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特表2023-541935認証を用いて外科用ステープラのエンドエフェクタにバットレスを適用するための装置及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-04
(54)【発明の名称】認証を用いて外科用ステープラのエンドエフェクタにバットレスを適用するための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/072 20060101AFI20230927BHJP
【FI】
A61B17/072
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023517300
(86)(22)【出願日】2021-09-15
(85)【翻訳文提出日】2023-04-19
(86)【国際出願番号】 IB2021058412
(87)【国際公開番号】W WO2022058907
(87)【国際公開日】2022-03-24
(31)【優先権主張番号】17/022,442
(32)【優先日】2020-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506157570
【氏名又は名称】シラグ・ゲーエムベーハー・インターナショナル
【氏名又は名称原語表記】Cilag GMBH International
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ゼイナー・マーク・エス
(72)【発明者】
【氏名】ストラング・ヘザー
(72)【発明者】
【氏名】リッジリー・パメラ・エム
(72)【発明者】
【氏名】デンジンガー・クリストファー・エイ
(72)【発明者】
【氏名】ソウ・クリストファー・キュー
(72)【発明者】
【氏名】ベンデリー・マイケル・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】バコス・グレゴリー・ジェイ
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160CC07
4C160CC09
4C160CC23
4C160CC40
(57)【要約】
装置は、プラットフォームと、補助材料と、係合特徴部と、を含む。プラットフォームは、上側支持体と、下側支持体と、を含む。補助材料は、上側支持体又は下側支持体上に配置される。上側支持体は、外科用ステープラ内へと組み込まれたエンドエフェクタの顎部に補助材料を適用するために、下側支持体に対して移動するように構成されている。係合特徴部は、エンドエフェクタの所定の部分と相互作用して、下側支持体に対する上側支持体の移動を可能にし、それによって、補助材料をエンドエフェクタの顎部に適用するように構成されている。係合特徴部は、係合特徴部がエンドエフェクタの所定の部分から係合解除される場合に下側支持体に対する上側支持体の移動を阻止するように更に構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
(a)上側支持体と、下側支持体と、を含む、プラットフォームと、
(b)前記上側支持体又は前記下側支持体上に配置された補助材料であって、前記上側支持体が、外科用ステープラのエンドエフェクタの顎部に向かう方向に前記下側支持体に対して移動して、前記補助材料を前記顎部に適用するように構成されている、補助材料と、
(c)係合特徴部であって、前記係合特徴部が、前記エンドエフェクタの所定の部分と相互作用して、前記下側支持体に対する前記上側支持体の移動を可能にし、それによって、前記補助材料を前記エンドエフェクタの前記顎部に適用するように構成されており、前記係合特徴部は、前記係合特徴部が前記エンドエフェクタの前記所定の部分から係合解除される場合に前記下側支持体に対する前記上側支持体の移動を阻止するように構成されている、係合特徴部と、を備える、装置。
【請求項2】
前記係合特徴部が、係合部分を有するアクチュエータを含み、前記係合部分が、前記エンドエフェクタの前記所定の部分に係合して前記アクチュエータを移動させ、それによって、前記下側支持体に対する前記上側支持体の移動を可能にするように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
把持特徴部を更に備え、前記把持特徴部が、前記プラットフォームに対して移動可能であり、前記下側支持体に対する前記上側支持体の移動を駆動させる、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記アクチュエータが、前記プラットフォームに対する前記把持特徴部の移動を停止させるために前記把持特徴部の一部分に係合するように構成されている、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記アクチュエータが、解放開口部を含み、前記アクチュエータが、前記把持特徴部に対して前記解放開口部を移動させて、前記把持特徴部の移動を選択的にロック及びロック解除するように構成されている、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記係合特徴部が、キー付き端部を有するプローブを含み、前記キー付き端部が、前記エンドエフェクタの前記所定の部分と嵌合するように構成されており、前記キー付き端部が、前記エンドエフェクタの前記対応する部分と係合して、前記下側支持体に対する前記上側支持体の移動を可能にするように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記上側支持体を前記下側支持体に連結するように構成されたラッチを更に備え、前記キー付き端部が、前記エンドエフェクタの前記対応する部分との係合に応答して並進し、それによって、前記上側支持体を前記下側支持体から分離するように構成されている、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
ばねを更に備え、前記ばねが、前記ラッチが前記上側支持体から分離される際に前記下側支持体に対する前記上側支持体の移動を駆動させるように構成されている、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
ばね及びダッシュポットを更に備え、前記ばねが、前記ラッチが前記上側支持体から分離される際に前記下側支持体に対する前記上側支持体の移動を駆動させるように構成されており、前記ダッシュポットが、前記ばねによって駆動される移動を減衰させるように構成されている、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記ラッチが、前記下側支持体に対して回転するように構成された細長い部材を含み、前記アクチュエータが、前記ラッチの前記細長い部材を回転させるように構成された細長いプッシャを含む、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記補助材料が、第1のバットレス組立体及び第2のバットレス組立体を含み、前記第1のバットレス組立体が前記上側支持体上に配置され、前記第2のバットレス組立体が前記下側支持体上に配置されている、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
モータと、前記モータと連通する電源と、を更に備え、前記モータが、少なくとも前記上側支持体と連通して、前記下側支持体に対する前記上側支持体の移動を駆動し、前記係合特徴部が、前記エンドエフェクタの前記所定の部分との係合に応答して前記モータを作動させるように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記係合特徴部が上側挿入部及び下側挿入部を含み、前記上側挿入部が前記上側支持体から上向きに延在し、前記下側挿入部が前記下側支持体から下向きに延在する、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記上側挿入部が、前記エンドエフェクタのアンビルに係合するように構成されており、前記下側支持体が、前記エンドエフェクタのステープルカートリッジに係合するように構成されている、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記上側支持体が、前記下側支持体に対して枢動して、前記上側挿入部と前記エンドエフェクタの前記アンビルとの間の係合を駆動させるように構成されている、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
装置であって、
(a)エンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタが、
(i)アンビルと、
(ii)複数のステープルを支持するように構成された顎部であって、前記アンビル及び前記顎部が、組織をクランプするために互いに対して枢動可能である、顎部と、を備える、エンドエフェクタと、
(b)バットレスアプライヤカートリッジであって、前記バットレスアプライヤカートリッジが、
(i)下側支持体及び上側支持体を有するプラットフォームであって、前記上側支持体が、前記プラットフォームを非拡張構成から拡張構成に移行させるために前記下側支持体に対して移動するように構成されている、プラットフォームと、
(ii)エンドエフェクタ係合組立体であって、前記エンドエフェクタ係合組立体の一部分が前記エンドエフェクタの一部分と係合した場合に前記プラットフォームの前記拡張構成への移行を可能にするように構成された、エンドエフェクタ係合組立体と、を含む、バットレスアプライヤカートリッジと、
(c)前記バットレスアプライヤカートリッジの前記上側支持体又は前記下側支持体上に配置されたバットレス組立体であって、前記上側支持体又は前記下側支持体は、前記プラットフォームが前記拡張構成にある場合に前記バットレス組立体を前記エンドエフェクタに適用するように構成されている、バットレス組立体と、を備える、装置。
【請求項17】
前記エンドエフェクタ係合組立体がプローブを含み、前記プローブが、前記エンドエフェクタの一部分にキー付けされた係合部分を有し、前記係合部分は、前記バットレスアプライヤカートリッジが前記エンドエフェクタの前記アンビル及び前記下側顎部と位置合わせされた場合に前記エンドエフェクタと係合するように構成されている、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記エンドエフェクタ係合組立体が、第1のロケータ及び第2のロケータを含み、前記第1のロケータが、前記アンビルの少なくとも一部分内に受容されるように構成されており、前記第2のロケータが、前記顎部の少なくとも一部分内に受容されるように構成されている、請求項16に記載の装置。
【請求項19】
方法であって、
(a)バットレスアプライヤカートリッジの下側挿入部を未使用のステープルカートリッジのスロット内へと挿入して、前記バットレスアプライヤカートリッジの下側支持プラットフォームから前記ステープルカートリッジの上側デッキ上に、第1のバットレス組立体を適用することと、
(b)前記バットレスアプライヤカートリッジの上側支持プラットフォームを前記下側支持プラットフォームに対して移動させて、前記バットレスアプライヤカートリッジの上側挿入部を外科用ステープラエンドエフェクタのアンビルのアンビルスロット内へと挿入することと、
(c)前記上側挿入部が前記アンビルスロット内に受容されている間に、前記上側支持プラットフォームの前記移動を使用して、第2のバットレス組立体を前記アンビル上に適用することと、を含む、方法。
【請求項20】
前記下側挿入部を前記未使用のステープルカートリッジの前記スロット内へと挿入する前記工程の後に、前記未使用のステープルカートリッジを前記外科用ステープラエンドエフェクタの下側顎部内へと挿入する工程を更に含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
いくつかの外科的状況において、内視鏡外科用器具は、患者におけるより小規模の切開術を使用するために、従来の開腹式外科用デバイスよりも好ましい場合があり、このより小規模の切開術の使用により、術後回復時間及び合併症が低減され得る。何種かの内視鏡外科用器具は、トロカールのカニューレを通して所望の手術部位に遠位エンドエフェクタを配置するのに好適であり得る。これらの遠位エンドエフェクタは、種々の方法で組織と係合して、診断又は治療効果を達成し得る(例えば、エンドカッター、把持具、カッター、ステープラ、クリップアプライヤ、アクセスデバイス、薬物/遺伝子治療送達デバイス、及び、超音波、RF、レーザーを使用するエネルギー送達デバイス等)。内視鏡外科用器具は、エンドエフェクタとハンドル部分との間に、臨床医によって操作されるシャフトを含んでもよい。このようなシャフトは、所望の深さへの挿入及びシャフトの長手方向軸線を中心とした回転を可能にし、それによって、患者の体内でエンドエフェクタの位置決めを行うことを容易にしてもよい。エンドエフェクタの位置決めは、エンドエフェクタをシャフトの長手方向軸線に対して選択的に関節動作させるか又は別様に偏向させることを可能にする、1つ以上の関節動作接合部又は特徴部を含めることによって、更に容易に行うことができる。
【0002】
内視鏡外科用器具の実施例として、外科用ステープラが挙げられる。いくつかのこのようなステープラは、組織層をクランプし、クランプされた組織層を切断し、組織層を通してステープルを打ち込むことによって、組織層の切断された端部の近くで、切断された組織層を互いに実質的に封止するように動作可能である。単なる例示的な外科用ステープラが、2008年6月3日に発行された米国特許第7,380,696号、発明の名称:「Articulating Surgical Stapling Instrument Incorporating a Two-Piece E-Beam Firing Mechanism」、2013年4月2日に発行された米国特許第8,408,439号、発明の名称:「Surgical Stapling Instrument with An Articulatable End Effector」、及び2013年6月4日に発行された米国特許第8,453,914号、発明の名称:「Motor-Driven Surgical Cutting Instrument with Electric Actuator Directional Control Assembly」に開示されている。上に引用した米国特許及び米国特許出願公開のそれぞれの開示内容が、本明細書に参照として組み込まれる。
【0003】
外科用ステープラはまた、開腹処置において及び/又はその他の非内視鏡処置において使用されてもよい。あくまで一例として、トロカールをステープラの導管として使用しない胸部外科処置では、外科用ステープラを開胸術によって患者の肋骨の間に挿入し、1つ以上の臓器に到達させてもよい。例えば、臓器につながる血管を、胸腔から臓器を切除する前にステープラによって切断して閉鎖してもよい。当然のことながら、外科用ステープラは、種々のその他の設定及び処置において使用されてもよい。
【0004】
種々の種類の外科用ステープル留め器具及び関連構成要素が製造及び使用されてきたが、本発明者ら以前の誰も、添付の特許請求の範囲に記載されている発明を製造又は使用したことがないと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本明細書に組み込まれ、かつその一部をなす添付の図面は、本発明の実施形態を例示するものであり、上記の本発明の一般的な説明、及び以下の実施形態の詳細な説明と共に、本発明の原理を説明する役割を果たすものである。
図1】例示の外科用ステープル留め器具の斜視図を示す。
図2図1の器具の側面図を示す。
図3】開放状態にある、図1の器具のエンドエフェクタの斜視図を示す。
図4A】発射ビームが近位位置にある、図3の線4-4に沿ってとられた、図3のエンドエフェクタの横断面図を示す。
図4B】発射ビームが遠位位置にある、図3の線4-4に沿ってとられた、図3のエンドエフェクタの横断面図を示す。
図5図3の線5-5に沿ってとられた、図3のエンドエフェクタの端面断面図を示す。
図6図3のエンドエフェクタの分解斜視図を示す。
図7】組織に配置され、組織内で1回作動された後の、図3のエンドエフェクタの斜視図を示す。
図8】それぞれが図3のエンドエフェクタの顎部に適用され得る、代表的な一対のバットレス組立体の斜視図を示す。
図9A】組織が上側顎部と下側顎部との間に配置された、開放状態でのエンドエフェクタ顎部を示している、図8のバットレス組立体がエンドエフェクタの上側顎部及び下側顎部に適用されている図3のエンドエフェクタの一部分の断面端面図を示す。
図9B】エンドエフェクタ顎部が組織上で閉鎖状態にあることを示している、図9Aのエンドエフェクタ及びバットレス組立体の断面端面図を示す。
図9C図3のエンドエフェクタによって組織に固定された後の、図9Aの形成済みステープル及びバットレス組立体の断面図を示す。
図10図3のエンドエフェクタによって組織に固定された後の、図9Aの形成済みステープル及びバットレス組立体の斜視図を示す。
図11図8のバットレス組立体を保持及び適用するために用いられ得る、代表的なバットレスアプライヤカートリッジの斜視図を示す。
図12図11のバットレスアプライヤカートリッジの上面図を示す。
図13A】エンドエフェクタとバットレスアプライヤカートリッジとが互いに位置合わせされているところを示している、図3のエンドエフェクタ及び図11のバットレスアプライヤカートリッジの斜視図を示す。
図13B】エンドエフェクタ顎部がバットレスアプライヤカートリッジのプラットフォーム上で閉鎖されている、図3のエンドエフェクタ及び図11のバットレスアプライヤカートリッジの斜視図を示す。
図14A】バットレスアプライヤカートリッジがロック構成にある、図8のバットレス組立体を支持及び適用するために使用され得る別の代表的なバットレスアプライヤカートリッジの、上部切取内部図を示す。
図14B】ロック解除構成にあるバットレスアプライヤカートリッジを示している、図14Aのバットレスアプライヤカートリッジの別の上部切取内部図を示す。
図15A図3のエンドエフェクタがバットレスアプライヤカートリッジ内へと挿入されている、図14Aのバットレスアプライヤカートリッジの部分横断面図を示す。
図15B図3のエンドエフェクタがバットレスアプライヤカートリッジ内へと完全に挿入され、バットレスアプライヤカートリッジのプラットフォームが拡張構成にある、図14Aのバットレスアプライヤカートリッジの別の部分横断面図を示す。
図16図8のバットレス組立体を支持及び適用するために用いられ得る、更に別のバットレスアプライヤカートリッジの横断面図を示す。
図17A】エンドエフェクタがバットレスアプライヤカートリッジ内へと挿入され、選択された構成要素が図から省略されている、図16のバットレスアプライヤカートリッジの上部詳細平面図を示す。
図17B図17Aのエンドエフェクタがバットレスアプライヤカートリッジ内へと完全に挿入され、選択された構成要素が図から省略されている、図17のバットレスアプライヤカートリッジの別の上部詳細平面図を示す。
図18】バットレスアプライヤカートリッジのプラットフォームが拡張構成にある、図16のバットレスアプライヤカートリッジの別の横断面図を示す。
図19A】バットレスアプライヤカートリッジ内へと挿入されているエンドエフェクタを示している、図8のバットレス組立体を支持及び適用するために使用され得る更に別のバットレスアプライヤカートリッジの部分横断面図を示す。
図19B図19Aのエンドエフェクタがバットレスアプライヤカートリッジ内へと完全に挿入されていることを示している、図19Aのバットレスアプライヤカートリッジの別の部分横断面図を示す。
図20A図19Aのバットレスアプライヤカートリッジの内部及び開回路構成にあるスイッチの概略図を示す。
図20B】閉回路構成にあるスイッチを示している、図19Aのバットレスアプライヤカートリッジの内部の別の概略図を示す。
図21A】バットレスアプライヤカートリッジ内へと挿入されているエンドエフェクタを示している、図8のバットレス組立体を支持及び適用するために使用され得る更に別のバットレスアプライヤカートリッジの部分横断面図を示す。
図21B図21Aのエンドエフェクタがバットレスアプライヤカートリッジ内へと完全に挿入されていることを示している、図21Aのバットレスアプライヤカートリッジの別の部分横断面図を示す。
図22】それぞれ、図21Aのバットレスアプライヤカートリッジ及び図21Aのエンドエフェクタの電力入力部及び電力出力部の詳細な斜視図を示す。
図23図3のエンドエフェクタのステープルカートリッジ上に配置されるバットレスアプライヤカートリッジを示している、図8のバットレス組立体を支持及び適用するために使用され得る更に別のバットレスアプライヤカートリッジの斜視図を示す。
図24A】バットレスアプライヤカートリッジ及びステープルカートリッジがエンドエフェクタの下側顎部内へと挿入されていることを示している、図23のバットレスアプライヤカートリッジ及びステープルカートリッジ並びに図3のエンドエフェクタの横断面図を示す。
図24B】エンドエフェクタの下側顎部及び拡張構成にあるバットレスアプライヤカートリッジのプラットフォーム内へと完全に挿入されているバットレスアプライヤカートリッジ及びステープルカートリッジを示している、図23のバットレスアプライヤカートリッジ及びステープルカートリッジ、並びに図3のエンドエフェクタの、別の横断面図を示す。
図24C図23のバットレスアプライヤカートリッジがエンドエフェクタから取り外された後の、図3のエンドエフェクタの横断面図を示す。
図25図8のバットレス組立体を支持及び適用するために用いられ得る、更に別のバットレスアプライヤカートリッジの部分横断面図を示す。
図26A】バットレスアプライヤカートリッジ及びステープルカートリッジが、図3のエンドエフェクタ内へと挿入され、ライナーが、バットレスアプライヤカートリッジ上に配置されていることを示している、図23のバットレスアプライヤカートリッジ及びステープルカートリッジの更に別の横断面図を示す。
図26B】バットレスアプライヤカートリッジが図3のエンドエフェクタ内へと完全に挿入されており、図26Aのライナーがエンドエフェクタと係合していることを示している、図23のバットレスアプライヤカートリッジ及びステープルカートリッジの更に別の横断面図を示す。
【0006】
図面は、いかなる方式でも限定することを意図しておらず、本発明の種々の実施形態は、図面に必ずしも描写されていないものを含め、その他の種々の方式で実施してもよいことが企図される。本明細書に組み込まれ、かつその一部をなす添付図面は、本発明のいくつかの態様を例示するものであり、説明と共に本発明の原理を説明する役割を果たすものである。しかしながら、本発明が、示される正確な配置に限定されない点が理解されよう。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本技術の特定の実施例の以下の説明は、その範囲を限定する目的で用いられるべきではない。本技術のその他の実施例、特徴、態様、実施形態、及び利点が、実例として、本技術を実施する上で想到される最良の態様の1つである以下の説明により、当業者には明らかとなるであろう。理解されるように、本明細書に記載される技術は、いずれもその技術から逸脱することなく、その他の異なる、かつ明らかな態様が可能である。したがって、図面及び説明は、限定的なものではなく、本質的に例示的なものとしてみなされるべきである。
【0008】
本明細書に記載される教示、表現、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ以上を、本明細書に記載されるその他の教示、表現、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ以上と組み合わせることができる点も、更に理解されよう。それゆえに、以下に記載される教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して切り離して考慮されるべきではない。本明細書の教示を組み合わせることができる種々の好適な方法が、本明細書の教示を考慮することにより、当業者には容易に明らかとなるであろう。このような修正例及び変形例は、特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【0009】
本開示の明瞭さのために、「近位」及び「遠位」という用語は、人間又はロボットである外科用器具の操作者に対して、本明細書で定義される。「近位」という用語は、人間又はロボットである外科用器具の操作者により近く、かつ、外科用器具の外科用エンドエフェクタから更に離れた要素の位置を意味する。「遠位」という用語は、外科用器具の外科用エンドエフェクタにより近く、かつ、人間又はロボットである外科用器具の操作者から更に離れた要素の位置を意味する。なお、「上側」、「下側」、「側方」、「横断」、「底部」、及び「頂部」という用語は、以下に提供される図の説明に更なる明瞭性を提供するための相対的な用語である。「上側」、「下側」、「側方」、「横断」、「底部」、及び「頂部」という用語は、したがって、本明細書に記載される発明を不必要に限定することを意図するものではない。
【0010】
I.代表的な外科用ステープラ
図1図7は、外科処置を実施するために、トロカールカニューレ又は切開術(例えば、開胸術など)を通して患者の手術部位に挿入するようにサイズ決定された、代表的な外科用ステープル留め及び切断器具(10)を示す。本実施例の器具(10)は、シャフト(22)に接続されたハンドル部分(20)を含み、シャフト(22)は、関節動作接合部(11)において遠位で終端をなし、関節動作接合部(11)はエンドエフェクタ(12)と更に連結されている。関節動作接合部(11)及びエンドエフェクタ(12)が、トロカールのカニューレ通路を通って一旦挿入されると、関節動作接合部(11)は、エンドエフェクタ(12)を、シャフト(22)の長手方向軸線(Longitudinal Axis、LA)から所望の角度(α)に偏向させることができるように、図1に仮想線で描写されるように、関節動作制御部(13)によって遠隔的に関節動作させられてもよい。本実施例のエンドエフェクタ(12)は、ステープルカートリッジ(37)を含んだ下側顎部(16)と、枢動可能なアンビル(18)の形態の上側顎部と、を含む。
【0011】
ハンドル部分(20)は、ピストルグリップ(24)及び閉鎖トリガ(26)を含む。閉鎖トリガ(26)は、ピストルグリップ(24)に向かって枢動可能であり、エンドエフェクタ(12)の下側顎部(16)に向かってアンビル(18)のクランプ又は閉鎖を行うことができる。このようなアンビル(18)の閉鎖は、閉鎖管(32)及び閉鎖用リング(33)を介して提供され、その両方とも、ピストルグリップ(24)に対する閉鎖トリガ(26)の枢動に応答して、ハンドル部分(20)に対して長手方向に並進する。閉鎖管(32)はシャフト(22)の長さに沿って延在し、閉鎖用リング(33)は関節動作接合部(11)の遠位に配置されている。関節動作接合部(11)は、閉鎖管(32)から閉鎖用リング(33)まで長手方向の移動を伝送/送達するように動作可能である。
【0012】
図2に示されるように、ハンドル部分(20)はまた、発射トリガ(28)を含む。細長い部材(図示せず)は、シャフト(22)を通って長手方向に延在し、発射トリガ(28)の作動に応答してハンドル部分(20)から発射ビーム(14)まで長手方向の発射運動を伝達する。以下により詳細に記載するように、発射ビーム(14)のこの遠位並進により、エンドエフェクタ(12)内でクランプされた組織のステープル留め及び切断が行われる。
【0013】
図3図6に示されるように、エンドエフェクタ(12)は発射ビーム(14)を用いており、発射ビーム(14)は、横断方向に配向された上側ピン(38)と、発射ビームキャップ(44)と、横断方向に配向された中間ピン(46)と、遠位方向に呈された切断縁部(48)と、を含む。上側ピン(38)は、アンビル(18)の長手方向アンビルスロット(42)内に配置され、長手方向アンビルスロット(42)内を並進可能である。発射ビームキャップ(44)は、下側顎部(16)を通って形成された下側顎部スロット(45)(図4Bに示される)を通って延在する発射ビーム(14)を有することによって、下側顎部(16)の下面に摺動可能に係合する。中間ピン(46)は、発射ビームキャップ(44)と協働する下側顎部(16)の上面に摺動可能に係合する。
【0014】
図3は、近位方向に配置された本実施例の発射ビーム(14)と、開放構成へと枢動されて、下側顎部(16)のチャネル内へと未使用のステープルカートリッジ(37)を取外し可能に装着することが可能なアンビル(18)と、を示す。図5図6に最もよく示されるように、本実施例のステープルカートリッジ(37)は、上側デッキ(72)を呈し、下側カートリッジトレイ(74)と連結されている、カートリッジ本体(70)を含む。図3に最もよく示されるように、垂直スロット(49)が、ステープルカートリッジ本体(70)の一部分を通って長手方向に延在する。また、図3に最もよく示されるように、3列のステープル開口部(51)が、垂直スロット(49)の各側面上の上側デッキ(72)を通って形成される。図4A図6に示されるように、楔形スレッド(41)及び複数のステープルドライバ(43)が、カートリッジ本体(70)とトレー(74)との間に捕捉されており、楔形スレッド(41)は、ステープルドライバ(43)に対して近位に位置している。楔形スレッド(41)は、ステープルカートリッジ(37)内で長手方向に移動可能であり、一方で、ステープルドライバ(43)は、ステープルカートリッジ(37)内で垂直方向に移動可能である。ステープル(47)もまた、カートリッジ本体(70)内部で、対応するステープルドライバ(43)の上方に配置されている。それぞれのステープル(47)は、ステープルドライバ(43)によってカートリッジ本体(70)内で垂直方向に駆動され、ステープル(47)は、関連付けられたステープル開口部(51)を通って外へと打ち出される。図4A図4B、及び図6に最もよく示されるように、楔形スレッド(41)は、楔形スレッド(41)がステープルカートリッジ(37)を通って遠位方向に駆動される際にステープルドライバ(43)を上向きに付勢する、傾斜したカム面を呈する。
【0015】
図4A図4Bに示されるように、閉鎖管(32)及び閉鎖用リング(33)を遠位方向に前進させることによってエンドエフェクタ(12)が閉鎖されると、次に、発射ビーム(14)が遠位方向に前進され、上側ピン(38)が長手方向アンビルスロット(42)に入ることによって、アンビル(18)と係合する。プッシャブロック(80)(図5に示す)は、発射ビーム(14)の遠位端部に位置し、発射トリガ(28)が作動された場合、発射ビーム(14)がステープルカートリッジ(37)を通って遠位方向に前進される際に楔形スレッド(41)を遠位方向に押す。このような発射中に、発射ビーム(14)の切断縁部(48)は、ステープルカートリッジ(37)の垂直スロット(49)に入り、ステープルカートリッジ(37)とアンビル(18)との間にクランプされている組織を切断する。図4A図4Bに示されるように、中間ピン(46)及びプッシャブロック(80)は共に、ステープルカートリッジ(37)内の垂直スロット(49)内へと入ることによってステープルカートリッジ(37)を作動させ、楔形スレッド(41)を駆動してステープルドライバ(43)と上向きでカム接触させると、それによりステープル(47)がステープル開口部(51)から外に押し出されて、アンビル(18)の内面上のステープル形成ポケット(53)(図3に示す)と形成接触する。図4Bは、組織の切断及びステープル留めが完了した後で、遠位方向に完全に並進した発射ビーム(14)を示す。ステープル形成ポケット(53)は、図3には示されているが、図4A図4Bの図からは意図的に省略されている。アンビル(18)は、図5の図から意図的に省略されている。
【0016】
図7は、組織(90)を通した単回の発射ストロークにわたって作動されたエンドエフェクタ(12)を示す。切断縁部(48)(図7では不明瞭)は、組織(90)を切断しており、一方、ステープルドライバ(43)は、切断縁部(48)により形成される切断線の両側上に、ステープル(47)の3本の交互の列を組織(90)を貫通して打ち込んでいる。第1の発射ストロークが完了した後、エンドエフェクタ(12)を患者から引き抜き、使用済みのステープルカートリッジ(37)を新しいステープルカートリッジ(37)と交換し、次に、エンドエフェクタ(12)を再び患者の体内へと挿入して、ステープル留めする部位に到達させて更なる切断及びステープル留めを行う。本プロセスは、組織(90)を横切る発射ストロークの所望の量及びパターンが完了するまで繰り返されてもよい。
【0017】
器具(10)は、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる以下の参考文献の教示のうちのいずれかに従って更に構成され、動作可能であってもよく、それらの参考文献は、2012年7月3日発行の米国特許第8,210,411号、発明の名称:「Motor-Driven Surgical Instrument」、2015年11月17日発行の米国特許第9,186,142号、発明の名称:「Surgical Instrument End Effector Articulation Drive with Pinion and Opposing Racks」、2016年12月13日発行の米国特許第9,517,065号、発明の名称:「Integrated Tissue Positioning and Jaw Alignment Features for Surgical Stapler」、2017年4月18日発行の米国特許第9,622,746号、発明の名称:「Distal Tip Features for End Effector of Surgical Instrument」、2017年8月1日発行の米国特許第9,717,497号、発明の名称:「Lockout Feature for Movable Cutting Member of Surgical Instrument」、2017年10月24日発行の米国特許第9,795,379号、発明の名称:「Surgical Instrument with Multi-Diameter Shaft」、2017年11月7日発行の米国特許第9,808,248号、発明の名称:「Installation Features for Surgical Instrument End Effector Cartridge」、2017年12月12日発行の米国特許第9,839,421号、発明の名称:「Jaw Closure Feature for End Effector of Surgical Instrument」及び/又は2018年10月9日発行の米国特許第10,092,292号、発明の名称:「Staple Forming Features for Surgical Stapling Instrument」である。
【0018】
II.代表的なバットレス組立体及びバットレスアプライヤカートリッジ
場合によっては、ステープル(47)によって提供される組織の機械的締結を補強するため、外科用器具(10)のエンドエフェクタ(12)にバットレスなどの補助材料を備え付けることが望ましい場合がある。このようなバットレスは、適用されたステープル(47)が組織から抜け出ることを防止し得、そうしない場合に生じる、ステープル(47)の適用部位又はその付近において組織が裂けるリスクを、低減させ得る。ステープル(47)のラインに構造的支持及び一体性を提供することに加えて又は代替的に、バットレスは、空隙又は間隙の充填、治療薬の投与、及び/又は別の効果などの、種々のその他の種類の効果を提供してもよい。場合によっては、バットレスは、ステープルカートリッジ(37)の上側デッキ(72)上に提供されてもよい。上述のように、デッキ(72)は、ステープルドライバ(43)によって駆動されるステープル(47)を収納する。その他の場合によっては、バットレスは、ステープルカートリッジ(37)に面するアンビル(18)の表面上に提供されてもよい。第1のバットレスがステープルカートリッジ(37)の上側デッキ(72)上に提供されてもよい一方、第2のバットレスが同じエンドエフェクタ(12)のアンビル(18)上に提供されることもまた、理解されるべきである。
【0019】
バットレスが取り得る種々の形の実施例を、以下により詳細に記載する。バットレスがステープルカートリッジ(37)又はアンビル(18)に固定され得る種々の方法についてもまた、以下により詳細に記載する。代表的なバットレス組立体、バットレス組立体を適用するための代表的な材料及び技術、並びに代表的なバットレスアプライヤカートリッジは、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2019年1月1日発行の米国特許第10,166,023号、発明の名称:「Method of Applying a Buttress to a Surgical Stapler End Effector」及び/又は、2019年7月16日発行の米国特許第10,349,939号、発明の名称:「Method of Applying a Buttress to a Surgical Stapler」の教示の少なくとも一部に従って、構成されてもよい。
【0020】
A.バットレス組立体の代表的な構成
図8は、代表的な一対のバットレス組立体(110、112)(それぞれが個別に「バットレス」とも称される)を示す。本実施例のバットレス組立体(110)は、バットレス本体(114)と、上側接着層(116)と、を備える。同様に、バットレス組立体(112)は、バットレス本体(118)と、下側接着層(120)と、を備える。本実施例では、それぞれのバットレス本体(114、118)は、ステープル(47)のラインを構造的に支持するように構成された、強固でありながらも可撓性を有する材料を含む。あくまで一例として、各バットレス本体(114、118)は、Ethicon,Inc.(Somerville,New Jersey)によるポリグラクチン910材料のメッシュを含んでもよい。代替として、それぞれのバットレス本体(114、118)を形成するために、ポリグラクチン910材料に加えて又は代替的に、任意のその他の好適な材料又は材料の組み合わせが使用されてもよい。
【0021】
それぞれのバットレス本体(114、118)は、例えば、血液を凝固させることを支援し、かつ組織(T、T)に沿った切断された及び/又はステープル留めされた手術部位における出血を低減するための、フィブリンなどの止血剤を含む材料を含んでもよい。別の単なる例示的な実施例として、それぞれのバットレス本体(114、118)が、血液を凝固させ、かつ手術部位における出血量を低減することを支援し得るように、それぞれのバットレス本体(114、118)は、その他の添加剤を含んでもよい、又はトロンビンなどの止血剤を含んでもよい。それぞれのバットレス本体(114、118)に組み込まれ得るその他の添加剤又は試薬として、薬液又はマトリックス成分を更に挙げることができるが、これらに限定されない。
【0022】
本実施例では、バットレス本体(114)をアンビル(18)の下面(124)に接着するために、接着層(116)がバットレス本体(114)上に提供される。同様に、バットレス本体(118)をステープルカートリッジ(37)の上側デッキ(72)に接着するために、接着層(120)がバットレス本体(118)上に提供される。このような接着材料は、エンドエフェクタ(12)の作動前及び作動中におけるバットレス本体(114、118)の適切な配置をもたらし、次に、バットレス本体(114、118)のその後の適切な機能を損なうのに実質的に十分な損傷をバットレス本体(114、118)に引き起こすことなく、エンドエフェクタ(12)が作動された後に、バットレス本体(114、118)をエンドエフェクタ(12)から分離させることを可能にしてもよい。
【0023】
B.バットレス組立体を用いた組織の代表的なステープル留め
図9A図9Cは、バットレス組立体(110、112)を装填された外科用ステープラエンドエフェクタ(12)が作動されて、2つの対向する組織層(T、T)を通してステープル(47)を駆動し、バットレス組立体(110、112)がステープル(47)によって同じ組織層(T、T)に固定される代表的なシーケンスを示す。具体的には、図9Aは、アンビル(18)とステープルカートリッジ(37)との間に配置された組織層(T、T)を示し、アンビル(18)は、開放位置にある。バットレス組立体(110)は、接着層(116)を介してアンビル(18)の下面(124)に接着されており、一方で、バットレス組立体(112)は、接着層(120)を介してステープルカートリッジ(37)の上側デッキ(72)に接着されている。組織層(T、T)はこのようにして、バットレス組立体(110、112)の間に挟入されている。次に、閉鎖トリガ(26)を、ピストル把持部(24)に向けて枢動させて、閉鎖管(32)及び閉鎖用リング(33)を遠位方向に駆動させる。これにより、図9Bに示すように、アンビル(18)が閉鎖位置へと駆動される。この段階で、組織の層(T、T)がアンビル(18)とステープルカートリッジ(37)との間で圧縮され、バットレス組立体(110、112)が組織層(T、T)の対向する表面と係合する。次に、上述のようにエンドエフェクタ(12)が作動され、バットレス組立体(110、112)及び組織(T1、T2)を通してステープル(47)を駆動させる。図13Cに示されるように、駆動されたステープル(47)のクラウン部(122)は、組織(T)の層に対してバットレス組立体(112)を捕捉して保持する。ステープル(47)の変形した脚部(126)は、組織層(T)に対してバットレス組立体(110)を捕捉して保持する。
【0024】
一連のステープル(47)が同様に、組織層(T、T)に対してバットレス組立体(110、112)を捕捉して保持することにより、図10に示されるように、バットレス組立体(110、112)が組織(T、T)に固定されることになる。ステープル(47)及びバットレス組立体(110、112)が配備された後に、エンドエフェクタ(12)が組織(T、T)から引き離される際に、バットレス組立体(110、112)はエンドエフェクタから係合解除され、それによって、バットレス組立体(110、112)はステープル(47)で組織(T、T)に固定された状態を維持する。このように、バットレス(110、112)は、組織(T、T)内に形成されたステープル(47)のラインを構造的に補強する。図10でも示され得るように、遠位に呈される、発射ビーム(14)の切断縁部(48)はまた、バットレス組織組立体(110、112)の中央線を通って切断し、それぞれのバットレス組立体(110、112)を対応する一対の部分に分離し、それによって、それぞれの部分は組織(T、T)の対応する切断領域に固定されたままである。
【0025】
C.アクティブリテーナアーム部を備えた代表的なバットレスアプライヤカートリッジ
外科用器具(10)のエンドエフェクタ(12)は、単回の外科処置中に複数回作動され得るため、操作者が、その単回の外科処置中にバットレス組立体(110、112)をエンドエフェクタ顎部(16、18)上に繰り返しかつ容易に装填することを可能にすることが望ましい場合がある。図11図13Bは、バットレス組立体(110、112)などの補助材料を支持し、保護し、エンドエフェクタ(12)に適用するために使用され得る代表的なバットレスアプライヤカートリッジ(210)(「バットレスアプリケータ」とも称される)を示す。図11及び図12に最もよく示されるように、本実施例のカートリッジ(210)は、開放端部(212)と閉鎖端部(214)とを備える。以下により詳細に記載するように、開放端部(212)は、エンドエフェクタ(12)を受容するように構成されている。カートリッジ(210)は、それぞれが全体として一般に「U」字形状を画定して開放端部(212)を示す、第1のハウジング(216a)及び第2のハウジング(216b)を更に含む。プラットフォーム(218)及びスレッドリテーナ(220)が、第1のハウジング(216a)と第2のハウジング(216b)との間に挟入されている。
【0026】
本実施例のプラットフォーム(218)は、プラットフォーム(218)の一方の側で一対のバットレス組立体(110)を、またプラットフォーム(218)のもう一方の側で別の一対のバットレス組立体(112)を支持するように、構成されている。プラットフォーム(218)は、第1のハウジング(216a)及び第2のハウジング(216b)の「U」字構成のプロング部の間に形成された凹部において、露出されている。それぞれのバットレス組立体(110、112)は、それぞれ、アンビル(18)及びステープルカートリッジ(37)のスロット(42、49)を横切って広がることを回避するために分離された対応する一対の部分として提供されているが、プラットフォーム(218)は、アンビル(18)及びステープルカートリッジ(37)のスロット(42、49)を横切って一体として広がる、幅広型のバットレス組立体(110、112)をも、それぞれ、同様に容易に支持し得る。より具体的には、プラットフォーム(218)の外側縁部は、第1のハウジング(216a)及び第2のハウジング(216b)に更に係合する隆起部の形態の保持特徴部(530)を含んで、プラットフォーム(218)が、第1のハウジング(216a)及び第2のハウジング(216b)に対して摺動することを防止している。
【0027】
第1のハウジング(216a)及び第2のハウジング(216b)は、一体型把持特徴部(222)と、第1のハウジング(216a)及び第2のハウジング(216b)内に形成された窓部(226)に対応するように配置されたインジケータプレート(224)と、を含み、それによって、インジケータプレート(224)は、異なる時間に窓部(226)を通して視認可能となっている。本実施例のアーム部(228)は、バットレス組立体(110、112)をプラットフォーム(218)に選択的に固定するように構成されている。本実施例では、アーム部(228)は弾性であり、したがって、バットレス組立体(110、112)を弾性的に支持し、それによって、バットレス組立体(110、112)をプラットフォーム(218)に対して挟み込むように構成されている。バットレスアプライヤカートリッジ(210)は、一対のテーパ状カム表面(232)と、第1のハウジング(216a)及び第2のハウジング(216b)の対応する表面に係合するように配置されたハウジング係合特徴部(234)のそれぞれの対と、を含む。第1のハウジング(216a)及び第2のハウジング(216b)は、エンドエフェクタ(40)とカートリッジ(210)との適切な位置合わせを提供するのを支援するように構成された近位ガイド特徴部(236)及び遠位ガイド特徴部(238)を含む。
【0028】
図13Aは、リテーナアーム部(228)がバットレス組立体(110、112)をプラットフォーム(218)に対して保持するように配置されている構成にあるカートリッジ(210)を示し、一方で、図13Bは、リテーナアーム部(228)がバットレス組立体(110、112)をプラットフォーム(218)から解放するように配置されている構成にあるカートリッジ(210)を示す。図13A図13Bは、プラットフォーム(218)上のバットレス組立体(110)のみを示しているが、バットレス組立体(112)が、同一の方式でプラットフォーム(218)上に保持され、またプラットフォーム(218)から解放される。カートリッジ(210)を使用してエンドエフェクタ(12)を装填するために、操作者は最初に、図13Aに示されるように、エンドエフェクタがカートリッジ(210)の開放端部(212)と位置合わせされるように、カートリッジ(210)及びエンドエフェクタ(12)を配置することになる。操作者は次に、図13Bに示されるように、エンドエフェクタ(12)を遠位方向に前進させて、かつ/又はカートリッジ(210)を近位方向に後退させて、プラットフォーム(218)及びバットレス組立体(110、112)をアンビル(18)とステープルカートリッジ(37)との間に位置付ける。次に、器具(10)の閉鎖トリガ(26)が操作者によって絞り込まれて、プラットフォーム(218)上のエンドエフェクタ顎部(16、18)が閉鎖され、それによって、バットレス組立体(110、112)がアンビル(18)及びステープルカートリッジ(37)に接着的に取り付けられ、同時にカム表面(232)が押し下げられる。カム表面(232)の押し下げは、リテーナアーム部(228)を横方向外向きに作動させ、それによって、バットレス組立体(110、112)をプラットフォーム(218)から解放することになり、その結果、エンドエフェクタ顎部(16、18)がプラットフォーム(218)から係合解除され得る一方で、バットレス組立体(110、112)はアンビル(18)及びステープルカートリッジ(37)に接着されたままである。
【0029】
III.認証機能を備えた代表的な代替アプリケータデバイス、及びバットレスを外科用ステープラエンドエフェクタに適用する関連方法
場合によっては、顎部が依然として開放状態にある間に、あるいは、外科用ステープラ(10)の閉鎖トリガ(26)の作動を介してなど、ステープラのエンドエフェクタ閉鎖システムの作動を介して顎部を閉鎖することなく、外科用ステープラエンドエフェクタの一方又は両方の顎部にステープル補強補助要素を適用するように構成されたアプリケータデバイスを提供することが、望ましい場合がある。以下に記載される代表的なアプリケータデバイスは、このような機能を提供するものであり、それによって、各アプリケータデバイスは、エンドエフェクタに対して操作されて、上述の図13A図13Bに示されるような顎部の作動閉鎖を必要とすることなく、補助要素を一方又は両方の顎部に適用するように構成されている。加えて、以下に記載する代表的なアプリケータデバイスは、所望の顎部(例えば、下側顎部(16)又はアンビル(18))上に補助材料を適切に着座させるために最小圧力を印加するように、動作可能であってもよい。
【0030】
なお、このような実施例では、このようなアプリケータデバイスが、アプリケータデバイスとエンドエフェクタの顎部との間の位置合わせを促進するための特定の特徴部を含むことも望ましい場合がある。このような特徴部は、加えて、又は代替的に、このようなアプリケータデバイス、エンドエフェクタ、又は両方の再使用を防止するために使用されてもよい。このような特徴部は、加えて、又は代替的に、特定の所定の構成を有する特定の所定の単数のエンドエフェクタ又は複数のエンドエフェクタのみを伴うこのようなアプリケータデバイスの使用を促進するために、所与のエンドエフェクタを伴うこのようなアプリケータデバイスを認証するために使用されてもよい。
【0031】
以下に記載される代表的なアプリケータデバイスのいずれもが、上述のバットレス組立体(110、112)などのバットレス、又は例えば、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、2012年4月5日に公開され、現在は放棄されている米国特許公開第2012/0080336号、発明の名称「Staple Cartridge Comprising Staples Positioned Within A Compressible Portion Thereof」に開示されている種類の組織厚さコンペンセータの形態をなす補助要素を適用するように構成されてもよいことが、理解されよう。加えて、エンドエフェクタ顎部へのステープル補強要素の適用は、上述のような接着特徴部を用いて、かつ/又は、例えば、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、2010年2月23日に発行された米国特許第7,665,646号、発明の名称「Interlocking Buttress Material Retention System」に開示されている種類の機械的連結特徴部を用いて達成されてもよい。更に、以下に記載される代表的なアプリケータデバイスのいずれも、単回の使用又は複数回の使用のために適切に構築されてもよい。
【0032】
A.ロックアウトを有する代表的な代替アプリケータデバイス
図14Aは、バットレス組立体(110、112)などの補助材料を支持し、保護し、エンドエフェクタ(12)に適用するために使用され得る代表的な代替バットレスアプライヤカートリッジ(410)(「バットレスアプリケータ」とも称される)を示す。本実施例のバットレスアプライヤカートリッジ(410)は、本明細書に明示的に記載されている場合を除いて、上述のバットレスアプライヤカートリッジ(210)と実質的に同様である。例えば、カートリッジと同様に、本実施例のカートリッジ(410)は、開放端部(412)と閉鎖端部(414)とを備える。上述の開放端部(212)と同様に、本実施例の開放端部(412)は、以下により詳細に記載するように、エンドエフェクタ(12)を受容するように構成されている。同様に、本実施例のカートリッジ(410)は、それぞれが全体として一般に「U」字形状を画定して開放端部(412)を呈する、第1のハウジング(416a)及び第2のハウジング(416b)を更に含む。プラットフォーム(418)は、第1のハウジング(416a)と第2のハウジング(416b)との間に同様に挟入されている。
【0033】
上述のプラットフォーム(218)と同様に、本実施例のプラットフォーム(418)は、プラットフォーム(418)の一方の側で一対のバットレス組立体(110)を、またプラットフォーム(418)のもう一方の側で別の一対のバットレス組立体(112)を支持するように構成されている。プラットフォーム(418)は、第1のハウジング(416a)及び第2のハウジング(416b)の「U」字構成のプロングの間に形成された凹部において、露出されている。それぞれのバットレス組立体(110、112)は、それぞれ、アンビル(18)及びステープルカートリッジ(37)のスロット(42、49)を横切って広がることを回避するために分離された対応する一対の部分として提供されているが、プラットフォーム(418)は、それぞれ、アンビル(18)及びステープルカートリッジ(37)のスロット(42、49)を横切って一体として広がる、幅広型のバットレス組立体(110、112)をも、それぞれ、同様に容易に支持し得る。
【0034】
上述のプラットフォーム(218)とは異なり、本実施例のプラットフォーム(418)は、一般に、バットレス組立体(110、112)の適用のために1つ以上の方向に拡張するように構成されている。以下により詳細に記載するように、本機能は、拡張可能な楔形部として動作するプラットフォーム(418)によって達成されてもよい。あくまで一例として、本機能は、いくつかの実施例では、プラットフォーム(418)又はカートリッジ(410)のその他の好適な特徴部を、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願第[代理人整理番号END9286USNP2]号、発明の名称:「Apparatus and Method to Apply Buttress to End Effector of Surgical Stapler via Driven Member」(本出願と同日出願)の教示に従って構成することによって、達成し得る。
【0035】
上述のカートリッジ(210)と同様に、第1のハウジング(416a)及び第2のハウジング(416b)は、把持特徴部(422)を含む。しかしながら、上述の把持特徴部(222)とは異なり、本実施例の把持特徴部(422)は、プラットフォーム(418)を選択的に拡張させるように移動可能である。以下により詳細に記載するように、把持特徴部(422)は、一般に、ハウジング(416a、416b)に対して並進し、それによって、プラットフォーム(418)の拡張を作動させるように構成されている。また、以下により詳細に記載するように、特定の構成では、把持特徴部(422)をロックして、プラットフォームの拡張を防止するか、あるいはカートリッジ(410)を使用してバットレス組立体(110、112)をロックアウト適用し得ることを理解されたい。
【0036】
上述のカートリッジ(210)とは異なり、本実施例のカートリッジ(410)は、ハウジング(416a、416b)内に配置されたロックアウト組立体(440)を含む。ロックアウト組立体(440)は、一般に、カートリッジ(410)がエンドエフェクタ(12)内に適切に配置されるまで、プラットフォーム(418)の拡張を防止し、それによって、バットレス組立体(110、112)の誤適用を防止するように構成されている。換言すれば、ロックアウト組立体(440)は、一般に、エンドエフェクタ(12)の所定の部分がロックアウト組立体(440)に係合した場合にのみ、バットレス組立体(110、112)の展開を可能にするように構成されている。次に、このような係合を使用して、把持特徴部(422)の移動を可能にし、プラットフォーム(418)の拡張又はその他の移動を作動させ得る。
【0037】
本実施例のロックアウト組立体(440)は、開放端部(412)に近接して配置され、そのカートリッジ(410)の両側から開放端部(412)内へと内側に向かって延在する2つのアクチュエータ(442)を含む。各アクチュエータ(442)は、係合部分(444)と、ばねカラー部(446)と、解放開口部(448)と、ロック端部(449)と、を含む。図示されていないが、本実施例における各アクチュエータ(442)は、細長いロッド、Iビーム、又はその他の細長い構造として構成されていることを理解されたい。当然のことながら、本明細書における教示を鑑みれば当業者には明らかであろうように、各アクチュエータ(442)に関して種々のその他の好適な断面形状が用いられてもよい。
【0038】
各アクチュエータ(442)の係合部分(444)は、ハウジング(416a、416b)から開放端部(412)内へと延在するのに好適な長さを画定する。本実施例では、各係合部分(444)のこの延在長さは、一般的に、開放端部(412)の横方向長さの半分に等しい。したがって、各アクチュエータ(442)の係合部分(444)は、開放端部(412)の横方向長さ全体を集合的に占有するように、互いに向かって延在する。あるいは、各アクチュエータ(442)の係合部分(444)は、開放端部(412)の横方向長さの大部分を集合的に占有して、各係合部分(444)の端部にわずかな間隙を画定してもよい。以下により詳細に記載するように、係合部分(444)間のこのような間隙は、エンドエフェクタ(12)の一部分との係合を通して各アクチュエータ(442)の移動を促進するために望ましい場合がある。
【0039】
ばねカラー部(446)は、それぞれの係合部分(444)と解放開口部(448)との間で、各アクチュエータ(442)の長さに沿って配置されている。ばねカラー部(446)は、一般に、ハウジング(416a、416b)のうちの1つ以上の中に配置されたばね(450)に係合して、各アクチュエータ(442)を所定の位置に向かって付勢するように構成されている。本実施例では、ばねカラー部(446)とばね(450)との組み合わせは、各アクチュエータ(442)を図14Aに示す構成に対応するロック位置に向かって付勢するように構成されている。以下により詳細に記載するように、各アクチュエータ(442)は、ロック位置にある場合に、対応する把持特徴部(442)の移動を防止するように配置されている。
【0040】
解放開口部(448)は、ロック端部(449)に近接して各アクチュエータ(442)内に画定される。以下により詳細に記載するように、解放開口部(448)は、一般に、対応する把持特徴部(422)の一部を受容するように構成されている。このような構成を容易にするために、各アクチュエータ(442)に対応する各開放開口部(448)は、一方の側から他方の側へとアクチュエータ(442)を通って延在する。したがって、各開放開口部(448)は、対応するアクチュエータ(442)を通って延在する貫通孔として構成されている。
【0041】
解放開口部(448)に隣接して、各アクチュエータ(442)のロック端部(449)は、その最外側端部上に配置されている。各係止端部(449)は、一般に、対応する把持特徴部(422)の一部分の移動を阻止するように構成されている。したがって、ロック端部(449)は、一般に、中実の構成であることを理解されたい。以下により詳細に記載するように、各アクチュエータ(442)は、一般に、把持特徴部(422)の一部分とロック端部(449)との間、又は把持特徴部(422)の一部分と解放開口部(448)との間の係合を移行させるために、カートリッジ(410)内で横方向に移行するように構成されている。
【0042】
把持特徴部(422)とロック組立体(440)との間の係合を促進するために、各把持特徴部(422)、各把持特徴部(422)は、ロックアーム部(424)を含む。特に、各ロックアーム部は、各把持特徴部(422)の本体から各アクチュエータ(442)に向かって、カートリッジ(410)を通って軸方向又は近位方向に延在する。各ロックアーム部(424)は、一般に、それぞれの解放開口部(448)の形状に対応する断面を有する細長いロッド又はビームとして構成されている。以下により詳細に記載するように、各ロックアーム部(424)は、それぞれの解放開口部(448)内に受容されて、把持特徴部(422)の移動を可能にするように構成されている。
【0043】
図14A及び図14Bに最もよく示されるように、ロックアウト組立体(440)は、一般に、エンドエフェクタ(12)の所定の部分に応答して、把持特徴部(422)の動きをロック及びロック解除する。図15A及び図15Bに示され得るように、把持特徴部(422)のロック解除運動は、把持特徴部(422)によってカートリッジ(410)の作動を可能にして、プラットフォーム(418)を拡張させる。したがって、ロックアウト組立体(440)は、図14Aに示すロック構成から図14Bのロック解除構成に移行するように構成されている。本移行により、図15Bに示され得るように、プラットフォーム(418)の拡張を作動させるために、把持特徴部(422)が使用可能になる。
【0044】
図14Aに示され得るように、ロック構成では、ロックアウト組立体(440)の各アクチュエータ(442)は、各係合部分(444)が反対側の係合部分(444)とほぼ接触する(又は代替的に接触する)ように、内側に向かって配置される。それに対応して、各ロック端部(449)は、対応するロックアーム部(424)の近位端部に隣接して配置される。したがって、各ロック端部(449)は、ロックアウト組立体(440)がロック構成にある場合にロックアーム部(424)を介して各把持特徴部(442)の移動を阻止する。加えて、ロックアウト組立体(440)は、ばね(450)及びばねカラー部(446)によってロック構成に向かって付勢されていることを理解されたい。
【0045】
ロックアウト組立体(440)のロック構成からロック解除構成への移行が、図14Bに示されている。示され得るように、ロックアウト組立体(440)の移行は、エンドエフェクタ(12)の所定の部分によって駆動される。本実施例では、本移行は、エンドエフェクタ(12)の切断縁部(48)によって駆動される。本実施例における切断縁部(48)の使用は、切断縁部(48)の特定の形状、サイズ、及び位置がエンドエフェクタ(12)に固有であり得るため、一般に望ましい。したがって、本明細書に記載されるような切断縁部(48)の使用は、ロックアウト特徴部として機能して、上述のエンドエフェクタ(12)に対応するある特定のエンドエフェクタのみを有するカートリッジ(410)の使用を促進し得る。換言すれば、上述のエンドエフェクタ(12)とは異なる構成を有するエンドエフェクタは、カートリッジ(410)と共に使用可能でなくてもよい。本明細書に記載されるような切断縁部(48)の使用は、カートリッジ(410)がエンドエフェクタ(12)内に適切に配置されるまでバットレス組立体(110、112)の展開を防止するために、更に望ましい。切断縁部(48)は、ロックアウト組立体(440)を駆動させるために使用可能であるものとして本明細書に示され、記載されているが、その他の実施例では、エンドエフェクタ(12)の種々の代替部分を使用して、ロックアウト組立体(440)の移行を駆動させ得ることを理解されたい。理解されるように、エンドエフェクタ(12)の好適な部分は、その他のエンドエフェクタ構成又はスタイルに対して固有であるか又は変化する、エンドエフェクタ(12)の任意の部分を含んでもよい。
【0046】
本実施例に戻ると、ロックアウト組立体(440)は、各アクチュエータ(442)の係合部分(444)とエンドエフェクタ(12)の切断縁部(48)との間の係合によって移行される。具体的には、カートリッジ(410)がエンドエフェクタ(12)内/上に挿入され(又はエンドエフェクタ(12)がカートリッジ(410)内/上に挿入され)、切断縁部(48)を各係合部分(444)と接触させる。この接触は、各アクチュエータ(442)を所定の距離だけ反対側のアクチュエータ(442)から離れるように外側に向かって押す。図14Bに示されるように、この所定の距離に達すると、各解放開口部(448)は、対応するロックアーム部(424)の近位端部に隣接して配置される。これは、各ロックアーム部(424)が、対応する解放開口部(448)内に受容されることを可能にする。結果として、各把持特徴部は、ハウジング(416a、416b)に対して近位方向に並進されてもよい。
【0047】
図15Bに示すように、ロックアウト組立体(440)がロック解除構成に移行すると、各把持特徴部(422)を近位方向に移動させて、プラットフォーム(418)の拡張を作動させ得る。本拡張により、プラットフォーム(418)がエンドエフェクタ(12)の上側デッキ(72)及びアンビル(18)に向かって押され、その上にバットレス組立体(110、112)が展開される。図示されていないが、把持特徴部(422)は、プラットフォーム(418)の拡張を作動させるのに好適な1つ以上の特徴部と連通し得ることを理解されたい。本実施例では、把持特徴部(422)は、連結組立体を駆動してプラットフォーム(418)を拡張させるために使用される。上述のように、プラットフォーム(418)の拡張は、種々の機械的構成及び/又は電気的構成を使用して達成され得る。
【0048】
B.キー付き解放部を有する代表的な代替アプリケータデバイス
図16は、バットレス組立体(110、112)などの補助材料を支持し、保護し、エンドエフェクタに適用するために使用され得る別の代表的なバットレスアプライヤカートリッジ(510)(「バットレスアプリケータ」とも称される)を示す。本実施例のバットレスアプライヤカートリッジ(510)は、本明細書に明示的に記載されている場合を除いて、上述のバットレスアプライヤカートリッジ(210、410)と実質的に同様である。例えば、カートリッジ(410)と同様に、本実施例のカートリッジ(510)は、開放端部(図示せず)及び閉鎖端部(図示せず)を画定するハウジング(図示せず)を備える。プラットフォーム(518)は、同様に、ハウジングの1つ以上の部分の間に挿入される。
【0049】
上述のプラットフォーム(418)と同様に、本実施例のプラットフォーム(518)は、プラットフォーム(518)の一方の側で一対のバットレス組立体(110)を、またプラットフォーム(518)のもう一方の側で別の一対のバットレス組立体(112)を支持するように構成されている。また、プラットフォーム(418)と同様に、本実施例のプラットフォーム(518)は、一般に、バットレス組立体(110、112)を適用するために拡張可能であるように構成されている。このような拡張性を支持するために、プラットフォーム(518)は、ヒンジ(526)で接続された上側支持体(520)及び下側支持体(522)を含む。上側支持体(520)は、バットレス組立体(110)を支持するように構成された細長い平坦面を備える。一方、下側支持体(522)はまた、バットレス組立体(112)を支持するように構成された細長い平坦面を備える。
【0050】
上側支持体(520)は、ヒンジ(526)で下側支持体(522)に接続される。ヒンジ(526)は、以下により詳細に記載するように、ヒンジ(526)が、一般に、エンドエフェクタ(612)内への挿入のために構成されるように、各支持体(520、522)の近位端部に配置されている。ヒンジ(526)は、一般に、下側支持体(522)に対する上側支持体(520)の枢動を可能にするように構成されている。
【0051】
本実施例のプラットフォーム(518)は、自動的に(例えば、操作者がプラットフォーム(518)の部分を押したり引いたりすることなく)拡張するように構成されている。このような自動拡張を容易にするために、本実施例のプラットフォーム(518)は、弾性部材又はねじりばね(530)及びダッシュポット(532)を更に含む。ねじりばね(530)は、プラットフォーム(518)を拡張構成に向かって付勢するために、上側支持体(520)及び下側支持体(522)に対して外向きの力を提供するように構成されている。一方、ダッシュポット(532)は、一般に、ねじりばね(530)と反対の制御された力(例えば、内側に向かった力)を提供するように構成されている。理解されるように、ダッシュポット(532)は、一般に、ねじりばね(530)がプラットフォーム(518)を望ましくない速度で拡張させることを防止するためのダンパとして機能するように構成されている。あくまで一例として、本機能は、いくつかの実施例では、プラットフォーム(518)又はカートリッジ(510)のその他の好適な特徴部を、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願第[代理人整理番号END9286USNP2]号、発明の名称:「Apparatus and Method to Apply Buttress to End Effector of Surgical Stapler via Driven Member」(本出願と同日出願)の教示に従って構成することによって、達成し得る。
【0052】
プラットフォーム(518)の拡張を作動させるために、本実施例のカートリッジ(510)は、解放組立体(540)を更に含む。解放組立体(540)は、一般に、エンドエフェクタ(612)の所定の部分に係合して、このような係合の際にプラットフォーム(518)の拡張を作動させるように構成されている。したがって、解放組立体(540)は、解放組立体(540)が特定のエンドエフェクタのみを有するカートリッジ(510)の使用を促進し、また、カートリッジ(510)がこのようなエンドエフェクタ内に適切に配置された場合のみカートリッジ(510)の作動を促進するという点で、上述のロックアウト組立体(440)と同様である。
【0053】
本実施例の開放組立体(540)は、プローブ(542)とラッチ(548)とを備える。プローブ(542)は、キー付き端部(544)と、キー付き端部(544)から延在する細長いプッシャ(546)と、を含む。プローブ(542)の一部分は、キー付き端部(544)がカートリッジ(510)の近位端部から突出するように、ヒンジ(526)から近位方向に延在する。以下により詳細に記載するように、プローブ(542)の特定の位置は、下側支持体(522)がエンドエフェクタ(610)内に適切に着座した場合にキー付き端部(544)とエンドエフェクタ(612)の所定の部分との間の係合を可能にするように構成されている。
【0054】
細長いプッシャ(546)は、ヒンジ(526)及びキー付き端部(544)からねじりばね(530)及びラッチ(548)に向かって遠位方向に延在する。細長いプッシャ(546)は、一般に、キー付き端部(544)の移動に応答し、その結果、キー付き端部(544)の移動が細長いプッシャ(546)の対応する移動をもたらす。以下により詳細に記載するように、細長いプッシャ(546)の移動は、ラッチ(548)を作動させるように構成されており、ラッチは、ねじりばね(530)を解放し、それによって、プラットフォーム(518)を拡張させる。
【0055】
ラッチ(548)は、一般に、ねじりばね(530)を圧縮構成に保持するためにねじりばね(530)に選択的に係合するように構成されている。本実施例では、ラッチ(548)は、連結器(550)及び解放部(552)を含む細長いロッド又はワイヤを備える。連結器(550)は、ラッチ(548)が下側支持体(522)に対して枢動することを可能にするように、下側支持体(522)に枢動可能に連結されている。解放部(552)は、ねじりばね(530)及び/又は上側支持体(520)の一部分に解放可能に係合してねじりばね(530)を圧縮構成に保持するように構成されるように、連結器(550)の反対側に配置されている。以下により詳細に記載するように、細長いプッシャ(546)は、一般に、ラッチ(548)に係合してラッチ(548)を連結器(550)を中心に枢動させ、解放部(552)をねじりばね(530)及び/又は上側支持体(520)の一部分から係合解除するように構成されている。
【0056】
解放組立体(540)は特定の構成を有するものとして示されているが、その他の実施例では、種々の代替構成が使用されてもよいことを理解されたい。例えば、いくつかの実施例では、ねじりばね(530)又は位置エネルギーの貯蔵のために構成されたその他の機構を介してプラットフォーム(518)の選択的拡張を可能にするために、その他の機械的解放機構を使用し得る。その他の実施例では、解放組立体(540)は、ソレノイド、モータ、押しボタン、センサなどの種々の電気的構成要素/機械的構成要素を使用し得る。当然のことながら、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるように、解放組立体(540)の更なる種々のその他の好適な構成がある。
【0057】
図17Aに示され得るように、本実施例のカートリッジ(510)は、エンドエフェクタ(612)と共に使用するように構成されている。本実施例のエンドエフェクタ(612)は、本明細書に明示的に記載されている場合を除いて、上述のエンドエフェクタ(12)と実質的に同様である。例えば、上述のエンドエフェクタ(12)と同様に、本実施例のエンドエフェクタ(612)は、単一ストロークで組織を切断及びステープル留めするために使用され得る発射ビーム(614)を採用する。上述の発射ビーム(14)と同様に、本実施例の発射ビーム(614)は、アンビル(図示せず)(アンビル(18)と同様)及び未使用のステープルカートリッジ(図示せず)(ステープルカートリッジ(37)と同様)に対して駆動されて、組織を切断及びステープル留めしてもよい。ステープルカートリッジ(37)と同様に、エンドエフェクタ(612)のステープルカートリッジは、下側顎部(616)のチャネル内へと取り外し可能に装着される。
【0058】
上述のエンドエフェクタ(12)とは異なり、本実施例のエンドエフェクタ(612)は、エンドエフェクタ(612)内へと組み込まれたカートリッジロックアウト部(630)を含む。ロックアウト部(630)は、一般に、ステープルカートリッジの特定の対応する構成要素と嵌合するように構成されている。このような嵌合配列は、ロックアウト部(630)を所定の位置に移動させ、発射ビーム(614)の移動及びアンビルの閉鎖などのエンドエフェクタ(612)の特定の動作をロック解除する。したがって、ロックアウト(630)は、ステープルカートリッジが装着されていない場合、不適切な(例えば、嵌合特徴部を欠いている)ステープルカートリッジが装着されている場合、又はステープルカートリッジが不適切に装着されている場合、エンドエフェクタ(612)の使用を防止するように構成されていることを理解されたい。いくつかの実施例では、ロックアウト(630)、並びにエンドエフェクタ(612)及びステープルカートリッジのその他の関連する特徴部は、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、2019年6月26日に出願された米国特許出願第16/453,273号、発明の名称:「Method for Providing an Authentication Lockout in a Surgical Stapler with a Replaceable Cartridge」の教示に従って構成され得る。
【0059】
バットレスアプライヤカートリッジ(510)のエンドエフェクタ(612)との使用が、図17A図18に示されている。図17Aに最もよく示され得るように、カートリッジ(510)を最初にエンドエフェクタ(612)内へと挿入して、下側支持体(522)をエンドエフェクタ(612)の下側顎部(616)と位置合わせするように配置してもよい。挿入方向は、ヒンジ(526)及びキー付き端部(544)が最初にロックアウト部(630)に向かってエンドエフェクタ(612)内へと挿入されるような方向である。
【0060】
カートリッジ(510)がエンドエフェクタ(612)内へと完全に挿入されると、キー付き端部(544)は、図17Bに示され得るように、ロックアウト部(630)の一部分に係合する。いくつかの実施例では、キー付き端部(544)の特定の幾何学的形状は、エンドエフェクタ(612)に対するカートリッジ(510)の正確な位置決めを更に促進するために、ロックアウト部(630)の特定の幾何学的特徴に対応するように構成されてもよい。いずれにしても、キー付き端部(544)とロックアウト部(630)との間の係合時に、キー付き端部(544)はプローブ(542)を遠位方向に押す。
【0061】
図18に最もよく示されるように、プローブ(542)が遠位方向に移動すると、細長いプッシャ(546)がラッチ(548)に係合する。ラッチ(548)は、それに応じて、細長いプッシャ(546)によって押されて連結器(550)を中心に枢動し、それによって、解放部(552)をねじりばね(530)及び/又は上側支持体(520)から係合解除する。ねじりばね(530)が解放されると、プラットフォーム(518)は、バットレス組立体(110、112)をエンドエフェクタ(612)に適用するために、ねじりばね(530)及びダッシュポット(532)によって印加される力を使用して、制御されたペースで拡張され得る。
【0062】
C.RFID認証を備えた代表的な代替アプリケータデバイス
図19A及び図20Aは、バットレス組立体(110、112)などの補助材料を支持し、保護し、エンドエフェクタに適用するために使用され得る更なる別の代表的な代替バットレスアプライヤカートリッジ(710)(「バットレスアプリケータ」とも称される)を示す。本実施例のバットレスアプライヤカートリッジ(710)は、本明細書に明示的に記載されている場合を除いて、上述のバットレスアプライヤカートリッジ(210、410、510)と実質的に同様である。例えば、カートリッジ(410)と同様に、本実施例のカートリッジ(710)は、開放端部(712)と閉鎖端部(714)とを画定するハウジング(716)を備える。プラットフォーム(718)は、同様に、ハウジングの1つ以上の部分の間に挿入される。
【0063】
上述のプラットフォーム(418)と同様に、本実施例のプラットフォーム(718)は、プラットフォーム(718)の一方の側で一対のバットレス組立体(110)を、またプラットフォーム(718)のもう一方の側で別の一対のバットレス組立体(112)を支持するように構成されている。また、プラットフォーム(418)と同様に、本実施例のプラットフォーム(718)は、一般に、バットレス組立体(110、112)を適用するために拡張可能であるように構成されている。このような拡張性を支持するために、プラットフォーム(718)は、一般に、その拡張を促進するように構成された特定の機構を含む。あくまで一例として、本実施例のプラットフォーム(718)は、上述のプラットフォーム(418)と同様の連結機構によって駆動される、拡張可能な楔形部を含む。しかしながら、その他の実施例では、拡張可能なバルーン、ばね式楔形部、親ねじ駆動機構などのその他の好適な機構が使用されてもよいことを理解されたい。更にその他の実施例では、プラットフォーム(718)は、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、第[代理人整理番号END9286USNP2]号、発明の名称:「Apparatus and Method to Apply Buttress to End Effector of Surgical Stapler via Driven Membe」(本出願と同日出願)の教示のうちの1つ以上に従って構成されてもよい。
【0064】
上述のプラットフォーム(418)とは異なり、本実施例におけるプラットフォーム(718)の拡張性は、操作者によって手動で駆動されるのではなく、モータ駆動される。特に、図20Aに最もよく示されるように、カートリッジ(710)の内部は、モータ(730)、電源(734)、及びスイッチ(738)を含み、これらは全て回路内へと組み込まれている。図示されていないが、本実施例のモータ(730)は、プラットフォーム(718)の拡張を駆動させるために、プラットフォーム(718)の1つ以上の特徴部と連通し得ることを理解されたい。例えば、上述のように、本実施例のプラットフォーム(718)は、その拡張を提供するために連結機構を使用し得る。したがって、このような実施例では、モータ(730)は、親ねじ又はその他の駆動機構を回転させて、プラットフォーム(718)を平坦構成から拡張構成に移動させるように構成され得る。当然のことながら、代替的な拡張機構が使用されるその他の構成では、モータ(730)は必要に応じて変更されてもよい。例えば、いくつかの実施例では、モータ(730)は、真空ポンプ、線形アクチュエータなどを含み得る。
【0065】
スイッチ(738)は、モータ(730)及び電源(734)と連通して、電源(734)を介してモータ(730)に供給される電力を選択的に作動及び停止させる。本実施例の電源(734)は電池として示されているが、直流電源及び/又は交流電源を含む任意のその他の好適な電源が使用されてもよい。図示されていないが、モータ(730)、電源(734)、及びスイッチ(738)は、マイクロコントローラ、コントローラ、リレー、ダイオード、コンデンサ、インダクタ、抵抗器、インバータ等のその他の電気回路に接続され得ることを理解されたい。
【0066】
図19Aに戻ると、カートリッジ(710)は、RFIDモジュール(740)を更に含む。以下により詳細に記載するように、RFIDモジュール(740)は、一般に、エンドエフェクタ(812)の1つ以上の対応するRFID構成要素に応答するように構成されている。この関係は、カートリッジ(710)がエンドエフェクタ(810)と同様の好適なエンドエフェクタと共に使用されていることの確認と、プラットフォーム(718)を介してバットレス組立体(110、112)を展開する前にカートリッジ(710)が適切に位置決めされていることの確認と、の両方を提供するために、一般に望ましい。
【0067】
示され得るように、RFIDモジュール(740)はスイッチ(738)と連通している。本実施例では、RFIDモジュール(740)は、開回路構成と閉回路構成との間のスイッチをトリップ又は別様に作動させるように構成されている。理解されるように、本構成は、RFIDモジュール(740)がエンドエフェクタ(812)の特定の対応する特徴部に近接している場合にのみ、RFIDモジュール(740)がモータ(730)を作動させ、それによって、バットレス組立体(110、112)の展開のためにプラットフォーム(718)を拡張させることを可能にする。
【0068】
本実施例のRFIDモジュール(740)は、開放端部(712)に近接するカートリッジ(710)の近位端部に隣接して配置される。単一のRFIDモジュール(740)のみが見えているが、追加のRFIDモジュール(740)がカートリッジ(710)の各側に配置されてもよい(例えば、図19Aのページ外の側に1つ、及び図19Aのページ内の側に1つ)ことを理解されたい。以下により詳細に記載するように、この近位側への配置は、一般に、エンドエフェクタ(812)内でのカートリッジ(710)の適切な位置決めを確認するために望ましい。その他の実施例では、任意の好適な数のRFIDモジュール(740)が使用されてもよい。例えば、いくつかの実施例では、4つのRFIDモジュール(740)を使用し得、2つはカートリッジ(710)の近位端部にあり、2つはカートリッジ(710)の遠位端部にある。このような構成は、改善された位置確認を提供するために望ましい場合がある。したがって、その他の実施例では、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかになるように、更により多くのRFIDモジュール(740)が使用されてもよい。加えて、複数のRFIDモジュール(740)が使用される実施例では、全てのRFIDモデル(740)がスイッチ(738)を開回路構成と閉回路構成との間で移行させるために使用され得るように、全てのRFIDモジュール(470)がスイッチ(738)と連通してもよいことを理解されたい。
【0069】
図19Aに示されるように、カートリッジ(710)は、エンドエフェクタ(812)と共に使用可能である。本実施例のエンドエフェクタ(812)は、本明細書に明示的に記載されている場合を除いて、上述のエンドエフェクタ(12)と実質的に同様である。例えば、上述のエンドエフェクタ(12)と同様に、本実施例のエンドエフェクタ(812)は、単一ストロークで組織を切断及びステープル留めするために使用され得る発射ビーム(814)を採用する。上述の発射ビーム(14)と同様に、本実施例の発射ビーム(814)は、アンビル(818)及び未使用のステープルカートリッジ(837)に対して駆動されて、組織を切断及びステープル留めしてもよい。ステープルカートリッジ(37)と同様に、ステープルカートリッジ(837)は、下側顎部(816)のチャネル内へと、取り外し可能に装着される。
【0070】
上述のエンドエフェクタ(12)とは異なり、本実施例のエンドエフェクタ(812)は、アンビル(818)及び下側顎部(816)によって形成された股部に隣接して配置されたRFIDモジュール(840)を含む。エンドエフェクタ(812)のRFIDモジュール(840)は、一般に、カートリッジ(710)のRFIDモジュール(740)と通信するように構成されている。あくまで一例として、エンドエフェクタ(812)のRFIDモジュール(840)は、RFIDセンサ又はアンテナとして構成されている。一方、カートリッジ(710)のRFIDモジュール(740)は、エンドエフェクタ(812)のRFIDモジュール(840)に無線周波数を伝送するためのRFIDチップ又は送信機として構成されている。当然のことながら、その他の実施例では、本構成を逆にすることができ、RFIDモジュール(840)をチップ又は送信機として構成し得、一方で、RFIDモジュール(740)をセンサ又はアンテナとして構成し得る。
【0071】
本実施例のエンドエフェクタ(812)は、単一のRFIDモジュール(840)を有するものとして示されているが、その他の実施例では、エンドエフェクタ(812)は、任意の好適な数のRFIDモジュール(840)を含み得ることを理解されたい。例えば、いくつかの実施例では、RFIDモジュール(840)のアレイをエンドエフェクタ(812)内で使用することができ、RFIDモジュール(840)の群は、ある特定の目的を果たすように構成される。このような構成では、RFIDモジュール(840)の1つの群を使用して、ステープルカートリッジ(837)と同様の特定のステープルカートリッジの存在を検出及び認証してもよい。一方、RFIDモジュール(840)の別の群を使用して、バットレスアプライヤカートリッジ(710)と同様の特定のバットレスアプライヤカートリッジの存在を検出及び認証してもよい。RFIDモジュール(840)の更に別の群は、その他のものを検出し、ステープルカートリッジリテーナなどのその他の補助構成要素の存在(又はその欠如)を認証するために使用されてもよい。いくつかの実施例では、RFIDモジュール(840)の好適な構成は、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、2019年6月30日出願の、米国特許出願第16/458,108号、発明の名称:「Surgical Instrument System Comprising an RFID System」の教示の少なくとも一部に従ってもよい。
【0072】
本実施例の使用例を、図19A図20Bに示す。示され得るように、エンドエフェクタ(812)は、最初にカートリッジ(710)に対して動かされて、カートリッジ(710)をエンドエフェクタ(812)内へと挿入する。図20Aは、挿入中に開放構成にあるカートリッジ(710)のスイッチ(738)を示す。本開放構成は、プラットフォーム(718)が非拡張構成にあることに対応する。図示されていないが、いくつかの使用において、エンドエフェクタ(812)は、カートリッジ(710)の挿入前及び挿入中に電子的にロックされ得ることを理解されたい。例えば、RFIDモジュール(840)は、カートリッジ(710)が検出されていないことに対応する信号を生成してもよい。次に、本信号は、エンドエフェクタ(810)又は器具のその他の部分(図示せず)内の電子回路と通信されて、器具又はエンドエフェクタ(810)の部分が移動しないように(例えば、発射ビーム(814)の遠位前進を防止するために)物理的又は電子的にロックされてもよい。
【0073】
カートリッジ(710)がエンドエフェクタ(812)内へと完全に挿入されると、カートリッジ(710)のRFIDモジュール(740)は、図19Bに示され得るように、エンドエフェクタ(812)のRFIDモジュール(840)に隣接する。次に、RFIDモジュール(740)は、図20Bに示すように、スイッチ(738)を開放構成から閉鎖構成へと移行させることによって、RFIDモジュール(840)の存在に応答する。スイッチ(738)の本移行は、モータ(730)を作動させ、それによって、プラットフォーム(718)を拡張させ、その結果、バットレス組立体(110、112)がエンドエフェクタ(812)のアンビル(818)及びステープルカートリッジ(837)に適用される。
【0074】
いくつかの使用では、RFIDモジュール(840)はまた、RFIDモジュール(740)の存在に応答してもよい。例えば、RFIDモジュール(840)は、RFIDモジュール(740)の存在を検出する際に、1つ以上の信号を生成してもよい。次に、このような信号は、エンドエフェクタ(812)又は器具のその他の部分に送信されて、特定のロックアウト特徴部を解放するか、又は別様に係合解除してもよい。代替的に、このようなロックアウト特徴部は、作動中のままであってもよいが、所定の時間の後、又はRFIDモジュール(740)の存在がもはや検出されなくなるまでのいずれかで、係合解除されてもよい。
【0075】
D.外部電力入力部を有する代表的な代替アプリケータデバイス
図21Aは、バットレス組立体(110、112)などの補助材料を支持し、保護し、エンドエフェクタに適用するために使用され得る更なる別の代表的な代替バットレスアプライヤカートリッジ(910)(「バットレスアプリケータ」とも称される)を示す。本実施例のバットレスアプライヤカートリッジ(810)は、本明細書に明示的に記載されている場合を除いて、上述のバットレスアプライヤカートリッジ(210、410、510、710)と実質的に同様である。例えば、カートリッジ(410)と同様に、本実施例のカートリッジ(910)は、開放端部(912)と閉鎖端部(914)とを画定するハウジング(916)を備える。プラットフォーム(918)は、同様に、ハウジング(916)の1つ以上の部分の間に挿入される。
【0076】
上述のプラットフォーム(418)と同様に、本実施例のプラットフォーム(918)は、プラットフォーム(918)の一方の側で一対のバットレス組立体(110)を、またプラットフォーム(918)のもう一方の側で別の一対のバットレス組立体(112)を支持するように構成されている。また、プラットフォーム(418)と同様に、本実施例のプラットフォーム(918)は、一般に、バットレス組立体(110、112)を適用するために拡張可能であるように構成されている。このような拡張性を支持するために、プラットフォーム(918)は、一般に、その拡張を促進するように構成された特定の機構を含む。あくまで一例として、本実施例のプラットフォーム(918)は、上述のプラットフォーム(418)と同様の連結機構によって駆動される、拡張可能な楔形部を含む。しかしながら、その他の実施例では、拡張可能なバルーン、ばね式楔形部、親ねじ駆動機構などのその他の好適な機構が使用されてもよいことを理解されたい。更にその他の実施例では、プラットフォーム(918)は、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、第[代理人整理番号END9286USNP2]号、発明の名称:「Apparatus and Method to Apply Buttress to End Effector of Surgical Stapler via Driven Membe」(本出願と同日出願)の教示のうちの1つ以上に従って構成されてもよい。
【0077】
上述のプラットフォーム(418)とは異なり、本実施例におけるプラットフォーム(918)の拡張性は、操作者によって手動で駆動されるのではなく、モータ駆動される。具体的には、図21Aで最もよく示されるように、カートリッジ(910)は、電力入力部又はキー付きドライバ(930)を含む。電力入力部(930)は、プラットフォーム(918)の拡張を駆動させるためにプラットフォーム(918)の1つ以上の特徴部と連通しているものとして示されている。プラットフォーム(918)のこのような特徴部は、種々の方法で電力入力部(930)によって駆動され得る。例えば、上述のように、本実施例のプラットフォーム(918)は、その拡張を提供するために連結機構を使用し得る。したがって、このような実施例では、電力入力部(930)は、親ねじ又はその他の駆動機構を回転させて、プラットフォーム(918)を平坦構成から拡張構成に移動させるように構成され得る。当然のことながら、代替的な拡張機構が使用されるその他の構成では、電力入力部(930)は必要に応じて変更されてもよい。例えば、いくつかの実施例では、電力入力部(930)は、真空ポンプ、線形アクチュエータなどを含み得る。
【0078】
電力入力部(930)は、エンドエフェクタ(1012)の特定の特徴部と連通するように構成されている。以下により詳細に記載するように、いくつかの実施例では、エンドエフェクタ(1012)は、エンドエフェクタ(1012)と共に使用するように構成された特定の付属構成要素に電力供給し、駆動し、又は作動させるために使用され得る特定の電力出力部又は回転駆動特徴部を含み得る。したがって、本実施例のカートリッジ(910)は、動作するために内部電源を必要としないことを理解されたい。代わりに、カートリッジ(910)は、エンドエフェクタ(1012)に一体化された特定の回転駆動構成要素を含むがこれらに限定されない外部電源によって駆動され得る。
【0079】
図21Aに示されるように、カートリッジ(910)は、エンドエフェクタ(1012)と共に使用可能である。本実施例のエンドエフェクタ(1012)は、本明細書に明示的に記載されている場合を除いて、上述のエンドエフェクタ(12)と実質的に同様である。例えば、上述のエンドエフェクタ(12)と同様に、本実施例のエンドエフェクタ(1012)は、単一ストロークで組織を切断及びステープル留めするために使用され得る発射ビーム(1014)を採用する。上述の発射ビーム(14)と同様に、本実施例の発射ビーム(1014)は、アンビル(1018)及び未使用のステープルカートリッジ(1037)に対して駆動されて、組織を切断及びステープル留めしてもよい。ステープルカートリッジ(37)と同様に、ステープルカートリッジ(1037)は、下側顎部(1016)のチャネル内へと、取り外し可能に装着される。
【0080】
上述のエンドエフェクタ(12)とは異なり、本実施例のエンドエフェクタ(1012)は、アンビル(1018)及び下側顎部(1016)によって形成された股部に隣接して配置された電力出力部又は回転ドライバ(1040)を含む。エンドエフェクタ(1012)の電力出力部(1040)は、一般に、カートリッジ(910)の電力入力部(930)に係合して、エンドエフェクタ(1012)からカートリッジ(910)に電力を送達するように構成されている。あくまで一例として、本実施例の電力出力部(1040)は、電力入力部(930)を介してカートリッジ(910)に回転運動を伝達するように構成されている。図22に最もよく示されるように、電力入力部(930)及び電力出力部(1040)の両方は、このような回転運動の伝達を容易にするために、互いに対して固定される。
【0081】
本実施例の電力入力部(930)及び電力出力部(1040)は、機械的回転動力の伝達のために構成されているが、その他の実施例では、種々の形態のエネルギーが電力入力部(930)と電力出力部(1040)との間で伝達され得ることを理解されたい。例えば、いくつかの実施例では、電力出力部(1040)は、並進運動を電力入力部(930)に伝送するように構成されてもよい。その他の実施例では、電力出力部(1040)は、電力、油圧動力、又は空気動力を電力入力部(930)に伝送するように構成されてもよい。このような実施例では、カートリッジ(910)は、モータ、ポンプ、弁、フィルタ、及び/又はその他等の、このような電力、油圧動力、又は空気動力を使用するのに好適なその他の構成要素を含み得る。当然のことながら、更にその他の実施例では、本明細書の教示を考慮すれば当業者には明らかであるように、種々の代替動力伝送機構を使用してもよい。
【0082】
図21A及び図21Bは、エンドエフェクタ(1012)を有するバットレスアプライヤカートリッジ(910)の代表的な使用を示す。図21Aに示され得るように、カートリッジ(910)及びエンドエフェクタ(1012)は、最初に分離されている。この位置では、プラットフォーム(918)は平坦な構成である。なお、電力入力部(930)は電力出力部(1040)と連通していないので、プラットフォーム(918)は拡張構成に移行することができない。したがって、カートリッジ(910)及びエンドエフェクタ(1012)が最初に分離される場合、電力入力部(930)及び電力出力部(1040)は、バットレス組立体(110、112)の不注意な展開又は時期尚早な展開を防止するための機能的ロックアウト特徴部として機能的に作用する。
【0083】
次に、図21Bに示され得るように、カートリッジ(910)は、エンドエフェクタ(1012)をカートリッジ(910)に対して移動させるか、又はカートリッジをエンドエフェクタ(1012)に対して移動させることによって、エンドエフェクタ(1012)内の位置に移動される。この位置では、カートリッジ(910)の開放端部(912)は、エンドエフェクタ(1012)内へと挿入されて、電力入力部(930)と電力出力部(1040)との間の係合を可能にする。電力入力部(930)及び電力出力部(1040)が係合されると、プラットフォーム(918)は、電力出力部(1040)を介して電力入力部(930)を回転させることによって拡張され、バットレス組立体(110、112)をアンビル(1018)及びステープルカートリッジ(1037)上に展開し得る。電力入力部(930)と電力出力部(1040)との間の係合は、プラットフォーム(918)の拡張のために必要とされるので、電力入力部(930)及び電力出力部(1040)は、バットレス組立体(110、112)の適切な配置を促進するための位置合わせ特徴部として機能することを理解されたい。
【0084】
いくつかの使用では、電力出力部(1040)は、発射ビーム(1014)及び/又はエンドエフェクタ(1012)のその他の動作構成要素のための駆動部内へと組み込まれてもよい。このような実施例では、電力出力部(1040)が一方向に回転して、発射ビーム(1014)及び/又はエンドエフェクタ(1012)のその他の動作構成要素を駆動し得ることを理解されたい。一方、電力出力部(1040)は、反対方向に回転して、電力入力部(930)を介してプラットフォーム(918)の拡張を駆動させてもよい。いくつかの実施例では、このような動作特徴部は、バットレス組立体(110、112)の展開中などの時期尚早なエンドエフェクタ(1012)の不注意な動作(例えば、発射ビーム(1014)の発射)を防止するために望ましい場合がある。
【0085】
E.位置決め特徴部を有する代表的な代替アプリケータデバイス
図23は、バットレス組立体(110、112)などの補助材料を支持し、保護し、エンドエフェクタに適用するために使用され得る別の代表的なバットレスアプライヤカートリッジ(1110)(「バットレスアプリケータ」とも称される)を示す。本実施例のバットレスアプライヤカートリッジ(1110)は、本明細書に明示的に記載されている場合を除いて、上述のバットレスアプライヤカートリッジ(510)と実質的に同様である。例えば、カートリッジ(510)と同様に、本実施例のカートリッジ(1110)は、バットレス組立体(110、112)をエンドエフェクタに適用するために拡張させるか、又は別様に移動させるように構成された、プラットフォーム(1118)を備える。図示されていないが、その他の実施例では、カートリッジ(1110)はまた、ハウジングと同様のその他の追加の特徴部を含んでもよいことを理解されたい。
【0086】
上述のプラットフォーム(518)と同様に、本実施例のプラットフォーム(1118)は、プラットフォーム(1118)の一方の側で一対のバットレス組立体(110)を、またプラットフォーム(1118)のもう一方の側で別の一対のバットレス組立体(112)を支持するように構成されている。また、プラットフォーム(518)と同様に、本実施例のプラットフォーム(1118)は、一般に、バットレス組立体(110、112)を適用するために拡張可能であるように構成されている。このような拡張性を支持するために、プラットフォーム(1118)は、ヒンジ(1126)で接続された上側支持体(1120)及び下側支持体(1122)を含む。上側支持体(1120)は、バットレス組立体(110)を支持するように構成された細長い平坦面を備える。一方、下側支持体(1122)はまた、バットレス組立体(112)を支持するように構成された細長い平坦面を備える。
【0087】
上側支持体(1120)は、ヒンジ(1126)で下側支持体(1122)に接続される。ヒンジ(1126)は、以下により詳細に記載するように、ヒンジ(1126)が、一般に、エンドエフェクタ(12)内への挿入のために構成されるように、各支持体(1120、1122)の近位端部に配置されている。ヒンジ(1126)は、一般に、下側支持体(1122)に対する上側支持体(1120)の枢動を可能にするように構成されている。
【0088】
上述のプラットフォーム(518)とは異なり、本実施例のプラットフォーム(1118)は、操作者による作動によって手動で拡張するように構成されている。このような手動拡張を容易にするために、本実施例のプラットフォーム(1118)は、操作タブ(1130)及びロックタブ(1132)を更に含む。操作タブ(1130)は、上側支持体(1120)から遠位方向に延在し、一般に、操作者が把持して、ヒンジ(1126)を中心に上側支持体(1120)を手動で引っ張るか、又は別様に操作するように構成されている。
【0089】
ロックタブ(1132)は、下側支持体(1122)から遠位方向に延在する。以下により詳細に記載するように、ロックタブ(1132)は、一般に、エンドエフェクタ(12)のステープルカートリッジ(37)に締結されて、下側支持体(1122)をステープルカートリッジ(37)に固定するように構成されている。このような締結を容易にするために、ロックタブ(1132)は、一般に、ステープルカートリッジ(37)の遠位端部の形状に対応するように成形される。なお、ロックタブ(1132)は、ロックタブ(1132)の遠位端部から近位方向に延在するロック歯部(1134)を含む。理解されるように、ロック歯部(1134)は、一般に、ステープルカートリッジ(37)の一部分に係合して、ロックタブ(1132)をステープルカートリッジ(37)に解放可能に固定するように構成されている。
【0090】
プラットフォーム(1118)は、上側支持体(1120)及び下側支持体(1122)からそれぞれ延在する上側挿入部(1140)及び下側挿入部(1142)を更に含む。以下により詳細に記載するように、上側挿入部(1140)及び下側挿入部(1142)の両方は、エンドエフェクタ(12)/ステープルカートリッジ(37)の部分に係合して、エンドエフェクタ(12)内でのカートリッジ(1110)の適切な配置を確実にするための位置決め特徴部又は機械的接地を提供するように構成されている。下側支持体(1122)は、エンドエフェクタ(12)の特定の特徴部(例えば、楔形スレッド(41))を検出して、不適切な状態(例えば、楔形スレッド(41)の発射後)にあるエンドエフェクタ(12)と共にカートリッジ(1110)を使用することを防止するのに、更に有益である。
【0091】
上側挿入部(1140)は、上側支持体(1120)の上側表面から上向きに延在する。上側挿入部(1140)の特定のサイズ及び形状は、一般に、アンビル(18)の長手方向アンビルスロット(42)内への上側挿入部(1140)の受容を可能にするように構成されている。理解されるように、本構成は、バットレス組立体(110)の適切な適用のために、上側挿入部(1140)が、アンビル(18)に対する上側支持体(1120)の適切な配置を確実にすることを可能にする。換言すれば、上側挿入部(1140)は、カートリッジ(1110)が誤って不適切なエンドエフェクタ(12)と位置合わせされた場合に、又は不適切なエンドエフェクタ(12)と共に完全に使用された場合に、バットレス組立体(110)の適用を防止するための限界ゲージと同様に作用するように構成されている。
【0092】
下側挿入部(1142)は、下側支持体(1122)の下側表面から下向きに延在する。下側挿入部(1142)の特定のサイズ及び形状は、一般に、ステープルカートリッジ(37)の垂直スロット(49)内への下側挿入部(1142)の受容を可能にするように、構成されている。理解されるように、本構成は、下側挿入部(1142)がステープルカートリッジ(37)に対する下側支持体(1122)の適切な配置を確実にすることを可能にする。なお、下側挿入部(1142)は、ステープルカートリッジ(37)が発射状態にある場合にカートリッジ(1110)の使用を防止するように、構成されている。理解されるように、本機能は、一般に、楔形スレッド(41)がホーム位置又は未発射位置にある場合に楔形スレッド(41)を回避するように成形されている下側挿入部(1142)によって提供される。一方、下側挿入部(1142)はまた、楔形スレッド(41)が発射位置にある場合に楔形スレッド(41)に接触し、それによって、カートリッジ(1110)のエンドエフェクタ(12)内への完全な挿入を阻止するように成形されている。
【0093】
図24A図24Cは、バットレス組立体(110、112)をエンドエフェクタ(12)/ステープルカートリッジ(37)に適用するための、エンドエフェクタ(12)を有するカートリッジ(1110)の代表的な使用を示す。図24Aに示され得るように、カートリッジ(1110)は、エンドエフェクタ(12)の下側顎部(16)内へのステープルカートリッジ(37)の挿入の前に、最初にステープルカートリッジ(37)上に装着され得る。カートリッジ(1110)は、下側挿入部(1142)をステープルカートリッジ(37)の垂直スロット(49)内へと挿入し、次に、ロックタブ(1132)をステープルカートリッジ(37)の遠位端部上にスナップ留めすることによって、ステープルカートリッジ(37)上に装着され得る。なお、カートリッジ(1110)をステープルカートリッジ(37)上に装着する工程はまた、バットレス組立体(112)をステープルカートリッジ(37)の上側デッキ(72)に適用することも含んでよい。
【0094】
本使用は、エンドエフェクタ(12)の下側顎部(16)内へのステープルカートリッジ(37)の挿入の前に、カートリッジ(1110)がステープルカートリッジ(37)上に装着されていることを示すが、その他の使用では、ステープルカートリッジ(37)が最初に下側顎部(16)内へと容易に挿入され得ることを理解されたい。このような代替的な使用では、ステープルカートリッジ(37)が下側顎部(16)内へと挿入されると、次に、カートリッジ(1110)がステープルカートリッジ(37)上に装着されてもよい。
【0095】
ステープルカートリッジ(37)へのカートリッジ(1110)の装着及び下側顎部(16)へのステープルカートリッジ(37)の装着の特定の順序にかかわらず、両方の構成要素が装着されると、カートリッジ(1110)の上側支持体(1120)が、バットレス組立体(110)を適用するために使用されてもよい。具体的には、図24Bで最もよく示されるように、操作者が操作タブ(1130)を把持し、上側支持体(1120)をヒンジ(1126)を中心にアンビル(18)に向かって上向きに枢動させることによって、バットレス組立体(110)が適用され得る。次に、上側挿入部(1140)は、長手方向アンビルスロット(42)によって受容されて、上側支持体(1120)とアンビル(18)との間の適切な位置合わせを確実にし得る。上側挿入部(1140)を長手方向アンビルスロット(42)内に受容すると、上側支持体(1120)は、ヒンジ(1126)を中心に更に枢動して、バットレス組立体(110)をアンビル(18)に適用してもよい。
【0096】
バットレス組立体(110)が上述のようにアンビル(18)に適用された後、カートリッジ(1110)は、図24Cに示されるようにエンドエフェクタ(12)から取り外され得る。カートリッジ(1110)が取り外された状態で、次に、エンドエフェクタ(12)を処置に使用してもよい。
【0097】
F.再使用ロックを有する代表的な代替アプリケータデバイス
上述のバットレスアプライヤカートリッジ(1110)と同様のいくつかのバットレスアプライヤカートリッジでは、バットレス組立体(110、112)の適用後にカートリッジの再使用を防止又は阻止するための特定の特徴部を含むことが、望ましい場合がある。図25は、本明細書に明示的に記載されない限り、上述のバットレスアプライヤカートリッジ(1110)と実質的に同様である代表的な代替バットレスアプライヤカートリッジ(1210)を示す。例えば、カートリッジ(1110)と同様に、本実施例のカートリッジ(1210)は、上側支持体(1220)及び下側支持体(1222)を有するプラットフォーム(1218)を含む。図示されていないが、上側支持体(1220)及び下側支持体(1222)は、操作タブ(1130)、ロックタブ(1132)、上側挿入部(1140)、及び下側挿入部(1142)と同様の構造体を含み得ることを理解されたい。
【0098】
カートリッジ(1210)はまた、上述のヒンジ(1126)と同様のヒンジ(1226)を含む。しかしながら、ヒンジ(1126)とは異なり、本実施例のヒンジ(1226)は、一方向止め部(1250)を含む。一方向止め部(1250)は、一般に、ヒンジ(1226)が開くことを可能にする一方で、開いた後の完全な再閉鎖を防止することによって、ラチェット機構として作用するように構成されている。本実施例では、一方向止め部(1250)は、上側支持体(1220)の一方向への回転を可能にするが、上側支持体(1220)が特定の所定の回転点を通過した後に上側支持体(1220)の別の方向への回転を防止するように、ヒンジ(1226)の一部分へと一体化された突起部又は戻り止め特徴部として構成されている。
【0099】
一方向止め部(1250)は、本実施例ではヒンジ(1226)へと一体化されているように示されているが、その他の実施例では、一方向止め部(1250)は、カートリッジ(1210)のその他の構成要素に容易に一体化され得ることを理解されたい。あるいは、その他の実施例では、一方向止め部(1250)は、カートリッジ(1210)の1つ以上の要素に取り付けられた完全に別個の構成要素であり得る。一方向止め部(1250)の種々の代替構成が、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。
【0100】
使用時、カートリッジ(1210)は、カートリッジ(1110)に関して上述のものと同様に使用され得る。例えば、カートリッジ(1210)を最初にステープルカートリッジ(37)上に装着し得る。次に、カートリッジ(1210)とステープルカートリッジ(37)との組み合わせを、エンドエフェクタ(12)の下側顎部(16)内へと挿入し得る。次に、上側支持体(1220)を下側支持体(1222)に対してヒンジを中心に枢動させて、バットレス組立体(110)を適用し得る。しかしながら、上述の使用とは異なり、支持体(1220)が特定の点を過ぎて枢動されると、一方向止め部(1250)は、逆方向への枢動を防止するように機能することを理解されたい。したがって、バットレス組立体(110、112)の適用後にカートリッジ(1210)が取り外されると、カートリッジ(1210)は、少なくとも部分的に開放状態のままであり、以前の使用の肯定的表示を提供し、それによって、その再使用を阻止してもよい。一方向止め部(1250)は、上側支持体(1220)のいくらかの逆枢動を防止するが、バットレス組立体(110、112)の適用後にエンドエフェクタ(12)からのカートリッジ(1210)の取り外しを可能にするために、少なくともいくらかの逆枢動が依然として許容され得ることを理解されたい。
【0101】
G.ライナーを有する代表的な代替アプリケータデバイス
実施例では、上述のバットレス組立体(110、112)を、単回使用の予め適用されたライナーと共に使用することが望ましい場合がある。このようなライナーは、エンドエフェクタ上へのその適用までバットレス組立体(110、112)を保護するために望ましい場合がある。図26Aに示され得るように、バットレス組立体(110)の上に配置された追加のライナー(1150)を有する上述のバットレスアプライヤカートリッジ(1110)が示されている。ライナー(1150)は、カートリッジ(1110)と共に使用されるものとして本明細書に記載されているが、以下に記載されるライナー(1150)は、代替的に、本明細書に記載される任意のその他のカートリッジ(210、410、510、710、810、1210)と共に使用され得ることを理解されたい。
【0102】
本実施例のライナー(1150)は、バットレス組立体(110)を覆うように構成されている単一材料のカバーである。本実施例では、ライナー(1150)は、紙又はポリマーの材料を含む。その他の実施例では、種々の代替材料が使用され得る。更に、加えて、又は代替的に、ライナー(1150)のこのような材料は、ワックス、ポリマー、合金、異なる材料の組み合わせ等の種々の材料の1種以上のコーティング層でコーティングされ得る。
【0103】
ライナー(1150)は、カバー部分(1152)及び余剰部分(1144)を含む。カバー部分(1152)は、バットレス組立体(110)を覆うためにバットレス組立体(110)のサイズ及び形状に対応する。一方、余剰部分(1144)は、バットレス組立体(110)から近位方向に延在する。以下により詳細に記載するように、余剰部分(11044)は、一般に、エンドエフェクタ(12)の一部分に係合して、ライナー(1150)を取り外すための視覚的合図を提供するように構成されている。
【0104】
図26A及び図26Bは、ライナー(1150)を有するカートリッジ(1110)の代表的使用を示す。ライナー(1150)を有するカートリッジ(1110)の使用は、本明細書に明示的に記載されていない限り、図24A図24Cに関して上述の使用と実質的に同様であることを理解されたい。例えば、上述のように、カートリッジ(1110)は、最初にステープルカートリッジ(37)上に装着されてもよく、次に、カートリッジ(1110)及びステープルカートリッジ(37)の両方がエンドエフェクタ(12)の下側顎部(16)内へと挿入され得る。しかしながら、上述の使用とは異なり、ここでの使用では、ライナー(1150)は、図26Aに示され得るように、ライナー(1150)がカートリッジ(1110)及びステープルカートリッジ(37)と共に下側顎部(16)内にも挿入されるように、カートリッジ(1110)に予め適用される。
【0105】
カートリッジ(1110)が下側顎部(16)内へと挿入されると、余剰部分(1144)は、下側顎部(16)とアンビル(18)との交点に形成されたエンドエフェクタ(12)の股部に係合する。本係合により、ライナー(1150)の余剰部分(1144)は、エンドエフェクタ(12)の股部とバットレス組立体(110)との間の空間内で圧縮され、巻き取られ、又は束ねられる。余剰部分(1044)のこの変化により、操作者が先に進む前にライナー(1150)を取り外すことを操作者に思い出させるための、視覚的合図が提供される場合がある。図示されていないが、いくつかの実施例では、余剰部分(1144)のこのような機能は、エンドエフェクタ(12)の一部に入ることによって余剰部分(1144)が長手方向に延在したままである可能性を回避するために、T字形又は別様に拡張された近位端部を含む余剰部分(1144)によって追加され得ることを理解されたい。
【0106】
ライナー(1150)は、次に、余剰部分(1144)又は取り外しを補助するように構成されたライナー(1150)のその他の部分(例えば、取り外しタブ)を操作者が把持することによって、取り外され得る。ライナー(1150)が取り外されると、図24Bに関して上述のものと同様に、操作者が操作タブ(1130)を把持し、上側支持体(1120)を枢動させることによって、バットレス組立体(110)をアンビル(18)に適用し得る。次に、カートリッジ(1110)を取り外すことができ、処置において、エンドエフェクタ(12)を容易に使用し得る。
【0107】
IV.代表的な組み合わせ
以下の実施例は、本明細書の教示を組み合わせるか又は適用することができる種々の非網羅的な方法に関する。以下の実施例は、本出願又は本出願のその後の出願において任意の時点で呈され得るいかなる特許請求の範囲をも限定することを意図するものではないことを、理解されたい。一切の権利放棄が意図されていない。以下の実施例は、単に例示的な目的で提供されているに過ぎない。本明細書の種々の教示は、その他の多くの方法で構成及び適用されてもよいことが企図される。また、一部の変形例では、以下の実施例において言及される特定の特徴部を省略し得ることも企図される。したがって、以下に言及される態様又は特徴のいずれも、本発明者ら又は本発明者らの権利相続人によって、後にそのように明示的に示されない限り、重要であるとみなされるべきではない。本出願又は本出願に関連する後続の出願において呈される特許請求の範囲が、以下に言及されるもの以外の追加の特徴を含む場合、それらの追加の特徴は、特許性に関するいかなる理由で追加されたものともみなされるべきではない。
【実施例1】
【0108】
上側支持体と下側支持体と、を含むプラットフォームと、上側支持体又は下側支持体上に配置された補助材料であって、上側支持体が、外科用ステープラのエンドエフェクタの顎部に向かう方向で下側支持体に対して移動して、顎部に補助材料を適用するように構成されている、補助材料と、係合特徴部であって、係合特徴部が、エンドエフェクタの所定の部分と相互作用して、下側支持体に対する上側支持体の移動を可能にし、それによって、エンドエフェクタの顎部に補助材料を適用するように構成されており、係合特徴部は、係合特徴部がエンドエフェクタの所定の部分から係合解除される場合に下側支持体に対する上側支持体の移動を阻止するように構成されている、係合特徴部と、を備える、装置。
【実施例2】
【0109】
係合特徴部が、係合部分を有するアクチュエータを含み、係合部分が、エンドエフェクタの所定の部分に係合してアクチュエータを移動させ、それによって、下側支持体に対する上側支持体の移動を可能にするように構成されている、実施例1に記載の装置。
【実施例3】
【0110】
把持特徴部を更に備え、把持特徴部が、プラットフォームに対して移動可能であり、下側支持体に対する上側支持体の移動を駆動させる、実施例2に記載の装置。
【実施例4】
【0111】
アクチュエータが、プラットフォームに対する把持特徴部の移動を停止させるために把持特徴部の一部分に係合するように構成されている、実施例3に記載の装置。
【実施例5】
【0112】
アクチュエータが、解放開口部を含み、アクチュエータが、把持特徴部に対して解放開口部を移動させて、把持特徴部の移動を選択的にロック及びロック解除するように構成されている、実施例3又は4に記載の装置。
【実施例6】
【0113】
係合特徴部が、キー付き端部を有するプローブを含み、キー付き端部が、エンドエフェクタの所定の部分と嵌合するように構成されており、キー付き端部が、エンドエフェクタの対応する部分と係合して、下側支持体に対する上側支持体の移動を可能にするように構成されている、実施例1~6のいずれか一項以上に記載の装置。
【実施例7】
【0114】
上側支持体を下側支持体に連結するように構成されたラッチを更に備え、キー付き端部が、エンドエフェクタの対応する部分との係合に応答して並進し、それによって、上側支持体を下側支持体から分離するように構成されている、実施例6に記載の装置。
【実施例8】
【0115】
ばねを更に備え、ラッチが上側支持体から分離される際に、ばねが、下側支持体に対する上側支持体の移動を駆動させるように構成されている、実施例7に記載の装置。
【実施例9】
【0116】
ばね及びダッシュポットを更に備え、ラッチが上側支持体から分離される際に、ばねが、下側支持体に対する上側支持体の移動を駆動させるように構成されており、ダッシュポットが、ばねによって駆動される移動を減衰させるように構成されている、実施例7に記載の装置。
【実施例10】
【0117】
ラッチが、下側支持体に対して回転するように構成された細長い部材を含み、アクチュエータが、ラッチの細長い部材を回転させるように構成された細長いプッシャを含む、実施例7~9のいずれか一項以上に記載の装置。
【実施例11】
【0118】
補助材料が、第1のバットレス組立体及び第2のバットレス組立体を含み、第1のバットレス組立体が上側支持体上に配置され、第2のバットレス組立体が下側支持体上に配置されている、実施例1~10のいずれか一項以上に記載の装置。
【実施例12】
【0119】
モータと、モータと連通する電源と、を更に備え、モータが、少なくとも上側支持体と連通して、下側支持体に対する上側支持体の移動を駆動し、係合特徴部が、エンドエフェクタの所定の部分との係合に応答してモータを作動させるように構成されている、実施例1~11のいずれか一項以上に記載の装置。
【実施例13】
【0120】
係合特徴部が上側挿入部及び下側挿入部を含み、上側挿入部が上側支持体から上向きに延在し、下側挿入部が下側支持体から下向きに延在する、実施例1~12のいずれか一項以上に記載の装置。
【実施例14】
【0121】
上側挿入部が、エンドエフェクタのアンビルに係合するように構成されており、下側支持体が、エンドエフェクタのステープルカートリッジに係合するように構成されている、実施例13に記載の装置。
【実施例15】
【0122】
上側支持体が、下側支持体に対して枢動して、上側挿入部とエンドエフェクタのアンビルとの間の係合を駆動させるように構成されている、実施例14に記載の装置。
【実施例16】
【0123】
エンドエフェクタであって、エンドエフェクタが、アンビルと、複数のステープルを支持するように構成された顎部と、を含み、アンビル及び顎部が、組織をクランプするために互いに対して枢動可能である、エンドエフェクタと、バットレスアプライヤカートリッジであって、バットレスアプライヤカートリッジが、下側支持体と上側支持体とを有するプラットフォームであって、上側支持体が、下側支持体に対してプラットフォームを拡張構成に移行させるように構成されている、プラットフォームと、エンドエフェクタ係合組立体であって、エンドエフェクタ係合組立体の一部分がエンドエフェクタの一部分に係合する場合にプラットフォームの拡張構成への移行を可能にするように構成されている、エンドエフェクタ係合組立体と、を含む、バットレスアプライヤカートリッジと、バットレスアプライヤカートリッジの上側支持体又は下側支持体上に配置されたバットレス組立体であって、上側支持体又は下側支持体は、プラットフォームが拡張構成にある場合にバットレス組立体をエンドエフェクタに適用するように構成されている、バットレス組立体と、を備える、装置。
【実施例17】
【0124】
エンドエフェクタ係合組立体がプローブを含み、プローブが、エンドエフェクタの一部分にキー付けされた係合部分を有し、係合部分は、バットレスアプライヤカートリッジがエンドエフェクタのアンビル及び下側顎部と位置合わせされた場合にエンドエフェクタと係合するように構成されている、実施例16に記載の装置。
【実施例18】
【0125】
エンドエフェクタ係合組立体が、第1のロケータ及び第2のロケータを含み、第1のロケータが、アンビルの少なくとも一部分内に受容されるように構成されており、第2のロケータが、顎部の少なくとも一部分内に受容されるように構成されている、実施例16又は17に記載の装置。
【実施例19】
【0126】
バットレスアプライヤカートリッジの下側挿入部を未使用のステープルカートリッジのスロット内へと挿入して、バットレスアプライヤカートリッジの下側支持プラットフォームからステープルカートリッジの上側デッキ上に、第1のバットレス組立体を適用することと、バットレスアプライヤカートリッジの上側支持プラットフォームを下側支持プラットフォームに対して移動させて、バットレスアプライヤカートリッジの上側挿入部を外科用ステープラエンドエフェクタのアンビルのアンビルスロット内へと挿入することと、上側挿入部がアンビルスロット内に受容されている間に、上側支持プラットフォームの移動を使用して、第2のバットレス組立体をアンビル上に適用することと、を含む、方法。
【実施例20】
【0127】
下側挿入部を未使用のステープルカートリッジのスロット内へと挿入する工程の後に、未使用のステープルカートリッジを外科用ステープラエンドエフェクタの下側顎部内へと挿入する工程を更に含む、実施例19に記載の方法。
【実施例21】
【0128】
プラットフォームの上側支持体及び下側支持体と連通する連結組立体を更に備え、連結組立体の一部分が、回転又は並進して上側支持体及び下側支持体を互いから離れるように駆動させるように構成されている、実施例1~18のいずれか一項以上に記載の装置。
【実施例22】
【0129】
プラットフォームの少なくとも一部分が、エンドエフェクタに取り外し可能に連結するように構成されている、実施例1~18及び21のいずれか一項以上に記載の装置。
【実施例23】
【0130】
開放端部及び閉鎖端部を有するハウジングを更に備え、ハウジングの開放端部が、エンドエフェクタの遠位端部を受容するように構成されている、実施例1~18及び21~22のいずれか一項以上に記載の装置。
【実施例24】
【0131】
バットレスアプライヤカートリッジのエンドエフェクタ係合組立体を外科用ステープラエンドエフェクタの所定の部分と係合させる工程を更に含み、エンドエフェクタ係合組立体を外科用ステープラエンドエフェクタの所定の部分と係合させる工程が、下側支持プラットフォームに対する上側支持プラットフォームの移動を可能にする、実施例19に記載の方法。
【実施例25】
【0132】
外科用ステープラエンドエフェクタの所定の部分が切断縁部である、実施例24に記載の方法。
【実施例26】
【0133】
外科用ステープラエンドエフェクタの所定の部分がロックアウト特徴部である、実施例24に記載の方法。
【実施例27】
【0134】
上側支持プラットフォームを下側支持プラットフォームに対して移動させる工程が、上側支持プラットフォーム及び下側支持プラットフォームと連通するばね式駆動組立体を解放することを含む、実施例19及び24~26のいずれか一項以上に記載の方法。
【実施例28】
【0135】
上側支持プラットフォームを下側支持プラットフォームに対して移動させる工程が、上側支持プラットフォーム及び下側支持プラットフォームと連通する連結組立体を駆動させることを含む、実施例19及び24~26のいずれか一項以上に記載の方法。
【0136】
V.その他
本明細書に記載の教示、表現、実施形態、実施例等のうちのいずれか1つ以上は、本明細書に記載のその他の教示、表現、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ以上と組み合わせることができることを理解されたい。したがって、上記の教示、表現、実施形態、実施例等は、互いに対して単独で考慮されるべきではない。本明細書の教示を組み合わせることができる種々の好適な方法が、本明細書の教示を考慮することにより、当業者には容易に明らかとなるであろう。このような修正例及び変形例は、特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【0137】
更に、本明細書の教示のうちの任意の1つ以上は、以下の特許文献に開示された任意の1つ以上の教示と組み合わせることができる:米国特許出願第[代理人整理番号END9286USNP1]号、発明の名称:「Apparatus and Method to Apply Buttress to End Effector of Surgical Stapler via Fixed Bas」(本出願と同日出願)、米国特許出願第[代理人整理番号END9286USNP2]号、発明の名称:「Apparatus and Method to Apply Buttress to End Effector of Surgical Stapler via Driven Member」(本出願と同日出願)、米国特許出願第[代理人整理番号END9286USNP3]号、発明の名称:「Apparatus and Method to Apply Buttresses Separately to Jaws of End Effector of Surgical Stapler」(本出願と同日に出願)、米国特許出願第[代理人整理番号END9286USNP4]号、発明の名称:「Apparatus and Method to Close End Effector of Surgical Stapler onto Buttress」(本出願と同日に出願)、米国特許出願第[代理人整理番号END9286USNP5]号、発明の名称:「Apparatus and Method to Detect Full Seating of Buttress Applicator in End Effector of Surgical Stapler」(本願と同日出願)、及び/又は米国特許出願第[代理人整理番号END9286USNP7]号、発明の名称:「Method of Applying Buttress to End Effector of Surgical Stapler」(本出願と同日に出願)。これらの米国特許出願のそれぞれの開示は、本明細書に参照として組み込まれる。
【0138】
本明細書に参照として組み込まれると言及されるあらゆる特許、刊行物、又はその他の開示内容の全部又は一部は、組み込まれる内容が本開示に記載されている既存の定義、見解、又はその他の開示内容と矛盾しない範囲でのみ、本明細書に組み込まれることを理解されたい。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、本明細書に参照として組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。本明細書に参照として組み込まれると言及されているが、現行の定義、見解、又は本明細書に記載されるその他の開示内容と矛盾する任意の内容、又はそれらの部分は、組み込まれた内容と現行の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ、組み込まれるものとする。
【0139】
上述のデバイスの変形例は、医療専門家によって行われる従来の医療処置及び手術に適用するだけでなく、ロボット支援医療処置及び手術にも適用することができる。あくまで一例として、本明細書の種々の教示は、Intuitive Surgical,Inc.(Sunnyvale,California)によるDAVINCI(商標)システムなどのロボット外科用システムに容易に組み込むことができる。
【0140】
上述のデバイスの変形例は、単回の使用後に処分するように設計されてもよい、又はそれらは、複数回使用するように設計され得る。変形例は、いずれか又は両方の場合においても、少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整されてもよい。再調整は、デバイスの分解工程、それに続く特定の部品の洗浄又は交換工程、及びその後の再組立工程の任意の組み合わせを含んでもよい。特に、デバイスのいくつかの変形例は分解することができ、また、デバイスの任意の数の特定の部分又は部品を、任意の組み合わせで選択的に交換又は取り外しすることができる。特定の部品の洗浄及び/又は交換の際、デバイスのいくつかの変形例を、再調整施設において、又は処置の直前にユーザーによって、のいずれかで、その後の使用のために再組み立てしてもよい。当業者であれば、デバイスの再調整において、分解、洗浄/交換、及び再組立のための種々の技術を利用してもよいことを理解するであろう。このような技術の使用、及び結果として得られる再調整されたデバイスは、全て本出願の範囲内にある。
【0141】
あくまで一例として、本明細書に記載される変形例は、処置の前及び/又は後に滅菌されてもよい。1つの滅菌技術では、デバイスをプラスチック製又はTYVEK製のバックのような密閉及び封止された容器に入れる。次に、容器及びデバイスは、ガンマ線、X線、又は高エネルギー電子線などの、容器を透過し得る放射線場に置かれてもよい。放射線は、デバイス上及び容器内の細菌を死滅させ得る。次に、滅菌されたデバイスは、後の使用のために、滅菌容器内に保管されてもよい。デバイスはまた、ベータ線若しくはガンマ線、エチレンオキシド、又は蒸気を含むがこれらに限定されない、当該技術分野で周知の任意のその他の技術を使用して滅菌されてもよい。
【0142】
本発明の種々の実施形態を示し記載したが、当業者による適切な修正により、本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書に記載の方法及びシステムの更なる適合化を実現することができる。このような可能な修正のいくつかについて述べたが、その他の修正が当業者には明らかであろう。例えば、上記の実施例、実施形態、幾何学的形状、材料、寸法、比率、工程等は例示的なものであり、必須のものではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲に関して考慮されるべきであり、本明細書及び図面に示され記載された構造及び操作の詳細に限定されないことが理解される。
【0143】
〔実施の態様〕
(1) 装置であって、
(a)上側支持体と、下側支持体と、を含む、プラットフォームと、
(b)前記上側支持体又は前記下側支持体上に配置された補助材料であって、前記上側支持体が、外科用ステープラのエンドエフェクタの顎部に向かう方向に前記下側支持体に対して移動して、前記補助材料を前記顎部に適用するように構成されている、補助材料と、
(c)係合特徴部であって、前記係合特徴部が、前記エンドエフェクタの所定の部分と相互作用して、前記下側支持体に対する前記上側支持体の移動を可能にし、それによって、前記補助材料を前記エンドエフェクタの前記顎部に適用するように構成されており、前記係合特徴部は、前記係合特徴部が前記エンドエフェクタの前記所定の部分から係合解除される場合に前記下側支持体に対する前記上側支持体の移動を阻止するように構成されている、係合特徴部と、を備える、装置。
(2) 前記係合特徴部が、係合部分を有するアクチュエータを含み、前記係合部分が、前記エンドエフェクタの前記所定の部分に係合して前記アクチュエータを移動させ、それによって、前記下側支持体に対する前記上側支持体の移動を可能にするように構成されている、実施態様1に記載の装置。
(3) 把持特徴部を更に備え、前記把持特徴部が、前記プラットフォームに対して移動可能であり、前記下側支持体に対する前記上側支持体の移動を駆動させる、実施態様2に記載の装置。
(4) 前記アクチュエータが、前記プラットフォームに対する前記把持特徴部の移動を停止させるために前記把持特徴部の一部分に係合するように構成されている、実施態様3に記載の装置。
(5) 前記アクチュエータが、解放開口部を含み、前記アクチュエータが、前記把持特徴部に対して前記解放開口部を移動させて、前記把持特徴部の移動を選択的にロック及びロック解除するように構成されている、実施態様4に記載の装置。
【0144】
(6) 前記係合特徴部が、キー付き端部を有するプローブを含み、前記キー付き端部が、前記エンドエフェクタの前記所定の部分と嵌合するように構成されており、前記キー付き端部が、前記エンドエフェクタの前記対応する部分と係合して、前記下側支持体に対する前記上側支持体の移動を可能にするように構成されている、実施態様1に記載の装置。
(7) 前記上側支持体を前記下側支持体に連結するように構成されたラッチを更に備え、前記キー付き端部が、前記エンドエフェクタの前記対応する部分との係合に応答して並進し、それによって、前記上側支持体を前記下側支持体から分離するように構成されている、実施態様6に記載の装置。
(8) ばねを更に備え、前記ばねが、前記ラッチが前記上側支持体から分離される際に前記下側支持体に対する前記上側支持体の移動を駆動させるように構成されている、実施態様7に記載の装置。
(9) ばね及びダッシュポットを更に備え、前記ばねが、前記ラッチが前記上側支持体から分離される際に前記下側支持体に対する前記上側支持体の移動を駆動させるように構成されており、前記ダッシュポットが、前記ばねによって駆動される移動を減衰させるように構成されている、実施態様7に記載の装置。
(10) 前記ラッチが、前記下側支持体に対して回転するように構成された細長い部材を含み、前記アクチュエータが、前記ラッチの前記細長い部材を回転させるように構成された細長いプッシャを含む、実施態様9に記載の装置。
【0145】
(11) 前記補助材料が、第1のバットレス組立体及び第2のバットレス組立体を含み、前記第1のバットレス組立体が前記上側支持体上に配置され、前記第2のバットレス組立体が前記下側支持体上に配置されている、実施態様1に記載の装置。
(12) モータと、前記モータと連通する電源と、を更に備え、前記モータが、少なくとも前記上側支持体と連通して、前記下側支持体に対する前記上側支持体の移動を駆動し、前記係合特徴部が、前記エンドエフェクタの前記所定の部分との係合に応答して前記モータを作動させるように構成されている、実施態様1に記載の装置。
(13) 前記係合特徴部が上側挿入部及び下側挿入部を含み、前記上側挿入部が前記上側支持体から上向きに延在し、前記下側挿入部が前記下側支持体から下向きに延在する、実施態様1に記載の装置。
(14) 前記上側挿入部が、前記エンドエフェクタのアンビルに係合するように構成されており、前記下側支持体が、前記エンドエフェクタのステープルカートリッジに係合するように構成されている、実施態様13に記載の装置。
(15) 前記上側支持体が、前記下側支持体に対して枢動して、前記上側挿入部と前記エンドエフェクタの前記アンビルとの間の係合を駆動させるように構成されている、実施態様14に記載の装置。
【0146】
(16) 装置であって、
(a)エンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタが、
(i)アンビルと、
(ii)複数のステープルを支持するように構成された顎部であって、前記アンビル及び前記顎部が、組織をクランプするために互いに対して枢動可能である、顎部と、を備える、エンドエフェクタと、
(b)バットレスアプライヤカートリッジであって、前記バットレスアプライヤカートリッジが、
(i)下側支持体及び上側支持体を有するプラットフォームであって、前記上側支持体が、前記プラットフォームを非拡張構成から拡張構成に移行させるために前記下側支持体に対して移動するように構成されている、プラットフォームと、
(ii)エンドエフェクタ係合組立体であって、前記エンドエフェクタ係合組立体の一部分が前記エンドエフェクタの一部分と係合した場合に前記プラットフォームの前記拡張構成への移行を可能にするように構成された、エンドエフェクタ係合組立体と、を含む、バットレスアプライヤカートリッジと、
(c)前記バットレスアプライヤカートリッジの前記上側支持体又は前記下側支持体上に配置されたバットレス組立体であって、前記上側支持体又は前記下側支持体は、前記プラットフォームが前記拡張構成にある場合に前記バットレス組立体を前記エンドエフェクタに適用するように構成されている、バットレス組立体と、を備える、装置。
(17) 前記エンドエフェクタ係合組立体がプローブを含み、前記プローブが、前記エンドエフェクタの一部分にキー付けされた係合部分を有し、前記係合部分は、前記バットレスアプライヤカートリッジが前記エンドエフェクタの前記アンビル及び前記下側顎部と位置合わせされた場合に前記エンドエフェクタと係合するように構成されている、実施態様16に記載の装置。
(18) 前記エンドエフェクタ係合組立体が、第1のロケータ及び第2のロケータを含み、前記第1のロケータが、前記アンビルの少なくとも一部分内に受容されるように構成されており、前記第2のロケータが、前記顎部の少なくとも一部分内に受容されるように構成されている、実施態様16に記載の装置。
(19) 方法であって、
(a)バットレスアプライヤカートリッジの下側挿入部を未使用のステープルカートリッジのスロット内へと挿入して、前記バットレスアプライヤカートリッジの下側支持プラットフォームから前記ステープルカートリッジの上側デッキ上に、第1のバットレス組立体を適用することと、
(b)前記バットレスアプライヤカートリッジの上側支持プラットフォームを前記下側支持プラットフォームに対して移動させて、前記バットレスアプライヤカートリッジの上側挿入部を外科用ステープラエンドエフェクタのアンビルのアンビルスロット内へと挿入することと、
(c)前記上側挿入部が前記アンビルスロット内に受容されている間に、前記上側支持プラットフォームの前記移動を使用して、第2のバットレス組立体を前記アンビル上に適用することと、を含む、方法。
(20) 前記下側挿入部を前記未使用のステープルカートリッジの前記スロット内へと挿入する前記工程の後に、前記未使用のステープルカートリッジを前記外科用ステープラエンドエフェクタの下側顎部内へと挿入する工程を更に含む、実施態様19に記載の方法。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図10
図11
図12
図13A
図13B
図14A
図14B
図15A
図15B
図16
図17A
図17B
図18
図19A
図19B
図20A
図20B
図21A
図21B
図22
図23
図24A
図24B
図24C
図25
図26A
図26B
【国際調査報告】