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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-04
(54)【発明の名称】衣類処理装置
(51)【国際特許分類】
   D06F 21/02 20060101AFI20230927BHJP
   D06F 23/02 20060101ALI20230927BHJP
   D06F 25/00 20060101ALI20230927BHJP
【FI】
D06F21/02
D06F23/02
D06F25/00 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023514489
(86)(22)【出願日】2021-09-03
(85)【翻訳文提出日】2023-03-01
(86)【国際出願番号】 KR2021011918
(87)【国際公開番号】W WO2022050754
(87)【国際公開日】2022-03-10
(31)【優先権主張番号】10-2020-0113075
(32)【優先日】2020-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0113077
(32)【優先日】2020-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0113078
(32)【優先日】2020-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】LG ELECTRONICS INC.
【住所又は居所原語表記】128, Yeoui-daero, Yeongdeungpo-gu, 07336 Seoul,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100159259
【弁理士】
【氏名又は名称】竹本 実
(72)【発明者】
【氏名】チョ ホンチュン
(72)【発明者】
【氏名】キム ヒョチュン
(72)【発明者】
【氏名】キム ヒョンチュン
(72)【発明者】
【氏名】クォン オシン
(72)【発明者】
【氏名】ファン ヤンクク
(72)【発明者】
【氏名】イ ヒョクス
(72)【発明者】
【氏名】イ ヨンチュ
【テーマコード(参考)】
3B165
【Fターム(参考)】
3B165AA02
3B165AA05
3B165AA24
3B165AB23
3B165AB30
3B165AB32
3B165AE01
3B165AE02
3B165BA13
3B165BA24
3B165BA45
3B165BA84
3B165CA01
3B165CA04
3B165CA06
3B165CB31
3B165CB55
3B165CC01
3B165EW01
3B165EW02
3B165EW04
3B165GA02
3B165GA12
3B165GA13
3B165GA26
3B165GH04
3B165JM02
(57)【要約】
この出願は、前方面と後方面が開放した円筒状のドラムボディ、前記ドラムボディの前方面に固定される前方カバー、前記ドラムボディの後方面に固定される後方カバー、及び前記前方カバーを貫通するドラム投入口を備えて前記キャビネット内に位置するドラム、前記後方カバーから離隔して位置する固定パネル、回転磁界を形成するステータ、前記回転磁界により回転するローター、及び前記固定パネルに固定されて前記ローターの回転運動を前記ドラムに伝達する動力伝達部を備える駆動部、前記固定パネルを貫通するパネル排気口、前記ドラムから排出された空気を前記パネル排気口に導く排気ダクト、前記排気ダクトに沿って移動する空気を除湿して加熱する熱交換部、前記固定パネルを貫通する多数の貫通孔が前記ローターを囲むように配置されて形成される供給口、前記後方カバーを貫通する空気流入口、一端は前記固定パネルに固定されて前記供給口を囲み、他端は前記ドラムに接して前記空気流入口を囲む流路形成部、前記固定パネルに固定されて前記パネル排気口から排出される空気を前記供給口に導くダクトボディ、及び前記ダクトボディを貫通して前記ローターを前記ダクトボディの外部に露出させるローター収容部を備える供給ダクト、及び前記パネル排気口から排出される空気の一部は時計方向に沿って前記ダクトボディ内で移動させ、前記パネル排気口から排出される空気の残りは反時計方向に沿って前記ダクトボディ内で移動させる流路ガイドを含む衣類処理装置に関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前方面と後方面が開放した円筒状のドラムボディ、前記ドラムボディの前方面に固定される前方カバー、前記ドラムボディの後方面に固定される後方カバー、及び前記前方カバーを貫通するドラム投入口を備えて前記キャビネット内に位置するドラムと、
前記後方カバーから離隔して位置する固定パネルと、
回転磁界を形成するステータ、前記回転磁界により回転するローター、及び前記固定パネルに固定されて前記ローターの回転運動を前記ドラムに伝達する動力伝達部を備える駆動部と、
前記固定パネルを貫通するパネル排気口と、
前記ドラムから排出された空気を前記パネル排気口に導く排気ダクトと、
前記排気ダクトに沿って移動する空気を除湿して加熱する熱交換部と、
前記固定パネルを貫通する多数の貫通孔が前記ローターを囲むように配置されて形成される供給口と、
前記後方カバーを貫通する空気流入口と、
一端は前記固定パネルに固定されて前記供給口を囲み、他端は前記ドラムに接して前記空気流入口を囲む流路形成部と、
前記固定パネルに固定されて前記パネル排気口から排出される空気を前記供給口に導くダクトボディ、及び前記ダクトボディを貫通して前記ローターを前記ダクトボディの外部に露出させるローター収容部を備える供給ダクトと、
前記パネル排気口から排出される空気の一部は時計方向に沿って前記ダクトボディ内で移動させ、前記パネル排気口から排出される空気の残りは反時計方向に沿って前記ダクトボディ内で移動させる流路ガイドと、を含むことを特徴とする、衣類処理装置。
【請求項2】
前記流路ガイドは、
前記ダクトボディに流入した空気の一部は前記ローター収容部の中心と前記パネル排気口の中心を通過する基準線の左側に位置する貫通孔に導き、前記ダクトボディに流入した空気の残りは前記基準線の右側に位置する貫通孔に導くことを特徴とする、請求項1に記載の衣類処理装置。
【請求項3】
前記ダクトボディから前記固定パネルに向かって突出した突出壁をさらに含むことを特徴とする、請求項2に記載の衣類処理装置。
【請求項4】
前記突出壁は、前記基準線の左側に位置する貫通孔の数と前記基準線の右側に位置する貫通孔の数が同一である位置に備えられることを特徴とする、請求項3に記載の衣類処理装置。
【請求項5】
前記突出壁の自由端は、前記固定パネルに接しないことを特徴とする、請求項4に記載の衣類処理装置。
【請求項6】
前記空気流入口は、前記後方カバーを貫通する多数の孔がリンク状に形成され、前記空気流入口が形成するリンクの半径は、前記後方カバーの半径の1/2よりも長く設定されることを特徴とする、請求項3に記載の衣類処理装置。
【請求項7】
前記ダクトボディに固定されて前記ローター収容部を閉鎖するダクトカバーと、
前記ダクトボディに設けられて前記ローター収容部に外気を供給する供給流路と、
前記ダクトボディに設けられて前記ローター収容部内の空気を前記ローター収容部の外に導く排気流路と、
前記ローターに設けられて前記ローター収容部内の空気を前記排気流路に移動させるベインと、をさらに含むことを特徴とする、請求項3に記載の衣類処理装置。
【請求項8】
前記供給流路及び前記排気流路は、前記ダクトボディの上面が凹状に湾曲した溝からなり、前記供給流路、前記ローターの回転中心及び前記排気流路は、前記基準線上に配置されることを特徴とする、請求項7に記載の衣類処理装置。
【請求項9】
前記ローターは、ディスク状のローターボディ、前記ローターボディに固定されるローター円周面、前記ローター円周面に固定される永久磁石、及び前記ローターボディを貫通するローター貫通孔を含むことを特徴とする、請求項7に記載の衣類処理装置。
【請求項10】
前記ローター貫通孔は、前記ローターボディの直径方向に対する長さが前記ローターボディの円周方向に対する長さよりも長く設定されたスリットからなり、
前記ベインは、前記ローターボディの直径方向に沿って設けられることを特徴とする、請求項9に記載の衣類処理装置。
【請求項11】
前記固定パネルが前記ローターから離れる方向に向かって湾曲して前記ステータの少なくとも一部が収容される空間を提供する駆動部取付溝と、
前記駆動部取付溝内の空気を前記排気流路に導く案内流路と、をさらに含むことを特徴とする、請求項10に記載の衣類処理装置。
【請求項12】
前記駆動部は、
前記固定パネルに固定され、中空の円筒状のハウジング、
前記ハウジング内に固定されるリングギア、
一端は前記ローターに固定され、他端は前記ハウジング内に位置する第1軸、
前記第1軸に固定されて前記ハウジング内に位置する主動ギア、
前記固定パネルを貫通して、一端は前記後方カバーに固定され、他端は前記ハウジング内に位置して、前記第1軸と同心軸を形成する第2軸、
前記ハウジング内に位置して、前記第2軸の他端が固定されるベース、及び
前記ベースに回転自在に固定される第1ボディ、第1ボディの円周面に設けられて前記主動ギアに結合する第1ギア、前記第1ボディに固定され、前記第1ボディの直径より小さい直径を有する第2ボディ、及び前記第2ボディの円周面に設けられて前記リングギアに結合する第2ギアを備える従動ギアを含むことを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載の衣類処理装置。
【請求項13】
前記第1ギアの直径は、前記主動ギアの直径より長く設定され、
前記第2ギアの直径は、前記主動ギアの直径よりは長く、前記第1ギアの直径よりは短く設定されることを特徴とする、請求項12に記載の衣類処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は衣類処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
衣類処理装置は衣類(洗濯対象物又は乾燥対象物)を洗濯する洗濯機、乾燥する乾燥機及び衣類の洗濯と乾燥の両方を行う装置の総称である。
【0003】
一般的に洗濯機は水が貯蔵されるタブ、このタブ内に備えられて衣類が収容される洗濯ドラム、及び洗濯ドラムを回転させる駆動部(洗濯駆動部)を含み、乾燥機は衣類が収容される乾燥ドラム、乾燥ドラムを回転させる駆動部(乾燥駆動部)、及び乾燥ドラムに空気を供給して衣類から水分を除去する熱交換部を含む。
【0004】
また一般的に洗濯駆動部はタブに固定されて回転磁界を形成するステータ、回転磁界により回転するローター、及びタブを貫通して洗濯ドラムとローターを連結する回転軸を含む反面、乾燥駆動部はモーター、モーターの回転軸に固定されるプーリ、及びプーリの回転運動を乾燥ドラムに連結するベルト(動力伝達部)を含む。
【0005】
洗濯駆動部はモーターの回転軸が洗濯ドラムとローターを連結する。衣類の洗濯や脱水のためには洗濯駆動部が洗濯ドラムの回転数を高く制御するか又は洗濯ドラムの回転方向を変更する必要があるが、モーターの回転軸が洗濯ドラムとローターを直接連結すると、洗濯ドラムの回転数及び回転方向を容易に制御できる効果がある。
【0006】
一方、従来の乾燥駆動部ではベルトなどの動力伝達部が乾燥ドラムとモーターの回転軸を連結する構造が一般的である。乾燥機は乾燥ドラムの回転数を高く維持する必要性や乾燥ドラムの回転方向を変更する必要性が低いので、ベルトなどの動力伝達部により乾燥ドラムを回転しても構わないためである。しかし、乾燥ドラムの回転数及び回転方向を変更できれば、乾燥ドラム内で衣類の動きを制御できるので、乾燥機としても乾燥時間の短縮及び乾燥性能の向上を期待することができる。
【0007】
従来、ローターの回転数を減速してドラムに伝達する駆動部(減速機及びモーター)を備える洗濯機がある(韓国特許公開第10-2004-0071426)。減速機及びモーターを備える従来の洗濯機はモーターのステータ及び減速機がそれぞれタブに固定される方式である。即ち、従来の洗濯機に備えられたステータは減速機に直接固定される構造ではなく、タブに固定される構造である(ステータの振動幅と減速機の振動幅が異なる可能性もある構造)。上述した構造の駆動部はタブとドラムの振動時、ローターに連結された入力軸とドラムに連結された出力軸の同心度維持、及びステータとローターの間の間隔維持が容易ではない。
【0008】
また衣類乾燥が可能な従来の衣類処理装置にはドラムに空気を供給する供給流路を備えるものがあるが、従来の供給流路はドラム内に均一に空気を供給できず、ドラムの一部領域に空気を集中して排出する構造である。
【0009】
ベルトなどの動力伝達部が乾燥ドラムの円柱面とモーターの回転軸を連結させる従来の乾燥機(韓国特許公開10-2018-0106034)は、前方面と後方面が開放した円筒状のドラムボディ、ドラムボディの前方面が回転自在に支持される第1支持部、ドラムボディの後方面が回転自在に支持される第2支持部、及びドラムボディの円柱面とモーターの回転軸を連結するベルトを含む。
【0010】
この構造の乾燥機ではモーターによりベルトがドラムボディを回転させるが、ベルトが滑りなしにドラムボディを回転させるためには、ベルトに大きい張力が要求される。大きい張力を有するベルトはモーターの回転時に滑り現象を最小にすることができるものの、回転時にベルトの張力によりドラムボディが変形する短所がある。ドラムボディがベルトにより変形されると、ドラムボディ内の衣類が第1支持部とドラムボディの前方面の間に形成される空間又は第2支持部とドラムボディの後方面の間に形成される空間に挟まれる恐れがある。
【0011】
結果として、ベルトが滑りなしにドラムボディを回転させながら、衣類が支持部とドラムボディの間の空間に挟まれた場合にドラムボディの回転を維持するためには、モーターが高トルクを出力する必要がある。
【0012】
一方、従来、中空の円筒状のドラムボディ、ドラムボディの前方面を形成する前方カバー、ドラムボディの後方面を形成する後方カバー、後方カバーをキャビネットの後方面に回転自在に固定する回転軸、及びドラムボディの円柱面とモーターの回転軸を連結するベルトを含む乾燥機がある。この構造の乾燥機は、ドラムの回転時にドラムボディに変形が発生しないから衣類がドラムの回転を妨害する問題はないが、ドラムの回転数を高く制御したりドラムの回転方向を迅速に変更したりするためには、以前として高トルクを出力するモーターが必要であるという短所がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】韓国特許公開第10-2004-0071426号明細書
【特許文献2】韓国特許公開第10-2018-0106034号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
この出願はローターの回転速度を減速してドラムに伝達し、ローターの回転中心とドラムの回転中心が同心軸を形成する駆動部を備える衣類処理装置を提供することを解決課題とする。
【0015】
また、この出願は駆動部の体積を最小化する衣類処理装置を提供することを解決課題とする。
【0016】
また、この出願はドラムに供給される空気の流れがドラムの一部領域に集中することを最小化する(乾燥時間の短縮)衣類処理装置を提供することを解決課題とする。
【0017】
また、この出願はステータを冷却する冷却流路を備える衣類処理装置を提供することを解決課題とする。
【0018】
また、この出願は回転時にドラムの変形を最小化するだけではなく、低トルクの駆動部でもドラムの回転数及びドラムの回転方向の変更が容易な衣類処理装置を提供することを解決課題とする。
【0019】
また、この出願はドラムの前後方向の振動を最小化する衣類処理装置を提供することを解決課題とする。
【0020】
また、この出願はドラムの上下方向の振動を最小化する衣類処理装置を提供することを解決課題とする。
【0021】
本発明から得られる技術的課題は上述した技術的課題に限定されない。また、言及されていない他の技術課題は、本発明が属する技術分野における当業者であれば以下の説明から明確に理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0022】
この発明の様々な実施形態のさらなる利点、目的及び特徴は本明細書の開示及び添付の図面で説明される。そのような態様もこの明細書の開示に基づいて当業者によって理解され得る。
【0023】
ドラムに供給される空気の流れがドラムの一部領域に集中することを最小化(乾燥時間短縮)するための実施例(韓国特許出願第10-2020-0113078号)を以下に説明する。
【0024】
この出願は、前方面と後方面が開放した円筒状のドラムボディ、ドラムボディの前方面に固定される前方カバー、ドラムボディの後方面に固定される後方カバー、及び前方カバーを貫通するドラム投入口を備えてキャビネット内に位置するドラム、後方カバーから離隔して位置する固定パネル、回転磁界を形成するステータ、回転磁界により回転するローター、及び固定パネルに固定されてローターの回転運動をドラムに伝達する動力伝達部を備える駆動部、固定パネルを貫通するパネル排気口、ドラムから排出された空気をパネル排気口に導く排気ダクト、排気ダクトに沿って移動する空気を除湿して加熱する熱交換部、固定パネルを貫通する多数の貫通孔がローターを囲むように配置されて形成される供給口、後方カバーを貫通する空気流入口、一端は固定パネルに固定されて供給口を囲み、他端はドラムに接して空気流入口を囲む流路形成部、固定パネルに固定されてパネル排気口から排出される空気を供給口に導くダクトボディ、及びダクトボディを貫通してローターをダクトボディの外部に露出させるローター収容部を備える供給ダクト、及びパネル排気口から排出される空気の一部は時計方向に沿ってダクトボディ内で移動させ、パネル排気口から排出される空気の残りは反時計方向に沿ってダクトボディ内で移動させる流路ガイドを含む、衣類処理装置を提供する。
【0025】
流路ガイドは、ダクトボディに流入した空気の一部はローター収容部の中心とパネル排気口の中心を通過する基準線の左側に位置する貫通孔に導き、ダクトボディに流入した空気の残りは基準線の右側に位置する貫通孔に導く。
【0026】
さらに衣類処理装置は、ダクトボディから固定パネルに向かって突出した突出壁を含む。
【0027】
突出壁は基準線の左側に位置する貫通孔の数と基準線の右側に位置する貫通孔の数が同一である位置に備えられる。
【0028】
突出壁の自由端は固定パネルに接するか、又は固定パネルに接しない。
【0029】
空気流入口は後方カバーを貫通する多数の孔がリンク状に形成され、空気流入口が形成するリンクの半径は後方カバーの半径の1/2よりも長く設定される。
【0030】
さらに衣類処理装置は、ダクトボディに固定されてローター収容部を閉鎖するダクトカバー、ダクトボディに設けられてローター収容部に外気を供給する供給流路、ダクトボディに設けられてローター収容部内の空気をローター収容部の外に導く排気流路、及びローターに設けられてローター収容部内の空気を排気流路に移動させるベイン(vane)を含む。
【0031】
供給流路及び排気流路はダクトボディの上面が凹状に湾曲した溝からなり、供給流路、ローターの回転中心、及び排気流路は基準線上に配置される。
【0032】
ローターはディスク状のローターボディ、ローターボディに固定されるローター円周面、ローター円周面に固定される永久磁石、及びローターボディを貫通するローター貫通孔を含む。
【0033】
ローター貫通孔はローターボディの直径方向に対する長さがローターボディの円周方向に対する長さよりも長く設定されたスリットからなり、ベインはローターボディの直径方向に沿って設けられる。
【0034】
さらに衣類処理装置は、固定パネルがローターから離れる方向に向かって湾曲してステータの少なくとも一部が収容される空間を提供する駆動部取付溝、及び駆動部取付溝内の空気を排気流路に導く案内流路を含む。
【0035】
駆動部は、固定パネルに固定され、中空の円筒状のハウジング、ハウジング内に固定されるリングギア、一端はローターに固定され、他端はハウジング内に位置する第1軸、第1軸に固定されてハウジング内に位置する主動ギア、固定パネルを貫通して、一端は後方カバーに固定され、他端はハウジング内に位置して、第1軸と同心軸(concentric axis)を形成する第2軸、ハウジング内に位置して、第2軸の他端が固定されるベース、及びベースに回転自在に固定される第1ボディ、第1ボディの円周面に設けられて主動ギアに結合する第1ギア、第1ボディに固定され、第1ボディの直径より小さい直径を有する第2ボディ及び第2ボディの円周面に設けられてリングギアに結合する第2ギアを備える従動ギアを含む。
【0036】
第1ギアの直径は主動ギアの直径より長く設定され、第2ギアの直径は主動ギアの直径よりは長く、第1ギアの直径よりは短く設定される。
【0037】
本発明の適用可能性の追加範囲は以下の詳細な説明から明らかになる。なお、本発明の思想及び範囲内での様々な変更及び修訂は当業者が明確に理解できるので、詳細な説明及び本発明の好ましい実施例のような特定の実施例はただ例示に過ぎないことを理解すべきである。
【発明の効果】
【0038】
従って、本発明の実施形態は以下のような様々な効果及び/又は特徴を提供する。
【0039】
この出願によれば、ローターの回転速度を減速してドラムに伝達し、ローターの回転中心とドラムの回転中心が同心軸を形成する駆動部を備える衣類処理装置を提供することができる。
【0040】
また、この出願によれば、駆動部の体積を最小化する衣類処理装置を提供することができる。
【0041】
また、この出願によれば、ドラムに供給される空気の流れがドラムの一部領域に集中することを最小化する(乾燥時間の短縮)衣類処理装置を提供することができる。
【0042】
また、この出願によれば、ステータを冷却する冷却流路を備える衣類処理装置を提供することができる。
【0043】
また、この出願によれば、回転時にドラムの変形を最小化にするだけではなく、低トルクの駆動部でもドラムの回転数及びドラムの回転方向の変更が容易な衣類処理装置を提供することができる。
【0044】
また、この出願によれば、ドラムの前後方向の振動を最小化する衣類処理装置を提供することができる。
【0045】
また、この出願によれば、ドラムの上下方向の振動を最小化する衣類処理装置を提供することができる。
【0046】
なお、本開示により得られる効果は上記効果に限定されない。また言及されていない他の効果は本開示が属する技術分野における当業者には以下の説明から明確に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1】衣類処理装置の一例を示す図である。
図2】衣類処理装置の一例を示す図である。
図3】駆動部の一例を示す図である。
図4】動力伝達部の実施例を示す図である。
図5】動力伝達部の実施例を示す図である。
図6】動力伝達部の実施例を示す図である。
図7】供給部の一例を示す図である。
図8】冷却流路の一例を示す図である。
図9】動力伝達部の実施例を示す図である。
図10】支持パネルの一例を示す図である。
図11】前方支持部の一例を示す図である。
図12】前方支持部の一例を示す図である。
図13】後方支持部の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下、添付図面を参照しながら、本開示の好ましい実施形態について詳しく説明する。後述する要素又は装置の制御方法は本開示の実施形態を説明するだけであり、本開示の範囲を限定することではない。可能な限り、同一又は類似する部品を参照するために、全図面において同じ参照番号を使用している。
【0049】
図1は衣類処理装置100の一例を示し、衣類処理装置100はキャビネット1、このキャビネット内に回転自在に設けられて衣類(洗濯対象物又は乾燥対象物)が貯蔵される空間を提供するドラム2、ドラム2に高温の乾燥空気(常温より高い温度の空気、室内空気の乾燥度より高い乾燥度の空気)を供給して衣類から水分を除去する供給部3、及びドラムを回転させる駆動部(D)を含む。
【0050】
キャビネット1は衣類処理装置の前方面を形成する前方パネル11及び衣類処理装置の底面を形成するベースパネル17を含む。前方パネル11にはドラム2に連通する投入口111が備えられ、投入口111はドア113により閉鎖される。
【0051】
前方パネル11には制御パネル115が備えられ、制御パネル115にはユーザの制御命令が入力される入力部116とユーザが選択可能な制御命令などの情報が出力される表示部117が設けられる。入力部116は衣類処理装置に電力供給を要請する電力供給要請部、多数のコースのうち、ユーザが所望するコースを選択可能なコース入力部及びユーザが選択したコースの開始を要請する実行要請部を含む。
【0052】
ドラム2は中空の円筒状である。図1では一例としてドラム2が前方面と後方面が開放した円筒状のドラムボディ21、ドラムボディ21の前方面を形成する前方カバー22及びドラムボディ21の後方面を形成する後方カバー23からなる場合を示している。前方カバー22にはドラムボディ21の内部と外部を連通させるドラム投入口221が設けられる。
【0053】
ドラムボディ21はさらにリフター26を備える。リフター26は前方カバー22から後方カバー23に向かって延びる板(board)がドラムボディ21からドラム2の回転中心に向かって(ドラムの円柱面からドラムの回転中心に向かって)突出することにより備えられる。
【0054】
衣類処理装置100が衣類の乾燥のみのための装置である場合、ドラム2はドラムの内部とドラムの外部を連通させるためにドラムボディ21を貫通するドラム貫通孔を備えなくても良い。
【0055】
ドラム2はボディ第1支持部12とボディ第2支持部15のいずれかに回転自在に固定されるが、図1では一例として後方カバー23が駆動部(D)を介してボディ第2支持部15に回転自在に固定され、前方カバー22がボディ第1支持部12に回転自在に連結される場合を示している。
【0056】
ボディ第1支持部12はキャビネット1に固定され、前方パネル11と前方カバー22の間に位置する支持パネル121からなる。図1では一例として支持パネル121がベースパネル17に固定されて前方パネル11と前方カバー22の間に位置する場合を示している。この場合、前方パネル11の後方面(支持パネルに向かう面)は支持パネル121に固定され、下端はベースパネル17に固定される。
【0057】
支持パネル121は、支持パネル貫通孔122、支持パネル貫通孔122とドラム投入口221を連結するドラム連結ボディ123、及び支持パネル貫通孔122と投入口111を連結するパネル連結ボディ126を含む。支持パネル貫通孔122は支持パネル121を貫通して投入口111とドラム投入口221を連通する手段である。
【0058】
ドラム連結ボディ123は支持パネル121の後方面(支持パネルが提供する空間のうち、ドラム投入口に向かう面)に固定されるパイプからなる。ドラム連結ボディ123の一端は支持パネル貫通孔122を囲み、ドラム連結ボディ123の自由端は前方カバー22を支持する。即ち、ドラム連結ボディ123の自由端はドラム投入口221に挿入されるか、又はドラム投入口221を形成する前方カバー22の自由端に接するように備えられる。
【0059】
図1は一例としてドラム連結ボディ123の自由端が前方カバー22の自由端に接する場合を示している。この場合、ドラム連結ボディ123にはリンク状のダンパー124(連結ダンパー)が備えられる。連結ダンパー124はドラム2が回転或いは振動するとき、ドラム投入口221がドラム連結ボディ123から分離される恐れ(ドラム内の空気がキャビネットに漏出する恐れ)を最小化するための手段である。
【0060】
連結ダンパー124は圧縮性材質(外力により体積増減が可能な材質)からなる。この場合、連結ダンパー124はドラム連結ボディ123の自由端とドラム投入口221の縁部(前方カバーの自由端)の間で圧縮された状態を維持する(後述する後方支持部により圧縮状態を維持する)。ドラム2が支持パネル121と固定パネル151の間で振動する場合、ドラム投入口221がドラム連結ボディ123から分離されることを最小化するためのものである。連結ダンパー124の一例として、繊維を圧縮して製作されるフェルトがある。
【0061】
パネル連結ボディ126は支持パネル121の前方面(支持パネルが提供する空間のうち、前方パネルに向かう面)に固定されるパイプからなる。パネル連結ボディ126の一端は支持パネル貫通孔122を囲み、パネル連結ボディ126の他端は投入口111に連結される。従って、投入口111に供給される衣類はパネル連結ボディ126、支持パネル貫通孔122、ドラム連結ボディ123及びドラム投入口221を介してドラムボディ21に移動する。
【0062】
ボディ第2支持部15は後方カバー23から離隔したところに位置するようにキャビネット1に固定される固定パネル151からなる。図1では一例として固定パネル151がベースパネル17に固定されて衣類処理装置100の後方面(キャビネットの後方面)を形成する場合が示されている。
【0063】
図2に示すように、固定パネル151には駆動部(D)が取り付けられる空間を提供する駆動部取付溝153が設けられる。動部取付溝153は固定パネル151がドラムの後方カバー23に向かって凹状に湾曲した溝である。固定パネル151にはドラム2の回転軸が貫通する固定パネル貫通孔155が設けられるが、固定パネル貫通孔155は駆動部取付溝153内に位置する。
【0064】
上述したように、ドラム2がドラムボディ21、ドラムボディに固定される前方カバー22及びドラムボディに固定される後方カバー23からなると、ドラムボディ21の開放した前方面と後方面が支持パネル121と固定パネル151のそれぞれに回転自在に連結された構造に比べて、ドラムの強性が高くなる。ドラムの強性が高くなると、ドラムの回転時にドラムボディ21の変形を最小にすることができ、これにより、ドラムボディ21の変形時にドラムボディと支持パネルの間の空間、ドラムボディと固定パネルの間の空間に衣類が挟まれる問題を最小化することができる(駆動部の負荷を最小化することができる)。
【0065】
支持パネル121にはドラム排気口(第1排気口)128が設けられ、固定パネル151にはパネル排気口(第2排気口)157及び供給口158が設けられる。第1排気口128はパネル連結ボディ126を貫通する孔からなる。
【0066】
供給口158は固定パネル151を貫通する多数の貫通孔が駆動部取付溝153を取り囲むように配置される(多数の貫通孔は駆動部取付溝を取り囲むリンクを形成する)。
【0067】
図1に示すように、供給部3は第1排気口128と第2排気口157を連結する排気ダクト31、第2排気口157に排出される空気を供給口158に導く供給ダクト32、及び排気ダクトに備えられて空気の除湿と加熱を順に行う熱交換部34を含む。第1排気口128にはドラム2から排気ダクト31に移動する空気をろ過するフィルター129が備えられる。
【0068】
排気ダクト31は第1排気口128に連結される第1ダクト311、第2排気口157に連結される第2ダクト312、及び第1ダクト311と第2ダクト312を連結する第3ダクト313を含む。第3ダクト313はベースパネル17に固定される。
【0069】
熱交換部34は排気ダクト31に流入した空気の除湿と加熱を順に行う様々な装置からなるが、図1では一例として熱交換部34がヒートポンプ(heat pump)及びファン349からなる場合を示している。
【0070】
即ち、図1の熱交換部34は、排気ダクト31に流入した空気から水分を除去する第1熱交換器(吸熱部)341、排気ダクト31内に備えられて吸熱部341を通過した空気を加熱する第2熱交換器(発熱部)343、及びドラム2から排出された空気が吸熱部と発熱部を順に経た後、供給ダクト32に移動するファン359を含む。図1では一例としてファン349が発熱部343と第2ダクト312の間に位置する場合を示している。
【0071】
吸熱部341と発熱部343は空気の移動方向に沿って順に配置され、冷媒の循環流路を形成する冷媒管348を介して互いに連結される。冷媒は排気ダクト31の外部に位置する圧縮器345により冷媒管348に沿って移動し、冷媒管348には発熱部343から吸熱部341に移動する冷媒の圧力を調節する圧力調節器347が備えられる。
【0072】
吸熱部341は排気ダクト31に流入した空気の熱を冷媒に伝達することにより空気を冷却(冷媒を蒸発)する手段であり、発熱部343は圧縮器345を通過した冷媒が有する熱を空気に伝達することにより空気を加熱(冷媒を凝縮)する手段である。
【0073】
図2に示すように、供給ダクト32は固定パネル151に固定されて第2排気口157に排出された空気を供給口158に導く手段である。
【0074】
供給口158がリンク状に配置された多数の貫通孔からなる場合、供給ダクト32は固定パネル151に固定されて第2排気口157と供給口158を連結する流路を形成するダクトボディ321、及びダクトボディ321を貫通するローター収容部322を含む。ダクトボディ321及びローター収容部322を備える供給ダクト32は略リンク状の流路を形成し、駆動部取付溝153に固定される駆動部(D)はローター収容部322により供給ダクト32の外部に露出される。
【0075】
供給口158を介してキャビネット1内に供給された空気がドラム2に供給されるように、ドラム2には後方カバー23を貫通する空気流入口233が設けられ、固定パネル151には供給口158から排出される空気を空気流入口233に導く流路形成部159が設けられる。
【0076】
空気流入口233は後方カバー23を貫通する多数の孔がドラム2の回転中心を囲むリンクを形成して配置される。流路形成部159は一端(固定パネルに固定される端)は供給口158を取り囲み、他端(ドラムに接する端)は空気流入口233を囲むパイプからなる。ドラム2の回転中に発生する振動が固定パネル151に伝達されることを最小化するために、流路形成部159は大きい弾性を有する材質(ゴムなど)からなる。
【0077】
空気流入口233が形成するリンクの半径(リンクの内径又は外径)は後方カバー23の半径の1/2以上に設定される。これにより、空気流入口233を介してドラム内に移動する空気がドラムの円柱面に沿って移動することができる。
【0078】
上述したように空気流入口233が備えられ、供給部3はドラムが1G以上の遠心力を誘発する回転数で回転するとき(衣類がドラムの円柱面に密着した状態で回転するとき)、空気を供給するように制御されると、衣類処理装置は乾燥時間を短縮することができる。
【0079】
図示とは異なり、供給部3は第1排気口128と第2排気口157を連結する排気ダクト、外気(キャビネット内の空気又はキャビネット外の空気)をドラム2に供給する供給ダクト、及び供給ダクトに流入した空気を加熱する熱交換部を含む。
【0080】
ドラム2内に位置する衣類の乾燥度を感知するために、衣類処理装置100にはさらに感知部13が備えられる。感知部13は衣類が接したときに測定される電気的抵抗により乾燥度を測定するか、ドラム2から排出される空気の温度を測定して乾燥度を測定するか、又は冷媒管348に沿って循環する冷媒の温度を測定して乾燥度を測定することができる。
【0081】
図2は一例として感知部13が衣類の電気的抵抗を測定するように備えられた場合を示している。図2に示す感知部13は支持パネル121に固定される第1電極131及び第2電極133からなる。第1電極131と第2電極133は支持パネル121に固定されて互いに離隔した状態を維持する。第1電極131と第2電極133は支持パネル121が提供する空間のうち、投入口111の中心を通過する水平線の下部の空間に固定される。この場合、2つの電極131,133は衣類がドラム2の回転中心を通過する水平線の下部に位置する場合(衣類がドラムの最下点に位置する場合)、衣類に容易に接することができる。
【0082】
衣類の乾燥度が高くなると、衣類に残留する水分量が減少するので、乾燥度が高くなるほど感知部13で感知される電流サイズが小さくなる。よって、制御部(図示せず)は感知部で流れる電流サイズをモニタリングすることにより衣類の乾燥度を推定することができる。
【0083】
衣類の乾燥度が低いと、ドラム2から排出される空気の温度が低くなり、乾燥度が高くなるほど、ドラムから排出される空気の温度が高くなる。従って、感知部13はドラムから排出される空気の温度を感知するように備えられる。図1に示すように、感知部13は排気ダクト31に備えられた温度センサ135(空気温度感知センサ)からなる。
【0084】
衣類の乾燥度によって冷媒管を循環する冷媒の温度も変わるので、感知部13は冷媒管に沿って移動する冷媒の温度(吸熱部から圧縮器に移動する冷媒の温度、又は圧縮機から発熱部に移動する冷媒の温度など)を測定する温度センサからなる。図1では一例として感知部13が圧縮器345から発熱部343に移動する冷媒の温度を感知する温度センサ137(冷媒温度感知センサ)からなる場合を示している。
【0085】
感知部13は衣類の電気的抵抗を測定する2つの電極131,133、ドラムから排出される空気の温度を測定する温度センサ135及び冷媒の温度を測定する温度センサ137のうち、少なくとも2つ以上を含む。
【0086】
駆動部(D)は駆動部取付溝153に位置するモーター5、及び固定パネル151に固定されてモーターにより発生する動力をドラム2に伝達する動力伝達部6を含む。
【0087】
駆動部(D)の重さ及び駆動部(D)の作動中に発生する外力により固定パネル151が変形することを最小化するために、駆動部取付溝153にはモーター5と動力伝達部6のいずれかが固定される空間を提供する駆動部ブラケット4が備えられる。即ち、動力伝達部6は駆動部ブラケット4に固定され、モーター5は動力伝達部6と駆動部ブラケット4のいずれかに固定される。駆動部ブラケット4は駆動部取付溝153に固定されるリンク状の金属(固定パネルより大きい強度を有する金属)からなる。
【0088】
図3に示すように、モーター5は回転磁界(rotating field)を形成するステータ51、及び回転磁界により回転するローター52を含む。
【0089】
ステータ51は駆動部ブラケット4又は動力伝達部6に固定されるコア511、コアを貫通するコア貫通孔512、及びコア511の円柱面に等間隔に配置される電磁石513、コイルを含む。
【0090】
ローター52は円盤状(disk)のローターボディ52a、ローターボディに固定されるパイプ状のローター円柱面52b及びローター円柱面に固定される多数の永久磁石525を含む。永久磁石525はN極とS極が交互に露出されるようにローター円柱面52bに固定される。
【0091】
動力伝達部6は、中空の円筒状からなり、固定パネル151に固定されるハウジング61、ハウジング内に固定されるリンクギア62、一端はローターボディ52aに固定され、他端はハウジング61内に位置する第1軸63(入力軸)、第1軸63に固定されてハウジング61内に位置する主動ギア631、主動ギア631とリンクギア62を連結する従動ギア677、従動ギアによりハウジング61内で回転するケージ67、及び一端は後方カバー23に固定され、他端はケージ67に固定される第2軸65(出力軸)を含む。
【0092】
第1軸63によるローターボディ52aの変形の恐れを最小化するために、第1軸63は固定板524を介してローターボディ52aに固定される。
【0093】
第2軸65は第1軸63と同心軸(concentric axis)を形成することが望ましい。第2軸65と第1軸63が同心軸を形成すると、ドラム2の回転時に動力伝達部6に発生する振動を最小化することができる。
【0094】
ハウジング61は駆動部ブラケット4を介して固定パネル151に固定されてコア貫通孔512に位置することが望ましい。ハウジング61をコア貫通孔512内に位置させることにより、駆動部(D)の体積を最小化することができる。
【0095】
ハウジング61は、固定パネル151に向かう面が開放した円筒状の第1ハウジング61a、及び第1ハウジングに向かう面が開放した円筒状であり、第1ハウジング61aに結合して第1ハウジングの開放面を閉鎖する第2ハウジング61bを含む。
【0096】
第1ハウジング61aには第1軸支持部611及び第1軸支持部611を貫通する第1軸貫通孔612が備えられる。第1軸63は第1軸貫通孔612に挿入されることにより第1ハウジング61aを貫通し、第1軸支持部611には第1軸63を第1ハウジング61aに回転自在に固定する第1軸ベアリング613が備えられる。
【0097】
図4に示すように、第1軸支持部611は第1ハウジング61aからローターボディ52aに向かって突出するパイプからなるか、又は第1ハウジング61aから第2ハウジング61bに向かって突出するパイプからなる。
【0098】
第1軸支持部611が第1ハウジング61aから第2ハウジング61bに向かって突出するパイプ(第1ハウジングからハウジングの中心に向かって突出したパイプ)からなると、ハウジング61の体積を最小化する効果がある(駆動部の体積最小化、衣類処理装置の体積最小化が可能な効果)。
【0099】
第2ハウジング61bには第2軸支持部616及び第2軸支持部616を貫通する第2軸貫通孔617が備えられる。第2軸65は第2軸貫通孔617を介して第2ハウジング61bを貫通し、第2軸支持部616には第2軸65を第2ハウジング61bに回転自在に固定する第2軸ベアリング618が備えられる。
【0100】
第2軸支持部616は第2ハウジング61bから固定パネル貫通孔155に向かって突出するパイプ(ドラムの後方カバーに向かって突出したパイプ)からなる。
【0101】
第1軸ベアリング613は第1軸63の長手方向に沿って備えられる第1軸の第1ベアリング613a及び第1軸の第2ベアリング613bを含み、第2軸ベアリング618は第2軸65の長手方向に沿って備えられる第2軸の第1ベアリング618a及び第2軸の第2ベアリング618bを含む。
【0102】
第1軸ベアリング及び第2軸ベアリングがそれぞれ2つ以上のベアリング613a,613b,618a,618bからなると、ローター52が回転時に第1軸63と第2軸65が編心することを最小化することができる(駆動部に発生する振動を最小化できる)。
【0103】
複数のベアリングは回転軸に沿って配置されるので、多数のベアリングが備えられた駆動部(D)は体積が増加せざるを得ない。従って、制限した体積のキャビネット1を有する衣類処理装置100において、多数のベアリングが回転軸を支持するように設計することが容易ではない。しかし、上述した衣類処理装置100はハウジング61がステータのコア貫通孔に位置する構造、及び第1軸支持部611がハウジングの中心に向かって突出したパイプ構造などにより駆動部の体積を最小化し、それによりベアリング613,618の数を増やすことができる。
【0104】
ハウジング61の体積を最小化するために、第1ハウジング61aの直径と第2ハウジング61bの直径は互いに異なるように設定される。即ち、第1ハウジング61aの直径は第2ハウジング61bの直径より小さく設定されるか又は第2ハウジング61bの直径より大きく設定される。
【0105】
リンクギア62はリンクギアボディ、リンクギアボディを貫通するリンクギアボディ貫通孔及びリンクギアボディの内側円柱面(リンクギアボディ貫通孔を形成する円柱面)に沿って備えられるギア歯(gear teeth)を含む。
【0106】
リンクギア62は第1ハウジング61aと第2ハウジング61bのうち、直径が小さいハウジングに固定される。図示したように、第1ハウジング61aの直径が第2ハウジング61bの直径より小さく設定される場合、リンクギア62は第1ハウジング61aの円柱面に固定される。
【0107】
図3に示すように、ケージ67はハウジング61内に位置するベース671、従動ギア677をベース671に回転自在に固定する連結軸675、及び連結軸675の一端に固定されるリンク状のベースカバー673を含む。
【0108】
第2軸65は固定パネル貫通孔155に挿入されてベース671とドラムの後方カバー23を連結する。第2軸65の回転による後方カバー23の破損を防止するために、後方カバー23には第2軸65の一端が固定される軸ブラケット651が設けられる。
【0109】
図2に示すように、軸ブラケット651によりドラムの体積が増加することを最小化するために、後方カバー23には軸ブラケット651が固定される軸ブラケット取付溝231が設けられる。軸ブラケット取付溝231は後方カバー23が固定パネル151から離れる方向に向かって湾曲した溝からなる。軸ブラケット取付溝231は駆動部取付溝153と同じ位置に設けられ、軸ブラケット取付溝231の直径は駆動部取付溝153の直径より大きいことが望ましい。ドラム2の回転時、後方カバー23が駆動部取付溝153に衝突する恐れを最小化するためのものである。
【0110】
従動ギア677は同じ角度離隔した多数のギアからなるが、図3では一例として従動ギア677及び連結軸675が120°ずつ離隔した3つのギア及び軸からなる場合を示している。
【0111】
それぞれの従動ギア677は、連結軸675を介してベース671に回転自在に固定される第1ボディ677a、第1ボディ677aの円柱面に設けられて主動ギア631に結合する第1ギア677b、第1ボディ677aに固定され、第1ボディの直径より小さい直径を有する第2ボディ677c、及び第2ボディ677cの円柱面に設けられてリンクギア62に結合する第2ギア677dを含む。
【0112】
図4に示すように、第1軸63の自由端に固定される主動ギア631は第1ギア677bのそれぞれに連結されるように従動ギアの間に形成された空間に位置する。また第1軸支持部611の自由端はベースカバー673の中央に形成されたベースカバー貫通孔674に挿入されてベースカバー673を貫通する。このような構造(第1軸支持部とベースカバーの構造)はハウジングの体積を最小化する特徴を有する(駆動部の体積最小化)。
【0113】
固定パネル貫通孔155を密閉するために(ドラムに供給された空気がキャビネットの外部に漏出されることを防止するために)、駆動部ブラケット4又は固定パネル151にはさらにシーリング部41が備えられる。駆動部ブラケット4が固定パネル貫通孔155を囲むリンク状であり、ハウジング61はコア貫通孔512に位置するように駆動部ブラケット4に固定される場合、シーリング部41は駆動部ブラケット4と第2ハウジング61bの間に形成された空間を密閉する。
【0114】
図5に示す駆動部(D)はステータ51がハウジング61に固定されることを除外すると、図4に示した駆動部(D)と同じ構造である。即ち、図4の駆動部(D)はステータ51が駆動部ブラケット4を介して固定パネル151に固定される反面、図5の駆動部(D)はステータ51が動力伝達部のハウジング61を介して固定パネル151に固定される。
【0115】
図3に示すように、ステータ51がハウジング61に固定される場合、コア511にはコアブラケット515が備えられ、ハウジング61にはコア取付部619が備えられる。コア511はコアブラケット515をコア取付部619に固定するコア締結部517を介してハウジング61に固定される。コア取付部619は第2ハウジング61bの直径方向に沿って第2ハウジング61bの円柱面から離れる方向に向かって突出する突起からなる。
【0116】
以下、上述した構造を有する駆動部(D)の作動過程について説明する。図6に示すように、ローター52が時計方向に回転すると、第1軸63及び主動ギア631も時計方向に回転する。
【0117】
主動ギア631が時計方向に回転すると、従動ギア677は第1ギア677bにより反時計方向に回転する。第1ギア677bが反時計方向に回転すると、第2ギア677dも反時計方向に回転する。リンクギア62が固定パネル15に固定される状態であるので、第2ギア677dが反時計方向に回転すると、ベース671及び第2軸65は時計方向に回転する。ドラム2とベース671は第2軸65により連結されるので、ドラム2はローター52と同じ方向に回転する。
【0118】
ステータ51がハウジング1に固定されると、第1軸63と第2軸65の同心度及びステータとローターの間隔の維持に有利である。ステータ51がハウジング61ではない固定パネル151に固定される場合を仮定する。この場合、第2軸65にはドラムの振動及び固定パネル151の振動が伝達され、第1軸63には固定パネル151の振動が伝達される。ドラム2の振動幅と固定パネル151の振動幅が異なる場合、第1軸と第2軸の間隔、同心度(concentricity)及びステータのコイル513とローターの永久磁石525の間の間隔を所望の水準に維持することが難しくなる。しかし、ステータ51がハウジング61に固定されると、外部から第1軸と第2軸に伝達される振動が同一であるので、上述したような問題を解決することができる。
【0119】
図示したように、第1ギア677bの直径は主動ギア631の直径より長く設定され、第2ギア677dの直径は主動ギア631の直径よりは長く、第1ギア677bの直径よりは短く設定される。図示していないが、第2ギア677dの直径は主動ギア631の直径と同一に設定されてもよい。
【0120】
上記のように第1ギア、第2ギア及び主動ギアが備えられると、駆動部(D)はローター52の回転数より低い回転数でドラム2を回転させる。即ち、駆動部(D)は減速機の役割も行う。
【0121】
上述したように、ドラムの後方カバー23にはリンク状に配置された多数の貫通孔158a,158bが形成される。図7に示すように、衣類処理装置100にはさらに第2排気口157から排出された空気を貫通孔に均一に供給する流路ガイド324が設けられる。
【0122】
空気は流路抵抗が低い方に移動するので、流路ガイド324を備えない衣類処理装置100の場合、第2排気口157を介してダクトボディ321に流入した空気は時計方向に沿ってダクトボディ321内を移動する量と反時計方向に沿ってダクトボディ321内を移動する量が互いに異なる傾向がある。例えば、時計方向に沿ってダクトボディ321内を移動する空気量が反時計方向に沿ってダクトボディ321内を移動する空気量より多いと、基準線(L)の左側に位置する貫通孔158aには多量の空気が供給されるが、基準線(L)の右側に位置する貫通孔158bには少量の空気が供給される現象が発生する。
【0123】
上述した空気供給量の不均衡はドラム2内の衣類に供給される空気量の不均衡を引き起こす。即ち、衣類の位置に応じて供給される空気量が異なり、乾燥時間が増加する問題、一部の衣類は過乾燥状態となり、一部の衣類は未乾燥状態となる問題などを引き起こす可能性がある。
【0124】
時計方向に沿ってダクトボディ321内を移動する空気量と反時計方向に沿ってダクトボディ内を移動する空気量を類似又は等しく維持することにより、上記問題を解決することができる。
【0125】
流路ガイド324は、第2排気口157から排出される空気の一部を基準線(L)の左側に導く第1傾斜面、及び第2排気口157から排出される空気の残りは基準線(L)の右側に導く第2傾斜面を含む。従って、流路ガイド324によりダクトボディ321に流入した空気の一部は基準線(L)の左側に位置する貫通孔158aに移動し、残りは基準線(L)の右側に位置する貫通孔158bに移動する。
【0126】
基準線(L)としてはローター収容部322の中心と第2排気口157の中心を通過する直線が設定される。図示とは異なり、基準線(L)として、ローター収容部322内の一点と第2排気口157内の一点を通過する直線が設定されてもよい。
【0127】
さらに供給ダクト32にはダクトボディ321の内部を2つの空間に区分する突出壁323が備えられる。突出壁323はダクトボディ321から固定パネル151に向かって突出するか、又は固定パネル151からダクトボディ321に向かって突出する突起からなる。図7は突出壁323がダクトボディ321から固定パネル151に向かって突出した場合を示している。
【0128】
突出壁323の自由端は固定パネル151に接するか或いは固定パネル151に接しないように形成される。図7は突出壁323の自由端と固定パネル151が接しない場合を示している。
【0129】
突出壁323は基準線(L)の左側に位置する貫通孔158aの数と基準線の右側に位置する貫通孔158bの数が同一である位置に設けられることが望ましい。基準線(L)が貫通孔の数を両分するように設けられる場合、突出壁323は基準線(L)上に位置するように構成される。
【0130】
上述した構造を有する衣類処理装置100はダクトボディ321がモーター5を囲む構造であるので(モーターがローター収容部内に位置するので)、モーター5か過熱する可能性がある。
【0131】
モーター5の効果的な冷却のために(ステータの冷却のために)、衣類処理装置100にはさらに冷却流路35が設けられる。図8に示すように、冷却流路35は、ダクトボディ321に固定されてローター収容部322を閉鎖するダクトカバー355、ダクトボディ321に備えられてローター収容部322に外気を供給する供給流路351、及びダクトボディ321に備えられてローター収容部322内の空気をローター収容部322の外部に導く排気流路353を含む。
【0132】
供給流路351及び排気流路353はダクトボディ321の上面が凹状に湾曲した溝からなる。排気流路353がダクトボディ321の上面が固定パネル151に向かって湾曲した溝からなる場合、突出壁323は排気流路353を形成するために固定パネル151に突出したダクトボディ321の一部により形成される。
【0133】
ローター52の回転時、外気は供給流路351を介してローター収容部322に流入し、ローター収容部322内の空気は排気流路353を介してローター収容部322の外部に排出される。
【0134】
供給流路351に流入した空気が排気流路353を介して排出されることをより容易にするために(モーターの効果的な冷却のために)、ローター52にさらにベイン(vane)523が備えられる。ベイン523はローターボディ52aからダクトカバー355に向かって突出した板(board)である。
【0135】
ベイン523は1つの板からなるか或いは多数の板からなる。いずれにしてもベイン523はローターボディ52aの直径方向に平行に備えられることが望ましい。ベイン523がローターボディの直径方向に平行な板からなると、空気を強制移動させるインペラーの機能を行うことができるためである。
【0136】
ステータ51で発生する熱がより効果的にローター収容部322に排出されるように、ローター52はさらにローターボディ52aを貫通するローター貫通孔521を含む。ローター貫通孔521は多数の孔が第1軸63を囲むリンクを形成するように配置される。
【0137】
ローター貫通孔521はローターボディ52aの直径方向に対する長さがローターボディ52aの円周方向に対する長さよりも長く設定されたスリットからなる。この場合、ベイン523はローターボディ52aの直径方向に平行なローター貫通孔521の縁部に固定される。
【0138】
ステータ51で発生した熱をローター収容部322に容易に排出するために、駆動部取付溝153にはさらに案内流路357が設けられる。案内流路357は駆動部取付溝153内の空気を排気流路353に導く手段である。
【0139】
モーター5をより効果的に冷却するために、供給流路351、ローター52の回転中心及び排気流路353は一直線上に配置される。図7は一例として供給流路351、ローター52の回転中心、案内流路357及び排気流路353が基準線(L)上に配置された場合を示している。
【0140】
図4及び図5に示した動力伝達部6は、ローター52の運動エネルギーがローター52が位置する方向からドラム2が位置する方向に向かって順に移動する構造(運動エネルギーが順方向に伝達される構造)であるか、又はローター52の運動エネルギーがローター52が位置する方向からドラム2が位置する方向に向かって順行、逆行及び順行する構造(運動エネルギーが逆方向に伝達される過程を含む構造)である。
【0141】
図9(a)はローターの運動エネルギーが順方向に伝達する構造の動力伝達部の一例を示し、図9(b)はローターの運動エネルギーが順方向、逆方向及び順方向に沿って伝達される動力伝達部の一例を示す。
【0142】
図9(a)の従動ギア677はベース671に回転自在に固定される第1ボディ677a、第1ボディ677aの円柱面に備えられて主動ギア631に結合する第1ギア677b、第1ボディ677aからドラム2が位置する方向に向かって突出した第2ボディ677c、及び第2ボディの円柱面に備えられてリンクギア62に結合する第2ギア677dを含む。この場合、第1ギア677bは第1ハウジング61aとリンクギア62の間に位置し、第2ギア677dは第1ギア677bと第2ハウジング61bの一面の間に位置する。図面では一例として第1ギア677bは第1ハウジング61aが提供する空間に位置し、第2ギア677dは第2ハウジング61bが提供する空間に位置する場合を示している。
【0143】
図9(a)の動力伝達部ではローター52の運動エネルギーが第1軸63により主動ギア631の運動エネルギーとして伝達され、主動ギア631の運動エネルギーは第1ギア677b及び第2ギア677dに伝達され、第2ギア677dの運動エネルギーはベース671及び第2軸65に伝達される。このような運動エネルギーの移動はローター52からドラム2に向かって順次的であるので、図9(a)は順方向の動力伝達構造と定義される。
【0144】
一方、図9(b)の従動ギア677はベース671に回転自在に固定される第1ボディ677a、第1ボディ677aの円柱面に備えられて主動ギア631に結合する第1ギア677b、第1ボディ677aからローター52が位置する方向に向かって突出した第2ボディ677c、及び第2ボディの円柱面に備えられてリンクギア62に結合する第2ギア677dを含む。この場合、第1ギア677bはベース671とリンクギア62の間に位置し、第2ギア677dは第1ギア677bと第1ハウジング61aの一面の間に位置する。図面では一例として第1ギア677bは第2ハウジング61bが提供する空間に位置し、第2ギア677dは第1ハウジング61aが提供する空間に位置する場合を示している。
【0145】
図9(b)の動力伝達部ではローター52の運動エネルギーが第1軸63により主動ギア631の運動エネルギーとして伝達され、主動ギア631の運動エネルギーは第1ギア677bに伝達される(運動エネルギーの順方向伝達)。第1ギア677bの運動エネルギーは第2ギア677dに伝達されるが、第2ギア677dはドラムが位置する方向ではなく、ローターが位置する方向に備えられる。従って、第1ギア677bの運動エネルギーは逆方向に伝達される。その後、第2ギア677dの運動エネルギーはベース671を介して第2軸65に伝達されるが、ベース671は第1ギア677bと第2ハウジング61bの間に位置するので、第2ギア677dの運動エネルギーは順方向に沿って第2軸65に伝達される。
【0146】
図9(a)の動力伝達部は第2ボディ677cが第1ボディ677aから第2ハウジング61bに向かって突出する円柱からなる反面、図9(b)の動力伝達部は第2ボディ677cが第1ボディから第1ハウジング61aに向かって突出する円柱からなる。従って、図9(b)の従動ギア677は第2ギア677dの間に第1軸支持部611の自由端が挿入される空間を形成できるので、図9(b)の動力伝達部6の体積が図9(a)の動力伝達部の体積より小さくなる。
【0147】
さらに図9(b)の場合、第1軸ベアリング613を構成する多数のベアリング613a,613bのいずれかが第2ギア677dが形成する空間に位置するように第1軸貫通孔612に備えられると、動力伝達部6の体積をさらに減らすことができる。
【0148】
一方、駆動部(D)の体積を最小化するために、図9(a)及び図9(b)に備えられた動力伝達部6は第1ハウジング61aの少なくとも一部の領域がコア貫通孔512に挿入される。
【0149】
図1に示すように、上述した構造の衣類処理装置100においては、ドラムの後方カバー23は駆動部(D)を介して固定パネル15に結合した状態を維持するが、ドラムの前方カバー22は連結ダンパー124を介して支持パネルのドラム連結ボディ123に接した状態を維持する。従って、振動によりドラム2が衣類処理装置の後方(X軸方向)に移動すると、前方カバー22がドラム連結ボディ123から分離される可能性がある。
【0150】
前方カバー22がドラム連結ボディ123から分離されると、ドラム投入口221は支持パネル貫通孔122から分離され(ドラムに供給された空気がドラムの外部に漏出され)、それによりエネルギー浪費、乾燥時間の増加及び乾燥効率の減少などの問題が発生する。
【0151】
また前方カバー22がドラム連結ボディ123から分離されると、衣類が前方カバーとドラム連結ボディの間の空間に挟まれ、それによりモーターに大きい負荷が発生する。
【0152】
この問題を解決するために、衣類処理装置100はさらに前方カバー22を支持する前方支持部7,8及び後方カバー23を支持する後方支持部9のいずれかを含む。図1では一例として前方支持部7,8及び後方支持部9を全て備える衣類処理装置100を示す。
【0153】
前方支持部7,8は前方カバー22が支持パネル121の高さ方向(Z軸方向)及び支持パネルの幅方向(Y軸方向)に沿って移動することを最小化するように設けられ、後方支持部9は前方カバー22が支持パネル121から離れる方向(X軸方向及び-Z軸方向)に沿って移動することを最小化するように設けられる。
【0154】
図10に示すように、前方支持部は、前方カバー22の円柱面のうち、ドラムの回転中心を通過する水平線(H)の下部に位置する領域を支持する前方第1支持部7、及び前方カバー22の円柱面のうち、水平線(H)の上部に位置する領域を支持する前方第2支持部8を含む。
【0155】
前方第1支持部7はベースパネル17と支持パネル121のいずれかに備えられてドラム投入口221が支持ボディ121の幅方向(+Y,-Y軸方向)に沿って移動可能な範囲及びドラム投入口221がベースパネル17が位置する方向(-Z軸方向)に向かって移動可能な範囲を設定する手段である。
【0156】
前方第1支持部7は第1ローラー軸711を介して支持パネル121に回転自在に固定される第1ローラー71、及び第2ローラー軸731を介して支持パネル121に回転自在に固定される第2ローラー73を含む。
【0157】
それぞれのローラーの軸711,731に入力される負荷を最小化するために、第1ローラー71と第2ローラー73はドラムの回転中心を通過する垂直線(V)に対して対称な位置に設けられることが望ましい。
【0158】
またローラー71,73を介してドラムの振動がキャビネットに伝達されることを最小化するために、それぞれのローラー71,73はドラムに所定の基準変位以上の振動が発生したとき、前方カバーの円柱面に接するように設けられる(それぞれのローラーは前方カバーから離隔した状態を維持する)。
【0159】
前方第2支持部8は支持パネル121に備えられてドラム投入口221がベースパネル17から離れる方向(+Z)に移動可能な範囲を設定する手段である。図11に示すように、前方第2支持部8は支持パネル121に固定されて前方カバー22より高いところに位置する前方支持フレーム81、及び前方支持フレーム81に固定されて前方カバー22が支持ボディ121の高さ方向に沿って移動することを制限する支持ダンパー83,85を含む。
【0160】
前方支持フレーム81の固定のために、支持パネル121には支持パネル121が前方カバー22から離れる方向に向かって凹状に湾曲した支持部取付溝125が設けられ、取付溝125にはスロット125aが設けられ、前方支持フレーム81にはスロット125aに挿入される締結部811が設けられる。
【0161】
図12(a)に示すように、支持ダンパーは前方支持フレーム81に固定される第1ダンパー83及び第1ダンパー83に固定されて前方カバー22の円柱面を支持可能な第2ダンパー85を含む。
【0162】
支持ダンパー83,85がドラム2の振動を効果的に低減するように、第1ダンパー83は第2ダンパー85よりも大きな弾性係数を有する材質からなる。即ち、第2ダンパー85は連結ダンパー124と同じフェルトからなり、第1ダンパー83はゴムなどからなる。
【0163】
上述したように、連結ダンパー124はドラム連結ボディ123の自由端にリンク状に形成されたダンパー取付溝123aに固定され、前方カバー22により支持パネル121の方向に押圧された状態が維持される。これにより、ドラム連結ボディ123とドラム投入口221の縁部が分離されることを最小化することができる。
【0164】
図12(b)は前方第2支持部8の他の実施例を示す。この実施例に係る前方第2支持部8はローラー軸871を介して前方支持フレーム81に回転自在に固定されて前方カバー22の円柱面を支持可能な前方ローラー87からなる。
【0165】
図示とは異なり、前方第1支持部7は前方カバー22の円柱面ではなく、ドラムボディ21の円柱面を支持する。この場合、それぞれのローラー71,73はドラムボディ21の円柱面のうち、水平線(H)の下部に位置する領域を支持する。各ローラー71,73がドラムボディの円柱面(又は前方カバーの円柱面)を支持するとは、各ローラー71,73がドラムボディの円柱面に接する場合、及びドラムに基準変位以上の振動が発生したときにドラムボディに接するように離隔した場合を全て含む意味である。
【0166】
同様に、前方第2支持部8もドラムボディ21の円柱面のうち、水平線(H)の上部に位置する領域を支持する。即ち、第2ダンパー85はドラムボディ21の円柱面のうち、水平線(H)の上部に位置する領域を支持し、前方ローラー87はドラムボディ21の円柱面のうち、水平線(H)の上部に位置する領域を支持するように備えられる。
【0167】
第2ダンパー85及び前方ローラー87がドラムボディの円柱面(又は前方カバーの円柱面)を支持するとは、第2ダンパー85や前方ローラー87がドラムボディの円柱面に接する場合、及びドラムに基準変位以上の振動が発生したときにドラムボディに接するように離隔した場合を全て含む意味である。
【0168】
図10に示すように、第1ローラー71及び第2ローラー73の間隔が狭くなるほど(第1ローラーと第2ローラーが前方カバーの最下点に近く配置されるほど)、前方カバー22の円柱面が第1ローラー71、第2ローラー73及び前方第2支持部8が形成する空間から外れる可能性が大きくなる。
【0169】
前方カバー22の円柱面を安定して支持しながら、各ローラーの軸711,731に作用する荷重が急に増加することを防止するために(ローラー軸の耐久性向上のために)、各ローラーの回転中心711,731とドラムの回転中心(C)を連結する直線と垂直線(V)がなす角度(A3)は60°未満に設定されることが望ましい。垂直線(V)に対するローラーの回転中心711,731とドラムの回転中心(C)を連結した直線の角度(A3)が60°を超えると、ローラーの軸711,731に入力される外力が急に増加するためである。
【0170】
例えば、垂直線に対するローラー軸の角度(A3)は50°~52°に設定され、各ローラーの軸711,731をドラムの回転中心(C)と連結した直線が2つのローラーの軸を連結した水平線に対して形成する角度(A4)は40°~38°に設定される。
【0171】
さらに第1ローラーの回転中心711を前方第2支持部8の中心に連結した直線(L1)と第2ローラーの回転中心731を前方第2支持部8の中心に連結した直線(L2)の角度(A1)は30°~50°に設定される。この場合、2つのローラーの回転中心711,731を連結した水平線(L3)と各ローラーの回転中心711,731を前方第2支持部8の中心に連結した直線(L1,L2)が形成する角度(A2)は65°~75°を形成する。
【0172】
一方、第1ローラー及び第2ローラー71,73の最上端と前方カバー22の円柱面の最下端の間の間隔(G1)は、前方第2支持部8と前方カバー22の円柱面の最上端の間の間隔(G2)より長いことが望ましい。即ち、ローラー円柱面と前方カバー円柱面の間の間隔(G3)は前方第2支持部8と前方カバーの円柱面の最上端の間の間隔(G2)より短く設定されることが望ましい。
【0173】
ドラムの振動時、2つのローラー71,73が前方第2支持部8より先にドラムの振動を制限するようにすることにより、ドラムの回転中心が支持ボディ121の幅方向(Y軸方向)に沿って振動することを最小化することができる。衣類が投入された状態でドラムが回転すると、ドラムに発生する振動は、支持ボディの下端が位置する方向(-Z軸方向)に向かう振動及び支持ボディの幅方向(Y軸方向)に向かう振動が支持ボディの上端が位置する方向(+Z軸方向)に向かう振動よりも大きい場合が多い。従って、前方第1支持部7及び前方第2支持部8が上述したように備えられると、ドラムの回転初期に発生する振動を効果的に減殺することができる。
【0174】
図13は後方支持部9の一例を示す図である。上述したように、後方支持部9は後方カバー23が固定パネル151に向かって移動可能な範囲及び後方カバー23がベースパネル17に向かって移動可能な範囲のいずれかを設定する手段である。
【0175】
図13(a)及び図13(b)では後方支持部9が排気ダクト31に固定されているが、後方支持部9はベースパネル17に固定されてもよく、固定パネル12に固定されてもよく、ベースパネル及び固定パネルに固定されてもよい。以下では便宜のために、後方支持部9が排気ダクト31に固定される場合を基準として説明する。
【0176】
図13(a)の後方支持部9は、排気ダクト31に固定される後方支持フレーム91、及び後方支持フレーム91に備えられて後方カバー23が固定パネル151に向かって移動する後方変位と後方カバー23がベースパネル17に向かって移動する下方変位のいずれかを制限するシート部93を含む。
【0177】
シート部93はドラムボディ21と後方カバー23の結合面を支持する。この場合、シート部93はドラムボディ21と後方カバー23の結合部97の形状に対応して設けられることが望ましい。
【0178】
即ち、ドラムボディ21と後方カバー23の結合部97がシーミング(seaming,ドラムボディの一端と後方カバーの縁部を一緒に折り曲げてドラムボディと後方カバーを結合する組立方法)により形成されると、結合部97にはL字状の角が形成される。シート部93は後方支持フレーム91に固定されてドラムの高さ方向(+Z軸方向)に沿って延びる第1シート面931、及び後方支持フレーム91から支持パネルが位置する方向(-X軸方向)に向かって延びる第2シート面933を含む。第1シート面931は結合部97の後方面(固定パネルに向かう面)と固定パネル151の間の空間に位置して後方変位を制限し、第2シート面933は結合部97の下端とベースパネル17の間の空間に位置して下方変位を制限する。
【0179】
第1シート面931は結合部97に接した状態を維持してもよく、ドラムに所定の基準後方変位以上の変位が発生したときにのみ結合部97に接してもよい。
【0180】
同様に、第2シート面933は結合部97に接した状態を維持してもよく、ドラムに所定の基準下方変位以上の変位が発生したときにのみ結合部97に接してもよい。
【0181】
後方カバー23とシート部93が接するように設けられた場合、ドラムに作用する摩擦力を減らすために(モーターの負荷を減らすために)、シート部93はフェルトからなる。
【0182】
図13(b)の後方支持部9は排気ダクト31に固定される後方支持フレーム91及び後方持フレーム91に回転自在に固定されて後方カバー23に接する後方ローラー95を含む。後方ローラー95はローラー軸951を介して後方支持フレーム91の自由端に回転自在に固定される。
【0183】
後方カバー23にはさらに後方ローラー95の一部が挿入される空間を提供するローラー収容溝235が設けられる。ローラー収容溝235は後方カバー23の表面が前方カバー22に向かって湾曲した溝からなる。ローラー収容溝235は後方カバー23の中心(ドラムの回転中心)を囲む円を形成する。
【0184】
後方ローラー95は後方カバー23に接した状態を維持してもよく、ドラムに所定の基準後方変位以上の変位が発生したときにのみ後方カバー23に接してもよい。
【0185】
上述した前方支持部7,8及び後方支持部9はドラム投入口221がドラム連結ボディ123から分離される方向(-X軸方向、+Z軸方向、-Z軸方向)に移動することを最小化することができる。従って、衣類処理装置100はドラムに供給された空気が漏出されることを最小化し、衣類がドラムと支持パネル121の間に挟まれる問題を最小化することができる。
【0186】
衣類がドラムと支持パネルの間に挟まれる問題を最小化するとは、駆動部に作用する負荷を最小化することを意味し、これは小トルクを生産するモーターによりドラムの回転数及び回転方向を制御できることを意味する。
【0187】
上述した衣類処理装置100では循環式乾燥システムを備える場合を基準として説明したが、この衣類処理装置100は排気式乾燥システムにも適用することができる。循環式乾燥システムはドラム2から排出された空気の除湿と加熱を順に行った後、ドラムに高温乾燥な空気を再供給する乾燥方式をいう。排気式乾燥システムは外気を加熱してドラム2に供給し、熱交換終了後にドラム2から排出される空気をキャビネット1の外部に排気する乾燥方式をいう。
【0188】
衣類処理装置100が排気式乾燥システムからなる場合、供給部3は第1排気口128と第2排気口157を連結する排気ダクト、外気(キャビネット内の空気又はキャビネット外の空気)をドラム2に供給する供給ダクト、及び供給ダクトに流入した空気を加熱する熱交換部を含む。
【0189】
上述した衣類処理装置100では循環式乾燥システムを備える場合を基準として説明したが、この衣類処理装置100は排気式乾燥システムにも適用することができる。循環式乾燥システムはドラム2から排出された空気の除湿と加熱を順に行った後、ドラムに高温乾燥な空気を再供給する乾燥方式をいう。排気式乾燥システムは外気を加熱してドラム2に供給し、熱交換終了後にドラム2から排出される空気をキャビネット1の外部に排気する乾燥方式をいう。
【0190】
衣類処理装置100が排気式乾燥システムからなる場合、供給部3は第1排気口128と第2排気口157を連結する排気ダクト、外気(キャビネット内の空気又はキャビネット外の空気)をドラム2に供給する供給ダクト、及び供給ダクトに流入した空気を加熱する熱交換部を含む。
【0191】
当業者には本開示の精神及び本質的な特徴から逸脱することなく、本開示を他の特定の形態で具現化できることが明らかであろう。従って、上記の実施形態は、あらゆる点で例示的であり、限定的ではない。本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲の合理的な解釈によって決定されるべきであり、本開示の同等の範囲内にある全ての変更は本開示の範囲に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9(a)】
図9(b)】
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】