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特表2023-542093抗腫瘍治療におけるチアウラニブと免疫チェックポイント阻害剤との組み合わせの使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-05
(54)【発明の名称】抗腫瘍治療におけるチアウラニブと免疫チェックポイント阻害剤との組み合わせの使用
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/47 20060101AFI20230928BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20230928BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20230928BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20230928BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20230928BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230928BHJP
【FI】
A61K31/47
A61K45/00
A61P35/00
A61P35/02
A61K39/395 N
A61P43/00 121
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023515686
(86)(22)【出願日】2021-09-03
(85)【翻訳文提出日】2023-05-08
(86)【国際出願番号】 CN2021116498
(87)【国際公開番号】W WO2022052874
(87)【国際公開日】2022-03-17
(31)【優先権主張番号】202010939961.4
(32)【優先日】2020-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519108051
【氏名又は名称】深▲セン▼微芯生物科技股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN CHIPSCREEN BIOSCIENCES CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】21F-24F, Building B, Zhigu Industrial Park, Shuguang Community, Xili Street, Nanshan District, Shenzhen Guangdong 518057, China
(71)【出願人】
【識別番号】522424038
【氏名又は名称】チェンドゥ チップスクリーン ファーマスーティカル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100120617
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 真理
(74)【代理人】
【識別番号】100126099
【弁理士】
【氏名又は名称】反町 洋
(72)【発明者】
【氏名】ルー、シエンピン
(72)【発明者】
【氏名】パン、トースー
(72)【発明者】
【氏名】チョウ、イウ
【テーマコード(参考)】
4C084
4C085
4C086
【Fターム(参考)】
4C084AA19
4C084NA05
4C084ZB261
4C084ZB262
4C084ZC75
4C085AA14
4C085BB01
4C085CC23
4C085EE01
4C085GG01
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC28
4C086GA15
4C086MA02
4C086MA04
4C086MA52
4C086NA05
4C086ZB26
4C086ZB27
4C086ZC75
(57)【要約】
本発明は、医薬分野に関し、具体的には、抗腫瘍治療におけるチアウラニブと免疫チェックポイント阻害剤との組み合わせの使用に関する。腫瘍治療薬の製造におけるチアウラニブ又はその誘導体と免疫チェックポイント阻害剤との組み合わせの使用、前記組み合わせを含む医薬組成物及びキット、並びに治療を必要とする腫瘍患者に治療有効量の前記医薬組成物又は前記キットを投与する腫瘍の治療方法。前記組み合わせは、相乗作用を有し、がんの治療に適用される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
腫瘍治療薬の製造におけるチアウラニブ又はその誘導体と免疫チェックポイント阻害剤との組み合わせの使用。
【請求項2】
前記チアウラニブ誘導体は、その薬学的に許容される塩及びその非溶媒和結晶A、B、Cを含む、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記チアウラニブ又はその誘導体の用量は1-100mgであり、好ましくは5-80mg、最も好ましくは10-50mgである、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項4】
前記免疫チェックポイント阻害剤は、PD-1阻害剤、PD-L1阻害剤、CTLA-4阻害剤、TIM-3阻害剤、BTLA阻害剤、VISTA阻害剤又はLAG-3阻害剤を含み、好ましくは、PD-1阻害剤及びPD-L1阻害剤である、請求項1に記載の使用。
【請求項5】
前記PD-1阻害剤は、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、トリパリマブ、シンチリマブ、SHR-1210、BGB-A317、ゲプタノリマブ、ジンベレリマブ(AB122)、AK101、AK104、AK105、GLS-010、BAT1306、CS1003、PDR001、セミプリマブ及びMEDI0680を含む、請求項4に記載の使用。
【請求項6】
前記PD-L1阻害剤は、Tecentriq(アテゾリズマブ)、Imfinzi(デュルバルマブ)、Bavencio(アベルマブ)、CS1001、TQB2450、SHR1316、ラゼルチニブ、ビントラフスプアルファ、エンバフォリマブ(KN035)、CA-170、CX-072、BGB-A333、BMS-936559、GEN-1046、KL-A167及びIO-103を含む、請求項4に記載の使用。
【請求項7】
前記免疫チェックポイント阻害剤の用量は1-1000mg、好ましくは10-800mg、最も好ましくは20-500mgである、請求項4から6のいずれか1項に記載の使用。
【請求項8】
前記腫瘍は、結腸がん、肝臓がん、肺がん、胃がん、大腸がん、乳がん、子宮頸がん、直腸がん、膵臓がん、脳腫瘍、皮膚がん、口腔がん、前立腺がん、骨がん、腎臓がん、卵巣がん、膀胱がん、卵管腫瘍、腹膜腫瘍、黒色腫、神経膠腫、膠芽腫、肝細胞がん、頭頸部がん、白血病、リンパ腫、骨髄腫を含む、請求項1から7のいずれか1項に記載の使用。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載の組み合わせを含む、医薬組成物。
【請求項10】
請求項1から8のいずれか1項に記載の組み合わせを含む、キット。
【請求項11】
前記チアウラニブ又はその誘導体及び前記免疫チェックポイント阻害剤は、同じ又は異なる仕様を有する単位製剤である、請求項10前記キット。
【請求項12】
前記チアウラニブ又はその誘導体及び前記免疫チェックポイント阻害剤は、同一の容器に収容され、又はそれぞれ異なる容器に収容される、請求項10又は11に記載の前記キット。
【請求項13】
チアウラニブ又はその誘導体は消化管投与剤形、好ましくは経口製剤であり、前記免疫チェックポイント阻害剤は非経口投与剤形、好ましくは注射製剤である、請求項10から12のいずれか1項に記載のキット。
【請求項14】
添付文書をさらに含む、請求項10から13のいずれか1項に記載のキット。
【請求項15】
治療を必要とする腫瘍患者に治療有効量の請求項9に記載の医薬組成物又は請求項10から14のいずれか1項に記載のキットを投与することを含む、腫瘍の治療方法。
【請求項16】
請求項9に記載の医薬組成物又は請求項10から14のいずれか1項に記載のキットは、第一選択療法として前記腫瘍患者に投与される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
請求項9に記載の医薬組成物又は請求項10から14のいずれか1項に記載のキットは、第二、第三、第四、第五又は第六選択療法として前記腫瘍患者に投与される、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記腫瘍患者は、治療されていないか又は、少なくとも1回の抗腫瘍治療を受けたことがある、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記抗腫瘍治療は、手術、化学療法、放射線療法、標的療法及び免疫療法又はそれらの組み合わせを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記チアウラニブ又はその誘導体及び前記免疫チェックポイント阻害剤は、同時、別々又は順次投与される、請求項15から19のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬分野に関し、具体的には、抗腫瘍治療におけるチアウラニブと免疫チェックポイント阻害剤との組み合わせの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
腫瘍は人間の健康を脅かす主要な疾患であり、腫瘍治療に関する研究は広く関心を集めている。従来の腫瘍治療法には、手術療法、放射線療法、及び化学療法が含まれる。医学の進歩に伴い、標的療法や免疫療法などの新しい治療法が出現し続け、がん患者に新しい治療オプションを提供している。
【0003】
標的療法は、細胞分子レベルで特定された発がん部位に対して標的薬を設計して治療する方法である。標的薬は、人体に入った後、発がん部位を特異的に選択して結合して効果を発揮し、腫瘍周囲の正常な組織細胞に影響を与えることなく、腫瘍細胞を特異的に殺傷する。標的療法は、多くの抗がん薬の開発の重点となっており、精密医学の基礎である。
【0004】
チアウラニブは、複数のプロテインキナーゼを標的とする低分子抗腫瘍標的薬であって、深センマイクロチップバイオテクノロジー株式会社が独自に開発した、完全な知的財産権を持つオリジナル化合物である。チアウラニブは、VEGFR/PDGFR/c-Kit、Aurora B、CSF-1R標的に対する高選択的阻害活性により抗腫瘍血管新生、腫瘍細胞の有糸分裂の阻害、腫瘍炎症性微小環境の調節などの3経路の抗腫瘍相乗効果のメカニズムを有し、総合的な抗腫瘍効果を発揮する。
【0005】
CN200910223861.5には、チアウラニブ化合物が開示されており、具体的には、ナフチルアミド誘導体、その製造方法及び使用が開示されている。このような化合物は、プロテインキナーゼ阻害活性とヒストンデアセチラーゼ阻害活性の両方を有し、異常なプロテインキナーゼ活性又は異常なヒストン脱アセチル化酵素活性に関連する疾患(炎症、自己免疫疾患、がん、神経疾患及び神経変性疾患、心血管疾患、代謝疾患、アレルギー、喘息、並びにホルモン関連疾患を含む)の治療に適用できる。
【0006】
CN201610856945.2には、チアウラニブの非溶媒和結晶A、B、C及びその製造方法が開示されており、前記結晶を含む医薬組成物、及び異常なプロテインキナーゼ活性又は異常なヒストンデアセチラーゼ活性に関連する疾患の治療薬の製造における前記結晶の使用にも関する。
【0007】
CN201811550290.1には、急性骨髄性白血病治療薬の製造におけるチアウラニブの新使用が開示されている。前記新使用は、急性骨髄性白血病を予防及び/又は治療するための薬物の製造におけるチアウラニブ又はその薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物の使用である。チアウラニブは、Src/Fyn/p38及びErk/MEKシグナル伝達経路により急性骨髄性白血病細胞の増殖を阻害し、そのアポトーシス及びコロニー形成を誘導する。
【0008】
免疫療法は、ヒトの免疫系を活性化し、それ自体の免疫機能に依存してがん細胞や腫瘍組織を殺すことを目的としている。PD-1などの免疫チェックポイント分子は、主に活性化Tリンパ球の表面に発現し、そのリガンドPD-L1又はPD-L2がPD-1に結合した後、免疫抑制シグナルを伝達することでTリンパ球は免疫寛容又は免疫不全の状態になる。抗PD-1又はPD-L1抗体を用いて前記シグナル伝達経路を遮断すると、Tリンパ球の免疫抑制シグナルが解除されてさらに活性化され、殺傷性や細胞毒性などの抗腫瘍活性を示す。そのため、PD-1阻害剤又はPD-L1阻害剤などの免疫チェックポイント阻害剤は、いずれも様々な腫瘍の臨床治療に承認されている。
【0009】
標的治療薬及び免疫チェックポイント阻害剤は、どちらも臨床腫瘍治療において一定の効果を示すことができ、両者の併用に関する研究がますます増えている。
【0010】
WO2015088847A1には、パゾパニブとPD-1阻害剤との併用の用途が開示されている。その明細書に記載の動物実験データ及び第I/II相臨床試験結果によって、両者の併用はがんの治療に対して顕著な作用を有することが実証されている。
【0011】
CN105960415Aには、アキシチニブとPD-1阻害剤との併用の用途が開示されている。その明細書に記載の臨床試験計画によって、腎細胞がんに対する両者の併用の顕著な治療作用が期待されることを示している。
【0012】
WO2016141218Aには、レンバチニブとPD-1阻害剤との併用の用途が開示されている。その明細書に記載の動物実験データによって、両者の併用はがんの治療に対して顕著な作用を有することが実証されている。
【0013】
CN108601831Bには、アパチニブとPD-1阻害剤との併用の用途が開示されている。その明細書に記載の動物実験データ及び第I/II相臨床試験結果によって、両者の併用はがんの治療に対して顕著な作用を有することが実証されている。
【0014】
CN106963948Aには、アパチニブとPD-1阻害剤との併用の用途が開示されている。その明細書に記載の動物実験データによって、両者の併用は結腸がんの治療に対して顕著な作用を有することが実証されている。
【0015】
WO2019096194A1には、アパチニブとPD-1阻害剤との併用の用途が開示されている。その明細書に記載の第II相臨床試験結果によって、両者の併用は小細胞肺がんの治療に対して顕著な作用を有することが実証されている。
【0016】
CN109893654Aには、アパチニブと、PD-1阻害剤と、IDO阻害剤との併用の用途が開示されている。その明細書に記載の動物実験データによって、三者の併用は結腸がんの治療に対して顕著な作用を有することが実証されている。
【0017】
標的治療薬と免疫チェックポイント阻害剤との併用は優れた治療効果を遂げたが、依然として以下の問題が存在する。
【0018】
第一に、腫瘍標的療法及び腫瘍免疫療法のメカニズム及び過程が複雑であるため、標的薬と免疫チェックポイント阻害剤との併用による治療効果は予測不可能である。そのため、併用療法の広範な試みは、腫瘍患者に対する併用療法の適用率とベネフィット率の向上、単剤投与量の減少、治療中の有害事象(AE)の発生率及び/又は重症度の改善、腫瘍症状/進行の臨床制御の強化、薬物に対する患者の反応の程度と時間の延長に対して重要な意義を有し、腫瘍治療分野における大きな課題でもある。
【0019】
第二に、従来技術に腫瘍治療における多くのVEGFR阻害剤とPD-1阻害剤との併用が開示されているが、チアウラニブは、伝統的なVEGFR系標的阻害剤ではない。伝統的なVEGFR系標的阻害剤、例えば、スニチニブ(Sunitinib)、ソラフェニブ(Sorafenib)と比較して、チアウラニブは、有糸分裂の重量な酵素オーロラBに対する阻害活性を特有し、腫瘍組織のゲノム不安定性を低下させ、腫瘍細胞の転移を阻害する潜在的な作用を有する。チアウラニブは、腫瘍血管新生の阻害、細胞の有糸分裂の阻害、及び腫瘍炎症性微小環境の調節の3つの補完的な作用メカニズムにより抗腫瘍活性を発揮する。そのため、チアウラニブと免疫チェックポイント阻害剤との併用は、相乗効果を生み出して治療効果を向上できるかどうかは、さらなる研究に値する。
【発明の概要】
【0020】
上記の問題を解決するために、本発明は、腫瘍治療薬の製造におけるチアウラニブ又はその誘導体と免疫チェックポイント阻害剤との組み合わせの使用を提供する。
【0021】
「治療」という用語とは、疾患、病理又は病状の進行、重大度及び/又は持続時間に関するいかなる成功又は改善の兆候であり、任意の客観的又は主観的なパラメーターを含み、例えば、症状を和らげ、緩和、軽減し、傷害、病理若しくは病状を患者がより耐えられるようにし、退化若しくは減衰の速度を遅くし、最終的な衰退点があまり虚弱でないようにし、又は患者の身体的及び精神的健康を改善する。
【0022】
「阻害」という用語とは、ポリペプチドの活性、結合若しくは発現の低下、疾患、症状、状態若しくはその症状の軽減又は改善を指す。本発明に記載の阻害は、刺激を部分的若しくは完全に遮断し、活性若しくは結合を減少、予防若しくは遅延し、又はタンパク質や酵素の活性若しくは結合を不活性化、脱感作若しくはダウンレギュレーションすることを含んでもよい。
【0023】
本発明に記載のチアウラニブ又はその誘導体及び免疫チェックポイント阻害剤は、通常の有効量を使用する。
【0024】
「有効量」という用語とは、治療過程において治療目的又は治療効果を達成するのに十分な薬物の用量を指す。有効量は、特定の疾患、病状、状態及び/又はそれに関連する症状の進展、再発、重大度及び/又は持続時間を減少及び/又は改善するのに十分であり、及び/又は別の治療法の予防若しくは治療効果を改善若しくは増強するのに十分である。本発明に記載の組み合わせにおいて、有効量のある治療薬は、別の治療薬の治療効果を増強することができる。
【0025】
ここで、前記チアウラニブ誘導体は、その薬学的に許容される塩及びその非溶媒和結晶A、B、Cを含む。
【0026】
チアウラニブの非溶媒和結晶A、B、C及びその製造方法は、CN201610856945.2に開示されており、その内容全体が本明細書に組み込まれる。
【0027】
具体的な実施例において、前記チアウラニブ又はその誘導体の用量は、約1-100mgであり、好ましくは、約5-80mgであり、より好ましくは、約10-50mgであり、最も好ましくは、約1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、55mg、60mgである。
【0028】
ここで、前記免疫チェックポイント阻害剤は、PD-1阻害剤、PD-L1阻害剤、CTLA-4阻害剤、TIM-3阻害剤、BTLA阻害剤、VISTA阻害剤又はLAG-3阻害剤を含み、好ましくは、PD-1阻害剤及びPD-L1阻害剤である。
【0029】
「PD-1阻害剤」という用語とは、PD-1の活性又は発現を低下、阻害、遮断、解消又は干渉する部分を指し、例えば、化合物、核酸、ポリペプチド、抗体であり、変異体、アイソタイプ、ヒトPD-1の異種同族体(例えば、マウス)及びPD-1と少なくとも1つの共通エピトープを有するアナログを含む。PD-1阻害剤は、低分子及び高分子を含み、例えば、化合物、核酸、ポリペプチド、抗体、ペプチボディ、二機能性抗体、小型抗体、単鎖可変領域フラグメント(ScFv)及びその断片又は変異体を含む。したがって、本発明で使用されるPD-1阻害剤とは、PD-1の活性又は発現を拮抗するいかなる部分を指す。PD-1阻害剤の例には、例えば、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、トリパリマブ、シンチリマブ、SHR-1210、BGB-A317、ゲプタノリマブ、ジンベレリマブ(AB122)、AK101、AK104、AK105、GLS-010、BAT1306、CS1003、PDR001、セミプリマブ及びMEDI0680が含まれる。
【0030】
ニボルマブ(nivolumab;商品名:Opdivo;O薬とも呼ばれる)は、Medarex社と小野薬品工業によって共同開発されたものである。2009年に、ブリストル・マイヤーズスクイブ(BMS)社がニボルマブ(nivolumab)を買収してこの薬物の特許を取得した。ニボルマブは、世界で初めて承認されたPD-1モノクローナル抗体であり、黒色腫、非小細胞肺がん、腎細胞がん、頭頸部がんなどのがんを治療することができ、抗CTLA-4のイピリムマブ(Yervoy)との組み合わせは、世界で初めて承認された免疫療法の組み合わせであり、転移性黒色腫を治療することができ、その用量は3mg/kgである。
【0031】
ペムブロリズマブ(pembrolizumab;商品名:Keytruda);K薬とも呼ばれる)は、MSD製の抗体製品であり、2014年に米国で発売され、発売後の売上高はPD-1抗体市場で第2位になり、ブリストル・マイヤーズスクイブ(BMS)社のニボルマブ(nivolumab)の強い競争相手となっている。ペムブロリズマブの最初に承認された適応症は黒色腫であり、2つ目は非小細胞肺腺がんの第一選択治療のための併用化学療法であり、3つ目は肺がん(腺がん及び扁平上皮がん)の第一選択治療のための単独使用であり、その用量は2mg/kgである。
【0032】
トリパリマブ(Toripalimab;商品名:Tuoyi)は、初めて販売された国産PD-1阻害剤であり、君実生物社によって独立して開発され、2018年に承認されて市販され始め、以前の標準治療が失敗した後の局所進行性又は転移性黒色腫の治療に適用される。君実生物社は、トリパリマブ上咽頭がん及び尿路上皮がんを適応症とする承認申請の準備を進めている。
【0033】
シンチリマブ(sintilimab;商品名:Tyvyt)は、信達生物製薬社とEli Lilly社によって中国で共同開発されたものであり、PD-1モノクローナル抗体としてT細胞表面のPD-1に結合するにより、それとリガンドPD-L1との結合を遮断することができ、これによって、T細胞と自己免疫反応は正常に作用して腫瘍細胞を消滅することができる。シンチリマブは、2018年末に中国で承認された後、2019年版「CSCOリンパ腫診断・治療ガイドライン」に掲載され、再発/難治性の古典的ホジキンリンパ腫(R/R cHL)の治療に推奨されている。
【0034】
SHR-1210(カムレリズマブ;商品名:Erica)は、江蘇恒瑞医薬株式会社によって独立して開発されたPD-1阻害剤である。カムレリズマブは、2015年1月に前臨床研究を完了した。2019年1月に米国食品医薬品局(FDA)は、肝がんの第一選択治療としてカムレリズマブとメタンスルホン酸アパチニブを併用する国際多施設共同第III相臨床試験、を米国、欧州、中国で同時に展開することを承認した。2019年5月29日に、Ericaの市販は、国家薬品監督管理局によって正式に承認された。
【0035】
BGB-A317(チスレリズマブ;商品名:Baizean)は、百済神州社によって開発されたヒト化モノクローナル抗体である。チスレリズマブは、PD-1との結合によりCTLのがん細胞死滅能力を回復させながら、受容体を活性化させないことでPD-L1とPD-1の結合を阻害することができる。2019年12月27日に、チスレリズマブ注射液の販売申請(CXSS1800019)は、国家薬品監督管理局によって承認され、再発/難治性の古典的ホジキンリンパ腫(R/R cHL)の治療に適用される。
【0036】
他のPD-1阻害剤は、楽普医療のAK101、AK104及びAK105、嘉和生物のゲプタノリマブ、誉衡薬業のGLS-010、百奥泰のBAT1306、基石薬業のCS1003、ノバルティス社のPDR001、リジェネロン/サノフィ社のセミプリマブ、アストラゼネカ社のMEDI0680、Arcus社のジンベレリマブ(AB122)などを含む。
【0037】
「PD-L1阻害剤」という用語とは、PD-L1の活性、PD-L1とその受容体PD-1との結合、又はPD-L1の発現を低下、阻害、遮断、解消又は干渉する部分を指し、例えば、化合物、核酸、ポリペプチド、抗体(変異体、アイソタイプ、ヒトPD-L1の異種同族体(例えば、マウス)及びPD-L1と少なくとも1つの共通エピトープを有するアナログを含む)である。PD-L1阻害剤は、低分子及び高分子を含み、例えば、低分子化合物、核酸、ポリペプチド、抗体、ペプチボディ、二機能性抗体、小型抗体、単鎖可変領域フラグメント(ScFv)及びその断片又は変異体を含む。したがって、本発明で使用されるPD-L1とは、PD-L1の活性、PD-1との結合又はその発現を拮抗するいかなる部分を指す。PD-L1阻害剤の例には、Tecentriq(アテゾリズマブ)、Imfinzi(デュルバルマブ)、Bavencio(アベルマブ)、CS1001、TQB2450、SHR1316、ラゼルチニブ、ビントラフスプアルファ、エンバフォリマブ(KN035)、CA-170、CX-072、BGB-A333、BMS-936559、GEN-1046、KL-A167及びIO-103が含まれる。
【0038】
Tecentriq(アテゾリズマブ;Atezolizumab;略称:T薬)は、ロシュ社によって開発されたPD-L1免疫阻害剤であり、腫瘍細胞及び腫瘍浸潤免疫細胞上のPD-L1に結合し、それとPD-1及びB7-1受容体の作用を遮断し、T細胞を再起動してがん細胞を殺傷することができる。2020年5月に、Tecentriq(アテゾリズマブ)は、米国FDAによって新たな適応症を承認され、ファーストライン(初期)単剤療法として転移性非小細胞肺がん(NSCLC)の成人患者の治療に適用される。具体的には、FDAによって承認された検出方法により、腫瘍がPD-L1高発現(PD-L1染色≧50%の腫瘍細胞(TC≧50%)又はPD-L1染色腫瘍浸潤(IC)が≧10%の腫瘍面積をカバーする(IC≧10%))を有し、EGFR又はALK変異がない後期非扁平上皮及び扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)の成人患者であることを確認する。
【0039】
デュルバルマブ(Durvalumab;商品名:Imfinzi;略称:I薬)は、アストラゼネカ社社によって開発され、PD-L1を直接標的とするヒトモノクローナル抗体としてPD-L1とT細胞上のPD-1及びCD80との相互作用を遮断して腫瘍の免疫回避を阻止し、免疫応答を誘導することができる。2020年にアストラゼネカ社が発表した肺がんを対象とした第III相CASPIAN試験の最新の分析結果の詳細によって、Imfinziを用いた抗PD-L1療法と標準治療(SoC)であるプラチナベースの化学療法(エトポシド+シスプラチン又はカルボプラチン)とを併用した進展型小細胞肺がん(ES-SCLC)の成人患者の第一選択治療は、臨床的に意味のある持続的な全生存期間(OS)のベネフィットを有することが示されている。
【0040】
アベルマブ(Avelumab;商品名:Bavencio)は、ファイザー社とドイツのメルク社によって共同開発されたPD-L1抗体医薬品である。2020年5月に、ファイザー社とメルク社は、進行性尿路上皮がん(UC)患者にプラチナベースの化学療法を施した後、抗PD-L1薬Bavencio(アベルマブ)を用いて治療を維持し、最善の支持療法(BSC)と併用する療法を単なるBSCと比較した第III相JAVELIN Bladder 100臨床試験肯定的な中間解析結果を発表した。アベルマブ+BSC又はBSCのみの治療群患者の追跡期間中央値は、それぞれ19.6ヶ月及び19.2ヶ月であった。登録されたすべての患者のうち、358人が腫瘍バイオマーカーPD-L1陽性であった。結果から分かるように、BSCの単独使用と比較して、アベルマブ+BSCは、患者のOS(ハザード比(HR)0.69;95%CI 0.56,0.86;1-sidedp=0.0005)を顕著に延長し、アベルマブ+BSC及びBSC単独群のOS中央値は、それぞれ21.4及び14.3ヶ月であり、これは、患者のOSが7ヶ月以上延長されたことを示している。
【0041】
エンバフォリマブ(KN035)は、康寧傑瑞によって開発されたPD-L1を標的とする国内初のナノボディである。KN035は、2016年3月に思路迪に許可され、同年5月に臨床応用を申請した。KN035の構造は、PD-L1ナノボディ-Fc融合タンパク質であり、FcはIgG1サブユニットを採用し、C221S、D265A及びP331Gの3つの点変異によってADCCなどのFcエフェクター効果が除去された。KN035の製剤は、室温で安定する皮下注射剤形であるため、保存と使用が便利である。KN035は、PD-L1シングルドメイン抗体Fcの融合タンパク質であり、この独自の設計により、安全性、利便性、コンプライアンスの面で優位性があり、点滴に適さない患者にも適用でき、医療コストが低い。現在、中国、米国、日本で複数の腫瘍適応症について同時に臨床試験が実施されており、一部の適応症は第III相臨床試験に移行している。
【0042】
CS1001、TQB2450及びSHR1316は、それぞれ基石薬業、正大天晴及び恒瑞医薬によって開発されているPD-L1阻害剤である。
【0043】
具体的な実施例において、前記免疫チェックポイント阻害剤の用量は、約1-1000mg、好ましくは、約10-800mg、より好ましくは20-500mg、最も好ましくは約1mg、5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、55mg、60mg、65mg、70mg、75mg、80mg、85mg、90mg、95mg、100mg、110mg、120mg、130mg、140mg、150mg、160mg、170mg、180mg、190mg、200mg、210mg、220mg、230mg、240mg、250mg、300mg、400mg、500mgである。
【0044】
ここで、前記腫瘍は、結腸がん、肝臓がん、肺がん、胃がん、大腸がん、乳がん、子宮頸がん、直腸がん、膵臓がん、脳腫瘍、皮膚がん、口腔がん、前立腺がん、骨がん、腎臓がん、卵巣がん、膀胱がん、卵管腫瘍、腹膜腫瘍、黒色腫、神経膠腫、膠芽腫、肝細胞がん、頭頸部がん、白血病、リンパ腫、骨髄腫を含む。
【0045】
本発明は、前記組み合わせを含む医薬組成物をさらに提供する。
【0046】
本発明に記載の医薬組成物は、いかなる経路で患者に投与される医薬組成物を含む。例えば、経口、経粘膜(経鼻、吸入、経肺、舌下、経腟又は経直腸)、非経口(皮下、静脈内、ボーラス注射、筋肉内、又は動脈内)、経皮などである。
【0047】
本発明に記載の医薬組成物の剤形は、錠剤、顆粒剤、カプセル剤などの固体製剤及び患者への非経口投与に適した液体剤形を含む。
【0048】
本発明に記載の医薬組成物は、1種又は複数種の賦形剤を含む。適切な賦形剤は、薬学分野の当業者にはよく知られている。
【0049】
本発明は、前記組み合わせを含むキットをさらに提供する。
【0050】
本発明に記載のキットは、同じ又は異なる製剤を有する前記組み合わせを含む。キット中の前記組み合わせのそれぞれの成分は、別々の独立した容器で提供されてもよく、同一の容器で提供されてもよい。
【0051】
具体的な実施例において、キット中のチアウラニブ又はその誘導体は、経口投与(例えば、錠剤、顆粒剤又はカプセル剤などの固体製剤)に適用されるように製剤化される。免疫チェックポイント阻害剤は、例えば、凍結乾燥粉末又は非経口投与の溶液の形態に調製して提供されてもよい。
【0052】
具体的な実施例において、前記キット中のチアウラニブ又はその誘導体及び前記免疫チェックポイント阻害剤は、同じ又は異なる仕様を有する単位製剤である。
【0053】
具体的な実施例において、前記チアウラニブ又はその誘導体及び前記免疫チェックポイント阻害剤は、同一の容器に収容され、又はそれぞれ異なる容器に収容される。
【0054】
具体的な実施例において、前記チアウラニブ又はその誘導体は消化管投与剤形、好ましくは経口製剤であり、前記免疫チェックポイント阻害剤は非経口投与剤形、好ましくは注射製剤である。
【0055】
前記キットは、添付文書又は他の情報をさらに含む。
【0056】
本発明は、治療を必要とする腫瘍患者に治療有効量の前記医薬組成物又はキットを投与することを含む腫瘍の治療方法をさらに提供する。本発明で提供される腫瘍の治療方法は、併用投与レジメンである。
【0057】
ここで、前記腫瘍は、結腸がん、肝臓がん、肺がん、胃がん、大腸がん、乳がん、子宮頸がん、直腸がん、膵臓がん、脳腫瘍、皮膚がん、口腔がん、前立腺がん、骨がん、腎臓がん、卵巣がん、膀胱がん、卵管腫瘍、腹膜腫瘍、黒色腫、神経膠腫、膠芽腫、肝細胞がん、頭頸部がん、白血病、リンパ腫、骨髄腫を含む。
【0058】
「併用投与」という用語とは、2種又は2種以上の薬物成分を投与することを意味する。併用投与の順序は、投与される組み合わせに部分的に依存する。併用投与は、単独又は組み合わせて同時又は順次投与することを含むことを意図している。本発明の成分は、患者に単独投与されてもよく、組み合わせて投与されてもよい。本発明に記載の成分は、互いに組み合わせることができ、がんの治療に適用されることが知られている他の活性剤と組み合わせて使用されてもよい。
【0059】
「投与」という用語は、経口、粘膜、局所、座剤、静脈内、非経口、腹腔内、筋肉内、病巣内、鞘内、鼻腔内又は皮下投与などの経路によって対象に組み合わせを送達することを意味する。非経口投与には、静脈内、筋肉内、細動脈内、皮内、皮下、腹腔内、心室内及び頭蓋内投与が含まれる。投与は、通常、疾患、病状、状態又はその症状の発症後に行われるが、場合によっては、疾患、病状、状態又はその症状の発症前に行われてもよい。
【0060】
好ましくは、前記医薬組成物又はキットは、第一選択療法として前記腫瘍患者に投与される。
【0061】
前記医薬組成物又はキットは、第二、第三、第四、第五又は第六選択療法として前記腫瘍患者に投与されてもよい。
【0062】
好ましくは、前記腫瘍患者は、治療されていないか又は、少なくとも1回の抗腫瘍治療を受けたことがある。
【0063】
前記抗腫瘍治療は、手術、化学療法、放射線療法、標的療法及び免疫療法又はそれらの組み合わせを含む。
【0064】
前記方法において、前記チアウラニブ又はその誘導体及び前記免疫チェックポイント阻害剤は、同時、別々又は順次投与される。
【0065】
本発明の有益な効果は以下の通りである。
【0066】
(1)溶媒対照群と比較して、チアウラニブ及びPD-1抗体の2つの単独投与群では、マウス脾臓リンパ球サブセットCD4及びCD8の比率は、ある程度増加し、溶媒対照群の平均比率5.8%(CD4)及び3.5%(CD8)からそれぞれ9.9%、12%(CD4)及び6.1%、6%(CD8)に増加する一方、チアウラニブとPD-1抗体の併用投与群では、脾臓CD4及びCD8サブセットの比率は15.8%及び9.3%に顕著に増加した。
【0067】
(2)溶媒対照と比較して、チアウラニブ及びPD-1抗体の単独投与群の相対的腫瘍抑制率はそれぞれ39%及び32%である一方、両者の併用は、相対的腫瘍抑制率を70%に顕著に向上させた。この結果から分かるように、チアウラニブとPD-1抗体の併用は、担がんマウスにおいてインビボで優れた免疫増強活性と相乗的な抗腫瘍活性を有する。
【0068】
(3)溶媒対照と比較して、チアウラニブ及びマウスPD-1抗体の単独投与群の相対的腫瘍抑制率はそれぞれ26%及び39%である一方、両者の併用は、相対的腫瘍抑制率を51%に顕著に向上させた。この結果から分かるように、チアウラニブと免疫チェックポイント阻害剤抗PD-1抗体との併用は、マウス腫瘍モデルにおいてインビボで優れた相乗的な抗腫瘍活性を示している。
【0069】
(4)チアウラニブ(2.5mg/kg)、参照PD-L1抗体(1mg/kg、3mg/kg)、チアウラニブ(2.5mg/kg)と参照PD-L1抗体(1mg/kg)、チアウラニブ(2.5mg/kg)と参照PD-L1抗体(3mg/kg)併用群は、試験用量下で、MC38-hPD-L1腫瘍皮下移植腫瘍増殖に対して顕著な抑制作用を有するとともに、作用する際に動物に毒性や副作用を引き起こすことなく、安全性が良好であった。
【0070】
以上の実験データから分かるように、チアウラニブ又はその誘導体と免疫チェックポイント阻害剤との併用は、相乗作用を奏し、がんの治療に適用される。
【図面の簡単な説明】
【0071】
図1】担がんマウス脾臓リンパ球サブセットの比率に対するチアウラニブとPD-1抗体の単剤及び併用の影響を示す。
図2】マウス結腸がん細胞株CT-26接種腫瘍に対するチアウラニブとPD-1抗体の単剤及び併用の薬効影響を示す。
図3】マウス肝臓がん細胞株H22接種腫瘍に対するチアウラニブとPD-1抗体の単剤及び併用の薬効影響の各群マウスの腫瘍体積の成長曲線を示す。データは、「平均値±標準誤差」で示される。
図4】マウス肝臓がん細胞株H22接種腫瘍に対するチアウラニブ及びPD-1抗体の単剤及び併用の薬効影響の各群マウスの実験終点での腫瘍重量を示す。データは、「平均値±標準誤差」で示される。
図5】マウス肝臓がん細胞株H22接種腫瘍に対するチアウラニブ及びPD-1抗体の単剤及び併用の薬効影響の各群の経時体重変化曲線を示す。データは、「平均値±標準誤差」で示される。
図6】マウス肝臓がん細胞株H22接種腫瘍に対するチアウラニブ及びPD-1抗体の単剤及び併用の薬効影響の各群の経時体重変化率曲線を示す。データは、「平均値±標準誤差」で示される。
【発明を実施するための形態】
【0072】
本発明は、抗腫瘍治療におけるチアウラニブと免疫チェックポイント阻害剤との組み合わせの使用を開示し、当業者が本明細の記載に鑑みてプロセスパラメータを改良して実現することができる。なお、全ての類似の置換及び変更は、当業者にとって自明なものであり、それらは全て本発明に含まれるものとみなされる。本発明に記載の使用及び医薬品組成物は、好ましい実施例によって説明されており、本発明の内容、思想及び範囲から逸脱しない限り、当業者は本明細書に記載の使用及び医薬組成物を変更又は適宜変更及び組み合わせて本発明の技術を実現及び応用することができる。
【0073】
実施例1:Balb/cマウスに結腸がん細胞株CT-26を接種して腫瘍モデルを構築する薬効実験
【0074】
実験材料
マウス結腸がん細胞株CT-26は、中国科学院上海生命科学研究院細胞資源センターから購入され、37℃、5%COの条件下で常法により培養された。培養液は10%ウシ胎児血清(Fetal bovine serum,FBS;Gibco)及び1%ペニシリン-ストレプトマイシン(HyClone)を含むDMEM(Gibco)であった。トリプシン(Trypsin)は、Gibcoから購入された。チアウラニブ(Chiauranib)は、深センマイクロチップバイオテクノロジー株式会社によって合成された(純度>99%)。抗マウスPD-1抗体は、全てBio X cell社から購入された。マウスリンパ球サブセットを検出するためのフルオレセイン標識抗CD4及びCD8抗体は、eBiosciences社から購入された。健常6~8週齢のBalb/cマウスは、広東省医学実験動物センターから購入された。
【0075】
実験方法
大量のCT-26細胞を拡大培養し、細胞を対数増殖状態に維持した。細胞数が必要な量に達した後、トリプシンで消化して収集し、大量のPBSで2回十分洗浄してトリプシン及び血清成分を除去し、室温、800rpmで10min遠心分離し、上清を捨てた。FBSを含まないDMEM培養液で細胞を再懸濁させ、細胞濃度を5×10/mLに調整した。
【0076】
無菌条件下で、100μL/針で細胞懸濁液をBalb/cマウスの背部皮下に注射し、各マウスに1回注射した。注射する際に、1mL使い捨て医療用注射器を使用し、針の挿入部位と方向が各マウスで基本的に同じであることを確認した。
【0077】
細胞を接種した8日後、腫瘍は平均体積が約100mmに成長し、担がんマウスを溶媒対照群、チアウラニブ群(20mg/kg、強制経口投与、日に1回)、PD-1抗体群(10mg/kg、腹腔内注射、週に2回)及びチアウラニブとPD-1抗体の併用投与群の4群(9匹/群)にランダムに分けた。標識した後、異なるケージーに入れて飼育し、毎日群ごとに投与し、腫瘍形成を観察した。2日ごとにノギスで腫瘍の最長径(長さ)及びそれに垂直な最大径(幅)を測定し、算式TS=長さ×幅2/2で腫瘍体積を計算して記録した。各マウスに対して毎日定時的に1回強制経口投与し、14日目に最後に投与した後にマウスを安楽死させ、脾臓を摘出して単一細胞懸濁液を調製した。1×10個の脾臓細胞を取り、フルオレセイン標識抗CD4及びCD8抗体(1:200)を用いて4℃で30min染色した。洗浄した後、PBSで再懸濁させ、フローサイトメーターFACSCanto IIにより検出した。各薬物処理群の相対的腫瘍抑制率は、(溶媒対照群腫瘍平均体積-投与群腫瘍平均体積)/溶媒対照群腫瘍平均体積100%であった。
【0078】
実験結果
図1に示すように、溶媒対照群と比較して、チアウラニブ及びPD-1抗体の2つの単独投与群では、マウス脾臓リンパ球サブセットCD4及びCD8の比率は、ある程度増加し、溶媒対照群の平均比率5.8%(CD4)及び3.5%(CD8)からそれぞれ9.9%、12%(CD4)及び6.1%、6%(CD8)に増加する一方、チアウラニブとPD-1抗体の併用投与群では、脾臓CD4及びCD8サブセットの比率は15.8%及び9.3%に顕著に増加した。
【0079】
図2に示すように、溶媒対照と比較して、チアウラニブ及びPD-1抗体の単独投与群の相対的腫瘍抑制率はそれぞれ39%及び32%である一方、両者の併用は、相対的腫瘍抑制率を70%に顕著に向上させた。この結果から分かるように、チアウラニブとPD-1抗体の併用は、担がんマウスにおいてインビボで優れた免疫増強活性と相乗的な抗腫瘍活性を有する。
【0080】
実施例2:BALB/c雌マウスにマウス肝臓がんH22細胞株を皮下移植して腫瘍モデルを構築する薬効実験
【0081】
実験動物
BALB/cマウス(雌、7-9週齢(腫瘍細胞接種時のマウス週齢)、体重:約22g)は、上海霊暢生物科技有限公司から購入され、製造許可番号:SCXK(滬)2018-0003、動物合格証明書番号:20180003015834であった。飼育環境:SPFグレード。
【0082】
実験動物を全て恒温恒湿の独立換気ケージー内で飼育し、飼育室の温度は20-26℃、湿度は40-70%であり、10-20回/時間換気し、昼と夜の明暗交互時間は12h/12hであった。コバルト60放射線で滅菌したマウス完全粒子飼料を継続供給し、制限なしで自由摂取させ、水道水(高圧蒸気滅菌後使用)を飲ませ、飲料水ボトルに継続的に給水し、自由摂取させた。飼育用マウスケージーは、ポリスルホンマウスケージーであり、高圧滅菌してから使用され、仕様は325mm×210mm×180mmであった。床敷は、高圧滅菌したトウモロコシ穂軸であり、各ケージーに5匹の動物があった。実験動物を耳タグで標識した。
【0083】
実験材料
チアウラニブは、深センマイクロチップバイオテクノロジー株式会社によって提供され(バッチ番号:20101008)、白色粉末であり、室温で密封保存された。マウスPD-1抗体(バッチ番号:0920L765、包装仕様:30mg,10.1mg/mL)は、中美冠科生物技術(太倉)有限公司によって提供され、無色溶液であり、4℃で密封保存された。CMC-Na:サプライヤーSIGMA-ALDRICH、バッチ番号SLBK436V。Tween 80:サプライヤーSIGMA-ALDRICH、バッチ番号WXBC7734V。PBS:サプライヤーHyclone、バッチ番号AF29477519。
【0084】
実験方法
マウス肝臓がんH22細胞(CCTCCから購入;細胞番号:TC-00011)を10%ウシ胎児血清を含むRPMI-1640培養液(米国Gibco社から購入)中で培養した。指数増殖期のH22細胞を収集し、PBSで適切な濃度に再懸濁させた後、マウス皮下腫瘍接種に用いた。雌マウスの右前側皮下に1×10個のH22細胞を接種した。腫瘍の平均体積が104mmに達したとき、腫瘍の大きさによってランダムに群分けし(表1を参照)、群分けの当日に投与し、腫瘍細胞を接種した日を0日目として定義した。
【0085】
【表1】
注:
1.投与体積は10μL/gである。2.まずチアウラニブを投与し、次にマウスPD-1抗体を投与し、投与間隔が限定されない。QDは日に1回、BIWは週に2回投与される。
【0086】
実験結果
試験の19日目(群分けして投与した15日目)に溶媒対照群の平均腫瘍体積を測定した結果、2060.99mmであった。試験を終了させ、担がんマウスの写真を撮影し、腫瘍を取り、腫瘍の重量を測り、腫瘍写真を撮影した。腫瘍体積の計算式は、腫瘍体積(mm)=1/2×(a×b)(式中、aは長径、bは短径)である。
【0087】
溶媒対照群のマウスは、試験終了時(試験の19日目、投与の15日目)に、平均腫瘍体積が2060.99mmであった。試験終了時に、マウスPD-1抗体5mg/kg治療群では、平均腫瘍体積は1266.93mmであり、対照群に対して統計学的有意差があり(p=0.0242)、TGIは39%であった。試験薬チアウラニブ5mg/kg治療群では、平均腫瘍体積が1527.40mmであり、対照群に対して統計学的有意差がなく(p=0.173)、TGIは26%であった。試験薬チアウラニブ5mg/kgとマウスPD-1抗体5mg/kgの併用治療群では、平均瘤体積は、1013.80mmであり、対照群に対して統計学的有意差があり(p=0.00126)、TGIは51%であった。実験終点に腫瘍サンプルを採取し、腫瘍重量を測り、結果は腫瘍体積の測定結果と一致した。各治療群及び対照群の腫瘍増殖状況を表2、図3及び図4に示す。
【0088】
溶媒対照と比較して、チアウラニブ及びマウスPD-1抗体の単独投与群の相対的腫瘍抑制率はそれぞれ26%及び39%である一方、両者の併用は、相対的腫瘍抑制率を51%に顕著に向上させた。この結果から分かるように、チアウラニブと免疫チェックポイント阻害剤抗PD-1抗体との併用は、マウス腫瘍モデルにおいてインビボで優れた相乗的な抗腫瘍活性を示している。
【0089】
【表2】
注:
a.データは「平均値±標準誤差」で示される。
b.T/C%=TRTV/CRTV×100%;TGI%=(1-T/C)×100%(TRTV:治療群平均RTV;CRTV:溶媒対照群平均RTV;RTV=V/Vである。Vは群分け時のこの動物の腫瘍体積である。Vは治療後のこの動物の腫瘍体積である)
c.一元配置分散分析(one-wayANOVA)及びTukeyHSD検定により対照群と各治療群との間の相対腫瘍体積有意差を比較した。P値が0.05未満である場合、有意差があると考えられる。
【0090】
体重を週に3回測った。治療群及び対照群の投与後の体重変化を図5図6及び表3に示す。図5図6及び表3から分かるように、マウスPD-1抗体5mg/kg治療群における1匹のマウスが死亡した以外、他の各群のマウスは、試験過程においていずれも顕著な体重減少がなく、顕著な薬物毒性を示さず、治療期間に耐性が良好である。
【0091】
【表3】
注:
a.データは「平均値±標準誤差」で示される。
【0092】
実施例3:B-hPD-1/hPD-L1ヒト化マウスMC38-hPD-L1結腸がん動物モデルによる薬効実験
【0093】
実験材料
マウス結腸がんMC38細胞は、舜冉上海生物科技有限公司から購入された。細胞を37℃、5%COのインキュベータ中で培養した。培地は、10%不活性化ウシ胎児血清を含むDulbecco’s Modified Eagle’s Medium培地であった。北京百奥賽図遺伝子生物技術有限公司に、ヒトPD-L1が過剰発現するようにMC38細胞に対して遺伝子改変を行い、マウスPD-L1をノックアウトしてもらった。この細胞をMC38-hPD-L1細胞と命名した。実験で使用される参照PD-L1抗体は、市販されている抗体薬物MPDL3280Aの配列に基づいて内部実験室によって構築して産生したものである。
【0094】
実験方法
細胞培養と腫瘍接種
細胞を特定の数まで培養した後、収集し、PBSで再懸濁したMC38-hPD-L1細胞を5×10個/0.1mLの濃度、0.1mL/匹の体積でB-hPD-1/hPD-L1ヒト化マウスの右側皮下に接種した。平均腫瘍体積が約104mmに達したとき、マウス腫瘍体積及び体重に応じて適切なマウスを選択して8匹/群で6つの実験群に均等に分け(群分け)、群分けの当日に投与し始めた。具体的な投与計画を下表4に示す。
【0095】
【表4】
注:
a:投与体積は、実験動物の体重に応じて10μL/gで算出される。
b:QDは日に1回投与することを意味し、Q3Dは3日に1回投与することを意味する。
【0096】
実験結果
(1)実験動物投与後の反応及び体重変化
実験過程において、実験動物は、投与期間中、行動及び摂食状態が良好であり、体重がある程度増加し、動物が試験品に対する耐性が良好であることを示している。全ての動物の体重変化状況を表5に示す。
【0097】
【表5】
注:
a:平均値±標準誤差
b:群分けして投与した27日目での投与群体重と対照群体重の統計的比較、T-test分析。
【0098】
(2)腫瘍体積抑制結果
結果を記録し、腫瘍抑制率(TGITV)を計算し、腫瘍体積に応じて群間の統計分析を行った。結果を表6、表7に示す。
【0099】
実験終点(即ち、群分けして投与した27日目)に、対照群と比較して、チアウラニブ(2.5mg/kg)群、参照PD-L1抗体(1mg/kg、3mg/kg)群、チアウラニブ(2.5mg/kg)と参照PD-L1抗体(1mg/kg)の併用群、チアウラニブ(2.5mg/kg)と参照PD-L1抗体(3mg/kg)の併用群は、試験用量下で、MC38-hPD-L1腫瘍皮下移植腫瘍の増殖に対して顕著な抑制作用を有した(P<0.05)。
【0100】
【表6】
注:
a:平均値±標準誤差
b:群分けして投与した27日目での投与群腫瘍体積と対照群腫瘍体積の統計的比較、T-test分析,*P<0.05,**P<0.01。
【0101】
【表7】
注:群分けして投与した27日目での投与群腫瘍体積と対照群腫瘍体積の統計的比較、T-test分析,*P<0.05,**P<0.01。
【0102】
(3)腫瘍重量の抑制結果
本実験は、群分けして投与した27日目に実験を終了させた。各群の腫瘍重量の結果を表8に示す。
【0103】
データを分析した結果、実験終点において、対照群と比較して、チアウラニブ(2.5mg/kg)、参照PD-L1抗体(1mg/kg、3mg/kg)、チアウラニブ(2.5mg/kg)と参照PD-L1抗体(1mg/kg)の併用群、チアウラニブ(2.5mg/kg)と参照PD-L1抗体(3mg/kg)の併用群は、試験用量下で、MC38-hPD-L1腫瘍皮下移植腫瘍の増殖に対して顕著な抑制作用(P<0.05)を有した。
【0104】
【表8】
注:
a:平均値±標準誤差
b:実験終点での試験薬群と対照群の腫瘍重量の統計学的比較、T-test分析,*P<0.05,**P<0.01。
【0105】
実験まとめ
本実験において、チアウラニブ(2.5mg/kg)、参照PD-L1抗体(1mg/kg、3mg/kg)、チアウラニブ(2.5mg/kg)と参照PD-L1抗体(1mg/kg)、チアウラニブ(2.5mg/kg)と参照PD-L1抗体(3mg/kg)併用群は、試験用量下でMC38-hPD-L1腫瘍皮下移植腫瘍増殖に対して顕著な抑制作用を有するとともに、作用する際に動物に毒性や副作用を引き起こすことなく、安全性が良好であった。
【0106】
以上、本発明で提供される抗腫瘍治療におけるチアウラニブと免疫チェックポイント阻害剤との組み合わせの使用を詳しく説明した。本明細書において、具体的な実施例により本発明の原理及び実施形態を述べた。上記の実施例の説明は、最良の形態を含む本発明の方法及びその核となる考えを理解し、当業者がいかなる装置又はシステムを製造及び使用し、いかなる組み合わせる方法を実行することを含めて本発明を実施できるのを助けるためにのみ使用される。当業者は、本発明の原理から逸脱しない限り、本発明にいくつかの改良及び修飾を加えることができ、これらの改良及び修飾も本発明の特許請求の範囲に含まれる。特許請求の範囲は、請求項によって限定され、当業者が想到できる他の実施例も含む。このような他の実施例が請求項の文言と異ならない構造要素を有する場合、及び請求項の文言と実質的に異ならない同等の構造要素を含む場合、これらの他の実施例も請求項の範囲内に含まれるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2023-05-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アウラニブ又はその誘導体又はその薬学的に許容される塩
腫瘍治療に用いられる免疫チェックポイント阻害剤とを含む、医薬組成物
【請求項2】
前記チアウラニブは
溶媒和結晶A、非溶媒和結晶B、又は非溶媒和結晶を含む、請求項1に記載の医薬組成物
【請求項3】
前記チアウラニブ又はその誘導体又はその薬学的に許容される塩の用量は1-100mgである、請求項1又は2に記載の医薬組成物
【請求項4】
前記免疫チェックポイント阻害剤は、PD-1阻害剤、PD-L1阻害剤、CTLA-4阻害剤、TIM-3阻害剤、BTLA阻害剤、VISTA阻害剤又はLAG-3阻害剤を含む、請求項1に記載の医薬組成物
【請求項5】
前記免疫チェックポイント阻害剤はPD-1阻害剤及びPD-L1阻害剤である、請求項4に記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記免疫チェックポイント阻害剤は、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、トリパリマブ、シンチリマブ、SHR-1210、BGB-A317、ゲプタノリマブ、ジンベレリマブ、AK101、AK104、AK105、GLS-010、BAT1306、CS1003、PDR001、セミプリマブ又はMEDI0680を含む、請求項4に記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記免疫チェックポイント阻害剤は、アテゾリズマブ、デュルバルマブ、アベルマブ、CS1001、TQB2450、SHR1316、ラゼルチニブ、ビントラフスプアルファ、エンバフォリマブ(KN035)、CA-170、CX-072、BGB-A333、BMS-936559、GEN-1046、KL-A167及びIO-103を含む、請求項4に記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記免疫チェックポイント阻害剤の用量は1-1000mgである、請求項4から7のいずれか1項に記載の医薬組成物
【請求項9】
前記腫瘍は、結腸がん、肝臓がん、肺がん、胃がん、大腸がん、乳がん、子宮頸がん、直腸がん、膵臓がん、脳腫瘍、皮膚がん、口腔がん、前立腺がん、骨がん、腎臓がん、卵巣がん、膀胱がん、卵管腫瘍、腹膜腫瘍、黒色腫、神経膠腫、膠芽腫、肝細胞がん、頭頸部がん、白血病、リンパ腫又は骨髄腫を含む、請求項1からのいずれか1項に記載の医薬組成物
【請求項10】
チアウラニブ又はその誘導体又はその薬学的に許容される塩は消化管投与剤形であり、又は/及び前記免疫チェックポイント阻害剤は非経口投与剤形である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項11】
チアウラニブ又はその誘導体又はその薬学的に許容される塩は経口製剤であり、又は/及び前記免疫チェックポイント阻害剤は注射製剤である、請求項10に記載の医薬組成物。
【国際調査報告】