(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-04
(54)【発明の名称】自動化されたグリッドベースの保管および回収システム内でガスを循環させるシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
B65G 1/04 20060101AFI20230927BHJP
F24F 7/06 20060101ALI20230927BHJP
A62C 3/00 20060101ALI20230927BHJP
【FI】
B65G1/04 555Z
F24F7/06 N
A62C3/00 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023515754
(86)(22)【出願日】2021-09-01
(85)【翻訳文提出日】2023-04-13
(86)【国際出願番号】 EP2021074158
(87)【国際公開番号】W WO2022053372
(87)【国際公開日】2022-03-17
(32)【優先日】2020-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】315015988
【氏名又は名称】オートストアー テクノロジー アーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】フィエルドハイム, イヴァル
(72)【発明者】
【氏名】アウストルハイム, トロンド
【テーマコード(参考)】
3F022
3L058
【Fターム(参考)】
3F022EE05
3F022EE09
3F022FF00
3F022JJ11
3F022MM01
3L058BE02
3L058BF08
(57)【要約】
本発明は、自動化されたグリッドベースの保管および回収システムならびにその中でガスを循環させる方法に関する。システムは、直立部材(102)と、直立部材(102)の上側端部に提供されている水平レール(110)のグリッドとを備える骨格構造(100)であって、骨格構造は、直立部材(102)間の水平レール(110)の下方にグリッドパターンにおいて配列されている複数のカラム(105)を備える保管体積を画定する、骨格構造(100)と、複数の保管カラム(105)を提供するように、カラムにおけるスタック(107)内で鉛直にスタックされる複数の保管コンテナ(106)と、保管コンテナのスタックの真下に延在するスタック下空隙(402)と、保管コンテナのスタック間のスタック下空隙(402)への複数の入口(403)と、保管コンテナを有しない、保管カラムの間に配列されている少なくとも1つのカラムとを備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動化されたグリッドベースの保管および回収システム(1)であって、
- 直立部材(102)と、前記直立部材(102)の上側端部に提供されている水平レール(110)のグリッドとを備える骨格構造(100)であって、前記骨格構造は、前記直立部材(102)間の前記水平レール(110)の下方にグリッドパターンにおいて配列されている複数のカラム(105)を備える保管体積を画定する、骨格構造(100)と、
- 複数の保管カラム(105)を提供するように、前記カラムにおけるスタック(107)内で鉛直にスタックされる複数の保管コンテナ(106)と、
- 前記保管コンテナのスタックの真下に延在するスタック下空隙(402)と、
- 前記保管コンテナのスタック間の前記スタック下空隙(402)への複数の入口(403)と、
- 換気カラム(404)を提供するための、保管コンテナを有しない、前記保管カラムの間に配列されている少なくとも1つのカラムであって、前記換気カラム(404)は、ファン(405)を備え、前記換気カラムを囲繞する複数のダクト壁(410)が、前記水平レール(110)に隣接する第1の端部(407)と、前記スタック下空隙(402)に隣接する第2の端部(408)とを有するダクト(406)を画定し、前記ファン(405)は、前記スタック(107)の側面に沿って、前記複数の入口(403)、前記スタック下空隙(402)を介して、および前記ダクト(406)を通してガスを循環させるように配列されている、少なくとも1つのカラムと
を備えるシステム。
【請求項2】
前記複数の入口(403)の各々の総面積は、前記換気カラム(404)からの前記入口(403)の水平距離に伴って増加する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記システムは、前記複数の入口(403)の各々に配列されているノズルプレート(600)をさらに備え、前記ノズルプレート(600)は、複数の孔(601、602)を備え、前記複数の孔(601、602)の総面積は、前記換気カラム(404)からの前記ノズルプレート(600)の距離に伴って増加する、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記システムは、各保管カラム(105)の底部に配列されている複数の持ち上げ式床パネル(401)をさらに備え、前記持ち上げ式床パネル(401)は、前記スタック下空隙(402)を提供する、請求項1~3のいずれかに記載のシステム。
【請求項5】
前記スタック下空隙(402)への前記複数の入口(403)は、近接する持ち上げ式床パネル(401)間の間隙によって画定される、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記持ち上げ式床パネル(401、401a、401b)の各々は、前記保管コンテナのスタック(107)を支持するための支持プレート(900)と、前記支持プレート(900)を持ち上げるように適合されている複数の足(901)とを備える、請求項4~5のいずれかに記載のシステム。
【請求項7】
前記支持プレート(900)は、金属から作製されており、前記複数の足(901)は、プラスチックから作製されている、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記持ち上げ式床パネル(401b)は、板金プレートから作製されており、前記板金プレートの中央部分(903)は、前記支持プレート(900)を成し、前記中央部分(903)に対して直角に配列されている前記板金プレートの複数の外側部分(904)は、前記複数の足(901)を成す、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記板金の前記複数の外側部分(904)は、開口部(905)を具備する、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記ダクト(406)は、前記ダクト(406)を通して流動する前記ガス(409)の少なくとも1の質を測定するように配列されている少なくとも1つのセンサ(411、1101)を具備する、請求項1~9のいずれかに記載のシステム。
【請求項11】
前記保管カラム(105)の上方から、前記スタック(107)の前記側面に沿って、前記複数の入口(403)、前記スタック下空隙(402)を介して、および前記ダクト(406)に至るまで循環させられるべき前記ガスを冷却するように適合されている、前記骨格構造(100)の上方に配列されている少なくとも1つの冷却デバイス(1000)をさらに備える、請求項1~10のいずれかに記載のシステム。
【請求項12】
前記保管カラム(105)内の火災を鎮圧するために、前記保管カラム(105)の上方から、前記スタック(107)の側面に沿って、前記複数の入口(403)、前記スタック下空隙(402)を介して、および前記ダクト(406)に至るまで循環させられるべき火災鎮圧ガス(1102)を放出するように適合されている、前記骨格構造(100)の上方に配列されている少なくとも1つのガス状火災鎮圧デバイス(1100)をさらに備える、請求項1~10のいずれかに記載のシステム。
【請求項13】
前記火災鎮圧ガス(1102)を放出するときに前記ファン(405)の速さを増加させるようにさらに適合されている、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記ファン(405)は、前記直立部材(102)の上側端部に隣接する前記ダクト(406)の前記第1の端部(407)に配置されている、請求項1~13のいずれかに記載のシステム。
【請求項15】
自動化されたグリッドベースの保管および回収システム(1)内でガスを循環させる方法であって、前記システムは、
- 直立部材(102)と、前記直立部材(102)の上側端部に提供されている水平レール(110)のグリッドとを備える骨格構造(100)であって、前記骨格構造は、前記直立部材(102)間の前記水平レール(110)の下方にグリッドパターンにおいて配列されている複数のカラム(105)を備える保管体積を画定する、骨格構造(100)と、
- 複数の保管カラム(105)を提供するように、前記カラムにおけるスタック(107)内で鉛直にスタックされる複数の保管コンテナ(106)と、
- 前記保管コンテナのスタックの真下に延在するスタック下空隙(402)と、
- 前記保管コンテナのスタック間の前記スタック下空隙(402)への複数の入口(403)と、
- 換気カラム(404)を提供するための、保管コンテナを有しない、前記保管カラムの間に配列されている少なくとも1つのカラムであって、前記換気カラム(404)は、ファン(405)を備え、前記換気カラムを囲繞する複数のダクト壁(410)が、前記水平レール(110)に隣接する第1の端部(407)と、前記スタック下空隙(402)に隣接する第2の端部(408)とを有するダクト(406)を画定する、少なくとも1つのカラムと
を備え、前記方法は、前記ファンを使用して前記スタック(107)の側面に沿って、前記複数の入口(403)、前記スタック下空隙(402)を介して、および前記ダクト(406)を通してガスを循環させることを含む、方法。
【請求項16】
ガスを循環させるための前記ステップは、前記ファン(405)を使用して前記スタック下空隙(402)からガスを吸引することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記方法は、前記保管コンテナ(106)を冷却するために、前記骨格構造(100)の上方に少なくとも1つの冷却デバイス(1000)を提供し、前記保管カラム(105)の上方で、循環させられるべき前記ガスを冷却することをさらに含む、請求項15または請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記方法は、前記保管カラム(105)内の火災を鎮圧するために、前記骨格構造(100)の上方に少なくとも1つのガス状火災鎮圧デバイス(1100)を提供し、前記保管カラム(105)の上方から、循環させられるべき火災鎮圧ガス(1102)を放出することをさらに含む、請求項15または請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記方法は、前記火災鎮圧ガス(1102)を放出するときに前記ファン(405)の速さを増加させることをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記方法は、前記ダクト(406)内に提供された少なくとも1つのセンサ(1101)を使用して前記保管カラム(105)内の火災を検出することに応じて前記火災鎮圧(1102)ガスを放出することをさらに含み、前記少なくとも1つのセンサ(1101)は、前記ダクト(406)を通して流動する前記ガス(409)の少なくとも1の質を測定するように配列されている、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテナの保管および回収のための自動保管および回収システムに関し、具体的には、自動保管および回収システムを換気するシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(背景および従来技術)
図1は、骨格構造100を伴う典型的な従来技術の自動保管および回収システム1を開示しており、
図2および
図3は、そのようなシステム1上で動作することに対して好適な2つの異なる従来技術コンテナ取扱車両201、301を開示している。
【0003】
骨格構造100は、直立部材102と、水平部材103と、直立部材102および水平部材103の間に並べて配列されている保管カラム105を備える保管体積とを備える。これらの保管カラム105において、容器としても公知である保管コンテナ106が、相互の上にスタックされ、スタック107を形成する。部材102、103は、典型的には、金属、例えば、押出アルミニウムプロファイルから作製され得る。
【0004】
自動保管および回収システム1の骨格構造100は、骨格構造100の上部を横切って配列されているレールシステム108を備え、複数のコンテナ取扱車両201、301が、レールシステム108上で保管コンテナ106を保管カラム105から持ち上げ、保管コンテナ106をその中に降下させるように動作させられ、保管コンテナ106を保管カラム105の上方に輸送するようにも動作させられる。レールシステム108は、フレーム構造物100の上部を横切る第1の方向Xにおいてコンテナ取扱車両201、301の移動を誘導するように配列されている平行レールの第1のセット110と、第1の方向Xに対して直角である第2の方向Yにおいてコンテナ取扱車両201、301の移動を誘導するための、レールの第1のセット110に対して直角に配列されている平行レールの第2のセット111とを備える。カラム105内に保管されたコンテナ106は、レールシステム108内のアクセス開口部112を通して、コンテナ取扱車両によってアクセスされる。コンテナ取扱車両201、301は、保管カラム105の上方で側方に移動することができ、すなわち、水平なX-Y平面に対して平行である平面内を移動することができる。
【0005】
骨格構造100の直立部材102は、カラム105から外へのコンテナの持ち上げおよびその中へのコンテナの降下中に保管コンテナを誘導するために使用され得る。コンテナ106のスタック107は、典型的には、自立型である。
【0006】
各々の従来技術のコンテナ取扱車両201、301は、車体201a、301aと、X方向およびY方向におけるコンテナ取扱車両201、301の側方移動をそれぞれ可能にする車輪の第1および第2のセット201b、301b、201c、301cとを備える。
図2および
図3において、各セット内の2つの車輪は、完全に見えている。車輪の第1のセット201b、301bは、レールの第1のセット110の2つの隣接するレールと係合するように配列され、車輪の第2のセット201c、301cは、レールの第2のセット111の2つの隣接するレールと係合するように配列されている。車輪の第1のセット201b、301bおよび/または車輪の第2のセット201c、301cがどの時点においてもレールのそれぞれのセット110、111と係合され得るように、車輪のセット201b、301b、201c、301cのうちの少なくとも1つは、上昇および降下させられることができる。
【0007】
各々の従来技術のコンテナ取扱車両201、301は、保管コンテナ106の鉛直輸送のための(例えば、保管コンテナ106を保管カラム105から持ち上げ、保管コンテナ106を保管カラム105の中に降下させるための)昇降デバイス(図示せず)も備える。昇降デバイスは、保管コンテナ106に係合するように適合されている1つまたはそれより多くの把持/係合デバイスを備え、把持/係合デバイスは、車両201、301に対する把持/係合デバイスの位置が、第1の方向Xおよび第2の方向Yに直交する第3の方向Zにおいて調節され得るように、車両201、301から降下させられ得る。コンテナ取扱車両301の把持デバイスの一部が、
図3に示され、参照番号304で示されている。コンテナ取扱デバイス201の把持デバイスは、
図2の車体301a内に位置している。
【0008】
従前のように、および、本願の目的に関して、Z=1は、保管コンテナの最上層、すなわち、レールシステム108の直下にある層を識別し、Z=2は、レールシステム108の下方の第2の層を識別し、Z=3は、第3の層を識別し、他も同様である。
図1に開示されている例示的従来技術では、Z=8は、保管コンテナの最下底部層を識別している。同様に、X=1...nおよびY=1...nは、水平面における各保管カラム105の位置を識別している。その結果、実施例として、および、
図1に示されているデカルト座標系X、Y、Zを使用すると、
図1において106’として識別されている保管コンテナは、保管位置X=10、Y=2、Z=3を占有していると言われることができ、コンテナ取扱車両201、301は、層Z=0において進行すると言われることができ、各保管カラム105は、そのXおよびY座標によって識別されることができる。
【0009】
骨格構造100の保管体積は、多くの場合、グリッド104と称され、このグリッド内の可能性として考えられる保管位置は、保管セルと称される。各保管カラムはXおよびY方向における位置によって識別され得る一方、各保管セルは、X、Y、およびZ方向におけるコンテナ番号によって識別され得る。
【0010】
各々の従来技術のコンテナ取扱車両201、301は、レールシステム108を横切って保管コンテナ106を輸送するときに保管コンテナ106を受け取り、収容するための保管コンパートメントまたは空間を備える。保管空間は、
図2に示されているように、および、例えば、第WO2015/193278A1号(特許文献1)(その内容は、参照によって本明細書に援用される)に説明されているように、車体201a内の中心に配列されている空洞を備え得る。
【0011】
図3は、カンチレバー構造物を伴うコンテナ取扱車両301の代替構成を示している。そのような車両は、例えば、第NO317366号(その内容も、参照によって本明細書に援用される)に詳細に説明されている。
【0012】
図2に示されている中心空洞コンテナ取扱車両201は、例えば、第WO2015/193278A1号(その内容は、参照によって本明細書に援用される)に説明されているように、概して保管カラム105の側方範囲に等しいXおよびY方向における寸法を伴うエリアを被覆するフットプリントを有し得る。本明細書で使用される用語「側方」は、「水平」を意味し得る。
【0013】
代替として、中心空洞コンテナ取扱車両101は、例えば、第WO2014/090684A1号(特許文献2)に開示されているように、保管カラム105によって画定された側方面積より大きいフットプリントを有し得る。
【0014】
レールシステム108は、典型的には、車両の車輪が走行する溝を伴うレールを備える。代替として、レールは、上向きに突出している要素を備え得、その場合、車両の車輪は、脱線を防止するためのフランジを備える。これらの溝および上向きに突出している要素は、集合的にトラックとして公知である。各レールは、1つのトラックを備え得、または、各レールは、2つの平行なトラックを備え得る。
【0015】
第WO2018/146304号(特許文献3)(その内容は、参照によって本明細書に援用される)は、X方向およびY方向の両方におけるレールおよび平行トラックを備えるレールシステム108の典型的構成を例示している。
【0016】
骨格構造100では、カラム105の大部分は、保管カラム105であり、すなわち、保管コンテナ106がスタック107で保管されるカラム105である。しかしながら、いくつかのカラム105は、他の目的を有し得る。
図1では、カラム119および120は、保管コンテナ106がアクセスステーション(図示せず)に輸送され得るようにそれらを積み降ろし、および/または積み込むためにコンテナ取扱車両201、301によって使用されるそのような特殊目的カラムであり、アクセスステーションでは、保管コンテナ106は、骨格構造100の外側からアクセスされ得、または骨格構造100の内外へと移送され得る。当技術分野において、そのような場所は、通常、「ポート」と称され、ポートが位置しているカラムは、「ポートカラム」119、120と称され得る。アクセスステーションへの輸送は、水平、斜め、および/または鉛直のいずれの方向であり得る。例えば、保管コンテナ106は、骨格構造100内のランダムまたは専用カラム105内に設置され、次いで、任意のコンテナ取扱車両によって積み込まれ、アクセスステーションへのさらなる輸送のためにポートカラム119、120に輸送され得る。用語「斜め」は、水平と鉛直との間のどこかに一般的な輸送の向きを有する保管コンテナ106の輸送を意味することに留意されたい。
【0017】
図1では、第1のポートカラム119は、例えば、コンテナ取扱車両201、301が、アクセスまたは移送ステーションに輸送されるべき保管コンテナ106を積み降ろし得る専用の積降ポートカラムであり得、第2のポートカラム120は、コンテナ取扱車両201、301が、アクセスまたは移送ステーションから輸送されている保管コンテナ106を積み込み得る専用の積込ポートカラムであり得る。
【0018】
アクセスステーションは、典型的には、製品アイテムが保管コンテナ106から除去されるか、またはその中に配置されるピッキングまたはストックステーションであり得る。ピッキングまたはストックステーションでは、保管コンテナ106は、通常、自動保管および回収システム1から除去されないが、アクセスされると再び骨格構造100の中へと戻される。保管コンテナを別の保管設備(例えば、別の骨格構造、もしくは別の自動保管および回収システム)に移送すること、輸送車両(例えば、列車もしくは大型貨物自動車)に移送すること、または生産設備へと移送することを行うために、ポートも、使用されることができる。
【0019】
ポートカラム119、120とアクセスステーションとの間で保管コンテナを輸送するために、通常、コンベヤを備えるコンベヤシステムが、採用される。
【0020】
ポートカラム119、120およびアクセスステーションが異なる階層に位置している場合、コンベヤシステムは、保管コンテナ106をポートカラム119、120とアクセスステーションとの間で鉛直に輸送するための鉛直コンポーネントを伴う昇降デバイスを備え得る。
【0021】
コンベヤシステムは、例えば、第WO2014/075937A1号(特許文献4)(その内容は、参照によって本明細書に援用される)に説明されているように、異なる骨格構造間で保管コンテナ106を移送するように配列され得る。
【0022】
図1に開示されているカラム105のうちの1つの中に保管されている保管コンテナ106がアクセスされるべきであるとき、コンテナ取扱車両201、301のうちの1つは、標的保管コンテナ106をその位置から回収し、それを積降ポートカラム119に輸送するように命令される。この動作は、その中に標的保管コンテナ106が配置されている保管カラム105の上方の場所にコンテナ取扱車両201、301を移動させ、コンテナ取扱車両201、301の昇降デバイス(図示せず)を使用して保管コンテナ106を保管カラム105から回収し、保管コンテナ106を積降ポートカラム119に輸送することを伴う。標的保管コンテナ106がスタック107内の深くに位置しており、1つまたは複数の他の保管コンテナ106が標的保管コンテナ106の上方に配置されている場合、動作は、標的保管コンテナ106を保管カラム105から上昇させることに先立って、上方に配置されている保管コンテナを一時的に移動させることも伴う。時として当技術分野において「掘出」と称されるこのステップは、続いて、標的保管コンテナを積降ポートカラム119に輸送するために使用される同一のコンテナ取扱車両を用いて実施され得、または、1つもしくは複数の他の協働するコンテナ取扱車両を用いて実施され得る。代替として、または加えて、自動保管および回収システム1は、保管コンテナ106を保管カラム105から一時的に除去するタスクに特に専用のコンテナ取扱車両201、301を有し得る。標的保管コンテナ106が保管カラム105から除去されると、一時的に除去された保管コンテナ106は、元の保管カラム105の中に再び配置されることができる。しかしながら、除去された保管コンテナ106は、代替として、他の保管カラム105に再配置され得る。
【0023】
保管コンテナ106がカラム105のうちの1つの中に保管されるべきであるとき、コンテナ取扱車両201、301のうちの1つは、保管コンテナ106を積込ポートカラム120から積み込み、それが保管されるべき保管カラム105の上方の場所にそれを輸送するように命令される。スタック107内の標的位置またはその上方に配置されている任意の保管コンテナ106が除去された後、コンテナ取扱車両201、301は、保管コンテナ106を所望の位置に配置する。除去された保管コンテナ106は、次いで、保管カラム105の中へと戻るように降下させられ得、または他の保管カラム105に再配置され得る。
【0024】
自動保管および回収システム1を監視および制御するために(例えば、コンテナ取扱車両201、301が相互に衝突することなく所望の保管コンテナ106が所望の時間に所望の場所に送達され得るように、骨格構造100内のそれぞれの保管コンテナ106の場所、各保管コンテナ106の内容物、およびコンテナ取扱車両201、301の移動を監視および制御するために)、自動保管および回収システム1は、典型的には、制御システム500を備え、これは、コンピュータ化されており、典型的には、保管コンテナ106を追跡するためのデータベースを備える。
【0025】
上記のシステム1のうちのいくつかは、ある環境を要求する製品アイテムを保管するために使用され得る。例えば、いくつかのタイプの食品は、低温環境(典型的には、1℃~6℃の温度)を要求し、いくつかのタイプの食品は、さらにより低い温度環境(典型的には、-15℃より低い温度)を要求する。生きている植物がシステム内で保管されている場合、所望のガス混合物(酸素、窒素、および二酸化炭素のある混合物)が、要求され得る。そのような植物および他の製品アイテムは、ある空気湿度(湿った空気または乾燥した空気)も要求し得る。油/ガス含有製品、花火等の引火性製品アイテムは、有利には、酸素のない環境内で保管され得る。ここでは、窒素等のガスを保管システム内のコンテナの中に分散させることが、所望され得る。そのような保管および回収システムの中への火災鎮圧ガスの分散は、火災を消火することに関しても妥当であり得る。
【0026】
そのような保管システムが位置している建物において、換気システムが、典型的には、所望の環境を提供するために使用される。しかしながら、そのような保管システムの目的は、コンテナを相互に隣接してスタックで保管することであるため、保管システム内に保管されている全ての製品アイテムのために同一の環境を提供することは、課題である。具体的には、システムが保管コンテナを完全に充填されると、システムを通る空気流は、難題である。保管コンテナの側面に沿ったガスの移動が存在しない場合、保管コンテナは、隔絶される。これは、例えば、緩慢な冷却プロセスにつながり得る、
【0027】
第WO2016/193419号(特許文献5)において、コンテナがグリッド内での保管中に冷却される保管システムが、開示されている。冷却システムは、空気を冷却するための急冷機と、空気がスタックを通して循環させられ、それらの温度を加減するように、システムを通して、保管コンテナのスタックの下の空き空間の中に空気を引き込むことによって、冷却された空気を保管システムを通して循環させるファンとをグリッドの上方に有する。ファンは、多数のスタックから空気を引き出す、境界された体積の上方で、グリッドの側面に、外側に配置されている。空気がグリッドの外側から引き込まれるとき、空気流は、ファンの近傍、例えば、グリッドの縁の近傍において最高になり、グリッドの中側に向かって減少していく。
【0028】
従来技術の解決策の問題は、保管システムの中側における保管コンテナに、保管システムの外縁における保管コンテナと同一の環境を提供することが困難であることである。
【0029】
上記に照らして、従来技術の保管および回収システムの使用に関連する前述の問題のうちの1つまたはそれより多くを解決するかまたは少なくとも軽減する、自動保管および回収システムならびにそのようなシステムを動作させる方法を提供することが、望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0030】
【特許文献1】国際公開第2015/193278号
【特許文献2】国際公開第2014/090684号
【特許文献3】国際公開第2018/146304号
【特許文献4】国際公開第2014/075937号
【特許文献5】国際公開第2016/193419号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0031】
(発明の概要)
本発明は独立請求項において述べられ、特徴付けられる一方、従属請求項は、発明の他の特性を説明する。
【0032】
第1の局面では、本発明は、自動化されたグリッドベースの保管および回収システムに関し、システムは、
- 直立部材と、直立部材の上側端部に提供されている水平レールのグリッドとを備える骨格構造であって、骨格構造は、直立部材間の水平レールの下方にグリッドパターンにおいて配列されている複数のカラムを備える保管体積を画定する、骨格構造と、
- 複数の保管カラムを提供するように、カラムにおけるスタック内で鉛直にスタックされる複数の保管コンテナと、
- 保管コンテナのスタックの真下に延在するスタック下空隙と、
- 保管コンテナのスタック間のスタック下空隙への複数の入口と、
- 換気カラムを提供するための、保管コンテナを有しない、保管カラムの間に配列されている少なくとも1つのカラムであって、換気カラムは、ファンを備え、換気カラムを囲繞する複数のダクト壁が、水平レールに隣接する第1の端部と、スタック下空隙に隣接する第2の端部とを有するダクトを画定し、ファンは、スタックの側面に沿って、複数の入口、スタック下空隙を介して、およびダクトを通してガスを循環させるように配列されている、少なくとも1つのカラムと
を備える。
【0033】
保管カラムの間に換気カラム(単数または複数)を提供することの利点は、例えば、グリッドの中側における保管コンテナに、保管システムの外縁における保管コンテナと同一の環境を提供するための均一なガス流である。
【0034】
一実施形態では、複数の入口の各々の総面積は、換気カラムからの入口の水平距離に伴って増加し得る。例えば、空気流がスタック下空隙内においてより強力である、ダクトに近い小さい開口と、気流がより弱い、ダクトからより遠く離れたより大きい開口とが、保管カラム間により均一なガス流を生成する。
【0035】
一実施形態では、システムは、複数の入口の各々に配列されているノズルプレートをさらに備え得、ノズルプレートは、複数の孔を備え、複数の孔の総面積は、換気カラムからのノズルプレートの距離に伴って増加する。ノズルプレートは、入口のサイズを調節することより嵌合するのがより容易であり、換気システムのより容易な再構成を可能にする。
【0036】
一実施形態では、システムは、各保管カラムの底部に配列されている複数の持ち上げ式床パネルをさらに備え得、持ち上げ式床パネルは、スタック下空隙を提供する。持ち上げ式床パネルは、配設することが容易である。一実施形態では、スタック下空隙への複数の入口が、近接する持ち上げ式床パネル間の間隙によって画定される。近接するプレート間の間隙を変動させることが、各入口の総面積を変動させる。
【0037】
一実施形態では、持ち上げ式床パネルの各々は、保管コンテナのスタックを支持するための支持プレートと、支持プレートを持ち上げるように適合されている複数の足とを備え得る。支持プレートおよび足は、一体型であり得、または、締結具によって接続される別個の部分から作製され得る。一実施形態では、支持プレートは、金属から作製され得、複数の足は、プラスチックから作製され得る。
【0038】
一実施形態では、持ち上げ式床パネルは、板金プレートから作製され得、板金プレートの中央部分は、支持プレートを成し、中央部分に対して直角に配列されている板金プレートの複数の外側部分は、複数の足を成す。板金の外側部分は、開口部を具備し得る。開口部は、床パネルおよび/または管の下方のガス流がそれらを通過することを可能にする。
【0039】
一実施形態では、ダクトは、ダクトを通して流動するガスの少なくとも1の質を測定するように配列されている少なくとも1つのセンサを具備し得る。ガスの例示的な質は、温度、湿度、粒子、煙、汚染、菌類、および細菌のうちの少なくとも1つを含み得る。ダクト内のセンサは、グリッドの上方に配列されているセンサと比較して、早期の警告を提供し得る。ダクト内のガスはまた、グリッドの上方より濃縮され得、ガスの質のより良好な測定が、達成され得る。
【0040】
本発明は、上記のようなシステムであって、保管カラムの上方から、スタックの側面に沿って、複数の入口、スタック下空隙を介して、およびダクトに至るまで循環させられるべきガスを冷却するように適合されている、骨格構造の上方に配列されている少なくとも1つの冷却デバイスをさらに備えるシステムにも関する。このシステムは、グリッド内の製品、例えば、食料品を冷却するために使用され得る。
【0041】
本発明は、上記のようなシステムであって、保管カラム内の火災を鎮圧するために、保管カラムの上方から、スタックの側面に沿って、複数の入口、スタック下空隙を介して、およびダクトに至るまで循環させられるべき火災鎮圧ガスを放出するように適合されている、骨格構造の上方に配列されている少なくとも1つのガス状火災鎮圧デバイスをさらに備えるシステムにも関する。ガス状火災鎮圧デバイスは、冷却デバイスを備えるシステムと組み合わせられ得る。例示的火災鎮圧ガスは、限定ではないが、CO2およびInergen(登録商標)を含む。
【0042】
一実施形態では、システムは、火災鎮圧ガスを放出するときにファンの速さを増加させるように適合され得る。ファンの速さを増加させることは、火災鎮圧ガスの循環を増加させ、火災鎮圧を向上させる。
【0043】
一実施形態では、ファンは、直立部材の上側端部に隣接するダクトの第1の端部に配置され得る。
【0044】
第2の局面では、本発明は、自動化されたグリッドベースの保管および回収システム内でガスを循環させる方法にも関し、システムは、
- 直立部材と、直立部材の上側端部に提供されている水平レールのグリッドとを備える骨格構造であって、骨格構造は、直立部材間の水平レールの下方にグリッドパターンにおいて配列されている複数のカラムを備える保管体積を画定する、骨格構造と、
- 複数の保管カラムを提供するように、カラムにおけるスタック内で鉛直にスタックされる複数の保管コンテナと、
- 保管コンテナのスタックの真下に延在するスタック下空隙と、
- 保管コンテナのスタック間のスタック下空隙への複数の入口と、
- 換気カラムを提供するための、保管コンテナを有しない、保管カラムの間に配列されている少なくとも1つのカラムであって、換気カラムは、ファンを備え、換気カラムを囲繞する複数のダクト壁が、水平レールに隣接する第1の端部と、スタック下空隙に隣接する第2の端部とを有するダクトを画定する、少なくとも1つのカラムと
を備え、方法は、ファンを使用して、スタックの側面に沿って、複数の入口、スタック下空隙を介して、およびダクトを通してガスを循環させることを含む。
【0045】
一実施形態では、ガスを循環させるためのステップは、ファンを使用してスタック下空隙からガスを吸引することを含み得る。
【0046】
一実施形態では、方法は、保管コンテナを冷却するために、骨格構造の上方に少なくとも1つの冷却デバイスを提供し、保管カラムの上方で、循環させられるべきガスを冷却することをさらに含み得る。
【0047】
一実施形態では、方法は、保管カラム内の火災を鎮圧するために、骨格構造の上方に少なくとも1つのガス状火災鎮圧デバイスを提供し、保管カラムの上方から、循環させられるべき火災鎮圧ガスを放出することをさらに含み得る。
【0048】
一実施形態では、方法は、火災鎮圧ガスを放出するときにファンの速さを増加させることをさらに含み得る。
【0049】
一実施形態では、方法は、ダクト内に提供された少なくとも1つのセンサを使用して保管カラム内の火災を検出することに応じて火災鎮圧ガスを放出することをさらに含み得、少なくとも1つのセンサは、ダクトを通して流動するガスの少なくとも1の質を測定するように配列されている。
【図面の簡単な説明】
【0050】
以下の図面は、本発明の理解を促進するために付属している。図面は、ここで実施例のみとして説明される本発明の実施形態を示している。
【0051】
【
図1】
図1は、従来技術の自動保管および回収システムの骨格構造の斜視図である。
【0052】
【
図2】
図2は、保管コンテナをその中に保有するための中心に配列された空洞を有する従来技術コンテナ取扱車両の斜視図である。
【0053】
【
図3】
図3は、保管コンテナを真下に保有するためのカンチレバーを有する従来技術コンテナ取扱車両の斜視図である。
【0054】
【
図4】
図4は、本発明による例示的な自動保管および回収システムの側面図である。
【0055】
【
図5】
図5は、本発明による例示的な持ち上げ式床の斜視図である。
【0056】
【
図6】
図6は、本発明による別の例示的な持ち上げ式床の斜視図である。
【0057】
【
図7a】
図7aは、本発明による例示的な自動保管および回収システムの上面図である。
【0058】
【
図7b】
図7bは、本発明による例示的な自動保管および回収システムの斜視切取内部図である。
【0059】
【
図8】
図8は、本発明による例示的な自動保管および回収システムの概略上面図である。
【0060】
【
図9a】
図9aおよび
図9bは、発明による例示的な持ち上げ式床パネルの斜視図である。
【
図9b】
図9aおよび
図9bは、発明による例示的な持ち上げ式床パネルの斜視図である。
【0061】
【
図10】
図10は、本発明による、冷却のための例示的な自動保管および回収システムの斜視図である。
【0062】
【
図11】
図11は、本発明による、火災鎮圧システムを伴う例示的な自動保管および回収システムの側面図である。
【0063】
【
図12】
図12は、本発明による例示的ノズルサイズの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0064】
(発明の詳細な説明)
以下では、本発明の実施形態が、付属の図面の参照を伴ってより詳細に検討される。しかしながら、図面は、本発明を図面に描写される主題に限定することを意図されていないことを理解されたい。
【0065】
自動保管および回収システム1の骨格構造100は、
図1~3に関連して上記に説明された従来技術の骨格構造100、すなわち、いくつかの直立部材102、および直立部材102によって支持されているいくつかの水平部材103と、さらに、骨格構造100がX方向およびY方向における第1の上側レールシステム108を備えることとに従って構築される。
【0066】
骨格構造100は、部材102、103の間に提供された保管カラム105の形態にある保管コンパートメントをさらに備え、保管コンテナ106は、保管カラム105内のスタック107内にスタック可能である。
【0067】
骨格構造100は、任意のサイズであることができる。具体的には、骨格構造は、
図1に開示されているものより大幅に広く、および/または長く、および/または深くあり得ることを理解されたい。例えば、骨格構造100は、700×700個超のカラムの水平範囲と、12個超のコンテナの保管深度とを有し得る。
【0068】
ここで、本発明による自動保管および回収システムの実施形態が、
図4~12の参照を伴ってより詳細に検討される。
【0069】
図4は、例示的な自動保管および回収システム1の側面図であり、システムは、上記に詳細に説明されたような骨格構造100を備え、骨格構造は、直立部材102と、直立部材102の上側端部に提供されている水平レール110のグリッドとを備える。骨格構造100は、直立部材102間の水平レール110の下方にグリッドパターンにおいて配列されている複数のカラム105を備える保管体積を画定している。複数の保管コンテナ106が、複数の保管カラム105を提供するように、カラムにおけるスタック107内で鉛直にスタックされる。システムは、保管コンテナのスタックの真下に延在するスタック下空隙402をさらに備える。スタック下空隙402は、空気等のガスがコンテナのスタックの下方および保管コンテナの近接するスタック間で流動することを可能にする。スタック下空隙は、下記にさらに詳細に検討されるように、特別な換気式保管コンテナまたは持ち上げ式床パネル401等、種々のタイプのスペーサを使用して提供され得る。スタック下空隙402への複数の入口403が、保管コンテナのスタック間に存在する。近接するスタック間の距離は、通常、小型の保管および回収システムを達成するために、典型的には、cm範囲内の短いものである。したがって、保管コンテナ106を完全に充填されたときの保管および回収システムを通した空気流が、課題である。空気流は、例えば、冷却プロセスまたは火災鎮圧のために必要とされ得る。急冷される環境の実施例では、それは、冷却プロセスが空気を容器の側面に沿って移動させることを補助する。容器の周囲に空気の移動が存在しない場合、それは、隔絶され、緩慢な冷却プロセスにつながる。従来技術の解決策は、保管コンテナを通過する、押進された空気循環によってこれを解決しており、空気は、高い空気流がファンの近傍(すなわち、保管体積の縁の近傍)に存在し、保管体積の中側に向かって減少していくように、ファンを使用して保管体積の外側のエリアから引き込まれる。これは、保管体積内の製品の不均一な冷却につながる。
【0070】
図4に図示されている自動保管および回収システム1では、換気カラム404を提供するための、保管コンテナを有しない、保管カラムの間に配列されている少なくとも1つのカラムが、存在する。換気カラム404は、ファン405を備え、換気カラムを囲繞する複数のダクト壁410が、水平レール110に隣接する第1の端部407と、スタック下空隙402に隣接する第2の端部408とを有するダクト406を画定し、ファン405は、スタック107の側面に沿って、複数の入口403、スタック下空隙402を介して、およびダクト406を通してガスを循環させるように配列されている。保管カラムの間の換気カラム404は、保管体積の縁上のみにおいて空気を引き出すことより均一な空気流409を生成する。
【0071】
図4では、ファン405は、直立部材102の上側端部に隣接するダクト406の第1の端部407に配置されている。
図4の例示的構成におけるガスは、空気流409によって図示されているように循環させられ、ガスは、ガスをダクト404の上方に、保管体積の上方のエリアに引き出すファン405を使用して、スタック下空隙402から吸引される。スタック下空隙402からガスを吸引することによって生成される過少圧力は、ガスを保管体積の上方から、スタック107の側面に沿って下方に、複数の入口403を介してスタック下空隙402へと引き込む。
【0072】
換気カラム404の数およびそれらの間の距離に応じて、類似しているが限定的な不均一性が、生じ得る。この不均一性を低減させるために、システムは、複数の入口403の各々の総面積が換気カラム404からの入口403の水平距離に伴って増加するように配列され得る。より小さい面積の入口と比較して、より大きい総面積の入口は、より多くのガスがそれを通して流動することを可能にし、したがって、換気カラムからの距離に起因するガス流の低減を補償する。より小さい面積の入口は、より少ないガスがそれを通して流動することを可能にし、したがって、換気カラムの近傍のより高いガス流を補償する。故に、さらにより均一かつ平衡状態にあるガス流が、達成されることができる。
【0073】
一実施形態では、ダクト406は、ダクトを通して流動するガスの少なくとも1の質を測定するように配列されている少なくとも1つのセンサ411を具備し得る。ガスの例示的な質は、温度、湿度、粒子、煙、汚染、酸素飽和度、菌類、および細菌のうちの少なくとも1つを含み得る。ダクト内のセンサは、グリッドの上方に配列されているセンサと比較して、早期の警告を提供し得る。ダクト内のガスはまた、グリッドの上方より濃縮され得、ガスの質のより良好な測定が、達成され得る。
【0074】
図5は、持ち上げ式床パネル401がスタック下空隙402を提供している、各保管カラム105の底部に配列されている複数の持ち上げ式床パネル401の斜視図である。持ち上げ式床パネル401は、骨格構造100の底部に設置され、例えば、床400上に設置される。持ち上げ式床パネル401の位置は、直立部材102によって骨格構造100内に固定される。持ち上げ式床パネル401は、典型的には、それが組み立てられた後に骨格構造100の底部に配設される。
【0075】
図5に図示されている実施形態では、スタック下空隙402への複数の入口403は、近接する持ち上げ式床パネル401間の間隙によって画定される。近接するプレート間の間隙は、パネルのサイズを変動させること、またはスタック107間の入口エリアにわたって種々のサイズのカットアウトを有することによって変動させられ得る。カットアウトは、円形、正方形である、または任意の他の好適な形状を有し得る。複数の入口403の各々の総面積は、上記に検討されたように、複数の入口403の各々の総面積が換気カラム404からの入口403の水平距離に伴って増加するように変動させられ得る。
【0076】
図6は、ノズルプレート600が複数の入口403の各々に配列されているある実施形態を図示している。ノズルプレート600は、複数の孔601、602を備え、複数の孔601、602の総面積は、換気カラム404からのノズルプレート600の距離に伴って増加する。孔601は、換気カラムにより近い孔602より大きい。代替解決策では、複数の孔601、602の総面積は、代替として、または加えて、ノズルプレート600内の孔601、602の数を増加させることによって増加させられ得る。ノズルプレート600は、ノズルプレートの長さにわたって同一のサイズの孔を有し得、または、一端におけるより小さい孔と、他端におけるより大きい孔とを有し得る。ノズルプレート600は、入口403のサイズを調節することより嵌合するのがより容易であり、ガス流のより容易な再構成を可能にする。代替実施形態では、弁プレートが、複数の入口403の各々に配列されている。弁プレートは、空気流を制御するための調節可能な弁を備える。一実施形態では、調節可能な弁は、摺動ゲートである。
【0077】
図7aは、発明のある実施形態の上面図である。
図7aは、換気カラム404を囲繞する保管コンテナの複数のスタック107を示している。
図7bは、保管コンテナが除去された
図7aの斜視図である。
図7aおよび
図7bは、換気カラムを囲繞し、ダクトを画定する複数のダクト壁410を示している。複数のダクト壁410は、アルミニウム等の好適な堅性かつ薄い材料の壁パネルであり、直立部材102に搭載され得る。
図7aおよび
図7bは、スタック下空隙402への被覆されていない入口403を示しており、ノズルプレート600は、入口403にわたって配列されている。換気カラム404に最も近いノズルプレートは、換気カラムからさらに遠い1つの床パネル上のノズルプレート内の孔601より直径が小さい孔602を有する。
【0078】
図8は、保管カラム105の間に配置されている9つの換気カラム404を図示している例示的な自動保管および回収システムの概略上面図である。
【0079】
図12は、本発明によるノズルサイズの概略図である。換気カラム404は、換気カラムからの距離を図示している円の中心にある。この実施例では、ノズルAは、ノズル開口部nを有する。nは、ノズル開口部の面積を規定し、例えば、開口部の直径によって説明され得る。ノズルAは、換気カラム404に近い。ノズルAより換気カラム404から遠く離れて配置されているノズルBは、nより大きい(すなわち、ノズルAより大きい)ノズル開口部を有する。ノズルBより換気カラム404から遠く離れて配置されているノズルCは、ノズルBのノズル開口部より大きいノズル開口部を有する。
【0080】
図9aおよび
図9bは、本発明による例示的な持ち上げ式床パネル401、401a、401bの斜視図を図示している。持ち上げ式床パネル401、401a、401bの各々は、保管コンテナのスタック107を支持するための支持プレート900と、支持プレート900を持ち上げるように適合されている複数の足901とを備え得る。複数の足901は、例えば、床400の上に配置され得る。支持プレート900および足901は、一体型であり得、または、締結具によって接続される別個の部分から作製され得る。
図9aは、複数の足901がプラスチックから作製されており、支持プレート900が金属から作製されている一実施形態を図示している。
【0081】
図9bは、持ち上げ式床パネル401bが板金プレートから作製されている一実施形態を図示している。板金プレートの中央部分903は、支持プレート900を成し、中央部分903に対して直角に配列されている板金プレートの複数の外側部分904は、複数の足901を成す。板金の複数の外側部分903は、開口部905をさらに具備し得る。開口部は、床パネルおよび/または管の下方のガス流がそれらを通過することを可能にする。開口部905は、スタック下空隙402内の空気流を調節するために、プラグ等の閉鎖手段によって閉鎖され得る。換気カラム404からの持ち上げ式床パネル401bの水平距離に伴って減少する数の開口部905を閉鎖することは、換気カラム404からの入口403の水平距離に伴って複数の入口403の各々の総面積を効果的に増加させる。より小さい面積の開口部905と比較してより大きい総面積の開口部905は、より多くのガスがそれらを通して流動することを可能にし、したがって、換気カラムからの距離に起因するガス流の低減を補償する。より小さい総面積の開口部905は、より少ないガスがそれらを通して流動することを可能にし、したがって、換気カラムの近傍のより高いガス流を補償する。故に、さらにより均一かつ平衡状態にあるガス流が、達成されることができる。
【0082】
スタック下空隙402は、特別な換気式保管コンテナを提供され得る。好ましくは、薄型の保管コンテナである。特別な換気式保管コンテナは、保管コンテナの側面において、持ち上げ式床パネル401bの参照を伴って上記で検討されたような、それらを通した空気流を調節するための調節可能な開口部を具備し得る。開口部は、摺動ゲート、複数のフラップ、またはプラグによって調節され得る。
【0083】
図10は、上記に説明されたようなシステムの斜視図であり、システムは、骨格構造100の上方に配列されている少なくとも1つの冷却デバイス1000をさらに備える。少なくとも1つの冷却デバイス1000は、保管カラム105の上方から、スタック107の側面に沿って、複数の入口403、スタック下空隙402を介して、およびダクト406に至るまで循環させられるべきガスを冷却するように適合されている。このシステムは、スタック107の保管体積内の製品、例えば、食料品を冷却するために使用され得る。スタック107の保管体積内の温度は、冷却デバイスからのガスの温度および/または保管体積を通して流動するガスの速さを調節することによって制御され得る。
【0084】
図11は、上記に説明されたようなシステムの側面図であり、システムは、骨格構造100の上方に配列されている少なくとも1つのガス状火災鎮圧デバイス1100をさらに備える。火災鎮圧デバイス1100は、保管カラム105の上方から、スタック107の側面に沿って、複数の入口403、スタック下空隙402を介して、およびダクト406に至るまで循環させられるべき火災鎮圧ガス1102を放出し、保管カラム105内の火災を鎮圧するように適合されている。システムは、保管体積内の火災を検出するための少なくとも1つのセンサ1101も備え得る。少なくとも1つのセンサ1101は、別個の火災センサシステムの一部、またはダクトを通して流動するガスの少なくとも1の質を測定するように配列されている少なくとも1つのセンサ411の一部であり得る。ダクト内のセンサ411、1104は、グリッドの上方に配列されているセンサと比較して、早期の警告を提供し得る。ダクト内のガスはまた、グリッドの上方より濃縮され得、ガスの質のより良好な測定が、達成され得る。これは、保管体積内の火災のより早期の検出および火災鎮圧ガス1102のより早期の放出を可能にする。例示的火災鎮圧ガスは、限定ではないが、CO
2およびInergen(登録商標)を含む。一実施形態では、システムは、火災鎮圧ガス1102を放出するときにファン405の速さを増加させるように適合され得る。ファン405の速さを増加させることは、火災鎮圧ガス1102の循環を増加させ、火災鎮圧を向上させる。ガス状火災鎮圧デバイスは、冷却デバイスを備えるシステムと組み合わせられ得る。
【0085】
ここで、
図4~12の参照を伴って、自動化されたグリッドベースの保管および回収システム1内でガスを循環させる方法が、説明される。自動化されたグリッドベースの保管システム1は、
- 直立部材102と、直立部材102の上側端部に提供されている水平レール110のグリッドとを備える骨格構造100であって、骨格構造は、直立部材102間の水平レール110の下方にグリッドパターンにおいて配列されている複数のカラム105を備える保管体積を画定する、骨格構造100と、
- 複数の保管カラム105を提供するように、カラムにおけるスタック107内で鉛直にスタックされる複数の保管コンテナ106と、
- 保管コンテナのスタックの真下に延在するスタック下空隙402と、
- 保管コンテナのスタック間のスタック下空隙402への複数の入口403と、
- 換気カラム404を提供するための、保管コンテナを有しない、保管カラムの間に配列されている少なくとも1つのカラムであって、換気カラム404は、ファン405を備え、換気カラムを囲繞する複数のダクト壁410が、水平レール110に隣接する第1の端部407と、スタック下空隙402に隣接する第2の端部408とを有するダクト406を画定する、少なくとも1つのカラムと
を備える。
【0086】
方法は、ファン405を使用して、スタック107の側面に沿って、複数の入口403、スタック下空隙402を介して、およびダクト406を通してガスを循環させることを含む。ガスを循環させるためのステップは、ファン405を使用してスタック下空隙402からガスを吸引することを含み得る。ガスは、ガスをダクト406の上方に、保管体積の上方のエリアに引き出すファン405を使用して、スタック下空隙402から吸引される。スタック下空隙402からガスを吸引することによって生成される過少圧力は、ガスを保管体積の上方から、スタック107の側面に沿って下方に、複数の入口403を介してスタック下空隙402へと引き込む。
【0087】
方法は、骨格構造100の上方にある、保管カラム105の上方に循環させられるべきガスを冷却し、保管コンテナ106を冷却する少なくとも1つの冷却デバイス1000を提供するステップをさらに含み得る。
【0088】
方法は、骨格構造100の上方にある、保管カラム105内の火災を鎮圧するために、保管カラム105の上方から、循環させられるべき火災鎮圧ガス1102を放出する少なくとも1つのガス状火災鎮圧デバイス1100を提供するステップをさらに含み得る。一実施形態では、方法は、火災鎮圧ガス1102を放出するときにファン405の速さを増加させることをさらに含む。
【0089】
方法は、ダクト406内に提供された少なくとも1つのセンサ1101を使用して保管カラム105内の火災を検出することに応じて火災鎮圧1102ガスを放出するステップをさらに含み得、少なくとも1つのセンサ1101は、ダクト406を通して流動するガス409の少なくとも1の質を測定するように配列されている。
【0090】
前述の説明では、本発明によるコンテナ取扱車両および自動保管および回収システムの種々の局面が、例証的実施形態の参照を伴って説明されてきた。解説の目的のために、特定の数値、システム、および構成が、システムおよびその作用の徹底的な理解を提供するために記載された。しかしながら、本説明は、限定的意味で解釈されることを意図されていない。開示される主題が関連する当業者に明白である例証的実施形態の種々の修正および変形例、ならびにシステムの他の実施形態は、本発明の範囲内に存在すると見なされる。
【0091】
【国際調査報告】