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特表2023-542037生物材料の切断および移送方法、ツールおよび装置
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  • 特表-生物材料の切断および移送方法、ツールおよび装置 図1a
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-04
(54)【発明の名称】生物材料の切断および移送方法、ツールおよび装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 1/28 20060101AFI20230927BHJP
   G01N 1/00 20060101ALI20230927BHJP
【FI】
G01N1/28 J
G01N1/00 101A
G01N1/28 G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023518169
(86)(22)【出願日】2021-09-17
(85)【翻訳文提出日】2023-05-17
(86)【国際出願番号】 EP2021075625
(87)【国際公開番号】W WO2022063695
(87)【国際公開日】2022-03-31
(31)【優先権主張番号】20197369.0
(32)【優先日】2020-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】21178992.0
(32)【優先日】2021-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521550415
【氏名又は名称】キアル・ベー・フェー
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】テイセン,エドビン・ヨハンネス・リシャルドゥス・ビルヘルムス
(72)【発明者】
【氏名】ハーゼン,ニコール・カタリーナ・エリーサベト
(72)【発明者】
【氏名】レンブレフツ,トーマス・パトリック・アンネ-リーセ
(72)【発明者】
【氏名】フィーマン,ケルシー
(72)【発明者】
【氏名】ビムベルガー-フリートル,ラインホルト
【テーマコード(参考)】
2G052
【Fターム(参考)】
2G052AA33
2G052AD32
2G052AD52
2G052CA11
2G052CA38
2G052EC02
2G052HC25
2G052HC28
2G052JA06
(57)【要約】
一態様において、本発明は、ツールの第1および第2の端部の間に延びる内部通路(121)と、内部通路にわたる通気性のフィルタ要素(125)とを有する切断ツール(120)を使用して、平坦な基板(115)上に配置された試料から収集管内へ生物材料(117)を移送する自動化された方法に関する。ツールの第1の端部には、オリフィス(123)および掻取ブレード(124)が設けられている。方法は、a)切断ツールの掻取ブレード(124)を使用して平坦な基板(115)から生物材料を物理的に分離するステップと、b)ステップa)中に、ツールオリフィス(123)において上昇気流を生み出すために内部通路(121)を真空発生器(150)に接続することによってツールの第2の端部において負圧を生じさせるステップであって、上昇気流は、分離された材料を内部通路(121)へ吸入し、内部通路において材料はフィルタ要素(125)の下側に保持される、ステップと、c)気密に切断ツールの外面に収集管を取り付けるステップと、d)内部通路を圧力リザーバ(160)に接続することによってツールの第2の端部において過圧を生じさせ、これにより、フィルタ要素の下側に保持された生物材料を排出する圧力パルスを形成し、材料(117)を収集管内へ移送するステップと、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
切断ツール(120,220,320,420)を使用して平坦な基板(115)上に配置された試料から収集管(170)内へ生物材料(117)を移送する自動化された方法であって、前記切断ツールは、ツールの第1および第2の端部(220a,220b;320a,320b)の間に延びる内部通路(121,321)と、内部通路にわたって延びる通気性のフィルタ要素(125,325,425)とを有し、ツールの第1の端部に、オリフィス(123,323,423)と、オリフィスに配置された掻取ブレード(124,224,324,424)と、が設けられており、方法は、
a)掻取ブレード(124,224,324,424)を使用して平坦な基板(115)から生物材料を物理的に分離するステップと、
b)ステップa)中に、ツールオリフィス(123,323,423)において上昇気流を生成するためにツールの第2の端部(220b,320b)において負圧を生じさせるステップであって、前記上昇気流は、分離された材料を内部通路(121,321)内へ吸入し、内部通路において、分離された材料はフィルタ要素(125,325,425)の下側に保持される、ステップと、
c)切断ツールにおける接続インターフェース(227,327,428)と封止接触するようにオリフィスの周囲に収集管(170)を配置するステップと、
d)フィルタ要素(125,325,425)の下側に保持された生物材料を排出する空気流および圧力パルスを発生し、材料(117)を収集管(170)内へ移送するように、ツールの第2の端部において過圧を生成するステップと、を備える方法。
【請求項2】
負圧を生じさせるステップは、ツールの内部通路(121,321)を真空発生器(150)に接続することを備え、
過圧を生じさせるステップは、内部通路を圧力リザーバ(160)に接続することを備え、
方法は、内部通路が圧力リザーバに接続される前に収集管(170)から空気を排出するために真空発生器を使用するさらなるステップを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ステップa)は、掻取ブレード(124,224,324)を平坦な基板(115)と接触させ、切断ツールを平坦な基板に対して移動させることを備え、方法は、さらに、掻取ブレードが関心領域のみにおいて生物材料と係合するように切断ツール(120,220,320)と基板との相対位置を制御することを備える、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
ステップb)は、
切断ツールのフィルタ要素(125,325,425)から下流で測定された圧力または空気流と、
ステップa)中に基板から分離された生物材料の推定された面積と、
のうちの1つまたは複数に応答して可変リストリクタの制限を変化させることによって、切断ツールを通る空気流を制御することを備える、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
平坦な基板(115)上に配置された試料から生物材料(117)を除去および収集するための切断ツール(320,420)であって、第1および第2の端部(320a,320b)の間で内部通路(321)が貫通して延びるツール本体を備え、ツールは、
ツールの第1の端部(320a)に設けられたツールのオリフィス(123,323)に配置された掻取ブレード(324,424)と、
ツールキャリヤ(130)における係合するインターフェースに切断ツールを気密に解放可能に接続するためにツールの第2の端部(320b)に設けられた第1の接続インターフェースと、
内部通路(321)の全直径にわたるように内部通路(321)内に配置された通気性のフィルタ要素(325,425)と、
をさらに備え、
ツール本体は主要本体部分(326,426)を備え、主要本体部分には第1の接続インターフェースが一体的に形成されており、それによって第1の接続インターフェースは、少なくとも1つの円錐形凹所(450)または少なくとも1つの円錐形突起を具備し、
フィルタ要素(325,425)は、主要本体部分(326,426)内に固定して保持されており、
主要本体部分(326,426)が、単一片として形成されていること、
を特徴とする、切断ツール。
【請求項6】
掻取ブレード(324,424)は、主要ツール本体部分(326,426)に組み込まれている、請求項5に記載の切断ツール。
【請求項7】
掻取ブレード(324,424)は、主要ツール本体部分(326,426)に接合された第2の部分(327,427)に組み込まれている、請求項5に記載の切断ツール。
【請求項8】
フィルタ要素(325,425)は、主要ツール本体部分(326,426)内に固定して保持された別個のフレーム部分(425a)に保持されている、請求項5~7のいずれかに記載の切断ツール。
【請求項9】
主要ツール本体部分(326,426)は、フィルタ要素(325,425)にオーバーモールドされている、請求項5~7のいずれかに記載の切断ツール。
【請求項10】
第1の接続インターフェースは、追加的に、1つ以上のスナップ嵌め要素(455)を備える、請求項5~9のいずれかに記載の切断ツール。
【請求項11】
第1の接続インターフェースは、ツールの内部通路の一部を形成する単一の円錐形凹所(450)を備える、請求項5~10のいずれかに記載の切断ツール。
【請求項12】
収集管(170)と気密接続を確立するための第2の接続インターフェース(327,428)をさらに備える、請求項5から11のいずれかに記載の切断ツール。
【請求項13】
第2の切断インターフェースは、ツール本体に一体的に形成されており、収集管(170)の上側リムを受容するように構成された下側(428)を有する比較的大きな直径の部分(327c)を備える、請求項12に記載の切断ツール。
【請求項14】
平坦な基板(115)上に配置された試料から生物材料を切断し、収集管(170)内へ移送するための装置であって、請求項1~4のいずれかに記載の方法を実行するように構成されており、
切断ツール(120,220,320,420)との気密接続のための機械的インターフェースを有するツールキャリヤ(130)であって、切断ツールは、ツールの第1および第2の端部(220a,220b;320a,320b)の間に延びる内部通路(121,321)と、内部通路にわたる通気性のフィルタ要素(125,325,425)と、を有し、ツールの第1の端部に、オリフィス(123,323,423)と、オリフィスにおける掻取ブレード(124,224,324,424)と、が設けられている、ツールキャリヤ(130)と、
平坦な基板(115)を支持するためのプラットフォーム(110)と、
少なくとも1つの収集管(170)を保持するためのステージと、
位置決めシステム(135)であって、ツールキャリヤ(130)およびプラットフォーム(110)を互いに対して移動させ、切断ツールの掻取ブレード(124,224,324)が生物材料(117)にその所定の領域において選択的に係合するようにそれらの相対位置を制御するように構成され、さらに、切断が完了した後に収集管がツールオリフィスの周囲に気密に配置されるようにツールキャリヤをステージに対して移動させるように構成された、位置決めシステム(135)と、
真空発生器(150)または外部真空発生器の接続のための取付具と、
圧力リザーバ(160)または外部圧力リザーバの接続のための取付具と、
切断された生物材料を収集管内へ排出させるために、切断ツールの内部通路(121,321)が真空発生器(150)と連通する第1の位置と、通路が圧力リザーバ(160)と連通する第2の位置との間で動作可能な弁(140)と、
を備える、装置。
【請求項15】
ツールキャリヤ(130)における機械的インターフェースは、切断ツールにおける対応する円錐形凹所(450)に係合するための中空の円錐形突起を備える、請求項14に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スライドガラスなどの平坦な基板上に配置された生物材料を切断し、切断された材料をさらなる分析のためのレセプタクルに移送する自動化された方法に関する。本発明は、さらに、関連する装置および装置において使用するための使い捨てツールに関する。
【背景技術】
【0002】
腫瘍診断の目的で腫瘍の分子分析を行うために、ある量および濃度の腫瘍細胞が、分析される試料に存在しなければならない。腫瘍組織は、不均一であり、その他の組織および細胞タイプを含有する。したがって、関心領域(ROI)は、典型的には、顕微鏡スライド上に配置された組織の薄いセクションから切断された試料として定義される。手作業による切断方法が最も一般的であり、その場合、実験助手が、例えば、手術用メスの刃を使用してROIから材料を掻取、こすり取った材料を収集管に移送する。これは、高い技能を必要とし、高度に熟練した検査助手によって行われる場合でも、ROIからの材料のみが収集管に入るという保証がない。
【0003】
組織除去および収集の改善された手作業による方法が、米国特許出願公開第2020/038001号明細書に開示されている。この方法は、スライドから手作業でこすり取られた組織を除去するために吸引を使用する。使用される切断ツールは3つの主要な要素、すなわち、その一方の端部を吸引源に結合することができるシャフト部分と、一方の端部においてブレードを組み込んだキャップと、キャップを介してシャフト部分に解放可能に固定されたフィルタコラムとを有する。フィルタコラムは、キャップを通じてツールに吸い込まれた切断された材料を捕捉するフィルタ部材を備える。切断後、フィルタコラムはツールから除去され、例えば、微小遠心管に配置され、そこで、フィルタ部材は、切断された組織を溶解させるための溶液に沈められる。
【0004】
この方法は、移送ステップ中に組織試料の汚染のリスクを低減するという利点を有するが、分解することができるツールの必要性が、開示された方法およびツールの、自動化された装置における使用を不適切にしている。
【0005】
フライス削りを介して生物試料から材料を抽出するための自動化された装置の一例が、米国特許第10876933号明細書に開示されている。この装置は、ヘッドアセンブリおよびステージを備え、ステージは、複数の組織スライドから試料を収容および収集し、複数の対応する試料収集バイアルへの複数のフライス削り先端の自動化された充填およびアップロードを可能にする。切断中、ヘッドアセンブリはプランジャを引き出しながらフライス削り先端部を回転させ、これは、同時に、フライス削りツールのブレード部分に緩衝液を排出し、組織を切断し、プランジャを押し込むことによって緩衝液および切断された組織を指定された収集バイアル内へ吸引する。次いで、使用されたフライス削り先端部は、二次汚染を回避するためにホルダ内へ再装填されるか、または廃棄されることができる。
【0006】
顕微鏡スライド上の組織セクションから個々の細胞の濃縮された個体数または組織の正確な解剖学的領域を隔離するためにレーザキャプチャマイクロダイセクション(LCM)を使用することも知られている。顕微鏡的な、隔離された試料、特に膜支持されたマイクロ切断された標本を物体テーブルから分析配列へ移送するための方法および装置が、米国特許第8573073号明細書に開示されている。装置にはナノ吸引手段が装備され、末端膜を備える吸引管と、末端膜へまたは末端膜から試料を吸引するまたは吹き付けるための吸引管に結合された真空/過圧ユニットとを備える。米国特許第8573073号明細書の装置および方法は、切断および移送のために2つの異なるツールが必要とされるという欠点を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願公開第2020/038001号明細書
【特許文献2】米国特許第10876933号明細書
【特許文献3】米国特許第8573073号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
同じツールを使用して、自動化式での分析のために材料が収集および移送されることを可能にする、最小限の汚染での生物材料の切断および移送のためのより簡単な方法、ツールおよび装置を定義することに関して改善の余地が依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の態様において、本発明は、ツールの第1および第2の端部の間に延びる内部通路と、内部通路にわたって延びる通気性フィルタ要素とを有する切断ツールを使用して、スライドガラスなどの平坦な基板上に配置された試料から収集管内へ生物材料を切断および移送する自動化された方法に関する。ツールの第1の端部には、オリフィスと、オリフィスに配置された掻取ブレードとが設けられている。方法は、
a)切断ツールの掻取ブレードを使用して平坦な基板から生物材料を物理的に分離するステップと、
b)ステップa)中に、ツールオリフィスにおいて上昇気流を生成するために切断ツールの第2の端部において負圧を生じさせるステップであって、上昇気流は、分離された材料を内部通路内へ吸入し、内部通路において材料はフィルタ要素の下側に保持される、ステップと、
c)切断ツールにおける接続インターフェースと封止接触するようにオリフィスの周囲に収集管を配置するステップと、
d)フィルタ要素の下側に保持された生物材料を排出する空気流および圧力パルスを生成し、材料を収集管内へ移送するように、ツールの第2の端部において過圧を生じさせるステップと、
を備える。
【0010】
本発明の方法は、生物材料をスライドガラスから直接に収集管へ移送する「ドライな」方法を可能にし、これにより、汚染のリスクを最小限に抑える。さらに、生物材料を切断、収集および移送するために単一のツールを使用することができ、これは、自動化式で方法を実施するために必要とされる機器の構成を単純化するのみならず、汚染のリスクをさらに低減する。方法は、生物材料を希釈し、収集された生物材料の分子分析の方法および質に影響するいかなる液体も利用しない。
【0011】
分離ステップは、掻取ブレードを平坦な基板と接触させ、切断ツールをそれに対して移動させることを備える。簡略にするために、平坦な基板は以下ではスライドガラスと呼ぶが、理解されるように、その上に生物試料が配置されるあらゆる適切なタイプの基板が本発明の方法において使用されてよい。
【0012】
有利には、方法は、関心領域のみにおいて掻取ブレードが生物材料と係合するように、ツールとスライドガラスとの相対位置を制御することを備える。これは、分析のために集められる材料の量および純度を最適化する。
【0013】
負圧を適切に生成するステップは、切断ツールの内部通路をツールの第2の端部において真空発生器に接続することを備え、過圧を生成するステップは、内部通路を圧力リザーバに接続することを備える。
【0014】
好ましくは、切断ツールの内部通路は、弁を介して真空発生器または圧力リザーバに選択的に接続可能であり、方法は、内部通路が真空発生器と流体連通する第1の位置から、内部通路が圧力リザーバと流体連通する第2の位置へ弁を切り替えることを備える。
【0015】
圧力リザーバと封止された収集管との間の差圧は、生物材料をフィルタ要素から収集管内へ排出する圧力パルスを生成する。
【0016】
好ましい実施形態において、方法は、ツールの第2の端部が圧力リザーバに接続される前に少なくとも部分的に収集管から空気を排出するために真空発生器を使用するさらなるステップを備える。真空管を排気する利点は、これが、封止された収集管と圧力リザーバとの間の差圧を増大させることである。収集管を排気するさらなる利点は、大気が圧力リザーバとして働いてもよいことであり、過圧を生じさせるステップは、単に、排気された管を大気圧に曝すことを含んでよい。
【0017】
好ましくは、圧力リザーバは、性質的に粘着質であり、フィルタ要素の下側に付着する場合がある生物材料を排出するため、生成される圧力パルスが十分であることを保証するために、大気圧よりも高い圧力、例えば、200~400kPaを供給する。収集管と、切断ツールにおける接続インターフェースとの間の封止接触は、所定の締め付け力を伴う。好ましくは、圧力リザーバは、封止された収集管における圧力よりも高くかつ収集管とツールとの間の締め付け力よりも低い圧力を供給する。
【0018】
過圧を生じさせるステップが、大気圧よりも高い圧力を生じさせることを含む方法の実施形態において、方法は、適切に、収集管を大気圧と平衡させる後続のステップを備える。これは、圧力リザーバの制御された漏れを介して、または内部通路が大気と流体連通する第3の位置へ弁を切り替えることによって、またはその他の適切な方法によって達成することができる。次いで、収集管を切断ツールから取り外すことができる。
【0019】
適切に、方法は、切断のステップ中に空気流を制御することを備える。さらなる発展形において、方法は、切断ツールのフィルタ要素の下流の圧力を測定するあるいは空気流を測定するステップ、またはスライドガラスから切断された生物材料の面積を推定するステップを備える。空気流は、測定された圧力または測定された空気流、もしくは切断された材料の推定された面積に応答して、可変リストリクタの絞りを調節することによって制御される。さらなる発展形の利点は、発明の装置に関して後で説明する。
【0020】
第2の態様において、本発明は、使い捨て可能な、簡単かつ安価に製造することができる、方法において使用するための切断ツールを画定する。ツールは、第1および第2の端部と、ツールの本体を通って延びる内部通路と、内部通路に配置された通気性のフィルタ要素とを有する。ツールの第1の端部には、オリフィスおよび掻取ブレードが設けられている。掻取ブレードは、好ましくは、高い降伏応力を有する金属で出来ている。ツール本体は、好ましくは、ポリマー材料から出来ている。ツールの第2の端部には、切断ツールを気密にツールキャリヤの対応するインターフェースに解放可能に係合するための接続インターフェースが設けられている。
【0021】
本発明によれば、ツール本体は、モノリシックな本体部分を備える、すなわち、一体の物として形成されている。フィルタ要素は、本体部分内に固定して保持されており、機械的インターフェースは、本体部分に形成された1つ以上の円錐形凹所もしくは1つまたは複数の円錐形突起を備える。
【0022】
ツールは、使用後に廃棄されることが意図されている。したがって、ツールは可能な限り安価であると有利であり、これは、少なくとも部分的に、簡単な製造プロセスを経て達成される。本発明の方法は、ツールを分解することを必要とせずに、切断された材料がツールの内部から除去されることを可能にする。したがって、フィルタ要素を保持する本体部分は、機械的インターフェースの追加的な機能を組み込んでもよく、単一片として実行されてよく、これにより、ツールを製造するために組み立てられる必要がある異なる部品の数を最小限にする。
【0023】
一実施例において、主要ツール本体部分は、掻取ブレードも組み込んでおり、ツール本体全体は、モノリシック部品である。製造の精度を高めることができる好ましい実施形態において、掻取ブレードは、本体部分に接合された第2の「ブレード」部分に設けられている。適切に、ブレード部分は、不可逆的に本体部分に結合されており、すなわち、2つの部分は、結合を破壊することなしには切り離すことができない。これは、嵌合、接着結合またはその他の適切な接合方法を介して達成されてよい。不可逆的な結合は、全体としてのツール本体の頑健性を高める。したがって、本発明による切断ツールは、最大で2つの本体部分を備えてもよい。
【0024】
好ましくは、主要ツール本体部分およびブレード部分は、存在する場合、適切なポリマー材料から成形プロセスにおいて形成される。金属の掻取ブレードが、ツールオリフィスの一方の側において埋め込まれてもよく、もしくは接着結合またはその他の適切な接合方法を介して取り付けられてよい。その他の実施例において、ブレード部分またはツール本体全体は、掻取ブレードにオーバーモールドされる。成形された材料は、射出成形グレードの熱可塑性ポリマーとすることができる。グレードは、ガラス充填、セラミック充填、またはカーボン充填材料とすることができる。ポリマーは、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ABS、またはエンジニアリングおよび高精度用途において一般的に使用されるその他のエンジニアリング熱可塑性材料およびその混合物からのものであることができる。
【0025】
切断装置のツールキャリヤにツールを取り付けるための接続インターフェースは、モノリシック主要ツール本体部分に一体的に形成されている。高精度切断を行うために、ツールが正確な位置合わせで取り付けられることが重要であり、これは、円錐形相互接続を介して達成される。或る実施例において、主要ツール本体部分の上端部は、ツールキャリヤに設けられた対応する円錐形凹所に係合する複数の円錐形ピンを備える。代替的に、ツールは、ツールキャリヤにおける対応する円錐形ピンと係合するように構成された複数の円錐形溝を備えてもよい。
【0026】
好ましい実施形態において、ツール本体部分は、内部通路の一部を形成する単一の円錐形溝を備える。
【0027】
加えて、ツールの第2の端部は、ツールキャリヤとクイックカップリングを確立するためのクリック取付具またはスナップ嵌め要素を備えてもよい。前記クイックカップリング要素は、好ましくは、切断ツールの本体部分にも形成されている。クイックカップリングの利点は、切断および移送後のツールの自動化された取付および分離が容易になることである。
【0028】
ツールは、さらに、ツールオリフィスの周囲に配置されたときに収集管とシールを確立するための第2の接続インターフェースを備える。一実施例において、第2の接続インターフェースは、収集管の内径と合致するように寸法決めされた外径を有するカラーを備える。カラーは、より大きな直径のフランジ部分を備えてもよく、その下側は、オリフィスの周囲に配置されたときに収集管の上側リムと接触するために使用される。シールは、次いで、上側リムと前記下側との間に形成されてよく、それにより、収集管は、気密接続を達成するための所定の締付力でフランジ部分に対して押し付けられる。適切に、フランジ部分の下側には、シールを高めるための比較的柔軟な材料の層が設けられてもよい。カラーは、気密に収集管の内側リムと係合する円錐形の外面を有してもよい。
【0029】
有利には、製造を容易にするために、第2の接続インターフェースは、ツール本体と一体に形成されている。第2の接続インターフェースは、ツール本体の周囲に取り付けられる弾性材料から作られた別個のカラーによって形成されてもよい。適切な材料の例は、ゴム(架橋ゴム、オレフィン、ウレタンまたはシリコーン)および熱可塑性エラストマ、例えば、ポリエステル、ポリウレタン、ポリオレフィンを含む。カラーの一部は、標準サイズの収集管の内径よりも僅かに大きい外径を有してよい。
【0030】
本発明のツールは、さらに、内部通路内に配置されかつその全直径にわたっている通気性フィルタ要素を備える。適切に、フィルタ要素は、材料が切断される試料に応じて、切断された材料の通過を許容しない孔径、例えば、10、50、100または200μmを有する多孔質材料から作られている。フィルタ要素は、織られたまたは織られていない構造を有してよく、好ましくは、合成材料、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ナイロン、ポリフッ化ビニリデンまたはテフロン(登録商標)から作られている。フィルタ要素は、3.0~15.0mmの直径を有してよい。代替的に、フィルタは、リソグラフィ、エッチングまたはレーザアブレーションによって形成された規定されたポアの配列を有する薄い基板であってよい。
【0031】
好ましい実施形態において、フィルタ要素材料は、略円形のフレーム部分に保持されており、このフレーム部分は、主要ツール本体の内部通路に挿入されて内部通路内に固定して接続される別個の部分である。フレーム部分は、フィルタ要素材料にオーバーモールドされてよい。一実施例において、フレーム部分は、ツール内部通路の直径よりも大きな直径を有し、締まり嵌めを介して半径方向に保持される。
【0032】
さらなる実施形態において、主要ツール本体部分はフィルタ要素にオーバーモールドされている。
【0033】
フィルタ要素は、内部通路を第1および第2のセクションに分割している。通路の第1のセクションは、フィルタ要素とツールオリフィスとの間のセクションとして規定される。通路の第1のセクションは、好ましくは、直線状であり、長手方向中心軸線Lを有する。通路の第1のセクションの直径は、その長さにわたって一定であるか、または変化していてもよい。例えば、通路は、ツールオリフィスに向かって狭まっていてよい。使用時、通路の第1のセクションを包囲するツール本体の部分は、吸引ノズルとして機能し、ツールノズルと呼ばれる。
【0034】
掻取ブレードは、ツールオリフィスの一方の側に配置されている。掻取ブレードは、スライドガラス上の生物材料と接触する幅wの掻取エッジを有する。幾つかの実施例において、ブレードは、平坦な、鑿状部材である。その他の実施例において、掻取ブレードは、ブレード軸線を中心に湾曲しており、薄い壁の管セクションを含む。管セクションは、連続的な薄い壁の円筒または半円筒などの部分的円筒であってよい。管セクションの端面は、掻取エッジとして機能する。
【0035】
本発明の方法を実行する本発明による装置において使用され得る切断ツールの幾つかの実施例において、ノズルは、薄い壁の管セクションから部分的に形成されており、掻取ブレードはノズルの一部を形成している。管セクションは、30~100μmの壁厚および3.0~15mmの外径を有してよい。管セクションの掻取エッジまたは平坦なブレードの掻取エッジは、ブレード軸線に対して垂直であることができるかまたは最適化された掻取性能のために角度付けられていてよい。幾つかの実施例において、ブレードは、研磨された鋭いエッジを有する。
【0036】
典型的に、本発明において使用される切断ツールは、掻取ブレードがスライドガラスの水平面に対して所定の角度αでこの水平面に係合するように配置されており、この角度は掻取角度として定義される。幾つかの実施形態において、掻取ブレードは、ノズルの長手方向軸線Lに対して平行な方向に延びており、掻取角度は、スライド面に対するノズル軸線の向きによって画定されている。
【0037】
その他の実施形態において、特に、掻取ブレードがノズルの端面から延びている場合、掻取ブレードは、長手方向軸線Lに対して所定の角度で延びるブレード軸線を有する。したがって、ノズルは、長手方向軸線Lがスライド面に対して垂直になるように配置されてよく、掻取角度は、スライド面とブレード軸線との間の角度によって画定される。理解されるように、掻取角度αは、ノズル軸線の角度配向を調節することによって変化させることができる。
【0038】
さらなる発展形において、切断ツールの掻取ブレードには、切断された材料の固着を防止し、切断された材料がフィルタ要素の下側に吸着されることを保証するために、NiFまたはペルフルオロアルカンなどの固着防止コーティングが設けられている。
【0039】
さらなる発展形において、ノズルは、掻取ブレードとは反対側においてツールオリフィスを少なくとも部分的に包囲するノズル延長部を備える。一実施例において、ツールは、水平のスライド面に対して所定の掻取角度αで配置されるように構成されている。ブレードがスライドと接触すると、ノズル延長部の周縁は、スライド面に対して一定の間隙を形成するように構成されてよい。さらなる実施例において、ノズル延長部の周縁は、間隙が周方向に沿って変化するように所定の輪郭を有する。
【0040】
ノズル延長部の利点は、掻取エッジの位置において、吸引中に生じる空気流を最適化することであり、これにより、全ての切断された材料がツールの本体へ吸入される。
【0041】
したがって、本発明の方法において使用される切断ツールは、3つの機能:切断、収集および移送を行う。さらに、ツールは、使用後に廃棄されることが意図されているので、生物材料の二次汚染のリスクがさらに減じられる。
【0042】
第3の態様において、本発明は、平坦な基板上に配置された試料から生物材料を切断および移送するための装置であって、上記の本発明の方法の実施形態を実行するように構成されている装置に関する。装置は、
・機械的インターフェースを有するツールキャリアであって、機械的インターフェースは切断ツールの対応する機械的インターフェースと気密接続を確立するために、ツールの第1の端部と第2の端部との間に延びる内部通路、内部通路にわたるように切断ツール内部に配置されたフィルタ要素および、ツールの第1の端部においてつーるのオリフィスに配置された掻鳥ブレードを具備するツールキャリア、
・平坦な基板を支持するためのプラットフォーム、
・少なくとも1つの収集管を保持するためのステージ、
・位置決めシステムであって、ツールキャリヤとプラットフォームとを互いに対して移動させ、切断ツールの掻取ブレードが試料の所定の領域において生物材料と選択的に係合するようにそれらの相対位置を制御するように構成され、さらに、収集管がツールオリフィスの周囲に配置されるようにツールキャリヤをステージに対して移動させるように構成された位置決めシステム、
・外部真空発生器の接続のための真空発生器または取付具、
・外部圧力リザーバの接続のための圧力リザーバまたは取付具、および、
・収集された生物材料を収集管内へ排出するために、切断ツールの内部通路が真空発生器と連通する第1の位置と、通路が圧力リザーバと連通する第2の位置との間で動作可能な弁と、
を備える。
【0043】
一実施例において、圧力リザーバは、単に大気圧である。さらなる実施例において、圧力リザーバはポンプである。さらなる実施例において、圧力リザーバは、100~400kPaの圧力に保持された過圧空気を収容する容器である。
【0044】
好ましくは、装置は、生物試料の画像を取得するための画像取得システムを備える。適切に、画像取得システムは、試験される生物材料を含む関心領域と、試験されない材料を含む望ましくない領域との間の境界を識別するように構成されている。言い換えれば、画像取得システムは、切断される領域の形状を識別する。或る実施例において、生物試料は着色された組織試料であり、画像取得システムは、単に着色された領域を認識する。その他の実施例において、画像取得システムは、組織試料のキャプチャされた画像を処理し、例えば、細胞構造に基づいて関心領域を識別するためにソフトウェアでプログラムされてよい。システムは、キャプチャされた画像を、病理学者によってマークされた基準画像と比較することによって、切断される領域の形状を識別するように構成されてもよい。適切に、画像取得システムは、識別された境界の座標を位置決めシステムの制御装置へ移送するように構成されている。
【0045】
切断ツールの掻取ブレードは、幅wの掻取エッジを有する。並進方向におけるブレードと平坦な基板との相対移動の結果、掻取エッジは、対応する幅を有する生物試料を通じてトラックを切断する。ブレードが、薄い壁の管のセクションによって形成されている場合、トラックの幅は、管の外径および加えられた接触力に依存する。
【0046】
切断中、切断ツールは、掻取ブレードが30~60度の掻取角度に配置されるように配置されてよいが、切断される生物試料の性質に応じてその他の角度が望ましい場合がある。
【0047】
さらなる発展形において、ツールキャリヤは、装置に枢動可能に取り付けられており、これにより、掻取角度の調節を可能にし、必要であれば、切断ツールを垂直位置にもたらし、例えば、ツールの封止カラーの周囲における切断ツールの自動化された結合/分離および/または収集管の自動化された取付を容易にする。
【0048】
適切に、位置決めシステムは、横方向XおよびYならびに垂直方向Zにおける相対移動のための電動式アクチュエータを備える。或る実施形態において、位置決めシステムは、さらに、平坦な基板に対して垂直な回転軸線を中心とする掻取ブレードに対するプラットフォーム(および生物試料)の位置を調節するための回転ステージを備える。
【0049】
切断中、切断ツールは、並進方向にプラットフォームに対して移動させられる。さらなる発展形において、装置のツールキャリヤは、並進方向に対する掻取エッジの角度調節を可能にするために、プラットフォームに対して垂直な軸線を中心に回転可能である。これは、掻取エッジの有効幅、すなわち並進方向に対して垂直に測定された幅を変化させることが可能になるため有利である。適切に、位置決めシステムは、角度配向の制御可能な調節のためのアクチュエータを備える。
【0050】
位置決めシステムのアクチュエータは、切断ツールに対して生物試料を移動させるためにプラットフォームに結合されてもよく、および/またはアクチュエータはプラットフォームに対して切断ツールを移動させるためにツールキャリヤに結合されていてよい。
【0051】
さらなる発展形において、装置にはイオン発生機が設けられている。掻取エッジと、生物材料が配置された平坦な面との間の接触は摩擦を生じ、これは、生物材料における静電荷の蓄積につながる可能性がある。イオン発生機は、切断ツールの周囲を流れる空気を調整し、これにより、切断中の生物材料の収集に悪影響を及ぼす可能性がある静電荷の蓄積を減少させる。
【0052】
さらなる発展形において、装置には、ツールノズルを通る空気流を調整するために、真空発生器と切断ツールのフィルタ要素との間に並んで配置された可変リストリクタが設けられている。ツールの使用時、フィルタ要素の下側に収集された切断された材料は、フィルタを通る空気流を制限し、これにより、システム全体の制限を増大させる。これは、ツールノズルの吸引能力に悪影響を及ぼす可能性がある圧力の損失および空気流の低下を生じる。適切に、装置は、内部通路およびノズルを通る一定の空気流を可能にするために、フィルタの下側における切断された材料の蓄積に応答して、可変リストリクタの制限を減じるように構成されている。
【0053】
一実施例において、装置は、さらに、真空発生器とフィルタ要素との間に並んで配置された圧力センサまたは流量センサを備え、可変リストリクタは、測定された圧力または測定された流量に基づいて制御される。さらなる実施例において、装置は、掻取ブレードによって切断された生物材料の領域を推定し、切断された領域に関して可変リストリクタの制限を減じるように構成されている。画像取得システムは、切断された領域を推定するように構成されてもよく、または切断された領域は、掻取ブレードの幅およびスライドに対するブレードの各並進移動の距離に基づいて計算されてよい。
【0054】
発明の上述の実施形態、実施および/または態様の2つ以上を、有用と見なされるあらゆる方法で組み合わされてよいことが当業者によって認められるであろう。
【0055】
ここで、以下に説明される実施形態を参照して発明をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0056】
図1a】スライドガラスから生物材料を切断しかつ一致する収集管へ移送する本発明の方法を実施するように構成された、本発明による装置の一例を概略的に示す図である。
図1b】材料がスライドから除去されかつ切断ツールへ吸入される構成における図1aの装置の部分を示す図である。
図1c】吸引された材料が収集管への移送のために準備された構成における図1aの装置の部分を示す図である。
図1d】吸引された材料が収集管へ移送される構成における図1aの装置の部分を示す図である。
図2】本発明による装置および方法において使用するための切断ツールの一例の側面図である。
図3】本発明による切断ツールの一例の側面図であり、主要な内部特徴は点線で示されている図である。
図4a】本発明による切断ツールのさらなる実施例の切断側面図である。
図4b図4aのツールに取り付けられたフィルタ要素の断面図である。
【0057】
異なる図面において同じ参照番号を有するアイテムは同じ構造的特徴および同じ機能を有するまたは同じ信号であることに留意すべきである。このようなアイテムの機能および/または構造が説明されたが、詳細な説明においてその説明の繰り返しは不要である。
【発明を実施するための形態】
【0058】
組織および細胞などの生物材料の病理学診断的研究は、特に腫瘍学において、多くの治療決定のための基礎を形成する。例えば、がんと診断された個々の患者のための治療選択を知らせるために、ゲノムベース試験が行われる。生物材料/組織は、生検から得られてよく、次いで、例えば、パラフィンに埋め込まれ、スライドガラスに固定される薄いスライスに切断される。これらの薄いスライスは、組織試料と呼ばれる。生物材料を取得および準備するその他の方法が知られている。
【0059】
組織試料は、診断試験を受ける材料を含有する関心領域(ROI)を有する。ROIは、着色によって識別することができるか、または病理学者が、顕微鏡下の分析後に基準スライドにマーキングを提供してよい。ROIは、試料のデジタル画像の処理を介して識別することもできる。ROIが識別されると、材料はスライドから除去/切断され、次いで、分析装置へ移送される。典型的には、材料は、収集管へ移送され、その後、細胞溶解、浄化および増幅などの試料準備プロセスステップおよびさらなる必要な処理ステップが行われる。理解されるように、分析の信頼性および効率は、ROIから切断された材料のみが存在することを確実にすることによって、しかしながらまた汚染を最小限にすることによって、最適化される。
【0060】
本発明は、平坦な基板上に配置された試料から生物材料を切断し、正確な材料除去を可能にし、かつ分析される材料の汚染を最小限に抑えるように生物材料を収集管へ移送する自動化された方法を画定する。方法は、負圧源および過圧源に選択的に接続可能な切断ツールを使用する。図1aを参照して、発明の方法を実施する切断ツールおよび装置を説明する。
【0061】
図1aは、本発明による装置の一例を概略的に示す。装置100は、生物試料117が配置されたスライドガラス115を支持するためのプラットフォーム110と、ツールキャリヤ130に取り付けられた切断ツール120とを備える。ツールキャリヤは、ツール120の位置がプラットフォーム110に対して調節されることを可能にする位置決めユニット135に取り付けられている。示された例において、位置決めユニット136は、ツール120を垂直方向zに移動させ、垂直軸線を中心に回転させる。位置決めユニットは、並進方向XおよびYにおけるプラットフォームに対するツールの移動を可能にするための位置決めシステムの一部を形成している。好ましくは、プラットフォーム110も可動であり、位置決めシステムは、ツールが関心領域のみにおいて生物材料117と係合するように相対移動を制御する制御装置190を備える。示された例において、装置は、さらに、組織の位置を特定しかつROI座標を制御装置190に提供するための画像取得システム180を備える。
【0062】
切断ツールは、ツール本体の第1および第2の端部の間に延びる内部通路を画定した略中空の本体を有する。通気性フィルタ要素125が、ツール本体内に収容されており、内部通路の直径全体にわたっている。内部通路の第1のセクションが、フィルタ要素125とツールの第1の端部におけるツールのオリフィス123との間に画定されている。内部通路の第1のセクションを包囲するツール本体の部分は、長手方向中心軸線Lを有するノズル122として画定されている。ノズル軸線Lは、図1aの例の場合のように、ツール全体の中心軸線と一致してよいが、これは必須ではない。切断ツールの第2の端部は、ツールをツールキャリヤ130上の対応する機械的インターフェースに解放可能に接続するための機械的インターフェースを備える。
【0063】
示された例において、ノズルは、薄い壁の管によって形成されており、管の端面の一部は、スライドガラス115上に配置された生物材料117を機械的に除去するために使用される掻取ブレード124(図1b参照)として機能する。掻取ブレードは、オリフィス123の一方の側においてノズル端面から延びた別個の部分であってもよい。
【0064】
切断中、ツールは、ノズル122がプラットフォーム110の水平面に対して角度αで向けられるように配置され、角度αは、ブレード124の掻取角度も画定する。ツールキャリヤ130は、角度αの調節を可能にするために、位置決めユニット135に回転可能に取り付けられている。
【0065】
装置は、さらに、真空ポンプ150と、少なくとも100kPaの圧力を有する圧力リザーバ160と、弁140と、切断ツール120の内部通路121がポンプ150および圧力リザーバ160のうちの一方に選択的に接続可能であるように配置された適切な管と、を備える。示された例において、弁は3方弁であり、第1のポート141が、ツールキャリヤ130における機械的インターフェースおよび通路121と流体連通しており、第2のポート142が真空ポンプ150と流体連通しており、第3のポート143が圧力リザーバ160と流体連通している。
【0066】
ここで、図1b~図1dを参照して発明の方法の実施形態を説明するが、簡略にするために、装置の関連する特徴のみが示されている。
【0067】
図1bは、材料除去位置における切断ツールを示しており、方法の第1のステップにおいて、生物材料117がスライドガラス115からこすり取られ、ツール本体内に収集される。ツール120は、掻取ブレード124が例えば30~60度の掻取角度でスライド表面と係合するように配置されている。次いで、ツールは、並進方向xにスライドに対して移動させられ、これにより、y方向において所定の幅を有するブレードの掻取エッジが、生物材料117を通じてトラックを切断する。適切に、掻取ブレード124とスライド115との相対位置は、特定されたROIからの材料のみが掻取を介して切断されるように制御される。
【0068】
掻取のステップと同時に、切断ツールの第2の端部において負圧が形成され、この負圧は、ツールオリフィス123において上昇気流を生み出し、切断された材料が通路121内へ吸い込まれ、材料はフィルタ要素125の下側に捕捉される。この吸引ステップ中、弁140は、第1および第2のポート141,142が流体連通し、内部通路121が真空ポンプ150と連通する、第1の位置にある。空気流は、材料除去プロセス中、切断された材料をフィルタ要素125の下側に保持する。
【0069】
切断が完了すると、ツールの位置は、プラットフォームと切断ツールとが互いに離隔させられる移送位置へ調節されてよい。方法の次のステップにおいて、収集管170が、図1cに示したように切断ツール120の外面に気密に取り付けられる。適切に、装置は、例えば、収集管のトレーを保持するためのステージを備え、位置決めシステムは、ツール120が管170に挿入されるようにステージに対するツールキャリヤの移動を制御するように構成されている。弁140は第1の位置のままであり、切断された材料117はフィルタ要素125の下側に保持されている。作動する真空ポンプ150との連続した接続の結果、空気が収集管170から排出される。
【0070】
方法の最終ステップは、フィルタ要素125をツール120の第2の端部における過圧に曝すことを備える。これは、図1dに示したように、第1のポート141が第3のポート143および圧力リザーバ160と流体連通する第2の位置へ弁140を切り替えることによって達成される。好ましくは、弁は、真空状態または真空ポンプの絶対圧力にほぼ等しい圧力、例えば、1~10kPaが管170内に達成されると第2の位置へ切り替えられる。過圧に曝されると、図1dの矢印で示されるように、ツールオリフィス123に向かって流れる圧力パルスと空気流が発生する。前述の圧力パルスは、切断された材料117をフィルタ要素125の下側から収集管170内へ押し出す。
【0071】
圧力リザーバ160は、単に大気であることができる。好ましくは、全ての材料がフィルタ要素125から排出されることを保証するべく十分な大きさのパルスを発生するために、ポンプ、またはシリンダ内に保持された加圧空気のリザーバが、200~400kPaの圧力を供給するために使用される。好ましくは、供給される圧力は、ツール本体の外面の周囲における収集管170の気密接続によって生じる締付力よりも低い。これは、圧力パルスによって、切断された材料の損失のリスクを生じる、管が解放されることを防止する。
【0072】
100kPaよりも高い圧力に曝された後、収集管内の圧力は大気と平衡させられる。次いで、収集管は、切断ツール120から取り外されてよく、エンドキャップによって適切にカバーされる。
【0073】
したがって、本発明の方法は、切断中にあらゆる液体を使用するまたは切断された材料をツール本体から「すすぐ」必要なしに、スライドガラス115上に配置された試料から収集管170内への生物材料の自動化された切断および移送を可能にする。これは、プロセスを単純化するのみならず、汚染も最小限に抑える。
【0074】
本発明による装置において使用するのに適した切断ツール220の一例が図2に示されている。ツールは、フィルタ要素が配置されている内部通路を有する、中空のツール本体を有する。ツールの第1の端部220aにはノズル222が設けられており、ノズルの一部は、スライドガラス115と接触させられ、材料を切断するためにスライドに対して移動させられる掻取エッジ224aを有する掻取ブレード224として機能する。この例における掻取ブレード224は、高い降伏応力を有する金属から作られた薄い壁の管セクションから形成された別個の部材である。ノズル222の残りの部分およびツール本体は、掻取ブレード224にオーバーモールドされたポリマー材料から形成されてよい。好ましくは、掻取ブレードの内面には、掻取中および移送中の切断された材料の固着を防止するために、固着防止コーティングが設けられている。
【0075】
ツールの使用時、スライド115上の生物材料と接触するノズル222の端面の一部は、掻取ブレード224として機能する。したがって、示された例における掻取エッジ224aは、円弧状であり、ノズルの下側がスライド表面と接触させられ、かつスライドに対して移動させられるときに、生物材料を通じてトラックを切断する所定の幅を有する。したがって、切断された材料は、リボン形状であってよい。
【0076】
説明したように、真空ポンプによって生成される負圧は、掻取エッジ224aによって切断された材料を引き込む上昇気流を生み出す。切断された材料のリボンがツール本体に吸入されることを保証するために、気流の浮揚効果が掻取エッジの位置において最適化されることが重要である。示された例において、これは、掻取エッジ224aとは反対の周方向側においてツールオリフィスのほぼ半分を包囲するノズル222の延長部226によって促進される。延長部226は、湾曲したフードを形成しており、これにより、掻取ッジ224aに対して長手方向Lにおいて測定された延長部226の最大長さは、掻取エッジに対して180度のノズルにおける周方向位置において生じる。この180°位置のそれぞれの側において、ノズル延長部の長さを減少している。
【0077】
示された例において、切断ツール220は、掻取ブレード224がスライドの水平面に対して45度の掻取角度で配置されるようにツールキャリヤに取り付けられるように構成されている。掻取ブレードのブレード軸線は、ノズルおよびツールの中心軸線Lに対して平行に延びており、これは、掻取角度が、スライドの表面に対するツール軸線の角度と一致することを意味する。
【0078】
掻取エッジ224aは、吸引ノズルの一部を形成している。延長部226の周囲エッジも、ノズルの一部を形成しており、これにより、ノズルとスライド表面との間の間隙Gを短縮しており、これにより、切断された生物材料に加えられる吸引力を増大させている。延長部226は、ツールがスライド表面に対して45度で配置され、掻取エッジがスライドと接触しているときに間隙Gが略一定であるように設計されている。その他の例において、ノズル延長部は、間隙が円周に沿って変化するように設計されている。
【0079】
掻取エッジ224aにおける浮揚効果を高めることに加えて、延長部226は、材料の切断されたリボンの横への逸れを防止し、かつこれをノズル内に保持するための物理的バリアとしても機能することができる。
【0080】
ツールの第2の端部220bにおいて、ツールキャリヤ上の対応するインターフェースにツール220を解放可能に取り付けるための機械的インターフェースが設けられている。適切に、インターフェースは、気密接続を可能にして、ツール本体を通る最適な吸引および高度な機械的位置合わせを保証し、これにより、スライド115に対する掻取エッジ224aの正確な位置決めを促進する。速度および自動化の目的で、クリックタイプ取付具、クランピングまたはバヨネット取付が有利であるが、ねじ山による接続などのその他のタイプのインターフェースも可能である。
【0081】
切断ツール220は、さらに、ツール本体上に配置される収集管を受容するための外部接続インターフェースを備える。示された例では、ツール本体の外側は、収集管との気密接続を確立するためにエラストマ封止材料から作られたカラー227が取り付けられている。したがって、カラーの寸法は、使用される収集管に依存する。好ましくは、カラーは、収集管の開放した端部をカラーの主要部分227b上へ案内するための面取りされたエッジ227aを有し、主要部分227bは、収集管の内径またはリムに対して封止する外径を有する。適切に、カラーは、さもないと管が取り付けられ排気されるときに生じ得る損傷を防止するために、収集管のリムを保持するより大きな直径のフランジ部分227cも有する。
【0082】
図3は、本発明による切断ツールの一例の側面図を示す。ツール320は、単一片として形成された第1の主要本体部分326を備える。内部通路321はこの本体部分326を通って延びており、フィルタ要素325(点線で示されている)は通路321に配置され、主要本体部分に保持されている。ツールをキャリヤに解放可能に接続するための機械的インターフェースが、ツールの第2の端部320bにおいて主要本体部分326に設けられている。機械的インターフェースは、ツールの第2の端部320bにおいて内部通路321を包囲する複数の円錐形窪みを備える。
【0083】
ツールは、さらに、ノズル部分322を組み込んだ第2の部分327を備える。第2の部分は、主要本体部分326にオーバーモールドされたポリマー材料から形成されてよい。掻取ブレード324は、ノズル部分322の端面に埋め込まれている。ノズル部分および主要本体部分326が全体的に、金属掻取ブレード324にオーバーモールドされた材料から形成されることも可能である。
【0084】
示された例において、第2の部分327は、ノズル322およびブレード324を備えるのみならず、さらに、収集管の接続のための第2の機械的インターフェースまたはカラーを備える。図2に示した例のように、カラーは、収集管のリムを保持するためのフランジ部分327cを有する。
【0085】
この例におけるツール320は、切断中にノズルの長手方向中心軸線Lがスライドガラス115に対して垂直になるように配置されるように構成されている。ツールの第1の端部320aにおいて、ノズル322の端面は、点線で示された内部通路321への入口においてオリフィス323を包囲している。金属の掻取ブレード324はノズルに埋め込まれており、ブレードの一部がノズルの端面から突出している。ブレードの埋め込まれた部分は、点線で示されている。示された例において、掻取ブレードは、ブレード軸線Bを中心に半円筒形に曲げられた金属の薄片から形成されている。掻取ブレードは、のみに似た直線的な平坦な部品であってもよい。
【0086】
ブレード軸線Bは、ノズル軸線Lに対して所定の角度で延びており、掻取角度は、ブレード軸線Bとスライド表面との間の角度によって画定されている。掻取角度は、もちろん、ツール本体の向きを調節することによって変えることができる。適切に、掻取ブレード324は、ブレードの掻取エッジ324aがツールオリフィス323の下方に配置されるようにノズル軸線Lに向かって延びている。
【0087】
本発明によるツールのさらなる例は、図4aに切断側面図で示されている。ツール420は、ツール内部通路が貫通して延びた単一片から形成された主要本体部分426を備える。内部通路421の一部の直径は、ツールオリフィス423に向かって先細となっている。内部通路のさらなる部分は、円錐形凹所450によって形成されており、円錐形凹所450は、ツールをツールキャリヤにおける対応した形状の円錐形突起に正確な整列で接続するように構成されている。理解されるように、円錐形突起は、ツール内部通路と結合する内部通路を有する。円錐形凹所450は、ツールキャリヤ突起との気密接続を提供する。或る例において、ツールとツールキャリヤとの間の結合力は、締まり嵌めを介して確立される。示された例において、第1の接続インターフェースは、追加的に、スナップ嵌めジョイントの形態のクイックリリースカップリングを備える。複数のスナップ嵌めジョイント455、示された実施形態においては3つのスナップ嵌めジョイント455が、円錐形凹所への入口に設けられており、ツールキャリヤの円錐形突起がツール凹所450へ押し込まれたとき、ツールキャリヤの円錐形突起に設けられた環状リッジと係合するように構成されている。示された例において、スナップ嵌めジョイントは、円錐形凹所450への入口におけるツール本体426の対応する凹み457内に延びる片持ちアームである。各アーム455と凹み457の半径方向外側の壁部との間の間隙は、ツールの係合および分離のために必要とされるアームのたわみを可能にする。適切に、スナップ嵌めジョイント455は、円錐形凹所450への入口の周囲に均等な角度方向インターバルで配置されており、ツールを使用した正確な切断を可能にするために十分に大きいが、比較的低い力による分離を可能にするために、十分に小さい安定したロッキング力を提供するように構成されている。
【0088】
主要ツール本体部分426は、さらに、軸線方向においてフィルタ要素425を配置するための着座部430を備える。適切なフィルタ要素の一例が、図4bの断面図に示されている。フィルタ要素は、例えば、0.1mmの厚さtを有する、多孔質で通気性の織られた材料の薄片を備える。典型的には、例えば、0.6mmのより大きな厚さを有する膜フィルタが使用されてもよい。フィルタ要素425は、フィルタ要素の外周の周りに成形され得るフレーム部分425aにおいて保持されている。フレーム部分425aの外径は、フィルタ要素425のための着座部430の位置において内部通路の直径よりも僅かに大きく、これにより、フレーム部分425aは、締まり嵌めによって主要本体部分426内に半径方向で保持される。
【0089】
ツールの掻取ブレード424は、主要本体部分426に接合される第2の部分427に設けられている。適切に、第2の部分427は、掻取ブレード424にオーバーモールドされており、形状によるはめ合い、接着剤結合またはその他の適切な接合方法を介して主要本体部分426に不可逆的に結合されてよい。第2の部分427は、ツールオリフィス423およびノズル422の一部も備える。第2の本体部分427におけるノズル部分422の外面は、収集管に挿入されるように構成されている。ツール本体は、さらに、収集管のリムを受容しかつ収集管のリムと封止接続を確立するための比較的平坦な下面428を有する。この封止面428は、主要本体部分426および第2の部分427のうちの一方または両方に設けることができる。代替的に、封止面は、ノズル部分422の円錐形外面によって形成されてよい。
【0090】
切断および組織移送の後、本発明による切断ツールは廃棄され、新たなツールが装置に接続され、これにより、二次汚染のリスクを排除する。
【0091】
非限定として示されているか否かにかかわらず、実施例、実施形態または選択的特徴は、請求項に記載の発明を限定するものと理解すべきではない。上述の実施形態は、発明を限定するのではなく、例示しており、当業者は、添付の請求項の範囲から逸脱することなく多くの代替的な実施形態を設計することができることに留意すべきである。
【0092】
請求項において、括弧の間に配置されたあらゆる参照符号は、請求項を限定するものと解釈されるべきではない。「備える」という動詞およびその活用の使用は、請求項に述べられたもの以外の要素またはステップの存在を排除しない。ある要素に先行する冠詞「a」または「an」は、複数のこのような要素の存在を排除しない。本発明は、複数の別個の要素を備えるハードウェアによって、および適切にプログラムされたコンピュータによって実施されてよい。複数の手段を列挙する装置請求項において、複数のこれらの手段は、ハードウェアの1つの同じアイテムによって具体化されてよい。ある手段が互いに異なる従属請求項に引用されているという単なる事実は、これらの手段の組合せを有利に使用することができないことを示さない。
【符号の説明】
【0093】
100 切断装置
110 プラットフォーム
115 スライド
117 組織試料
120,220,320,420 切断ツール
121,321,421 切断ツールを通る内部通路
122,222,322,422 ノズル
123,323,423 ツールオリフィス
124,224,324,424 切断ツールの掻取ブレード
125,325,425 通気性フィルタ要素
425a フィルタ要素のフレーム部分
130 ツールキャリヤ
135 位置決めユニット
140 3方向弁
141,142,143 第1、第2、第3の弁ポート
150 真空ポンプ
160 圧力リザーバ
170 収集管
180 画像取得システム
190 位置決めシステムの制御装置
220a,320a 切断ツールの第1の端部
220b,320b 切断ツールの第2の端部
224a,324a 掻取ブレードの掻取エッジ
226 ノズルの延長部
227,327 封止カラー
227a 封止カラーの面取りされたエッジ
227b 封止カラーの本体
227c,327c 封止カラーの保持フランジ
326,426 第1の主要ツール本体部分
327,427 ブレードが組み込まれた第2の部分
428 ツール本体の封止面
430 フィルタ要素を配置するための主要ツール本体部分における着座部
450 ツールキャリヤと気密インターフェースを確立するための円錐形凹所
455 スナップ嵌めジョイント
457 円錐形凹所への入口におけるツール本体の凹み
L ツールノズルの長手方向軸線
B ブレード軸線
α スライド表面に対するブレードの掻取角度
G ノズルとスライド表面との間の間隙
図1a
図1b
図1c
図1d
図2
図3
図4a
図4b
【国際調査報告】