(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-04
(54)【発明の名称】ビス-フェニルフェノキシ金属-配位子錯体のためのヒドロカルビル修飾メチルアルミノキサン共触媒
(51)【国際特許分類】
C08F 4/64 20060101AFI20230927BHJP
【FI】
C08F4/64
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023502989
(86)(22)【出願日】2021-02-05
(85)【翻訳文提出日】2023-01-16
(86)【国際出願番号】 US2021016789
(87)【国際公開番号】W WO2022015368
(87)【国際公開日】2022-01-20
(32)【優先日】2020-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100156476
【氏名又は名称】潮 太朗
(72)【発明者】
【氏名】フォンテーヌ、フィリップ ピー.
(72)【発明者】
【氏名】ピアソン、デイビッド エム.
(72)【発明者】
【氏名】ドゥ、ヒエン キュー.
(72)【発明者】
【氏名】デローブ、ジョナサン イー.
(72)【発明者】
【氏名】ウアクハ、ラファエル
(72)【発明者】
【氏名】ベイリー、レット エイ.
【テーマコード(参考)】
4J128
【Fターム(参考)】
4J128AA01
4J128AB00
4J128AC27
4J128BA00A
4J128BA01B
4J128BB00A
4J128BB01B
4J128BC15B
4J128EA01
4J128EB02
4J128EB07
4J128EC02
4J128FA02
4J128FA09
4J128GA05
4J128GA07
4J128GA08
(57)【要約】
オレフィンモノマーを重合するプロセス。触媒系の存在下でエチレン及び任意選択的に1つ以上のオレフィンモノマーを反応させることを含むプロセスであって、触媒系は、アルミニウムの総モルに基づいて、25モルパーセント未満のトリヒドロカルビルアルミニウム化合物AlRA1RB1RC1を有するヒドロカルビル修飾メチルアルミノキサンであって、式中、RA1、RB1、及びRC1は独立して、直鎖(C1~C40)アルキル、分岐鎖(C1~C40)アルキル、又は(C6~C40)アリールである、ヒドロカルビル修飾メチルアルミノキサンと、式(I)による1つ以上の金属-配位子錯体と、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オレフィンモノマーを重合するプロセスであって、前記プロセスが、触媒系の存在下でエチレン及び任意選択的に1つ以上のオレフィンモノマーを反応させることを含み、前記触媒系が、
ヒドロカルビル修飾メチルアルミノキサンであって、前記ヒドロカルビル修飾メチルアルミノキサン中のアルミニウムの総モルに基づいて、25モルパーセント未満のトリヒドロカルビルアルミニウム化合物AlR
A1R
B1R
C1を有し、式中、R
A1、R
B1、及びR
C1は独立して、直鎖(C
1~C
40)アルキル、分岐鎖(C
1~C
40)アルキル、又は(C
6~C
40)アリールである、ヒドロカルビル修飾メチルアルミノキサンと、
式(I)による1つ以上の金属-配位子錯体であって、
【化1】
式中、
Mは、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、スカンジウム、イットリウム、又は周期表のランタニド系列の元素であり、
nは、1、2、又は3であり、
各Xは、不飽和(C
2~C
50)炭化水素、不飽和(C
2~C
50)ヘテロ炭化水素、飽和(C
2~C
50)ヘテロ炭化水素、(C
1~C
50)ヒドロカルビル、(C
6~C
50)アリール、(C
6~C
50)ヘテロアリール、シクロペンタジエニル、置換シクロペンタジエニル、(C
4~C
12)ジエン、ハロゲン、-N(R
N)
2、及び-N(R
N)COR
Cから独立して選択される単座の配位子であり、
その金属-配位子錯体が、全体的に電荷中性であり、
各Zは、-O-、-S-、-N(R
N)-、又は-P(R
P)-から独立的に選択され、
R
1及びR
16は独立して、-H、(C
1~C
40)ヒドロカルビル、(C
1~C
40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(R
C)
3、-Ge(R
C)
3、-P(R
P)
2、-N(R
N)
2、-OR
C、-SR
C、-NO
2、-CN、-CF
3、R
CS(O)-、R
CS(O)
2-、-N=C(R
C)
2、R
CC(O)O-、R
COC(O)-、R
CC(O)N(R)-、(R
C)
2NC(O)-、ハロゲン、式(II)を有するラジカル、式(III)を有するラジカル、及び式(IV)を有するラジカルからなる群から選択され、
【化2】
式中、R
31~35、R
41~48、及びR
51~59の各々は独立して、-H、(C
1~C
40)ヒドロカルビル、(C
1~C
40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(R
C)
3、-Ge(R
C)
3、-P(R
P)
2、-N(R
N)
2、-OR
C、-SR
C、-NO
2、~CN、~CF
3、R
CS(O)-、R
CS(O)
2-、(R
C)
2C=N-、R
CC(O)O-、R
COC(O)-、R
CC(O)N(R
N)-、(R
C)
2NC(O)-、又はハロゲンから選択され、
R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11、R
12、R
13、R
14、及びR
15は独立して、-H、(C
1~C
40)ヒドロカルビル、(C
1~C
40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(R
C)
3、-Ge(R
C)
3、-P(R
P)
2、-N(R
N)
2-OR
C、-SR
C、-NO
2、-CN、-CF
3、R
CS(O)-、R
CS(O)
2-、(R
C)
2C=N-、R
CC(O)O-、R
COC(O)-、R
CC(O)N(R)-、(R
C)
2NC(O)-、及びハロゲンから選択され、
Lは、(C
1~C
40)ヒドロカルビレン又は(C
2~C
40)ヘテロヒドロカルビレンであり、
式(I)における各R
C、R
P、及びR
Nは独立して、(C
1~C
30)ヒドロカルビル、(C
1~C
30)ヘテロヒドロカルビル、又は-Hである、1つ以上の金属-配位子錯体と、を含む、重合するプロセス。
【請求項2】
前記ヒドロカルビル修飾メチルアルミノキサンが、前記ヒドロカルビル修飾メチルアルミノキサン中のアルミニウムの前記総モルに基づいて、20モルパーセント未満のトリヒドロカルビルアルミニウムを有する、請求項1又は2に記載の重合プロセス。
【請求項3】
前記ヒドロカルビル修飾メチルアルミノキサンが、前記ヒドロカルビル修飾メチルアルミノキサン中のアルミニウムの前記総モルに基づいて、15モルパーセント未満のトリヒドロカルビルアルミニウムを有する、請求項1又は2に記載の重合プロセス。
【請求項4】
前記ヒドロカルビル修飾メチルアルミノキサンが、前記ヒドロカルビル修飾メチルアルミノキサン中のアルミニウムの前記総モルに基づいて、10モルパーセント未満のトリヒドロカルビルアルミニウムを有する、請求項1又は2に記載の重合プロセス。
【請求項5】
前記ヒドロカルビル修飾メチルアルミノキサンが、変性メチルアルミノキサンである、請求項1~4のいずれか一項に記載の重合プロセス。
【請求項6】
R
1及びR
16が、同一である、請求項1~5のいずれか一項に記載の重合プロセス。
【請求項7】
R
1及びR
16のうちの少なくとも1つが、式(III)を有するラジカルである、請求項1~6のいずれか一項に記載の重合プロセス。
【請求項8】
R
42及びR
47が、(C
1~C
20)ヒドロカルビル又は-Si[(C
1~C
20)ヒドロカルビル]
3である、請求項7に記載の重合プロセス。
【請求項9】
R
43及びR
46が、(C
1~C
20)ヒドロカルビル又は-Si[(C
1~C
20)ヒドロカルビル]
3である、請求項7に記載の重合プロセス。
【請求項10】
R
1及びR
16のうちの少なくとも1つが、式(II)を有するラジカルである、請求項1~5のいずれか一項に記載の重合プロセス。
【請求項11】
R
32及びR
34が、(C
1~C
12)ヒドロカルビル又は-Si[(C
1~C
20)ヒドロカルビル]
3である、請求項10に記載の重合プロセス。
【請求項12】
R
1及びR
16のうちの少なくとも1つが、式(IV)を有するラジカルである、請求項1~5のいずれか一項に記載の重合プロセス。
【請求項13】
R
52、R
53、R
55、R
57、及びR
58のうちの少なくとも2つが、(C
1~C
20)ヒドロカルビル又は-Si[(C
1~C
20)ヒドロカルビル]
3である、請求項12に記載の重合プロセス。
【請求項14】
R
5、R
6、R
7、及びR
8のうちの少なくとも1つが、ハロゲン原子であり、
R
9、R
10、R
11、及びR
12のうちの少なくとも1つが、ハロゲン原子である、請求項1~13のいずれかに記載の重合プロセス。
【請求項15】
R
8及びR
9が独立して、(C
1~C
4)アルキルである、請求項1~13のいずれかに記載の重合プロセス。
【請求項16】
R
3及びR
14が、(C
1~C
20)アルキルである、請求項1~15のいずれかに記載の重合プロセス。
【請求項17】
R
3及びR
14が、メチルであり、R
6及びR
11が、ハロゲンである、請求項1~16のいずれか一項に記載の重合プロセス。
【請求項18】
R
6及びR
11が、tert-ブチルである、請求項1~14のいずれか一項に記載の重合プロセス。
【請求項19】
R
3及びR
14が、tert-オクチル又はn-オクチルである、請求項1~14のいずれか一項に記載の重合プロセス。
【請求項20】
Mが、Zr又はScである、請求項1~19のいずれか一項に記載の重合プロセス。
【請求項21】
Lが、-CH
2(CH
2)
mCH
2-(式中、mは、1~3である)、-CH
2Si(R
C)(R
D)CH
2-、-CH
2Ge(R
C)(R
D)CH
2-、-CH(CH
3)CH
2CH(CH
3)-、ビス(メチレン)シクロヘキサン-1,2-ジイル;-CH
2CH(R
C)CH
2-、-CH
2C(R
C)
2CH
2-(式中、Lにおける各R
Cは、(C
1~C
20)ヒドロカルビルであり、LにおけるR
Dは、(C
1~C
20)ヒドロカルビルである)から選択される、請求項1~20のいずれか一項に記載の重合プロセス。
【請求項22】
前記触媒系が、ホウ酸活性化剤を含有しない、請求項1~21のいずれか一項に記載の重合プロセス。
【請求項23】
オレフィンモノマーが、(C
3~C
20)α-オレフィンである、請求項1~22のいずれか一項に記載の重合プロセス。
【請求項24】
前記オレフィンモノマーが、(C
3~C
20)α-オレフィンではない、請求項1~21のいずれか1項に記載の重合プロセス。
【請求項25】
前記オレフィンモノマーが、環状オレフィンである、請求項1~24のいずれか一項に記載の重合プロセス。
【請求項26】
前記重合プロセスが、溶液重合反応である、請求項1~25のいずれか一項に記載の重合プロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年7月17日に出願された米国特許仮出願第63/053,342号に対する優先権を主張し、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本開示の実施形態は、概して、ビス-フェニルフェノキシ金属-配位子錯体を含む触媒系のためのヒドロカルビル修飾メチルアルミノキサン活性化剤に関する。
【背景技術】
【0003】
不均一系オレフィン重合に関するチーグラー及びナッタの発見以来、世界のポリオレフィン生産は2015年に年間約1億5000万トンに達し、これは市場の需要の増加により上昇している。この成功は、助触媒技術における一連の重要な解明に部分的に基づく。発見された助触媒には、トリフェニルカルベニウム又はアンモニウムカチオンを含む、アルミノキサン、ボラン、及びホウ酸が含まれる。これらの助触媒は均一系単一サイトオレフィン重合プロ触媒を活性化し、ポリオレフィンは産業界でこれらの助触媒を使用して製造されている。
【0004】
α-オレフィン重合反応における触媒組成物の一部として、活性化剤は、α-オレフィンポリマーの生成及びα-オレフィンポリマーを含む最終ポリマー組成物にとって有益な特徴を有し得る。α-オレフィンポリマーの生成を増加させる活性化剤の特徴としては、プロ触媒の迅速な活性化、高い触媒効率、高温性能、一貫したポリマー組成、及び選択的な失活が挙げられるが、これらに限定されない。
【0005】
特に、ホウ酸系助触媒は、オレフィン重合機構の基本的な理解に著しく寄与しており、触媒の構造及びプロセスを意図的に調整することにより、ポリオレフィンの微細構造を正確に制御する能力を向上させた。これにより、反応機構研究への関心が高まり、ポリオレフィンの微細構造及び性能を正確に制御する新規の均一系オレフィン重合触媒系の開発へとつながっている。しかしながら、活性化剤又は共触媒のカチオンがプロ触媒を活性化すると、活性化剤の対イオンがポリマー組成物中に残留する場合がある。結果として、ホウ酸アニオンが、ポリマー組成に影響を与える場合がある。具体的には、ホウ酸アニオンのサイズ及びホウ酸アニオンの電荷、ホウ酸アニオンと周囲の媒体との相互作用、並びにホウ酸アニオンと利用可能な対イオンとの解離エネルギーが、溶媒、ゲル、又はポリマー材料などの周囲の媒体を通じてイオンが拡散する能力に影響を与えるであろう。
【0006】
変性メチルアルミノキサン(modified methylaluminoxane、MMAO)は、アルミノキサン構造及びトリヒドロカルビルアルミニウム種の混合物として説明され得る。トリメチルアルミニウムのようなトリヒドロカルビルアルミニウム種は、オレフィン重合触媒の失活に寄与し得る重合プロセスにおける不純物を除去するためのスカベンジャーとして使用される。しかしながら、トリヒドロカルビルアルミニウム種は、いくつかの重合系において活性であり得ると考えられる。触媒阻害は、トリメチルアルミニウムが60℃でハフノセン触媒を用いるプロピレン単独重合において存在する場合に注目されている(Busico,V.et.al.Macromolecules 2009,42,1789-1791)。しかしながら、これらの観察は、MAO活性化対ホウ酸活性化の差をわかりにくくし、直接比較においてさえ、ある程度のトリメチルアルミニウムとなしとの間の差を捕捉する可能性があるだけである。更に、そのような観察が他の触媒系、エチレン重合、又はより高温度で行われる重合にまで及ぶことは明らかではない。にもかかわらず、可溶性MAOの選好は、MMAOの使用を必要とし、したがってトリヒドロカルビルアルミニウム種の存在を必要とする。
【0007】
変性メチルアルミノキサン(MMAO)は、ホウ酸系活性化剤の代わりに、いくつかのPEプロセスにおいて活性化剤として使用される。しかしながら、MMAOは、いくつかのビス-フェニルフェノキシプロ触媒などのいくつかの触媒の性能に悪影響を及ぼすことがわかっており、ポリマー樹脂の生成に悪影響を及ぼしている。重合プロセスに対する悪影響には、触媒活性の低下、生成されるポリマーの組成分布の拡大、及びペレットの取り扱いに対する悪影響が含まれる。
【発明の概要】
【0008】
触媒効率、反応性、及び良好な物理的特性を有するポリマーを生成する能力を維持しながら、触媒系を作る継続的なニーズが存在する。
【0009】
本開示の実施形態は、オレフィンモノマーを重合するプロセスを含む。1つ以上の実施形態では、本プロセスは、触媒系の存在下でエチレン及び任意選択的に1つ以上のオレフィンモノマーを反応させることを含む。触媒系は、ヒドロカルビル修飾メチルアルミノキサンと、金属-配位子錯体と、を含む。ヒドロカルビル修飾メチルアルミノキサン中のアルミニウムの総モルに基づいて、25モルパーセント未満のトリヒドロカルビルアルミニウム化合物AlR
AR
BR
Cを有するヒドロカルビル修飾メチルアルミノキサンであって、式中、R
A、R
B、及びR
Cは独立して、(C
1~C
40)アルキルである、ヒドロカルビル修飾メチルアルミノキサン、並びに式(I)による1つ以上の金属-配位子錯体。
【化1】
式(I)中、Mは、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、イットリウム、又は+2、+3、若しくは+4の形式酸化数を有する周期表のランタニド系列の元素である。(X)
nの下付き文字nは、1、2、又は3である。各Xは、不飽和(C
2~C
50)炭化水素、不飽和(C
2~C
50)ヘテロ炭化水素、飽和(C
2~C
50)ヘテロ炭化水素、(C
1~C
50)ヒドロカルビル、(C
6~C
50)アリール、(C
6~C
50)ヘテロアリール、シクロペンタジエニル、置換シクロペンタジエニル、(C
4~C
12)ジエン、ハロゲン、-N(R
N)
2、及び-N(R
N)COR
Cから独立して選択される単座の配位子である。金属-配位子錯体は、全体的に電荷中性である。各Zは、-O-、-S-、-N(R
N)-、又は-P(R
P)-から独立的に選択される。Lは、(C
1~C
40)ヒドロカルビレン又は(C
2~C
40)ヘテロヒドロカルビレンである。
【0010】
式(I)中、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、及びR15は独立して、-H、(C1~C40)ヒドロカルビル、(C1~C40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(RC)3、-Ge(RC)3、-P(RP)2、-N(RN)2-ORC、-SRC、-NO2、-CN、-CF3、RCS(O)-、RCS(O)2-、(RC)2C=N-、RCC(O)O-、RCOC(O)-、RCC(O)N(R)-、(RC)2NC(O)-、及びハロゲンから選択される。
【0011】
式(I)中、R
1及びR
16は独立して、-H、(C
1~C
40)ヒドロカルビル、(C
1~C
40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(R
C)
3、-Ge(R
C)
3、-P(R
P)
2、-N(R
N)
2、-OR
C、-SR
C、-NO
2、~CN、~CF
3、R
CS(O)-、R
CS(O)
2-、-N=C(R
C)
2、R
CC(O)O-、R
COC(O)-、R
CC(O)N(R)-、(R
C)
2NC(O)-、ハロゲン、式(II)を有するラジカル、式(III)を有するラジカル、及び式(IV)を有するラジカルからなる群から選択される。
【化2】
式(II)、(III)、及び(IV)中、R
31~35、R
41~48、及びR
51~59の各々は独立して、-H、(C
1~C
40)ヒドロカルビル、(C
1~C
40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(R
C)
3、-Ge(R
C)
3、-P(R
P)
2、-N(R
N)
2、-OR
C、-SR
C、-NO
2、-CN、-CF
3、R
CS(O)-、R
CS(O)
2-、(R
C)
2C=N-、R
CC(O)O-、R
COC(O)-、R
CC(O)N(R
N)-、(R
C)
2NC(O)-、又はハロゲンから選択される。
【0012】
式(I)、(II)、(III)、及び式(IV)中、各RC、RP、及びRNは独立して、(C1~C30)ヒドロカルビル、(C1~C30)ヘテロヒドロカルビル、又は-Hである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】MMAOの関数としてのビス-フェニルフェノキシ4(bis-phenylphenoxy 4、BPP-4)及びBPP-11の触媒効率のチャートである。
【
図2】MMAOの関数としてのBPP-2及びBPP-4の触媒効率のチャートである。
【
図3】MMAOの関数としてのBPP-1~BPP-6及びBPP-12の触媒効率のチャートである。
【
図4】MMAOの関数としてのBPP-9及びBPP-10の触媒効率のチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
ここで、触媒系の特定の実施形態を説明する。本開示の触媒系は、異なる形態で実施されてよく、本開示に記載される具体的な実施形態に限定されると解釈されるべきではないことを理解されたい。むしろ、実施形態は、本開示が、徹底的かつ完全であり、主題の範囲を当業者に完全に伝えるように提供される。
【0015】
一般的な略語を以下に列挙する。
【0016】
Me:メチル、Et:エチル、Ph:フェニル、Bn:ベンジル;i-Pr:iso-プロピル、t-Bu:tert-ブチル、t-Oct:tert-オクチル(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)、Tf:スルホン酸トリフルオロメタン、THF:テトラヒドロフラン、Et2O:ジエチルエーテル、CH2Cl2:ジクロロメタン、CV:カラム体積(カラムクロマトグラフィーで使用される)、EtOAc:エチルアセテート、C6D6:重水素化ベンゼン又はベンゼン-d6、CDCl3:重水素化クロロホルム、Na2SO4:硫酸ナトリウム、MgSO4:硫酸マグネシウム、HCl:塩化水素、n-BuLi:n-ブチルリチウム、t-BuLi:tert-ブチルリチウム、MAO:メチルアルミノキサン、MMAO:変性メチルアルミノキサン、GC:ガスクロマトグラフィー、LC:液体クロマトグラフィー、NMR:核磁気共鳴、MS:質量分析;mmol:ミリモル、mL:ミリリットル、M:モル、min又はmins:分;h又はhrs:時間、d:日。
【0017】
「独立して選択される」という用語は、R1、R2、R3、R4、及びR5などのR基が、同一であっても異なっていてもよいこと(例えば、R1、R2、R3、R4、及びR5は全て、置換アルキルであってもよく、又はR1及びR2は、置換アルキルであってもよく、R3は、アリールであってもよい、など)を示すために本明細書で使用される。R基に関連する化学名は、化学名の化学構造に対応するものとして当該技術分野で認識されている化学構造を伝えることを意図している。したがって、化学名は、当業者に既知の構造的定義を補足及び例示することを意図しており、排除することを意図するものではない。
【0018】
「プロ触媒」という用語は、活性化剤と組み合わせた場合にオレフィン重合触媒活性を有する、遷移金属化合物を指す。「活性化剤」という用語は、プロ触媒を触媒的に活性な触媒に変換するようにプロ触媒と化学的に反応する化合物を指す。本明細書で使用される場合、「助触媒」及び「活性化剤」という用語は、互換的な用語である。
【0019】
特定の炭素原子含有化学基を説明するために使用するとき、「(Cx~Cy)」の形態を有する括弧付きの表現は、化学基の非置換形態がx個以上y個以下の炭素原子を有することを意味する。例えば、(C1~C50)アルキルは、その非置換形態で1~50個の炭素原子を有するアルキル基である。いくつかの実施形態及び一般構造において、ある特定の化学基は、RSなどの1つ以上の置換基によって置換され得る。括弧付きの「(Cx~Cy)」を使用して定義されるRSで置換された化学基は、任意の基RSの同一性に応じてy個を超える炭素原子を含有する場合もある。例えば、「正確に1個のRS基で置換された(C1~C50)アルキル(RSは、フェニル(-C6H5)である)」は、7~56個の炭素原子を含有し得る。したがって、一般に、括弧付きの「(Cx~Cy)」を使用して定義される化学基が1個以上の炭素原子を含有する置換基RSによって置換されるとき、化学基の炭素原子の最小及び最大合計数は、x及びyの両方に、全ての炭素原子を含有する置換基RS由来の炭素原子の合計数を加えることによって、決定される。
【0020】
「置換」という用語は、対応する非置換化合物又は官能基の炭素原子に結合している少なくとも1つの水素原子(-H)が、置換基(例えば、RS)によって置き換えられることを意味する。「-H」という用語は、別の原子に共有結合している水素又は水素ラジカルを意味する。「水素」及び「-H」は交換可能であり、明記されていない限り、同一の意味を有する。
【0021】
「(C1~C50)アルキル」という用語は、1~50個の炭素原子を含有する飽和直鎖又は分岐炭化水素ラジカルを意味し、「(C1~C30)アルキル」という用語は、1~30個の炭素原子の飽和直鎖又は分岐炭化水素ラジカルを意味する。各(C1~C50)アルキル及び(C1~C30)アルキルは、非置換であり得るか、又は1つ以上のRSで置換され得る。いくつかの例では、炭化水素ラジカル中の各水素原子は、例えばトリフルオロメチルなどのRSで置換され得る。非置換(C1~C50)アルキルの例は、非置換(C1~C20)アルキル、非置換(C1~C10)アルキル、非置換(C1~C5)アルキル、メチル、エチル、1-プロピル、2-プロピル、1-ブチル、2-ブチル、2-メチルプロピル、1,1-ジメチルエチル、1-ペンチル、1-ヘキシル、1-ヘプチル、1-ノニル、及び1-デシルである。置換(C1~C40)アルキルの例は、置換(C1~C20)アルキル、置換(C1~C10)アルキル、トリフルオロメチル、及び[C45]アルキルである。「[C45]アルキル」という用語は、ラジカルに最大45個の炭素原子が存在する(置換基を含む)ことを意味し、例えば、メチル、トリフルオロメチル、エチル、1-プロピル、1-メチルエチル、又は1,1-ジメチルエチルなどの(C1~C5)アルキルである1個のRSによって置換された、例えば(C27~C40)アルキルである。
【0022】
(C3~C50)アルケニルという用語は、3~50個の炭素原子、少なくとも1つの二重結合を含有し、かつ非置換であるか又は1つ以上のRSで置換されている、分岐又は非分岐の環状又は非環状一価炭化水素ラジカルを意味する。非置換(C3~C50)アルケニルの例:n-プロペニル、イソプロペニル、n-ブテニル、イソブテニル、オクテニル、デセニル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキセニル、及びシクロヘキサジエニル。置換(C3~C50)アルケニルの例:(2-トリフルオロメチル)ペント-1-エニル、(3-メチル)ヘキス-1-エニル、(3-メチル)ヘキサ-1,4-ジエニル、及び(Z)-1-(6-メチルヘプト-3-エン-1-イル)シクロヘキス-1-エニル。
【0023】
「(C3~C50)シクロアルキル」という用語は、非置換であるか又は1個以上のRSによって置換された3~50個の炭素原子の飽和環式炭化水素ラジカルを意味する。他のシクロアルキル基(例えば(Cx~Cy)シクロアルキル)は、x~y個の炭素原子を有し、かつ非置換であるか、又は1つ以上のRSで置換されているものであるかのいずれかとして、同様の様式で定義される。非置換(C3~C40)シクロアルキルの例は、非置換(C3~C20)シクロアルキル、非置換(C3~C10)シクロアルキル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、及びシクロデシルである。置換(C3~C40)シクロアルキルの例は、置換(C3~C20)シクロアルキル、置換(C3~C10)シクロアルキル、及び1-フルオロシクロヘキシルである。
【0024】
「ハロゲン原子」又は「ハロゲン」という用語は、フッ素原子(F)、塩素原子(Cl)、臭素原子(Br)、又はヨウ素原子(I)のラジカルを意味する。「ハライド」という用語は、ハロゲン原子のアニオン形態、フルオライド(F-)、クロライド(Cl-)、ブロマイド(Br-)、又はアイオダイド(I-)を意味する。
【0025】
「飽和」という用語は、炭素-炭素二重結合、炭素-炭素三重結合、及び(ヘテロ原子含有基において)炭素-窒素、炭素-リン、及び炭素-ケイ素二重結合を欠くことを意味する。飽和化学基が1つ以上の置換基RSによって置換されている場合、1つ以上の二重結合又は三重結合は、任意に、置換基RS中に存在し得る。「不飽和」という用語は、1個以上の炭素-炭素二重結合若しくは炭素-炭素三重結合、又は(ヘテロ原子含有基において)1個以上の炭素-窒素二重結合、炭素-リン二重結合、又は炭素-ケイ素二重結合を含有し、置換基RS(存在する場合)、又は芳香環若しくはヘテロ芳香環(存在する場合)中に存在し得る二重結合を含まないことを意味する。
【0026】
「ヒドロカルビル修飾メチルアルミノキサン」という用語は、ある量のトリヒドロカルビルアルミニウムを含むメチルアルミノキサン(MMAO)構造を指す。ヒドロカルビル修飾メチルアルミノキサンは、ヒドロカルビル修飾メチルアルミノキサンマトリックス及びトリヒドロカルビルアルミニウムの組み合わせを含む。ヒドロカルビル修飾メチルアルミノキサン中のアルミニウムの総モル量は、ヒドロカルビル修飾メチルアルミノキサンマトリックスからのアルミニウムのモル数及びトリヒドロカルビルアルミニウムからのアルミニウムのモル数からのアルミニウム寄与で構成される。ヒドロカルビル修飾メチルアルミノキサンは、ヒドロカルビル修飾メチルアルミノキサン中のアルミニウムの総モルに基づいて、2.5モルパーセント超のトリヒドロカルビルアルミニウムを含む。これらの追加のヒドロカルビル置換基は、その後のアルミノキサン構造に影響を及ぼし、アルミノキサンクラスターの分布クラスターの分布及びサイズの差をもたらす可能性がある(Bryliakov,K.P et.al.Macromol.Chem.Phys.2006,207,327-335)。追加のヒドロカルビル置換基はまた、米国特許第5777143号で実証されているように、ヘキサン、ヘプタン、メチルシクロヘキサン、及びISOPAR E(商標)などであるがこれらに限定されない炭化水素溶媒中でのアルミノキサンの溶解度を増加させることができる。変性メチルアルミノキサン組成物は、一般的に開示されており、米国特許第5066631号及び米国特許第5728855号に記載されているように調製され得、それらの両方が参照により本明細書に組み込まれる。
【0027】
本開示の実施形態は、オレフィンモノマーを重合するプロセスを含む。1つ以上の実施形態では、本プロセスは、触媒系の存在下でエチレン及び任意選択的に1つ以上のオレフィンモノマーを反応させることを含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、オレフィンモノマーは、(C3~C20)α-オレフィンである。他の実施形態では、オレフィンモノマーは、(C3~C20)α-オレフィンではない。様々な実施形態では、オレフィンモノマーは、環状オレフィンである。
【0029】
1つ以上の実施形態では、触媒系は、ヒドロカルビル修飾メチルアルミノキサンと、金属-配位子錯体と、を含む。ヒドロカルビル修飾メチルアルミノキサン中のアルミニウムの総モルに基づいて、25モルパーセント未満のトリヒドロカルビルアルミニウムを有する、ヒドロカルビル修飾メチルアルミノキサン。トリヒドロカルビルアルミニウムは、AlRA1RB1RC1の式を有し、式中、RA1、RB1、及びRC1は独立して、(C1~C40)アルキルである。
【0030】
実施形態中、重合プロセスにおけるヒドロカルビル修飾メチルアルミノキサンは、ヒドロカルビル修飾メチルアルミノキサン中のアルミニウムの総モルに基づいて、20モルパーセント未満及び5モルパーセント超のトリヒドロカルビルアルミニウムを有する。いくつかの実施形態では、ヒドロカルビル修飾メチルアルミノキサンは、ヒドロカルビル修飾メチルアルミノキサン中のアルミニウムの総モルに基づいて、15モルパーセント未満のトリヒドロカルビルアルミニウムを有する。1つ以上の実施形態では、ヒドロカルビル修飾メチルアルミノキサンは、ヒドロカルビル修飾メチルアルミノキサン中のアルミニウムの総モルに基づいて、10モルパーセント未満のトリヒドロカルビルアルミニウムを有する。様々な実施形態では、ヒドロカルビル修飾メチルアルミノキサンは、変性メチルアルミノキサンである。
【0031】
いくつかの実施形態では、トリヒドロカルビルアルミニウムは、AlRA1RB1RC1の式を有し、式中、RA1、RB1、及びRC1は独立して、(C1~C10)アルキルである。1つ以上の実施形態では、RA1、RB1、及びRC1は独立して、メチル、エチル、プロピル、2-プロピル、ブチル、tert-ブチル、又はオクチルである。いくつかの実施形態では、RA1、RB1、及びRC1は、同じである。他の実施形態では、RA1、RB1、及びRC1のうちの少なくとも1つは、他のRA1、RB1、及びRC1と異なる。
【0032】
実施形態では、触媒系は、ヒドロカルビル修飾メチルアルミノキサンと、金属-配位子錯体と、を含む。いくつかの実施形態では、触媒系は、式(I)による1つ以上の金属-配位子錯体を含む。
【化3】
式(I)中、Mは、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、スカンジウム、イットリウム、又は+2、+3、若しくは+4の形式酸化数を有する周期表のランタニド系列の元素である。いくつかの実施形態では、Mは、Zr又はScである。
【0033】
(X)nの下付き文字nは、1、2、又は3である。各Xは、不飽和(C2~C50)炭化水素、不飽和(C2~C50)ヘテロ炭化水素、飽和(C2~C50)ヘテロ炭化水素、(C1~C50)ヒドロカルビル、(C6~C50)アリール、(C6~C50)ヘテロアリール、シクロペンタジエニル、置換シクロペンタジエニル、(C4~C12)ジエン、ハロゲン、-N(RN)2、及び-N(RN)CORCから独立して選択される単座の配位子である。金属-配位子錯体は、全体的に電荷中性である。各Zは、-O-、-S-、-N(RN)-、又は-P(RP)-から独立的に選択される。Lは、(C1~C40)ヒドロカルビレン又は(C2~C40)ヘテロヒドロカルビレンである。
【0034】
式(I)中、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、及びR15は独立して、-H、(C1~C40)ヒドロカルビル、(C1~C40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(RC)3、-Ge(RC)3、-P(RP)2、-N(RN)2、-ORC、-SRC、-NO2、-CN、-CF3、RCS(O)-、RCS(O)2-、(RC)2C=N-、RCC(O)O-、RCOC(O)-、RCC(O)N(R)-、(RC)2NC(O)-、及びハロゲンから選択される。
【0035】
式(I)中、R
1及びR
16は独立して、-H、(C
1~C
40)ヒドロカルビル、(C
1~C
40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(R
C)
3、-Ge(R
C)
3、-P(R
P)
2、-N(R
N)
2、-OR
C、-SR
C、-NO
2、-CN、-CF
3、R
CS(O)-、R
CS(O)
2-、-N=C(R
C)
2、R
CC(O)O-、R
COC(O)-、R
CC(O)N(R)-、(R
C)
2NC(O)-、ハロゲン、式(II)を有するラジカル、式(III)を有するラジカル、及び式(IV)を有するラジカルからなる群から選択される。
【化4】
式(II)、式(III)、又は式(IV)を有するラジカルの一部として式(I)の金属-配位子錯体に存在する場合、式(I)の金属-配位子錯体の基R
31~35、R
41~48、及びR
51~59は各々独立して、(C
1~C
40)ヒドロカルビル、(C
1~C
40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(R
C)
3、-P(R
P)
2、-N(R
N)
2、-OR
C、-SR
C、-NO
2、-CN、-CF
3、R
CS(O)-、R
CS(O)
2-、(R
C)
2C=N-、R
CC(O)O-、R
COC(O)-、R
CC(O)N(R
N)-、(R
N)
2NC(O)-、ハロゲン、水素(-H)、又はそれらの組み合わせから選択される。独立して、各R
C、R
P、及びR
Nは、非置換(C
1~C
18)ヒドロカルビル、(C
1~C
30)ヘテロヒドロカルビル、又は-Hである。
【0036】
式(I)、(II)、(III)、及び式(IV)中、各RC、RP、及びRNは独立して、(C1~C30)ヒドロカルビル、(C1~C30)ヘテロヒドロカルビル、又は-Hである。
【0037】
1つ以上の実施形態では、式(I)の金属-配位子錯体は、プロ触媒である。
【0038】
いくつかの実施形態では、式(I)の金属-配位子錯体中の基R1及びR16は、互いに独立して選択される。例えば、R1は、式(II)、(III)、若しくは(IV)を有するラジカルから選択されてもよく、R16は、(C1~C40)ヒドロカルビルであり得るか、又はR1は、式(II)、(III)、若しくは(IV)を有するラジカルから選択されてもよく、R16は、式(II)、(III)、若しくは(IV)を有するラジカルから選択され得、R1のそれと同じか又は異なる。R1及びR16の両方は、式(II)を有するラジカルであり得、その場合、基R31-35は、R1及びR16において同じか又は異なる。他の実施例では、R1及びR16の両方は、式(III)を有するラジカルであり得、その場合、基R41-48は、R1及びR16において同じか若しくは異なるか、又はR1及びR16の両方は、式(IV)を有するラジカルであり得、その場合、基R51-59は、R1及びR16において同じか又は異なる。
【0039】
いくつかの実施形態では、R1及びR16のうちの少なくとも1つは、式(II)を有するラジカルであり、ここで、R32及びR34はtert-ブチルである。1つ以上の実施形態では、R32及びR34は、(C1~C12)ヒドロカルビル又は-Si[(C1~C10)アルキル]3である。
【0040】
いくつかの実施形態では、R1又はR16のうちの少なくとも1つが、式(III)を有するラジカルであるとき、R43及びR46のうちの一方又は両方は、tert-ブチルであり、R41~42、R44~45、及びR47~48は、-Hである。他の実施形態では、R42及びR47のうちの一方又は両方は、tert-ブチルであり、R41、R43~46、及びR47~48は、-Hである。いくつかの実施形態ではR42及びR47の両方は、-Hである。様々な実施形態では、R42及びR47は、(C1~C20)ヒドロカルビル又は-Si[(C1~C10)アルキル]3である。他の実施形態では、R43及びR46は、(C1~C20)ヒドロカルビル又は-Si[(C1~C10)アルキル]3である。
【0041】
実施形態では、R1又はR16のうちの少なくとも1つが、式(IV)を有するラジカルであり、各R52、R53、R55、R57、及びR58は、-H、(C1~C20)ヒドロカルビル、-Si[(C1~C20)ヒドロカルビル]3、又は-Ge[(C1~C20)ヒドロカルビル]3である。いくつかの実施形態では、R52、R53、R55、R57、及びR58のうちの少なくとも1つが、(C3~C10)アルキル、-Si[(C3~C10)アルキル]3、又は-Ge[(C3~C10)アルキル]3である。1つ以上の実施形態では、R52、R53、R55、R57、及びR58のうちの少なくとも2つが、(C3~C10)アルキル、-Si[(C3~C10)アルキル]3、又は-Ge[(C3~C10)アルキル]3である。様々な実施形態では、R52、R53、R55、R57、及びR58のうちの少なくとも3つが、(C3~C10)アルキル、-Si[(C3~C10)アルキル]3、又は-Ge[(C3~C10)アルキル]3である。
【0042】
いくつかの実施形態では、R1又はR16のうちの少なくとも1つが、式(IV)を有するラジカルであるとき、R52、R53、R55、R57、及びR58のうちの少なくとも2つは、(C1~C20)ヒドロカルビル又は-Si[(C1~C20)ヒドロカルビル]3である。
【0043】
(C3~C10)アルキルの例としては、1-プロピル、2-プロピル(イソ-プロピルとも呼ばれる)、1,1-ジメチルエチル(tert-ブチルとも呼ばれる)、シクロペンチル、シクロヘキシル、1-ブチル、ペンチル、3-メチルブチル、ヘキシル、4-メチルペンチル、ヘプチル、n-オクチル、tert-オクチル(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イルとも呼ばれる)、ノニル、及びデシルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0044】
式(I)中、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、及びR15は独立して、-H、(C1~C40)ヒドロカルビル、(C1~C40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(RC)3、-Ge(RC)3、-P(RP)2、-N(RN)2、-ORC、-SRC、-NO2、-CN、-CF3、RCS(O)-、RCS(O)2-、(RC)2C=N-、RCC(O)O-、RCOC(O)-、RCC(O)N(R)-、(RC)2NC(O)-、及びハロゲンから選択される。
【0045】
1つ以上の実施形態では、R2、R4、R5、R12、R13、及びR15は、水素であり、各Zは、酸素である。
【0046】
様々な実施形態では、R5、R6、R7、及びR8のうちの少なくとも1つが、ハロゲン原子であり、R9、R10、R11、及びR12のうちの少なくとも1つが、ハロゲン原子である。いくつかの実施形態では、R8及びR9は独立して、(C1~C4)アルキルである。
【0047】
いくつかの実施形態では、R3及びR14は、(C1~C20)アルキルである。1つ以上の実施形態では、R3及びR14は、メチルであり、R6及びR11は、ハロゲンである。実施形態では、R6及びR11は、tert-ブチルである。他の実施形態では、R3及びR14は、tert-オクチル又はn-オクチルである。
【0048】
様々な実施形態では、R3及びR14は、(C1~C24)アルキルである。1つ以上の実施形態では、R3及びR14は、(C4~C24)アルキルである。いくつかの実施形態では、R3及びR14は、1-プロピル、2-プロピル(イソ-プロピルとも呼ばれる)、1,1-ジメチルエチル(tert-ブチルとも呼ばれる)、シクロペンチル、シクロヘキシル、1-ブチル、ペンチル、3-メチル-1-ブチル、ヘキシル、4-メチル-1-ペンチル、ヘプチル、n-オクチル、tert-オクチル(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イルとも呼ばれる)、ノニル、及びデシルである。実施形態では、R3及びR14は、-ORCであり、RCは、(C1~C20)炭化水素であり、いくつかの実施形態では、RCは、メチル、エチル、1-プロピル、2-プロピル(イソ-プロピルとも呼ばれる)、又は1,1-ジメチルエチルである。
【0049】
1つ以上の実施形態では、R8及びR9のうちの1つは、-Hではない。様々な実施形態では、R8及びR9のうちの少なくとも1つは、(C1~C24)アルキルである。いくつかの実施形態では、R8及びR9の両方は、(C1~C24)アルキルである。いくつかの実施形態では、R8及びR9は、メチルである。他の実施形態では、R8及びR9は、ハロゲンである。
【0050】
いくつかの実施形態では、R3及びR14は、メチルである。1つ以上の実施形態では、R3及びR14は、(C4~C24)アルキルである。いくつかの実施形態では、R3及びR14は、1-プロピル、2-プロピル(イソ-プロピルとも呼ばれる)、1,1-ジメチルエチル(tert-ブチルとも呼ばれる)、シクロペンチル、シクロヘキシル、1-ブチル、ペンチル、3-メチル-1-ブチル、ヘキシル、4-メチル-1-ペンチル、ヘプチル、n-オクチル、tert-オクチル(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イルとも呼ばれる)、ノニル、及びデシルである。
【0051】
様々な実施形態では、式(I)の金属-配位子錯体において、R6及びR11は、ハロゲンである。いくつかの実施形態では、R6及びR11は、(C1~C24)アルキルである。様々な実施形態では、R6及びR11は独立して、メチル、エチル、1-プロピル、2-プロピル(イソ-プロピルとも呼ばれる)、1,1-ジメチルエチル(tert-ブチルとも呼ばれる)、シクロペンチル、シクロヘキシル、1-ブチル、n-ペンチル、3-メチルブチル、n-ヘキシル、4-メチルペンチル、n-ヘプチル、n-オクチル、tert-オクチル(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イルとも呼ばれる)、ノニル、及びデシルから選択される。いくつかの実施形態では、R6及びR11は、tert-ブチルである。実施形態では、R6及びR11は、-ORCであり、RCは、(C1~C20)炭化水素であり、いくつかの実施形態では、RCは、メチル、エチル、1-プロピル、2-プロピル(イソ-プロピルとも呼ばれる)、又は1,1-ジメチルエチルである。他の実施形態では、R6及びR11は、-SiRC
3であり、式中、各RCは、独立して、(C1~C20)ヒドロカルビルであり、いくつかの実施形態において、RCは、メチル、エチル、1-プロピル、2-プロピル(イソ-プロピルとも呼ばれる)、又は1,1-ジメチルエチルである。
【0052】
いくつかの実施形態では、式(I)の金属-配位子錯体の化学基(例えば、X及びR1-59)のうちのいずれか又は全ては、非置換であり得る。他の実施形態では、式(I)の金属-配位子錯体の化学基X及びR1-59のうちのいずれも1つ又は2つ以上のRSで置換されていない場合も、それらのうちのいずれか又は全てが、1つ又は2つ以上のRSで置換されている場合もある。2つ又は3つ以上のRSが式(I)の金属-配位子錯体の同じ化学基に結合している場合、化学基の個々のRSは、同じ炭素原子若しくはヘテロ原子に、又は異なる炭素原子若しくはヘテロ原子に結合し得る。いくつかの実施形態では、化学基X及びR1-59のうちのいずれもRSで過置換されていない場合も、それらのうちのいずれか又は全てが、RSで過置換されている場合もある。RSで過置換されている化学基では、個々のRSは、全て同じであり得るか、又は独立して選択され得る。1つ以上の実施形態では、RSは、(C1~C20)ヒドロカルビル、(C1~C20)アルキル、(C1~C20)ヘテロヒドロカルビル、又は(C1~C20)ヘテロアルキルから選択される。
【0053】
式(I)中、Lは、(C1~C40)ヒドロカルビレン又は(C1~C40)ヘテロヒドロカルビレンであり、各Zは独立して、-O-、-S-、-N(RN)-、又は-P(RP)-から選択される。1つ以上の実施形態では、Lは、1~10個の原子を含む。
【0054】
式(I)、(II)、(III)、及び式(IV)中、各RC、RP、及びRNは独立して、(C1~C30)ヒドロカルビル、(C1~C30)ヘテロヒドロカルビル、又は-Hである。
【0055】
式(I)のいくつかの実施形態では、Lは、例えば、-CH2CH2CH2-、-CH(CH3)CH2C*H(CH3)、-CH(CH3)CH(CH3)C*H(CH3)、-CH2C(CH3)2CH2-、シクロペンタン-1,3-ジイル、又はシクロヘキサン-1,3-ジイルなどの(C3~C7)アルキル1,3-ジラジカルから選択され得る。いくつかの実施形態では、Lは、例えば、-CH2CH2CH2CH2-、-CH2C(CH3)2C(CH3)2CH2-、シクロヘキサン-1,2-ジイルジメチル、及びビシクロ[2.2.2]オクタン-2,3-ジイルジメチルなどの(C4~C10)アルキル1,4-ジラジカルから選択され得る。いくつかの実施形態では、Lは、(C5~C12)アルキル1,5-ジラジカル、例えば、-CH2CH2CH2CH2CH2-、及び1,3-ビス(メチレン)シクロヘキサンから選択され得る。いくつかの実施形態では、Lは、例えば、(C6~C14)アルキル1,6-ジラジカル、例えば、-CH2CH2CH2CH2CH2CH2-、又は1,2-ビス(エチレン)シクロヘキサンから選択され得る。
【0056】
1つ以上の実施形態では、Lは、(C2~C40)ヘテロヒドロカルビレンである。いくつかの実施形態では、Lは、-CH2Ge(RC)2CH2-であり、式中、各RCは、(C1~C30)ヒドロカルビルである。いくつかの実施形態では、Lは、-CH2Ge(CH3)2CH2-、-CH2Ge(エチル)2CH2-、-CH2Ge(2-プロピル)2CH2-、-CH2Ge(t-ブチル)2CH2-、-CH2Ge(シクロペンチル)2CH2-、又は-CH2Ge(シクロヘキシル)2CH2-である。
【0057】
1つ以上の実施形態では、Lは、-CH2-、-CH2CH2-、-CH2(CH2)mCH2-、CH2(C(H)RC)mCH2-、及び-CH2(CRC)mCH2-(式中、下付き文字mは、1~3である)、~CH2Si(RC)2CH2-、-CH2Ge(RC)2CH2-、-CH(CH3)CH2CH*(CH3)、及び-CH2(フェン-1,2-ジ-イル)CH2-から選択され、L中の各RCは、(C1~C20)ヒドロカルビルである。
【0058】
かかる(C1~C12)アルキルの例としては、メチル、エチル、1-プロピル、2-プロピル(イソ-プロピルとも呼ばれる)、1,1-ジメチルエチル、シクロペンチル、又はシクロヘキシル、ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、n-オクチル、tert-オクチル(2,4,4-トリメチルペント-2-イル)、ノニル、デシル、ウンデシル、及びドデシルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0059】
いくつかの実施形態では、式(I)による金属-配位子錯体において、R8及びR9の両方は、メチルである。他の実施形態では、R8及びR9のうちの一方は、メチルであり、R8及びR9の他方は、-Hである。
【0060】
式(I)による金属-配位子錯体において、Xは、共有結合、又はイオン結合を通してMと結合する。いくつかの実施形態では、Xは、-1の正味の形式酸化数を有するモノアニオン性配位子であり得る。各モノアニオン性配位子は独立して、ヒドリド、(C1~C40)ヒドロカルビルカルバニオン、(C1~C40)ヘテロヒドロカルビルカルバニオン、ハロゲン化物、ニトレート、カーボネート、ホスフェート、スルフェート、HC(O)O-、HC(O)N(H)-、(C1~C40)ヒドロカルビルC(O)O-、(C1~C40)ヒドロカルビルC(O)N((C1~C20)ヒドロカルビル)-、(C1~C40)ヒドロカルビルC(O)N(H)-、RKRLB-、RKRLN-、RKO-、RKS-、RKRLP-、又はRMRKRLSi-であり得、式中、各RK、RL、及びRMは独立して、水素、(C1~C40)ヒドロカルビル、若しくは(C1~C40)ヘテロヒドロカルビルであるか、又はRK及びRLは一緒になって、(C2~C40)ヒドロカルビレン若しくは(C1~C20)ヘテロヒドロカルビレンを形成し、RMは、上で定義されているとおりである。
【0061】
いくつかの実施形態では、Xは、ハロゲン、非置換(C1~C20)ヒドロカルビル、非置換(C1~C20)ヒドロカルビルC(O)O-、又はRKRLN-であり、式中、RK及びRLの各々は独立して、非置換(C1~C20)ヒドロカルビルである。いくつかの実施形態では、各単座配位子Xは、塩素原子、(C1~C10)ヒドロカルビル(例えば、(C1~C6)アルキル若しくはベンジル)、非置換(C1~C10)ヒドロカルビルC(O)O-、又はRKRLN-であり、式中、RK及びRLの各々は独立して、非置換(C1~C10)ヒドロカルビルである。
【0062】
更なる実施形態では、Xは、メチル、エチル、1-プロピル、2-プロピル、1-ブチル、2,2,-ジメチルプロピル、トリメチルシリルメチル、フェニル、ベンジル、又はクロロから選択される。Xは、メチル、エチル、1-プロピル、2-プロピル、1-ブチル、2,2,-ジメチルプロピル、トリメチルシリルメチル、フェニル、ベンジル、及びクロロのうちの異なるものであってよい。一実施形態では、nは、2であり、少なくとも2つのXは、独立して、モノアニオン性単座配位子である。特定の実施形態では、nは、2であり、2つのX基は一緒になって、二座配位子を形成する。更なる実施形態では、二座配位子は、2,2-ジメチル-2-シラプロパン-1,3-ジイル又は1,3-ブタジエンである。
【0063】
1つ以上の実施形態では、各Xは独立して、-(CH2)SiRX
3であり、式中、各RXは独立して、(C1~C30)アルキル又は(C1~C30)ヘテロアルキルであり、少なくとも1つのRXは、(C1~C30)アルキルである。いくつかの実施形態では、RXのうちの1つが(C1~C30)ヘテロアルキルである場合、ヘテロ原子は、シリカ又は酸素原子である。いくつかの実施形態では、RXは、メチル、エチル、プロピル、2-プロピル、ブチル、1,1-ジメチルエチル(又は、tert-ブチル)、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、n-オクチル、tert-オクチル、又はノニルである。
【0064】
1つ以上の実施形態では、Xは、-(CH2)Si(CH3)3、-(CH2)Si(CH3)2(CH2CH3)、-(CH2)Si(CH3)(CH2CH3)2、-(CH2)Si(CH2CH3)3、-(CH2)Si(CH3)2(n-ブチル)、-(CH2)Si(CH3)2(n-ヘキシル)、-(CH2)Si(CH3)(n-Oct)RX、-(CH2)Si(n-Oct)RX
2、-(CH2)Si(CH3)2(2-エチルヘキシル)、-(CH2)Si(CH3)2(ドデシル)、-CH2Si(CH3)2CH2Si(CH3)3(本明細書では、-CH2Si(CH3)2CH2TMSと称される)である。任意選択的に、いくつかの実施形態では、式(I)による金属-配位子錯体は、正確に2つのRXが共有結合しているか、又は正確に3つのRXが共有結合している。
【0065】
いくつかの実施形態では、Xは、-CH2Si(RC)3-Q(ORC)Q、-Si(RC)3-Q(ORC)Q、-OSi(RC)3-Q(ORC)Qであり、式中、下付き文字Qは、0、1、2、又は3であり、各RCは、独立して、置換又は非置換(C1~C30)ヒドロカルビル、又は置換又は非置換(C1~C30)ヘテロヒドロカルビルである。
【0066】
共触媒成分
式(I)の金属-配位子錯体を含む触媒系は、オレフィン重合反応の金属系触媒を活性化するための当該技術分野で既知の任意の技術によって触媒的に活性化され得る。例えば、式(I)の金属-配位子錯体によるプロ触媒は、錯体を活性化共触媒と接触させるか、又は錯体を活性化共触媒と組み合わせることによって、触媒的に活性にされ得る。更に、式(I)による金属-配位子錯体としては、中性のプロ触媒型と、メチル、ベンジル又はフェニルなどのモノアニオン性配位子の損失に起因して正に帯電し得る触媒型との両方が挙げられる。本明細書で使用するのに好適な活性化共触媒としては、オリゴマーアルモキサン又はヒドロカルビル修飾メチルアルミノキサンが挙げられる。
【0067】
実施形態では、触媒系は、ホウ酸塩活性化剤を含有しない。1つ以上の実施形態では、ホウ酸活性化剤は、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸(1-)アニオン及び対カチオンである。いくつかの実施形態では、ホウ酸活性化剤は、ビス(水素化牛脂アルキル)メチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸である。
【0068】
ポリオレフィン
先行する段落に記載される触媒系は、オレフィン、主にエチレン及びプロピレンの重合に利用され、エチレン系ポリマー又はプロピレン系ポリマーを形成する。いくつかの実施形態では、重合スキーム中に単一タイプのオレフィン又はα-オレフィンのみが存在し、ホモポリマーを生成する。しかしながら、追加のα-オレフィンを重合手順に組み込んでもよい。追加のα-オレフィンコモノマーは、典型的には、20個以下の炭素原子を有する。例えば、α-オレフィンコモノマーは、3~10個の炭素原子、又は3~8個の炭素原子を有し得る。例示的なα-オレフィンコモノマーとしては、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、及び4-メチル-1-ペンテンが挙げられるが、これらに限定されない。例えば、1つ以上のα-オレフィンコモノマーは、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、及び1-オクテンからなる群から、又は代替として、1-ヘキセン及び1-オクテンからなる群から選択され得る。
【0069】
エチレン系ポリマー、例えば、エチレンのホモポリマー及び/又はインターポリマー(コポリマーを含む)、並びに任意選択的にα-オレフィンなどの1つ以上のコモノマーは、エチレンに由来するモノマー単位を少なくとも50モルパーセント(mol%)含み得る。「少なくとも50モルパーセント」に包含される全ての個々の値及び部分範囲は、別個の実施形態として本明細書に開示され、例えば、エチレン系ポリマー、エチレンのホモポリマー及び/又はインターポリマー(コポリマーを含む)、並びに任意選択的にα-オレフィンなどの1つ以上のコモノマーは、エチレン由来する少なくとも60モルパーセントのモノマー単位、エチレンに由来する少なくとも70モルパーセントのモノマー単位、エチレンに由来する少なくとも80モルパーセントのモノマー単位、又はエチレンに由来する50~100モルパーセントのモノマー単位、又はエチレンに由来する80~100モルパーセントのモノマー単位を含み得る。
【0070】
いくつかの実施形態では、エチレン系ポリマーは、エチレンに由来する少なくとも90モルパーセントの単位を含み得る。少なくとも90モルパーセントからの全ての個々の値及び部分範囲は本明細書に含まれ、別個の実施形態として本明細書に開示される。例えば、エチレン系ポリマーは、エチレンに由来する少なくとも93モルパーセントの単位、少なくとも96モルパーセントの単位、エチレンに由来する少なくとも97モルパーセントの単位、又は代替として、エチレンに由来する90~100モルパーセントの単位、エチレンに由来する90~99.5モルパーセントの単位、又はエチレンに由来する97~99.5モルパーセントの単位を含み得る。
【0071】
エチレン系ポリマーのいくつかの実施形態では、追加のα-オレフィンの量は、50%未満であり、他の実施形態では、少なくとも1モルパーセント(モル%)~25モル%を含み、更なる実施形態では、追加のα-オレフィンの量は、少なくとも5mol%~100mol%を含む。いくつかの実施形態では、追加のα-オレフィンは1-オクテンである。
【0072】
任意の従来の重合プロセスを使用してエチレン系ポリマーを生成してもよい。そのような従来の重合プロセスとしては、例えば、ループ反応器、等温反応器、撹拌槽型反応器、バッチ反応器などの1つ以上の従来の反応器の並列、直列、又はそれらの任意の組み合わせを使用する、溶液重合プロセス、スラリー相重合プロセス、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。
【0073】
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、二重反応器系、例えば二重ループ反応器系において、溶液重合によって生成することができ、エチレン、及び任意選択的に1つ以上のα-オレフィンは、本明細書に記載の触媒系及び任意選択的に1つ以上の助触媒の存在下で重合される。別の実施形態では、エチレン系ポリマーは、二重反応器系、例えば二重ループ反応器系において、溶液重合によって生成することができ、エチレン、及び任意選択的に1つ以上のα-オレフィンは、本開示及び本明細書に記載の触媒系及び任意選択的に1つ以上の他の触媒の存在下で重合される。本明細書に記載の触媒系は、任意選択的に1つ以上の他の触媒と組み合わせて、第1の反応器又は第2の反応器において使用することができる。一実施形態では、エチレン系ポリマーは、二重反応器系、例えば二重ループ反応器系において、溶液重合によって生成することができ、エチレン、及び任意選択的に1つ以上のα-オレフィンは、本明細書に記載の触媒系の存在下で両方の反応器において重合される。
【0074】
別の実施形態では、エチレン系ポリマーは、単一反応器系、例えば、単一ループ反応器系において、溶液重合によって生成され得、ここで、エチレン、及び任意選択的に1つ以上のα-オレフィンは、本開示内に記載される触媒系、及び前の段落に記載される任意選択的に1つ以上の助触媒の存在下で重合される。
【0075】
エチレン系ポリマーは、1つ以上の添加剤を更に含み得る。そのような添加剤としては、帯電防止剤、色増強剤、染料、潤滑剤、顔料、一次酸化防止剤、二次酸化防止剤、加工助剤、紫外線安定剤、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。エチレン系ポリマーは、任意の量の添加剤を含み得る。エチレン系ポリマーは、エチレン系ポリマー及び1つ以上の添加剤の重量に基づいて、合計約0~約10重量パーセントのそのような添加剤を含み得る。エチレン系ポリマーは、充填剤を更に含んでもよく、その充填剤としては、有機又は無機充填剤を挙げることができるが、それらに限定されない。エチレン系ポリマーは、エチレン系ポリマーと全ての添加剤又は充填剤の合計重量に基づいて、例えば炭酸カルシウム、タルク、又はMg(OH)2などの約0~約20重量パーセントの充填剤を含み得る。エチレン系ポリマーは、1つ以上のポリマーと更に配合されてブレンドを形成し得る。
【0076】
いくつかの実施形態では、エチレン系ポリマーを生成するための重合プロセスは、エチレン及び少なくとも1つの追加のα-オレフィンを、本開示による触媒系の存在下で重合することを含み得る。式(I)の金属-配位子錯体を組み込むそのような触媒系から得られたポリマーは、ASTM D792(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に従って、例えば、0.850g/cm3~0.970g/cm3、0.880g/cm3~0.920g/cm3、0.880g/cm3~0.910g/cm3、又は0.880g/cm3~0.900g/cm3、0.950g/cm3~0.965g/cm3の密度を有し得る。
【0077】
別の実施形態では、本開示による触媒系から得られるポリマーは、5~15のメルトフロー比(I10/I2)を有し、メルトインデックスI2は、ASTM D1238(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に従って、190℃及び2.16kgの負荷で測定され、メルトインデックスI10は、ASTM D1238に従って、190℃及び10kgの負荷で測定される。他の実施形態では、メルトフロー比(I10/I2)は5~10であり、また他の実施形態では、メルトフロー比は5~9である。
【0078】
いくつかの実施形態では、本開示による触媒系から得られるポリマーは、1~25の分子量分布(MWD)を有し、MWDは、Mw/Mnとして定義され、Mwは、重量平均分子量であり、Mnは、数平均分子量である。他の実施形態では、触媒系から得られるポリマーは、1~6のMWDを有する。別の実施形態は、1~3のMWDを含み、他の実施形態は、1.5~2.5のMWDを含む。
【0079】
本開示に記載される触媒系の実施形態は、ヒドロカルビル修飾メチルアルミノキサンを欠く触媒系と比較して高い効率を有する触媒系をもたらす。
【0080】
本開示の1つ以上の特徴は、以下の実施例を考慮して例示される。
【実施例】
【0081】
連続プロセス反応器重合の手順:原料(エチレン、1-オクテン)及びプロセス溶媒(ExxonMobil CorporationからISOPAR Eという商標で市販されている狭い沸点範囲の高純度イソパラフィン溶媒)を、反応環境に導入する前にモレキュラーシーブで精製した。水素を、高純度グレードとして加圧シリンダー内に供給し、それ以上精製しない。反応器モノマー供給(エチレン)流を、反応圧力を超えるまで加圧する。溶媒及びコモノマー供給を、反応圧力を超えるまで加圧する。個々の触媒成分(金属配位子錯体及び共触媒)を、精製された溶媒を用いて指定の成分濃度に手動でバッチ希釈し、反応圧力を超えるまで加圧する。全ての反応供給流を、質量流量計を用いて測定し、コンピュータにより自動化された弁制御系によって独立して制御する。
【0082】
連続溶液重合を、連続撹拌槽反応器(continuously stirred-tank reactor、CSTR)で実行する。反応器への溶媒、モノマー、コモノマー、及び水素を合わせた供給を、5℃~50℃に温度制御し、典型的には15~25℃である。成分の全てを、溶媒供給物とともに重合反応器に供給する。触媒は、エチレンの特定の変換率に達するように反応器に供給される。共触媒成分を、計算された指定のモル比又はppm比に基づいて別々に供給する。重合反応器からの流出物(溶媒、モノマー、コモノマー、水素、触媒成分、及びポリマーを含有する)が反応器を出て、水と接触する。加えて、酸化防止剤などの様々な添加剤をこの時点で添加することができる。次いで、流れを静的混合器に通して、混合物を均一に分散させる。
【0083】
添加剤の添加に続いて、流出物(溶媒、モノマー、コモノマー、水素、触媒成分、及び溶融ポリマーを含有する)は、他の低沸点成分からのポリマーの分離に備えて熱交換器を通過して流れの温度を上げる。次いで、全体にわたって圧力が大幅に低減された反応器圧力制御バルブに、流れを通す。そこから、流出物は、揮発分除去機器(devolatizer)及び真空押出機からなる2段階の分離システムに入り、そこで溶媒、並びに未反応の水素、モノマー、コモノマー、及び水をポリマーから除去する。押出機の出口では、形成された溶融ポリマーのストランドは、冷水浴を通過し、そこで固化する。次いで、ストランドチョッパを通してストランドを供給し、空気乾燥後、ポリマーをペレットに切断する。
【0084】
バッチ反応器重合のための手順。原料(エチレン、1-オクテン)及びプロセス溶媒(ISOPAR E)を、反応環境に導入する前にモレキュラーシーブで精製する。撹拌オートクレーブ反応器に、ISOPAR E及び1-オクテンを充填した。次いで、反応器をある温度に加熱し、エチレンを充填して所望のある圧力に到達させた。任意選択的に、水素も添加した。触媒系を、金属-配位子錯体及び任意選択的に1つ以上の添加剤を追加の溶媒と混合することによって、不活性雰囲気下でドライボックスにおいて調製した。次いで、触媒系を反応器中に注入した。重合中にエチレンを供給し、必要に応じて反応器を冷却することによって、反応器の圧力及び温度を一定に保った。10分後、エチレンの供給を止め、溶液を窒素パージした樹脂製ケトルに移した。ポリマーを真空オーブン中で徹底的に乾燥させ、重合実験の間に反応器を熱いISOPAR Eで徹底的にすすいだ。
【0085】
試験方法
本明細書に特に指示のない限り、本開示の態様の記載において以下の分析方法を使用する。
【0086】
メルトインデックス
ポリマー試料のメルトインデックスI2(又はI2)及びI10(又はI10)を、それぞれ、190℃並びに2.16kg及び10kgの負荷で、ASTM D-1238(方法B)に従って測定した。それらの値を、g/10分で報告する。
【0087】
密度
密度測定用の試料を、ASTM D4703に従って調製した。測定を、試料加圧の1時間以内に、ASTM D792、方法Bに従って行った。
【0088】
ゲル浸透クロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography、GPC)
クロマトグラフィーシステムは、内部IR5赤外線検出器(IR5)を装備するPolymerChar GPC-IR(Valencia、Spain)の高温GPCクロマトグラフから成った。オートサンプラオーブンコンパートメントを摂氏160°に設定し、カラムコンパートメントを摂氏150°に設定した。カラムには、4本のAgilent「Mixed A」30cm 20ミクロン線形混床式カラム及び20umのプレカラムを使用した。使用したクロマトグラフィー溶媒は、1,2,4-トリクロロベンゼンであり、200ppmのブチル化ヒドロキシトルエン(butylated hydroxytoluene、BHT)を含有していた。溶媒源を、窒素スパージした。使用した注入体積は、200マイクロリットルであり、流量は、1.0ミリリットル/分であった。
【0089】
GPCカラムセットの較正を、580~8,400,000の範囲の分子量を有する21個の狭い分子量分布のポリスチレン標準物質を用いて行い、個々の分子量の間に少なくとも10倍の間隔を有する6つの「カクテル」混合物中に配置した。標準物質を、Agilent Technologiesから購入した。1,000,000以上の分子量については、50ミリリットルの溶媒中の0.025グラムで、1,000,000未満の分子量については、50ミリリットルの溶媒中の0.05グラムで、ポリスチレン標準物質を調製した。ポリスチレン標準物質を、穏やかに撹拌しながら摂氏80度で30分間溶解させた。ポリスチレン標準物質のピーク分子量を、式1を使用してポリエチレン分子量に変換した(Williams and Ward,J.Polym.Sci.,Polym.Let.,6,621(1968)に記載のとおり)。
Mポリエチレン=A×(Mポリスチレン)B (方程式1)
式中、Mは、分子量であり、Aは、0.4315の値を有し、Bは、1.0に等しい。
【0090】
五次多項式を使用して、それぞれのポリエチレン等価較正点に当てはめた。Aに対してわずかな調整(約0.375~0.445)を行い、カラム分解能及びバンド拡張効果を、線状ホモポリマーポリエチレン標準物質が120,000Mwで得られるように補正した。
【0091】
GPCカラムセットの合計プレートカウントは、デカン(50ミリリットルのTCB中0.04gで調製され、穏やかに撹拌しながら20分間溶解した)を用いて実行した。プレートカウント(式2)及び対称性(式3)を、200マイクロリットル注入で以下の式に従って測定した。
【0092】
【数1】
式中、RVは、ミリリットルでの保持体積であり、ピーク幅は、ミリリットルであり、ピーク最大値は、ピークの最大高さであり、1/2高さは、ピーク最大値の1/2の高さである。
【0093】
【0094】
式中、RVは保持体積(ミリリットル)であり、ピーク幅はミリリットルであり、ピーク最大値はピークの最大位置であり、1/10高さはピーク最大値の1/10の高さであり、後方ピークはピーク最大値よりも後の保持体積でのピークテールを指し、前方ピークはピーク最大値よりも早い保持体積でのピークフロントを指す。クロマトグラフィーシステムのプレートカウントは、18,000超になるべきであり、対称性は、0.98~1.22となるべきである。
【0095】
試料を、PolymerChar「Instrument Control」ソフトウェアを用いて半自動様式で調製し、2mg/mLを試料の目標重量とし、PolymerChar高温オートサンプラを介して、予め窒素スパージされたセプタキャップ付きバイアルに溶媒(200ppmのBHTを含有)を添加した。試料を、「低速」振盪下で、摂氏160度で2時間溶解した。
【0096】
Mn(GPC)、Mw(GPC)、及びMz(GPC)の計算は、PolymerChar GPCOne(商標)ソフトウェア、各等間隔のデータ回収点(i)におけるベースラインを差し引いたIRクロマトグラム、及び式1の点(i)における狭い標準物質較正曲線から得られるポリエチレン等価分子量を使用して、式4~6に従って、PolymerChar GPC-IRクロマトグラフの内部IR5検出器(測定チャネル)を使用した、GPC結果に基づいた。
【0097】
【0098】
経時的な偏差を監視するために、PolymerChar GPC-IRシステムで制御されたマイクロポンプを介して、各試料に流量マーカー(デカン)を導入した。この流量マーカー(flowrate marker、FM)を用いて、試料中のそれぞれのデカンピーク(RV(FM試料))と、狭い標準物質較正(RV(FM較正済み))内のデカンピークのそれとを、RV整合させることによって、各試料のポンプ流量(流量(見かけ))を直線的に補正した。次いで、デカンマーカーピークの時間のいかなる変化も、実行の全体にわたって流量(流量(有効))における線形シフトに関連すると推測される。流量マーカーピークのRV測定の最高精度を促進するために、流量マーカー濃度クロマトグラムのピークを二次方程式に当てはめる最小二乗適合ルーチンが使用される。次いで、二次方程式の一次導関数を使用して、真のピーク位置を解く。流量マーカーのピークに基づいてシステムを較正した後、(狭い標準較正に対する)有効流量を、式7のとおり計算する。流量マーカーピークの処理を、PolymerChar GPCOne(商標)ソフトウェアを介して行った。許容可能な流量補正は、有効流量が見かけの流量の+/-0.5%以内になるはずであるようなものである。
流量(有効)=流量(見かけ)*(RV(FM較正済み)/RV(FM試料)) (方程式7)
【0099】
ヒドロカルビル修飾メチルアルミノキサンの分析
実施例1は、溶液中のアルミニウム濃度を決定するための分析手順である。
【0100】
窒素雰囲気グローブボックス中で、式AlRA1RB1RC1を有するアルミニウム系分析物を、風袋を量った瓶に移し、試料の質量を記録した。試料をメチルシクロヘキサンで希釈し、次いでメタノールでクエンチした。混合物を回転させ、グローブボックスから試料を取り出す前に15分にわたって反応させた。H2SO4の添加によって試料を更に加水分解した。瓶に蓋をして5分間振盪した。アルミニウム濃度に応じて、瓶の定期的な通気が必要な場合がある。溶液を分液漏斗に移した。瓶を水で繰り返しすすぎ、このプロセスからの各すすぎ液(rinseate)を分液漏斗に添加した。有機層を廃棄し、残っている水溶液をメスフラスコに移した。分液漏斗を更に水ですすぎ、各すすぎ液をメスフラスコに添加した。フラスコを既知の体積に希釈し、十分に混合し、過剰なEDTAとの錯体形成、及びその後の指示薬としてキシレノールオレンジを用いたZnCl2による逆滴定によって分析した。
【0101】
ヒドロカルビル修飾メチルアルミノキサン中のAlRA1RB1RC1化合物の計算
【0102】
【0103】
AlRA1RB1RC1化合物含量を、以前に記載された方法を使用して分析する(Macromol.Chem.Phys.1996,197,1537、WO2009029857A1、Analytical Chemistry 1968,40(14),2150-2153、及びOrganometallics 2013,32(11),3354-3362)
【0104】
金属-錯体は、遷移金属源及び中性多官能配位子源を含む標準的な金属化及び配位子交換手順によって都合よく調製される。更に、錯体はまた、対応する遷移金属テトラアミド及びトリメチルアルミニウムなどのヒドロカルビル化剤から出発する、アミド除去及びヒドロカルビル化プロセスによって調製され得る。用いられる技術は、米国特許第6,320,005号、同第6,103,657号、国際特許出願公開第02/38628号、国際特許出願公開第03/40195号、米国特許出願公開第A-2004/0220050号に開示されているものと同じか、又は類似している。
【0105】
金属-配位子錯体1~12を合成するための合成手順は、以下の手順に見られ得、以前に開示されている場合、以下の刊行物、米国特許出願公開第2004/0010103(A1)号、国際特許出願公開第2007/136494(A2)号、国際特許出願公開第2012/027448(A1)号、国際特許出願公開第2016/003878(A1)号、国際特許出願公開第2016014749(A1)号、国際特許出願公開第2017/058981(A1)号、国際特許出願公開第2018/022975(A1)号に見られ得る。
【0106】
ビス-フェニルフェノキシ(BPP)錯体BPP-1~BPP-13は、式(I)による構造を有し、以下のとおりである。
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【0107】
BPP3の調製(国際特許出願公開第2018/022975(A1)号に開示された配位子)
【0108】
【0109】
6’,6’’’-(((ジイソプロピルシランジイル)ビス(メチレン))ビス(オキシ))ビス(3-(3,6-ジ-tert-ブチル-9H-カルバゾール-9-イル)-3’-フルオロ-5-(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)-[1,1’-ビフェニル]-2-オール)ジメチル-ジルコニウム(BPP-3)の合成:ジエチルエーテル中のMeMgBr(3.00M、5.33mL、16.0mmol)を、トルエン(60mL)中のZrCl4(0.895g、3.84mmol)の-30℃の溶液に添加した。3分間撹拌した後、固体配位子(5.00g、3.77mmol)を少しずつ添加した。混合物を8時間撹拌し、次いで、溶媒を減圧下で一晩除去して、暗色の残渣を得た。ヘキサン/トルエン(10:1 70mL)を残渣に添加し、溶液を室温で数分間振盪し、次いで、この材料をフリット漏斗CELITEプラグに通した。フリットをヘキサン(2×15mL)で抽出した。合わせた抽出物を減圧下で濃縮乾固した。ペンタン(20mL)を黄褐色の固体に添加し、不均一系混合物を冷凍庫(-35℃)に18時間入れた。ピペットを使用して茶色のペンタン層を除去した。残っている材料を真空下で乾燥させ、BPP-3(4.50g、収率:83%)を白色の粉末として得た。
【0110】
1H NMR(400 MHz,C6D6)δ 8.65-8.56(m,2H),8.40(dd,J=2.0,0.7 Hz,2H),7.66-7.55(m,8H),7.45(d,J=1.9 Hz,1H),7.43(d,J=1.9 Hz,1H),7.27(d,J=2.5 Hz,2H),7.10(d,J=3.2 Hz,1H),7.08(d,J=3.1 Hz,1H),6.80(ddd,J=9.0,7.4,3.2 Hz,2H),5.21(dd,J=9.1,4.7 Hz,2H),4.25(d,J=13.9 Hz,2H),3.23(d,J=14.0 Hz,2H),1.64-1.52(m,4H),1.48(s,18H),1.31(s,24H),1.27(s,6H),0.81(s,18H),0.55(t,J=7.3 Hz,12H),0.31(hept,J=7.5 Hz,2H),-0.84(s,6H);19F NMR(376 MHz,C6D6)δ-116.71。
【0111】
BPP-9の合成:
【0112】
【0113】
オーブン乾燥した100mLのガラス瓶に、ZrCl4(798mg、3.43mmol)、トルエン(30mL)、及び撹拌棒を入れた。溶液を冷凍庫に入れ、-30℃に20分間冷却した。溶液を冷凍庫から取り出し、MeMgBr(4.35mL、13.1mmol、Et2O中3M)で処理し、15分間撹拌した。冷懸濁液に、BPP-9配位子(5.00g、3.26mmol)を固体として添加した。反応物を室温で3時間撹拌し、次いで、フリットプラスチック漏斗を通して濾過した。濾液を真空下で乾燥させた。得られた固体をヘキサンで洗浄し、真空下で乾燥させ、BPP-9をオフホワイト色の粉末(3.31g、62%)として得た。
【0114】
1H NMR(400 MHz,ベンゼン-d6)δ 8.19(d,J=8.2 Hz,2H),8.03-7.96(m,4H),7.87(d,J=2.5 Hz,2H),7.81-7.76(m,2H),7.64(d,J=2.5 Hz,2H),7.56(d,J=1.7 Hz,2H),7.51(dd,J=8.2,1.7 Hz,2H),7.30(dd,J=8.3,1.7 Hz,2H),7.06-7.01(m,2H),3.57(dt,J=9.9,4.9 Hz,2H),3.42(dt,J=10.3,5.2 Hz,2H),1.79(d,J=14.5 Hz,2H),1.66(d,J=14.4 Hz,2H),1.60(s,18H),1.46(s,6H),1.42(s,6H),1.37-1.22(m,50H),0.94-0.91(m,24H),0.62-0.56(m,4H),0.11(s,6H),0.08(s,6H),-0.64(s,6H)。
【0115】
BPP-10の調製
【0116】
【0117】
2-ブロモ-4-フルオロ-6-メチル-フェノールの合成:1リットルのガラス瓶を、アセトニトリル(400mL)、4-フルオロ-6-メチル-フェノール(50g、396.4mmol)、及びp-トルエンスルホン酸(一水和物)(75.6g、396mmol)で充填し、全てが溶液中にあることを確認した。溶液を氷で25分間、0℃に冷却した(沈殿物が形成された)。冷却した溶液を、(およそ5分間にわたって)N-ブロモスクシンイミド(70.55g、396.4mmol)でゆっくりと処理し、一晩撹拌しながら室温に到達させた。反応を19F NMR分光法及びGC/MSによって分析して、完全な変換を確認した。揮発性物質を真空下で除去し、得られた固体をジクロロメタン(600mL)で処理し、冷凍庫(0℃)で冷却し、シリカゲルの大きなプラグを通して濾過した。シリカゲルを冷CH2Cl2で数回洗浄した。揮発性物質を真空下で除去した(第1の画分収量:46g、56%)。1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ 7.05(ddd,J=7.7,3.0,0.7 Hz,1H),6.83(ddt,J=8.7,3.0,0.8 Hz,1H),5.35(s,1H),2.29(d,J=0.7 Hz,3H).19F NMR(376 MHz,クロロホルム-d)δ-122.84。
【0118】
【0119】
ビス((2-ブロモ-4-フルオロ-6-メチルフェノキシ)メチル)ジイソプロピルゲルマンの合成:グローブボックス中、磁気撹拌棒を備えた250mLのフラスコ内で、95% NaH(1.76g)(注意H2ガスが生成される)を、水素発生が停止するまで、N,N-ジメチルホルムアミド(dimethylformamide、DMF)(35mL)中の2-ブロモ-4-フルオロ-6-メチル-フェノール(15g、73.2mmol)の溶液にゆっくりと添加した。この混合物を、室温で30分間撹拌した。この時間の後、ジイソプロピルゲルミルジクロリド(6.29g、24.4mmol)を添加した。混合物を55℃に温め、この温度で18時間保持した。この反応物をグローブボックスから取り出し、飽和NH4Cl水溶液(20mL)及びH2O(8mL)でクエンチした。Et2O(30mL)を添加し、相を分液漏斗に移し、分離した。水相をEt2O(20mL)で更に抽出し、合わせた有機抽出物をブライン(10mL)で洗浄した。次いで有機層を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、濃縮乾固させた。粗残渣をシリカゲル上にドライロードし、次いで、フラッシュカラムクロマトグラフィー(100mL/分、20分かけて10%に上昇する酢酸エチルを含む純粋なヘキサン)を使用して精製して、淡黄色の油を生成物として得た。全ての清浄な画分(いくつかの画分は、10%未満の出発フェノールを含有していた)を合わせ、最終生成物を真空下で一晩放置した(収量:9g、62%)。
【0120】
1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ 7.10(dd,J=7.7,3.0 Hz,2H),6.84(ddd,J=8.8,3.1,0.8 Hz,2H),4.14(s,4H),2.33(s,6H),1.74(hept,J=7.4 Hz,2H),1.35(d,J=7.4 Hz,12H);19F NMR(376 MHz,クロロホルム-d)δ-118.03。
【0121】
BPP-10配位子の合成
【0122】
【0123】
撹拌棒を備えた500mLのガラス瓶を、2,7-ジ-tert-ブチル-9-(2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-5-(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)フェニル)-9H-カルバゾール(国際特許出願公開第2014/105411(A1)号に開示されている)(29.0g、41.9mmol)、ビス((2-ブロモ-4-フルオロ-6-メチルフェノキシ)メチル)ジイソプロピルゲルマン(6.00g、8.65mmol、10%の2-ブロモ-4-フルオロ-2-メチル-フェノールを含有する)、及びTHF(80mL)で充填した。溶液を55℃に加熱し、撹拌しながら、クロロ[(トリ-tert-ブチルホスフィン)-2-(2-アミノビフェニル)]パラジウム(II)(tBu3P-PdG2)(199mg、0.346mmol、4mol%)で処理した。NaOH水溶液(17.3mL、51.9mmol、3M)を窒素で20分間パージし、次いでTHF溶液に添加した。反応物を55℃で一晩撹拌した。水相を分離し、廃棄し、残存する有機相をジエチルエーテルで希釈し、ブラインで2回洗浄した。溶液をシリカゲルの短いプラグに通した。濾液をロータリーエバポレーターで乾燥させ、THF/メタノール(40mL/40mL)に溶解し、HCl(2mL)で処理し、70℃で一晩撹拌した。溶液を真空下で乾燥させ、C18逆相カラムクロマトグラフィーによって精製して、BPP-10配位子をオフホワイト色の固体(収量:6.5g、54%)として得た。
【0124】
1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ 8.01(d,J=8.2 Hz,4H),7.42(dd,J=25.5,2.4 Hz,4H),7.32(dd,J=8.2,1.6 Hz,4H),7.17(s,4H),6.87(ddd,J=16.4,8.8,3.0 Hz,4H),6.18(s,2H),3.79(s,4H),2.12(s,6H),1.71(s,6H),1.56(s,4H),1.38(s,12H),1.31(s,36H),0.83-0.73(m,30H);19F NMR(376 MHz,クロロホルム-d)δ-119.02。
【0125】
BPP10の合成:
【0126】
【0127】
オーブン乾燥した100mLのガラス瓶に、ZrCl4(402mg、1.72mmol)、トルエン(83mL)、及び撹拌棒を入れた。溶液を冷凍庫に入れ、20分間-30℃に冷却した。溶液を冷凍庫から取り出し、MeMgBr(2.4mL、7.1mmol、Et2O中3M)で処理し、3分間撹拌した。冷懸濁液に、BPP-10配位子(2.3g、1.64mmol)を固体として添加し、残留粉末を冷トルエン(3mL)に溶解し、反応物に添加した。反応物を室温で一晩撹拌し、次いで、フリットプラスチック漏斗を通して濾過した。濾液を真空下で乾燥させ、トルエン(40mL)に再溶解し、CELITEのプラグを通して再び濾過し、真空下で再び乾燥させた。得られた固体をペンタン(約5mL)で洗浄し、真空下で乾燥させ、BPP-10をオフホワイト色の粉末(2.1g、84%)として得た。
【0128】
1H NMR(400 MHz,ベンゼン-d6)δ 8.20(dd,J=8.2,0.5 Hz,2H),8.11(dd,J=8.2,0.6 Hz,2H),7.88-7.82(m,4H),7.77(d,J=2.6 Hz,2H),7.50(dd,J=8.3,1.7 Hz,2H),7.42-7.37(m,4H),6.99(dd,J=8.7,3.1 Hz,2H),6.20-6.10(m,2H),4.29(d,J=12.2 Hz,2H),3.90(d,J=12.2 Hz,2H),1.56(s,4H),1.53(s,18H),1.29(s,24H),1.27(s,6H),1.18(s,6H),1.04-0.94(m,2H),0.81(d,J=7.4 Hz,6H),0.80(s,18H),0.74(d,J=7.4 Hz,6H),-0.47(s,6H);19F NMR(376 MHz,ベンゼン-d6)δ-116.24。
【0129】
BPP-12の合成
ビス((2-ブロモ-4-t-ブチルフェノキシ)メチル)ジイソプロピルシランの調製
【0130】
【0131】
グローブボックス中、250mLの一口丸底フラスコ内で、ジイソプロピルジクロロシラン(3.703g、20mmol、1.0当量)を無水THF(120mL)に溶解した。フラスコにセプタムで蓋をし、密封し、グローブボックスから取り出し、ドライアイス-アセトン浴中で-78℃に冷却した。ブロモクロロメタン(3.9mL、60mmol、3.0当量)を添加した。シリンジポンプを使用して、3時間にわたって、ヘキサン中n-BuLiの溶液(18.4mL、46mmol、2.3当量)をフラスコの冷却壁に添加した。混合物を室温まで一晩(16時間)温め、飽和NH4Cl(30mL)を加えた。2つの層が分離された。水層をエーテル(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を更に精製することなく次の工程に使用した。
【0132】
グローブボックス中で、40mLバイアルを、ビス(クロロメチル)ジイソプロピルシラン(2.14g、10mmol、1.0当量)、4-t-ブチル-2-ブロモフェノール(6.21g、27mmol、2.7当量)、K-3PO4(7.46g、35mmol、3.5当量)、及びDMF(10mL)で充填した。反応混合物を80℃で一晩撹拌した。室温に冷却した後、反応混合物を、溶離液としてエーテル/ヘキサン(0/100→30/70)を使用するカラムクロマトグラフィーによって精製した。4.4gの無色の油を回収し、2つの工程後の全収率は73%であった。
【0133】
1H NMR(400 MHz,CDCl3)δ 7.51(d,J=2.4 Hz,2H),7.26(dd,J=8.6,2.4 Hz,2H),6.98(d,J=8.6 Hz,2H),3.93(s,4H),1.45-1.33(m,2H),1.28(s,18H),1.20(d,J=7.3 Hz,12H)。
【0134】
6’’,6’’’’-(((ジイソプロピルシランジイル)ビス(メチレン))ビス(オキシ))ビス(3,3’’,5-トリ-tert-ブチル-5’-メチル-[1,1’:3’,1’’-テルフェニル]-2’-オール)の調製
【0135】
【0136】
グローブボックス中で、撹拌棒を備えた40mLバイアルを、ビス((2-ブロモ-4-t-ブチルフェノキシ)メチル)ジイソプロピルシラン(1.20g、2.0mmol、1.0当量)、2-(3’,5’-ジ-tert-ブチル-5-メチル-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(2.54g、5.0mmol、2.5当量)、tBu3P Pd G2(0.031g、0.06mmol、0.03当量)、THF(3mL)、及びNaOH 4M溶液(3.0mL、12.0mmol、6.0当量)で充填した。バイアルを55℃で2時間、窒素下で加熱した。完了すると、上層の有機層をエーテルで抽出し、シリカゲルのショートプラグを通して濾過した。溶媒を減圧下で除去した。残渣をTHF(10mL)及びMeOH(10mL)に溶解した。次いで、濃HCl(0.5mL)を添加した。得られた混合物を75℃で2時間加熱し、室温に冷却した。溶媒を減圧下で除去した。残渣を、溶離液としてTHF/MeCN(0/100→100/0)を使用する逆相カラムクロマトグラフィーによって精製した。1.62gの白色の固体、収率78%を回収した。
【0137】
1H NMR(400 MHz,CDCl3)δ 7.39(t,J=1.8 Hz,2H),7.36(d,J=1.8 Hz,4H),7.29(d,J=2.5 Hz,2H),7.22(dd,J=8.6,2.6 Hz,2H),7.10(d,J=2.2 Hz,2H),6.94(d,J=2.3,2H),6.75(d,J=8.6 Hz,2H),5.37(s,2H),3.61(s,4H),2.32(d,J=0.9 Hz,6H),1.33(s,36H),1.29(s,18H),0.90-0.81(m,2H),0.73(d,J=7.1 Hz,12H)。
【0138】
BPP-12の調製
【0139】
【0140】
グローブボックス中で、撹拌棒付きのオーブン乾燥した40mLバイアルを、ZrCl4(47mg、0.2mmol、1.0当量)及び無水トルエン(6.0mL)で充填した。バイアルを冷凍庫で少なくとも30分間-30℃に冷却した。バイアルを冷凍庫から取り出した。MeMgBr(3M、0.29mL、0.86mmol、4.3当量)を撹拌懸濁液に添加した。2分後、6’’,6’’’’’-(((ジイソプロピルシランジイル)ビス(メチレン))ビス(オキシ))ビス(3,3’’,5-トリ-tert-ブチル-5’-メチル-[1,1’:3’,1’’-テルフェニル]-2’-オール)(206mg、0.2mmol、1.0当量)を固体として添加した。得られた混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を真空下で除去して、暗色の固体を得て、これをヘキサン(10mL)で洗浄し、次いでトルエン(12mL)で抽出した。濾過後、トルエン抽出物を真空下で乾燥させた。170mgの白色固体、収率74%を回収した。
【0141】
1H NMR(400 MHz,C6D6)δ 8.20-7.67(m,4H),7.79(t,J=1.8 Hz,2H),7.56(d,J=2.5 Hz,2H),7.26(d,J=2.4,2H),7.21(d,J=2.4,2H),7.18(d,J=2.4,2H),5.67(d,J=8.6 Hz,2H),4.61(d,J=13.5 Hz,2H),3.46(d,J=13.5 Hz,2H),2.26(s,6H),1.47(s,36H),1.25(s,18H),0.52(dd,J=17.0,7.5 Hz,12H),0.30-0.18(m,2H),-0.05(s,6H)。
【0142】
BPP-13の合成
【0143】
【0144】
窒素グローブボックスにおいて、オーブン乾燥したバイアルに、ScCl3(0.016g、0.106mmol)、THF(約50mL)、及び磁気撹拌棒を入れた。混合物を-30℃で冷却し、次いで、LiCH2TMS(ペンタン中1.0M、0.35mL、0.35mmol)を滴加し、次いで、混合物を室温で1.5時間撹拌した。この混合物に、THF(約10mL)中1当量の配位子式i(0.168g、0.106mmol)をゆっくりと添加し、反応混合物を室温で18時間撹拌した。次いで、溶媒を真空中で除去して、BPP-19を白色の固体(0.154g、83%)として得た。
【0145】
実施例2-金属-配位子錯体、並びに比較活性化剤、及びアルミニウムの総モル数に基づいて、25モル%未満の化合物AlRA1RB1RC1を有するヒドロカルビル修飾メチルアルミノキサンを用いた重合反応。
【0146】
金属-配位子錯体2、4、及び11を、活性化剤としてMMAO-A2又はMMAO-比較2を使用してバッチ反応器中で試験し、データを表1~2に要約する。乾燥重量効率は、MMAO-比較2とは対照的に、触媒がMMAO-A2で活性化された場合により高い。
【0147】
【表2】
*MMAO-A1及びA2は、メチル:n-オクチル比が約6:1であるように、n-オクチル置換基で修飾されている。MMAO-Bは、メチル:n-オクチル比が約19:1であるように、n-オクチル置換基で修飾されている。MMAO~C中の全ての置換基がメチルである。
【0148】
【0149】
重合条件:150℃、1342gのISOPAR E、177gの1-オクテン、52gのエチレン、230psiの全圧、100の比のAl:触媒金属における全MMAO。[A]触媒効率(Eff.)は、106gポリマー/g触媒中金属として測定される。[B]AlRA1RB1RC1としてのアルミニウム種。
【0150】
【0151】
重合条件:165℃、1345gのISOPAR E、175gの1-オクテン、50gのエチレン、237psiの全圧、100の比のAl:触媒金属における全MMAO。[A]触媒効率(Eff.)は、106gポリマー/g触媒中金属として測定される。[B]AlRA1RB1RC1としてのアルミニウム種。
【0152】
【0153】
160℃の反応器温度、3.4kg/時間の供給流量のエチレン、3.3kg/時間の1-オクテン、21kg/時間のISOPAR Eでの重合、[A]%固形分は、反応器中のポリマーの濃度である。[B]H2(mol%)は、反応器に供給されたエチレンに対する水素のモル分率として定義される。[C]効率(Eff.)は、106gポリマー/g触媒成分中金属として測定される。エチレン転化率は、反応器に供給されたエチレンと反応器から出る量との間の差として測定され、百分率で表される。1反応器温度=153℃、2.5kg/時間のエチレン、3.3kg/時間の1-オクテン、21kg/時間のISOPAR E。2160℃の反応器温度、3.4kg/時間のエチレン、2.4kg/時間の1-オクテン、22kg/時間のISOPAR E。N/D=未決定。[D]AlRA1RB1RC1としてのアルミニウム種。N/A=これらの反応器条件下で定常状態反応を達成することができない。
【0154】
【0155】
190℃の反応器温度、4.6kg/時間のエチレン、2.0kg/時間の1-オクテン、21kg/時間のISOPAR Eでの重合、[A]%固形分は、反応器中のポリマーの濃度である。[B]H2(mol%)は、反応器に供給されたエチレンに対する水素のモル分率として定義される。エチレン転化率は、反応器に供給されたエチレンと反応器から出る量との間の差として測定され、百分率で表される。[C]効率(Eff.)は、106gポリマー/g触媒中金属として測定される。[D]AlRA1RB1RC1としてのアルミニウム種
【0156】
【0157】
重合条件:190℃、1250gのISOPAR E、65gのオクテン、85gのエチレン、415psiの全圧、反応時間=10分。[A]効率(Eff)は、エチレン取り込み量に基づいて計算され、106gエチレン取り込み/g触媒中金属として表される。
【0158】
装置規格
全ての溶媒及び試薬は、商業的供給源から入手し、別段の記載がない限り、受け取ったまま使用した。無水トルエン、ヘキサン、テトラヒドロフラン、及びジエチルエーテルを、活性アルミナ、及び場合によってはQ-5反応物質を通過させることによって精製する。窒素充填グローブボックス中で行った実験に使用した溶媒は、活性化4Åモレキュラーシーブ上での貯蔵によって更に乾燥させる。感湿反応用ガラス器具を、使用前に一晩オーブン内で乾燥させる。NMRスペクトルを、Varian 400-MR及びVNMRS-500分光計で記録する。LC-MS分析は、Waters 2424 ELS検出器、Waters 2998 PDA検出器、及びWaters 3100 ESI質量検出器と組み合わせたWaters e2695分離モジュールを使用して行う。LC-MS分離は、XBridge C18 3.5μm 2.1×50mmカラムで、5:95~100:0のアセトニトリル及び水の勾配(イオン化剤として0.1%のギ酸を含む)を使用して行う。HRMS分析は、エレクトロスプレーイオン化を備えたAgilent 6230 TOF質量分析計と組み合わせたZorbax Eclipse Plus C18 1.8μm 2.1×50mmカラムを備えたAgilent 1290 Infinity LCを使用して行う。1H NMRデータは、次のように報告する:化学シフト(多重度(br=幅広線、s=1重線、d=2重線、t=3重線、q=4重線、p=5重線、sex=6重線、sept=7重線、及びm=多重線)、積分値、及び帰属)。1H NMRデータの化学シフトは、基準として重水素化溶媒中の残留プロトンを使用して、内部テトラメチルシラン(TMS、δスケール)からの低磁場(ppm)として報告する。13C NMRデータは、1Hデカップリングを用いて決定し、化学シフトは、基準として重水素化溶媒中の残留炭素を使用して、テトラメチルシラン(TMS、δスケール)からの低磁場(ppm)として報告する。
【手続補正書】
【提出日】2022-05-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オレフィンモノマーを重合するプロセスであって、前記プロセスが、触媒系の存在下でエチレン及び任意選択的に1つ以上のオレフィンモノマーを反応させることを含み、前記触媒系が、
ヒドロカルビル修飾メチルアルミノキサンであって、前記ヒドロカルビル修飾メチルアルミノキサン中のアルミニウムの総モルに基づいて、25モルパーセント未満のトリヒドロカルビルアルミニウム化合物AlR
A1R
B1R
C1を有し、式中、R
A1、R
B1、及びR
C1は独立して、直鎖(C
1~C
40)アルキル、分岐鎖(C
1~C
40)アルキル、又は(C
6~C
40)アリールである、ヒドロカルビル修飾メチルアルミノキサンと、
式(I)による1つ以上の金属-配位子錯体であって、
【化1】
式中、
Mは、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、スカンジウム、イットリウム、又は周期表のランタニド系列の元素であり、
nは、1、2、又は3であり、
各Xは、不飽和(C
2~C
50)炭化水素、不飽和(C
2~C
50)ヘテロ炭化水素、飽和(C
2~C
50)ヘテロ炭化水素、(C
1~C
50)ヒドロカルビル、(C
6~C
50)アリール、(C
6~C
50)ヘテロアリール、シクロペンタジエニル、置換シクロペンタジエニル、及び(C
4~C
12)ジエン、ハロゲンから独立して選択される単座の配位子であり、
その金属-配位子錯体が、全体的に電荷中性であり、
各Zは、-0-であり、
R
1及びR
16は独立して、-H、(C
1~C
40)ヒドロカルビル、(C
1~C
40)ヘテロヒドロカルビル、ハロゲン、式(II)を有するラジカル、式(III)を有するラジカル、及び式(IV)を有するラジカルからなる群から選択され、
【化2】
式中、R
31~35、R
41~48、及びR
51~59の各々は独立して、-H、(C
1~C
40)ヒドロカルビル、(C
1~C
40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(R
C)
3、-Ge(R
C)
3、又はハロゲンから選択され、
R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11、R
12、R
13、R
14、及びR
15は独立して、-H,(C
1~C
40)ヒドロカルビル、(C
1~C
40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(R
C)
3、及びハロゲンから選択され、
Lは、(C
1~C
40)ヒドロカルビレン又は(C
2~C
40)ヘテロヒドロカルビレンであり、
式(I)中の各R
C、R
P、及びR
Nは独立して、(C
1~C
30)ヒドロカルビル、(C
1~C
30)ヘテロヒドロカルビル、又は-Hである、1つ以上の金属-配位子錯体と、
金属-配位子錯体対ヒドロカルビル修飾メチルアルミノキサンの比と、を含み、
前記触媒系が、ホウ酸活性化剤を含有しない、重合するプロセス。
【請求項2】
前記ヒドロカルビル修飾メチルアルミノキサンが、前記ヒドロカルビル修飾メチルアルミノキサン中のアルミニウムの前記総モルに基づいて、20モルパーセント未満のトリヒドロカルビルアルミニウムを有する、請求項1又は2に記載の重合プロセス。
【請求項3】
前記ヒドロカルビル修飾メチルアルミノキサンが、前記ヒドロカルビル修飾メチルアルミノキサン中のアルミニウムの前記総モルに基づいて、15モルパーセント未満のトリヒドロカルビルアルミニウムを有する、請求項1又は2に記載の重合プロセス。
【請求項4】
前記ヒドロカルビル修飾メチルアルミノキサンが、前記ヒドロカルビル修飾メチルアルミノキサン中のアルミニウムの前記総モルに基づいて、10モルパーセント未満のトリヒドロカルビルアルミニウムを有する、請求項1又は2に記載の重合プロセス。
【請求項5】
前記ヒドロカルビル修飾メチルアルミノキサンが、変性メチルアルミノキサンである、請求項1~4のいずれか一項に記載の重合プロセス。
【請求項6】
R
1及びR
16が、同一である、請求項1~5のいずれか一項に記載の重合プロセス。
【請求項7】
R
1及びR
16のうちの少なくとも1つが、式(III)を有するラジカルである、請求項1~6のいずれか一項に記載の重合プロセス。
【請求項8】
R
42及びR
47が、(C
1~C
20)ヒドロカルビル又は-Si[(C
1~C
20)ヒドロカルビル]
3である、請求項7に記載の重合プロセス。
【請求項9】
R
43及びR
46が、(C
1~C
20)ヒドロカルビル又は-Si[(C
1~C
20)ヒドロカルビル]
3である、請求項7に記載の重合プロセス。
【請求項10】
R
1及びR
16のうちの少なくとも1つが、式(II)を有するラジカルである、請求項1~5のいずれか一項に記載の重合プロセス。
【請求項11】
R
32及びR
34が、(C
1~C
12)ヒドロカルビル又は-Si[(C
1~C
20)ヒドロカルビル]
3である、請求項10に記載の重合プロセス。
【請求項12】
R
1及びR
16のうちの少なくとも1つが、式(IV)を有するラジカルである、請求項1~5のいずれか一項に記載の重合プロセス。
【請求項13】
R
52、R
53、R
55、R
57、及びR
58のうちの少なくとも2つが、(C
1~C
20)ヒドロカルビル又は-Si[(C
1~C
20)ヒドロカルビル]
3である、請求項12に記載の重合プロセス。
【請求項14】
R
5、R
6、R
7、及びR
8のうちの少なくとも1つが、ハロゲン原子であり、
R
9、R
10、R
11、及びR
12のうちの少なくとも1つが、ハロゲン原子である、請求項1~13のいずれかに記載の重合プロセス。
【請求項15】
R
8及びR
9が独立して、(C
1~C
4)アルキルである、請求項1~13のいずれかに記載の重合プロセス。
【請求項16】
R
3及びR
14が、(C
1~C
20)アルキルである、請求項1~15のいずれかに記載の重合プロセス。
【請求項17】
R
3及びR
14が、メチルであり、R
6及びR
11が、ハロゲンである、請求項1~16のいずれか一項に記載の重合プロセス。
【請求項18】
R
6及びR
11が、tert-ブチルである、請求項1~14のいずれか一項に記載の重合プロセス。
【請求項19】
R
3及びR
14が、tert-オクチル又はn-オクチルである、請求項1~14のいずれか一項に記載の重合プロセス。
【請求項20】
Mが、Zr又はScである、請求項1~19のいずれか一項に記載の重合プロセス。
【請求項21】
Lが、-CH
2(CH
2)
mCH
2-(式中、mは、1~3である)、-CH
2Si(R
C)(R
D)CH
2-、-CH
2Ge(R
C)(R
D)CH
2-、-CH(CH
3)CH
2CH(CH
3)-、ビス(メチレン)シクロヘキサン-1,2-ジイル;-CH
2CH(R
C)CH
2-、-CH
2C(R
C)
2CH
2-(式中、Lにおける各R
Cは、(C
1~C
20)ヒドロカルビルであり、LにおけるR
Dは、(C
1~C
20)ヒドロカルビルである)から選択される、請求項1~20のいずれか一項に記載の重合プロセス。
【請求項22】
オレフィンモノマーが、(C
3~C
20)α-オレフィンである、請求項1~21のいずれか一項に記載の重合プロセス。
【請求項23】
前記オレフィンモノマーが、(C
3~C
20)α-オレフィンではない、請求項1~20のいずれか1項に記載の重合プロセス。
【請求項24】
前記オレフィンモノマーが、環状オレフィンである、請求項1~23のいずれか一項に記載の重合プロセス。
【請求項25】
前記重合プロセスが、溶液重合反応である、請求項1~24のいずれか一項に記載の重合プロセス。
【手続補正書】
【提出日】2023-04-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オレフィンモノマーを重合するプロセスであって、前記プロセスが、触媒系の存在下でエチレン及び任意選択的に1つ以上のオレフィンモノマーを反応させることを含み、前記触媒系が、
ヒドロカルビル修飾メチルアルミノキサンであって、前記ヒドロカルビル修飾メチルアルミノキサン中のアルミニウムの総モルに基づいて、25モルパーセント未満のトリヒドロカルビルアルミニウム化合物AlR
A1R
B1R
C1を有し、式中、R
A1、R
B1、及びR
C1は独立して、直鎖(C
1~C
40)アルキル、分岐鎖(C
1~C
40)アルキル、又は(C
6~C
40)アリールである、ヒドロカルビル修飾メチルアルミノキサンと、
式(I)による1つ以上の金属-配位子錯体であって、
【化1】
式中、
Mは、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、スカンジウム、イットリウム、又は周期表のランタニド系列の元素であり、
nは、1、2、又は3であり、
各Xは、不飽和(C
2~C
50)炭化水素、不飽和(C
2~C
50)ヘテロ炭化水素、飽和(C
2~C
50)ヘテロ炭化水素、(C
1~C
50)ヒドロカルビル、(C
6~C
50)アリール、(C
6~C
50)ヘテロアリール、シクロペンタジエニル、置換シクロペンタジエニル、及び(C
4~C
12)ジエン、ハロゲンから独立して選択される単座の配位子であり、
その金属-配位子錯体が、全体的に電荷中性であり、
各Zは、-0-であり、
R
1及びR
16は独立して、-H、(C
1~C
40)ヒドロカルビル、(C
1~C
40)ヘテロヒドロカルビル、ハロゲン、式(II)を有するラジカル、式(III)を有するラジカル、及び式(IV)を有するラジカルからなる群から選択され、
【化2】
式中、R
31~35、R
41~48、及びR
51~59の各々は独立して、-H、(C
1~C
40)ヒドロカルビル、(C
1~C
40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(R
C)
3、-Ge(R
C)
3、又はハロゲンから選択され、
R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11、R
12、R
13、R
14、及びR
15は独立して、-H,(C
1~C
40)ヒドロカルビル、(C
1~C
40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(R
C)
3、及びハロゲンから選択され、
Lは、(C
1~C
40)ヒドロカルビレン又は(C
2~C
40)ヘテロヒドロカルビレンであり、
式(I)中の各R
C、R
P、及びR
Nは独立して、(C
1~C
30)ヒドロカルビル、(C
1~C
30)ヘテロヒドロカルビル、又は-Hである、1つ以上の金属-配位子錯体と、
金属-配位子錯体対ヒドロカルビル修飾メチルアルミノキサンの比と、を含み
前記触媒系が、ホウ酸活性化剤を含有しない、重合するプロセス。
【請求項2】
前記ヒドロカルビル修飾メチルアルミノキサンが、前記ヒドロカルビル修飾メチルアルミノキサン中のアルミニウムの前記総モルに基づいて、20モルパーセント未満のトリヒドロカルビルアルミニウムを有する、請求項1に記載の重合プロセス。
【請求項3】
前記ヒドロカルビル修飾メチルアルミノキサンが、前記ヒドロカルビル修飾メチルアルミノキサン中のアルミニウムの前記総モルに基づいて、15モルパーセント未満のトリヒドロカルビルアルミニウムを有するか、又は前記ヒドロカルビル修飾メチルアルミノキサンが、前記ヒドロカルビル修飾メチルアルミノキサン中のアルミニウムの前記総モルに基づいて、10モルパーセント未満のトリヒドロカルビルアルミニウムを有する、請求項1に記載の重合プロセス。
【請求項4】
前記ヒドロカルビル修飾メチルアルミノキサンが、変性メチルアルミノキサンである、請求項1に記載の重合プロセス。
【請求項5】
R
1及びR
16のうちの少なくとも1つが、式(III)を有するラジカルである、請求項1に記載の重合プロセス。
【請求項6】
R
42及びR
47が、(C
1~C
20)ヒドロカルビル若しくは-Si[(C
1~C
20)ヒドロカルビル]
3であるか、又はR
43及びR
46が、(C
1~C
20)ヒドロカルビル若しくは-Si[(C
1~C
20)ヒドロカルビル]
3である、請求項5に記載の重合プロセス。
【請求項7】
R
1及びR
16のうちの少なくとも1つが、式(II)を有するラジカルである、請求項1に記載の重合プロセス。
【請求項8】
R
32及びR
34が、(C
1~C
12)ヒドロカルビル又は-Si[(C
1-C
20)ヒドロカルビル]
3である、請求項7に記載の重合プロセス。
【請求項9】
R
1及びR
16のうちの少なくとも1つが、式(IV)を有するラジカルである、請求項1に記載の重合プロセス。
【請求項10】
R
52、R
53、R
55、R
57、及びR
58のうちの少なくとも2つが、(C
1~C
20)ヒドロカルビル又は-Si[(C
1~C
20)ヒドロカルビル]
3である、請求項9に記載の重合プロセス。
【請求項11】
R
8及びR
9が独立して、(C
1~C
4)アルキルである、請求項1に記載の重合プロセス。
【請求項12】
R
3及びR
14が、(C
1~C
20)アルキルである、請求項1に記載の重合プロセス。
【請求項13】
R
6及びR
11が、tert-ブチルである、請求項1に記載の重合プロセス。
【請求項14】
R
3及びR
14が、tert-オクチル又はn-オクチルである、請求項1に記載の重合プロセス。
【請求項15】
Mが、Zr又はScである、請求項1に記載の重合プロセス。
【請求項16】
Lが、-CH
2(CH
2)
mCH
2-(式中、mは、1~3である)、-CH
2Si(R
C)(R
D)CH
2-、-CH
2Ge(R
C)(R
D)CH
2-、-CH(CH
3)CH
2CH(CH
3)-、ビス(メチレン)シクロヘキサン-1,2-ジイル;-CH
2CH(R
C)CH
2-、-CH
2C(R
C)
2CH
2-(式中、Lにおける各R
Cは、(C
1~C
20)ヒドロカルビルであり、LにおけるR
Dは、(C
1~C
20)ヒドロカルビルである)から選択される、請求項1に記載の重合プロセス。
【請求項17】
前記オレフィンモノマーが、(C
3~C
20)α-オレフィンである、請求項1に記載の重合プロセス。
【請求項18】
前記オレフィンモノマーが、(C
3~C
20)α-オレフィンではない、請求項1に記載の重合プロセス。
【請求項19】
前記オレフィンモノマーが、環状オレフィンである、請求項1に記載の重合プロセス。
【国際調査報告】