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特表2023-541929ロボットインターフェースによって動作可能な作動デバイスを伴う圧縮ガス用のバルブ
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  • 特表-ロボットインターフェースによって動作可能な作動デバイスを伴う圧縮ガス用のバルブ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-04
(54)【発明の名称】ロボットインターフェースによって動作可能な作動デバイスを伴う圧縮ガス用のバルブ
(51)【国際特許分類】
   F16K 31/122 20060101AFI20230927BHJP
   F16K 35/00 20060101ALI20230927BHJP
【FI】
F16K31/122
F16K35/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023517263
(86)(22)【出願日】2021-09-15
(85)【翻訳文提出日】2023-04-21
(86)【国際出願番号】 EP2021075317
(87)【国際公開番号】W WO2022058345
(87)【国際公開日】2022-03-24
(31)【優先権主張番号】LU102078
(32)【優先日】2020-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】LU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521562016
【氏名又は名称】ロタレックス エス.エー.
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】マサン,ギヨーム
(72)【発明者】
【氏名】シュミッツ,フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】ムッツォ,ポール
【テーマコード(参考)】
3H056
3H064
【Fターム(参考)】
3H056AA01
3H056BB47
3H056CA03
3H056GG03
3H064AA01
3H064BA09
(57)【要約】
本発明は圧縮ガス用のバルブ(2)を対象とし、バルブ(2)は、入口(6)、出口(8)、及び該入口ならびに出口と相互接続する通路(22)を伴う本体(4)と;、通路(22)で座部(24.2)と協調するために、バルブの縦軸に沿って並進して動けるシャッター(24.1)を伴う、遮断デバイス(24)であって、該シャッター(24.1)は、該通路を正常に閉鎖するように、該座部に接触して1つ以上の弾性要素(30)によって付勢される、遮断デバイス(24)と;、通路(22)を開放するように座部(24.2)から離れるシャッター(24.1)の持ち上げ運動に圧力を変換するように構成された作動デバイス(10)と;、を備え、作動デバイス(10)は、縦軸の周りに延在する外部円形フランジ(16)または外部円形溝を含み、圧力を作動デバイス(10)に提供するロボットインターフェースによって係合されるように構成される。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮ガス用のバルブ(2;102)であって、
-入口(6;106)、出口(8;108)、及び前記入口ならびに出口と相互接続する通路(22)を伴う本体(4;104)と、
-前記通路(22)で座部(24.2)と協調するために、前記バルブの縦軸に沿って並進して動けるシャッター(24.1)を伴う、遮断デバイス(24)であって、前記シャッター(24.1)は、前記通路を正常に閉鎖するように、前記座部に接触して1つ以上の弾性要素(30)によって付勢される、遮断デバイス(24)と、
-前記通路(22)を開放するように前記座部(24.2)から離れる前記シャッター(24.1)の持ち上げ運動に圧力を変換するように構成された作動デバイス(10;110)と、を備え、
前記作動デバイス(10;110)は、前記縦軸の周りに延在する外部円形フランジ(16)または外部円形溝(116)を含み、圧力を前記作動デバイス(10;110)に提供するロボットインターフェース(32;132)によって係合されるように構成されることを特徴とする、バルブ(2;102)。
【請求項2】
前記作動デバイス(10;110)は、前記縦軸に対して、近位半分部及び遠位半分部を含み、前記外部円形フランジ(16)または外部円形溝(116)は、前記遠位半分部に形成される、または前記遠位半分部に取り付けられる、請求項1に記載のバルブ(2;102)。
【請求項3】
前記作動デバイス(10;110)は、前記ロボットインターフェース(32;132)から圧力を受けるための流体ポート(18)またはタペット(118)を備え、前記流体ポート(18)またはタペット(118)は前記外部円形フランジ(16)または外部円形溝(116)の中心にある、請求項1または2に記載のバルブ(2;102)。
【請求項4】
前記作動デバイス(10;110)の前記流体ポート(18)またはタペット(118)は、前記縦軸に沿った並進運動によって、前記ロボットインターフェース(32;132)によって係合するように構成される、請求項3に記載のバルブ(2;102)。
【請求項5】
前記作動デバイス(10;110)の前記流体ポート(18)またはタペット(118)は、前記縦軸に対して横軸にある前記作動デバイス(10;110)の遠位外面に位置する、請求項3または4に記載のバルブ(2;102)。
【請求項6】
前記外部円形フランジ(16)または外部円形溝(116)は、前記ロボットインターフェース(32;132)のロック要素(132.2.3)によって係合するための正方向接触表面を形成するように、前記縦軸に垂直である環状内面(16.3;116.3)、または前記縦軸に垂直な平面に対して正方向に先細りになる環状内面(16.3;116.3)を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載のバルブ(2;102)。
【請求項7】
前記作動デバイス(10)は、前記遮断デバイス(24)を開放することを防止するロック位置から、前記遮断デバイス(24)を開放することを可能にするロック解除位置まで移動可能であり、逆の場合も同様に移動可能なロックデバイス(14)を備え、前記ロックデバイス(14)は、前記ロボットインターフェース(32)によって係合されるように、前記縦軸に対して横軸にある前記作動デバイス(10)の遠位外面に位置する作動要素(16)を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載のバルブ(2)。
【請求項8】
前記ロックデバイス(14)の前記作動要素(16)は前記縦軸の周りで回転して移動可能であり、前記ロボットインターフェース(32)によって回転して係合されるように、非円形である外面(16.1)、または少なくとも1つのくぼみ(16.2)を伴う外面(16.1)を示す、請求項7に記載のバルブ(2)。
【請求項9】
前記ロックデバイス(14)の前記作動要素(16)は、前記円形フランジ(16)によって形成される、請求項8に記載のバルブ(2)。
【請求項10】
前記ロックデバイス(14)は、前記座部(24.2)から離れる前記シャッター(24.1)の前記持ち上げ運動を防止するために、前記ロック位置で、前記遮断デバイス(24)の前記シャッター(24.1)と機械的に係合するように構成される、請求項7~9のいずれか1項に記載のバルブ(2)。
【請求項11】
前記ロックデバイス(14)は、回転すると、前記縦軸に沿って並進して移動し、前記座部(24.2)から離れる前記シャッター(24.1)の前記持ち上げ運動を防止するように、前記本体(4.5)とねじで係合する回転可能要素を含む、請求項7~10のいずれか1項に記載のバルブ(2)。
【請求項12】
前記流体ポート(18)またはタペット(118)は、前記ロックデバイス(14)の前記回転可能要素を通り縦方向に延在する、請求項3~5の1項に記載の及び請求項11に記載のバルブ(2)。
【請求項13】
前記ロックデバイス(14)の前記回転可能要素に取り付けられ、前記円形フランジ(16)を支える、前記作動デバイス(10)に適合したキャップ(12)を備える、請求項11または12に記載のバルブ(2)。
【請求項14】
前記円形フランジ(16)を伴う前記キャップ(12)は、成形された一体型単一要素である、請求項13に記載のバルブ(2)。
【請求項15】
前記キャップ(12)は円筒壁(12.1)を含み、前記円筒壁(12.1)は、前記作動デバイス(10)を囲み、前記ロック位置及び/またはロック解除位置で、前記作動デバイス(10)の外面に見える印を選択的にレンダリングするように構成された少なくとも1つの開口(12.2)が設けられている、請求項13または14に記載のバルブ(2)。
【請求項16】
前記作動デバイス(10)は空気圧式であり、前記シャッター(24.1)を支えるスピンドル(26)の周りに並んでいる、共通流体入口(18)によって圧力が供給されるように構成された独立チャンバーに、少なくとも2つのピストン(28)を備える、請求項1~15のいずれか1項に記載のバルブ(2)。
【請求項17】
前記作動デバイス(110)は油圧式であり、圧力によって生じた前記タペット(118)の運動を、短いストローク及びより高い力の前記シャッターの前記持ち上げ運動に変換するように構成される、請求項1~15のいずれか1項に記載のバルブ(102)。
【請求項18】
請求項1~17のいずれか1項に記載のバルブ(102)の作動デバイス(110)と係合するためのロボットインターフェース(132)であって、前記ロボットインターフェース(132)は、
-前記作動デバイス(110)で軸方向に滑るように構成されたキャップ型ハウジング(132.1)と、
-前記作動デバイス(110)の前記外部円形溝(116)と係合するための少なくとも1つの半径方向ロックデバイス(132.2)と、
-前記キャップ型ハウジング(132.1)に収容され、作動すると、前記通路を開放するように、前記作動デバイス(110)に圧力をかけるように構成されたピストン(132.4)と、
を備えることを特徴とする、ロボットインターフェース(132)。
【請求項19】
前記少なくとも1つの半径方向ロックデバイス(132.2)は、直径方向で反対になるように配置された前記2つの半径方向ロックデバイスを含む、請求項18に記載のロボットインターフェース(132)。
【請求項20】
前記少なくとも1つの半径方向ロックデバイス(132.2)のそれぞれは、前記作動デバイス(110)の前記外部円形溝(116)と選択的に係合するための空気圧作動可能ピン(132.2.3)を備える、請求項18または19に記載のロボットインターフェース(132)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮ガス用のバルブの分野を対象とし、具体的には、ガスボンベに搭載されるバルブを対象とする。
【背景技術】
【0002】
先行技術の特許文献として公開されている国際公開第01/44703号では、圧縮ガスを収容するシリンダーのネックに搭載される圧縮ガス用のバルブが開示されている。バルブは、正常に閉鎖するように、座部に接触して皿ばねワッシャのスタックによって付勢されるシャッターを備える。バルブは、シャッターを保持する中央スピンドルに沿って並んで配置され、中央スピンドルの中央流体入口によって全て供給される独立チャンバーに位置する、3つのピストンから成る作動デバイスを備える。スピンドルの各ピストンによってかけられた作動力は蓄積され、ひいては、皿ばねワッシャのスタックの弾性力に対抗するために十分に高い。
【0003】
先行技術の特許文献として公開されている国際公開第2016/096436号では、圧縮ガスを収容するシリンダーのネックに搭載される、前述の文献のバルブと同様の圧縮ガス用のバルブが開示されている。座部に向かって皿ばねワッシャのスタックによって付勢される作動要素によって、シャッターが保持されることにより、バルブは正常に閉鎖する。バルブは空気圧式及び油圧式作動デバイスを備え、すなわち、圧縮空気によって供給された上側チャンバーの大きい部分と、作動要素及び本体により、油等の非圧縮性流体で満たされた下側チャンバーを区切る小さい部分とを伴うピストンから成り、作動要素を持ち上げることが可能な増力ユニットを形成し、ひいては、皿ばねワッシャのスタックの弾性力に抵抗して座部を遮断する。非圧縮性流体の制限手段は、下側チャンバーの一方の部分から他方の部分への移送を減速させ、ひいては減速バルブの開放の減速を実現するために設けられている。
【0004】
人間の健康に危険性があるガスに関して、例えば、半導体の生産に使用されるガス(アルシンならびにホスフィンのようなドーパントガス、及びエッチングガス等)に関して、ガスボンベの自動交換がもたらされるのが望ましい場合がある。ガスボンベの搬送及び操作に加えて、これは、ガスボンベを遮断及びその接続を断ち、ガスボンベを交換し、その後、新しいガスボンベを接続し、バルブを開放することを含意する。そのような動作は、バルブへの特定の適応が必要になる。
【0005】
先行技術の特許文献として公開されている英国特許出願公開第2168787号明細書では、放射性危険ガスである六フッ化ウランを供給するために使用されるバルブ用のリモート作動システムが開示されている。本システムは、バルブに堅固に搭載されたアダプタと、アダプタに係合するバヨネット接続部が設けられたソケットとを提供する。バヨネット接続部がバルブのアダプタと適切に係合する時点で、アダプタは、非円形ソケットを対応するバルブ動作要素と係合させることによって、そして、それらの要素のリモート回転によって動作できる。本システムは高レベルの安全性を提供する。しかしながら、ロボット係合に合わせて設計されておらず、ロボット係合に適切ではない。さらに、本システムは機械的に複雑である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第01/44703号
【特許文献2】国際公開第2016/096436号
【特許文献3】英国特許出願公開第2168787号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記の先行技術の少なくとも1つの欠点を克服する技術的課題がある。より具体的には、本発明では、技術的問題に関して、ガソリンスタンドでガスボンベの自動交換を容易にすることがもたらされる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は圧縮ガス用のバルブを対象とし、バルブは、入口、出口、及び該入口ならびに出口と相互接続する通路を伴う本体と;、通路で座部と協調するために、バルブの縦軸に沿って並進して動けるシャッターを伴う、遮断デバイスであって、該シャッターは、該通路を正常に閉鎖するように、該座部に接触して1つ以上の弾性要素によって付勢される、遮断デバイスと;、通路を開放するように座部から離れるシャッターの持ち上げ運動に圧力を変換するように構成された作動デバイスと;、を備え、作動デバイスは、縦軸の周りに延在する外部円形フランジまたは外部円形溝を含み、圧力を作動デバイスに提供するロボットインターフェースによって係合されるように構成される。
【0009】
好ましい実施形態に従って、作動デバイスは、縦軸に対して、近位半分部及び遠位半分部を含み、外部円形フランジまたは外部円形溝は、遠位半分部に形成される、または遠位半分部に取り付けられる。
【0010】
好ましい実施形態に従って、作動デバイスは、ロボットインターフェースから圧力を受けるための流体ポートまたはタペットを備え、該流体ポートまたはタペットは外部円形フランジまたは外部円形溝の中心にある。
【0011】
好ましい実施形態に従って、作動デバイスの流体ポートまたはタペットは、縦軸に沿った並進運動によって、ロボットインターフェースによって係合するように構成される。
【0012】
好ましい実施形態に従って、作動デバイスの流体ポートまたはタペットは、縦軸に対して横軸にある該作動デバイスの遠位外面に位置する。
【0013】
好ましい実施形態に従って、外部円形フランジまたは外部円形溝は、ロボットインターフェースのロック要素によって係合するための正方向接触表面を形成するように、縦軸に垂直である環状内面、または縦軸に垂直な平面に対して正方向に先細りになる環状内面を含む。
【0014】
好ましい実施形態に従って、作動デバイスは、遮断デバイスを開放することを防止するロック位置から、遮断デバイスを開放することを可能にするロック解除位置まで移動可能であり、逆の場合も同様に移動可能なロックデバイスを備え、該ロックデバイスは、ロボットインターフェースによって係合されるように、縦軸に対して横軸にある該作動デバイスの遠位外面に位置する作動要素を含む。
【0015】
好ましい実施形態に従って、ロックデバイスの作動要素は縦軸の周りで回転して移動可能であり、ロボットインターフェースによって回転して係合されるように、非円形である外面、または少なくとも1つのくぼみを伴う外面を示す。
【0016】
好ましい実施形態に従って、ロックデバイスの作動要素は、円形フランジによって形成される。
【0017】
好ましい実施形態に従って、ロックデバイスは、座部から離れるシャッターの持ち上げ運動を防止するために、ロック位置で、遮断デバイスのシャッターと機械的に係合するように構成される。
【0018】
好ましい実施形態に従って、ロックデバイスは、回転すると、縦軸に沿って並進して移動し、座部から離れるシャッターの持ち上げ運動を防止するように、本体とねじで係合する回転可能要素を含む。
【0019】
好ましい実施形態に従って、流体ポートまたはタペットは、ロックデバイスの回転可能要素を通り縦方向に延在する。
【0020】
好ましい実施形態に従って、ロックデバイスの回転可能要素に取り付けられ、円形フランジを支える、作動デバイスに適合したキャップを備える。
【0021】
好ましい実施形態に従って、円形フランジを伴うキャップは、成形された一体型単一要素である。
【0022】
好ましい実施形態に従って、キャップは円筒壁を含み、円筒壁は、作動デバイスを囲み、ロック位置及び/またはロック解除位置で、作動デバイスの外面に見える印を選択的にレンダリングするように構成された少なくとも1つの開口が設けられている。
【0023】
好ましい実施形態に従って、作動デバイスは空気圧式であり、シャッターを支えるスピンドルの周りに並んでいる、共通流体入口によって圧力が供給されるように構成された独立チャンバーに収容された、少なくとも2つのピストンを備える。
【0024】
好ましい実施形態に従って、作動デバイスは油圧式であり、圧力によって生じたタペットの運動を、短いストローク及びより高い力のシャッターの持ち上げ運動に変換するように構成される。
【0025】
本発明は、また、発明に従ったバルブの作動デバイスと係合するためのロボットインターフェースを対象とし、ロボットインターフェースは、作動デバイスで軸方向に滑るように構成されたキャップ型ハウジングと;、作動デバイスの外部円形溝と係合するための少なくとも1つの半径方向ロックデバイスと;、キャップ型ハウジングに収容され、作動すると、通路を開放するように、作動デバイスに圧力をかけるように構成されたピストンと;、を備える。
【0026】
好ましい実施形態に従って、少なくとも1つの半径方向ロックデバイスは、直径方向で反対になるように配置された2つの半径方向ロックデバイスを含む。
【0027】
好ましい実施形態に従って、少なくとも1つの半径方向ロックデバイスのそれぞれは、作動デバイスの外部円形溝と選択的に係合するための空気圧作動可能ピンを備える。
【発明の効果】
【0028】
特に、本発明によりロボットインターフェースによって動作するように特別に適応及び設計されているバルブが提供される点について、本発明は着目している。バルブを自動的に動作させるためのロボットインターフェースを伴うロボットアームの運動はエラーが生じやすく、本質的に、位置決め精度の制限が示される。したがって、ロボットインターフェース用のバルブに頑強な係合手段、すなわち信頼性がある係合手段を提供して、ロボットインターフェースの位置決め公差を補償することが重要である。作動デバイスの外部円形フランジまたは外部円形溝は、ロボットインターフェース用のバルブでそのような頑強な係合手段を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の第1の実施形態による、圧縮ガス用のバルブの平面図である。
図2図1のバルブの別の図である。
図3図2のバルブの上面図である。
図4図1図3のバルブの構造を示すバルブの概略断面図である。
図5】ロボットインターフェースによって係合されている図1図4のバルブの上部の平面図である。
図6】本発明の第2の実施形態による、ロボットインターフェースを伴う圧縮ガス用のバルブの斜視図である。
図7図6のロボットインターフェースの部分斜視図である。
図8図6及び図7のロボットインターフェースとバルブとの係合部の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下の説明では、「遠位」及び「近位」の概念は、特に別に指定のない限り、説明される主要要素、例えばバルブの中央部または中核部を基準とするものとして理解されたい。
【0031】
図1図5は、本発明の第1の実施形態を示す。
【0032】
図1は、ガスボンベのネックまたはカラーに搭載されるように設計されている圧縮ガス用のバルブ2を示す。バルブ2は、ガスボンベ(図示されない)のネックまたはカラーで対応するメスねじに係合するように設計されたオスねじ部4.1を伴う本体4を含む。従来どおり、オスねじは例えば先細りである。ガス入口6は、オスねじ部4.1の遠位面に設けられている。また、ガス出口8は、本体4に設けられ、つまり本体4の出口部4.2に設けられている。通路(図示せず)は、入口6を出口8と流体的に相互接続させる。
【0033】
遮断デバイス(図示せず)は、本体4に設けられ、例えば、本体4の中心部4.3に設けられている。遮断デバイスは、入口6を出口8と流体的に相互接続させる通路を選択的に遮断する、または閉鎖及び開放するように設計されている。遮断デバイスは、本体4の中心部4.3に隣接する作動デバイス10によって動作する。キャップ12は、作動デバイス10の遠位半分部に適合し、バルブ2のロックデバイス14の回転可能要素に載っている。通路を開放するための遮断デバイスにおける作動デバイス10の動作は、ロックデバイス14によって妨げることができる。ロックデバイス14は、ロック解除位置とロック位置との間で移動可能であり、逆の場合も同様に移動可能である。ロック位置では、作動デバイス10によって、正常に閉鎖する遮断デバイスを開放できない。ロック解除位置では、作動デバイス10によって、遮断デバイスを動作でき、例えば開放できる。例えば、ロックデバイス14は回転可能であり、また、ロックデバイス14は、異なる状態でも、例えば並進して動作可能であり得ることが理解される。
【0034】
キャップ12は、ロックデバイス14の上方に、バルブ2の遠位端に円形フランジ16を備える。円形フランジは、例えば、円形フランジ16を回転させることによって、ひいては、キャップ12を介して円形フランジ16に安全に固定されたロックデバイス14を回転させることによって、バルブ2の遮断デバイスを選択的にロック解除またはロックすることを自動的に行うために、ロボットインターフェースによって係合されるように設計されている。
【0035】
さらに図1を参照すると、作動デバイス10は空気圧式であり、例えば、バルブ2の縦軸と整合する流体ポート18を備え、この流体ポート18は、ここで上述のロボットインターフェースによって、ガス気密して係合するように設計されており、これは、ロックデバイス14がそのロック解除位置に移動しているときだけ、遮断デバイスを動作させるために圧縮空気等の加圧流体を作動デバイス10に供給し、ガスボンベにおける圧縮ガス用の通路を開放するために、上記のように設計されている。
【0036】
図2は、図1のバルブ2の別の側面図である。この図では、図1とは対照的に、キャップ12は切断されていない。キャップ12は、近位端において、作動デバイス10の外面を密接に囲む略円筒壁12.1を含むことを観察できる。円筒壁12.1には、ロックデバイス14のロック位置及びロック解除位置に、作動デバイス10の外面上に、印またはいずれかの種類のマークを選択的に示すことを可能にする開口12.2が示される。そのような印またはマークは、開口12.2の横位置が原因で、図2では見えない。しかしながら、異なる色の点または表面について、例えば、ロック解除位置について緑及びロック位置について赤、または逆の場合も同様に、マークの安全性に関連する目的に応じて、これらのロック位置及びロック解除位置に対応する場所に設けることができるのは明らかである。
【0037】
図3は、図2に従って配向された、図1及び図2のバルブ2の上面図である。フランジ16には、くぼみ16.2が設けられた円形外面16.1が示され、例えば、3つのくぼみ16.2が該円形外面16.1の周りに均等に分配されている。これらのくぼみ16.2は、上述のロボットインターフェースが、バルブの遮断デバイスを選択的にロックする、またはロック解除するために、フランジ16及びキャップ12を回転させるように、フランジ16と回転して係合することを可能にする。くぼみ16.2は例えば円形であり、すなわち、キャップ12をロックデバイス14(図1)に締めるねじ20と整合する円の一部である。くぼみ16.2により、ねじ20は縦軸と平行に容易に係合できる。
【0038】
フランジ16には、また、縦軸に垂直な環状内面16.3が示され、ロボットインターフェース32によって、軸方向における係合が可能になる。
【0039】
さらに図3を参照すると、より具体的には、キャップ12及びフランジ16のバルブ2の中心における流体ポート18が観察できる。流体部分には、流体ポートから遠位に突出するニップルによって係合されるための内ねじを示すことができ、該ニップルは、具体的には、ロボットインターフェースにおける対応するニップルまたは接触表面とガス気密して係合するように設計または選択される。ガス気密接続部とのそのような係合を提供するための様々な解決策が可能であり、当業者が対応できる範囲内にあることが理解される。
【0040】
キャップ12は成形であり、一体型要素であり得る。キャップ12は、ファイバー、例えばガラスファイバー、及びナイロンPA6.6等の樹脂を含む複合材料から作ることができる。
【0041】
図4は、機能原理を示す図1図3のバルブ2と同様のバルブの概略断面図である。
【0042】
これは明らかなように、本体4に形成された通路22は、入口6を出口8と流体的に相互接続させる。遮断デバイス24は、例えば縦軸に沿って並進して移動可能なシャッター24.1と、通路22を囲む座部24.2とを含む。座部24.2は、示されるように、本体4に直接に形成できる、または本体4に設置及び締結される部分として形成できる。シャッター24.1は、中央縦軸に沿って並進して移動可能であるスピンドル26によって支えられる。複数のピストン28は、中央スピンドル26の周りに適合し、並んで配置される。本実施形態では、ピストンの数は3つであるが、ピストンの数は、例えば、1、2、4、またはさらに多い数になるように異なり得ることを理解されたい。下側ピストン28は、中央スピンドル28の下側突起26.1に載っており、当接表面を形成する。ピストン28のそれぞれは、中央スピンドル26の周りに適合したスリーブ部28.1を含み、積み重なるように相互に接触して当接する。本体4のハウジング部4.4に形成された特定のチャンバーで、各ピストンを摺動自在に受ける。このハウジング部は、例えば、ねじ手段によって、本体4の中心部4.3と一体的に形成できる、または中心部4.3に取り付けることができることが理解される。皿ばねワッシャ30のスタックは、中央スピンドル26の周りに適合し、上端で、本体4のハウジング部4.4に取り付けられたカバープレート4.5に載り、下端で、上側ピストン28に載っている。皿ばねワッシャ30のスタックに事前に負荷を加えることで、ワッシャ30のスタックは、積み重ねられたピストン28に圧縮軸力をかけ、そして、中央スピンドル28の突起26.1を介して、中央スピンドル26、及び座部24.2に接触するシャッター24.1にも圧縮軸力がかかる。それによって、遮断デバイス24は正常に閉鎖する。
【0043】
中央スピンドル26の流体ポート18を介して流圧が加わると、該流圧は、ピストン28の異なるチャンバーの中央スピンドル26に形成されたチャネル26.3を介して分配される。ピストン28のそれぞれは、流圧によって上向きに付勢され、生じる力を、スリーブ部28.1を介して、そして下側当接部26.3を介して中央スピンドル26に伝達する。チャンバーが独立しており、すなわち、ピストンの上面が大気圧であるため、差動ピストンの力は蓄積する。遠位に向いている力が生じることにより、入口6と出口8との間の通路22を開放するように、中央スピンドル26及びシャッター24.1が座部24.2から離れて持ち上がる。上記の原理がそのようなものとして当業者から知られているため、さらに詳述する必要はない。
【0044】
ロックデバイス14は、本質的に、中央スピンドル26を囲む回転要素によって形成され、そして、本体4の対応するねじと係合する、例えば、該本体4のカバープレート4.5と係合するねじ14.1も形成される。これは、ロックデバイスを縦軸の周りに回転させて、該軸に沿って並進して該デバイスを移動させることを意味する。次に、ロックデバイスの下面14.2は、中央スピンドルの上側当接部26.4に接触し、下側位置及び閉鎖位置で該中央スピンドル26.4及びシャッター24.1を押すことができる。
【0045】
ロックデバイス14と本体4との間のねじ係合部は、中央スピンドル26及びシャッター24.1で押圧を十分な程度に生成するが、あまり高くならないように生成しながら、十分な並進運動に、理想的にはフル回転(すなわち、360°)よりも少ない所与の回転角を提供する適切なピッチを選択することによって最適化できる。
【0046】
図5は、図1図4のバルブ2と係合するロボットインターフェース32の例を示す。
【0047】
ロボットインターフェース32は、破線で表され、フランジ16の外面16.1に形成されたくぼみ16.2と係合する3つの指32.1と、流体ポート18と係合する中央流体供給部32.2と、が示される。ロボットインターフェース32が回転すると、ギャップ12ひいてはロックデバイス(図示せず)は回転する。新しく充填されたガスボンベの場合、搬送中、ロックデバイスはロック位置にある。図5に示されるように、ガスボンベがガス消費設備のキャビネットに適切に位置決められ、バルブの出口は設備の入口導管に適切に接続された時点で、ロボットインターフェース32はバルブ2と係合して移動する。次に、ロックデバイスがロック位置からロック解除位置に移動するように、ロボットインターフェース32は回転する。その後、圧縮空気等の加圧流体は、流体供給32.2を通して、バルブ2の通路を開放するように、作動デバイスの流体ポート18に供給できる。
【0048】
図6図8は、本発明の第2の実施形態を示す。第1の実施形態の参照番号は同じ要素または対応する要素を指定するために使用されるが、これらの符号は100が追加されている。また、その符号は、第1の実施形態に関連するこれらの要素の説明を参照している。100~200を含む特定の参照番号は、特定の要素を指定するために使用される。
【0049】
図6は、バルブ102及び対応するロボットインターフェース132の斜視図である。
【0050】
バルブ102は、作動デバイスが空気圧式ではないが油圧式である点で、第1の実施形態のバルブ2と本質的に異なり、タペット118の下降運動、すなわち近位方向の下降運動を、通路を開放するように座部(図示せず)から離れるシャッター(図示せず)の持ち上げ運動に変換するように構成される。
【0051】
栓118の押出運動を座部(図示せず)から離れるシャッター(図示せず)の持ち上げ運動に変換するためのバルブ102の油圧構造は、ハウジングで、油等の非圧縮性流体を収容する補助チャンバーを区切るように該ハウジング内で摺動自在に受けた第1のピストンを形成する作動要素によって実現できる。遮断デバイスのシャッターは作動要素に取り付けられる。タペットは、作動要素を通って摺動自在に受ける第2のピストンに機械的に連結され、また補助チャンバーも区切る。第2のピストンには、作動要素によって形成された第1のピストンの有効断面よりも小さい非圧縮性流体と接触する有効断面が示される。次に、タペット118の押出運動が第1のピストンを第2のピストンに対応するように侵入させることによって、補助チャンバーの圧力が増加し、該圧力の増加により、作動要素によって形成された第2のピストンの持ち上げ運動を生じさせる。そのような構造がそのようなものとして当業者から知られているため、さらに詳述する必要はない。
【0052】
上記の油圧構造は例示的であり、上述と同じ機能を実現する他の構造及び他の機構を考えることが理解される。
【0053】
バルブ102がロックデバイスを備えない点でも、バルブ102は第1の実施形態のバルブ2と異なる。例えば、第1の実施形態のデバイスと同様のロックデバイスが存在する可能性があることを留意するのは重要である。
【0054】
作動デバイス110には、ロボットインターフェース132によって係合できる外部円形溝116が示される。ロボットインターフェース132は、作動デバイス110で軸方向に摺動するように設計されているキャップ型ハウジング132.1と、外部円形溝110と係合するための2つの半径方向ロックデバイス132.2と、キャップ型ハウジング13.2.1に収容されたピストンと、を備え、ポート132.3を介して加圧流体を供給すると、通路を開放するように、作動デバイス110のタペット118に圧力をかけるように構成される。
【0055】
図7及び図8は、各々、単独の状態の図6のロボットインターフェースの部分断面図であり、図6のバルブと係合しているロボットインターフェースの部分断面図である。
【0056】
ロボットインターフェース132のキャップ型ハウジング132.1は、ピストン132.4を遠位に付勢させるために、すなわち、キャップ型ハウジング132.1の開口部に向かって付勢させるために、加圧流体、例えば圧縮空気が供給できるチャンバー132.5を形成するピストン132.4を摺動可能に収容する。
【0057】
半径方向ロックデバイス132.2のそれぞれは、流体入口132.2.2と、ピン132.2.3を収容するチャンバーとを伴うハウジング132.2.1を備え、ピン132.2.3は、流体入口132.2.2を介してチャンバーの加圧流体が加わると、外部円形溝116に向かって半径方向に付勢される。
【0058】
動作中、ロボットインターフェース132、より具体的にはキャップ型ハウジング132.1が作動デバイス110で軸方向に摺動する時点で、半径方向ロックデバイス132.2に加圧流体、例えば圧縮空気が供給されることによって、各々のピン132.2.3は外部円形溝116に係合する。その段階において、ロボットインターフェース132は作動デバイス110に軸方向に固定される。次に、チャンバー132.5は、ピストン132.4がタペット118(図6)に接触しタペット118が移動してバルブを開放するまで、対応するポート132.3を介して、ピストン132.4を下方に移動させるために、すなわち、キャップ型ハウジング132.1の開口部に向かって移動させるために、加圧流体、例えば圧縮空気が供給できる。
【0059】
具体的には、図8を参照すると、外部円形溝116は環状内面116.3を含み、環状内面116.3は、ロボットインターフェース132の半径方向ロックデバイス132.2のピン132.2.3と係合するための正方向接触表面を形成するように、縦軸に略垂直であり、より正確には、縦軸に垂直な平面に対して正方向に先細りになる。正方向接触表面を正方向に先細りにし及びそれを形成することによって、環状内面116.1の傾きにより、幾何学的に増加する、または少なくとも、軸方向におけるピン132.2.3との機械的係合が減らないことを意味する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】