(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-04
(54)【発明の名称】被駆動部材を介して外科用ステープラのエンドエフェクタにバットレスを適用するための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 17/072 20060101AFI20230927BHJP
【FI】
A61B17/072
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023517304
(86)(22)【出願日】2021-09-08
(85)【翻訳文提出日】2023-04-27
(86)【国際出願番号】 IB2021058165
(87)【国際公開番号】W WO2022058844
(87)【国際公開日】2022-03-24
(32)【優先日】2020-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506157570
【氏名又は名称】シラグ・ゲーエムベーハー・インターナショナル
【氏名又は名称原語表記】Cilag GMBH International
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ベンデリー・マイケル・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ゼイナー・マーク・エス
(72)【発明者】
【氏名】ストラング・ヘザー
(72)【発明者】
【氏名】リッジリー・パメラ・エム
(72)【発明者】
【氏名】デンジンガー・クリストファー・エイ
(72)【発明者】
【氏名】ソウ・クリストファー・キュー
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160CC09
4C160CC23
4C160CC40
4C160MM32
(57)【要約】
装置は、外科用ステープラの第1のステープル留め表面及び第2のステープル留め表面のうちの少なくとも一方に補助材料を適用するように構成されている。装置は、長手方向軸線を画定する接触構造と、拡張機構と、を含む。接触構造は、補助材料の第1の部分を支持するように構成された第1の接触部材と、補助材料の第2の部分を支持するように構成された、第1の接触部材に移動可能に連結された第2の接触部材と、を含む。第1の接触部材及び前記第2の接触部材は、互いに反対方向に離れる方向に移動して、補助材料の第1の部分を第1のステープル留め表面に適用し、補助材料の第2の部分を第2のステープル留め表面に適用するように構成されている。拡張機構は、接触構造を非拡張状態から拡張状態に移行させるように選択的に動作可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用ステープラのエンドエフェクタによって画定される第1のステープル留め表面又は第2のステープル留め表面のうちの少なくとも一方に補助材料を適用するように構成された装置であって、前記第1のステープル留め表面は複数のステープル開口部を含み、前記第2のステープル留め表面は複数のステープル成形ポケットを含み、前記装置は、
(a)長手方向軸線を画定する接触構造であって、前記接触構造は、
(i)第1の接触部材であって、前記第1の接触部材は、前記補助材料の第1の部分を支持するように構成されている、第1の接触部材と、
(ii)前記第1の接触部材に移動可能に連結された第2の接触部材であって、前記第2の接触部材は、前記補助材料の第2の部分を支持するように構成されている、第2の接触部材と、を含み、
前記第1の接触部材及び前記第2の接触部材は、それぞれ、前記第1のステープル留め表面及び前記第2のステープル留め表面に向かってそれぞれ反対の方向に、互いに離れて移動して、前記第1の接触部材を用いて前記補助材料の前記第1の部分を前記第1のステープル留め表面に適用し、前記第2の接触部材を用いて前記補助材料の前記第2の部分を前記第2のステープル留め表面に適用するための拡張状態にある前記接触構造を提供するように構成されている、接触構造と、
(b)前記接触構造に動作可能に連結された拡張機構であって、前記拡張機構は、前記接触構造を非拡張状態から前記拡張状態に向かって移行させるように選択的に動作可能である、拡張機構と、を備える、装置。
【請求項2】
前記第1の接触部材及び前記第2の接触部材の各々は、前記長手方向軸線に対して遠位端及び近位端を含み、前記第1の接触部材の前記近位端は、前記第2の接触部材の前記近位端と連結され、前記第1の接触部材の前記遠位端は、前記近位端が一緒に連結されたままの状態で、前記第2の接触部材の前記遠位端から分離されて、前記拡張状態において遠位方向に開く角度を画定するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記拡張機構は、
(i)第1のハンドル及び前記第1のハンドルに連結された第1のアームであって、前記第1のアームは、前記第1の接触部材と前記第2の接触部材との間に配置され、前記第1の接触部材に接触するように構成されている、第1のハンドル及び第1のアームと、
(ii)第2のハンドル及び前記第2のハンドルに連結された第2のアームであって、前記第1のアームは、前記第1の接触部材と前記第2の接触部材との間に配置され、前記第2の接触部材に接触するように構成され、前記第1のハンドル及び前記第2のハンドルは、ユーザーの手によって把持されるように構成されている、第2のハンドル及び第2のアームと、
(iii)前記第1のアームと前記第2のアームとの間に配置された枢動部材であって、
前記第1のハンドル及び前記第2のハンドルは、互いに対して枢動し、それにより前記枢動部材を介して前記第1のアームを前記第2のアームに対して枢動させるように構成され、前記第1のアーム及び前記第2のアームは、前記第1の接触部材及び前記第2の接触部材をそれぞれ反対の方向に前記第1のステープル留め表面及び前記第2のステープル留め表面に向かって付勢するように構成されている、枢動部材と、を更に含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第1のアーム又は前記第2のアームのうちの少なくとも一方は、ブレークアウェイ特徴部を含み、前記ブレークアウェイ特徴部は、前記第1のアーム及び前記第2のアームのうちの前記少なくとも一方に所定のレベルを超える力が印加されると、前記第1のアーム及び前記第2のアームのうちの前記少なくとも一方を破壊するように構成されている、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記接触構造と流体連通する流体入力ポートを更に備え、前記流体入力ポートは、前記流体入力ポートを通って連通される流体を受け入れるように構成され、前記流体は、前記接触構造を前記非拡張状態と前記拡張状態との間で作動させるように動作可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記流体は、液体又は気体から構成され、前記拡張機構は、前記流体入力ポートに連結するように構成された可撓性流体ポンプを備え、前記可撓性流体ポンプは、前記流体入力ポートを通して前記液体又は前記気体を連通させるように選択的に作動可能である、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記流体は液体で構成され、前記拡張機構は、前記流体入力ポートに連結するように構成されたシリンジを備え、前記シリンジは、前記流体入力ポートを通して前記液体を連通させるように選択的に作動可能である、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記流体は圧縮空気で構成され、前記拡張機構は、前記流体入力ポートに連結するように構成された圧縮空気キャニスタを備え、前記圧縮空気キャニスタは、前記流体入力ポートを通して前記圧縮空気を連通させるように選択的に穿孔可能である、請求項5に記載の装置。
【請求項9】
前記拡張機構は回転アクチュエータを含み、前記回転アクチュエータは、前記長手方向軸線に平行な軸線を中心に回転可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記接触構造は、圧縮性発泡体を含み、前記拡張機構は、前記第1の接触部材及び前記第2の接触部材に係合するように構成されたリテーナクリップを含み、前記リテーナクリップは、長手方向に並進移動して、前記第1の接触部材及び前記第2の接触部材を係合解除し、それにより、前記圧縮性発泡体の拡張と、結果としての前記接触構造の前記拡張状態へ向かう拡張とを可能にするように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記拡張機構は、ユーザー作動特徴部を含み、前記ユーザー作動特徴部は、前記長手方向軸線に平行に長手方向に摺動し、それにより、前記接触構造を前記拡張状態に向かって作動させるように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記拡張機構はモータを含み、前記モータは、前記接触構造を起動し、それにより前記接触構造を前記拡張状態に向かって作動させるように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記拡張機構は、第1のユーザー作動特徴部及び第2のユーザー作動特徴部を含み、前記第1のユーザー作動特徴部及び前記第2のユーザー作動特徴部は各々、前記長手方向軸線に垂直な方向への力を受け、それにより、前記接触構造を前記拡張状態に向かって作動させるように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記拡張機構は、ユーザー作動特徴部を含み、前記ユーザー作動特徴部は、前記長手方向軸線を中心に回転し、それにより、前記接触構造を前記拡張状態に向かって作動させるように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記拡張機構は、
(i)前記第1の接触部材又は前記第2の接触部材の一方に枢動可能に連結するように構成されたラッチであって、前記ラッチは、前記第1の接触部材又は前記第2の接触部材の他方に係合して、前記第1の接触部材が前記第2の接触部材から離れる方向に分離することを阻止するように構成され、前記ラッチは、枢動して前記第1の接触部材又は前記第2の接触部材の前記他方を係合解除し、それにより前記第1の接触部材及び前記第2の接触部材が分離することを可能にするように構成されている、ラッチと、
(ii)前記第1の接触部材と前記第2の接触部材との間に配置され、前記第1の接触部材及び前記第2の接触部材に接触するように構成されたねじりばねであって、前記ねじりばねは、前記第1の接触部材を前記第2の接触部材から離れる方向に付勢するように構成されている、ねじりばねと、を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
(a)複数のステープル開口部を有する第1のステープル留め表面と、複数のステープル成形ポケットを有する第2のステープル留め表面と、を含む、外科用ステープラエンドエフェクタと、
(b)請求項1に記載の装置であって、前記装置は、前記補助材料を前記第1のステープル留め表面及び前記第2のステープル留め表面に適用するように動作可能である、装置と、を備える、外科用器具アセンブリ。
【請求項17】
外科用器具のエンドエフェクタによって画定される第1のステープル留め表面又は第2のステープル留め表面のうちの少なくとも一方に補助材料を適用するように構成された装置であって、前記第1のステープル留め表面は複数のステープル開口部を含み、前記第2のステープル留め表面は複数のステープル成形ポケットを含み、前記装置は、
長手方向軸線を画定するウェッジを備え、前記ウェッジは、
(a)第1の接触部材であって、前記第1の接触部材は、前記補助材料の第1の部分に接触するように構成されている、第1の接触部材と、
(b)前記第1の接触部材に対して移動して、前記補助材料の第2の部分に接触するように構成されている第2の接触部材であって、前記第1の接触部材及び前記第2の接触部材の各々は、前記長手方向軸線に対して遠位端及び近位端を含み、前記第1の接触部材の前記遠位端は、前記第2の接触部材の前記遠位端に枢動可能に連結されている、第2の接触部材と、を含み、
前記第1の接触部材の前記近位端は、前記第2の接触部材の前記近位端から離れる方向に選択的に枢動して、前記補助材料の前記第1の部分及び前記第2の部分を外科用器具の第1のステープル留め表面及び第2のステープル留め表面に適用するように構成されている、装置。
【請求項18】
前記第1の接触部材又は前記第2の接触部材のうちの少なくとも一方は、前記補助材料の前記第1の部分を前記第1のステープル留め表面に固定すること、又は前記補助材料の前記第2の部分を前記第2のステープル留め表面に固定することのうちの少なくとも一方を行うように構成されている、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
一緒に移動可能に連結された第1の接触部材及び第2の接触部材を有する装置を用いて、外科用ステープラエンドエフェクタに補助材料を適用する方法であって、前記外科用ステープラエンドエフェクタは、複数のステープル開口部を有する第1のステープル留め表面と、複数のステープル成形ポケットを有する第2のステープル留め表面と、を含み、前記方法は、
(a)前記装置が非拡張状態にあり、前記エンドエフェクタが開状態にある間に、前記第1の接触部材が前記第1のステープル留め表面に向かい合い、前記第2の接触部材が前記第2のステープル留め表面に向かい合うように、前記装置を前記第1のステープル留め表面と前記第2のステープル留め表面との間に位置付けることと、
(b)前記装置を前記非拡張状態から拡張状態に移行させて、前記第1のステープル留め表面に向かう方向に、前記第1の接触部材を前記第2の接触部材から離して移動させることと、
(c)前記装置が前記拡張状態にある状態において、前記第1の接触部材を用いて前記補助材料の第1の部分を前記第1のステープル留め表面に固定することと、を含む、方法。
【請求項20】
前記装置が前記拡張状態にある状態において、前記第2の接触部材を用いて前記補助材料の第2の部分を前記第2のステープル留め表面に固定することを更に含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
いくつかの外科的状況において、内視鏡外科用器具は、患者体内におけるより小さい切開を利用するために、従来の開放外科用デバイスよりも好まれる場合があり、このより小さい切開の利用により、術後回復時間及び合併症が低減され得る。内視鏡外科用器具の中には、トロカールのカニューレを通して所望の手術部位に遠位エンドエフェクタを配置するのに適したものがある。これらの遠位エンドエフェクタは、様々な方法で組織と係合して、診断又は治療効果を達成し得る(例えば、エンドカッター、把持具、カッター、ステープラ、クリップアプライヤ、アクセスデバイス、薬物/遺伝子治療送達デバイス、及び、超音波、RF、レーザーなどを使用するエネルギー送達デバイスなど)。内視鏡外科用器具は、エンドエフェクタとハンドル部分との間に、臨床医によって操作されるシャフトを含み得る。かかるシャフトは、所望の深さへの挿入及びシャフトの長手方向軸線を中心とした回転を可能にし、それにより患者の体内でエンドエフェクタの位置付けを行うことを容易にし得る。エンドエフェクタの位置付けは、エンドエフェクタをシャフトの長手方向軸線に対して選択的に関節動作させるか又は別様に偏向させることを可能にする、1つ以上の関節動作ジョイント又は特徴部を含めることによって更に容易に行うことができる。
【0002】
内視鏡外科用器具の例として、外科用ステープラが挙げられる。いくつかのかかるステープラは、組織層をクランプし、クランプされた組織層を切断し、組織層を通してステープルを打ち込むことによって、組織層の切断された端部の近くで、切断された組織層を互いに実質的にシールするように動作可能である。単なる例示的な外科用ステープラが、2008年6月3日に発行された米国特許第7,380,696号、名称「Articulating Surgical Stapling Instrument Incorporating a Two-Piece E-Beam Firing Mechanism」、2013年4月2日に発行された米国特許第8,408,439号、名称「Surgical Stapling Instrument with An Articulatable End Effector」、及び2013年6月4日に発行された米国特許第8,453,914号、名称「Motor-Driven Surgical Cutting Instrument with Electric Actuator Directional Control Assembly」に開示されている。上に引用した米国特許及び米国特許出願公開のそれぞれの開示内容を参照により本明細書に援用するものとする。
【0003】
外科用ステープラはまた、開腹処置において及び/又は他の非内視鏡処置において用いられ得る。単に一例として、トロカールをステープラの導管として使用しない胸部外科処置では、外科用ステープラを開胸術によって患者の肋骨の間に挿入し、1つ以上の臓器に到達させることもできる。例えば、臓器につながる血管を、胸腔から臓器を切除する前にステープラによって切断して閉鎖することができる。当然のことながら、外科用ステープラは、様々な他の設定及び処置において使用され得る。
【0004】
様々な種類の外科用ステープル留め器具及び関連構成要素が製造及び使用されてきたが、本発明者ら以前の誰も、添付の特許請求の範囲に記載されている発明を製造又は使用したことがないと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本明細書に組み込まれ、かつその一部をなす添付の図面は、本発明の実施形態を例示するものであり、上記の本発明の一般的な説明、及び以下の実施形態の詳細な説明とともに、本発明の原理を説明する役割を果たすものである。
【
図1】例示の外科用ステープル留め器具の斜視図である。
【
図3】開放状態にある、
図1の器具のエンドエフェクタの斜視図である。
【
図4A】発射ビームが近位位置にある、
図3の線4-4に沿って取られた、
図3のエンドエフェクタの側面断面図である。
【
図4B】発射ビームが遠位位置にある、
図3の線4-4に沿ってとられた、
図3のエンドエフェクタの側面断面図である。
【
図5】
図3の線5-5に沿ってとられた、
図3のエンドエフェクタの端面断面図である。
【
図6】
図3のエンドエフェクタの分解斜視図である。
【
図7】組織に配置され、組織内で1回作動された後の、
図3のエンドエフェクタの斜視図である。
【
図8】各々が
図3のエンドエフェクタのジョーに適用され得る、例示的な一対のバットレスアセンブリの斜視図である。
【
図9A】
図8のバットレスアセンブリがエンドエフェクタの上側ジョー及び下側ジョーに適用された状態の
図3のエンドエフェクタの一部分の断面端面図であり、組織が上側ジョーと下側ジョーとの間に位置付けられた状態のエンドエフェクタジョーを示す。
【
図9B】エンドエフェクタが組織上で閉鎖状態にある、
図9Aのエンドエフェクタ及びバットレスアセンブリの断面端面図である。
【
図9C】
図3のエンドエフェクタによって組織に固定された後の、
図9Aの成形済みステープル及びバットレスアセンブリの断面図である。
【
図10】
図3のエンドエフェクタによって組織に固定された後の、
図9Aの成形済みステープル及びバットレスアセンブリの斜視図である。
【
図11】
図8のバットレスアセンブリを保持及び適用するために用いられ得る、例示的なバットレスアプライヤカートリッジの斜視図である。
【
図12】
図11のバットレスアプライヤカートリッジの上面図である。
【
図13A】エンドエフェクタとバットレスアプライヤカートリッジが互いに整列されているところを示す、
図3のエンドエフェクタ及び
図11のバットレスアプライヤカートリッジの斜視図である。
【
図13B】エンドエフェクタがバットレスアプライヤカートリッジのプラットフォーム上で閉鎖されている、
図3のエンドエフェクタ及び
図11のバットレスアプライヤカートリッジの斜視図である。
【
図14A】非拡張状態にあるアプリケータデバイスを示す、第1の例示的な代替アプリケータデバイス、アプリケータデバイスに適用された
図8のバットレスアセンブリ、及び
図3のエンドエフェクタの側面断面図である。
【
図14B】アプリケータデバイスが、バットレスアセンブリをエンドエフェクタに固定するための拡張状態にある、
図14Aのアプリケータデバイス、
図8のバットレスアセンブリ、及び
図3のエンドエフェクタの側面断面図である。
【
図15A】非拡張状態にあるアプリケータデバイスを示す、第2の例示的な代替アプリケータデバイス、アプリケータデバイスに適用された
図8のバットレスアセンブリ、及び
図3のエンドエフェクタの側面断面図である。
【
図15B】アプリケータデバイスが、バットレスアセンブリをエンドエフェクタに固定するための拡張状態にある、
図15Aのアプリケータデバイス、
図8のバットレスアセンブリ、及び
図3のエンドエフェクタの側面断面図である。
【
図16A】非拡張状態にあるアプリケータデバイスを示す、第3の例示的な代替アプリケータデバイス、アプリケータデバイスに適用された
図8のバットレスアセンブリの部分的な側面断面図である。
【
図16B】アプリケータデバイスに空気ポンプが連結され、第1の状態にある、
図16Aのアプリケータデバイス、
図8のバットレスアセンブリ、及び
図3のエンドエフェクタの部分的な側面断面図である。
【
図16C】アプリケータデバイスに空気ポンプが連結され、第2の状態にあり、それによりバットレスアセンブリをエンドエフェクタに固定するためにアプリケータデバイスが拡張されている、
図16Aのアプリケータデバイス、
図8のバットレスアセンブリ、及び
図3のエンドエフェクタの部分的な側面断面図である。
【
図17】
図8のバットレスアセンブリがアプリケータデバイスに適用され、
図3のエンドエフェクタがバットレスアセンブリの適用のために位置付けられ、アプリケータデバイスに流体インジェクタが連結された、非拡張状態にあるアプリケータデバイスを示す、第4の例示的な代替アプリケータデバイスの部分的な側面断面図である。
【
図18A】非拡張状態にあるアプリケータデバイスを示す、第5の例示的な代替アプリケータデバイス、アプリケータデバイスに適用された
図8のバットレスアセンブリの部分的な側面断面図である。
【
図18B】圧縮空気インジェクタがアプリケータデバイスに連結され、圧縮空気が第1の状態にあり、アプリケータデバイスが非拡張状態にある、
図18Aのアプリケータデバイス、
図8のバットレスアセンブリ、及び
図3のエンドエフェクタの部分的な側面断面図である。
【
図18C】アプリケータデバイスに圧縮空気インジェクタが連結され、圧縮空気は第2の状態にあり、それによりバットレスアセンブリをエンドエフェクタに固定するためにアプリケータデバイスが拡張されている、
図18Aのアプリケータデバイス、
図8のバットレスアセンブリ、及び
図3のエンドエフェクタの部分的な側面断面図である。
【
図19A】
図8のバットレスアセンブリがアプリケータデバイスに適用され、アプリケータデバイスが第1の非拡張状態にある、第6の例示的な代替アプリケータデバイスの側面図である。
【
図19B】アプリケータデバイスが第2の拡張状態にあり、それによりバットレスアセンブリがエンドエフェクタに固定されている、
図19Aのアプリケータデバイスの側面図である。
【
図20A】
図8のバットレスアセンブリがアプリケータデバイスのアプリケータパッドに適用され、アプリケータデバイスが第1の非拡張状態にある、第7の例示的な代替アプリケータデバイスの部分側面断面図である。
【
図20B】アプリケータパッドが第1の非拡張状態にある、
図20Aのアプリケータデバイス、
図8のバットレスアセンブリ、及び
図3のエンドエフェクタの部分側面断面図である。
【
図20C】アプリケータパッドが第2の拡張状態にあり、それによりバットレスアセンブリがエンドエフェクタに固定されている、
図20Aのアプリケータデバイス、
図8のバットレスアセンブリ、及び
図3のエンドエフェクタの部分側面断面図である。
【
図21A】アプリケータデバイスが第1の非拡張状態にある、第8の例示的な代替アプリケータデバイスの斜視図である。
【
図21B】アプリケータデバイスが第2の拡張状態にある、
図21Aのアプリケータデバイスの斜視図である。
【
図22A】
図8のバットレスアセンブリがアプリケータデバイスに適用され、アプリケータデバイスが第1の非拡張状態にある、
図21Aの線22A-22Aに沿って見た
図21Aのアプリケータデバイスの部分側面断面図である。
【
図22B】
図8のバットレスアセンブリがアプリケータデバイスに適用され、アプリケータデバイスが第2の拡張状態にあり、それによりバットレスアセンブリがエンドエフェクタに固定されている、
図21Bの線22B-22Bに沿って見た
図21Aのアプリケータデバイスの部分側面断面図である。
【
図23A】
図8のバットレスアセンブリがアプリケータデバイスに適用され、アプリケータデバイスが第1の非拡張状態にある、第9の例示的な代替アプリケータデバイスの部分側面断面図である。
【
図23B】
図8のバットレスアセンブリがアプリケータデバイスに適用され、アプリケータデバイスが第2の拡張状態にあり、それによりバットレスアセンブリがエンドエフェクタに固定されている、
図23Aのアプリケータデバイスの部分側面断面図である。
【
図24A】アプリケータデバイスが第1の非拡張状態にある、第10の例示的な代替アプリケータデバイスの斜視図である。
【
図24B】アプリケータデバイスが第2の拡張状態にあり、それによりバットレスアセンブリがエンドエフェクタに固定されている、
図24Aのアプリケータデバイスの斜視図である。
【
図25A】アプリケータデバイスが第1の非拡張状態にある、
図24Aの線25A-25Aに沿って見た
図24Aのアプリケータデバイスの上面断面図である。
【
図25B】アプリケータデバイスが第2の拡張状態にあり、それによりバットレスアセンブリがエンドエフェクタに固定されている、
図24Aの線25A-25Aに沿って見た
図24Aのアプリケータデバイスの上面断面図である。
【
図26A】アプリケータデバイスが第1の非拡張状態にある、第11の例示的な代替アプリケータデバイスの斜視図である。
【
図26B】アプリケータデバイスが第2の拡張状態にあり、それによりバットレスアセンブリがエンドエフェクタに固定されている、
図26Aのアプリケータデバイスの斜視図である。
【
図27A】アプリケータデバイスが第1の非拡張状態にある、
図26Aの線27A-27Aに沿って見た
図26Aのアプリケータデバイスの部分断面図である。
【
図27B】アプリケータデバイスが第2の状態にあり、拡張しており、それによりバットレスアセンブリがエンドエフェクタに固定されている、
図26Bの線27B-27Bに沿って見た
図26Aのアプリケータデバイスの部分断面図である。
【
図28A】
図8のバットレスアセンブリがアプリケータデバイスに適用され、アプリケータデバイスが第1の非拡張状態にある、第12の例示的な代替アプリケータデバイスの側面断面図である。
【
図28B】
図8のバットレスアセンブリがアプリケータデバイスに適用され、アプリケータデバイスが第2の拡張状態にあり、それによりバットレスアセンブリがエンドエフェクタに固定されている、
図28Aのアプリケータデバイス及び
図3のエンドエフェクタの側面断面図である。
【0006】
図面は、いかなる方式でも限定することを意図しておらず、本発明の様々な実施形態は、図面に必ずしも描写されていないものを含め、他の様々な方式で実施し得ることが企図される。本明細書に組み込まれ、かつその一部をなす添付図面は、本発明のいくつかの態様を例示するものであり、説明とともに本発明の原理を説明する役割を果たすものである。しかしながら、本発明が、示される正確な配置に限定されない点は理解される。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本技術の特定の実施例の以下の説明は、その範囲を限定する目的で用いられるべきではない。本技術の他の実施例、特徴、態様、実施形態、及び利点が、実例として、本技術を実施する上で想到される最良の態様の1つである以下の説明により、当業者には明らかとなるであろう。理解されるように、本明細書に記載される技術は、いずれもその技術から逸脱することなく、他の異なる、かつ明らかな態様が可能である。したがって、図面及び説明は、限定的なものではなく、本質的に例示的なものとしてみなされるべきである。
【0008】
本明細書に記載される教示、表現、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ以上を、本明細書に記載されるその他の教示、表現、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ以上と組み合わせることができる点も、更に理解されよう。それゆえに、以下に記載される教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して切り離して考慮されるべきではない。本明細書の教示を組み合わせることができる種々の好適な方法が、本明細書の教示を考慮することにより当業者には容易に明らかとなるであろう。このような修正例及び変形例は、特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【0009】
本開示の明瞭さのために、「近位」及び「遠位」という用語は、人間又はロボットである外科用器具の操作者に対して、本明細書で定義される。「近位」という用語は、人間又はロボットである外科用器具の操作者により近く、かつ、外科用器具の外科用エンドエフェクタから更に離れた要素の位置を意味する。「遠位」という用語は、外科用器具の外科用エンドエフェクタにより近く、かつ、人間又はロボットである外科用器具の操作者から更に離れた要素の位置を意味する。加えて、「上側」、「下側」、「側方」、「横断」、「底部」、及び「頂部」という用語は、以下に提供される図の説明に更なる明瞭性を提供するための相対的な用語である。「上側」、「下側」、「側方」、「横断」、「底部」、及び「頂部」という用語は、したがって、本明細書に説明される発明を不必要に限定することを意図するものではない。
【0010】
I.例示的な外科用ステープラ
図1~
図7は、外科的処置を行うために、トロカールカニューレ又は切開術(例えば、開胸術など)を通して患者の手術部位に挿入するようにサイズ決定された、例示的な外科用ステープル留め及び切断器具(10)を示す。本実施例の器具(10)は、シャフト(22)に接続されたハンドル部分(20)を含み、シャフト(22)は、関節動作ジョイント(11)において遠位で終端をなし、関節動作ジョイント(11)はエンドエフェクタ(12)と更に連結されている。関節動作ジョイント(11)及びエンドエフェクタ(12)が、トロカールのカニューレ通路を通って一旦挿入されると、関節動作ジョイント(11)は、エンドエフェクタ(12)を、シャフト(22)の長手方向軸線(longitudinal axis、LA)から所望の角度(α)に偏向させることができるように、
図1に仮想線で描写されるように、関節動作制御部(13)によって遠隔的に関節動作させられ得る。本実施例のエンドエフェクタ(12)は、ステープルカートリッジ(37)を含んだ下側ジョー(16)と、枢動可能なアンビル(18)の形態の上側ジョーと、を含む。
【0011】
ハンドル部分(20)は、ピストルグリップ(24)及び閉鎖トリガ(26)を含む。閉鎖トリガ(26)は、ピストルグリップ(24)に向かって枢動可能であり、エンドエフェクタ(12)の下側ジョー(16)に向かってアンビル(18)のクランプ又は閉鎖を行うことができる。かかるアンビル(18)の閉鎖は、閉鎖管(32)及び閉鎖用リング(33)を介してもたらされ、その両方とも、ピストルグリップ(24)に対する閉鎖トリガ(26)の枢動に応答して、ハンドル部分(20)に対して長手方向に並進する。閉鎖管(32)はシャフト(22)の長さに沿って延在し、閉鎖用リング(33)は関節動作ジョイント(11)の遠位に位置付けられる。関節動作ジョイント(11)は、閉鎖管(32)から閉鎖用リング(33)まで長手方向の移動を伝達/伝動するように動作可能である。
【0012】
図2に示されるように、ハンドル部分(20)はまた、発射トリガ(28)を含む。細長部材(図示せず)は、シャフト(22)を通って長手方向に延在し、発射トリガ(28)の作動に応答してハンドル部分(20)から発射ビーム(14)まで長手方向の発射運動を伝達する。以下で更に詳細に説明されるように、発射ビーム(14)のこの遠位並進により、エンドエフェクタ(12)内でクランプされた組織のステープル留め及び切断が行われる。
【0013】
図3~
図6に最もよく見られるように、エンドエフェクタ(12)は発射ビーム(14)を用いており、発射ビーム(14)は、横断方向に向けられた上側ピン(38)と、発射ビームキャップ(44)と、横断方向に向けられた中間ピン(46)と、遠位方向に提示された切断縁部(48)と、を含む。上側ピン(38)は、アンビル(18)の長手方向アンビルスロット(42)内に位置付けられ、長手方向アンビルスロット(42)内を並進可能である。発射ビームキャップ(44)は、下側ジョー(16)を通って形成された下側ジョースロット(45)(
図4Bに示す)を通って延在する発射ビーム(14)を有することによって、下側ジョー(16)の下面に摺動可能に係合する。中間ピン(46)は、発射ビームキャップ(44)と協働する下側ジョー(16)の上面に摺動式に係合する。
【0014】
図3は、近位に位置付けられている本実施例の発射ビーム(14)と、開放構成へと枢動されて、下側ジョー(16)のチャネル内に、未使用のステープルカートリッジ(37)を着脱可能に装着することが可能なアンビル(18)と、を示す。
図5~
図6に最もよく見られるように、この実施例のステープルカートリッジ(37)は、上側デッキ(72)を提示し、下側カートリッジトレイ(74)と連結されている、カートリッジ本体(70)を含む。
図3に最もよく見られるように、垂直スロット(49)が、ステープルカートリッジ本体(70)の一部分を貫いて長手方向に延在する。また、
図3に最もよく示されるように、3列のステープル開口部(51)が、垂直スロット(49)の各側面上の上側デッキ(72)を貫いて形成される。
図4A~
図6に示すように、楔形スレッド(41)及び複数のステープルドライバ(43)が、カートリッジ本体(70)とトレー(74)との間に捕捉されており、楔形スレッド(41)は、ステープルドライバ(43)よりも近位に位置している。楔形スレッド(41)は、ステープルカートリッジ(37)内で長手方向に移動可能であり、一方でステープルドライバ(43)は、ステープルカートリッジ(37)内で垂直方向に移動可能である。ステープル(47)も、カートリッジ本体(70)内部で、対応するステープルドライバ(43)の上方に位置付けられている。それぞれのステープル(47)は、ステープルドライバ(43)によってカートリッジ本体(70)内で垂直方向に駆動され、ステープル(47)は、関連付けられたステープル開口部(51)を通って外へと打ち出される。
図4A~
図4B、及び
図6に最もよく見られるように、楔形スレッド(41)は、楔形スレッド(41)がステープルカートリッジ(37)を通って遠位方向に駆動されるとステープルドライバ(43)を上方に付勢する、傾斜したカム面を提示する。
【0015】
図4A~
図4Bに示されるように、閉鎖管(32)及び閉鎖用リング(33)を遠位方向に前進させることによってエンドエフェクタ(12)が閉鎖されると、発射ビーム(14)が遠位方向に前進され、上側ピン(38)が長手方向アンビルスロット(42)に入ることによって、アンビル(18)と係合する。プッシャブロック(80)(
図5に図示)は、発射ビーム(14)の遠位端部に位置し、発射トリガ(28)が作動されたとき、発射ビーム(14)がステープルカートリッジ(37)を通って遠位方向に前進される際に楔形スレッド(41)を遠位に押す。かかる発射中に、発射ビーム(14)の切断縁部(48)は、ステープルカートリッジ(37)の垂直スロット(49)に入り、ステープルカートリッジ(37)とアンビル(18)との間にクランプされている組織を切断する。
図4A~
図4Bに示すように、中間ピン(46)及びプッシャブロック(80)は共に、ステープルカートリッジ(37)内の垂直スロット(49)内に入ることによってステープルカートリッジ(37)を作動させ、楔形スレッド(41)を駆動してステープルドライバ(43)と上向きにカム接触させ、これにより、ステープル(47)がステープル開口部(51)を通って外へと駆動され、アンビル(18)の内面上のステープル成形ポケット(53)(
図3に示す)と成形接触する。
図4Bは、組織の切断及びステープル留めが完了した後で、遠位方向に完全に並進した発射ビーム(14)を示す。ステープル成形ポケット(53)は、
図3には示されているが、
図4A~
図4Bの図からは意図的に省略されている。アンビル(18)は、
図5の図から意図的に省略されている。
【0016】
図7は、組織(90)を通した1回のストロークにわたって作動されたエンドエフェクタ(12)を示す。切断縁部(48)(
図7では不明瞭)は、組織(90)を切断しており、一方、ステープルドライバ(43)は、切断縁部(48)により形成される切断線の両側に、ステープル(47)の3本の交互の列を組織(90)を貫通して打ち込んでいる。第1のストロークが完了した後、エンドエフェクタ(12)を患者から引き抜き、使用済みのステープルカートリッジ(37)を新しいステープルカートリッジ(37)と交換し、次いでエンドエフェクタ(12)を再び患者体内に挿入して、ステープル留めする部位に到達させて更なる切断及びステープル留めを行う。このプロセスは、組織(90)を横切る発射ストロークの所望の量及びパターンが完了するまで繰り返され得る。
【0017】
器具(10)は、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる以下の参考文献の教示のうちのいずれかに従って更に構成され、動作可能であってもよく、それらの参考文献は、2012年7月3日発行の「Motor-Driven Surgical Instrument」と題する米国特許第8210411号、2015年11月17日発行の「Surgical Instrument End Effector Articulation Drive with Pinion and Opposing Racks」と題する米国特許第9,186,142号、2016年12月13日発行の「Integrated Tissue Positioning and Jaw Alignment Features for Surgical Stapler」と題する米国特許第9,517,065号、2017年4月18日発行の「Distal Tip Features for End Effector of Surgical Instrument」と題する米国特許第9,622,746号、2017年8月1日発行の「Lockout Feature for Movable Cutting Member of Surgical Instrument」と題する米国特許第9,717,497号、2017年10月24日発行の「Surgical Instrument with Multi-Diameter Shaft」と題する米国特許第9,795,379号、2017年11月7日発行の「Installation Features for Surgical Instrument End Effector Cartridge」と題する米国特許第9,808,248号、2017年12月12日発行の「Jaw Closure Feature for End Effector of Surgical Instrument」と題する米国特許第9,839,421号、及び/又は2018年10月9日発行の「Staple Forming Features for Surgical Stapling Instrument」と題する米国特許第10,092,292号である。
【0018】
II.例示的なバットレスアセンブリ及びバットレスアプライヤカートリッジ
いくつかの事例では、ステープル(47)によってもたらされる組織の機械的締結を補強するため、外科用器具(10)のエンドエフェクタ(12)にバットレスなどの補助材料を備え付けることが望ましくなり得る。このようなバットレスは、適用されたステープル(47)が組織から抜け出ることを防止することができ、そうしない場合に生じる、ステープル(47)の適用部位又はその付近において組織が裂けるリスクを、低減させることができる。ステープル(47)のラインに構造的支持及び一体性を提供することに加えて又はそれに代えて、バットレスは、空隙又は間隙の充填、治療薬の投与、及び/又は別の効果などの、様々な他の種類の効果を提供し得る。いくつかの場合では、バットレスは、ステープルカートリッジ(37)の上部デッキ(72)上に設けられてもよい。上述したように、デッキ(72)は、ステープルドライバ(43)によって駆動されるステープル(47)を収納する。幾つかの他の事例では、バットレスは、ステープルカートリッジ(37)に面するアンビル(18)の表面上に提供されることもある。第1のバットレスがステープルカートリッジ(37)のデッキ(72)上に提供され得る一方、第2のバットレスが同じエンドエフェクタ(12)のアンビル(18)上に提供されることも理解されるべきである。
【0019】
バットレスが取り得る様々な形の例を、以下により詳細に記載する。バットレスがステープルカートリッジ(37)又はアンビル(18)に固定され得る様々な方法についても、以下で詳細に述べられる。例示的なバットレスアセンブリ、バットレスアセンブリを適用するための例示的な材料及び技術、並びに例示的なバットレスアプライヤカートリッジは、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2019年1月1日発行の「Method of Applying a Buttress to a Surgical Stapler End Effector」と題する米国特許第10,166,023号、及び/又は、2019年7月16日発行の「Method of Applying a Buttress to a Surgical Stapler」と題する米国特許第10,349,939号の教示の少なくとも一部に従って構成され得る。
【0020】
A.バットレスアセンブリの例示的な構成
図8は、例示的な一対のバットレスアセンブリ(110、112)(それぞれが個別に「バットレス」とも呼ばれる)を示す。本実施例のバットレスアセンブリ(110)は、バットレス本体(114)と、上側接着層(116)と、を備える。同様に、バットレスアセンブリ(112)は、バットレス本体(118)と、下側接着層(120)と、を備える。本実施例では、それぞれのバットレス本体(114、118)は、ステープル(47)のラインを構造的に支持するように構成された、強固でありながらも可撓性を有する材料を含む。あくまで一例として、各バットレス本体(114、118)は、Ethicon,Inc.(Somerville,New Jersey)によるポリグラクチン910材料のメッシュを含み得る。代替として、それぞれのバットレス本体(114、118)を形成するために、ポリグラクチン910材料に加えて又はそれに代えて、任意の他の好適な材料又は材料の組み合わせが使用されてもよい。
【0021】
それぞれのバットレス本体(114、118)は、例えば、血液を凝固させることを支援し、かつ組織(T1、T2)に沿った切断及び/又はステープル留めされた手術部位における出血を低減するための、フィブリンなどの止血剤を含む材料を含み得る。別の単なる例示的な実施例として、それぞれのバットレス本体(114、118)が、血液を凝固させ、かつ手術部位における出血量を低減させることを支援し得るように、それぞれのバットレス本体(114、118)は、他の添加剤を含んでもよく、又はトロンビンなどの止血剤を含んでもよい。それぞれのバットレス本体(114、118)に組み入れられ得る他の添加剤又は試薬として、薬液又はマトリックス成分を更に挙げることができるが、これらに限定されない。
【0022】
本実施例では、バットレス本体(114)をアンビル(18)の下面(124)に接着するために、接着層(116)がバットレス本体(114)上に設けられる。同様に、バットレス本体(118)をステープルカートリッジ(37)の上部デッキ(72)に接着するために、接着層(120)がバットレス本体(118)上に設けられる。そのような接着材料は、エンドエフェクタ(12)の作動前及び作動中におけるバットレス本体(114、118)の適切な位置付けをもたらし、次いで、バットレス本体(114、118)のその後の適切な機能を損なうのに実質的に十分な損傷をバットレス本体(114、118)に引き起こすことなく、エンドエフェクタ(12)が作動された後に、バットレス本体(114、118)をエンドエフェクタ(12)から分離させることを可能にし得る。
【0023】
B.バットレスアセンブリを用いた組織の例示的なステープル留め
図9A~
図9Cは、バットレスアセンブリ(110、112)を装填されたエンドエフェクタ(12)が作動されて、2つの対向する組織層(T
1、T
2)を通してステープル(47)を駆動し、バットレスアセンブリ(110、112)がステープル(47)によって同じ組織層(T
1、T
2)に固定される例示的なシーケンスを示す。具体的には、
図9Aは、アンビル(18)とステープルカートリッジ(37)との間に位置付けられた組織層(T
1、T
2)を示し、アンビル(18)は、開放位置にある。バットレスアセンブリ(110)は、接着層(116)を介してアンビル(18)の下面(124)に接着されており、バットレスアセンブリ(112)は、接着層(120)を介してステープルカートリッジ(37)の上部デッキ(72)に接着されている。組織層(T
1、T
2)はこのようにして、バットレスアセンブリ(110、112)の間に挟入される。次に、閉鎖トリガー(26)を、ピストル把持部(24)に向けて枢動させて、閉鎖管(32)及び閉鎖用リング(33)を遠位方向に駆動する。これにより、
図9Bに示すように、アンビル(18)が閉鎖位置へと駆動される。この段階で、組織の層(T
1、T
2)がアンビル(18)とステープルカートリッジ(37)との間で圧縮され、バットレスアセンブリ(110、112)が組織の層(T
1、T
2)の対向する表面と係合する。次いで、上述のようにエンドエフェクタ(12)が作動され、バットレスアセンブリ(110、112)及び組織(T
1、T
2)を通してステープル(47)が駆動される。
図13Cに示されるように、駆動されたステープル(47)のクラウン(122)は、組織(T
2)の層に対してバットレスアセンブリ(112)を捕捉し保持する。ステープル(47)の変形した脚部(126)は、組織層(T
1)に接してバットレスアセンブリ(110)を捕捉し保持する。
【0024】
一連のステープル(47)が同様に、組織層(T
1、T
2)に対してバットレスアセンブリ(110、112)を捕捉し保持することにより、
図10に示されるように、バットレスアセンブリ(110、112)が組織(T
1、T
2)に固定されることになる。ステープル(47)及びバットレスアセンブリ(110、112)が配備された後に、エンドエフェクタ(12)が組織(2)から引き離されると、バットレスアセンブリ(110、112)はエンドエフェクタから係合解除され、そのため、バットレスアセンブリ(110、112)はステープル(47)で組織(T
1、T
2)に固定された状態を維持する。したがって、バットレス(110、112)は、組織(T
1、T
2)内に形成されたステープル(47)のラインを構造的に補強する。
図10でも分かるように、遠位に示される、発射ビーム(14)の切断縁部(48)はまた、バットレス組織アセンブリ(110、112)の中央線を通って切断し、それぞれのバットレスアセンブリ(110、112)を対応する一対の部分に分離し、それによりそれぞれの部分は組織(T
1、T
2)の対応する切断領域に固定されたままである。
【0025】
C.アクティブリテーナアームを備えた例示的なバットレスアプライヤカートリッジ
外科用器具(10)のエンドエフェクタ(12)は、1回の外科処置中に複数回作動され得るため、操作者が、その1回の外科処置中にバットレスアセンブリ(110、112)をエンドエフェクタジョー(16、18)上に繰り返しかつ容易に装填することを可能にすることが望ましい場合がある。
図11~
図13Bは、バットレスアセンブリ(110、112)などの補助材料を支持し、保護し、エンドエフェクタ(12)に適用するために使用され得る例示的なバットレスアプライヤカートリッジ(210)(「バットレスアプリケータ」とも呼ばれる)を示す。
図11及び
図12に最良に示されるように、この実施例のカートリッジ(210)は、開放端部(212)と閉鎖端部(214)とを備えている。以下で更に詳細に説明されるように、開放端部(212)は、エンドエフェクタ(12)を受容するように構成されている。カートリッジ(210)は、それぞれが全体として「U」字形状を概ね画定して開放端部(212)を呈する第1のハウジング(216a)及び第2のハウジング(216b)を更に含む。プラットフォーム(218)及びスレッドリテーナ(220)が、第1のハウジング(216a)と第2のハウジング(216b)との間に挟入されている。
【0026】
本実施例のプラットフォーム(218)は、プラットフォーム(218)の一方の側で一対のバットレスアセンブリ(110)を、プラットフォーム(218)のもう一方の側で別の一対のバットレスアセンブリ(112)を支持するように構成されている。プラットフォーム(218)は、第1のハウジング(216a)及び第2のハウジング(216b)の「U」字構成のプロングの間に形成された凹部において露出されている。それぞれのバットレスアセンブリ(110、112)は、それぞれ、アンビル(18)及びステープルカートリッジ(37)のスロット(42、49)を横切って広がることを回避するために分離された対応する一対の部分として提供されているが、プラットフォーム(218)は、アンビル(18)及びステープルカートリッジ(37)のスロット(42、49)を横切って一体として広がる、幅広型のバットレスアセンブリ(110、112)をも、それぞれ、同様に簡単に支持し得る。より具体的には、プラットフォーム(218)の外縁部は、第1のハウジング(216a)及び第2のハウジング(216b)に更に係合する隆起部の形態の保持機構(230)を含んで、プラットフォーム(218)が、第1のハウジング(216a)及び第2のハウジング(216b)に対して摺動することを防止している。
【0027】
第1及び第2のハウジング(216a、216b)は、一体型把持機構(222)と、第1及び第2のハウジング(216a、216b)内に形成された窓(226)に対応するように位置付けられたインジケータプレート(224)と、を含み、インジケータプレート(224)は、異なる時間に窓(226)を通して視認可能となっている。本実施例のアーム(228)は、バットレスアセンブリ(110、112)をプラットフォーム(218)に選択的に固定するように構成されている。本実施例では、アーム(228)は弾性であり、したがって、バットレスアセンブリ(110、112)を弾性的に支持し、それによりバットレスアセンブリ(110、112)をプラットフォーム(218)に対して挟み込むように構成されている。バットレスアプライヤカートリッジ(210)は、一対のテーパカム表面(232)と、第1及び第2のハウジング(216a、216b)の対応する表面に係合するように位置付けられたそれぞれの対のハウジング係合機構(234)と、を含む。第1及び第2のハウジング(216a、216b)は、エンドエフェクタ(40)とカートリッジ(210)との適切な位置合わせを提供するのを支援するように構成された近位ガイド機構(236)及び遠位ガイド機構(238)を含む。
【0028】
図13Aは、リテーナアーム(228)がバットレスアセンブリ(110、112)をプラットフォーム(218)に対して保持するように位置付けられている構成にあるカートリッジ(210)を示し、
図13Bは、リテーナアーム(228)がバットレスアセンブリ(110、112)をプラットフォーム(218)から解放するように位置付けられている構成にあるカートリッジ(210)を示す。
図13A~
図13Bは、プラットフォーム(218)上のバットレスアセンブリ(110)のみを示しているが、バットレスアセンブリ(112)が、同一の方式でプラットフォーム(218)上に保持され、プラットフォーム(218)から解放されている。カートリッジ(210)を使用してエンドエフェクタ(12)を装填するために、操作者は最初に、
図13Aに示されるようにエンドエフェクタがカートリッジ(210)の開放端部(212)と整列するように、カートリッジ(210)及びエンドエフェクタ(12)を位置付けることになる。操作者は次いで、
図13Bに示されるように、エンドエフェクタ(12)を遠位側に前進させて、かつ/又はカートリッジ(210)を近位側に後退させて、プラットフォーム(218)及びバットレスアセンブリ(110、112)をアンビル(18)とステープルカートリッジ(37)との間に位置付ける。次いで、器具(10)の閉鎖トリガ(26)が操作者によって絞り込まれて、プラットフォーム(218)上のエンドエフェクタジョー(16、18)が閉鎖され、それによって、バットレスアセンブリ(110、112)がアンビル(18)及びステープルカートリッジ(37)に接着剤で取り付けられ、同時にカム表面(232)が押し下げられる。カム表面(232)の押し下げは、リテーナアーム(228)を横方向外向きに作動させ、それによってバットレスアセンブリ(110、112)をプラットフォーム(218)から解放することになり、その結果、エンドエフェクタジョー(16、18)がプラットフォーム(218)から係合解除され得る一方で、バットレスアセンブリ(110、112)はアンビル(18)及びステープルカートリッジ(37)に接着されたままである。
【0029】
III.外科用ステープラエンドエフェクタにバットレスを適用する例示的な代替アプリケータデバイス及び関連する方法
場合によっては、ジョーが依然として開放状態にある間に、あるいは、外科用ステープラ(10)の閉鎖トリガ(26)の作動など、ステープラのエンドエフェクタ閉鎖システムの作動によってジョーを閉鎖することなく、外科用ステープラエンドエフェクタの一方又は両方のジョーにステープル補強補助要素を適用するように構成されているアプリケータデバイスを提供することが所望され得る。以下に説明される例示的なアプリケータデバイスは、このような機能を提供するものであり、したがって、各アプリケータデバイスは、エンドエフェクタに対して操作されて、上述の
図13A~
図13Bに示されるようなジョーの作動閉鎖を必要とすることなく、補助要素を一方又は両方のジョーに適用するように構成されている。
【0030】
以下に記載される例示的なアプリケータデバイスのいずれもが、上述のバットレスアセンブリ(110、112)などのバットレス、又は例えば、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、2012年4月5日に公開され、現在は放棄されている米国特許出願公開第2012/0080336号、発明の名称「Staple Cartridge Comprising Staples Positioned Within A Compressible Portion Thereof」に開示されているタイプの組織厚さコンペンセータの形態をなす補助要素を適用するように構成され得ることが理解されよう。加えて、エンドエフェクタのジョーへのステープル補強要素の適用は、上述のような接着機構を用いて、かつ/又は、例えば、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、2010年2月23日に発行された米国特許第7,665,646号、発明の名称「Interlocking Buttress Material Retention System」に開示されているタイプの機械的連結機構を用いて達成されてもよい。更に、以下に記載される例示的なアプリケータデバイスのいずれも、1回の使用又は複数回の使用のために適切に構築され得る。
【0031】
A.第1の例示的な代替アプリケータデバイス
図14A~
図14Bは、補助材料(例えば、バットレスアセンブリ(110、112)又は組織厚さコンペンセータ)を外科用ステープラ(10)のエンドエフェクタ(12)のジョー(例えば、下側ジョー(16)又はアンビル(18))に適用するように構成されている第1の例示的な代替アプリケータデバイス(300)を示す。アプリケータデバイス(310)は、アンビル(18)又は下側ジョー(16)の厚さを調節して、アプリケータデバイス(310)が補助材料をアンビル(18)及び下側ジョー(16)の両方に別々に好適に適用することを可能にする。
図14Aに示すように、アプリケータデバイス(300)は、拡張機構(301)と、拡張可能ウェッジ(314)として示される接触構造とを含む。本実施例の拡張機構(301)は、ハンドル(302、304)、圧縮ばね(306)、及びアプリケータアーム(308、310)を含む。
【0032】
本実施例のウェッジ(314)は、ウェッジ(314)の一方の側で一対のバットレスアセンブリ(110)を、ウェッジ(314)の反対側で別の一対のバットレスアセンブリ(112)を支持するように構成されている。それぞれのバットレスアセンブリ(110、112)は、それぞれ、アンビル(18)及びステープルカートリッジ(37)(
図3を参照)のスロット(42、49)を横切って広がることを回避するために分離された対応する一対の部分として提供されているが、ウェッジ(314)は、アンビル(18)及びステープルカートリッジ(37)のスロット(42、49)を横切って一体として広がる、幅広型のバットレスアセンブリ(110、112)をも、それぞれ、同様に簡単に支持し得る。アプリケータアーム(308、310)は、アプリケータアーム(308、310)に回転可能に連結するように構成されている枢動部材(ピン(312)として示される)によって分離されている。したがって、アプリケータデバイス(300)は、逆プライヤに似ていてもよく、すなわち、圧縮ばね(306)は、ハンドル(302、304)が互いに離れる方向に付勢する力を提供するように構成され、それにより、ピン(312)により提供される軸線(320)を中心とする枢動回転を介して、アプリケータアーム(308、310)の遠位部分(309、311)を互いに向かって付勢する。ウェッジ(314)は、接触部材(322、324)を介してアプリケータアーム(308、310)に接触するように構成されているが、接触部材(322、324)は任意選択に過ぎず、いくつかの変形例では省略されてもよい。更に、ウェッジ(314)は、弾性枢動点(326)で一緒に連結された第1のアプリケータ表面(316)及び第2のアプリケータ表面(318)を含む。
【0033】
第1及び第2のアプリケータ表面(316、318)がそれぞれ、ステープル留め器具(10)のエンドエフェクタ(12)に補助材料を適用するように構成されている。より具体的には、第1のアプリケータ表面(316)は、枢動可能アンビル(18)上への適用のために、その上にバットレスアセンブリ(110)を受け入れるように構成されており、第2のアプリケータ表面(318)は、下側ジョー(16)上への適用のために、その上にバットレスアセンブリ(112)を受け入れるように構成されている。具体的には、バットレスアセンブリ(110)は、上側接着層(116)が第1のアプリケータ表面(316)から離れる方向に外向きに面するように第1のアプリケータ表面(316)上に配置され、バットレスアセンブリ(112)は、下側接着層(120)が第2のアプリケータ表面(318)から離れる方向に外向きに面するように第2のアプリケータ表面(318)上に配置され、それにより、アプリケータデバイス(300)によるバットレスアセンブリ(110、112)の適用時に、第1及び第2の接着層(116、120)がそれぞれ枢動可能アンビル(18)及び下側ジョー(16)に接着することが可能になる。いくつかの変形例では、第1及び第2のアプリケータ表面(316、318)並びにバットレスアセンブリ(110、112)は、クランプアーム及びクランプアームフィンガ(図示せず)などの対応する機構を含んで、バットレスアセンブリ(110、112)が枢動可能アンビル(18)及び下側ジョー(16)にそれぞれ適用される前に、バットレスアセンブリ(110、112)を保持し、アプリケータ表面(316、318)上でのバットレスアセンブリ(110、112)の適切かつ確実な整列及び位置付けを確実にしている。しかしながら、バットレスアセンブリ(110、112)をアプリケータ表面(316、318)上に確実かつ取り外し可能に位置付けるための様々な好適な方法及び構造も想定される。いくつかの変形例では、別個のデバイス(図示せず)を利用するユーザーが、最初に、バットレスアセンブリ(110、112)の一方又は両方をアプリケータ表面(316、318)に適用してもよい。
【0034】
図14Bは、枢動可能アンビル(18)のステープル留め表面及びエンドエフェクタ(12)の下側ジョー(16)の上に固定されている補助材料を示す。上述のように、補助材料は、バットレスアセンブリ(110、112)、組織厚さコンペンセータ、又は他の好適な材料を含み得る。ステープル留め表面は、
図3に示されるように、ステープル開口部(50)を含むステープルカートリッジ(37)の上側デッキ(72)、又はステープル成形ポケット(53)を含むアンビル(18)の接触表面(52)を含むことが意図されている。アンビル(18)が下側ジョー上に配置されてもよく、ステープルカートリッジ(37)が上側ジョー上に配置されてもよいことも想定される。
【0035】
図14Bに示すように、バットレスアセンブリ(110、112)がアプリケータ表面(316、318)上に位置付けられると、アプリケータデバイス(300)のハンドル(302、304)が一緒に圧迫され、それにより、ばね(306)が圧縮され、アプリケータアーム(308、310)が軸線(320)を中心に枢動する。ハンドル(302、304)が移動して互いに近づくにつれて、アプリケータアーム(308、310)の遠位部分(309、311)が互いに離れる方向に移動し、アプリケータアーム(308、310)の内向きの表面(328、330)に接触し、バットレスアセンブリ(110、112)がそれぞれ枢動可能アンビル(18)及び下側ジョー(16)に接着するまで、弾性枢動点(326)を介してアプリケータアーム(308、310)を反対方向に広げる(すなわち、分離する)。より具体的には、ウェッジ(314)は、ウェッジ(314)のアプリケータアーム(308、310)が広がるにつれて増加する遠位開口角度を画定し、したがって、各アプリケータアーム(308、310)をエンドエフェクタ(12)の対応するジョーに向かって前進させる。
【0036】
その後、ハンドル(302、304)がユーザーにより解放され、それによりアプリケータアーム(308、310)の枢動運動が逆転し、バットレスアセンブリ(110、112)が枢動可能アンビル(18)及び下側ジョー(16)に接着されたままなので、バットレスアセンブリ(110、112)から係合解除される。その後、アプリケータデバイス(300)が除去されてもよい。
【0037】
いくつかの変形例では、バットレスアセンブリ(110、112)を適用している間にアプリケータデバイス(300)がエンドエフェクタ(12)に過度の圧力を加えないことを確実にするために、ブレークアウェイ特徴部が所望され得る。例えば、1つ以上のブレークアウェイ特徴部、例えばノッチ(332、334)が、アプリケータアーム(308、310)上に含まれ得る。図示する実施例では、ノッチ(332、334)は、ハンドル(302、304)とピン(312)との間に含まれ、アーム(308、310)は、バットレスアセンブリ(110、112)を適用している間にアーム(408、410)が所定の限界を超える力を受けた場合に、それぞれノッチ(332、334)で壊れるように構成されている。
【0038】
B.第2の例示的な代替アプリケータデバイス
図15A~
図15Bは、外科用ステープラ(10)のエンドエフェクタ(12)のジョー(例えば、下側ジョー(16)又はアンビル(18))に補助材料を適用するように構成されている第2の例示的な代替アプリケータデバイス(400)を示す。アプリケータデバイス(410)は、アンビル(18)又は下側ジョー(16)の厚さを調節して、アプリケータデバイス(410)が補助材料をアンビル(18)及び下側ジョー(16)に好適に適用することを可能にする。その結果、アプリケータデバイス(410)を使用したバットレスアセンブリ(112)の、ステープルカートリッジ(37)を含む下側ジョー(16)への適用は、上述のバットレスアセンブリ(300)の適用と同様であり得る。
図15Aに示すように、アプリケータデバイス(400)は、拡張機構(401)と、拡張可能ウェッジ(414)として示される接触構造とを含む。本実施例の拡張機構(401)は、ハンドル(402、404)、圧縮ばね(406)、及びアプリケータアーム(408、410)を含む。
【0039】
アプリケータアーム(408、410)が、(ピン(411、412)として示される)第1及び第2の枢動部材において一緒に連結されている。圧縮ばね(406)は、ハンドル(402、404)が互いに離れる方向に付勢する力を提供するように構成され、それにより、ピン(411、412)により提供される、枢動軸線(420、421)を中心とする枢動回転を介して、アプリケータアーム(408、410)の可撓性中央部分(409、411)を互いに向かって付勢する。本実施例のウェッジ(414)は、ウェッジ(414)の一方の側で一対のバットレスアセンブリ(110)を、ウェッジ(414)の反対側で別の一対のバットレスアセンブリ(112)を支持するように構成されている。それぞれのバットレスアセンブリ(110、112)は、それぞれ、アンビル(18)及びステープルカートリッジ(37)(
図3を参照)のスロット(42、49)を横切って広がることを回避するために分離された対応する一対の部分として提供されているが、ウェッジ(414)は、アンビル(18)及びステープルカートリッジ(37)のスロット(42、49)を横切って一体として広がる、幅広型のバットレスアセンブリ(110、112)をも、それぞれ、同様に簡単に支持し得る。ウェッジ(414)は、アプリケータアーム(408、410)の可撓性中央部分(409、411)に沿ってアプリケータアーム(408、410)に接触するように構成されている。更に、ウェッジ(414)は、弾性枢動点(426)で一緒に連結された第1のアプリケータ表面(416)及び第2のアプリケータ表面(418)を含む。いくつかの変形例では、可撓性中央部分(409、411)は、アプリケータアーム(408、410)に固定されてもよい。
【0040】
第1及び第2のアプリケータ表面(416、418)がそれぞれ、ステープル留め器具(10)のエンドエフェクタ(12)に補助材料を適用するように構成されている。より具体的には、第1のアプリケータ表面(416)は、枢動可能アンビル(18)上への適用のために、その上にバットレスアセンブリ(110)を受け入れるように構成されており、第2のアプリケータ表面(418)は、下側ジョー(16)上への適用のために、その上にバットレスアセンブリ(112)を受け入れるように構成されている。具体的には、バットレスアセンブリ(110)は、上側接着層(116)が第1のアプリケータ表面(416)から離れる方向に外向きに面するように第1のアプリケータ表面(416)上に配置され、バットレスアセンブリ(112)は、下側接着層(120)が第2のアプリケータ表面(418)から離れる方向に外向きに面するように第2のアプリケータ表面(418)上に配置され、それにより、アプリケータデバイス(400)によるバットレスアセンブリ(110、112)の適用時に、第1及び第2の接着層(116、120)がそれぞれ枢動可能アンビル(18)及び下側ジョー(16)に接着することが可能になる。いくつかの変形例では、第1及び第2のアプリケータ表面(416、418)並びにバットレスアセンブリ(110、112)は、クランプアーム及びクランプアームフィンガ(図示せず)などの対応する機構を含んで、バットレスアセンブリ(110、112)が枢動可能アンビル(18)及び下側ジョー(16)にそれぞれ適用される前に、バットレスアセンブリ(110、112)を保持し、アプリケータ表面(416、418)上でのバットレスアセンブリ(110、112)の適切かつ確実な整列及び位置付けを確実にしている。しかしながら、バットレスアセンブリ(110、112)をアプリケータ表面(416、418)上に確実かつ取り外し可能に位置付けるための様々な好適な方法及び構造も想定される。いくつかの変形例では、別個のデバイス(図示せず)を利用するユーザーが、最初に、バットレスアセンブリ(110、112)の一方又は両方をアプリケータ表面(416、418)に適用してもよい。
【0041】
図15Bは、枢動可能アンビル(18)のステープル留め表面及びエンドエフェクタ(12)の下側ジョー(16)の上に固定されている補助材料を示す。バットレスアセンブリ(110、112)がアプリケータ表面(416、418)上に位置付けられると、アプリケータデバイス(400)のハンドル(402、404)が一緒に圧迫され、それにより、ばね(406)が圧縮され、アプリケータアーム(408、410)が軸線(420、421)を中心に枢動する。ハンドル(402、404)が移動して互いに近づくにつれて、アプリケータアーム(408、410)の可撓性中央部分(409、411)が互いに離れる方向に撓んで、より凸状になり、アプリケータアーム(408、410)の内向きの表面(428、430)に接触し、バットレスアセンブリ(110、112)がそれぞれ枢動可能アンビル(18)及び下側ジョー(16)に接着するまで、弾性枢動点(426)を介してアプリケータアーム(408、410)を反対方向に広げる。その後、ハンドル(402、404)がユーザーにより解放され、それによりアプリケータアーム(408、410)の枢動運動が逆転し、バットレスアセンブリ(110、112)が枢動可能アンビル(18)及び下側ジョー(16)に接着されたままなので、バットレスアセンブリ(110、112)から係合解除される。その後、エンドエフェクタ(12)がアプリケータデバイス(400)から取り外されてもよい。
【0042】
いくつかの変形例では、バットレスアセンブリ(110、112)を適用している間にアプリケータデバイス(400)がエンドエフェクタ(12)に過度の圧力を加えないことを確実にするために、ブレークアウェイ特徴部が所望され得る。例えば、1つ以上のブレークアウェイ特徴部、例えばノッチ(432、434)が、アプリケータアーム(408、410)上に含まれ得る。図示する実施例では、ノッチ(432、434)は、ハンドル(402、404)とピン(412)との間に含まれ、アーム(408、410)は、バットレスアセンブリ(110、112)を適用している間にアーム(408、410)が特定の限界を超える力を受けた場合に、それぞれノッチ(432、434)で壊れるように構成されている。
【0043】
C.第3の例示的な代替アプリケータデバイス
図16A~
図16Cは、外科用ステープラ(10)のエンドエフェクタ(12)のジョー(例えば、下側ジョー(16))に補助材料を適用するように構成されている第3の例示的な代替アプリケータデバイス(500)を示す。
図16Aで最もよく分かるように、本実施例のアプリケータデバイス(500)は、以下で説明される差異を除いて、バットレスアプライヤカートリッジ(210)(
図11を参照)に類似している場合がある。具体的には、アプリケータデバイス(500)は、開放端部(504)及び閉鎖端部(506)を画定する本体(502)を備える。以下で更に詳細に説明されるように、開放端部(504)は、エンドエフェクタ(12)を受容するように構成されている。アプリケータデバイス(500)は、それぞれが全体として「U」字形状を概ね画定して開放端部(504)を呈する第1のハウジング(508a)及び第2のハウジング(508b)を更に含む。拡張可能ウェッジ(510)の形態の接触構造が、第1のハウジング(508a)と第2のハウジング(508b)との間に挟入されている。本実施例のウェッジ(510)は、ウェッジ(510)の一方の側(511a)で一対のバットレスアセンブリ(110)を、ウェッジ(510)の他方の側(511b)で別の一対のバットレスアセンブリ(112)を支持するように構成されている。ウェッジ(510)は、第1及び第2のハウジング(508a、508b)の「U」字構成のプロングの間に形成された凹部において露出されている。それぞれのバットレスアセンブリ(110、112)は、それぞれ、アンビル(18)及びステープルカートリッジ(37)(
図3を参照)のスロット(42、49)を横切って広がることを回避するために分離された対応する一対の部分として提供されているが、ウェッジ(510)は、アンビル(18)及びステープルカートリッジ(37)のスロット(42、49)を横切って一体として広がる、幅広型のバットレスアセンブリ(110、112)をも、それぞれ、同様に簡単に支持し得る。
【0044】
図16Bに示すように、アプリケータデバイス(500)は、流体コネクタ(512)と、ウェッジ(510)に流体的に連結された流体導管(514)とを更に含む。流体コネクタ(512)が、カートリッジ本体(502)の閉鎖端部(506)に位置付けられ、ポンプ(518)の形態のアプリケータ拡張機構と連結するように構成されている。いくつかの変形例では、ポンプ(518)は、空気が充填された膨張可能な可撓性バルーンであってもよい一方で、他の変形例では、ポンプ(518)は、水又は生理食塩水などの液体が予め充填された同様のポンプ装置であって、そこから液体を排出するようにユーザーによって作動可能なポンプ装置であってもよい。流体コネクタ(512)は、ポンプ(518)の相補的コネクタ(520)に連結するように構成されている、ルアー又はスナップ嵌めコネクタなどの、当該技術分野において既知の任意の好適な液密コネクタであってもよい。一緒に連結されると、流体コネクタ(512、520)は、流体(例えば、空気、水、生理食塩水など)をポンプ(518)から流体導管(514)を通ってカートリッジ本体(502)の開放端部(504)に向かう方向に連通させるように構成されている管腔を画定する。以下でより詳細に説明するように、流体導管(514)は、ウェッジ(510)と連結するように構成され、それにより、流体導管(514)から流体を受け取った時点で、ウェッジ(510)が第1の状態(
図16Bを参照)から第2の状態(
図16Cを参照)に移行して、ウェッジ(510)の対向する側面(511a、511b)が、それぞれ長手方向軸線(534)から離れる方向に、対向する外向き方向に拡張し、それによりバットレスアセンブリ(110、112)が枢動可能アンビル(18)及び下側ジョー(16)に適用される。いくつかの変形例では、流体コネクタ(520)又は流体導管(514)は逆止め弁(528)を含んで、ユーザーがポンプ(518)をカートリッジ本体(502)から係合解除するまで、流体圧力が流体導管(514)内で一定のままであることを確実にしている。
【0045】
ウェッジ(510)は、第1及び第2のアプリケータ表面(522、524)の形態の第1及び第2の接触部材を含み、それぞれがステープル留め器具(10)のエンドエフェクタ(12)に補助材料を適用するように構成されている。具体的には、ウェッジ(510)の第1の側面(511a)が第1のアプリケータ表面(522)を含み、ウェッジ(510)の第2の側面(511b)が第2のアプリケータ表面(524)を含む。第1及び第2のアプリケータ表面(522、524)は、これらの表面(522、524)が互いに移動可能に連結されるように、ウェッジ(510)の点(526)にて接合している。ウェッジ(510)は、バットレスアセンブリ(110、112)を受け入れて適用するのに十分な剛性を各アプリケータ表面(522、524)に提供する一方で、各アプリケータ表面(522、524)を外向きに拡張させてバットレスアセンブリ(110、112)を適用するために、圧力がポンプ(518)から印加されるにつれて繰り返し拡張及び収縮するのに十分な可撓性も提供する、任意の1つの材料又は複数の材料から構成されてもよい。いくつかの実施例では、ウェッジ(510)は、
図16A及び
図16Bに示すように、付勢されて折り畳まれた又は平坦化された構成になり、流体で充填されるにつれて拡張するように構成されている、中空内部を有するエラストマー材料(例えば、シリコーン)から構成されてもよい。
【0046】
上述したように、第1のアプリケータ表面(522)は、枢動可能アンビル(18)上への適用のために、その上にバットレスアセンブリ(110)を受け入れるように構成されており、第2のアプリケータ表面(524)は、下側ジョー(16)上への適用のために、その上にバットレスアセンブリ(112)を受け入れるように構成されている。バットレスアセンブリ(110)は、上側接着層(116)が第1のアプリケータ表面(522)から離れる方向に外向きに面するように第1のアプリケータ表面(522)上に配置され、バットレスアセンブリ(112)は、下側接着層(120)が第2のアプリケータ表面(524)から離れる方向に外向きに面するように第2のアプリケータ表面(524)上に配置され、それにより、アプリケータデバイス(500)によるバットレスアセンブリ(110、112)の適用時に、第1及び第2の接着層(116、120)がそれぞれ枢動可能アンビル(18)及び下側ジョー(16)に接着することが可能になる。いくつかの変形例では、第1及び第2のアプリケータ表面(522、524)並びにバットレスアセンブリ(110、112)は、クランプアーム及びクランプアームフィンガ(図示せず)などの対応する機構を含んで、バットレスアセンブリ(110、112)が枢動可能アンビル(18)及び下側ジョー(16)にそれぞれ適用される前に、バットレスアセンブリ(110、112)を保持し、アプリケータ表面(522、524)上でのバットレスアセンブリ(110、112)の適切かつ確実な整列及び位置付けを確実にしている。しかしながら、バットレスアセンブリ(110、112)をアプリケータ表面(522、524)上に確実かつ取り外し可能に位置付けるための様々な好適な方法及び構造も想定される。いくつかの変形例では、別個のデバイス(図示せず)を利用するユーザーが、最初に、バットレスアセンブリ(110、112)の一方又は両方をアプリケータ表面(522、524)に適用してもよい。
【0047】
図16Cは、枢動可能アンビル(18)のステープル留め表面及びエンドエフェクタ(12)の下側ジョー(16)の上に固定されている補助材料を示す。一旦、バットレスアセンブリ(110、112)がアプリケータ表面(522、524)上に位置付けられ、エンドエフェクタ(12)がバットレスアセンブリ(110、112)の適用のための位置に配置され、ポンプ(518)がカートリッジ本体(502)と連結されると、ユーザーは次いで、ポンプ(518)を1回以上、握り圧迫して、流体導管(514)を通してポンプ(518)から流体(例えば、空気、水、生理食塩水など)を排出させてもよい。流体導管(514)を通って連通する流体は、加圧されてウェッジ(510)を拡張させ、それにより、ウェッジは、アプリケータ表面(522、524)を反対の外向き方向に膨張させ広げる。アプリケータ表面(522、524)が反対の外向き方向に広がるにつれて、枢動可能アンビル(18)又は下側ジョー(16)のいかなる作動も必要とせずに、バットレスアセンブリ(110、112)はエンドエフェクタ(12)に適用され得る。
【0048】
その後、流体導管(414)内のウェッジ(510)に印加された流体圧力は、ユーザーにより、ポンプ(518)を係合解除し、それにより流体導管(514)から流体を解放することにより、解放されてもよい。流体導管(414)から流体を解放することにより、アプリケータ表面(522、524)の広がりを反転させるように機能させることができ、バットレスアセンブリ(110、112)が枢動可能アンビル(18)及び下側ジョー(16)に接着したままなので、バットレスアセンブリ(110、112)から係合解除される。その後、エンドエフェクタ(12)がアプリケータデバイス(500)から取り外されてもよい。
【0049】
D.第4の例示的な代替アプリケータデバイス
図17は、外科用ステープラ(10)のエンドエフェクタ(12)のジョー(例えば、下側ジョー(16))に補助材料を適用するように構成されている第4の例示的な代替アプリケータデバイス(600)を示す。アプリケータデバイス(600)は、以下で説明する差異を除いて、アプリケータデバイス(500)と同じ構造及び機能を有するように構成されている。アプリケータデバイス(500)のポンプ(518)の代替として、アプリケータデバイス(600)は、シリンジ(604)の形態の又は当該技術分野において公知であり使用されている他の類似の流体注入デバイスの形態のアプリケータ拡張機構を使用して注入される流体(602)(例えば、空気、水、生理食塩水など)を受け入れるように構成されている。アプリケータデバイス(600)を動作させて、バットレス(110、112)を適用するために、すなわち、拡張可能ウェッジ(614)を膨張させ、アプリケータ表面(622、624)を外向きに延ばすために、ユーザーは、シリンジ(604)をカートリッジ本体(608)の流体コネクタ(606)に連結し、プランジャ(610)を軸線(612)に沿った遠位長手方向に作動させてもよい。アプリケータ表面(622、624)を内向きに後退させるために、ユーザーは、プランジャ(610)を長手方向軸線(612)に沿って近位に後退させ、それにより、流体導管(620)を介して流体(602)をウェッジ(614)から後退させてシリンジ(604)内に戻してもよい。
【0050】
E.第5の例示的な代替アプリケータデバイス
図18A~
図18Cは、外科用ステープラ(10)のエンドエフェクタ(12)のジョー(例えば、下側ジョー(16))に補助材料を適用するように構成されている第5の例示的な代替アプリケータデバイス(700)を示す。アプリケータデバイス(700)は、以下で説明する差異を除いて、アプリケータデバイス(500、600)と同じ構造及び機能を有するように構成されている。アプリケータデバイス(500)のポンプ(518)及びアプリケータデバイス(600)のシリンジ(604)の代替として、アプリケータデバイス(700)は、キャニスタ(704)の形態の又は当該技術分野において公知であり使用されている他の類似の注入デバイスの形態のアプリケータ拡張機構を使用して注入される圧縮ガス(702)(例えば、空気、二酸化炭素など)を受け入れるように構成されている。アプリケータデバイス(700)を動作させて、バットレス(110、112)を適用するために、すなわち、ウェッジ(714)を膨張させ、ウェッジ(714)のアプリケータ表面(722、724)を外向きに延ばすために、ユーザーは、流体コネクタ(710)を介してキャニスタ(704)をカートリッジ本体(708)の流体導管(706)に連結させてもよい。したがって、キャニスタ(704)は、流体コネクタ(710)に連結するように構成されたコネクタ(ねじ山(712)として示される)と、流体導管(706)の近位端(728)により形成される鋭い先端(730)により穿孔され、それにより圧縮ガス(702)をキャニスタ出口(718)から放出するように構成されている薄いシール(716)と、を含んでもよい。
【0051】
図示する実施例では、ユーザーは、キャニスタ(704)のコネクタ(712)を流体コネクタ(710)にねじ込むことによりキャニスタ(704)をカートリッジ本体(708)に連結させ、それによりキャニスタ(704)を軸線(720)に沿った遠位長手方向に並進移動させる。一旦、キャニスタ(704)がカートリッジ本体(708)に適切に連結され、バットレスアセンブリ(110、112)がウェッジ(714)のアプリケータ表面(722、724)に適用されると、エンドエフェクタ(12)が、
図18Bに示すように、適用のために位置付けられてもよい。この段階では、シール(718)は、剛性穿刺機構(740)の鋭い先端(730)に隣接して位置付けられており、それにより、流体導管(706)の近位端は、剛性穿刺機構(740)の近位端に画定された中空部分(744)内に配置されている。流体導管(706)が剛性穿刺機構(740)の中空部分(744)内に挿入される場所における流体漏出を、シール(742)が防止している。圧縮ガス(702)をキャニスタ(704)から放出させるために、アンビル部分(90a、90b)(
図3、
図6、
図18B、及び
図18Cを参照)が、ウェッジ(714)の遠位先端(726)の近くで剛性穿刺機構(740)の遠位端(746)を押し付け、それにより、剛性穿刺機構(740)を近位に(すなわち、キャニスタ(704)に向かって)並進移動させるように構成されている。剛性穿刺機構(740)が近位に並進移動するにつれて、鋭い先端(730)が、シール(718)を穿刺し、流体導管(706)により画定される管腔を通って圧縮ガス(702)が遠位方向に流れることが可能になる。
【0052】
代替的な変形例では、ウェッジ(714)は、カートリッジ本体(708)に対して長手方向軸線(720)に沿って摺動可能に固定されてもよく、鋭い先端(730)は、流体導管(706)の近位部分として一体的に形成されてもよい。このように、流体導管(706)によってシール(716)が穿刺されてもよく、したがって、ユーザーが単にキャニスタ(704)を流体コネクタ(710)内にねじ込むことによって、バットレスアセンブリ(110、112)が適用されてもよい。
【0053】
その後、流体導管(706)内のロッド(732)に印加された圧力は、ユーザーにより、キャニスタ(704)を係合解除し、それにより流体導管(706)からガスを解放することにより、解放されてもよい。流体導管(706)からガスを解放することにより、アプリケータアーム(722、724)が広がる又は枢動する動作を反転させるように機能させることができ、バットレスアセンブリ(110、112)が枢動可能アンビル(18)及び下側ジョー(16)に接着したままなので、バットレスアセンブリ(110、112)から係合解除される。その後、エンドエフェクタ(12)がアプリケータデバイス(700)から取り外されてもよい。
【0054】
F.第6の例示的な代替アプリケータデバイス
図19A~
図19Bは、外科用ステープラ(10)のエンドエフェクタ(12)のジョー(例えば、下側ジョー(16))に補助材料を適用するように構成されている第6の例示的な代替アプリケータデバイス(800)を示す。アプリケータデバイス(800)は、回転アクチュエータ(806)の形態のアプリケータ拡張機構に連結するように構成されている第1及び第2のアプリケータアーム(802、804)を有する接触構造を含む。本実施例のアプリケータアーム(802、804)は、第1のアプリケータアーム(802)上で一対のバットレスアセンブリ(110)を支持し、第2のアプリケータアーム(804)上で別の一対のバットレスアセンブリ(112)を支持するように構成されている(第1及び第2のアプリケータアーム(802、804)は集合的にウェッジを画定する)。それぞれのバットレスアセンブリ(110、112)は、それぞれ、アンビル(18)及びステープルカートリッジ(37)(
図3を参照)のスロット(42、49)を横切って広がることを回避するために分離された対応する一対の部分として提供されているが、アプリケータアーム(802、804)は、アンビル(18)及びステープルカートリッジ(37)のスロット(42、49)を横切って一体として広がる、幅広型のバットレスアセンブリ(110、112)をも、それぞれ、同様に簡単に支持し得る。アプリケータアーム(802、804)が、(ピン(808)として示される)枢動部材を使用して一緒に連結されている。
【0055】
第1及び第2のアプリケータアーム(802、804)がそれぞれ、ステープル留め器具(10)のエンドエフェクタ(12)に補助材料を適用するように構成されている。より具体的には、第1のアプリケータアーム(802)は、枢動可能アンビル(18)上への適用のために、その上にバットレスアセンブリ(110)を受け入れるように構成されており、第2のアプリケータアーム(804)は、下側ジョー(16)上への適用のために、その上にバットレスアセンブリ(112)を受け入れるように構成されている。具体的には、バットレスアセンブリ(110)は、上側接着層(116)が第1のアプリケータアーム(802)から離れる方向に外向きに面するように第1のアプリケータアーム(802)上に配置され、バットレスアセンブリ(112)は、下側接着層(120)が第2のアプリケータアーム(804)から離れる方向に外向きに面するように第2のアプリケータアーム(804)上に配置され、それにより、アプリケータデバイス(800)によるバットレスアセンブリ(110、112)の適用時に、第1及び第2の接着層(116、120)がそれぞれ枢動可能アンビル(18)及び下側ジョー(16)に接着することが可能になる。いくつかの変形例では、第1及び第2のアプリケータアーム(802、804)並びにバットレスアセンブリ(110、112)は、クランプアーム及びクランプアームフィンガ(図示せず)などの対応する機構を含んで、バットレスアセンブリ(110、112)が枢動可能アンビル(18)及び下側ジョー(16)にそれぞれ適用される前に、バットレスアセンブリ(110、112)を保持し、アプリケータアーム(802、804)上でのバットレスアセンブリ(110、112)の適切かつ確実な整列及び位置付けを確実にしている。しかしながら、バットレスアセンブリ(110、112)をアプリケータアーム(802、804)上に確実かつ取り外し可能に位置付けるための様々な好適な方法及び構造も想定される。いくつかの変形例では、別個のデバイス(図示せず)を利用するユーザーが、最初に、バットレスアセンブリ(110、112)の一方又は両方をアプリケータアーム(802、804)に適用してもよい。
【0056】
図19Aから
図19Bへの移行に示されるように、アプリケータアーム(802、804)がユーザーにより反対の外向き方向に拡張され、それによりバットレスアセンブリ(110、112)がエンドエフェクタ(12)に適用されてもよい。アプリケータアーム(802、804)を外向きに拡張させるために、ユーザーは、回転アクチュエータ(806)を握り、第1の方向に回転させる。回転アクチュエータ(806)は、ねじ付きロッド(810)に連結され、ねじ付きロッド(810)は、(ヒンジピン(812)として示される)ヒンジ式コネクタ及び並進可能脚部(814、816)を介して、各アプリケータアーム(802、804)に回転可能に連結されている。第1の並進可能脚部(814)が、(ヒンジピン(822)として示される)ヒンジ式コネクタを介して、第1のアプリケータアーム(802)の下面(818)に回転可能に連結されている。第2の並進可能脚部(816)が、(ヒンジピン(824)として示される)ヒンジ式コネクタを介して、第2のアプリケータアーム(804)の下面(820)に回転可能に連結されている。回転アクチュエータ(806)が第1の方向に回転するにつれて、ヒンジ式コネクタ(812)が、回転アクチュエータ(806)から離れる方向に、ねじ付きロッド(810)の遠位端(826)に向かって遠位方向に並進移動する。したがって、
図19Bに示すように、並進可能脚部(814、816)が、アプリケータアーム(802、804)を互いに対して反対方向に押し付けて、バットレスアセンブリ(110、112)をエンドエフェクタ(12)に適用する。その後、回転アクチュエータ(806)が反対の第2の方向に回転されてもよく、これにより、アプリケータアーム(802、804)が広がる又は枢動する動作を反転させるように機能させることができ、バットレスアセンブリ(110、112)が枢動可能アンビル(18)及び下側ジョー(16)に接着したままなので、バットレスアセンブリ(110、112)から係合解除される。その後、エンドエフェクタ(12)がアプリケータデバイス(800)から取り外されてもよい。
【0057】
G.第7の例示的な代替アプリケータデバイス
図20A~
図20Cは、外科用ステープラ(10)のエンドエフェクタ(12)のジョー(例えば、下側ジョー(16))に補助材料を適用するように構成されている第7の例示的な代替アプリケータデバイス(900)を示す。アプリケータデバイス(900)は、以下で説明する差異を除いて、アプリケータデバイス(500、600、700)と同じ構造及び機能を有するように構成されている。アプリケータデバイス(900)のポンプ(518)、アプリケータデバイス(500)のシリンジ(604)、及びアプリケータデバイス(600)のキャニスタ(704)の代替として、アプリケータデバイス(700)は、選択的に拡張可能アプリケータ(902)の形態の接触構造と、取り外し可能クリップ(904)の形態のアプリケータ拡張機構とを備える。アプリケータデバイス(900)は、
図20A及び
図20Bに示すように、閉鎖端部(918)及び開放端部(920)を画定するカートリッジ本体(916)と、拡張可能アプリケータ(902)の上面及び下面(910、912)を圧縮するように動作可能な一対の保持部材(906、908)とを含む。拡張可能アプリケータ(902)は、拡張状態に付勢された圧縮性発泡体材料から構成されてもよい。更に、拡張可能アプリケータ(902)は、枢動可能アンビル(18)及び下側ジョー(16)に相補的な形状を提供するV字形ウェッジに形成されてもよく、V字形ウェッジは、拡張可能アプリケータ(902)が枢動可能アンビル(18)と下側ジョー(16)との間で拡張した場合に、バットレスアセンブリ(110、112)を枢動可能アンビル(18)及び下側ジョー(16)に堅固に取り付けるように動作可能である。
【0058】
上側及び下側アプリケータ表面(910、912)がそれぞれ、ステープル留め器具(10)のエンドエフェクタ(12)に補助材料を適用するように構成されている。より具体的には、上側アプリケータ表面(910)は、枢動可能アンビル(18)上への適用のために、その上にバットレスアセンブリ(110)を受け入れるように構成されており、下側アプリケータ表面(912)は、下側ジョー(16)上への適用のために、その上にバットレスアセンブリ(112)を受け入れるように構成されている。具体的には、バットレスアセンブリ(110)は、上側接着層(116)が上側アプリケータ表面(910)から離れる方向に外向きに面するように上側アプリケータ表面(910)上に配置され、バットレスアセンブリ(112)は、下側接着層(120)が下側アプリケータ表面(912)から離れる方向に外向きに面するように下側アプリケータ表面(912)上に配置され、それにより、アプリケータデバイス(900)によるバットレスアセンブリ(110、112)の適用時に、第1及び第2の接着層(116、120)がそれぞれ枢動可能アンビル(18)及び下側ジョー(16)に接着することが可能になる。いくつかの変形例では、上側及び下側アプリケータ表面(910、912)並びにバットレスアセンブリ(110、112)は、クランプアーム及びクランプアームフィンガ(図示せず)などの対応する機構を含んで、バットレスアセンブリ(110、112)が枢動可能アンビル(18)及び下側ジョー(16)にそれぞれ適用される前に、バットレスアセンブリ(110、112)を保持し、アプリケータ表面(910、912)上でのバットレスアセンブリ(110、112)の適切かつ確実な整列及び位置付けを確実にしている。しかしながら、バットレスアセンブリ(110、112)をアプリケータ表面(910、912)上に確実かつ取り外し可能に位置付けるための様々な好適な方法及び構造も想定される。いくつかの変形例では、別個のデバイス(図示せず)を利用するユーザーが、最初に、バットレスアセンブリ(110、112)の一方又は両方をアプリケータ表面(910、912)に適用してもよい。
【0059】
図20Aは、バットレスアセンブリ(110、112)がその上に装着された、初期の圧縮状態にある拡張可能アプリケータ(902)を示す。更に、クリップ(904)の保持部材(906、908)は、バットレスアセンブリ(110、112)の適用のためにエンドエフェクタ(12)が位置付けられるまで、拡張可能アプリケーション(902)が圧縮状態のままであることを確実にする。
図20Bは、バットレスアセンブリ(110、112)を適用するための位置に並進移動されたエンドエフェクタ(12)を示す。エンドエフェクタ(12)が所定位置に並進移動された時点で、枢動可能アンビル(18)の先端(922)がクリップ(904)の一部分(914)に接触し、それによりクリップ(904)がカートリッジ本体(916)の閉鎖端部(918)に向かって並進するように構成されている。クリップ(904)が、カートリッジ本体(916)の表面に沿って摺動することなどにより並進移動するにつれて、保持部材(906、908)は、拡張可能アプリケータ(902)を圧縮状態に保持しているそれらの位置から解放される。
図20Cは、クリップ(904)が取り外され、拡張可能アプリケータ(902)がその拡張状態にあり、それによりアプリケータ表面(910、912)が互いに対して反対方向に拡張してバットレスアセンブリ(110、112)をエンドエフェクタ(12)に適用している様子を示す。その後、エンドエフェクタ(12)がアプリケータデバイス(900)から取り外されてもよい。
【0060】
H.第8の例示的な代替アプリケータデバイス
図21A~
図22Bは、外科用ステープラ(10)のエンドエフェクタ(12)のジョー(例えば、下側ジョー(16))に補助材料を適用するように構成されている第8の例示的な代替アプリケータデバイス(1000)を示す。
図21Aで最もよく分かるように、本実施例のアプリケータデバイス(1000)は、以下で説明される差異を除いて、バットレスアプライヤカートリッジ(210、500、600、700、900)に類似し得る。具体的には、アプリケータデバイス(10000)は、開放端部(1004)及び閉鎖端部(1006)を画定するカートリッジ本体(1002)を備える。以下で更に詳細に説明されるように、開放端部(1004)は、エンドエフェクタ(12)を受容するように構成されている。アプリケータデバイス(1000)は、それぞれが全体として「U」字形状を概ね画定して開放端部(1004)を呈する第1のハウジング(1008a)及び第2のハウジング(1008b)を更に含む。拡張可能ウェッジ(1010)の形態の接触構造が、第1のハウジング(1008a)と第2のハウジング(1008b)との間に挟入されている。本実施例のウェッジ(1010)は、第1のアプリケータアーム(1020)上で一対のバットレスアセンブリ(110)を、第2のアプリケータアーム(1022)上で別の一対のバットレスアセンブリ(112)を支持するように構成されている。ウェッジ(1010)は、第1及び第2のハウジング(1008a、1008b)の「U」字構成のプロングの間に形成された凹部において露出されている。それぞれのバットレスアセンブリ(110、112)は、それぞれ、アンビル(18)及びステープルカートリッジ(37)(
図3を参照)のスロット(42、49)を横切って広がることを回避するために分離された対応する一対の部分として提供されているが、ウェッジ(1010)は、アンビル(18)及びステープルカートリッジ(37)のスロット(42、49)を横切って一体として広がる、幅広型のバットレスアセンブリ(110、112)をも、それぞれ、同様に簡単に支持し得る。
【0061】
アプリケータデバイス(1000)は、アクチュエータ部材(1012)、アプリケータ作動機構(1018)、ロッド(1016)、ガイドロッド(1034)、及びアプリケータアーム(1020、1022)により集合的に画定される拡張機構を更に含み、拡張機構は、以下でより詳細に説明するように、ウェッジ(1010)を非拡張状態と拡張状態との間で移行させるように選択的に動作可能である。アクチュエータ部材(1012)は、ガイドロッド(1034)に平行に、長手方向に並進移動可能である。アクチュエータ部材(1012)は、ロッド(1016)を介してカートリッジ本体(1002)及びウェッジ(1010)を通って内部で一緒に連結された1つ以上のユーザーグリップ(1014a、1014b)を備える。アクチュエータ部材(1012)は、カートリッジ本体(1002)の閉鎖端部(1006)に対して遠位方向及び近位方向に摺動するように更に構成されてもよい。以下でより詳細に説明するように、アクチュエータ部材(1012)、又はより具体的にはロッド(1016)は、アクチュエータ部材(1012)がカートリッジ本体(1002)の閉鎖端部(1006)に対して遠位方向に摺動した時点で、アプリケータ作動機構(1018)がガイドロッド(1034)上を遠位方向に摺動して、アプリケータアーム(1020、1022)を第1の非拡張位置(
図22Aを参照)から第2の拡張位置(
図22Bを参照)に移行させるように、アプリケータ作動機構(1018)(
図22A及び
図22B参照)に連結するように構成されている。以下でより詳細に説明するように、アプリケータ作動機構(1018)は、ウェッジ(1010)の第1及び第2のアプリケータアーム(1020、1022)に更に連結されている。
【0062】
ウェッジ(1010)は、第1及び第2のアプリケータアーム(1020、1022)を含み、それぞれがステープル留め器具(10)のエンドエフェクタ(12)に補助材料を適用するように構成されている。第1及び第2のアプリケータアーム(1020、1022)が、ウェッジ(1010)の弾性枢動点(1026)において一緒に連結されている。ウェッジ(1010)は、バットレスアセンブリ(110、112)を受け入れて適用するのに十分な剛性を各アプリケータアーム(1020、1022)に提供する一方で、各アプリケータアーム(1020、1022)を外向きに拡張させてバットレスアセンブリ(110、112)を適用するために、圧力がアプリケータ作動機構(1018)から印加されるにつれて枢動点(1026)において繰り返し曲がるのに十分な可撓性も提供する、任意の1つの材料又は複数の材料から構成されてもよい。いくつかの実施例では、ウェッジ(1010)は、
図21A及び
図22Aに示すように、付勢されて「閉鎖」構成にある弾性金属又は金属合金から構成されてもよい。
【0063】
第1のアプリケータアーム(1020)は、枢動可能アンビル(18)上への適用のために、その上にバットレスアセンブリ(110)を受け入れるように構成されており、第2のアプリケータアーム(1022)は、下側ジョー(16)上への適用のために、その上にバットレスアセンブリ(112)を受け入れるように構成されている。バットレスアセンブリ(110)は、上側接着層(116)が第1のアプリケータアーム(1020)から離れる方向に外向きに面するように第1のアプリケータアーム(1020)上に配置され、バットレスアセンブリ(112)は、下側接着層(120)が第2のアプリケータアーム(1022)から離れる方向に外向きに面するように第2のアプリケータアーム(1022)上に配置され、それにより、アプリケータデバイス(1000)によるバットレスアセンブリ(110、112)の適用時に、第1及び第2の接着層(116、120)がそれぞれ枢動可能アンビル(18)及び下側ジョー(16)に接着することが可能になる。いくつかの変形例では、第1及び第2のアプリケータアーム(1022、1024)並びにバットレスアセンブリ(110、112)は、クランプアーム及びクランプアームフィンガ(図示せず)などの対応する機構を含んで、バットレスアセンブリ(110、112)が枢動可能アンビル(18)及び下側ジョー(16)にそれぞれ適用される前に、バットレスアセンブリ(110、112)を保持し、アプリケータアーム(1020、1022)上でのバットレスアセンブリ(110、112)の適切かつ確実な整列及び位置付けを確実にしている。しかしながら、バットレスアセンブリ(110、112)をアプリケータアーム(1020、1022)上に確実かつ取り外し可能に位置付けるための様々な好適な方法及び構造も想定される。いくつかの変形例では、別個のデバイス(図示せず)を利用するユーザーが、最初に、バットレスアセンブリ(110、112)の一方又は両方をアプリケータアーム(1020、1022)に適用してもよい。
【0064】
図21B及び
図22Bは、枢動可能アンビル(18)のステープル留め表面及びエンドエフェクタ(12)の下側ジョー(16)の上に固定されている補助材料を示す。一旦、バットレスアセンブリ(110、112)がアプリケータアーム(1020、1022)上に位置付けられ、エンドエフェクタ(12)がバットレスアセンブリ(110、112)の適用のための位置に配置されると、ユーザーは次いで、グリップ(1014a、1014b)を握り、アクチュエータ部材(1012)をカートリッジ本体(1002)の閉鎖端部(1006)に対して遠位方向に摺動させて、ウェッジ(1010)のアプリケータ作動機構(1018)を遠位位置に移動させてもよい。アプリケータ作動機構(1018)の遠位端(1040)は、ガイドロッド(1034)の遠位端(1042)上に配置された圧縮ばね(1032)に当接する。ばね(1032)は、アプリケータ作動機構(1018)に対して近位圧力を加えて、アプリケータ作動機構(1018)により提供される遠位圧力を相殺するように構成されている。したがって、ユーザーがアクチュエータ部材(1012)を閉鎖端部(1006)に対して近位に摺動させた場合など、アプリケータ作動機構(1018)から圧力が除去された場合、アプリケータ作動機構(1018)は、
図21A及び
図22Aに示すように、近位に並進移動して、その初期位置に戻る。
【0065】
図22A及び
図22Bに示すように、アプリケータ作動機構(1018)は、1つ以上のアクチュエータアーム(1044)のうちの1つの端部(1046)に移動可能に連結され、1つ以上のアクチュエータアーム(1044)のうちの反対側の端部(1048)は、ウェッジ(1010)に連結されている。具体的には、各アクチュエータアーム(1044)は、第1のアプリケータアーム(1020)又は第2のアプリケータアーム(1022)の内部又は下側に回転可能に連結される。したがって、アプリケータ作動機構(1018)、アクチュエータアーム(1044)、及びウェッジ(1010)は、傘と同様の形態で動作するように構成されている。すなわち、アプリケータ作動機構(1018)がガイドロッド(1034)上で遠位方向に並進移動するにつれて、アクチュエータアーム(1044)は、アクチュエータアーム(1044)の第1の端部(1046)における、アプリケータ作動機構(1018)に対するヒンジ接続を介して、更にアクチュエータアーム(1044)の第2の端部(1048)における、ウェッジ(1010)との内部連結に対するヒンジ接続を介して、第1及び第2のアプリケータアーム(1020、1022)を反対の外向き方向に押し広げる。アプリケータ作動機構(1018)の遠位方向への並進移動は、ばね(1032)を圧縮するように更に機能する。アプリケータアーム(1020、1022)が反対の外向き方向に広がるにつれて、枢動可能アンビル(18)又は下側ジョー(16)のいかなる作動も必要とせずに、バットレスアセンブリ(110、112)はエンドエフェクタ(12)に適用され得る。
【0066】
その後、アクチュエータ部材(1012)を介してアプリケータ作動機構(1018)に印加されたユーザー圧力が、アクチュエータ部材(1012)を近位に摺動させることによりユーザーにより解放されてもよく、それにより、バットレスアセンブリ(110、112)が枢動可能アンビル(18)及び下側ジョー(16)に接着されたままなので、バットレスアセンブリ(110、112)から係合解除される。その後、エンドエフェクタ(12)がアプリケータデバイス(1000)から取り外されてもよい。
【0067】
I.第9の例示的な代替アプリケータデバイス
図23A~
図23Bは、外科用ステープラ(10)のエンドエフェクタ(12)のジョー(例えば、下側ジョー(16))に補助材料を適用するように構成されている第9の例示的な代替アプリケータデバイス(1100)を示す。アプリケータデバイス(1100)は、以下で説明する差異を除いて、アプリケータデバイス(500、600、700、1000)と同じ構造及び機能を有するように構成されている。同様に、アプリケーションデバイス(1100)は、カートリッジ本体(1104)に対して長手方向に並進移動して、アプリケータアーム(1106、1108)を互いから離すように広げ、1つ以上のバットレスアセンブリ(110、112)をエンドエフェクタ(12)に適用するように構成されている、アプリケータ作動機構(1102)を含む。この実施例のアプリケータデバイス(1100)は、ユーザー起動可能なモータ(1110)の形態の拡張機構を含む。モータ(1110)を動作させてバットレス(110、112)を適用するために、すなわち、ウェッジ(1112)のアプリケータアーム(1106、1108)を外向きに延ばすために、ユーザーは、カートリッジ本体(1104)上に位置する、押しボタン(1114)などのアクチュエータを作動させてもよい。アプリケータアーム(1106、1108)を後退させるために、ユーザーは、同じアクチュエータ(1114)を再度作動させてもよい。任意選択で、モータ(1110)を逆に動作させるために、押しボタン(1116)などの追加のアクチュエータをカートリッジ本体(1104)上に含めることができる。
【0068】
J.第10の例示的な代替アプリケータデバイス
図24A~
図25Bは、外科用ステープラ(10)のエンドエフェクタ(12)のジョー(例えば、下側ジョー(16))に補助材料を適用するように構成されている第10の例示的な代替アプリケータデバイス(1200)を示す。アプリケータデバイス(1200)は、以下で説明する差異を除いて、アプリケータデバイス(500、600、700、1000、1100)と同じ構造及び機能を有するように構成されている。同様に、アプリケーションデバイス(1200)は、カートリッジ本体(1204)に対して長手方向に並進移動し、アプリケータアーム(1206、1208)を広げ、1つ以上のバットレスアセンブリ(110、112)をエンドエフェクタ(12)に適用するように構成されている、プラットフォーム(1220)に連結されたアプリケータ作動機構(1202)を含む。
【0069】
この実施例のアプリケータデバイス(1200)は、ユーザー作動可能な作動アセンブリ(1210)の形態の拡張機構を含む。アプリケータ作動機構(1210)を遠位方向に並進移動させてバットレス(110、112)を適用するために、すなわち、ウェッジ(1212)のアプリケータアーム(1206、1208)(すなわち、接触構造)を外向きに延ばすために、ユーザーは、カートリッジ本体(1204)上に位置する、圧迫ボタン(1214a、1214b)などのアクチュエータを操作してもよい。
図25A及び
図25Bに示すように、各圧迫ボタン(1214a、1214b)は、プラットフォーム(1220)のタブ(1218a、1218b)と接触している保持用遠位フランジ(1216a、1216b)を含む。更に、プラットフォーム(1220)の近位端部(1222)は圧縮ばね(1224)に接触し、それにより、圧縮ばね(1224)はプラットフォーム(1220)を遠位方向に向かって(すなわち、カートリッジ本体の開放端部(1226)に向かって)付勢する。したがって、アクチュエータ(1214a、1214b)の近位端(1228a、1228b)が一緒に圧迫されるにつれて、アクチュエータ(1214a、1214b)の遠位端(1230a、1230b)が並進移動して離れて、タブ(1218a、1218b)を保持フランジ(1216a、1216b)から解放する。その後、ばね(1224)が、プラットフォーム(1220)及びアプリケータ作動機構(1202)を遠位方向に押し付ける。アプリケータ作動機構(1202)及びウェッジ(1212)は、本明細書に記載されるアプリケータデバイス(1000、1100)と同じ特徴を含むので、アプリケータアーム(1206、1208)は、枢動可能アンビル(18)又は下側ジョー(16)のいかなる作動も必要とせずに、反対の外向き方向に離れるように広がり、バットレスアセンブリ(110、112)をエンドエフェクタ(12)に適用する。アプリケータアーム(1206、1208)を後退させるために、ユーザーは、アクチュエータ(1214a、1214b)の遠位端(1230a、1230b)を圧迫して、アクチュエータ(1214a、1214b)及びアプリケータアーム(1206、1208)を
図24A及び
図25Aに示すようなそれらの初期位置に戻してもよい。
【0070】
K.第11の例示的な代替アプリケータデバイス
図26A~
図27Bは、外科用ステープラ(10)のエンドエフェクタ(12)のジョー(例えば、下側ジョー(16))に補助材料を適用するように構成された第11の例示的な代替アプリケータデバイス(1300)を示す。アプリケータデバイス(1300)は、以下で説明する差異を除いて、アプリケータデバイス(500、600、700、1000、1100、1200)と同じ構造及び機能を有するように構成されている。同様に、アプリケーションデバイス(1300)は、ウェッジ(1312)(すなわち、本変形例の接触構造)のアプリケータアーム(1306、1308)を広げ、1つ以上のバットレスアセンブリ(110、112)をエンドエフェクタ(12)に適用するために、ユーザーによって選択的に作動可能なアプリケータ作動機構(1302)を含む。アプリケータデバイス(1300)は、アクチュエータ部材(1310)、アプリケータ作動機構(1302)、及びアプリケータアーム(1306、1308)により集合的に画定される拡張機構を更に含み、拡張機構は、以下でより詳細に説明するように、ウェッジ(1312)を非拡張状態と拡張状態との間で移行させるように選択的に動作可能である。作動アセンブリ(1310)は、ユーザーにより長手方向軸線(1304)を中心として選択的に回転されるように構成されており、アプリケータ作動機構(1302)に連結し、それによりアプリケータ作動機構(1302)を長手方向軸線(1304)を中心として回転させるように更に構成されている。アプリケータ作動機構(1302)は、細長い形状、例えば、
図27A~
図27Bに示すような楕円形に形成されている。アプリケータ作動機構(1302)は、アプリケータアーム(1306、1308)の間に配置され、アプリケータ作動機構(1302)が長手方向軸線(1304)を中心に回転した時点で、アプリケータアーム(1306、1308)に接触し、長手方向軸線(1304)に対して半径方向外向きの力を加えるように構成されている。楕円形が図示されているが、様々な代替的な細長いアプリケータ作動機構(1302)の形状が利用されてもよいことが想定されている。
【0071】
図26A及び
図27Aに示すように、アプリケータ作動機構(1302)の細長い側部(1316a、1316b)が回転して初期位置(すなわち、アプリケータアーム(1306、1308)を延ばす前の位置)にあり、アプリケータアーム(1306、1308)に接触している。ユーザーは、カートリッジ本体(1314)上に位置する作動アセンブリ(1310)を把持し、
図26B及び
図27Bに示すように、長手方向軸線(1304)を中心に90度回転させ、それによりアプリケータアーム(1306、1308)を延ばしてバットレス(110、112)を適用させてもよい。アプリケータ作動機構(1302)が回転するにつれて、アプリケータ作動機構(1302)の対向する端部(1318a、1318b)が回転してウェッジ(1312)のアプリケータアーム(1306、1308)と接触し、アプリケータアーム(1306、1308)を押して離す。いくつかの変形例では、アプリケータ作動機構(1302)の細長い側部(1316a、1316b)は、エンドエフェクタ(12)の枢動可能アンビル(18)及び下側ジョー(16)の分離距離に応じて、短縮又は延長され、それにより、拡張状態にあるアプリケータアーム(1306、1308)の分離距離を、それぞれ減少又は増加させることができる。アプリケータアーム(1306、1308)を後退させるために、ユーザーは、作動アセンブリ(1310)を前と同じ方向又は反対方向のいずれかに90度回転させて、アプリケータアーム(1306、1308)を
図26A及び
図27Aに示すようなそれらの初期位置に戻してもよい。
【0072】
L.第12の例示的な代替アプリケータデバイス
図28A~
図28Bは、外科用ステープラ(10)のエンドエフェクタ(12)のジョー(例えば、下側ジョー(16))に補助材料を適用するように構成されている、第12の例示的な代替アプリケータデバイス(1400)を示す。アプリケータデバイス(1400)は、以下で説明する差異を除いて、アプリケータデバイス(500、600、700、1000、1100、1200、1300)と同じ構造及び機能を有するように構成されている。この実施例のアプリケータデバイス(1400)は、ねじりばね(1402)、ダッシュポット(1406)、ラッチ(1406)、及びアプリケータアーム(1408、1410)を備える。アプリケータアーム(1408、1410)は、枢動可能アンビル(18)及び下側ジョー(16)に相補的な形状を提供するV字形ウェッジに形成されてもよく、V字形ウェッジは、アプリケータアーム(1408、1410)が枢動可能アンビル(18)と下側ジョー(16)との間に位置付けられている間に拡張して離れた場合に、バットレスアセンブリ(110、112)を枢動可能アンビル(18)及び下側ジョー(16)に堅固に取り付けるように動作可能である。アプリケータアーム(1408、1410)は、それらの近位端(1420、1422)において一緒に枢動可能に連結され、ねじりばね(1402)は、近位端(1420、1422)において、枢動可能な連結部に隣接して配置されている。
【0073】
アプリケータアーム(1408、1410)が協働して接触構造を画定し、それぞれがステープル留め器具(10)のエンドエフェクタ(12)に補助材料を適用するように構成されている。より具体的には、上側アプリケータアーム(1408)は、枢動可能アンビル(18)上への適用のために、その上にバットレスアセンブリ(110)を受け入れるように構成されており、下側アプリケータアーム(1410)は、下側ジョー(16)上への適用のために、その上にバットレスアセンブリ(112)を受け入れるように構成されている。具体的には、バットレスアセンブリ(110)は、上側接着層(116)が上側アプリケータアーム(1408)から離れる方向に外向きに面するように上側アプリケータアーム(1408)上に配置され、バットレスアセンブリ(112)は、下側接着層(120)が下側アプリケータ表面(912)から離れる方向に外向きに面するように下側アプリケータアーム(1410)上に配置され、それにより、アプリケータデバイス(900)によるバットレスアセンブリ(110、112)の適用時に、第1及び第2の接着層(116、120)がそれぞれ枢動可能アンビル(18)及び下側ジョー(16)に接着することが可能になる。
【0074】
図28Aは、バットレスアセンブリ(110、112)がその上に装着された、拡張されていない適用前の状態のアプリケータアーム(1408、1410)を示す。アプリケータアーム(1408、1410)は、ねじりばね(1402)により反対方向に拡張するように付勢されている。ねじりばね(1402)は、アプリケータアーム(1408、1410)によって画定された「V」字の基部に配置され、アプリケータアーム(1408、1410)の内面(1416、1418)にわたってそれぞれ延びる、ばねアーム(1412、1414)を含む。アプリケータアーム(1408、1410)は更に、ラッチ(1406)と一緒に連結されている。ラッチ(1406)は、一方の端部においてアプリケータアーム(1410)に枢動可能に連結し、反対側の端部においてフック(1420)を含むように構成されている。いくつかの実施例では、ラッチ(1406)は、代わりに、一方の端部においてアプリケータアーム(1408)に枢動可能に連結するように構成されてもよい。ラッチ(1406)のフック(1420)は、第1のアプリケータアーム(1408)又は第2のアプリケータアーム(1410)の他方に解放可能に連結して、ねじりばね(1402)によって提供される広げる力に起因してアプリケータアーム(1408、1410)が広がって離れることを防止するように更に構成されている。ねじりばね(1402)及びラッチ(1406)は協働して、アプリケータデバイス(1410)を非拡張状態(
図28Aを参照)から拡張状態(
図28Bを参照)に移行させるためにユーザーによって操作されるように構成されている拡張機構を画定する。加えて、ダッシュポット(1404)、又は代わりに別の類似のエネルギー減衰デバイスが、アプリケータアーム(1408、1410)の内面(1416、1418)に連結される。
【0075】
図28Bに示すように、ユーザーは、ラッチ(1406)のフック(1420)をアプリケータアーム(1408)から離れる方向に枢動させ、それにより、ねじりばね(1402)がアプリケータアーム(1408、1410)を反対方向に押し付けることを可能にしてもよい。上述したように、アプリケータアーム(1408、1410)を反対方向に広げることは、バットレスアセンブリ(110、112)をエンドエフェクタ(12)に適用するように動作可能である。フック(1420)が取り外されアプリケータアーム(1408、1410)が広がって離れるにつれて、ダッシュポット(1404)が、アプリケータアーム(1408、1410)の広がり運動の速度を減衰させるように構成されている。したがって、ダッシュポット(1404)は、バットレスアセンブリ(110、112)を適用するときに、アプリケータアーム(1408、1410)が、エンドエフェクタ(12)に損傷を引き起こすほど急速には広がらないことを確実にしている。その後、エンドエフェクタ(12)がアプリケータデバイス(900)から取り外されてもよい。
【0076】
IV.例示的な組み合わせ
以下の実施例は、本明細書の教示を組み合わせる又は適用することができる様々な非網羅的な方法に関する。以下の実施例は、本出願又は本出願のその後の出願において任意の時点で提示され得る特許請求の範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。一切の権利放棄が意図されていない。以下の実施例は、単に例示的な目的で提供されているに過ぎない。本明細書の様々な教示は、他の多くの方法で構成及び適用され得ることが企図される。また、一部の変形例では、以下の実施例において言及される特定の特徴部を省略し得ることも企図される。したがって、以下に言及される態様又は特徴のいずれも、本発明者ら又は本発明者らの権利相続人によって後にそのように明示的に示されていない限り、重要であるとみなされるべきではない。本出願又は本出願に関連する後続の出願において提示される特許請求の範囲が、以下に言及されるもの以外の追加の特徴を含む場合、それらの追加の特徴は、特許性に関するいかなる理由で追加されたものとみなされるべきではない。
【実施例1】
【0077】
外科用ステープラのエンドエフェクタによって画定される第1のステープル留め表面又は第2のステープル留め表面のうちの少なくとも一方に補助材料を適用するように構成された装置であって、第1のステープル留め表面は複数のステープル開口部を含み、第2のステープル留め表面は複数のステープル成形ポケットを含み、装置は、(a)長手方向軸線を画定する接触構造であって、接触構造は、(i)第1の接触部材であって、第1の接触部材は、補助材料の第1の部分を支持するように構成されている、第1の接触部材と、(ii)第1の接触部材に移動可能に連結された第2の接触部材であって、第2の接触部材は、補助材料の第2の部分を支持するように構成されている、第2の接触部材と、を含み、第1の接触部材及び第2の接触部材は、それぞれ、第1のステープル留め表面及び第2のステープル留め表面に向かってそれぞれ反対の方向に、互いに離れて移動して、第1の接触部材を用いて補助材料の第1の部分を第1のステープル留め表面に適用し、第2の接触部材を用いて補助材料の第2の部分を第2のステープル留め表面に適用するための拡張状態にある接触構造を提供するように構成されている、接触構造と、(b)接触構造に動作可能に連結された拡張機構であって、拡張機構は、接触構造を非拡張状態から拡張状態に向かって移行させるように選択的に動作可能である、拡張機構と、を備える、装置。
【実施例2】
【0078】
第1の接触部材及び第2の接触部材の各々は、長手方向軸線に対して遠位端及び近位端を含み、第1の接触部材の近位端は、第2の接触部材の近位端と連結され、第1の接触部材の遠位端は、近位端が一緒に連結されたままの状態で、第2の接触部材の遠位端から分離されて、拡張状態において遠位方向に開く角度を画定するように構成されている、実施例1に記載の装置。
【実施例3】
【0079】
拡張機構は、(i)第1のハンドル及び第1のハンドルに連結された第1のアームであって、第1のアームは、第1の接触部材と第2の接触部材との間に配置され、第1の接触部材に接触するように構成されている、第1のハンドル及び第1のアームと、(ii)第2のハンドル及び第2のハンドルに連結された第2のアームであって、第1のアームは、第1の接触部材と第2の接触部材との間に配置され、第2の接触部材に接触するように構成され、第1のハンドル及び第2のハンドルは、ユーザーの手によって把持されるように構成されている、第2のハンドル及び第2のアームと、(iii)第1のアームと第2のアームとの間に配置された枢動部材であって、第1のハンドル及び第2のハンドルは、互いに対して枢動し、それにより枢動部材を介して第1のアームを第2のアームに対して枢動させるように構成され、第1のアーム及び第2のアームは、第1の接触部材及び第2の接触部材をそれぞれ反対の方向に第1のステープル留め表面及び第2のステープル留め表面に向かって付勢するように構成されている、枢動部材と、を更に含む、実施例1又は2に記載の装置。
【実施例4】
【0080】
第1のアーム又は第2のアームのうちの少なくとも一方は、ブレークアウェイ特徴部を含み、ブレークアウェイ特徴部は、第1のアーム及び第2のアームのうちの少なくとも一方に所定のレベルを超える力が印加されると、第1のアーム及び第2のアームのうちの少なくとも一方を破壊するように構成されている、実施例3に記載の装置。
【実施例5】
【0081】
接触構造と流体連通する流体入力ポートを更に含み、流体入力ポートは、流体入力ポートを通って連通される流体を受け入れるように構成され、流体は、接触構造を非拡張状態と拡張状態との間で作動させるように動作可能である、実施例1~4のいずれかに記載の装置。
【実施例6】
【0082】
流体は、液体又は気体から構成され、拡張機構は、流体入力ポートに連結するように構成された可撓性流体ポンプを備え、可撓性流体ポンプは、流体入力ポートを通して液体又は気体を連通させるように選択的に作動可能である、実施例5に記載の装置。
【実施例7】
【0083】
流体は液体で構成され、拡張機構は、流体入力ポートに連結するように構成されたシリンジを備え、シリンジは、流体入力ポートを通して液体を連通させるように選択的に作動可能である、実施例5に記載の装置。
【実施例8】
【0084】
流体は圧縮空気で構成され、拡張機構は、流体入力ポートに連結するように構成された圧縮空気キャニスタを備え、圧縮空気キャニスタは、流体入力ポートを通して圧縮空気を連通させるように選択的に穿孔可能である、実施例5に記載の装置。
【実施例9】
【0085】
拡張機構は回転アクチュエータを含み、回転アクチュエータは、長手方向軸線に平行な軸線を中心に回転可能である、実施例1~8のいずれかに記載の装置。
【実施例10】
【0086】
接触構造は、圧縮性発泡体を含み、拡張機構は、第1の接触部材及び第2の接触部材に係合するように構成されたリテーナクリップを含み、リテーナクリップは、長手方向に並進移動して、第1の接触部材及び第2の接触部材を係合解除し、それにより、圧縮性発泡体の拡張と、結果としての接触構造の拡張状態へ向かう拡張とを可能にするように構成されている、実施例1~9のいずれかに記載の装置。
【実施例11】
【0087】
拡張機構は、ユーザー作動特徴部を含み、ユーザー作動特徴部は、長手方向軸線に平行に長手方向に摺動し、それにより、接触構造を拡張状態に向かって作動させるように構成されている、実施例1~10のいずれかに記載の装置。
【実施例12】
【0088】
拡張機構はモータを含み、モータは、接触構造を起動し、それにより接触構造を拡張状態に向かって作動させるように構成されている、実施例1~11のいずれかに記載の装置。
【実施例13】
【0089】
拡張機構は、第1のユーザー作動特徴部及び第2のユーザー作動特徴部を含み、第1のユーザー作動特徴部及び第2のユーザー作動特徴部は各々、長手方向軸線に垂直な方向への力を受け、それにより、接触構造を拡張状態に向かって作動させるように構成されている、実施例1~12のいずれかに記載の装置。
【実施例14】
【0090】
拡張機構は、ユーザー作動特徴部を含み、ユーザー作動特徴部は、長手方向軸線を中心に回転し、それにより、接触構造を拡張状態に向かって作動させるように構成されている、実施例1~13のいずれかに記載の装置。
【実施例15】
【0091】
拡張機構は、(i)第1の接触部材又は第2の接触部材の一方に枢動可能に連結するように構成されたラッチであって、ラッチは、第1の接触部材又は第2の接触部材の他方に係合して、第1の接触部材が第2の接触部材から離れる方向に分離することを阻止するように構成され、ラッチは、枢動して第1の接触部材又は第2の接触部材の他方を係合解除し、それにより第1の接触部材及び第2の接触部材が分離することを可能にするように構成されている、ラッチと、(ii)第1の接触部材と第2の接触部材との間に配置され、第1の接触部材及び第2の接触部材に接触するように構成されたねじりばねであって、ねじりばねは、第1の接触部材を第2の接触部材から離れる方向に付勢するように構成されている、ねじりばねと、を含む、実施例1~14のいずれかに記載の装置。
【実施例16】
【0092】
(a)複数のステープル開口部を有する第1のステープル留め表面と、複数のステープル成形ポケットを有する第2のステープル留め表面と、を含む、外科用ステープラエンドエフェクタと、(b)実施例1~15のいずれかに記載の装置であって、装置は、補助材料を第1のステープル留め表面及び第2のステープル留め表面に適用するように動作可能である、装置と、を備える、外科用器具アセンブリ。
【実施例17】
【0093】
外科用器具のエンドエフェクタによって画定される第1のステープル留め表面又は第2のステープル留め表面のうちの少なくとも一方に補助材料を適用するように構成された装置であって、第1のステープル留め表面は複数のステープル開口部を含み、第2のステープル留め表面は複数のステープル成形ポケットを含み、装置は、長手方向軸線を画定するウェッジを備え、ウェッジは、(a)第1の接触部材であって、第1の接触部材は、補助材料の第1の部分に接触するように構成されている、第1の接触部材と、(b)第1の接触部材に対して移動して、補助材料の第2の部分に接触するように構成されている第2の接触部材であって、第1の接触部材及び第2の接触部材の各々は、長手方向軸線に対して遠位端及び近位端を含み、第1の接触部材の遠位端は、第2の接触部材の遠位端に枢動可能に連結されている、第2の接触部材と、を含み、第1の接触部材の近位端は、第2の接触部材の近位端から離れる方向に選択的に枢動して、補助材料の第1の部分及び第2の部分を外科用器具の第1のステープル留め表面及び第2のステープル留め表面に適用するように構成されている、装置。
【実施例18】
【0094】
第1の接触部材又は第2の接触部材のうちの少なくとも一方は、補助材料の第1の部分を第1のステープル留め表面に固定すること、又は補助材料の第2の部分を第2のステープル留め表面に固定することのうちの少なくとも一方を行うように構成されている、実施例17に記載の装置。
【実施例19】
【0095】
一緒に移動可能に連結された第1の接触部材及び第2の接触部材を有する装置を用いて、外科用ステープラエンドエフェクタに補助材料を適用する方法であって、外科用ステープラエンドエフェクタは、複数のステープル開口部を有する第1のステープル留め表面と、複数のステープル成形ポケットを有する第2のステープル留め表面と、を含み、方法は、(a)装置が非拡張状態にあり、エンドエフェクタが開状態にある間に、第1の接触部材が第1のステープル留め表面に向かい合い、第2の接触部材が第2のステープル留め表面に向かい合うように、装置を第1のステープル留め表面と第2のステープル留め表面との間に位置付けることと、(b)装置を非拡張状態から拡張状態に移行させて、第1のステープル留め表面に向かう方向に、第1の接触部材を第2の接触部材から離して移動させることと、(c)装置が拡張状態にある状態において、第1の接触部材を用いて補助材料の第1の部分を第1のステープル留め表面に固定することと、を含む、方法。
【実施例20】
【0096】
装置が拡張状態にある状態において、第2の接触部材を用いて補助材料の第2の部分を第2のステープル留め表面に固定することを更に含む、実施例19に記載の方法。
【0097】
V.その他
本明細書に記載の教示、表現、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上は、本明細書に記載の他の教示、表現、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ以上と組み合わせることができることを理解されたい。したがって、上記の教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して単独で考慮されるべきではない。本明細書の教示を組み合わせることができる種々の好適な方法が、本明細書の教示を考慮することにより当業者には容易に明らかとなるであろう。このような修正例及び変形例は、特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【0098】
更に、本明細書の教示のうちの任意の1つ以上は、以下の特許文献に開示された任意の1つ以上の教示と組み合わせることができる:米国特許出願第[代理人整理番号END9286USNP1]、名称「Apparatus and Method to Apply Buttress to End Effector of Surgical Stapler via Fixed Base」(本出願と同日出願)、米国特許出願第[代理人整理番号END9286USNP3]、名称「Apparatus and Method to Apply Buttresses Separately to Jaws of End Effector of Surgical Stapler」(本出願と同日に出願)。米国特許出願第[代理人整理番号END9286USNP4]、名称「Apparatus and Method to Close End Effector of Surgical Stapler onto Buttress」(本出願と同日に出願)、米国特許出願第[代理人整理番号END9286USNP5]、名称「Apparatus and Method to Detect Full Seating of Buttress Applicator in End Effector of Surgical Stapler」(本願と同日出願)、米国特許出願第[代理人整理番号END9286USNP6]、名称「Apparatus and Method to Apply Buttress to End Effector of Surgical Stapler with Authentication」(本出願と同日に出願)、及び/又は、米国特許出願第[代理人整理番号END9286USNP7]、発明の名称「Method of Applying Buttress to End Effector of Surgical Stapler」(本出願と同日に出願)。これらの米国特許出願のそれぞれの開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0099】
本明細書に参照により組み込まれると言及されるあらゆる特許、刊行物、又は他の開示内容の全部又は一部は、組み込まれる内容が本開示に記載されている既存の定義、見解、又は他の開示内容と矛盾しない範囲でのみ、本明細書に組み込まれることを理解されたい。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。参照により本明細書に組み込まれると言及されているが、現行の定義、見解、又は本明細書に記載される他の開示内容と矛盾する任意の内容、又はそれらの部分は、組み込まれた内容と現行の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ、組み込まれるものとする。
【0100】
上記のデバイスの変形形態は、医療専門家によって行われる従来の医療処置及び手術に適用するだけでなく、ロボット支援医療処置及び手術にも適用することができる。ほんの一例として、本明細書の様々な教示は、Intuitive Surgical,Inc.(Sunnyvale,California)によるDAVINCI(商標)システムなどのロボット外科用システムに容易に組み込むことができる。
【0101】
上述のデバイスの変形例は、1回の使用後に処分するように設計することができ、又はそれらは、複数回使用するように設計することができる。変形形態は、いずれか又は両方の場合においても、少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整することができる。再調整は、デバイスの分解工程、それに続く特定の部品の洗浄又は交換工程、及びその後の再組立工程の任意の組み合わせを含み得る。特に、デバイスのいくつかの変形形態は分解することができ、また、デバイスの任意の数の特定の部分又は部品を、任意の組み合わせで選択的に交換又は除去することができる。特定の部品の洗浄及び/又は交換の際、デバイスのいくつかの変形形態を、再調整施設において、又は処置の直前にユーザーによって、その後の使用のために再組み立てすることができる。当業者であれば、デバイスの再調整において、分解、洗浄/交換、及び再組立のための様々な技術を利用することができることを理解するであろう。かかる技術の使用、及び結果として得られる再調整されたデバイスは、全て本出願の範囲内にある。
【0102】
単に例として、本明細書に記載される変形形態は、処置の前及び/又は後に滅菌され得る。1つの滅菌技術では、デバイスをプラスチック製又はTYVEK製のバックのような密閉及び封止された容器に入れる。次に、容器及びデバイスは、ガンマ線、X線、又は高エネルギー電子線など、容器を透過することができる放射線場に置かれ得る。放射線は、デバイス上及び容器内の細菌を死滅させ得る。次に、滅菌されたデバイスは、後の使用のために、滅菌容器内に保管され得る。デバイスはまた、ベータ線若しくはガンマ線、エチレンオキシド、又は蒸気を含むがこれらに限定されない、当該技術分野で周知の任意の他の技術を用いて滅菌することができる。
【0103】
本発明の様々な実施形態を示し記載したが、当業者による適切な修正により、本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書に記載の方法及びシステムの更なる適合化を実現することができる。そのような可能な修正のいくつかについて述べたが、その他の修正は当業者には明らかであろう。例えば、上記の実施例、実施形態、幾何学的形状、材料、寸法、比率、工程などは例示的なものであり、必須のものではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲に関して考慮されるべきであり、本明細書及び図面に示され記載された構造及び操作の詳細に限定されないことが理解される。
【0104】
〔実施の態様〕
(1) 外科用ステープラのエンドエフェクタによって画定される第1のステープル留め表面又は第2のステープル留め表面のうちの少なくとも一方に補助材料を適用するように構成された装置であって、前記第1のステープル留め表面は複数のステープル開口部を含み、前記第2のステープル留め表面は複数のステープル成形ポケットを含み、前記装置は、
(a)長手方向軸線を画定する接触構造であって、前記接触構造は、
(i)第1の接触部材であって、前記第1の接触部材は、前記補助材料の第1の部分を支持するように構成されている、第1の接触部材と、
(ii)前記第1の接触部材に移動可能に連結された第2の接触部材であって、前記第2の接触部材は、前記補助材料の第2の部分を支持するように構成されている、第2の接触部材と、を含み、
前記第1の接触部材及び前記第2の接触部材は、それぞれ、前記第1のステープル留め表面及び前記第2のステープル留め表面に向かってそれぞれ反対の方向に、互いに離れて移動して、前記第1の接触部材を用いて前記補助材料の前記第1の部分を前記第1のステープル留め表面に適用し、前記第2の接触部材を用いて前記補助材料の前記第2の部分を前記第2のステープル留め表面に適用するための拡張状態にある前記接触構造を提供するように構成されている、接触構造と、
(b)前記接触構造に動作可能に連結された拡張機構であって、前記拡張機構は、前記接触構造を非拡張状態から前記拡張状態に向かって移行させるように選択的に動作可能である、拡張機構と、を備える、装置。
(2) 前記第1の接触部材及び前記第2の接触部材の各々は、前記長手方向軸線に対して遠位端及び近位端を含み、前記第1の接触部材の前記近位端は、前記第2の接触部材の前記近位端と連結され、前記第1の接触部材の前記遠位端は、前記近位端が一緒に連結されたままの状態で、前記第2の接触部材の前記遠位端から分離されて、前記拡張状態において遠位方向に開く角度を画定するように構成されている、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記拡張機構は、
(i)第1のハンドル及び前記第1のハンドルに連結された第1のアームであって、前記第1のアームは、前記第1の接触部材と前記第2の接触部材との間に配置され、前記第1の接触部材に接触するように構成されている、第1のハンドル及び第1のアームと、
(ii)第2のハンドル及び前記第2のハンドルに連結された第2のアームであって、前記第1のアームは、前記第1の接触部材と前記第2の接触部材との間に配置され、前記第2の接触部材に接触するように構成され、前記第1のハンドル及び前記第2のハンドルは、ユーザーの手によって把持されるように構成されている、第2のハンドル及び第2のアームと、
(iii)前記第1のアームと前記第2のアームとの間に配置された枢動部材であって、
前記第1のハンドル及び前記第2のハンドルは、互いに対して枢動し、それにより前記枢動部材を介して前記第1のアームを前記第2のアームに対して枢動させるように構成され、前記第1のアーム及び前記第2のアームは、前記第1の接触部材及び前記第2の接触部材をそれぞれ反対の方向に前記第1のステープル留め表面及び前記第2のステープル留め表面に向かって付勢するように構成されている、枢動部材と、を更に含む、実施態様1に記載の装置。
(4) 前記第1のアーム又は前記第2のアームのうちの少なくとも一方は、ブレークアウェイ特徴部を含み、前記ブレークアウェイ特徴部は、前記第1のアーム及び前記第2のアームのうちの前記少なくとも一方に所定のレベルを超える力が印加されると、前記第1のアーム及び前記第2のアームのうちの前記少なくとも一方を破壊するように構成されている、実施態様3に記載の装置。
(5) 前記接触構造と流体連通する流体入力ポートを更に備え、前記流体入力ポートは、前記流体入力ポートを通って連通される流体を受け入れるように構成され、前記流体は、前記接触構造を前記非拡張状態と前記拡張状態との間で作動させるように動作可能である、実施態様1に記載の装置。
【0105】
(6) 前記流体は、液体又は気体から構成され、前記拡張機構は、前記流体入力ポートに連結するように構成された可撓性流体ポンプを備え、前記可撓性流体ポンプは、前記流体入力ポートを通して前記液体又は前記気体を連通させるように選択的に作動可能である、実施態様5に記載の装置。
(7) 前記流体は液体で構成され、前記拡張機構は、前記流体入力ポートに連結するように構成されたシリンジを備え、前記シリンジは、前記流体入力ポートを通して前記液体を連通させるように選択的に作動可能である、実施態様5に記載の装置。
(8) 前記流体は圧縮空気で構成され、前記拡張機構は、前記流体入力ポートに連結するように構成された圧縮空気キャニスタを備え、前記圧縮空気キャニスタは、前記流体入力ポートを通して前記圧縮空気を連通させるように選択的に穿孔可能である、実施態様5に記載の装置。
(9) 前記拡張機構は回転アクチュエータを含み、前記回転アクチュエータは、前記長手方向軸線に平行な軸線を中心に回転可能である、実施態様1に記載の装置。
(10) 前記接触構造は、圧縮性発泡体を含み、前記拡張機構は、前記第1の接触部材及び前記第2の接触部材に係合するように構成されたリテーナクリップを含み、前記リテーナクリップは、長手方向に並進移動して、前記第1の接触部材及び前記第2の接触部材を係合解除し、それにより、前記圧縮性発泡体の拡張と、結果としての前記接触構造の前記拡張状態へ向かう拡張とを可能にするように構成されている、実施態様1に記載の装置。
【0106】
(11) 前記拡張機構は、ユーザー作動特徴部を含み、前記ユーザー作動特徴部は、前記長手方向軸線に平行に長手方向に摺動し、それにより、前記接触構造を前記拡張状態に向かって作動させるように構成されている、実施態様1に記載の装置。
(12) 前記拡張機構はモータを含み、前記モータは、前記接触構造を起動し、それにより前記接触構造を前記拡張状態に向かって作動させるように構成されている、実施態様1に記載の装置。
(13) 前記拡張機構は、第1のユーザー作動特徴部及び第2のユーザー作動特徴部を含み、前記第1のユーザー作動特徴部及び前記第2のユーザー作動特徴部は各々、前記長手方向軸線に垂直な方向への力を受け、それにより、前記接触構造を前記拡張状態に向かって作動させるように構成されている、実施態様1に記載の装置。
(14) 前記拡張機構は、ユーザー作動特徴部を含み、前記ユーザー作動特徴部は、前記長手方向軸線を中心に回転し、それにより、前記接触構造を前記拡張状態に向かって作動させるように構成されている、実施態様1に記載の装置。
(15) 前記拡張機構は、
(i)前記第1の接触部材又は前記第2の接触部材の一方に枢動可能に連結するように構成されたラッチであって、前記ラッチは、前記第1の接触部材又は前記第2の接触部材の他方に係合して、前記第1の接触部材が前記第2の接触部材から離れる方向に分離することを阻止するように構成され、前記ラッチは、枢動して前記第1の接触部材又は前記第2の接触部材の前記他方を係合解除し、それにより前記第1の接触部材及び前記第2の接触部材が分離することを可能にするように構成されている、ラッチと、
(ii)前記第1の接触部材と前記第2の接触部材との間に配置され、前記第1の接触部材及び前記第2の接触部材に接触するように構成されたねじりばねであって、前記ねじりばねは、前記第1の接触部材を前記第2の接触部材から離れる方向に付勢するように構成されている、ねじりばねと、を含む、実施態様1に記載の装置。
【0107】
(16) (a)複数のステープル開口部を有する第1のステープル留め表面と、複数のステープル成形ポケットを有する第2のステープル留め表面と、を含む、外科用ステープラエンドエフェクタと、
(b)実施態様1に記載の装置であって、前記装置は、前記補助材料を前記第1のステープル留め表面及び前記第2のステープル留め表面に適用するように動作可能である、装置と、を備える、外科用器具アセンブリ。
(17) 外科用器具のエンドエフェクタによって画定される第1のステープル留め表面又は第2のステープル留め表面のうちの少なくとも一方に補助材料を適用するように構成された装置であって、前記第1のステープル留め表面は複数のステープル開口部を含み、前記第2のステープル留め表面は複数のステープル成形ポケットを含み、前記装置は、
長手方向軸線を画定するウェッジを備え、前記ウェッジは、
(a)第1の接触部材であって、前記第1の接触部材は、前記補助材料の第1の部分に接触するように構成されている、第1の接触部材と、
(b)前記第1の接触部材に対して移動して、前記補助材料の第2の部分に接触するように構成されている第2の接触部材であって、前記第1の接触部材及び前記第2の接触部材の各々は、前記長手方向軸線に対して遠位端及び近位端を含み、前記第1の接触部材の前記遠位端は、前記第2の接触部材の前記遠位端に枢動可能に連結されている、第2の接触部材と、を含み、
前記第1の接触部材の前記近位端は、前記第2の接触部材の前記近位端から離れる方向に選択的に枢動して、前記補助材料の前記第1の部分及び前記第2の部分を外科用器具の第1のステープル留め表面及び第2のステープル留め表面に適用するように構成されている、装置。
(18) 前記第1の接触部材又は前記第2の接触部材のうちの少なくとも一方は、前記補助材料の前記第1の部分を前記第1のステープル留め表面に固定すること、又は前記補助材料の前記第2の部分を前記第2のステープル留め表面に固定することのうちの少なくとも一方を行うように構成されている、実施態様17に記載の装置。
(19) 一緒に移動可能に連結された第1の接触部材及び第2の接触部材を有する装置を用いて、外科用ステープラエンドエフェクタに補助材料を適用する方法であって、前記外科用ステープラエンドエフェクタは、複数のステープル開口部を有する第1のステープル留め表面と、複数のステープル成形ポケットを有する第2のステープル留め表面と、を含み、前記方法は、
(a)前記装置が非拡張状態にあり、前記エンドエフェクタが開状態にある間に、前記第1の接触部材が前記第1のステープル留め表面に向かい合い、前記第2の接触部材が前記第2のステープル留め表面に向かい合うように、前記装置を前記第1のステープル留め表面と前記第2のステープル留め表面との間に位置付けることと、
(b)前記装置を前記非拡張状態から拡張状態に移行させて、前記第1のステープル留め表面に向かう方向に、前記第1の接触部材を前記第2の接触部材から離して移動させることと、
(c)前記装置が前記拡張状態にある状態において、前記第1の接触部材を用いて前記補助材料の第1の部分を前記第1のステープル留め表面に固定することと、を含む、方法。
(20) 前記装置が前記拡張状態にある状態において、前記第2の接触部材を用いて前記補助材料の第2の部分を前記第2のステープル留め表面に固定することを更に含む、実施態様19に記載の方法。
【国際調査報告】