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特表2023-541785血管から閉塞物を抽出するための血栓モビライザ装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-04
(54)【発明の名称】血管から閉塞物を抽出するための血栓モビライザ装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/22 20060101AFI20230927BHJP
   A61M 25/00 20060101ALI20230927BHJP
【FI】
A61B17/22 528
A61M25/00 540
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023507521
(86)(22)【出願日】2021-07-14
(85)【翻訳文提出日】2023-03-16
(86)【国際出願番号】 EP2021069612
(87)【国際公開番号】W WO2022028831
(87)【国際公開日】2022-02-10
(31)【優先権主張番号】20382719.1
(32)【優先日】2020-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】20382718.3
(32)【優先日】2020-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517237377
【氏名又は名称】アナコンダ ビオメッド, エス.エル.
【氏名又は名称原語表記】ANACONDA BIOMED,S.L.
(74)【代理人】
【識別番号】100105131
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 満
(74)【代理人】
【識別番号】100105795
【弁理士】
【氏名又は名称】名塚 聡
(72)【発明者】
【氏名】ガルシア サビド,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】フェルナンデス サンチェス,デービッド
(72)【発明者】
【氏名】リザラズ ゴンザレス,アネ
(72)【発明者】
【氏名】ガルベ ムリーリョ,イナキ
(72)【発明者】
【氏名】アラド ハダー,オフィール
(72)【発明者】
【氏名】ジャラ ムンス,フランチェスク
(72)【発明者】
【氏名】ペース,アリゼ
【テーマコード(参考)】
4C160
4C267
【Fターム(参考)】
4C160EE22
4C160MM36
4C267AA28
4C267AA44
4C267AA53
4C267BB02
4C267GG22
4C267GG23
4C267GG24
(57)【要約】
血管から閉塞物を除去するための血栓モビライザ装置が提供され、これは、複数のセルクラウンを含む作動部を含む。各セルは、ストラットによって縁取られた開放領域を備える。第一クラウン内の各セルの遠位端は第三クラウン内の対応するセルの近位端と隣接しており、第二クラウン内の各セルの遠位端は、第四クラウン内の対応するセルの近位端と隣接している。第二クラウンは第一クラウンの遠位に、第三クラウンの近位に配置され、第四クラウンは、第三クラウンの遠位に配置される。セルの複数のクラウンは、円筒状に閉じた構造を形成する管状部分を画定する。血栓モビライザはまた、作動部の近位端から近位に延在し、複数のストラットを備えるテーパー部を備える。
【選択図】 図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血管から閉塞物を抽出するための血栓モビライザ装置であって、
セル(111)の複数のクラウン(110...110n)を備える作動部(101)であって、
前記作動部(110)の各セル(112)がストラット(112)によって広げられた開領域を有し、
前記複数のクラウン(110...110n)の第一クラウン(110)の各セル(111)の遠位端が、前記複数のクラウン(110...110n)の第三クラウン(110)の対応するセル(111)の近位端に近接し、
前記複数のクラウン(110...110n)の第二クラウン(110)の各セル(111)の遠位端が、前記複数のクラウン(110...110n)の第四クラウン(110)の対応するセル(111)の近位端に近接し、
前記第二クラウン(110)は第一クラウン(110)の遠位で前記第三クラウン(110)の近位に配置され、
前記第四クラウン(110)は前記第三クラウン(110)の近位に配置され、
前記第一(110)、第二(110)、第三(110)及び第四(1104)クラウンの各々における各セル(111)の対向する中央部分の各々はそのようなクラウン内の近接するセル(111)の中央部分とそれぞれ近接し、
前記セルの複数のクラウンは円筒形に閉じた構造を形成する管状形状部分を画定する、
該作動部(101)と、
前記作動部(101)の近位端から近位に延在するテーパー部(120)であって、
前記テーパー部(120)は複数のテーパー部ストラット(122)を備え、
前記テーパー部(120)は近位端において前記作動部(101)の拡張直径よりもより小さい直径を有し、
前記テーパー部ストラット(122)は前記作動部ストラット(112)の幅よりも大きい幅を有する、
該テーパー部(120)を有する、血栓モビライザ装置。
【請求項2】
前記作動部(101)は1.5mm未満の圧縮直径を有し、前記圧縮直径が約1.5mmであるときに1.75Nと3Nとの間の外向き半径方向力を及ぼすように構成され、
前記作動部(101)は少なくとも3.5mmの拡張直径を有し、前記拡張直径が約3.5mmであるときに0.75Nと1.5Nとの間の外向き半径方向力を及ぼすように構成される、請求項1に記載の血栓モビライザ装置。
【請求項3】
前記複数のテーパー部ストラット(122)の第一及び第二テーパー部ストラット(122a、122b)は、近位セル(124)を部分的に画定するように、前記作動部(101)の近位端から近位接続部(121)の遠位端(123)に収束し、前記血栓モビライザは、前記近位接続部(121)から近位に延在するプッシャ(200)をさらに備える、請求項1~2のいずれか一項に記載の血栓モビライザ装置。
【請求項4】
前記複数のテーパー部ストラット(122)のうちの第三テーパー部ストラット(122c)が前記近位接続部(121)の遠位の点から前記第一テーパー部ストラット(122a)から遠位に延在し、
前記複数のテーパー部ストラット(122)のうちの第四テーパー部ストラット(122d)が前記近位接続部(121)の遠位の点から前記第二テーパー部ストラット(122b)から遠位に延在し、
前記第三及び第四テーパー状ストラット(122c、122d)が近位セル(124)を部分的に画定する、請求項3に記載の血栓モビライザ装置。
【請求項5】
前記第三及び第四テーパー部ストラット(122c、122d)は、前記作動部(101)の前記近位端で収束する、請求項4に記載の血栓モビライザ装置。
【請求項6】
前記作動部(101)内の前記セル(111)がアーモンド形状を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の血栓モビライザ装置。
【請求項7】
前記血栓モビライザ装置(1)が、チューブ上又はワイヤ上のいずれかに特定のカットを生成することによって製造される、請求項1~6のいずれか一項に記載の血栓モビライザ装置。
【請求項8】
前記作動部ストラット(112)が30μm~60μmの幅を有し、前記テーパー部ストラット(122)が、60μm~155μmの幅を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の血栓モビライザ装置。
【請求項9】
前記圧縮直径の前記作動部(101)は10mm~60mmの長さを有し、前記拡張直径の前記作動部(101)は20mm~50mmの長さを有し、前記テーパー部(120)は、10mm~20mmの長さを有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の血栓モビライザ装置。
【請求項10】
前記テーパー部ストラット(122)が、前記作動部ストラット(112)の厚さに等しい厚さを有する、請求項1~11のいずれか一項に記載の血栓モビライザ装置。
【請求項11】
前記作動部(101)の少なくとも遠位端に複数の放射線不透過性マーカ(107)をさらに備え、前記複数の放射線不透過性マーカ(107)のうちの少なくとも1つは、前記複数の放射線不透過性マーカ(107)のうちの別のもの長さとは異なる長さを有する、請求項1~10のいずれか一項に記載の血栓モビライザ装置。
【請求項12】
前記近位接続部(121)は第一取付面(102)を有し、
前記プッシャ(200)は遠位に延在する第二接続部(201)であって、前記第二接続部(201)は、重複部分を画定して前記重複部分の第一及び第二横方向範囲に沿って長手方向に延在する第一及び第二シームを画定するように、前記第一取付面(102)に対向し、前記第一取付面(102)に長手方向に整合して延在する第二取付面(202)を有する、該第二接続部(201)を有し、
前記血栓モビライザ装置(1)はさらに、
前記第一シームから前記第二シームに向かって延在する、前記近位及び第二接続部(121、201)を取り付ける第一溶接部と、
前記第二シームから前記第一シームに向かって延在する、前記近位及び第二接続部(121、201)を取り付ける第二溶接部と、
を含む、請求項3~11のいずれか一項に記載の血栓モビライザ装置。
【請求項13】
前記長手方向軸に垂直な前記近位接続部(121)の断面形状は環の断面であり、前記長手方向軸に垂直な前記第二接続部(201)の断面形状は、円形である、請求項12に記載の血栓モビライザ装置。
【請求項14】
前記第一溶接部が前記第一シームに沿った複数の溶接点を備え、前記第二溶接部が前記第二シームに沿った複数の溶接点を備える、請求項12又は13に記載の血栓モビライザ装置。
【請求項15】
前記重複部分の少なくとも一部の周りに延在する内側ジャケット(132)であって、前記内側ジャケット(132)は前記プッシャ(200)の少なくとも一部の周りの前記重複部分から近位に延在する、該内側ジャケット(132)と、
前記重複部分の近位端に配置される前記放射線不透過性要素(133)であって、前記放射線不透過性要素(133)は前記プッシャ(200)の少なくとも一部の周りに延在するコイルを備える、該前記放射線不透過性要素(133)と、
前記放射線不透過性要素(133)の周りに延在する前記外側ジャケット(131)であって、前記外側ジャケット(131)は前記重複部分の少なくとも一部の周りに延在する、該前記外側ジャケット(131)と、
をさらに備える、請求項12~14のいずれかに記載の血栓モビライザ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明は一般に、血管内医療装置の分野に関し、特に、血管から閉塞物を抽出(又は、除去)するための血栓モビライザ装置(又は、血栓除去装置)に関する。
【背景技術】
【0002】
血栓モビライザは、血管から血栓(blood clot)すなわち血餅(thrombus)を捕捉及び除去するために利用される自己拡張デバイスである。血餅モビライザは、最初にカテーテルを用いて血管内に導入され、次いで血栓内に挿入され、展開される。展開すると、血餅モビライザは拡張して血栓を捕捉する。血栓モビライザは、血管から除去され、血流の回復を可能にする。
【0003】
既知の血栓モビライザは、Medtronicによって製造されたSolitaire(登録商標)X血行再建デバイス(又は、装置)である。Solitaire(登録商標)Xは、大きな頭蓋内血管閉塞に起因する虚血性脳卒中を有する患者の血流回復に使用するために設計されている。Solitaire(登録商標)Xのステント様設計は、即座の血餅回収及び血流回復を可能にする。本発明の血栓モビライザと同様に、Solitaire(登録商標)Xは複数の相互接続されたストラットを有する長尺の(又は、細長い/elongated)本体を備え、このストラットは拡張構成において、アーモンド形状のセルによって画定されるパターンを有する、開いた管状形状部分を画定する。
【0004】
さらに、特許US10426644は血流回復及び/又は人の血管内の埋め込み可能部材としての使用のための医療装置を提供し、自己膨張部材、ガイドワイヤ及び接続機構を含む。自己拡張部材は、特定の範囲の厚さ、幅及び高さを有する複数のセル及びフィラメントを含む。自己拡張部材は重なり合った縁部を有する体積が低減されたコイル形状をとることができ、展開及び拡張されたときに血管壁及び/又は血栓に対して最適な半径方向の力を生成することができる。体積が低減された形態である間、ワイヤメッシュロール又は紙片と同様の自己拡張部材はその縁部がオーバーラップしてマイクロカテーテル内に導入され、マイクロカテーテル内で移動されるように、カールアップされる。
【0005】
同様に、特許US8940003は非拘束状態で重ね合わされた構造を仮定するために予め形成されているが、マイクロカテーテル及び近位端に配置されたプッシュワイヤでそれを導入することが可能であり、遠位セグメントがその重ね合わされた構造内にあり、相互に連結されたストリング又はフィラメント又はストラットのメッシュ構造を有する、自己膨張性遠位セグメントを有する装置を使用して、閉塞された血管内の血流を回復するための方法を開示している。遠位セグメントは、その縁部が互いに少なくとも近接して配置され、縁部の領域において重なり合うように巻き上げられるか又はカールアップされる平坦又は二次元構造である。遠位セグメントは、ストリング又はフィラメント又はストラットが接続点で収束する、その近位端にテーパー構造を有することができる。遠位セグメントは、レーザ溶接技術によって相互接続された多数のフィラメントを含むメッシュ又はハニカム構造からなる。
【0006】
公知の装置(又は、デバイス)/装置(apparatus)は、作動部のストラットの幅よりも大きい幅を有するいくつかのストラットを有するテーパー部を備えていない。さらに、公知の装置は、個々のセルを拡張することによって拡張される閉鎖チューブ又は閉鎖構造を開示していない。特に、Solitaire(商標) Xに関して、このデバイスは、2つの重なり合う縁部を含む層によって形成される。同様に、Solitaire(商標) Xは複雑な解剖学的構造を通してさえも良好に機能するが、大血管についてはその直径ボリュームを増大させなければならない。すなわち、同じ装置を異なる直径の血管に使用することはできない。
【0007】
したがって、異なる直径の血管に使用可能な新しい血栓モビライザ装置が必要とされている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
その目的のために、本発明の実施形態は一態様によれば、血管から閉塞を抽出するための血栓モビライザ装置を提供する。血栓モビライザ装置は、複数のクラウン(又は列)のセルを有する作動部を備える。作動部の各セルはストラットにより縁取られた開口領域を含み、ここで、複数のクラウンの第一クラウンの各セルの遠位端は複数のクラウンの第三クラウンの対応セルの近位端と近接(又は、連続/contiguous)しており、複数のクラウンの第二クラウンの各セルの遠位端は複数のクラウンの第四クラウンの対応セルの近位端と近接しており、第二クラウンは第一クラウンに対して遠位に配置され、第三クラウンに対して近位に配置され、第四クラウンは第一、第二、第三及び第四クラウンの各セルの中位端はそれぞれ、このようなクラウンの中の近接するセルの中央部と近接している。
【0009】
本発明の実施形態によれば、血栓モビライザ装置はまた、作動部の近位端から近位に延在するテーパー部を備え、テーパー部はまた、複数のストラットを有する。テーパー部は、近位端において、作動部の拡張直径よりも小さい直径を有する。さらに、テーパー部ストラットの少なくともいくつかは、作動部ストラットの幅よりも大きい幅を有する。
【0010】
有利なことに、提案された血栓モビライザにおいて、外向きの半径方向の力は、(実施例3に見られるように)広範囲の血管に対して維持され、血栓モビライザ装置のより良好な押し込み性が達成される。この挙動は、安全窓を残すことなく、小さい直径におけるより小さい半径方向力及び大きい直径におけるより大きい半径方向力を可能にする。注目すべきことに、小さい直径においてより小さい半径方向力を有するという事実のために、血管を損傷するリスクは、ソリタイア(又は血栓を除去するための他の公知のデバイス)と比較して低減される。さらに、提案された血栓モビライザ装置は、異なる直径(1.5~4mm)の血管に使用することができる。
【0011】
一実施形態では、血栓モビライザ装置は自己拡張可能である。
【0012】
代替的に、別の態様では本発明が作動部内の複数のセルのクラウンを含む血管から閉塞を抽出するための血栓モビライザ装置を提供し、各セルはストラットによって境界付けられた開放領域を備え、複数のクラウンのうちの第一クラウン内の各セルの遠位端は複数のクラウンのうちの第三クラウン内の対応するセルの近位端と隣接し、複数のクラウンのうちの第二クラウン内の各セルの遠位端は複数のクラウンのうちの第四クラウン内の対応するセルの近位端と隣接し、第二クラウンは第一クラウンに対して遠位に配置され、第三クラウンに対して近位に配置され、第四である。作動部は1.5mm未満の圧縮直径から少なくとも3.5mmの拡張直径まで拡張し、圧縮直径と拡張直径との間及びそれを含むすべての直径において0.75N~3Nの外向き半径方向力を及ぼすように構成される。
【0013】
この態様によれば、血栓モビライザ装置は作動部の近位端から近位に延在し、複数のストラットを備えるテーパー部も備えることができ、テーパー部は、作動部の拡張直径よりも近位端においてより小さい直径を有する。同様に、一実施形態では、テーパー部ストラットはまた、作動部ストラットの幅よりも大きい幅を有する。
【0014】
さらに、血栓モビライザのセルのクラウンは、円筒状に閉じた構造を形成する管状形状部分を画定する。そのために、提案された血栓モビライザ装置は、チューブ又はワイヤのいずれかに特定の切断部を形成することによって製造することができる。
【0015】
一実施形態では、血栓モビライザ装置が前記ワイヤに特定のカットを生成することによって製造されたプッシャ(又はプッシャワイヤ)を備える。
【0016】
別の態様では本発明が本発明の血栓可動装置と、患者の脈管構造を通って血管内の血栓部位まで前進し、血栓部位に血栓可動装置を運ぶように構成されたマイクロカテーテルとを備える血栓除去システムを提供し、血栓可動装置は後退位置でマイクロカテーテル内に移動可能に配置されるように構成される。
【0017】
以前に提供された態様は血管系を通して血栓部位に向かってマイクロカテーテルを前進させるステップを含む方法に従うことによって、血管内の血栓部位から血栓を抽出するために使用することができ、マイクロカテーテルを前進させるステップは血栓を通してマイクロカテーテルの遠位端を前進させるステップを含み、血栓動員デバイスはマイクロカテーテル内に配置され、血栓動員デバイスはマイクロカテーテルの遠位端に到達するまで前進させられ、マイクロカテーテル及び血栓動員デバイスを互いに対して移動させて、血栓動員。より具体的には、本方法が血栓モビライザを圧縮形態から拡張形態に自己拡張させるステップをさらに含む。
【0018】
別の態様では本発明が血管内の血栓部位を通って前進するように構成された送達カテーテルと、吸引カテーテルの遠位端から延在する拡張可能な吸引漏斗(又は、ファネル/funnel)に吸引を適用するように構成された吸引カテーテルとを備え、吸引ファネルは圧縮状態では後退位置にあり、拡張及び拡張位置では送達カテーテルの外側に少なくとも部分的に移動可能に配置されるように構成され、吸引ファネルの遠位端の直径は後退位置血栓を少なくとも部分的に取り除く。捕捉された血栓を吸引ファネルに入れる工程と、血栓除去システムは血栓部位に血栓モビライザ装置を運ぶように適合されたマイクロカテーテルをさらに備え、血栓モビライザ装置は後退位置においてマイクロカテーテル内に移動可能に配置されるように構成され、マイクロカテーテルは吸引カテーテル内に移動可能に配置されるように構成される。
【0019】
一実施形態では送達カテーテル、吸引ファネル、マイクロカテーテル、及び血栓動員デバイスは同じ軸上に配向され、同軸に構成され、互いに対して移動可能であり得る。
【0020】
先に提供された態様は血管系を通って血栓部位に向かって送達カテーテルを前進させる工程と、送達カテーテルの遠位端を血管内の血栓に近接させる工程と、送達カテーテル内の吸引カテーテルを前進させ、吸引カテーテルから遠位側に延在させる工程と、吸引ファネルを内壁と接触させる工程とを含む方法によって、血管内の血栓部位から血栓を抽出するために使用され得る。それにより、血管は吸引ファネルを通過して血流を減少(又は停止)させ、血栓モビライザ装置を血栓に向かって遠位側に配置し、血栓モビライザ装置及び血栓を吸引ファネルに向かって近位側に移動させ、吸引カテーテルを通過させて血栓を吸引ファネルに少なくとも部分的に吸引させ、吸引ファネルは吸引ファネル内で血栓を保持するように狭くすることにより、その形状及び長さを周囲の血管に適合させる。
【0021】
特定の実施形態では、本方法は、吸引カテーテル内でマイクロカテーテルを前進させるステップをさらに含み、マイクロカテーテルを前進させるステップは血栓を通してマイクロカテーテルの遠位端を前進させるステップであって、血栓動員デバイスがマイクロカテーテル内に配置される、ステップと、血栓動員デバイスを互いに対して移動させて、血栓動員デバイスをマイクロカテーテルの外側に配置するステップと、血栓動員デバイスが自己拡張することを可能にする血栓捕捉デバイスを拡張させるステップとを含む。より具体的には、本方法が血栓モビライザ装置を少なくとも部分的に吸引ファネル内に近位方向に移動させるステップをさらに含む。
【0022】
一実施形態では、血栓モビライザは、チューブを通る長手方向軸を有するチューブを提供することによって製造され、固定レーザ放射源を提供し、レーザ放射源を使用してレーザ放射のビームを生成し、チューブの所望の領域にわたってビームを走査することによってチューブ内に所望のパターンを切断する。別の実施形態では、血栓モビライザがステントの所定の形を生成するように、超短パルスレーザーによってワイヤの断面の所定の切れ目を生成する、ワイヤを提供することによって製造される。好適な製造方法は、例えばUS10434605B2に記載されている。
【0023】
一実施形態では、作動部が1.5mm未満の圧縮直径を有し、圧縮直径が約1.5mmであるとき、1.75N~3N、特に2.1Nの外向き半径方向力を及ぼすように構成される。一実施形態では、1.5mmの圧縮直径の作動部が1.75N~3N、特に2.1Nの外向き半径方向力を及ぼすように構成される。
【0024】
一実施形態では、作動部が少なくとも3.5mmの拡張直径を有し、拡張直径が約3.5mmであるとき、0.75N~1.5N、特に1Nの外向き半径方向力を及ぼすように構成される。一実施形態では、3.5mmの拡張直径の作動部が0.75N~1.5N、特に1Nの外向きの半径方向力を及ぼすように構成される。
【0025】
一実施形態では、作動部が1.5mmの圧縮直径と3.5mmの拡張直径との間のすべての直径で0.75N~3Nの範囲の外向き半径方向力を及ぼすように構成され、(図8に見られるように)平坦な曲線挙動をもたらし、安全窓を残すことなく、小さい直径ではより低い半径方向力を、大きい直径ではより大きい半径方向力を可能にする。その結果、外向きの半径方向の力は、異なる直径を有する広範囲の血管に対して維持され、血管を損傷するリスクが低減される。特定の実施形態では、作動部が安全窓の内側の範囲内で、1.5mmの圧縮直径と3.5mmの拡張直径との間及びそれを含むあらゆる直径において1N~2.1Nの半径方向外向きの力を及ぼすように構成される。
【0026】
一実施形態では、作動部中の細胞はアーモンド形状を有する。
【0027】
一実施形態では、複数のテーパー部ストラットの第一及び第二テーパー部ストラットが近位セルを部分的に画定するように、作動部の近位端から近位接続部の遠位端に収束する。
【0028】
一実施形態では、複数のテーパー部ストラットのうちの第三テーパー部ストラットが第一テーパー部ストラットから近位接続部の遠位の点から遠位に延在し、複数のテーパー部ストラットのうちの第四テーパー部ストラットは第二テーパー部ストラットから近位接続部の遠位の点から遠位に延在し、第三及び第四テーパー状ストラットは近位セルを部分的に画定する。
【0029】
一実施形態では、第三及び第四テーパー部ストラットが作動部の近位端で収束する。
【0030】
いくつかの実施形態では、作動部ストラットの少なくともいくつかは30μm~60μm、特に40μm~50μm、より特に43μm又は48μmの幅を有することができる。
【0031】
いくつかの実施形態では、テーパー部ストラットの少なくともいくつかは60μm~155μm、特に70μm~145μm、より特に71μm又は142μmの幅を有することができる。
【0032】
いくつかの実施形態では、拡張直径の作動部が20mm~50mm、特に38mm~42mm、より特に40mmの長さを有することができる。
【0033】
いくつかの実施形態では、圧縮直径の作動部が10mm~60mm、特に47mm~51mm、より特に49mmの長さを有することができる。
【0034】
いくつかの実施形態では、テーパー部が10mm~20mmの長さを有することができる。
【0035】
いくつかの実施形態では、拡張直径のテーパー部が10mm~20mm、特に13mm~17mm、より特に15mmの長さを有することができる。
【0036】
いくつかの実施形態では、圧縮直径のテーパー部が10mm~20mm、特に10mm~14mm、より特に12mmの長さを有することができる。
【0037】
一実施形態では、テーパー部ストラットが作動部ストラットの厚さに等しい厚さを有する。
【0038】
一実施形態では、血栓モビライザ装置が近位接続部(又は第一接続部)から近位に延在するプッシャをさらに備える。
【0039】
本発明の実施形態はまた、別の態様によれば、それらの要素の改善された取り付け(又は、取り付け部)を有する血栓モビライザ装置を提供する。血栓モビライザ装置は、遠位に前進させられ、近位端から近位に引き出され、近位端から長手方向軸の周りを回転させられ得る。血栓モビライザ装置は近位側に延びる第一接続部(又は近位接続部部分)を備える長尺(又は、細長い)装置(例えば、ステント回収装置又は他の医療装置)と、第一接続部は遠位側に延びる第二接続部を備え、第二接続部は第一接続部と対向し、第一接続部に延びる第二接続部を有し、重なり部分を画定し、重なり部分の第一及び第二横方向の長手方向に沿って延びる第一及び第二シーム(又は、継ぎ目/seam)を画定する第二接続部と、第一シームから第二シームに向けて延びる、第一及び第二接続部を取り付ける第一及び第二接続部と、第二シームから第一シームに向けて延びる第二溶接部とを備える。
【0040】
一実施形態では、第一(又は近位の)接続部がとりわけ、V字形、U字形、針、放射線不透過性マーカを有する針などの異なる形態を有することができる。
【0041】
一実施形態では、長手方向軸に垂直な第一接続部の断面形状が環状部の断面である。別の実施形態では、長手方向軸に垂直な第二接続部の断面形状が円形である。
【0042】
一実施形態では、第一溶接部が第一シームに沿った複数の溶接点を含む。別の実施形態では、第二溶接部が第二シームに沿った複数の溶接点を含む。いくつかの実施形態では、第一及び第二溶接部の複数の溶接点が連続しており、すなわち、点は整列している。
【0043】
いくつかの実施形態では、第一溶接部が複数の連続する溶接点をさらに備えることができる。いくつかの実施形態では、第二溶接部が複数の連続する溶接点をさらに備えることができる。したがって、溶接シームは、先に適用された溶接点の上に提供される。
【0044】
一実施形態では、第一溶接部及び第二溶接部はそれぞれ、重複部分(又は、重なり部分/オーバーラップ部分/overlapping portion)の全長に沿って延在する。
【0045】
一実施形態では、接着剤が第一及び第二溶接部の上に塗布される。
【0046】
一実施形態では長手方向軸に垂直な第一接続部の断面積と、長手方向軸に垂直な第二接続部の対応する断面積との比は1:4~2:1の範囲内である。
【0047】
一実施形態では、第二取付面の半径が第一取付面の半径よりも小さい。
【0048】
一実施形態では、血栓モビライザ装置はまた、重複部分の少なくとも一部の周りに延在するジャケットを含む。ジャケットは、プッシャの少なくとも一部の周りで重複部分から近位に延在することができる。
【0049】
加えて、血栓モビライザ装置は、重複部分の近位端に配置された放射線不透過性要素を含むこともできる。一実施形態では、放射線不透過性要素がプッシャの少なくとも一部の周りに延在するコイルを備える。
【0050】
一実施形態では、血栓モビライザ装置が放射線不透過性要素の周囲に延在するジャケットも備える。ジャケットは、重複部分の少なくとも一部の周りに延在することができる。
【0051】
また、本発明の実施形態は別の態様によれば、長尺装置(例えば、ステント回収器又は他の医療装置)をプッシャに接続して、プッシャが長尺装置を操作できるようにする方法(例えば、長尺装置を遠位側に前進させ、長尺装置を近位側に引き出し、長尺装置を長形軸回りにプッシャの近位端から回転させる)を提供し、長尺装置は近位側に延びる第一接続部(又は近位接続部)を含み、第一接続部は第一取付面を有し、プッシャは遠位側に延びる第二接続部を含み、第二接続部は、第二接続部が第二取付面を有する。本方法は、第二取付面に長手方向に整列された第一取付面を配置して、重複部分を形成することと、重複部分の第一及び第二横方向範囲に沿って長手方向軸に平行に延びる第一及び第二シームを形成することと、第一シームから第二シームに向かって延びる第一溶接部を形成することと、第二シームから第一シームに向かって延びる第二溶接部を形成することとを含む。
【0052】
一実施形態では、長手方向軸に垂直な第一接続部の断面形状が環状部の断面である。別の実施形態では、長手方向軸に垂直な第二接続部分の断面形状が円形である。
【0053】
一実施形態では、第一溶接部を形成するステップが第一シームから第二シームに向かって延びる複数の溶接点を形成するステップを含む。別の実施形態では、第二溶接部を形成するステップが第二シームから第一シームに向かって延びる複数の溶接点を形成するステップを含む。特に、第一及び第二溶接部は複数の溶接点を順次形成することによって形成される(すなわち、溶接点が整列される)。
【0054】
一実施形態では、第一溶接部を形成するステップが第一シームから第二シームに向かって延在する複数の溶接点を連続的に形成するステップをさらに含む。別の実施形態では、第二溶接部を形成するステップが第二シームから第一シームに向かって延びる複数の溶接点を連続的に形成するステップをさらに含む。
【0055】
第一及び第二溶接部を形成するようにエネルギー、例えばレーザエネルギーが印加されると、第一、第二、又は両方の接続部の破損を引き起こし得る熱影響ゾーンが現れる(すなわち、特定のゾーンにおける熱の蓄積)。その破損を回避するために、いくつかの実施形態では、第一溶接を形成するステップが第一シームの遠位部分に複数の溶接点のうちの第一溶接点を形成するステップと、複数の溶接点のうちの以前に形成された溶接点よりも第一シームに沿ったより近位の位置に複数の溶接点のうちの互いに溶接点を形成するステップとをさらに含む。いくつかの実施形態では、第二溶接部を形成するステップが第二シームの遠位部分に複数の溶接点のうちの第一溶接点を形成するステップと、複数の溶接点のうちの以前に形成された溶接点よりも第二シームに沿ったより近位の位置に複数の溶接点のうちの互いの溶接点を形成するステップとをさらに含む。
【0056】
いくつかの実施形態では第一溶接部が第一シームの全長に沿って延在することができ、第二溶接部は第二シームの全長に沿って延在することができる。
【0057】
一実施形態では、第一溶接部を形成するステップが第一シームに沿った任意の他の点に溶接点を形成する前に、第一シームの近位端に第一溶接点を形成するステップと、第一シームの近位端と遠位端との間に第二溶接点を形成するステップとを含む。
【0058】
一実施形態では、第二溶接部を形成するステップが第二シームに沿った任意の他の点に溶接点を形成する前に、第二シームの近位端に第一溶接点を形成するステップと、第二シームの近位端と遠位端との間に第二溶接点を形成するステップとを含む。
【0059】
一実施形態では、第一溶接部を形成するステップがエネルギーを第一シームにおいて第二シームに向かって横方向に方向付けることを含む。一実施形態では、第二溶接部を形成するステップがエネルギーを第二シームにおいて第一シームに向かって横方向に方向付けるステップを含む。
【0060】
一実施形態では、本方法はまた、第一及び第二溶接部の上に接着剤を加えるステップを含む。
【0061】
一実施形態では、本方法はまた、重複部分の近位端に放射線不透過性要素を配置するステップを含む。一実施形態では、放射線不透過性要素がプッシャの少なくとも一部の周りに延在するコイルを備えることができる。
【0062】
一実施形態では、本方法はまた、放射線不透過性要素をプッシャの遠位端上に組み立てる、又は配置するステップと、放射線不透過性要素をプッシャの近位端に向かって押すステップとを含む。
【0063】
一実施形態では、方法が重複部分の少なくとも一部をジャケットで覆うことをさらに含む。いくつかの実施形態では、重複部分の近位のプッシャの一部も、ジャケットで覆うことができる。
【0064】
一実施形態では、この方法が放射線不透過性要素をジャケットで覆うことをさらに含む。いくつかの実施形態では、ジャケットはまた、重複部分の少なくとも一部の周りに延在する。
【0065】
一実施形態ではジャケットを挿入する前に、本方法は重複部分を覆うことなく、放射線不透過性要素をプッシャの遠位端(又は重複部分の近位端)に配置又は押し戻すことをさらに含む。
【0066】
さらに別の実施形態では、方法が重複部分の少なくとも一部をジャケット(又は内側ジャケット)で覆うステップであって、ジャケットがプッシャの少なくとも一部の周りの重複部分から近位に延在するステップと、放射線不透過性要素を、重複部分の近位端に配置するステップであって、放射線不透過性要素がプッシャの少なくとも一部の周りに延在するコイルを備えるステップと、ジャケット(又は外側ジャケット)で放射線不透過性要素を覆うステップであって、ジャケットが重複部分の少なくとも一部の周りに延在するステップとを含む。
【0067】
一実施形態では内側ジャケットを挿入する前に、方法は放射線不透過性要素をプッシャの遠位端上に組み立てる、又は配置することと、放射線不透過性要素をプッシャの近位端に向かって押すこととをさらに含む。
【0068】
別の実施形態では外側ジャケットを挿入する前に、方法は重複部分を覆うことなく、放射線不透過性要素をプッシャの遠位端(又は重複部分の近位端)に配置又は押し戻すことをさらに含む。
【0069】
一実施形態では、熱収縮性材料を内側及び外側ジャケットに加えることもできる。
【0070】
一実施形態では長手方向軸に垂直な第一接続部の断面積と、長手方向軸に垂直な第二接続部の対応する断面積との比は1:4~2:1、特に3:4の範囲である。
【0071】
一実施形態では、第二取付面の半径が第一取付面の半径よりも小さい。
【0072】
いくつかの実施形態では、本発明によれば、血栓モビライザ装置はまた、作動部の遠位端に配置された放射線不透過性マーカを含む。他の実施形態では、放射線不透過性マーカはまた、作動部の他のセクション、例えば、中央及び/又は近位端に位置することができる。放射線不透過性マーカは特に、それらの間又は他のデバイス間の絡み合いを回避するように、異なる長さを有する。放射線不透過性マーカは、白金イリジウム合金又はタンタルから作製することができる。
【0073】
一実施形態では、血栓モビライザ装置がニチノールを含む金属で作製される。特に、ニチノール材料は、AS(登録商標)(American Society of Testing and Materials)F2063(Standard Specification for Wrought Nickel-Titanium Shape Memory Alloys for Medical Devices and Surgical Implants)に準拠している。ニチノールは、自己拡張構造における用途について周知である。しかしながら、他の種類の金属又は他の種類の材料、例えば、コバルトクロム合金又は鉄合金、例えば、ステンレス鋼又はばね鋼も使用することができ、形状記憶特性を有する他の材料、例えば、銅又はマグネシウム合金も使用することができる。
【0074】
一実施形態では、血栓モビライザはまた、超音波エネルギー波を印加することによって血栓をより小さい粒子に断片化するための超音波伝達部材/デバイスを含む。特定の実施形態では、超音波伝達部材が高周波数(15~30kHz、特に19.8kHz又は20kHz)で動作するソノトロードを備える。この場合、ソノトロードの振動振幅は、血栓モビライザのワイヤを介して伝達される。振動振幅は、3μm(10%)~7.5μm(25%)、特に6μm(20%)の範囲であり得る。超音波送信の持続時間はとりわけ、例えば、60秒又は120秒であり得る。
【0075】
一実施形態では、超音波伝達部材が特に、血栓モビライザの軸を通って長手方向に延在する。さらに、いくつかの実施形態では、超音波伝達部材の近位端に音波コネクタを結合することもできる。
【0076】
本発明の別の態様は1.5mm未満の圧縮された直径を有する非拡張構成の血管内に血栓モビライザ装置を前進させることによって患者の血管から血栓を抽出する方法を提供し、血栓モビライザ装置は、作動部内の複数のセルのクラウンを備え、各セルはストラットによって境界付けられた複数のセルのクラウンを備え、複数のクラウンのうちの第一クラウン内の各セルの遠位端は複数のクラウンのうちの第三クラウン内の対応するセルの近位端と隣接し、複数のクラウンのうちの第二クラウン内の各セルの遠位端は複数のクラウンのうちの第四クラウン内の対応するセルの近位端と隣接し、第二クラウンは第一クラウンに対して遠位であり、第三クラウンに対して近位であり、第四クラウンは第三クラウンに対して遠位であり、第一、第二、第四クラウンのすべての書くセルの第一及び第二対向中央部は、そのようなクラウンの隣接セルの中央部と連続し、血栓モビライザの作動部を少なくとも3.5mmの拡張直径まで血栓中に拡張させ、圧縮直径と拡張直径との間及びそれを含むあらゆる直径において、0.75N~3.0Nの間の作動部で外向きの半径方向の力を及ぼす。いくつかの実施形態では、作用するステップが拡張された直径が約3.5mmであるとき、0.75N~1.5Nの間の作動部で外向きの半径方向力を作用させるステップを含む。いくつかの実施形態では血栓モビライザ装置が作動部から近位に延在するテーパー部を有し、方法はテーパー部を、作動部の拡張直径よりも小さい直径に拡張するステップをさらに含む。これらの実施形態のいずれか又は両方において、前進ステップは、患者の外側のテーパー部の接続部から近位に延びるプッシャを前進させるステップを含み得る。
【0077】
一実施形態では、吸引ファネルは自己拡張可能である。
【0078】
一実施形態では吸引ファネルが遠位端及び近位端を画定するセグメントを備え、セグメントはそれぞれ反対方向に回転し、絡み合う少なくとも2組の螺旋状フィラメントのメッシュによって形成され、メッシュは2つの別個の管状セクション、第一セクション及び第二セクションを備え、第一セクションに隣接する第二セクションは直径の低減を提供し、第一セクションのメッシュは、第一セクションが血管の内壁に対して並置されるように、第二セクションよりも高い外向きの半径方向の力を提供するように構成された編組角度を有する螺旋状フィラメントを有する。
【0079】
一実施形態ではメッシュの第一部分がバネとして作用するように構成された遠位端に閉ループを備え、その結果、第一部分の第一及び第二端部分における外向きの半径方向の力はその中間部分におけるよりも高くなる。
【0080】
一実施形態では、メッシュの第二セクションが2つのサブセクション、すなわち、血栓を開き、血栓のための空間を作り出し、血栓の除去中に近位血流を減少させる(又は停止させる)ように構成された直径の漸進的減少を伴う形状を有する第一サブセクションと、吸引カテーテルへの接続を提供するように構成された管状の均一な直径の第二サブセクションを有する。特に、第一サブセクションの形状は、円錐形(又はファネル形)である。
【0081】
一実施形態では、螺旋状フィラメントの2つのセットが吸引ファネルが長くなり、狭くなるにつれて、より長手方向に整列するように適合される。特に、メッシュのらせん状フィラメントは、金属、金属合金、又はニチノール又はニチノール/白金を含む複合材料から作られる。
【0082】
特定の実施形態ではらせん状フィラメントが24~48の範囲の数を含み、前記フィラメントは40~60μmの範囲に含まれる断面を有し、セグメントの長手方向軸に対するらせん状フィラメントの角度は第一部分について50~65度、第二サブ部分について15~50度である。
【0083】
特定の実施形態では第一部分が4~40ミリメートルの範囲の長さを含み、第二部分は1~10ミリメートルの範囲の長さを含み、第一部分は3.5~6ミリメートルの範囲の外径を含み、第二部分は1~2ミリメートルの範囲の外径を含み、第一部分の形状はセグメントの長手方向軸に対して15~45度の角度を有する母線を含む。
【0084】
特定の実施形態では、吸引ファネルの非透過性被覆がシリコーン又はポリウレタンを含むポリマーを含む。
【図面の簡単な説明】
【0085】
上記及び他の利点及び特徴は添付の図面を参照して、以下の実施形態の詳細な説明からより完全に理解され、図面は例示的かつ非限定的な方法で考慮されなければならない。
図1A図1Fは、血管から閉塞物を除去するための提案された血栓モビライザ装置の異なる例を示す。
図2A及び図2Bは、本発明のいくつかの実施形態による、血栓モビライザ装置のテーパー部の拡大図を図示する。
図3A及び図3Bは、遠位に前進させられ、近位端から近位に引き出され、近位端から長手方向軸の周りを回転させられるように適合された血栓モビライザ装置の他の実施形態を図示する。
図4A~4Dは、接続部の異なる設計を示す。図4A:V字形状、図4B:U字形状、図4C:針形状、図4D:放射線不透過性マーカ付き針。
図5は、一実施形態による、血栓モビライザ装置の第一接続部及び第二接続部の断面図の幾何学的形状を概略的に示す。
図6は、別の実施形態による、遠位に前進させられ、近位端から近位に引き出され、近位端から長手方向軸の周りを回転させられるように適合された血栓モビライザ装置のより詳細な図を図示する。
図7は、一実施形態による、長尺装置をプッシャに接続し、プッシャが長尺装置を操ることができるようにする方法を示すフローチャートである。
図8は、提案された血栓モビライザ装置とSolitaire装置との比較(個々の半径方向力対直径)をグラフで示している。
【発明を実施するための形態】
【0086】
図1A図1Fを参照すると、提案された血栓モビライザ装置1の様々な実施形態が示されている。これらの実施形態のいずれにおいても、血栓モビライザ装置1は、(図1Fの実施形態に示された3D表現に見られるように)円筒状に閉じた構成を形成する管状の区画を画定するアーモンド形状のセル111の複数のクラウン110...110を含む作動部101を含む。さらに、血栓モビライザ装置1はまた、作動部101の近位端から近位に延在するテーパー部120を含む。本開示の目的のために、「クラウン」は、長手方向により長いセクションと長手方向により短いセクションとを交互に有する、デバイスの周りに円周方向に延在する閉じたリングである。圧縮された直径の作動部101は10mm~60mmの長さを有することができ、拡張された直径の作動部101は、20mm~50mmの長さを有することができる。
【0087】
第一クラウン110内の各セル111の遠位端は第三クラウン110内の対応するセル111の近位端と近接し、第二クラウン110内の各セル111の遠位端は、第四クラウン110内の対応するセル111の近位端と近接する。クラウンの各々における各セル111の中間部分はまた、そのようなクラウンにおける近接するセル111の中間部分とも近接している。
【0088】
血栓モビライザ装置1は、ニチノール、コバルトクロム合金、ステンレス鋼又はばね鋼などの鉄合金などから作製することができる。
【0089】
血栓モビライザ装置1を図1A-1Fに示す。放射線不透過性マーカ107も含む。放射線不透過性マーカ107は(図1C~1Fのように)作動部101の遠位端のみに組み込むことができ、又は(図1A及び1Bのように)作動部101の他のセクションに組み込むこともできる。いくつかの実施形態では、異なる放射線不透過性マーカ107がそれら又は他のデバイス間の絡み合いを回避するように、異なる長さを有する。放射線不透過性マーカ107は、白金イリジウム合金又はタンタルから作製することができる。
【0090】
セル111の各々は、ストラット112を有する。同様に、テーパー部120はまた、少なくともいくつかの幅広ストラット122を有する。具体的には、テーパー部120の幅広のストラット122が作動部ストラット112の幅よりも大きい幅を有する(その拡大図については図2A及び2Bを参照)。
【0091】
例えば、図2A及び図2Bに示す実施形態では、第一ストラット122a及び第二ストラット122bは作動部101の近位端から近位に延在し、血栓モビライザ装置1の近位(又は第一)接続部121の遠位端123で収束する。第三ストラット122c及び第四ストラット122dはそれぞれ第一ストラット122a及び第二ストラット122bから遠位に延在し、作動部101の近位端で収束する。第一ストラット122a、第二ストラット122b、第三ストラット122c、及び第四ストラット122dはともに、テーパー部120内にセル124を画定し、これらのストラット122a~122dはすべて、作動部101内のストラット112よりも厚い。図2A及び図2Bに示す実施形態では、第一、第二、第三及び第四ストラット122a~122dは、テーパー部120内の他のストラット122eよりも厚い。これらのより厚いストラット122a~122dは以下に説明するように、その圧縮直径からその拡張直径まで、より大きな外向きの半径方向力を作動部101に提供するのに役立つ。いくつかの実施形態では血栓モビライザ装置1の作動部101及びテーパー部120は単一のハイポチューブから形成されるので、幅広のテーパー部ストラット122はそれが作られるチューブの厚さによって予め決定される作動部ストラット112の厚さに等しい厚さを有する。いくつかの実施形態では作動部ストラット112が30μm~60μmの幅を有することができ、テーパー部ストラット122の少なくともいくつかは60μm~155μmの幅を有することができる。
【0092】
いくつかの実施形態では、作動部101が1.5mm未満の圧縮直径及び約3.5mmの拡張直径を有する。作動部101は、圧縮直径と拡張直径との間、及び圧縮直径と拡張直径とを含むすべての直径において、0.75N~3Nの外向きの半径方向力を及ぼすことができる。特定の実施形態では1.5mmの圧縮直径で作動部101によって加えられる半径方向外向きの力が1.75N~3N、より具体的には2.1Nであり、3.5mmの拡張直径で作動部101によって加えられる半径方向外向きの力は0.75N~1.5N、より具体的には1Nである。
【0093】
外向き半径方向力を計算するために、一実施形態では、例えば、時間直径変化を使用することができる。その目的のために、血栓モビライザ装置1は装置を非常に低い摩擦力で均一に圧縮することを可能にする12セグメントヘッド(特に、以下の実施例でさらに詳述されるように、Machine Solutions Inc.からのRX550)に導入される。温度は37±2oCに設定され、半径方向力ベンチは半径方向力対直径カーブを記録しながら、指定されたプロファイルに従って直径を減少及び増大させる。
【0094】
表1は、図1A-1Eに示される血栓モビライザ装置1の主な仕様のいくつかを示す。
【0095】
図3A及び3Bは、本発明のいくつかの実施形態による血栓モビライザ装置1を示す。これらの実施形態によれば、提案される血栓モビライザ装置1は長尺装置100を備え、これは引用された作動要素101及びテーパー部120によって形成され、プッシャ200に取り付けられ、アタッチメント(集合体)125を形成する(図3A参照)。図3Bに示されるように、提案される血栓モビライザ装置1は長尺装置100及びプッシャ200を含み、長尺装置100は、第一(又は近位の)接続部121及び第二接続部201を介してプッシャ200に取り付けられる。
【0096】
図4A~4Dは、異なるタイプの接続部121を示す。長尺装置100は異なる医療装置、特にステント回収器(又は、リトリーバー)を備えることができ、近位に延在する第一接続部121を含み、第一接続部121は、第一取付面102を有する(図5参照)。プッシャ200は遠位に延在する第二接続部201を備えることができ、第二接続部201は第一取付面102に面して長手方向に整列して延在する第二取付面202を有し、重複部分を画定し、重複部分の第一及び第二横方向範囲に沿って長手方向に延在する第一及び第二シームを画定する。
【0097】
血栓モビライザ装置1はまた、第一シームから第二シームに向かって延在する、第一及び第二接続部121、201を取り付ける第一溶接部と、第二シームから第一シームに向かって延在する、第一及び第二接続部121、201を取り付ける第二溶接部とを備える。
【0098】
図5は、環状の断面である第一接続部121の断面形状の、及び円形である第二接続部201の断面形状の実施形態を示す。黒い三角形は、エネルギー、特にレーザエネルギーがどのように横方向に印加されて第一及び第二溶接部を形成するかの方向を示す。この実施形態では、第二取付面202の半径は第一取付面102の半径よりも小さい。
【0099】
特に、長手方向軸に垂直な第一接続部121の断面積と、長手方向軸に垂直な第二接続部201の対応する断面積との比は1:4~2:1の範囲にあり、より具体的には、比は3:4である。
【0100】
第一溶接部は、第一シームに沿って複数の溶接点を備えることができる。同様に、第二溶接部は、第二シームに沿って複数の溶接点を含むこともできる。一実施形態では、溶接点が2~12個の溶接点を含む。別の実施形態では、溶接点が2~5の数を含む。溶接点は、特に互いに位置合わせされる。いくつかの実施形態では、第一溶接部及び第二溶接部はそれぞれ、予め適用され、複数の連続する溶接点によって形成された複数の溶接点の上に配置/配列された溶接シームをさらに備えることができる。
【0101】
いくつかの実施形態では、第一溶接部及び第二溶接部はそれぞれ、重複部分の全長に沿って延在する。
【0102】
いくつかの実施形態では、接着剤が第一及び第二溶接部の上に追加することができる。
【0103】
図6は、長尺装置100がアタッチメント(取付具)125によってプッシャ200にどのように接続するかの特定の実施形態を示す。この特定の実施形態によれば、血栓モビライザ1はジャケット131又は外側ジャケット、ジャケット132又は内側ジャケット、及びプッシャ200の周りに延在する放射線不透過性要素としての放射線不透過性コイル133を含むことができ、放射線不透過性コイル133は、外側ジャケット131と内側ジャケット132との間にそれぞれ配置される。ジャケット132は、プッシャ200の一部の上で重複部分から近位に延在する。ジャケット131は、放射線不透過性コイル133及び重複部分の一部の周りに延在する。さらに、熱収縮性材料を内側ジャケット131及び外側ジャケット132に加えることができる。
【0104】
図7は長尺装置100をプッシャ200に関連付け(すなわち、接続/組み立て)て、プッシャ200が長尺装置100を操作する(すなわち、長尺装置100を遠位に前進させ、長尺装置100を近位に引き出し、長尺装置100をプッシャ200の近位端から長手方向軸の周りに回転させる)ことを可能にするための方法を図示する。ステップ401において、第一接続部121の第一取付面102は第二接続部201の第二取付面202に長手方向に整列して配置され、重複部分を形成し、重複部分の第一及び第二横方向範囲に沿って長手方向軸に平行に延びる第一及び第二シームを形成する。ステップ402において、第一シームから第二シームに向かって延びる第一溶接部が形成される。ステップ403において、第二シームから第一シームに向かって延びる第二溶接部が形成される。
【0105】
いくつかの実施形態では、ステップ402が第一シームから第二シームに向かって延びる複数の溶接点(例えば、2~12の間、特に2~5の間)を形成又は適用することを含む。同様に、ステップ403は、第二シームから第一シームに向かって延在する複数の溶接点を形成又は適用することを含む。いくつかの実施形態では、複数の溶接点が互いに位置合わせされる。いくつかの実施形態では、ステップ402及び403はまた、以前に形成/適用された溶接点の上に複数の溶接点を連続的に形成又は適用することによって、溶接シームを形成することを含む。
【0106】
特定のゾーンにおける熱の蓄積を回避するように、いくつかの実施形態ではステップ402が第一シームの遠位部分に複数の溶接点のうちの第一溶接点を形成するステップと、複数の溶接点のうちの前に形成された溶接点よりも第一シームに沿ったより近位の位置に複数の溶接点のうちの互いに溶接点を形成するステップとをさらに含み、ステップ403は第二シームの遠位部分に複数の溶接点のうちの第一溶接点を形成するステップと、複数の溶接点のうちの前に形成された溶接点よりも第二シームに沿ったより近位の位置に複数の溶接点のうちのそれぞれ他の溶接点を形成するステップとをさらに含む。すなわち、溶接部を形成するエネルギーデバイスは、第一接続部121、第二接続部102、又はその両方がその破損を引き起こし得る熱を蓄積することを回避するように、第一(及び第二)シームの遠位端から前記シームの近位端に移動される。
【0107】
特定の実施形態では、本方法が、ジャケット132(又は内側ジャケット)で重複部分の近位にあるプッシャ200の一部を覆うことと、放射線不透過性要素133を重複部分の近位端に配置し、放射線不透過性要素133をプッシャ200の周りに延在することと、放射線不透過性要素133をジャケット131(又は外側ジャケット)で覆い、重複部分の少なくとも後者の部分を延在することとを含む。
【0108】
一実施形態では内側ジャケット132を挿入する前に、方法は放射線不透過性要素133をプッシャ200の遠位端上に組み立てるか、又は配置することと、放射線不透過性要素133をプッシャ200の近位端に向かって押すこととをさらに含むことができる。
【0109】
別の実施形態では外側ジャケット131を挿入する前に、方法は重複部分を覆うことなく、放射線不透過性要素133をプッシャ200の遠位端(又は重複部分の近位端)に配置又は押し戻すことをさらに含むことができる。
【0110】
いくつかの実施形態では、外側ジャケット131を挿入する前に、本方法は内側ジャケット132を重複部分上に熱収縮させること、及び外側ジャケット131を挿入した後に、外側ジャケット131を内側ジャケット132及び放射線不透過性コイル133上に熱収縮させることをさらに含むことができる。熱収縮は適切な収縮性材料、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE);フッ素化エチレンプロピレン(FEP);パーフルオロアルコキシアルカン(PFA);エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE);ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂などの熱可塑性材料を使用して作製することができる。
【0111】
他の実施形態では、長尺装置100が化学的又は熱的結合、摩擦又は機械的嵌合、圧着、はんだ付け、ろう付けなどの他の適切な取付技法によって、又はコネクタ材料又は部材、又はそれらの組合せを使用することによって、プッシャ200に関連付けられ得る(すなわち、接続/組み立てられ得る)。別の実施形態では、長尺装置100が重複部分の周りに配置され、重複部分に圧着されるコーティング又はめっきされたバンドを圧着することによって、プッシャ200に関連付けられ得る。
【0112】
以下に、提案された血栓モビライザ装置1の使用及び性能の異なる例を詳細に説明する。実施例及び図面は、例示目的のために本明細書に提供され、本発明を限定することを意図するものではない。
【0113】
実施例1:インビトロ3Dシミュレーションモデル、臨床前データ
導入
血管内治療(EVT)は、大血管閉塞(LVO)脳卒中のための最も効果的な治療として認識されている。最短時間での最高再疎通度と最低試行回数は、臨床転帰の改善と相関することが実証されている。非常に効果的ではあるが、完全な再疎通に達することができないことが、治療された患者の約20%で報告されている。患者の転帰を改善するために、初回パス(又は、試行)完全再疎通率を増加させるために、様々なデバイス及び組合せが開発中である。そのようなデバイスの開発は、脳血管のヒトの解剖学的構造をシミュレートするファントムモデルにおける前臨床試験、及びデバイスに関連する血管損傷を評価することができる動物モデルを含む。各シミュレーションモデルには独自の特性があるため、ヒトを対象とした最初の試験で最終評価を行う前に、どのような新しい装置又は組み合わせでも異なる条件下でその有効性及び安全性を証明することが推奨される。
【0114】
血栓モビライザ装置1(以下、Conda)は、血管から閉塞を再疎通する能力を有するステント状装置である。これらの実施形態では特に、Condaは主にステント及びプッシャワイヤによって形成される。この第一実施例で使用されるプロトタイプはID45(図1E)であり、楕円形のセルと、針形状のアタッチメントを通してステントをプッシャワイヤと接合するテーパー部とを提示する。
【0115】
本研究は、頚動脈及び脳の生理的血流、血圧、ならびに閉塞性エクスビボ血餅類似体を含む血管解剖学的構造をシミュレートする頭蓋内循環の脳血管モデルであるインビトロ3Dシミュレーションモデルにおいて現在最も使用されている商業的ステント回収器である、Solitaire(商標)(4×40mm、Medtronic、以下、Solitaire)と比較して、Condaプロトタイプの有効性及び性能を評価することを目的とした。Solitaireは、大きな頭蓋内血管閉塞による虚血性脳卒中患者の血流回復に使用するために設計されている。Solitaireは、完全に展開され、完全に再加熱され、回収され得るステント状デバイスである。直径4mmと6mmの2種類のサイズがある。
【0116】
本研究では、臨床状況を模倣するために、血餅モビライザ(CM)、Conda及びSolitaireは、他の装置と併用して使用される:送達カテーテル(遠位端上の摩擦及び放射線不透過性マーカを低減するための親水性被覆を含む)及び吸引カテーテル(遠位端にファネル状のカテーテルからなり、局所的な流れ制限を提供することができる)の2つの同軸カテーテルからなる、ANA吸引カテーテル装置(Anaconda Biomed社製、以下ANA)及び血管内カテーテルの挿入及び誘導を容易にするための近位の流れ制御及び安定したプラットホームを提供することができるバルーンガイドカテーテルである8Fr FlowGate2(商標)バルーンガイドカテーテル95cm(Stryker Neurovascular社製、以下BGC)。しかし、本研究の目的は、CondaとSolitaireの性能と有効性を比較することである。
【0117】
本研究の主な目的は、
-ANA又はBGCと併用したConda及びSolitaireの血行再建率及び血餅塞栓形成率(又は、速度/rate)に関する有効性の評価
-標的血管に到達し、ステントを展開し、引き抜くための、ANA又はBGCと併用したConda及びSolitaireの性能の評価
である。
【0118】
方法
試験は、バルセロナ(スペイン)のVall d’Hebron Institut de Recerca(VHIR)の動物施設で実施した。
【0119】
両CM(Conda及びSolitaire)と組み合わせたANA及びBGCによる機械的血栓除去を、モデル脳血管閉塞(血餅類似体を含む)においてシミュレートした。手順の後に低解像度蛍光透視法を行い、訓練を受けた技術者が補助した。
【0120】
脳血管モデル系は、ヒト血管レプリカと生理学的に関連する模擬循環フローループから構成された。血管レプリカとして頭蓋内循環の3次元in vitroモデルを用いた。
【0121】
2つの3Dモデルを用いて、機械的血栓除去インターベンションをシミュレートした:
-Vascular model Jacobs Institute V3.4(JI V3.4):これは、CT-Aイメージング(50人の患者)を使用する患者の血管解剖学的構造に基づいて設計され、次いで、3Dプリンタ(Jacobs Institute)上に印刷された。モデルは湾曲、直径及び長さに関してヒト頭蓋内循環に密接に類似し、内頸動脈セグメント及び中大脳動脈分岐(M1~M4セグメント)、単一の前大脳動脈に接続された両側A1前大脳動脈セグメント、及び単一の後交通動脈からなり、したがって、ウィリス循環のほぼ完全な輪(又は、ほぼ完全なウィリスの輪の循環/near complete circle of Willis circulation)を可能にする(頭蓋内モデル)。
-血管モデルUMASS:このモデルは透明シリコーンを使用する3D印刷によって製造され、より滑りやすくするために、その内面上に親水性コーティングを提供する。これは臨床データに基づいており、透明なモデルであるため、その使用には蛍光透視法を必要としない。UMASS in vitroモデルは、患者の頭蓋内ゾーンの幾何学的形状を模倣する。それは大腿動脈アクセス、大動脈弓、又は頸動脈の完全な経路を含まない。アクセスゾーンの最後のカーブのみが含まれる。これは血栓摘出に利用可能な2つの困難なレベルからなり、それらのうちの1つは他のものよりも重度である。
【0122】
血餅回収(血管再生及び塞栓形成率)における有効性の評価のために、軟赤色でフィブリンに富む血餅を使用して、中大脳動脈(MCA;M1及びM2)閉塞を生成した。
-軟赤色血餅(5×8mm):4mlの非抗凝固ブタ血液を、32mgのウシ血漿由来のフィブリノゲン(F8630、Sigma-Aldrich)及び1単位のトロンビン型ウシ血漿(T4648、Sigma-Aldrich)と少なくとも3分間混合した。混合物を室温で少なくとも60分間インキュベートした。
-フィブリンに富む血餅(8×8×8mm):採取直後に、クエン酸ナトリウム溶液(3.2%)を用いてブタ血液を抗凝固処理した。続いて、遠心分離(600g、15分、4℃)を用いて全血成分を分離し、抽出した血漿を赤血球(RBC)と9:1の比率で混合した。塩化カルシウム(2.06%)を加えて凝固を開始し、凝固した物質を37℃で60分間成熟させた。得られた血餅は、約100%のフィブリンからなる。
【0123】
血栓をフローループに注入して、MCA閉塞を形成した。血栓摘出術を開始する前に、TICI 0による完全閉塞が必要であった。TICIスケールは血管再生率を評価するための標準スコアであり、以下のように定義される。
-TICIスコアリンググレード0:潅流なし。
-TICIスコアリンググレード1:最初の閉塞を通過する順行性再潅流であるが、遠位再潅流がほとんどない又は遅い遠位枝充填が制限されている。
-TICIスコアリンググレード2a:閉塞した標的動脈の以前の虚血領域の半分未満の順行性再潅流(例えば、中大脳動脈(MCA)及びその領域の1つの主要な区分における)。
-TICIスコアリンググレード2b:以前に閉塞された標的動脈虚血領域の半分以上の順行性再潅流(例えば、MCA及びその領域の2つの主要な区分における)。
-TICIスコアリンググレード3:全ての遠位枝において視覚化された閉塞がない、以前に閉塞された標的動脈虚血領域の完全な順行性再潅流。
【0124】
ANA又はBGC、Conda及びSolitaireと組み合わせて使用される他のガイダンス/サポート装置を表2に示す。
【0125】
機械的血栓摘出術の手順
Neuron Max 088ガイドカテーテルを頸部内頚動脈(ICA)に配置し、ガイドワイヤを送達し、その後、ガイドワイヤを標的血管を通して穏やかに前進させた。
【0126】
ANAデバイスを両方のCMと独立して組み合わせて、血餅を回収した:ステント付きファネルを閉塞部の近位に配備し、CMを有するマイクロカテーテルを吸引カテーテル及び配備したステント付きファネルを通して血餅に到達させ、血餅を横切るまでワイヤ上をナビゲートした。CMを展開して血餅を捕捉し、一方、ANAを介して連続吸引を適用し(マイクロカテーテルを回収した後、吸引を適用した)、血餅全体がステント付きファネル内に安全に配置され、両方のデバイスが最終的に1つとして引き抜かれるまで、CMを引きずった。BGCデバイスを使用する場合、BGCの使用説明書に記載されている標準的な手順に従って、血餅を回収するために、それを両方のCMと独立して組み合わせた。
【0127】
血流及び血行再建率を評価して、以下の全ての処置実施後の処置時点、すなわち血栓形成前(ベースライン用)、処置前(臨床開始時点)及び血栓除去後(血行再建の初回、2回目及び3回目のパス)の有効性を評価した。TICI 2b及び3は、成功した血行再建と見なされる(1)。TICI 0、1及び2aは、血行再建不成功とみなされる(0)。有効性評価で考慮された主要評価項目は、初回及び3回目のパス後の血行再建率(TICI 2b-3)であった。
【0128】
また、遠位領域(Distal Territory/EDT)及び塞栓新領域(Emboli New Territory/ENT)を評価した。EDTスコア0及びENTスコア0は、塞栓性事象がないことを示す。EDTスコア1及びENTスコア1は塞栓事象を示す。全ての処置実施後の処置時点を追跡し、有効性評価において考慮された主要評価項目は、初回及び3回目のパス後のEDT及びENTであった(TICI 2b-3)。
【0129】
モデルJI V3.4におけるCondaの性能は最初の試みの後に、それらの定量化(すなわちスコア)に応じて以下の評価項目を研究することによって評価した。
-IS-COMP:Conda Introducer Sheath(IS)とファネルの止血弁及びルアー(Luer)との互換性[1 = 悪い挙動、CMは導入中に損傷する可能性がある;2 = 他のブランドと比較して通常の挙動;3 = HYVに導入し、ルアーを通して導入するのが容易であるが、CMに入る;4 = HYVに導入し、ルアーを通して導入するのが容易であるが、CMには入らない]。
-C-PUSH:Condaの標的容器への押し込み性。ISからマイクロカテーテルへのアクセス[1=不良;2=中等度~適切;3=非常に良好]。
-S-TARGET:Condaはターゲットゾーンに到達する[1 = 不良、2 = 中程度~適切、3 = 非常に良好]。
-S-ACCURACY:標的血管におけるCondaの展開の正確性[1=不十分な精度、標的血管に達しなかった;2=中程度の精度、標的血管に達しなかった;3=中程度の精度、標的血管に達した;4=非常に正確、標的血管に展開された]。
-S-ADAPTABILITY:Condaの(血餅及び標的血管との)適応性[1=ステントは拡張しない;2=ステントは自己拡張するが完全には拡張しない;3=ステントは自己拡張して血餅を統合するが血管に完全には適応しない;4=ステントは自己拡張して血餅を統合し血管に適応する]。
-C-VISIBILITY:蛍光透視下でのCondaの可視性;[1=不良;2=中等度~適切;3=非常に良好]。
-S-F-ENTANGLEMENT:ファネルとCondaの適合性;[1=絡み合い;2=少数の相互作用;3=相互作用なし]。
-S-RETRIEVAL:回収中のCondaの抵抗;[1=回収中の摩擦;2=容易な回収]。
【0130】
最後に、全ての処置実施後に、Conda及び吸引カテーテルのファネルの完全性を定量化するための目視検査を行った。
【0131】
成果と結論
以下の表3は、ANAデバイスを使用した場合のConda及びSolitaireの使用を比較して得られた有効性の結果を示す。
【0132】
Condaデバイスを用いて得られた結果は全ての異なる試験組合せ(モデル及び血餅の種類)においてSolitaireのものよりも優れており、血栓摘出処置におけるCondaデバイスのより良好な有効性を示した。最も高い差は、フィブリンに富む模擬血栓の除去において観察された。このタイプの血栓はより困難であり(又は、(より)固く/hard(er))、回収中にステントから巻き出される傾向がより高い。
【0133】
表4は、BGCデバイスを使用した場合のConda及びSolitaireの使用を比較して得られた有効性の結果を示す。
【0134】
一般に、BGCを用いて得られた結果は、血栓が脳血管モデルのM1から吸引が適用されるBGCの先端まで移動しなければならない経路が大きいため、ANAデバイスを用いた場合よりも悪かった。Condaは、評価されたすべての可能な状況において、初回パスで80%以上の成功を得た、より一貫した成果を示した。フィブリンに富む血餅を有するJacobsモデルにおいて、Solitaireインターベンションは初回及び3回目のパスでそれぞれ40%及び67%に等しい有効性を得、一方、Condaは初回及び3回目のパスでそれぞれ93%及び100%に等しい有効性を得た。
【0135】
ANA装置と共に使用した場合、Conda装置で得られた有効性は、Solitaire装置で得られた有効性より高かった。BGCと共に使用した場合、Conda装置で得られた結果はANA装置で得られた結果よりも低かったが、Solitaireと同様のレベルに維持されている。これらの結果はCondaが血餅の除去のための有効な装置であり、ANA装置と共に使用される場合、Solitaireよりも良い選択であることを示唆する。
【0136】
以下の表5において、Condaを使用する異なる介入(intervention)で得られた性能の結果が提示され、例えば、プッシャビリティ(C-PUSH)の評価項目は、10の介入(全ての介入の100%)において3のスコアを得た。
【0137】
評価された全ての評価項目は、Condaデバイスが血管壁に適合され、回収中に問題なく、標的血管に到達するのに非常に良好な挙動を有することを示した。最良の資格(または、品質特性/能力/qualification)を得ることができなかった唯一の評価項目は、蛍光透視下での装置の可視性であった。しかしながら、得られた可視性レベルは許容可能であるが、最適ではないと考えられた。
【0138】
最後に、CondaデバイスとANAデバイスとの適合性を、CMの完全性を定量化することによって研究した。結果として、ANAデバイスとの併用により、異なるCondaデバイスに損傷は見られなかった。Condaデバイスは、リスクなしにANAと共に使用できると考えられている。
【0139】
本研究は、ANAと併用したCondaがANAと併用したSolitaireよりも良好な結果を得たことを示した。一方、Condaは、BGCと併用した場合、Solitaireと同様の結果を示した。これらの結果はCondaが血餅の除去のための有効な装置であり、ANA装置と一緒に使用される場合、Solitaireよりも良い選択であることを示唆する。また、Condaは血管壁に適合し、回収中に問題なく、標的血管に到達する非常に良好な挙動を示した。最後に、ANAデバイスとの併用により、Condaデバイスに損傷は見られず、ANAと完全に互換性があることが確認された。
【0140】
最終的な結論として、Condaは、機械的血栓除去中の血行再建率を増加させるための臨床試験において使用される明確な選択肢である。
【0141】
実施例2:Conda血餅モビライザプロトタイプのインビボ研究:血栓摘出のブタモデルにおける安全性及び性能の評価
導入
本研究では、Condaの異なるプロトタイプを分析した。これらの実施形態では特に、Condaは主にステント及びプッシャワイヤによって形成される。異なるプロトタイプを、設計特性を改善するために、異なるin vitro及びin vivo研究において評価し、特徴付けた。
【0142】
本研究は、実施例1に示されるように、血管組織へのデバイスによって生じる血管損傷及びその性能がブタモデルの血管上の標的部位に到達することを試験し、血餅モビライザ装置を、類似の市販のステント回収器(Solitaire(商標)血管再生デバイス、メドトロニック製、以下Solitaire)と比較するために、ブタ動脈における血管損傷及び再疎通のインビボモデルにおけるCondaプロトタイプの安全性及び性能を評価することを目的とする。
【0143】
この実験的研究はまた、血餅回収における装置の操作性を含む血餅モビライザの性能及び有用性のいくつかの側面の評価を目的としたが、この動物モデルは高度に曲がりくねった複雑な血管解剖学的構造(例えば、ヒト脳血管系)を通してのナビゲーション性を評価することに限定されている。
【0144】
臨床シナリオを模倣するために、血餅モビライザ(CM)、Conda及びSolitaireを、マイクロカテーテル及びANA(すでに実施例1に記載されている)又は標準的なガイドカテーテルと組み合わせて、本研究で使用して、標的血管に到達させた。
【0145】
本研究は、以下を評価することを目的とした。
-安全性;Condaプロトタイプが市販の装置Solitaireと比較して、ANA又は標準的なガイドカテーテルと組み合わせて、両方のシステムを3回通過させた後に、腎動脈の血管損傷を誘発する。
-Solitaireと比較した、ANA又は標準ガイドカテーテルと組み合わせて、シミュレートされた処置及び環境下で、血管内腔に血餅閉塞を伴う又は伴わない場合に使用される場合の、Condaプロトタイプの性能(有効性)及び有用性。
-ステントの全長が血管の壁に対して及ぼす力を特徴付ける半径方向の力の機械的値。
【0146】
方法
本研究は、バルセロナ(スペイン)のVall d’Hebron Institut de Recerca(VHIR)の動物施設で実施した。
【0147】
Sus scrofa種の体重が30~35Kgの雌豚16頭を実験対象とした。それらの全ては、疾患を有さず、健康な条件下にあり、A.M. Animalia Bianya S.L.(スペイン、ジローナ)によって促進された。動物の番号は、C21、C22、C23、C25、C27、C28、C29、C30、C31、C33、C34、C35、C36、C37、C38及びC39とした。
【0148】
豚の腎動脈を異なる装置で治療し、治療しなかった各腎動脈の遠位枝をネガティブコントロールとして用いた。各動物において、腎動脈インターベンションが完了した後、合成された放射線不透過性血栓を鎖骨下動脈又は頸動脈の分枝に挿入して意図的な血管遮断を生じさせ、その後、CMで血餅を回収するための再疎通を試みた。
【0149】
ブタモデルは、神経血管及び血管内の装置及び技術の評価のために既に確立されたモデルである。このモデルは、大きな虚血性脳卒中患者に適応となる機械的血栓除去システムを評価するのにも有用である。このモデルは主に、使用中にデバイスによって及ぼされる血管損傷(セキュリティ)を評価することを可能にし、また、それは、その設計の妥当性に関するさらなる情報を提供する、大脳動脈と同様の直径の動脈における、血栓摘出アプローチを含む、インビボモデルにおけるデバイスの性能及び有用性(有効性)に関する情報も提供する。これらのモデルは、装置の有用性ナビゲーション可能性、操作可能性、及び標的血管にアクセスする能力、血栓の捕捉及び回収における有効性、血栓の断片化及び塞栓形成の評価、を評価するのに非常に良好である。
【0150】
本研究で使用した血餅モビライザは、内頸動脈、MCAのM1及びM2セグメント、前大脳動脈、ならびに脳底動脈及び椎骨動脈等の神経血管系で使用するために設計した。本研究で使用される血餅モビライザは、凍結設計(凍結デザイン/frozen design)と同様の構造を有する設計/デザインである表1及び/又は図1A~Eに定義されている。他のプロトタイプを評価したが、Anaconda Biomedによって開発された凍結デザインと比較して構造が異なるため、現在の実験的な実施例には示されていない。
【0151】
手順
介入は、蛍光透視、超音波検査、麻酔及びモニタリング装置を備えた手術室で行った。介入の一般的な管理は施設の獣医スタッフによって行われ、神経血栓摘出装置を用いた具体的な処置は専門の介入医によって補助された。血栓除去装置による介入の後、蛍光透視を行った。
【0152】
各動物処置は右/左腎動脈の頭側又は尾側枝への介入、及び選択された枝における血餅除去を伴わないデバイス展開の実施が存する血管損傷性能評価から開始し、一方、腎循環系動脈(いかなる介入も受けていない)における同じ側の隣接枝(頭側又は尾側)をネガティブコントロール動脈として使用した。
【0153】
(動脈の標的セクションへのデバイスのアクセスを確実にした後の)各介入は、試験されたデバイス(CM)の3回の反復展開と、動脈の標的セクションに対する再加熱手順(3回のパス)と、血栓の捕捉及び回収のための操作(血餅がない場合)をシミュレートすることと、デバイスの使用のための説明書及び臨床使用において提供される標準的な手順に従ってデバイスを引き抜くこととから構成された。
【0154】
CMと組み合わせたANAの介入では、ファネルは腎動脈の近位セグメント(直径3~4.5mmの大きな血管)において近位に拡張され、遠位枝(直径2~3mmの小さな血管)において遠位に血餅モビライザを展開するのに十分な血管長を可能にした。これにより、ファネルとCMとの適合性(または、互換性/compatibility)、及び両方の装置によって引き起こされる血管損傷の評価が可能になった。試験したデバイスを標準的なガイドカテーテルのみと組み合わせた場合、同様の手順に従ったが、この場合、ガイドカテーテルの遠位端は腎動脈の近位セグメントに達し、CMは遠位枝において遠位に展開され、腎動脈の近位セクションに達するまで回収された。デバイスの調製及び適合性、可視性、ナビゲーション性、柔軟性及び押し込み可能性、引き抜き及びデバイス完全性評価を含むデバイスの一般的性能を半定性的に評価した。
【0155】
さらに、血餅回収の評価に関するデバイス性能を、動物C21、C22、C23、C25、C27、C28、C29、C30、C31、C33、C34、C35、C36、C37、C38及びC39において行った。エクスビボ放射線不透過性自己血餅の断片を、左又は右鎖骨下動脈又は頸動脈(carotid artery)(すなわち、頸動脈(cervical artery))の分枝に導入し、続いて、使用のための指示に従って、その血餅を回収することを試みるために、試験装置導入及び血栓除去操作を行った。
【0156】
標的血管及びデバイスの性能を記録するために、いくつかの血管造影が介入中に登録された。血管痙攣、解離、穿孔又は血栓症、及び血管再生を含む血管反応を、血管造影を用いて評価した。血管の血管造影画像を、造影剤(Lopamidol、10ml/kg、370mg/ml)を用いて得て、展開部位の適切な位置を同定した。追加の血管造影図はこの時点で、又は後に、処置中に、介入者の裁量で記録されていてもよい。ベースライン血管造影を実施して、デバイスアクセス及び展開のための基準直径を記録した。ガイドカテーテルが標的血管内に配置されていることが確認された。ベースライン血管造影を実施して、デバイスアクセス及び展開のための基準直径を記録した。処置後の血管造影を登録して、血餅回収後の血管状態及び/又は血管再生を評価した(mTICIスケール、実施例1で定義)。また、ANAとCondaとの互換性を含む一般的な性能を評価した。
【0157】
介入処置は以下のように実施した。
-血管アクセス:麻酔導入後、右大腿動脈に鼠径部を切開してアクセスした。動脈短8Fシースを導入し、超音波ガイド下で動脈内に前進させた。静脈血液サンプルを、ヘパリン投与及び輸液療法開始前に採取した。
-血管造影:蛍光透視ガイド下で、6Fガイドカテーテル長さのシース(Neuron Max)を、5F診断カテーテルSimmons I型及びワイヤガイドを用いてシースを通して挿入し、標的位置:左腎動脈の頭蓋枝まで前進させた。ガイドカテーテルに生理食塩水を連続的に流した。その後、診断用カテーテルとガイドワイヤを抜去した。
-血餅塞栓術:1mlシリンジに含まれる長さ5~20mm直径4~4.5mmのエクスビボ自己放射線不透過性血餅(動物施設VHIRにおいて、内部特許手順に従って人為的に合成された)を用いて、頸動脈枝又は鎖骨下動脈(直径約3~4mmの切片)を塞栓した。6Fガイドカテーテルを標的動脈内に配置し、次いで、血餅を含むシリンジを接続し、血餅を標的動脈内に遠位に注射した。ガイドカテーテルを5~10分間除去して、流れを再確立し、動脈管腔内での血餅の安定化を可能にした。以下、ガイドカテーテルを再導入し、血管造影を行い、血管閉塞を確認し、動脈流(TICI)を評価した。
-デバイス手順:血管の標的部位にANA及びCMを到達させ、血餅を回収し、すべてのシステムを体外に引き抜いた。
-デバイスの有用性及び性能:処置後、介入者は、表6に示される評価項目に続いて、デバイスの有用性及び性能に関するフィードバックを提供した。デバイスの有用性と性能特性の主観的評価は、評価尺度に従って介入者の判断と経験に基づく。R&D Anacondaチームはまた、デバイスの有用性及び性能の定性的評価を提供した。再疎通は、血餅除去前及び鎖骨下又は頸動脈分枝における血餅除去後のmTICIスケールを用いて計算した。
-血管壁に対する半径方向の力:半径方向の力は、Machine Solutions Incからの装置RX550を使用して得た。この装置を用いて、直径を減少及び/又は増加させながら、半径方向の力及び直径をすべてのステントプロファイルに従って測定した。装置のヘッド(12セグメント)の特定の幾何学的形状は、非常に低い摩擦力で、試料の半径方向の圧縮を均一に可能にした。5サイクルの圧縮/復元(decompression)を行って、半径方向の力が直径と共にどのように変化するかを定義した曲線を得た。
【0158】
さらに、以下の組織学的評価項目:内皮剥離、管腔内及び壁在血栓、浮腫、破裂、出血、内(internal)層、内(又は、メディアル/medial)層又は外層における炎症又は損傷、ならびに狭窄を適用することによって、半定量的な顕微鏡的動脈セグメント評価を行った。
【0159】
結果
ガイドカテーテル及びANAと組み合わせた異なるCondaプロトタイプの評価はSolitaireと同様に、調製、補助装置との適合性、ナビゲーション可能性、標的血管への装置の押し込み可能性及び制御操作、ANA装置のファネル及びガイドカテーテルの可視性、装置の引き抜き及び止血に関して成功した性能を示した。CM及びファネルの展開、標的血管における精度、及び血管への適応性は、正しかった(それぞれ、腎動脈の遠位枝及び近位部分)。一般に、Condaプロトタイプとファネル及びマイクロカテーテルとの組み合わせは適切であり、マイクロカテーテルの支持を有するCondaプロトタイプは、標的血管(腎動脈の遠位枝)に到達するように容易に誘導された。
【0160】
目視検査ではCondaプロトタイプ、ANAデバイスのファネル、ガイドカテーテル、及びSolitaireの完全性は3回のパスの適用後、実質的に変化しなかったことが示された。
【0161】
表6は、血餅のない腎動脈における処置の結果、ならびに介入中のCMの性能及び有用性を要約する。
マイクロカテーテルの支持を有するCondaのプロトタイプは標的領域に到達するために容易にナビゲートされた;血餅モビライザの追跡可能性、柔軟性及び押し込み可能性が正確に評価され、ステントの展開及び血管への適応可能性はConda ID25(図1C)を除いて、全ての場合において正しかったが、その精度は1つの介入において正しくなかった。展開されたCondaは、拡張されたファネルの内側に導入されるまで、血管を通して押し戻され、一旦内側になると、吸引が適用された。介入中に完全性の変化を被ったConda ID19(図1A)を除いて、他のすべてのプロトタイプは、介入後に良好な完全性を示した。
【0162】
血餅回収中のSolitaireの性能はブタC23で3回のパス後に成功したが、ファネルとの相互作用の問題が生じたC25では成功しなかったため、第二又は第三のパス後に全ての問題が復帰した。
【0163】
表7及び表8は、血餅閉塞を伴う鎖骨下及び頸動脈分枝における処置の結果、ならびに介入中のCMの性能及び有用性をまとめている。Conda ID19(図1A)及びID20(図1B)は鎖骨下及び頸動脈枝では評価されなかった。
【0164】
ANAファネルをナビゲートし、血餅の近位に展開した。マイクロカテーテルの支持を有するCondaプロトタイプは、ANAファネルカテーテルの内腔を通って血餅を有する標的領域に到達するように容易にナビゲートされ、ステントの展開及び血管への適応性は正しかった。(包埋された血餅を有する)展開されたCondaは、拡張されたファネルの内側に導入されるまで、血管を通して押し戻され、一旦内側になると、吸引が適用された。3回のパスが必要とされた左鎖骨下動脈におけるConda ID25(ブタC30)を除いて、全ての処置(TICI 2b-3)における最初のパスの後に、血餅除去操作性が成功したが、追加のパスの必要はなかった。Condaのプロトタイプの一般的な性能及び有用性は、腎動脈における処置と同等であった。
【0165】
ブタC23の左上腕動脈に遠位塞栓が生じたにもかかわらず、血餅回収中のSolitaireの遂行は初回パス後に成功した。
【0166】
マイクロカテーテルの支持を有するCondaプロトタイプは、標的領域に到達するために容易にナビゲートされた;血餅モビライザの追跡可能性、柔軟性及び押し込み可能性が正確に評価され、ステントの展開及び血管への適応可能性が全ての場合において正確であった。展開されたCondaは、拡張されたファネルの内側に導入されるまで、血管を通して押し戻され、一旦内側になると、吸引が適用された。介入中のデバイスの完全性の変化は観察されなかった。
【0167】
血餅回収中のSolitaire性能はC23の3回のパス後に成功したが、ファネルとの相互作用の問題が生じたC25では成功せず、第二又は第三のパス後に全ての問題が復帰した。
【0168】
Condaと連結装置との適合性は介入の大部分において優れた結果をもたらし、介入後の血餅モビライザ及びファネルの完全性は、介入の大部分において良好な結果をもたらした。
【0169】
表9では、RFの結果及び血管の遠位セグメントに対する血管損傷の結果を示す。RFは、Condaが意図する最低直径であるため、2mmで測定した。
【0170】
表9に示されているように、すべてのCondaプロトタイプによって生成されたRFの値は容器の直径に関連して、同じ直径におけるSolitaireの挙動によって画定される2.0Nの最大限界と1.0Nの最小との間にあり、結果は、容器直径の最適範囲(1.5~3.5mm)内に記された。
【0171】
結論
本研究は、ANAと併用したCondaがANAと併用したSolitaireよりも良好な結果を得たことを示した。一方、Condaは、BGCと併用した場合、Solitaireと同様の結果を示した。これらの結果はCondaが血餅の除去のための有効な装置であり、ANA装置と一緒に使用される場合、Solitaireよりも良い選択であることを示唆する。
【0172】
また、Condaは血管壁に適合し、回収中に問題なく、標的血管に到達する非常に良好な挙動を示した。Condaの試作品では、ANA機器との併用によるダメージは見られず、ANAとの完全な互換性が確認された。
【0173】
ANAと組み合わせたCondaプロトタイプの一般的な性能、デバイス調製、ナビゲーション性及び押し込み可能性は成功であり、Solitaireと同等であった。血餅の除去は、ANAと組み合わせた全てのCondaプロトタイプを用いて、初回パス後に成功した。3回のパス後にANAと組み合わせてCondaプロトタイプで処置された血管における血管損傷は最小軽度であり、ANAと組み合わせた対照デバイスSolitaireと同等である。
【0174】
最終的な結論として、ID34(図1D)及びID45(図1E)が最良の結果を得ており、Condaは、機械的血栓摘出術中の血行再建率を増加させるために臨床試験で使用される明確な選択肢である。
【0175】
例3:CondaとSolitaireの半径方向の力の比較
導入
この試験は、血管の管腔直径に応じて、2つのステント回収器(実施例1及び2に記載されるConda及びSolitaire)によって生成される外向きの半径方向の力(壁の並置)を比較するために開発された。データを抽出した後、Solitaire及びCondaデバイスを比較するグラフ記述(外向き半径方向の力対血管直径)を生成した。
【0176】
方法
両方のデバイス(サンプル)を、半径方向の力(RF)について試験した。Machine Solutions Inc.からのRX550を使用して、RF及びデバイスの直径の両方を測定した。ヘッド(12セグメント)の特定の幾何学的形状は、非常に低い摩擦力で試料を均一に圧縮することを可能にする。RX550の温度を規定の試験温度(37±2℃)に設定した。サンプルをヘッドに導入し、プロファイルを開始した。RXベンチは、指定されたプロファイルに従って直径を減少及び/又は増加させ、RF及び直径を記録した。試験中のサンプルの写真を撮った。試験の最後に、RX550のヘッドを開き、サンプルをRX550から取り出し、次いでその対応する容器内に入れた。最後に、個々のRF対直径を示す図8をプロットした。
【0177】
ステント回収器の意図された使用は、1.5~4.0mmである。RFの安全限界は、Solitaireの値が2.0Nである2.0mmの血管直径から始まって定義された。この値は内皮損傷がないことを保証し、したがって、それは最大値であった。一方、最小値は1.0Nであり、これは最適条件で血栓を除去するための最小値であった。
【0178】
結果
図8に示されているように、Condaが生成したRFの値は血管の直径に関連して、同じ直径のSolitaireの挙動によって画定される2.0Nの最大限界と1.0Nの最小との間であり、結果は、血管直径の最適範囲(1.5~3.5mm)内に刻まれ、広い範囲の血管に対して平坦な曲線を生成した。提案された血餅モビライザ装置1によって提供される曲線はSolitaireの曲線よりもはるかに滑らかであり、それは、小さい直径におけるより低いRFと、大きい直径におけるより大きい半径方向の力とを可能にし、したがって、限定された安全ウィンドウを残さない。注目すべきことに、小さな直径において半径方向の力がより小さいという事実のために、Solitaireと比較して、血管が損傷するリスクが低減される。また、2.0~3.0mmの範囲外の直径について、Solitaireデバイスの場合に観察される、大きな直径における最大力は、2.1Nを超えなかった。
【0179】
実施例4:血餅モビライザ装置1(この特定の場合、ステント回収器)のプッシャ200と長尺装置100との間のアタッチメント(すなわち、接続)のトルク抵抗試験
この実験試験の目的は、血餅モビライザ装置1のプッシャ200と長尺装置100との間のアタッチメントのトルク抵抗を測定することであった。
【0180】
本研究では、8つのステント回収器を使用した:異なる構成を有するAnaconda Biomedによって製造された5つのステント回収器(以下、Condaデバイス、図1A~1E)及びMedtronicによって製造された3つのステント回収器(以下、Solitaireデバイス)。
【0181】
方法
手順中に使用されたツール及び設備は、表10に示されている。
【0182】
手順:
1. ステント回収器は、試験前に少なくとも2時間、37℃±2℃の水中で予め処理した(preconditioned)。
2. 3Dプリントされたクランプ及び近位トルクツールは、以下の位置で水平引張試験機のベースボード上にセットアップされ、遠位クランプ、近位クランプ及び近位トルクツール(セットアップ中に配置される)とともにセットアップされた。
3. 近位トルクツール及び近位トルクツールのための3Dプリント固定具は、ウォーターバスの左側に配置された。
4. ステント回収器の接続部は、手持ち式トルクゲージのジョーにガイドワイヤトルカを用いてクランプされた。
5. ステント回収器をハイポチューブを通して装填し、ピンゲージを使用してステント回収器の遠位端をトルクロードセルにクランプした。
6. 手持ち式トルクゲージをピーク力Nmに設定した。
7. 手持ち式トルクゲージは操作者を補助するために、トルクゲージホルダが90°毎にクリックすることを可能にすることによって、360°回転させられた。
8. 手持ち式トルクゲージを、破断が起こるまで360°回転させた。
9. 試験が完了したとき、以下の詳細がデータシートに記録された:ピーク力、回転数、破断位置、故障モード。
【0183】
結果と結論
以下の表11は、Condaデバイス及びSolitaireデバイスの両方についての結果を示す:
【0184】
結果は、トルク試験中のConda装置の性能がSolitaire装置と比較して高いことを示した。これらの結果は臨床使用中の血餅モビライザ装置1の安全性に直接関連し、したがって、より高い回転数を得ることは、例えば、装置の誤った取り扱いによる早期破損の可能性を低減する。しかしながら、ステントリトリーバー装置は使用中のトルクを意図していなかったので、Conda及びSolitaire装置の両方について得られた値は血餅モビライザ装置1の任意のありそうな誤使用をカバーするのに十分である。
【0185】
実施例5:プッシャ200と血餅モビライザ装置1の長尺装置100(この特定の場合、ステント回収器)との間のアタッチメント(すなわち、接続)の引張試験。
この実験的試験の目的は、プッシャ200と血餅モビライザ装置1の長尺装置100との間のアタッチメントの引張りを測定することであった。
【0186】
そのうちの35個の試料、20個のCondaデバイス(図1)、及び15個のSolitaireデバイスをステント回収器(又は、リトリーバー)として使用して、アタッチメント/接続における引張強度を評価した。
【0187】
本研究は健康的で安全なプロトコールに従い、本手順に記載されている設備を使用する場合に、すべての手順の周囲で偶発的な傷害を避けるために開発されたものであり、移動中及びツール及び設備との相互作用中、指及び手足を常に安全に保つ。
【0188】
方法
手順中使用されたツール及び設備は、表12に示される。
【0189】
手順:
1. 試料は、試験前に少なくとも2時間、37℃±2℃の水中で予め処理した。
2. Zwick試験Xpertプログラム(3104236 Rev 01 Clot Mobiliser System Tensile Test.ZP2)を介して、以下のように、接続されたPC上でパラメータを設定した:引張モード、4m/分の速度、及び10mmのグリップ間の分離。
3. 装置の構成を確認し、50Nロードセルを取り付け、両空気圧グリップにセラミックグリップを取り付けたことを確認した。
4. プッシャのワイヤを、ステント結合部が空気圧クランプの両方のセットの間の中心点に位置付けられ、クランプが閉じられるまで、上側グリップ内に配置した。
5. 引張試験機にかかる力をゼロに設定し、次いで底部クランプを閉じた。
6. この時点で、「start」ボタンをクリックすることによって試験を開始した。
7. 試験が完了したとき、以下の詳細をデータシートに記録した:結合を破壊するためのピーク引張力、結合破壊位置、破壊モード(failure mode)。
8. 最後に、詳細な記録が終了すると、試料を取り出し、クランプを開いた。
【0190】
結果と結論
以下の表13は、Condaデバイス及びSolitaireデバイスの両方についての結果を示す。
【0191】
結果は、Solitaireデバイスと比較して、引張抵抗におけるCondaデバイスのより高い性能を示した。これらの結果は臨床使用中の血栓モビライザ装置1の安全性に関連し、したがって、より高い値の引張強度を得ることは、回収中の過度の張力によるアタッチメント/接続の早期破損の可能性を低減する。
【0192】
別段の指示がない限り、本明細書及び特許請求の範囲で使用される測定値、条件などを表すすべての数は、すべての場合において「約」という用語によって修飾されると理解されるべきである。したがって、反対の指示がない限り、本明細書及び添付の特許請求の範囲に記載される数値パラメータは、本開示の主題によって得ようとする所望の特性に応じて変化し得る近似値である。
【0193】
本明細書及び特許請求の範囲を通して、「含む(comprise)」という用語及び「含む(comprising)」などのその変形は、他の技術的特徴、構成要素、又はステップを排除することを意図するものではない。本発明のさらなる目的、利点、及び特徴は、説明を検討することによって当業者に明らかになるか、又は本発明を実施することによって知ることができる。さらに、本発明は、本明細書に記載の特定の好ましい実施形態の全ての可能な組み合わせを包含する。
【0194】
本開示及び/又はいくつかの他の例を上記で説明した。上記の説明によれば、様々な変更を行うことができる。特許請求の範囲において保護されることが必要とされるすべての適用、修正、及び変更は、本開示の保護範囲内であり得る。
【0195】
本発明の範囲は、以下の請求項のセットにおいて定義される。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】