(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-04
(54)【発明の名称】エアロゾル発生システムおよび封止された液体貯蔵部を備えたエアロゾル発生システムのためのカートリッジ
(51)【国際特許分類】
A24F 40/42 20200101AFI20230927BHJP
A24F 40/44 20200101ALI20230927BHJP
A24F 40/465 20200101ALI20230927BHJP
【FI】
A24F40/42
A24F40/44
A24F40/465
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023517395
(86)(22)【出願日】2021-09-21
(85)【翻訳文提出日】2023-03-15
(86)【国際出願番号】 EP2021075974
(87)【国際公開番号】W WO2022063793
(87)【国際公開日】2022-03-31
(32)【優先日】2020-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】フレデリク ギヨーム
(72)【発明者】
【氏名】ジノヴィク イハル ニコラエヴィチ
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA06
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB14
4B162AB23
4B162AC17
4B162AC18
4B162AC22
4B162AD15
4B162AD23
(57)【要約】
エアロゾル発生システムのためのカートリッジ(10)が提供されている。カートリッジは、封止された液体貯蔵部(44)を収容するハウジング(36)、ならびに、発熱体(12)および穿刺要素(34)を含む、ハウジング内のヒーター組立品(14)を備える。ヒーター組立品は、穿刺要素が封止された液体貯蔵部の外側にある第一の位置から穿刺要素が液体貯蔵部を貫通する第二の位置へと、ハウジングに対して移動可能である。ヒーター組立品は、ヒーター組立品が第二の位置にある時に、ハウジングまたは液体貯蔵部と液密シールを形成する封止面を含む。
【選択図】
図2(b)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生システムのためのカートリッジであって、
封止された液体貯蔵部を収容するハウジングと、
前記ハウジング内のヒーター組立品であって、前記ヒーター組立品が、発熱体および穿刺要素を含み、前記ヒーター組立品が、前記穿刺要素が前記封止された液体貯蔵部の外側にある第一の位置から前記穿刺要素が前記液体貯蔵部を貫通する第二の位置へと、前記ハウジングに対して移動可能であり、前記ヒーター組立品が、前記ヒーター組立品が前記第二の位置にある時に、前記ハウジングまたは前記液体貯蔵部と液密シールを形成する封止面を含み、前記発熱体が、誘導加熱されるように構成されたサセプタ素子を含む、ヒーター組立品と、を備える、カートリッジ。
【請求項2】
前記ヒーター組立品が、前記発熱体の加熱表面に液体を運ぶためのウィッキング材料を含む、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記発熱体が、前記ウィッキング材料の少なくとも一部分を含む、請求項2に記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記穿刺要素が中空である、請求項1~3のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記ヒーター組立品がガスケットを含み、前記封止面が前記ガスケットによって提供される、請求項1~4のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項6】
前記ガスケットが、複数の封止リブを含み、各リブが、前記外側ハウジングとのシールを提供する、請求項5に記載のカートリッジ。
【請求項7】
前記ヒーター組立品が、前記貯蔵部から離れて面する係合面を含み、前記カートリッジの外部からアクセス可能である、請求項1~6のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項8】
ユーザーの口内に定置されるように構成された口側端と、前記口側端の反対側の接続端とを備え、前記第一の位置にある前記ヒーター組立品が、前記接続端に位置付けられ、前記口側端の近くに移動して、前記第二の位置に達する、請求項1~7のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項9】
前記液体貯蔵部が、封止箔を含み、前記第二の位置において、前記穿刺要素が前記封止箔を貫通する、請求項1~8のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項10】
前記ヒーター組立品が前記第二の位置にある時に、空気吸込み口から、前記発熱体を通過して空気出口へと延びる、前記カートリッジを通した気流チャネルを備える、請求項1~9のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項11】
前記液体貯蔵部が、前記気流チャネルの一部分を包囲する、請求項10に記載のカートリッジ。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載のカートリッジと、前記カートリッジに連結するように構成された再使用可能な装置とを備え、前記再使用可能な装置が、前記発熱体にエネルギーを提供するための電源を含む、エアロゾル発生システム。
【請求項13】
前記システムが、前記カートリッジが前記再使用可能な装置に連結される結果として、前記ヒーター組立品が前記第一の位置から前記第二の位置へと移動するように構成されている、請求項12に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項14】
前記再使用可能な装置が、前記カートリッジが前記再使用可能な装置に連結された時に、前記加熱組立品上の係合面と係合して、前記ヒーター組立品を前記第二の位置へと付勢する接触面を含み、前記加熱組立品上の前記係合面が、前記貯蔵部から離れて面している、請求項12または13に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項15】
前記再使用可能な部分が、前記発熱体を通して変化する磁束を生成するように構成された一つ以上のインダクタコイルを含む、請求項12~14のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゾル発生システムおよびエアロゾル発生システムのためのカートリッジに関する。特に、本開示は、液体エアロゾル形成基体を霧化することによってエアロゾルを発生させるエアロゾル発生システムのためのカートリッジを有するエアロゾル発生システムに関する。
【背景技術】
【0002】
液体エアロゾル形成基体を気化してエアロゾルを発生させるエアロゾル発生システムは周知である。eシガレットは、このタイプのシステムの一例である。液体基体を使用することは、比較的コンパクトなエアロゾル形成基体源から大量のエアロゾルを発生させることを可能にするという利点を有する。また、エアロゾルについて、ユーザーが吸入するには、発生されたエアロゾルが、ユーザー吸入に適した温度において液相である水およびエアロゾル形成体を含有することも望ましい。
【0003】
液体は、典型的には、液体貯蔵容器または貯蔵部内に貯蔵される。貯蔵部は、再充填可能であってもよく、または使い捨てカートリッジの一部であってもよい。使用中、ユーザーに送達することができるエアロゾルを形成するために、液体が貯蔵部から離れることができる必要がある。しかしながら、使用前に液体が貯蔵部から漏れることは、エアロゾルを形成するために利用可能な液体の量が減少するため、および漏れた液体がカートリッジまたはシステムの他の構成要素の動作に損傷を与えるかまたは干渉する可能性があるため、の両方のために望ましくない。また、システムによって生成されたエアロゾルの品質に影響を与える可能があるため、使用前に汚染物質が貯蔵部に入ることができることは望ましくない。さらに、液体エアロゾル形成基体が、液体エアロゾル形成基体内の濃度において皮膚に対して刺激性または有害である物質を含有する場合、液体エアロゾル形成基体がユーザーの皮膚に接触することを防止することが望ましい。
【0004】
典型的には、液体エアロゾル形成基体はカートリッジ内に含有され、使用前、カートリッジ全体が二次包装内に密封される。これにより、出荷中および輸送中に液体を汚染物質から保護し、使用前にエンドユーザーが液体と接触することから保護される。しかし、このソリューションは、使用前の貯蔵部からカートリッジまたはシステムの他の部品への液体の漏れを防止しない。エアロゾル発生システムは典型的には、液体と接触しては正常に動作しない場合がある電気構成要素を含むため、このことは望ましくない。また、使用前に、ユーザーが封止された二次包装を除去する必要があることは、ユーザーにとって不便である。
【0005】
貯蔵および輸送中に、液体をシステムの他の構成要素から封止して、使用前に液体を純粋な状態に維持することを可能にするが、エンドユーザーにとってより簡便でもあるシステムおよびカートリッジを提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0006】
本開示によると、エアロゾル発生システムのためのカートリッジが提供されている。カートリッジは、封止された液体貯蔵部を収容するハウジングを備え得る。カートリッジは、ハウジング内にヒーター組立品を備えてもよい。ヒーター組立品は、発熱体および穿刺要素を含み得る。ヒーター組立品は、穿刺要素が封止された液体貯蔵部の外側にある第一の位置から穿刺要素が液体貯蔵部を貫通する第二の位置へと、ハウジングに対して移動可能であってもよい。ヒーター組立品は、ヒーター組立品が第二の位置にある時に、ハウジングまたは液体貯蔵部と液密シールを形成する封止面を含み得る。
【0007】
この配設は、使用前に、液体エアロゾル形成基体をカートリッジの他の構成要素から封止することを可能にする。また、カートリッジの二次包装が不要であることを意味する。液体貯蔵部は、ヒーター組立品をカートリッジのハウジングに対して移動させることによって開封される。これにより、カートリッジの比較的小さな構成要素を移動させることによって、貯蔵部を開封することが可能になる。穿刺要素が液体貯蔵部を貫通し、それによって貯蔵部が開封される第二の位置では、液体貯蔵部内の液体は、ヒーター組立品のヒーター要素へと流れる、または輸送されることが可能であり得る。ヒーター組立品は、ヒーター要素において、またはヒーター要素の近くで液体を気化するように構成され得る。カートリッジは、有利なことに、ヒーター組立品が第二の位置にある時に、カートリッジハウジング内に液体を保持するように構成され得る。カートリッジは、ヒーター組立品が第二の位置にある時に、ヒーター要素によって発生された蒸気がカートリッジから逃れることを可能にするように構成され得る。
【0008】
カートリッジは、使用前にカートリッジをエアロゾル発生システムの別の構成要素に連結させる通常のプロセスの一部として、ヒーター組立品が第一の位置から第二の位置へと移動するように構成されてもよい。ヒーター組立品は、貯蔵部から離れて面し、カートリッジの外部からアクセス可能である係合面を含み得る。係合面は、エアロゾル発生システムの他の構成要素上の接触面に対して押し付けられて、ヒーター組立品を第一の位置から第二の位置へと移動させ得る。
【0009】
この配設はまた、典型的には使用中の発熱体のための電力源を包含する、エアロゾル発生システムの他の構成要素の近くにヒーター組立品を位置付けることを可能にする。これにより、電力が電気的接続を通した電流として送達される実施形態、および電力が電磁誘導によって送達される実施形態、の両方において、発熱体に電力を送達する複雑さが減少する。
【0010】
ヒーター組立品が第二の位置にある時にハウジングまたは液体貯蔵部と液密シールを形成する封止面は、使用中のハウジングからの望ましくない液体の漏れを防止することを確実にする。本明細書で使用される場合、「液密」シールは、液体の通過を実質的に防止して液体の漏れを防止するシールを意味する。封止面は、有利なことに、ヒーター組立品が第二の位置にある時に、ハウジングと液密シールを形成し得る。ハウジングは有利なことに、剛直かつ液体不浸透性であってもよい。封止面は、ヒーター組立品が第二の位置にある時に、液体貯蔵部と液密シールを形成し得る。液体貯蔵部は、カートリッジのハウジングによって少なくとも部分的に画定され得る。
【0011】
液体貯蔵部は、穿刺可能な部材によって少なくとも部分的に画定されてもよい。穿刺可能な部材は、封止箔を含み得る。第二の位置では、穿刺要素が封止箔を貫通し得る。穿刺可能な部材は、積層された箔であってもよい。穿刺可能な部材は、エラストマーセプタムを含み得る。穿刺可能な部材は、弾性プラグを含み得る。穿刺可能な部材は、穿刺可能な部材の周りに液密シールを形成し得る。
【0012】
穿刺可能な部材は、カートリッジの使用前、ヒーター組立品が第二の位置へと移動する前に、液体貯蔵部のハウジングの残りの部分と液密シールを形成し得る。穿刺可能な部材は、カートリッジの使用前、ヒーター組立品が第二の位置へと移動する前に、液体貯蔵部のハウジングの残りの部分と密封シールを形成してもよい。密封シールは、使用前に、貯蔵部内の液体エアロゾル形成基体が純粋な状態に維持されることを確実にし得る。
【0013】
ヒーター組立品は、第一の位置から第二の位置へと、ハウジングに対して移動し得る。ヒーター組立品は、任意の適切な様式で、第一の位置から第二の位置へとハウジングに対して移動し得る。一部の実施形態において、ヒーター組立品は、ハウジングに対して摺動可能であってもよい。ヒーター組立品は、システムの長軸方向軸に平行な方向に、ハウジングに対して摺動してもよい。ヒーター組立品は、カートリッジおよび電源構成要素が一緒に連結される方向に平行な方向に、ハウジングに対して摺動してもよい。一部の実施形態では、ヒーター組立品は、ハウジングに対して回転可能であってもよい。
【0014】
穿刺要素は、中空であってもよい。液体貯蔵部からの液体は、ヒーター組立品が第二の位置にある時に、穿刺要素を通して流れ得る。
【0015】
ヒーター組立品は、複数の穿刺要素を含んでもよい。ヒーター組立品は、二つ、三つ、四つ、またはそれ以上の穿刺要素を含んでもよい。
【0016】
ヒーター組立品は、ヒーターホルダーを含み得る。ヒーターホルダーは、穿刺要素または複数の穿刺要素を含んでもよい。ヒーターホルダーは、発熱体を支持し得る。
【0017】
ヒーターホルダーは、エアロゾル形成基体の加熱のために発熱体が昇温される温度に耐えるように構成されている。
【0018】
ヒーターホルダーは、エアロゾル形成基体の加熱のために発熱体が昇温される温度に耐えることができる任意の適切な材料から形成され得る。ヒーターホルダーは、断熱性材料を含むことが好ましい。有利なことに、断熱性材料からヒーターホルダーを形成することは、発熱体からヒーターホルダーへの熱伝達を最小化し得る。ヒーターホルダーは、電気絶縁性材料を含むことが好ましい。ヒーターホルダーは、耐久性のある材料から形成されてもよい。ヒーターホルダーは、液体不浸透性の材料から形成されてもよい。ヒーターホルダーは、ポリプロピレン(PP)またはポリエチレンテレフタラート(PET)などの成形可能プラスチック材料から形成されてもよい。ヒーターホルダーは、穿刺要素または複数の穿刺要素を含む単一の成形された構成要素であってもよい。
【0019】
一部の実施形態では、ヒーターホルダーは管状である。管状ヒーターホルダーは、内部通路または中央穴を画定し得る。一部の実施形態では、ヒーター組立品は、ヒーターホルダーの内部通路内に延びる。一部の好ましい実施形態では、発熱体は、ヒーターホルダーの内部通路内に延びる。発熱体は、ヒーターホルダーの内部通路にわたって延び得る。発熱体は、ヒーターホルダーによって支持されて、中央穴にわたってもよい。発熱体がヒーターホルダーの内部通路にわたって延びる場合、発熱体は、ヒーターホルダーと接触する発熱体の第一の側面に第一の取り付け領域、およびヒーターホルダーと接触する第一の側面とは反対側の発熱体の第二の側面に第二の取り付け領域を含み得る。有利なことに、発熱体を対向する側面においてヒーターホルダーと接触するように配設することによって、ヒーターホルダが、発熱体をカートリッジ内の所定位置に堅牢に固定することが可能になり得る。
【0020】
ヒーターホルダーの内部通路は、実質的に長軸方向軸に沿って延びてもよい。一部の実施形態では、発熱体は実質的に平面状であり、発熱体は長軸方向軸に平行に延びる。一部の実施形態では、発熱体は実質的に平面状であり、発熱体は長軸方向軸に対して直角を成して延びる。
【0021】
一部の実施形態では、ヒーターホルダーの内部通路は、カートリッジの空気通路の一部を形成してもよい。これらの実施形態では、発熱体の加熱領域は、ヒーターホルダーの内部通路内に配設されてもよい。
【0022】
一部の実施形態では、ヒーターホルダーの内部通路は、ヒーター組立品が第二の位置にある時に、カートリッジの液体貯蔵部の壁を形成してもよい。これらの実施形態では、発熱体の少なくとも一つの取り付け領域は、ヒーターホルダーの内部通路内に延びてもよい。
【0023】
管状ヒーターホルダーは、少なくとも一つの側壁を含み得る。管状ヒーターホルダーは、ヒーターホルダーの内部通路が少なくとも一方の端で開いているように、開放端を有してもよい。管状ヒーターホルダーの少なくとも一つの側壁は、管状ヒーターホルダーの端間に開口部を画定し得る。発熱体の少なくとも一つの取り付け領域は、管状ヒーターホルダーの開口部内に延びてもよい。一部の実施形態では、発熱体が複数の取り付け領域を含む場合、管状サセプタホルダーの少なくとも一つの側壁は、管状ヒーターホルダーの端間に複数の開口部を画定する。これらの実施形態では、発熱体の各取り付け領域は、管状ヒーターホルダーの少なくとも一つの側壁の複数の開口部のうちの一つ内に延びてもよい。
【0024】
ヒーターホルダーは、単一の成形された構成要素として、穿刺要素または複数の穿刺要素を含んでもよい。
【0025】
ヒーター組立品は、ガスケットを含んでもよい。封止面は、ガスケットによって提供されてもよい。ガスケットは、ヒーターホルダー上に取り付けられてもよい。ガスケットは、複数の封止リブを含んでもよく、各リブは、封止面の一部を形成し、外側ハウジングとのシールを提供する。ガスケットは、エラストマー材料を含んでもよい。リブは、エラストマー材料を含んでもよい。ガスケットは、ヒーター組立品が第二の位置にある時に、カートリッジハウジングとヒーターホルダーとの間で圧縮されてもよい。
【0026】
封止面は、ヒーター組立品が第一の位置にある時に、ハウジングと液密シールを形成し得る。これにより、使用前のカートリッジへの液体の望ましくない侵入が防止される。
【0027】
ヒーター組立品は、ウィッキング要素をさらに含んでもよい。ウィッキング要素は、ヒーター要素と流体連通してもよい。ウィッキング要素は、ヒーター組立品が第二の位置にある時に、液体貯蔵部と流体連通してもよい。ウィッキング要素は、エアロゾル形成基体を液体貯蔵部から発熱体へと運ぶように配設され得る。特に、ウィッキング要素は、発熱体の主表面にわたって液体貯蔵部からエアロゾル形成基体を運ぶように配設されてもよい。発熱体は、ウィッキング要素に固定されてもよい。発熱体は、ウィッキング要素と一体型であってもよい。発熱体は、ウィッキング材料の少なくとも一部分を含んでもよい。
【0028】
ウィッキング要素の提供により、発熱体の湿潤が改善されるため、システムによるエアロゾル発生が増大する。これにより、発熱体を、それ自体は良好なウィッキングまたは湿潤性能を提供しない材料から作製することが可能になる。ウィッキング要素は、例えば、綿、レーヨン、またはガラス繊維から形成され得る。
【0029】
一部の実施形態では、加熱組立品は、複数の発熱体を含んでもよい。ヒーター組立品が複数の発熱体およびウィッキング要素を含む場合、各発熱体は、ウィッキング要素と流体連通して配設されてもよい。一部の実施形態では、ヒーター組立品は、複数の発熱体および複数のウィッキング要素を含む。
【0030】
一部の好ましい実施形態では、ヒーター組立品は、第一の発熱体および第二の発熱体を含み、第二の発熱体は、第一の発熱体から間隙を介している。ウィッキング要素は、第一の発熱体と第二の発熱体との間の空間内に配設されてもよい。一部の特に好ましい実施形態では、第一の発熱体、第二の発熱体、およびウィッキング要素は実質的に平面状であり、第一の発熱体は、平面状のウィッキング要素の第一の側面に配設され、第二の発熱体は、第一の側面とは反対側の平面状のウィッキング要素の第二の側面に配設される。
【0031】
ヒーター組立品は、実質的に液体貯蔵部の外側に配設されることが好ましい。特に、ヒーター組立品の発熱体または各発熱体は、実質的に液体貯蔵部の外側に配設されてもよい。特に、発熱体または各発熱体の主表面の少なくとも一部分は、第一の位置または第二の位置において液体貯蔵部と直接的に接触しない。ヒーター組立品の二つの対向する主表面の各々の少なくとも一部分は、システムの気流通路内の空気と直接的に接触することが好ましい。
【0032】
一部の実施形態において、カートリッジは、液体エアロゾル形成基体を保持するための保持材料を包含する。保持材料は、液体貯蔵部内、または液体貯蔵部と発熱体との間に位置付けられてもよい。保持材料は、発泡体材料、海綿体材料、または繊維の収集物であってもよい。保持材料はポリマーまたはコポリマーで形成されてもよい。一実施形態において、保持材料は紡糸ポリマーである。保持材料は、ウィッキング要素に好適なものとして上述する材料のいずれかから形成され得る。
【0033】
エアロゾル発生システムがウィッキング要素および保持材料を含む場合、ウィッキング要素および保持材料は、同じ材料または異なる材料から形成され得る。保持材料は、発熱体と流体連通してもよい。保持材料は、発熱体と接触してもよい。保持材料は、ヒーター組立品のウィッキング要素と流体接触してもよい。保持材料は、ヒーター組立品のウィッキング要素に接触してもよい。
【0034】
カートリッジはエアロゾル形成基体を含んでもよい。本明細書で使用される「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有する基体を指す。揮発性化合物はエアロゾル形成基体を加熱することによって放出されてもよい。液体貯蔵部は、液体エアロゾル形成基体を含有することが好ましい。
【0035】
エアロゾル形成基体は室温にて液体であってもよい。エアロゾル形成基体は、液体構成成分と固体構成成分の両方を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体はニコチンを含んでもよい。ニコチン含有液体エアロゾル形成基体はニコチン塩マトリクスであってもよい。液体エアロゾル形成基体は植物由来材料を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は、たばこを含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は、加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有するたばこ含有材料を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は均質化したたばこ材料を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は非たばこ含有材料を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は均質化した植物由来材料を含んでもよい。
【0036】
液体エアロゾル形成基体は一つ以上のエアロゾル形成体を含んでもよい。エアロゾル形成体は、使用時に高密度の安定したエアロゾルの形成を容易にし、かつシステムの動作温度にて熱分解に対して実質的に抵抗性である任意の適切な公知の化合物または化合物の混合物である。適切なエアロゾル形成体の例としては、グリセリンおよびプロピレングリコールが挙げられる。適切なエアロゾル形成体は当業界で周知であり、これには多価アルコール(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。液体エアロゾル形成基体は、水、溶媒、エタノール、植物抽出物、および天然風味または人工風味を含んでもよい。
【0037】
液体エアロゾル形成基体は、ニコチンおよび少なくとも一つのエアロゾル形成体を含んでもよい。エアロゾル形成体は、グリセリンまたはプロピレングリコールであってもよい。エアロゾル形成体は、グリセリンとプロピレングリコールの両方を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は、約0.5%~約10%(例えば、約2%)のニコチン濃度を有してもよい。
【0038】
ヒーター組立品は、誘導加熱されるように構成されたサセプタ素子を含み得る。発熱体または各発熱体は、サセプタ素子であってもよい。
【0039】
本明細書で使用される場合、「サセプタ素子」は、交番磁界による貫通によって加熱可能な要素を意味する。サセプタ素子は、典型的には、サセプタ素子の渦電流の誘発を通したジュール加熱、およびヒステリシス損失のうちの少なくとも一つによって加熱可能である。
【0040】
誘導加熱の使用は、液体貯蔵部が使用直前に開封されるシステムで特に有利であり得る。誘導加熱システム内で加熱される要素、すなわちサセプタは、制御回路および電源などのシステムの他の構成要素への導電性電気接続を有する必要はない。
【0041】
サセプタ組立品のサセプタ素子は、加熱領域および少なくとも一つの取り付け領域を含み得る。加熱領域は、適切な交番磁界による貫通時に、エアロゾル形成基体を気化するのに必要な温度に加熱されるように構成されたサセプタ素子の領域である。
【0042】
加熱領域は、交番磁界による貫通によって加熱可能な磁性材料である第一の材料を含んでもよい。「磁性材料」という用語は、本明細書で使用される場合、常磁性および強磁性の両方の材料を含む、磁場と相互作用することができる材料を描写するために使用される。第一の材料は、交番磁界による貫通によって加熱可能な任意の適切な磁性材料であってもよい。一部の好ましい実施形態では、第一の材料はフェライト系ステンレス鋼を含む。適切なフェライト系ステンレス鋼には、AISIタイプ409、410、420および430ステンレス鋼などのAISI400シリーズステンレス鋼が含まれる。
【0043】
一部の好ましい実施形態では、加熱領域は第一の材料からなる。しかしながら、他の実施形態では、加熱領域は、第一の材料および一つ以上の他の材料を含む。加熱領域が第一の材料および一つ以上の他の材料を含む場合、加熱領域は、任意の適切な割合の第一の材料を含み得る。例えば、加熱領域は、少なくとも10重量パーセントの第一の材料、または少なくとも20重量パーセントの第一の材料、または少なくとも30重量パーセントの第一の材料、または少なくとも40重量パーセントの第一の材料、または少なくとも50重量パーセントの第一の材料、または少なくとも60重量パーセントの第一の材料、または少なくとも70重量パーセントの第一の材料、または少なくとも80重量パーセントの第一の材料、または少なくとも90重量パーセントの第一の材料を含んでもよい。
【0044】
サセプタ素子の少なくとも一つの取り付け領域は、ヒーターホルダーと接触するように構成されたサセプタ素子の領域であってもよい。少なくとも一つの取り付け領域は、ヒーターホルダーと接触し得る。本明細書で使用される場合、用語「接触」は、直接的な接触および間接的な接触の両方を意味する。加熱領域は、交番磁界の存在下で、取り付け領域よりも実質的に高温まで加熱するように構成され得る。これは、加熱領域と取り付け領域との間の材料の差異、加熱領域と取り付け領域との間の幾何学的な差異、または材料の差異および幾何学的な差異の両方に起因し得る。
【0045】
少なくとも一つの取り付け領域は、ヒーターホルダーと直接的に接触することが好ましい。本明細書に使用される場合、「直接的に接触」という用語は、中間材料を有することなく、二つの構成要素の表面が互いに触れ合っている、二つの構成要素間の接触を意味する。
【0046】
少なくとも一つの取り付け領域は、ヒーターホルダーと間接的に接触してもよい。本明細書に使用される場合、「間接的に接触」という用語は、二つの構成要素の間に置かれた一つ以上の中間材料を介するため、二つの構成要素の表面が互いに触れ合っていない、二つの構成要素間の接触を意味するために使用される。例えば、少なくとも一つの取り付け領域は、接着剤の層が少なくとも一つの取り付け領域の表面とヒーターホルダーの表面との間に提供される場合、サセプタ素子と間接的に接触する。
【0047】
少なくとも一つの取り付け領域は、第二の材料を含んでもよい。第二の材料は、非磁性材料であってもよい。用語「非磁性材料」は、本明細書では、磁界と相互作用せず、かつ交番磁界による貫通によって加熱できない材料を説明するために使用される。第二の材料は、任意の適切な非磁性材料であってもよい。一部の実施形態では、第二の材料は非磁性金属である。例えば、第二の材料は、非磁性オーステナイト系ステンレス鋼であってもよい。適切なオーステナイト系ステンレス鋼には、AISIタイプ304、309および316ステンレス鋼などのAISI300シリーズステンレス鋼が含まれる。
【0048】
ヒーターホルダーは、サセプタ素子の少なくとも一つの取り付け領域において第二の材料と接触してもよい。ヒーターホルダーは、第二の材料においてのみサセプタ素子と接触してもよい。有利なことに、第二の材料におけるヒーターホルダーとサセプタ素子との間の接触を提供することは、サセプタ素子からヒーターホルダーへの熱伝達を最小化するのに役立ち得る。
【0049】
一部の実施形態では、第二の材料は非金属である。例えば、第二の材料はセラミック材料であってもよい。
【0050】
一部の実施形態では、第二の材料は、導電性材料である。本明細書で使用される場合、「導電性」材料は、摂氏20度(℃)で約1×10-5オームメートル(Ωm)未満、典型的には約1×10-5オームメートル(Ωm)~約1×10-9オームメートル(Ωm)の体積抵抗率を有する材料を意味する。適切な電気的な導電性材料は、金属、合金、電気的な導電性セラミック、および電気的な導電性ポリマーを含む。適切な導電性材料は、金および白金を含み得る。
【0051】
一部の実施形態では、第二の材料は、電気絶縁性材料である。有利なことに、電気絶縁性の第二の材料は、サセプタ素子からヒーターホルダーへの熱伝達を最小化するのに役立ち得る。本明細書で使用される場合、「電気絶縁性」材料は、摂氏20度(℃)で約1x106オームメートル(Ωm)、典型的には約1x109オームメートル(Ωm)~約1x1021オームメートル(Ωm)の体積抵抗率を有する材料を意味する。適切な電気絶縁材料には、ガラス、プラスチックおよび特定のセラミック材料が含まれる。
【0052】
一部の実施形態では、第二の材料は、断熱性材料である。有利なことに、断熱性の第二の材料は、サセプタ素子からヒーターホルダーへの熱伝達を最小化するのに役立ち得る。本明細書で使用される「断熱性」という用語は、23℃で約5ワット/メートル・ケルビン(mW/(m K))未満のバルク熱伝導率、および改良された非定常平面熱源(MTPS)法を使用して測定した50%の相対湿度を有する材料を指す。
【0053】
一部の実施形態では、第二の材料は熱伝導性材料である。本明細書で使用される場合、「熱伝導性」という用語は、23℃で少なくとも約10ワット/メートル・ケルビン(W/(m K))のバルク熱伝導率、および改良された非定常平面熱源(MTPS)法を使用して測定した50%の相対湿度を有する材料を指す。
【0054】
一部の実施形態では、第二の材料は親水性材料であってもよい。一部の実施形態では、第二の材料は親油性材料であってもよい。有利なことに、親水性の第二の材料または親油性の第二の材料を提供することは、サセプタ素子を通したエアロゾル形成基体の輸送を促進し得る。
【0055】
一部の実施形態では、第二の材料はセルロース材料を含む。例えば、第二の材料はレーヨンを含み得る。
【0056】
一部の好ましい実施形態では、少なくとも一つの取り付け領域は、第二の材料からなる。しかしながら、他の実施形態では、少なくとも一つの取り付け領域は、第二の材料および一つ以上の他の材料を含む。少なくとも一つの取り付け領域が第二の材料および一つ以上の他の材料を含む場合、少なくとも一つの取り付け領域は、任意の適切な割合の第二の材料を含み得る。例えば、サセプタ素子の少なくとも一つの取り付け領域は、少なくとも10重量パーセントの第二の材料、または少なくとも20重量パーセントの第二の材料、または少なくとも30重量パーセントの第二の材料、または少なくとも40重量パーセントの第二の材料、または少なくとも50重量パーセントの第二の材料、または少なくとも60重量パーセントの第二の材料、または少なくとも70重量パーセントの第二の材料、または少なくとも80重量パーセントの第二の材料、または少なくとも90重量パーセントの第二の材料を含んでもよい。
【0057】
少なくとも一つの取り付け領域は、第一の材料を含んでもよい。しかしながら、少なくとも一つの取り付け領域は、加熱領域よりも低い割合の第一の材料を含む。加熱領域内の第一の材料の重量割合は、少なくとも一つの取り付け領域内の第一の材料の重量割合よりも大きくてもよい。例えば、サセプタ素子の加熱領域が少なくとも90重量パーセントの第一の材料を含んでもよく、サセプタ素子の少なくとも一つの取り付け領域が10重量パーセント未満の第一の材料を含んでもよく、またはサセプタ素子の加熱領域が少なくとも80重量パーセントの第一の材料を含んでもよく、サセプタ素子の少なくとも一つの取り付け領域が20重量パーセント未満の第一の材料を含んでもよく、またはサセプタ素子の加熱領域が少なくとも70重量パーセントの第一の材料を含んでもよく、サセプタ素子の少なくとも一つの取り付け領域が30重量パーセント未満の第一の材料を含んでもよく、またはサセプタ素子の加熱領域が少なくとも60重量パーセントの第一の材料を含んでもよく、サセプタ素子の少なくとも一つの取り付け領域が40重量パーセント未満の第一の材料を含んでもよく、またはサセプタ素子の加熱領域が少なくとも50重量パーセントの第一の材料を含んでもよく、サセプタ素子の少なくとも一つの取り付け領域が50重量パーセント未満の第一の材料を含んでもよい。
【0058】
少なくとも一つの取り付け領域は、90重量パーセント以下の第一の材料、または80重量パーセント以下の第一の材料、または70重量パーセント以下の第一の材料、または60重量パーセント以下の第一の材料、または50重量パーセント以下の第一の材料、または40重量パーセント以下の第一の材料、または30重量パーセント以下の第一の材料、または20重量パーセント以下の第一の材料、または10重量パーセント以下の第一の材料を含んでもよい。
【0059】
少なくとも一つの取り付け領域は、少なくとも10重量パーセントの第二の材料、および90重量パーセント未満の第一の材料、または少なくとも20重量パーセントの第二の材料、および80重量パーセント未満の第一の材料、または少なくとも30重量パーセントの第二の材料、および70重量パーセント未満の第一の材料、または少なくとも40重量パーセントの第二の材料、および60重量パーセント未満の第一の材料、または少なくとも50重量パーセントの第二の材料、および50重量パーセント未満の第一の材料、または少なくとも60重量パーセントの第二の材料、および40重量パーセント未満の第一の材料、または少なくとも70重量パーセントの第二の材料、および30重量パーセント未満の第一の材料、または少なくとも80重量パーセントの第二の材料、および20重量パーセント未満の第一の材料、または少なくとも90重量パーセントの第二の材料、および10重量パーセント未満の第一の材料を含んでもよい。
【0060】
加熱領域は、第二の材料を含んでもよい。例えば、加熱領域は、90重量パーセント以下の第二の材料、または80重量パーセント以下の第二の材料、または70重量パーセント以下の第二の材料、または60重量パーセント以下の第二の材料、または50重量パーセント以下の第二の材料、または40重量パーセント以下の第二の材料、または30重量パーセント以下の第二の材料、または20重量パーセント以下の第二の材料、または10パーセント以下の第二の材料を含んでもよい。
【0061】
加熱領域は、少なくとも10重量パーセントの第一の材料、および90重量パーセント未満の第二の材料、または少なくとも20重量パーセントの第一の材料、および80重量パーセント未満の第二の材料、または少なくとも30重量パーセントの第一の材料、および70重量パーセント未満の第二の材料、または少なくとも40重量パーセントの第一の材料、および60重量パーセント未満の第二の材料、または少なくとも50重量パーセントの第一の材料、および50重量パーセント未満の第二の材料、または少なくとも60重量パーセントの第一の材料、および40重量パーセント未満の第二の材料、または少なくとも70重量パーセントの第一の材料、および30重量パーセント未満の第二の材料、または少なくとも80重量パーセントの第一の材料、および20重量パーセント未満の第二の材料、または少なくとも90重量パーセントの第一の材料、および10重量パーセント未満の第二の材料を含んでもよい。
【0062】
加熱領域は、任意の適切な割合のサセプタ素子を含んでもよい。例えば、加熱領域は、サセプタ素子の表面積の少なくとも90パーセント、サセプタ素子の表面積の少なくとも80パーセント、またはサセプタ素子の表面積の少なくとも70パーセントを含んでもよい。加熱領域は、所望の量の吸入可能なエアロゾルを発生するために、必要な速度でエアロゾル形成基体を加熱するための任意の適切なサイズおよび形状を有してもよい。
【0063】
少なくとも一つの取り付け領域は、任意の適切な割合のサセプタ素子を含み得る。典型的には、少なくとも一つの取り付け領域は、加熱領域よりも小さな割合のサセプタ素子を含む。例えば、少なくとも一つの取り付け領域は、サセプタ素子の表面積の10パーセント以下、またはサセプタ素子の表面積の20パーセント以下、またはサセプタ素子の表面積の30パーセント以下を含んでもよい。少なくとも一つの取り付け領域は、サセプタ素子とヒーターホルダーとの間の堅牢な接続を提供するために、任意の適切なサイズおよび形状を有してもよい。
【0064】
一部の実施形態では、少なくとも一つの取り付け領域は、加熱領域の周辺に隣接して位置し、加熱領域は、長さおよび幅を有し、少なくとも一つの取り付け領域は、長さおよび幅を有する。少なくとも一つの取り付け領域の長さは、加熱領域の長さ未満であることが好ましい。一部の実施形態では、少なくとも一つの取り付け領域の長さは、加熱領域の長さの二分の一以下である。一部の実施形態では、少なくとも一つの取り付け領域の長さは、加熱領域の長さの四分の一以下である。少なくとも一つの取り付け領域の幅は、加熱領域の幅未満であることが好ましい。一部の実施形態では、少なくとも一つの取り付け領域の幅は、加熱領域の幅の二分の一以下である。一部の実施形態では、少なくとも一つの取り付け領域の幅は、加熱領域の幅の四分の一以下である。
【0065】
一部の実施形態では、少なくとも一つの取り付け領域は、ヒーターホルダーに固定される。少なくとも一つの取り付け領域は、接着剤によってヒーターホルダーに固定されてもよい。
【0066】
サセプタ素子の少なくとも一つの取り付け領域は、サセプタ素子の加熱領域に対して任意の適切な位置に配設され得る。一部の好ましい実施形態では、サセプタ素子の少なくとも一つの取り付け領域は、サセプタ素子の周辺にある。例えば、少なくとも一つの取り付け領域は、サセプタ素子の一方の側面に位置し得る。
【0067】
一部の好ましい実施形態では、少なくとも一つの取り付け領域は、複数の取り付け領域を含む。サセプタ素子は、任意の適切な数の取り付け領域を含んでもよい。例えば、サセプタ素子は、一つ、二つ、三つ、四つ、五つ、または六つの取り付け領域を含んでもよい。有利なことに、サセプタ素子に複数の取り付け領域を提供することにより、ヒーターホルダーが、単一の取り付け領域を有するサセプタ素子と比較して、サセプタ素子に対してより堅牢な支持を提供することが可能になり得る。
【0068】
一部の実施形態では、複数の取り付け領域は、第一の取り付け領域および第二の取り付け領域を含んでもよく、第一の取り付け領域は、サセプタ素子の一方の側面に位置付けられ、第二の取り付け領域は、サセプタ素子の第一の取り付け領域と同じ側面に位置付けられる。これらの実施形態の一部では、第一の取り付け領域は、サセプタ素子の第一の端に位置付けられ、第二の取り付け領域は、第一の端とは反対側のサセプタ素子の第二の端に位置付けられる。
【0069】
一部の実施形態では、複数の取り付け領域は、第一の取り付け領域および第二の取り付け領域を含み、第一の取り付け領域は、サセプタ素子の第一の側面に位置付けられ、第二の取り付け領域は、第一の側面とは反対側のサセプタ素子の第二の側面に位置付けられる。これらの実施形態の一部では、加熱領域は長さを有し、第一の取り付け領域および第二の取り付け領域は、加熱領域の長さに沿って同じ位置に位置付けられる。これらの実施形態の一部では、第一の取り付け領域および第二の取り付け領域は、サセプタ素子の一方の端に位置付けられる。これらの実施形態の一部では、加熱領域は長さを有し、第一の取り付け領域および第二の取り付け領域は、加熱領域の長さに沿って中央に位置付けられる。これらの実施形態の一部では、加熱領域は長さを有し、第一の取り付け領域および第二の取り付け領域は、加熱領域の長さに沿って異なる位置に位置付けられる。これらの実施形態の一部では、第一の取り付け領域は、サセプタ素子の第一の端に位置付けられ、第二の取り付け領域は、第一の端とは反対側のサセプタ素子の第二の端に位置付けられる。
【0070】
一部の好ましい実施形態では、複数の取り付け領域は、第一の取り付け領域および第二の取り付け領域を含み、第二の取り付け領域は、第一の取り付け領域の反対側に位置付けられる。
【0071】
一部の好ましい実施形態では、複数の取り付け領域は、サセプタ素子の対向する側面においてサセプタ素子の第一の端に位置付けられる第一の対の取り付け領域と、サセプタ素子の対向する側面においてサセプタ素子の第二の端に位置付けられる第二の対の取り付け領域とを含み、サセプタ素子の第二の端は、第一の端の反対側である。
【0072】
一部の実施形態では、複数の取り付け領域は、複数の対の取り付け領域を含み、各対の取り付け領域は、サセプタ素子の第一の側面に位置付けられた第一の取り付け領域、およびサセプタ素子の第二の側面に位置付けられた第二の取り付け領域を含み、サセプタ素子の第二の側面は、サセプタ素子の第一の側面の反対側である。
【0073】
一部の実施形態では、複数の取り付け領域は、複数の対の取り付け領域を含み、各対の取り付け領域は、第一の取り付け領域および第二の取り付け領域を含み、第二の取り付け領域は、第一の取り付け領域の反対側に位置付けられる。
【0074】
サセプタ素子の厚さは、有利なことに、システムの動作周波数におけるサセプタ素子の材料の表皮深さの2~10倍である。複数のサセプタ層が使用される場合、表皮深さよりも大きな厚さを有することにより、異なるサセプタ層間の相互作用が最小化される。表皮深さの10倍未満のサセプタ層を有することにより、加熱する過剰な質量のサセプタ材料がないことが確保される。有利なことに、サセプタまたは発熱体組立品は、2ミリメートル以下の厚さを有する。これにより、発熱体または複数の発熱体を、内部に定置し、小さな気流チャネルにわたらせることが可能になる。
【0075】
発熱体または各発熱体は、抵抗加熱発熱体であってもよい。ヒーター組立品は、発熱体または各発熱体に接続され、エアロゾル発生システムの他の構成要素内の電源への接続のために構成された複数の電気コネクタを含み得る。電気コネクタは、カートリッジの外部からアクセス可能である接続面を含んでもよい。接続面は、係合面の一部であってもよい。
【0076】
抵抗加熱発熱体は、サセプタ素子に関連して上述したように、取り付け領域および加熱領域を含んでもよく、使用時に、加熱領域は、取り付け領域よりも高温に加熱される。加熱領域は、取り付け領域とは異なる材料を含んでもよい。加熱領域は、取り付け領域とは異なる幾何学的形状を有してもよい。加熱領域は、二つの電気コネクタの間に位置付けられてもよい。
【0077】
発熱体または各発熱体は、任意の適切な形態を取ってもよい。発熱体は、例えば、メッシュ、平坦なスパイラルコイル、繊維、または布を含んでもよい。一部の実施形態では、発熱体は、シートまたは細片を含み得る。
【0078】
有利なことに、ヒーター組立品は、単回のユーザー吸煙に十分である、少量の液体エアロゾル形成基体のみを保持するように構成されている。これは、少量の液体を急速に気化させることを可能にし、システムの他の要素または気化されない液体エアロゾル形成基体に対する熱損失を最小限とするため、有利である。有利なことに、ヒーター組立品は、2ミリリットル~10ミリリットルの液体エアロゾル形成基体を保持し得る。
【0079】
発熱体の少なくとも一部分は流体浸透性であってもよい。一部の実施形態において、発熱体は流体浸透性である。本明細書で使用される「流体浸透性」要素は、液体または気体がこれを通して浸透することを可能にする要素を意味する。発熱体は、流体が発熱体を通して浸透することを可能するために、発熱体に形成された複数の開口部を有してもよい。特に、この発熱体は、気相でも気相および液相のいずれでもエアロゾル形成基体が開口部を通して浸透することを可能にし得る。
【0080】
一部の好ましい実施形態では、発熱体または各発熱体は、メッシュを含んでもよい。発熱体は、メッシュを形成するフィラメントのアレイを含み得る。本明細書で使用される「メッシュ」という用語は、それらの間に空間を有するフィラメントのグリッドおよびアレイを包含する。メッシュという用語には、織布や不織布も含まれる。
【0081】
フィラメントはフィラメント間の隙間を画定する場合があり、また隙間は10マイクロメートル~100マイクロメートルの幅を有してもよい。フィラメントは、使用時にソース液体が間隙の中に引き出されて、発熱体と液体の間の接触面積を増大するように、隙間の中で毛細管作用を生じさせることが好ましい。
【0082】
フィラメントは160~600メッシュUS(+/-10%)(すなわち、1インチ当たりのフィラメント数が160~600個(+/-10%))のサイズのメッシュを形成してもよい。隙間の幅は、35マイクロメートル~140マイクロメートル、または25マイクロメートル~75マイクロメートルであってもよい。例えば、隙間の幅は、40マイクロメートル、または63マイクロメートルであってもよい。隙間の面積とメッシュの総面積の比であるメッシュの開口面積の割合は、25~56%であることが好ましい。メッシュは、異なるタイプの織り構造または格子構造を使用して形成されてもよい。別の方法として、フィラメントは互いに平行に並べられた一連のフィラメントで構成される。
【0083】
フィラメントは、箔などのシート材料のエッチングによって形成されてもよい。これは、ヒーター組立品が平行のフィラメントのアレイを備える時に、特に有利である場合がある。発熱体がフィラメントのメッシュまたは布を含む場合、フィラメントは個別に形成されてもよく、まとめて編まれてもよい。
【0084】
メッシュは焼結されることが好ましい。有利なことに、メッシュを焼結すると、異なる方向に延びるフィラメント間に電気的結合が生じる。特に、メッシュが一つ以上の織布および不織布を含む場合、重なり合うフィラメント間に電気的結合が生じるようにメッシュを焼結することが有利である。
【0085】
メッシュはまた、当該技術分野において周知の通り、液体を保持するその能力によって特性付けられうる。
【0086】
メッシュのフィラメントは、8マイクロメートル~100マイクロメートル、30マイクロメートル~100マイクロメートル、8マイクロメートル~50マイクロメートル、または8マイクロメートル~39マイクロメートルの直径を有してもよい。メッシュのフィラメントは、50マイクロメートルの直径を有してもよい。
【0087】
メッシュのフィラメントは、任意の好適な断面を有してもよい。例えば、フィラメントは丸い断面でもよく、または平坦な断面でもよい。
【0088】
有利なことに、発熱体がサセプタ素子である実施形態では、メッシュは1~40000の相対浸透率を有し得る。大半の加熱のために渦電流に依存することが望ましい時に、より低い浸透性の材料を使用してもよく、またヒステリシス効果が望ましい時に、より高い浸透性の材料を使用してもよい。材料は500~40000の相対浸透率を有することが好ましい。これにより、サセプタ素子の効率的な加熱が提供され得る。
【0089】
発熱体がメッシュを含む場合、加熱領域は第一の材料のフィラメントを含み得る。一部の実施形態では、加熱領域は、第一の材料のフィラメントおよび第二の材料のフィラメントを含んでもよい。加熱領域は、第一の方向に第一の材料のフィラメント、および第一の方向とは異なる第二の方向に第二の材料のフィラメントを含み得る。
【0090】
発熱体がメッシュを含む場合、少なくとも一つの取り付け領域は、第二の材料のフィラメントを含み得る。一部の実施形態では、少なくとも一つの取り付け領域は、第一の材料のフィラメントおよび第二の材料のフィラメントを含んでもよい。少なくとも一つの取り付け領域は、第一の方向に第一の材料のフィラメント、および第一の方向とは異なる第二の方向に第二の材料のフィラメントを含み得る。
【0091】
発熱体がメッシュを含む場合、メッシュは織られてもよい。織られたメッシュは、横糸方向のフィラメント、および縦糸方向のフィラメントを含む。
【0092】
発熱体が織られたメッシュを含む場合、少なくとも一つの取り付け領域は、横糸方向に第二の材料のフィラメントを含み得る。ヒーターホルダーは、横糸方向に延びるフィラメントの少なくとも一つの取り付け領域において発熱体と接触してもよい。ヒーターホルダーは、横糸方向に延びるフィラメントの少なくとも一つの取り付け領域において発熱体と接触するのみで、縦糸方向に延びるフィラメントと接触しなくてもよい。有利なことに、第二の材料から横糸方向に延びる少なくとも一つの取り付け領域のフィラメントを形成することにより、少なくとも一つの取り付け領域において第一の材料から形成される横糸方向のフィラメントを有する発熱体と比較して、発熱体からヒーターホルダーへの熱伝達が低減し得る。
【0093】
有利なことに、カートリッジは、ヒーター組立品が第二の位置にある時に、空気吸込み口から、発熱体を通過して空気出口へと延びる、カートリッジを通した気流チャネルを備える。空気出口は、外側ハウジングのマウスピース部分にあってもよい。気流チャネルは、ヒーター組立品を通過してもよい。特に、気流チャネルは、ヒーターホルダーを通過してもよい。
【0094】
ヒーター組立品の一部分、特に発熱体は、気流通路内にあってもよい。発熱体の加熱領域は、気流通路内にあってもよい。発熱体によって気化されたエアロゾル形成基体は、気流通路内に逃れ得る。蒸気は、気流通路内で冷却されてエアロゾルを形成し得る。エアロゾルは、空気出口を通してエアロゾル発生システムから引き出され得る。空気出口は、エアロゾル発生システムの口側端に提供されてもよく、空気出口を通して、発生されたエアロゾルをユーザーによって引き出すことができる。
【0095】
発熱体または複数の発熱体、またはサセプタ組立品は、第一の平面に平行な第一の表面、および第一の平面に平行な、第一の平面とは反対側の第二の表面を有してもよく、第一および第二の表面の両方の少なくとも一部分は、気流通路内の空気と直接的に接触する。有利なことに、気流通路は、発熱体または複数の発熱体の近くに第一の平面に平行に延びる。
【0096】
発熱体の第一の側面は口側端に面してもよく、発熱体の第二の側面は接続端に面してもよい。しかしながら、発熱体は、平面状であり、口側端と接続端との間に延びる、カートリッジの長軸方向軸に実質的に平行な平面に延びる。平面状の発熱体が、カートリッジの長軸方向軸に実質的に平行な平面に延びる場合、発熱体の第一および第二の側面は、システムの対向する側面に面する。
【0097】
液体貯蔵部は、気流チャネルの一部分を包囲してもよい。気流通路は、液体貯蔵部を通過してもよい。例えば、液体貯蔵部は、内部通路を画定する環状断面を有してもよく、気流通路は、液体貯蔵部の内部通路を通って延びてもよい。
【0098】
ヒーターホルダーが管状ヒーターホルダーである場合、管状ヒーターホルダーの内部通路は、封止された気流通路の一部分を形成してもよい。封止された気流通路は、カートリッジの接続端における空気吸込み口から、管状ヒーターホルダーの内部通路を通り、液体貯蔵部の内部通路を通って、口側端開口部における空気出口へと延び得る。
【0099】
一部の実施形態では、気流通路の少なくとも一部分は、ヒーターホルダーとカートリッジの外側ハウジングとの間に画定される。気流通路の少なくとも一部分は、液体貯蔵部とカートリッジの外側ハウジングとの間に画定されてもよい。一部の実施形態では、封止された気流通路は、空気吸込み口から、ヒーターホルダーと外側ハウジングとの間の通路を通り、液体貯蔵部と外側ハウジングとの間の通路を通って、空気出口へと延びてもよい。
【0100】
本開示はまた、上述のカートリッジと、カートリッジに連結または係合するように構成された再使用可能な装置とを備え、再使用可能な装置が、発熱体にエネルギーを提供するための電源を含む、エアロゾル発生システムを提供する。カートリッジは、エアロゾル発生システムの一つの構成要素であり、再使用可能な装置は、エアロゾル発生システムの別の構成要素である。エアロゾル発生システムは、カートリッジおよび再使用可能な装置からなってもよい。
【0101】
再使用可能な装置は、ハウジングを含んでもよい。ハウジングは細長くてもよい。ハウジングは、任意の適切な材料または材料の組み合わせを含んでもよい。適切な材料の例としては、金属、合金、プラスチック、もしくはこれらの材料のうちの一つ以上を含有する複合材料、または食品もしくは医薬品用途に適切な熱可塑性樹脂、例えばポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエチレンが挙げられる。材料は軽く、かつ脆くないことが好ましい。
【0102】
エアロゾル発生システムは、カートリッジが再使用可能な装置に連結される結果として、ヒーター組立品が第一の位置から第二の位置へと移動するように構成されてもよい。再使用可能な装置は、カートリッジが再使用可能な装置に連結された時に、加熱組立品上の係合面と係合して、ヒーター組立品を第二の位置へと付勢する接触面を含んでもよく、加熱組立品上の係合面は、貯蔵部から離れて面している。
【0103】
抵抗加熱を使用する実施形態では、接触面は、カートリッジ上の対応する電気コネクタと係合するように構成された電気接点を含み得る。電力は、カートリッジおよび再使用可能な装置が互いに係合した時に、電気接点および複数の電気接点を通して発熱体に送達され得る。
【0104】
再使用可能な装置ハウジングは、カートリッジの少なくとも一部分を受容するための空洞を画定し得る。再使用可能な装置は、一つ以上の空気吸込み口を含んでもよい。一つ以上の空気吸込み口は、周囲空気を空洞の中に引き出すことを可能にし得る。
【0105】
再使用可能な装置は、再使用可能な装置をカートリッジに接続するように構成された接続端を有し得る。接続端は、カートリッジの少なくとも一部分を受容するための空洞を含んでもよい。
【0106】
再使用可能な装置は、接続端の反対側の遠位端を有してもよい。遠位端は、エアロゾル発生装置の電源を充電するために、エアロゾル発生装置を外部電源の電気コネクタに接続するように構成された電気コネクタを備えてもよい。
【0107】
誘導加熱のために構成された実施形態では、再使用可能な部分は、発熱体を通して変化する磁束を生成するように構成された一つ以上のインダクタコイルを含む。一つ以上のインダクタコイルは、空洞の外側に配設されてもよい。空洞は、接続端において開いていてもよい。接触面は、空洞の遠位端にあってもよい。少なくとも一つのインダクタコイルは、平面状のインダクタコイルであってもよく、サセプタ素子は、平面状であり、再使用可能な装置がカートリッジと係合した時に、平面状の誘導コイルと平行に配設されてもよい。
【0108】
カートリッジハウジングは、外側ハウジングを含んでもよい。外側ハウジングは、耐久性のある材料から形成されてもよい。外側ハウジングは、液体不浸透性の材料から形成されてもよい。外側ハウジングは、ポリプロピレン(PP)またはポリエチレンテレフタラート(PET)などの成形可能プラスチック材料から形成されてもよい。外側ハウジングは、ヒーターホルダーと同じ材料から形成されてもよく、または異なる材料から形成されてもよい。
【0109】
ヒーター組立品は、外側ハウジング内に配設されてもよい。ヒーターホルダーは、外側ハウジング内に配設されてもよい。一部の実施形態では、ヒーターホルダーは、外側ハウジングと一体的に形成されてもよい。
【0110】
外側ハウジングは、液体貯蔵部の一部分を画定してもよい。外側ハウジングは、液体貯蔵部を画定し得る。外側ハウジングおよび液体貯蔵部は、一体的に形成されてもよい。別の方法として、液体貯蔵部は外側ハウジングとは別個に形成されてもよく、外側ハウジング内に配設されてもよい。
【0111】
有利なことに、カートリッジに、発熱体をハウジングに連結するヒーターホルダーを提供することにより、発熱体が外側ハウジングから単離され得、その結果、外側ハウジングを、エアロゾル形成基体の加熱のための発熱体の昇温に耐えるよう構成する必要はない。これにより、カートリッジを、耐久性が低く、かつ安価な材料から作製することが可能になり得る。
【0112】
エアロゾル発生システムは、ユーザーがマウスピースを吸って口側端開口部を通してエアロゾルを引き出すことを可能にするように構成された手持ち式エアロゾル発生システムであってもよい。エアロゾル発生システムは従来の葉巻たばこまたは紙巻たばこに匹敵するサイズを有してもよい。エアロゾル発生システムは、約30ミリメートル~約150ミリメートルの全長を有してもよい。エアロゾル発生システムは、約5ミリメートル~約30ミリメートルの外径を有してもよい。
【0113】
エアロゾル発生システムは、ニコチンまたはカンナビノイドをユーザーに送達するように構成され得る。エアロゾル発生システムは、電気的に作動する喫煙装置であってもよい。
【0114】
エアロゾル発生システムは、制御回路を備え得る。制御回路は、再使用可能な装置内にあってもよい。制御回路は、マイクロプロセッサを備えてもよい。マイクロプロセッサは、プログラマブルマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、または特定用途向け集積チップ(ASIC)もしくは制御を提供する能力を有する他の電子回路であってもよい。制御回路は、装置の起動後に連続的に、少なくとも一つのインダクタコイルまたは発熱体に電力を供給するように構成されてもよく、または毎回の吸煙ごとなどのように断続的に、電力を供給するように構成されてもよい。電力は、例えばパルス幅変調(PWM)によって、電流パルスの形態で加熱組立品に供給され得る。制御回路は、DC/ACインバータを含んでもよく、これはクラスDまたはクラスEの電力増幅器を含んでもよい。制御回路は、さらなる電子構成要素を備えてもよい。例えば、一部の実施形態において、制御回路は、センサー、スイッチ、ディスプレイ要素のいずれかを備えてもよい。
【0115】
エアロゾル発生システムは、電源を備えてもよい。電源は、再使用可能な装置に包含されてもよい。電源はDC電源であってもよい。電源は電池であってもよい。電池は、リチウム系の電池、例えばリチウムコバルト電池、リチウム鉄リン酸塩電池、チタン酸リチウム電池、またはリチウムポリマー電池であってもよい。電池はニッケル水素電池またはニッケルカドミウム電池であってもよい。電源はコンデンサなど別の形態の電荷蓄積装置であってもよい。電源は再充電可能であってもよく、数多くの充放電サイクルのために構成されてもよい。電源は、エアロゾル発生システムの一回以上のユーザー体験のために十分なエネルギーの貯蔵を可能にする容量を有してもよく、例えば電源は従来の紙巻たばこ一本を喫煙するのにかかる典型的な時間に対応する約六分間、または六分間の倍数の時間にわたるエアロゾルの連続的な発生を可能にするのに十分な容量を有してもよい。別の実施例において、電源は所定の吸煙回数、または霧化組立品の不連続的な起動を可能にするのに十分な容量を有してもよい。
【0116】
本開示はさらに、封止された液体貯蔵部を収容するハウジングと、外側ハウジング内のヒーター組立品であって、発熱体および穿刺要素を含み、穿刺要素が封止された液体貯蔵部から離れている第一の位置から穿刺要素が液体貯蔵部を貫通する第二の位置へと、外側ハウジングに対して移動可能であるヒーター組立品と、発熱体にエネルギーを提供するための電源とを備える、エアロゾル発生システムを提供する。
【0117】
この態様では、ヒーター組立品は、交換可能なカートリッジ内ではなく、システムの再使用可能な部品内に提供され得る。封止された液体貯蔵部は、ヒーター組立品などの、システムの他の構成要素とは別個の交換可能な構成要素として提供され得る。
【0118】
システムは、上述のカートリッジおよびシステムの特徴のうちの一つ以上を備え得る。例えば、エアロゾル発生システムは、発熱体を通して変化する磁束を生成するように構成された一つ以上のインダクタコイルを備え得る。インダクタコイルの少なくとも一つは、平面状のインダクタコイルであり、サセプタ素子は、平面状であり、平面状の誘導コイルに平行に配設されてもよい。封止された液体貯蔵部は、システムの別個かつ交換可能な構成要素であり得る。
【0119】
本開示はさらに、封止された液体貯蔵部を収容するハウジングと、ハウジング内のヒーター組立品であって、変化する磁界および穿刺要素の貫通によって加熱されるように構成されたサセプタ素子および穿刺要素を含み、穿刺要素が封止された液体貯蔵部から離れている第一の位置から穿刺要素が液体貯蔵部を貫通する第二の位置へと、封止された液体貯蔵部に対して移動可能であるヒーター組立品とを備える、エアロゾル発生装置のためのカートリッジを提供する。このカートリッジでは、ヒーター組立品および液体貯蔵部のいずれかまたは両方が、第一の位置から第二の位置へと、ハウジングに対して移動し得る。
【0120】
カートリッジは、上述のカートリッジの特徴のうちの一つ以上を含み得る。例えば、ヒーター組立品は、ヒーター組立品が第二の位置にある時に、サセプタの加熱表面との間で液体を運ぶための輸送材料を含んでもよい。
【0121】
カートリッジまたはエアロゾル発生装置の一実施形態に関連して本明細書に記載される任意の特徴はまた、本開示によるカートリッジおよびエアロゾル発生装置の他の実施形態にも適用され得ることが理解されよう。一実施形態に関連して記載される特徴は、本開示による別の実施形態に等しく適用され得る。また、当然のことながら、本開示によるエアロゾル発生システムは、カートリッジを有しないエアロゾル発生装置に提供されてもよい。したがって、カートリッジに関連して本明細書に記載される特徴は、エアロゾル発生装置に等しく適用され得る。
【0122】
本発明は特許請求の範囲に定義されている。しかしながら、以下に非限定的な実施例の非網羅的なリストを提供する。これらの実施例の特徴のうちのいずれか一つ以上は、本明細書に記述される別の実施例、実施形態、または態様のうちのいずれか一つ以上の特徴と組み合わせられてもよい。
【実施例】
【0123】
実施例1
エアロゾル発生システムのためのカートリッジであって、
封止された液体貯蔵部を収容するハウジングと、
ハウジング内のヒーター組立品であって、発熱体および穿刺要素を含み、穿刺要素が封止された液体貯蔵部の外側にある第一の位置から穿刺要素が液体貯蔵部を貫通する第二の位置へと、ハウジングに対して移動可能であり、ヒーター組立品が第二の位置にある時に、ハウジングまたは液体貯蔵部と液密シールを形成する封止面を含む、ヒーター組立品と、を備える、カートリッジ。
実施例2
封止面は、ヒーター組立品が第一の位置にある時に、ハウジングと液密シールを形成する、実施例1によるカートリッジ。
実施例3
カートリッジは、使用前にカートリッジをエアロゾル発生システムの別の構成要素に連結させる通常のプロセスの一部として、ヒーター組立品が第一の位置から第二の位置へと移動するように構成されている、実施例1または2によるカートリッジ。
実施例4
ヒーター組立品は、貯蔵部から離れて面し、カートリッジの外部からアクセス可能である係合面を含む、実施例1~3のいずれか一つによるカートリッジ。
実施例5
ヒーター組立品は、第一の長軸方向軸に沿って第一の位置から第二の位置へと移動するように構成されている、実施例1~4のいずれか一つによるカートリッジ。
実施例6
ヒーター組立品は、第一の位置から第二の位置へと移動する時に、ハウジングに対して摺動するように構成されている、実施例1~5のいずれか一つによるカートリッジ。
実施例7
ヒーター組立品は、第一の位置から第二の位置へと移動する時に、ハウジングに対して回転するように構成されている、実施例1~6のいずれか一つによるカートリッジ。
実施例8
第一の長軸方向軸に沿った係合面への圧力により、ヒーター組立品が第一の位置から第二の位置へと移動するように構成されている、実施例1~7のいずれか一つによるカートリッジ。
実施例9
ユーザーの口内に定置されるように構成された口側端と、口側端の反対側の接続端とを有し、第一の位置にあるヒーター組立品は、接続端に位置付けられ、口側端の近くに移動して、第二の位置に達する、実施例1~8のいずれか一つによるカートリッジ。
実施例10
発熱体は、実質的に平面状である、実施例1~9のいずれか一つによるカートリッジ。
実施例11
複数の発熱体を備える、実施例1~10のいずれか一つによるカートリッジ。
実施例12
各発熱体は、実質的に平面状であり、互いに平行に配設される、実施例11によるカートリッジ。
実施例13
ヒーター組立品は、発熱体または各発熱体の加熱表面に液体を運ぶためのウィッキング材料を含む、実施例1~12のいずれか一つによるカートリッジ。
実施例14
発熱体は、誘導加熱されるように構成されたサセプタ素子を含む、実施例1~13のいずれかによるカートリッジ。
実施例15
発熱体に固定されるか、発熱体と一体型であるウィッキング要素を備える、実施例1~14のいずれか一つによるカートリッジ。
実施例16
穿刺要素は中空である、実施例1~15のいずれか一つによるカートリッジ。
実施例17
複数の穿刺要素を備える、実施例1~16のいずれか一つによるカートリッジ。
実施例18
ヒーター組立品はガスケットを含み、封止面はガスケットによって提供される、実施例1~17のいずれか一つによるカートリッジ。
実施例19
ガスケットは、複数の封止リブを含み、各リブは、外側ハウジングとのシールを提供する、実施例18によるカートリッジ。
実施例20
封止面は、ヒーター組立品が第一の位置にある時に、ハウジングと液密シールを形成する、実施例1~19のいずれか一つによるカートリッジ。
実施例21
ヒーター組立品は、複数の発熱体を含む、実施例1~20のいずれか一つによるカートリッジ。
実施例22
ヒーター組立品が第二の位置にある時に、空気吸込み口から、発熱体を通過して空気出口へと延びる、カートリッジを通した気流チャネルを備える、実施例1~21のいずれか一つによるカートリッジ。
実施例23
空気出口は、外側ハウジングのマウスピース部分にある、実施例22によるカートリッジ。
実施例24
液体貯蔵部は、気流チャネルの一部分を包囲する、実施例22または23によるカートリッジ。
実施例25
発熱体の少なくとも一部分は、気流チャネル内に位置付けられる、実施例22、23または24によるカートリッジ。
実施例26
ヒーター組立品は、貯蔵部から離れて面し、カートリッジの外部からアクセス可能である係合面を含み、気流チャネルは係合面を通って延びる、実施例22~25のいずれか一つによるカートリッジ。
実施例27
液体貯蔵部は、封止箔を含み、第二の位置において、穿刺要素は封止箔を貫通する、実施例1~26のいずれか一つによるカートリッジ。
実施例28
ヒーター組立品はヒーターホルダーを含み、ヒーターホルダーは、穿刺要素または複数の穿刺要素を含み、ヒーターホルダーは、発熱体を支持する、実施例1~27のいずれか一つによるカートリッジ。
実施例29
穿刺素要素または複数の穿刺要素を含むヒーターホルダーは、単一の成形された構成要素である、実施例28によるカートリッジ。
実施例30
ヒーターホルダーは、中央穴を含み、発熱体は、ヒーターホルダーによって支持されて中央穴にわたるか、または中央穴内に延びる、実施例28または29によるカートリッジ。
実施例31
気流チャネルは中央穴を通過する、実施例30によるカートリッジ。
実施例32
液体チャネルは中央穴を通過する、実施例30によるカートリッジ。
実施例33
中央穴は、カートリッジの長軸方向軸に沿って延びる、実施例30、31、または32によるカートリッジ。
実施例34
液体貯蔵部は環状断面を有する、実施例1~33のいずれか一つによるカートリッジ。
実施例35
実施例1~34のいずれか一つによるカートリッジと、カートリッジに連結するように構成された再使用可能な装置とを備え、再使用可能な装置は、発熱体にエネルギーを提供するための電源を含む、エアロゾル発生システム。
実施例36
システムは、カートリッジが再使用可能な装置に連結される結果として、ヒーター組立品が第一の位置から第二の位置へと移動するように構成されている、実施例35によるエアロゾル発生システム。
実施例37
再使用可能な装置は、カートリッジが再使用可能な装置に連結された時に、加熱組立品上の係合面と係合して、ヒーター組立品を第二の位置へと付勢する接触面を含み、加熱組立品上の係合面は、貯蔵部から離れて面している、実施例36によるエアロゾル発生システム。
実施例38
カートリッジと再使用可能な装置との間に、スナップ嵌め機構、ねじ嵌め機構、または押し嵌め機構などの機械的係合機構を備える、実施例35、36または37によるエアロゾル発生システム。
実施例39
再使用可能な部分は、発熱体を通して変化する磁束を生成するように構成された一つ以上のインダクタコイルを含む、実施例35~38のいずれか一つによるエアロゾル発生システム。
実施例40
インダクタコイルの少なくとも一つは平面状のインダクタコイルであり、サセプタ素子は、平面状であり、平面状の誘導コイルに平行に配設される、実施例39によるエアロゾル発生システム。
実施例41
再使用可能な装置は、ヒーター組立品を含むカートリッジの少なくとも一部分を受容するように構成された空洞を含む、実施例35~40のいずれか一つによるエアロゾル発生システム。
実施例42
再使用可能な装置は、空洞の周りに位置付けられた一つ以上のインダクタコイルを含む、実施例41によるエアロゾル発生システム。
実施例43
再使用可能な装置は、空洞内に位置付けられた一つ以上のインダクタコイルを含む、実施例41または42によるエアロゾル発生システム。
実施例44
エアロゾル発生システムであって、
封止された液体貯蔵部を収容するハウジングと、
外側ハウジング内のヒーター組立品であって、発熱体および穿刺要素を含み、穿刺要素が封止された液体貯蔵部から離れている第一の位置から穿刺要素が液体貯蔵部を貫通する第二の位置へと、外側ハウジングに対して移動可能であるヒーター組立品と、発熱体にエネルギーを提供するための電源とを備える、エアロゾル発生システム。
実施例45
発熱体を通して変化する磁束を生成するように構成された一つ以上のインダクタコイルを備える、実施例44によるエアロゾル発生システム。
実施例46
インダクタコイルの少なくとも一つは平面状のインダクタコイルであり、サセプタ素子は、平面状であり、平面状の誘導コイルに平行に配設される、実施例45によるエアロゾル発生システム。
実施例47
封止された液体貯蔵部は、システムの別個の交換可能な構成要素である、実施例44~46のいずれか一つによるエアロゾル発生システム。
実施例48
封止された液体貯蔵部を収容するハウジングと、ハウジング内のヒーター組立品であって、変化する磁界および穿刺要素の貫通によって加熱されるように構成されたサセプタ素子および穿刺要素を含み、穿刺要素が封止された液体貯蔵部から離れている第一の位置から穿刺要素が液体貯蔵部を貫通する第二の位置へと、封止された液体貯蔵部に対して移動可能であるヒーター組立品とを備える、エアロゾル発生装置のためのカートリッジ。
実施例49
ヒーター組立品は、ヒーター組立品が第二の位置にある時に、サセプタの加熱表面に液体を運ぶための輸送材料を含む、実施例48によるカートリッジ。
実施例50
サセプタ素子が実質的に平面状である、実施例48または49によるカートリッジ。
実施例51
ヒーター組立品は、管状であり、内部通路を画定し、サセプタ素子は、内部通路内に延びる、実施例48~50のいずれか一つによるカートリッジ。
実施例52
サセプタ素子は、内部通路にわたって延びる、実施例51によるカートリッジ。
実施例53
内部は、実質的に長軸方向軸に沿って延び、サセプタ素子は、実質的に平面状であり、長軸方向軸に平行に延びる、実施例48~52のいずれか一つによるカートリッジ。
実施例54
内部通路は、実質的に長軸方向軸に沿って延び、サセプタ素子は、実質的に平面状であり、長軸方向軸に対して直角を成して延びる、実施例48~52のいずれか一つによるカートリッジ。
実施例55
カートリッジは、ユーザーの口内に定置されるように構成された口側端と、口側端の反対側の接続端とを有し、第一の位置にあるヒーター組立品は、接続端に位置付けられる、実施例48~54のいずれか一つによるカートリッジ。
【0124】
ここで、以下の図を参照しながら実施例をさらに記述する。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【
図1】
図1(a)は、本開示の一実施例によるエアロゾル発生システムの概略図を示し、
図1(b)は、
図1(a)のエアロゾル発生システムをエアロゾル発生システムの中央長軸方向軸を中心として90度回転させた概略図を示す。
【
図2】
図2(a)は、
図1(a)および1(b)のエアロゾル発生システムで使用するためのカートリッジの概略図を示し、
図2(b)は、
図2(a)のカートリッジをカートリッジの中央長軸方向軸を中心として90度回転させた概略図を示し、
図2(c)は、
図2(a)のカートリッジの概略図を示し、カートリッジは使用構成にある。
【
図3】
図3(a)は、
図1(a)および1(b)のカートリッジのサセプタ組立品の側面図を示し、
図3(b)は、
図3(a)のサセプタ組立品の斜視図を示し、
図3(c)は、
図3(a)のサセプタ組立品の平面図を示す。
【
図4】
図4(a)は、本発明の一実施例によるヒーター組立品の斜視図であり、
図4(b)は、
図3(b)のヒーター組立品の断面である。
【
図5】
図5(a)は、使用前の第一の、
図3(a)に示されるヒーター組立品を含むカートリッジの部分図であり、
図5(b)は、使用準備が整った第二の、
図3(a)に示すヒーター組立品を含むカートリッジの第二の部分図である。
【
図6】
図6(a)は、本開示の別の実施例によるエアロゾル発生システムのためのカートリッジの概略図を示し、カートリッジは貯蔵構成にあり、
図6(b)は、
図6(a)のカートリッジの概略図を示し、カートリッジは使用構成にある。
【
図7】
図7(a)は、本開示の第二の実施例によるエアロゾル発生システムの概略図を示し、エアロゾル発生システムは、エアロゾル発生装置内に受容された
図6(a)および6(b)のカートリッジを備え、
図7(b)は、
図7(a)のエアロゾル発生システムをエアロゾル発生システムの中央長軸方向軸を中心として90度回転させた概略図を示す。
【
図7】
図8(a)は、本開示の別の実施例によるエアロゾル発生システムの概略図を示し、
図8(b)は、
図8(a)のエアロゾル発生システムをエアロゾル発生システムの中央長軸方向軸を中心として90度回転させた概略図を示す。
【
図8】
図9(a)は、
図8(a)および8(b)のエアロゾル発生システムのためのカートリッジの概略図を示し、
図9(b)は、カートリッジの中央長軸方向軸を中心として90度回転させた
図9(a)のカートリッジの概略図を示し、
図9(c)は、
図9(a)のカートリッジの概略図を示し、カートリッジは使用構成にある。
【発明を実施するための形態】
【0126】
図1(a)は、本開示の一実施例によるエアロゾル発生システムの概略図を示す。
図1(b)は、
図1(a)のエアロゾル発生システムをエアロゾル発生システムの中央長軸方向軸を中心として90度回転させた概略図を示す。システムは、カートリッジ10および装置60を備え、これらは一緒に連結されてエアロゾル発生システムを形成する。エアロゾル発生システムは携帯型であり、従来の葉巻たばこまたは紙巻たばこに匹敵するサイズを有する。
【0127】
カートリッジ10を、
図2(a)、2(b)および2(c)に単独で示す。
図2(a)は、使用前の、ヒーター組立品が第一の位置にあるカートリッジを示す。
図2(b)は、カートリッジの中央長軸方向軸を中心として90度回転させたカートリッジを示す。
図2(c)は、ヒーター組立品が第二の位置に移動した、使用構成にあるカートリッジを示す。
【0128】
カートリッジ10は、ヒーターホルダーに取り付けられたサセプタ組立品を含む、ヒーター組立品を備える。サセプタ組立品12は、
図3(a)、3(b)および3(c)により詳細に示されている。サセプタ組立品12は、平面状で薄く、長さ寸法および幅寸法よりも実質的に小さな厚さ寸法を有する。サセプタ組立品12は、十字の形態に成形され、三つの層、第一のサセプタ素子16、第二のサセプタ素子18、および第一のサセプタ素子16と第二のサセプタ素子18との間に配設されたウィッキング要素20を含む。第一のサセプタ素子16、第二のサセプタ素子18、およびウィッキング要素20の各々は、概して十字の形状を形成し、各要素は、同じ長さ寸法および幅寸法を有する。第一のサセプタ素子16および第二のサセプタ素子18は実質的に同一であり、以下でより詳細に説明するように、フェライト系ステンレス鋼フィラメントおよびオーステナイト系ステンレス鋼フィラメントから形成される焼結メッシュを含む。ウィッキング要素20は、多孔性のレーヨンフィラメントの本体を含む。ウィッキング要素20は、ウィッキング要素20の露出した外表面から第一のサセプタ素子16および第二のサセプタ素子18に液体を送達するように構成されている。
【0129】
第一のサセプタ素子16および第二のサセプタ素子18の各々は、一対の取り付け領域22および加熱領域24を含む。加熱領域24は、サセプタ素子16、18の中央に位置する実質的に長方形の領域である。一対の取り付け領域22もまた、加熱領域24の対向する側面において、加熱領域24の周辺に位置する実質的に長方形の領域である。この実施形態では、取り付け領域22は、加熱領域24の長さに沿って同じ中央位置に配設される。
【0130】
一対の取り付け領域22の各々は、加熱領域24よりも小さな表面積を有する。取り付け領域22の各々の長さlmは、加熱領域24の長さlhよりも短く、取り付け領域22の各々の幅wmは、加熱領域24の幅whよりも小さい。この実施形態では、加熱領域24は、約6.50ミリメートルの長さlh、および約3.50ミリメートルの幅whを有し、取り付け領域22の各々は、約2.50ミリメートルの長さlm、および約1.15ミリメートルの幅wmを有する。そのため、第一のサセプタ素子16および第二のサセプタ素子18の各々は、約6.50ミリメートルの合計最大長さ、および約5.80ミリメートルの合計最大幅を有する。
【0131】
加熱領域24は、エアロゾル形成基体を気化するために、交番磁界による貫通によって加熱可能であるように構成されている。一対の取り付け領域22は、ヒーターホルダー14がカートリッジ10内の所定位置にサセプタ組立品12を支持できるように、ヒーターホルダー14に接触するように構成されている。一対の取り付け領域22は、サセプタ組立品12からヒーターホルダー14への熱伝達を最小化するように構成されている。
【0132】
第一のサセプタ素子16および第二のサセプタ素子18の各々は、第一の方向に延びるフィラメント、および第一の方向に対して実質的に直角を成す第二の方向に延びるフィラメントを有するメッシュを含む。加熱領域24は、第一の方向および第二の方向の両方に延びる、AISI410ステンレス鋼のフィラメント、フェライト系ステンレス鋼を含む。一対の取り付け領域22は、第一の方向に延びるAISI410ステンレス鋼のフィラメント、および第二の方向に延びるオーステナイト系ステンレス鋼であるAISI316ステンレス鋼のフィラメントを含む。したがって、加熱領域24は、磁性材料からなり、一対の取り付け領域22は、一部が磁性材料からなり、一部が非磁性材料からなる。加熱領域24のAISI410ステンレス鋼の重量割合は、一対の取り付け領域22の各々におけるAISI410ステンレス鋼の重量割合よりも大きい。
【0133】
第一のサセプタ素子16および第二のサセプタ素子18に、加熱領域24と比較して低減された断面を有し、非磁性材料からの取り付け領域22を少なくとも部分的に含む、取り付け領域22を提供することは、サセプタ素子が交番磁界によって貫通される時の取り付け領域22の加熱を低減するのに役立つ。こうした構成はまた、サセプタ組立品12からヒーターホルダー14への熱伝達を低減するのにも役立つ。
【0134】
当然のことながら、他の実施形態では、加熱領域24および一対の取り付け領域22は、磁性材料および非磁性材料の他の組み合わせから形成されてもよい。例えば、一部の実施形態では、加熱領域24は、第一の方向に延びるフェライト系ステンレス鋼であるAISI410ステンレス鋼のフィラメント、および第二の方向に延びるオーステナイト系ステンレス鋼であるAISI316ステンレス鋼のフィラメントを含む。これらの実施形態では、一対の取り付け領域22は、第一および第二の方向の両方に延びるAISI316ステンレス鋼のフィラメントを含んでもよい。したがって、これらの実施形態では、加熱領域24は、一部が磁性材料からなり、一部が非磁性材料からなり、一対の取り付け領域22は、非磁性材料からなる。
【0135】
ヒーターホルダー14は、ポリプロピレンなどの成形可能プラスチック材料から形成された管状本体を含む。ヒーターホルダー14の管状本体は、開放端を有する内部通路26を画定する側壁を含む。一対の開口部28は、管状ヒーターホルダー14の対向する側面において側壁を通って延びる。開口部28は、ヒーターホルダー14の長さに沿って中央に配設される。
【0136】
サセプタ組立品12は、管状ヒーターホルダー14の内部通路26の内部に配設され、ヒーターホルダー14の中央長軸方向軸に平行な平面に延びる。第一のサセプタ素子16および第二のサセプタ素子18の加熱領域24は、全体がヒーターホルダー14の内部通路26内に配設され、取り付け領域22の各々は、ヒーターホルダー14の側壁の開口部28の一方を通って延びる。ヒーターホルダー14の側壁の開口部28は、サセプタ組立品がヒーターホルダー14内に固定されるように、摩擦嵌合によってサセプタ組立品12を収容するようにサイズ設定される。サセプタ組立品12とヒーターホルダー14との間の摩擦嵌合により、取り付け領域22は、開口部28においてヒーターホルダー14と直接的に接触する。サセプタ組立品12およびヒーターホルダー14は、ヒーターホルダー14の移動によりサセプタ組立品12も移動するように、一緒に固定される。
【0137】
当然のことながら、サセプタ組立品12およびヒーターホルダー14は、他の手段によって一緒に固定されてもよい。例えば、一部の実施形態では、取り付け領域22がヒーターホルダー14と間接的に接触するように、サセプタ組立品12は、サセプタ組立品12の取り付け領域22において接着剤によってヒーターホルダー14に固定される。
【0138】
ヒーターホルダー14は、内部通路26の一方の端を部分的に閉じる基部30を含む。基部30は、部分的に閉じられた端を通して空気が内部通路26内に引き出されることを可能にする複数の空気吸込み口32を含む。
【0139】
ヒーターホルダー14は、側壁の外表面から、基部30によって部分的に閉じられた端の反対側にあるヒーターホルダー14の開放端に向かって延びる一対の穿刺要素34をさらに含む。ヒーターホルダー14の側壁の開口部28は、穿刺要素34が管状ヒーターホルダーの側壁の周りに開口部28から約90度オフセットされるように、側壁の周りに穿刺要素34間に配設される。穿刺要素34の各々は、ヒーターホルダー14の開放端の方向に面する中空のスパイクを含む。
【0140】
カートリッジ10は、ポリプロピレンなどの成形可能プラスチック材料から形成される外側ハウジング36をさらに含む。外側ハウジング36は、概して中空の円筒を形成し、サセプタ組立品12およびヒーターホルダー14が包含される内部空間を画定する。
【0141】
外側ハウジング36は、カートリッジ10の第一の部分を形成し、サセプタ組立品12およびヒーターホルダー14は、カートリッジ10の第二の部分を形成する。カートリッジの第二の部分は、
図2(a)および2(b)に示す貯蔵構成と、
図2(c)に示す使用構成との間で、カートリッジの第一の部分に対して摺動可能である。
【0142】
カートリッジ10は、口側端と、口側端とは反対側の接続端とを有する。外側ハウジング36は、カートリッジ10の口側端に口側端開口部38を画定する。接続端は、以下で詳細に説明するように、カートリッジ10をエアロゾル発生装置に接続するように構成されている。サセプタ組立品12およびヒーターホルダー14は、カートリッジ10の接続端に向かって位置する。外側ハウジング36の外部幅は、ショルダー部37によって結合される接続端におけるよりも、カートリッジ10の口側端においてより大きい。これにより、カートリッジの接続端がエアロゾル発生装置の空洞内に受容され、ショルダー部37がカートリッジを装置内の正しい位置に位置付けることが可能になる。これはまた、カートリッジ10の口側端が、エアロゾル発生装置の外側にとどまり、口側端がエアロゾル発生装置の外部形状に適合することを可能にする。
【0143】
液体貯蔵部44は、液体エアロゾル形成基体42を保持するためにカートリッジ内に画定される。液体貯蔵部44は、外側ハウジング36の口側端に向かって位置し、外側ハウジング36によって画定される環状空間を含む。環状空間は、口側端開口部38とヒーターホルダー14の内部通路26の開放端との間に延びる内部通路48を有する。貯蔵部が穿刺された後に液体が貯蔵部から流入する環状空間46は、外側ハウジング36の接続端に向かって位置し、外側ハウジング36の内表面とヒーターホルダー14の外表面との間に画定される。管状ヒーターホルダー14の基部20には、管状サセプタ14の外表面と外側ハウジング36の内表面との間に延びる環状のリブ付きエラストマーガスケット50が提供されている。ガスケット50は、ヒーターホルダー14と外側ハウジング36との間に液密シールを提供し、液体貯蔵部40の第二の部分46が液体エアロゾル形成基体42を確実に保持できるようにする。
【0144】
基部30は、カートリッジが装置と係合した時に、再使用可能なエアロゾル発生装置の空洞64内で突出部63上の接触面と係合する係合面を含む。
【0145】
液体貯蔵部44は、ヒーターホルダーの穿刺要素34によって穿刺可能であるアルミ箔シール52によって流体的に単離されて、以下により詳細に説明するように、液体エアロゾル形成基体42が空間46内およびヒーター組立品に流入することを可能にする。
【0146】
空気通路は、ヒーターホルダー14の内部通路26、および液体貯蔵部40の第一の部分44を通した内部通路48によって、カートリッジ10を通して形成される。空気通路は、ヒーターホルダー14の基部30の空気吸込み口32から、ヒーターホルダー14の内部通路26を通り、液体貯蔵部40の第一の部分44の内部通路48を通って口側端開口部38まで延びる。空気通路は、接続端から口側端までカートリッジ10を通して空気を引き出すことを可能にする。
【0147】
図2(a)および2(b)に示す貯蔵構成では、ヒーターホルダー14の基部30は、外側ハウジング36から延び、ヒーターホルダー14の穿刺要素34は、カートリッジ10の接続端の方向にシール52から離隔している。この構成では、液体エアロゾル形成基体42は、液体貯蔵部44内に保持され、シール52によって空間46から単離される。したがって、貯蔵構成では、サセプタ組立品12は、エアロゾル形成基体42から単離される。有利なことに、液体エアロゾル形成基体42を貯蔵部44内に封止することは、カートリッジが貯蔵構成にある間に、液体エアロゾル形成基体42がカートリッジ10から漏れることを完全に防止し得る。
【0148】
使用構成では、
図2(c)に示すように、ヒーターホルダー14およびサセプタ組立品12は、口側端に向かって外側ハウジング36内に押し込まれる。ヒーターホルダー14が突出部63との係合によって外側ハウジング36の口側端に向かって押し出されると、ヒーターホルダー14の基部30におけるガスケット50は、外側ハウジング36の内表面上を摺動し、ヒーターホルダー14の基部が外側ハウジング内に受容された時に、外側ハウジング36の内表面と管状ヒーターホルダー本体の外表面との間の液密シールを維持する。ヒーターホルダー14の穿刺要素34が口側端に向かって移動すると、穿刺要素34がシール52に接触してこれを穿刺し、液体貯蔵部44と空間46との間の流体連通が可能になる。液体貯蔵部44内の液体エアロゾル形成基体42が、空間46内に放出され、サセプタ組立品12は、液体エアロゾル形成基体42に露出される。使用構成では、第一のサセプタ素子16および第二のサセプタ素子18の取り付け領域22、および空間46内に延びるウィッキング要素20の対応する部分は、液体エアロゾル形成基体42を空間46から、第一のサセプタ素子16および第二のサセプタ素子18の加熱領域24に引き出すことができる。結果として、使用構成では、カートリッジ10は、エアロゾル形成基体42を加熱することによってエアロゾルを発生するための使用準備が整っている。
【0149】
エアロゾル発生装置60は、接続端および接続端の反対側に遠位端を有する、略円筒形ハウジング62を含む。カートリッジの接続端を受容するための空洞64は、装置60の接続端に位置し、空気吸込み口65は、空洞64の基部において外側ハウジング62を通して提供され、基部において周囲空気を空洞64内に引き出すことを可能にする。
【0150】
装置60は、ハウジング62内に配設された誘導加熱配設をさらに含む。誘導加熱配設は、一対のインダクタコイル66、68、制御回路70、および電源72を含む。電源72は、装置の遠位端における電気コネクタ(図示せず)を介して再充電可能な、再充電可能なニッケルカドミウム電池を含む。制御回路70は、制御回路70がインダクタコイル66、68への電力供給を制御するように、電源72、および第一のインダクタコイル66および第二のインダクタコイル68に接続される。制御回路70は、第一のインダクタコイル66および第二のインダクタコイル68に交流電流を供給するように構成されている。
【0151】
一対のインダクタコイルは、第一のインダクタコイル66および第二のインダクタコイル68を含む。第一のインダクタコイル66は、空洞64の第一の側面に配設され、第二のインダクタコイル68は、第一のインダクタコイル66とは反対側の空洞64の第二の側面に配設される。インダクタコイル66、68の各々は実質的に同一であり、長方形の断面のワイヤから形成される長方形の断面を有する平面状のコイルを含む。インダクタコイル66、68の各々は、実質的に平面に延び、第一のインダクタコイル66は第一の平面に延び、第二のインダクタコイル68は第二の平面に延びる。第一および第二の平面は、互いに実質的に平行であり、装置60の接続端において空洞64の中央長軸方向軸に実質的に平行に延びる。カートリッジ10が空洞64内に受容されると、サセプタ組立品12は、第一のインダクタコイル66と第二のインダクタコイル68との間に配設され、サセプタ組立品12の平面は、第一および第二の平面と実質的に平行に配設される。
【0152】
空洞内に磁界を包含および集中させるために、インダクタコイルの各々の周りに磁束集中器69が提供される。磁束集中器69は、鉄などの磁性材料から形成されてもよい。
【0153】
第一のインダクタコイル66および第二のインダクタコイル68の各々は、交流電流がインダクタコイル66、68に供給された時に、インダクタコイルが空洞64内に交番磁界を生成するように構成されている。インダクタコイル66、68の各々によって生成される交番磁界は、サセプタ組立品12、およびサセプタ素子16、18の平面に対して実質的に直角を成して方向付けられる。
【0154】
誘導加熱配設はまた、第二のインダクタコイル68が、第一のインダクタコイル66によって空洞64内に生成される交番磁界と同等かつ反対の交番磁界を空洞64内に生成するように構成されている。この実施形態では、第一のインダクタコイル66および第二のインダクタコイル68は、直列に一緒に接続され、実質的に同一であるが、反対の向きに巻かれる。この構成では、第一のインダクタコイル66および第二のインダクタコイル68は、実質的に等しい大きさであるが実質的に反対方向の交番磁界を空洞64内に生成する。
【0155】
図4(a)は、ヒーターホルダー14およびサセプタ組立品12の斜視図である。
図4(b)は、90度回転させた
図4(a)の断面である。ヒーターホルダーは、成形プラスチック部品であり、概して管状である。ヒーターホルダーは、管状ヒーターホルダーの対向する側面に、一体型の中空の穿刺要素34を含む。ヒーターホルダーの中央穴は、カートリッジを通した気流通路の一部を形成する。サセプタ組立品12は、気流通路の軸と略平行に配設される。穿刺要素34が液体貯蔵部の箔シールを貫通すると、液体が中空の穿刺要素を通して空間46に流入し、そこからサセプタ組立品の端に引き出されることが分かる。
【0156】
図5(a)は、使用前の第一の位置にある、カートリッジ内の
図4(a)および4(b)のヒーターホルダーおよびサセプタ組立品の斜視図である。
図5(b)は、ヒーター組立品が第二の位置に押し込まれた
図5(b)のカートリッジを示す。
【0157】
図5(a)では、基部30は外側ハウジング36から突出している。穿刺要素34は、箔封止部材52を貫通しておらず、液体は貯蔵部44に保持されている。
【0158】
図5(b)では、穿刺要素34が、箔封止部材を通して押し込まれるように、基部30が外側ハウジング36内に押し込まれている。次に、貯蔵部内の液体は、空間46に流入し、サセプタ組立品12と接触する。
【0159】
この配設は、液体貯蔵部をシステムの使用直前に開封する便利な方法を提供することが分かる。ユーザーは、カートリッジを再使用可能な装置の構成要素に連結する前に、貯蔵部を開封するために追加のアクションを行う必要はない。
【0160】
封止部材52は、ここまで箔を含むものとして説明してきたが、当然のことながら、封止部材を穿孔する時に、穿刺要素の周りに封止するプラグまたはセプタムの形態を取ってもよい。これにより、ガスケット50を必要としない代替的な設計が可能になり得る。
【0161】
図6(a)および6(b)は、本開示の別の実施形態による、エアロゾル発生装置のためのカートリッジ10の概略図を示す。
図6(a)に示すカートリッジ10は、
図2(a)、2(b)および2(c)に示すカートリッジ10と実質的に類似しており、同様の特徴を示すために、同様の参照番号が使用される。
【0162】
カートリッジ10は、ヒーターホルダー14に取り付けられた二つのサセプタ組立品12を含む。各サセプタ組立品12は、平面状で薄く、文字「C」の形態に成形される。各サセプタ組立品12は、
図3(a)~3(c)のサセプタ組立品12と同じ三つの層状構成を有し、第一のサセプタ素子と第二のサセプタ素子(図示せず)との間に配設されたウィッキング要素を有する。各サセプタ素子は、長方形の加熱領域と、加熱領域の対向する端に、加熱領域の一方の側面に配設された二つの取り付け領域とを有する。
【0163】
ヒーターホルダー14は、開放端を有する内部通路26を画定する側壁を含む管状本体を含む。二対の開口部28は、側壁を通って延び、各対の開口部28は、ヒーターホルダー14の一方の側面に位置する一つの開口部、およびヒーターホルダー14の反対の側面に位置する別の開口部を有する。
【0164】
この実施形態では、二つのサセプタ組立品12の各々は、管状ヒーターホルダー14の内部通路26の実質的に外側に配設され、ヒーターホルダー14の中央長軸方向軸に平行な平面に延びる。各サセプタ素子の加熱領域は、全体が内部通路26の外側に配設され、取り付け領域の各々は、ヒーターホルダーの側壁の開口部28の一方を通って延びる。
【0165】
ヒーターホルダーは、内部通路26の一方の端を部分的に閉じる基部30を含む。この実施形態では、基部30は、内部通路が液体を保持するように構成されるように、内部通路26と液密シールを形成する。基部30は、複数の空気吸込み口32を含むが、空気吸込み口32は、内部通路26の外側に配設される。
【0166】
ヒーターホルダー14は、側壁の内表面から、ヒーターホルダー14の中央長軸方向軸に向かって内部通路26内に延びる一対の穿刺要素34をさらに含む。
【0167】
カートリッジ10は、概して中空の円筒を形成し、サセプタ組立品12およびヒーターホルダー14が包含される内部空間を画定する、外側ハウジング36をさらに備える。外側ハウジング36は、カートリッジ10の第一の部分を形成し、サセプタ組立品12およびヒーターホルダー14は、カートリッジ10の第二の部分を形成する。カートリッジの第二の部分は、
図6(a)に示す貯蔵構成と、
図6(b)に示す使用構成との間で、カートリッジの第一の部分に対して摺動可能である。
【0168】
カートリッジ10は、口側端開口部38を画定する口側端と、カートリッジ10のエアロゾル発生装置への接続のために構成された接続端とを有する。サセプタ組立品12およびヒーターホルダー14は、カートリッジ10の接続端に向かって位置する。外側ハウジング36の外部幅は、ショルダー部37によって結合される接続端におけるよりも、カートリッジ10の口側端においてより大きい。
【0169】
液体貯蔵部40は、液体エアロゾル形成基体42を保持するためにカートリッジ内に画定される。液体貯蔵部44は、外側ハウジング36の口側端に向かって位置し、外側ハウジング36の内壁によって画定される円筒形の空間を含む。空間46は、外側ハウジング36の接続端に向かって位置し、ヒーターホルダー14の内部通路26によって画定される円筒形の空間を含む。
【0170】
液体貯蔵部44および空間46は、アルミ箔シール52によって互いから流体的に単離され、アルミ箔シール52は、液体エアロゾル形成基体42が液体貯蔵部の第一の部分44と第二の部分46との間で流れることを可能にするように、ヒーターホルダーの穿刺要素34によって穿刺可能である。
【0171】
第一の通路48は、液体貯蔵部44を画定する内壁の外表面と、外側ハウジング36の外壁の内表面との間に画定される。第一の通路48は、口側端開口部38とヒーターホルダー14との間に延びる。第二の通路49は、外側ハウジング36の外壁の内表面とヒーターホルダー14の外表面との間に画定される。管状ヒーターホルダー14の基部30には、管状サセプタ14の外表面と外側ハウジング36の外壁の内表面との間に延びる環状のリブ付きエラストマーガスケット50が提供されている。ガスケット50は、ヒーターホルダー14と外側ハウジング36との間に気密シールを提供する。
【0172】
空気通路は、第一の通路48および第二の通路49によってカートリッジ10を通して形成される。空気通路は、ヒーターホルダー14の基部30の空気吸込み口32から、第二の通路49を通り、第一の通路48を通って口側端開口部38まで延びる。空気通路は、接続端から口側端までカートリッジ10を通して空気を引き出すことを可能にする。
【0173】
貯蔵構成では、
図6(a)に示すように、ヒーターホルダー14の基部30は、外側ハウジング36から延び、ヒーターホルダー14の穿刺要素34は、カートリッジ10の接続端の方向にシール52から離隔している。この構成では、液体エアロゾル形成基体42は、液体貯蔵部44内に保持され、シール52によって空間46から単離される。
【0174】
使用構成では、
図6(b)に示すように、ヒーターホルダー14およびサセプタ組立品12は、口側端に向かって外側ハウジング36内に押し込まれる。ヒーターホルダー14が外側ハウジング36の口側端に向かって押し出されると、ヒーターホルダー14の基部30におけるガスケット50は、外側ハウジング36の内表面上を摺動し、ヒーターホルダー14の基部が外側ハウジング内に受容された時に、外側ハウジング36の内表面と管状ヒーターホルダー本体の外表面との間の気密シールを維持する。ヒーターホルダー14の穿刺要素34が口側端に向かって移動すると、穿刺要素34がシール52に接触してこれを穿刺し、液体貯蔵部44と空間46との間の流体連通が可能になる。液体貯蔵部44内の液体エアロゾル形成基体42は、空間44内に放出され、サセプタ組立品12は、液体エアロゾル形成基体42に露出される。使用構成では、サセプタ素子の取り付け領域22、および液体貯蔵部40の第二の部分46内に延びるウィッキング要素の対応する部分は、液体エアロゾル形成基体42を空間46から、サセプタ素子の加熱領域24に引き出すことができる。
【0175】
図7(a)および7(b)は、エアロゾル発生装置60内に受容された、使用構成における
図6(a)および6(b)のカートリッジ10を備えるエアロゾル発生システムを示す。
図7(b)は、システムの長軸方向軸を中心として90度回転させた
図7(a)のエアロゾル発生システムを示す。エアロゾル発生装置60は、
図1(a)および1(b)に示されるエアロゾル発生装置60と実質的に類似しており、同様の特徴を指定するために同様の参照符号が使用される。
【0176】
エアロゾル発生装置60は、接続端および接続端の反対側に遠位端を有する、略円筒形ハウジング62を含む。カートリッジの接続端を受容するための空洞64は、装置60の接続端に位置し、空気吸込み口65は、空洞64の基部において外側ハウジングを通して提供され、基部において周囲空気を空洞64内に引き出すことを可能にする。空洞は空洞の基部に、カートリッジが空洞内に挿入された時に、カートリッジの基部上の係合面がそれに対して押し付けられる接触面を提供する突出部63を含む。これにより、ヒーター組立品が第二の位置に付勢される。
【0177】
装置60は、ハウジング62内に配設された誘導加熱配設をさらに含む。誘導加熱配設は、二対のインダクタコイル、制御回路70、および電源72を含む。
図7(b)では、一対のインダクタコイル90、91のみが見える。電源72は、装置の遠位端における電気コネクタ(図示せず)を介して再充電可能な、再充電可能なニッケルカドミウム電池を含む。制御回路70は、制御回路70がインダクタコイル90への電力供給を制御するように、電源72、およびインダクタコイル90に接続される。制御回路70は、インダクタコイル90に交流電流を供給するように構成されている。
【0178】
インダクタコイルは、カートリッジ10が空洞64内に受容された時に、各サセプタ組立品12の周りに位置付けられた一対の対向する平面状のインダクタコイルを含む。インダクタコイルは、サセプタ素子の加熱領域のサイズおよび形状と一致するサイズおよび形状を有する。
【0179】
インダクタコイル90、91は、交流電流がインダクタコイルに供給される時に、インダクタコイルがサセプタ組立品12の対向する側面に交番磁界を生成するように構成されている。インダクタコイルによって生成される交番磁界は、サセプタ組立品12の平面、およびサセプタ素子に対して実質的に直角を成して方向付けられる。代替として、空洞の周りに位置付けられた単一のらせん状コイルを代わりに使用してもよい。
【0180】
動作中、ユーザーがカートリッジ10の口側端開口部38を吸煙すると、周囲空気は、
図7(a)の矢印によって示されるように、空気吸込み口65を通して空洞64の基部内に引き出され、カートリッジ10の基部30の空気吸込み口32を通してカートリッジ10内に引き出される。周囲空気は、空気通路、およびサセプタ組立品12上を通って、基部30から口側端開口部38へとカートリッジ10を通して流れる。
【0181】
制御回路70は、システムが起動された時に、電源72からインダクタコイル90、91への電力の供給を制御する。制御回路72は気流センサー(図示せず)を含んでもよく、また制御回路72は、ユーザーがカートリッジ10を吸煙した時が気流センサーによって検出された時に、インダクタコイル66に電力を供給してもよい。
【0182】
システムが起動されると、交流電流が、インダクタコイル90、91に確立され、これが、サセプタ組立品12を貫通する交番磁界を空洞64内に生成し、サセプタ素子の加熱領域が加熱される。空間46における液体エアロゾル形成基体は、ウィッキング要素を通してサセプタ組立品12内に、サセプタ素子の加熱領域へと引き出される。サセプタ素子の加熱領域における液体エアロゾル形成基体が加熱され、加熱されたエアロゾル形成基体からの揮発性化合物がカートリッジ10の空気通路内に放出され、これが冷却されてエアロゾルを形成する。エアロゾルは、カートリッジ10の空気通路を通して引き出される空気に同伴され、ユーザーによる吸入のために口側端開口部38においてカートリッジ10から引き出される。
【0183】
図8(a)および8(b)は、誘導加熱ではなく抵抗加熱を使用した、別の実施形態のエアロゾル発生システムを示す。
図8(b)は、システムの長軸方向軸を中心として90度回転させた
図8(a)のエアロゾル発生システムを示す。エアロゾル発生装置100は、
図1(a)および1(b)に示されるエアロゾル発生装置60と類似しており、同様の特徴を指定するために同様の参照符号が使用される。しかしながら、インダクタコイルの代わりとして、一対の電気接点110が空洞64内に提供されている。電気接点110はまた、
図9(c)を参照して以下に記載するように、カートリッジのヒーター組立品を第二の位置へと付勢する接触面を提供する。電気接点は、制御回路70の制御下で、電源72からカートリッジ120に電力を提供する。
【0184】
図8(a)および8(b)の実施形態のカートリッジ120を、
図9(a)、9(b)および9(c)に別個に示す。
図9(a)は、使用前の、ヒーター組立品が第一の位置にあるカートリッジを示す。
図9(b)は、カートリッジの中央長軸方向軸を中心にして90度回転させたカートリッジを示す。
図9(c)は、ヒーター組立品が第二の位置に移動した、使用構成のカートリッジを示す。
【0185】
図9(a)、9(b)および9(c)のカートリッジ120は、誘導加熱サセプタ組立品の代わりに、抵抗加熱発熱体112がヒーターホルダー内に提供されていることを除いて、
図2(a)、2(b)および2(c)のカートリッジ10と同一である。発熱体112は、ステンレス鋼メッシュおよびウィッキング要素を含む。一対の電気コネクタ113は、発熱体の各側面に一つ、基部30を通って延び、装置100内の電気接点110との接続を可能にするように提供される。その他すべての点、特に液体貯蔵部を貫通するための配設について、カートリッジは、
図2(a)、2(b)および2(c)に示すカートリッジ10と同じである。カートリッジが装置100の空洞内に挿入されると、電気コネクタ113が接点100と係合する。カートリッジハウジングが遠位方向にさらに押し出されると、ヒーター組立品は、
図9(c)に示すように、カートリッジハウジング内の第二の位置へと押し出される。この位置では、液体貯蔵部が貫通され、液体が発熱体に輸送される。電気コネクタ113は、電気接点110と接触し、制御回路の制御下で電流を発熱体に供給することができる。
【国際調査報告】