(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-04
(54)【発明の名称】ヘアケア器具
(51)【国際特許分類】
A45D 20/12 20060101AFI20230927BHJP
【FI】
A45D20/12 J
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023518038
(86)(22)【出願日】2021-09-09
(85)【翻訳文提出日】2023-04-13
(86)【国際出願番号】 GB2021052323
(87)【国際公開番号】W WO2022058712
(87)【国際公開日】2022-03-24
(32)【優先日】2020-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500024469
【氏名又は名称】ダイソン・テクノロジー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100139491
【氏名又は名称】河合 隆慶
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド アンドリュー ティベッツ
(72)【発明者】
【氏名】シェー ニー エオ
【テーマコード(参考)】
3B040
【Fターム(参考)】
3B040CH03
3B040CH04
(57)【要約】
ヘアケア器具は、空気入口と、空気出口と、空気入口から空気出口への空気流を発生させるための空気流発生器と、を有する。空気出口は、第1の断面を有する第1の開口部と、第1の断面よりも大きな第2の断面を有する第2の開口部と、を有する。ヘアケア器具は、第2の開口部を通る空気流が抑制される第1の状態と、第2の開口部を通る空気流が抑制されない第2の状態と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘアケア器具であって、
空気入口と、
空気出口と、
前記空気入口から前記空気出口への空気流を発生させるための空気流発生器と、を含み、
前記空気出口が、第1の断面を有する第1の開口部と、第1の断面よりも大きな第2の断面を有する第2の開口部とを含み、
前記ヘアケア器具が、第2の開口部を通る空気流が抑制される第1の状態と、第2の開口部を通る空気流が抑制されない第2の状態とを含む、ヘアケア器具。
【請求項2】
前記第1の開口部を通る空気流が、前記第1の状態において抑制されない、請求項1に記載のヘアケア器具。
【請求項3】
前記第1の開口部を通る空気流が、前記第2の状態において抑制される、請求項1又は2に記載のヘアケア器具。
【請求項4】
髪との接触に応答して前記第1の状態から前記第2の状態に移行するように構成される、請求項1から3のいずれか1項に記載のヘアケア器具。
【請求項5】
前記空気出口は、複数の第1の開口部を含み、各第1の開口部は第1の断面を有し、前記複数の第1の開口部のそれぞれを通る空気流は前記第1の状態において抑制されず、前記複数の第1の開口部のそれぞれを通る空気流は前記第2の状態において抑制される、請求項1から4のいずれか1項に記載のヘアケア器具。
【請求項6】
前記第1の状態に対応する第1の位置から第2の状態に対応する第2の位置へと移動可能な可動部材を含み、前記第2の開口部を通る空気流は、前記第1の位置において前記可動部材によって抑制され、前記第2の開口部を通る空気流は、前記第2の位置において前記可動部材によって抑制されない、請求項1から5のいずれか1項に記載のヘアケア器具。
【請求項7】
前記第1の開口部は前記可動部材に形成され、前記ヘアケア器具は、主空気流路と、前記主空気流路から前記可動部材まで通じるチャネルと、を含み、前記チャネルは、前記第1の位置で前記第1の開口部と位置が合い、前記チャネルは、前記第2の位置で前記可動部材によって塞がれる、請求項6に記載のヘアケア器具。
【請求項8】
前記ヘアケア器具は、前記可動部材が取り付けられる不動体と、前記可動部材に形成された複数の第1の開口部の列と、前記不動体に形成された複数のチャネルと、を含み、各チャネルは前記主空気流路から前記可動部材まで通じており、各チャネルは前記第1の位置で前記第1の開口部のそれぞれの列と位置が合い、各チャネルは前記第2の位置で前記可動部材によって塞がれる、請求項7に記載のヘアケア器具。
【請求項9】
前記第2の開口部は、前記不動体に形成され、前記チャネルの1つと平行に延びる、請求項8に記載のヘアケア器具。
【請求項10】
前記可動部材は、前記第1の位置に向けて復元可能な態様で偏っている、請求項6から9のいずれか1項に記載のヘアケア器具。
【請求項11】
前記可動部材は、髪に接触するための複数のブラシ毛を含む、請求項6から10のいずれか1項に記載のヘアケア器具。
【請求項12】
前記ヘアケア器具は、前記ヘアケア器具の周辺部近傍に間隔をあけて配置された第2の開口部のペアを含み、前記可動部材は、第1の状態に対応する第1の位置から第2の状態に対応する第2の位置に向かう第1の方向に移動可能であり、前記第1の位置から前記第2の状態に対応する第3の位置に向かう、前記第1の方向とは反対の第2の方向に移動可能であり、前記第2の開口部のペアのそれぞれを通る空気流は、前記第1の位置において前記可動部材によって抑制され、前記第2の開口部のペアの一方を通る空気流は前記第2の位置において前記可動部材によって抑制されず、前記第2の開口部のペアの他方を通る空気流は前記第2の位置において前記可動部材によって抑制され、前記第2の開口部のペアの一方を通る空気流は前記第3の位置において前記可動部材によって抑制され、前記第2の開口部のペアの他方を通る空気流は前記第3の位置において前記可動部材によって抑制されない、請求項6から11のいずれか1項に記載のヘアケア器具。
【請求項13】
前記第2の開口部のペアの一方は、前記可動部材が前記第2の位置にあるときに、前記第2の方向に空気流を提供するように構成され、前記第2の開口部のペアの他方は、前記可動部材が前記第3の位置にあるときに、前記第1の方向に空気流を提供するように構成される、請求項12記載のヘアケア器具。
【請求項14】
前記ヘアケア器具は、複数の第1の開口部と、前記第1の開口部の少なくとも1つをそれぞれ含む複数の可動部材と、前記主空気流路からそれぞれの可動部材までそれぞれ通じている複数のチャネルとを含み、それぞれの可動部材は、前記第1の状態に対応する第1の位置から前記第2の状態に対応する第2の位置に移動可能であり、前記第1の位置においてそれぞれのチャネルは前記可動部材の前記第1の開口部と位置が合い、前記第2の位置においてそれぞれのチャネルは前記可動部材により塞がれる、請求項6から13のいずれかに記載のヘアケア器具。
【請求項15】
前記ヘアケア器具は、前記ヘアケア器具の周辺部近傍に間隔をあけて配置された複数の第2の開口部を含み、前記第2の開口部のそれぞれを通る空気流は、前記第1の位置において可動部材によって抑制され、前記第2の開口部のそれぞれを通る空気流は、前記第2の位置において可動部材によって抑制されない、請求項14に記載のヘアケア器具。
【請求項16】
前記ヘアケア器具は、前記ヘアケア器具の周辺部近傍に間隔をあけて配置された第2の開口部のペアを複数含み、各可動部材は、第2の開口部のそれぞれのペアに対応し、各可動部材は、前記第1の状態に対応する第1の位置から前記第2の状態に対応する第2の位置に向かう第1の方向に移動可能であり、前記第1の位置から前記第2の状態に対応する第3の位置に向かう、第1の方向とは反対の第2の方向に移動可能であり、前記第2の開口部のペアのそれぞれを通る空気流は、前記第1の位置においてそれぞれの可動部材によって抑制され、第2の開口部のペアの一方を通る空気流は前記第2の位置においてそれぞれの可動部材によって抑制されず、第2の開口部のペアの他方を通る空気流は前記第2の位置においてそれぞれの可動部材によって抑制され、前記第2の開口部のペアの一方を通る空気流は前記第3の位置においてそれぞれの可動部材によって抑制され、前記第2の開口部のペアの他方を通る空気流は前記第3の位置においてそれぞれの可動部材によって抑制されない、請求項14又は15に記載のヘアケア器具。
【請求項17】
前記ヘアケア器具は、前記空気流発生器が配置されるハンドルユニットと、前記空気出口を規定するアタッチメントとを含み、前記アタッチメントは、ハンドルユニットに着脱可能に取り付けられる、請求項1から16のいずれか1項に記載のヘアケア器具。
【請求項18】
ハンドルユニットに配置された空気流発生器を含むヘアケア器具用アタッチメントであって、前記アタッチメントは、前記空気流発生器からの空気流を受け入れるための空気入口と、空気流を放出するための空気出口とを含み、前記空気出口は、第1の断面を有する第1の開口部と、第1の断面よりも大きな第2の断面を有する第2の開口部を含み、前記アタッチメントは、前記第2の開口部を通る空気流が抑制される第1の状態と、前記第2の開口部を通る空気流が抑制されない第2の状態とを含む、アタッチメント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘアケア器具、及び、ヘアケア器具用アタッチメントに関する。
【背景技術】
【0002】
ヘアケア器具は一般に、髪を手入れしたりスタイリングしたりするために使用され、ヘアケア器具の中には、空気流を利用して髪を手入れしたりスタイリングしたりするものもある。髪の手入れとスタイリングに多用途性を持たせるために、一部のヘアケア器具は、可変流量で空気流を提供する。
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の側面によれば、空気入口と、空気出口と、空気入口から空気出口への空気流を生成するための空気流生成器とを含み、空気出口が、第1の断面を有する第1の開口部と、第1の断面よりも大きい第2の断面を有する第2の開口部とを含み、ヘアケア器具が、第2の開口部を通る空気流が抑制される第1の状態と、第2の開口部を通る空気流が抑制されない第2の状態とを含むヘアケア器具が提供される。
【0004】
本発明の第1の側面によるヘアケア器具は、ヘアケア器具が、第2の開口部を通る空気流が抑制される、例えば、より大きな断面の開口部を通る空気流が抑制されるような第1の状態と、第2の開口部を通る空気流が抑制されない、例えば、より大きな断面の開口部を通る空気流が抑制されないような第2の状態とを含むことから、有利となり得る。特に、空気流特性が第1及び第2の開口部の相対的な大きさに依存するところ、このような構成により、ヘアケア器具が第1及び第2の状態にあるときに異なる空気流特性を提供することが可能となる。
【0005】
第1の開口部を通る空気流は、第1の状態において、抑制されなくてもよい。このようにすることで、第1の状態において、比較的拡散した空気流を提供できる。第1の開口部を通る空気流は、第2の状態において、抑制されてもよい。このようにすることで、第2の状態において、すべての空気流が第2の開口部を通過することを確実にできる。
【0006】
第2の開口部は、概ね矩形の断面を含んでもよい。第1の開口部は、概ね円形の断面を含んでもよい。第1の開口部は、第2の開口部の長さの1/10以下、例えば、第2の開口部の長さの1/20以下の直径を含んでもよい。第2の開口部を通る空気流は、第1の状態において完全に抑制されてもよく、例えば、第1の状態において第2の開口部が完全に閉塞された状態で抑制されてもよい。
【0007】
ヘアケア器具は、髪との接触に応答して、例えば、使用中に髪との接触によって加えられる力に応答して、第1の状態から第2の状態に移行するように構成されてもよい。こうすることで、髪がヘアケア器具に接触したとき、例えば、髪がヘアケア器具に接触し、髪とヘアケア器具との間で相対的な動きが生じたときに、第1の状態から使用中の第2の状態への自動切り替えを提供することができる。こうすることで、例えば、第1の状態と第2の状態の間の切り替えにユーザ入力が必要となる構成と比較して、使いやすさが向上し得るし、ユーザ体験を高めることができる。ヘアケア器具は、髪に接触するための複数のブラシ毛を含んでよく、ヘアケア器具は、例えば、髪とブラシ毛との接触と、髪との接触を通じてブラシ毛に加えられる力とに応答して、第1の状態から第2の状態に移行するように構成されてもよい。
【0008】
空気出口は、複数の第1の開口部を含んでよく、第1の開口部のそれぞれは第1の断面を有し、複数の第1の開口部のそれぞれを通る空気流は、第1の状態において抑制されず、複数の第1の開口部のそれぞれを通る空気流は第2の状態において抑制されてもよい。第2の開口部よりも相対的に小さい断面を有する複数の第1の開口部を利用することによって、ヘアケア器具が第1の状態にあるときに、相対的に拡散した空気流が提供され得る。
【0009】
複数の第1の開口部は、例えば、可動部材上に位置する列のように、列状に配置されてもよい。第1の開口部の各列は、例えば、第1の開口部の列がブラシ毛の列の中間にあるように、ブラシ毛の列に隣接して配置されてもよい。複数の第1の開口部は、可動部材に形成されてもよく、例えば、可動部材の固体部に形成されてもよい。
【0010】
ヘアケア器具は、第1の状態に対応する第1の位置から第2の状態に対応する第2の位置まで移動可能な可動部材を含んでよく、第2の開口部を通る空気流は、第1の位置において可動部材によって抑制され、第2の開口部を通る空気流は、第2の位置において可動部材によって抑制されなくてもよい。このような可動部材は、ヘアケア器具を第1の状態と第2の状態との間で切り替えるための簡単で安価なメカニズムを提供し得る。
【0011】
可動部材は、第1の開口部が形成された固体部を含んでよく、この固体部は、第1の位置ではチャネルと位置が合わず、第2の位置ではチャネルと位置が合っていてもよい。したがって、固体部は、第2の位置でチャネルを塞ぐことができる。
【0012】
ヘアケア器具は、不動体を含んでもよく、可動部材は、不動体に枢動式又は回転式に取り付けられてもよい。枢動式又は回転式の取り付けにより、可動部材の簡単な取り付けメカニズムが提供されてもよい。
【0013】
第1の開口部は、可動部材に形成されてもよく、ヘアケア器具は、主空気流路と、主空気流路から可動部材に通じるチャネルとを含み、このチャネルは、第1の位置で第1の開口部と位置が合い、このチャネルは、第2の位置で可動部材によって塞がれる。第1及び第2の開口部の両方を通る空気流を許容又は抑制することができる可動部材の使用により、例えば、第1及び第2の開口部のそれぞれに別々の可動部材が必要な構成と比較して、必要な構成部品の数を減少させることができる。
【0014】
可動部材の固体部は、第1の位置において第2の開口部を閉塞し、第2の位置において第2の開口部と位置が合わないようにしてもよい。第2の開口部は、可動部材の長さに実質的に対応する長さ、例えば、ヘアケア器具の長手方向の広がりに平行な方向の長さを含んでいてもよい。第2の開口部は、不動体に形成されたスロット、例えば、主空気流路をヘアケア器具の外部に露出させるスロットを含んでもよい。第1の開口部は、可動部材の長さの1/10以下の直径、例えば可動部材の長さの1/20以下の直径を含んでよい。第1の開部は、第2の開口部の長さの1/10以下の直径、例えば、第2の開口部の長さの1/20以下の直径を含んでよい。
【0015】
ヘアケア器具は、可動部材が取り付けられる不動体と、可動部材に形成された複数の第1の開口部の列と、不動体に形成された複数のチャネルとを含んでよく、各チャネルは、主空気流路から可動部材まで通じており、各チャネルは、第1の位置で第1の開口部のそれぞれの列と位置が合い、各チャネルは、第2の位置で可動部材によって塞がれてもよい。
【0016】
第2の開口部は、不動体に形成されてもよく、チャネルのうちの1つと平行に延びてもよい。第2の開口部及び複数のチャネルは、不動体にスラット構造を規定してもよい。
【0017】
不動体は、内側本体と外側本体とを含み、内側本体と外側本体の間に主空気流路が形成され、チャネルと第2の開口部は外側本体に形成されてもよい。外側本体は、チャネル及び第2の開口部を画定するように間隔をあけて配置された複数の平行な壁を含んでよい。
【0018】
可動部材は、復元力のある態様で第1の位置へと偏っていてもよい。復元力のある態様で可動部材を第1の位置へと偏らせることにより、確実に、ヘアケア器具のデフォルト状態、例えば、ヘアケア器具が髪と接触していないときの状態が、第2の開口部、例えば、断面がより大きい開口部を通る空気流が抑制される第1の状態となるようにしてもよい。こうすることで、例えば、髪がヘアケア器具に接触していないときに、より小さな断面の第1の開口部を通る比較的拡散した空気流が確実に得られるようにしてもよい。より集中した空気流が髪とより強く相互作用すると制御不能なスタイリングにつながる可能性があるため、このようにすることには、ヘアケア器具が使用中であって髪に接近しているが髪と接触していない場合にメリットがある。
【0019】
可動部材は、髪に接触するための複数のブラシ毛を含んでよい。こうすることで、可動部材を髪に係合させ、第1の位置から第2の位置へと可動部材を移動させるための係合機構が提供されてもよい。髪がブラシ毛と係合している間の髪とブラシ毛との間の相対運動によって、可動部材が第1の位置から第2の位置へと移動させられてもよい。可動部材は、ブラシ毛パッド、例えば、パッドから外側に延びる複数のブラシ毛を有するパッドを含んでよく、パッドは、枢動可能又は回転可能に取り付けられ、パッドは、固体部によって規定されてもよい。
【0020】
ヘアケア器具は、ヘアケア器具の周辺部近傍に間隔をあけて配置された第2の開口部のペアを含んでよく、可動部材は、第1の状態に対応する第1の位置から第2の状態に対応する第2の位置に向かう第1の方向に移動可能であり、第1の位置から第2の状態に対応する第3の位置に向かう、第1の方向とは反対の第2の方向に移動可能であってもよい。第2の開口部のペアのそれぞれを通る空気流は、第1の位置において可動部材によって抑制されてよい。第2の開口部のペアの一方を通る空気流は第2位置において可動部材によって抑制されず、第2の開口部のペアの他方を通る空気流は第2位置において可動部材によって抑制されてよい。第2の開口部のペアの一方を通る空気流は第3位置において可動部材によって抑制され、第2の開口部のペアの他方を通る空気流は第3位置において可動部材によって抑制されなくてもよい。
【0021】
このような態様では、可動部材が2つの異なる方向のいずれかの方向に動かされたときに、第2の開口部、例えば、比較的大きな断面を有する開口部が、空気流を提供するために開放されてもよい。こうすることで、例えば、ヘアケア器具が上又は下のいずれかの方向に髪を引きずるときに、比較的大きな断面を有する第2の開口部が開かれるようにすることによって、髪をスタイリングするときの柔軟性が高くなり得る。
【0022】
第1の開口部を通る空気流は、第1の位置では抑制されず、第2の位置及び第3の位置で抑制されてもよい。
【0023】
第2の開口部のペアの一方は、可動部材が第2の位置にあるときに第2の方向の空気流を提供するように構成されてもよく、第2の開口部のペアの他方は、可動部材が第3の位置にあるときに第1方向の空気流を提供するように構成される。したがって、第2の開口部のペアは、異なる方向に空気流を提供するために利用することができ、第2の開口部による空気流の方向は、第2の開口部を開くために可動部材が移動した方向とは反対の方向となる。
【0024】
ヘアケア器具は、複数の第1の開口部と、それぞれが第1の開口部の少なくとも1つを含む複数の可動部材と、それぞれが主空気流路からそれぞれの可動部材に通じる複数のチャネルとを含み、それぞれの可動部材は第1の状態に対応する第1の位置から第2の状態に対応する第2の位置に移動可能であり、それぞれのチャネルは第1の位置で可動部材の第1の開口部と位置が合い、それぞれのチャネルは第2の位置で可動部材によって塞がれる。
【0025】
これにより、それぞれが比較的小さな断面を有する複数の第1の開口部が、ヘアケア器具の周辺部近傍に間隔をあけて配置されてもよく、このような配置により、ヘアケア器具の周辺部近傍に比較的拡散した空気流を提供することができる。複数の可動部材は、それぞれ、複数のブラシ毛を含んでよい。
【0026】
ヘアケア器具は、ヘアケア器具の周辺部近傍に間隔をあけて配置された複数の第2の開口部を含んでもよく、第2の開口部のそれぞれを通る空気流は、第1の位置の可動部材によって抑制され、第2の開口部のそれぞれを通る空気流は、第2の位置の可動部材によって阻害されなくてもよい。
【0027】
これにより、それぞれが比較的大きな断面を有する複数の第2の開口部がヘアケア器具の周辺部近傍に間隔をあけて配置される構成で提供されてもよく、これにより、ヘアケア器具と髪の接触点に関係なく、比較的大きな空気の噴流を提供できるようにしてもよい。
【0028】
ヘアケア器具は、ヘアケア器具の周辺部近傍に間隔をあけて配置された第2の開口部のペアを複数含んでよく、各可動部材は、第2の開口部のそれぞれのペアに対応し、各可動部材は、第1の状態に対応する第1の位置から第2の状態に対応する第2の位置に向かう第1の方向に移動可能であり、第1の位置から第2の状態に対応する第3の位置に向かう、第1の方向とは反対の第2の方向に移動可能であってもよい。第2の開口部のペアのそれぞれを通る空気流は、第1の位置においてそれぞれの可動部材によって抑制されてよい。第2の開口部のそれぞれのペアの一方を通る空気流は第2の位置においてそれぞれの可動部材によって抑制されず、第2の開口部のそれぞれのペアの他方を通る空気流は第2の位置においてそれぞれの可動部材によって抑制されてよい。第2の開口部のそれぞれのペアの一方を通る空気流は第3の位置においてそれぞれの可動部材によって抑制され、第2の開口部のそれぞれのペアの他方を通る空気流は第3の位置においてそれぞれの可動部材によって抑制されなくてもよい。
【0029】
これにより、ヘアケア器具の周辺部近傍に間隔をあけて配置された第2の開口部の複数のペアが提供され、こうすることで、ヘアケア器具と髪の接触点にも可動部材の運動方向にも関係なく、比較的大きな断面の開口部を開くことが可能となるようにしてもよい。
【0030】
ヘアケア器具は、空気流発生器が内部に配置されたハンドルユニットと、空気出口を規定するアタッチメントとを含み、アタッチメントは、ハンドルユニットに着脱可能であってもよい。上述の空気出口を着脱可能なアタッチメントの一部として提供することにより、本明細書に記載の機能をユーザによって選択的に提供することが可能となるようにしてもよい。
【0031】
本発明の第2の側面によれば、ハンドルユニット内に配置された空気流発生器を含むヘアケア器具用のアタッチメントが提供され、アタッチメントは、空気流発生器からの空気流を受けるための空気入口と、空気流を放出するための空気出口とを含み、空気出口は、第1の断面を有する第1の開口部と、第1の断面よりも大きな第2の断面を有する第2の開口部とを含み、アタッチメントは、第2の開口部を通る空気流が抑制される第1の状態と、第2の開口部を通る空気流が抑制されない第2の状態とを含む。
【0032】
アタッチメントは、髪との接触に応答して、第1の状態から第2の状態に移行するように構成してもよい。
【0033】
アタッチメントは、第1の状態に対応する第1の位置から第2の状態に対応する第2の位置まで移動可能な可動部材を含んでよく、第1の位置において可動部材によって第2の開口部を通る空気流が抑制され、第2の位置において可動部材によって第2の開口を通る空気流が抑制されなくてもよい。
【0034】
第1の開口部は、可動部材に形成されてもよく、ヘアケア器具は、主空気流路と、主空気流路から可動部材に至るチャネルとを含んでよく、チャネルは、第1の位置で第1の開口部と位置が合い、チャネルは、第2の位置で可動部材によって塞がれる。
【0035】
アタッチメントは、ヘアケア器具の周辺部近傍に間隔をあけて配置された第2の開口部のペアを含んでよく、可動部材は、第1の状態に対応する第1の位置から第2の状態に対応する第2の位置に向かう第1の方向に移動可能であり、第1の位置から第2の状態に対応する第3の位置に向かう、第1の方向とは反対の第2の方向に移動可能であってもよい。第2の開口部のペアのそれぞれを通る空気流は、第の1位置において可動部材によって抑制されてよい。第2の開口部のペアの一方を通る空気流は第2位置において可動部材によって抑制されず、第2の開口部のペアの他方を通る空気流は第2位置において可動部材によって抑制されてよい。第2の開口部のペアの一方を通る空気流は第3の位置において可動部材によって抑制され、第2の開口部のペアの他方を通る空気流は第3の位置において可動部材によって抑制されなくてもよい。
【0036】
アタッチメントは、複数の第1の開口部と、それぞれが第1の開口の少なくとも1つを含む複数の可動部材と、それぞれが主空気流路からそれぞれの可動部材まで通じている複数のチャネルとを含んでよく、それぞれの可動部材は、第1の状態に対応する第1の位置から第2の状態に対応する第2の位置に移動可能であり、それぞれのチャネルは、第1の位置で可動部材の第1の開口部と位置が合い、それぞれのチャネルは第2の位置で可動部材により塞がれてもよい。
【0037】
アタッチメントは、ヘアケア器具の周辺部近傍に間隔をあけて配置された複数の第2の開口部を含んでもよく、第2の開口部のそれぞれを通る空気流は、第1の位置において可動部材によって抑制され、第2の開口部のそれぞれを通る空気流は、第2の位置において可動部材によって抑制されなくもよい。
【0038】
アタッチメントは、ヘアケア器具の周辺部近傍に間隔をあけて配置された第2の開口部のペアを複数含んでよく、各可動部材は、第2の開口部のそれぞれのペアに対応し、各可動部材は、第1の状態に対応する第1の位置から第2の状態に対応する第2の位置に向かう第1の方向に移動可能であり、第1の位置から第2の状態に対応する第3の位置に向かう、第1の方向とは反対の第2の方向に移動可能であってもよい。第2の開口部のペアのそれぞれを通る空気流は、第1の位置においてそれぞれの可動部材によって抑制されてよい。第2の開口部のそれぞれのペアの一方を通る空気流は第2の位置においてそれぞれの可動部材によって抑制されず、第2の開口部のそれぞれのペアの他方を通る空気流は第2の位置においてそれぞれの可動部材によって抑制されてよい。第2の開口部のそれぞれのペアの一方を通る空気流は第3の位置においてそれぞれの可動部材によって抑制され、第2の開口部のそれぞれのペアの他方を通る空気流は第3の位置においてそれぞれの可動部材によって抑制されなくてもよい。
【0039】
本発明の側面の任意の特徴は、適切な場合、本発明の他の側面にも同様に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図3】
図1のヘアケア器具のアタッチメントを示す概略図である。
【
図4】
図3のアタッチメントの不動体を示す模式図である。
【
図6】
図3のアタッチメントのブラシ毛土台を示す概略図であり、ブラシ毛が示されている。
【
図7】
図6のブラシ毛土台のブラシ毛を取り除いた状態の模式図である。
【
図8】
図3のアタッチメントの静止状態を示す模式図である。
【
図9】
図3のアタッチメントの第1の変位状態を示す模式図である。
【
図10】
図3のアタッチメントの第2の変位状態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本発明によるヘアケア器具は、
図1に概略的に示され、原則として符号10で示される。
【0042】
ヘアケア器具10は、ハンドルユニット12と、ハンドルユニット12に着脱可能なアタッチメント100と、を含む。
【0043】
ハンドルユニット12は、
図2に模式的に見ることができるように、ハウジング14と、空気流発生器16と、ヒーター18と、制御ユニット20と、を含む。
【0044】
ハウジング14は筒状であり、空気流発生器16によってハウジング14内に吸い込まれる空気流が通過する空気入口22と、ハウジング14から排出される空気流が通過する空気出口24と、を含む。空気流発生器16は、ハウジング14内に収容され、電動機28によって駆動されるインペラー26を含む。ヒーター18もハウジング14内に収容され、任意に空気流を加熱するための加熱素子30を含む。
【0045】
制御ユニット20は、ユーザーインタフェース32と制御モジュール34のための電子回路を含む。ユーザーインタフェース32は、ハウジング14の外面に設けられ、ヘアケア器具10の電源のオン及びオフ、流量(例えば、高、中、低)の選択、及び、空気流温度(例えば、熱、中、冷)の選択に用いられる。
図1の実施例では、ユーザーインタフェースは複数のスライドスイッチを含むが、ユーザーインタフェース32の他の形態、例えば、ボタン、ダイヤル、タッチスクリーンも想定される。
【0046】
制御モジュール34は、ユーザーインタフェース32からの入力に応答して、空気流発生器16とヒーター18を制御する役割を担う。例えば、ユーザーインタフェース32からの入力に応答して、制御モジュール34は、空気流の風量を調整するために空気流発生器16の電力又は速度を制御してもよく、空気流の温度を調整するためにヒーター18の電力を制御してもよい。
【0047】
アタッチメント100は、
図3から
図5に示すように、概ね円筒形であり、一端が開放され、他端が閉鎖されている。開放された端部は、アタッチメント100への入口102として機能し、空気入口102は、使用時に取り付けられたハンドルユニット12の空気出口24からの空気流を受ける。
【0048】
アタッチメント100は、不動体104と、不動体104に回転可能に取り付けられたブラシ毛土台106の形態の複数の可動部材と、を含む。
【0049】
不動体104は、
図4に見られるように、概ね円筒形であり、不動体104の内部は、アタッチメント100を通る主空気流路118として機能する。不動体104は、ハンドルユニット12に接続するための接続部110を有し、接続部110は、ハンドルユニット12に形成された対応する凹部116内に受け入れられる多数の突起112を有し、正しい接続及び位置合わせができるようにしている。
【0050】
本体104に形成された複数のスロットは、チャネル124と空気流スロット126を規定する。不動体104は、アタッチメントの縦方向に沿って長手方向に間隔をあけて多数のチャネル124と空気流スロット126を有するものとして
図4に示されているが、他の実施形態では、チャネル124と空気流スロット126は、不動体104の縦方向に沿って途切れずに延びていてもよく、それゆえ、不動体の縦方向に沿ったチャネル124の集まり又は空気流スロット126の集まりを、適宜1つのチャネル124又は1つの空気流スロット126と考えてもよいことが理解されよう。
【0051】
チャネル124は、
図5に見られるように、概ね長方形の形状であるような概ね直線状の端部を有している。空気流スロット126は、概ね台形状であるような概ね直線状の端部を有し、これは、以下で詳細に説明されるように、空気流を導くために使用され得る。
【0052】
空気流スロット126はペアを形成して配置され、あるペアの一方の空気流スロット126はそのペアの他の空気流スロット126から周方向に間隔をあけて配置されている。複数のチャネル124は、同じペアを形成する空気流スロット126の間に配置され、一方、異なるペアの空気流スロット126は、互いに隣接して配置される。このような態様において、中間チャネル124を有する空気流スロット126のペアの繰り返しパターンが、不動体104の周方向に規定され、空気流スロット126の各ペアとこれに関連する中間チャネル124は、本明細書において空気流セクション128と称される。
【0053】
ブラシ毛土台106は、
図6及び
図7に、分離した状態で示されている。各ブラシ毛土台106は、不動体104の曲率に合わせて湾曲しているものの概ね立方体状の固体部130を含む。上部及び下部のピボットアーム132は、固体部130の上側及び下側の縁部の中心位置から径方向内側に延びており、各ピボットアーム132は、ピボットアーム132をアタッチメント100の不動体104に取り付けられたピン上に積み重ねることができる貫通孔134を含む。貫通孔134を含むピボットアーム132の部分は、積み重ねを可能にするために、異なるブラシ毛土台106に対して異なる高さに位置している。そのような方法で、ブラシ毛土台106は、以下で詳細に説明されるように、不動体104に対して回転することができる。また、上部のピボットアーム132のそれぞれは、不動体104の周囲のブラシ毛土台106を正しい間隔で確保し、ブラシ毛土台106を静止状態に保持するために、例えば、ばねなどの復元部材135内に受け入れることができる周方向突起133からなる。上部取り付け機構は、アタッチメント100のキャップ114によって隠されており、
図4に示すように、ブラシ毛土台106のための取り付けピン108は、キャップ114から下方に延びている。
【0054】
各ブラシ毛土台106は、ブラシ毛土台106の縦方向に沿って長手方向に延びる列状に配置された複数のブラシ毛134を有する。ブラシ毛134は、復元可能な態様で変形可能であり、使用時に髪に接触することが意図されている。個々のブラシ毛134は、固体部130の凹部又は貫通孔137内に配置されてもよいが、使用時に空気流がそこを通って逃げることができないように、凹部又は貫通孔を埋めつくしてもよい。
【0055】
ブラシ毛134の列の間に隣接して位置するものは、開口部136の列である。開口部136は、以下で詳細に説明されるように、アタッチメント100の空気出口の一部として機能する。各開口部136は、第1の比較的小さな断面を有するので、各開口部136からの空気流が比較的拡散する。ブラシ毛134と開口部136は、
図6と
図7の実施例では、交互に列状に並んで配置されているが、例えばブラシ毛134の列の間に隣接する開口部136の列が2つある場合など、他の列のパターンも想定されることが認識されるであろう。
【0056】
ブラシ毛土台106が不動体104に取り付けられると、ブラシ毛土台106はそれぞれ対応する空気流セクション128に重なり、各ブラシ毛土台106は、周方向突起133と復元部材135との係合により、復元可能な態様で静止状態に偏る。
【0057】
静止状態は、
図8に概略的に図示されている。静止状態では、各ブラシ毛土台106は、ブラシ毛土台106の固体部130が空気流スロット126のペアを覆って塞ぐ一方で、ブラシ毛土台106の開口部136の列が不動体104のチャネル124と重なって両者の位置が合うように、不動体104に対して配置される。したがって、ブラシ毛土台106の静止状態において、空気流スロット126を通る空気流は、ブラシ毛土台106の固体部130によって抑制される一方で、開口部136の列を通る空気流は、主気流経路118から開口部136への経路を提供する不動体104のチャネル124とブラシ毛土台106の開口部136との位置が合うため、抑制されない。各空気流スロット126は、ブラシ毛土台の開口部136のいずれか1つよりも実質的に大きな断面を有し、したがって、静止状態において、より大きな断面を有する開口部、例えば空気流スロット126を通る空気流は抑制される一方で、より小さな断面を有する開口部、例えばブラシ毛土台106の開口部136のいずれか1つを通る空気流は抑制されないことが理解できるであろう。
【0058】
このような静止状態は、例えば、アタッチメントが使用中に髪と係合していないときは、ブラシ毛土台106の開口部136を通る比較的拡散した空気流を提供することができる。こうすることで、以下で
図9及び
図10を参照して説明されるように、アタッチメント100が髪と接触させられるまで、集中した空気流の提供を回避し得る。
【0059】
不動体104に対するブラシ毛土台106の第1の変位状態が、
図9に概略的に示される。ここでは、ブラシ毛土台は、
図8の静止状態と比べて右側に、例えばアタッチメント100の周囲を反時計回り方向に移動している。このような変位状態は、ヘアケア器具10の使用中に、ブラシ毛土台106のブラシ毛134が髪に接触し、アタッチメント100が使用中に髪を引きずるときに生じる。特に、髪とブラシ毛134との係合力が関連する復元部材135の力を打ち勝つと、ブラシ毛土台106は不動体104に対して相対的に移動する。
【0060】
図9の第1の変位状態では、ブラシ毛土台106の固体部130はもはや左側の空気流スロット126aを閉塞しておらず、開口部136の列は不動体104のチャネル124とずれており、その結果、チャネル124がブラシ毛土台106の固体部130によって閉塞されている。右側の空気流スロット126bは、ブラシ毛土台106の固体部130によって閉塞されたままである。したがって、
図9の第1の変位状態では、ブラシ毛土台106の固体部130がもはや左側の空気流スロット126aを覆っていないので、左側の空気流スロット126aを通る空気流は抑制されないが、開口部136を通る空気流は、開口部136とチャネル124がずれていて、チャネル124がブラシ毛土台106の固体部130によって閉塞されているため、抑制される。右側の空気流スロット126bを通る空気流は、ブラシ毛土台106の固体部130によって抑制されたままである。全体的にみれば、空気流スロット126と開口部136は、アタッチメント100の空気出口を規定すると考えることができる。
【0061】
各空気流スロット126は、ブラシ毛土台106の開口部136のいずれか1つよりも実質的に大きな断面を有し、したがって、
図9の第1の変位状態において、より大きな断面を有する開口部、例えば左側の空気流スロット126aを通る空気流は抑制されない一方で、より小さな断面を有する開口部、例えばブラシ毛土台106の開口部136のいずれか1つを通る空気流は抑制されることが理解されよう。このような状態で、ブラシ毛土台106が使用中に髪と係合されるときに、比較的集中した空気流が左側の空気流スロット126を通して放出されてよい。これは、拡散空気流から集中空気流への自動切り替えを提供し、例えば、アタッチメント100が使用中に髪に接触するまで集中空気流を避けることによって、スタイリングに対する制御を強化し、髪の乾燥時間の短縮を提供することができる。
【0062】
図9の例では、左側の空気流スロット126aの壁は、左側の空気流スロット126aを通る空気流が
図9で見て左側の方向に放出されるように(その方向は時計回り方向であってもよい)、かつ、この放出方向がブラシ毛土台106が移動した方向に対して概ね反対方向になるように、形成されている。
【0063】
ブラシ毛土台106は、髪と接触していないときに、関連する復元部材135の作用により、
図9の第1の変位状態から
図8の静止状態に戻る。
【0064】
不動体104に対するブラシ毛土台106の第2の変位状態が、
図10に概略的に示されている。ここでは、ブラシ毛土台は、
図8の静止状態と比べて左側に、例えばアタッチメント100の周囲を時計回り方向に移動している。このような変位状態は、ヘアケア器具10の使用中に、ブラシ毛土台106のブラシ毛134が髪に接触し、アタッチメント100が使用中に髪を引きずるときに生じる。特に、髪とブラシ毛134との係合力が関連する復元部材135の力に打ち勝つと、ブラシ毛土台106は不動体104に対して相対的に移動する。
【0065】
図10の第2の変位状態では、ブラシ毛土台106の固体部130はもはや右側の空気流スロット126nを閉塞しておらず、開口部136の列は不動体104のチャネル124とずれており、その結果、チャネル124がブラシ毛土台106の固体部130によって閉塞されている。左側の空気流スロット126aは、ブラシ毛土台106の固体部130によって閉塞されたままである。したがって、
図10の第2の変位状態では、ブラシ毛土台106の固体部130がもはや右側の空気流スロット126bを覆っていないので、右側の空気流スロット126bを通る空気流は抑制されないが、開口部136を通る空気流は、開口136とチャネル124がずれていて、チャネル124がブラシ毛土台106の固体部130により閉塞されているため、抑制される。左側の空気流スロット126aを通る空気流は、ブラシ毛土台106の固体部130によって抑制されたままである。
【0066】
各空気流スロット126は、ブラシ毛土台106の開口部136のいずれか1つよりも実質的に大きな断面を有し、したがって、
図10の第2の変位状態において、より大きな断面を有する開口部、例えば右側の空気流スロット126bを通る空気流は抑制されない一方で、より小さな断面を有する開口部、例えばブラシ毛土台106の開口部136のいずれか1つを通る空気流は抑制されることが理解されよう。このような状態で、ブラシ毛土台106が使用中に髪と係合されるときに、比較的集中した空気流が右側の気流スロット126bを通して放出されてよい。これは、拡散空気流から集中空気流への自動切り替えを提供し、例えば、アタッチメント100が使用中に髪に接触するまで集中空気流を避けることによって、スタイリングに対する制御を強化することができる。
【0067】
図10の例では、右側の空気流スロット126bの壁は、右側の空気流スロット126bを通る空気流が
図10で見て右側の方向に放出されるように(その方向は反時計回り方向であってもよい)、かつ、この放出方向がブラシ毛土台106が移動した方向に対して概ね反対方向になるように、形成されている。
【0068】
ブラシ毛土台106は、髪と接触していないときに、復元部材135の作用により、
図10の第2の変位状態から
図8の静止状態に戻る。
【0069】
図9の第1の変位状態と
図10の第2の変位状態の両方を備えることにより、アタッチメント100が使用中に髪の中をどの方向に移動するかに関係なく、断面の小さい開口部を通る空気流から断面の大きい開口部を通る空気流への切り替えを実現することができる。
【0070】
アタッチメントのブラシ毛土台106の各々は、各ブラシ毛土台106が静止状態並びに第1及び第2の変位状態を有するように、上述したものと同様な態様で移動可能であってよい。そのような態様において、空気流スロット126は、例えば、アタッチメント100が髪を引きずりながら動かされている間に回転されるなど、使用中に髪と係合するときに、アタッチメントの周方向範囲について選択的に開くことができる。
【0071】
空気流スロット126は、
図8において、静止状態において空気流スロット126を通る空気流が完全に抑制されるように、完全に閉塞されているように示されているが、ブラシ土台106の固体部130が、静止状態において空気流スロット126のペアを部分的に覆って部分的に閉塞する代替的な実施形態も想定される。そのような実施形態では、静止状態において空気流スロット126を通る空気流は依然として抑制されるが、一部の空気流は、静止状態において空気流スロット126を通過することが可能になる。
【0072】
先に説明したような空気流スロット126は、スロット126を通る気流にアタッチメント100の周囲に時計回り方向又は反時計回り方向のいずれかの方向性を与えるための端部を有する。他の実施形態では、空気流スロット126の形状は、空気流スロット126を通る空気流がブラシ毛土台106の面に対して概ね垂直な方向になるような形状であってよい。
【0073】
ヘアケア器具10が、ハンドルユニット12とアタッチメント100とを含むのではなく、ヘアケア器具10が、例えば、先に説明したハンドルユニット12とアタッチメント100とを組み合わせた形態のような、一体型ユニットである実施形態も想定される。
【手続補正書】
【提出日】2023-04-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘアケア器具であって、
空気入口と、
空気出口と、
前記空気入口から前記空気出口への空気流を発生させるための空気流発生器と、を含み、
前記空気出口が、第1の断面を有する第1の開口部と、第1の断面よりも大きな第2の断面を有する第2の開口部とを含み、
前記ヘアケア器具が、第2の開口部を通る空気流が抑制される第1の状態と、第2の開口部を通る空気流が抑制されない第2の状態とを含む、ヘアケア器具。
【請求項2】
前記第1の開口部を通る空気流が、前記第1の状態において抑制されない、請求項1に記載のヘアケア器具。
【請求項3】
前記第1の開口部を通る空気流が、前記第2の状態において抑制される、請求項1又は2に記載のヘアケア器具。
【請求項4】
髪との接触に応答して前記第1の状態から前記第2の状態に移行するように構成される、請求項1から3のいずれか1項に記載のヘアケア器具。
【請求項5】
前記空気出口は、複数の第1の開口部を含み、各第1の開口部は第1の断面を有し、前記複数の第1の開口部のそれぞれを通る空気流は前記第1の状態において抑制されず、前記複数の第1の開口部のそれぞれを通る空気流は前記第2の状態において抑制される、請求項1から4のいずれか1項に記載のヘアケア器具。
【請求項6】
前記第1の状態に対応する第1の位置から第2の状態に対応する第2の位置へと移動可能な可動部材を含み、前記第2の開口部を通る空気流は、前記第1の位置において前記可動部材によって抑制され、前記第2の開口部を通る空気流は、前記第2の位置において前記可動部材によって抑制されない、請求項1から5のいずれか1項に記載のヘアケア器具。
【請求項7】
前記第1の開口部は前記可動部材に形成され、前記ヘアケア器具は、主空気流路と、前記主空気流路から前記可動部材まで通じるチャネルと、を含み、前記チャネルは、前記第1の位置で前記第1の開口部と位置が合い、前記チャネルは、前記第2の位置で前記可動部材によって塞がれる、請求項6に記載のヘアケア器具。
【請求項8】
前記ヘアケア器具は、前記可動部材が取り付けられる不動体と、前記可動部材に形成された複数の第1の開口部の列と、前記不動体に形成された複数のチャネルと、を含み、各チャネルは前記主空気流路から前記可動部材まで通じており、各チャネルは前記第1の位置で前記第1の開口部のそれぞれの列と位置が合い、各チャネルは前記第2の位置で前記可動部材によって塞がれる、請求項7に記載のヘアケア器具。
【請求項9】
前記可動部材は、前記第1の位置に向けて復元可能な態様で偏っている、請求項6から
8のいずれか1項に記載のヘアケア器具。
【請求項10】
前記可動部材は、髪に接触するための複数のブラシ毛を含む、請求項6から
9のいずれか1項に記載のヘアケア器具。
【請求項11】
前記ヘアケア器具は、前記空気流発生器が配置されるハンドルユニットと、前記空気出口を規定するアタッチメントとを含み、前記アタッチメントは、ハンドルユニットに着脱可能に取り付けられる、請求項1から
10のいずれか1項に記載のヘアケア器具。
【請求項12】
ヘアケア器具用アタッチメントであって、前記アタッチメントは
、空気入口と
、空気出口とを含み、前記空気出口は、第1の断面を有する第1の開口部と、第1の断面よりも大きな第2の断面を有する第2の開口部を含み、前記アタッチメントは、前記第2の開口部を通る空気流が抑制される第1の状態と、前記第2の開口部を通る空気流が抑制されない第2の状態とを含む、アタッチメント。
【請求項13】
前記第1の開口部を通る空気流が、前記第1の状態において抑制されない、請求項12に記載のアタッチメント。
【請求項14】
前記第1の開口部を通る空気流が、前記第2の状態において抑制される、請求項12又は13に記載のアタッチメント。
【請求項15】
髪との接触に応答して前記第1の状態から前記第2の状態に移行するように構成される、請求項12から14のいずれか1項に記載のアタッチメント。
【請求項16】
前記空気出口は、複数の第1の開口部を含み、各第1の開口部は第1の断面を有し、前記複数の第1の開口部のそれぞれを通る空気流は前記第1の状態において抑制されず、前記複数の第1の開口部のそれぞれを通る空気流は前記第2の状態において抑制される、請求項12から15のいずれか1項に記載のアタッチメント。
【請求項17】
前記第1の状態に対応する第1の位置から第2の状態に対応する第2の位置へと移動可能な可動部材を含み、前記第2の開口部を通る空気流は、前記第1の位置において前記可動部材によって抑制され、前記第2の開口部を通る空気流は、前記第2の位置において前記可動部材によって抑制されない、請求項12から16のいずれか1項に記載のアタッチメント。
【請求項18】
前記アタッチメントは、前記可動部材が取り付けられる不動体と、前記可動部材に形成された複数の第1の開口部の列と、前記不動体に形成された複数のチャネルと、を含み、各チャネルは前記主空気流路から前記可動部材まで通じており、各チャネルは前記第1の位置で前記第1の開口部のそれぞれの列と位置が合い、各チャネルは前記第2の位置で前記可動部材によって塞がれる、請求項17に記載のアタッチメント。
【請求項19】
前記第2の開口部は、前記不動体に形成され、前記チャネルの1つと平行に延びる、請求項18に記載のアタッチメント。
【請求項20】
前記可動部材は、前記第1の位置に向けて復元可能な態様で偏っている、請求項18又は19に記載のアタッチメント。
【請求項21】
前記可動部材は、髪に接触するための複数のブラシ毛を含む、請求項18から20のいずれか1項に記載のアタッチメント。
【国際調査報告】