト(35)と前記スイングアーム(32)の前記第1の端部との間に回転不能連結部を実現する、請求項に記載のチェーン搬送機構(10)。
【請求項5】
前記支持ベース(31)には、制限部分(31e)が設けられ、前記制限部分(31e)は、前記スイングアーム(32)の揺動変位を制限する、請求項に記載のチェーン搬送機構(10)。
【請求項6】
前記制限部分(31e)は、制限溝(313)を備え、前記制限溝(313)の側壁部には、切欠部(313a)が設けられ、前記スイングアーム(32)の前記第1の端部は、前記制限溝(313)内に収容され、前記スイングアーム(32)の前記第2の端部は、前記切欠部(313a)から延出し、前記制限溝(313)の前記側壁部は、前記スイングアーム(32)の揺動変位を制限する、請求項5に記載のチェーン搬送機構(10)。
【請求項7】
前記リンケージ機構(3)は、第3のシャフト(38)および第4のシャフト(39)を備え、前記支持ベース(31)は、前記第3のシャフト(38)および前記第4のシャフト(39)を介して前記カート本体(21)に対して連結される、請求項に記載のチェーン搬送機構(10)。
【請求項8】
前記支持ベース(31)には、連結カラム(316)、第1の穴部分(314)、および第2の穴部分(315)が設けられ、前記リンケージ機構(3)は、協働ベース(36)および制限ピース(37)を備え、前記協働ベース(36)には、貫通穴(361)、第3の穴部分(363)、および第4の穴部分(364)が設けられ、前記連結カラム(316)は、回転不能に前記貫通穴(361)に挿入され、前記第3の穴部分(363)は、前記第1の穴部分(314)と協働して、閉じられた第1の取付穴(36a)を形成し、前記第4の穴部分(364)は、前記第2の穴部分(315)と協働して、閉じられた第2の取付穴(36b)を形成し、前記第3のシャフト(38)および前記第4のシャフト(39)は、前記第1の取付穴(36a)および前記第2の取付穴(36b)にそれぞれ挿入され、前記制限ピース(37)は、前記第3のシャフト(38)および前記第4のシャフト(39)の軸方向変位を制限する、請求項7に記載のチェーン搬送機構(10)。
【請求項9】
前記連結カラム(316)には、突出部分(317)が設けられ、前記突出部分(317)は、前記連結カラム(316)から前記連結カラム(316)の径方向外方側部に向かって延在し、前記貫通穴(361)には、溝(362)が設けられ、前記溝(362)は、前記貫通穴(361)の側壁部から前記貫通穴(361)の径方向外方側部に向かって凹状をなし、前記突出部分(317)は、前記溝(362)と協働して前記連結カラム(316)および前記貫通穴(361)の相対回転を制限する、ならびに/または
前記制限ピース(37)は、本体部分(371)、第1のクランプリング(372)、および第2のクランプリング(373)を備え、前記本体部分(371)は、前記協働ベース(36)上にクランプされ、前記第1のクランプリング(372)および前記第2のクランプリング(373)は、前記本体部分(371)上に配置され、かつ前記第3のシャフト(38)および前記第4のシャフト(39)上にそれぞれクランプされて、これにより前記第3のシャフト(38)および前記第4のシャフト(39)の軸方向変位を制限する、請求項8に記載のチェーン搬送機構(10)。
【請求項10】
ガイドレール(5)を備え、前記ガイドレール(5)は、前記スプロケット(12)に配置され、かつ前記カート(2)が前記スプロケット(12)の周方向に沿って進行方向転換する場合に前記ホイール群(22)を支承する、請求項1から9のいずれか一項に記載のチェーン搬送機構(10)。
【請求項11】
前記ガイドレール(5)は、
前記スプロケット(12)と前記チェーン(11)との間に位置し、前記スプロケット(12)の中心の上方に少なくとも部分的に位置し、かつ前記スプロケット(12)の周方向に沿って延在する第1の円弧形状セクション(511)を備える第1のトラック(51)と、
前記チェーン(11)の前記スプロケット(12)から離れた一方の側部に位置し、前記スプロケット(12)の中心の下方に少なくとも部分的に位置し、かつ前記スプロケット(12)の周方向に沿って延在する第2の円弧形状セクション(521)を備える第2のトラック(52)と、
のうちの少なくとも一方を備える、請求項10に記載のチェーン搬送機構(10)。
【請求項12】
前記ガイドレール(5)は、前記第1のトラック(51)および前記第2のトラック(52)を備え、前記第1の円弧形状セクション(511)および前記第2の円弧形状セクション(521)は、前記スプロケット(12)の周方向において千鳥状をなす、請求項11に記載のチェーン搬送機構(10)。
【請求項13】
前記第1のトラック(51)は、第1の直線状セクション(512)を備え、前記第1の直線状セクション(512)は、前記第1の円弧形状セクション(511)の前記スプロケット(12)の外方側部から離れた一方の端部に対して連結される、および/または前記第2のトラック(52)は、第2の直線状セクション(522)を備え、前記第2の直線状セクション(522)は、前記第2の円弧形状セクション(521)の前記スプロケット(12)の外方側部から離れた一方の端部に対して連結される、請求項11に記載のチェーン搬送機構(10)。
【請求項14】
前記カート(2)は、仕分けカートである、請求項1から9のいずれか一項に記載のチェーン搬送機構(10)。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一項に記載のチェーン搬送機構(10)を備える、物品仕分けシステム(100)。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0077
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0077】
ガイドレール5は、カート2を支持するためにカート2の進行方向転換プロセスにおいてホイール群22を支承するように構成される。図1に示すように、この実施形態では、ガイドレール5は、第1のトラック51および第2のトラック52を備える。第1のトラック51は、スプロケット12とチェーン11との間に位置し、スプロケット12の中心の上方に位置する。第2のトラック52は、チェーン11のスプロケット12から離れた一方の側に位置し、スプロケット12の中心の下方の位置からスプロケット12の中心の上方の位置まで上方へと延在する。
【国際調査報告】