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  • 特表-バックミラー組立品 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-04
(54)【発明の名称】バックミラー組立品
(51)【国際特許分類】
   B60R 1/04 20060101AFI20230927BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20230927BHJP
   B60R 1/26 20220101ALI20230927BHJP
   B60R 1/29 20220101ALI20230927BHJP
   B60R 1/12 20060101ALI20230927BHJP
【FI】
B60R1/04 Z
G03B15/00 V
B60R1/26
B60R1/29
B60R1/12 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023517377
(86)(22)【出願日】2021-09-13
(85)【翻訳文提出日】2023-03-15
(86)【国際出願番号】 US2021071434
(87)【国際公開番号】W WO2022061328
(87)【国際公開日】2022-03-24
(31)【優先権主張番号】63/079,636
(32)【優先日】2020-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500115826
【氏名又は名称】ジェンテックス コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100224672
【弁理士】
【氏名又は名称】深田 孝徳
(72)【発明者】
【氏名】ランディー エリック エス
(72)【発明者】
【氏名】リンツ ジョシュア ディー
(57)【要約】
【課題】半透過型素子の後ろに撮像装置を位置付ける結果としての望ましくないアーチファクトに関連する問題を低減することを目的とする。
【解決手段】半透過型素子、キャリアプレート、及び撮像装置を有するバックミラー組立品に関する。半透過型素子は、第一の側面と、第一の側面に対して第一の方向にある第二の側面を有する。キャリアプレートは、第三の側面及び第四の側面を有する。第三の側面は第二の側面に接着され、それに沿って実質的に延在する。また、キャリアプレートは、第一の方向に第三の側面から延在する空洞を有してもよい。空洞は、第一の開口、第二の開口、及び端部を有してもよい。第一の開口は、第三の側面にあってもよい。第二の開口は、第一の開口に対して第一の方向に配設されてもよい。端部は、第二の開口を囲んでもよい。撮像装置は、第二の開口を通って延在してもよく、第二の側面に近接して配設される光収集部分を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バックミラー組立品であって、
第一の側面及び第二の側面を有する半透過型素子であって、前記第二の側面が前記第一の側面に対して第一の方向にある半透過型素子と、
第三の側面及び第四の側面を有するキャリアプレートであって、前記第三の側面が前記第二の側面に接着し、それに沿って実質的に延び、前記キャリアプレートが空洞を形成し、前記空洞が前記第三の側面から前記第一の方向に延在し、
前記第三の側面にある第一の開口と、
前記第一の開口に対して前記第一の方向に配設される第二の開口と、
前記第二の開口を囲む端部と、を有するキャリアプレートと、
光を捕捉し、画像を生成するように動作可能な撮像装置であって、前記第二の開口を通って延在し、前記第二の側面に近接して配設される光収集部分を備える、撮像装置と、を備える、バックミラー組立品。
【請求項2】
前記光収集部分が前記第二の側面から5mm未満に配設される、請求項1に記載のバックミラー組立品。
【請求項3】
前記撮像装置が前記第二の開口を実質的に充填する、請求項1に記載のバックミラー組立品。
【請求項4】
前記キャリアプレートが、リップ部分をさらに備え、前記リップ部分が前記第一の開口を囲い、
内部縁と、
前記内部縁を囲む外部縁と、
前記内部縁と前記外部縁との間に延在する接続面を備えるリップ部分をさらに備える、請求項1に記載のバックミラー組立品。
【請求項5】
前記リップ部分が、前記第三の側面に対して第二の方向に上昇され、前記第二の方向が前記第一の方向の反対にある、請求項4に記載のバックミラー組立品。
【請求項6】
前記内部縁が前記第二の側面と実質的に当接する、請求項4に記載のバックミラー組立品。
【請求項7】
前記内部縁が前記第一の開口を画定してもよい、請求項4に記載のバックミラー組立品。
【請求項8】
前記接続面が前記第三の側面に対して傾斜している、請求項4に記載のバックミラー組立品。
【請求項9】
前記空洞が前記第一の開口と前記端部との間に延在する側壁を有する、請求項1に記載のバックミラー組立品。
【請求項10】
前記側壁が前記第三の側面に対して実質的に垂直である、請求項9に記載のバックミラー組立品。
【請求項11】
前記第一の開口が前記第二の開口よりも大きい、請求項1に記載のバックミラー組立品。
【請求項12】
前記空洞が円筒形である、請求項1に記載のバックミラー組立品。
【請求項13】
前記空洞の表面が反射防止性である、請求項1に記載のバックミラー組立品。
【請求項14】
前記半透過型素子が可変反射性である、請求項1に記載のバックミラー組立品。
【請求項15】
前記半透過型素子が、
第一の表面及び第二の表面を有する第一の基板と、
前記第一の基板と実質的に平行に配設され、第三の表面及び第四の表面を有する第二の基板と、
前記第二の表面と関連付けられた第一の電極と、
前記第三の表面と関連付けられた第二の電極と、
前記第一の電極と第二の電極との間に配設される電気光学媒体と、を備える、請求項2に記載のバックミラー組立品。
【請求項16】
前記キャリアプレートが、接着剤発泡層を介して前記第二の側面に接着される、請求項1に記載のバックミラー組立品。
【請求項17】
前記キャリアプレートが、接着剤発泡層を介して前記第二の側面に接着され、
前記キャリアプレートが、前記リップ部分を介して以外には前記半透過型素子と直接接触しない、請求項4に記載のバックミラー組立品。
【請求項18】
キャリアプレートであって、
第一の側面と、前記第一の側面に対して第一の方向に配設された第二の側面と、を有する細長い部材と、
前記第一の側面から前記第一の方向に延在する空洞であって、
前記第一の側面に第一の開口を有し、
前記第一の開口に対して前記第一の方向に配設される第二の開口と、
前記第二の開口を囲む端部と、を有する空洞を備える、キャリアプレートであって、
前記細長い部材が、バックミラー組立品の半透過型素子を支持するように動作可能であり、
撮像装置が前記半透過型素子を通して画像を捕捉できるように、前記第二の開口が撮像装置の光収集部分を受け入れるように動作可能である、キャリアプレート。
【請求項19】
前記細長い部材が、前記第一の開口を囲み、前記第一の側面に対して第二の方向に延在するリップ部分をさらに備え、前記第二の方向が前記第一の方向とは反対である、請求項18に記載のキャリアプレート。
【請求項20】
請求項19に記載のキャリアプレートであって、
前記リップ部分が、前記第一の開口を画定する内部縁を備え、
前記空洞が、前記第一の開口と前記端部との間に延在する側壁をさらに備える、キャリアプレート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、米国特許法第119条(e)に基づき、2020年9月17日に出願された「REARVIEW ASSEMBLY」と題する米国仮特許出願第63/079,636号の優先権を主張し、その開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、バックミラー組立品に関し、より具体的には、反射素子の後ろに撮像装置を有するバックミラー組立品に関する。
【背景技術】
【0003】
カメラが車両に組み込まれることが規則正しく増えつつある。一部の実例では、カメラはさらにバックミラー組立品に組み込まれる。具体的には、カメラは、ユーザーの目に入ることを低減するために、これらのバックミラー組立品の半透過型素子の後ろに位置付けられてもよい。しかし、表面の後ろに位置するカメラは、画像にとって望ましくないアーチファクトが現れる可能性がある。カメラレンズから軸外にある光は、半透過型素子を透過し、カメラレンズによって収集される前に様々な表面を反射し得る。この問題は、広角カメラレンズで特に一般的であり、その広い視野のため、そうでなければ他のレンズでは収集されなかったであろう追加的な反射を収集する場合がある。しかしながら、広角カメラレンズはまた、車室内監視などの一部の用途で有益であるか、又は必要とされる、より広い視野を提供する。したがって、半透過型素子の後ろに位置付けられたカメラを有する改善されたバックミラー組立品に対するニーズがある。
【発明の概要】
【0004】
本開示によれば、半透過型素子の後ろに撮像装置を位置付ける結果としての望ましくないアーチファクトに関連する不利益及び問題は、実質的に低減又は排除される。
【0005】
本開示の一態様によれば、バックミラー組立品が開示される。バックミラー組立品は、半透過型素子、キャリアプレート、及び撮像装置を備えてもよい。半透過型素子は、第一の側面及び第二の側面を有してもよい。第二の側面は、第一の側面に対して第一の方向に配設されてもよい。半透過型素子は、可変反射性であってもよい。一部の実施形態では、半透過型素子は、第一の基板と、第二の基板と、第一の電極と、第二の電極と、電気光学媒体を備え得る。第一の基板は、第一の表面及び第二の表面を有し得る。第二の基板は、第一の基板と実質的に平行であってもよく、第三の表面及び第四の表面を有する。第一の電極は、第二の表面と関連付けられ得る。第二の電極は、第三の表面と関連付けられ得る。電気光学媒体は、第一の電極と第二の電極との間に配設され得る。同様に、キャリアプレートは、第三の側面及び第四の側面を有してもよい。キャリアプレートは、半透過型素子に対して第一の方向に配設されてもよい。第三の側面は、第二の側面に接着され、それに沿って実質的に延在し得る。キャリアプレートはまた、空洞を形成し得る。空洞は、第三の側面から第一の方向に延在してもよく、第一の開口、第二の開口、及び端部を有する。一部の実施形態では、空洞は実質的に円筒形であってもよい。さらに、空洞によって画定される表面は反射防止性であってもよい。第一の開口は、第三の側面にあってもよい。第二の開口は、第一の開口に対して第一の方向に配設されてもよい。さらに、第二の開口は、第一の開口よりも小さくてもよい。端部は、第二の開口を囲んでもよい。空洞は、第三の開口と端部との間に延在する側壁をさらに有してもよい。さらに、これらの側壁は、第三の側面に対して実質的に垂直であってもよい。撮像装置は、光を捕捉し、画像を生成するように動作可能であってもよい。さらに、撮像装置は、第二の開口を通って延在してもよく、第二の側面に近接して配設される光収集部分を含んでもよい。一部の実施形態では、光収集部分は、第二の側面から5mm未満又は1mm未満に配設されてもよい。さらに、撮像装置は、実質的に第二の開口いっぱいを満たしてもよい。
【0006】
一部の実施形態では、キャリアプレートはまた、リップ部分を有してもよい。リップ部分は、第一の開口を囲んでもよく、内部縁、外部縁、及び接続面を備える。内部縁は、第二の側面と当接してもよい。さらに、内部縁は、第一の開口を画定してもよい。外部縁は、内部縁を囲んでもよい。接続面は、内部縁と外部縁との間に延在してもよい。接続面は、第三の側面に対して傾斜してもよい。リップ部分は、第三の側面に対して第二の方向に高くされてもよい。第二の方向は、第一の方向と反対であってもよい。
【0007】
一部の実施形態では、キャリアプレートは、接着剤発泡層を介して第二の側面に接着されてもよい。さらに、一部のさらなる実施形態では、キャリアプレートは、リップ部分を介して以外には半透過型素子と直接接触しない。
【0008】
本開示の別の態様によれば、キャリアプレートが開示される。キャリアプレートは、細長い部材及び空洞を備えてもよい。細長い部材は、第一の側面及び第二の側面を有してもよい。第二の側面は、第一の側面に対して第一の方向に配設されてもよい。空洞は、第一の側面から第一の方向に延在してもよい。さらに、空洞は、第一の開口、第二の開口及び端部を有してもよい。第一の開口は、第一の側面にあってもよい。第二の開口は、第一の開口に対して第一の方向に配設されてもよい。端部は、第二の開口を囲んでもよい。さらに、細長い部材は、バックミラー組立品の半透過型素子を支持するように動作可能であってもよい。さらに、第二の開口は、撮像装置が半透過型素子を通して画像を捕捉できるように、撮像装置の光収集部分を受けるように動作可能であってもよい。
【0009】
一部の実施形態では、細長い部材は、リップ部分をさらに備えてもよい。リップ部分は、第一の開口を囲んでもよい。さらに、リップ部分は、第一の側面に対して第二の方向に延在してもよい。第二の方向は、第一の方向と反対の方向と画定されてもよい。一部のこうした実施形態では、リップ部分は、第一の開口を画定する内部縁を備える。こうした実施形態では、空洞は、第一の開口と端部との間に延在する側壁をさらに備えてもよい。
【0010】
本開示の特定の態様の利点は、撮像における望ましくないアーチファクトを低減又は除去することを含む。撮像装置の光収集部分から軸外にある光は、半透過型素子の後ろに位置付けられた撮像装置を有する以前のバックミラー組立品よりも、撮像装置の光収集部分によって収集される反射が少なくなり得る。具体的には、軸外光は、光収集部分よりも空洞内でより深くまで移動してもよい。さらに、側壁に当たる光は、空洞内にさらに深く反射され得る。さらに、光は、反射防止表面処理によって実質的に吸収され得る。したがって、光収集部分から離れて光を反射し、軸外光を吸収することによって、空洞は、撮像装置によって捕捉される軸外光の量を実質的に減少させ得る。したがって、撮像装置によって生成された画像に存在するアーチファクトは実質的に減少又は除去され得る。さらに、リップ部分を有する実施形態は、接着剤発泡層からの光反射を除去するという追加的な利点を有してもよい。これらの利点は、撮像装置が広い視野を有する実施形態で特に有利であり得る。
【0011】
本開示のこれら及びその他の態様、目的、及び特徴は、当業者が以下の明細書、特許請求の範囲、及び添付図面を調べることによって理解及び認識される。本明細書に開示するそれぞれの実施形態の特徴は、他の実施形態の特徴とともに、又はその代わりとして使用されうることも理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、バックミラー組立品の実施形態の前方斜視図である。
図2A図2Aは、バックミラー組立品の実施形態の前方斜視分解図である。
図2B図2Bは、バックミラー組立品用キャリアプレートの空洞の実施形態の断面図である。
図3A図3Aは、バックミラー組立品の実施形態の前方部分斜視図である。
図3B図3Bは、バックミラー組立品の実施形態の断面図である。
図4図4は、電気光学半透過型素子の実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書の説明の目的のために、添付の図面に例示され、本開示に記載される特定のデバイス及びプロセスは、添付の特許請求の範囲に規定される発明の概念の単なる例示的な実施形態である。よって、特許請求の範囲で別途明示的に述べられていない限り、本明細書で開示される実施形態に関連する具体的な特性は限定的ではない。
【0014】
図1~4は、バックミラー組立品10の概略的表現を示す。バックミラー組立品10は、半透過型素子100、キャリアプレート200、撮像装置300、及び/又はハウジング400を備えてもよい。さらに、バックミラー組立品10は、車両用の内部バックミラー組立品又は外部バックミラー組立品であってもよい。したがって、バックミラー組立品10は、それが関連付けられている車両に対して後方の視界を運転手に提供するように動作可能であってもよい。
【0015】
半透過型素子100は、第一の側面101及び第二の側面102を有する。第一の側面101は、運転手に向けられてもよい。第二の側面102は、第一の側面101と反対であってもよい。したがって、第二の側面102は、第一の側面101に対して第一の方向に配設されてもよい。第一の方向は、第一の側面101の平面領域に実質的に垂直な方向として画定されてもよい。さらに、半透過型素子100は、第一の側面101に当たる光を実質的に反射すると同時に、それを通して光を実質的に透過してもよい。言い換えれば、半透過型素子100は、第一の方向に光を透過すると同時に、第一の方向とは反対の第二の方向に光を反射してもよい。一部の実施形態では、半透過型素子100は、可変反射性を有してもよい。こうした実施形態では、半透過型素子100は電気光学式であってもよい(図4に示す)。したがって、半透過型素子100は、第一の基板110と、第二の基板120と、第一の電極130と、第二の電極140と、シール150と、チャンバ160と、及び/又は電気光学媒体170とを備えてもよい。
【0016】
第一の基板110は、第一の表面111及び第二の表面112を備える。第二の表面112は、第一の表面111に対して第一の方向に配設されてもよい。一部の実施形態では、第一の表面111は、第一の側面101に対応してもよい。さらに、第一の基板110は、ホウケイ酸ガラス、ソーダ石灰ガラス、フロートガラス、天然高分子樹脂及び合成高分子樹脂、プラスチック、及び/又は複合材料など、電磁スペクトルの可視領域において透明又は実質的に透明である多数の材料のいずれかから作製されてもよい。基板の材料は、材料が実質的に透明であり、太陽からの紫外線曝露及び極端な温度などの環境条件に対する強度や耐性などの適切な物理的特性を示しさえすれば、任意の数の材料から選択されてもよい。
【0017】
第二の基板120は、第一の基板110に対して実質的に平行かつ離間した関係で配設されている。さらに、第二の基板120は、第三の表面123及び第四の表面124を含む。第四の表面124は、第三の表面123に対して第一の方向に配設されてもよい。一部の実施形態では、第四の表面124は、第二の側面102に対応してもよい。さらに、第二の基板120は、第一の基板110と同様の材料、又は異なる材料から作製されてもよい。
【0018】
第一の電極130は、第二の表面112と関連付けられた導電性材料である。第一の電極130の導電性材料は、電磁スペクトルの可視領域において実質的に透明であってもよく、一般的に、電気光学素子に含まれる材料からの腐食に対して耐性がある。導電性材料は、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、インジウムドープ酸化物、ドープ酸化亜鉛、又は当技術分野で既知の他の材料などの透明導電性酸化物(TCO)であってもよい。
【0019】
第二の電極140は、第三の表面123と関連付けられた導電性材料である。第二の電極140は、同様に実質的に透明であってもよい。したがって、第二の電極140の導電性材料は、第一の電極130と同じ又は類似の材料から作製されてもよい。一部の実施形態では、第二の電極130は、実質的に反射性であってもよく、又は実質的に反射性の層を含んでもよい。したがって、第二の電極130は半透過性であってもよい。他の実施形態では、反射器は、電気光学媒体170と第二の電極140との間の第二の電極140、第二の電極140と第二の基板120との間の第三の表面123、又は第二の基板120の第四の表面124と関連付けられてもよい。典型的な反射材料としては、クロム、ロジウム、ルテニウム、銀、アルミニウム、金、プラチナ、パラジウム、ニッケル、モリブデン、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0020】
シール150は、第一の基板110と第二の基板120との間にチャンバ160を画定するために、周辺的に配設されてもよい。したがって、チャンバ160は、第一の基板110、第二の基板120、第一の電極130、第二の電極140のうちの少なくとも二つと一体化するシール150によって画定されてもよい。一部の実施形態では、チャンバ160は、より具体的には、シール150、第一の電極130、及び第二の電極140によって画定されてもよい。シール150は、電気光学媒体170が不注意に漏出しないように、第一の基板110、第二の基板120、第一の電極130、及び第二の電極140のうちの少なくとも二つと接着結合することができ、それによりチャンバ160を接着できる任意の材料を含んでもよい。
【0021】
電気光学媒体170は、チャンバ160内に配設される。さらに、電気光学媒体170は電気活性がある。そのため、電気光学媒体170は、電位に対応して、活性化状態と非活性化状態との間で動作可能である。したがって、電気光学媒体170は、他の材料の中でも特に、電気活性のある陽極材料及び陰極材料を含んでもよい。一部の実施形態では、陽極材料及び/又は陰極材料はエレクトロクロミックであってもよい。言い換えれば、電気光学媒体170はエレクトロクロミックであってもよい。エレクトロクロミックとは、起動時に、電子電圧又は電位の印加のため、エレクトロクロミックな品目が、電磁スペクトルの一つ以上の波長で吸光度の変化を示しうることを意味する。したがって、電気光学媒体170は可変的に透過性であってもよい。吸光度の変化は、可視領域、紫外領域、赤外領域、及び/又は近赤外領域内であってもよい。他の実施形態では、電気光学媒体170は、液晶媒体又は浮遊粒子媒体であってもよい。電気光学媒体170は、例えば、「Color-Stabilized Electrochromic Devices」と題する米国特許第6,433,914号に開示されるものを含む多数の材料のうちいずれか一つから作製されてもよく、同特許は参照により、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0022】
キャリアプレート200は、第一の方向に対して半透過型素子100に配設された細長い部材である。さらに、キャリアプレート200は、第三の側面203及び第四の側面204を含む。第四の側面204は、第三の側面203に対して第一の方向に配設されてもよい。さらに、キャリアプレート200は、第二の側面102に沿って実質的に延在してもよく、半透過型素子100を支持するように構成されてもよい。一部の実施形態では、キャリアプレート200は、第二の側面102と当接、かつ/又は接着されてもよい。一部のこうした実施形態では、キャリアプレート200は、接着剤発泡層210を介して第二の側面102に接着されてもよい。さらに、キャリアプレート200は、ポリマー及び/又は発泡体構造を有してもよい。さらに、キャリアプレート200は、空洞220を形成してもよい。
【0023】
空洞220は、第三の側面203から第一の方向に延在するくぼみによって形成される凹状部分であってもよい。さらに、空洞220は、様々な形状で実質的に形成されてもよい。例えば、空洞220は、実質的に円筒形、楕円筒形、円錐形、錐台様、ピラミッド状、立方体、立方体様、六角形柱体、又は八角形柱体であってもよい。一部の実施形態では、空洞220の表面は、空洞220の表面からの反射を低減又は最小化するために、反射防止剤で表面処理されてもよい。さらに、空洞200は、第一の開口221及び第二の開口222を備えてもよい。第一の開口221は、実質的に第三の側面203に沿って、又は第三の側面203にあってもよい。第二の開口222は、第一の方向に対して第一の開口221に配設されてもよく、及び/又は実質的に第四の側面204に沿って、又は第四の側面204に配設されてもよい。第一の開口221及び第二の開口222は、様々な形状で形成されてもよく、一部の実施形態では、同一又は異なる形状から形成されてもよい。例えば、第一の開口及び第二の開口は、円形、楕円、三角形、正方形、長方形、六角形、又は八角形であってもよい。一部の実施形態では、第二の開口222は、第一の開口221よりも小さくてもよい。したがって、第二の開口222は、第一の開口221の幅より小さい幅を有してもよい。空洞220はまた、第二の開口222を囲む端部224を備えてもよい。端部224は、第三の側面203に実質的に平行であり、かつそれに対して第一の方向に配設されてもよい。さらに、一部の実施形態では、空洞220によって画定される側壁225は、第二の側面102、第三の側面203、端部224、第一の開口221、及び/又は第二の開口222に対して実質的に垂直であってもよい。さらに、側壁225は、第一の開口221と実質的に整列してもよい。したがって、側壁225は、第一の開口221と端部224との間に延在してもよい。
【0024】
一部の実施形態では、キャリアプレート200は、リップ部分230をさらに備えてもよい。リップ部分230は、第一の開口221を囲んでもよい。さらに、リップ部分230は、第三の側面203から第二の方向に高くされて延在してもよい。リップ部分230は、内部縁231、外部縁232、及び接続面233を備えてもよい。内部縁231は、第一の開口221を画定してもよい。一部の実施形態では、内部縁231は、第二の側面102と当接してもよい。外部縁232は内部縁231より大きく、かつ内部縁231を囲む。一部の実施形態では、外部縁232は、第三の側面203に実質的に平面であってもよい。その他の実施形態では、外部縁232は、内部縁231に実質的に平面であってもよい。接続面233は、内部縁231と外部縁232との間に延在する表面であってもよい。したがって、接続面233は、第三の側面203に対して傾斜してもよい。さらに、接続面233は、平面又は曲面であってもよい。
【0025】
さらに、一部の実施形態では、接着剤発泡層210は、キャリアプレート200がリップ部分230を介して以外には半透過型素子100と直接接触しないように、第二の側面102と第三の側面203との間に実質的に配設されてもよい。さらに、接着剤発泡層210は、第一の開口221が接着剤発泡層210によって実質的に閉塞されないように、第一の開口221、リップ部分230、内部縁231、及び/又は外部縁232と実質的に整列した開口部211を備えてもよい。
【0026】
撮像装置300は、光を捕捉し、画像を生成するように動作可能な任意の装置であってもよい。画像は、デジタル画像であってもよい。例えば、撮像装置300は、カメラであってもよい。撮像装置300は、少なくとも部分的に空洞220内に配設されてもよい。さらに、撮像装置300は、光収集部分310、鏡胴320、及び感光性アレイ330を含む。さらに、撮像装置300は、光収集部分310が空洞220内に配設されるように配設されてもよい。光収集部分310は、前玉又は開口に対応してもよい。さらに、光収集部分310は、第二の側面102に近接して、また第一の開口221内又はそれに近接して配設されてもよい。光収集部分310は、例えば、第二の側面102から5mm、4mm、3mm、2mm、又は1mm未満であってもよい。鏡胴320は、少なくとも部分的に空洞220内に配設されてもよい。さらに、鏡胴320は、第二の開口222を通って延在してもよい。さらに、鏡胴320は、第二の開口222を実質的に満たしてもよい。感光性アレイ330は、第一の方向に対して第二の開口220に配設されてもよい。したがって、感光性アレイ330は、半導体電荷結合素子(CCD)又は相補型金属酸化物半導体(CMOS)技術の画素センサであってもよい。一部の実施形態では、撮像装置300は、広い視野を有してもよい。したがって、撮像装置300は、広角レンズを有してもよい。
【0027】
ハウジング400は、第二の空洞を形成し、開口部を有してもよい。開口部は、第二の空洞の第一の方向に配設されてもよい。半透過型素子100は、開口部内又はそれに近接して実質的に配設されてもよい。したがって、キャリアプレート200及び撮像装置300は、第二の空洞内に配設されてもよい。一部の実施形態では、ハウジング400は、実質的に第二の表面112に当接してもよい。さらに、ハウジング400は、キャリアプレート200を支持してもよい。キャリアプレート200は、複数の機械式留め具410を介してハウジング400に固定されてもよい。ハウジング400は、マウント420をさらに備えてもよい。マウント420は、フロントガラス、ヘッドライナー、又はボディパネルなどの車両表面にハウジング400を動作可能に固定し得る。
【0028】
動作中、光は、第一の側面101で半透過型素子100に当たってもよい。光の一部は、そこから反射されてもよい。半透過型素子100が可変透過性の電気光学素子である実施形態では、第一の電極130と第二の電極140は、電気光学媒体170に電位を印加してもよい。したがって、電気光学媒体170は、活性化状態になり、光の一部を吸収し、それによって反射率を低めてもよい。光を反射することに加えて、光の一部は、それを通して透過されてもよい。第一の開口221と整列する透過光は、それを通って移動し、撮像装置300によって収集されてもよい。したがって、撮像装置300は、外部情景及び第二の方向に対してバックミラー組立品10に画像を提供してもよい。
【0029】
バックミラー組立品10の一部の実施形態は、撮像におけるアーチファクトを低減又は除去するという利点を有し得る。撮像装置300の光収集部分310から軸外にある光は、半透過型素子の後ろに位置付けられた撮像装置を有する以前のバックミラー組立品よりも、撮像装置300の光収集部分310によって収集される反射が少なくなり得る。具体的には、軸外光は、光収集部分310よりも空洞220内でより深くまで移動してもよい。さらに、側壁225に当たる光は、空洞220内にさらに深く反射され得る。さらに、光は、反射防止表面処理によって実質的に吸収され得る。したがって、光収集部分310から離れて光を反射し、軸外光を吸収することによって、空洞220は、撮像装置300によって捕捉された軸外光を実質的に減少又は除去させ得る。したがって、撮像装置300によって生成された画像に存在するアーチファクトは、実質的に減少又は除去され得る。さらに、リップ部分230を有する実施形態は、接着剤発泡層210からの光反射を除去する追加的な利点を有してもよい。これらの利点は、撮像装置300が広い視野を有する実施形態に特に有利であり得る。
【0030】
本明細書では、関連する用語、例えば、「第一の」、「第二の」等は、一つの存在又は動作を他の存在又は動作と区別するために単独で用いられるもので、そのような存在又は動作の間での実際の関係又は順序を必ずしも要求又は暗示するものではない。
【0031】
本開示の目的のため、「関連する」という用語は、一般に、(電気的な又は機械的な)2つの成分を直接的又は間接的に相互に結合することを意味する。こうした連結は、本質的に固定されたものとすることも、本質的に移動可能とすることもできる。こうした連結は、(電気的な又は機械的な)二つの構成要素及び任意の追加的な中間体部材が、互いに又は二つの構成要素と、一つの単一体として一体的に形成されて達成し得る。こうした連結は、特に明記されない限り、本質的に永久的とすることも、本質的に取り外し可能又は分離可能とすることもできる。
【0032】
本明細書で使用される、二つ以上の事項の列記において使用される場合の「及び/又は」という用語は、列記される事項のうちのいずれの一つも単独で用いられることができ、又は列記される事項のうちの二つ以上のあらゆる組み合わせが用いられることができることを意味する。例えば、組成物が成分A、B及び/又はCを含有するとして記載される場合、当該組成物は、Aを単独で、Bを単独で、Cを単独で、A及びBを組み合わせて、A及びCを組み合わせて、A及びCを組み合わせて、B及びCを組み合わせて、又はA、B及びCを組み合わせて含有し得る。
【0033】
「実質的に」という用語及びその変形は、当業者によって、値又は説明に等しいか又はほぼ等しい特徴を説明するものとして理解されるであろう。例えば、「実質的に平坦な」表面は、平坦な又はおよそ平坦な表面を示すことを意図する。更に、「実質的に」は、2つの値が等しいか又はおよそ等しいことを示すことを意図する。当業者に明確ではない用語の使用がある場合、それが使用される文脈を考えると、「実質的に」は、互いに約10%以内、例えば互いに約5%以内、又は互いに約2%以内の値を示してもよい。
【0034】
「半透過型」という用語は、一般に、少なくとも一つの側面から光入射の少なくとも一部を反射し、少なくとも一つの側面から光入射の少なくとも一部を透過する光学構成を指す。特に、「半透過型」は、光の波範囲に関して非ゼロレベルの透過率を有し、かつ領域内の非ゼロレベルの反射率を有する光学素子又は構成要素を記述する。適用できる光の範囲は、コンテキストに応じて変化する。しかしながら、関連する光の波範囲が容易には明らかでない場合、光の波範囲は通常、可視光を指すものとする。
【0035】
「透明」という用語は、相対的に適用される。「透明」とは、問題となる波長で実質的に透過性であり、したがって、一般的に、このような波長の光が透過することを可能にする、光学素子又は材料を指す。問題の波長は、コンテキストに基づいて変化する。しかしながら、問題の波長が容易には明らかでない場合、問題の波長は一般に可視光を指すものとする。
【0036】
「備える(comprises)」、「備える(comprising)」という用語又はその用語の他の変形形態は、列挙される要素を含むプロセス、方法、物品、又は装置がそれらの要素のみを含むものではなく、明白に列挙されていないか、又はそのようなプロセス、方法、物品、若しくは装置にとって固有のものではない他の要素を含んでもよいように、非排他的包含を網羅することを意図している。「...を備える」が前に付く要素は、それ以上の制約なしに、その要素を含むプロセス、方法、物品、又は装置の追加的な同一要素の存在を除外しない。
【0037】
一部の実施形態が本開示に記載されているが、多数の変形、変更、変換、及び修正は、当業者によって理解されてもよく、本開示は、それらの言語が明示的に別段の定めをしない限り、添付の特許請求の範囲の範囲内にあるこれらの変形、変更、変換、及び修正を包含することを意図していることを理解されたい。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
【国際調査報告】