IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アムジエン・インコーポレーテツドの特許一覧

特表2023-541845タンパク質凝集を減少させる材料及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-04
(54)【発明の名称】タンパク質凝集を減少させる材料及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 39/395 20060101AFI20230927BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20230927BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230927BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20230927BHJP
   C07K 16/46 20060101ALN20230927BHJP
   C07K 16/28 20060101ALN20230927BHJP
【FI】
A61K39/395 N ZNA
A61P35/00
A61P43/00 111
A61P25/00
A61P43/00 105
C07K16/46
C07K16/28
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023515597
(86)(22)【出願日】2021-09-10
(85)【翻訳文提出日】2023-05-01
(86)【国際出願番号】 US2021049872
(87)【国際公開番号】W WO2022056267
(87)【国際公開日】2022-03-17
(31)【優先権主張番号】63/077,088
(32)【優先日】2020-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.プルロニック
(71)【出願人】
【識別番号】500049716
【氏名又は名称】アムジエン・インコーポレーテツド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マコーリー,アーノルド・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】シュナイダー,マイケル
【テーマコード(参考)】
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
4C085AA14
4C085AA16
4C085CC23
4C085DD62
4C085EE01
4C085GG02
4H045AA11
4H045AA30
4H045BA10
4H045CA40
4H045DA50
4H045DA76
4H045EA20
(57)【要約】
対象の新生物疾患を治療する方法が、本明細書に提供される。例示的な実施形態では、方法は、抗EGFRvIII薬を含む水溶液を、投与システムを用いて対象に投与することを含み、水溶液と接触する投与システムの構成要素の1つ以上、又はその部分が、ポリ塩化ビニル(PVC)及び/又は空気を実質的に欠く。例示的な態様では、投与システムは、注入ラインを含む注入システムであり、注入ラインの少なくとも一部は、PVCを実質的に欠く。例示的な態様では、投与システムは水溶液を含有するための容器を含み、容器が水溶液を含む場合、容器の体積の約5%未満が空気である。さらに、関連するキットが本明細書に提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象のEGFRvIII陽性がん又は腫瘍を治療する方法であって、抗EGFRvIII薬を含む水溶液を、注入ラインを含む注入システムを使用して前記対象に投与することを含み、前記注入ラインは、ポリ塩化ビニル(PVC)又はPVC可塑剤を実質的に欠き、前記抗EGFRvIII薬は、ヒトEGFRvIII及びマカクEGFRvIIIに結合する第1の結合ドメインと、ヒトCD3に結合する第2の結合ドメインとを含む二重特異性抗原結合ポリペプチドである、方法。
【請求項2】
前記注入ラインが、ポリオレフィンエラストマー(POE)、ポリウレタン(PUR)、又はエチレン酢酸ビニル(EVA)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
注入後の溶液の1mL当たりのサブビジブル粒子の平均累積カウント数が、液中パーティクルカウンタで測定した場合に15未満である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
注入後の溶液の1mL当たりのサブビジブル粒子の平均累積カウント数が、液中パーティクルカウンタで測定した場合に10未満、任意選択により1未満である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
目視検査時に、前記注入後の溶液が、125μm以上の可視粒子を5未満有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記注入後の溶液の高分子量(HMW)種の割合が、SE-HPLCで測定した場合に5%未満である、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
SE-HPLCで測定した場合に、前記注入後の溶液のHMW種の割合が2%未満であるか、及び/又は前記抗EGFRvIII薬の主ピークの割合が95%超である、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記注入後の溶液中の前記抗EGFRvIII薬の回収率が、UV-VIS分光法又はRP-HPLCで測定した場合に95%超である、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記水溶液が、持続静脈内注入(cIVi)によって前記対象に投与される、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記抗EGFRvIII薬が、3000μg/日~6000μg/日の用量で、14日オン/14日オフサイクル、又は28日オン/14日オフサイクルで前記対象に投与される、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記注入システムが、静脈内(IV)バッグ、注入ポンプ、注入ラインフィルター、又はこれらの組み合わせをさらに含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記注入ラインフィルターが、ポリエチルスルホン(PES)フィルターである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記IVバッグが、エチレン酢酸ビニル(EVA)又はポリオレフィンエラストマー(POE)を含む、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記IVバッグが、前記抗EGFRvIII薬を含む前記水溶液及び空気を含み、前記IVバッグの全体積の5%未満が空気である、請求項11~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記注入ポンプがCADDポンプである、請求項11~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記注入ポンプが、プログラム可能、ロック可能、非エラストマー性であり、及び/又はアラームを有する、請求項11~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記水溶液が、約1.5ml/時間~約150mL/時間、任意選択により毎時5mL又は125mL/時間の注入速度で注入される、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記がんが、神経膠芽腫又は悪性神経膠腫である、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記水溶液が、生理食塩水、任意選択により約0.5%~約1.5%(v/v)の生理食塩水を含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記溶液が、約2%(v/v)~約6%(v/v)の静脈内生理食塩溶液(IVSS)、任意選択により約4%(v/v)のIVSSを含む、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記抗EGFRvIII薬が、75ng/mL未満、任意選択により50ng/mL未満の濃度で前記水溶液中に存在する、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記抗EGFRvIII薬が、約75ng/mL~約500ng/mL、任意選択により約200ng/mL~約400ng/mLの濃度で前記溶液中に存在する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記水溶液の最終体積が、約100mL~約300mLの溶液である、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記EGFRvIII結合ドメインが、(a)(i)配列番号3のアミノ酸配列を含むVH相補性決定領域1(CDR-H1);(ii)配列番号4のアミノ酸配列を含むCDR-H2;及び(iii)配列番号5のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む重鎖可変領域(VH)と;(b)(i)配列番号6のアミノ酸配列を含むVL相補性決定領域1(CDR-L1);(ii)配列番号7のアミノ酸配列を含むCDR-L2;及び(iii)配列番号8のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む軽鎖可変領域(VL)とを含み、
前記CD3結合ドメインが、(a)(i)配列番号99のアミノ酸配列を含むVH相補性決定領域1(CDR-H1);(ii)配列番号100のアミノ酸配列を含むCDR-H2;及び(iii)配列番号101のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む重鎖可変領域(VH)と;(b)(i)配列番号96のアミノ酸配列を含むVL相補性決定領域1(CDR-L1);(ii)配列番号97のアミノ酸配列を含むCDR-L2;及び(iii)配列番号98のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む軽鎖可変領域(VL)とを含む、請求項1~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記EGFRvIII結合ドメインが、配列番号9のアミノ酸配列を含むVHと、配列番号10のアミノ酸配列を含むVLとを含み、前記CD3結合ドメインが、配列番号102のアミノ酸配列を含むVHと、配列番号103のアミノ酸配列を含むVLとを含む、請求項1~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記EGFRvIII結合ドメインが、配列番号11のアミノ酸配列を含み、前記CD3結合ドメインが、配列番号104のアミノ酸配列を含む、請求項1~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記抗EGFRvIII薬が、配列番号12のアミノ酸配列を含む、請求項1~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記抗EGFRvIII薬が、配列番号13のアミノ酸配列を含む、請求項1~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
投与システム及び抗EGFRvIII薬を含むキットであって、水溶液と接触する前記投与システムの構成要素の1つ以上、又はその部分が、ポリ塩化ビニル(PVC)若しくはPVC可塑剤を実質的に欠き、及び/又は空気を実質的に欠くキット。
【請求項30】
前記投与システムが、注入ラインを含む注入システムであり、前記注入ラインの少なくとも一部が、PVC又はPVC可塑剤を実質的に欠く、請求項29に記載のキット。
【請求項31】
IVSS及び生理食塩水を含む水溶液を含むIVバッグと、抗EGFRvIII薬を含む容器とを含むキットであって、前記水溶液と接触する前記IVバッグの少なくとも一部が、ポリ塩化ビニル(PVC)又はPVC可塑剤を実質的に欠くキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
2020年9月11日に出願された米国仮特許出願第63/077,088号明細書の米国特許法第119条(e)項に基づく利益が本明細書によって主張され、当該仮特許出願の開示は、参考として本明細書に組み込まれる。
【0002】
電子的に提出された材料の参照による組み込み
本明細書と同時に提出されたコンピュータ可読のヌクレオチド/アミノ酸配列表は、その全体が参照により組み込まれ、以下:2021年9月10日に作成された;「A-2651-WO-PCT_Sequence_Listing.txt」という名称の122,414バイトのASCII(テキスト)ファイルとして識別される。
【0003】
本発明は、新生物疾患、例えばがんを治療するための抗EGFRvIII薬の投与に関する。
【背景技術】
【0004】
神経膠芽腫(GBM)は、極めて悪性の脳腫瘍のグループに属しており、最も致死性の高いヒトがんの1つを代表するものである。神経膠芽腫の年齢調整発生率は、世界中で100,000人当たり0.59~3.69の範囲にわたっている。積極的な外科的、放射線学的及び化学療法的介入にもかかわらず、腫瘍は数ヶ月或いは数週間以内に進行し、2005年にFDAによってテモゾロミド(TMZ)が承認されてからは、全生存期間が12~15ヶ月となっており、予後にほとんど変化がない(Omuro & DeAngelis,JAMA,2013;310:1842-1850)。
【0005】
一次手術後に再発した場合、神経膠芽腫の治療は、年齢、一般状態、組織学的検査、初回治療の反応、初期診断からの時間、発生が限局性なのか又はびまん性なのかに依存する。びまん性又は多発性の腫瘍が再発した患者では、緩和ケアが一般的な選択となる。限局性疾患の患者では、外科手術、ニトロソウレア系療法、及び放射線(標準的な再照射又は高度な原体照射)を組み合わせたものが用いられるが、結果は良好ではない。2剤連続で反応しなかった後では、化学療法に反応する可能性が低くなる(Stewart et al.,Lancet 2002;359(9311):1011-1018)。さらに、無作為化臨床試験では、それからいかなる新薬も生存利益が実証されていない(Mehta et al,Crit Rev Oncol Hematol.2017;111:60-65)。
【0006】
上皮成長因子受容体(EGFR)をコードする遺伝子の増幅に伴うEGFRの発現及び増強されたEGF通路シグナル伝達活性については、神経膠芽腫(ほぼ例外なくイソクエン酸デヒドロゲナーゼ(IDH)野生型神経膠芽腫)における記録がある(Louis et al.,Acta Neuropathol.2016;131:803-820)。神経膠芽腫の約50%はEGFR増幅陽性であり、その半数はEGFRvIII(上皮成長因子受容体変異体III)と称する、切断されて構成的に活性となる受容体をコードする、付随的なEGFR変異を発現する。天然のEGFRと同様に、変異体であるEGFRvIIIは膜結合型受容体である;しかしながら、欠失により、細胞外リガンド結合ドメインを包含し、スプライスジャンクションに発生する新しいグリシン残基によって特徴づけられる、267個のアミノ酸残基を欠いたタンパク質がもたらされる(Wong et al.,Proc Natl Acad Sci USA.1992;89:2965-2969)。細胞外リガンド結合ドメインを欠いてはいるが、EGFRvIIIは、下流のシグナル伝達経路を刺激することで悪性増殖を促進する、リガンド非依存性の構成的チロシンキナーゼ活性を示す(Mellinghoff et al.,N Engl J Med.2005;353:2012-2024)。あるメタ分析(Chen et al.,Acta Neurol Scand.2015;132:310-322)によれば、EGFR増幅又はEGFRvIII変異のいずれかが神経膠芽腫患者において予後的価値があるというエビデンスは、現在のところ不十分なものである。にもかかわらず、EGFRvIIIはもっぱら腫瘍細胞でみられる正真正銘の腫瘍特異抗原であると考えられているため、関心の高い抗腫瘍治療方針となっている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Omuro & DeAngelis,JAMA,2013;310:1842-1850
【非特許文献2】Stewart et al.,Lancet 2002;359(9311):1011-1018
【非特許文献3】Mehta et al,Crit Rev Oncol Hematol.2017;111:60-65
【非特許文献4】Louis et al.,Acta Neuropathol.2016;131:803-820
【非特許文献5】Wong et al.,Proc Natl Acad Sci USA.1992;89:2965-2969
【非特許文献6】Mellinghoff et al.,N Engl J Med.2005;353:2012-2024
【非特許文献7】Chen et al.,Acta Neurol Scand.2015;132:310-322
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書に提供される開示に基づき、当業者であれば、単なる日常的な実験により、本明細書に記載した本発明の特定の実施形態に対する多くの均等物を認識又は確認することができるであろう。このような均等物は、以下の実施形態(E)に包含されることが意図される。
E1.対象の新生物疾患を治療する方法であって、抗EGFRvIII薬を含む水溶液を、投与システムを用いて対象に投与することを含み、水溶液と接触する投与システムの構成要素の1つ以上、又は構成要素の1つ以上の部分は、ポリ塩化ビニル(PVC)若しくはPVC可塑剤を実質的に欠き、及び/又は空気を実質的に欠く方法。
E2.投与システムが注入システムである、E1に記載の方法。
E3.注入システムが注入ラインを含み、注入ラインの少なくとも一部がPVC又はPVC可塑剤を実質的に欠く、E2に記載の方法。
E4.水溶液と接触する注入ラインの一部がPVCを実質的に欠き、任意選択により水溶液と接触する注入ラインの内側表面がPVC又はPVC可塑剤を実質的に欠く、E3に記載の方法。
E5.注入ラインが、ポリオレフィンエラストマー(POE)又はポリウレタン(PUR)又はエチレン酢酸ビニル(EVA)を含む、E3又はE4に記載の方法。
E6.注入ラインがPOE、PUR、若しくはEVAから完全に構成されているか、又は注入ラインの内側表面がPOE、PUR、若しくはEVAでコーティングされている、E5に記載の方法。
E7.投与システムが、水溶液を含有するための容器を含む、前述の実施形態のいずれか1つに記載の方法。
E8.容器の少なくとも一部がPVC又はPVC可塑剤を実質的に欠き、任意選択により水溶液と接触する容器の一部がPVC又はPVC可塑剤を実質的に欠く、E7に記載の方法。
E9.容器が水溶液を含む場合、容器は空気を実質的に欠く、E7又はE8に記載の方法。
E10.容器が水溶液を含む場合、容器の体積の約5%未満が空気である、E8に記載の方法。
E11.容器が水溶液を含む場合、容器の体積の約3%未満が空気である、E9に記載の方法。
E12.水溶液が静脈内(IV)注入、任意選択により持続静脈内注入(cIVi)によって対象に投与される、前述の実施形態のいずれか1つに記載の方法。
E13.抗EGFRvIII薬が、一定流量のcIViとして対象に投与される、E12に記載の方法。
E14.注入システムが、注入ラインフィルター、静脈内(IV)バッグ、注入ポンプ、又はこれらの組み合わせをさらに含む、E2~E13のいずれか1つに記載の方法。
E15.注入ラインフィルターが、ポリエチルスルホン(PES)フィルターである、E14に記載の方法。
E16.IVバッグが水溶液を含む場合、IVバッグは空気を実質的に欠く、E14又はE15に記載の方法。
E17.容器が水溶液を含む場合、IVバッグの体積の約5%未満が空気である、E16に記載の方法。
E18.容器が水溶液を含む場合、IVバッグの体積の約3%未満が空気である、E17に記載の方法。
E19.IVバッグの少なくとも一部がPVC又はPVC可塑剤を実質的に欠き、任意選択により、水溶液と接触するIVバッグの一部がPVC又はPVC可塑剤を実質的に欠く、E14~E18のいずれか1つに記載の方法。
E20.IVバッグの少なくとも一部が、エチレン酢酸ビニル(EVA)又はポリオレフィンエラストマー(POE)を含む、E19に記載の方法。
E21.IVバッグがEVA若しくはPOEから完全に構成されているか、又はIVバッグの内側表面がEVA若しくはPOEでライニングされている、E20に記載の方法。
E22.注入ポンプが、CADDポンプである、E14~E21のいずれか1つに記載の方法。
E23.注入ポンプが、プログラム可能、ロック可能、非エラストマー性であり、及び/又はアラームを有する、E14~E22のいずれか1つに記載の方法。
E24.水溶液が、約1.5ml/時間~約150mL/時間、任意選択により毎時約1.5mL~約5mL/時間の注入速度で注入される、前述の実施形態のいずれか1つに記載の方法。
E25.投与後の溶液の1mL当たりのサブビジブル粒子の平均累積カウント数が、液中パーティクルカウンタで測定した場合に15未満である、前述の実施形態のいずれか1つに記載の方法。
E26.投与後の溶液の1mL当たりのサブビジブル粒子の平均累積カウント数が、液中パーティクルカウンタで測定した場合に10未満、任意選択により1未満である、E25に記載の方法。
E27.目視検査時に、投与後の溶液が、5未満の125μm以上の可視粒子を有する、前述の実施形態のいずれか1つに記載の方法。
E28.投与後の溶液の高分子量(HMW)種の割合が、サイズ排除高速液体クロマトグラフィー(SE-HPLC)で測定した場合に5%未満である、前述の実施形態のいずれか1つに記載の方法。
E29.SE-HPLCで測定した場合に、投与後の溶液の高分子量(HMW)種の割合が2%未満であるか、及び/又は抗EGFRvIII薬の主ピークの割合が95%超である、前述の実施形態のいずれか1つに記載の方法。
E30.投与後の溶液中の抗EGFRvIII薬の回収率が、紫外-可視(UV-VIS)分光法又は逆相高速液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)で測定した場合に95%超である、前述の実施形態のいずれか1つに記載の方法。
E31.新生物疾患ががん又は腫瘍である、前述の実施形態のいずれか1つに記載の方法。
E32.がん又は腫瘍が、EGFRvIII陽性がん又は腫瘍である、E31に記載の方法。
E32.前記がんが、非小細胞肺がん(NSCLC)などの扁平上皮細胞腫瘍である、E31又はE32に記載の方法。
E33.前記がんが、神経膠芽腫又は悪性神経膠腫である、E31又はE32に記載の方法。
E34.水溶液が、生理食塩水、任意選択により約0.5%~約1.5%(v/v)の生理食塩水を含む、実施形態のいずれか1つに記載の方法。
E35.溶液が、約2%(v/v)~約6%(v/v)の静脈内生理食塩溶液(IVSS)、任意選択により約4%(v/v)のIVSSを含む、前述の実施形態のいずれか1つに記載の方法。
E36.抗EGFRvIII薬が、75ng/mL未満、任意選択により50ng/mL未満の濃度で水溶液中に存在する、前述の実施形態のいずれか1つに記載の方法。
E37.抗EGFRvIII薬が、約75ng/mL~約500ng/mL、任意選択により約200ng/mL~約400ng/mLの濃度で水溶液中に存在する、E36に記載の方法。
E38.水溶液の最終体積が、約100mL~約300mLの溶液である、前述の実施形態のいずれか1つに記載の方法。
E39.前記抗EGFRvIII薬が、二重特異性抗原結合ポリペプチドであり、ヒトEGFRvIII及びマカクEGFRvIIIに結合する第1の結合ドメインと、ヒトCD3に結合する第2の結合ドメインとを含む、前述の実施形態のいずれか1つに記載の方法。
E40.前記ヒトEGFRvIIIが配列番号1のアミノ酸配列を含み、前記マカクEGFRvIIIが配列番号2のアミノ酸配列を含む、E39に記載の方法。
E41.前記ヒトCD3が、配列番号123の残基1~27を含む、E39又はE40に記載の方法。
E42.前記ヒトCD3が、配列番号123のアミノ酸配列を含む、E39~E41のいずれか1つに記載の方法。
E43.前記EGFRvIII結合ドメインが、(a)(i)配列番号3のアミノ酸配列を含むVH相補性決定領域1(CDR-H1);(ii)配列番号4のアミノ酸配列を含むCDR-H2;及び(iii)配列番号5のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む重鎖可変領域(VH)と;(b)(i)配列番号6のアミノ酸配列を含むVL相補性決定領域1(CDR-L1);(ii)配列番号7のアミノ酸配列を含むCDR-L2;及び(iii)配列番号8のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む軽鎖可変領域(VL)とを含む、E39~42のいずれか1つに記載の方法。
E44.前記EGFRvIII結合ドメインが、配列番号9のアミノ酸配列を含むVHと、配列番号10のアミノ酸配列を含むVLとを含む、E39~E43のいずれか1つに記載の方法。
E45.前記VH及びVLが、リンカーによって連結され、一本鎖Fv(scFv)を形成する、E43又はE44に記載の方法。
E46.前記リンカーが、配列番号114~122のいずれか1つから選択される配列を含むペプチドリンカーである、E45に記載の方法。
E47.前記リンカーが、(Gly4Ser)xを含み、式中、xは、1、2、3、又は4の整数である、E45又はE46に記載の方法。
E48.前記EGFRvIII結合ドメインが、配列番号11のアミノ酸配列を含む、E39~E47のいずれか1つに記載の方法。
E49.前記CD3結合ドメインが、
a.配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含むVHと;配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR-L1、配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含むVLと;
b.配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含むVHと;配列番号24のアミノ酸配列を含むCDR-L1、配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含むVLと;
c.配列番号36のアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号37のアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び配列番号38のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含むVHと;配列番号33のアミノ酸配列を含むCDR-L1、配列番号34のアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号35のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含むVLと;
d.配列番号45のアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号46のアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び配列番号47のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含むVHと;配列番号42のアミノ酸配列を含むCDR-L1、配列番号43のアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号44のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含むVLと;
e.配列番号54のアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号55のアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び配列番号56のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含むVHと;配列番号51のアミノ酸配列を含むCDR-L1、配列番号52のアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号53のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含むVLと;
f.配列番号63のアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号64のアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び配列番号65のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含むVHと;配列番号60のアミノ酸配列を含むCDR-L1、配列番号61のアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号62のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含むVLと;
g.配列番号72のアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号73のアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び配列番号74のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含むVHと;配列番号69のアミノ酸配列を含むCDR-L1、配列番号70のアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号71のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含むVLと;
h.配列番号81のアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号82のアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び配列番号83のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含むVHと;配列番号78のアミノ酸配列を含むCDR-L1、配列番号79のアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号80のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含むVLと;
i.配列番号90のアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号91のアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び配列番号92のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含むVHと;配列番号87のアミノ酸配列を含むCDR-L1、配列番号88のアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号89のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含むVLと;
j.配列番号99のアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号100のアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び配列番号101のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含むVHと;配列番号96のアミノ酸配列を含むCDR-L1、配列番号97のアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号98のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含むVLと;又は
k.配列番号108のアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号109のアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び配列番号110のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含むVHと;配列番号105のアミノ酸配列を含むCDR-L1、配列番号106のアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号107のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含むVLとを含む、E39~48のいずれか1つに記載の方法。
E50.前記CD3結合ドメインが、
a.配列番号21のアミノ酸配列を含むVHと、配列番号22のアミノ酸配列を含むVLと;
b.配列番号30のアミノ酸配列を含むVHと、配列番号31のアミノ酸配列を含むVLと;
c.配列番号39のアミノ酸配列を含むVHと、配列番号40のアミノ酸配列を含むVLと;
d.配列番号48のアミノ酸配列を含むVHと、配列番号49のアミノ酸配列を含むVLと;
e.配列番号57のアミノ酸配列を含むVHと、配列番号58のアミノ酸配列を含むVLと;
f.配列番号66のアミノ酸配列を含むVHと、配列番号67のアミノ酸配列を含むVLと;
g.配列番号75のアミノ酸配列を含むVHと、配列番号76のアミノ酸配列を含むVLと;
h.配列番号84のアミノ酸配列を含むVHと、配列番号85のアミノ酸配列を含むVLと;
i.配列番号93のアミノ酸配列を含むVHと、配列番号94のアミノ酸配列を含むVLと;
j.配列番号102のアミノ酸配列を含むVHと、配列番号103のアミノ酸配列を含むVLと;又は
k.配列番号111のアミノ酸配列を含むVHと、配列番号112のアミノ酸配列を含むVLとを含む、E39~E49のいずれか1つに記載の方法。
E51.CD3結合ドメインの前記VH及びVLが、リンカーによって連結され、一本鎖Fv(scFv)を形成する、E49又はE50のいずれか1つに記載の方法。
E52.前記リンカーが、配列番号114~122のいずれか1つから選択される配列を含むペプチドリンカーである、E51に記載の方法。
E53.前記リンカーが、(Gly4Ser)xを含み、式中、xは、1、2、3、又は4の整数である、E51又はE52に記載の方法。
E54.前記CD3結合ドメインが、配列番号23、32、41、50、59、68、77、86、95、104、及び113のいずれか1つのアミノ酸配列を含む、E39~E53のいずれか1つに記載の方法。
E55.
前記EGFRvIII結合ドメインが、(a)(i)配列番号3のアミノ酸配列を含むVH相補性決定領域1(CDR-H1);(ii)配列番号4のアミノ酸配列を含むCDR-H2;及び(iii)配列番号5のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む重鎖可変領域(VH)と;(b)(i)配列番号6のアミノ酸配列を含むVL相補性決定領域1(CDR-L1);(ii)配列番号7のアミノ酸配列を含むCDR-L2;及び(iii)配列番号8のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む軽鎖可変領域(VL)とを含み、
前記CD3結合ドメインが、(a)(i)配列番号99のアミノ酸配列を含むVH相補性決定領域1(CDR-H1);(ii)配列番号100のアミノ酸配列を含むCDR-H2;及び(iii)配列番号101のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む重鎖可変領域(VH)と;(b)(i)配列番号96のアミノ酸配列を含むVL相補性決定領域1(CDR-L1);(ii)配列番号97のアミノ酸配列を含むCDR-L2;及び(iii)配列番号98のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む軽鎖可変領域(VL)とを含む、E39~E54のいずれか1つに記載の方法。
E56.前記EGFRvIII結合ドメインが、配列番号9のアミノ酸配列を含むVHと、配列番号10のアミノ酸配列を含むVLとを含み、前記CD3結合ドメインが、配列番号102のアミノ酸配列を含むVHと、配列番号103のアミノ酸配列を含むVLとを含む、E39~E55のいずれか1つに記載の方法。
E57.前記EGFRvIII結合ドメインが、配列番号11のアミノ酸配列を含み、前記CD3結合ドメインが、配列番号104のアミノ酸配列を含む、E39~E56のいずれか1つに記載の方法。
E58.前記EGFRvIII結合ドメインと前記CD3結合ドメインが、リンカーによって連結されている、E39~E57のいずれか1つに記載の方法。
E59.前記リンカーが、配列番号114~122のいずれか1つから選択される配列を含むペプチドリンカーである、E58に記載の方法。
E60.前記リンカーが、(Gly4Ser)xを含み、式中、xは、1、2、3、又は4の整数である、E58又はE59に記載の方法。
E61.前記抗EGFRvIII薬が、配列番号12のアミノ酸配列を含む、前述の実施形態のいずれか1つに記載の方法。
E62.前記抗EGFRvIII薬が、配列番号13のアミノ酸配列を含む、前述の実施形態のいずれか1つに記載の方法。
E63.前記抗EGFRvIII薬が、約15μg/日~約12000μg/日の初期用量で、少なくとも14日間投与される、E1~E62のいずれか1つに記載の方法。
E64.前記抗EGFRvIII薬が、約1500μg/日~約6000μg/日の初期用量で、少なくとも14日間投与される、E1~E63のいずれか1つに記載の方法。
E65.前記抗EGFRvIII薬が、約3000μg/日~約6000μg/日の初期用量で、少なくとも14日間投与される、E1~E64のいずれか1つに記載の方法。
E66.前記抗EGFRvIII薬が、約15μg/日~約12000μg/日の初期用量で、少なくとも28日間投与される、E1~E65のいずれか1つに記載の方法。
E67.前記抗EGFRvIII薬が、約1500μg/日~約6000μg/日の初期用量で、少なくとも28日間投与される、E1~E66のいずれか1つに記載の方法。
E68.前記抗EGFRvIII薬が、約3000μg/日~約6000μg/日の初期用量で、少なくとも28日間投与される、E1~E67のいずれか1つに記載の方法。
E69.前記抗EGFRvIII薬が、14日オン/14日オフサイクル、又は28日オン/14日オフサイクルで投与される、E1~E68のいずれか1つに記載の方法。
E70.投与システム及び抗EGFRvIII薬を含むキットであって、水溶液と接触する投与システムの構成要素の1つ以上、又は構成要素の少なくとも一部が、PVC若しくはPVC可塑剤、及び/又は空気を実質的に欠くキット。
E71.投与システムが、注入ラインを含む注入システムであり、注入ラインの少なくとも一部が、PVC又はPVC可塑剤を実質的に欠く、E70に記載のキット。
E72.投与システムが水溶液を含有するための容器を含み、容器が水溶液を含む場合、容器の体積の約5%未満が空気である、E70又はE71に記載のキット。
E73.容器が水溶液を含む場合、容器の体積の約5%未満が空気である、容器内に抗EGFRvIII薬を含む水溶液を含む製造品。
E74.約3%(v/v)~約6%(v/v)のIVSS及び生理食塩水を含む水溶液を含むIVバッグと、抗EGFRvIII薬を含む容器とを含むキットであって、水溶液と接触するIVバッグの少なくとも一部が、PVC又はPVC可塑剤を実質的に欠くキット。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】撹拌後のIVバッグ内の抗EGFRvIII薬(AMG 596)の粒子化の画像である。
図2A】空気を含まない(図2A)又は空気を含んだ(図2B)IVバッグ(250mLのMediBag)内の抗EGFRvIII薬(AMG 596)を含む水溶液の画像。
図2B】空気を含まない(図2A)又は空気を含んだ(図2B)IVバッグ(250mLのMediBag)内の抗EGFRvIII薬(AMG 596)を含む水溶液の画像。
図2C】それぞれ、指示された粒子サイズに対する、指示されたIVバッグ内のAMG 596を含む水溶液の1mL当たりの粒子カウント数のグラフである。
図2D】それぞれ、指示された粒子サイズに対する、指示されたIVバッグ内のAMG 596を含む水溶液の1mL当たりの粒子カウント数のグラフである。
図2E】空気を含むか又は含まない、指示されたIVバッグ内のAMG 596のタンパク質回収率のグラフである。AMG 596の回収は、空気がIVバッグに存在しない場合では、すべてのIVバッグでほぼ100%であった。
図3A】本明細書に記載されるような抗EGFRvIII薬(AMG 596)を含む水溶液に従った実験工程のフローチャートである。
図3B】IVバッグの調製の詳細を列挙した表である。
図4A】それぞれ、インラインフィルターがあるか又は無い状態で注入システムを通過させた、抗EGFRvIII薬(AMG 596)を含む水溶液の1mL当たりの累積粒子カウント数のグラフである。10μmの粒子の粒子カウント数を図4Aに、25μmの粒子の粒子カウント数を図4Bに示す。
図4B】それぞれ、インラインフィルターがあるか又は無い状態で注入システムを通過させた、抗EGFRvIII薬(AMG 596)を含む水溶液の1mL当たりの累積粒子カウント数のグラフである。10μmの粒子の粒子カウント数を図4Aに、25μmの粒子の粒子カウント数を図4Bに示す。
図5A】それぞれ、5mL/時間又は125mL/時間の注入速度で注入システムを通過させた、抗EGFRvIII薬(AMG 596)を含む水溶液の1mL当たりの累積粒子カウント数のグラフである。25μmの粒子の粒子カウント数を図5Aに、10μmの粒子の粒子カウント数を図5Bに示す。
図5B】それぞれ、5mL/時間又は125mL/時間の注入速度で注入システムを通過させた、抗EGFRvIII薬(AMG 596)を含む水溶液の1mL当たりの累積粒子カウント数のグラフである。25μmの粒子の粒子カウント数を図5Aに、10μmの粒子の粒子カウント数を図5Bに示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
1.概要
AMG 596は、EGFRvIII及びCD3に結合してT細胞を活性化し、T細胞を神経膠芽腫細胞に接近させてこれらの細胞を死滅させる、二重特異性T細胞誘導タンパク質である。AMG 596は半減期の短い、非常に強力な分子である。このタンパク質は、半減期が非常に短いため、患者において有効となるのに十分なレベルのタンパク質を維持するために、持続静脈内注入(cIVi)によって投与される。cIViによる投与の設定は、通常、少なくともIVバッグ、注入ポンプ、及び注入ラインから構成される。いくつかの実施形態では、AMG 596製剤(DP)は、注入溶液にするために、生理食塩水及び静脈内溶液安定剤(IVSS)と共にIVバッグ中で混合される。次いで、この溶液を、注入ポンプで注入ラインを通して患者に送り出すことにより、患者に注入する。本開示は、注入システム、並びにその構成要素及び材料の評価に基づき、新生物疾患患者を治療するためにAMG 596を投与する効率的且つ改善された方法を提供するものである。
【0011】
2.定義
本発明による抗原結合ポリペプチドは、好ましくは、その標的、すなわち抗原に免疫特異的に結合するポリペプチドである。このポリペプチドは、典型的には、抗体の重鎖可変領域(VH)及び/若しくは軽鎖可変領域(VL)を含むか、又はこれらに由来するドメインを含む。本発明によるポリペプチドは、免疫特異的な標的結合を可能にする抗体の最小構造要件を含む。この最小要件は、例えば、少なくとも3つの軽鎖CDR(すなわち、VL領域のCDR1、CDR2及びCDR3)並びに/又は3つの重鎖CDR(すなわち、VH領域のCDR1、CDR2及びCDR3)、好ましくは6つすべてのCDRの存在によって定義することができる。それらのCDRが結合ドメイン内のどこに(どの順番で)配置されているかは、当業者の知識の範囲内である。
【0012】
本発明によるT細胞誘導抗原結合ポリペプチド、例えばBiTE(登録商標)分子は、好ましくは二重特異性であり、本明細書では、典型的には少なくとも1つの標的抗原に結合する1つのドメインと、CD3に結合する別のドメインとを含むものであると理解される。ゆえに、この抗原結合ポリペプチドは、天然に存在するものではなく、その機能は天然産物とは著しく異なっている。本発明によるポリペプチドは、ゆえに、異なる特異性を有する少なくとも2つの個別の結合ドメインを含む人工の「ハイブリッド」ポリペプチドであり、したがって二重特異性である。本明細書に開示される二重特異性T細胞誘導ポリペプチドは、3つ以上のドメインを含んでもよく、例えば、2つの同一の又は異なる標的抗原結合ドメインと、CD3に結合する別のドメインとを含んでもよいことが強調される。標的抗原結合ドメインは、同一であり、すなわち同一のエピトープに結合してもよいか、又は同一の若しくは異なる標的抗原の異なるエピトープに結合してもよい。T細胞誘導ポリペプチドは、いずれか一方又は両方の結合ドメインに3~6つのCDRが存在することを特徴とするものであり得る。
【0013】
本明細書に開示される例示的な二重特異性抗EGFRvIII薬(例えばBiTE(登録商標)分子)は、2つ以上の抗原結合ドメインを含む抗原結合ポリペプチドであり、一方のドメインがEGFRvIIIに結合し、別のドメインがCD3に結合する。例示的な実施形態では、各結合ドメインは、scFv(リンカーを介して結合された、抗体の単一アームのVL及びVHドメイン)を含む。生殖系列のVL及びVHドメインは、別々の遺伝子によってコードされているが、それらを単一のタンパク質鎖として作製することができる合成リンカーによって組換え法を使用して結合することが可能であり、この場合、VL領域及びVH領域を対合させて一価分子(一本鎖Fv(scFV)として知られている)を形成する;例えば、Bird et al.Science 242:423-426(1988)及びHuston et al.,1988,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:5879-5883を参照されたい。
【0014】
「可変ドメイン」は、抗体軽鎖の可変領域(VL)又は抗体重鎖の可変領域(VH)の単体又は組み合わせたもののいずれかを指す。当該技術分野で知られているように、重鎖及び軽鎖の可変領域は、それぞれ、3つの相補性決定領域(CDR)により連結されている4つのフレームワーク領域(FR)からなり、抗体の抗原結合部位の形成に寄与している。
【0015】
例示的なEGFRvIII結合ドメイン及びCD3結合ドメインの「相補性決定領域」(CDR)を、配列表に記載する。CDRは、Kabat、Chothia、Kabat及びChothiaの両方の蓄積、AbM、contact、North、並びに/若しくはコンフォメーションによる定義、又は当該技術分野でよく知られたCDRを決定する任意の方法に従って定義することができる。例えば、Kabat et al.,1991,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th ed.(超可変領域);Chothia et al.,1989,Nature 342:877-883(構造的ループ構造)を参照されたい。CDRのAbMによる定義は、KabatとChothiaとの折衷案であり、Oxford Molecular’s AbM抗体モデリングソフトウェア(Accelrys(登録商標))を使用する。CDRを構成する特定の抗体のアミノ酸残基の同一性は、当該技術分野でよく知られた方法を使用して判断することができる。
【0016】
「約(about)」又は「約(approximately)」は、測定可能な数値変数に関連して使用される場合、この変数の示された値と、この示された値の実験誤差内(例えば、平均の95%信頼区間内)又はこの示された値の±10%のどちらか大きい方である変数のすべての値とを指す。数値範囲には、この範囲を規定する数値が含まれる。
【0017】
3.抗EGFRvIII薬
上皮成長因子受容体(EGFR)は、上皮由来の組織における正常細胞の成長に重要な制御因子である。EGFRシグナル伝達の調節不全(細胞表面の過剰発現、自己分泌活性化、及びEGFR遺伝子変異などの機序によって生じる)は、ヒトの多くの上皮悪性腫瘍の形成に寄与する。いくつかのEGFR変異が説明されてきた。最も一般的な細胞外変異は、EGFRvIII(de2-7EGFR及びΔEGFRとしても知られている)である。EGFRvIIIは、コード配列のエクソン2~7にまたがる801塩基対のインフレーム欠失から生じる腫瘍特異的変異である。この欠失により、細胞外ドメインから267個のアミノ酸が除去され、エクソン1と8の間の結合部位及び新たなグリシン残基が生じる。EGFRvIIIは、約145kDaの分子量を有する。ヒト及びカニクイザルEGFRvIIIのアミノ酸配列を、それぞれ配列番号1及び2として示す。
【0018】
例示的な抗EGFRvIII薬は、EGFRvIII及びCD3に結合する二重特異性分子、例えば、BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞誘導)分子である。BiTE(登録商標)分子は、2つのフレキシブルに連結された結合ドメインから形成されている組換えタンパク質であり、各ドメインが抗体に由来するものである。BiTE(登録商標)分子の一方の結合ドメインは、腫瘍関連表面抗原(例えばEGFRvIII)に特異的であり、2つ目の結合ドメインは、T細胞上のT細胞受容体複合体のサブユニットであるCD3に特異的である。これらの設計により、BiTE(登録商標)分子は、T細胞と標的細胞とを一時的に結合させると同時に、T細胞の本来の標的細胞に対する細胞傷害能を強力に活性化させるのに比類なく適したものとなっている。例えば、国際公開第99/54440号パンフレット、同第2005/040220号パンフレット、及び同第2008/119567号パンフレットを参照されたい。
【0019】
したがって、いくつかの実施形態では、記載される抗EGFRvIII薬は、2つの結合ドメイン:EGFRvIII(好ましくはヒトEGFRvIII)に結合する第1のドメインと、CD3(好ましくはヒトCD3)に結合する第2のドメインとを含む。例示的なCD3配列を配列番号123~126に示す。好ましくは、第2のドメインは、配列番号123の残基1~27に結合する。或いは、第2のドメインは、配列番号124~126のいずれか1つの残基1~27に結合してもよい。
【0020】
特定の実施形態では、EGFRvIII結合ドメインは、(a)(i)配列番号3のアミノ酸配列を含むVH相補性決定領域1(CDR-H1);(ii)配列番号4のアミノ酸配列を含むCDR-H2;及び(iii)配列番号5のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む重鎖可変領域(VH)と;(b)(i)配列番号6のアミノ酸配列を含むVL相補性決定領域1(CDR-L1);(ii)配列番号7のアミノ酸配列を含むCDR-L2;及び(iii)配列番号8のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む軽鎖可変領域(VL)とを含む。
【0021】
特定の実施形態では、EGFRvIII結合ドメインは、配列番号9のアミノ酸配列を含むVHと、配列番号10のアミノ酸配列を含むVLとを含む。いくつかの実施形態では、VH及びVLは、リンカーによって連結され、一本鎖Fv(scFv)を形成する。いくつかの実施形態では、リンカーは、配列番号114~122のいずれか1つから選択される配列を含むペプチドリンカーである。いくつかの実施形態では、リンカーは、GSリンカー、例えばGly-Gly-Gly-Gly-Ser(G4S、配列番号115)又はそのポリマー、すなわち(Gly4Ser)xであり、式中、xは、1以上の整数(例えば2又は3)である(例えば、配列番号121、122)。
【0022】
特定の実施形態では、EGFRvIII結合ドメインは、配列番号11のアミノ酸配列を含む。
【0023】
特定の実施形態では、CD3結合ドメインは、
(a)配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含むVHと;配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR-L1、配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含むVLと;
(b)配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含むVHと;配列番号24のアミノ酸配列を含むCDR-L1、配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含むVLと;
(c)配列番号36のアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号37のアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び配列番号38のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含むVHと;配列番号33のアミノ酸配列を含むCDR-L1、配列番号34のアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号35のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含むVLと;
(d)配列番号45のアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号46のアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び配列番号47のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含むVHと;配列番号42のアミノ酸配列を含むCDR-L1、配列番号43のアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号44のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含むVLと;
(e)配列番号54のアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号55のアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び配列番号56のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含むVHと;配列番号51のアミノ酸配列を含むCDR-L1、配列番号52のアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号53のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含むVLと;
(f)配列番号63のアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号64のアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び配列番号65のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含むVHと;配列番号60のアミノ酸配列を含むCDR-L1、配列番号61のアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号62のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含むVLと;
(g)配列番号72のアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号73のアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び配列番号74のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含むVHと;配列番号69のアミノ酸配列を含むCDR-L1、配列番号70のアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号71のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含むVLと;
(h)配列番号81のアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号82のアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び配列番号83のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含むVHと;配列番号78のアミノ酸配列を含むCDR-L1、配列番号79のアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号80のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含むVLと;
(i)配列番号90のアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号91のアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び配列番号92のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含むVHと;配列番号87のアミノ酸配列を含むCDR-L1、配列番号88のアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号89のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含むVLと;
(j)配列番号99のアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号100のアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び配列番号101のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含むVHと;配列番号96のアミノ酸配列を含むCDR-L1、配列番号97のアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号98のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含むVLと;又は
(k)配列番号108のアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号109のアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び配列番号110のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含むVHと;配列番号105のアミノ酸配列を含むCDR-L1、配列番号106のアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号107のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含むVLとを含む。
【0024】
特定の実施形態では、CD3結合ドメインは、
(a)配列番号21のアミノ酸配列を含むVHと、配列番号22のアミノ酸配列を含むVLと;
(b)配列番号30のアミノ酸配列を含むVHと、配列番号31のアミノ酸配列を含むVLと;
(c)配列番号39のアミノ酸配列を含むVHと、配列番号40のアミノ酸配列を含むVLと;
(d)配列番号48のアミノ酸配列を含むVHと、配列番号49のアミノ酸配列を含むVLと;
(e)配列番号57のアミノ酸配列を含むVHと、配列番号58のアミノ酸配列を含むVLと;
(f)配列番号66のアミノ酸配列を含むVHと、配列番号67のアミノ酸配列を含むVLと;
(g)配列番号75のアミノ酸配列を含むVHと、配列番号76のアミノ酸配列を含むVLと;
(h)配列番号84のアミノ酸配列を含むVHと、配列番号85のアミノ酸配列を含むVLと;
(i)配列番号93のアミノ酸配列を含むVHと、配列番号94のアミノ酸配列を含むVLと;
(j)配列番号102のアミノ酸配列を含むVHと、配列番号103のアミノ酸配列を含むVLと;又は
(k)配列番号111のアミノ酸配列を含むVHと、配列番号112のアミノ酸配列を含むVLとを含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、CD3結合ドメインのVH及びVLは、リンカーによって連結され、一本鎖Fv(scFv)を形成する。いくつかの実施形態では、リンカーは、配列番号114~122のいずれか1つから選択される配列を含むペプチドリンカーである。いくつかの実施形態では、リンカーは、GSリンカー、例えばGly-Gly-Gly-Gly-Ser(G4S、配列番号115)又はそのポリマー、すなわち(Gly4Ser)xであり、式中、xは、1以上の整数(例えば2又は3)である(例えば、配列番号121、122)。
【0026】
特定の実施形態では、CD3結合ドメインは、配列番号23、32、41、50、59、68、77、86、95、104、及び113のいずれか1つのアミノ酸配列を含む。
【0027】
特定の実施形態では、EGFRvIII結合ドメイン及びCD3結合ドメインは、リンカーによって連結されている。いくつかの実施形態では、リンカーは、配列番号114~122のいずれか1つから選択される配列を含むペプチドリンカーである。いくつかの実施形態では、リンカーは、GSリンカー、例えばGly-Gly-Gly-Gly-Ser(G4S、配列番号115)又はそのポリマー、すなわち(Gly4Ser)xであり、式中、xは、1以上の整数(例えば2又は3)である(例えば、配列番号121、122)。
【0028】
特定の実施形態では、本明細書に記載される抗EGFRvIII薬は、2つのドメインを含む。第1のドメインは、EGFRvIII(好ましくはヒトEGFRvIII)に結合し、(a)(i)配列番号3のアミノ酸配列を含むVH相補性決定領域1(CDR-H1);(ii)配列番号4のアミノ酸配列を含むCDR-H2;及び(iii)配列番号5のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む重鎖可変領域(VH)と;(b)(i)配列番号6のアミノ酸配列を含むVL相補性決定領域1(CDR-L1);(ii)配列番号7のアミノ酸配列を含むCDR-L2;及び(iii)配列番号8のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む軽鎖可変領域(VL)とを含む。第2のドメインは、CD3(好ましくはヒトCD3)に結合し、(a)(i)配列番号99のアミノ酸配列を含むVH相補性決定領域1(CDR-H1);(ii)配列番号100のアミノ酸配列を含むCDR-H2;及び(iii)配列番号101のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む重鎖可変領域(VH)と;(b)(i)配列番号96のアミノ酸配列を含むVL相補性決定領域1(CDR-L1);(ii)配列番号97のアミノ酸配列を含むCDR-L2;及び(iii)配列番号98のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む軽鎖可変領域(VL)とを含む。
【0029】
特定の実施形態では、本明細書に記載される抗EGFRvIII薬は、2つのドメイン:(a)EGFRvIII(好ましくはヒトEGFRvIII)に結合し、配列番号9のアミノ酸配列を含むVHと、配列番号10のアミノ酸配列を含むVLとを含む、第1のドメインと;(b)CD3(好ましくはヒトCD3)に結合し、配列番号102のアミノ酸配列を含むVHと、配列番号103のアミノ酸配列を含むVLとを含む、第2のドメインとを含む。
【0030】
特定の実施形態では、本明細書に記載される抗EGFRvIII薬は、2つのドメイン:(a)EGFRvIII(好ましくはヒトEGFRvIII)に結合し、配列番号11のアミノ酸配列を含む第1のドメインと;(b)CD3(好ましくはヒトCD3)に結合し、配列番号104のアミノ酸配列を含む第2のドメインとを含む。
【0031】
特定の実施形態では、本明細書に記載される抗EGFRvIII薬は、配列番号12のアミノ酸配列を含む。特定の実施形態では、本明細書に記載される抗EGFRvIII薬は、配列番号13のアミノ酸配列を含む。
【0032】
好ましくは、抗EGFRvIII薬は、非経口(例えば、静脈内)投与され、次いで、血液脳関門(BBB)を通過することができる。特定の理論に束縛されることを望むものではないが、CD3に結合することで、本明細書に記載される例示的な抗EGFRvIII薬がBBBを透過するのに寄与するものと考えられている。活性化したTリンパ球は、通常の生理的条件下でBBBを透過する能力があることが知られている。T細胞の表面上のCD3に結合することにより、例示的な抗EGFRvIII薬が末梢の循環T細胞を活性化し、その結果、これらのT細胞によりBBBを通過することができると考えられている。
【0033】
抗EGFRvIII薬を生成する方法は、当業者によく知られている。例えば、「一本鎖Fv」(scFv)では、Fv断片の2つのドメインであるVL及びVHは、別々の遺伝子によってコードされているが、それらを単一のタンパク質鎖として作製することができる(上述されているような)人工リンカーによって組換え法を使用して結合することが可能であり、この場合、VL及びVH領域を対合させて一価分子を形成することは公知である;例えば、Huston et al.(1988)Proc.Natl.Acad.Sci USA 85:5879-5883を参照されたい。これらの抗体断片及び誘導体は、当業者に公知の従来の技術を使用して得られ、断片は、完全長抗体又はIgGと同じ方法で機能について評価される。したがって、一本鎖可変断片(scFv)は、免疫グロブリンの重鎖の可変領域(VH)及び軽鎖の可変領域(VL)の融合タンパク質であり、通常、短いリンカーペプチドで連結されている。リンカーは通常、(前述したように)柔軟性のためにグリシンに富み、同様に溶解性のためにセリン又はスレオニンに富んでいる。このタンパク質は、定常領域を除去し、リンカーを導入したにもかかわらず、元の免疫グロブリンの特異性を保持する。
【0034】
一本鎖抗体由来のポリペプチドの生成について記載されている技法(とりわけ、米国特許第4,946,778号明細書、Kontermann and Duebel(2010),loc.cit.及びLittle(2009),loc.cit.を参照されたい)を適合させ、選択した標的を特異的に認識する抗原結合ポリペプチドを生成することができる。
【0035】
(scFv)構成を有する二価(bivalent)(二価(divalent)とも呼ばれる)又は二重特異性一本鎖可変断片(bi-scFv若しくはdi-scFv)は、2つのscFv分子を(例えば、前述したようなリンカーによって)連結することによって改変することができる。この連結は、2つのVH領域と2つのVL領域とを備える一本鎖ポリペプチドを作製し、タンデムscFvを生成することによって実行することができる(例えば、Kufer P.et al.,(2004)Trends in Biotechnology 22(5):238-244を参照されたい)。
【0036】
4.治療方法
本開示は、対象の新生物疾患を治療するために抗EGFRvIII薬を投与する方法、及び対象の新生物疾患を治療する方法を提供するものである。例示的な実施形態では、方法は、抗EGFRvIII薬を含む組成物(例えば、水溶液)を、投与システムを用いて対象に投与することを含み、組成物(例えば、水溶液)と接触する投与システムの構成要素の1つ以上、又は構成要素の少なくとも一部が、ポリ塩化ビニル(PVC)若しくはPVC可塑剤を実質的に欠き、及び/又は空気を実質的に欠く。例示的な実施形態では、方法は、抗EGFRvIII薬を含む組成物(例えば、水溶液)を、注入ラインを含む注入システムを用いて対象に投与することを含み、注入ラインがPVC製注入ラインでないか、又はPVC若しくはPVC可塑剤を実質的に欠く。任意選択により、注入ラインは、PVC以外の材料から完全に構成されている。或いは、注入ラインの内側が、PVC以外の材料でコーティングされている。例示的な実施形態では、方法は、抗EGFRvIII薬を含む組成物(例えば、水溶液)を、静脈内(IV)バッグを含む投与システム(例えば、注入システム)を用いて対象に投与することを含み、IVバッグの全体積の5%未満が空気であり、IVバッグが抗EGFRvIII薬を含む組成物(例えば、水溶液)を含む。
【0037】
本明細書で使用する場合、「投与システム」という用語は「薬物投与システム」と同義であり、薬物又は治療薬(例えば、抗EGFRvIII薬)を対象(例えば、ヒト対象)に投与するためのデバイス、又は共に使用される一連の構成要素を指す。投与システムは、例示的な態様では、シリンジ、針、ペン、吸入器、点眼器、カテーテル、容器(例えば、静脈内(IV)容器、IVバッグ、バイアル、カートリッジ)などの1つ以上を含む。様々な態様では、投与システムは、注入(例えば、静脈内注入、皮下注入)によって対象に薬物又は治療薬を投与するための注入システムである。様々な態様では、注入システムは、薬物又は治療薬を静脈内投与することを目的とするものである。任意選択により、注入システムは、静脈に挿入された針又はカテーテルを通して容器から対象の血管系に輸液を投与するために使用されるIV投与セットを含む。様々な様態では、IV投与セットは、針、カテーテル、チューブ、流量調整弁、ドリップチャンバー、注入ライン、注入ラインフィルター、IVセット用ストップコック、輸液送達チューブ、セットの部品間のコネクタ、注射部位として機能するキャップ付きサイドチューブ、注入ポンプ、注入ポート、及び/又はチューブを貫通してIVバッグ若しくは他の注入輸液容器に接続する中空スパイクの1つ以上を含む。様々な例では、IV投与セットは、注入ライン及び/又はIVバッグを含む。
【0038】
様々な態様では、水溶液と接触する投与システム(例えば、注入システム)の構成要素の1つ以上、又は構成要素の少なくとも一部は、PVC又はPVC可塑剤を実質的に欠く。PVCは、塩化ビニルモノマーを重合させることによって生成される合成プラスチックポリマーであり、一般的に硬く、非可塑性の材料である。様々な例では、PVCは可塑剤と混合され、より柔軟性及び/又は耐久性のあるものとなる。様々な態様では、PVCは可塑化PVCである。代表的な例では、水溶液と接触する投与システム(例えば、注入システム)の構成要素の1つ以上、又は構成要素の少なくとも一部は、PVC(例えば、可塑化PVC)又はPVC可塑剤(例えば、エステル可塑剤、フタレート可塑剤)を実質的に欠く。様々な態様では、1つ以上の部分は、PVC以外のポリマー、例えば、可塑化PVC以外のポリマーを含む。様々な態様では、水溶液と接触する投与システム(例えば、注入システム)の構成要素の1つ以上、又は構成要素の少なくとも一部は、約5%未満のPVC、例えば、約5%未満の可塑化PVCを含む。任意選択により、水溶液と接触する投与システム(例えば、注入システム)の構成要素の1つ以上、又は構成要素の少なくとも一部は、約4%未満、約3%未満、約2%未満、又は約1%未満のPVC、例えば、可塑化PVCを含む。例示的な態様では、水溶液と接触する投与システム(例えば、注入システム)の構成要素の1つ以上、又は構成要素の少なくとも一部は、約0.9%未満、約0.8%未満、約0.7%未満、約0.6%未満、約0.5%未満、約0.4%未満、約0.3%未満、約0.2%未満、又は約0.1%未満のPVC、例えば、可塑化PVCを含む。
【0039】
様々な態様では、水溶液と接触する投与システム(例えば、注入システム)の構成要素の1つ以上、又は構成要素の少なくとも一部は、ポリオレフィンエラストマー(POE)又はポリウレタン(PUR)又はエチレン酢酸ビニル(EVA)を含む。任意選択により、水溶液と接触する投与システム(例えば、注入システム)の構成要素の1つ以上、又は構成要素の少なくとも一部は、POE、PUR又はEVAから完全に構成されている。或いは、投与システム(例えば、注入システム)の構成要素の1つ以上が可塑化PVCを含み、なお水溶液と接触する部分が、PVC又はPVC可塑剤を実質的に欠く材料でコーティング又はライニングされ、任意選択により、水溶液と接触する1つ以上の部分がPOE、PUR又はEVAでコーティング又はライニングされている。様々な態様では、注入ラインの少なくとも内側がPVC(例えば、可塑化PVC)以外の材料でコーティングされ、任意選択により、注入ラインの少なくとも内側がPOE、PUR又はEVAでコーティング又はライニングされている。様々な態様では、POEは、エチレン-ブテン又はエチレン-オクテンのいずれかのコポリマーである。いくつかの態様では、POEは、エチレン/ポリプロピレンエラストマー(EPM)である。任意選択により、POEはポリ-4-メチル-1-ペンテンである。様々な態様では、POEはENGAGE(商標)POE、INFUSE(商標)POE、AFFINITY(商標)GA POE、又はNORDEL(商標)EPDM POE(Dow Chemical Co.、Midland、MI)である。さらなるPOEは、当該技術分野において公知である。例えば、米国特許出願公開第20180163024号明細書、McKeen,Chapter 9“Polyolefins”,Film Properties of Plastics and Elastomers(4th ed.),Plastics Design Library,William Andrew Applied Science Publishers,pgs.229-272(2017)を参照されたい。代表的な例では、PURは、カルバメート(ウレタン)結合によって結合した有機単位からなる任意のポリマーである。任意選択により、PURはジ-又はトリ-イソシアネート及びポリオールから作製される。様々な態様では、イソシアネートは、芳香族ジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、又はメチレンジフェニルジイソシアネートである。いくつかの例では、イソシアネートは、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、1-イソシアナト-3-イソシアナトメチル-3,5,5-トリメチル-シクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート、IPDI)、及び4,4’-ジイソシアナトジシクロヘキシルメタン(H12MDI又は水素化MDI)である。様々な態様では、ポリオールは、ポリエーテルポリオールである。様々な態様では、EVAは、エチレン及び酢酸ビニルのコポリマーである。様々な態様では、酢酸ビニルの重量%は、約10%~約40%であり、その残りがエチレンである。例示的な態様では、EVAは4%以下の酢酸ビニルを含む。代替態様では、EVAは約4%~約30%の酢酸ビニルを含むが、他の態様では、EVAは60%超の酢酸ビニルを含む。様々な態様では、EVAは、約30%~約60%の酢酸ビニルを含む。例示的な態様では、EVAは、Elvax(商標)EVAコポリマー樹脂(Dow、Midland、MI)、DuPont Vamac(商標)EVA(DuPont、Wilmington、DE)、Pre-Elec(登録商標)CP 1319 EVA(Omnexus、Zurich、Switzerland)、Evazote(登録商標)EVAコポリマーフォーム(Zotefoams Plc、Croydon、UK)、Neolene EH(Zotefoams)、又はAPIZERO(登録商標)又はAPIFIVE(登録商標)EVA化合物(Trinseo、Auburn Hills、MI)である。
【0040】
様々な態様では、水溶液と接触する投与システム(例えば、注入システム)の1つ以上の構成要素、又は構成要素の少なくとも一部は、PVC可塑剤を実質的に欠く。可塑剤とは、材料をより柔らかく、且つより可塑性にするか、又は柔軟にするために添加される物質である。可塑剤は、材料の粘度を下げたり、又は製造時に材料を取り扱う間に生じる摩擦を減少させたりすることができる。可塑剤は、一般に、PVCの柔軟性、可撓性、及び/又は耐久性を向上させるためにPVCに添加される。本明細書で使用する場合、「PVC可塑剤」という用語は、PVCの柔軟性、耐久性、及び/又は可撓性を向上させるためにPVCに添加される可塑剤を指す。特定の理論に束縛されるものではないが、PVC可塑剤は、水溶液の1つ以上の成分、例えばポリソルベート80と化学的に反応し、水溶液中に沈殿物又は粒子を形成させる。様々な態様では、水溶液と接触する投与システム(例えば、注入システム)の1つ以上の構成要素、又は構成要素の少なくとも一部は、約5%未満のPVC可塑剤を含む。任意選択により、水溶液と接触する投与システム(例えば、注入システム)の構成要素の1つ以上、又は構成要素の少なくとも一部は、約4%未満、約3%未満、約2%未満、又は約1%未満のPVC可塑剤を含む。例示的な態様では、水溶液と接触する投与システム(例えば、注入システム)の構成要素の1つ以上、又は構成要素の少なくとも一部は、約0.9%未満、約0.8%未満、約0.7%未満、約0.6%未満、約0.5%未満、約0.4%未満、約0.3%未満、約0.2%未満、又は約0.1%未満のPVC可塑剤を含む。いくつかの例では、水溶液と接触する投与システム(例えば、注入システム)の1つ以上の構成要素、又は構成要素の少なくとも一部は、例えば、ビス(2-エチルヘキシル)フタレート(DEHP)、ビス(2-プロピルヘプチル)フタレート、ジイソノニルフタレート、ジーn-ブチルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジオクチルフタレート、ジイソオクチルフタレート、ジエチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジ-n-ヘキシルフタレートなどのフタレートを実質的に欠く。代替又は追加の態様では、水溶液と接触する投与システム(例えば、注入システム)の1つ以上の構成要素、又は構成要素の少なくとも一部は、トリメリテート、例えば、トリオクチルトリメリテート(TOTM)、トリメチルトリメリテート、トリ-(n-オクチル、n-デシル)トリメリテート、トリ-(ヘプチル、ノニル)トリメリテート、n-オクチルトリメリテートを実質的に欠く。代替又は追加の態様では、水溶液と接触する投与システム(例えば、注入システム)の1つ以上の構成要素、又は構成要素の少なくとも一部は、アジパート、セバケート、又はマレアート、例えば、ビス(2-エチルヘキシル)アジパート、ジメチルアジパート、モノメチルアジパート、ジオクチルアジパート、ジブチルセバケート、ジブチルマレアート、ジイソブチルマレアートを実質的に欠く。
【0041】
例示的な態様では、方法は、抗EGFRvIII薬を含む水溶液を、注入ラインを含む注入システムを用いて対象に投与することを含む。様々な態様では、水溶液と接触する注入ライン又はその部分は、PVC又はPVC可塑剤を実質的に欠き、例えば、約5%未満のPVC又はPVC可塑剤を含む。様々な態様では、注入ラインは、PVC以外のポリマーを含む。代表的な例では、注入ラインは、POE、PUR、及び/又はEVAを含む。様々な態様では、注入ラインは、PVC以外のポリマー、例えば、POE、PUR、EVAから完全に構成されている。或いは、注入ラインは、PVC、例えば可塑化PVCを含み、なお水溶液と接触する注入ラインの一部は、PVC、例えば可塑化PVC以外の材料でコーティングされている。任意選択により、水溶液と接触する1つ以上の部分、例えば、注入ラインの内側表面が、POE又はPUR又はEVAでコーティングされている。任意選択により、投与システムが水溶液を含有するための容器を含み、容器の少なくとも一部がPVCを実質的に欠き、例えば、約5%未満のPVC又はPVC可塑剤を含む。
【0042】
様々な実施形態では、投与システムが水溶液を含有するための容器を含んでおり、容器が水溶液を含む場合、容器の少なくとも一部が空気を実質的に欠く。様々な例では、容器が水溶液を含む場合、容器の体積の約5%未満が空気である。任意選択により、容器が水溶液を含む場合、容器の体積の約4%未満、約3%未満、約2%未満、又は約1%未満が空気である。様々な態様では、IVバッグの少なくとも一部がPVC又はPVC可塑剤を実質的に欠き、任意選択により、水溶液と接触するIVバッグの一部がPVC又はPVC可塑剤を実質的に欠く。いくつかの例では、IVバッグの少なくとも一部が、エチレン酢酸ビニル(EVA)又はポリオレフィンエラストマー(POE)を含む。例えば、IVバッグは、EVA又はPOEから完全に構成されている。
【0043】
例示的な態様では、方法は、抗EGFRvIII薬を含む水溶液を、IVバッグを含む注入システムを用いて対象に投与することを含む。いくつかの態様では、IVバッグが水溶液を含む場合、容器の体積の約5%未満が空気である。任意選択により、IVバッグが水溶液を含む場合、IVバッグの体積の約4%未満、約3%未満、約2%未満、又は約1%未満が空気である。様々な態様では、IVバッグの少なくとも一部がPVC又はPVC可塑剤を実質的に欠き、任意選択により、水溶液と接触するIVバッグの一部がPVC又はPVC可塑剤を実質的に欠く。いくつかの例では、IVバッグの少なくとも一部が、エチレン酢酸ビニル(EVA)又はポリオレフィンエラストマー(POE)を含む。例えば、IVバッグは、EVA又はPOEから完全に構成されている。
【0044】
例示的な実施形態では、水溶液が静脈内(IV)注入、任意選択により持続静脈内注入(cIVi)によって対象に投与される。代表的な例では、抗EGFRvIII薬が、一定流量のcIViとして対象に投与される。いくつかの態様では、水溶液が、約1.5ml/時間~約150mL/時間の注入速度で注入される。様々な例では、水溶液が、約1.5ml/時間~約5mL/時間の注入速度で注入される。
【0045】
注入システムは、様々な態様では、注入ラインフィルター、静脈内(IV)バッグ、注入ポンプ、又はこれらの組み合わせをさらに含む。任意選択により、注入ラインフィルターは、ポリエチルスルホン(PES)フィルターである。様々な例では、注入ポンプは、CADDポンプである。任意選択により、注入ポンプは、プログラム可能、ロック可能、非エラストマー性であり、及び/又はアラームを有する。
【0046】
任意の特定の理論に束縛されるものではないが、本開示の方法により、注入中の抗EGFRvIII薬の粒子化の低減がもたらされ、その結果、薬剤を実質的に減少させることなく十分な量及び/又は有効な量の薬剤が対象にもたらされる。様々な態様で対象に投与される水溶液の品質は、投与後の溶液、すなわち、投与システム、例えば注入システムを通過して回収され、次いでインビトロで分析された抗EGFRvIII薬を含む水溶液の特性によって表される。例示的な態様では、対象に投与される水溶液の1mL当たりのサブビジブル粒子の平均累積カウント数は、約15未満である。1mL当たりのサブビジブル粒子の平均累積カウント数は、HIAC(商標)8011+、又はHIAC(商標)9703+液中パーティクルカウンタ(Beckman Coulter、Indianapolis、IN)などのHIAC(商標)液中パーティクルカウンタを使用することによって測定してもよい。様々な態様では、サブビジブル粒子は、約125μm未満、例えば、約10μm又は約25μmである。任意選択により、対象に投与される水溶液の1mL当たりのサブビジブル粒子の平均累積カウント数は、約10未満(例えば、約9未満、約8未満、約7未満、約6未満、約5未満、約4未満、約3未満、約2未満、約1未満)である。例示的な態様では、投与後の溶液の1mL当たりのサブビジブル粒子の平均累積カウント数は、HIACで測定した場合、15未満、任意選択により約10未満(例えば、約9未満、約8未満、約7未満、約6未満、約5未満、約4未満、約3未満、約2未満、約1未満)である。例示的な態様では、対象に投与される水溶液は、5未満の125μm以上の可視粒子を有する。任意選択により、目視検査時の投与後の溶液は、5未満の125μm以上の可視粒子を有する。様々な実施形態では、対象に投与される水溶液の高分子量(HMW)種の割合は、5%未満である。様々な例では、対象に投与される水溶液の高分子量(HMW)種の割合は、2%未満であり、及び/又は抗EGFRvIII薬の主ピークの割合は、95%超である。任意選択により、投与後の溶液の高分子量(HMW)種の割合は、SE-HPLCで測定した場合に5%未満である。様々な例では、SE-HPLCで測定した場合、投与後の溶液の高分子量(HMW)種の割合が2%未満であるか、及び/又は抗EGFRvIII薬の主ピークの割合が95%超である。例示的な態様では、投与システム(例えば、注入システム)を通過する前の水溶液中の抗EGFRvIII薬の95%超が、対象に投与される。例示的な態様では、投与後の溶液中の抗EGFRvIII薬の回収率が、UV-VIS分光法又はRP-HPLCで測定した場合に95%超である。
【0047】
本開示の方法及びキットに関して、例示的な態様では、抗EGFRvIII薬を含む水溶液は、注入によって対象に投与するのに好適である。様々な態様では、水溶液は無菌であり、且つ等張である。代表的な例では、水溶液は、生理食塩水、任意選択により約0.5%(v/v)~約1.5%(v/v)の生理食塩水を含む。様々な例では、水溶液は、約0.5%(v/v)~約1.4%(v/v)の生理食塩水、約0.5%(v/v)~約1.3%(v/v)の生理食塩水、約0.5%(v/v)~約1.2%(v/v)の生理食塩水、約0.5%(v/v)~約1.1%(v/v)の生理食塩水、約0.5%(v/v)~約1.0%(v/v)の生理食塩水、約0.5%(v/v)~約0.9%(v/v)の生理食塩水、約0.5%(v/v)~約0.8%(v/v)の生理食塩水、約0.5%(v/v)~約0.7%(v/v)の生理食塩水、約0.5%(v/v)~約0.6%(v/v)の生理食塩水、約0.6%(v/v)~約1.5%(v/v)の生理食塩水、約0.7%(v/v)~約1.5%(v/v)の生理食塩水、約0.8%(v/v)~約1.5%(v/v)の生理食塩水、約0.9%(v/v)~約1.5%(v/v)の生理食塩水、約1.0%(v/v)~約1.5%(v/v)の生理食塩水、約1.1%(v/v)~約1.5%(v/v)の生理食塩水、約1.2%(v/v)~約1.5%(v/v)の生理食塩水、約1.3%(v/v)~約1.5%(v/v)の生理食塩水、又は約1.4%(v/v)~約1.5%(v/v)の生理食塩水を含む。
【0048】
例示的な態様では、水溶液は、静脈内溶液安定剤(IVSS)を含む。IVSSは、国際公開第2018/204907号パンフレットに記載されており、参考として本明細書に組み込まれている。様々な態様では、IVSSは、クエン酸一水和物、塩酸リジン、ポリソルベート80、pHを7.0に調整するための水酸化ナトリウム、及び注射用水を含む、無菌で防腐剤を含まない、無色からわずかに黄色の透明溶液である。例示的な態様では、IVSSは、約25mMのクエン酸、約1.25MのL-リジンHCl、約0.1%(w/v)のポリソルベート80を、pH7.0で含む。様々な例では、IVSSは、クエン酸一水和物(52.5mg)、塩酸リジン(2283.8mg)、ポリソルベート80(10mg)、pHを7.0に調整するための水酸化ナトリウム、及び注射用水を含むバイアル中で単回用量として提供される。様々な態様では、水溶液は、約2%(v/v)~約6%(v/v)のIVSS、任意選択により約4%(v/v)のIVSSを含む。例示的な態様では、水溶液は、約2%(v/v)~約5.5%(v/v)のIVSS、約2%(v/v)~約5.0%(v/v)のIVSS、約2%(v/v)~約4.5%(v/v)のIVSS、約2%(v/v)~約4.0%(v/v)のIVSS、約2%(v/v)~約3.5%(v/v)のIVSS、約2%(v/v)~約3.0%(v/v)のIVSS、約2%(v/v)~約2.5%(v/v)のIVSS、約2.5%(v/v)~約6%のIVSS、約3.0%(v/v)~約6%のIVSS、約3.5%(v/v)~約6%のIVSS、約4.0%(v/v)~約6%のIVSS、約4.5%(v/v)~約6%のIVSS、約5.0%(v/v)~約6%のIVSS、又は約5.5%(v/v)~約6%のIVSSを含む。IVSSの使用を容易にするために、ベッドサイドで混合するためのプレフィルドバイアルとして、例えば、プレフィルドバイアル中にバイアル当たり約10mLで提供することができる。臨床使用中に失われる可能性を考慮して、各バイアルの目標充填量をわずかに多くしてもよい(例えば、バイアル当たり約10.6mLの目標充填量)。
【0049】
様々な態様では、抗EGFRvIII薬は、75ng/mL未満、任意選択により50ng/mL未満の濃度で水溶液中に存在する。いくつかの例では、抗EGFRvIII薬は、約75ng/mL~約500ng/mL、任意選択により約200ng/mL~約400ng/mLの濃度で水溶液中に存在する。例示的な態様では、水溶液の最終体積は、約100mL~約300mLの溶液である。代表的な例では、抗EGFRvIII薬は、本明細書に記載されるもののいずれか1つである。特定の実施形態では、本明細書に記載される抗EGFRvIII薬は、配列番号12のアミノ酸配列を含む。特定の実施形態では、本明細書に記載される抗EGFRvIII薬は、配列番号13のアミノ酸配列を含む。
【0050】
様々な例では、抗EGFRvIII薬は、0.5mg/ml~20mg/ml、好ましくは0.5mg/ml~10又は5mg/mlの範囲の濃度で水溶液中に存在し、水溶液は、ベンジルアルコール、クロロブタノール、メタクレゾール、メチルパラベン、フェノキシエタノール、プロピルパラベン及びチメロサールから選択される、微生物の増殖を阻害するために有効な濃度の少なくとも1つの保存剤と、希釈剤とを含む。任意選択により、水溶液は、(a)6.5~7.5のpHで0.5~200g/ml、又は(b)4.0~6.0のpHで0.5~1000g/ml、又は(c)4.0~7.5のpHでCD3結合ドメイン安定剤、好ましくはクエン酸塩の存在下にて0.5mg~2mg、又は(d)4.0~7.5、好ましくは4.0~6.0のpHで0.5mg~20mg、好ましくは0.05mg/ml~10若しくは5mg/mlからなる群から選択される範囲の濃度で存在する抗EGFRvIII薬を含む。様々な例では、保存剤は、0.001~1.0%(w/v)の範囲の濃度で存在する。任意選択により、保存剤は、0.009~0.9%(w/v)、好ましくは0.11~0.9%又は0.5~0.75%(w/v)の範囲の濃度で存在する。様々な態様での希釈剤は、リン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩及び酒石酸塩からなる群から選択される塩を含む緩衝液であり、並びに/又は、緩衝液は、ヒスチジン、グリシン、トリスグリシン、トリス、若しくはこれらの混合物を含む。代表的な例では、希釈剤は、リン酸カリウム、酢酸/酢酸ナトリウム、クエン酸/クエン酸ナトリウム、コハク酸/コハク酸ナトリウム、酒石酸/酒石酸ナトリウム、及びヒスチジン/ヒスチジンHCl又はこれらの混合物からなる群から選択される緩衝液である。任意選択により、希釈剤は、0.1~150mMの範囲、好ましくは0.25~50mMの範囲の濃度で存在する緩衝液である。様々な態様では、希釈剤は、任意選択により0.25~50mMの範囲の濃度でクエン酸塩を含む緩衝液である。いくつかの態様では、組成物のpHは、4.0~8.0の範囲、好ましくはpH4.0~5.0又は6.0~7.5の範囲、好ましくはpH7.0である。例示的な態様では、水溶液は、スクロース、トレハロース、マンニトール、ソルビトール、アルギニン、リジン、ポリソルベート20、ポリソルベート80、ポロキサマー188、プルロニック及びこれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の賦形剤をさらに含む。任意選択により、水溶液は、ポリソルベート、好ましくはポリソルベート80、及び/又はリジンHClを含む。代表的な例では、水溶液は、抗EGFRvIII薬の濃度が少なくとも10、15又は20μg/ml、好ましくは15μg/mlである場合、ポリソルベート、好ましくはポリソルベート80、及び/又はリジンHClを含まない。様々な態様では、水溶液は、6.5~7.5のpHで、少なくとも0.25mMのクエン酸塩、少なくとも0.0125mMのリジン及び/又は少なくとも0.001%のポリソルベート80を含む。様々な態様では、抗EGFRvIII薬が、約15μg/日~約12000μg/日の初期用量で、少なくとも14日間投与される。様々な例では、抗EGFRvIII薬が、約1500μg/日~約6000μg/日の初期用量で、少なくとも14日間投与される。代表的な例では、抗EGFRvIII薬が、約3000μg/日~約6000μg/日の初期用量で、少なくとも14日間投与される。例示的な態様では、抗EGFRvIII薬が、約15μg/日~約12000μg/日の初期用量で、少なくとも28日間投与される。様々な態様では、抗EGFRvIII薬が、約1500μg/日~約6000μg/日の初期用量で、少なくとも28日間投与される。抗EGFRvIII薬が、様々な例では、約3000μg/日~約6000μg/日の初期用量で、少なくとも28日間投与される。代表的な例では、抗EGFRvIII薬が、14日オン/14日オフサイクル、又は28日オン/14日オフサイクルで投与される。抗EGFRvIII薬が、例示的な態様では、3000μg/日~6000μg/日の用量で、14日オン/14日オフサイクル、又は28日オン/14日オフサイクルで対象に投与される。
【0051】
本開示の例示的な実施形態では、対象は、限定されるものではないが、マウス及びハムスターなどのげっ歯目(order Rodentia)の哺乳動物、及びウサギなどの兎形目(order Logomorpha)の哺乳動物、ネコ科(ネコ)及びイヌ科(イヌ)を含む食肉目(order Carnivora)の哺乳動物、ウシ科(ウシ)及びイノシシ科(ブタ)を含む偶蹄目(order Artiodactyla)の哺乳動物、又はウマ科(ウマ)を含む奇蹄目(order Perssodactyla)の哺乳動物を含む哺乳動物である。いくつかの態様では、哺乳動物は、霊長目(order Primates)、セボイド(Ceboid)目若しくはシモイド(Simoid)目(サル)の哺乳動物、又は類人猿科(ヒト及び類人猿)の哺乳動物である。いくつかの態様では、哺乳動物は、ヒトである。様々な態様では、対象は、新生物疾患、例えば本明細書に記載されるもののいずれか1つを有する。「患者」、「対象」又は「哺乳動物」という用語は、本明細書で使用する場合、ヒト、ウシ、ウマ、イヌ及びネコを含む、あらゆる「患者」、「対象」又は「哺乳動物」を指す。本発明の一実施形態では、哺乳動物は、ヒトである。様々な例では、対象は、例えば、18歳以上のヒト成人である。
【0052】
様々な態様では、対象は新生物疾患を有し、本方法により新生物疾患が治療される。本明細書で使用する場合、「新生物疾患」という用語は、腫瘍の成長を引き起こす何らかの状態を指す。例示的な態様では、腫瘍は良性腫瘍である。例示的な態様では、腫瘍は悪性腫瘍である。様々な態様では、新生物疾患はがんである。様々な態様でのがんは、急性リンパ性がん、急性骨髄性白血病、胞巣状横紋筋肉腫、骨がん、脳腫瘍、乳がん、肛門、肛門管若しくは肛門直腸のがん、眼球のがん、肝内胆管、関節のがん、頸部、胆嚢若しくは胸膜のがん、鼻、鼻腔若しくは中耳のがん、口腔がん、外陰部のがん、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性がん、結腸がん、食道がん、子宮頸がん、消化管のカルチノイド腫瘍、ホジキンリンパ腫、下咽頭がん、腎臓がん、喉頭がん、肝臓がん、肺がん、悪性中皮腫、黒色腫、多発性骨髄腫、上咽頭がん、非ホジキンリンパ腫、卵巣がん、膵臓がん、腹膜、網、腸間膜がん、咽頭がん、前立腺がん、直腸がん、腎臓がん(例えば、腎細胞癌腫(RCC))、小腸がん、軟部組織がん、胃がん、精巣がん、甲状腺がん、尿管がん、又は膀胱がんである。特定の態様では、がんは、頭頸部がん、卵巣がん、子宮頸がん、膀胱がん、食道がん、膵臓がん、消化管がん、胃がん、乳がん、子宮内膜がん、結腸直腸がん、肝細胞癌腫、神経膠芽腫、膀胱がん、肺がん、例えば非小細胞肺がん(NSCLC)又は細気管支肺胞癌腫である。特定の実施形態では、腫瘍は、非小細胞肺がん(NSCLC)、頭頸部がん、腎臓がん、トリプルネガティブ乳がん又は胃がんである。例示的な態様では、対象は、腫瘍(例えば、固形腫瘍、血液悪性腫瘍、又はリンパ性悪性腫瘍)を有し、対象の腫瘍を治療するのに有効な量で医薬組成物が対象に投与される。他の例示的な態様では、腫瘍は、非小細胞肺がん(NSCLC)、小細胞肺がん(SCLC)、頭頸部がん、腎臓がん、乳がん、黒色腫、卵巣がん、肝臓がん、膵臓がん、結腸がん、前立腺がん、胃がん、リンパ腫又は白血病であり、対象の腫瘍を治療するのに有効な量で医薬組成物が対象に投与される。
【0053】
「がん」及び「がん性」という用語は、本明細書で使用する場合、典型的には無制御の細胞増殖を特徴とする哺乳動物における生理学的状態を指すか、又はそれについて述べたものである。がんの例としては、癌腫、リンパ腫、肉腫、芽細胞腫、及び白血病が挙げられるが、これらに限定されない。そのようながんのより具体的な例としては、扁平上皮細胞癌腫、肺がん、膵臓がん、子宮頸がん、膀胱がん、肝細胞腫、乳がん、結腸癌腫、及び頭頸部がん、卵巣がん、及び子宮内膜がんが挙げられる。
【0054】
様々な態様では、新生物疾患はがん又は腫瘍である。任意選択により、がん又は腫瘍は、EGFRvIII陽性がん又は腫瘍である。代表的な例では、がんは、非小細胞肺がん(NSCLC)などの扁平上皮細胞腫瘍である。例示的な態様では、がんは、神経膠芽腫又は悪性神経膠腫である。
【0055】
「治療」という用語は、予防的治療及び/又は治療的処置を含む。病態の臨床徴候の前に投与される場合には、治療は、予防的治療と見なされる。治療的処置には、例えば、疾患の重症度の改善若しくは低減、又は疾患期間の短縮が含まれる。「治療する」という用語、同様にその関連語は、必ずしも100%又は完全な治療を意味するものではない。むしろ、潜在的な利益又は治療効果を有するものと当業者に認識される、様々な程度の治療が存在する。この点に関して、本開示の新生物疾患を治療する方法は、任意の量又は任意のレベルの治療を提供することができる。さらに、本開示の方法によって提供される治療は、治療される新生物疾患の1つ以上の状態又は症状又は徴候の治療を含み得る。また、本開示の方法によって提供される治療は、新生物疾患の進行を遅らせることを包含し得る。例えば、本方法により、新生物疾患に対するT細胞活性若しくは免疫応答を亢進すること、腫瘍若しくはがんの成長若しくは腫瘍量を低減すること、腫瘍細胞の転移を低減すること、腫瘍若しくはがん細胞の細胞死を増加させること、又は腫瘍退縮を増加させることなどによって新生物疾患を治療することができる。上記に従い、対象における腫瘍成長若しくは腫瘍量を低減させるか、又は腫瘍退縮を増加させる方法が本明細書に提供される。例示的な実施形態では、本方法は、抗EGFRvIII薬を対象に投与することを含む。「治療する」、「治療すること」及び「治療」という用語は、本明細書で使用する場合、治癒的療法、予防療法及び予防的療法が含まれるが、これらに限定されない療法を指す。予防的治療は、一般的には、個体において障害の発症を全体的に防止するか、又は前臨床的に明らかな段階の障害の発症を遅らせるかのいずれかで構成される。
【0056】
様々な態様では、本方法は、新生物疾患の発症又は再発を少なくとも1日、2日、4日、6日、8日、10日、15日、30日、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、6ヶ月、1年、2年、3年、4年以上遅らせる目的で治療する。様々な態様では、本方法は、対象の生存期間を増大させる目的で治療する。例示的な態様では、本開示の方法は、転移の発生又は発症を遅らせる目的で治療を提供する。様々な例では、本方法は、新たな転移の発生又は発症を遅らせる目的で治療を提供する。したがって、がんを患う対象の転移の発生又は発症を遅らせる方法が本明細書に提供される。例示的な実施形態では、本方法は、抗EGFRvIII薬を対象に投与することを含む。
【0057】
代表的な例では、提供される治療は、臨床治験の観点から説明されるか、又は臨床治験から得られたデータによって裏付けることができ、治験の評価項目は、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)又は米国東海岸がん臨床試験グループ(ECOG)の一般状態の悪化までの時間である。様々な態様では、本開示は、新生物疾患を患う対象のPFS、OS又はECOG一般状態の悪化までの時間を延長させる方法を提供する。本明細書で使用する場合、「無増悪生存期間」又は「PFS」という用語は、治療された患者が、(悪化を測定するのに使用するいかなる指標によっても)がんを悪化させることなく経験する時間を意味する。「全生存期間」という用語は、患者が治療後にどの程度の期間生存したかを意味する。ECOG一般状態は、患者の疾患を評価し(例えば、どのように疾患が進行/退行するか、どのように疾患が患者の日常的生活能力に影響を及ぼすか)、適切な治療及び予後を決定するために医師及び研究者によって用いられるスケールに基づくグレード又はスコアである。ECOG一般状態は、以下の基準に従って決定される。
【0058】
【表1】
【0059】
5.キット及び製造品
本開示は、キットを提供する。例示的な実施形態では、キットは、投与システム及び抗EGFRvIII薬を含み、水溶液と接触する投与システムの構成要素の1つ以上、又はその部分は、PVC若しくはPVC可塑剤を実質的に欠き、及び/又は空気を実質的に欠く。様々な態様では、投与システムは、本明細書に記載されるもののいずれかであり、注入ラインを含む注入システムを含むが、これらに限定されない。様々な態様では、水溶液と接触する投与システム(例えば、注入システム)の構成要素の1つ以上、又はその部分は、PVC又はPVC可塑剤を実質的に欠く。様々な態様では、1つ以上の部分は、PVC、例えば、可塑化PVC以外のポリマーを含む。代表的な例では、1つ以上の部分は、ポリオレフィンエラストマー(POE)又はポリウレタン(PUR)又はエチレン酢酸ビニル(EVA)を含む。任意選択により、1つ以上の部分は、POE、PUR、又はEVAから完全に構成されている。或いは、1つ以上の部分は、PVC、例えば可塑剤を含むPVCを含み、なお水溶液と接触する部分は、PVC以外の材料でコーティングされている。任意選択により、水溶液と接触する1つ以上の部分は、POE又はPUR、又はEVAでコーティングされている。様々な態様では、水溶液と接触する注入ライン又はその部分は、PVC又はPVC可塑剤を実質的に欠く。様々な態様では、注入ラインは、PVC以外のポリマーを含む。代表的な例では、注入ラインは、POE及び/又はPUR及び/又はEVAを含む。様々な態様では、注入ラインは、PVC以外のポリマーから完全に構成されており、例えば、注入ラインは、POE、PUR、又はEVAから完全に構成されている。或いは、注入ラインは、PVCを含み、なお水溶液と接触する注入ラインの一部は、PVC以外の材料でコーティングされ、例えば、POE、PUR、又はEVAでコーティングされている。任意選択により、水溶液と接触する1つ以上の部分、例えば、注入ラインの内側表面が、POE又はPUR又はEVAでコーティングされている。任意選択により、投与システムが水溶液を含有するための容器を含んでおり、容器の少なくとも一部がPVC又はPVC可塑剤を実質的に欠く。
【0060】
様々な実施形態では、投与システムが水溶液を含有するための容器を含んでおり、容器が水溶液を含む場合、容器の少なくとも一部が空気を実質的に欠く。様々な例では、容器が水溶液を含む場合、容器の体積の約5%未満が空気である。任意選択により、容器が水溶液を含む場合、容器の体積の約4%未満、約3%未満、約2%未満、又は約1%未満が空気である。様々な態様では、IVバッグの少なくとも一部がPVC又はPVC可塑剤を実質的に欠き、任意選択により、水溶液と接触するIVバッグの部分がPVC又はPVC可塑剤を実質的に欠く。いくつかの例では、IVバッグの少なくとも一部が、エチレン酢酸ビニル(EVA)又はポリオレフィンエラストマー(POE)を含む。例えば、IVバッグは、EVA又はPOEから完全に構成されている。例示的な態様では、方法は、抗EGFRvIII薬を含む水溶液を、IVバッグを含む注入システムを用いて対象に投与することを含む。いくつかの態様では、IVバッグが水溶液を含む場合、容器の体積の約5%未満が空気である。任意選択により、IVバッグが水溶液を含む場合、IVバッグの体積の約4%未満、約3%未満、約2%未満、又は約1%未満が空気である。様々な態様では、IVバッグの少なくとも一部がPVC又はPVC可塑剤を実質的に欠き、任意選択により、水溶液と接触するIVバッグの部分がPVC又はPVC可塑剤を実質的に欠く。いくつかの例では、IVバッグの少なくとも一部が、エチレン酢酸ビニル(EVA)又はポリオレフィンエラストマー(POE)を含む。例えば、IVバッグは、EVA又はPOEから完全に構成されている。
【0061】
様々な実施形態では、抗EGFRvIII薬を含む例示的な態様の水溶液は、生理食塩水、任意選択により約0.5%~約1.5%(v/v)の生理食塩水を含む。様々な例では、水溶液は、約0.5%~約1.4%(v/v)の生理食塩水、約0.5%~約1.3%(v/v)の生理食塩水、約0.5%~約1.2%(v/v)の生理食塩水、約0.5%~約1.1%(v/v)の生理食塩水、約0.5%~約1.0%(v/v)の生理食塩水、約0.5%~約0.9%(v/v)の生理食塩水、約0.5%~約0.8%(v/v)の生理食塩水、約0.5%~約0.7%(v/v)の生理食塩水、約0.5%~約0.6%(v/v)の生理食塩水、約0.6%~約1.5%(v/v)の生理食塩水、約0.7%~約1.5%(v/v)の生理食塩水、約0.8%~約1.5%(v/v)の生理食塩水、約0.9%~約1.5%(v/v)の生理食塩水、約1.0%~約1.5%(v/v)の生理食塩水、約1.1%~約1.5%(v/v)の生理食塩水、約1.2%~約1.5%(v/v)の生理食塩水、約1.3%~約1.5%(v/v)の生理食塩水、又は約1.4%~約1.5%(v/v)の生理食塩水を含む。任意選択により、水溶液は、約2%(v/v)~約6%(v/v)の静脈内生理食塩溶液(IVSS)、任意選択により約4%(v/v)のIVSSを含む。例示的な態様では、水溶液は、約2%(v/v)~約5.5%(v/v)のIVSS、約2%(v/v)~約5.0%(v/v)のIVSS、約2%(v/v)~約4.5%(v/v)のIVSS、約2%(v/v)~約4.0%(v/v)のIVSS、約2%(v/v)~約3.5%(v/v)のIVSS、約2%(v/v)~約3.0%(v/v)のIVSS、約2%(v/v)~約2.5%(v/v)のIVSS、約2.5%(v/v)~約6%のIVSS、約3.0%(v/v)~約6%のIVSS、約3.5%(v/v)~約6%のIVSS、約4.0%(v/v)~約6%のIVSS、約4.5%(v/v)~約6%のIVSS、約5.0%(v/v)~約6%のIVSS、又は約5.5%(v/v)~約6%のIVSSを含む。様々な態様では、抗EGFRvIII薬は、75ng/mL未満、任意選択により50ng/mL未満の濃度で水溶液中に存在する。いくつかの例では、抗EGFRvIII薬は、約75ng/mL~約500ng/mL、任意選択により約200ng/mL~約400ng/mLの濃度で水溶液中に存在する。例示的な態様では、水溶液の最終体積は、約100mL~約300mLの溶液である。代表的な例では、抗EGFRvIII薬は、本明細書に記載されるもののいずれか1つである。特定の実施形態では、本明細書に記載される抗EGFRvIII薬は、配列番号12のアミノ酸配列を含む。特定の実施形態では、本明細書に記載される抗EGFRvIII薬は、配列番号13のアミノ酸配列を含む。
【0062】
本開示は、製造品を提供する。例示的な実施形態では、製造品は、抗EGFRvIII薬を含む水溶液を含有する容器を含み、容器は、空気を実質的に欠く。様々な例では、容器が水溶液を含む場合、容器の体積の約5%未満が空気である。任意選択により、容器の体積の約4%未満、約3%未満、約2%未満、又は約1%未満が空気である。様々な態様では、容器はIVバッグであり、IVバッグの少なくとも一部はPVC又はPVC可塑剤を実質的に欠く。いくつかの例では、IVバッグの少なくとも一部が、エチレン酢酸ビニル(EVA)又はポリオレフィンエラストマー(POE)を含む。例えば、IVバッグがEVA又はPOEから完全に構成されているか、或いは、IVバッグの内側がEVA又はPOEでライニング又はコーティングされている。代表的な例では、抗EGFRvIII薬を含む例示的な態様の水溶液は、生理食塩水、任意選択により約0.5%~約1.5%(v/v)の生理食塩水を含む。様々な例では、水溶液は、約0.5%~約1.4%(v/v)の生理食塩水、約0.5%~約1.3%(v/v)の生理食塩水、約0.5%~約1.2%(v/v)の生理食塩水、約0.5%~約1.1%(v/v)の生理食塩水、約0.5%~約1.0%(v/v)の生理食塩水、約0.5%~約0.9%(v/v)の生理食塩水、約0.5%~約0.8%(v/v)の生理食塩水、約0.5%~約0.7%(v/v)の生理食塩水、約0.5%~約0.6%(v/v)の生理食塩水、約0.6%~約1.5%(v/v)の生理食塩水、約0.7%~約1.5%(v/v)の生理食塩水、約0.8%~約1.5%(v/v)の生理食塩水、約0.9%~約1.5%(v/v)の生理食塩水、約1.0%~約1.5%(v/v)の生理食塩水、約1.1%~約1.5%(v/v)の生理食塩水、約1.2%~約1.5%(v/v)の生理食塩水、約1.3%~約1.5%(v/v)の生理食塩水、又は約1.4%~約1.5%(v/v)の生理食塩水を含む。任意選択により、水溶液は、約2%(v/v)~約6%(v/v)の静脈内生理食塩溶液(IVSS)、任意選択により約4%(v/v)のIVSSを含む。例示的な態様では、水溶液は、約2%(v/v)~約5.5%(v/v)のIVSS、約2%(v/v)~約5.0%(v/v)のIVSS、約2%(v/v)~約4.5%(v/v)のIVSS、約2%(v/v)~約4.0%(v/v)のIVSS、約2%(v/v)~約3.5%(v/v)のIVSS、約2%(v/v)~約3.0%(v/v)のIVSS、約2%(v/v)~約2.5%(v/v)のIVSS、約2.5%(v/v)~約6%のIVSS、約3.0%(v/v)~約6%のIVSS、約3.5%(v/v)~約6%のIVSS、約4.0%(v/v)~約6%のIVSS、約4.5%(v/v)~約6%のIVSS、約5.0%(v/v)~約6%のIVSS、又は約5.5%(v/v)~約6%のIVSSを含む。様々な態様では、抗EGFRvIII薬は、75ng/mL未満、任意選択により50ng/mL未満の濃度で水溶液中に存在する。いくつかの例では、抗EGFRvIII薬は、約75ng/mL~約500ng/mL、任意選択により約200ng/mL~約400ng/mLの濃度で水溶液中に存在する。例示的な態様では、水溶液の最終体積は、約100mL~約300mLの溶液である。代表的な例では、抗EGFRvIII薬は、本明細書に記載されるもののいずれか1つである。特定の実施形態では、本明細書に記載される抗EGFRvIII薬は、配列番号12のアミノ酸配列を含む。特定の実施形態では、本明細書に記載される抗EGFRvIII薬は、配列番号13のアミノ酸配列を含む。
【0063】
例示的な態様では、本開示のキットは、生理食塩水及び/又はIVSSを含む水溶液で予め充填されたIVバッグと、抗EGFRvIII薬を含む容器とを含む。任意選択により、抗EGFRvIII薬を凍結乾燥する。代替の態様では、容器は、生理食塩水及び/又はIVSSを含む水溶液中に抗EGFRvIII薬を含む。
【0064】
以下の実施例は、本発明を単に例証するために示され、その範囲をいかなる形でも制限するものではない。
【実施例
【0065】
以下の実施例は、IVバッグに保持され、次いで注入ラインを通って送り出されたAMG 596注入溶液の評価を提供するものである。実施例により、AMG 596をポリ塩化ビニル(PVC)製注入ラインを通してポンプで送り出した場合、分子が粒子化してしまい、AMG 596がPVC製注入ラインと適合しないことが明らかとなった。しかしながら、続いてポリエチレン(PE)又はポリウレタン(PUR)のいずれかでライニングした注入ラインをAMG 596との適合性について検証すると、タンパク質の粒子化は観察されなかった。加えて、製品がエチレン酢酸ビニル(EVA)又はポリオレフィンから構成されるIVバッグと接触することによってもたらされる不適合性は観察されなかった。検証されたIVバッグ及び注入ラインのすべての組み合わせでは、可視粒子及びサブビジブル粒子レベルを例外として、評価したすべての品質特性は容認できるレベルであり、適合性を示すものであった。PVCから構成される注入ラインを適合性評価で使用すると、注入前ではなく注入後に採取された溶液は極めて混濁しており、タンパク質の凝集を示す可視粒子を容認できないレベルで含有していた。注入前のIVバッグから直接採取した溶液は透明であったため、PVCから構成される注入ラインを通してポンプで送り出すという行為がタンパク質の凝集及び注入溶液の混濁の原因であることが決定的なものとなった。しかしながら、PVC製注入ラインをPE製又はPUR製注入ラインのいずれかと交換した場合には、可視粒子の発生が観察されず、評価されたすべての他の品質特性で、AMG 596注入溶液がこれらのラインと適合するものであったことが示された。したがって、PVC製ラインは、特にAMG 596を注入するのに適合しないcIViの構成要素として特定された。
【0066】
実施例1
本実施例は、IVバッグ内のAMG596注入溶液の短期間の試験について説明するものである。
【0067】
AMG 596製剤(DP)は、注入溶液にするために、生理食塩水及び静脈内溶液安定剤(IVSS)と共にIVバッグ中で混合される。この溶液は、注入ポンプで注入ラインを通して患者に送り出すことにより、患者に注入することを目的とするものである。AMG 596注入溶液をIVバッグ(250mLのEVA製IVバッグ、MediBag、Beavercreek、OH)に保持し、次いでCADD投与セット(100mL)を使用して注入ラインを通してポンプで送り出すという初期評価を実施した。本試験では、注入溶液は、±4%(v/v)IVSSを含むか又は含まない状態で、生理食塩水、AMG 596(33μg/mL又は330μg/mLのいずれか)を含むものであった。IVバッグの最終体積は100mLであった。バッグを25℃で48時間、60rpmで撹拌した。次いで、HIACによる粒子カウント数、SECによるオリゴマー及び/又は断片の割合の変化、並びにUV-Vis分光法によるタンパク質回収について、IVバッグ内の注入溶液を評価した。
【0068】
図1は、初期評価の結果を示すものである。この図に示されているように、IVバッグ内の注入溶液は、撹拌後に重度に粒子化することを示した。AMG 596の濃度は、24時間時点で初期濃度の67%に低下した。
【0069】
タンパク質の減少と重度の粒子化を考慮し、代替のIVバッグを評価した。本試験では、初期評価に使用したMediBag IVバッグと共に、EVA又はPOEからなる5つの追加のIVバッグを評価した。IVバッグのうち、Exactamix EVA製IVバッグ(250mL、Baxter Healthcare Corp.、Deerfield、IL)、Secure EVA製IVバッグ(50mL、Medisca、Quebec、Canada)、ASI EVA製IVバッグ(100mL、Advanced Scientifics,Inc.、Millersburg、PA)、B Braun Excel POE製IVバッグ(250mL、B.Braun Medical,Inc.、Bethlehem、PA)、及びB Braun PAB(登録商標)POE製IVバッグ(150mL、B.Braun Medical,Inc.、Bethlehem、PA)を評価した。各バッグに、空気を含むか又は含まない状態で、IVSS及び生理食塩水中にAMG 596(33μg/mL又は330μg/mLのいずれか)を含む、全体積が100mLの注入溶液を充填した。バッグを25℃で48時間、60rpmで撹拌した。次いで、HIACによる粒子カウント数、SECによるオリゴマー及び/又は断片の割合の変化、並びにUV-Vis分光法によるタンパク質回収率について、IVバッグ内の注入溶液を評価した。
【0070】
例示的な結果を図2A及び2Bに示す。これらの図に示されるように、空気を含むIVバッグ内の注入溶液は、空気を含まないIVバッグ内の注入溶液と比較して、撹拌後の白濁及び重度の粒子化が一貫して示された。粒子カウント数は、異なるサイズの粒子についてHIACによって測定した。図2Cでは、2μm以上及び5μm以上のサイズの粒子の1mL当たりの粒子カウント数を示しているが、図2Dでは、10μm以上及び25μm以上のサイズの粒子の1mL当たりの粒子カウント数を示している。これらの結果は、ASI IVバッグ(図2C及び2Dの赤い棒)では、他のIVバッグよりも格段に多くの粒子カウント数を有していたことを示している。MediBagは、≧10μmの粒子の数が最も少なく、且つ≧25μmの粒子の数が少なかった。タンパク質回収を測定すると、IVバッグから空気をパージした場合では100%の回収率であった(図2E)。サイズ排除クロマトグラフィーを実施すると、試験したIVバッグのいずれにおいても、25℃で60rpmにて24時間撹拌した後に、空気の有無により二量体のレベルが変化しなかったことが立証された。Exactamix IVバッグの場合、クロマトグラムの小分子の保持時間にさらなる「浸出可能な」ピークが現れた。
【0071】
その後の実験で、溶液セットとカテーテルの間にインラインフィルターを配置し、フィルターがAMG 596を吸着することができるかどうかを判断した。AMG 596(33μg/mL又は330μg/mLのいずれか)を含む注入溶液を、PESフィルターを備えたCADDカセット(100mL)を用いた注入ラインを通してポンプで送り出し、タンパク質回収を測定した。インラインフィルターを使用しても、AMG 596の減少は検出できなかった。
【0072】
これらの結果は、AMG 596注入溶液がエチレン酢酸ビニル(EVA)又はポリオレフィン(POE)から構成されるIVバッグと適合性があることを示唆している。
【0073】
実施例2
本実施例では、実施例1の実験を実施するのに使用される材料及び方法について説明する。
【0074】
材料-以下の材料を使用した:0.2μmの空気除去フィルターを備え、トリオクチルトリメリテート(TOTM)及び<0.2%のDEHPを含有するCADD(登録商標)投与セット(274cm(108インチ)、3.3mL)(Smiths Medical、St.Paul、MN);EVA製IVバッグ、100~300mL、フタレートフリー(例えば、DEHPフリー)(ICU Medical、San Clemente、CA);CADD注入ポンプ;mPolyolefin IVバッグ(150mL)、B Braun、PAB Partial Additiveバッグ、S5904-52;Intravia IVバッグ、500mL(p/n 2J8003);Sapphire primary polyethyleneでライニングされた透明な注入セット(p/n 16422-01);QCore Medical、Sapphire注入ポンプ(ref# 15031-000-0028);生理食塩水:Hospira、NDC:0409-4888-06;フィルター:B Braun、Supor membrane 0.2m空気除去フィルター、p/n 473036。
【0075】
以下の方法を実行した。
【0076】
陽イオン交換(CEX)クロマトグラフィーによる分子の化学修飾
本技法を実行して、AMG 596の純度及びチャージバリアントの分布を測定した。陽イオン交換分析カラムを使用する陽イオン交換クロマトグラフィーによってAMG 596のチャージバリアントを分離し、次いでイオン強度を増大させた移動相勾配を用いてカラムから溶出した。陽性表面電荷がより小さいタンパク質が、陽性表面電荷がより大きいタンパク質よりも早く溶出した。溶出されたチャージバリアントをUV検出により検出して積分し、主ピーク、酸性ピーク、及び塩基性ピークの結果を総ピーク面積の割合として報告した。
【0077】
サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によるオリゴマー化又は断片化
本方法を実行して、AMG 596の純度を測定した。SE-UHPLCは、サイズ排除超高速分析カラムを使用して、タンパク質の流体力学的体積に基づいて、溶液中のタンパク質を分離するものである。高分子量(凝集体ピーク)は、単量体、又はより低い分子量ピークよりも早く溶出した。構成成分を均一濃度で溶出し、UV検出により検出して積分し、高分子量ピーク、主ピーク(単量体)、及びもしあれば低分子量ピークの相対ピーク面積の割合として結果を報告した。
【0078】
溶液のpH
試料のpHを、校正されたpHメーターを用いて測定した。
【0079】
光遮蔽(HIAC)によるサブビジブルの粒子レベル
本手順では、容器当たりの≧10μm及び≧25μmの粒子の数を測定する。本試験を実施して、特定のサイズの範囲内のサブビジブル粒子を計数した。使用した装置は、適切な試料供給デバイスを備えた光遮蔽センサを使用する、電子液体微粒子カウントシステムであった。全体積が5mL以上のプール溶液から4つのアリコート(それぞれ1mL以上)を真空によって脱気し、分析を行った;最初のアリコートのデータを廃棄し、残りの3つの測定値の平均から容器当たりの粒子の数を算出した。≧10μm及び≧25μmの粒子サイズの容器当たりの粒子の数として結果を報告した。加えて、容器毎にサイズが≧2μm及び≧5μmの粒子を観察した。
【0080】
目視検査による可視粒子のレベル
目視検査ブース内で試料を照らす照明を使用して、試料を目視検査した。サイズが≧125μmの粒子の数を記録した。
【0081】
タンパク質回収アッセイ:UV-Vis分光光度法
0.2mg/mLのAMG 596 IVバッグについて、AMG 596試料のタンパク質濃度をUV-可視光分光法を用いて測定した。試料の吸光度を測定し、タンパク質濃度を以下の式を用いて計算した:
[(A280-A350)/2.0](AMG 596の減衰係数は2.0mg-1*cm-1*mLである)。
【0082】
タンパク質回収アッセイ:逆相滴定法
90ng/mLのIVバッグについて、UV-可視光分光法の検出限界未満の濃度を有するAMG596試料のタンパク質濃度を、逆相クロマトグラフィーを使用して測定した。他の不純物からのAMG 596の分離は、C8カラムを使用して達成した。水性溶媒と有機溶媒の混合物を使用して、AMG 596をカラムから溶出した。溶出したAMG 596のピーク面積の測定、並びに標準曲線及び直線回帰分析によってタンパク質濃度を決定し、試料の濃度を算出した。
【0083】
実施例3
本実施例は、IVバッグ内のAMG596注入溶液の長期間の試験について説明するものである。
【0084】
評価は、製品がどのようにクリニックで調製されて患者に投与されるのかを模倣するように設定した。4%(v/v)のIVSS、0.9%(v/v)の生理食塩水、及び0.2mg/mL又は90ng/mLのいずれかのAMG 596製剤(DP)から構成される、最終体積がそれぞれ126mL又は150mLのいずれかの溶液でIVバッグを調製した。次いで、調製したIVバッグの7日間の最大保持時間に対応させるため、IVバッグを2~8℃で10日間保持した。次に、IVバッグを、30℃に制御された温度の震盪器(60rpm)に5日間置いた。この実験の部は、4日間の最大連続投与期間に対応させるため、IVバッグを5日間患者に継続させることをシミュレートするためのものである。最後に、溶液を患者に注入することをシミュレートするため、注入ラインを通してAMG 596注入溶液をポンプで送り出して回収する。
【0085】
注入溶液の試料を以下の時点で採取した:IVバッグ中で混和した後(t0)、2~8℃で10日保持した後、IVバッグから直接得た溶液(注入前)と、注入ラインを通してポンプで送り出した後の溶液(注入後)との両方を30℃で継続的に撹拌してからさらに5日後。t=0で採取した試料は、IVバッグからシリンジで直接得られたものであった。15日間の試料を、インラインフィルターを備えたPVC製注入ラインを含むインラインフィルターを通して、CADDポンプを使用して5mL/時間又は125mL/時間のいずれかで送り出した。対照試料は、任意のタンパク質を含まない状態で、生理食塩水及びIVSSを含むものであった。
【0086】
これらの試料を分析し、AMG 596タンパク質の品質と安定性を判断するための特性について評価した。分析した特性は、陽イオン交換(CEX)クロマトグラフィーによる分子の化学修飾、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によるオリゴマー化又は断片化、溶液のpH、光遮蔽(HIAC)によるサブビジブル粒子のレベル、目視検査による可視粒子のレベル、0.2mg/mLのAMG 596 IVバッグの場合はUV-Vis分光光度法、又は90ng/mLのIVバッグの場合は逆相滴定法によるタンパク質の回収であった。
【0087】
実験の概要を図3Aに、1日目のIVバッグの調製の詳細の概要を図3Bにまとめている。
【0088】
対照試料が水のように透明であり、0.2mg/mLのAMG 256を含むt=0の試料が透明であった一方で、0.2mg/mLのAMG 256を含む試料は、かなりの量の可視粒子を含んでいた。また、90ng/mLのAMG 256を含む15日間の試料は、わずかに混濁していた。
【0089】
単に注入ラインの影響を評価するために上記の実験を繰り返したが、インラインフィルターを含まずに実験を繰り返した。結果を図4A及び4Bに示す。これらの図に示されるように、フィルターを取り外しても粒子化に影響はなく、このことは、注入溶液がPVC製注入ラインと適合していないことを示唆している。
【0090】
注入速度の影響を評価するために、毎時5mL又は毎時125mLのいずれかの注入速度で上記の実験を実施した。結果を図5A及び5Bに示す。これらの図に示されるように、注入速度は粒子化に影響しなかった。
【0091】
これらの結果は、AMG 596をポリ塩化ビニル(PVC)製注入ラインを通してポンプで送り出した場合に分子が粒子化することを裏付けるものであり、AMG 596がPVC製注入ラインと適合しないことが明らかとなった。可視粒子はインラインフィルターの有無にかかわらず存在しており、サブビジブル粒子はインラインフィルターの有無にかかわらず容認できるレベルよりも高かった。IVバッグ、注入ライン、又はインラインフィルターに、タンパク質が著しいレベルで吸着されなかったことに留意されたい。AMG 596の回収率は、Biacore社製逆相クロマトグラフィー、又はUV-可視分光光度法で測定した場合、許容限度の範囲内であった。また、注入システムを通して注入溶液を注入しても、SE-UPLCで測定した場合の可溶性HMW種のレベルの上昇をもたらすことはなかった。
【0092】
実施例4
本実施例は、AMG 256注入溶液と非PVC製注入ライン及びインラインフィルターとの適合性を検証する試験を示すものである。
【0093】
本試験は、ポリウレタン(PUR)でライニングされ、0.2μmのポリエーテルスルホン(PES)製フィルターを備えた注入ラインを用いたという点を除いて、実施例3で実質上説明されているように実施した。
【0094】
回収率及びSE-HPLC結果を、それぞれ表1及び2に示す。
【0095】
【表2】
【0096】
【表3】
【0097】
目視検査の間、可視粒子(125μm以上)は観察されなかった。HIACによるサブビジブル粒子分析を実行すると、非常に少ない粒子カウント数であることが明らかとなった(表3)。
【0098】
【表4】
【0099】
これらの結果は、AMG 596を含む注入溶液のために、注入システムにポリエチレン(PE)又はポリウレタン(PUR)でライニングされた注入ラインを使用しても、タンパク質の粒子化が引き起こされることがないことを示唆している。
【0100】
本明細書に引用される刊行物、特許出願及び特許を含むすべての参考文献は、あたかも各参考文献が参照により組み込まれ、本明細書のその全体が記載されることを個々に且つ具体的に示すかのごとく、同程度に参照により本明細書に組み込まれる。
【0101】
本開示の説明に関する(特に以下の特許請求の範囲に関する)「1つの(a)」及び「1つの(an)」及び「その(the)」という用語並びに類似の指示対象の使用は、本明細書で別段の指示がない限り、又は文脈と明確に矛盾しない限り、単数及び複数の両方を包含するものと解釈されるべきである。「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」及び「含有する(containing)」という用語は、別段の指定がない限り、指定の構成要素を含むが他の要素を排除しない(すなわち、「含むが限定されない(including,but not limited to)」を意味する)、非限定的な用語として解釈されるべきである。
【0102】
本明細書における値の範囲の列挙は、本明細書で別段の指示がない限り、範囲内にあるそれぞれ別々の値及びそれぞれの終点を個々に言及する速記法としての役割を果たすことが単に意図され、本明細書であたかも個々に列挙されるように、それぞれ別々の値及び終点が本明細書に組み込まれる。
【0103】
本明細書に記載される方法はすべて、本明細書で別段の指示がない限り、又は文脈と明確に矛盾しない限り、任意の適切な順序で実施することができる。本明細書で提供されるあらゆる例又は例示的な言語(例えば、「など」)の使用は、本開示を単により明らかにすることを意図するものであり、別途特許請求されない限り、本開示の範囲に限定を課すものではない。本明細書中のいかなる言語も、任意の特許請求されていない要素を、本開示を実施するのに必要不可欠なものとして示すものと解釈されるべきではない。
【0104】
本開示を実施するのに本発明者らに公知の最良の形態を含む、本開示の好ましい実施形態が本明細書に記載されている。それらの好ましい実施形態の変形形態は、上記の記載を読めば当業者にとって明らかになろう。本発明者らは、かかる変形形態を必要に応じて当業者らが用いることを期待するものであり、本発明者らは、本明細書に具体的に記載した以外の別の方法で本開示が実施されることを意図する。したがって、本開示は、適用される法律に許可されるように、本明細書に添付される特許請求の範囲に列挙された主題のすべての修正形態及び均等物を包含する。さらに、上述した要素の任意の組み合わせは、本明細書で別段の指示がない限り、又は文脈と明らかに矛盾しない限り、そのすべての可能な変形形態で本開示に包含される。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
【配列表】
2023541845000001.app
【手続補正書】
【提出日】2023-05-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象のEGFRvIII陽性がん又は腫瘍治療に使用するための注入システムであって、
前記注入システムが、ポリ塩化ビニル(PVC)又はPVC可塑剤を実質的に欠く注入ラインを含み、
前記注入ラインが、抗EGFRvIII薬を含む水溶液を投与するために使用され、
前記抗EGFRvIII薬が、ヒトEGFRvIII及びマカクEGFRvIIIに結合する第1の結合ドメインと、ヒトCD3に結合する第2の結合ドメインとを含む二重特異性抗原結合ポリペプチドである、注入システム
【請求項2】
前記注入ラインが、ポリオレフィンエラストマー(POE)、ポリウレタン(PUR)、又はエチレン酢酸ビニル(EVA)を含む、請求項1に記載の注入システム
【請求項3】
投与後の前記水溶液の1mL当たりのサブビジブル粒子の平均累積カウント数が、液中パーティクルカウンタで測定した場合に15未満である、請求項1に記載の注入システム
【請求項4】
投与後の前記水溶液の1mL当たりのサブビジブル粒子の平均累積カウント数が、液中パーティクルカウンタで測定した場合に10未満、任意選択により1未満である、請求項3に記載の注入システム
【請求項5】
目視検査時に、投与後の前記水溶液が、125μm以上の可視粒子を5未満有する、請求項4に記載の注入システム
【請求項6】
投与後の前記水溶液の高分子量(HMW)種の割合が、SE-HPLCで測定した場合に5%未満である、請求項1に記載の注入システム
【請求項7】
SE-HPLCで測定した場合に、投与後の前記水溶液のHMW種の割合が2%未満であるか、及び/又は前記抗EGFRvIII薬の主ピークの割合が95%超である、請求項1に記載の注入システム
【請求項8】
投与後の前記水溶液中の前記抗EGFRvIII薬の回収率が、UV-VIS分光法又はRP-HPLCで測定した場合に95%超である、請求項1に記載の注入システム
【請求項9】
前記水溶液が、持続静脈内注入(cIVi)によって前記対象に投与される、請求項1に記載の注入システム
【請求項10】
前記抗EGFRvIII薬が、3000μg/日~6000μg/日の用量で、14日オン/14日オフサイクル、又は28日オン/14日オフサイクルで前記対象に投与される、請求項1に記載の注入システム
【請求項11】
前記注入システムが、静脈内(IV)バッグ、注入ポンプ、注入ラインフィルター、又はこれらの組み合わせをさらに含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の注入システム
【請求項12】
前記注入ラインフィルターが、ポリエチルスルホン(PES)フィルターである、請求項11に記載の注入システム
【請求項13】
前記IVバッグが、エチレン酢酸ビニル(EVA)又はポリオレフィンエラストマー(POE)を含む、請求項11に記載の注入システム
【請求項14】
前記IVバッグが、前記抗EGFRvIII薬を含む前記水溶液及び空気を含み、前記IVバッグの全体積の5%未満が空気である、請求項11に記載の注入システム
【請求項15】
前記注入ポンプがCADDポンプである、請求項11に記載の注入システム
【請求項16】
前記注入ポンプが、プログラム可能、ロック可能、非エラストマー性であり、及び/又はアラームを有する、請求項11に記載の注入システム
【請求項17】
前記水溶液が、約1.5ml/時間~約150mL/時間、任意選択により毎時5mL又は125mL/時間の注入速度で注入される、請求項1に記載の注入システム
【請求項18】
前記がんが、神経膠芽腫又は悪性神経膠腫である、請求項1に記載の注入システム
【請求項19】
前記水溶液が、生理食塩水、任意選択により約0.5%~約1.5%(v/v)の生理食塩水を含む、請求項1に記載の注入システム
【請求項20】
前記水溶液が、約2%(v/v)~約6%(v/v)の静脈内生理食塩溶液(IVSS)、任意選択により約4%(v/v)のIVSSを含む、請求項1に記載の注入システム
【請求項21】
前記抗EGFRvIII薬が、75ng/mL未満、任意選択により50ng/mL未満の濃度で前記水溶液中に存在する、請求項1に記載の注入システム
【請求項22】
前記抗EGFRvIII薬が、約75ng/mL~約500ng/mL、任意選択により約200ng/mL~約400ng/mLの濃度で前記溶液中に存在する、請求項21に記載の注入システム
【請求項23】
前記水溶液の最終体積が、約100mL~約300mLの溶液である、請求項1に記載の注入システム
【請求項24】
前記EGFRvIII結合ドメインが、(a)(i)配列番号3のアミノ酸配列を含むVH相補性決定領域1(CDR-H1);(ii)配列番号4のアミノ酸配列を含むCDR-H2;及び(iii)配列番号5のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む重鎖可変領域(VH)と;(b)(i)配列番号6のアミノ酸配列を含むVL相補性決定領域1(CDR-L1);(ii)配列番号7のアミノ酸配列を含むCDR-L2;及び(iii)配列番号8のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む軽鎖可変領域(VL)とを含み、
前記CD3結合ドメインが、(a)(i)配列番号99のアミノ酸配列を含むVH相補性決定領域1(CDR-H1);(ii)配列番号100のアミノ酸配列を含むCDR-H2;及び(iii)配列番号101のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む重鎖可変領域(VH)と;(b)(i)配列番号96のアミノ酸配列を含むVL相補性決定領域1(CDR-L1);(ii)配列番号97のアミノ酸配列を含むCDR-L2;及び(iii)配列番号98のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む軽鎖可変領域(VL)とを含む、請求項1に記載の注入システム
【請求項25】
前記EGFRvIII結合ドメインが、配列番号9のアミノ酸配列を含むVHと、配列番号10のアミノ酸配列を含むVLとを含み、前記CD3結合ドメインが、配列番号102のアミノ酸配列を含むVHと、配列番号103のアミノ酸配列を含むVLとを含む、請求項1に記載の注入システム
【請求項26】
前記EGFRvIII結合ドメインが、配列番号11のアミノ酸配列を含み、前記CD3結合ドメインが、配列番号104のアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の注入システム
【請求項27】
前記抗EGFRvIII薬が、配列番号12のアミノ酸配列又は配列番号13のアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の注入システム
【請求項28】
前記抗EGFRvIII薬が、配列番号13のアミノ酸配列を含む、請求項27に記載の注入システム
【請求項29】
投与システム及び抗EGFRvIII薬を含むキットであって、水溶液と接触する前記投与システムの構成要素の1つ以上、又はその部分が、ポリ塩化ビニル(PVC)若しくはPVC可塑剤を実質的に欠き、及び/又は空気を実質的に欠くキット。
【請求項30】
前記投与システムが、注入ラインを含む注入システムであり、前記注入ラインの少なくとも一部が、PVC又はPVC可塑剤を実質的に欠く、請求項29に記載のキット。
【請求項31】
IVSS及び生理食塩水を含む水溶液を含むIVバッグと、抗EGFRvIII薬を含む容器とを含むキットであって、前記水溶液と接触する前記IVバッグの少なくとも一部が、ポリ塩化ビニル(PVC)又はPVC可塑剤を実質的に欠くキット。
【国際調査報告】