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特表2023-541923断熱および電気的絶縁を備えたヒーター管
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-04
(54)【発明の名称】断熱および電気的絶縁を備えたヒーター管
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/46 20200101AFI20230927BHJP
   H05B 3/34 20060101ALI20230927BHJP
   H05B 3/20 20060101ALI20230927BHJP
【FI】
A24F40/46
H05B3/34
H05B3/20 316
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023516712
(86)(22)【出願日】2021-10-25
(85)【翻訳文提出日】2023-03-14
(86)【国際出願番号】 EP2021079540
(87)【国際公開番号】W WO2022090156
(87)【国際公開日】2022-05-05
(31)【優先権主張番号】20204490.5
(32)【優先日】2020-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100228337
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 綾
(72)【発明者】
【氏名】ベサント ミシェル
(72)【発明者】
【氏名】パンテア シルビウ ナタナエル
(72)【発明者】
【氏名】ペイネンブルグ ヨハンネス ペートルス マリア
(72)【発明者】
【氏名】イム ジュン ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】イシ グレゴリ
(72)【発明者】
【氏名】デランナ マルコ
(72)【発明者】
【氏名】ピッチン ステファノ
(72)【発明者】
【氏名】リスポリ オマール
(72)【発明者】
【氏名】サルトル サンドロ
【テーマコード(参考)】
3K034
4B162
【Fターム(参考)】
3K034AA02
3K034AA06
3K034BA08
3K034BB08
3K034JA09
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA22
4B162AC22
4B162AD06
(57)【要約】
本発明はエアロゾル発生装置用の加熱組立品に関する。加熱組立品は、基体層を含む。基体層は、電気的絶縁基体層である。加熱組立品は発熱体をさらに備える。発熱体は、基体層の第一の部分上に配置される。基体層は、発熱体が配置されていない第二の部分をさらに含む。基体層は、基体層の第一の部分が内層として位置付けられるように、管状形状に圧延される。基体層の第二の部分は、基体層の第一の部分を囲む外層として位置付けられる。発熱体は、基体層の第一の部分と基体層の第二の部分との間に配置される。本発明は、エアロゾル発生装置およびエアロゾル発生システムにさらに関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置用の加熱組立品であって、
電気的絶縁基体層である、基体層と、
前記基体層の第一の部分上に配置された発熱体と、を含み、
前記基体層が、前記発熱体が配置されていない第二の部分を含み、
前記基体層が管状形状に圧延され、その結果、前記基体層の前記第一の部分が内層として位置付けられ、前記基体層の前記第二の部分が前記基体層の前記第一の部分を囲む外層として位置付けられ、前記発熱体が前記基体層の前記第一の部分と前記基体層の前記第二の部分との間に配置される、加熱組立品。
【請求項2】
前記基体層が可撓性である、請求項1に記載の加熱組立品。
【請求項3】
前記基体層が、前記管状形状に圧延される前にシートとして提供される、請求項1~2のいずれかに記載の加熱組立品。
【請求項4】
前記第二の部分の表面積が、前記第一の部分の表面積と等しいか、またはそれより大きい、請求項1~3のいずれかに記載の加熱組立品。
【請求項5】
前記発熱体が加熱トラックを備える、請求項1~4のいずれかに記載の加熱組立品。
【請求項6】
前記発熱体が、前記基体層の前記第一の部分に印刷される、請求項1~5のいずれかに記載の加熱組立品。
【請求項7】
前記基体層の前記第一の部分が、前記管状形状の基体層によって形成される管の内側から前記発熱体を電気的に絶縁する、請求項1~6のいずれかに記載の加熱組立品。
【請求項8】
前記加熱組立品が、管によって形成される加熱チャンバーをさらに備え、前記基体層が、前記加熱チャンバーの周り、好ましくは前記加熱チャンバーの外側の周りで少なくとも二回圧延される、請求項1~7のいずれかに記載の加熱組立品。
【請求項9】
前記基体層の前記第一の部分が、第一の表面および対向する第二の表面を備え、前記基体層の前記第一の部分の前記第一の表面が前記加熱チャンバーと直接接触して配置され、好ましくは、前記第二の表面が前記基体層の前記第二の部分と直接接触する、請求項8に記載の加熱組立品。
【請求項10】
前記加熱組立品が、温度センサーをさらに含む、請求項1~9のいずれかに記載の加熱組立品。
【請求項11】
前記温度センサーが、前記基体層の前記第二の部分の外表面上に配置される、請求項10に記載の加熱組立品。
【請求項12】
前記温度センサーが、前記発熱体に隣接して配置され、好ましくは前記基体層の前記第一の部分が前記管状形状に圧延され、かつ前記基体層の前記第二の部分が前記基体層の前記第一の部分の周りに圧延された後に、前記基体層の前記第二の部分によって前記発熱体から分離される、請求項10または11に記載の加熱組立品。
【請求項13】
熱収縮層が、前記加熱組立品が前記管状形状に圧延される時に前記加熱組立品の周りに配置され、前記熱収縮層が好ましくはPEEKで作製される、請求項1~12のいずれかに記載の加熱組立品。
【請求項14】
請求項1~13のいずれかに記載の加熱組立品を備えるエアロゾル発生装置。
【請求項15】
請求項14に記載のエアロゾル発生装置と、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品とを備える、エアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル発生装置用の加熱組立品に関する。本発明はさらに、エアロゾル発生装置に関する。本開示はさらに、エアロゾル発生装置およびエアロゾル形成基体を備えるエアロゾル発生システムに関する。
【背景技術】
【0002】
吸入可能なベイパーを発生するためのエアロゾル発生装置を提供することが知られている。こうした装置は、エアロゾル形成基体を燃焼することなく、エアロゾル発生物品に含有されたエアロゾル形成基体を加熱しうる。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生装置の加熱チャンバーの中にエアロゾル発生物品を挿入するためにロッド形状を有してもよい。加熱組立品の発熱体は通常、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の加熱チャンバーの中に挿入された後に、エアロゾル形成基体を加熱するために、加熱チャンバーの中に、またはその周りに配置されてもよい。
【0003】
発熱体によって生成される熱は、加熱することを意図しない装置の構成要素に誤って放散されることがある。一般的に、加熱チャンバーから熱が放散すると、加熱チャンバー内の熱損失が生じ、加熱効率の低下をもたらし得る。加熱チャンバーを所望の温度に加熱するために、過剰な量のエネルギーが必要とされうる。同時に、発熱体は、発熱体のショートを防止するために、加熱チャンバーから電気的に絶縁されなければならない。
【0004】
加熱チャンバーからの熱損失を低減し得るエアロゾル発生装置のための加熱組立品を有することが望ましい。ユーザーによって把持される装置の外側ハウジングの加熱を低減し得る加熱組立品を有することが望ましい。効果的な断熱を提供し得る加熱組立品を有することが望ましい。低い製造コストで断熱を提供し得る加熱組立品を有することが望ましい。加熱組立品の発熱体を加熱チャンバーから電気的に絶縁しうる加熱組立品を有することが望ましい。低い製造コストで最適化された断熱および最適化された電気的絶縁を有する加熱組立品を有することが望ましい。断熱および電気的絶縁を同時に提供しうる加熱組立品を有することが望ましい。
【発明の概要】
【0005】
本発明の一実施形態によると、エアロゾル発生装置のための加熱組立品が提供される。加熱組立品は、基体層を含んでもよい。基体層は、電気的絶縁基体層であってもよい。加熱組立品は発熱体を備えてもよい。発熱体は、基体層の第一の部分上に配置されてもよい。基体層は、発熱体が配置されていない第二の部分を含み得る。基体層は、基体層の第一の部分が内層として位置付けられ得るように、管状形状に圧延されてもよい。基体層の第二の部分は、基体層の第一の部分を囲む外層として位置付けられてもよい。発熱体は、基体層の第一の部分と基体層の第二の部分との間に配置されてもよい。
【0006】
本発明の一実施形態によると、エアロゾル発生装置のための加熱組立品が提供される。加熱組立品は、基体層を含む。基体層は、電気的絶縁基体層である。加熱組立品は発熱体をさらに備える。発熱体は、基体層の第一の部分上に配置される。基体層は、発熱体が配置されていない第二の部分をさらに含む。基体層は、基体層の第一の部分が内層として位置付けられるように、管状形状に圧延される。基体層の第二の部分は、基体層の第一の部分を囲む外層として位置付けられる。発熱体は、基体層の第一の部分と基体層の第二の部分との間に配置される。
【0007】
第一の部分および第二の部分を基体層に提供することによって、単一の基体層を使用して、基体層の二つの部分の間に発熱体を挟むことができる。結果として、発熱体は基体層の部分によって保護される。別個の内層または別個の外層はもはや必要ない。外部からの熱保護および内部からの電気的絶縁の一方または両方などの発熱体の保護は、本明細書に記載される本発明による構成を有する単一の基体層によって達成され得る。製造コストは、単一の基体層を使用することによって低減され得る。製造は、単一の基体層を使用することによって簡略化され得る。
【0008】
電気的に絶縁する基体層は、ポリイミドから作製されてもよい。基体層は、220°C~320°C、好ましくは240°C~300°C、好ましくは約280°Cに耐えるように構成されうる。基体層は、Pyraluxから作製されてもよい。
【0009】
基体層は可撓性でもよい。可撓性基体層は、基体層を所望の形状に圧延または形成することができるという利点を有する。所望の形状は、管状形状であることが好ましい。基体層の可撓性により、基体層の第一の部分を第一のステップとして圧延し、その後、第二のステップとして第一の部分の周りに基体層の第二の部分を圧延することができる。基体層の可撓性により、基体層の第一の部分は、第一の工程の間に所望の管状形状に適合し得る。基体層の可撓性により、基体層の第二の部分は、第二のステップで基体層の第一の部分の周りに基体層の第二の部分を圧延する間に、基体層の管状形状の第一の部分に適合し得る。
【0010】
基体層は、管状形状に圧延される前にシートとして提供されてもよい。基体層は、管状形状に圧延される前に、平面シートとして提供されてもよい。基体層は、管状形状に圧延される前に、長方形シートとして提供されてもよい。こうしたシート形状の基体層は、容易に利用可能であってもよく、したがって、製造コストを低減し得る。
【0011】
基体層は、管状形状に圧延される前に、基体層の幅よりも大きい長さを有してもよい。基体層は、管状形状に圧延される前に、基体層の幅の約二倍になり得る長さを有してもよい。別の方法として、基体層は、管状形状に圧延される前に、基体層の幅よりも小さい長さを有してもよい。基体層の長さおよび幅は、加熱されるエアロゾル発生物品の直径および物品の基体部分の長さの一方または両方に応じて選択されうる。基体層の長さは、基体層を管状形状に圧延する前の、基体層の長手方向軸に沿った長さを指す。基体層の幅は、基体層が管状形状に圧延される前の、基体層の長手方向軸に対して垂直に、および基体層の平面で測定された幅を指す。
【0012】
基体層は、以下でより詳細に説明する加熱配設の管の外周の二倍の長さを有してもよい。
【0013】
より一般的には、基体層の第一の部分の周りに基体層の第二の部分を圧延する間に、基体層の第二の部分が基体層の第一の部分の周りを完全に囲むことができるように、基体層の長さが選択されてもよい。
【0014】
基体層の第一の部分の長さは、基体層の第一の部分の幅と同一であってもよく、または類似していてもよい。基体層の第二の部分の長さは、基体層の第二の部分の幅と同一であってもよく、または類似していてもよい。基体層の第一の部分の寸法は、基体層の第二の部分の寸法と同一であってもよく、または類似していてもよい。基体層の第一の部分の長さおよび幅は、基体層の第二の部分の長さおよび幅と同一であってもよく、または類似していてもよい。
【0015】
基体層の第二の部分の表面積は、基体層の第一の部分の表面積と等しいか、またはそれよりも大きい場合がある。基体層の第二の部分の第三の表面の表面積は、基体層の第一の部分の第二の表面の表面積と等しいか、またはそれよりも大きい場合がある。
【0016】
基体層の圧延後、基体層の第一の部分の外径は、基体層の第二の部分の内径に対応し得る。
【0017】
発熱体は加熱トラックを備えてもよい。加熱トラックは、熱を生成するように構成されうる。加熱トラックは電気抵抗加熱トラックであってもよい。発熱体は、加熱トラックを電気的に接触させるための電気接点を備えてもよい。電気接点は、例えばはんだまたは溶接によって、任意の既知の手段によって加熱トラックに取り付けられうる。第一の電気接点は、加熱トラックの第一の端部に取り付けられてもよく、第二の電気接点は、加熱トラックの第二の端部に取り付けられてもよい。加熱トラックの第一の端部は、加熱トラックの近位端であってもよく、加熱トラックの第二の端部は、加熱トラックの遠位端であってもよく、またはその逆であってもよい。
【0018】
加熱トラックは、ステンレス鋼から作製されてもよい。加熱トラックは、約50μmの厚さのステンレス鋼から作製されてもよい。加熱トラックは、好ましくは、約25μmの厚さのステンレス鋼から作製されてもよい。加熱トラックは、約50.8μmの厚さのインコネルから作製されてもよい。加熱トラックは、約25.4μmの厚さのインコネルから作製されてもよい。加熱トラックは、約35μmの厚さの銅から作製されてもよい。加熱トラックは、約25μmの厚さのコンスタンタンから作製されてもよい。加熱トラックは、約12μmの厚さのニッケルから作製されてもよい。加熱トラックは、約25μmの厚さの真鍮から作製されてもよい。
【0019】
加熱トラックは、基体層上にフォトプリントされてもよい。加熱トラックは、基体層上に化学的にエッチングされてもよい。
【0020】
「加熱トラック」という用語は、単一の加熱トラックを包含する。発熱体または加熱トラックは、基体層の第一の部分に印刷されてもよい。
【0021】
加熱トラックは、基体層の第一の部分に中央に配置されてもよい。加熱トラックは、ベンチ形状を有してもよい。加熱トラックは、湾曲した形状を有してもよい。加熱トラックは、基体層が管状形状に圧延される前に平坦であってもよい。加熱トラックまたは発熱体は、可撓性であってもよい。加熱トラックまたは発熱体は、基体層が管状形状に圧延された時に、基体層の管状形状に適合し得る。
【0022】
発熱体は、基体層の第一の部分と基体層の第二の部分に挟まれてもよい。基体層の圧延後、基体層の第一の部分は、発熱体の軸方向の内側に配置されてもよい。基体層の圧延後、基体層の第二の部分は、発熱体の軸方向の外側に配置されてもよい。
【0023】
基体層の第一の部分は、管状形状の基体層によって形成される管の内側から発熱体を電気的に絶縁し得る。
【0024】
加熱配設は、管、好ましくは金属管を含んでもよく、その周りに基体層が巻かれてもよく、または圧延されてもよい。金属管は、ステンレス鋼管であることが好ましい。あるいは、管はセラミック管であってもよい。管は、加熱配設の管状形状を画定しうる。管の外径は、基体層の圧延後の基体層の第一の部分の内径に対応し得る。
【0025】
代替手段として、管は、基体層の圧延時に管が形成されるような方法で、発熱体の反対側の基体層の第一の部分に金属層を提供することによって形成され得る。一般的に、基体層の圧延は、一時的な円筒形または円錐形の支持要素の周りに基体層を圧延することによって容易にすることができる。さらなる代替手段として、基体層の第一の部分は、PEEKで作製されてもよく、これは管を直接形成してもよい。
【0026】
基体層の第二の部分は、管状形状の基体層によって形成される管の外側の環境から発熱体を断熱し得る。言い換えれば、基体層の第二の部分は、発熱体を加熱組立品の外部の環境から断熱しうる。
【0027】
加熱組立品は、単一の基体層のみを含み得る。加熱組立品は、別個の断熱層を備えない場合がある。好ましくは、基体層は、基体層の第一の部分によって囲まれる管から発熱体を電気的に絶縁する二重官能性を有し、基体層は発熱体を加熱組立品の外側の環境から断熱する。これらの機能の両方が単一の基体層によって達成され得るため、構造的に単純な加熱組立品が、加熱組立品の機能性を改善する一方で、製造コストを削減する。
【0028】
加熱組立品は、管によって形成される加熱チャンバーをさらに備えてもよい。基体層は、加熱チャンバーの周り、好ましくは、加熱チャンバーの外側の周りに少なくとも二回圧延されてもよい。加熱チャンバーの周りに初めて基体層を圧延することは、基体層の第一の部分が加熱チャンバーの周りに圧延されることを意味する。加熱チャンバーの周りに二回目に基体層を圧延することは、基体層の第二の部分が基体層の第一の部分の周りに圧延されることを意味する。
【0029】
管はステンレス鋼から作製されてもよい。管は、10mm~35mm、好ましくは12mm~30mm、好ましくは13mm~22mmの長さを有してもよい。管は中空管であってもよい。中空管は、4mm~9mm、好ましくは5mm~6mm、または6.8mm~7.5mm、好ましくは約5.35mmまたは約7.3mmの内径を有してもよい。管は70μm~110μm、好ましくは80μm~100μm、好ましくは約90μmの厚さを有してもよい。管は、円筒形断面を有してもよい。管は、円形断面を有してもよい。
【0030】
基体層の第一の部分は、第一の表面および対向する第二の表面を含み得る。基体層の第一の部分の第一の表面は、加熱チャンバーと直接接触して配置されてもよい。基体層の第一の部分の第二の表面は、発熱体と直接接触してもよい。基体層の第一の部分の第二の表面は、基体層の第二の部分と直接接触してもよい。
【0031】
同様に、基体層の第二の部分は、第三の表面および対向する第四の表面を含み得る。基体層の第二の部分の第三の表面は、発熱体と直接接触して配置されてもよい。基体層の第二の部分の第三の表面は、基体層の第一の部分の第二の表面と直接接触して配置されてもよい。基体層の第二の部分の第四の表面は、加熱配設の外表面を形成してもよい。
【0032】
基体層の第二の部分および発熱体の一つ以上は、基体層の第一の部分によって加熱チャンバーから離れて配置されてもよい。
【0033】
基体層の第一の部分の長さは、管の外周以下であってもよい。第一の部分は、管の周りに完全に巻かれてもよい。基体層の第一の部分が管の周りに巻かれた後、管の表面が基体層の第一の部分によってあるように、第一の部分は管の周りに一度巻かれてもよい。基体層の第二の部分の長さは、基体層の第一の部分の外周と等しくてもよく、その結果、第二の部分は発熱体および第一の部分を覆いうる。
【0034】
加熱チャンバーの外周は、基体層の長さのおよそ半分であってもよい。加熱チャンバーの外周は、加熱チャンバーを形成する管の外周と等しくてもよい。
【0035】
基体層の第一の部分は、管の外周以下の長さを有してもよい。基体層の第二の部分は、管の外周以上の外周を有してもよく、その結果、管および基体層の第一の部分の一方または両方の外周の周りを少なくとも一回巻くことができる。基体層の第二の部分は、基体層の第一の部分の外周以上の外周を有してもよく、その結果、管および第一の部分の一方または両方の外周の周りを少なくとも一回巻くことができる。
【0036】
加熱チャンバーの管は、70μm~110μm、好ましくは80μm~100μm、好ましくは約90μmの厚さを有してもよい。
【0037】
加熱組立品は、温度センサーをさらに備えてもよい。温度センサーは、NTC、Pt100、または好ましくはPt1000温度センサーであってもよい。温度センサーはヒーターに溶接されてもよい。温度センサーは、接続を備えてもよい。温度センサーは、金属接続を備えてもよい。接続、好ましくは、ステンレス鋼接続は、基体層上に直接エッチングされてもよい。次に、温度センサー金属接続は、基体層のステンレス鋼接続上に溶接されてもよい。これは製造工程を簡略化できる。例示的な製造工程が、以下に記載される。基体層は、ステンレス鋼のシートで積層されてもよく、これは、二つの層から作製される「サンドイッチ」を生じ、下の層はポリイミドであり、上の層はステンレス鋼シートである。次に、加熱トラックは、このサンドイッチの第一の部分(ステンレス鋼側)にフォトプリントされてもよく、同時に、このサンドイッチの第二の部分(ステンレス鋼側)は、温度センサー用の電気接続でフォトプリントされてもよい。したがって、温度センサーの加熱トラックおよび電気接続の両方を同時にフォトプリントしてもよい。その後、全サンドイッチは、化学エッチング(ポリイミドは化学エッチングに抵抗するので、ステンレス鋼のみがエッチングされる)されてもよく、その結果、温度センサーの加熱トラックおよびステンレス鋼接続の両方(ここでは、サンドイッチ上の接続について述べる)が、同じ工程で同時にエッチングされ得る。次に、後の組立段階で、温度センサー金属接続(銅、または何か他のものであってもよい)を、その第二の部分の「可撓性ヒーターサンドイッチ」の表面上に位置するステンレス鋼接続上に溶接してもよい。
【0038】
温度センサーは、基体層の第二の部分の外表面上に配置されてもよい。温度センサーは、発熱体に隣接して配置され、基体層の第二の部分によって発熱体から分離されてもよい。
【0039】
温度センサーは、基体層が圧延される時、温度センサーが第一の部分の中心に対応する領域に位置付けられ得るように、第二の部分上に位置付けられてもよい。このように温度センサーを位置付けることによって、発熱体は、温度センサーが発熱体の最も熱い部分に隣接して位置付けられるように、温度センサーをマッピングしてもよい。温度センサーに隣接する最も熱い部分は、第一の部分の中心としうる。発熱体は、第一の部分の中心に配置されてもよい。温度センサーは、発熱体から基体層の第二の部分の厚さだけ離れている発熱体に直接隣接して配置されてもよい。温度センサーは、全ての組立品の赤外線画像がこの最も熱い点を識別し、この最も熱い点の機械的位置を画定した後、加熱トラックの最も熱い点に正確に位置合わせされ得る。次いで、この情報を加熱組立品設計にフィードバックし、温度センサーの非常に正確な位置合わせを可能にし得る。
【0040】
接着剤層およびグルー層のうちの一つまたは両方が、基体層の第一の部分の第一の表面上に提供されてもよい。言い換えれば、接着剤層またはグルー層は、発熱体が配置され得る側面の反対側の第一の部分の表面上に提供されてもよい。接着剤層またはグルー層は、基体層の第一の部分を管の外周上にしっかりと保持するよう構成されてもよい。
【0041】
接着剤層は、15μm~50μm、好ましくは20μm~30μm、より好ましくは約25μmの厚さを有してもよい。
【0042】
接着剤層は、シリコン系接着剤層であってもよい。接着剤層は、PEEK系接着剤およびアクリル接着剤のうちの一つまたは両方を含み得る。
【0043】
接着剤層およびグルー層のうちの一つまたは両方が、基体層の第二の部分の第三の表面上に提供されてもよい。この接着剤層またはグルー層は、基体層の第一の部分に基体層の第二の部分をしっかりと保持するように構成されてもよい。
【0044】
熱収縮層は、加熱組立品が管状形状に圧延される時に、加熱組立品の周りに配置され得る。熱収縮層は、熱収縮層への加熱供給時に収縮するように構成されうる。熱収縮層は、加熱組立品を一緒にしっかりと保持しうる。熱収縮層は、加熱組立品に均一な内向きの圧力を印加するように構成されうる。熱収縮層は、管および基体層の第一の部分の一方または両方と、基体層の第一の部分と基体層の第二の部分との間の接触を改善し得る。熱収縮層は、加熱組立品のほとんどのまたはすべての構成要素を一緒にきつく保持しうる。熱収縮層は、本明細書に記載のグルー層または接着剤層の代わりに用いられてもよい。あるいは、熱収縮層は、本明細書に記載のグルー層または接着剤層に加えて用いられてもよい。
【0045】
熱収縮層の厚さは、100μm~300μm、好ましくは約180μmでありうる。
【0046】
熱収縮層は、PEEKで作製されてもよい。熱収縮層は、テフロンおよびPTFEのうちの一つ以上から作製されてもよく、またはそれらを含んでもよい。
【0047】
基体層は、15μm~50μm、好ましくは20μm~30μm、より好ましくは約25μmの厚さを有してもよい。
【0048】
発熱体は、好ましくはステンレス鋼から作製される場合、12μm~60μm、好ましくは45μm~55μm、より好ましくは約50μmの厚さを有し得る。加熱トラックは、好ましくはステンレス鋼から作製される場合、12μm~60μm、好ましくは45μm~55μm、より好ましくは約50μmの厚さを有し得る。発熱体は、真鍮で作製される場合、20μm~30μm、好ましくは約25μmの厚さを有し得る。加熱トラックは、好ましくは真鍮で作製され場合、20μm~30μm、好ましくは約25μmの厚さを有し得る。
【0049】
本発明は、本明細書に記載の加熱組立品を備えるエアロゾル発生装置にさらに関する。
【0050】
本発明はさらに、本明細書に記載のエアロゾル発生装置、および本明細書に記載のエアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品を備えたエアロゾル発生システムに関する。
【0051】
本発明による加熱組立品の近位端は、装置の口側端または下流端に向かう方向にエアロゾル発生装置内に配置されるように構成される。本発明による加熱組立品の遠位端は、装置の遠位端または上流端に向かう方向にエアロゾル発生装置内に配置されるように構成される。
【0052】
本明細書で使用される場合、「上流」および「下流」という用語は、エアロゾル発生装置の使用中にエアロゾル発生装置を通って空気が流れる方向に対する、エアロゾル発生装置の構成要素または構成要素の一部の相対的な位置を説明するために使用される。本発明によるエアロゾル発生装置は近位端を備え、使用時にエアロゾルは近位端を通って装置から出る。エアロゾル発生装置の近位端は、口側の端または下流端と呼ばれることもある。口側端は遠位端の下流である。エアロゾル発生物品の遠位端はまた、上流端と呼ばれる場合がある。エアロゾル発生装置の構成要素または構成要素の一部は、エアロゾル発生装置の気流経路に対するこれらの相対的位置に基づいて、互いの上流または下流にあるものとして説明され得る。
【0053】
本開示の全ての態様で、発熱体は電気抵抗性の材料を含み得る。適切な電気抵抗性材料としては、ドープされたセラミックなどの半導体、「導電性」のセラミック(例えば、二ケイ化モリブデンなど)、炭素、黒鉛、金属、合金、およびセラミック材料と金属材料とで作製された複合材料が挙げられるが、これらに限定されない。こうした複合材料は、ドープされたセラミックまたはドープされていないセラミックを含んでもよい。
【0054】
記載されるように、本開示の態様のいずれにおいても、発熱体は、外部発熱体を備えてもよく、ここで、「外部」は、エアロゾル形成基体を指す。外部発熱体は、任意の適切な形態をとりうる。例えば、外部発熱体は、ポリイミドなどの誘電性基板上の一つ以上の可撓性の加熱箔または加熱トラックの形態を取ってもよい。誘電性基板は基体層である。可撓性の加熱箔または加熱トラックは、加熱チャンバーの周辺部に適合するように形作られうる。代替的に、外部発熱体は、金属のグリッド、可撓性プリント回路基板、成形回路部品(MID)、セラミックヒーター、可撓性炭素繊維ヒーターの形態を取ってもよく、または適切な形状の基体層上にプラズマ蒸着などの被覆技法を使用して形成されてもよい。外部発熱体はまた、温度と比抵抗の間の明確な関係を有する金属を使用して形成されてもよい。こうした例示的な装置では、金属は、基体層の第一の部分と基体層の第二の部分との間の軌道として形成されてもよい。この様態で形成された外部発熱体は動作中に、外部発熱体の加熱と、その温度の監視の両方に使用されてもよい。
【0055】
発熱体は、有利なことに、伝導の手段によってエアロゾル形成基体を加熱する。代替的に、内部発熱体または外部発熱体のいずれかからの熱は、熱伝導性要素によって基体に伝導されてもよい。
【0056】
動作中、エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生装置内に完全に包含されてもよい。その場合、ユーザーはエアロゾル発生装置のマウスピースを吸煙してもよい。別の方法として、動作中、エアロゾル形成基体を含有する喫煙物品は、エアロゾル発生装置内に部分的に包含されてもよい。その場合、ユーザーは喫煙物品を直接吸煙してもよい。
【0057】
発熱体は、誘導発熱体として構成されてもよい。誘導発熱体は、誘導コイルおよびサセプタを含み得る。概して、サセプタは、交番磁場によって貫通された時に熱を発生する能力を有する材料である。本発明によると、サセプタは導電性、または磁性、または導電性と磁性の両方であってもよい。一つまたは幾つかの誘導コイルによって発生された交番磁場は、サセプタを加熱し、これは次に、エアロゾルが形成されるように、熱をエアロゾル形成基体に伝達する。熱伝達は主に、熱の伝導によるものであってもよい。こうした熱伝達は、サセプタがエアロゾル形成基体と密接な熱的接触状態にある場合に、最も良好である。誘導発熱体が採用される場合、誘導発熱体は、本明細書に記載の通りの外部ヒーターとして構成されてもよい。誘導発熱体が外部発熱体として構成される場合、サセプタ要素は、加熱チャンバーを少なくとも部分的に包囲する円筒状サセプタとして構成されることが好ましい。本明細書に記載される加熱トラックは、サセプタとして構成されてもよい。サセプタは、基体層の第一の部分と基体層の第二の部分との間に配置されてもよい。基体層の第二の部分は、誘導コイルによって囲まれてもよい。サセプタならびに誘導コイルは、加熱組立品の一部であってもよい。
【0058】
好ましくは、エアロゾル発生装置は、発熱体および加熱組立品の一つまたは両方に電力を供給するように構成された電力供給源を備える。電力供給源は電源を備えることが好ましい。電源はリチウムイオン電池などの電池であることが好ましい。代替として、電源はコンデンサーなどの別の形態の電荷蓄積装置であってもよい。電源は再充電を必要とする場合がある。例えば、電源はおおよそ六分間、または六分の倍数の時間にわたるエアロゾルの連続的な発生を可能にするのに十分な容量を有してもよい。別の例において、電源は所定の回数の吸煙、または加熱組立品の不連続的な起動を可能にするのに十分な容量を有してもよい。
【0059】
電力供給源は制御電子機器を備えてもよい。制御電子回路はマイクロコントローラーを備えてもよい。マイクロコントローラーはプログラム可能なマイクロコントローラーであることが好ましい。電気回路はさらなる電子構成要素を含んでもよい。電気回路は加熱組立品への電力の供給を調節するように構成されてもよい。電力はシステムの起動後、加熱組立品に連続的に供給されてもよく、または断続的に(例えば、吸煙するごとに)供給されてもよい。電力は、電流のパルスの形態で加熱組立品に供給されてもよい。
【0060】
本明細書で使用される「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有する基体を指す。揮発性化合物はエアロゾル形成基体を加熱する、または燃焼することによって放出されてもよい。加熱または燃焼に代わるものとして、一部の場合において、化学反応によって、または超音波などの機械的な刺激によって揮発性化合物が放出されてもよい。エアロゾル形成基体は固体または液体であってもよく、または固体構成成分と液体構成成分の両方を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生物品の一部であってもよい。
【0061】
本明細書で使用される場合、「エアロゾル発生物品」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有するエアロゾル形成基体を含む物品を指す。エアロゾル発生物品は使い捨てであってもよい。
【0062】
本明細書で使用される「エアロゾル発生装置」という用語は、エアロゾル形成基体と相互作用してエアロゾルを発生する装置を指す。エアロゾル発生装置は、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品と、エアロゾル形成基体を含むカートリッジの一方または両方と相互作用してもよい。一部の実施例において、エアロゾル発生装置はエアロゾル形成基体を加熱して、基体からの揮発性化合物の放出を容易にする場合がある。電気的に作動するエアロゾル発生装置は、エアロゾル形成基体を加熱してエアロゾルを形成するための、電気ヒーターなどのアトマイザーを備えてもよい。
【0063】
本明細書で使用される場合、用語「エアロゾル発生システム」は、エアロゾル発生装置とエアロゾル形成基体の組み合わせを指す。エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生物品の一部を形成し、エアロゾル発生システムは、エアロゾル発生装置とエアロゾル発生物品の組み合わせを指す。エアロゾル発生システムでは、エアロゾル形成基体およびエアロゾル発生装置は協働して、エアロゾルを発生させる。
【0064】
以下に、非限定的な実施例の非網羅的なリストが提供される。これらの実施例の特徴のうちの任意の一つ以上は、本明細書に記述される別の実施例、実施形態、または態様のうちの任意の一つ以上の特徴と組み合わされてもよい。
【0065】
実施例A:
エアロゾル発生装置用の加熱組立品であって、
電気的絶縁基体層である、基体層と、
基体層の第一の部分上に配置された発熱体と、を含み、
基体層が、発熱体が配置されていない第二の部分を含み、
基体層が管状形状に圧延され、その結果、基体層の第一の部分が内層として位置付けられ、基体層の第二の部分が基体層の第一の部分を囲む外層として位置付けられ、発熱体が基体層の第一の部分と基体層の第二の部分との間に配置される、加熱組立品。
実施例B:
基体層が可撓性である、実施例Aに記載の加熱組立品。
実施例C:
基体層が、管状形状に圧延される前にシートとして提供される、実施例A~Bのいずれかに記載の加熱組立品。
実施例D:
第二の部分の表面積が、第一の部分の表面積と等しいか、またはそれより大きい、実施例A~Cのいずれかに記載の加熱組立品。
実施例E:
発熱体が、加熱トラックを含む、実施例A~Dのいずれかに記載の加熱組立品。
実施例F:
発熱体が、基体層の第一の部分に印刷される、実施例A~Eのいずれかに記載の加熱組立品。
実施例G:
発熱体が、基体層の第一の部分と基体層の第二の部分との間に挟まれる、実施例A~Fのいずれかに記載の加熱組立品。
実施例H:
基体層の第一の部分が、管状形状の基体層によって形成される管の内側から発熱体を電気的に絶縁する、実施例A~Gのいずれかに記載の加熱組立品。
実施例I:
基体層の第二の部分が、管状形状の基体層によって形成される管の外部の環境から発熱体を断熱する、実施例A~Hのいずれかに記載の加熱組立品。
実施例J:
加熱組立品が、単一の基体層のみを含み、別個の断熱層は含まない、実施例A~Iのいずれかに記載の加熱組立品。
実施例K:
加熱組立品が、管によって形成される加熱チャンバーをさらに備え、基体層が、加熱チャンバーの周り、好ましくは、加熱チャンバーの外側の周りで少なくとも二回圧延される、実施例A~Jのいずれかに記載の加熱組立品。
実施例L:
基体層の第一の部分が、第一の表面および対向する第二の表面を備え、基体層の第一の部分の第一の表面が、加熱チャンバーと直接接触して配置され、好ましくは、第二の表面が、基体層の第二の部分と直接接触する、実施例Kに記載の加熱組立品。
実施例M:
基体層の第二の部分および発熱体の一つまたは複数が、基体層の第一の部分によって加熱チャンバーから離れて配置される、実施例KまたはLに記載の加熱組立品。
実施例N:
加熱チャンバーの外周が、基体層のおよそ半分の長さである、実施例K~Mのいずれかに記載の加熱組立品。
実施例O:
加熱組立品が、温度センサーをさらに含む、実施例A~Nのいずれかに記載の加熱組立品。
実施例P:
温度センサーが、基体層の第二の部分の外表面上に配置される、実施例Oに記載の加熱組立品。
実施例Q:
温度センサーが、発熱体に隣接して配置され、基体層の第二の部分によって発熱体から分離される、実施例OまたはPに記載の加熱組立品。
実施例R:
接着剤層およびグルー層のうちの一つまたは両方が、発熱体が配置される側の反対側の基体層の第一の部分上に提供される、実施例A~Qのいずれかに記載の加熱組立品。
実施例S:
加熱組立品が管状形状に圧延される時に、熱収縮層が加熱組立品の周りに配置される、実施例A~Rのいずれかに記載の加熱組立品。
実施例T:
熱収縮層がPEEKで作製される、実施例Sに記載の加熱組立品。
実施例U:
実施例A~Tのいずれかに記載の加熱組立品を備えるエアロゾル発生装置。
実施例V:
実施例Uに記載のエアロゾル発生装置と、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品とを備えるエアロゾル発生システム。
【0066】
一実施形態に関して説明される特徴は、本発明の他の実施形態にも等しく適用されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0067】
例証としてのみであるが、添付図面を参照しながら本発明をさらに記述する。
【0068】
図1図1は、管状形状に圧延された後の加熱組立品の断面図を示す。
図2図2は、管状形状に圧延される前の加熱組立品の実施形態を示す。
図3図3は、加熱組立品の基体層が巻かれる管と共に管状形状に圧延される前の、加熱組立品の図2の実施形態を示す。
図4図4は、加熱組立品の温度センサーのさらなる実施形態を示す。
図5図5は、エアロゾル発生装置およびエアロゾル発生物品内に提供されるエアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生システムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0069】
図1は、加熱組立品を示す。加熱組立品は、管状形状に圧延される。加熱組立品は、基体層10を含む。基体層10は、第一の部分12および第二の部分14を含む。基体層10はポリイミドから作製される。基体層10は可撓性である。基体層10は、図2および3に示すようにシートとして最初に提供され、次いで管状形状に圧延される。基体層10は長方形である。基体層10の長さは、基体層10の幅の約二倍である。
【0070】
発熱体16は、第一の部分12上に配置される。発熱体16は、加熱組立品が管状形状に圧延された後、基体層10の第一の部分12と基体層10の第二の部分14との間に配置される。発熱体16は、第一の部分12内の中央に配置される。
【0071】
基体層10の第一の部分12は、管18の周りに圧延されるかまたは巻かれるように構成される。管18は、加熱チャンバー20を形成する。加熱チャンバー20は、管18の中空の内部である。加熱チャンバー20は、図5により詳細に示されるエアロゾル形成基体46を受容するように構成される。発熱体16の動作による、加熱チャンバー20内のエアロゾル形成基体46の加熱中に、吸入可能なエアロゾルが発生する。管18は、中空円筒形管18として構成される。管18は金属から作製される。発熱体16は、管18に接触する基体層10の第一の部分12の表面と対向する基体層10の第一の部分12の表面上に配置される。基体層10の第一の部分12は、管18と直接接触する。
【0072】
基体層10と管18との間の接続を改善するために、基体層10の第一の部分12と管18との間にグルー層または接着剤層が提供されてもよい。基体層10の第一の部分12と基体層10の第二の部分14との間に、さらなるグルー層または接着剤層が提供されて、基体層10の第一の部分12と基体層10の第二の部分14との間の接続を改善することができる。基体層10の第一の部分12は、発熱体16が配置される領域を除いて、基体層10の第二の部分14と直接接触する。発熱体16が配置される基体層10の第一の部分12の領域では、発熱体16は基体層10の第二の部分14と直接接触する。
【0073】
図1はさらに、温度センサー38を示す。温度センサー38は、Pt100またはPt1000温度センサー38である。温度センサー38は、基体層10の第二の部分14が基体層10の第一の部分12の周りに巻かれた後、基体層10の第二の部分14の外側上に配置される。温度センサー38は、発熱体16に隣接して配置され、基体層10の第二の部分14の厚さによって発熱体16から離れている。発熱体16は、基体層10の第一の部分12の中心に配置される。温度センサー38は基体層10の第二の部分14上に配置され、加熱組立品の動作中に加熱組立品の最も高温の領域を測定するように、巻かれた後に温度センサー38が発熱体16の隣に静止するようになる。
【0074】
図2は、加熱チャンバー20を囲む管18の周りに巻かれる前の加熱組立品を示す。図2に見られるように、加熱組立品はシートとして提供される。基体層10の第一の部分12は、基体層10の第二の部分14の隣に配置される。発熱体16は、基体層10の第一の部分12上の中央に配置される。温度センサー38は、基体層10の第二の部分14上に配置される。
【0075】
加熱組立品は、第一の発熱体接触領域22および第二の発熱体接触領域24を含む。第一の発熱体接触領域22および第二の発熱体接触領域24は、基体層10の第一の部分12上に配置される。第一の発熱体接触領域22および第二の発熱体接触領域24は、発熱体16に電気的に接続される。特に、第一の発熱体接触領域22は、発熱体16の第一の部分と接触して提供され、第二の発熱体接触領域24は、発熱体16の第一の部分と発熱体16の第二の部分との間に電流が供給され得るように、発熱体16の第二の部分と接触して提供される。
【0076】
第一の電気接点26は、第一の発熱体接触領域22に接触するように提供される。第二の電気接点28は、第二の発熱体接触領域24に接触するように提供される。第一の発熱体接触領域22、第二の発熱体接触領域24、第一の電気接点26、および第二の電気収縮は、発熱体16が電気的に接触し、電流が発熱体16に供給され得るように提供される。電流の供給を図5と併せて説明する。電力供給源50は、発熱体16に電気エネルギーを供給するように構成される。コントローラ52(図5にも示す)は、温度センサー38と接触し、温度センサー38を操作するか、または温度センサー38の出力を受けるように構成される。コントローラ52による加熱組立品の動作は、温度センサー38の出力を考慮に入れたフィードバックループによって制御されてもよく、またはコントローラ52に格納された所定のルックアップテーブルを使用して、コントローラ52によって、温度センサー38の出力をルックアップテーブルと比較することによって制御されてもよい。
【0077】
加熱組立品は、第一の温度センサー接触領域30および第二の温度センサー接触領域32を含む。第一の温度センサー接触領域30および第二の温度センサー接触領域32は、基体層10の第二の部分14上に配置される。加熱組立品は、第三の電気接点34および第四の電気接点36を含む。第三の電気接点34は、第一の温度センサー接触領域30に接触するように提供される。第四の電気接点36は、第二の温度センサー接触領域32に接触するように提供される。第一の温度センサー接触領域30、第二の温度センサー接触領域32、第三の電気接点34、および第四の電気収縮が提供され、その結果、温度センサー38は電気的に接触および動作され得る。
【0078】
図2に示す実施形態では、温度センサー38は、第三の温度センサー接触領域40および第四の温度センサー接触領域42を備える。第三の温度センサー接触領域40および第四の温度センサー接触領域42は、温度センサー38の近くで基体層10の第二の部分14上に配置される。第一の温度センサー接触領域30は、第三の温度センサー接触領域40に電気的に接続され、第二の温度センサー接触領域32は、第四の温度センサー接触領域42に電気的に接続される。
【0079】
図3は、加熱組立品が管18の周りに巻かれる前の状態の図2の加熱組立品を示す。図3はさらに、巻く工程の前に加熱組立品の隣に配置された管18を示す。加熱組立品は、加熱組立品が配置される基体層10の第一の部分12が最初に管18の周りに巻かれるように、管18の周りに巻くことができる。基体層10の第一の部分12を管18の周りに巻いた後、温度センサー38が配置される基体層10の第二の部分14は、基体層10の第一の部分12の周りに巻かれる。
【0080】
図4は、温度センサー38を接触させるための異なる実施形態を示す。図4Aでは、第三の温度センサー接触領域40および第四の温度センサー接触領域42は、互いに隣り合って配置され、第三の接触および第四の接触の方向に温度センサー38から離れている。対照的に、図2および図3では、第三の温度センサー接触領域40および第四の温度センサー接触領域42は、温度センサー38から離れている基体層10の長手方向軸に垂直に配置される。さらなる選択肢として、図4Bに示すように、第三の温度センサー接触領域40および第四の温度センサー接触領域42は、温度センサー38から離れている基体層10の長手方向軸に沿っている。図4Cに示す最終的な選択肢として、温度センサー38は、第一の温度センサー接触領域30および第二の温度センサー接触領域32と直接接触する。
【0081】
温度センサー38の接触と同様に、発熱体16はまた、特に温度センサー38について示されるように、図2または図3に示すものと異なって接触させてもよい。
【0082】
図5は、エアロゾル発生装置44と、エアロゾル発生物品48に含まれるエアロゾル形成基体46を含む、エアロゾル発生システムを示す。本明細書に記載の加熱組立品は、エアロゾル発生装置の加熱チャンバー20を形成する管18の周りに配置される。エアロゾル発生物品48は、エアロゾル発生装置44の加熱チャンバー20の中に挿入されうる。加熱組立品は、エアロゾル発生物品48のエアロゾル形成基体46を加熱するように操作されてもよい。吸入可能なエアロゾルを発生するためのエアロゾル形成基体46の加熱。ユーザーは、エアロゾル発生物品48の近位端54に直接引き込むことができる。加熱組立品は、電力供給源50によって電力供給される。電力供給源50は、エアロゾル発生装置44の中に配置されてもよい。電力供給源50から加熱組立品への電気エネルギーの供給は、コントローラ52によって制御される。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
【国際調査報告】