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特表2023-541980自動車両ワイパーシステムのためのアダプタ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-04
(54)【発明の名称】自動車両ワイパーシステムのためのアダプタ
(51)【国際特許分類】
   B60S 1/40 20060101AFI20230927BHJP
【FI】
B60S1/40 300A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023517819
(86)(22)【出願日】2021-09-15
(85)【翻訳文提出日】2023-05-10
(86)【国際出願番号】 EP2021075332
(87)【国際公開番号】W WO2022058348
(87)【国際公開日】2022-03-24
(31)【優先権主張番号】2009449
(32)【優先日】2020-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512092737
【氏名又は名称】ヴァレオ システム デシュヤージュ
【氏名又は名称原語表記】VALEO SYSTEMES D’ESSUYAGE
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100198029
【弁理士】
【氏名又は名称】綿貫 力
(72)【発明者】
【氏名】バンサン、ゴシェ
(72)【発明者】
【氏名】エリック、ポトン
(72)【発明者】
【氏名】オリビエ、ジョマール
【テーマコード(参考)】
3D225
【Fターム(参考)】
3D225AA01
3D225AB01
3D225AC01
3D225AD01
3D225AD09
3D225AE26
3D225AE27
(57)【要約】
自動車両用のワイパーシステム(1)におけるワイパーブレード(3)を駆動アーム(5)に接続するように構成される接続装置(7)のためのアダプタ(29)であって、互いに離間し、上端壁(46)によって互いに接続される第1の側壁(43)及び第2の側壁(45)を備え、第1の側壁(43)及び第2の側壁(45)は、駆動アーム(5)から横方向(Oy)に突出して延びるピン(23)を受けるのに適した第1のオリフィス(47)及び第2のオリフィス(49)をそれぞれ備え、第2の側壁(45)は、少なくとも横方向(Oy)においてアダプタ(29)を駆動アーム(5)に固定された状態に保持するように構成される、第2のオリフィス(49)内でピン(23)を取り付けるための少なくとも1つの取り付け手段(57)を備えることを特徴とする、アダプタ(29)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車両用のワイパーシステム(1)におけるワイパーブレード(3)を駆動アーム(5)に接続するように設計される接続装置(7)のためのアダプタ(29)であって、
互いに離間し、上端壁(46)によって互いに接続される第1の側壁(43)及び第2の側壁(45)を備え、
前記第1の側壁(43)及び前記第2の側壁(45)は、前記駆動アーム(5)から横方向(Oy)に突出するピン(23)を受けるように設計される第1のオリフィス(47)及び第2のオリフィス(49)をそれぞれ備え、
前記第2の側壁(45)は、少なくとも横方向(Oy)で前記アダプタ(29)を前記駆動アーム(5)に強固に接続するように設計される、前記第2のオリフィス(49)内で前記ピン(23)を締結するための少なくとも1つの締結手段(57)を備えることを特徴とする、アダプタ(29)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの締結手段(57)は、前記第2のオリフィス(49)の狭窄部(65)で構成され、前記第2のオリフィス(49)は、実質的に円錐台形状を有するとともに、前記第2の側壁(45)の内面(451)及び外面(452)でそれぞれ測定された、前記第2のオリフィス(49)の少なくとも第1の主寸法(4911)及び前記狭窄部(65)の第2の主寸法(4912)によって規定され、前記第1の主寸法(4911)は、前記第2の主寸法(4912)よりも大きい、請求項1に記載のアダプタ(29)。
【請求項3】
前記少なくとも1つの締結手段(57)は、前記第2のオリフィス(49)を横切って延在するとともに前記第2のオリフィスを画定する縁部(69)からの径方向突出部を形成する少なくとも1つの可撓性タブ(75)を含む、請求項1に記載のアダプタ(29)。
【請求項4】
前記少なくとも1つの締結手段(57)は、前記第2の側壁(45)の材料で作製された弾性クランプリング(70)であり、前記弾性クランプリング(70)は、前記第2の側壁(45)の外面(452)に少なくとも部分的に組み込まれる、請求項1に記載のアダプタ(29)。
【請求項5】
自動車両用のワイパーシステム(1)におけるワイパーブレード(3)を駆動アーム(5)に接続するように設計される接続装置(7)であって、
前記ワイパーブレード(3)に強固に接続されるように設計されるとともに、前記ピン(23)を受けるように設計される少なくとも1つの横孔(41)を含む少なくとも1つのコネクタ(27)と、
前記コネクタ(27)を前記駆動アームに連結するために回転軸(400)を中心に回動可能に前記コネクタ(27)に装着される、請求項1から4のいずれか一項に記載のアダプタ(29)と、を備える、接続装置(7)。
【請求項6】
ワイパーブレード(3)と、駆動アーム(5)と、請求項5に記載の接続装置(7)と、を備える自動車両用のワイパーシステム(1)であって、
前記駆動アーム(5)は、少なくとも1つのピン(23)と、1つのラグ(25)と、を有し、前記ピン及び前記ラグの両方が、前記駆動アーム(5)の端部(21)から横方向(Oy)に突出する、ワイパーシステム(1)。
【請求項7】
前記駆動アーム(5)の前記端部(21)は、少なくとも第1のフランク(15)及び第2のフランク(17)を有し、前記少なくとも第2のフランク(17)は、前記ピン(23)を支持し、前記第2のフランク(17)は、前記アダプタ(29)の前記第1の側壁(43)の外面(432)に少なくとも部分的に当接する、請求項6に記載のワイパーシステム(1)。
【請求項8】
前記ラグ(25)は、前記アダプタ(29)の前記第2の側壁(45)に対向して配置される前記アダプタ(29)用の少なくとも1つのエンドストップフランジ(53)を含む、請求項6又は7に記載のワイパーシステム(1)。
【請求項9】
前記ラグ(25)は、前記第2のフランク(17)と前記端部フランジ(53)の内面(55)との間で測定される横方向寸法(50)によって規定され、前記横方向寸法(50)は、前記第1の側壁(43)の前記外面(432)と前記第2の側壁(45)の前記外面(452)との間で測定される前記アダプタ(29)の対応する横方向寸法(290)よりも厳密に大きく、前記端部フランジ(53)の前記内面(55)は、前記アダプタ(29)の前記第2の側壁(45)の前記外面(452)からゼロでない距離に配置される、請求項8に記載のワイパーシステム(1)。
【請求項10】
請求項6から9のいずれか一項に記載のワイパーシステム(1)を有する自動車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車両用のワイパーシステムの分野に関し、より具体的には、ワイパーブレードと、前記ブレード用の駆動アームと、ワイパーブレードを駆動アームに機械的に連結するようになっている接続装置とを備えるワイパーシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車両用のワイパーシステムは、拭き取りによって運転者の周囲の視界を妨げ得る液体及び汚れを除去するように設計される。これらのワイパーシステムは、通常、角度のある往復動作を行う駆動アームと、弾性材料から形成されるゴムが取り付けられた1つ以上の長尺なワイパーブレードとを備える。光沢のある表面を擦ることによって、これらのゴムは、水又は洗浄液と汚れの一部とを運転者の視野から一掃する。
【0003】
ワイパーブレードのレイアウトにかかわらず、ワイパーブレードは、接続装置によって駆動アームに取り付けられる。少なくとも1つのコネクタと1つのアダプタとを備える接続装置であって、コネクタがワイパーブレードに強固に接続され、アダプタが、第1にコネクタと協働し、第2に駆動アームの端部と係合するように設計された構成要素である、接続装置が知られている。コネクタ及びアダプタは、特に回動リンクによって協働して、ワイパーブレードを駆動アームに取り付け、これらの2つのアセンブリ間に関節リンクを形成する。
【0004】
車両は、特にアダプタに強固に接続されるようになっている駆動アームの端部の形状、したがって対応するアダプタの形状が互いに異なるいくつかのタイプのワイパーシステムを装備することができる。これに関連して、ウインドスクリーンワイパーブレードのアフターセール市場では、適切なコネクタが取り付けられていくつかのタイプのウインドスクリーンワイパーアームと協働するようになっている標準的なワイパーブレードを販売することが知られている。
【0005】
これらの様々な駆動アームは、特に「サイドロック」と呼ばれるものを含む。そのような駆動アームにおいて、端部は、駆動アームの主延在方向に対して横方向に延在する実質的にL字形のラグ及びピンを有する。ピンは、アダプタ及びコネクタを貫通し、駆動アーム及びワイパーブレードのための共通の回動軸を形成し、また、ラグは、少なくとも横方向での、すなわちピンの長さに沿った駆動アームに対するアダプタの動きをロックすることによって駆動アームとワイパーブレードとの間の機械的リンクを固定する。そのようなワイパーシステムの1つの欠点は、ワイパーブレードが横方向に移動するのを防止するように、様々な構成要素、特に駆動アーム及びアダプタのラグの寸法を調整する複雑さである。
【0006】
前述のアフターセール市場では、標準的なワイパーブレード及び関連するコネクタを、標準的なコネクタ及び駆動アームのうちの1つと具体的に協働するようにそれぞれ設計された複数のアダプタと共に販売することが知られている。そのような提供は、ユーザが必要としないアダプタを購入することを伴うため、ユーザを躊躇させる場合がある。
【0007】
したがって、機器サプライヤは、標準的なコネクタ及びいくつかのアダプタ、及び可能であれば特にサイドロックアームを含む複数の駆動アームタイプに適合する標準的なアダプタを備えた標準的なワイパーブレードを提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、この問題に対処し、特にサイドロック駆動アーム用のワイパーブレード及び駆動アームそれぞれのためのアダプタとコネクタとの間の信頼性が高く、耐久性があり、安価な機械的接続を達成するための従来のワイパーシステムの代替案を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的のために、本発明は、自動車両用のワイパーシステムにおけるワイパーブレードを駆動アームに接続するように設計される接続装置のためのアダプタであって、互いに離間し、上端壁によって互いに接続される第1の側壁及び第2の側壁を備え、第1の側壁及び第2の側壁は、駆動アームから横方向に突出するピンを受けるように設計される第1のオリフィス及び第2のオリフィスをそれぞれ有する、アダプタを提案する。
【0010】
アダプタは、第2の側壁が、少なくとも横方向でアダプタを駆動アームに強固に接続するように設計される第2のオリフィス内にピンを締結するための少なくとも1つの締結手段を備えることを特徴とする。
【0011】
第1の側壁に形成された第1のオリフィスは、少なくとも駆動アームのピンをアダプタを通じて、特にアダプタの内容積を通じて案内する機能を果たす。
【0012】
第2の側壁に支持された締結手段は、第2のオリフィス内のピンの横方向位置を確保し、したがって、駆動アームに対するアダプタの横方向の締結を確保するべく、少なくとも横方向で、すなわち、前記横方向の両方の向きで、前記アダプタが駆動アームに対してロックされるようにする。
【0013】
言い換えれば、第2の側壁は、アダプタに形成された第2のオリフィス内での駆動アームに強固に接続されたピンの横方向の動きを阻止するように設計された、第2のオリフィスの縁部の周り又は第2のオリフィスの内側に配置された締結手段を有する。
【0014】
これにより、これらの締結手段の縦方向寸法が駆動アームごとに異なり得ることを考慮すると、駆動アームから突出してピンと関連付けられる締結手段のサイズにかかわらず、アダプタ、ひいてはワイパーシステムの接続装置を多種多様な駆動アームに適用することができる。
【0015】
好適には、第2のオリフィスは、縦方向で及び/又は横方向及び縦方向に直交する垂直方向でアダプタを駆動アームに強固に接続したままにするようにも設計され得る。
【0016】
本発明の特徴によれば、少なくとも1つの締結手段が弾性変形可能である。「弾性変形可能」とは、締結手段が、ピンが第2のオリフィスを通過するときに変形し、締結手段を元の位置に戻す傾向がある弾性戻り力を生成するように設計されることを意味し、この弾性戻り力は、アダプタの位置をピンに対して設定できるようにする。
【0017】
特に、アダプタは、多かれ少なかれ弾性特性を有するポリマー材料、例えばポリオキシメチレン又は充填ポリブチレンテレフタレート(PBT)などの熱可塑性ポリマーから少なくとも部分的に形成され得る。
【0018】
本発明の任意選択的な特徴によれば、第2のオリフィスは、アダプタの内容積に向けられた第2の側壁の内面と、第2の側壁の内面の反対側の外面との間で延在する貫通孔である。
【0019】
本発明の任意選択的な特徴によれば、第2のオリフィスは止まり穴であり、この止まり穴は、アダプタの内容積へと方向付けられた第2の側壁の内面から延在するとともに、第2の側壁の内面の反対側の外面からゼロでない距離を隔てて配置された下端壁を有する。
【0020】
本発明の任意選択的な特徴によれば、少なくとも1つの締結手段は、第2のオリフィスの狭窄部で構成されてもよく、第2のオリフィスは、実質的に円錐台形状を有するとともに、第2の側壁の内面及び外面でそれぞれ測定される、第2のオリフィスの第1の主寸法及び狭窄部の第2の主寸法によって少なくとも規定され、第1の主寸法は、第2の主寸法よりも大きい。
【0021】
特に、第2のオリフィスは、円形断面を有することができ、この場合、第1の主寸法及び第2の主寸法は、第2の側壁を貫通する第2のオリフィスの円錐台形状の直径である。
【0022】
更に、例えば円筒形である第1のオリフィスは、第2のオリフィスの第1の主寸法に実質的に等しい一次主寸法によって特徴付けられてもよい。第1のオリフィスが円形断面を成す場合、一次主寸法は直径である。第1のオリフィスが多角形断面を成す場合、一次主寸法は断面の最長対角線である。
【0023】
本発明の任意選択的な特徴によれば、少なくとも1つの締結手段は、第2のオリフィスを横切って延在して第2のオリフィスを画定する縁部からの径方向突出部を形成する少なくとも1つの可撓性タブを含むことができる。「タブ」は、実質的に長尺構造、例えば平行六面体構造を意味し、第2のオリフィスの軸、例えば、第2のオリフィスを中心とすることができる接続装置を形成するためにアダプタと関連付けられたコネクタの回転軸に向かって収束することができる1つの自由端を有する。特に、そのようなタブは、ピンが第2のオリフィスに挿入されるときにピンと少なくとも部分的に接触するように設計される。
【0024】
本発明の任意選択的な特徴によれば、少なくとも1つの締結手段は、第2の側壁の材料で作製された弾性クランプリングであり、前記弾性クランプリングは、第2の側壁の外面に少なくとも部分的に組み込まれる。
【0025】
本発明の任意選択的な特徴によれば、締結手段を形成する弾性クランプリングは、第2のオリフィスを画定する縁部の周りで、溝によって径方向で画定され、溝は、この溝と第2のオリフィスを画定する縁部との間に配置された少なくとも1つのスラットを画定する。少なくとも1つの切り欠きをスラットに径方向に配置することができ、それにより、各スラットが切り欠きによって隣接するスラットから分離され、各切り欠きは、第2のオリフィスを画定する縁部から溝まで径方向に延在する。「切り欠き」とは、本質的に第2の側壁の外面を含む外側平面から内側に延びる中空構造を意味する。
【0026】
本発明の1つの特徴によれば、第2の側壁が複数の締結手段を備えることができる。一例として、前記オリフィスを画定する包絡線が円錐台形状を有するように、したがって第1の締結手段が前述のように狭窄部によって形成されるように設計された第2のオリフィスが存在してもよく、また、第2のオリフィスを画定する包絡線内へと径方向に突出するタブによって形成された第2の締結手段、及び/又は、第2の側壁の外面にこの第2の側壁内に開口する第2のオリフィスの縁部で例えば切り欠きの形態を成して形成された第3の締結手段も存在してもよい。
【0027】
ワイパーシステムの第1の実施形態によれば、アダプタは、ワンピースアセンブリであってもよい。「ワンピース」とは、アダプタが単一の部品を構成し、アダプタを損傷又は少なくとも部分的に破壊することなく側壁又は上端壁を互いに分離することができないことを意味する。
【0028】
第2の実施形態によれば、アダプタは、少なくとも1つの一次要素と1つの二次要素とを備え、二次要素は、一次要素に取り付けられて一次要素と係合し、
一次要素は、互いに離間するとともに一次上端壁によって互いに接合される第1の一次側壁及び第2の一次側壁を有し、
二次要素は、互いに離間するとともに二次上端壁によって互いに接合される第1の二次側壁及び第2の二次側壁を有し、
アダプタの第1の側壁は、少なくとも第1の一次側壁及び第1の二次側壁を備え、アダプタの第2の側壁は、少なくとも第2の一次側壁及び第2の二次側壁を備える。
【0029】
そのような実施形態の特徴によれば、アダプタの二次要素は、少なくとも1つの締結手段を含み、一次要素を少なくとも部分的に取り囲む。
【0030】
言い換えれば、アダプタの二次要素は、第2の側壁の外面及び第1の側壁の外面を備え、一方、一次要素は、同じ側壁の内面を備える。
【0031】
そのような実施形態は、特に、一次要素及び二次要素を異なる材料から形成できるようにし、それにより、例えば、締結手段を備える要素、この場合は第2の要素のために弾性特性を有する材料を使用することができる。
【0032】
本実施形態の任意選択的な特徴によれば、一次要素は、少なくとも1つのロック部材を備え、二次要素は、少なくとも1つのロック部材と協働するように設計される少なくとも1つの相補的なロック手段を備え、ロック部材及び相補的なロック手段は、二次要素を縦方向でロックするように少なくとも設計される。例えば、少なくともロック部材及び/又は相補的なロック手段は、相補的な形状及びサイズのリブ及びスロットで構成されてもよい。
【0033】
本実施形態の任意選択的な特徴によれば、相補的なロック手段は、二次要素の縦軸と直交する正中面の両側に対称的に延在することができる。
【0034】
本実施形態の任意選択的な特徴によれば、二次要素は、複数の相補的なロック手段を備えることができ、少なくとも第1の相補的なロック手段及び第2の相補的なロック手段が、二次要素の縦軸と直交する正中面の周りで互いに対して対称的に配置される。
【0035】
相補的なロック手段のそのような配置は、アダプタの二次要素を可逆的にし、それにより、駆動アームがアダプタに対して先に設定した位置、すなわち、一次要素の第2の一次側壁がラグを支持する駆動アームのフランクに面する位置とは反対に延在するワイパーシステムで前記要素を使用することができる。「可逆的」とは、二次要素を、一次要素から分離でき、垂直方向の周りで180°回転させ、次いで一次要素上に再組み立てできることを意味する。
【0036】
本発明の任意選択的な特徴によれば、実施される実施形態にかかわらず、アダプタは、特に粒子及び残骸が接続装置内、例えばワイパーブレード上の接続装置のコネクタの接合部に蓄積するのを防止するために、縦軸に沿って接続装置の縦方向端部を少なくとも部分的に覆うように設計された少なくとも1つの端縁を備えてもよい。
【0037】
特に、アダプタが第2の実施形態に従って形成される場合、一次要素及び/又は二次要素は、そのような端縁を形成することができる。
【0038】
好適には、そのような端縁は、ワイパーブレード、例えばワイパーブレードのデフレクタのための少なくとも1つの貫通切り欠きを備えてもよい。
【0039】
また、本発明は、自動車両用のワイパーシステムにおけるワイパーブレードを駆動アームに接続するように設計される接続装置であって、ワイパーブレードに強固に接続されるように設計されるとともに、ピンを受けるように設計される少なくとも1つの横孔を含む少なくとも1つのコネクタと、コネクタを駆動アームに連結するために回転軸を中心に回動可能にコネクタに装着される、前述のアダプタとを備える、接続装置に関する。
【0040】
本発明は、更に、ワイパーブレードと、駆動アームと、そのような接続装置とを備える自動車両ワイパーシステムに関し、駆動アームは、少なくとも1つのピンと、1つのラグとを備え、これらのピン及びラグはいずれも駆動アームの端部から横方向に突出する。
【0041】
上記によれば、アダプタ、ひいてはワイパーシステムの接続装置は、特にラグの横方向寸法が互いに異なる多種多様な駆動アームに適用することができ、したがって、アダプタの側面をラグの内面に対して停止させることによって標準サイズの所与のアダプタを横方向でロックすることを全て可能にするわけではない。したがって、本発明は、特に、ピンとアダプタの第2の側壁及び/又は第2のオリフィスとの間の協働によって、すなわち、ラグのサイズに関係なく、そのような横方向ロックを確保するように設計され、それにより、様々な寸法の異なるサイドロック駆動アームに適合させることができる駆動アームへのアダプタの強固な接続の信頼性を向上させるための代替手段を提供する。
【0042】
アダプタ内で、第1のオリフィス及び/又は第2のオリフィスは、コネクタの横孔の少なくとも部分的に反対側にあってもよい。
【0043】
コネクタは、特に、ブレードに強固に接続されたベースと、ブレードの反対側でベースから突出する低壁とを有することができる。また、アダプタ及びコネクタは、特に、アダプタの側壁がコネクタの低壁を受けるように設計されたシートを画定するように互いに対して配置されてもよく、アダプタの側壁は壁の両側に配置される。コネクタに対してアダプタを回動させるための手段は、それぞれ低壁及び側壁によって支持される。
【0044】
本発明の1つの特徴によれば、駆動アームの端部は、少なくとも第1のフランク及び第2のフランクを有し、少なくとも第2のフランクは、ピンを支持し、第2のフランクは、アダプタの第1の壁の外面に少なくとも部分的に当接する。
【0045】
言い換えれば、本発明によれば、アダプタの側壁、この場合は第2の側壁は、駆動アームから、特に第2のフランクから最も離れており、アダプタを横方向でロックするように設計された締結手段を備える。
【0046】
逆に、第1の側壁では、第1のオリフィスが、任意の形状、例えば円形又は多角形の断面を有する実質的に円筒形を成してもよく、ピンと少なくとも部分的に接触していてもしていなくてもよい。
【0047】
本発明の特徴によれば、ラグは、アダプタの第2の側壁の反対側に配置されたアダプタ用の少なくとも1つのエンドストップフランジを備える。
【0048】
具体的には、ラグは、第2のフランクと端部フランジの内面との間で測定される横方向寸法によって規定され、横方向寸法は、第1の側壁の外面と第2の側壁の外面との間で測定されるアダプタの対応する横方向寸法よりも厳密に大きく、端部フランジの内面は、アダプタの第2の側壁の外面からゼロでない距離を隔てて配置される。
【0049】
また、本発明は、前述したワイパーシステムを備える自動車両に関連する。
【0050】
他の特徴、詳細及び利点は、例として、以下の図に示される異なる例示的な実施形態に関連して以下に与えられる詳細な説明においてより明確に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0051】
図1】駆動アーム、より具体的にはこのアームの端部、並びに接続装置及びワイパーブレードを備える本発明に係るワイパーシステムの概略図である。
図2】本発明に係る駆動アームの端部及びワイパーシステムの接続装置の分解図であり、この場合には第1の実施形態に係るアダプタ、及びコネクタを示している。
図3】第1の実施形態に係るアダプタを備える駆動アーム及び接続装置の断面図である。
図4】アダプタの代替的な第1の実施形態の斜視図である。
図5図2又は図3に示される接続装置のアダプタの簡略底面図である。
図6】第1の例の締結手段を示す、図2図5に示されるアダプタの断面図である。
図7】第2の例の締結手段を備える、図2図6に示されるアダプタの断面図である。
図8】第2の例の締結手段の変形例を示す図7と同様の断面図である。
図9】第1の例の締結手段を有する、図2図5のアダプタをより詳細に示す斜視図である。
図10】第3の例の締結手段を示す図9と同様の斜視図である。
図11】第2の実施形態に係るアダプタの分解斜視図であり、アダプタは一次要素及び二次要素を備え、このアダプタは第1の例の締結手段を備える。
図12】第2の実施形態に係るアダプタの組み立て時の斜視図である。
図13】第2の実施形態に係る装置のアダプタの簡略底面図である。
図14】第2の実施形態に係るアダプタを備える接続装置及び駆動アームの断面図である。
図15】第2の実施形態に係るアダプタの断面図である。
図16】第2の実施形態に係るアダプタの代替例の組み立て時の斜視図である。
図17図16に示されるアダプタの二次要素の特定の例示的な実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
まず、図は、本発明を実施できるようにするために本発明を詳細に示しており、これらの図は、適切な場合には本発明をより良く規定するために必然的に使用され得ることに留意すべきである。
【0053】
本発明の特徴、変形、及び異なる実施形態は、不適合又は相互に排他的でない場合、異なる組み合わせで互いに関連付けられ得る。特に、特徴のこの選択が技術的利点をもたらすために又は本発明を従来技術から区別するために十分である場合には、以下に記載される特徴の選択のみを、記載された他の特徴から分離して備える本発明の変形を考慮することが想定し得る。
【0054】
図1に示されるように、本発明は、ワイパーブレード3と、駆動アーム5と、接続装置7とを備える自動車両ワイパーシステム1に関する。
【0055】
ワイパーブレード3は、自動車両の光沢面、例えばウインドスクリーンに対して移動するように関節結合されて設計される。ワイパーブレード3は、主に縦方向Oxに延在し、例えばエラストマー材料で作製され自動車両の光沢面と接触するように設計された少なくとも1つの可撓性ゴム9と、ゴムと協働するとともに非包括的な例として1つ以上の金属スプラインで構成されることができる補強アセンブリ11とを備える。更に、ワイパーブレード3は、少なくとも1つの空気力学的デフレクタ13を備えてもよい。
【0056】
接続装置7は、図2及び図3を参照して以下に詳述するように、ワイパーブレードを駆動アーム5に回動可能に連結するべく、ワイパーブレードと駆動アームとの間に、この場合にはワイパーブレード3の中央領域に配置される。
【0057】
駆動アーム5は、実質的に前述の縦方向Oxに延在し、駆動機構に連結された、ここでは図示されていない第1の端部と、接続装置7と協働する第1の端部の反対側の端部21とを備える。この端部21は逆「U」構造を有し、その場合、第1のフランク15及び第2のフランク17が「U」の分岐を形成し、第1のフランク15と第2のフランク17とを互いに接続する上側フランク19がベースを形成する。特に、第1のフランク15及び第2のフランク17は、少なくとも部分的に互いに平行に延びる。
【0058】
駆動アーム5の端部21は、少なくとも1つのピン23及び1つのラグ25を備え、これらはいずれも前記端部21から縦方向Oxに直交する横方向Oyに突出する。そのような駆動アーム5は、特に「サイドロック」駆動アームとして知られており、ピン23は、ピン23が中心に置かれる回動軸300を中心とした接続装置7と駆動アーム5との間の回転機械リンクをもたらすように設計される。
【0059】
接続装置7は、少なくとも1つのコネクタ27と、1つのアダプタ29とを備える。コネクタ27は、ワイパーブレード3に強固に接続されるように設計される。このコネクタは、ワイパーブレード3との完全な機械的リンク、すなわち、回転及び並進において剛性を与え、それにより、コネクタが前記ワイパーブレードに装着されると、コネクタはブレードに対して自由度を有さない。
【0060】
コネクタ27は、ベース31を備え、該ベース31は、主としてワイパーブレード3の延在方向、この場合には縦方向Oxに延在するとともに、ワイパーブレード3と係合するように設計される少なくとも1つの爪37と、例えば前記スプラインがゴムから側方に突出する補強スプラインと、を画定するのを助けるために、例えばベース31の下部に形成される1つ以上の縦方向溝35の形態で、コネクタ27をワイパーブレード3に強固に取り付けるためのゾーン33を備える。ベース31の上端には、少なくとも1つの実質的に垂直な低壁39があり、低壁39は、ベース31と同じ材料から形成されるとともに、回転軸400を中心とする円形断面の横貫通孔41によって穿孔され、回転軸400は、ブレード及び関連するコネクタ27がアームに装着されると、前述のピン23の回動軸300と一致する。
【0061】
アダプタ29は、コネクタ27上に回転軸400を中心に回動可能に装着され、コネクタ27を駆動アーム5に連結する。アダプタ29は、非包括的な例として、ワイパーブレード3によって規定される縦方向Oxに実質的に長尺となり得る全体的な平行六面体構造を有する。アダプタ29は、互いに離間した第1の側壁43及び第2の側壁45を備える。これらの壁は、縦方向Oxに実質的に平行な縦軸100に沿って延在する上端壁46によって互いに接続される。特に、第1の側壁43及び第2の側壁45は、互いに平行に延びてもよい。したがって、アダプタは、コネクタの低壁のための受け入れシートを形成する中空空間を含む。
【0062】
慣例により、この文書全体を通して、「縦」という用語は、ワイパーブレード3又はアダプタ29の上端壁46の主方向を指し、「横」という用語は、駆動アーム5のピン23の主延在方向によって規定される縦方向に対して実質的に垂直な方向を指し、「垂直」という用語は、縦方向及び横方向の両方に対して垂直な方向を指す。それぞれの関連する図において、縦方向は軸Oxによって示され、一方、軸Oz及びOyは垂直方向及び横方向を表わす。これらの軸は共に、「上端」又は「上側」が軸Oyの正の方向によって表わされ、「下端」又は「低」が同じ軸Oyの負の方向によって表わされる基準座標系Oxyzを規定する。
【0063】
ワイパーシステム1の第1の実施形態によれば、アダプタ29は、ワンピースアセンブリである。言い換えれば、このアダプタは、単一の部品として形成され、側壁43、45及び/又は上端壁46は、アダプタ29を損傷又は破壊しなければ互いに分離することができない。
【0064】
任意選択的に、図2又は図5に示されるように、接続装置7の縦方向端部59、特にアダプタ29は、例えばコネクタとワイパーブレードとの間の接合部において、接続装置7内の粒子及び残骸の蓄積を防止するように特に設計された端縁61によって少なくとも部分的に閉じられてもよい。好適には、そのような端縁61は、ワイパーブレードのための、例えばワイパーブレード3のデフレクタ13のうちの1つための少なくとも1つの貫通切り欠き611を備えてもよい。この場合、そのような端縁61は、非包括的な例によれば、アダプタ29のヘッド63に含まれる。以下の説明の目的のために、アダプタ29は、例えば図4に示されるように、端縁及び/又は切り欠き611及び/又はヘッド63を含むことができることが理解される。
【0065】
図2図5の少なくとも1つに示されるように、アダプタ29の第1の側壁43及び第2の側壁45は、駆動アーム5のピン23を受けるように設計された第1のオリフィス47及び第2のオリフィス49をそれぞれ備える。
【0066】
第1のオリフィス47は、アダプタ29の内容積500、すなわちアダプタの内側に画定されたシートに向かって方向付けられる第1の側壁43の内面431と、第1の側壁43の内面431とは反対側の第1の側壁43の外面432との間で延在する。各オリフィスは、対応する側壁内に円筒状エンベロープを形成する縁部69によって径方向に画定される。第1のオリフィス47は、ピン23をアダプタ29の内容積500内に案内するように少なくとも設計される。例えば、第1のオリフィスは、少なくとも部分的に円筒形、例えば円形又は多角形の断面であってもよい。更に、ピン23が第1のオリフィス47を通って延びるとき、前記ピンは、第1のオリフィス47を径方向に画定する縁部69と接触してもしなくてもよい。
【0067】
第2のオリフィス49は、第2の側壁45の厚さを通って延びるオリフィスであり、少なくともこの第2の側壁45の内面451においてアダプタ29の内容積500に向かって開口している。好適には、第1のオリフィス47及び第2のオリフィス49は、同軸であり、同じ軸、例えばピン23上のコネクタ27の回転軸400を中心とすることができる。
【0068】
図8を除いて、図に示す例では、第2のオリフィス49は、第2の側壁45の横方向寸法全体、具体的には内面451から、内面451の反対側の第2の側壁45の外面452まで延在する貫通孔である。
【0069】
図8に示す変形例では、第2のオリフィス49は、内面451から第2の側壁45の厚さを通って延びるブラインドオリフィスであり、第2のオリフィスは、下端壁490によって横方向に画定される。
【0070】
アダプタの実施形態にかかわらず、アダプタは、特に、ブレードに強固に接続されたコネクタに装着されることができ、その後、ピンは、ラグ25がアダプタ29に対して停止しないようにブレードがアームに対して例えば45°傾斜した状態でアダプタに挿入され、その後、ブレードは、ラグをアダプタの側壁に対向させるようにピンによって形成された軸の周りで回動される。
【0071】
ワイパーシステム1が組み立てられると、アダプタ29はこうして駆動アーム5に装着され、それにより、第1の側壁43の外面432は、駆動アーム5の第2のフランク17、すなわちピン23を少なくとも部分的に支持してアダプタ29に最も近い駆動アーム5のフランクを少なくとも部分的に支持する。したがって、ピン23は、アダプタ29の第1のオリフィス47、内容積500、及び第2のオリフィス49を通って延びる。
【0072】
コネクタ27は、アダプタ29によって画定された内容積500内に少なくとも部分的に延在するように設計される。特に、低壁39は、アダプタ29の第1のオリフィス47及び第2のオリフィス49の反対側に横孔41を配置するように、内容積500内に配置される。コネクタ27とアダプタ29との間の連結は、非包括的な例として、弾性スナップ嵌合によって行われてもよく、アダプタ29の内面431,451は、特に、第1のオリフィス47及び/又は第2のオリフィス49を境界付けてコネクタ27の低壁39と協働するように設計された1つ以上の円筒状ストランド51を含んでもよい。好適には、そのような構成は、ワイパーシステム1が組み立てられるときにコネクタ27がアダプタ29に係合するようにし、それにより、アダプタ29、したがってそれに強固に接続されたアームを、コネクタ27、したがってワイパーブレードに対して回動させることができる。
【0073】
駆動アーム5のラグ25は、縦方向Oxに対して横方向に延在し、アダプタ29の上端壁46とこの場合は横方向Oyで重なる。ラグ25は、アダプタ29の第2の側壁45に対向して垂直に延びるアダプタ29用の少なくとも1つのエンドストップフランジ53を含む。アダプタ及びラグが一致する横方向寸法を有する場合、ラグ25は、端部フランジを介して駆動アームの反対側のアダプタの側壁、この場合は第2の側壁と接触するようになっており、この場合、アダプタは、端部フランジと最も近い駆動アームのフランクとの間に挟まれる。したがって、そのようなラグ25は、少なくとも横方向Oy、すなわちピン23の延在方向における駆動アーム5に対するアダプタ29の動きをロックすることによって、駆動アーム5とワイパーブレード3との間の機械的リンクを固定するようになっている。
【0074】
前述したように、本発明は、ワイパーシステム1のための接続装置7の標準化に関し、そのような装置を様々な形状及びサイズの駆動アーム5と共に使用できるようにし、したがって、ラグ及びアダプタの横方向寸法は、前述したように必ずしも一致しない。本発明に係るワイパーシステム1のアダプタ29は、駆動アーム5及び駆動アームラグ25の横方向寸法とアダプタの横方向寸法との間のいかなる差にもかかわらず、横方向Oyにおいて駆動アーム5に対して接続装置7をロックするように有利に設計される。
【0075】
本発明によれば、従来技術とは異なり、駆動アーム5の第2のフランク17に向かって方向付けられるラグ25、より詳細にはラグ25の端部フランジ53の内面55は、アダプタをアームに対して横方向位置にロックできるようにしながら、第2の側壁45からゼロでない距離を隔てて配置され得る。側方又は横方向の動きのロックは、より具体的には、アダプタ29とピン23との協働によって達成され、これにより、このタイプの締結のために明示的に設計されていない幅を有するアダプタと共にこのシステムを使用することが可能になる。
【0076】
そのような組み立てられたワイパーシステム1の一例が図3に示される。第2のフランク17と端部フランジ53の内面55との間で測定される駆動アーム5のラグ25の横方向寸法50は、第1の側壁43の外面432と第2の側壁45の外面452との間のアダプタ29の対応する横方向寸法290よりも厳密に大きい。端部フランジ53の内面55は、アダプタ29の第2の側壁45の外面452からゼロでない距離を隔てて配置され、それにより、端部フランジ53とアダプタ29の第2の側壁45との間に隙間が存在し、従来のワイパーシステムでは、アダプタ29は、横方向Oyの少なくとも1つの向きで駆動アーム5に対してロックすることができない。
【0077】
アダプタ29を横方向Oyにロックするために、アダプタは、側壁45のうちの1つ、この場合は第2の側壁が、特にアダプタ29を駆動アーム5のピン23に係合させることによって、少なくとも横方向Oyにおいてアダプタ29を駆動アーム5に強固に接続するように設計された少なくとも1つの締結手段57を備えるように設計される。本発明に係る締結手段57は、第2のオリフィスに着座したピン23との協働を可能にするように、第2のオリフィス49を画定する縁部69の近傍の第2の側壁に配置される。
【0078】
締結手段57は、ピン23の自由端部分、すなわち、ピンが突出する駆動アームのフランクから離れて、又は少なくとも距離を隔てて延びる部分と協働することに留意すべきである。この目的のために、締結手段57は、駆動アーム5から最も離れた側壁43、45、この場合は第2の側壁45に含まれる。
【0079】
アダプタ29は、その例が図6図10に示される様々な代替形態に従って形成され得る、1つ以上の締結手段57を備えることができる。そのような例は決して限定的ではなく、アダプタ29は、図示されていないそのような締結手段57の組み合わせを含むことができることが理解される。これらの異なる代替形態は、特に、第2の側壁45及びその側壁の第2のオリフィス49を画定する縁部の形状及び/又は材料、並びに駆動アーム5のピン23に対するアダプタ29の係合を確保するように第2のオリフィス49を画定する縁部の近傍の第2の側壁45に組み込まれた更なる部材の存在に関連し得る。
【0080】
第2の側壁45は、第2のオリフィス49を画定する縁部69が略円筒形状又は略円錐台形形状を有するように構成されてもよい。以下では、第2のオリフィスを画定する縁部の円筒形もしくは円錐台形状、又は第2のオリフィスの円筒形もしくは円錐台形状は、交換可能に参照される。
【0081】
図5及び図6に示されるように、第2のオリフィス49が実質的に円筒形である場合、横方向Oyに対して垂直に取られた第2のオリフィス49の断面は、アダプタ29の第2の側壁45の横方向寸法又は厚さ450全体にわたって実質的に一定である第2のオリフィス49の主寸法491、この場合は直径、によって特徴付けられる。そのような主寸法491は、ワイパーシステム1の組み立て中に駆動アーム5のピン23の挿入を可能にするように特に決定される。
【0082】
上記のように、第1のオリフィス47は少なくとも部分的に円筒形であってもよい。横方向Oyに対して垂直に取られた第1のオリフィス47の断面は、第1のオリフィス47の少なくとも1つの主寸法471、この場合は直径によって規定され、この直径は、例えば、ピンがコネクタの低壁(図5及び図6には図示せず)を通過した後に第2のオリフィスと協働するべく第1のオリフィスを実際に通過するようにするために、第2のオリフィス49の主寸法491以上であってもよい。
【0083】
図7及び図8に示されるように、第2のオリフィス49が実質的に円錐台形である場合、第2のオリフィス49は、少なくとも第1の主寸法4911と、第1の主寸法よりも小さい第2の主寸法4912とによって規定される。特に、第1の主寸法4911は、第2の側壁45の内面451に沿って、縦方向Ox及び垂直方向Ozによって規定される平面内で測定された、第2のオリフィス49の第1の断面の特性である。第2の主寸法4912は、内面451とは反対側の、縦方向Ox及び垂直方向Ozによって規定された平面内で測定される第2の断面の特性であり、この第2の断面は、第2のオリフィス49が図7に示すように貫通孔である場合にアダプタ29の第2の側壁45の外面452と同じ高さ、又は図8に示すように第2のオリフィス49が止まり穴である場合に下端壁490と同じ高さであってもよい。
【0084】
この場合、第2のオリフィス49は略円形の第1の及び第2の断面を有し、主寸法4911、4912は前記断面の直径である。
【0085】
前述と同様に、第1のオリフィス47は、少なくとも部分的に円筒形であってもよい。横方向Oyに対して垂直に取られた第1のオリフィス47の断面は、直径又は対角線などの主寸法471によって規定され、これは、非包括的な例として、第2のオリフィス49の第1の断面の第1の主寸法4911と実質的に等しいか又はそれより大きくてもよい。
【0086】
前述したように、アダプタは、第2の側壁45に少なくとも1つの締結手段57を有する。これらの締結手段57は、弾性変形可能である。言い換えれば、締結手段57は、ピン23を第2のオリフィス49に挿入する効果の下で変形して、ピンが通過できるようにし、ピンと係合しながら元の位置に戻り、ピン上の締結手段の径方向の圧縮によってピンを横方向にロックするように設計される。
【0087】
例えば、図9を参照して以下により詳細に説明される図4及び図6に示される第1の例示的な実施形態によれば、この少なくとも1つの締結手段57は、第2のオリフィス49を画定する縁部69との接合部において、第2の側壁45の外面452に配置されてもよい。
【0088】
特に、アダプタ29は、所望の弾性度に応じて、多かれ少なかれ弾性特性を有するポリマー材料、例えばポリオキシメチレン、繊維強化アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)又は充填ポリブチレンテレフタレート(PBT)などの熱可塑性ポリマーなどの合成材料から少なくとも部分的に形成され得る。
【0089】
第2の円錐台形オリフィスの上記の例では、断面の減少は、第2の主寸法4912で、少なくとも1つの締結手段57の第2の例を構成する狭窄部65を形成する。
【0090】
より具体的には、第2の主寸法4912は、ピン23の対応する寸法、具体的には横方向に垂直な平面における断面よりもわずかに小さい値を有し、それにより、アダプタ29から外方に面する少なくとも狭窄部65がピン23に係合される。具体的には、少なくとも狭窄部65は、ピン23に合わせた形状となっている。
【0091】
第2の円錐台形オリフィスを参照すると、ピンの挿入は、ピンの自由端が狭窄部に近いときに第2の側壁を弾性的に変形させ、第2のオリフィスを画定する縁部69の第2の主寸法4912を拡大する傾向があり、選択された材料の弾性の程度は、少なくとも1つの締結手段を構成する狭窄部において、第2のオリフィスを画定する縁部がピンの周りに締め付けられ、ピンを定位置にロックすることを可能にする。
【0092】
更に、第2のオリフィス49の形状にかかわらず、第2の側壁45は、図9及び図10に概略的かつ非限定的に示されるように、他の実施形態に係る1つ以上の締結手段57を備えてもよい。
【0093】
締結手段57は、これらの場合、第2の側壁45の外面452、例えば、第2のオリフィス49を画定する縁部69にほぼ近い周辺部に配置される。
【0094】
図9は、第2の側壁の材料で作製された弾性クランプリング70の形態の、前述の第1の例示的な実施形態に係る締結手段57を示す。より具体的には、第2の側壁45は、外面452と第2のオリフィスを画定する縁部69との接合部に、第2のオリフィスを画定する縁部69からこのオリフィスの軸線に対して径方向に延在するとともに弾性変形によってピン23の自由端部分を把持するように設計されたこの弾性クランプリングを形成するのに役立つ少なくとも1つの切り欠き67を備える。
【0095】
図示のように、弾性クランプリング70は、特に、少なくとも1つの切り欠き67によって互いに分離され、外周溝71の存在によって可撓性にされた複数のスラット73によって形成される。
【0096】
より具体的には、少なくとも1つの切り欠き67は、実質的に平行六面体の形状を有し、第2の側壁、その外面452、及び第2のオリフィス49全体の周りに配置された弾性クランプリング70を通って延びる。この場合、締結手段57を形成するこのクランプリングは、一定の角度間隔で分布する4つの切り欠き67を備える。これらの切り欠き67は、第2の側壁45の外面452を実質的に含む外側平面455から第2の側壁45の厚さ450へと内側に延びる。図9に示される切り欠き67の数、形状、及び位置は、決して限定的ではなく、変更することができる。
【0097】
弾性クランプリング70は、第2のオリフィス49を画定する縁部69全体の周りで延在するとともにこの溝71と第2のオリフィス49との間に少なくとも1つのスラット73を画定する溝71によって、第2のオリフィスの軸線に対して径方向に画定され、各スラットは、切り欠き67によって隣接するスラットから分離され、各切り欠きは、第2のオリフィスを画定する縁部69から溝71まで径方向に延在する。
【0098】
溝71と第2のオリフィス49との間のスラット73の位置決めによってもたらされるスラット73のそれぞれの突出プロファイルは、これらのスラットのそれぞれが、例えば外側平面455に部分的に含まれるように、第2の側壁45の外面452と少なくとも部分的に面一になるように設計されてもよい。
【0099】
したがって、この場合、締結手段57は、それぞれが2つの切り欠き67によって部分的に画定された4つのスラット73を備える。前述したように、図9に示す溝71及び/又はスラット73の数、形状及び位置は、決して限定するものではなく、変更することができる。
【0100】
ピンが第2の側壁に挿入されると、スラット73は、ピン23の自由端部分が通過できるようにするべく溝71の方向で径方向に離れるように移動する傾向があり、その弾性は、切り欠きによって作られた角度のあるカットアウトによって強調され、スラットを第2のオリフィスの軸に向かって戻し、ピンが径方向の圧縮によって保持されるようにする傾向がある。
【0101】
締結手段57の第3の例示的な実施形態によれば、前記手段は、代替的に図10に示すように、又は前述の弾性クランプリングと組み合わせて、第2のオリフィス49を横切って延在し、第2の孔49を画定する縁部69から径方向突出部を形成する少なくとも1つの可撓性タブ75を備えることができる。
【0102】
タブ75は、長尺形状、特に、必ずしもそうとは限らないが、実質的に平行六面体の形状を有する。タブは、第2のオリフィスを画定する縁部69から、この場合、この縁部と第2の側壁45の外面452との間の接合部において、例えば回転軸400に向かって径方向に延在する。タブ75は、薄いとともに、例えば、第1にピン23を第2のオリフィス49に挿通できるようにするべく、第2にワイパーシステム1が組み立てられた時点で弾性復帰によって前記ピン23が把持されるようにするべく、弾性的に変形され得る。
【0103】
したがって、第2の側壁45は、例えば、狭窄部65及び/又は少なくとも1つの弾性クランプリング70及び/又は少なくとも1つのタブ75の組み合わせを備えることができる1つ以上の締結手段57を備えてもよい。前述したように、アダプタ29のこれらの代替的な実施形態のそれぞれはまた、第2の側壁45及び関連する締結手段57を使用してピンを締結する機能を最適化するように、弾性変形可能な材料で少なくとも部分的に形成されてもよい。
【0104】
具体的には、アダプタ29は、異なる弾性特性を有するいくつかの材料の射出成形によってワンピースで形成されてもよく、少なくとも1つの弾性クランプリング70及び/又は少なくとも1つのタブ75は、アダプタの残りの部分よりも弾性である材料で形成される。
【0105】
前述したように、ワイパーシステム1を組み立てる際には、駆動アーム5が接続装置7に装着される。ピン23は、その後、図3に示すように、駆動アーム5の第2の側方フランク17がアダプタ29の第1の側壁43の外面432に当接するまで、横方向Oyの並進動作によって第2のオリフィス49に挿通される前に、アダプタ29の内容積500内に延びるコネクタ27の横孔41内の第1のオリフィス47に係合される。この位置では、第2の側壁45に含まれる少なくとも1つの締結手段57は、第2の側壁45を介して駆動アーム5のピン23と係合し続けることによって、接続装置7を横方向Oyにロックするのに役立つ。次に、駆動アーム5は、ラグ25の端部フランジ53が第2の側壁45の外面452に面するまでラグ25を接続装置7に向かって移動させるように、回動軸300を中心に下方に回動される。
【0106】
駆動アームの接続装置7が取り付けられたワイパーブレード3を分解するには、前述した組み立てシーケンスのステップを逆の順序で行えばよい。
【0107】
図11図17は、第2の実施形態と実質的に同一であるワイパーシステム1の第2の実施形態の異なる図であり、したがって、上記の説明を必要な変更を加えて適用することができる。本実施形態は、一次要素77に取り付けられて前記一次要素77と係合される複数の部品、特に少なくとも1つの一次要素77及び1つの二次要素79をアダプタ29が備える点で、第1の実施形態とは異なる。
【0108】
一次要素77は、互いに離間して一次上端壁773によって互いに接合される第1の一次側壁771及び第2の一次側壁772を有する。
【0109】
同様に、二次要素79は、互いに離間して二次上端壁793によって互いに接合される第1の二次側壁791及び第2の二次側壁792を有する。
【0110】
したがって、一次要素77及び二次要素79は、アダプタ29の第1の側壁43が、少なくとも第1の一次側壁771及び第1の二次側壁791を備える一方で、アダプタ29の第2の側壁45が、少なくとも第2の一次側壁772及び第2の二次側壁792を備え、アダプタ29の上端壁46が、一次上端壁773及び二次上端壁793を備えるように協働するべく設計される。言い換えれば、一次要素77は、上記のように第1の側壁43の内面431及び第2の側壁45の内面451を備え、二次要素79は、第1の側壁43の外面432及び第2の側壁45の外面452を備える。二次要素79は一次要素77と重なり合い、それぞれが少なくとも部分的に一致するプロファイルを有する。
【0111】
同様に、二次要素79の第1の二次側壁791及び第2の二次側壁792は、二次要素79の外面432,452とは反対側の中間内面794,794’をそれぞれ備える。同様に、一次要素77の第1の一次側壁771及び第2の一次側壁772は、アダプタ29の内面431,451とは反対側の中間外面774,774’をそれぞれ備え、二次要素79の中間内面794,794’は、一次要素77の中間外面774,774’と少なくとも部分的に接触している。一次要素77と二次要素79との間の協働は、以下で更に詳述される。
【0112】
アダプタ29のこのような構成は、アダプタを異なる材料で形成できるようにする。特に、横方向にピンをロックする前述の機能を与えながらアダプタ29の構造を強化するために、一次要素77又は二次要素79のいずれかは、実質的に剛性の熱可塑性ポリマー材料で作製することができ、他方は、熱可塑性要素よりも高い弾性変形特性を有するより柔らかい材料で作製することができる。非包括的な例として、少なくとも1つの締結手段57を備えるアダプタ29の少なくとも要素、この場合には二次要素79は、弾性変形可能なポリマー材料で作製される。
【0113】
第2のオリフィス49に関して第1の実施形態で前述した特徴の全ては、第2の側壁45の厚さ450に一体的に形成された第2のオリフィス49の代わりに、第2の実施形態に係るアダプタ29の第2のオリフィス49が、一次要素77の第2の一次側壁772に含まれる第2のオリフィス49の第1の部分81と、二次要素79の第2の二次側壁792に含まれる第2のオリフィス49の第2の部分83とを備えるという違いにより、本実施形態に準用することができる。第2のオリフィス49の前記第1の部分81及び第2のオリフィス49の前記第2の部分83は、駆動アーム5のピン23を受けるように設計された連続オリフィスを形成するように、二次要素79が一次要素77に重なるように配置されるとき、少なくとも部分的に互いに対向して配置される。具体的には、それらは、同じ軸、例えばアダプタ29上のコネクタ27の回転軸400を中心とすることができる。
【0114】
更に、第2のオリフィス49の第1の部分81及び第2のオリフィス49の第2の部分83は、第2のオリフィス49が、図6を参照して前述したように略円筒形状、又は図7及び図8を参照して前述したように円錐台形形状を有するように設計されてもよい。同様に、アダプタ29の第2のオリフィス49の第2の部分83及び/又は二次要素79の第2の二次側壁792は、図7図10を参照して前述した少なくとも1つの締結手段57の例示的な実施形態のいずれかを備えることができる。図示されていない例によれば、第2のオリフィス49の第2の部分83は、締結手段57の狭窄部65を備えてもよい。
【0115】
第1の実施形態と同様に、アダプタ29は、任意選択的に、その縦方向端部59に端縁61を備えてもよい。好適には、そのような端縁61は、一次要素77に含まれる一次端縁612、及び/又は一次端縁611と少なくとも部分的に一致して一次端縁611を少なくとも部分的に取り囲む二次端縁613を備えることができる。同じことが、一次要素77及び/又は二次要素79に組み込まれるように転置されてもよい、前述の切り欠き611及び/又はヘッド63にも当てはまる。
【0116】
したがって、アダプタ29は、図11図13に示すように、単独で、又は二次端縁613と組み合わせて、一次端縁611を含む端縁61を備えてもよく、又は図16に示すように、その縦方向端部59で開いていてもよい。
【0117】
一次要素77及び二次要素79を特に縦方向Oxにおいて互いに強固に接続した状態に保つために、一次要素77は、少なくとも1つのロック部材85を備え、二次要素79は、少なくともロック部材85と協働するように設計された少なくとも1つの相補的なロック手段87を備える。
【0118】
好適には、アダプタ29は、複数のロック部材85及び相補的なロック手段87を備えることができ、その異なる例が図11図17に示される。これらは、図示のように、同様の構造又は異なる構造を有してもよい。アダプタ29は、前記図に示す異なるロック部材85及び相補的なロック手段87の一部のみを含むように設計されてもよい。
【0119】
本発明に係るロック部材85の第1の例は、一次上端壁773から、又はより具体的には、例えば図11及び図12に示すように、一次上端壁773に形成されたアンダーカットから突出することができる少なくとも1つのロックリブ89で構成される。図示の例では、ロック部材85は、縦方向Oxに延在する。或いは、このようなロックリブ89は、横方向Oyに延びていてもよい。好適には、アダプタ29の一次要素77は、複数のロックリブ89を備える。
【0120】
二次要素79は、二次要素79が少なくとも縦方向Oxに移動するのを防止するように、ロックリブ89と協働するべく設計された少なくとも1つの相補的なロック手段87を備える。この場合、二次要素79は、ロックリブ89の少なくとも一方が内部に延在し、縦方向Oxにおいて前記ロックリブ89のためのストッパを形成するように設計された少なくとも1つの周縁部93を有する窓91を備える。この場合、二次要素79は、様々なロックリブ89がその中で延在する窓91を備える。
【0121】
第2の例のロック部材85は、例えば、第1の一次側壁771及び/又は第2の一次側壁772及び/又は一次上端壁773に形成され得る一次要素77の、一次スポット面95と呼ばれる少なくとも1つのスポット面で構成されてもよい。そのような一次スポット面95は、例えば図13又は図17に示されるように、二次要素79に含まれる少なくとも1つの相補的なロック手段87、この場合は二次スポット面97と呼ばれる一致する形状のスポット面と協働するように設計される。
【0122】
二次要素79のための第3の例の相補的ロック手段は、アダプタ29の内容積500に向かって、すなわちアダプタ29の一次要素77に向かって延びるように、第1の二次側壁791及び/又は第2の一次側壁772の中間内面794,794’のうちの少なくとも一方から突出する、図11又は図17に示される少なくとも1つの二次歯99で構成されてもよい。そのような二次歯99は、非包括的な例として、二次歯99の反対側に配置された、一次要素77の第1の一次側壁771及び/又は第2の一次側壁772の中間外面774,774’のうちの少なくとも一方に開口する一致する形状の一次スロット101を備える少なくとも1つのロック部材85と協働するように設計されてもよい。
【0123】
その一例が図17に示される第2の実施形態に係るワイパーシステム1の特定の一実施形態によれば、少なくとも二次要素79が、開放縦方向端部59を有する、すなわち、端縁61を有しない場合、前記要素は、好適には、少なくとも1つの相補的なロック手段87が、二次要素79の縦軸100に直交する、二次要素79の垂直及び横正中面250の両側に対称的に延在するように設計されることができる。
【0124】
このような配置は、好適には、一次要素77上の二次要素79が可逆的であることを可能にする。言い換えれば、前述の二次要素79は、二次要素79から分解され、垂直方向Ozの周りに180°回転され、次いで、第1の一次側壁771が第2の二次側壁792の反対側にあり、第2の一次側壁772が第1の二次側壁791の反対側にあるように、一次要素77上に再組み立てされ得る。したがって、本発明に係るワイパーシステム1の接続装置7はまた、前述のように駆動アーム5によって採用される位置の代わりに、横方向Oyにおいてアダプタ29に対向して、例えば第2の側壁45の外側平面455の他方側に配置されるように設計された駆動アーム5と共に使用されることができる。
【0125】
そのような反転されたレイアウト(図示せず)では、アダプタ29の第1の側壁43は、前述のように一次要素77の第2の一次側壁772と、二次要素79の第1の二次側壁791とを含み、一方、アダプタ29の第2の側壁45は、第1の一次側壁771と第2の二次側壁792とを備える。言い換えれば、アダプタ29の第2の側壁45は、第2の二次側壁792を備えるアダプタ29の壁、すなわち、締結手段57を少なくとも部分的に備えることができる側壁である。同様に、締結手段57を少なくとも部分的に備えることができる第2の部分83を備えるオリフィスは、第2のオリフィス49と呼ばれる。
【0126】
したがって、そのような構成は、上記のような第1の一次側壁を含む第1の側壁ではなく、第2の一次側壁772に面するように設計された駆動アーム5に適している。前述と同様に、少なくとも1つの締結手段57は、駆動アーム5から最も離れたアダプタ29の側壁に含まれる。
【0127】
図17に示すように、アダプタ29は、二次要素79の縦軸Oxに垂直な正中面250の周りに互いに対称的に配置された少なくとも第1の相補的ロック手段871及び第2の相補的ロック手段872を含む複数の相補的ロック手段87を備えることができる。第1の相補的ロック手段871及び第2の相補的ロック手段872は、前述した実施形態のいずれかに従って形成されてもよく、すなわち、前記手段は、複数の窓91及び/又は二次スポット面97及び/又は二次歯99、又は前述した例示的な実施形態の任意の他の代替形態で構成されてもよい。この場合、図17に示す例示的な二次要素79では、第1の相補的ロック手段871及び第2の相補的ロック手段872は、二次歯99で構成される。
【0128】
上記によれば、本発明は、ワイパーシステムの接続装置において、特にサイドロック駆動アームを含む複数の異なる駆動アームに適合するように設計された、すなわち前記アームの縦方向に対して横方向に延びる駆動装置の少なくとも1つの回転ピンを備えるアダプタを提供する。したがって、接続装置のアダプタは、駆動アームのピンを受け入れるように設計された第1のオリフィス及び第2のオリフィスをそれぞれ有する少なくとも第1の側壁及び第2の側壁を備え、第2の側壁は、駆動アームのピンに対して少なくとも横方向Oyにアダプタをロックするように設計された少なくとも1つの締結手段を備える。
【0129】
しかしながら、本発明は、本明細書に記載及び図示された手段及び構成に決して限定されず、任意の同等の手段又は構成及びそのような手段の任意の技術的に動作可能な組み合わせにも及ぶ。特に、接続装置のアダプタ、又はロック部材及び/又は相補的なロック手段の形状及び/又は寸法は、これらの構成要素が最終的にこの文書に記載された構成要素と同じ機能を果たす限り、本発明を損なうことなく修正することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
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【国際調査報告】