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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-04
(54)【発明の名称】導電性メッシュを備える発熱体
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/46 20200101AFI20230927BHJP
   A24F 40/42 20200101ALI20230927BHJP
   H05B 3/04 20060101ALI20230927BHJP
   H05B 3/44 20060101ALI20230927BHJP
【FI】
A24F40/46
A24F40/42
H05B3/04
H05B3/44
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023517387
(86)(22)【出願日】2021-09-23
(85)【翻訳文提出日】2023-03-15
(86)【国際出願番号】 EP2021076233
(87)【国際公開番号】W WO2022063914
(87)【国際公開日】2022-03-31
(31)【優先権主張番号】20197860.8
(32)【優先日】2020-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】フレデリク ギヨーム
(72)【発明者】
【氏名】ジノヴィク イハル ニコラエヴィチ
【テーマコード(参考)】
3K092
4B162
【Fターム(参考)】
3K092PP20
3K092QA01
3K092QB02
3K092QB31
3K092QB37
3K092QB61
3K092QB78
3K092QC02
3K092RA02
3K092VV09
4B162AA06
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB14
4B162AB23
4B162AC18
4B162AC22
4B162AD15
4B162AD23
4B162AE02
(57)【要約】
エアロゾル発生システム用のヒーター組立品(10)が提供され、ヒーター組立品(10)は発熱体(11)を含む。発熱体(11)はメッシュ(12)を含み、メッシュ(12)は第一の方向に延在する複数の第一のフィラメント(20)を含み、第一のフィラメント(20)は、第一の電気伝導率を有する第一の材料を含む。メッシュ(12)はまた、第二の方向に延在する複数の第二のフィラメント(22)を含み、第一の方向は第二の方向に対して垂直であり、第二のフィラメント(22)は第二の電気伝導率を有する第二の材料を含む。第一の電気伝導率は、第二の電気伝導率よりも大きい。第一のフィラメント(20)の各々は、コアとコアを覆う被覆とを含む。被覆は第一の材料を含み、第一のフィラメント(20)の各々のコアは、第一の材料よりも低い電気伝導率を有する材料から形成される。ヒーター組立品(10)はまた、第一のフィラメント(20)のうちの少なくとも一つにそれぞれ接続される第一の電気端子(13)および第二の電気端子(15)を含む。使用中、複数の第二のフィラメント(22)を介して、電流が第一の電気端子(13)と第二の電気端子(15)との間に通電される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生システム用のヒーター組立品であって、前記ヒーター組立品が、
発熱体であって、前記発熱体がメッシュを備え、前記メッシュが、
第一の方向に延在する複数の第一のフィラメントであって、前記第一のフィラメントが、第一の電気伝導率を有する第一の材料を含む、複数の第一のフィラメントと、
第二の方向に延在する複数の第二のフィラメントであって、前記第一の方向が前記第二の方向に対して垂直であり、前記第二のフィラメントが第二の電気伝導率を有する第二の材料を含む、複数の第二のフィラメントと、を含み、
第一の電気伝導率が、第二の電気伝導率よりも大きく、
前記第一のフィラメントの各々が、コアと前記コアを覆う被覆とを含み、
前記被覆が、前記第一の材料を含み、前記第一のフィラメントの各々のコアが、前記第一の材料よりも低い電気伝導率を有する材料から形成される、発熱体、および
前記発熱体に電力を供給するための少なくとも二つの電気端子であって、
前記電気端子の各々が、前記第一のフィラメントの少なくとも一つに接続され、
前記少なくとも二つの電気端子が、第一の電気端子および第二の電気端子を備え、
使用中、前記複数の第二のフィラメントを介して、電流が前記第一の電気端子と前記第二の電気端子との間に通電される、少なくとも二つの電気端子、を備える、ヒーター組立品。
【請求項2】
前記コアがステンレス鋼を含む、請求項1に記載のヒーター組立品。
【請求項3】
前記被覆が、1マイクロメートル~5マイクロメートルの厚さを有する、請求項1または2に記載のヒーター組立品。
【請求項4】
前記第一のフィラメントの各々のコアが、前記第二のフィラメントの各々と同じ材料を含む、請求項1~3のいずれかに記載のヒーター組立品。
【請求項5】
前記第一の材料が、銀、金、および白金のうちの少なくとも一つを含む、請求項1~4のいずれかに記載のヒーター組立品。
【請求項6】
前記第二の材料が、ステンレス鋼を含む、請求項1~5のいずれかに記載のヒーター組立品。
【請求項7】
前記メッシュが織られたメッシュである、請求項1~6のいずれかに記載のヒーター組立品。
【請求項8】
液体エアロゾル形成基体を前記発熱体に運ぶための輸送材料をさらに含む、請求項1~7のいずれかに記載のヒーター組立品。
【請求項9】
エアロゾル発生システム用のカートリッジであって、前記カートリッジが、
請求項1~8のいずれかに記載のヒーター組立品、および
液体エアロゾル形成基体を保持するための液体貯蔵区画を含む、カートリッジ。
【請求項10】
エアロゾル発生システムであって、
請求項9に記載のカートリッジ、および
前記カートリッジに取り外し可能に連結されるように配置されるエアロゾル発生装置であって、電力を前記発熱体に供給するための電源を備えるエアロゾル発生装置を備える、エアロゾル発生システム。
【請求項11】
エアロゾル発生システム用のヒーター組立品の形成方法であって、前記方法が、
発熱体として使用するためのメッシュを形成することであって、前記メッシュを形成することが、
第一の電気伝導率を有する第一の材料を含む複数の第一のフィラメントを提供することであって、前記第一のフィラメントの各々が、コアおよび前記コアを覆う被覆を含み、前記被覆が前記第一の材料を含み、前記第一のフィラメントの各々のコアが、前記第一の材料よりも低い電気伝導率を有する材料から形成される、提供すること、
第二の電気伝導率を有する第二の材料を含む複数の第二のフィラメントを提供することであって、前記第一の電気伝導率が前記第二の電気伝導率よりも大きい、提供すること、および
第一の方向に延在する複数の第一のフィラメント、および第二の方向に延在する複数の第二のフィラメントを含むメッシュを形成することであって、前記第一の方向が前記第二の方向に対して垂直である、形成すること、を含む、メッシュを形成すること、ならびに
前記メッシュ発熱体に電力を供給するための少なくとも二つの電気端子を提供することであって、前記少なくとも二つの電気端子を提供することが、
第一の電気端子および第二の電気端子を提供することと、
前記電気端子の各々を前記メッシュの前記第一のフィラメントの少なくとも一つに接続して、前記ヒーター組立品の使用中に、前記複数の第二のフィラメントを介して、電流が前記第一の電気端子と前記第二の電気端子との間に通電されるようにすることと、を含む、二つの電気端子を提供すること、を含む、方法。
【請求項12】
メッシュを熱処理し、前記複数の第一のフィラメントを前記複数の第二のフィラメントに結合することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記コアが、ステンレス鋼を含む、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
前記被覆が、1マイクロメートル~5マイクロメートルの厚さを有する、請求項11~13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記第一のフィラメントの各々のコアが、前記第二のフィラメントの各々と同じ材料を含む、請求項11~14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
前記第一の材料が、銀、金、および白金のうちの少なくとも一つを含む、請求項11~15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
前記第二の材料が、ステンレス鋼を含む、請求項11~16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
前記複数の第一のフィラメントを前記複数の第二のフィラメントで織り、織られたメッシュを形成することを含む、請求項11~17のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル発生システム用の発熱体に関する。特に、本発明は、エアロゾル発生システム用の発熱体に関し、発熱体は、第一および第二の方向に延在する第一および第二のフィラメントを備える。第一のフィラメントは第一の材料を含み、第二のフィラメントは第二の材料を含み、第一の材料は第二の材料よりも大きな電気伝導率を有する。本発明はまた、ヒーター組立品、カートリッジ、エアロゾル発生システムおよびメッシュを形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電池および制御電子機器を備える装置部分と、液体エアロゾル形成基体を収容または受容するための部分と、エアロゾルを発生させるためにエアロゾル形成基体を加熱するための電気的に作動するヒーターと、を備える、手持ち式の電気的に作動するエアロゾル発生装置およびシステムが公知である。ヒーターは典型的に、液体エアロゾル形成基体を液体貯蔵区画からヒーターに移送する細長い芯の周りに巻かれたワイヤのコイルを備える。電流はワイヤのコイルを通過してヒーターを加熱し、それによってエアロゾル形成基体からエアロゾルを発生することができる。他のデバイスでは、ヒーターは導電性メッシュを備える。マウスピース部分もまた含まれ、ユーザーは自分の口の中にエアロゾルを引き込むために、これを吸煙し得る。
【0003】
はんだ付けされた電気接続部などのエアロゾル発生装置のいくつかの電気構成要素は、スズを含み得る。例えば、導電性メッシュを含むヒーターを含むエアロゾル発生装置は、メッシュの一部分にわたって延在する少なくとも一つのスズ電極を備え、メッシュのフィラメントにわたって電流を分配し得る。しかしながら、エアロゾル発生装置が、一つ以上の酸を含む液体エアロゾル形成基体とともに使用される場合、エアロゾル発生装置のスズ構成要素の腐食が発生し得る。
【0004】
公知のエアロゾル発生システムでのこれらの問題を軽減または克服するエアロゾル発生システム用の発熱体を提供することが望まれる。
【発明の概要】
【0005】
本開示中によると、エアロゾル発生システム用の発熱体が提供され、発熱体はメッシュを備える。メッシュは、第一の方向に延在する複数の第一のフィラメントを備え得る。第一のフィラメントは、第一の電気伝導率を有する第一の材料を含み得る。メッシュは、第二の方向に延在する複数の第二のフィラメントを備え得る。第一の方向は、第二の方向に対して垂直であり得る。第二のフィラメントは、第二の電気伝導率を有する第二の材料を含み得る。第一の電気伝導率は、第二の電気伝導率よりも大きい場合がある。
【0006】
本開示の第一の態様によると、エアロゾル発生システム用の発熱体が提供され、発熱体はメッシュを備える。メッシュは、第一の方向に延在する複数の第一のフィラメントを備え、第一のフィラメントは、第一の電気伝導率を有する第一の材料を含む。メッシュはまた、第二の方向に延在する複数の第二のフィラメントを備え、第一の方向は、第二の方向に垂直である。第二のフィラメントは、第二の電気伝導率を有する第二の材料を含む。第一の電気伝導率は、第二の電気伝導率よりも大きい。
【0007】
有利には、第一の材料のより大きな電気伝導率は、第一のフィラメントを介して電源から第二のフィラメントへの電流の分配を容易にし得る。有利には、第二のフィラメントへの電流の分配を容易にすることにより、メッシュ上の電極の必要性が排除され得る。例えば、電線などの電気接点が、第一のフィラメントのうちの一つ以上に直接接続され得る。有利には、これにより、公知のエアロゾル発生装置のメッシュ発熱体上に提供されたスズ電極の必要性が排除され得る。
【0008】
有利には、第二の材料のより低い電気伝導率は、電流が第二のフィラメントを通して伝導された時に、第二のフィラメントの抵抗加熱を促進し得る。
【0009】
第二のフィラメントが正の温度係数を含む材料から形成される実施形態では、発熱体の動作中に形成され得るホットスポットは、ホットスポットに対応する第二のフィラメントの電気抵抗の増加領域をもたらす。有利には、第一の材料のより大きな電気伝導率は、第二のフィラメントにおける電気抵抗の増加領域からの外への電流の分配が促進され、メッシュ全体のより均一な加熱が促進され得る。
【0010】
好ましくは、第一の材料は、約8×106ジーメンス/メートル~約80×106ジーメンス/メートルの電気伝導率を有する。
【0011】
好ましくは、第二の材料は、約0.8×106ジーメンス/メートル~約1.7×106ジーメンス/メートルの電気伝導率を有する。
【0012】
好ましくは、第一の材料は、銀、金、白金、アルミニウム、スズ、および銅のうちの少なくとも一つを含む。好ましくは、第一の材料は、銀、金、およびプラチナのうちの少なくとも一つを含む。好ましくは、第一の材料は銀を含む。好ましくは、第一の材料は銀である。
【0013】
第一のフィラメントの各々は、第一の材料から形成され得る。第二のフィラメントの各々は、第二の材料から形成され得る。
【0014】
好ましくは、第一のフィラメントの各々は、コアとコアを覆う被覆とを含む。好ましくは、被覆は第一の材料を含む。有利には、第一のフィラメントの各々に、第一の材料を含む被覆を提供することにより、第二のフィラメントよりも大きな電気伝導率を有する第一のフィラメントが提供され得る。有利には、第一のフィラメントの各々のコアは、より低い電気伝導率を有する材料から形成され得、これにより第一のフィラメントの各々のコストが低減または最小化され得る。
【0015】
第一のフィラメントの各々の被覆は、少なくとも約1マイクロメートル、少なくとも約2マイクロメートル、少なくとも約3マイクロメートル、または少なくとも約4マイクロメートルの厚さを有し得る。第一のフィラメントの各々の被覆は、約5マイクロメートル未満、約4マイクロメートル未満、約3マイクロメートル未満、または約2マイクロメートル未満の厚さを有し得る。好ましくは、第一のフィラメントの各々の被覆は、約1マイクロメートル~約5マイクロメートル、より好ましくは2マイクロメートル~約5マイクロメートル、より好ましくは約2マイクロメートル~約4マイクロメートル、より好ましくは約3マイクロメートル~約4マイクロメートルの厚さを有する。
【0016】
被覆は、噴霧プロセス、化学蒸着プロセス、および物理蒸着プロセスのうちの少なくとも一つによって形成され得る。
【0017】
第一のフィラメントの各々のコアは、金属合金を含み得る。適切な合金の例としては、ステンレス鋼、コンスタンタン、ニッケル含有、コバルト含有、クロム含有、アルミニウム含有、チタン含有、ジルコニウム含有、ハフニウム含有、ニオビウム含有、モリブデン含有、タンタル含有、タングステン含有、スズ含有、ガリウム含有、マンガン含有、および鉄含有の合金、およびニッケル、鉄、コバルト、ステンレス鋼系の超合金、Timetal(登録商標)、鉄-アルミニウム系合金、ならびに鉄-マンガン-アルミニウム系合金が挙げられる。Timetal(登録商標)は、Titanium Metals Corporationの登録商標である。好ましくは、第一のフィラメントの各々のコアは、ステンレス鋼、より好ましくは、AISI 304、316、304L、316Lなどの300系ステンレス鋼を含む。
【0018】
特に好ましい実施形態では、第一のフィラメントの各々は、AISI 304ステンレス鋼を含むコアおよび銀を含む被覆を含む。
【0019】
第二の材料は、金属合金を含み得る。適切な合金の例としては、ステンレス鋼、コンスタンタン、ニッケル含有、コバルト含有、クロム含有、アルミニウム含有、チタン含有、ジルコニウム含有、ハフニウム含有、ニオビウム含有、モリブデン含有、タンタル含有、タングステン含有、スズ含有、ガリウム含有、マンガン含有、および鉄含有の合金、およびニッケル、鉄、コバルト、ステンレス鋼系の超合金、Timetal(登録商標)、鉄-アルミニウム系合金、ならびに鉄-マンガン-アルミニウム系合金が挙げられる。Timetal(登録商標)は、Titanium Metals Corporationの登録商標である。好ましくは、第二の材料は、ステンレス鋼、より好ましくは、AISI 304、316、304L、316Lなどの300系ステンレス鋼を含む。特に好ましい実施形態では、第二の材料は、AISI 304ステンレス鋼を含む。
【0020】
第一のフィラメントの各々のコアは、第二の材料とは異なる材料を含み得る。
【0021】
第一のフィラメントの各々のコアはまた、第二の材料を含み得る。好ましくは、第一のフィラメントの各々および第二のフィラメントの各々のコアは、ステンレス鋼、より好ましくは、AISI 304、316、304L、316Lなどの300系ステンレス鋼を含む。特に好ましい実施形態では、第一のフィラメントの各々および第二のフィラメントの各々のコアは、AISI 304ステンレス鋼を含む。
【0022】
メッシュは織られていても、または不織であってもよい。好ましくは、メッシュは織られている。
【0023】
第一のフィラメントは緯糸方向に延び、第二のフィラメントは経糸方向に延び得る。第一のフィラメントは経糸方向に延び、第二のフィラメントは緯糸方向に延び得る。
【0024】
メッシュは第一のフィラメントと第二のフィラメントの間の隙間を画定し得、隙間は約10マイクロメートル~約100マイクロメートルの幅を有し得る。好ましくは、隙間の幅は隙間の中で毛細管現象を生じさせ、そのため、使用時に気化されることになる液体エアロゾル形成基体が隙間の中に引き込まれ、発熱体と液体エアロゾル形成基体の間の接触面積を増大させる。
【0025】
第一のフィラメントおよび第二のフィラメントは、約60~約240フィラメント/センチメートル(±10%)のメッシュ密度を形成し得る。好ましくは、メッシュ密度は、約100~約140フィラメント毎センチメートル(±10パーセント)である。より好ましくは、メッシュ密度は、およそ115フィラメント毎センチメートルである。隙間の幅は、約20マイクロメートル~約300マイクロメートルであり得、好ましくは約50マイクロメートル~約100マイクロメートルであり、より好ましくはおよそ70マイクロメートルである。メッシュの総面積に対する隙間の面積の比であるメッシュの開口面積の割合は、約40パーセント~約90パーセントであり得、好ましくは約85パーセント~約80パーセントであり、より好ましくはおよそ82パーセントである。
【0026】
第一のフィラメントのおよび第二のフィラメントの各々は、約10マイクロメートル~約100マイクロメートル、好ましくは10マイクロメートル~50マイクロメートル、より好ましくは約12マイクロメートル~約25マイクロメートル、最も好ましくはおよそ16マイクロメートルの幅または直径を有し得る。第一のフィラメントおよび第二のフィラメントの各々は、丸い断面を有し得るか、または平坦な断面を有し得る。
【0027】
メッシュの面積は小さく、例えば約50平方ミリメートル以下、好ましくは約25平方ミリメートル以下、より好ましくはおよそ15平方ミリメートルであり得る。好ましくは、メッシュの領域は、手持ち式システムへの発熱体の組み込みを容易にする。有利には、約50平方ミリメートル以下の面積を有するメッシュのサイズ設定は、メッシュを加熱するために必要とされる総電力量を減少させ、一方でメッシュの液体エアロゾル形成基体との十分な接触を確実にする。メッシュは正方形であり得る。メッシュは長方形であり得る。メッシュは、約2ミリメートル~約10ミリメートルの長さを有し得る。メッシュは、約2ミリメートル~約10ミリメートルの幅を有し得る。好ましくは、メッシュは、およそ5ミリメートル×およそ3ミリメートルの寸法を有する。
【0028】
好ましくは、メッシュは実質的に平面である。有利には、実質的に平らなメッシュは、発熱体および発熱体を含むエアロゾル発生システムの単純な製造を容易にし得る。幾何学的に、「実質的に平坦な」という用語は、実質的に二次元の位相幾何学的マニホールドの形態であるメッシュを指すために使用される。いくつかの実施例では、実質的に平坦なメッシュは、実質的に三次元でよりも、表面に沿って二次元で延び得る。いくつかの実施例では、その表面内での二次元の実質的に平坦なメッシュの寸法は、表面に垂直な三次元での寸法の少なくとも五倍であり得る。いくつかの実施例では、実質的に平坦なメッシュは、二つの実質的な仮想平行平坦表面を画定し得る。いくつかの実施例では、実質的に平坦なメッシュは、二つの実質的な仮想平行平坦表面間の構造であって、これらの二つの仮想表面間の距離は、その表面内の延長よりも実質的に小さくてもよい。いくつかの実施例では、二つの実質的な仮想平行表面のうちの一つのみが平坦であり得る。いくつかの実施例では、実質的に平坦なメッシュは平面状であり得る。他の実施例にでは、実質的に平坦なメッシュは一つ以上の寸法に沿って湾曲していてもよく、例えばドーム形状またはブリッジ形状を形成してもよい。
【0029】
本開示中によると、エアロゾル発生システム用の発熱体が提供され、発熱体はメッシュを備える。メッシュは、第一の方向に延在する複数の第一のフィラメントを備え得る。第一のフィラメントの各々は、銀、金、および白金のうちの少なくとも一つを含み得る。メッシュは、第二の方向に延在する複数の第二のフィラメントを備え得る。第一の方向は、第二の方向に対して垂直であり得る。第二のフィラメントの各々は、ステンレス鋼を含み得る。
【0030】
本開示の第二の態様によると、エアロゾル発生システム用の発熱体が提供され、発熱体はメッシュを備える。メッシュは、第一の方向に延在する複数の第一のフィラメントを含み、第一のフィラメントの各々は、銀、金、および白金のうちの少なくとも一つを含む。メッシュはまた、第二の方向に延在する複数の第二のフィラメントを備え、第一の方向は、第二の方向に垂直である。第二のフィラメントの各々は、ステンレス鋼を含む。
【0031】
第一のフィラメントの各々は、銀、金、および白金のうちの少なくとも一つから形成され得る。第一のフィラメントの各々は、銀から形成され得る。
【0032】
好ましくは、第一のフィラメントの各々は、コアとコアを覆う被覆とを含み、被覆は、銀、金、および白金のうちの少なくとも一つを含む。好ましくは、被覆は銀を含む。
【0033】
好ましくは、第一のフィラメントの各々のコアは、ステンレス鋼、より好ましくは、AISI 304、316、304L、316Lなどの300系ステンレス鋼を含む。特に好ましい実施形態では、第一のフィラメントの各々は、AISI 304ステンレス鋼を含むコアを備える。
【0034】
好ましくは、第二のフィラメントの各々は、AISI 304、316、304L、316Lなどの300系ステンレス鋼を含む。特に好ましい実施形態では、第二のフィラメントの各々は、AISI 304ステンレス鋼を含む。
【0035】
発熱体は、本開示の第一の態様に関連して記載された随意または好ましい特徴のいずれかをさらに含み得る。
【0036】
本開示の第三の態様によると、エアロゾル発生システム用のヒーター組立品が提供される。ヒーター組立品は、本明細書に記載のいずれかの実施形態による、本開示の第一の態様または本開示の第二の態様による発熱体を備える。ヒーター組立品はまた、発熱体に電力を供給するための少なくとも二つの電気端子を備え、電気端子の各々は、第一のフィラメントの少なくとも一つに電気的に接続される。
【0037】
好ましくは、電気端子の各々は、第一のフィラメントの少なくとも一つに直接接続される。有利には、電気端子を第一のフィラメントの少なくとも一つに直接接続することにより、ヒーター組立品を製造するために必要な構成要素の数が低減され得る。例えば、電気端子を第一のフィラメントの少なくとも一つに直接接続することにより、発熱体に一つ以上の、典型的には、公知のエアロゾル発生装置においてスズから形成されるであろう電気接点パッドを提供する必要性が排除され得る。
【0038】
好ましくは、電気端子の各々は、電気端子の各々をメッシュの一部分に対して機械的に付勢することによって、第一のフィラメントの少なくとも一つに直接接続される。電気端子の各々は、ばね端子であり得る。
【0039】
電気端子の各々は、真鍮を含み得る。好ましくは、電気端子の各々は、基体材料と基体材料を覆う被覆とを含み、被覆は第一の材料を含む。有利には、第一のフィラメントの第一の材料と同じ材料を含む被覆を電気端子の各々に提供することにより、各電気端子と電気端子と接触する第一のフィラメントとの間の改善された電気接続が容易となる。有利には、電気端子の各々に、第一のフィラメントの第一の材料と同じ材料を含む被覆を提供することにより、ガルバニック腐食が低減または防止され得る。基体材料は、真鍮を含み得る。被覆は、銀、金、白金、アルミニウム、スズおよび銅のうちの少なくとも一つを含み得る。好ましくは、被覆は、銀、金、および白金のうちの少なくとも一つを含む。好ましくは、被覆は銀を含む。好ましくは、被覆は銀である。
【0040】
ヒーター組立品はヒーター組立品ハウジングをさらに備え得、発熱体および少なくとも二つの電気端子はヒーター組立品ハウジングの上に取り付けられる。ヒーター組立品ハウジングは、発熱体が取り付けられる第一のハウジング部分、および少なくとも二つの電気端子が取り付けられる第二のハウジング部分を含み得る。好ましくは、第一のハウジング部分は、第二のハウジング部分に接続するように配置される。好ましくは、第一のハウジング部分は、締まりばめによって、第二のハウジング部分に接続するように配置される。好ましくは、少なくとも二つの電気端子は、第一のハウジング部分が第二のハウジング部分に接続されているとき、メッシュに対して機械的に付勢される。
【0041】
ヒーター組立品ハウジングは、任意の適切な材料または材料の組み合わせを含み得る。好ましくは、ヒーター組立品ハウジングは、食品または医薬用途に好適なプラスチックまたは熱可塑性材から形成される。例えば、ヒーター組立品ハウジングは、ポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)およびポリエチレンのうちの少なくとも一つを含み得る。好ましくは、材料は軽く、かつ脆くない。
【0042】
ヒーター組立品は、液体エアロゾル形成基体を発熱体に運ぶための輸送材料をさらに含み得る。好ましくは、輸送材料は発熱体のメッシュと接触している第一の端部を含む。輸送材料は毛細管材料を含み得る。輸送材料は毛細管芯を含み得る。輸送材料は、セラミックを含み得る。セラミックは、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、およびヒドロキシアパタイトのうちの少なくとも一つを含み得る。
【0043】
ヒーター組立品がヒーター組立品ハウジングを備える実施形態では、輸送材料の少なくとも一部分は、ヒーター組立品ハウジング内に受容され得る。輸送材料は、締まりばめによってヒーター組立品ハウジング内に固定され得る。
【0044】
輸送材料は、発熱体のメッシュ上に材料を直接堆積することによって形成され得る。輸送材料は、発熱体のメッシュ上にセラミックを直接堆積することによって形成され得る。セラミックは、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、およびヒドロキシアパタイトのうちの少なくとも一つを含み得る。
【0045】
本開示の第四の態様によると、エアロゾル発生システム用のカートリッジが提供され、カートリッジは、本明細書に記載の実施形態のうちのいずれかによる、本開示の第三の態様によるヒーター組立品を含む。カートリッジはまた、液体エアロゾル形成基体を保持するための液体貯蔵区画を備え得る。
【0046】
本明細書で使用される「エアロゾル」という用語は、気体中の固体微粒子、または液滴、または固体微粒子と液滴の組み合わせの分散を指す。エアロゾルは、可視であってもよく、または不可視であってもよい。エアロゾルは、室温において通常は液体または固体である物質の蒸気だけでなく、固体粒子もしくは液体の液滴、または固体粒子および液体の液滴の組み合わせも含んでもよい。
【0047】
本明細書で使用される「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有する基体を指す。揮発性化合物はエアロゾル形成基体を加熱する、または燃焼することによって放出されてもよい。
【0048】
ヒーター組立品がヒーター組立品ハウジングを備える実施形態では、ヒーター組立品ハウジングは、液体貯蔵区画の少なくとも一部を画定し得る。
【0049】
液体貯蔵区画は、互いに連通する第一および第二の貯蔵部分を含み得る。液体貯蔵区画の第一の貯蔵部分は、液体貯蔵区画の第二の貯蔵部分に対してヒーター組立品の反対側の上にあってもよい。液体エアロゾル形成基体は、液体貯蔵区画の第一および第二の貯蔵部分の両方に保持され得る。
【0050】
有利なことに、貯蔵区画の第一の貯蔵部分は、液体貯蔵区画の第二の貯蔵部分より大きい。カートリッジは、ユーザーがカートリッジで発生したエアロゾルを吸い込むために、ユーザーがカートリッジから引き込む、またはカートリッジを吸うことを可能にするように構成されてもよい。使用時に、カートリッジの口側端の開口部は典型的に、ヒーター組立品の上方に位置付けられていて、貯蔵区画の第一の貯蔵部分は、口側端の開口部とヒーター組立品との間に位置付けられている。液体貯蔵区画の第一の貯蔵部分を液体貯蔵区画の第二の貯蔵部分よりも大きくすることにより、重力の影響下で、液体が液体貯蔵区画の第一の貯蔵部分から液体貯蔵区画の第二の貯蔵部分に送達されることを確実にする。
【0051】
カートリッジは、ユーザーがそれを通して発生したエアロゾルを引き出すことのできる口側端と、エアロゾル発生装置に接続するように構成された接続端とを有し得る。好ましくは、発熱体の第一の側面は口側端に面し、発熱体の第二の側面は接続端に面する。
【0052】
ヒーター組立品が輸送材料を備える実施形態では、好ましくは、輸送材料は液体貯蔵区画と流体連通する。好ましくは、輸送材料は、液体貯蔵区画の第二の貯蔵部分と流体連通する。好ましくは、輸送材料の第二の端部は、液体貯蔵区画の第二の貯蔵部分内に配置される。
【0053】
カートリッジは、ヒーター組立品の第一の側面を通り過ぎる空気吸込み口からカートリッジの口側端の開口部までの囲まれた気流通路を画定し得る。囲まれた気流通路は、液体貯蔵区画の第一の貯蔵部分または第二の貯蔵部分を通過し得る。一実施形態において、気流通路は液体貯蔵区画の第一の貯蔵部分および第二の貯蔵部分の間に延在する。追加的に、気流通路は液体貯蔵区画の第一の貯蔵部分を貫通し得る。液体貯蔵区画の第一の貯蔵部分の少なくとも一部は環状の断面を有し得、気流通路の少なくとも一部は、空気吸込み口からヒーター組立品を通過して液体貯蔵区画の第一の貯蔵部分を通って口側端部まで延在する。気流通路の少なくとも一部は、ヒーター組立品から液体貯蔵区画の第一の貯蔵部分に隣接した口側端の開口部まで延在し得る。
【0054】
カートリッジは、液体エアロゾル形成基体を保持するための保持材料を含み得る。保持材料は、液体貯蔵区画の第一の貯蔵部分、液体貯蔵区画の第二の貯蔵部分、または液体貯蔵区画の第一の貯蔵部分および第二の貯蔵部分の両方の中にあってもよい。保持材料は発泡体、海綿体、または繊維の集合体であり得る。保持材料はポリマーまたはコポリマーで形成され得る。保持材料は、紡績ポリマーであり得る。液体エアロゾル形成基体は使用中に、保持材料の中に放出され得る。例えば、液体エアロゾル形成基体はカプセル内に提供され得る。
【0055】
カートリッジは、有利には、液体貯蔵区画内に液体エアロゾル形成基体を含有する。液体エアロゾル形成基体はニコチンを含み得る。ニコチン含有液体エアロゾル形成基体はニコチン塩マトリクスであり得る。液体エアロゾル形成基体は植物由来材料を含み得る。液体エアロゾル形成基体は、たばこを含み得る。液体エアロゾル形成基体は、加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有するたばこ含有材料を含み得る。液体エアロゾル形成基体は均質化したたばこ材料を含み得る。液体エアロゾル形成基体は非たばこ含有材料を含み得る。液体エアロゾル形成基体は均質化した植物由来材料を含み得る。
【0056】
液体エアロゾル形成基体は一つ以上のエアロゾル形成体を含み得る。エアロゾル形成体は、使用時に高密度の安定したエアロゾルの形成を容易にし、かつシステムの動作温度にて熱分解に対して実質的に抵抗性である任意の適切な公知の化合物または化合物の混合物である。適切なエアロゾル形成体の例としては、グリセリンおよびプロピレングリコールが挙げられる。適切なエアロゾル形成体は当業界で周知であり、これには多価アルコール(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。液体エアロゾル形成基体は、水、溶媒、エタノール、植物抽出物、および天然風味または人工風味を含んでもよい。
【0057】
液体エアロゾル形成基体は、ニコチンおよび少なくとも一つのエアロゾル形成体を含んでもよい。エアロゾル形成体は、グリセリンまたはプロピレングリコールであってもよい。エアロゾル形成体は、グリセリンとプロピレングリコールの両方を含み得る。液体エアロゾル形成基体は、約0.5パーセント~約10パーセント、例えば、約2パーセントのニコチン濃度を有し得る。
【0058】
カートリッジはハウジングを備え得る。ハウジングは、ポリプロピレン(PP)またはポリエチレンテレフタラート(PET)などの成形可能プラスチック材料から形成されてもよい。ハウジングは、液体貯蔵区画の一方または両方の部分の壁の一部またはすべてを形成してもよい。ハウジングおよび液体貯蔵区画は一体的に形成されてもよい。別の方法として、液体貯蔵区画はハウジングと別個に形成され、ハウジングに組み立てられてもよい。
【0059】
本開示の第五の態様によると、本明細書に記載の実施形態のうちのいずれかによる、本開示の第四の態様によるカートリッジを備えるエアロゾル発生システムが提供されている。エアロゾル発生システムはまた、カートリッジに取り外し可能に連結されるように配置されたエアロゾル発生装置を備える。エアロゾル発生装置は、発熱体に電力を供給するための電源を備える。
【0060】
エアロゾル発生装置は、電源から発熱体への電力の供給を制御するように構成された電気回路を備え得る。
【0061】
制御回路は、マイクロプロセッサを備えてもよい。マイクロプロセッサは、プログラマブルマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、または特定用途向け集積チップ(ASIC)もしくは制御を提供する能力を有する他の電子回路であってもよい。制御回路は、さらなる電子構成要素を備えてもよい。例えば、一部の実施形態において、制御回路は、センサー、スイッチ、ディスプレイ要素のいずれかを備えてもよい。電力はエアロゾル発生装置の起動に続いて発熱体に連続的に供給されてもよく、または断続的(例えば毎回の吸煙ごと)に供給され得る。電力は、例えばパルス幅変調(PWM)によって、電流パルスの形態で発熱体に供給され得る。
【0062】
電源はDC電源であり得る。電源は電池であり得る。電池は、リチウム系の電池、例えばリチウムコバルト電池、リチウム鉄リン酸塩電池、チタン酸リチウム電池、またはリチウムポリマー電池であり得る。電池はニッケル水素電池またはニッケルカドミウム電池であり得る。電源はコンデンサーなど別の形態の電荷蓄積装置であり得る。電源は再充電可能でもあり、数多くの充放電サイクルのために構成され得る。電源は、一回以上のユーザー体験のための十分なエネルギーの貯蔵を可能にする容量を有してもよく、例えば電源は従来の紙巻たばこ一本を喫煙するのにかかる典型的な時間に対応する約六分間、または六分間の倍数の時間の期間の間のエアロゾルの連続的な発生を可能にするのに十分な容量を有してもよい。別の例では、電源は所定の回数の吸煙、または発熱体の不連続的な起動を許容する十分な容量を有し得る。
【0063】
エアロゾル発生装置は、装置ハウジングを備えてもよい。装置ハウジングは、細長くてもよい。装置ハウジングは、任意の適切な材料または材料の組み合わせを含んでもよい。適切な材料の例としては、金属、合金、プラスチック、もしくはこれらの材料のうちの一つ以上を含有する複合材料、または食品もしくは医薬品用途に適切な熱可塑性樹脂、例えばポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエチレンが挙げられる。好ましくは、材料は軽く、かつ脆くない。
【0064】
エアロゾル発生システムは、手持ち式エアロゾル発生システムであってもよい。エアロゾル発生システムは、ユーザーがマウスピースを吸煙し、口側端の開口部を通してエアロゾルを引き込むことを可能にするように構成された手持ち式エアロゾル発生システムであってもよい。エアロゾル発生システムは従来の葉巻たばこまたは紙巻たばこに匹敵するサイズを有し得る。エアロゾル発生システムは、約30ミリメートル~約150ミリメートルの全長を有し得る。エアロゾル発生システムは、約5ミリメートル~約30ミリメートルの外径を有し得る。
【0065】
本開示によると、エアロゾル発生システム用の発熱体として使用するためのメッシュを形成する方法が提供される。方法は、複数の第一のフィラメントを提供することを含み得る。複数の第一のフィラメントは、第一の電気伝導率を有する第一の材料を含み得る。方法は、複数の第二のフィラメントを提供することを含み得る。複数の第二のフィラメントは、第二の電気伝導率を有する第二の材料を含み得る。第一の電気伝導率は、第二の電気伝導率よりも大きい場合がある。方法は、第一の方向に延在する複数の第一のフィラメントおよび第二の方向に延在する複数の第二のフィラメントを含むメッシュを形成することを含み得る。第一の方向は、第二の方向に対して垂直であり得る。
【0066】
本開示の第六の態様によると、エアロゾル発生システム用の発熱体として使用するためのメッシュを形成する方法が提供される。方法は、第一の電気伝導率を有する第一の材料を含む複数の第一のフィラメントを提供することを含む。方法はまた、第二の電気伝導率を有する第二の材料を含む複数の第二のフィラメントを提供することを含み、第一の電気伝導率は、第二の電気伝導率よりも大きい。方法はまた、第一の方向に延在する複数の第一のフィラメントおよび第二の方向に延在する複数の第二のフィラメントを含むメッシュを形成することを含み、第一の方向は第二の方向に対して垂直である。
【0067】
本開示の第六の態様による方法によって形成されたメッシュは、本明細書に記載の実施形態のいずれかによる、本開示の第一の態様によるメッシュであり得る。本開示の第六の態様による方法によって形成されたメッシュは、本開示の第一の態様に関連して記載された随意または好ましい特徴のうちのいずれかを含み得る。
【0068】
好ましくは、方法はさらに、メッシュを熱処理し、複数の第一のフィラメントを複数の第二のフィラメントに結合することを含む。有利には、複数の第一のフィラメントを複数の第二のフィラメントに結合することにより、複数の第一のフィラメントと複数の第二のフィラメントとの間の接点における電気抵抗が低減される。
【0069】
メッシュを形成する工程は、複数の第一のフィラメントを複数の第二のフィラメントで織り、織られたメッシュを形成することを含み得る。第一のフィラメントは緯糸方向に延び、第二のフィラメントは経糸方向に延び得る。第一のフィラメントは経糸方向に延び、第二のフィラメントは緯糸方向に延び得る。
【0070】
本開示によると、エアロゾル発生システム用の発熱体として使用するためのメッシュを形成する方法が提供される。方法は、複数の第一のフィラメントを提供することを含み得る。第一のフィラメントの各々は、銀、金、および白金のうちの少なくとも一つを含み得る。方法は、複数の第二のフィラメントを提供することを含み得る。第二のフィラメントの各々は、ステンレス鋼を含み得る。方法は、第一の方向に延在する複数の第一のフィラメントおよび第二の方向に延在する複数の第二のフィラメントを含むメッシュを形成することを含み得る。第一の方向は、第二の方向に対して垂直であり得る。
【0071】
本開示の第七の態様によると、エアロゾル発生システム用の発熱体として使用するためのメッシュを形成する方法が提供される。方法は、複数の第一のフィラメントを提供することを含み、第一のフィラメントの各々は、銀、金、および白金のうちの少なくとも一つを含む。方法はまた、複数の第二のフィラメントを提供することを含み、第二のフィラメントの各々はステンレス鋼を含む。方法はまた、第一の方向に延在する複数の第一のフィラメントおよび第二の方向に延在する複数の第二のフィラメントを含むメッシュを形成することを含み、第一の方向は第二の方向に対して垂直である。
【0072】
第一のフィラメントの各々は、銀、金、および白金のうちの少なくとも一つから形成され得る。第一のフィラメントの各々は、銀から形成され得る。
【0073】
好ましくは、第一のフィラメントの各々は、コアとコアを覆う被覆とを含み、被覆は、銀、金、および白金のうちの少なくとも一つを含む。好ましくは、被覆は銀を含む。
【0074】
好ましくは、第一のフィラメントの各々のコアは、ステンレス鋼、より好ましくは、AISI 304、316、304L、316Lなどの300系ステンレス鋼を含む。特に好ましい実施形態では、第一のフィラメントの各々は、AISI 304ステンレス鋼を含むコアを備える。
【0075】
好ましくは、第二のフィラメントの各々は、AISI 304、316、304L、316Lなどの300系ステンレス鋼を含む。特に好ましい実施形態では、第二のフィラメントの各々は、AISI 304ステンレス鋼を含む。
【0076】
本開示の第七の態様による方法によって形成されたメッシュは、本明細書に記載の実施形態のいずれかによる、本開示の第一の態様によるメッシュであり得る。本開示の第七の態様による方法によって形成されたメッシュは、本開示の第一の態様に関連して記載された随意または好ましい特徴のうちのいずれかを含み得る。
【0077】
本開示の第七の態様による方法によって形成されたメッシュは、本明細書に記載の実施形態のいずれかによる、本開示の第二の態様によるメッシュであり得る。本開示の第七の態様による方法によって形成されたメッシュは、本開示の第二の態様に関連して記載された随意または好ましい特徴のうちのいずれかを含み得る。
【0078】
好ましくは、方法はさらに、メッシュを熱処理し、複数の第一のフィラメントを複数の第二のフィラメントに結合することを含む。有利には、複数の第一のフィラメントを複数の第二のフィラメントに結合することにより、複数の第一のフィラメントと複数の第二のフィラメントとの間の接点における電気抵抗が低減される。
【0079】
メッシュを形成する工程は、複数の第一のフィラメントを複数の第二のフィラメントで織り、織られたメッシュを形成することを含み得る。第一のフィラメントは緯糸方向に延び、第二のフィラメントは経糸方向に延び得る。第一のフィラメントは経糸方向に延び、第二のフィラメントは緯糸方向に延び得る。
【実施例
【0080】
本発明は特許請求の範囲に定義されている。しかしながら、以下に非限定的な実施例の非網羅的なリストを提供する。これらの実施例の特徴のうちのいずれか一つ以上は、本明細書に記述される別の実施例、実施形態、または態様のうちのいずれか一つ以上の特徴と組み合わせられてもよい。
【0081】
実施例1:
エアロゾル発生システム用の発熱体であって、発熱体がメッシュを含み、メッシュが、
第一の方向に延在する複数の第一のフィラメントであって、第一のフィラメントが、第一の電気伝導率を有する第一の材料を含む、複数の第一のフィラメントと、
第二の方向に延在する複数の第二のフィラメントであって、第一の方向が第二の方向に対して垂直であり、第二のフィラメントが第二の電気伝導率を有する第二の材料を含む、複数の第二のフィラメントと、を含み、
第一の電気伝導率が、第二の電気伝導率よりも大きい、発熱体。
実施例2:
第一のフィラメントの各々が、コアおよびコアを覆う被覆を含む、実施例1に記載の発熱体。
実施例3:
被覆が第一の材料を含む、実施例2に記載の発熱体。
実施例4:
コアがステンレス鋼を含む、実施例2または3に記載の発熱体。
実施例5:
被覆が1マイクロメートル~5マイクロメートルの厚さを有する、実施例2~4のいずれかに記載の発熱体。
実施例6:
第一のフィラメントの各々のコアが、第二のフィラメントの各々と同じ材料を含む、実施例2~5のいずれかに記載の発熱体。
実施例7:
被覆が、銀、金、および白金のうちの少なくとも一つを含む、実施例1~6のいずれかに記載の発熱体。
実施例8:
第二のフィラメントの各々がステンレス鋼を含む、実施例1~7のいずれかに記載の発熱体。
実施例9:
メッシュが織られたメッシュである、実施例1~8のいずれかに記載の発熱体。
実施例10:
エアロゾル発生システム用のヒーター組立品であって、ヒーター組立品が、
実施例1~9のいずれかに記載の発熱体、および
発熱体に電力を供給するための少なくとも二つの電気端子であって、電気端子の各々が、第一のフィラメントの少なくとも一つに電気的に接続される、少なくとも二つの電気端子を含む、ヒーター組立品。
実施例11:
液体エアロゾル形成基体を発熱体に運ぶための輸送材料をさらに含む、実施例10に記載のヒーター組立品。
実施例12:
エアロゾル発生システム用のカートリッジであって、カートリッジが、
実施例10または11に記載のヒーター組立品、および
液体エアロゾル形成基体を保持するための液体貯蔵区画を含む、カートリッジ。
実施例13:
エアロゾル発生システムであって、
実施例12に記載のカートリッジ、および
カートリッジに取り外し可能に連結されるように配置されるエアロゾル発生装置であって、電力を発熱体に供給するための電源を備えるエアロゾル発生装置を備える、エアロゾル発生システム。
実施例14:
エアロゾル発生システム用発熱体として使用するためのメッシュの形成方法であって、
第一の電気伝導率を有する第一の材料を含む複数の第一のフィラメントを提供すること、
第二の電気伝導率を有する第二の材料を含む複数の第二のフィラメントを提供することであって、第一の電気伝導率が第二の電気伝導率よりも大きい、提供すること、および
第一の方向に延在する複数の第一のフィラメントおよび第二の方向に延在する複数の第二のフィラメントを含むメッシュを形成することであって、第一の方向が第二の方向に対して垂直である、形成すること、を含む、方法。
実施例15:
メッシュを熱処理し、複数の第一のフィラメントを複数の第二のフィラメントに結合することをさらに含む、実施例14に記載の方法。
実施例16:
第一のフィラメントの各々が、コアおよびコアを覆う被覆を含む、実施例14または15に記載の方法。
実施例17:
被覆が第一の材料を含む、実施例16に記載の方法。
実施例18:
コアがステンレス鋼を含む、実施例16または17に記載の方法。
実施例19:
被覆が1マイクロメートル~5マイクロメートルの厚さを有する、実施例16~18のいずれかに記載の方法。
【0082】
実施例20:
第一のフィラメントの各々のコアが、第二のフィラメントの各々と同じ材料を含む、実施例16~19のいずれかに記載の方法。
実施例21:
被覆が、銀、金、および白金のうちの少なくとも一つを含む、実施例16~20のいずれかに記載の方法。
実施例22:
第二の材料が、ステンレス鋼を含む、実施例14~21のいずれかに記載の方法。
実施例23:
複数の第一のフィラメントを複数の第二のフィラメントで織り、織られたメッシュを形成することを含む、実施例14~22のいずれかに記載の方法。
実施例24:
エアロゾル発生システム用の発熱体であって、発熱体がメッシュを含み、メッシュが、
第一の方向に延在する複数の第一のフィラメントであって、第一のフィラメントの各々が、銀、金、および白銀のうちの少なくとも一つを含む、複数の第一のフィラメント、および
第二の方向に延在する複数の第二のフィラメントであって、第一の方向が第二の方向に対して垂直であり、第二のフィラメントの各々がステンレス鋼を含む、複数の第二のフィラメント、を含む、発熱体。
実施例25:
第一のフィラメントの各々が、銀、金、および白金のうちの少なくとも一つから形成される、実施例24に記載の発熱体。
実施例26:
第一のフィラメントの各々が、銀から形成される、実施例24に記載の発熱体。
実施例27:
第一のフィラメントの各々が、コアおよびコアを覆う被覆を含む、実施例24に記載の発熱体。
実施例28:
コアがステンレス鋼を含む、実施例27に記載の発熱体。
実施例29:
被覆が、銀、金、および白金のうちの少なくとも一つを含む、実施例27または28に記載の発熱体。
実施例30:
被覆が銀を含む、実施例29に記載の発熱体。
実施例31:
被覆が、銀、金、および白金のうちの少なくとも一つから形成される、実施例27または28に記載の発熱体。
実施例32:
被覆が銀から形成される、実施例31に記載の発熱体。
実施例33:
被覆が1マイクロメートル~5マイクロメートルの厚さを有する、実施例27~32のいずれかに記載の発熱体。
実施例34:
メッシュが織られたメッシュである、実施例24~33のいずれかに記載の発熱体。
実施例35:
エアロゾル発生システム用のヒーター組立品であって、ヒーター組立品が、
実施例24~34のいずれかに記載のヒーター組立品、および
発熱体に電力を供給するための少なくとも二つの電気端子であって、電気端子の各々が、第一のフィラメントの少なくとも一つに電気的に接続される、少なくとも二つの電気端子を含む、ヒーター組立品。
実施例36:
液体エアロゾル形成基体を発熱体に運ぶための輸送材料をさらに含む、実施例35に記載のヒーター組立品。
実施例37:
エアロゾル発生システム用のカートリッジであって、カートリッジが、
実施例35または36に記載のヒーター組立品、および
液体エアロゾル形成基体を保持するための液体貯蔵区画を含む、カートリッジ。
実施例38:
エアロゾル発生システムであって、
実施例37に記載のカートリッジ、および
カートリッジに取り外し可能に連結されるように配置されるエアロゾル発生装置であって、電力を発熱体に供給するための電源を備えるエアロゾル発生装置を備える、エアロゾル発生システム。
実施例39:
エアロゾル発生システム用発熱体として使用するためのメッシュの形成方法であって、
複数の第一のフィラメントを提供することであって、第一のフィラメントの各々が、銀、金、および白銀のうちの少なくとも一つを含む、提供すること、
複数の第二のフィラメントを提供することであって、第二のフィラメントの各々がステンレス鋼を含む、提供すること、および
第一の方向に延在する複数の第一のフィラメントおよび第二の方向に延在する複数の第二のフィラメントを含むメッシュを形成することであって、第一の方向が第二の方向に対して垂直である、形成すること、を含む、方法。
実施例40:
メッシュを熱処理し、複数の第一のフィラメントを複数の第二のフィラメントに結合することをさらに含む、実施例39に記載の方法。
実施例41:
第一のフィラメントの各々が、銀、金、および白金のうちの少なくとも一つから形成される、実施例39または40に記載の方法。
実施例42:
第一のフィラメントの各々が、銀から形成される、実施例41に記載の方法。
実施例43:
第一のフィラメントの各々が、コアおよびコアを覆う被覆を含む、実施例39または40に記載の方法。
実施例44:
コアがステンレス鋼を含む、実施例43に記載の方法。
実施例45:
被覆が、銀、金、および白金のうちの少なくとも一つを含む、実施例43または44に記載の方法。
実施例46:
被覆が銀を含む、実施例45に記載の方法。
実施例47:
被覆が、銀、金、および白金のうちの少なくとも一つから形成される、実施例43または44に記載の方法。
実施例48:
被覆が銀から形成される、実施例47に記載の方法。
実施例49:
被覆が1マイクロメートル~5マイクロメートルの厚さを有する、実施例39~48のいずれかに記載の方法。
実施例50:
複数の第一のフィラメントを複数の第二のフィラメントで織り、織られたメッシュを形成することを含む、実施例39~49のいずれかに記載の方法。
ここで、以下の図を参照しながら実施例をさらに記述する。
【図面の簡単な説明】
【0083】
図1図1は、本開示の実施例によるヒーター組立品の概略斜視図である。
図2図2は、図1の線1-1に沿って取られた図1のヒーター組立品の概略側面断面図である。
図3図3は、カートリッジとエアロゾル発生装置を備える例示的エアロゾル発生システムの概略側面断面図である。
図4図4は、図3のエアロゾル発生システムの概略側面断面図であり、エアロゾル発生システムの長手方向軸の周りを90度回転したものである。
【発明を実施するための形態】
【0084】
図1を参照すると、発熱体11、セラミック輸送材料14、第一の電気端子13および第二の電気端子15を備えるヒーター組立品10が示される。図2は、図1の線1-1に沿ったヒーター組立品10の断面図を示す。
【0085】
発熱体11は、導電性メッシュ12を含む。メッシュ12は織られており、第一の方向に延びる複数の第一のフィラメント20、および第一の方向に対して垂直な第二の方向に延びる複数の第二のフィラメント22を含む。第二のフィラメント22の各々は、ステンレス鋼から形成される。第一のフィラメント20の各々は、ステンレス鋼のコアとコアを覆う被覆から形成され、被覆は銀から形成される。第一のフィラメント20の各々の銀被覆は、第二のフィラメント22の各々を形成するステンレス鋼よりも高い電気伝導率を有する。
【0086】
メッシュ12に電流を供給するための第一および第二の電気端子13、15は、真鍮で形成され、メッシュ12の対向面に配置される。第一の電気端子13と第二の電気端子15の各々は、二つの接触部分24を含み、接触部分24の各々は、第一のフィラメント20のいくつかの部分に対して付勢される。第一のフィラメント20の銀被覆のより高い導電率により、第一のフィラメント20を介した第一の電気端子13および第二の電気端子15から複数の第二のフィラメント22への電流の分配が容易となる。使用中、複数の第二のフィラメント22を介して、電流が第一の電気端子13と第二の電気端子15との間に通電される。第二のフィラメント22のより低い電気伝導率は、電流が第二のフィラメント22を流れた時、第二のフィラメント22の抵抗加熱を促進する。
【0087】
セラミック輸送材料14はメッシュ12と直接接触し、液体エアロゾル形成基体をメッシュ12に輸送するように配置される。複数の隙間16は、メッシュ12の第一および第二のフィラメント20、22の間に画定される。加熱中、気化したエアロゾル形成基体は、隙間16を介してヒーター組立品10から放出され、エアロゾルを生成する。
【0088】
図3は、エアロゾル発生システムの一実施例の概略断面図である。図4は、その長手方向軸の周りで90度回転したエアロゾル発生システムの同じ断面図を示す。
【0089】
エアロゾル発生システムは、二つの主構成要素、カートリッジ100およびエアロゾル発生装置200を備える。カートリッジ100の接続端115は、エアロゾル発生装置200の対応する接続端205に取り外し可能に接続されている。カートリッジ100の接続端115、およびエアロゾル発生装置200の接続端205はそれぞれ、カートリッジ100とエアロゾル発生装置200の間の電気的接続を提供するために協働するように配設されている電気接点または接続(図示せず)を有する。エアロゾル発生装置200は、この実施例では、再充電可能リチウムイオン電池である電池の形態の電源210、および制御回路220を含有する。エアロゾル発生システムは携帯型であり、従来の葉巻たばこまたは紙巻たばこに匹敵するサイズを有する。マウスピース125は、カートリッジ100の接続端115と反対側の端に配設されている。
【0090】
カートリッジ100は、図1および2のヒーター組立品10と、第一の貯蔵部分130および第二の貯蔵部分135を有する液体貯蔵区画を含むカートリッジハウジング105を備える。液体エアロゾル形成基体は液体貯蔵区画の中に保持されている。図4に示す通り、液体貯蔵区画の第一の貯蔵部分130は、第一の貯蔵部分130の環状部品によって液体貯蔵区画の第二の貯蔵部分135に接続される。したがって、第一の貯蔵部分130の液体エアロゾル形成基体は、第二の貯蔵部分135を通過することができる。ヒーター組立品10は、液体貯蔵区画の第二の貯蔵部分135から液体を受容する。ヒーター組立品10のセラミック輸送材料14の少なくとも一部分は、液体貯蔵区画の第二の貯蔵部分135内に延在し、その中の液体エアロゾル形成基体と接触する。
【0091】
気流通路140、145は、カートリッジハウジング105の側面に形成された空気吸込み口150からヒーター組立品10のメッシュ12を通過し、ヒーター組立品10から、接続端115と反対のカートリッジ100の端にてカートリッジハウジング105の中に形成されたマウスピース開口部110に、カートリッジ100を通って延びる。
【0092】
カートリッジ100の構成要素は、液体貯蔵区画の第一の貯蔵部分130が、ヒーター組立品10とマウスピース開口部110との間にあり、そして液体貯蔵区画の第二の貯蔵部分135が、マウスピース開口部110と反対側のヒーター組立品10の側面に位置付けられるように配設されている。言い換えれば、ヒーター組立品10は、液体貯蔵区画の第一および第二の部分130、135の間に置かれ、液体を第二の貯蔵部分135から受容する。液体貯蔵区画の第一の貯蔵部分130は、液体貯蔵区画の第二の貯蔵部分135よりもマウスピース開口部110に近い。気流通路140、145は、ヒーター組立品10のメッシュ12を通過し、液体貯蔵区画の第一の部分130と第二の部分135との間に延びる。
【0093】
エアロゾル発生システムは、ユーザーがカートリッジのマウスピース125を吸煙または引き出して、エアロゾルを自分の口の中にマウスピース開口部110を通じて引き込むことができるように構成されている。動作時、ユーザーがマウスピース125を吸煙する時に、空気は空気吸込み口150から気流通路140、145を通って、ヒーター組立品10を通り過ぎて、マウスピース開口部110に引き込まれる。制御回路220は、システムが起動された時に、電源210からカートリッジ100への電力の供給を制御する。これは結果として、ヒーター組立品10によって生成されるベイパーの量および特性を制御する。制御回路220は気流センサー(図示せず)を含んでもよく、また制御回路220は、ユーザーによる吸煙が気流センサーによって検出された時に、ヒーター組立品10に電力を供給してもよい。このタイプの制御配設は、吸入器およびeシガレットなどのエアロゾル発生システムで良好に確立される。ユーザーがカートリッジ100のマウスピース開口部110を吸煙する時、ヒーター組立品10が起動されて、気流通路140を通過する気流中に同伴されるベイパーを発生する。ペイパーは通路145の中の気流内で冷めてエアロゾルを形成し、次いでこれはマウスピース開口部110を通してユーザーの口の中に引き出される。
【0094】
動作時、マウスピース開口部110は典型的に、システムの最高点である。カートリッジ100の構築、および特に液体貯蔵区画の第一の貯蔵部分130と第二の貯蔵部分135との間のヒーター組立品10の配設は、液体貯蔵区画が空になり始めた時に重力を活用して液体エアロゾル形成基体がヒーター組立品10に送達されることを確実にし、それでも気流通路140の中への液体の漏れにつながる場合があるヒーター組立品10への液体の過剰供給を防止するため有利である。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】