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特表2023-541963機器同期校正方法、装置、機器及び記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-04
(54)【発明の名称】機器同期校正方法、装置、機器及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H04L 7/00 20060101AFI20230927BHJP
【FI】
H04L7/00 990
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023517788
(86)(22)【出願日】2021-09-16
(85)【翻訳文提出日】2023-03-20
(86)【国際出願番号】 CN2021118635
(87)【国際公開番号】W WO2022057844
(87)【国際公開日】2022-03-24
(31)【優先権主張番号】202010980816.0
(32)【優先日】2020-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521104470
【氏名又は名称】北京普源精電科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】RIGOL TECHNOLOGIES, INC.
【住所又は居所原語表記】Rm. 102, 1F-5F, Bldg. 4, Yard 9, Feng Hao Dong Lu, Haidian District, Beijing, China
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】蒋 文裕
(72)【発明者】
【氏名】▲キョウ▼ 桂強
(72)【発明者】
【氏名】王 悦
【テーマコード(参考)】
5K047
【Fターム(参考)】
5K047AA18
(57)【要約】
本願には、機器同期校正方法、装置、機器及び記憶媒体が開示され、当該方法は、少なくとも2台の機器のうちの2台の機器毎の間のタイムスタンプ同期ずれを取得することと、2台の機器毎の間のタイムスタンプ同期ずれが設定値であるか否かを判断することと、いずれかのタイムスタンプ同期ずれが設定値ではないという判断結果に基づいて同期校正命令を生成することと、を含んでもよく、そのうち、同期校正命令は、いずれかのタイムスタンプ同期ずれに対応する2台の機器に対して同期校正を行うために使用される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コントローラに応用される機器同期校正方法であって、
少なくとも2台の機器のうちの2台の機器毎の間のタイムスタンプ同期ずれを取得することと、
前記2台の機器毎の間のタイムスタンプ同期ずれが設定値であるか否かを判断することと、
いずれかのタイムスタンプ同期ずれが設定値ではないという判断結果に基づいて、前記いずれかのタイムスタンプ同期ずれに対応する2台の機器に対して同期校正を行うために使用される同期校正命令を生成することと、を含む、
機器同期校正方法。
【請求項2】
前記した、少なくとも2台の機器のうちの2台の機器毎の間のタイムスタンプ同期ずれを取得することは、
現在の2台の機器の第1のトリガ処理信号に対する第1のタイムスタンプ間隔を取得することと、
前記現在の2台の機器の第2のトリガ処理信号に対する第2のタイムスタンプ間隔を取得することと、
前記第1のタイムスタンプ間隔及び前記第2のタイムスタンプ間隔に応じて、前記現在の2台の機器の間のタイムスタンプ同期ずれを決定することと、
前記少なくとも2台の機器の中で現在の2台の機器のうちの少なくとも1台と異なる2台の機器を選出し、選出された2台の機器を現在の2台の機器とすることと、
前記少なくとも2台の機器のうちの2台の機器毎の間のタイムスタンプ同期ずれが取得されるまで、前記した、現在の2台の機器の第1のトリガ処理信号に対する第1のタイムスタンプ間隔を取得することと、前記現在の2台の機器の第2のトリガ処理信号に対する第2のタイムスタンプ間隔を取得することと、前記第1のタイムスタンプ間隔及び前記第2のタイムスタンプ間隔に応じて、前記現在の2台の機器の間のタイムスタンプ同期ずれを決定することと、前記少なくとも2台の機器の中で現在の2台の機器のうちの少なくとも1台と異なる2台の機器を選出し、選出された2台の機器を現在の2台の機器とすることの実行に戻ることと、を含む、
請求項1に記載の機器同期校正方法。
【請求項3】
前記した、現在の2台の機器の第1のトリガ処理信号に対する第1のタイムスタンプ間隔を取得することは、
前記現在の2台の機器のうちのいずれか一方の機器が第1のトリガ処理信号に対して記録した第1のタイムスタンプを取得することと、
前記現在の2台の機器のうちの他方の機器が第1のトリガ処理信号に対して記録した第2のタイムスタンプを取得することと、
前記第1のタイムスタンプ及び前記第2のタイムスタンプに応じて前記現在の2台の機器の前記第1のトリガ処理信号に対する第1のタイムスタンプ間隔を取得することと、を含み、
前記した、前記現在の2台の機器の第2のトリガ処理信号に対する第2のタイムスタンプ間隔を取得することは、
前記現在の2台の機器のうちのいずれか一方の機器が第2のトリガ処理信号に対して記録した第3のタイムスタンプを取得することと、
前記現在の2台の機器のうちの他方の機器が前記第2のトリガ処理信号に対して記録した第4のタイムスタンプを取得することと、
前記第3のタイムスタンプ及び第4のタイムスタンプに応じて前記現在の2台の機器の前記第2のトリガ処理信号に対する第2のタイムスタンプ間隔を取得することと、を含む、
請求項2に記載の機器同期校正方法。
【請求項4】
前記同期校正命令は、前段校正命令及び後段校正命令のうちの少なくとも1種類を含み、
前記前段校正命令は、前記いずれかのタイムスタンプ同期ずれに応じて自身のチャネル時間遅延を調整するよう、前記いずれかのタイムスタンプ同期ずれに対応する機器に指示するために使用され、或いは、
前記いずれかのタイムスタンプ同期ずれに応じて自身の内部の前記いずれかのタイムスタンプ同期ずれに対応するチャネルの時間遅延を調整するよう、シンクロナイザに指示するために使用され、前記シンクロナイザは自身の内部の少なくとも2つのチャネルを介して前記少なくとも2台の機器にそれぞれ接続され、
前記後段校正命令は、前記いずれかのタイムスタンプ同期ずれに応じて信号表示方式に対して時間遅延補償を行うよう、前記コントローラに指示するために使用される、
請求項1に記載の機器同期校正方法。
【請求項5】
前記同期校正命令が前段校正命令を含む場合、同期校正命令を生成することの後には、
前記いずれかのタイムスタンプ同期ずれに対応する2台の機器に前記同期校正命令を送信することと、
シンクロナイザに前記同期校正命令を送信することとの少なくともいずれかがさらに含まれる、
請求項1又は4に記載の機器同期校正方法。
【請求項6】
機器に応用される機器同期校正方法であって、
サンプリング信号を取得することと、
前記サンプリング信号を処理してタイムスタンプを発生させることと、
前記タイムスタンプをコントローラに送信することと、
前記コントローラにより送信されて機器に対して同期校正を行うために使用される同期校正命令を受信することと、を含む、
機器同期校正方法。
【請求項7】
前記サンプリング信号を処理してタイムスタンプを発生させることは、
前記サンプリング信号を粗調整処理することと、
前記機器が前記サンプリング信号に基づいて生成したトリガ信号に応じて粗調整後のサンプリング信号を微調整処理することと、
微調整後のサンプリング信号に応じてタイムスタンプを発生させることと、を含む、
請求項6に記載の機器同期校正方法。
【請求項8】
前記同期校正命令にはタイムスタンプ同期ずれが携帯されており、
前記タイムスタンプ同期ずれに応じて前記タイムスタンプ同期ずれに対応する機器のチャネル時間遅延を調整することをさらに含む、
請求項6又は7に記載の機器同期校正方法。
【請求項9】
前記同期校正命令にはタイムスタンプ同期ずれが携帯されており、
前記同期校正命令をシンクロナイザに送信することをさらに含み、前記同期校正命令は、前記タイムスタンプ同期ずれに応じて前記シンクロナイザの内部の前記タイムスタンプ同期ずれに対応するチャネルの時間遅延を調整するよう、前記シンクロナイザに指示するために使用され、前記シンクロナイザは自身の内部の少なくとも2つのチャネルのうちの任意の1つのチャネルを介して前記機器に接続される、
請求項6又は7に記載の機器同期校正方法。
【請求項10】
少なくとも2台の機器のうちの2台の機器毎の間のタイムスタンプ同期ずれを取得するように構成される取得モジュールと、
前記2台の機器毎の間のタイムスタンプ同期ずれが設定値であるか否かを判断するように構成される判断モジュールと、
いずれかのタイムスタンプ同期ずれが設定値ではないという判断結果に基づいて、前記いずれかのタイムスタンプ同期ずれに対応する2台の機器に対して同期校正を行うために使用される同期校正命令を生成するように構成される生成モジュールと、備える、
機器同期校正装置。
【請求項11】
サンプリング信号を取得するように構成される取得モジュールと、
前記サンプリング信号を処理してタイムスタンプを発生させるように構成される処理モジュールと、
前記タイムスタンプをコントローラに送信し、前記コントローラにより送信されて機器に対して同期校正を行うために使用される同期校正命令を受信するように構成される伝送モジュールと、を備える、
機器同期校正装置。
【請求項12】
メモリと、プロセッサと、メモリに記憶されてプロセッサで作動可能なコンピュータプログラムと、を備え、
前記プロセッサが前記コンピュータプログラムを実行すると、請求項1~5のいずれか1項に記載の機器同期校正方法、或いは請求項6~9のいずれか1項に記載の機器同期校正方法を実現する、
電子機器。
【請求項13】
プロセッサにより実行されると、請求項1~5のいずれか1項に記載の機器同期校正方法、或いは請求項6~9のいずれか1項に記載の機器同期校正方法を実現するコンピュータプログラムが記憶された、
コンピュータ記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2020年9月17日に中国専利局に出願された、出願番号が202010980816.0である中国特許出願の優先権を主張し、該出願の全ての内容は引用により本願に援用される。
【0002】
(技術分野)
本願の実施例は、信号処理技術に関し、例えば、機器同期校正方法、装置、機器及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
複数の機器の複数のチャネルに対して同期又はアラインを行うときに、通常、先に単一台の機器における1つ又は複数のチャネルに対してアラインを行ってから複数の機器の間のチャネルに対してアラインを行う必要がある。そのうち、複数の機器の間のチャネルに対してアラインを行うには、通常、並列方式及び直列方式が採用されている。並列方式は、図1に示すように、即ち同期ソース(それがシンクロナイザと呼ばれる場合がある)を利用して複数台の機器を並列の方式で接続し、同期ソースにより複数台の機器の間の同期信号及びクロック信号に対して厳密な同期、アラインを行う。直列方式は、図2に示すように、即ち複数台の機器を直列し、直列経路の遅延を測定することで、複数台の機器の遅延を調節又は補充する。
【0004】
しかし、上記の2つの態様は、いずれも動作クロックに基づいて同期を行う必要があり、クロック同期は、さらにパラレルクロック同期態様及びシリアルクロック同期態様に分けられる。そのうち、パラレルクロック同期態様は、1つの標準的なクロックソースから複数の同期クロックを複数の機器に出力することで、複数の機器のクロックの周波数及び位相が一致するように保持されることを実現するものとして理解できる。このようにすることで、複数の機器の場面においては、複雑なクロックソース回路を使用しなければ厳密なアライン校正及びテストを保証できず、回路コストが高い。シリアルクロック同期は、1つのクロックソースがクロックを提供し、複数の機器の間がクロックにより直列され、かつ複数台の機器が位相同期ループ(Phase Locked Loop、PLL)によりクロックに対して位相弁別及び同期追跡を行い、複数台の機器の間のクロック周波数が同じとなることを実現するものとして理解できる。しかし、クロック経路の遅延の問題により、相対的に固定されたクロック位相差が存在し、さらに直列された複数の機器の間に誤差の累計が発生してしまう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願は、タイムスタンプ同期ずれにより複数台の機器の間の同期校正を実現するための機器同期校正方法、装置、機器及び記憶媒体を提供する。
【0006】
第1の側面において、本願の実施例は、コントローラに応用され、
少なくとも2台の機器の2台ずつの間のタイムスタンプ同期ずれを取得することと、
前記少なくとも2台の機器の2台ずつの間のタイムスタンプ同期ずれが設定値であるか否かを判断することと、
いずれかのタイムスタンプ同期ずれが設定値ではない場合、前記いずれかのタイムスタンプ同期ずれに対応する2台の機器に対して同期校正を行うために使用される同期校正命令を生成することと、を含む機器同期校正方法を提供する。
【0007】
第2の側面において、本願の実施例は、機器に応用され、
サンプリング信号を取得することと、
前記サンプリング信号を処理してタイムスタンプを発生させることと、
前記タイムスタンプをコントローラに送信することと、を含む機器同期校正方法を提供する。
【0008】
第3の側面において、本願の実施例は、
少なくとも2台の機器の2台ずつの間のタイムスタンプ同期ずれを取得するように構成される取得モジュールと、
前記少なくとも2台の機器の2台ずつの間のタイムスタンプ同期ずれが設定値であるか否かを判断するように構成される判断モジュールと、
いずれかのタイムスタンプ同期ずれが設定値ではない場合、前記いずれかのタイムスタンプ同期ずれに対応する2台の機器に対して同期校正を行うために使用される同期校正命令を生成するように構成される生成モジュールと、を備える機器同期校正装置を提供する。
【0009】
第4の側面において、本願の実施例は、
サンプリング信号を取得するように構成される取得モジュールと、
前記サンプリング信号を処理してタイムスタンプを発生させるように構成される処理モジュールと、
前記タイムスタンプをコントローラに送信するように構成される伝送モジュールと、を備える、
機器同期校正装置を提供する。
【0010】
第5の側面において、本願の実施例は、メモリと、プロセッサと、メモリに記憶されてプロセッサで作動可能なコンピュータプログラムとを備え、前記プロセッサが前記コンピュータプログラムを実行すると、上記の実施例に係る機器同期校正方法を実現する電子機器を提供する。
【0011】
第6の側面において、本願の実施例は、プロセッサにより実行されると、上記の実施例に係る機器同期校正方法を実現するコンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ記憶媒体を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】関連技術における複数の機器が並列される模式図である。
図2】関連技術における複数の機器が直列される模式図である。
図3】本願の実施例における機器同期校正方法のフローチャートである。
図4】本願の実施例における機器同期校正方法のフローチャートである。
図5】本願の実施例における機器同期校正の仕組みの模式図である。
図6】本願の実施例におけるタイムスタンプの模式図である。
図7】本願の実施例における同期校正結果の模式図である。
図8】本願の実施例における機器同期校正方法のフローチャートである。
図9】本願の実施例における機器同期校正方法のフローチャートである。
図10】本願の実施例における機器同期校正方法のフローチャートである。
図11】本願の実施例における機器同期校正装置の構造模式図である。
図12】本願の実施例における機器同期校正装置の構造模式図である。
図13】本願の実施例における電子機器の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面及び実施例を参照しながら本願についてさらに詳しく説明する。ここで説明される具体的な実施例は、本願を解釈するためのものに過ぎず、本願を限定するものではないことを理解できる。なお、説明を容易にするために、図面には、全ての構造ではなく、本願に関する部分のみが示されている。
【0014】
図3は、本願の実施例に係る機器同期校正方法のフローチャートであり、図3に示すように、当該方法は、コントローラに応用可能であり、当該方法は、以下のステップを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0015】
S301において、少なくとも2台の機器の2台ずつの間のタイムスタンプ同期ずれを取得する。
【0016】
本ステップにおいて、2台の機器の間のタイムスタンプ同期ずれは、2台の機器がそれぞれ異なる信号に対して記録したタイムスタンプの間隔の間のずれ、例えば、機器aが記録した2つの信号のタイムスタンプの間隔と機器bが記録した同じ2つの信号のタイムスタンプの間隔との間のずれとして理解できる。2台以上の機器が存在する場合、全ての機器を2台ずつ組み合わせ、各組合せにおける2台の機器の間のタイムスタンプ同期ずれを決定することができる。
【0017】
なお、上記コントローラは独立した機器におけるコントローラであってもよいし、上記機器の内部のコントローラであってもよい。
【0018】
S302において、少なくとも2台の機器の2台ずつの間のタイムスタンプ同期ずれが設定値であるか否かを判断する。
【0019】
例示的に、上記設定値は0であってもよいし、2台の機器の間の固定ずれ値であってもよい。そのうち、2台の機器の間のタイムスタンプ同期ずれが設定値である場合、2台の機器の伝送チャネルが同期を保持することを示す。
【0020】
例えば、機器a及び機器bを例にとると、設定値が0である場合、機器aが記録した2つの信号のタイムスタンプの間隔と機器bが記録した同じ2つの信号のタイムスタンプの間隔との間のずれは0であり、即ちこの2台の機器の伝送チャネルが同期することを表す。同様に、設定値が固定ずれ値であり、即ち機器aの伝送チャネルと機器bの伝送チャネルとの間に一定のずれが存在する場合、機器aが記録した2つの信号のタイムスタンプの間隔と機器bが記録した同じ2つの信号のタイムスタンプの間隔との間のずれが依然として当該固定ずれ値であれば、この2台の機器の間の伝送チャネルが同期を保持していることを示す。
【0021】
S303において、いずれかのタイムスタンプ同期ずれが設定値ではない場合、同期校正命令を生成する。
【0022】
本ステップにおけるいずれかのタイムスタンプ同期ずれは、当該同期ずれに対応する2台の機器の間のタイムスタンプ同期ずれとして理解できる。いずれかのタイムスタンプ同期ずれが設定値ではなければ、当該いずれかのタイムスタンプ同期ずれに対応する2台の機器の間のデータ伝送チャネルが同期しないことを表し、このとき、コントローラにより同期校正命令が生成される。当該同期校正命令は、上記いずれかのタイムスタンプ同期ずれに対応する2台の機器に対して同期校正を行うために使用可能である。
【0023】
例えば、当該同期校正命令には校正ずれが携帯可能であり、コントローラは、当該校正ずれにより対応する2台の機器に対して同期校正を行うことができる。
【0024】
本願の実施例は、機器同期校正方法を提供し、当該方法は、コントローラに応用可能であり、少なくとも2台の機器の2台ずつの間のタイムスタンプ同期ずれを取得することと、少なくとも2台の機器の2台ずつの間のタイムスタンプ同期ずれが設定値であるか否かを判断することと、いずれかのタイムスタンプ同期ずれが設定値ではない場合、同期校正命令を生成することとを含み、そのうち、同期校正命令は、いずれかのタイムスタンプ同期ずれに対応する2台の機器に対して同期校正を行うために使用される。このようにして、タイムスタンプ同期ずれにより、複数台の機器の間の同期に遅延がある状況を効果的に改善できる。
【0025】
図4に示すように、1つの実施例において、上記ステップS301の実現方式は、以下のステップを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0026】
S401において、現在の2台の機器の第1のトリガ処理信号に対する第1のタイムスタンプ間隔を取得する。
【0027】
例示的に、図5に示すように、本ステップにおける第1のトリガ処理信号は、シンクロナイザが同期信号を機器a及び機器bに出力し、機器a及び機器bの入力チャネルを介して対応する機器のトリガモジュールにそれぞれ伝送した後に発生される信号であってもよい。
【0028】
当該第1のトリガ処理信号に対する第1のタイムスタンプ間隔の取得方式は、現在の2台の機器のうちのいずれか一方の機器が第1のトリガ処理信号に対して記録した第1のタイムスタンプを取得し、現在の2台の機器のうちの他方の機器が第1のトリガ処理信号に対して記録した第2のタイムスタンプを取得し、第1のタイムスタンプ及び第2のタイムスタンプに応じて現在の2台の機器の第1のトリガ処理信号に対するタイムスタンプ間隔を取得するものであってもよい。
【0029】
例えば、機器aの内部において、入力チャネルで伝送する信号は、時間遅延モジュールによりデータ処理モジュールに伝送可能であり、トリガモジュールが第1のトリガ処理信号をデータ処理モジュールに伝送した後に、データ処理モジュールは当該第1のトリガ処理信号に対して時間遅延モジュールにより伝送された信号を処理して現在のタイムスタンプを第1のタイムスタンプとして記録する。機器bの内部において、トリガモジュールが第1のトリガ処理信号をデータ処理モジュールに伝送した後に、データ処理モジュールは同じ処理過程を実行し、現在のタイムスタンプを第2のタイムスタンプとして記録する。このようにして、機器a及び機器bがそれぞれ第1のトリガ処理信号に対して記録した第1のタイムスタンプと第2のタイムスタンプとの間の間隔は即ち、第1のタイムスタンプ間隔である。
【0030】
そのうち、同期信号の取得方式は、1台の機器の内部のチャネルをアラインし、例えば、データチャネルとトリガチャネルとをアラインし、チャネルがアラインされた後の機器を利用してシンクロナイザの出力を校正し、さらに校正後のシンクロナイザの出力端を少なくとも2台の機器に接続し、シンクロナイザにおけるトリガソースから少なくとも2台の機器に同期信号を伝送するものであってもよい。図5に示すように、当該シンクロナイザの出力端は2台の機器に接続され、この2台の機器に同期信号を伝送する。
【0031】
S402において、現在の2台の機器の第2のトリガ処理信号に対する第2のタイムスタンプ間隔を取得する。
【0032】
同様に、上記ステップS401の実現方式に従って、図5に示すように、本ステップにおける第2のトリガ処理信号は、シンクロナイザがそれぞれ機器a及び機器bに他の1つの同期信号を伝送した後に、機器a及び機器bにおけるトリガモジュールが当該同期信号に基づいて発生させる信号であってもよい。
【0033】
当該第2のトリガ処理信号に対する第2のタイムスタンプ間隔の取得方式は、現在の2台の機器のうちのいずれか一方の機器が第2のトリガ処理信号に対して記録した第3のタイムスタンプを取得し、現在の2台の機器のうちの他方の機器が第2のトリガ処理信号に対して記録した第4のタイムスタンプを取得し、第3のタイムスタンプ及び第4のタイムスタンプに応じて現在の2台の機器の第2のトリガ処理信号に対するタイムスタンプ間隔を取得するものであってもよい。
【0034】
機器aの内部のトリガモジュールが第2のトリガ処理信号をデータ処理モジュールに伝送した後に、データ処理モジュールは、時間遅延モジュールにより伝送された、入力チャネルで伝送した信号を受信し、当該第2のトリガ処理信号に対して時間遅延モジュールにより伝送された信号を処理し、同時に第3のタイムスタンプを記録し、機器bの内部のトリガモジュールが第2のトリガ処理信号をデータ処理モジュールに伝送した後に、データ処理モジュールは、当該第2のトリガ処理信号に対して同じ処理を行い、第4のタイムスタンプを記録し、そうすると、機器a及び機器bがそれぞれ記録した第3のタイムスタンプと第4のタイムスタンプとの間の間隔は、第2のタイムスタンプ間隔である。
【0035】
S403において、第1のタイムスタンプ間隔及び第2のタイムスタンプ間隔に応じて、現在の2台の機器の間のタイムスタンプ同期ずれを決定する。
【0036】
現在の2台の機器が2つの同期信号に対して決定した第1のタイムスタンプ間隔と第2のタイムスタンプ間隔との間の差値の絶対値をタイムスタンプ同期ずれとする。
【0037】
例えば、現在の2台の機器が機器a及び機器bであると仮定すると、機器a及び機器bの間のタイムスタンプ同期ずれOffset_abは、以下の数式で決定可能であり、即ち、
【数1】
に決定可能であり、
ここで、a.TS1は機器aが第1のトリガ処理信号に対して記録したタイムスタンプであり、b.TS1は機器bが第1のトリガ処理信号に対して記録したタイムスタンプであり、a.TS2は機器aが第2のトリガ処理信号に対して記録したタイムスタンプであり、b.TS2は機器bが第2のトリガ処理信号に対して記録したタイムスタンプであり、
【数2】
は機器a及び機器bの第1のトリガ処理信号に対する第1のタイムスタンプ間隔であり、
【数3】
は機器a及び機器bの第2のトリガ処理信号に対する第2のタイムスタンプ間隔である。
【0038】
上記タイムスタンプは、主に2つの部分の情報を含み、1つの部分は、各機器の動作クロックにより発生され、クロック周期がステップとされて初期値(例えば、0である)から累積が始められる計数値であり、もう1つの部分は、信号トリガを利用して精細なトリガにより判断して得られるより正確的な時間位置情報である。即ち、a.TS1、b.TS1、a.TS2、b.TS2はいずれも粗調整及び精細調整という2つの部分からなり、例示的に、当該2つの部分は図6に示す通りであってもよい。
【0039】
S404において、少なくとも2台の機器の中で現在の2台の機器のうちの少なくとも1台と異なる2台の機器を選出し、選出された2台の機器を現在の2台の機器とする。
【0040】
例示的に、4台の機器が存在し、それぞれが機器a、機器b、機器c、機器dであると仮定すると、現在の2台の機器が機器a及び機器bであれば、この4台の機器の中で機器a、機器bのうちの少なくとも1台と異なる2台の機器を選出し、例えば、機器a及び機器c、又は機器c及び機器dなどを選出し、選出された2台の機器を現在の2台の機器としてもよい。
【0041】
S405において、少なくとも2台の機器の2台ずつの間のタイムスタンプ同期ずれが取得されるまで、上記ステップS401からステップS404を繰り返し実行する。
【0042】
ステップS404において現在の2台の機器を選出した後に、少なくとも2台の機器のうちの全ての機器の2台ずつの間のタイムスタンプ同期ずれが取得されるまで、上記ステップS401からステップS404を繰り返し実行することができ、例えば、選出された機器a及び機器cに対して、2台の機器の間のタイムスタンプ同期ずれを決定した後に、機器a、機器cと異なる2台の機器を新たに選出し、続いて選出後の2台の機器の間のタイムスタンプ同期ずれを決定することができる。1つの実施例において、上記ステップS303の後に、コントローラは、さらに、いずれかのタイムスタンプ同期ずれに対応する2台の機器に同期校正命令を送信すること、及び/又は、シンクロナイザに同期校正命令を送信することができる。当該同期校正命令は、前段校正命令及び/又は後段校正命令を含んでもよい。
【0043】
前段校正命令は、いずれかのタイムスタンプ同期ずれに応じて自身のチャネル時間遅延を調整するよう、いずれかのタイムスタンプ同期ずれに対応する機器に指示するために使用され、或いは、前段校正命令は、いずれかのタイムスタンプ同期ずれに応じて自身の内部のいずれかのタイムスタンプ同期ずれに対応するチャネルの時間遅延を調整するよう、シンクロナイザに指示するために使用され、シンクロナイザは自身の内部の少なくとも2つのチャネルを介して少なくとも2台の機器にそれぞれ接続される。つまり、タイムスタンプ同期ずれが設定値ではない場合、当該前段校正命令は、当該タイムスタンプ同期ずれに対応する機器がタイムスタンプ同期ずれに応じて自身のチャネル時間遅延を調整するため、或いは、シンクロナイザによりタイムスタンプ同期ずれに応じて対応する機器に接続されるチャネルの時間遅延を調整するために使用可能である。
【0044】
後段校正命令は、いずれかのタイムスタンプ同期ずれに応じて信号表示方式に対して時間遅延補償を行うよう、コントローラに指示するために使用される。
【0045】
同期校正命令により2台の機器に対して同期校正を行った後の結果は図7に示す通りであり、図7における被測信号は、シンクロナイザにより、接続される2台の機器に入力される信号として理解でき、CLK.A及びCLK.Bはそれぞれ、2台の機器の被測信号に対してサンプリングされた信号波形であり、SYNC.A及びSYNC.Bはそれぞれ、2台の機器の同期後の信号波形である。
【0046】
図8は、本願の実施例に係る機器同期校正方法のフローチャートであり、当該方法は、機器に応用可能であり、図8に示すように、当該方法は、以下のステップを含んでもよい。
【0047】
S801において、サンプリング信号を取得する。
【0048】
当該サンプリング信号は、機器に接続されるシンクロナイザにより伝送される信号として理解できる。
【0049】
S802において、サンプリング信号を処理してタイムスタンプを発生させる。
【0050】
例示的に、本願の実施例において、機器の取得されたサンプリング信号に対する処理方式は、粗調及び微調という2つの方式を含んでもよい。例えば、サンプリング信号を粗調整処理し、機器がサンプリング信号に基づいて生成したトリガ信号に応じて粗調整後のサンプリング信号を微調整処理し、微調整後のサンプリング信号に基づいてタイムスタンプを発生させる。
【0051】
S803において、タイムスタンプをコントローラに送信する。
【0052】
当該コントローラは、独立した機器におけるコントローラであってもよく、或いは、機器の内部のコントローラであってもよい。機器はタイムスタンプを発生させた後に、当該タイムスタンプをコントローラに伝送可能である。
【0053】
S804において、コントローラにより送信されて機器に対して同期校正を行うために使用される同期校正命令を受信する。
【0054】
本願の実施例は、サンプリング信号を取得することと、サンプリング信号を処理してタイムスタンプを発生させることと、タイムスタンプをコントローラに送信することと、コントローラにより送信されて機器に対して同期校正を行うために使用される同期校正命令を受信することとを含む機器同期校正方法を提供する。このようにすることで、コントローラによりタイムスタンプで対応する機器が同期するか否かを判断し、機器が同期しない場合、コントローラにより送信された同期校正命令を受信して機器を校正することで、複数台の機器の間の同期に遅延がある状況を効果的に改善することができる。
【0055】
1つの実施例において、当該同期校正命令にはタイムスタンプ同期ずれが携帯可能であり、当該タイムスタンプ同期ずれは、コントローラが上記ステップS803におけるタイムスタンプに応じて計算して得られるものであってもよい。
【0056】
図9に示すように、上記ステップS804の後に、当該方法は、タイムスタンプ同期ずれに応じてタイムスタンプ同期ずれに対応する機器のチャネル時間遅延を調整するステップS901をさらに含んでもよいが、これに限定されない。
【0057】
1つの実施例において、当該同期校正命令にはタイムスタンプ同期ずれが携帯されており、当該タイムスタンプ同期ずれは、コントローラが上記ステップS803におけるタイムスタンプに応じて計算して得られるものであってもよい。図10に示すように、上記ステップS804の後に、当該方法は、同期校正命令をシンクロナイザに送信するステップS1001をさらに含んでもよいが、これに限定されない。
【0058】
そのうち、前記同期校正命令は、前記タイムスタンプ同期ずれに応じて前記シンクロナイザの内部の前記タイムスタンプ同期ずれに対応するチャネルの時間遅延を調整するよう、シンクロナイザに指示するために使用される。当該シンクロナイザは自身の内部の少なくとも2つのチャネルのうちの任意の1つのチャネルを介して機器に接続可能であり、そうすると、機器は当該チャネルに基づいて同期校正命令をシンクロナイザに送信し、シンクロナイザにより当該同期校正命令に応じて機器に接続されるチャネルを校正することができる。
【0059】
図11は、本願の実施例に係る機器同期校正装置であり、図11に示すように、当該装置は、
少なくとも2台の機器の2台ずつの間のタイムスタンプ同期ずれを取得するように構成される取得モジュール1101と、
少なくとも2台の機器の2台ずつの間のタイムスタンプ同期ずれが設定値であるか否かを判断するように構成される判断モジュール1102と、
いずれかのタイムスタンプ同期ずれが設定値ではない場合、いずれかのタイムスタンプ同期ずれに対応する2台の機器に対して同期校正を行うために使用される同期校正命令を生成するように構成される生成モジュール1103と、を備えてもよい。
【0060】
例示的に、上記取得モジュールは、
現在の2台の機器の第1のトリガ処理信号に対する第1のタイムスタンプ間隔を取得するステップ1と、
現在の2台の機器の第2のトリガ処理信号に対する第2のタイムスタンプ間隔を取得するステップ2と、
第1のタイムスタンプ間隔及び第2のタイムスタンプ間隔に応じて、現在の2台の機器の間のタイムスタンプ同期ずれを決定するステップ3と、
少なくとも2台の機器の中で現在の2台の機器のうちの少なくとも1台と異なる2台の機器を選出し、選出された2台の機器を現在の2台の機器とするステップ4と、
少なくとも2台の機器のうちの全ての機器の2台ずつの間のタイムスタンプ同期ずれが取得されるまで、上記ステップ1からステップ4を繰り返し実行するステップを実現するように構成されてもよい。
【0061】
例えば、取得モジュールは、現在の2台の機器のうちのいずれか一方の機器が第1のトリガ処理信号又は第2のトリガ処理信号に対して記録した第1のタイムスタンプを取得し、現在の2台の機器のうちの他方の機器が第1のトリガ処理信号又は第2のトリガ処理信号に対して記録した第2のタイムスタンプを取得し、第1のタイムスタンプ及び第2のタイムスタンプに応じて現在の2台の機器の第1のトリガ又は第2のトリガ処理信号に対するタイムスタンプ間隔を取得するように構成されてもよい。
【0062】
例えば、上記同期校正命令は、前段校正命令及び/又は後段校正命令を含んでもよく、
そのうち、前段校正命令は、いずれかのタイムスタンプ同期ずれに応じて自身のチャネル時間遅延を調整するよう、いずれかのタイムスタンプ同期ずれに対応する機器に指示するために使用され、或いは、前段校正命令は、いずれかのタイムスタンプ同期ずれに応じて自身の内部のいずれかのタイムスタンプ同期ずれに対応するチャネルの時間遅延を調整するよう、シンクロナイザに指示するために使用され、シンクロナイザは自身の内部の少なくとも2つのチャネルを介して少なくとも2台の機器にそれぞれ接続され、
後段校正命令は、いずれかのタイムスタンプ同期ずれに応じて信号表示方式に対して時間遅延補償を行うよう、コントローラに指示するために使用される。
【0063】
1つの例において、上記装置は、
いずれかのタイムスタンプ同期ずれに対応する2台の機器に同期校正命令を送信するよう、及び/又は、シンクロナイザに同期校正命令を送信するように構成される伝送モジュールをさらに備えてもよい。
【0064】
上記機器同期校正装置は、図3図4に係る機器同期校正方法を実行可能であり、当該方法における対応するデバイス及び有益な効果を備える。
【0065】
図12は、本願の実施例に係る機器同期校正装置であり、図12に示すように、当該装置は、取得モジュール1201と、処理モジュール1202と、伝送モジュール1203と、校正モジュール1104とを備えてもよく、
そのうち、取得モジュールは、サンプリング信号を取得するように構成され、
処理モジュールは、サンプリング信号を処理してタイムスタンプを発生させるように構成され、
伝送モジュールは、タイムスタンプをコントローラに送信し、前記コントローラにより送信されて機器に対して同期校正を行うために使用される同期校正命令を受信するように構成される。
【0066】
1つの例において、上記処理モジュールは、サンプリング信号を粗調整処理し、上記装置がサンプリング信号に基づいて生成したトリガ信号に応じて粗調整後のサンプリング信号を微調整処理し、微調整後のサンプリング信号に応じてタイムスタンプを発生させるように構成される。
【0067】
1つの例において、当該同期校正命令にはタイムスタンプ同期ずれが携帯されており、
処理モジュールは、タイムスタンプ同期ずれに応じて自身のチャネル時間遅延を調整するように構成される。
【0068】
1つの例において、当該同期校正命令にはタイムスタンプ同期ずれが携帯されており、上記伝送モジュールは同期校正命令をシンクロナイザに送信するように構成され、
そのうち、前記同期校正命令は、前記タイムスタンプ同期ずれに応じて前記シンクロナイザの内部の前記タイムスタンプ同期ずれに対応するチャネルの時間遅延を調整するよう、シンクロナイザに指示するために使用される。当該シンクロナイザは、自身の内部の少なくとも2つのチャネルのうちの任意の1つのチャネルを介して上記装置に接続される。
【0069】
上記機器同期校正装置は、図7図8に係る機器同期校正方法を実行可能であり、当該方法における対応するデバイス及び有益な効果を備える。
【0070】
図13は、本願の実施例に係る電子機器の構造模式図であり、図13に示すように、当該機器は、コントローラ1301と、メモリ1302と、入力装置1303と、出力装置1304とを備え、機器におけるコントローラ1301の数は1つ又は複数であってもよいが、図13には、1つのコントローラ1301を例にとっており、機器におけるコントローラ1301と、メモリ1302と、入力装置1303と、出力装置1304とはバス又は他の方式を介して接続されてもよく、図13にはバスを介して接続されるものを例にとっている。
【0071】
メモリ1302は、コンピュータ可読記憶媒体として、ソフトウェアプログラム、コンピュータ実行可能なプログラム及びモジュール、例えば、図3図4図8図9図10の実施例における機器同期校正方法に対応するプログラム命令/モジュール(例えば、図11図12の実施例における機器同期校正装置におけるモジュール)を記憶するように構成されてもよい。コントローラ1301は、メモリ1302に記憶されたソフトウェアプログラム、命令及びモジュールを作動させることで、機器の様々な機能応用及びデータ処理を実行し、即ち上記の機器同期校正方法を実現する。
【0072】
メモリ1302は、主に、オペレーティングシステム、少なくとも1つの機能に必要なアプリケーションプログラムを記憶可能なプログラム記憶領域と、端末の使用に応じて作成されたデータなどを記憶可能なデータ記憶領域と、を備えてもよい。また、メモリ1302は、高速ランダムアクセスメモリを含んでもよく、不揮発性メモリ、例えば、少なくとも1つの磁気ディスクメモリデバイス、フラッシュメモリデバイス、又は他の不揮発性ソリッドステートメモリデバイスをさらに含んでもよい。いくつかの実例において、メモリ1302は、コントローラ1301に対してリモート設定されたメモリを含んでもよく、これらのリモートメモリは、ネットワークを介して端末/サーバに接続可能である。上記ネットワークの実例は、インターネット、社内ネットワーク、ローカルエリアネットワーク、モバイル通信ネットワーク及びそれらの組合せを含むが、これらに限定されない。
【0073】
入力装置1303は、入力される数字又は文字情報を受信し、機器のユーザ設定及び機能制御に関連するキー信号入力を発生させるように構成されてもよい。出力装置1304は、ディスプレイなどの表示装置を含んでもよい。
【0074】
本願の実施例は、コンピュータ実行可能な命令を含む記憶媒体をさらに提供し、当該コンピュータ実行可能な命令は、コンピュータのプロセッサに実行されると、図3図4図8図9図10の実施例に示されているステップを含む機器同期校正方法を実行するように構成される。
【0075】
以上の実施形態についての説明により、当業者は、本願がソフトウェア及び必要となる汎用ハードウェアによって実現されてもよいし、無論、ハードウェアによって実現されてもよいことを明確に理解できる。このような理解に基づいて、本願の技術態様は、本質的に或いは関連技術に寄与する部分がソフトウェア製品の形式で表現可能であり、当該コンピュータソフトウェア製品は、コンピュータ可読記憶媒体、例えば、コンピュータのフレキシブルディスク、読み取り専用メモリ(Read-Only Memory、ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)、フラッシュメモリ(FLASH)、ハードディスク又は光ディスクに記憶されてもよく、1台のコンピュータ機器(パーソナルコンピュータ、サーバ、又はネットワーク機器などであってもよい)に本願の複数の実施例に記載の方法を実行させるためのいくつかの命令を含む。記憶媒体は非一時的記憶媒体であってもよい。
【0076】
例示的に、本願に示されている態様は、シンクロナイザと、機器とコントローラとの間に応用可能である。そのうち、シンクロナイザには、トリガソースが含まれる。仮に4台の機器が存在し、それぞれが機器a、機器b、機器c、機器dである。機器a及び機器bを現在の2台の機器として選出し、この2台の機器に対して同期校正を行おうとする。機器a及び機器bはそれぞれサンプリング信号を取得してサンプリング信号を粗調整処理し、粗調整処理後のサンプリング信号を得て、シンクロナイザにおけるトリガソースにより送信されたトリガ信号に応じて粗調整後のサンプリング信号を微調整処理し、微調整後のサンプリング信号に応じてタイムスタンプを発生させ、そのうち、トリガ信号は、機器a又は機器bがサンプリング信号に基づいて生成したものである。
【0077】
例えば、被測信号は、シンクロナイザにより機器aに入力される信号として理解でき、機器aは、被測信号に対してサンプリングを行い、サンプリング信号CLK.Aを形成し、機器aの動作過程において、サンプリング信号CLK.Aに基づいて、機器aはトリガ信号をさらに発生させる。機器a自体の動作クロックは、最初にクロック周期をステップとし、初期値から1つの計数値の累積を始めているため、即ち機器aのタイムスタンプを粗調整し、粗調整タイムスタンプを記録する。その後、機器aは、トリガ信号に応じて粗調整された後のサンプリング信号を微調整処理し、より正確な時間位置情報を得て、即ち機器aのタイムスタンプを精細調整し、精細調整された後の微調整タイムスタンプを記録し、最後に粗調整タイムスタンプと微調整タイムスタンプとの重畳結果に応じて、最終的に機器aのタイムスタンプを決定する。
【0078】
機器a及び機器bのタイムスタンプ同期ずれを決定するときに、シンクロナイザにおけるトリガソースは機器a及び機器bに第1の同期信号を送信し、機器a及び機器bは、第1の同期信号に対してサンプリングしてサンプリング信号を得た後に、2台の機器におけるトリガモジュールはそれぞれ1つの第1のトリガ処理信号を生成する。機器aはサンプリング信号に基づいて粗調整タイムスタンプを取得し、コントローラは第1のトリガ処理信号に基づいて微調整タイムスタンプを取得し、最終的に機器aの第1の同期信号(又は第1のトリガ処理信号)に対する第1のタイムスタンプを決定し、機器bはサンプリング信号に基づいて粗調整タイムスタンプを取得し、コントローラは第1のトリガ処理信号に基づいて微調整タイムスタンプを取得し、最終的に機器bの第1の同期信号(又は第1のトリガ処理信号)に対する第2のタイムスタンプを決定する。コントローラは、機器a及び機器bの第1の同期信号に対する(又は第1のトリガ処理信号に対する)第1のタイムスタンプと第2のタイムスタンプとの間の間隔を記録し、それを第1のタイムスタンプ間隔として決定する。同様に、シンクロナイザにおけるトリガソースは機器a及び機器bに第2の同期信号を送信し、機器a及び機器bは第2の同期信号に対して同じ処理を行い、コントローラは、機器aの第2の同期信号(又は第2のトリガ処理信号)に対する第3のタイムスタンプと、機器bの第2の同期信号(又は第2のトリガ処理信号)に対する第4のタイムスタンプとを得ることができる。コントローラは、機器a及び機器bの第2の同期信号に対する(又は第2のトリガ処理信号に対する)第3のタイムスタンプと第4のタイムスタンプとの間の間隔を記録し、それを第2のタイムスタンプ間隔として決定する。
【0079】
コントローラは、第1のタイムスタンプ間隔及び第2のタイムスタンプ間隔に応じて機器aと機器bとの間のタイムスタンプ同期ずれを決定する。機器aと機器bとの間のタイムスタンプ同期ずれが設定値であるか否かを判断し、タイムスタンプ同期ずれが設定値ではない場合、コントローラは、機器a及び機器bの同期校正のための同期校正命令を生成する。
【0080】
(付記1)
コントローラに応用される機器同期校正方法であって、
少なくとも2台の機器のうちの2台の機器毎の間のタイムスタンプ同期ずれを取得することと、
前記2台の機器毎の間のタイムスタンプ同期ずれが設定値であるか否かを判断することと、
いずれかのタイムスタンプ同期ずれが設定値ではないという判断結果に基づいて、前記いずれかのタイムスタンプ同期ずれに対応する2台の機器に対して同期校正を行うために使用される同期校正命令を生成することと、を含む、
機器同期校正方法。
【0081】
(付記2)
前記した、少なくとも2台の機器のうちの2台の機器毎の間のタイムスタンプ同期ずれを取得することは、
現在の2台の機器の第1のトリガ処理信号に対する第1のタイムスタンプ間隔を取得することと、
前記現在の2台の機器の第2のトリガ処理信号に対する第2のタイムスタンプ間隔を取得することと、
前記第1のタイムスタンプ間隔及び前記第2のタイムスタンプ間隔に応じて、前記現在の2台の機器の間のタイムスタンプ同期ずれを決定することと、
前記少なくとも2台の機器の中で現在の2台の機器のうちの少なくとも1台と異なる2台の機器を選出し、選出された2台の機器を現在の2台の機器とすることと、
前記少なくとも2台の機器のうちの2台の機器毎の間のタイムスタンプ同期ずれが取得されるまで、前記した、現在の2台の機器の第1のトリガ処理信号に対する第1のタイムスタンプ間隔を取得することと、前記現在の2台の機器の第2のトリガ処理信号に対する第2のタイムスタンプ間隔を取得することと、前記第1のタイムスタンプ間隔及び前記第2のタイムスタンプ間隔に応じて、前記現在の2台の機器の間のタイムスタンプ同期ずれを決定することと、前記少なくとも2台の機器の中で現在の2台の機器のうちの少なくとも1台と異なる2台の機器を選出し、選出された2台の機器を現在の2台の機器とすることの実行に戻ることと、を含む、
付記1に記載の機器同期校正方法。
【0082】
(付記3)
前記した、現在の2台の機器の第1のトリガ処理信号に対する第1のタイムスタンプ間隔を取得することは、
前記現在の2台の機器のうちのいずれか一方の機器が第1のトリガ処理信号に対して記録した第1のタイムスタンプを取得することと、
前記現在の2台の機器のうちの他方の機器が第1のトリガ処理信号に対して記録した第2のタイムスタンプを取得することと、
前記第1のタイムスタンプ及び前記第2のタイムスタンプに応じて前記現在の2台の機器の前記第1のトリガ処理信号に対する第1のタイムスタンプ間隔を取得することと、を含み、
前記した、前記現在の2台の機器の第2のトリガ処理信号に対する第2のタイムスタンプ間隔を取得することは、
前記現在の2台の機器のうちのいずれか一方の機器が第2のトリガ処理信号に対して記録した第3のタイムスタンプを取得することと、
前記現在の2台の機器のうちの他方の機器が前記第2のトリガ処理信号に対して記録した第4のタイムスタンプを取得することと、
前記第3のタイムスタンプ及び第4のタイムスタンプに応じて前記現在の2台の機器の前記第2のトリガ処理信号に対する第2のタイムスタンプ間隔を取得することと、を含む、
付記2に記載の機器同期校正方法。
【0083】
(付記4)
前記同期校正命令は、前段校正命令及び後段校正命令のうちの少なくとも1種類を含み、
前記前段校正命令は、前記いずれかのタイムスタンプ同期ずれに応じて自身のチャネル時間遅延を調整するよう、前記いずれかのタイムスタンプ同期ずれに対応する機器に指示するために使用され、或いは、
前記いずれかのタイムスタンプ同期ずれに応じて自身の内部の前記いずれかのタイムスタンプ同期ずれに対応するチャネルの時間遅延を調整するよう、シンクロナイザに指示するために使用され、前記シンクロナイザは自身の内部の少なくとも2つのチャネルを介して前記少なくとも2台の機器にそれぞれ接続され、
前記後段校正命令は、前記いずれかのタイムスタンプ同期ずれに応じて信号表示方式に対して時間遅延補償を行うよう、前記コントローラに指示するために使用される、
付記1に記載の機器同期校正方法。
【0084】
(付記5)
前記同期校正命令が前段校正命令を含む場合、同期校正命令を生成することの後には、
前記いずれかのタイムスタンプ同期ずれに対応する2台の機器に前記同期校正命令を送信することと、
シンクロナイザに前記同期校正命令を送信することとの少なくともいずれかがさらに含まれる、
付記1又は4に記載の機器同期校正方法。
【0085】
(付記6)
機器に応用される機器同期校正方法であって、
サンプリング信号を取得することと、
前記サンプリング信号を処理してタイムスタンプを発生させることと、
前記タイムスタンプをコントローラに送信することと、
前記コントローラにより送信されて機器に対して同期校正を行うために使用される同期校正命令を受信することと、を含む、
機器同期校正方法。
【0086】
(付記7)
前記サンプリング信号を処理してタイムスタンプを発生させることは、
前記サンプリング信号を粗調整処理することと、
前記機器が前記サンプリング信号に基づいて生成したトリガ信号に応じて粗調整後のサンプリング信号を微調整処理することと、
微調整後のサンプリング信号に応じてタイムスタンプを発生させることと、を含む、
付記6に記載の機器同期校正方法。
【0087】
(付記8)
前記同期校正命令にはタイムスタンプ同期ずれが携帯されており、
前記タイムスタンプ同期ずれに応じて前記タイムスタンプ同期ずれに対応する機器のチャネル時間遅延を調整することをさらに含む、
付記6又は7に記載の機器同期校正方法。
【0088】
(付記9)
前記同期校正命令にはタイムスタンプ同期ずれが携帯されており、
前記同期校正命令をシンクロナイザに送信することをさらに含み、前記同期校正命令は、前記タイムスタンプ同期ずれに応じて前記シンクロナイザの内部の前記タイムスタンプ同期ずれに対応するチャネルの時間遅延を調整するよう、前記シンクロナイザに指示するために使用され、前記シンクロナイザは自身の内部の少なくとも2つのチャネルのうちの任意の1つのチャネルを介して前記機器に接続される、
付記6又は7に記載の機器同期校正方法。
【0089】
(付記10)
少なくとも2台の機器のうちの2台の機器毎の間のタイムスタンプ同期ずれを取得するように構成される取得モジュールと、
前記2台の機器毎の間のタイムスタンプ同期ずれが設定値であるか否かを判断するように構成される判断モジュールと、
いずれかのタイムスタンプ同期ずれが設定値ではないという判断結果に基づいて、前記いずれかのタイムスタンプ同期ずれに対応する2台の機器に対して同期校正を行うために使用される同期校正命令を生成するように構成される生成モジュールと、備える、
機器同期校正装置。
【0090】
(付記11)
サンプリング信号を取得するように構成される取得モジュールと、
前記サンプリング信号を処理してタイムスタンプを発生させるように構成される処理モジュールと、
前記タイムスタンプをコントローラに送信し、前記コントローラにより送信されて機器に対して同期校正を行うために使用される同期校正命令を受信するように構成される伝送モジュールと、を備える、
機器同期校正装置。
【0091】
(付記12)
メモリと、プロセッサと、メモリに記憶されてプロセッサで作動可能なコンピュータプログラムと、を備え、
前記プロセッサが前記コンピュータプログラムを実行すると、付記1~5のいずれか1つに記載の機器同期校正方法、或いは付記6~9のいずれか1つに記載の機器同期校正方法を実現する、
電子機器。
【0092】
(付記13)
プロセッサにより実行されると、付記1~5のいずれか1つに記載の機器同期校正方法、或いは付記6~9のいずれか1つに記載の機器同期校正方法を実現するコンピュータプログラムが記憶された、
コンピュータ記憶媒体。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】