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▶ ザ・チルドレンズ・ホスピタル・オブ・フィラデルフィアの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-04
(54)【発明の名称】未熟児用チャンバーアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A61G 11/00 20060101AFI20230927BHJP
【FI】
A61G11/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023516650
(86)(22)【出願日】2021-09-15
(85)【翻訳文提出日】2023-05-15
(86)【国際出願番号】 US2021050386
(87)【国際公開番号】W WO2022060783
(87)【国際公開日】2022-03-24
(31)【優先権主張番号】63/078,572
(32)【優先日】2020-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】301040958
【氏名又は名称】ザ・チルドレンズ・ホスピタル・オブ・フィラデルフィア
【氏名又は名称原語表記】THE CHILDREN’S HOSPITAL OF PHILADELPHIA
(74)【代理人】
【識別番号】100104411
【弁理士】
【氏名又は名称】矢口 太郎
(72)【発明者】
【氏名】フレイク、アラン ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】デイビー、マーカス グレアム
(72)【発明者】
【氏名】マーティン、ジョシュア
(72)【発明者】
【氏名】ジトニック、ダナ
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン、スペンサー
(72)【発明者】
【氏名】ガイドス、ダスティン
(72)【発明者】
【氏名】ゴードン、ジョセフ
【テーマコード(参考)】
4C341
【Fターム(参考)】
4C341JJ01
4C341JK09
4C341KK03
4C341KL01
4C341MM13
4C341MR12
(57)【要約】
【要約】
体外胎児ケアに関連するシステムおよび方法が開示されている。胎児をその中に包み込んで支持するように構成された胎児チャンバーアセンブリは、胎児をその中に受け取るように構成された基部と、前記基部と取り外し可能に接触して蓋部と前記基部との間に液密封印を形成するように構成された蓋部と、前記基部と前記蓋部の間に規定された成長チャンバーであって、前記成長チャンバーは胎児をそこに受け取るように構成されている、成長チャンバーと、前記成長チャンバーと液体連通しているカニューレチャンバーであって、前記カニューレチャンバーは胎児のカニューレされた臍帯をそこに受け取るように構成された、カニューレチャンバーと、含む。前記成長チャンバーは、胎児の大きさに基づいて、妊娠中に胎児を収容するために大きさを調整するように構成される。前記胎児チャンバーアセンブリは、液体源から液体を受け取るように構成されている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
胎児チャンバーアセンブリと共に使用するための成長チャンバーであって、その中に第1の流体を受け入れ、その中に胎児を受け取るように構成されている、成長チャンバーであって、
上部膜と、
前記上部膜の反対側にある下部膜と、
前記下部膜から離間された成長膜であって、前記下部膜は前記成長膜と前記上部膜の間に配置されている、成長膜と、
前記成長膜と前記下部膜の間に規定された流体ポケットであって、その中に第2の流体を受け取るように構成されている、流体ポケットと
を有し、
前記胎児は、前記上部膜と前記下部膜との間に受け入れられるように構成され、
前記成長チャンバーは、第1の構成と第2の構成とを有し、前記成長チャンバーが前記第1の構成にある場合、第1の成長量は、前記上部膜と前記下部膜との間に規定され、第1のポケット容積は、前記成長膜と前記下部膜との間の前記流体ポケット内に規定され、前記成長チャンバーが前記第2の構成にある場合、第2の成長量は、前記上部膜と前記下部膜との間に規定され、第2のポケット容積は、前記成長膜と前記下部膜との間の前記流体ポケット内に規定され、前記第1の成長量は前記第2の成長量と異なり、前記第1のポケット容積は前記第2のポケット容積と異なっている、成長チャンバー。
【請求項2】
請求項1記載の成長チャンバーにおいて、前記成長チャンバーは、前記第1のポケット容積を前記第2のポケット容積に変化することによって、前記第1の構成から前記第2の構成に動くように構成される、成長チャンバー。
【請求項3】
請求項1または2記載の成長チャンバーにおいて、さらに、
前記上部膜と前記下部膜との間の前記成長チャンバーの中に前記第1の流体を排出するように構成された第1の流体注入口を有するものである、成長チャンバー。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1つに記載の成長チャンバーにおいて、さらに、
前記成長チャンバーから前記第1の流体を受け取るように構成された排出口を有するものである、成長チャンバー。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1つに記載の成長チャンバーにおいて、さらに、
前記上部膜と前記下部膜との間の前記成長チャンバーの中に延びる緩衝部であって、前記胎児によって接触されるように構成された、緩衝部を有するものである、成長チャンバー。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1つに記載の成長チャンバーにおいて、前記第1の流体は前記第2の流体とは異なる、成長チャンバー。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1つに記載の成長チャンバーにおいて、前記下部膜と前記成長膜は、前記第2の流体が前記第1の流体と接触しないように互いに貼り合わせられる、成長チャンバー。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1つに記載の成長チャンバーにおいて、さらに、
前記流体ポケットと流体連通する流体ポケットポートであって、前記流体ポケットポートを介して前記第2の流体を選択的に受け取りまたは排出するように構成された、流体ポケットポートを有するものである、成長チャンバー。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1つに記載の成長チャンバーにおいて、前記第1の流体は、生理的食塩液(PSS)である、成長チャンバー。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1つに記載の成長チャンバーにおいて、前記第2の流体は液体である、成長チャンバー。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1つに記載の成長チャンバーにおいて、前記第2の流体は生理食塩水を含む、成長チャンバー。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1つに記載の成長チャンバーにおいて、前記第1の成長量は前記第2の成長量より小さく、前記第1のポケット容積は前記第2のポケット容積より大きい、成長チャンバー。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか1つに記載の成長チャンバーにおいて、前記第1の成長量は、第1の大きさを有する胎児に関連し、前記第2の成長量は、第2の大きさを有する胎児に関連している、成長チャンバー。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか1つに記載の成長チャンバーにおいて、さらに、
その中に温度センサーを有し、前記温度センサーは、前記第1の流体の温度を測定するように構成されるものである、成長チャンバー。
【請求項15】
請求項14のいずれか1つに記載の成長チャンバーにおいて、前記成長チャンバーは、複数の温度センサーを有する、成長チャンバー。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか1つに記載の成長チャンバーにおいて、さらに、
その中に圧力センサーを有し、前記圧力センサーは、前記第1の流体の圧力を測定するように構成されるものである、成長チャンバー。
【請求項17】
請求項16記載の成長チャンバーにおいて、前記成長チャンバーは、複数の圧力センサーを有する、成長チャンバー。
【請求項18】
請求項1~17のいずれか1つに記載の成長チャンバーにおいて、前記第1の成長チャンバーは、カニューレチャンバーと流体連通するように構成されている、成長チャンバー。
【請求項19】
請求項1~18のいずれか1つに記載の成長チャンバーにおいて、さらに、
その中に延びる胎便除去ポートであって、選択的に開閉可能であり、前記成長チャンバー内の胎便を除去するために、前記上部膜と前記下部膜の間の前記成長チャンバーの中にそこを介して胎便除去ツールを挿入できるよう構成されている、胎便除去ポートを有するものである、成長チャンバー。
【請求項20】
請求項1~19のいずれか1つに記載の成長チャンバーにおいて、前記上部膜、前記下部膜、および前記成長膜のうちの少なくとも1つは、それぞれ、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、エチレンビニルアセテート、ポリ塩化ビニリデン、およびアクリルのうちの少なくとも1つまたはポリマーの積層組み合わせを含む、成長チャンバー。
【請求項21】
請求項1~20のいずれか1つに記載の成長チャンバーにおいて、前記上部膜、前記下部膜、および前記成長膜のうちの少なくとも1つは、約50と約100との間の硬度計を有する、成長チャンバー。
【請求項22】
請求項1~21のいずれか1つに記載の成長チャンバーにおいて、前記上部膜、前記下部膜、および前記成長膜のうちの少なくとも1つは、約60と約90の間の硬度計を有する、成長チャンバー。
【請求項23】
請求項1~22のいずれか1つに記載の成長チャンバーにおいて、前記上部膜、前記下部膜、および前記成長膜のうちの少なくとも1つは、約70と約80の間の硬度計を有する、成長チャンバー。
【請求項24】
請求項1~23のいずれか1つに記載の成長チャンバーにおいて、前記上部膜、前記下部膜、および前記成長膜のうちの少なくとも1つは、熟成形である、成長チャンバー。
【請求項25】
請求項1~24のいずれか1つに記載の成長チャンバーにおいて、前記成長膜は、前記上部膜の厚さおよび前記下部膜の厚さよりも厚い厚さを有する、成長チャンバー。
【請求項26】
請求項1~25のいずれか1つに記載の成長チャンバーにおいて、前記成長膜の厚さは、前記上部膜の厚さの約2倍であり、前記下部膜の厚さの約2倍である、成長チャンバー。
【請求項27】
請求項1~26のいずれか1つに記載の成長チャンバーにおいて、前記上部膜、前記下部膜、および前記成長膜のうちの少なくとも1つは、前記成長チャンバーがその中に前記胎児を受け取る場合に変形するように構成される、成長チャンバー。
【請求項28】
胎児チャンバーアセンブリと共に使用するためのカニューレチャンバーであって、その中に流体を受け入れ、さらにその中に胎児の臍帯を受け取るように構成されている、カニューレチャンバーであって、
そこを介して前記カニューレチャンバーに1若しくはそれ以上のカニューレを受け取るように構成されたカニューレ入口部と、
そこを介して前記カニューレチャンバーの中に前記臍帯を受け取るように構成された臍帯開口部であって、前記臍帯開口部は前記カニューレ入口部から離間している、臍帯開口部と、
前記カニューレチャンバーの中に前記流体を排出するように構成された流体注入口と、
前記カニューレ入口部に配置され、その中に前記1若しくはそれ以上のカニューレを受け取るように構成される、カニューレ保持部アセンブリであって、前記1若しくはそれ以上のカニューレが所定の配置に従って前記カニューレ保持部アセンブリに配置される、カニューレ保持部アセンブリと
を有し、
前記臍帯は、前記カニューレチャンバー内にある場合、前記1若しくはそれ以上のカニューレに接続される、カニューレチャンバー。
【請求項29】
請求項28記載のカニューレチャンバーにおいて、さらに、
前記カニューレチャンバー内で前記臍帯に接触して前記臍帯を通る血流を閉塞するように構成された緊急遮断アセンブリを有するものである、カニューレチャンバー。
【請求項30】
請求項29記載のカニューレチャンバーにおいて、前記緊急遮断アセンブリは、前記カニューレ入口部と前記臍帯開口部との間に配置され、前記1若しくはそれ以上のカニューレと前記臍帯との間の接続は、前記緊急遮断アセンブリと前記カニューレ入口部との間に配置される、カニューレチャンバー。
【請求項31】
請求項28~30のいずれか1つに記載のカニューレチャンバーにおいて、さらに、
前記カニューレチャンバー内の前記流体中に存在する血液を検出するように構成された血液センサーアセンブリを有し、前記血液センサーアセンブリは、前記カニューレ入口部と前記臍帯開口との間に配置されるものである、カニューレチャンバー。
【請求項32】
請求項28~31のいずれか1つに記載のカニューレチャンバーにおいて、前記カニューレチャンバーは、成長チャンバーと流体連通する、カニューレチャンバー。
【請求項33】
請求項32記載のカニューレチャンバーにおいて、前記臍帯開口部は、前記流体を前記カニューレチャンバーから前記成長チャンバーの中に排出するように構成されている、カニューレチャンバー。
【請求項34】
請求項28~33のいずれか1つに記載のカニューレチャンバーにおいて、前記液体は生理的食塩液(PSS)である、カニューレチャンバー。
【請求項35】
請求項28~34のいずれか1つに記載のカニューレチャンバーにおいて、前記カニューレチャンバーは、3本のカニューレを受け取るように構成されている、カニューレチャンバー。
【請求項36】
請求項28~35のいずれか1つに記載のカニューレチャンバーにおいて、さらに、
前記カニューレチャンバーに接触し、前記カニューレチャンバーの少なくとも一部の周りに液密封印を形成するように構成されたカニューレチャンバー膜を有するものである、カニューレチャンバー。
【請求項37】
請求項36に記載のカニューレチャンバーにおいて、さらに、
前記カニューレチャンバー膜上に配置され、前記カニューレチャンバーから前記カニューレチャンバーの外に空気がそこを通過することを可能にするように構成された空気除去ポートを有するものである、カニューレチャンバー。
【請求項38】
請求項28~37のいずれか1つに記載のカニューレチャンバーにおいて、前記カニューレ保持部アセンブリは、
前記カニューレ入口部で前記カニューレチャンバー内の前記流体が前記カニューレチャンバーから漏れないように構成された封印と、
前記封印を通って延び、その中に前記1若しくはそれ以上のカニューレを受け取るように構成された複数のポートと、
前記封印を通って延びる前記1若しくはそれ以上のカニューレの動きが妨げられるように前記封印を通って延びる前記1若しくはそれ以上のカニューレに接触するように構成された固定バーと
を含む、カニューレチャンバー。
【請求項39】
カニューレを胎児チャンバーアセンブリのカニューレチャンバの中に導入するためのカニューレ保持部アセンブリであって、
前記カニューレチャンバに接触し、前記カニューレチャンバ内の流体が前記封印を越えて前記カニューレチャンバの外に動くことを妨げるように構成された封印と、
前記カニューレを受け取るように構成され、前記カニューレチャンバと流体連通するように、前記封印を通って延びるポートと
を含む、カニューレ保持部アセンブリ。
【請求項40】
請求項39に記載のカニューレ保持部アセンブリにおいて、さらに、
その中に複数のカニューレを受け取るように構成されるものである、カニューレ保持部アセンブリ。
【請求項41】
請求項39もしくは40のいずれかに記載のカニューレ保持部アセンブリにおいて、前記封印は、複数のポートを規定するように構成され、前記複数のポートの数は、前記カニューレ保持部アセンブリの中に導入されるように構成された前記複数のカニューレの数と同じかまたはそれよりも多い、カニューレ保持部アセンブリ。
【請求項42】
請求項39~41のいずれか1つに記載のカニューレ保持部アセンブリにおいて、
前記封印は、
上面と、
前記上面と前記ポートとの間に延びるスリットとを規定し、前記スリットは、前記封印上の2つの対向壁部によって規定され、前記スリットは、開放構成と閉鎖構成と
を有し、
前記スリットが前記開放構成にある場合、前記2つの対向壁部は、通路が前記2つの対向壁部の間に規定されるように互いに離間され、前記通路は前記上面が前記ポートと流体連通するように前記上面と前記ポートとの間に延び、前記スリットが前記閉鎖構成にある場合、前記2つの対向壁部は、前記上面と前記ポートが互いに流体連通しないように互いに接触している、カニューレ保持部アセンブリ。
【請求項43】
請求項39~42のいずれか1つに記載のカニューレ保持部アセンブリにおいて、さらに、
前記開放構成と前記閉鎖構成との間に前記スリットを動かすように構成されたアクチュエータを有するものである、カニューレ保持部アセンブリ。
【請求項44】
請求項43に記載のカニューレ保持部アセンブリにおいて、前記アクチュエータは、第1の方向に第1の位置まで動かされ、前記第1の方向とは反対の第2の方向に第2の位置まで動くように構成されたハンドルであり、前記ハンドルが前記第1の位置にある場合、前記スリットは前記開放構成にあり、前記ハンドルが前記第2の位置にある場合、前記スリットは前記閉鎖位置にある、カニューレ保持部アセンブリ。
【請求項45】
請求項39~44のいずれか1つに記載のカニューレ保持部アセンブリにおいて、さらに、
前記カニューレに接触し、前記カニューレが前記カニューレ保持部アセンブリ内で並進または回転することを妨げられるように、前記カニューレを前記カニューレ保持部アセンブリに押し付けるように構成された固定バーを有するものである、カニューレ保持部アセンブリ。
【請求項46】
胎便除去ポートを通って胎児チャンバーアセンブリ内から胎便を除去するための胎便除去装置であって、
前記胎児チャンバーアセンブリからその中の前記胎便を受け取り、前記胎便をそこを通って前記胎児チャンバーアセンブリの外に動くように構成されたカテーテルと、
前記カテーテルに解放可能に接続し、前記胎児チャンバーアセンブリに挿入されるように構成されたアダプターと
を有し、
前記アダプターは、前記胎児チャンバーアセンブリ内で前記カテーテルを方向付けるように構成された、胎便除去装置。
【請求項47】
請求項46記載の胎便除去装置において、前記アダプタは、第1の端部に第1の開口部と第2の端部に第2の開口部とを有する本体であって、前記本体は、前記第1の開口部と前記第2の開口部との間に通路を規定し、前記カテーテルは、前記通路の中に挿入されて前記第1の開口部から前記第2の開口部まで延びるように構成される、本体を含む、胎便除去装置。
【請求項48】
請求項46もしくは47のいずれかに記載の胎便除去装置において、前記アダプタは、前記端部に隣接する湾曲した頭部を含み、前記湾曲した頭部は、前記第2の開口部を規定する、胎便除去装置。
【請求項49】
請求項48記載の胎便除去装置において、前記湾曲した頭部は、前記湾曲した頭部が先端部を規定するように先細りになっている、胎便除去装置。
【請求項50】
請求項46~49のいずれか1つに記載の胎便除去装置において、前記アダプタは、さらに、
ユーザによって把持されるように構成されたハンドルを含むものである、胎便除去装置。
【請求項51】
請求項46~50のいずれか1つに記載の胎便除去装置において、前記アダプタは、前記本体に規定された保持要素を含み、前記保持要素は前記カテーテルに規定されたカラーと解放可能に結合するように構成されている、胎便除去装置。
【請求項52】
胎児の臍帯に接触してそこを通る血流を閉塞するように構成された緊急遮断アセンブリであって、
第1の端部と前記第1の端部とは反対側の第2の端部との間で軸方向に沿って延びる本体と、
前記第2の端部に隣接して前記本体に貼り付けられた頭部であって、前記本体から延びる、頭部と、
前記頭部に規定され、前記臍帯に接触するように構成された接触面と、
前記接触面の反対側の基部表面であって、前記臍帯に接触するように構成された、基部表面と
を有し、
前記本体は、第1の位置と第2の位置との間で前記軸方向に沿って移動可能であり、
前記臍帯は、前記接触面と前記基部表面との間に配置されるように構成され、
前記本体が前記第1の位置にある場合、前記接触面は、第1の距離で前記基部表面から離間し、前記本体が前記第2の位置にある場合、前記接触面は、第2の距離で前記基部表面から離間し、前記第2の距離は、前記第1の距離よりも短く、
前記本体が前記第2の位置にある場合、血流が前記臍帯を通ることを妨げられるように、前記接触面および前記基部表面は、前記臍帯に接触する、緊急遮断アセンブリ。
【請求項53】
請求項52記載の緊急遮断アセンブリにおいて、さらに、
前記第1の端部に隣接する前記本体に結合されたアクチュエータを有し、
前記第1の位置から前記第2の位置への前記本体の動きは、前記アクチュエータの動きによって引き起こされるものである、緊急遮断アセンブリ。
【請求項54】
請求項53記載の緊急遮断アセンブリにおいて、前記アクチュエータは、前記軸方向に沿って動くように構成されたハンドルである、緊急遮断アセンブリ。
【請求項55】
請求項52~54のいずれか1つに記載の緊急遮断アセンブリにおいて、前記接触面は、前記第1の端部の方を向いている、緊急遮断アセンブリ。
【請求項56】
請求項52~54のいずれか1つに記載の緊急遮断アセンブリにおいて、前記接触面は、前記第1の端部から離れる方向に向いている、緊急遮断アセンブリ。
【請求項57】
請求項52~56のいずれか1つに記載の緊急遮断アセンブリにおいて、前記頭部は、前記軸方向に垂直な垂直方向に沿って延びている、緊急遮断アセンブリ。
【請求項58】
請求項52~57のいずれか1つに記載の緊急遮断アセンブリにおいて、前記本体が前記第2の位置にある場合、前記臍帯は、前記接触面と前記基部表面との間で圧縮されている、緊急遮断アセンブリ。
【請求項59】
請求項52~58のいずれか1つに記載の緊急遮断アセンブリにおいて、さらに、
前記本体が前記第1の位置から前記第2の位置へ動くことを可能にし、前記本体が前記第2の位置から前記第1の位置へ動くことを防止するように構成されたラチェット機構を有するものである、緊急遮断アセンブリ。
【請求項60】
請求項52~59のいずれか1つに記載の緊急遮断アセンブリにおいて、さらに、
前記本体の前記第2の端部に隣接して配置され、選択的に開閉されるように構成された蓋部を有し、前記蓋部が開いている場合、前記蓋部は前記アクチュエータを覆っておらず、前記蓋部が閉じている場合、前記蓋部は前記アクチュエータを覆っているものである、緊急遮断アセンブリ。
【請求項61】
請求項52~60のいずれか1つに記載の緊急遮断アセンブリにおいて、前記緊急遮断アセンブリは、胎児チャンバーアセンブリのカニューレチャンバー内に配置されるように構成されている、緊急遮断アセンブリ。
【請求項62】
胎児チャンバーアセンブリ内の流体中の血液の存在を検出するように構成された血液センサーアセンブリであって、
血液の存在を検出するように構成されたセンサーと、
前記流体を受け入れ、前記流体を前記センサーに方向付けるように構成された筐体と
を有し、前記筐体は、
前記センサーに隣接する感知チャンバーであって、その中に前記流体を受け取るように構成された、感知チャンバーと、
前記流体を前記感知チャンバーに方向付けるように構成されたじょうごであって、第1の端部に第1の開口部と、第2の端部に第2の開口部を有し、前記第2の端部は前記感知チャンバーに隣接している、じょうごと、
前記第1の端部と前記第2の端部の間に延びる壁部であって、前記第1の開口部が前記第2の開口部より大きくなるように、前記第1の端部から前記第2の端部に向かって先細りになっている、壁部と
を有する、血液センサーアセンブリ。
【請求項63】
請求項62記載の血液センサーアセンブリにおいて、前記筐体は、複数の壁部を含む、血液センサアセンブリ。
【請求項64】
請求項63記載の血液センサーアセンブリにおいて、前記筐体は、4つの壁部を有する、血液センサアセンブリ。
【請求項65】
請求項62~64のいずれか1つに記載の血液センサーアセンブリにおいて、センサーは、光学センサーである、血液センサアセンブリ。
【請求項66】
請求項62~65のいずれか1つに記載の血液センサーアセンブリにおいて、前記センサーは、カメラ、光源、および反射面を含み、前記反射面は、前記カメラおよび前記光源に対向して配置され、前記反射面は、第1の色を有する、血液センサーアセンブリ。
【請求項67】
請求項66記載の血液センサーアセンブリにおいて、前記センサーは、前記第1の色とは異なる第2の色を検出するように構成されている、血液センサアセンブリ。
【請求項68】
請求項67記載の血液センサーアセンブリにおいて、前記血液センサーアセンブリは、前記第2の色を所定の色の範囲に関連付けるように構成されている、血液センサアセンブリ。
【請求項69】
請求項67もしくは68のいずれかに記載の血液センサーアセンブリにおいて、前記センサーが前記所定の色の範囲内で前記第2の色を検出した場合、前記血液センサーアセンブリは、警告をトリガーするように構成されている、血液センサアセンブリ。
【請求項70】
請求項65~69のいずれか1つに記載の血液センサーアセンブリにおいて、前記センサーは、2若しくはそれ以上の波長の相対強度を検出するように構成されている、血液センサアセンブリ。
【請求項71】
請求項62~70のいずれか1つに記載の血液センサーアセンブリにおいて、前記血液センサーアセンブリは、前記センサーによって検出された色相、彩度、および値パラメータに基づいて前記流体内の血液の存在を定量化するように構成されたプロセッサを含む、血液センサアセンブリ。
【請求項72】
胎児を受け取るように構成された胎児チャンバーアセンブリの成長チャンバー内の容積を変化させる方法であって、前記成長チャンバーは、上部膜と前記上部膜に対向する下部膜との間に胎児腔を規定し、前記胎児腔は第1の流体を受け取るように構成され、前記成長チャンバーは前記下部膜と成長膜との間に流体ポケットを規定し、前記流体ポケットは第2の流体を受け取るように構成されている、方法であって、
前記第1の流体を前記胎児腔内に導入する工程と、
前記第2の流体を前記流体ポケット内に導入する工程と、
前記流体ポケットを第1のポケット容積から前記第1のポケット容積とは異なる第2のポケット容積に移行させるために前記流体ポケット内の前記第2の流体の量を変化させる工程と、
前記胎児腔を第1の胎児容積から前記第1の胎児容積とは異なる第2の胎児容積に移行させる工程と
を有する、方法。
【請求項73】
請求項72記載の方法において、前記第2の流体の量を変化させる工程は、前記第2のポケット容積が前記第1のポケット容積より小さくなるように、前記第2の流体の量を減少させる工程を含む、方法。
【請求項74】
請求項72もしくは73のいずれかに記載の方法において、前記胎児腔を移行させる工程は、前記第2の胎児容積が前記第1の胎児容積よりも大きくなるように、前記容積を増加させる工程を含む、方法。
【請求項75】
請求項72~74のいずれか1つに記載の方法において、前記第2の流体の量を変化させる工程は、前記胎児腔を移行させる工程を引き起こす、方法。
【請求項76】
請求項72~75のいずれか1つに記載の方法において、前記第2の流体の量を変化させる工程は、前記流体ポケットと流体連通している流体ポケットポートを介して前記第2の流体を流す工程を含む、方法。
【請求項77】
請求項72~76のいずれか1つに記載の方法において、前記第2の流体の量を変化させる工程および前記胎児腔を移行させる工程は、前記胎児が所定の体重を有する場合に実行される、方法。
【請求項78】
請求項72~77のいずれか1つに記載の方法において、前記第2の流体の量を変化させる工程および前記胎児腔を移行させる工程は、所定の時間が経過した後に実行される、方法。
【請求項79】
請求項72~78のいずれか1つに記載の方法において、さらに、
前記胎児腔の中に胎児を導入する工程を有するものである、方法。
【請求項80】
第1の端部と第2の端部との間で軸方向に沿って延びる本体と前記本体から離れるように延びる頭部とを有する緊急遮断アセンブリを使用して胎児の臍帯を通る血流を閉塞させる方法であって、
前記本体に隣接して前記臍帯を提供する工程と、
前記頭部を前記臍帯に接触させるために前記本体を第1の方向に動かす工程と、
前記臍帯を通る血流が遮断されるように、前記頭部を用いて前記臍帯を圧縮する工程と
を有する、方法。
【請求項81】
請求項80記載の方法において、前記本体を動かす工程は、前記本体に動作可能に接続されたアクチュエーターを動かす工程を含む、方法。
【請求項82】
請求項81記載の方法において、前記アクチュエーターはハンドルであり、前記アクチュエーターを動かす工程は、前記ハンドルを引く工程を含む、方法。
【請求項83】
胎児チャンバーアセンブリの成長チャンバーから胎便を除去する方法であって、
前記成長チャンバーに規定された胎便除去ポートを介して前記成長チャンバーにカテーテルを挿入する工程と、
前記挿入されたカテーテルを前記成長チャンバー内で第1の方向に動かす工程と、
前記カテーテルを前記第1の方向と異なる第2の方向に回転させる工程と、
前記カテーテルを介して前記胎便を前記成長チャンバーの外に吸引する工程と
を有する、方法。
【請求項84】
請求項83記載の方法において、さらに、
前記カテーテルを挿入する工程の前に、前記胎便除去ポートから蓋部を除去する工程を有するものである、方法。
【請求項85】
請求項83もしくは84のいずれかに記載の方法において、さらに、
前記胎便除去ポートを介して前記成長チャンバーから前記カテーテルを除去する工程を有するものである、方法。
【請求項86】
請求項83~85のいずれか1つに記載の方法において、さらに、
前記カテーテルを前記成長チャンバーから除去する工程の後に前記胎便除去ポートの中に前記蓋部を導入する工程を有するものである、方法。
【請求項87】
請求項83~86のいずれか1つに記載の方法において、前記カテーテルを挿入する工程は、前記胎便除去ポート内に配置された逆止バルブを介して前記カテーテルを挿入する工程を含む、方法。
【請求項88】
請求項83~87のいずれか1つに記載の方法において、さらに、
前記胎便除去ポートの中にアダプターを挿入する工程であって、前記アダプターは、そこを介して延びる通路を規定し、前記カテーテルを前記通路の中に、前記通路を介して、および前記通路から受け取るように構成されている、挿入する工程を有する方法。
【請求項89】
請求項88に記載の方法において、前記アダプターは、前記通路と流体連通し、この開口部を介して前記カテーテルが動くように構成されている開口部を含み、前記開口部は、前記カテーテルが動かされる方向に面しており、
前記カテーテルを前記第1の方向に動かす工程は、前記アダプタの開口部を前記第1の方向に方向を合わせる工程を含み、前記カテーテルを回転させる工程は、前記開口部を前記第2の方向に方向を合わせる工程を含む、方法。
【請求項90】
請求項88もしくは89のいずれかに記載の方法において、さらに、
前記胎便除去ポートから前記アダプターを除去する工程を有するものである、方法。
【請求項91】
成長チャンバー上に配置された空気除去ポートを介して前記成長チャンバーから空気を除去する方法であって、
前記空気が前記空気除去ポートに隣接するまで前記成長チャンバー内の前記空気を前記空気除去ポートの方に方向付ける工程と、
前記空気が前記空気除去ポートを介して出て行くように前記空気除去ポートを開く工程と
を有する、方法。
【請求項92】
請求項91記載の方法において、前記空気を方向付ける工程は、前記成長チャンバーを回転させる工程を含む、方法。
【請求項93】
請求項92記載の方法において、前記成長チャンバーを回転させる工程は、前記成長チャンバーを前記空気除去ポートが重力に対して前記成長チャンバーの最高点にあるように方向を合わせる工程を含む、方法。
【請求項94】
請求項91~93のいずれか1つに記載の方法において、前記空気を方向付ける工程は、前記空気が前記空気除去ポートに向かって動くように強制するために前記成長チャンバーに押し付ける工程を含む、方法。
【請求項95】
請求項91~94のいずれか1つに記載の方法において、さらに、
前記空気が前記空気除去ポートの外に動かされた後に、前記空気除去ポートを閉じる工程を有するものである、方法。
【請求項96】
胎児をその中に包み込み、支持するように構成された胎児チャンバーアセンブリであって、
前記胎児をその中に受け取るように構成された基部と、
前記基部と取り外し可能に接触し、前記蓋部と前記基部との間に液密封印を形成するように構成された蓋部と、
前記基部と前記蓋部との間に規定された成長チャンバーであって、その中に前記胎児を受け取るように構成された、成長チャンバーと、
前記成長チャンバーと流体連通するカニューレチャンバーであって、その中に前記胎児のカニューレされた臍帯を受け取るように構成された、カニューレチャンバーと
を有し、
前記成長チャンバーは、前記胎児の大きさに基づいて妊娠中に前記胎児を収容するために大きさを調整するように構成され、前記胎児チャンバーアセンブリは、液体源から液体を受け取るように構成されている、胎児チャンバーアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2020年9月15日に出願された米国仮出願第63/078、572号の便益を主張し、その全体は、あらゆる目的のために本明細書に組み込まれるものとする。
【0002】
本開示は、一般に新生児医療に関し、より具体的には、子宮外の未熟な胎児の生存能力を向上させることに関連するシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
極端な未熟児は、米国における乳児の罹患率および死亡率の主要な原因となっている。早産は、多くの医学的理由のいずれか1つによって起こる可能性がある。呼吸不全は、極端な未熟児に関連する一般的で困難な問題であり、なぜなら、極端な未熟児の気体交換は、肺の構造と機能の未熟さによって損なわれるからであある。この分野での医学的進歩があっても、早産児、特に妊娠28週以前に生まれた胎児では、慢性肺疾患や臓器の未熟さによるその他の合併症が高い割合で発生している。数週間でも正常な胎児の成長と臓器の成熟をサポートできるシステムを開発すれば、極端な未熟児の罹患率と死亡率を大幅に減らし、生存者のQOLを向上させることができる。未熟児の胎児をサポートするための既存のメカニズムには欠点がある。動物モデルで胎児の十分な酸素化を達成する既存の過去の試みは、循環過負荷と心不全によって制限されてきた。既知のシステムは、循環不全や汚染など、受け入れがたい合併症に悩まされている。
【0004】
したがって、未熟児の胎児、または、さまざまな健康状態/障害のために、生命を維持するための呼吸気体交換が不十分な胎児(早産児または成熟児)に体外サポートを提供するためのシステムおよび方法は、生存率を改善できる。
【発明の概要】
【0005】
前述のニーズは、開示された胎児チャンバーアセンブリシステム、コンポーネント、および使用方法の様々な態様によって満たされる。本開示の一態様によれば、胎児をその中に包み込んで支持するように構成された胎児チャンバーアセンブリは、胎児をその中に受け取るように構成された基部と、前記基部と取り外し可能に接触して蓋部と前記基部との間に液密封印を形成するように構成された蓋部と、前記基部と前記蓋部の間に規定された成長チャンバーであって、前記成長チャンバーは胎児をそこに受け取るように構成されている、成長チャンバーと、前記成長チャンバーと液体連通しているカニューレチャンバーであって、前記カニューレチャンバーは胎児のカニューレされた臍帯をそこに受け取るように構成された、カニューレチャンバーと、含む。前記成長チャンバーは、胎児の大きさに基づいて、妊娠中に胎児を収容するために大きさを調整するように構成される。前記胎児チャンバーアセンブリは、液体源から液体を受け取るように構成されている。
【0006】
任意選択で、前記胎児チャンバーアセンブリは、前記基部上に配置され、前記成長チャンバーと流体連通する第1の注入口を含むことができ、前記第1の注入口は、前記成長チャンバーに前記液体を排出するように構成される。前記第1の注入口は、前記蓋部に配置されてもよい。
【0007】
任意選択で、前記胎児チャンバーアセンブリは、前記基部上に配置され、前記カニューレチャンバーと流体連通する第2の注入口を含むことができ、前記第2の注入口は、前記カニューレチャンバー内に液体を排出するように構成される。前記第2の注入口は、前記蓋部に配置されてもよい。
【0008】
任意選択で、前記胎児チャンバーアセンブリは、前記基部上に配置され、前記成長チャンバーと流体連通する排出口を含むことができ、前記排出口は、前記成長チャンバーから液体を受け取るように構成される。前記排出口は、前記蓋部に配置されてもよい。
【0009】
任意選択で、前記胎児チャンバーアセンブリは、前記胎児チャンバーアセンブリ内の前記液体の温度を測定するように構成された温度センサーを含むことができる。前記温度センサーは、前記成長チャンバー内に配置されてもよい。前記温度センサーは、前記カニューレチャンバーに配置されてもよい。任意選択で、前記胎児チャンバーアセンブリは、複数の温度センサーを含んでよい。
【0010】
任意選択で、前記胎児チャンバーアセンブリは、前記複数の温度センサーの各々からの温度測定値を平均化することによって前記液体の平均温度を計算するように構成できる。前記複数の温度センサーは、前記複数の温度センサーの少なくとも1つが胎児の足よりも胎児の頭に近く、前記複数の温度センサーの少なくとも別のものが前記胎児の頭よりも前記胎児の足に近いように、互いから間隔を空けて配置されてもよい。前記複数の温度センサーの少なくとも1つは、前記第1の注入口に近くてもよく、前記複数の温度センサーの少なくとももう1つは、前記排出口に近くてもよい。
【0011】
任意選択で、前記胎児チャンバーアセンブリは、前記胎児チャンバーアセンブリ内の前記液体の圧力を測定するように構成された圧力センサーを含んでよい。前記胎児チャンバアセンブリは、複数の圧力センサーを含んでよい。前記胎児室アセンブリは、前記複数の圧力センサーのそれぞれからの圧力測定値を平均化することによって、前記液体の平均圧力を計算するように構成できる。前記複数の圧力センサーは、胎児が前記成長チャンバーに受け入れられたとき、胎児が第1の圧力センサーと第2の圧力センサーとの間に配置されるように、前記第1の圧力センサーと、前記第1の圧力センサーから間隔を置いた前記第2の圧力センサーとを含んでいてもよい。
【0012】
任意選択で、前記胎児チャンバーアセンブリは、ピッチ軸を中心に第1の方向および前記第1の方向とは反対の第2の方向に回転されるように構成されてもよい。いくつかの非限定的な側面において、前記ピッチ軸は、前記第1の圧力センサーと前記第2の圧力センサーの間に配置されてもよい。前記胎児チャンバーアセンブリは、前記ピッチ軸に概ね直交するロール軸を中心に、第3の方向および前記第3の方向と反対側の第4の方向に回転するように構成されていてもよい。いくつかの非限定的な態様において、前記ロール軸は、前記第1の圧力センサーと前記第2の圧力センサーとの間に配置されることができる。任意選択で、前記ロール軸は、前記第1の圧力センサーと前記第2の圧力センサーとに直列に配置されてもよい。
【0013】
任意選択で、前記胎児チャンバーアセンブリは、前記液体中の胎便の存在を検出するように構成された胎便センサーを含むことができる。前記胎児チャンバーアセンブリは、前記胎便センサーが所定の閾値で胎便を検出した場合に、ユーザに警告するように構成されてもよい。前記胎便センサーは、前記胎児チャンバーアセンブリから前記液体を受け取るように構成された排出口チャネルに隣接して配置されてもよい。
【0014】
任意選択で、前記胎児チャンバーアセンブリは、前記基部を通って延び、前記成長チャンバーおよび前記カニュレーションチャンバーのうちの少なくとも1つと流体連通している胎便除去ポートを含み、前記胎便除去ポートは選択的に開閉可能であり、前記胎便除去ポートは胎便除去ツールをそこに受け入れて前記胎児チャンバーアセンブリから胎便を除去するように構成されてもよい。前記胎便除去ポートは、前記蓋部に配置されてもよい。前記胎児チャンバーアセンブリは、前記胎便除去ポート内に配置されたバルブを含んでもよく、当該バルブは、選択的に開放または閉鎖されるように構成されている。前記胎児チャンバーアセンブリは、前記胎便除去ポート内および前記バルブに隣接する封印を含んでよい。任意選択で、前記バルブはトロカールバルブであってもよい。任意選択で、前記バルブは、スリット封印バルブであってもよい。任意選択で、前記胎児チャンバーアセンブリは、前記胎便除去ポート内に受け入れられるように構成された取り外し可能なキャップを含んでよい。
【0015】
任意選択で、前記胎児チャンバーアセンブリは、その上に配置され、前記胎児チャンバーアセンブリ内から前記胎児チャンバーアセンブリ外への空気の動きを可能にするように構成された空気除去ポートを含むことができる。前記空気除去ポートは、前記基部上に配置されてもよい。前記空気除去ポートは、前記蓋部に配置されてもよい。前記空気除去ポートは、そこに逆止バルブを受け取るように構成されてもよく、前記逆止バルブは、空気が前記胎児チャンバーアセンブリの外に動くことを可能にするように構成され、空気が前記胎児チャンバーアセンブリの中に動くことを防止するように構成される。
【0016】
任意選択で、前記胎児チャンバーアセンブリは、前記液体中の血液の存在を検出するように構成された血液センサーを含むことができる。前記胎児チャンバーアセンブリは、前記血液センサが所定の閾値で血液を検出した場合、ユーザに警告するように構成されてもよい。前記血液センサーは、前記胎児チャンバーアセンブリから前記液体を受け取るように構成された排出口チャネルに隣接して配置されてもよい。前記血液センサは、前記カニューレチャンバー内に配置されてもよい。任意選択で、前記胎児チャンバーアセンブリは、複数の血液センサーを含んでよい。
【0017】
任意選択で、前記胎児チャンバーアセンブリは、前記血液センサーに隣接して配置された血液センサーアセンブリ筐体を含んでもよく、前記血液センサーアセンブリ筐体は、前記液体中に存在する任意の血液を受け取り、前記血液を前記血液センサーに方向付けるように構成される。前記血液センサーアセンブリ筐体は、じょうごと、前記じょうごに結合された感知チャンバーとを含んでもよく、前記血液センサーは、前記感知チャンバー内の前記液体内の血液の存在を検出するように構成される。前記じょうごは、前記じょうごの第1の端部から前記第1の端部とは反対側のじょうごの第2の端部まで延びる複数のテーパ状壁部を含んでもよく、前記複数のテーパ状壁部は、前記第1の端部から前記第2の端部までの方向において互いに向かってテーパ状であり、前記じょうごは、前記胎児チャンバーアセンブリが複数の所定の位置のうちの任意の1つに回転したときに前記液体中に存在する任意の血液を受け取るよう構成される。
【0018】
任意選択で、前記胎児チャンバーアセンブリは、前記カニューレされた臍帯に接触し、前記カニューレされた臍帯を通る血流を閉塞するように構成された緊急遮断アセンブリを含んでよい。前記緊急遮断アセンブリは、前記緊急遮断アセンブリと前記基部との間で前記カニューレされた臍帯をクランプするように構成されていてもよい。前記緊急遮断アセンブリは、逆にできないように構成されてもよく、前記緊急遮断アセンブリが前記カニューレされた臍帯を通る血流を閉塞するために使用された場合、前記緊急遮断アセンブリは前記血流を閉塞解除するために使用することが妨げられるようになっている。
【0019】
任意選択で、前記胎児チャンバーアセンブリの前記蓋部は、前記基部に蝶番状に取り付けられてもよく、前記蓋部の少なくとも一部が前記基部から離間している開位置と、前記蓋が前記基部に接触する閉位置との間で蝶番状の取り付け部を中心に回転するように構成される。
【0020】
任意選択で、胎児チャンバーアセンブリは、前記基部および前記蓋部の一方に設けられた第1の閉鎖要素と、前記基部および前記蓋部の他方に設けられた第2の閉鎖要素とを含んでもよく、前記第1の閉鎖要素は、前記第2の閉鎖要素と解放可能に係合するように構成されている。前記第1の閉鎖要素は締め具であってもよく、前記第2の閉鎖要素は突起部であり、前記締め具は、前記突起部と解放可能に係合するように構成される。前記締め具は前記基部上にあってよく、前記突起部は前記蓋部上にある。任意選択で、前記胎児チャンバーアセンブリは、複数の第1および第2の閉鎖要素を含んでよい。
【0021】
任意選択で、前記胎児チャンバーアセンブリは、前記基部と前記蓋部の少なくとも一方に封印を含んでもよく、前記封印は、前記基部と前記蓋部の間に液密な閉鎖を形成するように構成される。前記胎児チャンバーアセンブリは、複数の封印を含んでもよく、前記基部上の第1の封印と前記蓋部上の第2の封印とを有し、前記第1の封印は、前記第2の封印と解放可能に接触して前記液密な閉鎖を形成するように構成される。
【0022】
本開示の別の態様によれば、前記胎児チャンバーアセンブリと共に使用するための成長チャンバーが開示される。前記成長チャンバーは、その中に第1の流体を受け入れ、その中に胎児を受け取るように構成されてもよい。前記成長チャンバーは、上部膜と、前記上部膜の反対側にある下部膜と、前記下部膜から間隔を空けて配置された成長膜であって、前記下部膜は前記成長膜と前記上部膜の間に配置されている、前記成長膜と、前記成長膜と前記下部膜の間に規定された流体ポケットであって、前記流体ポケットはその中に第2の流体を受け取るように構成されている、前記流体ポケットとを含む。胎児は、前記上部膜と前記下部膜との間に受け取るように構成される。前記成長チャンバーは、第1の構成と第2の構成とを有し、前記成長チャンバーが前記第1の構成にある場合、第1の成長量は、前記上部膜と前記下部膜との間に規定され、第1のポケット容積は、前記成長膜と前記下部膜との間の前記流体ポケット内に規定され、前記成長チャンバーが前記第2の構成にある場合、第2の成長量は、前記上部膜と前記下部膜との間に規定され、第2のポケット容積は、前記成長膜と前記下部膜との間の前記流体ポケット内に規定され、前記第1の成長量は前記第2の成長量と異なり、前記第1のポケット容積は前記第2のポケット容積と異なっている。
【0023】
任意選択で、前記成長チャンバーは、前記第1のポケット容積を前記第2のポケット容積に変化させることによって、前記第1の構成から前記第2の構成に動くように構成されてもよい。
【0024】
任意選択で、前記成長チャンバーは、前記上部膜と前記下部膜との間の前記成長チャンバーに前記第1の流体を排出するように構成された第1の流体注入口を含んでよい。
【0025】
任意選択で、前記成長チャンバーは、前記成長チャンバーから前記第1の流体を受け取るように構成された排出口を含んでよい。
【0026】
任意選択で、前記成長チャンバーは、胎児によって接触されるように構成された緩衝部を含んでよい。前記緩衝部は、前記上部膜および前記下部膜の少なくとも一方が、前記緩衝部と前記成長チャンバー内の胎児との間に配置されるように、前記成長チャンバーの外側に配置されてもよい。
【0027】
任意選択で、前記第1の流体は、前記第2の流体と異なっていてもよい。
【0028】
任意選択で、前記下部膜と前記成長膜は、前記第2の流体が前記第1の流体に接触しないように、互いに貼り合わされることがある。
【0029】
任意選択で、前記胎児チャンバーアセンブリは、前記流体ポケットと流体連通する流体ポケットポートを含んでもよく、前記流体ポケットは、前記流体ポケットポートを介して前記第2の流体を選択的に受け取りまたは排出するように構成される。
【0030】
任意選択で、前記第1の流体は液体であってもよい。いくつかの態様において、前記第1の流体は、生理的食塩液(PSS)であってもよい。いくつかの態様において、前記PSSは、合成羊水であってもよい。
【0031】
任意選択で、前記第2の流体は、液体であってもよい。
【0032】
任意選択で、前記第2の流体は生理食塩水を含むことができる。
【0033】
任意選択で、前記第1の成長量は前記第2の成長量より小さくてもよく、前記第1のポケット容積は前記第2のポケット容積より大きくてもよい。
【0034】
任意選択で、前記第1の成長量は、第1の大きさを有する胎児に関連してもよく、前記第2の成長量は、第2の大きさを有する胎児に関連してもよい。
【0035】
任意選択で、前記成長チャンバーは、その中に温度センサーを含んでもよく、前記温度センサーは、前記第1の流体の温度を測定するように構成される。任意選択で、前記成長チャンバーは、複数の温度センサーを含んでよい。
【0036】
任意選択で、前記成長チャンバーは、その中に圧力センサーを含んでもよく、前記圧力センサーは、前記第1の流体の圧力を測定するように構成される。任意選択で、前記成長チャンバーは、複数の圧力センサーを含んでよい。
【0037】
任意選択で、前記成長チャンバーは、カニューレチャンバーと流体連通するように構成されてもよい。
【0038】
任意選択で、前記成長チャンバーは、その中に延びる胎便除去ポートを含んでもよく、前記胎便除去ポートは、選択的に開閉可能であり、前記成長チャンバー内の胎便を除去するために、前記上部膜と前記下部膜の間の前記成長チャンバーの中にそこを介して胎便除去ツールを挿入できるよう構成される。
【0039】
任意選択で、前記上部膜、前記下部膜、および前記成長膜のうちの少なくとも1つは、それぞれ、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、エチレンビニルアセテート、ポリ塩化ビニリデン、およびアクリルのうちの少なくとも1つまたはその積層組み合わせを含んでよい。
【0040】
任意選択で、前記上部膜、前記下部膜、および前記成長膜のうちの少なくとも1つは、約50と約100との間の硬度計を有してもよい。
【0041】
任意選択で、前記上部膜、前記下部膜、および前記成長膜のうちの少なくとも1つは、約60と約90の間の硬度計を有することができる。
【0042】
任意選択で、前記上部膜、前記下部膜、および前記成長膜のうちの少なくとも1つは、約70と約80の間の硬度計を有することができる。
【0043】
任意選択で、前記上部膜、前記下部膜、および前記成長膜のうちの少なくとも1つは、熱成形されてもよい。
【0044】
任意選択で、前記成長膜は、前記上部膜の厚さおよび前記下部膜の厚さよりも厚い厚さを有してもよい。
【0045】
任意選択で、前記成長膜の厚さは、前記上部膜の厚さの約2倍であり、前記下部膜の厚さの約2倍であってもよい。
【0046】
任意選択で、前記上部膜、前記下部膜、および前記成長膜のうちの少なくとも1つは、前記成長チャンバーがその中に胎児を受け取るときに変形するように構成されてもよい。
【0047】
本開示の別の態様によれば、胎児チャンバーアセンブリと共に使用するためのカニューレチャンバーが開示される。前記カニューレチャンバーは、その中に流体を受け入れ、その中に胎児の臍帯を受け取るように構成される。前記カニューレチャンバーは、そこを介して前記カニューレチャンバーに1若しくはそれ以上のカニューレを受け取るように構成されたカニューレ入口部と、そこを介して前記カニューレチャンバーに臍帯を受け取るように構成された臍帯開口部であって、前記臍帯開口部は前記カニューレ入口部から離間している、臍帯開口部と、前記カニューレチャンバーに前記流体を排出するように構成された流体注入口と、前記1若しくはそれ以上のカニューレが所定の配置に従ってカニューレ保持部アセンブリに配置されるように、前記カニューレ入口部に配置され前記1若しくはそれ以上のカニューレをそこに受け取るように構成されている前記カニューレ保持部とを含む。前記臍帯は、前記カニューレチャンバー内にある場合、1若しくはそれ以上のカニューレに接続される。
【0048】
任意選択で、前記カニューレチャンバーは、前記カニューレチャンバー内で臍帯に接触して臍帯を通る血流を閉塞するように構成された遮断アセンブリを含むことができる。前記緊急遮断アセンブリは、前記カニューレ入口部と臍帯開口部との間に配置されてもよく、前記1若しくはそれ以上のカニューレと前記臍帯との間の接続部は、前記緊急遮断アセンブリと前記カニューレ入口部との間に配置される。
【0049】
任意選択で、前記カニューレチャンバーは、前記カニューレチャンバー内の前記流体中に存在する血液を検出するように構成された血液センサーアセンブリを含んでもよく、前記血液センサーアセンブリは、前記カニューレ入口部と前記臍帯開口の間に配置される。
【0050】
任意選択で、前記カニューレチャンバーは、成長チャンバーと流体連通することができる。
【0051】
任意選択で、前記臍帯開口部は、前記流体を前記カニューレチャンバーから前記成長チャンバーに排出するように構成されてもよい。
【0052】
任意選択で、前記流体は液体であってもよい。いくつかの態様において、前記液体は生理的食塩液(PSS)であってもよい。いくつかの態様において、前記PSSは、合成羊水液であってもよい。
【0053】
任意選択で、前記カニューレチャンバーは、3本のカニューレを受け取るように構成されてもよい。
【0054】
任意選択で、前記カニューレチャンバーは、前記カニューレチャンバーに接触し、前記カニューレチャンバーの少なくとも一部の周りに液密封印を形成するように構成されたカニューレチャンバー膜を含むことができる。任意選択で、前記カニューレチャンバーは、前記カニューレチャンバー膜上に配置され、前記カニューレチャンバーから前記カニューレチャンバーの外に空気がそこを通過することを可能にするように構成された空気除去ポートを含むことができる。
【0055】
任意選択で、前記カニューレチャンバーは、カニューレ保持部アセンブリを含むことができる。前記カニューレ保持部アセンブリは、前記カニューレ入口部で前記カニューレチャンバー内の前記流体が前記カニューレチャンバーから漏れることを妨げるように構成された封印と、前記封印を通って延び、そこに前記1若しくはそれ以上のカニューレを受け取るように構成された複数のポートと、前記封印に対する前記1若しくはそれ以上のカニューレの動きが妨げられるように前記封印を通って延びる前記1若しくはそれ以上のカニューレに接触するように構成された固定バーとを含む。
【0056】
本開示の別の態様によれば、カニューレを胎児チャンバーアセンブリのカニューレチャンバに導入するためのカニューレ保持部アセンブリは、前記カニューレチャンバに接触し、前記カニューレチャンバ内の流体が前記封印を越えて前記カニューレチャンバの外に動くことを妨げるように構成された封印と、前記ポートが前記カニューレチャンバと流体連通しているように前記封印を通って伸びるポートであって、前記ポートは前記カニューレを受け取るように構成されている、ポートとを含む。
【0057】
任意選択で、前記カニューレ保持部アセンブリは、その中に複数のカニューレを受け取るように構成されてもよい。
【0058】
任意選択で、前記封印は、複数のポートを規定するように構成されてもよく、前記複数のポートの数は、前記カニューレ保持部アセンブリに導入されるように構成された前記複数のカニューレの数と同じかそれよりも多い。
【0059】
任意選択で、前記封印は、上面と、前記上面と前記ポートとの間に延びるスリットとを規定し、前記スリットは、前記封印上の2つの対向壁部によって規定され、前記スリットは、開放構成と閉鎖構成とを有し、前記スリットが前記開放構成にある場合、前記2つの対向壁部は、通路が前記2つの対向壁部の間に規定するように互いに離間され、前記通路は前記上面が前記ポートと流体連痛する前記上面と前記ポートの間に延び、前記スリットが前記閉鎖構成にある場合、前記上面と前記ポートが互いに流体連通しないように、前記2つの対向壁部が互いに接触している。
【0060】
任意選択で、前記カニューレ保持部アセンブリは、前記スリットを前記開放構成と前記閉鎖構成との間で動かすように構成されたアクチュエータを含むことができる。前記アクチュエータは、第1の方向に第1の位置まで動かされ、前記第1の方向とは反対の第2の方向に第2の位置まで動かされるように構成されたハンドルであってもよく、前記ハンドルが前記第1の位置にある場合、前記スリットは前記開放構成にあり、前記ハンドルが前記第2の位置にある場合、前記スリットは前記閉鎖位置にある。
【0061】
任意選択で、前記カニューレ保持部アセンブリは、前記カニューレに接触し、前記カニューレが前記カニューレ保持部アセンブリ内で並進または回転することを妨げられるように、前記カニューレを前記カニューレ保持部アセンブリに押し付けるように構成された固定バーを含んでよい。
【0062】
本開示の別の態様によれば、胎便除去ポートを介して胎児チャンバーアセンブリ内から胎便を除去するための胎便除去装置は、前記胎児チャンバーアセンブリからその中の前記胎便を受け取り、その中の胎便を前記胎児チャンバーアセンブリの外に動かすように構成されたカテーテルと、前記カテーテルに解放可能に接続し、前記胎児チャンバーアセンブリに挿入するように構成されたアダプターであって、前記アダプターは、前記胎児チャンバーアセンブリ内で前記カテーテルを方向づけるように構成された、アダプターとを含む。
【0063】
任意選択で、前記アダプタは、第1の端部に第1の開口部を有し、第2の端部に第2の開口部を有する本体であって、前記本体は、前記第1の開口部と前記第2の開口部の間に通路を規定し、前記カテーテルは、前記通路に挿入されて前記第1の開口部から前記第2の開口部まで延びるように構成される、本体を含む。
【0064】
任意選択として、前記アダプタは、前記端部に隣接する湾曲した頭部を含んでもよく、前記湾曲した頭部は、前記第2の開口を規定する。前記湾曲した頭部は、前記湾曲した頭部が先端部を規定するように先細りになっていてもよい。前記先端部は、丸みを帯びた無傷先端部であってもよい。
【0065】
任意選択で、前記アダプタは、ユーザによって把持されるように構成されたハンドルを含んでよい。
【0066】
任意選択で、前記アダプタは、前記本体に規定された保持要素を含んでもよく、前記保持要素は前記カテーテルに規定されたカラーと解放可能に結合するように構成される。
【0067】
本開示の別の態様によれば、胎児の臍帯に接触してそこを通る血流を閉塞するように構成された緊急遮断アセンブリは、第1の端部と前記第1の端部とは反対側の第2の端部との間で軸方向に沿って延びる本体と、前記第2の端部に隣接して前記本体に貼り付けられた頭部であって、前記頭部は、本体から延びる、頭部と、前記頭部に規定され前記臍帯に接触するように構成された接触面と、前記接触面の反対側の基部表面であって、前記基部表面は前記臍帯に接触するように構成された基部表面とを含む。前記本体は、第1の位置と第2の位置との間で前記軸方向に沿って移動可能である。前記臍帯は、前記接触面と前記基部表面との間に配置されるように構成される。前記本体が前記第1の位置にある場合、前記接触面は、第1の距離で前記基部表面から離間し、前記本体が前記第2の位置にある場合、前記接触面は、第2の距離で前記基部表面から離間し、前記第2の距離は、前記第1の距離よりも小さくなっている。前記本体が前記第2の位置にある場合、血流が前記臍帯を通ることを妨げられるように、前記接触面および前記基部表面は、前記臍帯に接触する。
【0068】
任意選択で、前記緊急遮断アセンブリは、前記第1の端部に隣接する前記本体に結合されたアクチュエータを含んでよい。前記第1の位置から前記第2の位置への本体の動きは、前記アクチュエータの動きによって引き起こされてもよい。任意選択で、前記アクチュエータは、軸方向に沿って動かされるように構成されたハンドルであってもよい。
【0069】
任意選択で、前記接触面は、前記第1の端部の方を向いていてもよい。
【0070】
任意選択で、前記接触面は、前記第1の端部から離れる方向に向いてもよい。
【0071】
任意選択で、前記頭部は、軸方向に垂直な垂直方向に沿って延びてもよい。
【0072】
任意選択で、前記本体が前記第2の位置にある場合、前記臍帯は、前記接触面と前記基部表面との間で圧縮されてもよい。
【0073】
任意選択で、前記緊急遮断アセンブリは、前記本体が前記第1の位置から前記第2の位置へ動かすことを可能にし、前記本体が前記第2の位置から前記第1の位置へ動かすことを防止するように構成されたラチェット機構を含んでよい。
【0074】
任意選択で、前記緊急遮断アセンブリは、前記本体の前記第2の端部に隣接して配置され、選択的に開閉されるように構成された蓋部を含んでもよく、前記蓋部が開いている場合、前記蓋部は前記アクチュエータを覆っておらず、前記蓋部が閉じている場合、前記蓋部は前記アクチュエータを覆っている。
【0075】
任意選択で、前記緊急遮断アセンブリは、胎児チャンバーアセンブリのカニューレチャンバー内に配置されるように構成されてもよい。
【0076】
本開示の別の態様によれば、胎児チャンバーアセンブリ内の流体中の血液の存在を検出するように構成された血液センサーアセンブリは、血液の存在を検出するように構成されたセンサーと、前記流体を受け入れ、前記流体を前記センサーに方向付けるように構成された筐体とを含む。前記筐体は、前記センサーに隣接する感知チャンバーであって、前記感知チャンバーは、その中に前記流体を受け取るように構成された、感知チャンバーと、前記流体を前記感知チャンバーに方向付けるように構成されたじょうごであって、前記じょうごは、第1の端部に第1の開口部と、第2の端部に第2の開口部を有する、じょうごと、前記第1の端部と前記第2の端部の間に延びる壁部であって、前記第1の開口部が前記第2の開口部より大きくなるように、前記壁部は前記第1の端部から前記第2の端部に向かって先細りになっている、壁部とを有する。
【0077】
任意選択で、前記筐体は、複数の壁部を含んでよい。任意選択で、前記筐体は、4つの壁部を有していてもよい。
【0078】
任意選択で、前記センサーは、光学センサーであってもよい。前記センサーは、カメラ、光源、および反射面を含んでもよく、前記反射面は、前記カメラおよび前記光源に対向して配置され、前記反射面は、第1の色を有する。前記センサーは、前記第1の色とは異なる第2の色を検出するように構成されてもよい。前記血液センサーアセンブリは、前記第2の色を所定の色の範囲に関連付けるように構成されてもよい。
【0079】
任意選択で、前記センサーが前記色の所定の範囲内で前記第2の色を検出した場合、前記血液センサーアセンブリは、警告をトリガーするように構成されてもよい。
【0080】
任意選択で、前記センサーは、前記センサーによって検出された色相、彩度、および値パラメータに基づいて、前記流体内の血液の存在を定量化するように構成されたプロセッサを含んでよい。
【0081】
いくつかの態様において、前記血液センサーは、血液成分による特定のスペクトル線の吸収と特定の波長の相対強度によって血液の存在を検出する光学センサであってよい。前記センサーは、異なる波長を交互に放射し、透過または反射強度を検出することができる。前記センサーは複数の波長を同時に放射し、フィルタリングされた検出器が前記特定の波長の強度を測定することもできる。
【0082】
任意選択で、前記センサーが前記所定の相対強度を検出した場合、前記血液センサーアセンブリは、警告をトリガーするように構成されてもよい。
【0083】
本開示の別の態様によれば、胎児を受け取るように構成された胎児チャンバーアセンブリの成長チャンバー内の容積を変化させる方法が開示される。前記成長チャンバーは、上部膜と前記上部膜に対向する下部膜との間に胎児腔を規定し、前記胎児腔は第1の流体を受け取るように構成され、前記成長チャンバーは前記下部膜と成長膜との間に流体ポケットを規定し、前記流体ポケットは第2の流体を受け取るように構成される。前記方法は、前記第1の流体を前記胎児腔内に導入する工程と、前記第2の流体を前記流体ポケット内に導入する工程と、前記流体ポケットを第1のポケット容積から前記第1のポケット容積とは異なる第2のポケット容積に移行させるために前記流体ポケット内の前記第2の流体の量を変化させる工程と、前記胎児腔を第1の胎児容積から前記第1の胎児容積とは異なる第2の胎児容積に移行させる工程とを含む。
【0084】
任意選択で、前記第2の流体の量を変化させる工程は、前記第2のポケット容積が前記第1のポケット容積より小さくなるように、前記第2の流体の量を減少させる工程を含んでよい。
【0085】
任意選択で、前記胎児腔を移行させる工程は、前記第2の胎児容積が前記第1の胎児容積よりも大きくなるように、前記容積を増加させる工程を含んでよい。
【0086】
任意選択で、前記第2の流体の量を変化させる工程は、前記胎児腔を移行させる工程を引き起こす可能性がある。
【0087】
任意選択で、前記第2の流体の量を変化させる工程は、前記流体ポケットと流体連通している流体ポケットポートを介して前記第2の流体を流す工程を含んでよい。
【0088】
任意選択で、前記第2の流体の量を変化させる工程および前記胎児腔を移行させる工程は、胎児が所定の体重を有する場合に実行される。
【0089】
任意選択で、前記第2の流体の量を変化させる工程および前記胎児腔を移行させる工程は、所定の時間が経過した後に実行されてよい。
【0090】
任意選択で、前記容積を変化させる方法は、胎児を前記胎児腔に導入する工程を含んでよい。
【0091】
本開示の別の態様によれば、緊急遮断アセンブリを使用して胎児の臍帯を通る血流を閉塞させる方法が開示される。前記緊急遮断アセンブリは、第1の端部と第2の端部との間で軸方向に沿って延びる本体と、前記本体から離れるように延びる頭部とを有する。前記方法は、前記本体に隣接して前記臍帯を提供する工程と、前記頭部を前記臍帯に接触させるために前記本体を第1の方向に動かす工程と、前記臍帯を通る血流が遮断されるように、前記頭部を用いて前記臍帯を圧縮する工程とを含む。
【0092】
任意選択で、前記本体を動かす工程は、前記本体に動作可能に接続されたアクチュエーターを動かす工程を含んでよい。
【0093】
任意選択で、前記アクチュエーターはハンドルであってもよく、前記アクチュエーターを動かす工程は、前記ハンドルを引く工程を含んでよい。
【0094】
本開示の別の態様によれば、胎児チャンバーアセンブリの成長チャンバーから胎便を除去する方法は、前記成長チャンバーに規定された胎便除去ポートを介して前記成長チャンバーにカテーテルを挿入する工程と、前記挿入されたカテーテルを前記成長チャンバー内で第1の方向に動かす工程と、前記カテーテルを前記第1の方向と異なる第2の方向に回転させる工程と、前記カテーテルを介して前記胎便を前記成長チャンバーの外に吸引する工程とを含む。
【0095】
任意選択で、前記胎便を除去する方法は、さらに、前記カテーテルを挿入する工程の前に、前記胎便除去ポートから蓋部を除去する工程を含んでよい。
【0096】
任意選択で、前記胎便を除去する方法は、さらに、前記胎便除去ポートを介して前記成長チャンバーから前記カテーテルを除去する工程を含んでよい。
【0097】
任意選択で、前記胎便を除去する方法は、さらに、前記カテーテルを前記成長チャンバーから除去する工程の後に前記胎便除去ポートの中に前記蓋部を導入する工程を含んでよい。
【0098】
任意選択で、前記カテーテルを挿入する工程は、前記胎便除去ポートに配置された一方向バルブを介して前記カテーテルを挿入する工程を含んでよい。
【0099】
任意選択で、前記胎便を除去する方法は、前記胎便除去ポートにアダプターを挿入する工程を含んでよく、前記アダプターは、そこを介して延びる通路を規定し、前記カテーテルを前記通路に、前記通路を介して、および前記通路から受け取るように構成される。任意選択で、前記アダプターは、前記通路と流体連通し、前記カテーテルが動くように構成された開口部を含んでよく、前記開口部は、前記カテーテルが動かされる方向に面している。前記カテーテルを前記第1の方向に動かせる工程は、前記アダプタの開口部を前記第1の方向に方向を合わせる工程を含んでよく、前記カテーテルを回転させる工程は、前記開口部を前記第2の方向に方向を合わせる工程を含む。
【0100】
前記胎便を除去する方法は、さらに、前記胎便除去ポートから前記アダプターを除去する工程を含んでよい。
【0101】
本開示の別の態様によれば、成長チャンバー上に配置された空気除去ポートを介して前記成長チャンバーから空気を除去する方法は、前記空気が前記空気除去ポートに隣接するまで前記成長チャンバー内の前記空気を前記空気除去ポートの方に方向付ける工程と、前記空気が前記空気除去ポートを介して出て行くように前記空気除去ポートを開く工程とを含む。
【0102】
任意選択で、前記空気を方向付ける工程は、前記成長チャンバーを回転させる工程を含んでよい。前記成長チャンバーを回転させる工程は、前記成長チャンバーを前記空気除去ポートが重力に対して前記成長チャンバーの最高点にあるように方向を合わせる工程を含んでよい。
【0103】
任意選択で、前記空気を方向付ける工程は、前記空気が前記空気除去ポートに向かって動くように強制するために前記成長チャンバーに押し付ける工程を含んでよい。
【0104】
任意選択で、前記空気を除去する方法は、前記空気が前記空気除去ポートの外に動いた後に、前記空気除去ポートを閉じる工程を含んでよい。
【図面の簡単な説明】
【0105】
本願は、添付の図面と合わせて読むと、さらに理解される。主題を説明する目的で、図面には主題の例示的な側面が示されているが、現在開示されている主題は、開示されている特定の方法、装置、およびシステムに限定されるものではない。
図1図1は、本開示の一態様による胎児チャンバーアセンブリの透視図である。
図2図2は、基部から間隔を空けた蓋部を示す図1の前記胎児チャンバーアセンブリである。
図3図3は、本開示の態様による図1および図2の前記胎児チャンバーアセンブリの基部の透視図である。
図4図4は、図3の前記基部の別の透視図である。
図5図5は、図3および図4の前記基部の上面図である。
図6図6は、本開示の一態様による図1~5の前記胎児チャンバーアセンブリの前記蓋部の透視図である。図9は、前記上部膜が前記下部膜に接触している状態を示す、図8の前記成長チャンバーの断面透視図である。
図7図7は、図1~6の前記胎児チャンバーアセンブリの断面透視図である。
図8図8は、下部部膜および成長膜から間隔を空けた上部膜を示す、本開示の態様による成長チャンバーの透視図である。
図9図9は、前記上部膜が前記下部膜に接触している状態を示す、図8の前記成長チャンバーの断面透視図である。
図10図10は、図8および図9の前記成長チャンバーの前記下部膜および前記成長膜の分解図である。
図11図11は、本開示の一態様による前記胎児チャンバーアセンブリの側面図であり、第1の容積を有する前記成長チャンバーを示す。
図12図12は、図11の前記胎児チャンバーアセンブリの側面図であり、第2の容積を有する前記成長チャンバーを示す図である。
図13図13は、本開示の一態様によるカニューレチャンバーの透視図である。
図14図14は、図13のカニュレーションチャンバーの別の透視図である。
図15図15は、別の態様によるカニューレチャンバーの正面図を示し、カニューレなしの開放構成におけるスリット封印を示している。
図16図16は、図15の前記カニューレチャンバーの別の正面図を示し、その中にカニューレがある前記開放構成におけるスリット封印を示している。
図17図17は、図15および図16の前記カニュレーションチャンバーの透視図であり、前記固定バーが前記開位置にある閉鎖構成における前記スリット封印を示している。
図18図18は、図15~17の前記カニュレーションチャンバーの別の透視図を示し、前記固定バーが閉位置にある閉鎖構成にある前記スリット封印を示している。
図19A図19Aは、本開示の別の態様によるスリット封印の正面図であり、前記閉鎖構成にある前記スリット封印を示している。
図19B図19Bは、図19Aの前記スリット封印の正面図であり、前記開放構成における前記スリット封印を示す図である。
図20A図20Aは、本開示のさらに別の態様によるスリット封印の正面図を例示し、前記閉鎖構成における前記スリット封印を示している。
図20B図20Bは、図20Aの前記スリット封印の正面図を図示し、前記開放構成における前記スリット封印を示している。
図21図21は、本開示の一態様による流れ接続を示す、胎児チャンバーアセンブリの上面図である。
図22A図22Aは、本開示の態様による胎便センサアセンブリの側断面図を図示している。
図22B図22Bは、図22Aの胎便センサアセンブリの後方断面図を図示している。
図23図23は、本開示の別の態様による胎便センサーアセンブリの概略図を図示している。
図24図24は、本開示の一態様による胎便除去アセンブリの断面透視図を図示している。
図25図25は、本開示の一態様による胎便除去アダプタの正面図を図示している。
図26図26は、吸引カテーテルがそれに取り付けられた図25の前記胎便除去アダプタを図示している。
図27A図27Aは、本開示の一態様による蓋部を有する胎便除去アセンブリの透視図である。
図27B図27Bは、前記蓋部のない図27Aの前記胎便除去アセンブリの正面透視図である。
図27C図27Cは、図27Aおよび図27Bの前記胎便除去アセンブリの透視図であり、前記胎便除去アダプタが前記胎便除去アセンブリに部分的に挿入されている状態を示している。
図27D図27Dは、図27A27Cの前記胎便除去アセンブリの側面図を示し、前記胎便除去アダプタが前記胎便除去アセンブリに完全に挿入されている状態を示している。
図27E図27Eは、図27A~27Dの前記胎便除去アセンブリの側面図であり、前記胎便除去アダプタが前記胎便除去アセンブリに完全に挿入され、前記吸引カテーテルが前記胎便除去アダプタに挿入されている状態を示している。
図28図28は、本開示の一態様による血液センサーアセンブリの側断面図である。
図29図29は、図28の前記血液センサーアセンブリの一部の側断面図である。
図30図30は、図28および図29の前記血液センサーアセンブリの一部の透視図である。
図31A図31Aは、図28~30の前記血液センサーアセンブリの筐体の断面透視図である。図31Bは、図31Aの筐体の透視図である。図32は、本開示の態様による前記胎児チャンバーアセンブリにある場合の図31Aおよび図31Bの前記筐体の上面透視図である。
図31B図31Bは、図31Aの筐体の透視図である。
図32図32は、本開示の態様による前記胎児チャンバーアセンブリにある場合の図31Aおよび図31Bの前記筐体の上面透視図である。
図33図33は、図32の前記筐体への重力による例示的な血流を示す、図32の前記筐体の透視図である。
図34図34は、本開示の一態様によるセンサーの等角透視図である。
図35図35は、本開示の態様による緊急遮断アセンブリの側断面図である。
図36図36は、本開示の態様による前記胎児チャンバーアセンブリ内に示された図35の前記緊急遮断アセンブリの透視断面図である。
図37図37は、図35および図36の前記緊急遮断アセンブリの上面図である。
図38図38は、図35図37の前記緊急遮断アセンブリの別の透視断面図である。
図39A図39Aは、閉じた蓋部を示す、本開示の別の態様による緊急遮断アセンブリの等角図である。
図39B図39Bは、開いた蓋部を示す、図39Aの前記緊急遮断アセンブリの等角図である。
図40図40は、そこにある臍帯を示す、図39Aおよび図39Bの前記緊急遮断アセンブリの別の等角図である。
図41A図41Aは、本開示のさらに別の態様による緊急遮断アセンブリの断面側面図であり、クランプされていない臍帯を有する開放構成を示す図である。
図41B図41Bは、図41Aの前記緊急遮断アセンブリの断面側面図であり、クランプされた臍帯を有する閉構成を示す図である。
図42図42は、本開示の別の態様による胎児チャンバーアセンブリの上面図であり、そこに配置された温度センサーを示す。
図43図43は、その中に配置された圧力センサーを示す、本開示の別の態様による胎児チャンバーアセンブリの上面図である。
図44A図44Aは、第1の位置で示される、本開示の別の態様による前記胎児チャンバーアセンブリの側面図である。
図44B図44Bは、第2の位置で示される、図44Aの前記胎児チャンバーアセンブリの側面図である。
図44C図44Cは、第3の位置に示された、図44Aおよび図44Bの前記胎児チャンバーアセンブリの側面図である。
図44D図44Dは、第1の位置に示された図44A~44Cの前記胎児チャンバーアセンブリの正面図である。
図44E図44Eは、第4の位置に示された、図44A~44Dの胎児チャンバーアセンブリの正面図である。
図44F図44Fは、第5の位置に示された、図44A~44Eの胎児チャンバーアセンブリの正面図である。
図45A図45Aは、第6の位置で示される、図44A~44Eの前記胎児チャンバーアセンブリを示す等角図である。
図45B図45Bは、第7の位置で示される、図44A~45Aの前記胎児チャンバーアセンブリの等角図である。
図45C図45Cは、第8の位置で示される、図44A~45Bの前記胎児チャンバーアセンブリの等角図である。
図45D図45Dは、第9の位置で示される、図44A~45Cの前記胎児チャンバーアセンブリの等角図である。
図45E図45Eは、第10の位置で示される、図44A~45Dの前記胎児チャンバーアセンブリの等角図である。
図46図46は、本開示のさらに別の態様による胎児チャンバーアセンブリの正面図である。
図47図47は、空気除去ポートおよび空気除去アセンブリを示す、本開示のさらに別の態様による胎児チャンバーアセンブリの上面図である。
図48図48は、本開示の一態様による空気除去アセンブリの正面図である。
図49図49は、本開示のさらに別の態様による胎児チャンバーアセンブリの透視図であり、空気除去ポートに隣接する空気を示す図である。
【0106】
次に、本開示の態様を、図面を参照して詳細に説明するが、ここで、同種の参照番号は、特に指定しない限り、全体を通して同種の要素を指す。
【発明を実施するための形態】
【0107】
本願で開示されるシステムは、未熟な新生児に体外支持を提供するように構成される。本願を通じて、「胎児」および「新生児」は互換的に使用されることがあり、本明細書の記載は、一方の用語または他方の用語にのみ限定されないことが理解されるものとする。用語「胎児」は、子宮内の生体内胎児と、子宮から取り出された胎児または新生児の両方を説明するために使用される。これらのシステムは、早産児が子宮内で経験するであろう環境に類似する環境を提供することができる。子宮環境から取り除かれ、例えば、妊娠約22週から約24週の間にある早産児の生存率は、前記早産児を開示されたシステム環境に置くことによって増加する可能性がある。本開示のいくつかの態様によれば、前記システム環境は、1)早産児の光への曝露を制限する、2)早産児の音への曝露を制限する、3)前記胎児を液体環境内に沈めた状態に維持する、4)早産児を所望の温度範囲に維持する、または5)それらの任意の組合せ、のために構成される。
【0108】
未熟な新生児は、新生児の発育を可能にするために、特定の時間、適切な環境下におくことができる。前記環境は、前記新生児の発達がまだ子宮内にいる胎児の発達に類似するように、可能な限り自然の子宮の環境に近いことが好ましい。胎児が子宮から取り出されたとき、前記胎児は、少なくとも部分的に自然の子宮を模倣する胎児成長発達システムに入れられることができる。前記胎児システムは、温度、液体、気体交換、光照射、物理的刺激、および前記胎児の発達に有利な他のパラメータを維持することができる。前記胎児の血管は、外部循環システムに接続することができる。前記血管は、胎児の血液が、前記胎児から前記外部循環システムへ(例えば、前記胎児の第1の血管を介して)、前記外部循環システムを介して動き、その後胎児に(例えば、前記胎児の第2の血管を介して)戻ることができるように、適切な機構および方法によってカニューレすることができる。前記胎児システムは、前記胎児が成長し発達している間、前記胎児が数日間、数週間、または数ヶ月間その中に留まることができるように構成されてもよい。前記胎児システムは、前記胎児の発達に有利なチャンバーのパラメータを維持する、より大きなアセンブリまたはシステム内に配置され、その一部となることができる。必要な栄養素、気体、および液体は、接続されたシステムを介して前記胎児チャンバーに供給され、廃棄物は、前記1若しくはそれ以上の接続されたシステムを介して前記胎児システムから除去されることができる。
【0109】
胎児システムおよび他の関連システムの様々な態様が、本願を通じて開示される。図1および図2に示すような例示的な好ましい実施形態では、胎児チャンバーアセンブリ10は、基部100と蓋部112を含む。そこに胎児1を受け取るように構成された成長チャンバ120が、前記基部100と前記蓋部112との間の内部空間104に画定されている。前記胎児のカニューレされた臍帯2は、前記成長チャンバー120への開口部を形成する壁構造を有するカニューレチャンバ150に配置される。図示の好ましい実施形態では、前記成長チャンバー120は、異なるサイズの胎児を受け入れ、前記胎児が前記胎児チャンバーアセンブリ10内にある間の妊娠期間中の胎児の成長に対応するために、サイズが調整可能であるように構成される。胎児の発育に好ましい特性を有する液体は、前記成長チャンバー120および前記カニューレチャンバ150に導入され、流される。前記胎児1は、所定の妊娠期に達するまで所望の時間、前記胎児チャンバーアセンブリ10に収容されてもよく、前記胎児1は、前記システム10における発達過程中に監視され維持される。前記胎児チャンバーアセンブリ10は、以下に詳細に説明する様々なセンサおよびポートを含んでもよく、これらは、前記システム10の胎児のバイタルおよび状態の監視および維持、胎児の発達のための必要物の導入、ならびに必要に応じて前記システム10の汚染物または構成要素の除去を支援する。
【0110】
図1および図2に示すように、胎児チャンバーアセンブリ10は、基部100および蓋部112を含む。前記蓋部112は、前記蓋部112と前記基部100との間に液密封印を選択的に形成することができるように、前記基部100に取り外し可能に貼り付けられてもよい。前記システム10は、前記蓋部112と前記基部100とがその間に液密封印を形成する閉鎖構成と、前記蓋部112と前記基部100との間に液密封印が存在しない開放構成とを有することができる。いくつかの態様では、前記蓋部112は、前記蓋部112が前記基部100に接触せず、前記基部100から間隔を空けるように、前記基部100から完全に取り外し可能であってよい。いくつかの態様では、前記蓋部112は、前記蓋部112がヒンジ付きアタッチメントに沿って、前記基部100に向かって、または前記基部100から離れるように、旋回することができるように、前記基部100にヒンジ付きで取り付けられてもよい。いくつかの態様では、前記蓋部112が前記基部100から完全に分離されるように、前記ヒンジ付きアタッチメント(図示せず)は解放可能であってもよい。
【0111】
いくつかの実施形態では、前記蓋部112は、前記蓋部112を前記基部100にまたは前記基部100からそれぞれ貼付または剥離するために選択的にロックまたはロック解除できる1若しくはそれ以上のロック要素を介して前記基部100に貼付されるように構成されてもよい。いくつかの例示的な実施形態(例えば、図2を参照)では、前記基部100は、その上に配置された1若しくはそれ以上の締め具300を含んでもよく、前記蓋部112は、その上に配置された締め具300によって挟まれるように設計された1若しくはそれ以上の突起部304を含んでもよい。前記蓋部112の異なる図が、図6に描かれている。前記基部100上の前記締め具300は、前記蓋部112上の前記突起部304と解放可能に係合するように構成されてもよい。他のロック要素が想定され、本開示は、図に描かれた前記特定のロック要素300、304に限定することを意図しておらず、前記締め具300が前記蓋部112上にあり、前記突起部304が前記基部100上にあるように、前記締め具300を逆にできることが理解されよう。前記システム10は、複数のロック要素を含むことができ、前記複数のロック要素は、同じロック要素であってもよいし、異なるタイプのロック要素を含んでもよい。前記図には、8つの突起部304と係合するように構成された8つの留め具300が描かれているが、1、2、3、・・・10など、別の適切な数のそれぞれの基部および蓋部閉鎖要素を利用できることは理解されるであろう。前記蓋部112の容易かつ迅速な取り外しは、ユーザが前記胎児チャンバーアセンブリ10の内部内の胎児にアクセスする必要がある、医療緊急事態の場合に有益である。
【0112】
図3~5を参照すると、本開示の一態様に従った基部100が描かれている。前記基部100は、前記基部100に剛性構造を提供する筐体108を含み、後に詳細に説明されるように、様々なポート、センサー、およびチャネルをそこに含むことができる。前記基部100は、さらに、その中に胎児を受け取るように構成された成長チャンバー120と、前記胎児のカニューレされた臍帯を受け取るように構成されたカニューレチャンバー150とを含む。適当な液体が前記システム10に、例えば前記筐体108に導入され、前記液体が前記成長チャンバー120を介して、前記カニューレチャンバー150を通って流れるようにされる。前記液体は、所望の胎児の発達に必要な要素で構成され、胎児の成長に有益な物理的および化学的パラメータを有する生理的食塩液(PSS)であってよい。いくつかの態様では、PSSは合成羊水を含むことができる。前記液体は、そこに溶解した1若しくはそれ以上の気体を含んでもよいことが理解されよう。
【0113】
前記成長チャンバー120は、少なくとも部分的に、前記筐体108によって取り囲まれてもよい。いくつかの態様において、前記成長チャンバー120は、垂直方向zに沿って前記筐体108を介して延びる開口部に配置されてもよい。前記成長チャンバー120は、前記成長チャンバー120の少なくとも一部分に沿って延びる封印296によって前記筐体から分離されてもよい。前記基部100の前記封印296は、前記基部100と前記蓋部112との間に液密封印を形成するために、前記蓋部112に解放可能に接触するように構成されてもよい。いくつかの例では、前記蓋部112は、前記基部100上の前記封印296に接触するように構成されたそれぞれの封印(図示せず)を含んでもよい。前記PSSまたは関連液体を前記成長チャンバーに導入するための第1の注入口194、および前記PSSまたは関連液体を前記成長チャンバーから排出するための排出口202が、前記成長チャンバー120上に規定される。いくつかの態様において、前記第1の注入口194は、長手方向yに沿って前記排出口202から間隔を空けて配置されてもよい。前記液体が胎児の頭部に隣接して前記成長チャンバー120に入り、前記胎児の頭部から胎児の足部に向かって長手方向yに沿って実質的に流れ、前記胎児の足部に隣接して前記成長チャンバー120から排出するように、前記第1の注入口194と前記排出口202を配置することが好ましい場合がある。前記液体の注入口および排出口の配置は、以下でさらに説明する。
【0114】
成長チャンバー
前記成長チャンバー120は、前記システム10内の前記胎児の発達の間、胎児を受け入れてそこに収容するように構成される。閉鎖構成の前記システム10の断面図を示す図7を参照すると、前記成長チャンバー120は、少なくとも部分的に、前記筐体108に取り付けられた下部膜128と、前記蓋部112に配置された上部膜124とによって規定されている。いくつかの態様において、前記成長チャンバー120は、前記成長チャンバー120の周囲を円周方向に延びる前記封印296によってさらに規定される。前記封印296は、前記成長チャンバー120に向かって内側に延び、前記成長チャンバー120内にいるときに胎児が接触できる物理的障壁として機能する1若しくはそれ以上の緩衝部294をそこに含むことができる。前記緩衝部294は、前記胎児が接触した場合に変形または譲るように、十分に柔らかく、可鍛性であるように構成される。前記緩衝部294は、前記成長チャンバーを前記硬い筐体108から分離し、前記筐体108の鋭利な角や剛性部分に接触して胎児が傷つくのを防止する。前記緩衝部294は、少なくとも部分的に前記成長チャンバー120の周囲に延びてもよい。前記緩衝部294は、垂直方向zに沿って前記下部膜128と前記上部膜124との間に延びることができる。いくつかの実施形態では、前記緩衝部294は、前記上部膜124および前記下部膜128の少なくともどちらか一方が、前記緩衝部294と前記成長チャンバー120に位置する胎児との間に配置されるように、前記成長チャンバー120の外部に配置されてもよい。
【0115】
図7~10を参照すると、前記成長チャンバー120の前記上部膜124は、垂直方向zに沿って前記下部膜128から間隔を空けている。実際には、胎児は前記成長チャンバー120に、例えば前記下部膜128の上に置かれることがある。前記成長チャンバー120は、前記上部膜124と前記下部膜128との間の空間において胎児を受け取るように構成される。前記システム10が閉じた構成に動き、前記蓋部112が前記基部100に貼り付けられると、前記上部膜124は、胎児と前記下部膜128の上に動かされる。前記上下膜124,128は、同じ形状を有していてもよいし、異なる形状を有していてもよい。例えば、前記図に示すように、前記下部膜128は、前記上部膜124から離れる垂直z方向に窪んでいる、凹形状であってもよい。凹状の形状は、前記下部膜128への胎児の配置を容易にすることができる。前記上膜124は、横方向xと長手方向yとによって規定される平面において、実質的に平坦であってもよい。前記凹形状は、前記下部膜128への胎児の配置を容易にすることができる。前記上部膜124は、横方向xと長手方向yとによって規定される平面内で実質的に平坦であってもよい。いくつかの態様において、前記上部膜124は、前記下部膜128から離れる垂直方向zに延びる(すなわち、前記下部膜128から延びる凹面の反対側)凹形状であってもよい。前記上部膜124、前記下部膜128、または両方の膜は、凹みのうちの1つ、またはそれぞれの凹みがそれぞれの方向に深くなるように、例えば垂直z方向に力を加えると伸縮するように構成されてもよい。いくつかの好ましい実施形態において、前記下部膜128は、その凹みを深くするように延びるように構成されてもよい。これにより、前記成長チャンバー120の容積を増加させることができる。
【0116】
前記成長チャンバー120は、前記システム10のパラメータに基づいてサイズが変化するように構成されてもよい。これは、前記成長チャンバー120が異なるサイズの胎児を収容することを可能にし、また、前記システム10に居る間に成長する胎児を収容することを可能にするために有利である。いくつかのシナリオでは、前記胎児のサイズに見合った成長チャンバーに胎児を収容することが医学的に好ましい。すなわち、大きすぎる成長チャンバーに胎児を受け入れて保持することは好ましくない場合がある。具体的には、いくつかの態様において、胎児が望ましくない動きにさらされたり、臍帯に絡まったりするような不必要に大きな容積に配置されないようにすることが好ましいと考えられる。このような絡み合いにより、臍帯に不要な圧力または負荷がかかり、前記臍帯を通る血流が閉塞される可能性がある。妊娠中に胎児が前記成長チャンバー120内で過度に、または潜在的に有害な動きおよび再位置決めが行われないように、胎児が十分に小さな空間にいることを保証することが、医学的に望ましい場合がある。このような再位置決めは、胎児への傷害、臍帯への負担または損傷、または臍帯の偶発的な抜菅を引き起こす可能性がある。逆に、胎児に対して小さすぎる前記成長チャンバー120に胎児を保持することは好ましくない。前記成長チャンバー120内で胎児を拘束することは、胎児への圧力が増大したり、胎児の所望の物理的成長が妨げられたりすることがある。また、前記胎児の位置を制御することは、胎児の頭部を前記成長チャンバー120内の胎便排出のリスクが増大する領域から遠ざけるのに役立つ。さらに、胎児の位置を制御することにより、胎児が前記成長チャンバー120内に配置されると予想される場所に相対して、前記システム10内に様々なセンサーおよび変換器を配置することができる。このように、前記システム10は、様々なサイズの胎児に対応するためにサイズを変更することができる前記成長チャンバー120を有することが有利である。さらに、胎児が前記システム10内に居る間に成長するにつれて、胎児のサイズに対応する増加に一致するように前記成長チャンバー120のサイズを増加させる能力を有することが好ましい。
【0117】
前記成長チャンバー120は、複数の異なる容積の間で変化するように構成されてもよく、各別の容積は、胎児の対応するサイズと関連付けられる。図7図12を参照すると、前記成長チャンバー120は、上述のように、上部膜124および下部膜128を有してもよい。前記成長チャンバー120は、さらに、前記垂直z方向に沿って一般的に前記下部膜128から間隔を空けて配置された成長膜132を含むことができる。いくつかの態様において、前記成長膜132は、前記下部膜128が前記上部膜124と前記成長膜132との間に配列されるように配置されてもよい。いくつかの好ましい実施形態では、前記下部膜128および前記成長膜132は、例えば、溶接、ヒートシール、クランプ、接着剤、または別の適切な締結機構によって、それぞれの周縁に沿って互いに貼り合わされてもよい。
【0118】
流体ポケット136は、前記下部膜128と前記成長膜132との間に規定される。前記流体ポケット136は、流体が前記下部膜1288と前記成長膜132との間に保持されるように、その中に前記流体を受け取るように構成される。前記流体は、液体および/または気体を含む。いくつかの好ましい実施形態では、前記流体は液体、例えば、生理食塩水である。いくつかの態様では、超音波などの診断テストを前記成長チャンバー120で実行できるようにするために、前記流体ポケット136内の前記流体が液体であることが好ましい場合がある。前記流体は、いくつかの実施形態において、代替的に気体を含んでもよいことが理解されよう。前記流体ポケット136内の前記流体は、前記成長チャンバー120の内部、前記成長チャンバー120内の胎児、または前記成長チャンバー120内の任意の液体または構成要素に接触するように構成されていない静止流体である。
【0119】
前記流体は、前記成長チャンバー120上に配置され、前記流体ポケット136と流体連通している流体ポケットポート140(図10に示す)を介して前記流体ポケット136に導入されてもよい。いくつかの態様において、前記流体ポケットポート140は、前記下部膜128上に配置されてもよい。他の態様では、前記流体ポケットポート140は、前記成長膜132上に配置されてもよい。いくつかの態様では、前記流体ポケットポート140は、前記下部膜128と前記成長膜132の間に配置されてもよい。前記流体が前記流体ポケット136に導入されるほど、前記流体ポケット136内の容積は大きくなる。前記システム10の動作中、前記流体は、前記流体ポケット136に選択的に追加されるか、または前記流体ポケット136から除去されてもよい。
【0120】
前記成長チャンバー120は、少なくとも第1の体積と、第1の体積とは異なる第2の体積とを有するように構成される。前記成長チャンバー120は、任意の複数の異なる容積を有するように調整されるように構成されてもよく、第1または第2の容積への言及は、前記成長チャンバー120の2つの容積の説明的比較として意図されていることが理解されるであろう。図11を参照すると、前記成長チャンバー120の例示的な構成が、第1の容積を有するように描かれている。前記第1の容積は、前記下部膜128と前記上部膜124との間に規定される。前記下部膜128は、上述した前記流体を介して前記成長膜132から間隔をあけて配置される。前記第1の容積は、第1の大きさを有する胎児1を収容するように構成される。図12を参照すると、前記成長チャンバー120の例示的な構成が、関第1の容積よりも大きい第2の容積を有することが描かれている。前記第2の容積は、前記第1のサイズよりも大きい第2のサイズを有する前記胎児1を収容するように構成される。図12に示すように、前記下部膜128は前記成長膜132から間隔を空ける必要はなく、これは、前記流体ポケット136に流体が存在しないことを意味する。このように、図12は、図11および図12に描かれた前記成長チャンバー120の実施形態に対する可能な最大の容積を描いている。
【0121】
前記成長チャンバー120の比容積は、前記流体ポケット136の容積に反比例する場合がある。すなわち、より多くの流体が前記流体ポケット136に導入され、前記流体ポケット136の容積が増加すると、その中に胎児を受け取るように構成された前記成長チャンバー120の容積は減少する。逆に、流体が前記流体ポケット136ら除去され、前記流体ポケット136の容積が減少すると、前記成長チャンバー120の容積は増加する。前記成長チャンバー120の要席は、前記上部膜124と前記下部膜1288との間に規定されてもよい。前記成長チャンバー120は、前記垂直z方向に沿って、前記横x方向に沿って、前記長手y方向に沿って、またはいくつかの方向もしくはすべての方向の組み合わせに沿って、容積を変化させるように構成されてもよい。いくつかの態様において、前記成長チャンバー120内の容積は、前記成長チャンバー容積が増加するとき、前記成長チャンバー120が垂直z、横x、および長手y方向に沿ってサイズが増加するように、3次元で変化することができ、前記成長チャンバー容積が減少するとき、前記成長チャンバー120が垂直z、横x、および長手y方向に沿ってサイズが減少する。
【0122】
前記胎児1は、前記下部膜128上、具体的には、前記上部膜124に向かい、前記成長チャンバー120の容積を規定する前記下部膜128の側面に配置されてもよい。前記流体ポケット136を部分的に規定する前記下部膜128の反対側は、前記流体ポケット136内の前記流体に接触してもよい。前記流体ポケット136内の前記流体は、前記下部膜128を支持する。図7図12に描かれた態様では、前記流体ポケット136は、前記垂直方向zに沿って前記下部膜128の下に配置される。本開示の目的のために、前記垂直方向zは、重力に平行な非ゼロベクトル成分を有してもよい。いくつかの態様において、前記垂直方向zは、重力に対して完全に平行である。そのため、垂直上方に配置され、前記流体ポケット136内の前記流体によって支持されている前記下部膜128は、前記垂直方向zに沿って重力によって作用しており、前記流体ポケット136内の前記流体は、前記下部膜128の重量に見合った反作用の法線を前記下部膜128に作用させる。前記胎児1だけでなく、前記下部膜128上に配置される生理的食塩液(PSS)などの前記システム10の他の構成要素も同様に、前記流体ポケット1366内の前記流体に対して垂直方向zに沿った重力が作用する。前記流体ポケット136内の前記流体の量が減少すると、前記流体ポケット136内の前記流体による前記下部膜128の支持のレベルも同様に減少する。このように、重力により、前記下部膜128は、前記横方向xおよび/または垂直方向yに沿って、伸張、変形、および/または展開し、前記垂直方向zに沿って、前記流体ポケット136に向かって、より下方に垂れ下がる。前記下部膜128が前記上部膜124から離れるように前記垂直方向zに沿って下方に動くと、前記成長チャンバー120の内部の体積が増加する。逆に、前記流体ポケット136内の流体の量が増加すると、前記下部膜128の前記支持レベルが同様に増加し、前記下部膜が垂直方向zに沿って前記上部膜124に向かって上方に突出し、その結果、前記上部および下部膜124、128の間に規定される前記成長チャンバー120の体積が減少する。したがって、一実施形態では、前記下部および前記成長膜128,132は、可変容量ブラダー機構として機能する。
【0123】
動作において、前記胎児1が前記成長チャンバー120に導入される場合、前記胎児1は第1のサイズを有し、前記成長チャンバー120は第1の容積を有する。前記胎児1は、前記PSSおよび前記システム10の任意の他の構成要素とともに前記下部膜128上に導入されてもよい。前記流体ポケット136は、重力に対抗する支持を前記下部膜128に与えるように構成され、前記胎児1、前記下部膜128、前記PSS、および前記成長チャンバー120内の前記下部膜128に接触する任意の他の構成要素の重量に見合った第1の量の流体をその中に含んでもよい。前記胎児1が第2のサイズに成長するにつれて、前記胎児1の成長に対して対応する量だけ前記成長チャンバー120の容積を増加させることが望ましい場合がある。これを行うために、前記流体ポケット136が前記第1の量よりも少ない第2の量の流体をその中に含むように、前記流体ポケットポート140を介して前記流体ポケット136から流体が除去されてもよい。前記流体の減少および前記流体によって提供される物理的支持によって、前記下部膜128は、前記1若しくはそれ以上の横x方向、長手y方向、および垂直z方向に拡張し、したがって、前記成長ちゃんばー120の容積を第2の容積まで増加させる。
【0124】
前記成長チャンバー120内の容積を調整する工程は、手動または自動であってもよい。いくつかの態様では、前記成長チャンバー120内の容積を変化させるために、ユーザー(例えば、医師または看護師)が前記流体ポケット136に流体を選択的に導入または除去してもよい。いくつかの態様において、制御装置およびプロセッサは、前記流体ポケット136にまたは前記流体ポケット136から流体を自動的に追加または除去するために、前記システム10と連通するように構成されてもよい。前記容積調整工程は、前記胎児1の体重、位置、年齢、健康状態、または別のパラメータに基づいて行われてもよい。いくつかの態様において、容積調整は、特定のタイムライン、例えば、毎日、隔日、毎週、毎月、などに基づいて行われてもよい。いくつかの態様では、前記胎児1の体重は、前記成長チャンバー120内の前記胎児1の超音波測定に関連する導出された公式を用いて推定されてもよい。
【0125】
前記上部、下部、および成長膜124、128、132は、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリエチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、エチレン酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、または他のプラスチックまたはプラスチックのラミネート組合せをふくんでよい。いくつかの態様において、前記上部膜124、前記下部膜128、前記成長膜132、上記のうちの2つ、または上記のうちのすべてが、熱可塑性ウレタンを含んでもよい。いくつかの態様において、前記上部、下部、および成長膜124、128、132は、すべて同じ材料を含んでもよく、あるいは、代替的に、それらは異なる材料で構成されてもよい。いくつかの態様において、上記各膜の厚さは同じであってもよく、あるいは、代替的に、厚さは上記膜の少なくとも2つの間で変化してもよい。いくつかの具体的な実施形態では、前記成長膜132は、前記上部膜124、前記下部膜128、またはその両方よりも厚くてもよい。いくつかの実施形態では、前記成長膜132は、前記上部膜124および/または前記下部膜128の約2倍の厚さであってよい。いくつかの態様において、前記上部、下部、および/または成長膜124、128、132は、約50と約100の間、約60と約90の間、約70と約80の間、または上記の範囲のうちの1若しくはそれ以上と重なる範囲の硬度計を有してもよい。いくつかの態様において、前記膜124、128、および/または132は、特定の形状を有するように形成されてもよい(例えば、図8図10を参照)。いくつかの態様において、前記上部膜124、前記下部膜128、および/または前記成長膜132が透明であることが有利である場合がある。いくつかの態様では、前記上部膜124、前記下部膜128、および/または前記成長膜132が、超音波が不要な干渉またはエコーなしにそこを通過することを許されるような、音波透過性であることが有利である場合がある。
【0126】
互いに向き合い、前記成長チャンバー120を規定し、前記胎児1に接触するように構成された前記上部膜124および前記下部膜128の少なくとも表面は、前記胎児1および成長チャンバー内の前記システム10の構成要素(例えば、前記PSS)に継続的に曝露するのに適した生体適合材料で構成されていることが理解されよう。いくつかの態様では、少なくとも前記上部および下部膜124、128(具体的には、少なくとも、前記成長チャンバー120の内部に配置されたそれぞれの表面)が、実質的に滑らかで、そうでなければその上で細菌の成長を促進しする質感または粗さがないようにすることが有利になる。
【0127】
前記成長チャンバー120の特定のサイズ、形状、および寸法は、意図された使用、胎児のサイズ、および製造上の制約に依存することになる。いくつかの例示的な実施形態では、前記成長チャンバー120は、約3インチと約20インチの間、約7インチと約16インチの間、約10インチと約12インチの間、または別の適切な範囲の、前記長手方向yに沿って測定される第1の寸法を有してもよい。前記成長チャンバー120は、約3インチと約14インチの間、約5インチと約12インチの間、約7インチと約10インチの間、または別の適切な範囲の、前記横方向xに沿って測定される第2の寸法を有してもよい。前記成長チャンバー120は、約2インチと約12インチの間、約4インチと約8インチの間、または別の好適な範囲の前記垂直方向yに沿って測定される第3の寸法を有してもよい。
【0128】
カニューレチャンバー
前記胎児チャンバーアセンブリ10は、さらに、図2~5に示すように、前記成長チャンバー120と連通するように構成されたカニューレチャンバー150を含む。前記カニューレチャンバー150は、前記成長チャンバー120内の胎児から前記臍帯を受け取るように構成される。前記臍帯は、前記臍帯の血管がそれぞれのカニューレに接続されるように、カニューレされてもよい。前記接続された血管は、外部循環システム、酸素供給器、または他の関連システムなど、前記胎児チャンバーアセンブリ10の外部の1若しくはそれ以上のシステムと連通することができる。前記カニューレチャンバー150は、前記カニューレチャンバー150内でカニューレされるべきカニューレされていない臍帯を受け取ってもよく、あるいは、代替的に、既にカニューレされた臍帯を受け取ってもよい。前記カニューレチャンバー150は、前記成長チャンバー120、前記成長チャンバー120内の胎児、および前記成長チャンバーアセンブリ10の残りの部分に対して、前記臍帯、およびそれに接続された前記カニューレを書房の向きで保持するように構成されてもよい、前記カニューレチャンバー150は、左側ねじれまたは右側ねじれのいずれかを有する臍帯を含む、様々な形状およびサイズの臍帯を受け取ることができるように寸法決めされるべきであることが理解され、様々な程度の巻絡を有する臍帯を含む。
【0129】
前記成長チャンバー120とは異なるカニューレチャンバー150を有することにより、前記臍帯のカニューレ部分を胎児から離間させることができる。これにより、胎児が前記カニューレや前記カニューレ装置と接触したり、前記臍帯に絡まったりして傷つくリスクを低減することができる。また、別の成長チャンバーにいる胎児を邪魔することなく、医師やスタッフが前記臍帯のカニューレ部分にアクセスできる。
【0130】
いくつかの態様では、図2~5に描かれているように、前記カニューレチャンバー150は、前記胎児チャンバーアセンブリ10の前記期部100に配置されてもよい。代替的な側面では、前記カニューレチャンバー150は、前記基部100から分離されていてもよく、独立した構成要素であってもよいことが理解されよう。前記胎児チャンバーアセンブリ10が閉じられる(すなわち、前記蓋部112が前記基部100に係合される)場合、前記カニューレチャンバー150は、前記基部100と前記蓋部112との間に規定されてよい。いくつかの実施形態では、カニューレチャンバー膜308が前記蓋部112上に配置され、前記垂直方向zに沿って前記カニューレチャンバー150の概ね上方に配置されてもよい。そのような実施形態では、前記カニューレチャンバー150は、少なくとも部分的に、前記基部100と前記蓋部112内の前記カニューレチャンバー膜308との間に規定されてもよい。前記カニューレチャンバー膜308は、前記成長チャンバー120に関連して上述した前記上部膜124と実質的に同じであってもよい。いくつかの態様では、前記カニューレチャンバー膜308は、前記蓋部の上の前記上部膜124から分離されていてもよい。代替的な実施形態では、前記カニューレチャンバー膜308および前記上部膜124は、単一の一体型構成要素であってもよい。
【0131】
いくつかの好ましい実施形態では、前記成長チャンバー120の周りに少なくとも部分的に延びる前記封印296は、前記カニューレチャンバー150の周りに少なくとも部分的に延びてもよい。図2図5に示すように、例えば、いくつかの態様では、前記封印296は、前記成長チャンバー120および前記カニューレチャンバー150が前記封印296内に周方向に包み込まれているように、前記成長チャンバー120および前記カニューレチャンバー150の両方の周りに周方向に延びてもよい。代わりに別個の封印を使用してもよく、図に描かれた前記封印296の特定の配置は、限定することを意図していないことが理解されよう。例えば、いくつかの態様において、第1の封印は、前記成長チャンバー120の少なくとも一部を包含するように構成されてもよいが、第2の別個の封印は、前記カニューレチャンバー150の少なくとも一部を包含するように構成されてもよい。
【0132】
図2~5を引き続き参照し、図13および14をさらに参照すると、本開示の態様による胎児チャンバーアセンブリ10内のカニューレチャンバー150の例示的な配置が描かれている。図13および14は、図2~4の前記カニューレチャンバー150を拡大したより詳細な図を示す。前記カニューレチャンバー150は、前記基部100の前記筐体108内に配置されてもよく、前記成長チャンバー120に隣接してもよい。仕切り壁部158は、前記仕切り壁部158の一方の側が前記成長チャンバー120に面し、前記仕切り壁部158の別の、反対側の側が前記カニューレチャンバー150に面するように、前記成長チャンバー120を前記カニューレチャンバー150から分離してもよい。PSSまたは関連する液体を前記カニューレチャンバー150に導入するための第2の注入口198が、前記カニューレチャンバー150上に配置される。前記第2の注入口198から間隔を空けて配置される開口部166も、前記カニューレチャンバー150上に配置される。前記開口部166は、前記長手方向yに沿って間隔を空けて配置されてもよい。前記開口部166は、前記成長チャンバー120と流体連通しており、前記カニューレチャンバー150は、前記開口部166を介して前記成長チャンバー120と流体連通するように構成される。前記第2の注入口198で前記カニューレチャンバー150に導入される液体は、前記カニューレチャンバー150を通って前記開口部166に向かって、そして前記開口部166を通って流れるように構成されてもよい。その後、前記液体は、前記成長チャンバー120に入り、そこを通って流れ、前記排出口202で前記成長チャンバー120から出ることができる。いくつかの態様では、前記液体の一部は、前記仕切り壁部158と前記蓋部112との間の前記仕切り壁部158を越えて、前記カニューレチャンバー150から前記成長チャンバー120に流入する、またはその逆もあってもよい。前記液体の流れの具体的な内容については、さらに後述する。
【0133】
前記カニューレチャンバー150は、前記臍帯のカニューレされた部分をその中に保持し、前記臍帯の意図しない動きまたは脱カニューレを防止するように構成される。前記臍帯は、前記成長チャンバー120内の胎児から前記開口部166を介して前記カニューレチャンバー150内に延びることができる。好ましい実施形態では、前記臍帯の前記カニューレ部分の全ては、前記成長チャンバー120の内部に配置されないように、前記カニューレチャンバー150内に配置される。
【0134】
前記基部100は、前記胎児チャンバーアセンブリ10に入り、前記臍帯に接続する前記カニューレを受け取るように構成されたその上の好ましい位置を含むことができる。図13および図14を参照すると、前記カニューレチャンバー150は、前記基部100上に画定されたカニューレ入口部162を含むことができる。いくつかの態様において、前記カニューレ入口部162は、前記筐体108および前記封印296の少なくとも一部を通って延びてもよい。1若しくはそれ以上のカニューレは、前記カニューレ入口部162で、または前記カニューレ入口部162を通して、前記カニューレチャンバー150に導入されてもよい。前記カニューレチャンバー150に液体を導入する工程のための前記第2の注入口198は、前記カニューレ入口部162に配置されてもよいし、前記カニューレ入口部162に隣接してもよい。
【0135】
いくつかの好ましい実施形態では、前記カニューレ入口部162は、少なくとも部分的に、前記封印296を通して画定されてもよい。例えば図14に示すように、前記カニューレ入口部162は、それぞれのカニューレが通過するように構成される前記封印296を通って延びる複数の開口部またはポート174を規定してもよい。前記ポート174は、前記概ね長手方向yに前記封印296を貫通して延びる貫通孔であってもよい。前記ポート174は、前記カニューレチャンバー150と、前記胎児チャンバーアセンブリ10の外部の環境と流体連通していてもよい。いくつかの態様において、前記カニューレ入口部162は、それぞれのカニューレが通過するように構成され得る前記筐体108を通って延びる複数の開口またはポート190を規定してもよい。前記ポート190は、前記封印筐体108を前記概ね長手方向yに貫通して延在する貫通孔であってもよい。前記ポート190は、前記カニューレチャンバー150と、前記胎児チャンバーアセンブリ10の外部の環境と流体連通してもよい。いくつかの態様において、前記筐体108上の前記ポート190は、前記封印296上の前記ポート174と流体連通するように構成されてもよい。
【0136】
前記胎児チャンバーアセンブリ10は、任意の数の適切なポート174および/または190を含んでもよく、そのようなポートの正確な数は、前記臍帯に接続される前記カニューレの数、互いおよび/または前記胎児チャンバーアセンブリ10に対するそれぞれのカニューレの向き、および/または製造上の制約に依存する。前記胎児チャンバーアセンブリ10は、1、2、3、、、10、または別の適切な数のポート174を含んでもよい。同様に、前記胎児チャンバーアセンブリ10は、1、2、3、、、10、または別の適切な数のポート190を含むことができる。いくつかの好ましい実施形態(例えば、図4、5、13、14を参照)では、前記胎児チャンバーアセンブリ10は、前記封印296を通って延びる5つのポート174と、前記筐体108を通って延びる5つのポート190を含む。ポート174、190の両方を含むいくつかの態様では、カニューレが両方のポート174、190を通って導入されてもよいように、ポート174がポート190に隣接し、ポート190と軸方向に整列するようにポートを配置することが好ましい場合があることが理解されよう。いくつかの態様において、前記ポート174の数は、前記ポート190の数と等しくてもよい。
【0137】
前記ポート174および/または190は、(前記横x方向および垂直z方向によって規定される平面で見た場合)円形の断面を有することができる。前記ポートの他の形状が許容されることが理解されるであろう。いくつかの態様において、前記ポート174は、前記ポート190と同じ寸法および形状を有していてもよい。あるいは、前記ポート174は、前記ポート190と異なる形状および/または寸法を有していてもよい。いくつかの態様では(例えば図14に示すように)、前記ポート190はアーチ形状またはU字状であってよく、周方向に閉鎖されてはならない。そのような形状は、前記ポートを通る前記長手方向yに沿った軸方向の動き(すなわち、前記カニューレが最初に前記ポート190軸方向に整列され、その後前記ポート190の中へと動かされる)か、あるいは、代わりに、前記カニューレを前記垂直方向zに沿って前記アーチ形状またはU字状の開口部に下ろす(すなわち、前記カニューレが前記ポート190と平行に整列されるが前記垂直方向zに沿って変位されその後前記垂直方向zに沿って前記ポート内に動かされる)ことによって、前記カニューレが前記ポート190に入れられるようにしてもよい。
【0138】
いくつかの態様では、前記胎児チャンバーアセンブリ10は、前記臍帯に接続されるように構成されたカニューレの数よりも多くのポート1744および/または190を含んでもよい。このような態様では、未使用のポートを選択的に閉鎖または封印することが有益である。例えば、5つのポート174(および/または5つのそれぞれのポート190)および前記5つのポートのうちの3つを介して前記カニューレチャンバー150に導入される3つのカニューレを有する実施形態では、液体が前記カニューレチャンバー150から漏れるのを防ぎ、汚染物質が前記未使用ポートを通って前記カニューレチャンバー150に入るのを防ぐために前記残りの2つの未使用ポートを栓をするまたは封印することが望ましい。
【0139】
カニューレは、例えば、個々のカニューレをそれぞれのポート174を通して動かすことによって、前記カニューレ入口部162で前記カニューレチャンバー150に導入されてもよい。いくつかの態様では、各カニューレは、それぞれのポート174と軸方向に整列され、その後、例えば前記長手方向yに沿って、前記カニューレの一部が前記ポート174の一方の側で前記カニューレチャンバー150内に配置され、前記カニューレの別の一部が前記ポート174の他方の側で前記カニューレチャンバー150の外に配置されるように前記ポート174を通して動いてよい。前記ポート174は前記封印296に規定されているので、前記ポート174とそれを通って延びる前記カニューレとの間の係合は、前記ポート174と前記カニューレとの間の空間を通して前記液体が漏れないように液密にする必要がある。このように、前記ポート174は、そこを通って延びる前記カニューレにしっかりと接触するように構成されるべきであり、好ましくは、前記使用されるカニューレの断面形状に一致する。各カニューレがそれぞれのポート174に挿入される場合、前記ポート174の内部寸法は前記カニューレの外寸よりも大きくあるべきであるが、前記封印296と前記カニューレの間に十分な開口部が形成されるほど大きくないことが理解されよう。いくつかの態様では、前記封印296は、各ポート174が、前記カニューレが前記ポート174に挿入されていない場合の前記カニューレの外寸と同じかそれより小さい内寸を有してもよいが、前記カニューレが前記ポート174に挿入される場合その上に前記カニューレが及ぼす半径方向の力によって伸びるように構成されるように、封印完全性を維持しながら伸びるように構成された弾性材料または変形可能材料を含んでもよい。
【0140】
カニューレ挿入と保持
カニューレを前記カニューレチャンバー150に導入する工程を容易にするために、前記開示されたシステムのいくつかの態様は、前記カニューレの挿入を容易にする前記封印296の可動部分を含んでもよい。図15~18に描かれた例示的な実施形態を参照すると、入口部封印170が前記カニューレ入口部162に描かれている。前記入口部封印170は、前記封印296上に規定されてもよく、あるいは、前記封印296に隣接してもよい。前記入口部封印170は、前記封印296と封印的に係合するように構成された別個の封印部品であってもよい。上述した前記ポート174は、前記入口部封印170に規定されてもよい。前記入口部封印部170は、前記ポート174を選択的に拡大および縮小するように構成されてもよい。前記ポート174が拡大される場合、前記カニューレがそこに挿入され、前記ポート174が縮小される場合、前記カニューレが前記ポート174内にぴったりと配置され、前記カニューレと前記入口部封印部分170の間に液密封印が形成される。
【0141】
前記入口部封印170は、その上に配置され、上面172が各ポート174と前記蓋部112との間にあるように、前記垂直z方向に沿って各ポート174から間隔を置かれた前記上面172を規定してもよい。前記スリット176は、各ポート174と前記上面172との間で前記入口部封印170を貫通して延びてもよい。各スリット176は、前記長手方向yに沿って前記入口部封印170を完全に貫通して延びる貫通孔であってもよい。各スリット176は、前記上面172と、前記上面172に対向する前記ポート174とによって、前記垂直方向zに沿って境界を形成される。各スリット176は、さらに、前記横方向xに沿って互いに反対側に配置された2つのスリット壁部177によって、前記横方向xに境界を接している。
【0142】
各スリット176は、前記上面172と各ポート174との間の連通をそれぞれ選択的に許容または遮断するように開閉されてもよい。前記スリット176が閉じられている場合(例えば図17参照)、前記2つのスリット壁部177は、前記スリット176と連絡する前記ポート174が前記入口部封印170によって前記横x方向および前記長手y方向の両方で境界となるように互いに接触する。前記スリット176が閉じられると、それぞれのポート174は、前記入口部封印170の前記上面172と連通することはない。前記スリット176が開かれる場合(例えば図15および図16参照)、前記2つのスリット壁部177は、前記それぞれのポート174が前記入口部封印170の前記上面172と連通するように、前記横方向xに沿って互いに間隔を空けて配置される。
【0143】
いくつかの態様において、すべてのスリット176は、それぞれのポート174と前記上面172との間で同じ方向に延びるように、互いに平行に配置されてもよい。いくつかの代替実施形態では、いくつかのスリット176は、前記横x方向および前記垂直z方向によって規定される前記平面で見た場合、異なる角度でそれぞれのポート174と前記上面172の間に延びてもよい。例示的な態様は、図19A~20Bに描かれている。図19Aおよび19Bは、3つのポート174と、前記ポート174と前記上面172との間に延びる3つのそれぞれのスリット176とを有する入口部封印1700を描写している。前記スリット176は、前記垂直z方向において互いに平行な方向に沿って延びる。図19Aは、前記閉鎖構成の前記スリット176を描いており、図19Bは、前記開放構成の前記スリット176を描いている。さらなる代替的な態様において、図20Aおよび図20Bは、3つのポート174と、前記ポート174と前記上面172との間に延びる3つのそれぞれのスリット176とを有する入口部封印170を描いており、前記スリット176は、互いに平行ではない方向に沿って延びている。図20Aは、前記閉鎖構成における前記スリット176を描いており、図20Bは、前記閉鎖構成における前記スリット176を描いている。前記スリット176が延びる方向に沿って、各ポート174へのアクセスを変更することができる。いくつかの態様において、前記スリット176が前記開放構成にある場合、前記2つのスリット壁部177の間に規定される空間が前記垂直方向zに沿って規定されるように、(図20A、20Bのように)それらがすべて互いに平行ではないように前記スリット176を方向付けることが有利となりる。
【0144】
前記入口部封印170は、開放構成と閉鎖構成との間で移動可能であってもよい。前記開放構成においては、前記スリット176が開放され、前記閉鎖構成においては、上述のように前記スリット封印176が閉鎖される。前記入口部封印170が前記開放構成にある場合、図16に示すように、1若しくはそれ以上のカニューレ3が、前記開放スリット176を通って前記それぞれのポート174に導入されてもよい。前記カニューレ3が前記ポート174に配置され流場合、図17に示すように、各カニューレ3が前記それぞれのポート174に固定され、前記スリット176が閉じられるように、前記入口部封印170を前記閉鎖構成に動かすことができる。1若しくはそれ以上のカニューレ3を取り除くために、前記入口部封印170は、各スリット176が開かれるように、前記閉鎖構成から前記開放構成に動かされ、前記カニューレ3は、前記それぞれのポート174から、関開放スリット176を通って動いてもよい。
【0145】
前記入口部封印170は、前記入口部封印170を前記開放構成から前記閉鎖構成へ、およびその逆へ選択的に移行するように構成された可動アクチュエータ178を含んでもよい。前記可動アクチュエータ178は、ボタン、レバー、ハンドル、または別の適切な構成要素であってもよい。いくつかの態様において、前記第2の注入口198は、前記アクチュエータ178上またはアクチュエータに隣接して規定されてもよい。図15図18に描かれたいくつかの例示的な態様では、前記アクチュエータ178は、前記入口部封印170に固定的に取り付けられたハンドルであってよい。前記アクチュエータ178が少なくとも2つの位置の間でチャネル180内を動くように構成されてもよいように、前記アクチュエータ178を摺動可能に受け取るように構成された前記チャネル180(図15に示す)が前記筐体108上に規定されてもよい。
【0146】
いくつかの態様において、前記アクチュエータ178は、前記チャネル180内で、第1の位置に、または前記第1の位置とは異なる第2の位置に、動かされるように構成される。前記第1の位置では、前記入口部封印170は、前記閉鎖構成にあり、前記第2の位置では、前記入口部封印170は、前記開放構成にある。前記入口部封印170が部分的に開放位置にあることがある位置など、他の位置が想定されることが理解されるであろう。前記アクチュエータ178は、前記第1の位置、前記第2の位置、または両方の位置で解放可能に固定されるように構成されてもよい。いくつかの態様において、前記アクチュエータ178が前記第2の位置に動かされた状態にあるとき、前記アクチュエータ178は、そうするように作動されるまで前記第1の位置に戻って動かないように、前記筐体108の一部に接触するように構成されてもよい。いくつかの態様において、前記アクチュエータ178は、ユーザによって把持され、前記第1の位置と第2の位置との間で前記チャネル180内で動くように構成されてもよい。他の態様では、モータ(図示せず)が前記アクチュエータ178に動作可能に取り付けられ、ユーザによるコマンドまたは予めプログラムされたアルゴリズムに応答して、前記アクチュエータ178を前記第1の位置と第2の位置との間で動かせるように構成されてもよい。
【0147】
張力緩和バー
いくつかの態様では、さらに、前記カニューレ入口部162に挿入されたカニューレが、前記カニューレチャンバー150内、具体的には前記ポート174および190内で軸方向に動かないように固定することが望ましい。カニューレが固定されていない場合、1若しくはそれ以上のカニューレが不注意で前記カニューレチャンバ150から引き出され、前記臍帯の前記それぞれのカニューレされた血管から切り離され、胎児に押し込まれ、またはその他の方法で、前記カニューレされた臍帯への血流および/またはそこから血流を妨げるように、1若しくはそれ以上の他のカニューレと相対動くリスクが増加する可能性がある。そのような不注意な動きは、胎児に物理的な損傷を与える可能性があり、臍帯組織を損傷する可能性があり、または出血の原因となる可能性がある。そのため、本願を通じて説明されるいくつかの実施形態は、前記カニューレの望ましくない動きを防止するために、前記カニューレ入口部162に対して関カニューレを固定するのを助ける機構を含む。
【0148】
再び図14図18を参照すると、固定バー182が前記筐体108上に配置されてもよい。前記固定バー182は、前記カニューレ入口部162に配置された前記カニューレを選択的に固定または解放するように構成されてもよい。前記固定バー182は、前記カニューレが固定されていない開放構成と、前記カニューレが固定されている閉鎖構成とを有してもよい。前記閉鎖構成では、前記固定バー182は、前記1若しくはそれ以上のカニューレに接触し、それらを前記筐体108の一部に対して押し付けてもよい。前記固定バー182は、前記固定バー182と前記ハウジング108との間に前記カニューレを固定するのに十分な力で前記カニューレに接触すべきであるが、前記カニューレが損傷したり前記カニューレを通る流れが著しく妨げられるほどの力ではないことは理解されるであろう。前記筐体108および前記固定バー182に対する前記カニューレの接触は、前記カニューレが前記ポート174内で滑ることを防ぐように、前記カニューレを所定の位置に摩擦的に固定してもよい。前記固定バー182が前記開放構成にあるとき、前記固定バー182は前記カニューレから間隔を空けており、前記カニューレは前記筐体108に対して摩擦的に固定されない。
【0149】
いくつかの態様において、前記固定バー182は、前記固定バー182が前記閉鎖構成にあるとき、そこに前記カニューレを受け取るように構成された複数のノッチ186を含んでもよい。前記固定バー182は、ヒンジ184で前記筐体108にヒンジ式に取り付けられ、前記固定バー182が前記開放構成と前記閉鎖構成の間で前記ヒンジに沿って枢動されてもよいようにすることができる。いくつかの態様において、前記固定バー182が前記閉鎖構成にある場合、前記固定バー182が前記開放構成に不用意に動くことを防ぐために前記固定バー182をロックすることが有利である。そのような態様では、前記固定バー182は、前記筐体と解放可能に係合するように構成されたロック188を含んでもよい。いくつかの態様において、前記ロック188は、前記筐体108上のそれぞれのロック部材に接触するように構成された、前記固定バー182上に規定されたノッチまたは開口部を含んでもよい。
【0150】
動作において、前記固定バー182は、前記入口部封印170が前記開放構成にある場合に前記開放構成にあることがあってもよく、前記入口部封印170がその閉鎖構成に動かされた後に前記固定バー182が前記閉鎖構成に動かされてもよい。図15および図16は、それぞれの開放構成にある前記入口部封印170および前記固定バー182の両方を描写し、図17は、その閉鎖構成にある前記入口部封印170およびその開放構成にある前記固定バー182を描写し、図18は、それぞれの閉鎖構成にある前記入口部封印170および前記固定バー182の両方を描写している。
【0151】
いくつかの態様では、前記固定バー182がその開放構成にある場合、前記蓋部112は、上述のように前記基部100に完全に係合することを妨げられることがある。そのような例示的な配置(例えば図17参照)において、前記固定バー182は、その開放構成において、前記基部100と前記蓋部112との間に配置され、前記蓋部112が前記基部100に固定的に接触することに対する物理的な障壁として機能してもよい。これは、前記固定バー182を前記閉鎖構成に動かさせる工程を誤って飛ばすことを防止するのに役立ち、前記胎児チャンバーアセンブリ10の動作を開始する前に前記固定バー182がその閉鎖構成にあることを確実にするのに役立つ。
【0152】
胎児チャンバーアセンブリを通る流路
動作において、前記胎児チャンバーアセンブリ10は、前記成長チャンバー120および前記カニューレチャンバー150を通って流れるように、そこに適切な液体を受け取るように構成される。前記液体は、前記カニューレチャンバー150内および前記成長チャンバー120内の胎児の臍帯に接触する。前記液体は、胎児に損傷を与えないように、胎児と生体適合性でなければならないことが理解されよう。また、前記液体は、好ましくは、前記胎児チャンバーアセンブリ10の構成要素に対して腐食性または損傷性であってはならないことが理解されよう。本願を通じて説明されるいくつかの態様では、前記液体は生理的食塩液(PSS)を含んでもよい。前記液体は、合成羊水を含んでもよい。前記PSSは、胎児の成長に有益な液体で構成されている。前記PSSは、温度、圧力、栄養成分、気体成分、無菌性、および/または他の特性などの様々なパラメータについて制御されてもよい。いくつかの態様において、前記PSSが、少なくとも部分的に、妊娠中の自然の人間の子宮に見られる羊水に似ていることが好ましい。本出願全体を通しての説明はPSSに向けられているが、前記PSSは組成が異なってもよく、他の適切な液体が、説明されたPSSと共に、またはその代わりに使用されてもよいことが理解されよう。
【0153】
前記PSSは、PSS源から前記胎児チャンバーアセンブリ10に導入される。いくつかの態様において、前記PSSが停滞状態で前記胎児チャンバーアセンブリ10の内部にとどまらず、代わりに有用な流量で動かされることが好ましい。液体の停滞を避ける工程は、前記胎児チャンバーアセンブリ10の内部での細菌増殖を防止するのに役立つ。前記胎児チャンバーアセンブリ10は、前記胎児チャンバーアセンブリ10内の閉ループで同じPSSを連続的に循環させるのではなく、新しい、すなわち新鮮なPSSが前記胎児チャンバーアセンブリ10に入り、そこを動き、その後前記胎児チャンバーアセンブリ10から排出されるように、前記PSSをそこに通すように構成されてもよい。前記同じPSSを循環させる代わりに新しいPSSを導入する工程は、細菌の成長および蓄積を防止し、前記胎児チャンバーアセンブリ10から汚染物質を除去するのに役立ち、胎児の発達のためにより良い気体および栄養交換を提供することができる。
【0154】
図21を参照すると、例示的なPSS流路が、前記胎児チャンバーアセンブリ10の前記基部100内に描かれている。他の適切な流路が使用されてもよく、図に示されるような流路の正確な配置は、限定することを意図していないことが理解されよう。前記PSSは、PSS源から前記胎児チャンバーアセンブリ10に導入され、2つの別々の注入口、第1の注入口194および第2の注入口198に分けられる。上記で簡単に説明したように、第1の注入口194は、第1の注入口194からの前記PSSが前記成長チャンバー120に動くように、前記成長チャンバー120に規定され、前記第2の注入口198は、前記第2の注入口198からの前記PSSが前記カニューレチャンバー150に動くように、前記カニューレチャンバー150の前記カニューレ入口部162に規定される。前記PSSは、概ね前記長手方向yに沿って排出口202に向かって動くように構成される。前記排出口202は、前記長手方向yに沿って前記第1および前記第2注入口194、198から間隔を置いて配置される。いくつかの態様において、前記排出口202は、胎児が前記第1の注入口194と前記排出口202の間に配置されるように、第1の注入口194の反対側の前記成長チャンバー120内に配置される。前記第1の注入口194は、前記成長チャンバー120において、胎児の足よりも胎児の頭に近い位置に配置されてもよく、一方、前記排出口202は、胎児の頭よりも胎児の足に近い位置にあるように配置されてもよい。これにより、前記第1の注入口194から前記排出口202に向かって流れる前記PSSは、概して、胎児の頭から胎児の足へ向かう方向に流れることができる。前記胎児チャンバーアセンブリ10は、以下で詳細に説明するように、異なる軸に沿って回転させてもよいが、前記PSSが重力により、前記排出口202に向かって下方に流れるように、前記排出口202が前記成長チャンバー120の(重力に対する)最下点に配置されるように、前記胎児チャンバーアセンブリ10の向きを維持することが好ましい場合がある。このような流路は、汚染物質(例えば、胎便)を胎児の頭部に向かって動かさせたり、胎児の頭部に隣接させておくのではなく、あらゆる汚染物質を足の方向および前記排出口202に向かって動かさせるPSSの連続流を有することにより、汚染物質を胎児の頭部から遠ざける上で有利である。汚染物質(胎便など)の吸引は、呼吸器系の合併症を引き起こすか、または他の方法で胎児の発達を阻害する可能性があるので、あらゆる汚染物質または異物を胎児の頭部から遠ざけるPSSの流れを維持することが望ましい。
【0155】
排出口チャネル206は、前記排出口202から延び、前記PSSが前記胎児チャンバーアセンブリ10を通り動いた後、前記PSSを受け取るように構成された廃棄物容器に通じている。前記排出口チャネル206は、少なくとも部分的に、前記筐体108内に配置されてもよい。前記排出口チャネル206は、そこを流れる前記PSSが、前記胎児チャンバーアセンブリ10の1若しくはそれ以上の構成要素に接触し、隣接して流れ、またはそこを通って流れることができるように構成されてもよい。図21を参照すると、例えば、胎便センサーアセンブリ292は、前記排出口チャネル206を流れる前記PSS液が、以下で詳細に説明するように、前記胎便センサーアセンブリ292による感知を受けるように、前記排出口チャネル206上またはそれに隣接して配置されてもよい。
【0156】
いくつかの態様において、前記胎児チャンバーアセンブリ10は、複数の前記排出口202を含んでもよい。各排出口202は、前記同じ排出口チャネル206と流体連通するように構成されてもよく、あるいは、別個の排出口チャネル206と流体連通するように構成されてもよい。
【0157】
動作において、前記PSSは、前記第1および第2の注入口194、198で前記胎児チャンバーアセンブリ10に入り、前記排出口202に向かって流れる。前記胎児チャンバーアセンブリ10は、前記成長チャンバー120と前記カニューレチャンバー150とを分離する仕切り壁部158を有するように描かれているが、前記仕切り壁部158は異なる実施形態において異なる寸法を有してもよく、前記PSS液の流れは前記仕切り壁部158の特定の配置によって影響を受けることを理解する必要がある。例えば、図2~4に見られるように、前記仕切り壁部158は、前記垂直方向zに沿って前記筐体108から上方に(前記胎児チャンバーアセンブリ10が閉じられた場合に前記蓋部112に向かって)延びる。いくつかの好ましい態様では、前記仕切り壁部158は、前記仕切り壁部158の上部が、前記仕切り壁部158が延びる前記筐体108と、前記封印296の上面が配置される、前記横方向および長手方向xおよびyによって定義される平面との間にあるように、前記垂直方向zに延びるように構成されてもよい。簡単に言えば、前記仕切り壁部158の高さ(前記筐体108から前記垂直方向zに測定)は、前記封印296の高さよりも低い。そのような実施形態では、前記胎児チャンバーアセンブリ10が閉じられ、前記蓋部112が前記基部100と密封固定される場合、前記PSS液は、前記仕切り壁部158と前記蓋部112との間に規定される前記空間において前記仕切り壁部158を通過してもよい。そのような実施形態は、前記胎児チャンバーアセンブリ10内の滞留液の領域を減少させ、その結果、細菌増殖の有病率を減少させることが好ましいと考えられる。さらに、そのような実施形態は、単一の封印296のみが使用されるので、前記胎児チャンバーアセンブリ10を閉じることをより単純にできる。いくつかの代替的な側面では、前記仕切り壁部158は、前記仕切り壁部158の上部が前記封印296の高さに一致するような高さを有するように構成され、前記胎児チャンバーアセンブリ10が閉じられる場合、前記仕切り壁部158と前記蓋部112との間に空間が規定されず、前記PSSが前記仕切り壁部158を越えることができないようにしてもよい。
【0158】
前記PSSは、単一の供給源から、単一のポンプを用いて、前記胎児チャンバーアセンブリ10に導入されてもよい。前記胎児チャンバーアセンブリ10において、前記PSSは、上述のように2つ(またはそれ以上)の注入口に分割されてもよい。いくつかの好ましい実施形態では、各注入口は、前記PSSを他の注入口から独立してそこを動かせるための別個のポンプまたは同様の機構を有しない。このように、個々の注入口ポート間のPSS量の分配は、積極的に制御される必要はない。図21をなおも参照すると、前記第1および第2の注入口194、198の各々は、前記胎児チャンバーアセンブリ10のパラメータに依存して、同じ量のPSSまたは異なる量のPSSのいずれかを受け取るように構成されてもよい。同様に、前記第1および第2の注入口194、198の各々を通して導入される前記PSSは、実質的に同じ圧力を有するか、または異なる圧力を有してもよい。
【0159】
いくつかの態様において、前記第1および第2の注入口194、198の各々に導入される前記PSSの量は、前記胎児チャンバーアセンブリ10の位置、より具体的には前記第1および第2の注入口194、198の互いに対する位置に依存する。前記異なる注入口間のPSSの分配は、各注入口に向けられる前記PSSの圧力差に依存する。前記各注入口の相対位置は、前記胎児チャンバーアセンブリ10がどのように配置されるかに基づいて変化してもよく、前記胎児チャンバーアセンブリ10は、1、2、または3方向に並進してもよく、複数の軸に沿って回転させてもよい。この議論の目的のために、前記胎児チャンバーアセンブリ10は、前記横方向xに沿って、前記長手方向yに沿って、および/または前記長手方向zに沿って並進されることがある。前記胎児チャンバーアセンブリ10は、前記横方向xに平行なピッチ軸に沿って、前記長手方向yに平行なロール軸に沿って、および/または前記垂直方向zに平行なヨー軸に沿って回転させられてもよい。前記胎児チャンバーアセンブリ10に対するピッチ軸、ロール軸、およびヨー軸の各々の具体的な位置は、様々な実施形態間で異なってもよく、特に指示しない限り、以下の説明を制限することを意図していない。前記胎児チャンバーアセンブリ10は、他の軸の周りを同様に回転するように構成されてもよく、本開示における実施形態は、上述のピッチ軸、ロール軸、およびヨー軸に限定されない。
【0160】
例えば、図21に示す前記第1および第2の注入口194、198の例示的な配置(図3にも見られる)を参照すると、前記第1の注入口194および前記第2の注入口198は、前記横方向xおよび前記垂直方向yによって規定される同一平面内にあるように示されている。このような配置では、前記2つの注入口に導入される前記PSSは同じ圧力を有していてもよい。このように、前記PSSの流量は、前記第1の注入口194および前記第2の注入口198とで等しいものであってもよい。前記胎児チャンバーアセンブリ10が前記ロール軸を中心に第1の方向に回転される場合、前記第1および第2の注入口194、198の一方は、前記第1および第2の注入口194、198の他方よりも高く(前記垂直方向zに沿って、地面に対して)配置されることになる。前記胎児チャンバーアセンブリ10は、前記第1および第2の注入口194、198の相対的配置が逆転するように、前記第1の方向とは反対の第2の方向に前記ロール軸を中心に回転させることができる。高い位置にある前記注入口は、低い位置にある前記注入口よりもPSSの圧力が低くなる。前記胎児チャンバーアセンブリ10が前記ロール軸に沿って回転するほど、前記第1および第2の注入口194、198の間の相対距離は大きくなり、圧力差は大きくなる。前記第1および第2の注入口194、198のうち、相対的に低い方が、前記他の注入口と比較して、そこに前記PSS液を比例して多く受けることになる。一実施形態による例示的で非限定的なピッチ軸とロール軸が図43に描かれている。
【0161】
この分布は、前記PSSを前記胎児チャンバーアセンブリ10に導入するように構成された機構(例えば、ポンプ)に起因する場合がある。前記ポンプは、前記PSSを前記胎児チャンバーアセンブリ10に動かされるが、流れを特定の注入口に積極的に誘導しない、すなわち、前記ポンプは、前記PSS液を前記胎児チャンバーアセンブリ10に動かされるように構成されるが、前記液体は最小抵抗の方向に流れることになる、ように構成してもよい。前記第1および第2の注入口194、198が、前記横方向xおよび前記垂直方向yによって規定される同じ水平面内にある場合、両者が同じ抵抗を有するので、前記流れは両入口に均等に動くことができる。前記胎児チャンバーアセンブリ10を前記ロール軸に沿って前記第1の方向に回転させると、前記垂直軸zに沿って(地面に対して)高い位置にある前記注入口は、相対的に低い位置にある前記注入口よりも、重力に逆らって液体を高く動かせることが困難であるため、流れに対する抵抗が大きくなる。
【0162】
前記胎児チャンバーアセンブリ10は、前記ピッチ軸の周りに回転されるように構成されてもよい。前記胎児チャンバーアセンブリ10が前記ピッチ軸の周りに第1の方向に回転される場合、前記第1および第2の注入口194、198の一方または両方は、前記排出口202よりも比較的高い位置に配置されてもよい。前記胎児チャンバーアセンブリ10が前記ピッチ軸に沿って前記第1の方向とは反対の第2の方向に回転される場合、前記排出口202は、前記第1および第2の注入口194、198の一方または両方よりも相対的に高い位置に配置されてもよい。いくつかの好ましい実施形態では、前記排出口202が前記第1および第2の注入口194、198の少なくとも1つよりも比較的低い位置にあるような配置で前記胎児チャンバーアセンブリ10を維持することが有利である。いくつかの態様において、前記排出口202は、好ましくは、前記第1および第2の注入口194、198の両方よりも低い位置に配置されてもよい。これは、前記PSSの流れが前記第1および第2の注入口194、198から前記排出口202の方向に連続的に動くことを確実にするために好ましいと考えられる。前記排出口202を前記注入口の上に上げると、所望よりも遅い流量になるか、前記成長チャンバー120、前記カニューレチャンバー150、またはその両方の内部で前記PSS液の停滞につながることがある。上述のように、細菌感染のリスクを減少させるために、液体の停滞を最小化または排除することが好ましい。
【0163】
いくつかの態様において、前記液体を動かせるための第2の機構(例えば、第2のポンプ)は、前記排出口チャネル206と流体連通して配置されてよく、前記排出口チャネル206内の前記PSSの前記胎児チャンバーアセンブリ10の外への動きを促進するように構成されてもよい。
【0164】
胎便感知
妊娠中、胎児は時々、その直前の環境に胎便を放出することがある。糞便自体は一般に無菌であるが、前記胎児チャンバーアセンブリ10内のその存在は、細菌増殖のリスクを増大させる可能性がある。胎便は、前記胎児チャンバーアセンブリ10内の構成要素を詰まらせたり損傷させたりすることがあり、胎児の発達を妨害することがある。場合によっては、胎児が胎便を吸引し、感染などの胎児の健康問題を引き起こす可能性がある。このように、前記胎児チャンバーアセンブリ10の動作中に、胎便の存在を監視することが望ましい。胎便が検出された場合、以下で詳細に説明するように、前記胎児チャンバーアセンブリ10から除去することができる。
【0165】
図2~5に示すように、胎便センサーアセンブリ292は、前記基部100の前記基部筐体108上に配置されてもよい。前記胎便センサーアセンブリ292は、前記胎児チャンバーアセンブリ10を通って流れている前記液体(例えばPSS)内の胎便の存在を検出するように構成される。前記胎児チャンバーアセンブリ10は、例えば、前記カニューレチャンバー150内、前記成長チャンバー120内、または前記胎児チャンバーアセンブリ10の別の部分において、戦略的に配置された複数の胎便センサーアセンブリ292を含んでもよいことが理解されよう。
【0166】
いくつかの好ましい実施形態では、例えば図21図22A、および図22Bに示すように、前記胎便センサーアセンブリ292は、前記排出口チャネル206内またはそれに隣接して配置されてもよい。前記胎便センサーアセンブリ292は、前記排出口チャネル206と直列であってもよい。図23は、前記排出口チャネル206に隣接して配置されるような胎便センサーアセンブリ292のサンプル配置の例示的な非限定的な概略図を描いている。この概略図は縮尺通りに示されておらず、他の配置が利用され得ることが理解されるであろう。前記胎便センサーアセンブリ292は、胎便センサーアセンブリ筐体313およびセンサー310を含む。前記排出口チャネル206内の前記液体は、前記センサーアセンブリ筐体313に入ることができる。前記センサー310は、前記センサーアセンブ筐体313内の前記液体内の胎便の任意の存在を検出するように構成される。胎便の特定の閾値量は、前記胎児チャンバーアセンブリ10の動作のために予め決定されてもよいことが理解されるであろう。液体が前記排出口202で前記排出口チャネル206に入ると、前記液体は前記排出口チャネル206に沿って動き、前記胎児チャンバーアセンブリ10を出る。前記液体が前記排出口チャネル206に動いた後、前記液体は、前記胎便センサーアセンブリ292を通過するか、または前記胎便センサーアセンブリに隣接してもよい。
【0167】
前記センサー310が前記所定の閾値を超える前記液体中の胎便の存在を検出した場合、前記胎便センサーアセンブリ292は、前記検出された胎便に応答して、前記胎児チャンバーアセンブリ10に、ユーザに通知する、警報を発する、またはその動作を修正させることができる。前記排出口206内に前記胎便センサーアセンブリ292を配置することは、前記胎児チャンバーアセンブリ10を通る前記液体の流れに起因する胎便の正確な検出に有利である。上記で説明したように、前記液体の流れは、前記第1および第2の注入口194、198から前記排出口202に向かう方向に概ね動き、そのように、胎児の頭部から胎児の足元に向かう方向に概ね動く。胎児が排泄するあらゆる胎便は、前記液体の流れによって前記排出口202に向かって運ばれ、前記排出口チャネル206に入ってもよい。上記で説明したように、前記注入口194、198および前記排出口202の相対的配置、並びに前記成長チャンバー120および前記カニューレチャンバー150の一般的形状は、前記成長チャンバー120または前記カニューレチャンバー150内の滞留液体および細菌が増殖する領域の発生を減らすのに役立つ。このように、前記構成要素の有利な設計および配置は、前記排泄された胎便のほとんどまたはすべてを前記排出口202に方向付けるのにも役立ち、前記胎便センサーアセンブリ292によって検出される胎便の量が、胎児によって排泄される胎便のより正確な量を表すようにする。
【0168】
上記で簡単に述べたように、前記胎便センサーアセンブリ292は、前記センサーアセンブ筐体313とセンサー310を含む。前記センサー310は、反射体表面312に向けられるように構成されたカメラ311を含む分光センサーであってよい。前記反射体表面312は、ランバート反射体であってもよい。前記反射体表面312は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含んでもよい。いくつかの態様において、前記反射体表面312は、単色を含むことができる。いくつかの態様では、前記反射体表面312は白色であってもよい。光源315は、前記反射体表面312から所定の距離で前記カメラ311上またはそれに隣接して配置されてもよい。前記光源315は、光の少なくとも一部が前記反射体表面312から前記カメラ311に向かって反射するように、前記反射体表面312に前記光を向けることができる。前記カメラ311は、そこを流れる前記液体を含む前記センサーアセンブ筐体313が前記カメラ311と前記反射体表面312との間に配置されるように、前記反射体表面312の反対側に配置される。いくつかの態様において、前記排出口チャネル206は、前記センサ筐体213を通って延びるか、または前記センサ筐体213と直列であってもよい。
【0169】
前記排出口チャネル206を通って動く液体は、前記センサー310に隣接する前記センサーアセンブリ筐体313の中に動くことができる。前記センサーアセンブリ筐体313内にある場合、前記液体は、したがって、前記カメラ311と前記反射体表面312の間を通過することができる。前記カメラ311は、前記カメラ311と前記反射体表面312との間の前記液体における(所定値に対する)光学的変化を検出するように構成された単一画素カメラであってよい。例えば、いくつかの態様において、前記カメラ311は、2若しくはそれ以上の波長の相対強度を検出するように構成されてもよい。前記カメラ311は前記反射体表面312を見ることができなければならない。そのため、前記カメラ311と前記反射体表面312の間の前記材料は、前記カメラが前記反射体表面312の色を見て検出できるように、少なくとも半透明であることが望ましい。この配置は、前記排出口チャネル206を通過する前記液体内に存在する任意の材料からの光の反射を可能にし、また、スペクトル到達範囲を測定するための一定の背景として機能する前記反射体表面312からの反射も可能にする。いくつかの実施形態では、前記センサーアセンブリ筐体313は、前記カメラ311と前記反射体表面312との間の前記センサーアセンブリ筐体313上に配置された第1の透明または半透明な窓部314を含んでもよい。第2の透明または半透明の窓部316は、前記第1の窓部314の反対側で、かつ前記カメラ311と前記反射体表面312の間でも前記センサーアセンブリ筐体313上に配置されてもよい。前記カメラ311は、前記第1の窓部314を通して、前記センサーアセンブリ筐体313およびその中の前記液体を通して、前記第2の窓部316を通して、前記反射体表面312を見るように構成されることがある。いくつかの態様において、追加の窓部が、前記センサー310、前記センサーアセンブリ筐体313、または前記胎児チャンバーアセンブリ筐体108の他の場所に配置されてもよいことが理解されよう。
【0170】
前記センサー310は、前記カメラ311を使用して前記反射体表面312とは異なる色の変化を検出するように構成されたプロセッサを有する制御装置318を含んでもよい。前記プロセッサは、関心のある好ましい色スペクトル範囲を定義するプログラムを含んでもよい。前記カメラ311と前記反射体表面312との間に配置される異なる材料または構成要素は、異なる色を有することができる。好ましい実施形態では、前記プロセッサは、胎便の色と一致する色範囲を特定するように構成されてもよい。いくつかの態様において、色範囲は、赤色、黄色、茶色、上記の組み合わせ、または関連する色を含んでもよい。前記プログラムされた範囲内の色が検出された場合、それは特定の物質の存在を示すことがある。好ましい態様では、例えば、前記カメラ311が赤色、黄色、茶色、または類似の色を検出した場合、これは、胎便の存在を示している場合がある。
【0171】
前記センサー310は、前記カメラ311を使用して前記反射体表面312とは異なる色の変化を検出するように構成されたプロセッサを有する制御装置318を含んでもよい。前記プロセッサは、関心のある好ましい色スペクトル範囲を定義するプログラムを含んでもよい。前記カメラ311と前記反射体表面312との間に配置される異なる材料または構成要素は、異なる色を有することができる。好ましい実施形態では、前記プロセッサは、胎便の色と一致する色範囲を特定するように構成されてもよい。いくつかの態様において、色範囲は、赤色、黄色、茶色、上記の組み合わせ、または関連する色を含んでもよい。前記プログラムされた範囲内の色が検出された場合、それは特定の物質の存在を示すことがある。好ましい態様では、例えば、前記カメラ311が赤色、黄色、茶色、または類似の色を検出した場合、これは、胎便の存在を示している場合がある。
【0172】
いくつかの態様において、前記血液センサーは、血液成分による特定のスペクトル線の吸収と特定の波長の相対強度によって血液の存在を検出する光学センサーであってよい。前記センサーは、異なる波長を交互に放射し、透過または反射強度を検出してよい。前記センサーは複数の波長を同時に放射し、フィルタリングされた検出器が特定の波長の強度を測定してもよい。
【0173】
前記カメラ311が前記プログラムされた色範囲内の色の存在を検出した場合、前記制御装置318は、ユーザに通知するか、アラームをトリガーするか、または前記胎児チャンバーアセンブリ10の動作を変更するように構成されてもよい前記排出口チャネル206を通って流れる前記液体は様々な色を含むので、前記監視される材料(例えば、胎便または血液)に係る色のみに焦点を当てるようにセンサーを構成することは、偽陽性を防ぐのに役立つことが理解されよう。
【0174】
胎便除去
胎児によって前記成長チャンバー120に排泄される胎便は、感染、細菌増殖、または組立部品の損傷のリスクを低減するために、前記胎児チャンバーアセンブリ10から除去されてもよい。前記胎児チャンバーアセンブリ10内の胎便の量は、上述のように前記胎便センサーアセンブリ292によって推定することができる。胎便は、前記成長チャンバー120および/または前記カニューレチャンバー150内で可視化されてもよい。いくつかの態様では、前記胎便センサーアセンブリ292内の前記センサー310によって検出された胎便の量が所定の閾値を超えた場合、胎便を除去することが有益になる。
【0175】
前記胎児チャンバーアセンブリ10を開き(例えば、前記基部100から前記蓋部112の連結を解除することによって)、その中の液体(例えばPSS)内から胎便を取り除くことが可能であるが、前記胎児チャンバーアセンブリ10のロックを解除して開くことなく前記胎児チャンバーアセンブリ10を取り除くことが望ましい場合がある。これは、胎児を乱すことなく、胎児または前記胎児チャンバーアセンブリ10の内部を外部の汚染物質にさらすことなく、または前記胎児チャンバーアセンブリ10の動作を一時停止することなく(例えば、前記アセンブリを通る液体の連続フローを一時停止せずに)、胎児のための制御環境を維持することを助ける。このように、いくつかの態様では、専用の除去ポートを介して胎便を除去することが好ましく、このポートを介してユーザが前記成長チャンバー120またはカニューレチャンバー150にツールを挿入し、前記液体中に存在する胎便を吸引、すくい上げ、または他の方法で除去することができる。
【0176】
図2~5に示すように、前記胎便除去アセンブリ214は、前記基部100上に配置されてもよい。ここで、例示的な前記胎便除去アセンブリ214の断面図を示す図24を参照すると、胎便除去ポート218は、前記基部100上に画定されてよく、前記筐体108を通って延びてよい。前記胎便除去ポート218は、前記成長チャンバー120と流体連通していてもよく、また、前記胎児チャンバーアセンブリ10の外部の環境と流体連通していてもよい。バルブ222は、前記胎便除去ポート218は内に配置される。前記バルブ222は、逆止バルブまたは別の逆止バルブであってもよい。前記バルブ222は、液体が前記胎児βハンバーアセンブリ10の内部から前記胎便除去ポート218を通って外に漏れるのを防ぐべきであることが理解されるであろう。いくつかの態様では、前記バルブ222はトロカール封印を含んでもよい。いくつかの態様では、前記バルブ222は、クロススリット封印を含んでもよい。いくつかの態様では、前記バルブ222は、放射状封印を含むことができる。前記バルブ222は、(以下で詳細に説明するように)前記胎便除去アセンブリ214に挿入される専用ツールで開かれるように構成されてもよい。前記放射状封印224は、液体がそこを通過して前記胎便除去ポート218から出るのを妨げるために、前記胎便除去ポート218内に配置されることがある。前記放射状封印224は、前記バルブ222に隣接して配置されてよい。前期放射状封印224は、前記バルブ222が漏れた場合の冗長性またはフェイルセーフとなる。いくつかの態様において、前記胎便アセンブリ214は、さらに、キャップ226を含んでもよい。前記キャップ226は、前記胎便除去アセンブリ214が閉じられた場合に、少なくとも一部が前記胎便除去ポート218内に配置されるように構成されてもよい。前記キャップ226は、前記バルブ222に接触してそれに物理的な支持を与え、前記バルブ222を通じた前記胎児チャンバーアセンブリ10内からの漏れを防ぐのを助けるように構成されてもよい。前記キャップ226は、漏れの場合に前記胎便除去アセンブリ214内に封印を形成するように構成された1若しくはそれ以上の封印部材をその上に含んでもよい。図24に示すように、前記封印部材は、前記キャップ226の周りに円周方向に配置され、前記キャップ226が前記胎便除去ポート218に挿入された場合に前記キャップ226と前記胎便除去ポート218との間に液密封印を提供するように構成されたO-リング228を含んでもよい。前記O-リング228は、前記バルブ222が漏出した場合の冗長性であってもよい。
【0177】
前記成長チャンバー120内から胎便を除去するために、前記キャップ226は前記胎便除去ポート218内から取り外すことができる。前記胎便を除去するために、専用の工具が使用してもよい。いくつかの態様では、胎便は、前記胎便除去アセンブリ214を介して前記成長チャンバー120内に挿入される吸引カテーテルを介して除去される。前記吸引カテーテルは、前記吸引カテーテル内に圧力差を生じさせ、液体および胎便をそこから吸引するように構成された外部吸引装置に接続されてもよい。
【0178】
前記胎便は胎児に近接して前記成長チャンバー120に配置されることがあるので、胎児への怪我のリスクを減少させるために、柔らかく、研磨面または鋭い表面を持たない吸引カテーテルを利用することが好ましい。そのような好ましいカテーテルは柔らかいので、上述の前記バルブ222を通して前記成長チャンバー120に導入することが困難な場合がある。さらに、前記柔らかい吸引カテーテルは、剛性構造を欠いている場合があり、ユーザが前記吸引カテーテルを前記胎便が存在する所望の場所に方向付けることが困難である。このように、前記カテーテルを前記胎児チャンバーアセンブリ10に導入し、前記カテーテルを前記所望の場所に方向付けるのを助けるために、専用のツールが前記カテーテルと一緒に利用されてもよい。
【0179】
図25および図26を参照すると、カテーテルアダプタ400の例示的な実施形態が描かれている。前記アダプタ400は、第1の端部410と、前記第1の端部410から離れて本体408に沿って間隔を置かれた第2の端部411とを有する前記本体408を含む。通路409が、前記第1および第2の端部410、411の間で前記本体408を貫いて延びている。前記第1および第2の端部410、411は、開口しており、前記通路409と流体連通している。カテーテル404は、前記第1の端部410で前記通路409に受け入れられるように構成されている。前記カテーテル404は、前記通路409を通って延び、前記第2の端部411でそこから出てもよい。
【0180】
前記本体408は、前記第2の端部411に隣接してその上に配置された頭部412を規定してもよい。前記頭部412は円弧状であってもよく、所定の曲率を有していてもよい。前記通路409は、前記頭部412の形状を含む前記本体408の形状によって規定されてもよい。このように、前記通路409は、前記頭部412の曲率に沿って湾曲していてもよい。前記通路409に導入された前記カテーテル404は、前記カテーテル404が前記第1の端部410から前記第2の端部411に向かって動き、前記第2の端部411から出るときに、前記通路409の曲率に従ってもよい。前記頭部412の曲率は、前記第2の端部411が向く方向を規定してもよい。前記頭部412が湾曲していてもよいいくつかの態様では、前記カテーテル404は、第1の直線方向に沿って前記第1の端部410で前記アダプタ400に導入されてもよく、前記第1の直線方向と平行でない第2の直線方向に沿って前記第2の端部411で前記アダプタ400を出てもよい。いくつかの態様において、前記頭部412は、前記アダプタ400の前記バルブ222への挿入および前記バルブ222を通る挿入を容易にするためにテーパ状であってもよい。前記第2の端部411は、好ましくは、胎児を傷つけたり、前記成長チャンバー120の内部の構成要素を損傷したりするリスクを低減するように設計されていることが理解されよう。前記第2の端部411は丸みを帯びていてもよく、その上に無外傷の先端を規定してもよい。
【0181】
前記カテーテル404は、前記アダプタ400に対する前記カテーテル404の方向付けおよび固定を助けるように構成されたカラー429を含んでもよい。前記カラー429は、前記アダプタ400に送り込まれるカテーテルの長さを制御できるように、前記カテーテル404をその中に摺動可能に受け取るように構成されていてもよい。対応する保持要素424は、前記アダプタ400上に配置され、前記カラー428を前記アダプタ400に固定するために前記カラー428と解放可能に係合するように構成されてもよい。前記保持要素424は、前記本体408の前記第1の端部410に隣接して配置されてもよい。
【0182】
前記アダプタ400は、前記第1の端部410と前記第2の端部411との間の前記本体408に配置されたフランジ420を規定してもよい。前記フランジ420は、前記アダプタ400が前記胎便除去アセンブリ214と係合されている場合に物理的な停止部として機能するように構成されてもよい。すなわち、前記本体408が前記胎便除去ポート218に導入される場合、前記フランジ420は、前記アダプタ400の一部が前記胎便除去ポート218に動いてしまった後に前記筐体108に接触するように構成されてもよい。前記フランジ420が前記筐体108に接触すると、前記アダプタ400は、前記胎便除去アセンブリ214に完全に係合したと見なされてもよい。いくつかの例では、前記フランジ420は、例えば、前記胎便除去ポート218に隣接して、前記胎便除去アセンブリ214とインターフェースし、解放可能にロックするように構成されてもよい。このようなインターフェースは、前記胎便除去ポート218内からの前記アダプタ400の不注意な取り外しを防止しながら、前記アダプタ400が前記胎便除去ポート218に対して回転されることを可能にする。いくつかの態様において、前記フランジ420は、無菌であることが意図される前記アダプタ400の部分と無菌であることが要求されない部分とを規定してもよい。前記胎児チャンバーアセンブリ10の汚染を避けるために、前記アダプタ400のうち前記胎児チャンバーアセンブリ10に導入される部分が無菌であることが好ましく、一方、前記胎児チャンバーアセンブリ10の外側でユーザによって扱われる部分が非無菌であることがある。無菌部分428は、前記フランジ420と前記第2の端部411との間に規定されてもよい。非滅菌部分432は、前記フランジ420と前記第1の端部410との間に規定されてもよい。
【0183】
前記アダプタ400は、前記本体408に取り付けられ、ユーザによって把持されるように構成されたハンドル416を含んでもよい。ユーザは、前記ハンドル416を握って、前記アダプタ400を前記胎便除去アセンブリ214に挿入する、前記アダプタ400を前記胎便除去アセンブリ214から取り外す、前記胎便除去アセンブリ214に係合した状態で前記アダプタ400を回転させてもよい。
【0184】
実際には、前記成長チャンバー120から胎便を除去するために、ユーザはまず、前記カテーテル404受け取るために前記胎便除去アセンブリ214を準備してもよい。図27Aは、そこに係合した前記キャップ226を示す前記胎便除去アセンブリ214の例示的な実施形態を描写している。前記胎便除去アセンブリ214を準備する工程は、前記バルブ222がアクセス可能であるように、前記キャップ226を取り外すことを含んでもよい(図27Bを参照)。ユーザは、前記アダプタ400を前記胎便除去ポート218に導入し、前記バルブ222を通過させることができる。ユーザは、前記頭部412を前記バルブ222に隣接して配置し、前記バルブ222に対して前記アダプタ400に十分な力を加えて、前記バルブ222を開くことができる。いくつかの態様において、前記頭部412がテーパ状である場合、前記テーパは、前記アダプタ400を前記バルブ222と整合させることを容易にすることができる。前記テーパーは、前記バルブ222を開かせるためにユーザによって加えられる力をより少なくすることを必要とする。図27Cは、前記アダプタ400が前記胎便除去アセンブリ214と部分的に係合している様子を描写している。次に、ユーザは、少なくとも前記頭部412と前記開いた第2の端部411が前記胎便除去ポート218から出て前記成長チャンバー120内に配置されるまで、前記バルブ222を通して前記アダプタ400を動かし続けてもよい。いくつかの態様において、ユーザは、前記フランジ420が前記筐体108に接触して前記アダプタ400の前記胎児チャンバーアセンブリ10へのさらなる動きを妨げるまで、前記アダプタ400を前記胎便除去ポート218内および前記成長チャンバー120内に動き続けてもよい。この工程では、前記アダプタ400は、前記無菌部分428が前記胎便除去ポート218および/または前記成長チャンバー120の内部にあり、前記非無菌部分が前記胎児チャンバーアセンブリ10の外部にあるように、前記胎便除去アセンブリ214に完全に係合してもよい。図27Dは、完全に係合された前記アダプタ400を描写している。
【0185】
前記カテーテル404は、前記胎便除去アセンブリ214を通してアダプタ400を動かす前に(例えば、前記カラー429と前記保持要素424との係合を介して)前記アダプタ400に接続してもよい。あるいは、前記カテーテル404は、前記アダプタ400が前記胎便除去アセンブリ214と完全に係合された後に、前記アダプタ400に導入してもよい。前記カテーテル404は、前記アダプタ400を通して前記成長チャンバー120に送り込んでもよい。前記軟性カテーテル404が行くべき場所(例えば、胎便を含む領域)を指示するために、ユーザは、前記カテーテル404が前記アダプタ400を出る前記開いた第2の端部411が所望の方向を向くように、前記胎便除去アセンブリ214内で前記アダプタ400を回転させてもよい。前記頭部412が湾曲している態様では、前記アダプタ400を回転させる前記工程によって、ユーザは第2の端部411を所望の方向に向けてもよい。前記アダプタ400が好ましい方向にある場合、前記カテーテル404は前記アダプタ400を通して供給されてもよい。図27Eは、前記アダプタ400を通して供給された前記カテーテル404が、前記湾曲した頭部412に規定された前記第2の端部411から伸びる様子を描写している。
【0186】
前記アダプタ400を回転させ方向付け、前記カテーテル404をその中を前進させる工程は、前記カテーテル404が前記胎便に到達するまで、必要に応じて繰り返すことができる。次に、ユーザは、前記カテーテル404に接続された前記外部吸引装置(図示せず)を作動させて、前記胎便を前記カテーテル404に吸引させ、前記胎児チャンバーアセンブリ10の外に出すことができる。所望の胎便が除去されると、前記カテーテル404は、前記アダプタ400を通して引き込まれることがある。次いで、前記アダプタ400は、前記バルブ222を通って引き戻され、前記胎便除去ポート218から出ることができる。前記バルブ222は、前記アダプタ400がそこから取り外されると、前記成長チャンバー120内からの液体の脱出を防ぐために閉じるように構成される。前記キャップ226は、前記胎便除去ポート218に再挿入されてもよい。いくつかの態様では、汚染を避けるために、元のキャップ226とは異なる新しい無菌のキャップ226が導入されてもよい。上述した前記胎便を除去する工程は、必要に応じて繰り返すことができる。いくつかの態様では、前記成長チャンバー120の汚染を避けるために、前記カテーテル404、前記アダプタ400、および/または前記キャップ226などの上記の構成要素のいくつかを再利用しないことが好ましい場合がある。
【0187】
上記の説明では、前記成長チャンバー120から特に胎便を除去する例を示したが、前記カニューレチャンバ150などの前記胎児チャンバーアセンブリ10の他の部分に胎便が存在してもよく、それらの領域からも前記開示された前記胎便除去アセンブリ214を介して除去することができることは理解されよう。いくつかの態様では、前記胎児チャンバーアセンブリ10は、前記胎児チャンバーアセンブリ10上に有利に配置された追加の胎便除去アセンブリ214を含み、胎便が存在する領域へのアクセスを可能にする。
【0188】
前記胎便センサーアセンブリ292は、上述したように、胎便の存在を示す色の変化を検出するように構成されてもよい。いくつかの態様では、前記胎便センサーアセンブリ292は、前記排出口チャネル206を通過する前記液体中の血液の存在に対応する色の変化を検出するように付加的に構成されてもよい。前記成長チャンバー120を出る前記液体中の血液の存在は、胎児の出血を示す。前記成長チャンバー120または前記カニューレチャンバー150内の血液は、前記臍帯の1若しくはそれ以上のカニューレ血管と前記それに接続されたそれぞれのカニューレとの間の漏れを示すことがある。血液の存在について前記胎児チャンバーアセンブリ10を監視し、胎児が傷つけられる前にそのような問題に対処することが好ましい。
【0189】
血液センサーアセンブリ
このように、前記胎児チャンバーアセンブリ10の態様は、前記胎児チャンバーアセンブリ10内の前記血液の存在を検出するように構成された1若しくはそれ以上の血液センサーを含んでもよい。具体的には、前記血液センサーは、前記成長チャンバー120内、前記カニューレチャンバ150内、および/または前記排出口チャネル206内の血液を検出するように構成されてもよい。いくつかの好ましい実施形態では、例えば図3~5に示すように、血液センサーアセンブリ288は、前記カニューレチャンバ150内またはそれに隣接して配置されてもよい。動作において、前記胎児のカニューレされた臍帯は、部分的に、前記カニューレチャンバ150内に配置される。具体的には、前記カニューレに接続されている前記臍帯の部分は、前記カニューレチャンバ150内にある。場合によっては、前記臍帯の1若しくはそれ以上の血管が、前記カニューレ処理に伴うストレスによって破裂することがある。場合によっては、前記血管は、それらに接続された前記それぞれのカニューレから部分的にまたは完全に切り離され(すなわち、脱カニューレ)てもよい。そのような場合、血液が前記臍帯の血管から出て前記カニューレチャンバ150に入り、その中の液体と混ざり合うことがある。そのような漏れは、胎児の失血につながり、胎児に害を及ぼす可能性がある。さらに、胎児血液回路から漏れた血液は、胎児が接続されている前記外部循環システムの重要な構成要素を通過していない可能性があり、具体的には、酸素供給器、加熱器、または胎児の発達に適した血液特性を確保する他の構成要素を通過していない可能性がある。上記のような血液の漏れは、前記臍帯のカニュレーションの領域でより一般的である。そのため、前記血液センサー288を前記カニュレーション領域に近接して配置することが有利である場合がある。いくつかの態様では、前記血液センサーアセンブリ288を前記臍帯の前記カニュレーション部分の下流に配置し、前記カニューレチャンバ150を通って流れる液体(例えば、前記第2の注入口198から)が、前記血液センサーアセンブリ288に向かって漏出する血液を運ぶようにすることが有益である場合がある。
【0190】
図28~34に示すような血液センサーアセンブリ288の特定の実施形態を参照すると、前記血液センサーアセンブリ288は、血液センサーアセンブリ筐体330と、前記筐体330と係合するように構成されたセンサー310とを含んでもよい。前記筐体330は、血液が存在する場合、その中に血液を有する液体を受け取ることができ、その液体が血液の存在について前記センサー310によって分析されるように位置付けられるように設計されている。図28図33に示すように、前記筐体330は、じょうご334と、前記じょうご334と流体連通する感知チャンバー338とを含む。前記感知チャンバー338は、前記垂直方向zに沿って概ね前記じょうご334から間隔を空けて配置されてもよい。前記じょうご334は、その一端にある第1の開口部332と、その他端にある、前記第1の開口部332とは反対側で、前記垂直方向に沿って間隔を空けた第2の開口部333を含む。血液、PSS、または他の物質は、前記第1の開口部332で前記じょうご334に入り、前記第2の開口部333に向かって流れてもよい。前記血液、PSS、または他の物質は、前記第2の開口部333で前記じょうご334を出て、前記感知チャンバー338に入ることができる。
【0191】
前記じょうご334は、前記第1の開口部332と前記第2の開口部333との間に延在する複数のテーパ状壁部335を含む。前記テーパ状壁部335は、前記第1の開口部332から前記第2の開口部333への垂直方向zに沿って、すべてが互いに向かって先細りになるように配置される。前記テーパ状壁部335は、前記第1の開口部332が前記第2の開口部333よりも大きくなるように配置される。例えば、対向するテーパ状壁部335は、前記第2の開口部333に隣接するよりも前記第1の開口部332に隣接する方が互いに(例えば、前記横方向xまたは前記長手方向yのいずれかに沿って)遠く離間している。前記血液センサーアセンブリ288の描かれた実施形態は、4つのテーパ状壁部335を有することが示されている。しかしながら、前記じょうご334は、別の適切な数の壁部、例えば、3つの壁部を含んでもよいことが理解されよう。いくつかの態様では、前記じょうご334は円錐形であってもよく、円周方向に延び、前記じょうご334を規定する単一の壁部を有してもよい。
【0192】
上述の前記テーパ状壁部335の配置により、前記カニューレチャンバー150内の液体中に存在するあらゆる血液が前記じょうご334に入り、前記センサーチャンバー338に向かって動くことができるような寸法に前記じょうご334をすることができる。一般的に、血液は、前記カニューレチャンバー150内に存在する前記液体(例えば、PSS)よりも濃厚である。そのため、前記液体中に存在する血液は、前記血液が前記液体内で最下面まで沈降するように重力によって作用する(「最下面」は、重力に対する前記胎児チャンバーアセンブリ10の向きによって規定される)。
【0193】
いくつかの態様において、前記胎児チャンバーアセンブリ10は、1若しくはそれ以上の方向または軸に沿って並進および/または回転されてもよい。先に説明したように、前記胎児チャンバーアセンブリ10は、前記横方向xに沿って、前記長手方向yに沿って、および/または前記垂直方向zに沿って並進されてもよい。前記胎児チャンバーアセンブリ10は、前記横方向xに平行なピッチ軸に沿って、前記長手方向yに平行なロール軸に沿って、および/または前記垂直方向zに平行なヨー軸に沿って回転させられてもよい。前記胎児チャンバーアセンブリ10に対する前記ピッチ軸、ロール軸、およびヨー軸の前記各々の具体的な位置は、様々な実施形態間で異なってもよく、特に指示しない限り、以下の説明を制限することを意図していない。前記胎児チャンバーアセンブリ10の相対位置に関係なく、血液の存在について前記胎児チャンバーアセンブリ10を監視することが有利である。したがって、前記血液センサーアセンブリ288が、重力に対する相対位置に関係なく血液を検出するように構成されていることが好ましい。図32は、前記第1の開口部332と前記第2の開口部333との間に延びる前記テーパー状壁部335を有する例示的な前記血液センサーアセンブリ288を示す。各テーパー状壁部335の傾斜は、血液を前記壁部335に沿って前記第1の開口部332から前記第2の開口部333に向かって、そしてそれを通って前記感知チャンバー338の中に方向づけるのに有利である。前記胎児チャンバーアセンブリ10が前記ロール軸またはピッチ軸を中心に回転される場合、重力により、存在するあらゆる血液が相対的に下方(重力方向)へ動く可能性がある。図33は、前記ロール軸に沿った前記胎児チャンバーアセンブリ10の例示的な回転を描写している。前記重力の方向は、図33に描かれている。前記カニューレチャンバー150内を流れる血液の例示的な描写が示されている。前記血液は、前記血液が前記テーパー状壁部335に接触するまで、それに作用する重力の力に平行に流れる。その後、前記血液は、前記血液が前記テーパー状壁部335に沿って、前記じょうご334を通って前記感知チャンバー338に向かって流れ続ける。前記血液が前記テーパー状壁部335に接触した後、前記血液は必ずしも前記重力の力にのみ平行に流れるわけではないが、前記血流は依然として重力に平行な概ね下向きのベクトルに沿っており、これにより前記血液が前記テーパー状壁部335に沿って流れ続けることになる。図33の描写は、前記胎児チャンバーアセンブリ10の1つの可能な配置と、血液が重力によって作用して前記じょうご334に流入し、前記じょうご334を通過する方法を示すことを意図している。前記胎児チャンバーアセンブリ10は、前記ロール軸に沿っていずれかの方向に回転させてもよく、また、前記ピッチ軸に沿っていずれかの方向に回転させてもよいことが理解されるであろう。前記胎児チャンバーアセンブリ10のすべての予想される位置において、前記カニューレチャンバー150内に存在する血液は、図33に示すような同様のパターンに従ってもよく、すなわち、血液は、前記血液が前記テーパ状壁部335に接触するまで重力と平行に前記カニューレチャンバー150内の前記液体を通って流れ、その時点で前記血液は前記感知チャンバー338に流入するまで前記テーパ状壁部335に沿って流れつづけてもよい。
【0194】
図28~31Bに示すように、前記感知チャンバー338は、前記センサー310に隣接して配置される。前記センサー310は、前記胎便センサーアセンブリ292に関して上述した前記センサー310と同様の構造および機能性であってもよい。前記胎便センサーアセンブリ292の前記センサー310に関して上述した構成要素は、ここでの構造および機能性を有していてもよく、同様の参照数字は、同様の構成要素を描写するために使用されてもよい。前記血液センサーアセンブリ288の前記センサー310の物理的寸法は、前記胎便センサーアセンブリ292の前記センサー310の寸法と異なってもよいことが理解されよう。構成要素の前記物理的パラメータ、サイズ、寸法、および配置は異なってもよいが、前記開示された機能的構成要素は、以前の実施形態で説明したものとほぼ同じ方法で動作してもよいことが理解されるべきである。前記血液センサーアセンブリ288と共に使用されるような例示的な前記センサー310は、図34に描かれている。前記センサー310は、少なくともカメラ311と光源315を含む。図34に示すように、いくつかの実施形態では、2つの光源315を含んでもよい。前記血液センサーアセンブリ288の前記カメラ311は、前記胎便センサーアセンブリ292の前記カメラ311と実質的に同一であってよい。
【0195】
図29および図30に示すように、前記センサー310は、前記筐体330と係合するように構成される。反射体表面312は、前記カメラ311に対向して配置される。前記検知チャンバー338は、前記カメラ311と前記反射体表面312との間に規定されてもよい。前記反射体表面312は、前記センサー310上または(図31Aおよび図31Bに示されるように)前記筐体330上に配置されてもよい。第1の窓部314は、前記カメラ311と前記反射体表面312の間に配置されてもよい。いくつかの態様において、第2の窓部316は、前記カメラ311と前記反射体表面312との間に配置され、前記第1の窓部314から間隔を空けて配置されてもよい。前記カメラ311は、前記第1および/または第2の窓部314、316のいずれかを介して前記反射体表面312への視界を有するべきであることが理解されよう。前記センサー310は、上述したような制御装置およびプロセッサを含んでよく、ほぼ同じ方法で機能してもよい。前記センサー310は、前記カメラ311と前記反射体表面312との間を流れる前記流体の色パラメータを観察して、血液の存在を検出するように構成されてもよい。この特定の用途では、前記センサー310は、可視光スペクトルの赤色または関連する色に焦点を当てるように構成されてもよい。プログラムされた範囲内の色が検出された場合、それは特定の物質の存在を示してもよい。好ましい態様では、例えば、前記カメラ311が赤色(または類似の)色を検出した場合、これは血液の存在を示してもよい。所望の色相、彩度、明るさ、または他のパラメータの検出は、前記血液センサーアセンブリ288を通過する前記流体中の血液の存在、および量を推定するために使用されてもよい。前記血液センサーアセンブリ288を通過する前記流体は、様々な色を含む可能性があるため、監視される材料(例えば、血液)に係る色のみに焦点を当てるようにセンサーを構成すると、偽陽性の防止に役立つことが理解されよう。前記カメラ311が前記プログラムされた色範囲内の色の存在を検出した場合、前記制御装置は、ユーザに通知し、アラームをトリガーし、または前記胎児チャンバーアセンブリ10の動作を変更するように構成されてもよい。いくつかの態様において、血液が前記胎児チャンバーアセンブリ10内で検出された場合、胎児へのけがまたはシステムへの損傷が発生する前に前記血液漏れを止めることが好ましい。そうするための具体的なメカニズムについては、後述する。
【0196】
緊急遮断アセンブリ
前記胎児チャンバーアセンブリ10の動作において、前記臍帯は、部分的に、前記カニューレチャンバー150に配置される。1若しくはそれ以上のカニューレは、前記臍帯のそれぞれの血管に接続されてもよい。前記臍帯は、胎児から前記開口部166を介して前記カニューレチャンバー150内に延びる。前記臍帯のカニューレされる部分は、好ましくは、前記カニューレ入口部162と前記開口部166との間の前記カニューレチャンバー150内に完全に存在する。場合によっては、前記臍帯の血管に接続されている1若しくはそれ以上のカニューレが、前記それぞれの血管から外れてしまうことがある。これは、前記カニューレが動いた場合、胎児が動いた場合、または胎児の生理的な反応により起こる可能性がある。このような抜管の場合、前記血管および前記カニューレを通って動いている前記胎児の血液が前記カニューレチャンバー150に漏れ始め、失血に至る可能性がある。血液は、上述の1若しくはそれ以上の前記血液センサーアセンブリ288を介して、前記胎児チャンバーアセンブリ10内で検出される。
【0197】
血液漏れが発生するように血管が抜菅された場合、血液が前記臍帯から流出し続けないように、前記血流を止血して封じ込めることが有利である。このように、本願を通じて説明される前記胎児チャンバーアセンブリ10のいくつかの態様では、前記漏れが発生した場合に前記臍帯を通る血流を遮断することを可能にする緊急遮断機構が想定される。
【0198】
図2~5に示すように、緊急遮断アセンブリ230は、前記基部100内に配置される。前記緊急遮断アセンブリ230は、前記カニューレチャンバー150内に位置する前記臍帯の領域において、そこを通る血流を止めるように前記臍帯が固定されるように配置されてもよい。すなわち、前記緊急遮断アセンブリ230は、前記開口部166と前記カニューレ入口部162との間に配置された前記臍帯の部分において、前記臍帯を通る血流を遮断するように構成されてもよい。図35は、本開示の一態様による例示的な前記緊急遮断アセンブリ230の断面図を示している。図36図38は、前記胎児チャンバーアセンブリ10内の前記緊急遮断アセンブリ230を示す。前記緊急遮断アセンブリ230に関して、前記胎児チャンバーアセンブリ10を参照する座標セットとは別の座標セットが描かれており、軸方向qと、前記軸方向qに垂直な水平方向rと、前記軸方向および水平方向qとrの両方に垂直な縦方向sと、を含む。
【0199】
前記緊急遮断アセンブリ230は、第1の構成と、前記第1の構成とは異なる第2の構成とを有してもよい。前記第1の構成では、前記緊急遮断アセンブリ230は、前記カニューレチャンバー150内の前記臍帯がクランプされておらず、血液がそこを流れることが許容されるように開いている。前記第2の構成では、前記緊急遮断アセンブリ230は、前記カニューレチャンバー150内の前記臍帯がクランプされて血液がそこを流れるのを防ぐように閉じられている。前記緊急遮断アセンブリ230は、抜管、失血、胎児外傷、または前記臍帯を通る血流を止めることが有利であり得る別の医療緊急事態の場合に、前記第1の開放構成から前記第2の閉鎖構成に動いてもよい。前記緊急遮断アセンブリ230は、ユーザによって手動で、または刺激に応答して自動的に、前記第2の構成に動いてもよい。いくつかの好ましい実施形態では、ユーザは、前記緊急遮断アセンブリ230を前記胎児チャンバーアセンブリ10の外側から作動させて、前記緊急遮断アセンブリ230を前記第2の構成に動いてもよい。
【0200】
上記参照した図35図38を参照すると、前記緊急遮断アセンブリ230は、前記筐体108に対して動くように構成された可動本体238を含む。前記本体238がその中で動いてもよいチャネル236が前記筐体108に規定されてもよい。前記本体238は、前記軸方向qに沿った第1の方向、または前記軸方向qに沿った前記第1の方向とは反対の第2の方向に動くように構成される。前記本体238は、前記カニューレチャンバー150の内部に配置されてもよい。前記本体238は、前記軸方向qに沿って前記第1の端部239と前記第1の端部239から間隔を置いた第2の端部240とを有してもよい。いくつかの態様において、前記本体238は、少なくとも一部が、前記筐体108内または前記胎児チャンバーアセンブリ10の外側に配置されるように構成されてもよく、前記筐体108は前記カニューレチャンバー150と前記本体238の少なくとも一部の間に配置される。前記本体238は、例えば前記筐体108と前記仕切り壁部158との間で、前記カニューレチャンバー150を横切って延びてもよい。前記本体238は、前記筐体108に対して直交する前記軸方向qに沿って延びていてもよいが、前記本体238は、前記筐体108に対して他の角度でも配置されていてもよいことが理解されよう。前記本体238の具体的な寸法は、前記胎児チャンバーアセンブリ10のサイズ、具体的には、例えば、前記カニューレチャンバー150のサイズ、および前記仕切り壁部158と前記筐体108との間の距離に依存することが、さらに理解されよう。
【0201】
遮断ポート234は、前記筐体108内に規定されてもよく、前記遮断ポート234が前記カニューレチャンバー150と前記胎児チャンバーアセンブリ10の外の環境の両方に対して開放されるように、前記筐体108を完全に貫通して延在してもよい。前記遮断ポート234は、前記軸方向qに沿って前記筐体108を貫通して規定されてもよく、前記本体238は、少なくとも部分的に、前記遮断ポート234内で動くように構成されてもよい。前記遮断ポート234は、前記カニューレチャンバー150の内部からの液体が前記遮断ポート234の外側に動くのを防ぎ、汚染物質または破片が前記遮断ポート234を通って前記カニューレチャンバー150に入ることを防ぐように構成された封印をその中またはその上に含んでもよい。前記封印298が前記筐体108の内部に配置され、前記本体238と前記筐体を通って延びる前記遮断ポート234との間にある局面では、前記遮断ポート234が前記封印298を通って同様に延びることができることが理解されよう。
【0202】
前記本体238は、前記本体238を動かせるように構成されたアクチュエータ254に動作可能に接続される。前記アクチュエータ254は、前記本体228に直接貼り付けられてもよく、あるいは、代替的に、前記アクチュエータ254は、1若しくはそれ以上の中間構成要素を介して前記本体228に接続されてもよい。いくつかの態様では、前記アクチュエータ254はハンドルであってもよい。代替的な局面では、前記アクチュエータ254は、レバー、ボタン、または前記本体228を動かせるように構成された他の適切な機構であってもよい。いくつかの好ましい実施形態では、図35図38に描かれているように、前記アクチュエータ254は、前記本体238を動かし、前記緊急遮断アセンブリ230を前記第2の閉鎖構成に移行させるためにユーザによって引かれるように構成されたハンドルであってよい。図41Aおよび図41Bに描写された代替実施形態のようないくつかの態様では、前記アクチュエータ254は、前記本体238を動かすためにユーザによって押されるように構成されたボタンであってよい。
【0203】
前記アクチュエータ254は、前記筐体108の少なくとも一部によって前記カニューレチャンバー150から分離されるように、前記胎児チャンバーアセンブリ10の外側に配置されてもよい。いくつかの態様において、前記アクチュエータ254の少なくとも一部は、前記遮断ポート234内に配置されてもよい。オプションの蓋部258は、前記アクチュエータ254に隣接して配置され、前記アクチュエータ254を覆うように構成されてもよい。前記蓋部258は、前記アクチュエータ254の偶発的な動きを防止するのに有利な場合がある。前記蓋部258は、ヒンジ式、ねじ止め、摩擦嵌め、または離脱接続を介してなど、既知の機構を介して前記筐体108に取り付けられてもよい。
【0204】
前記本体238は、前記本体238から離れるように延びる前記頭部246を含む。いくつかの態様では、図35図38に描かれているように、前記頭部246は、例えば前記垂直方向sに沿って、前記本体238から直交的に離れて延びてもよい。前記頭部246は、前記基部100から概ね離れて延びることがある。前記頭部246は、その上にクランプ表面250を規定し、このクランプ表面は、前記筐体108および前記遮断ポート234に面するように構成される。前記クランプ表面250は、前記垂直方向sと前記水平方向rとによって規定される平面内に配置されてよく、前記軸方向qに直交してよい。前記クランプ表面250の具体的な向きは、異なるように配置されてもよく、後述するように基部表面242のそれぞれの配置に依存してもよい。
【0205】
基部表面242は、前記筐体108上または前記封印296上に規定され、前記遮断ポート234に隣接していてもよい。前記基部表面242は、前記水平方向rと前記垂直方向sとによって規定される前記平面内に配置されてもよい。好ましい実施形態では、前記基部表面242は前記クランプ表面250に平行であってもよく、前記軸方向qに沿って前記クランプ表面250から間隔を空けてもよい。前記クランプ表面250および前記基部表面242の位置、寸法および配置は、それらが前記臍帯内の血管を閉じるために十分な圧力で前記臍帯に接触するように構成されているよう選択されるべきである。
【0206】
図38に示すように、前記緊急遮断アセンブリ230が前記第1の開放構成にある場合、断面積252は、前記クランプ表面250、前記基部表面242、および前記本体238によって規定される。前記蓋部112が前記基部100に係合するように前記胎児チャンバーアセンブリ10が前記閉鎖構成にある場合、前記空間は、さらに、前記蓋部112によって規定される。前記臍帯は、前記断面積252を通過するように配置されてもよい。前記緊急遮断アセンブリ230が前記第2の閉鎖位置に動かされると、前記本体238および前記頭部246は、前記軸方向qに沿って前記基部表面242に向かって動かされる。前記緊急遮断アセンブリ230が第2の位置にあるとき、前記断面積252は依然として前記クランプ表面250、前記基部表面242、および前記本体238によって規定されるが、前記断面積252は前記緊急遮断アセンブリ230が前記第1の位置にあるときよりも小さくなる。前記断面積252を通って延びる臍帯は、前記緊急遮断アセンブリ230が第1の位置にあるか第2の位置にあるかにかかわらず、前記断面積252内に保持される。そのため、前記胎児チャンバーアセンブリ10が動作可能な場合、前記臍帯の一部が前記クランプ表面250と前記基部表面242との間に常に配置されるように、前記臍帯が常に前記断面積252内に位置するように構成されてもよい。これにより、前記クランプ表面250と前記基部表面242との相対的な動きにより、前記臍帯が常に圧縮されることが保証される。前記臍帯が前記クランプ表面250と前記基部表面242との間の前記断面積252内に保持されるようにすることにより、前記臍帯の少なくとも一部が前記クランプ表面250と前記基部表面242との間に配置されないような配置に不用意に動くことを防止することができる。
【0207】
いくつかの態様において、前記緊急遮断アセンブリ230は、遮断工程の偶発的な反転を防止するように構成された装置を含んでもよい。好ましい実施形態では、ラチェット機構248が、前記本体238、前記アクチュエータ254、またはその両方と係合して、前記緊急遮断アセンブリ230が前記第2の閉鎖位置から前記第1の開放位置に戻されるのを防ぐように構成されてもよい。いくつかの態様において、前記本体238が前記基部表面242に向かって動かされるとき、前記ラチェット機構248(または同様の装置)は、前記本体238が前記基部表面242から離れる方向に反対方向に動くことを防止することができる。前記ラチェット機構248は、前記断面積252が、そこに配置される前記臍帯のサイズを収容するための所望のサイズを有するように、前記基部表面242と前記クランプ表面250とを相対的に固定することを可能にしてもよい。このような配置は、前記緊急遮断アセンブリ230が様々なサイズの臍帯と共に利用されることを可能にする。いくつかの態様では、前記ラチェット機構248代わりに、またはそれに加えて、ロックが使用されてもよい。このような装置を有することにより、前記緊急遮断アセンブリ230が前記臍帯をクランプして血液がそこを流れるのを止めるために前記第2の位置に動かされた後に、前記臍帯が誤ってクランプ解除されるのを防ぐことができる。前記臍帯の意図しないクランプ解除は、失血、胎児への傷害、または前記胎児チャンバーアセンブリ10の汚染につながる可能性がある。
【0208】
図39Aおよび図39Bは、前記緊急遮断アセンブリ230の別の実施形態を描いている。図39Aは、前記蓋部258が前記アクチュエータ254を覆うような、閉鎖位置にある前記蓋部258を示す。前記蓋部258は、前記筐体108にヒンジ式に取り付けられていることが示されている。図39Bでは、前記蓋部258は、前記アクチュエータ254が覆われていないように、前記ヒンジ付き取り付け部を中心に枢動された、閉鎖位置にある状態で示されている。図39Bにおいて、ユーザは、前記アクチュエータ254を把持し、前記緊急遮断アセンブリ230を前記第1の構成から前記第2の構成に作動させて、前記臍帯を固定することができる。図39Aおよび図39Bに描かれているように、前記アクチュエータ254はハンドルであってもよく、ユーザは、前記緊急遮断アセンブリ230を作動させるために、前記ハンドルを前記筐体108から引き離すことができる。
【0209】
図40は、図39Aおよび図39Bに示す前記緊急遮断アセンブリ230の例示的なセットアップを描いており、前記臍帯2が、前記筐体108上の前記接触表面250と前記基部表面242との間に規定される前記断面積252内に配置される。図40では、前記緊急遮断アセンブリ230は、前記第1の開放位置にあり、ここで、前記臍帯2は、前記断面積252内にあるが、前記接触表面250と前記基部表面242との間にしっかりとクランプされてはいない。実際には、前記臍帯2は、前記接触表面250と前記基部表面242に接触していても、2つの面の間に強制的にクランプされていないことが理解されよう。前記緊急遮断アセンブリ230の前記第2の閉鎖位置では、前記臍帯2は、前記臍帯2の1若しくはそれ以上の血管が遮断され、そこを血液が流れることを許さないように、前記接触表面および基部表面250、242によって力強く作用される。
【0210】
動作中、前記臍帯はカニューレされ、前記カニューレチャンバ150に配置される。前記緊急遮断アセンブリ230は、前記臍帯が前記接触表面および基部表面250、242の間にクランプされていない、前記第1の位置にある。前記臍帯に接続されている1若しくはそれ以上のカニューレが外れて血液が漏れ始めると、さらなる失血を防ぐために、その中の血管がもはや血流を通さないように前記臍帯をクランプすることが有利である。このような場合、ユーザは、前記アクチュエータ254を使用して、上記で説明したように、前記緊急遮断アセンブリ230をその前記第1の位置からその第2の位置へと移行させることができる。オプションの蓋部258を有するいくつかの態様では、ユーザは、まず、前記アクチュエータ254がアクセス可能であるように前記蓋部258を動かすことができる。前記緊急遮断アセンブリ230が前記第2の位置にあるとき、前記臍帯は前記接触表面および基部表面250、242の間にしっかりとクランプされ、血液がその中の血管を通って流れることはもはや許されない。いくつかの態様では、この動作は、ユーザが前記アクチュエータ254を単に別の方向に動かすだけでは、元に戻すことができない。前記臍帯がクランプで閉じられた後、ユーザは、前記胎児チャンバーアセンブリ10を開放して前記臍帯にアクセスすることができる。
【0211】
ある態様では、前記臍帯をクランプする行為は、前記臍帯の1若しくはそれ以上の血管または周辺組織を損傷する可能性がある。そのため、前記臍帯の同じ部分を再利用しないことが好ましい場合がある。そのような場合、前記断面積252と胎児との間の前記断面積252に隣接する前記臍帯を切断することが有利である場合がある。前記切断された臍帯は、その後、新たにカニュレーションすることができる。次いで、ユーザは、前記緊急遮断アセンブリ230を前記第2の位置から前記第1の位置に動かし、前記臍帯が前記断面積252を通って延びるように、前記再カニューレされた臍帯を前記カニューレチャンバー150に戻すことによってリセットしてもよい。前記緊急遮断アセンブリ230をリセットする工程は、前記胎児チャンバーアセンブリ10の内部から実行してもよい。この工程は、前記本体238を前記軸方向qに沿って前記筐体108から離れるように動かすことを含んでもよい。この工程は、前記アクチュエータ254を使用することなく達成してもよい。
【0212】
図41Aおよび図41Bを参照すると、前記緊急遮断アセンブリ230の代替実施形態が描かれている。この実施形態では、前記関連する前記基部表面242は、上述の実施形態とは前記筐体108の反対側に配置される。例えば、前記基部表面242は、前記仕切り壁部158上に規定されてもよい。前記クランプ表面250は、上述の実施形態から前記頭部2346の反対側に配置される。このように、前記クランプ表面250と前記基部表面242との間に画定される前記断面積252は、前記頭部2346と前記仕切り壁部158との間に規定される。図41Aおよび図41Bに描かれた前記緊急遮断アセンブリ230のこの実施形態がその前記第2の閉鎖位置に動かされるとき、前記頭部2346は、前記筐体108から離れ、前記仕切り壁部158に向かって動かされ、したがって、前記仕切り壁部158上の前記接触表面250と前記基部表面242の間で前記臍帯2がクランプされる。このような態様では、前記アクチュエータ254はボタンであってもよい。前記ボタンを押すことによって、バネが前記本体238に所定の力を与えて、前記本体238を前記基部表面242に向かって動かすことができる。前記本体238に加えられる力は、前記本体238を動かすだけでなく、前記臍帯2を圧縮してその血管を通る血流を遮断するのに十分であるべきであることが理解されよう。
【0213】
温度感知
血液および胎便に加えて、前記胎児チャンバーアセンブリ10は、そこを流れる前記液体(例えば、PSS)の様々な他のパラメータを監視するように構成されてもよい。いくつかの態様では、1若しくはそれ以上の温度センサーが、前記液体、前記胎児チャンバーアセンブリ10の構成要素、または胎児自体の温度を測定するために、前記胎児チャンバーアセンブリ10全体に配置されてもよい。いくつかの態様では、前記胎児チャンバーアセンブリ10は、温度の正確な測定を提供するために、前記胎児チャンバーアセンブリ10の全体に戦略的に配置された複数の温度センサーを含んでもよい。図3および図4に示すように、前記胎児チャンバーアセンブリ10は、その中の前記液体を測定するために前記成長チャンバー120内に配置された温度センサー280を含んでもよい。前記複数の温度センサーの一部または全部からの温度測定値は、前記胎児チャンバーアセンブリ10内の平均温度を計算するため、前記胎児チャンバーアセンブリ10の様々な領域における温度差を決定するため、温度センサー機能を確認するため、および/または特定の領域を個別に監視するために分析されてもよい。
【0214】
図42を参照すると、3つの温度センサー280の例示的なレイアウトが描かれている。図42は3つの温度センサー280を示しているが、前記胎児チャンバーアセンブリ10は、異なる数の温度センサーで設計されてもよいことを理解されたい。例えば、1、2、、、10、または別の適切な数の温度センサー280が想定されてもよい。さらに、「二次」温度センサー280は、1若しくはそれ以上の「一次」温度センサー280が動作不能または欠陥となった場合の冗長性として配置されてもよい。一次および二次温度センサーは、実質的に同じであってもよく、その違いは、意図された使用においてである。
【0215】
前記温度センサー280は、前記成長チャンバー120、前記カニューレチャンバー150、および/または前記筐体108内の流体チャネル内に一部または全部配置されてもよい。前記特定の配置は、前記特定の前記温度センサー280がどの領域を監視することを意図しているかに依存する。図42に示すように、いくつかの実施形態では、前記胎児チャンバーアセンブリ10は、前記成長チャンバー120の様々な領域に配置された3つの温度センサー280を含んでもよい。本開示の目的のために、図42の前記3つの温度センサー280は、第1の温度センサー280a、第2の温度センサー280b、および第3の温度センサー280cとして個別にラベル付けされる。前記第1、第2、および第3の温度センサー280a~cは、機能的および構造的に同じであってよいことが理解されよう。前記第1の温度センサー280は、前記第1の注入口194に隣接して配置されてもよい。胎児が前記成長チャンバー120に配置される場合、前記第1の温度センサー280は、前記3つの描かれた温度センサーのうち、胎児の頭部に最も近いものとなる。前記胎児の頭部の領域における液体の温度の正確な測定値を有することは有利である。さらに、前記第1の注入口194に隣接する前記第1の温度センサー280の配置は、前記液体が前記成長チャンバー120に最初に入るときに前記液体の温度を正確に感知することを可能にする。
【0216】
前記第2の温度センサー280bは、前記カニューレチャンバー150と前記成長チャンバー120との間の前記開口部166に隣接して配置されてもよい。前記第2の温度センサー280bは、前記胎便除去ポート218に隣接していてもよい。第2の温度センサー280bは、前記開口部166と前記胎便除去ポート218との間の前記成長チャンバー120内に少なくとも部分的に配置されてもよい。このような配置は、前記カニューレチャンバー150からの前記液体が前記成長チャンバー120に入り、前記成長チャンバー120内の前記液体と混合する場所のすぐ下流で正確な温度監視を可能にするので有利である。この領域で温度を監視することにより、前記第2の注入口198を通って前記カニューレチャンバに入る液体が十分な温度であることを確認することができる。いくつかの態様では、前記胎便除去ポート218に隣接する温度を監視することが有利である場合がある。動作中に、上記で詳細に説明したように、前記胎便除去ポート218を介して胎便が除去される場合、ポートの開放によって、また胎便除去カテーテル404および前記カテーテルアダプタ400の挿入によって引き起こされる温度の変化を検出するために、前記胎便除去ポート218のすぐ近くの前記液体を監視すると有利である。
【0217】
前記第3の温度センサー280cは、前記排出口202に隣接して配置されてもよい。前記第3の温度センサー280cは、第1の温度センサー280aに対向して配置されてもよく、前記長手方向yに沿って前記第1の温度センサー280aから離間してもよい。また、前記第3の温度センサー280cは、前記第2の温度センサー280bが前記第1および第3温度センサー280a、280cの間に配置されるように配置されていてもよい。胎児が前記成長チャンバー120に配置される場合、前記第3の温度センサー280cは、前記3つの温度センサーのうち、胎児の足に最も近いものであってもよい。前記胎児の足の領域で温度を測定し、その測定値を前記第1の温度センサー280aによって測定された前記胎児の頭部の温度と比較することは有利である。これにより、前記胎児の頭部から前記胎児の足元へ向かう方向に流れる前記液体の温度がどのように変化するかを示してもよい。前記第3の温度センサー280cを前記排出口202に隣接して配置することは、前記成長チャンバー120を出るときの前記液体の温度を測定し、その測定値を、前記第1の注入口194および/または前記開口部166で前記成長チャンバーに入るときの前記液体の温度と比較するために有利である。前記3つの温度センサー280a~cの前記特定の例示的な配置は、限定することを意図しておらず、温度センサ280の他の配置、ならびにより多いまたはより少ない数量が想定されることが理解されよう。いくつかの態様において、温度センサ280は、例えば前記第2の注入口198に隣接して、前記カニューレチャンバー150に配置されてもよい。
【0218】
動作において、前記胎児チャンバーアセンブリ10内の前記液体の温度を好ましい温度範囲内に維持することが好ましい。胎児環境の温度は、胎児の成長および発達に影響を与え、好ましい範囲外の温度は、胎児に障害を与える可能性があることが理解されよう。そのため、いくつかの実施形態では、前記成長チャンバー120内および前記カニューレチャンバー150内の前記液体の温度を摂氏約37.5度(C)に維持することが好ましい。温度の変動は許容されてもよく、正確な好ましい温度は、胎児に係る医療要件に応じて変動されてもよい。
【0219】
前記胎児チャンバーアセンブリ10は、前記1若しくはそれ以上の温度センサ280からの温度測定値に基づいて、前記流入する液体を所望の温度まで加熱または冷却させるように構成されてもよい。例えば、温度の個々の測定値または平均測定値が所定の閾値よりも低い場合、前記胎児チャンバーアセンブリ10は、前記液体の温度を所望の温度に上昇させるように前記液体を十分に加熱させるように構成されてもよく、逆に、温度の個々の測定値または平均測定値が所定の閾値よりも高い場合、前記胎児チャンバーアセンブリ10は、前記液体の温度を前記所望の温度に低下させるように液体を十分に冷却(または代わりに、加熱させない)ように構成されてもよい。
【0220】
いくつかの態様では、追加の温度センサー(前記胎児チャンバーアセンブリ10には示されていない)が、前記胎児チャンバーアセンブリ10の外側に配置されて、前記胎児チャンバーアセンブリ10に動く液体の温度を測定することができる。これらの追加の温度センサーは、前記液体が前記胎児チャンバーアセンブリ10に導入される前に、前記液体が所望の温度に加熱または冷却されることを確認するために、前記液体の温度を監視するために使用されてもよい。
【0221】
圧力感知
前記胎児チャンバーアセンブリ10は、その中の圧力を監視するように構成されてもよい。前記成長チャンバー120、前記カニューレチャンバー150、前記第1の注入口194、前記第2の注入口198、前記排出口202、前記排出口チャネル206、または前記胎児チャンバーアセンブリ10の別の領域における前記液体の圧力を測定するために、1若しくはそれ以上の圧力センサーが前記胎児チャンバーアセンブリ10全体に配置されてもよい。いくつかの態様において、前記胎児チャンバーアセンブリ10は、圧力の正確な測定を提供するために、前記胎児チャンバーアセンブリ10全体に戦略的に配置された複数の圧力センサーを含んでもよい。前記胎児チャンバーアセンブリ10は、前記複数の圧力センサーの各々からの測定値を利用して、平均圧力計算を決定するように構成されてもよい。図21に示すように、前記胎児チャンバーアセンブリ10は、その中に配置された圧力センサー284を含んでもよい。
【0222】
図43を参照すると、2つの圧力センサー284の例示的なレイアウトが描かれている。図43は2つの圧力センサー284を示しているが、前記胎児チャンバーアセンブリ10は、異なる数の圧力センサーで設計されてもよいことを理解されたい。例えば、1、2、、、10、または別の適切な数の圧力センサー284が想定される。さらに、「二次」圧力センサー284は、1若しくはそれ以上の「一次」圧力センサー284が動作不能または欠陥となった場合の冗長として配置されてもよい。一次および二次圧力センサーは、実質的に同じであってもよく、その違いは、意図された使用においてである。
【0223】
前記胎児チャンバーアセンブリ10は、各圧力センサー284から測定値を受け取り、個々の測定値に基づいて計算を行うように構成されてもよい。個別の測定値は、前記胎児チャンバーアセンブリ10の構成要素内の平均圧力、または前記センサーに対する特定の位置での圧力を計算するために使用されてもよい。いくつかの態様では、前記各圧力センサー284における値は、前記成長チャンバー120の幾何学的中点における圧力、または前記成長チャンバー120内の別の好ましい領域における圧力を計算するために使用されてもよい。いくつかのシナリオでは、前記成長チャンバー120内の平均圧力を、特に胎児がそこに配置されている場合に、連続的に監視することが好ましい。図43に示すように、いくつかの実施形態では、前記胎児チャンバーアセンブリ10は、好ましい配置に従って前記成長チャンバー120の周りに配置された2つの圧力センサー284を含んでもよい。本開示の目的のために、図43に示される前記2つの圧力センサー284は、第2の圧力センサー284aおよび第2の圧力センサー284bとして個別にラベル付けされる。前記第1および第2の圧力センサー284a、284bは、機能的および構造的に同じであってよいことが理解されよう。前記複数の圧力センサー284の使用は、前記成長チャンバー120内の特定の領域またはゾーンの圧力測定値を有利に提供することができ、監視される特定の領域は、前記別々の圧力センサー284に対する前記成長チャンバー120内の胎児の位置に依存する。前記胎児チャンバーアセンブリ10内の圧力は、複数の圧力センサー284のうちの1若しくはそれ以上の圧力センサーにおける個々の圧力測定値に応答して、および/または、1若しくはそれ以上の個々の圧力センサー284からの圧力測定値に基づいて算出される算出圧力値に基づいて調整することができる。
【0224】
いくつかの実施形態では、前記第1および第2の圧力センサー284a、284bは、それぞれが前記成長チャンバー120の物理的質量中心から本質的に等距離にあるように配置されてもよい。いくつかの実施形態では、前記第1および第2の圧力センサー284a、284bは、それぞれが前記ピッチ軸Aから本質的に等距離にあるように配置されてもよい。具体的には、前記第1の圧力センサー284aは、前記成長チャンバー120のうち前記胎児の頭部を受ける部分に隣接して配置されてもよく、前記第2の圧力センサー284bは、前記成長チャンバー120のうち前記胎児の足部を受ける部分に隣接して配置されてもよい。すなわち、前記第1の圧力センサー284aは、前記胎児の足部よりも前記胎児の頭部に近くにあってもよい。前記第2の圧力センサー284bは、前記胎児の頭部よりも前記胎児の足部に近くにあってもよい。
【0225】
前記胎児チャンバーアセンブリ10は、前記測定された圧力が所定の範囲外である場合、ユーザに通知し、アラームをトリガーし、および/またはその位置または動作を修正するように構成されてもよい。いくつかの態様では、前記成長チャンバー120内の(前記成長チャンバーの質量中心で計算される)前記圧力を約4mmHgと6mmHgとの間に維持することが好ましい場合がある。他の適切な圧力範囲が利用されてもよく、前記胎児チャンバーアセンブリ10および前記胎児のパラメータに依存することが理解されよう。
【0226】
前項で説明したように、前記胎児チャンバーアセンブリ10は、前記横方向xに沿って、前記長手方向yに沿って、および/または前記垂直方向zに沿って並進してもよく、前記胎児チャンバーアセンブリ10は、前記横方向xに平行なピッチ軸に沿って、前記長手方向yに平行なロール軸に沿って、および/または前記垂直方向zに平行なヨー軸に沿って回転してもよい。前記胎児チャンバーアセンブリ10に対する前記ピッチ軸、ロール軸、およびヨー軸の各々の具体的な位置は、様々な実施形態間で異なってもよく、特に指示しない限り、以下の説明を制限することを意図していない。いくつかの態様では、前記ピッチ軸、ロール軸、および/またはヨー軸は、前記成長チャンバー120の前記質量中心を通って延びてもよい。図43に描かれているように、ピッチ軸Aは前記質量中心Cを通って延びていることが示されている。ロール軸Bが前記質量中心Cを通って延び、前記ピッチ軸Aと交差して示されており、前記ロール軸Bは前記ピッチ軸Aに直角で交わる。前記ピッチおよびロール軸A、Bは描かれているのとは異なる方向に延びてもよく、前記質量中心Cは説明目的のみに用いられる近似であり、前記成長チャンバー120内の他の場所に定義されてもよいことが理解されよう。
【0227】
動作において、前記胎児チャンバーアセンブリ10は、前記ピッチ軸Aに沿って第1の方向または前記第1の方向とは反対の第2の方向に回転させられてもよい。前記胎児チャンバーアセンブリ10は、前記ロール軸Bに沿って第3の方向または前記第3の方向とは反対の第4の方向に回転されてもよく、前記第3および第4の方向は、前記第1および第2の方向に対して直角で交わる。そのような回転が起こると、前記成長チャンバー内の圧力は、前記成長チャンバー120の異なる領域で変化する。例えば、前記成長チャンバーの別の部分よりも(重力に対して)低くなる前記成長チャンバーの領域は、相対的に高くなる前記成長チャンバーの別の部分よりも高い圧力を有することになる。前記第1および第2の圧力センサー284a、284bの描かれた例示的な配置は、前記成長チャンバー120が前記ピッチ軸A、ロール軸B、または両方の軸に沿って回転する場合に、前記2つの圧力センサー284a、284b間の圧力差を測定することを可能にする。
【0228】
前記第1および第2の圧力センサー284a、284bの間の相対距離は、前記垂直z方向に沿って測定されてもよい。このように、前記胎児チャンバーアセンブリ10が通常の、非ロールおよび非ピッチ状態に場合(前記横方向xおよび前記長手方向yに平行な平面内にある)場合、前記2つの圧力センサー284a、284b間の前記相対距離(前記垂直z方向0に沿って)は、ゼロである。前記胎児チャンバーアセンブリ10が前記ピッチ軸Aおよび/または前記ロール軸Bの周りに回転される場合、前記2つの圧力センサー284a、284bの間の相対距離(前記垂直z方向に沿って)はゼロよりも大きい。前記胎児チャンバーアセンブリ10が前記ピッチ軸Aおよび/または前記ロール軸Bのいずれかに沿って回転されるほど、前記2つの圧力センサー284a、284bの間の相対的な垂直距離は大きくなる。それらの相対距離が大きいほど、前記第1および第2の圧力センサー284a、284bの各々における前記圧力の差は大きくなる。前記成長チャンバー120全体の圧力変動は、前記成長チャンバー120の位置を変えることによって引き起こされ、前記成長チャンバー120全体の異なる位置で圧力を変化させることができる。
【0229】
いくつかの態様では、前記胎児チャンバーアセンブリ10は、0度から約90度の間で前記ピッチ軸に沿って回転するように構成されてもよい。前記回転角度は、前記横方向xと前記長手方向yとによって規定される横-長手方向平面から測定されてもよい。いくつかの態様では、前記胎児チャンバーアセンブリ10は、0度から約70度の間で前記ピッチ軸に沿って回転するよう構成されてもよい。前記ピッチ軸に沿った回転は、前記第1の方向または前記第1の方向とは反対の前記第2の方向であってもよい。いくつかの態様では、前記胎児チャンバーアセンブリ10は、0度と約90度の間で前記ロール軸に沿って回転するように構成されてもよい(前記横-長手方向平面から測定)。いくつかの態様では、前記胎児チャンバーアセンブリ10は、0度と約45度との間で前記ロール軸に沿って回転するように構成されてもよい。前記ロール軸に沿った回転は、前記第3方向または前記第3方向とは反対の前記第4方向であってもよい。いくつかの態様では、胎児をその中に入れた状態で、前記胎児チャンバーアセンブリ10の位置を変更することが有利である。例えば、前記胎児チャンバーアセンブリ10の時折の動きは、子宮内の胎児の生体内状態に類似させるために利用されてもよい。本願を通じて説明される様々な方向および軸に沿った前記胎児チャンバーアセンブリ10の動きは、流体の停滞の防止、前記流体内の捕捉気体の除去、胎児が長時間にわたって単一接触点で部品に接触することに関連する褥創のリスクの減少、および一般的に胎児の発達の増加に役立つ。
【0230】
図44A~44Fを参照すると、例示的な前記胎児チャンバーアセンブリ10が、2つの平面から描かれた様々な位置で示されており、図44A~44Cは、前記長手方向および垂直方向yおよびzによって規定される平面で示されており、図44D~44Fは、前記横方向および垂直方向xおよびzによって規定される平面で示されている。図44A~44Cは、前記ピッチ軸Aに対して(前記ロール軸Bに対して直角で交わる前記横方向xに対して平行に)異なる例示的回転位置を有する前記胎児チャンバーアセンブリ10を描写する。回転は、上記で規定された前記横-長手方向平面から測定される。図44Aでは、前記胎児チャンバーアセンブリ10は、前記ピッチ軸Aの周りに回転しておらず、前記横-長手方向平に平行である。このような配置では、上述の前記第1および第2の圧力センサー284a、284bの間の相対的な垂直距離はゼロである。図44Bでは、前記ピッチ軸Aに沿って前記第1方向に0度から70度の間の角度まで回転させられた前記胎児チャンバーアセンブリ10が示されている。図44Cは、約70度の角度まで前記第1の方向に回転させられた前記胎児チャンバーアセンブリ10を示す。前記胎児チャンバーアセンブリ10は、70度を超えて前記第1の方向にさらに回転されてもよいことが理解されよう。また、前記胎児チャンバーアセンブリ10は、前記ピッチ軸Aに沿って、前記第1の方向とは反対の前記第2の方向に回転されてもよいことが理解されよう。いくつかの態様では、図44A~44Cに示すように、前記胎児1の頭部1aが常に前記胎児1の前記足部1bと水平またはそれより上に位置するように、前記胎児チャンバーアセンブリ10を前記第1の方向にのみ回転させることが好ましい場合がある。
【0231】
図44D~44Fを参照すると、前記胎児チャンバーアセンブリ10は、前記ロール軸Bに関する異なる例示的な回転位置で示されている。図44Dは、前記ロール軸Bに沿って回転されていない前記胎児チャンバーアセンブリ10を描写している。図44Eは、約45度の角度で前記第4の方向に沿って回転させられた前記胎児チャンバーアセンブリ10を示している。また、前記胎児チャンバーアセンブリ10は、前記ロール軸Bに沿って45度より小さい角度または45度より大きい角度まで回転させてもよいことが理解されるであろう。
【0232】
図45A~45Eは、上記図44A~44Eの前記胎児チャンバーアセンブリ10の等角図を描いている。前記胎児チャンバーアセンブリ10は、前記ピッチ軸Aおよび前記ロール軸Bの両方を中心として回転された様々な位置で示されている。前記描かれた位置は例示的であり限定的ではなく、前記胎児チャンバーアセンブリ10は、これらの図に示されていない他の位置に回転されてよいことが理解されよう。いくつかの態様では、前記ピッチ軸Aを中心とする前記胎児チャンバーアセンブリ10の回転は、0度から約70度の範囲であってよい。いくつかの態様では、前記ロール軸Bを中心とする前記胎児チャンバーアセンブリ10の回転は、各回転方向において0度から約45度の範囲であってもよい。上述のように、前記胎児1の前記頭部1aが前記胎児の足部1bよりも(重力に対して)低く配置されることがないように、前記ピッチ軸Aに沿って前記胎児チャンバーアセンブリ10を単一方向のみに回転させることが好ましい場合がある。
【0233】
空気除去
いくつかの態様において、気体は、胎児の装着中、前記カニュレーション工程中、胎便の除去中、または前記胎児チャンバーアセンブリ10の移動中に、前記胎児チャンバーアセンブリ10内に捕捉されてもよい。前記気体は、空気を含んでよく、大気気体の一般的な混合物を含んでよい。いくつかの態様において、空気は、本願を通じて説明される前記ポートの1若しくはそれ以上において、前記胎児チャンバーアセンブリ10の内部に漏れることがある。さらに、前記胎児チャンバーアセンブリ10に動かされ、前記胎児チャンバーアセンブリ10を通って動かされる前記液体中の溶存気体は、前記液体から分離することがある。前記胎児チャンバーアセンブリ10の動作中、気体は、通常の妊娠プロセス中に胎児から抜け出し、胎児にすぐ隣接する環境(すなわち、前記成長チャンバー120内の胎児を囲む前記液体)に入ることがある。前記空気(または他の気体)は、前記基部100と前記蓋部112との間に、気体の形態で、配置されてもよい。いくつかの態様では、空気のポケットが、前記成長チャンバー120および/または前記カニューレチャンバー150に形成されてもよい。
【0234】
前記成長チャンバー120および/または前記カニューレチャンバー150内に存在する空気は、胎児にとって危険な場合がある。いくつかの態様において、空気の存在は、妊娠中の胎児の所望の撮像を妨害する可能性がある。例えば、空気は、前記成長チャンバー120内の胎児の超音波撮像を阻害する可能性がある。いくつかの側面では、空気の存在は、組立部品、チューブ、カニューレなどの乾燥につながる可能性がある。これにより、前記構成要素に物理的な亀裂や破損が生じ、前記胎児チャンバーアセンブリ10内で漏れが生じる可能性がある。妊娠期間中は、胎児およびその臍帯を液体内に浸漬しておくことが好ましい。胎児やその臍帯の一部が空気に触れると、胎児やその臍帯が乾燥するなどの損傷を受ける可能性がある。さらに、前記胎児チャンバーアセンブリ10内に閉じ込められた空気は、非滅菌である場合があり、前記胎児チャンバーアセンブリ10内で望ましくない汚染物質、ウイルス、細菌、または他の不純物を含んでいる場合がある。
【0235】
前記胎児チャンバーアセンブリ10内に閉じ込められた空気の少なくとも一部を除去することが好ましい場合がある。前記空気は、前記胎児チャンバーアセンブリ10上に配置された1若しくはそれ以上の空気除去ポート260を通じて、前記成長チャンバー120および/または前記カニューレチャンバー150の外に動くことができる(概して、図2参照)。空気除去ポート260は、前記基部100上または前記蓋部112上に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、前記空気除去ポート260は、(図2に示すように)前記カニューレチャンバー膜308上に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、前記空気除去ポート260は、前記成長チャンバー120の前記上部膜124上に配置されてもよい。いくつかのさらなる実施形態では、前記空気除去ポート260は、前記基部100の前記筐体108上に配置されてもよい(同じく、図2参照)。いくつかの態様では、前記胎児チャンバーアセンブリ10は、前記胎児チャンバーアセンブリ10全体に配置された複数の空気除去ポート260を含んでもよい。
【0236】
各空気ポート260は、前記胎児チャンバーアセンブリ10の内部空間104(すなわち、前記基部100と前記蓋部112との間の前記空間)と前記胎児チャンバーアセンブリ10の外部の環境との間を流体的に連通する、そこを通るように延びる通路を規定する。前記胎児チャンバーアセンブリ10を流れることになる前記液体は、空気よりも重く密度が高いので、前記液体(例えばPSS)は、自然に(重力で)下方に落ち、空気が前記液体の相対的に上に位置するように(「上」は、前記液体から重力に反する方向で測定)、空気を置き換える。前記胎児チャンバーアセンブリ10の構成要素の形状に起因して、形成される気泡は、前記空気除去ポート260を含まない前記胎児チャンバーアセンブリ10の領域に捕捉されることがある。そのため、前記捕捉された気泡が前記1若しくはそれ以上の空気除去ポート260に方向付けられるように、前記胎児チャンバーアセンブリ10を動かすことが好ましい場合がある。先に説明したように、前記胎児チャンバーアセンブリ10は、前記ピッチ軸、ロール軸、およびヨー軸に沿って回転させてもよい。動作において、ユーザは、前記ピッチ軸、ロール軸、およびヨー軸のうちの1つ、2つ、または3つ全てに沿って前記胎児チャンバーアセンブリ10を回転させて、前記捕捉された気泡を前記所望の前記空気除去ポート260に方向づけるけることができる。いくつかの例示的な実施形態では、図46に示すように、前記胎児チャンバーアセンブリ10は、前記基部100と前記蓋部112との間に閉じ込められた空気が前記カニューレチャンバー膜308上に配置された前記空気除去ポート260に向かって動くように、前記ロール軸に沿って最大約45度(先に規定した前記横-長手方向平面から測定)回転してもよい。前記空気が前記空気除去ポート260に隣接して動かされると、前記空気は前記空気除去ポート260を通って前記胎児チャンバーアセンブリ10の外に流れてもよい。
【0237】
いくつかの側面では、ユーザは、前記空気除去ポート260に向かって所望の方向に前記空気を向けるために、前記上部膜124または前記カニューレチャンバー膜308を変形させ、押し、または触診することができる。いくつかの態様では、前記空気除去ポート260は、前記筐体108上に配置されてもよい。例えば、前記空気除去ポート260は、前記胎便除去ポート218に隣接して配置されてもよい。図47を参照すると、前記胎児チャンバーアセンブリ10の例示的な配置が描かれている。前記胎児チャンバーアセンブリ10は、前記ロール軸に沿って所望の角度まで回転させられた状態で示されている。気泡380が、前記空気除去ポート260に隣接して配置されているのが見える。液体382が前記気泡380の下に示されている(「下」は、重力方向の垂直方向に対して相対的である)。ユーザ384が前記上部膜124に力を加えている様子が示されている。前記力および前記胎児チャンバーアセンブリ10の相対的位置により、前記気泡380は前記空気除去ポート260に向かって動き、そこで前記空気は前記胎児チャンバーアセンブリ10から排出されてもよい。
【0238】
前記空気除去ポート260は、そこに空気除去アセンブリ264を受け取るように構成されてもよい。前記空気除去アセンブリ264は、前記空気が通過できるように、または通過することを妨げられるように、前記空気除去ポート260をそれぞれ選択的に開閉することを可能にする。図47~48を参照すると、例示的な空気除去アセンブリ264が、例示的な空気除去ポート260と係合している様子が描かれている。他の類似の装置が利用されることが理解されるであろう。前記空気除去ポート260は、前記内部表面104と前記胎児チャンバーアセンブリ10の外部の環境との両方と流体的に連通する、そこを通るように延びる通路262を含む。前記空気除去ポート260は、空気除去アセンブリ264を前記通路262に受け取るように構成される。前記空気除去アセンブリ264は、そこを通って延びる通路266を規定している。前記通路266は、前記通路262と流体連通しているように構成されている。前記空気除去アセンブリ264が前記空気除去ポート260に係合される場合、前記通路266は、前記内部空間104および前記胎児チャンバーアセンブリ10の外部の環境と流体連通するようになる。前記空気除去アセンブリ264は、前記通路266を選択的に遮断または遮断解除するように構成されたクランプ268を含んでもよい。前記空気除去アセンブリ264の材料は、前記クランプ268によって圧縮されるように十分に変形可能であり、前記クランプ268が開かれた場合に圧縮されていない位置に戻るように十分に弾力性があるべきであることが理解されるであろう。前記空気除去アセンブリ264は、プラスチックまたはシリコーンチューブで構成されてもよい。前記空気除去アセンブリ264は、さらに、空気または液体が一方向(例えば、前記胎児チャンバーアセンブリ10から出る方向)にそこを通過することを可能にする一方で、反対方向(例えば、前記胎児チャンバーアセンブリ10内)の物質の通過を妨げるように構成された逆止バルブ270を含んでもよい。通気キャップ272が前記空気除去アセンブリ264上に配置されて、空気が前記通路266を通って前記空気除去装置264から逃げることを可能にする一方で、外部の汚染物質または破片が前記通路266に入ることを防止することができる。前記キャップ272は、空気が除去されるのを可能にするために、ユーザによって前記キャップ272を選択的に開閉できるように、前記空気除去アセンブリ264に取り外し可能に接続されてもよい。いくつかの態様において、前記キャップ272は、前記空気除去アセンブリ264にねじ込み可能に接続されてもよい。いくつかの態様では、前記キャップ272は、気体は逃がすが液体は逃がさないように疎水性フィルタを含んでもよい。
【0239】
開示されたシステムおよびデバイスは、期産胎児および早産胎児を含む胎児との使用のために構成されてもよい。前記早産胎児は、早産胎児(例えば、推定妊娠期間37週未満、特に推定妊娠期間28~32週)、極早産胎児(推定妊娠期間24~28週)、または前駆胎児(推定妊娠期間20~24週)であってよい。妊娠期間は、ヒトについて提供されているが、他の動物の対応する早産胎児が使用されてもよい。いくつかの態様において、早産児は、基礎的な先天性疾患を有しない場合があってもよい。他の態様では、胎児は、例えば、肺低形成または先天性横隔膜ヘルニアなどの肺の発達に影響を及ぼす先天性異常のために、肺気体交換の能力が制限されている場合がある。開示されたシステムは、胎児がシステムなしで生活できるようになるまで、必要な限り(例えば、数日間、数週間または数ヶ月間)胎児をシステム内に維持することができるように構成されてもよい。開示された前記胎児チャンバーアセンブリ10の特定のサイズ、形状、および寸法は、意図された使用、胎児のサイズ、および製造上の制約に依存することになる。いくつかの例示的な実施形態では、前記胎児チャンバーアセンブリ10は、約10インチと約24インチの間、約14インチと約20インチの間、または別の適切な範囲の、前記長手方向yに沿って測定された第1の寸法を有していてもよい。前記胎児チャンバーアセンブリ10は、約8インチと約22インチとの間、約12インチと約18インチとの間、または別の好適な範囲の前記横方向xに沿って測定された第2の寸法を有していてもよい。前記胎児チャンバーアセンブリ10は、約2インチと約12インチとの間、約4インチと約10インチとの間、または別の好適な範囲の前記垂直方向yに沿って測定される第3の寸法を有していてもよい。
【0240】
システムおよび方法は、様々な図の様々な実施形態に関連して説明されてきたが、当業者には、その広い発明概念から逸脱することなく、実施形態に変更を加えることができることが理解されよう。したがって、本開示は、開示された特定の実施形態に限定されず、特許請求の範囲によって定義される本開示の精神および範囲内の変更をカバーすることが意図されることが理解される。
図1
図2
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図22B
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【図
図31B
【図
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【国際調査報告】