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特表2023-542106中継機能を有するワイヤレスネットワークにおける強化レート信号伝達
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-05
(54)【発明の名称】中継機能を有するワイヤレスネットワークにおける強化レート信号伝達
(51)【国際特許分類】
   H04W 28/22 20090101AFI20230928BHJP
   H04W 88/04 20090101ALI20230928BHJP
   H04W 16/26 20090101ALI20230928BHJP
   H04W 92/20 20090101ALI20230928BHJP
【FI】
H04W28/22
H04W88/04
H04W16/26
H04W92/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023516708
(86)(22)【出願日】2021-09-14
(85)【翻訳文提出日】2023-03-14
(86)【国際出願番号】 EP2021075146
(87)【国際公開番号】W WO2022058290
(87)【国際公開日】2022-03-24
(31)【優先権主張番号】20196334.5
(32)【優先日】2020-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】21174561.7
(32)【優先日】2021-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】21191542.6
(32)【優先日】2021-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】弁理士法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ディーズ ウォルター
(72)【発明者】
【氏名】ダイク エスコ オラヴィ
(72)【発明者】
【氏名】ゴンザレス テジェリア ジーザス
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067DD17
5K067DD34
5K067EE02
5K067EE06
5K067EE10
5K067EE16
5K067JJ41
(57)【要約】
セルラ又は他のワイヤレスネットワークにおいて、中継通信デバイスが、カバー範囲外(OoC)のエリア内のリモート通信デバイスの間接ネットワーク接続をサポートするために導入され、それにより、アクセスデバイスカバー範囲を拡張し、アクセスデバイスの最適なカバー範囲内にない通信デバイスの利用可能なデータ容量を増やすことができる。直接接続された通信デバイスについて、ビットレート推奨の機構、ビットレートクエリ及び所望のビットレート指示が、定義される。しかしながら、これらの存在する機構は、中継通信デバイスを介して間接的に接続された通信デバイスのために機能しない。したがって、受信された推奨及び/又は制限に示された論理チャネルの識別に少なくとも部分的に基づいて、1つ又は複数の下流通信デバイスの新しいデータレート推奨及び/又は制限を決定することが提案される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレスネットワーク内の中継通信デバイスにおいて、通信デバイスへの通信資源のスケジューリングを制御するための装置であって、
前記ワイヤレスネットワークのアクセスデバイス、又は、前記中継通信デバイスの上流中継通信デバイスから、少なくとも2つの通信デバイスに関連する、又は、通信デバイスの少なくとも2つの論理チャネルに関連する論理チャネルを示す、集合体データレート推奨及び/又は制限のうちの1つである、受信データレート推奨及び/又は制限を受信し、又は、前記中継通信デバイスによって1つ又は複数の下流通信デバイスに割り当てられた論理チャネルのデータレート推奨及び/又は制限を受信し、
前記論理チャネルの識別に少なくとも部分的に基づいて1つ又は複数の下流通信デバイスについての新しいデータレート推奨及び/又は制限を決定し、
前記決定された新しいデータレート推奨及び/又は制限を前記1つ又は複数の下流通信デバイスのうちの少なくとも1つに送信する、
装置。
【請求項2】
前記装置は、前記新しいデータレート推奨及び/又は制限が、前記受信データレート推奨及び/又は制限未満である、又は、前記受信データレート推奨及び/又は制限と等しいと決定する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記受信データレート推奨及び/又は制限は、前記受信された推奨及び/又は制限が上流データフローに適用されるか、又は、下流データフローに適用されるかを示すインジケータデータを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記装置が、前記アクセスデバイス又は前記中継通信デバイスの前記上流中継通信デバイスに、論理チャネルの集合体の所望のデータレートの要求を送る、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記要求が、前記1つ又は複数の下流通信デバイスのうちの1つから受信された所望のデータレートの少なくとも1つの要求により、少なくとも部分的に基づいて、トリガされる、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記装置が、論理チャネルの所望のデータレートの要求を、前記1つ又は複数の下流通信デバイスのうちの1つから受信し、前記受信された要求に基づいて前記論理チャネルのデータレート推奨及び/又は制限を決定し、前記決定されたデータレート推奨及び/又は制限で前記要求に応答する、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記装置が、前記アクセスデバイスから、又は前記中継通信デバイスの前記上流中継通信デバイスから受信された、及び、第1の論理チャネルの識別を示す、データレート推奨及び/又は制限に応答して、前記中継通信デバイスの内部テーブル内において、前記下流通信デバイスに新しいデータレート推奨及び/又は制限を送るための第2の論理チャネルの識別と、対応する下流通信デバイスとを探索するか、或いは、前記装置が、前記1つ又は複数の下流通信デバイスのうちの1つから受信された、及び、第1の論理チャネルの識別を示す、所望のデータレートの要求に応答して、前記中継通信デバイスの前記内部テーブル内において、所望のデータレートの新しい要求を、前記アクセスデバイスに、又は、前記中継通信デバイスの上流中継通信デバイスに送るための第2の論理チャネルの識別を探索する、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記装置は、新しい論理チャネルが前記1つ又は複数の下流通信デバイスのうちの1つとの通信リンクのために作成されたと決定したとき、前記装置は、前記アクセスデバイス又は上流中継通信デバイスとのワイヤレスリンクで追加論理チャネルを作成する、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記内部テーブルが、前記中継通信デバイスと、前記アクセスデバイス又は前記上流中継通信デバイスとの間の論理チャネルの識別を、前記中継通信デバイスと前記1つ又は複数の下流通信デバイスとの間の論理チャネルの複数の識別にマップする、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記データレート推奨及び/又は制限が、媒体アクセス制御プロトコル、無線リンク制御プロトコル、パケットデータコンバージェンスプロトコルデータを運ぶ適合プロトコル、パケットデータコンバージェンスプロトコル、無線資源制御プロトコル、及びサービスデータアダプテーションプロトコルのうちの少なくとも1つを使用して、送信される、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記装置が、前記1つ又は複数の下流通信デバイスから受信された少なくとも1つの所望のデータレートに関する情報を収集し、前記収集された情報を前記上流中継通信デバイス又は前記アクセスデバイスに送信し、受信データレート推奨及び/又は制限を、前記上流中継通信デバイス又は前記アクセスデバイスから受信し、所定のポリシを使用して、前記1つ又は複数の下流通信デバイスの間で少なくとも部分的に前記受信データレート推奨及び/又は制限を分配する、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記装置が、前記中継通信デバイスの論理チャネルの品質インジケータ、中継通信デバイスのいくつかの下流通信デバイス、中継通信デバイスのいくつかの上流通信デバイス、下流通信デバイスのタイプ、上流通信デバイス又は前記アクセスデバイスから受信されたポリシ選択情報、サービス識別子の品質、ネットワークスライス識別子、及び前記中継通信デバイスのバッファ状況のうちの少なくとも1つに基づいて前記所定のポリシを選択する、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記装置が、前記中継通信デバイスと少なくとも1つの他の通信デバイスとの間の通信リンクの損失によってトリガされて、又は前記通信リンクは停止されるべきであるという決定によって、1つ又は複数の下流通信デバイスのさらなる新しいデータレート推奨及び/又は制限を決定し、
前記さらなる新しいデータレート推奨及び/又は制限を少なくとも1つの下流通信デバイスに送信する、
請求項1に記載の装置。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載の装置を備える、ワイヤレスネットワークのための中継通信デバイス。
【請求項15】
請求項14に記載の中継通信デバイスとアクセスデバイスとを備える、ワイヤレス通信システムであって、前記アクセスデバイスが、前記中継通信デバイスから論理チャネルの集合体の所望のデータレートを受信し、前記集合体の所望のデータレートが適用されるのはどの下流通信デバイスについてかを前記論理チャネルの識別に基づいて決定する、前記ワイヤレス通信システム。
【請求項16】
ワイヤレスネットワーク内の通信デバイスへの通信資源のスケジューリングを制御する方法であって、
前記ワイヤレスネットワークのアクセスデバイス又は上流中継通信デバイスから、少なくとも2つの通信デバイスに関連する論理チャネル、又は通信デバイスの少なくとも2つの論理チャネルを示す集合体データレート推奨及び/又は制限のうちの1つである、受信データレート推奨及び/又は制限を、又は、前記中継通信デバイスによって1つ又は複数の下流デバイスに割り当てられた論理チャネルのデータレート推奨及び/又は制限を受信するステップと、
前記論理チャネルの識別に少なくとも部分的に基づいて1つ又は複数の下流通信デバイスの新しいデータレート推奨及び/又は制限を決定するステップと、
前記決定された新しいデータレート推奨及び/又は制限を、前記1つ又は複数の下流通信デバイスのうちの少なくとも1つに送信するステップと
を含む、方法。
【請求項17】
コンピュータデバイスで実行するときに請求項16に記載の方法の各ステップを生じさせるためのコード手段を備える、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、限定されないが、ネットワークのカバー範囲外にあるリモート通信デバイス(例えば、ユーザ機器(UE)などの端末デバイス)のための間接ネットワーク接続を有するセルラネットワークなどの中継機能を有するワイヤレスネットワークにおける資源スケジューリングに関する。
【背景技術】
【0002】
多数のワイヤレス通信システムは、地理的サービスエリアを提供するためのネットワークアクセスデバイス(例えば、基地局、ノードB(eNB、eNodeB、gNB、gNodeB、ng-eNBなど)、アクセスポイント又は同類のもの)を使用しており、それら地理的サービスエリアでは、ワイヤレス通信デバイス(例えば、移動局又はUEなどの端末デバイス)が、端末デバイスが位置する特定の地理的サービスエリアに供するアクセスデバイスと通信する。アクセスデバイスは、通信リンクがワイヤレス通信デバイスと他のデバイスとの間に作られることを可能にするネットワーク内で接続される。いくつかの状況では、通信リンクは、互いに近いワイヤレス通信デバイスの間にある。これらの状況では、アクセスデバイスを介して通信するのではなくて、2つのワイヤレス通信デバイス間に直接通信リンクを有することが望ましい。通信デバイス間のそのような直接通信は、しばしば、デバイスツーデバイス(D2D)通信又はピアツーピア(P2P)通信と称される。D2D又はP2P通信のために使用される通信資源(例えば、時間周波数ブロック)は、ワイヤレス通信デバイスとアクセスデバイスとの間の通信のために通信システムによって使用される通信資源のサブセットであり得る、或いは、それらは、異なるセットの通信資源(例えば、無認可帯域又はミリメートル波帯)であり得る。
【0003】
カバー範囲内(InC:in-coverage)通信デバイスは、アクセスデバイスのサービスエリア内にある及びアクセスデバイスとの通信の能力を有する通信デバイスである。カバー範囲外(OoC:out-of-coverage)通信デバイスは、通常は、任意のアクセスデバイスのサービスエリア内にない又はアクセスデバイスのサービスエリア内にあるがアクセスを可能にしない(例えば、それが非公衆ネットワーク(NPN)アクセスデバイスであるので)通信デバイスである。OoC通信デバイスは、アクセスデバイスへの間接ネットワーク接続を使用する。通信デバイスはまた、接続性を有さないOoC通信デバイスであり得る、ということに留意されたい。
【0004】
資源スケジューリングは、互いに並んで働く複数のスケジューリング機構及びプロトコルの複雑な相互作用に基づく。スケジューラ(アクセスデバイスに位置し得る)は、資源割り当てとそれが通信デバイスに送る推奨ビットレート値との間の十分な調和に気を付けることが期待される。物理層において、資源は、通常は、非常にきめの細かいレベルで、すなわち、フレーム/サブフレーム又はより小さな資源ユニットごとに、スケジュールされる。より高い層において、スケジューリングは、通常は、サービスの品質(QoS)プロファイル、優先度などに関連して定義される。具体例では、3GPP(登録商標)は、MAC層における推奨ビットレートと呼ばれるコンセプトを定義した(3GPP(登録商標)仕様TS 38.321を参照)。このレートは、2秒のデフォルト平均化ウインドウを有し、アクセスデバイスに接続された各UEに提供され、特定の論理チャネルに向けられている。このMAC機構の使用は、アクセスデバイスが相当に動的な方式で(例えば、転送されるべきデータを生成し過ぎないように)示す、或いは(例えば、別のUE又は別のチャネルが、データを送信又は受信するためのより高い優先度を一時的に確保するので)UE間の又はある種の論理チャネル間のバランスを変えることを可能にする。これは、次に、より高い層QoSプロファイルを固守すること、例えば、いくつかのUEについてより長い期間にわたりある特定のビットレートを保証すること、につながらなければならないことになる。物理層スケジューラは、MAC推奨ビットレートを考慮する必要がある。例えば、スケジューラは、特定の通信デバイスへの永続的スケジュールを割り当てることができ、このことは、周期的に循環する資源をこの通信デバイスが保証されていることを意味しており、これにより、該通信デバイスがそれに推奨されるほぼその値のビットレートでデータを送ることを可能にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
データレート制御及び制限のための様々なコアネットワーク(CN)機能が、提供される。しかしながら、これらの機構は、無線アクセスネットワーク(RAN)及び中継通信デバイスとの関連でデータレート推奨、制御又は制限を考慮しない。優れたシステム動作のためには、RANとCNのそれぞれが固有の要件を有することから、RANとCNとの両方に関する制御機構が必要とされる。
【0006】
さらに、通信デバイスとワイヤレスネットワークとの間の通信のための中継機能が有効にされるワイヤレスネットワークのためのビットレート(データレート)推奨の分野において、これらの中継機能は、リモート通信デバイスのためのシングルホップ及び/又はマルチホップ間接ネットワーク接続を可能にすることができる。リモート通信デバイスは、1つ又は複数の中継機能を介してコアネットワークに間接的に接続された通信デバイスである。そのようなネットワークにおいて、問題は、ビット又はデータレートを推奨するためのRAN機構は、間接的に接続された通信デバイスの役にはもはや立たない、ということである。これは、これらの通信デバイスが、ビットレート推奨についてアクセスデバイスに問い合わせることができず、アクセスデバイスからビットレート推奨を受信することができない、ということを意味する。
【0007】
結果として、間接的に接続された通信デバイスは、それがどれほどのビットレートを特定の論理チャネルに関してアクセスデバイスに期待することができるかに関する情報を有さず、アクセスデバイスは、どれほどのビットレートを特定の間接的に接続された通信デバイスが特定の論理チャネルのために使用したいかに関する情報を有さず、アクセスデバイスは、より低い(又はより高い)ビットレートに進むデータソースである間接的に接続された通信デバイスに影響を及ぼす手段を有さず、及び/又は、間接的に接続された通信デバイスは、アクセスデバイスが高いビットレートを必要とする場合により高いビットレートを得るようにアクセスデバイスに影響を及ぼすための及びどのレートが望ましいかを信号伝達するための直接的手段を有さない。
【0008】
本発明の目的は、ワイヤレスネットワーク内の間接的に接続された通信デバイスも考慮する拡張されたレート推奨手順を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、請求項1において請求されるような装置によって、請求項14において請求されるような中継通信デバイスによって、請求項15において請求されるようなワイヤレス通信システムによって、請求項16において請求されるような方法によって、及び請求項17において請求されるようなコンピュータプログラム製品によって、達成される。
【0010】
第1の態様によれば、装置は、ワイヤレスネットワーク内の中継通信デバイスにおける通信デバイスへの通信資源のスケジューリングを制御するために提供され、そこで、装置は、以下を行うように構成される:
少なくとも2つの通信デバイス又は通信デバイスの少なくとも2つの論理チャネルに関連する論理チャネルを示す集合体データレート推奨及び/又は制限のうちの1つである受信データレート推奨及び/又は制限、又は、中継通信デバイスによって1つ又は複数の下流デバイスに割り当てられた論理チャネルのデータレート推奨及び/又は制限をワイヤレスネットワークのアクセスデバイス又は中継通信デバイスの上流中継通信デバイスから受信し、
論理チャネルの識別に少なくとも部分的に基づいて1つ又は複数の下流通信デバイスについてのデータレート推奨及び/又は制限を含む新しいメッセージを決定し、並びに、
1つ又は複数の下流通信デバイスのうちの少なくとも1つにデータレート推奨及び/又は制限を含む決定された新しいメッセージを送信する。
【0011】
第2の態様によれば、ワイヤレスネットワーク内の通信デバイスへの通信資源のスケジューリングを制御する方法が、提供され、そこで、方法は、
少なくとも2つの通信デバイス又は通信デバイスの少なくとも2つの論理チャネルに関連する論理チャネルを示す集合体データレート推奨及び/又は制限のうちの1つである受信データレート推奨及び/又は制限、又は、中継通信デバイスによって1つ又は複数の下流デバイスに割り当てられた論理チャネルのデータレート推奨及び/又は制限をアクセスデバイス又はワイヤレスネットワークの上流中継通信デバイスから受信するステップと、
論理チャネルの識別に少なくとも部分的に基づいて、1つ又は複数の下流通信デバイスの新しいデータレート推奨及び/又は制限を決定するステップと、
決定された新しいデータレート推奨及び/又は制限を1つ又は複数の下流通信デバイスのうちの少なくとも1つに送信するステップとを、含む。
【0012】
第3の態様によれば、第1の態様の装置を備える、ワイヤレスネットワークの中継通信デバイスが、提供される。
【0013】
第4の態様によれば、第3の態様の中継通信デバイス及びアクセスデバイスを備えるワイヤレス通信システムが、提供され、そこで、アクセスデバイスは、論理チャネルの集合体の所望のデータレートを中継通信デバイスから受信し、どの下流通信デバイスに集合体の所望のデータレートが適用されるかを論理チャネルの識別に基づいて決定するように構成される。
【0014】
最後に、第5の態様によれば、コンピュータデバイスで実行するときに第2の態様の前述の方法のステップを生み出すためのコード手段を含む、コンピュータプログラム製品が、提供される。
【0015】
したがって、以下の利点を有する、中継機能を有するワイヤレスネットワークの強化レート信号伝達が、提供される:
1.間接的に接続された(リモート)通信デバイスが、アクセスデバイスの推奨に基づいて、それの生み出されたデータのデータレートをアクセスデバイスによって並びにすべての中間中継通信デバイスによってサポートされ得るレートに適合させることができる。
2.期待されるデータレートが、これらの通信デバイスによってここで信号伝達され得るので、アクセスデバイス又はスケジューラは、アクセスデバイスとすべての間接的に接続された通信デバイスとの間の期待されるデータレートを受け入れるようにそれの資源スケジュールを適合させることができる。
3.アクセスデバイスは、それが正規の、直接接続された非中継通信デバイスと通信するのと同じやり方で、それの直接接続された中継通信デバイスとデータレート推奨に関して効率的に通信することができる。
4.リモート通信デバイスは、リモート通信デバイス側における付加的実施の複雑性を回避する、それらがアクセスデバイスに直接接続されているかのような同じやり方で、それらのビットレート推奨クエリを送り、ビットレート推奨を受信することができる。
5.改良されたスケジューリングが、アクセスデバイスによって実行され得、ネットワークにおけるデータ損失及び/又は中継バッファオーバーフローの低減が、達成され得る。
6.データ生産通信デバイスは、それらの生成されたデータレートを、試行錯誤によってこのレートを学習する代わりに、ネットワークがサポートすることができるものに最適に適合させることができる。
【0016】
新しいデータレート推奨及び/又は制限の決定は、データレート推奨及び/又は制限を更新すること、及び/又は受信データレート推奨及び/又は制限(のコピー)を新しいメッセージに含めることを含む、ということに留意されたい。新しいデータレート推奨及び/又は制限の値は、前の推奨及び/又は制限と同じである、或いは以下の実施形態で詳述されるように変更され得る。したがって、新しいデータレート推奨及び/又は制限は、異なってもよいが、必須ではない。新しいデータレート推奨が決定されるケースの1つの例は、予め構成されたポリシに基づいて新しいデータレート推奨値を選択することである。別の例は、メッセージヘッダが受信データレート推奨に追加されて新しい(更新された)データレート推奨を形成するケースである。そのようなケースの別の例は、受信データレート推奨のメッセージヘッダが、新しい(更新された)データレート推奨を形成するために、部分的に更新される又は置き換えられるときである。そのようなケースのさらに別の例は、追加の識別情報(例えば、UE識別子)又はコンテキスト情報(例えば、有効期間)が受信データレート推奨に追加されて新しい(更新された)データレート推奨を形成するときである。前の例に類似の例が、受信データレート制限を更新することによって新しいデータレート制限を決定するケースに適用され得る。新しいデータレート推奨を決定することのさらなる例は、データレート推奨及びデータレート制限を含むメッセージを受信し、データレート制限を取り除いて新しいデータレート推奨を形成することである。別の例は、データレート推奨を含むメッセージを受信し、これを受信された又は決定されたデータレート制限と結合して新しいデータレート推奨及び制限を形成することである。
【0017】
新しい推奨及び/又は制限を受信する下流通信デバイス自体が中継通信デバイスであるケースでは、新しい推奨及び/又は制限は、下流通信デバイス及びすべてのそれの下流(例えば、子)通信デバイスの集合体推奨及び/又は制限である。中継通信デバイスによって論理チャネルを1つ又は複数の下流デバイスに割り当てることは、以下の手順のうちの1つ又は複数によって達成され得る:
a)中継通信デバイスは、新しい論理チャネル識別(例えば、LCID)によって識別された、新しい上流論理チャネルを、例えば、下流通信デバイスからの間接的接続を提供するために、下流通信デバイスに割り当て、したがって、中継データを下流通信デバイスに/から移送することができる。そのような新しい上流論理チャネルを割り当てることは、中継通信デバイスが、下流通信デバイスから中継を目的として下流通信デバイスと中継通信デバイスとの間の新しい論理チャネルを作成する要求を受信する(例えば、直接(間接)通信要求を介して)、或いは論理チャネル識別(例えば、LCID)又は2つ以上の下流通信デバイスの間に作成された1つ又は複数の論理チャネルに関連する論理チャネル識別マッピングを受信するときに、行われ得る。この新しい論理チャネル識別は、既に使用中でない場合、下流通信デバイスから受信された論理チャネル識別として異なる識別子値を有し、論理チャネル識別は、下流通信デバイスから受信された論理チャネル識別と同じ値を有し得る。中継通信デバイスは、下流通信デバイスから受信された論理チャネル識別と新しい上流論理通信チャネルのために使用される論理チャネル識別との間のマッピングを含むマッピングテーブルを保持し得る。中継通信デバイスは、下流通信デバイスから受信された要求された所望のデータレートに基づいて新しい上流論理チャネルの所望のデータレートを、上流アクセスデバイス又は上流中継通信デバイスに要求する。オプションで、それは、上流アクセスデバイス又は上流中継通信デバイスに、論理チャネル識別に関連する下流通信デバイス識別子、下流通信デバイスから受信された要求された所望のデータレート、ある特定の論理チャネル識別のために(現在)使用されている推奨データレート、及び/又は、新しい論理チャネル識別が適用される1つ若しくは複数の論理チャネル識別及び/又は他の論理チャネル識別への論理チャネル識別のマッピングを報告する。論理チャネル識別の値は、同じでもよいが、それらは、異なるデバイス(例えば、サイドリンクの代わりにアップリンク)間である。上流アクセスデバイス又は親中継通信デバイスは、新しい論理チャネル識別を示すデータレート推奨及び/又は制限を送り、それを行うことによって、それは、下流通信デバイスの新しいデータレート推奨及び/又は制限を導出/決定するように中継通信デバイスをトリガする。
b)中継通信デバイスは、下流通信デバイスに既に存在する論理チャネル識別によって識別された、中継通信デバイスとアクセスデバイス又は上流中継通信デバイスとの間で通信する上流のための存在する論理チャネルを、例えば、下流通信デバイスからの間接的接続を提供するために、割り当て、したがって、中継データを下流通信デバイスに/から移送することができ得る。そのような存在する論理チャネルを下流通信デバイスに割り当てることは、中継通信デバイスが、中継を目的として下流通信デバイスと中継通信デバイスとの間の新しい論理チャネルを作成する要求を下流通信デバイスから受信する(例えば、直接(間接)通信要求を介して)、或いは論理チャネル識別又は2つ以上の下流通信デバイスの間に作成された1つ又は複数の論理チャネルに関連する論理チャネル識別マッピングを受信するときに、行われる。中継通信デバイスは、下流通信デバイスから受信された論理チャネル識別と存在する上流論理チャネルのために使用される存在する論理チャネル識別との間のマッピングを示すマッピングテーブルを保持する。マッピングはまた、同じ存在する論理チャネルに割り当てられた他の下流通信デバイスからの論理チャネル識別、及び/又は、下流通信デバイスからの存在する論理チャネル識別の受信された推奨データレート及び/又は論理チャネル識別の存在する所望のデータレートを含む。中継通信デバイスは、上流アクセスデバイス又は上流中継通信デバイスに、受信された論理チャネル識別がマップされた存在する論理チャネルの論理チャネル識別、及びオプションで論理チャネル識別に関連する1セットの下流通信デバイス識別子、下流通信デバイスから(現在)受信されている要求される所望のデータレート、又はその総計、ある特定の論理チャネル識別のために(現在)使用されている推奨データレート及び/又は制限、及び/又は、下流通信デバイスからの受信された論理チャネル識別及び/又は他の論理チャネル識別への論理チャネル識別のマッピングを報告し得る。中継通信デバイスは下流通信デバイスから受信された要求された所望のデータレート及び存在する上流論理チャネルの存在する所望のデータレートの総計に基づいて(すなわち、同じ存在する論理チャネルに割り当てられた他の下流通信デバイスからの論理チャネル識別に基づいて)存在する上流論理チャネルの新しい所望のデータレートを上流アクセスデバイス又は上流中継通信デバイスに要求する。上流アクセスデバイス又は上流中継通信デバイスは、存在する論理チャネルの論理チャネル識別を示す新しいデータレート推奨及び/又は制限を送ることができ、そして、それを行うことによって、それは、下流通信デバイスの新しいデータレート推奨を導出/決定するように中継通信デバイスをトリガし得る。
c)中継通信デバイスは、論理チャネル識別が別の論理チャネルのために既に使用されているケースで、下流通信デバイスと中継通信デバイスとの間、又は2つの下流通信デバイスの間の論理チャネルのための新しい/異なる論理チャネル識別を割り当てる。中継通信デバイスは、このケースでは、すべての下流論理チャネル識別の一種の中央レジストリ/ブローカの機能を果たし得る。そのような新しい上流論理チャネルを割り当てることは、中継通信デバイスが、新しい論理チャネルを作成する要求を下流通信デバイスから受信する(例えば、直接(間接)通信要求を介して)、或いは2つ以上の下流通信デバイスの間に作成された又は作成されようとしている1つ又は複数の論理チャネルに関連する論理チャネル識別又は論理チャネル識別マッピングを受信するときに、行われる。中継通信デバイスは、それが別の下流通信デバイスの論理チャネルの別の識別値と矛盾するケースで、下流通信デバイスからの受信された論理チャネル識別を新しい/異なる論理チャネル識別値に割り当てる。この目的で、中継通信デバイスは、重複を追跡するために及び集約/分解が正確に行われることを確実にするために、重複する論理チャネル識別値が使用されないことを確実にするために、又は同じ論理チャネル識別値を使用する下流通信デバイス識別をそれぞれの論理チャネル識別について追跡するために、異なる下流通信デバイスから受信された論理チャネル識別と下流通信デバイス識別との間のマッピングテーブルを保持することができる。中継通信デバイスが新しい/異なる論理チャネル識別値を割り当てるケースでは、中継通信デバイスは、代わりに新しい/異なる論理チャネル識別値を使用するように下流通信デバイスに要求する。中継通信デバイスは、この論理チャネル識別が下流及び/又は上流及び/又はサイドリンク通信のために使用されることを示す、受信された論理チャネル識別が割り当てられた論理チャネル識別を上流アクセスデバイス又は上流中継通信デバイスに報告する。追加で、それは、下流通信デバイス識別子、下流通信デバイスから受信された要求された所望のデータレート、又はその総計、ある特定の論理チャネル識別のために(現在)使用されている推奨データレート、及び/又は他の論理チャネル識別への論理チャネル識別のマッピングを報告する。オプションで、それは、中継通信デバイスとそれの下流デバイスとの間及びすべてのそれの下流通信デバイスの間のすべての論理チャネルのすべての重複しない論理チャネル識別(及びそれらの所望のデータレート)を報告する、又は論理チャネル識別と論理チャネル識別によって識別された論理チャネルに含まれる通信デバイス識別子との間にそれが保持するマッピングを報告する、或いは、それは、受信された論理チャネル識別から割り当てられた論理チャネル識別へのマッピングを報告する。これは、上流アクセスデバイス又は上流中継通信デバイス内のスケジューリングエンティティが個々にすべての下流通信デバイスの間で使用されるそれぞれの論理チャネルを識別することを可能にする。上流アクセスデバイス又は上流中継通信デバイスは、下流通信デバイスに割り当てられた論理チャネル識別の新しいデータレート推奨及び/又は制限を送り、そして、それを行うことによって、下流デバイスの新しいデータレート推奨を導出/決定するように中継通信デバイスをトリガする。
【0018】
中継通信デバイスがなぜ下流デバイスの新しいデータレート推奨を作成する必要があるかの理由のいくつかは、例えば、中継通信デバイスによって割り当てられた論理チャネル識別が、(例えば、受信された論理チャネル識別を割り当てられた論理チャネル識別にマッピングするためのマッピングテーブルに記憶されたものとしての)下流通信デバイスによって使用される論理チャネル識別とは異なることがあるから、又は複数の下流通信デバイスが、同じ論理チャネル識別を報告し、同じ重複する論理チャネル識別値(例えば、受信された論理チャネル識別を下流通信デバイス識別子にマップするためのマッピングテーブルに記憶されたものとしての)を割り当てられたから、又はそれが、それが同じ上流論理チャネルを介して供する必要がある複数の他の下流通信デバイスを有するから、又はそれが、同じサイドリンク論理チャネルを介して供する必要がある複数の下流通信デバイスを有するから(例えば、サイドリンク論理チャネルを介して供される下流通信デバイスが、複数の下流通信デバイスに接続された中継通信デバイスである場合)、又はそれが所望のデータレートを一時的に達成することができないから、又は、それが、異なる下流通信デバイスの間のそれのデータレートの平衡を保つ必要があるからである。新しいデータレート推奨及び/又は制限を決定することは、新しいメッセージの作成を含み、新しいメッセージは、新しいデータレート及び/又は制限を含む、及び/又は(集合体)データレート推奨がアクセスデバイス又は上流中継通信デバイスから受信された論理チャネルの論理チャネル識別とは異なる論理チャネル識別を含む、及び/又は(集合体)データレート推奨を含むアクセスデバイス又は上流中継通信デバイスから受信されたメッセージとは異なる行先を含む。
【0019】
前述の第1から第5の態様のいずれかと結合される第1のオプションによれば、新しいデータレート推奨及び/又は制限は、受信データレート推奨及び/又は制限未満である又は受信データレート推奨及び/又は制限と等しいと決定される。これは、中継通信デバイス自体への集合体データレート推奨及び/又は制限の一部分をスケジュールすることを可能にする。それはまた、例えば、中継通信デバイス自体について何も保持せずに受信された集合体推奨を複数の下流通信デバイスの間で分散することを可能にする。
【0020】
第1のオプション又は前述の第1から第5の態様のいずれかと結合される第2のオプションによれば、集合体データレート推奨及び/又は制限は、集合体推奨及び/又は制限が上流データフロー又は下流データフローに適用されるかを示すインジケータデータを含む。それにより、スケジューリングは、上流及び下流について別個になり得、両方にとってのより効率的なスケジュールにつながる。推奨及び/又は制限メッセージにおいて上流及び下流方向を区別すること(例えば、フラグによって)によって、アクセスデバイスによる資源スケジューリングは、より効率的にされ、上流及び下流の別個のデータフロー推奨及び/又は制限とより細かく同調される。
【0021】
第1の又は第2のオプション又は前述の第1から第5の態様のいずれかと結合され得る第3のオプションによれば、論理チャネルの集合体の所望のデータレートの要求が、アクセスデバイス又は中継通信デバイスの上流中継通信デバイスに送られる。したがって、下流リモート通信デバイスからのデータレート要求は、中継通信デバイスにおいて収集され、アクセスデバイス又は上流中継(親)通信デバイスに信号伝達され得る。
【0022】
第1から第3のオプション又は前述の第1から第5の態様のいずれかと結合され得る第4のオプションによれば、論理チャネルの集合体の所望のデータレートの要求は、1つ又は複数の下流通信デバイスのうちの1つから受信された所望のデータレートの少なくとも1つの要求によってトリガされ、それに少なくとも部分的に基づき得る。この基準は、リモート通信デバイスの個々のデータレート要求に基づくことができる、集合体の所望のデータレート要求のトリガ機構を提供することを可能にする。
【0023】
第1から第4のオプション又は前述の第1から第5の態様のいずれかと結合され得る第5のオプションによれば、論理チャネルの所望のデータレートの要求は、1つ又は複数の下流通信デバイスのうちの1つから中継通信デバイスにおいて受信され、そこで、論理チャネルのデータレート推奨及び/又は制限は、受信された要求に基づいて中継通信デバイスにおいて決定され、決定されたデータレート推奨及び/又は制限は、要求に応じるために中継通信デバイスによって使用される。それにより、中継通信デバイスは、リモート通信デバイスからの所望のデータレート要求に直接に応じる。
【0024】
第1から第5のオプション又は前述の第1から第5の態様のいずれかと結合され得る第6のオプションによれば、中継通信デバイスは、アクセスデバイス又は中継通信デバイスの上流中継通信デバイスから受信された及び第1の論理チャネルの識別を示すデータレート推奨及び/又は制限に応答して、対応する下流通信デバイス及び/又は下流通信デバイスに新しいデータレート推奨及び/又はそれについて制限を送るべき第2の論理チャネルの識別を内部テーブルにおいて検索するように構成される、或いは中継通信デバイスは、1つ又は複数の下流通信デバイスのうちの1つから受信された及び第1の論理チャネルの識別を示す所望のデータレートの要求に応答して、所望のデータレートの新しい要求をアクセスデバイス又は中継通信デバイスの上流中継通信デバイスに送るべき第2の論理チャネルの識別を内部テーブル内で検索するように構成される。それにより、論理チャネルマッピングは、推奨、制限又は所望のデータレートを信号伝達するための目標デバイスを識別するために、上流及び/又は下流方向において中継通信デバイスにおいて適用され得る。
【0025】
第1から第6のオプション又は前述の第1から第5の態様のいずれかと結合され得る第7のオプションによれば、中継通信デバイスは、それが、新しい論理チャネルは1つ又は複数の下流通信デバイスのうちの1つとの通信リンクのために作成されたと決定したとき、アクセスデバイス又は上流中継(例えば、それの親)通信デバイスとのワイヤレスリンク上に追加論理チャネルを作成するように構成される。この基準は、チャネルマッピングオプションがすべての利用可能な論理チャネルについて提供されることを確実にする。例えば、子通信デバイスが、新しい論理チャネルを作成し、応答して、親中継通信デバイスが、上流リンク上に新しい論理チャネルを追加する。
【0026】
中継は、複数の親通信デバイスを有し得るので、集合体推奨が第2の親通信デバイスから受信される間、新しい論理チャネルが、第1の親通信デバイスに向けて作成される。これは、例えば、RRC接続モードにある複数の受信器(Rx)/送信器(Tx)対応UEが、2つのアクセスデバイス、すなわち、マスタgNB及び2次gNB、にある2つの別個のスケジューラの無線資源を使用するように構成され得る、動作のモードである、3GPP(登録商標)二重接続性モード(3GPP(登録商標)仕様書TS 23.504、TS 38.300及びTS 37.340を参照)によって、達成することができる。一例では、論理チャネル識別(例えば、マルチホップ中継トポロジの)は、それらが重複しないことを確実にするために、中央に割り当てられる(例えば、「ルート」中継通信デバイスによって)。この目的で、それぞれの論理チャネル識別に関連する通信デバイスの識別情報が、中央割り当てデバイス(例えば、「ルート」中継通信デバイス)に通信される必要がある。それにより、1対1のチャネルマッピングが、信号伝達効率を改善するために、提供され得る。このマッピング(又はその部分)はまた、上流アクセスデバイス又は中継通信デバイスに送信され、上流アクセスデバイス又は中継通信デバイスが個々にそれぞれの下流論理チャネルを識別することを可能にする。或いは、このマッピングは、共に送信される、或いはマッピングは、所望の(集合体)推奨データレート又は上流アクセスデバイス若しくは中継通信デバイスのためのさらなる入力としてのそれぞれの論理チャネル識別のために使用されている推奨データレートで拡張される。
【0027】
第1から第7のオプション又は前述の第1から第5の態様のいずれかと結合され得る第8のオプションによれば、内部テーブルが、中継通信デバイスとアクセスデバイス又は上流中継(例えば、それの親)通信デバイスとの間の論理チャネルの識別を中継通信デバイスと1つ又は複数の下流通信デバイスとの間の論理チャネルの複数の識別にマップするように構成される。それにより、1対多のチャネルマッピングが、信号伝達効率を改善するために、提供され得る。
【0028】
別法として、それぞれの論理チャネル識別を、論理チャネル識別を作成した通信デバイスの識別子に又は論理チャネル識別によって識別された論理チャネルに含まれた通信デバイスの識別子のセットにマップする、1対多のマッピングが、提供される。このマッピング(又はその部分)はまた、上流アクセスデバイス又は中継通信デバイスに送信され、アクセスデバイス又は中継通信デバイスが個々にそれぞれの下流論理チャネルを識別することを可能にする。或いは、このマッピングは、所望の(集合体)推奨データレート又は上流アクセスデバイス若しくは中継通信デバイスのためのさらなる入力としてのそれぞれの論理チャネル識別のために使用されている推奨データレートと共に送られる、又は、そのようなデータレートで拡張され得る。
【0029】
第1から第8のオプション又は前述の第1から第5の態様のいずれかと結合され得る第9のオプションによれば、データレート推奨及び/又は制限は、媒体アクセス制御プロトコル、無線リンク制御プロトコル、パケットデータコンバージェンスプロトコル、無線資源制御プロトコル、及びサービスデータアダプテーションプロトコルのうちの少なくとも1つを使用して、送信される。したがって、異なるプロトコルレベルでの柔軟レート信号伝達が、提供され得る。
【0030】
第1から第9のオプション又は前述の第1から第5の態様のいずれかと結合され得る第10のオプションによれば、中継通信デバイスは、1つ又は複数の下流通信デバイスから受信された少なくとも1つの所望のデータレートに関する情報を収集するように、収集された情報を上流中継通信デバイス又はアクセスデバイスに送信するように、受信データレート推奨及び/又は制限を上流中継通信デバイス又はアクセスデバイスから受信するように、並びに所定のポリシを使用する1つ又は複数の下流通信デバイスの間で少なくとも部分的に受信データレート推奨及び/又は制限を分配するように構成される。この基準は、中継通信デバイスにおける下流通信デバイスの間の集合体データレート推奨及び/又は制限の分配を制御することを可能にする。
【0031】
第1から第10のオプション又は前述の第1から第5の態様のいずれかと結合され得る、第11のオプションによれば、中継通信デバイスは、中継通信デバイスの論理チャネルの品質インジケータ、中継通信デバイスのいくつかの下流通信デバイス、中継通信デバイスのいくつかの上流通信デバイス、下流通信デバイスのタイプ、上流通信デバイス又はアクセスデバイスから受信されたポリシ選択情報、サービス識別子の品質、ネットワークスライス識別子、及び中継通信デバイスのバッファ状況のうちの少なくとも1つに基づいて所定のポリシを選択するように構成される。それにより、選択されたポリシによって定義された異なる基準に基づく下流通信デバイスへの集合体データレート推奨及び/又は制限の柔軟な分配が、実施され得る。
【0032】
第1から第11のオプション又は前述の第1から第5の態様のいずれかと結合され得る、第12のオプションによれば、装置は、中継通信デバイスと少なくとも1つの他の通信デバイスとの間の通信リンクの損失によって、又は前記通信リンクは停止されるべきであるという決定によって、トリガされるさらなる1つ又は複数の下流通信デバイスの新しいデータレート推奨及び/又は制限を決定し、さらなる新しいデータレート推奨及び/又は制限を少なくとも1つの下流通信デバイスに送信するように構成される。
【0033】
前述の装置は、個別のハードウェア構成要素、集積チップ、又はチップモジュールの配置を有する個別のハードウェア電気回路に基づいて、或いは、メモリに記憶された、コンピュータ可読媒体に書き込まれた、又はネットワーク、例えば、インターネット、からダウンロードされたソフトウェアルーチン又はプログラムによって制御される信号処理デバイス又はチップに基づいて、実施される、ということに留意されたい。
【0034】
請求項1の装置、請求項13の中継通信デバイス、請求項14のワイヤレス通信システム、請求項15の方法、及び請求項16のコンピュータプログラム製品は、特に、従属請求項において定義されたような、類似の及び/又は同一の好ましい実施形態を有する、ということが理解されよう。
【0035】
本発明の好ましい実施形態はまた、それぞれの独立請求項との従属請求項又は前述の実施形態の任意の組合せになり得る、ということが理解されよう。
【0036】
本発明のこれらの及び他の態様は、以下に記載の実施形態を参照して、明らかになり、説明されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本発明が実施され得る、ネットワークアーキテクチャを概略的に示す。
図2】様々な実施形態によるアクセスデバイスのブロック図を概略的に示す。
図3】様々な実施形態による通信デバイスのブロック図を概略的に示す。
図4】様々な実施形態による強化レート推奨手順の流れ図を概略的に示す。
図5】様々な実施形態による集合体の所望のレート報告手順の流れ図を概略的に示す。
図6】一実施形態による1対1のチャネルマッピングを有するネットワークアーキテクチャを概略的に示す。
図7】一実施形態による1対多のチャネルマッピングを有するネットワークアーキテクチャを概略的に示す。
図8】単一論理チャネルが一群の通信デバイスの中継データを示す、1対多のチャネルマッピングを有する、ネットワークアーキテクチャの一例を概略的に示す。
図9】一意の下流論理チャネル識別を有する1対1のチャネルマッピングを有するネットワークアーキテクチャの一例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明の実施形態は、UE対ネットワーク中継機能が有効にされる、5Gセルラネットワークの資源スケジューリングに基づいてここでは説明され、そこで、4Gネットワーク要素は、提案される5Gソリューションに組み込まれる。さらに、後述の実施形態のうちの少なくともいくつかは、5Gの新無線(5G NR)無線アクセス技術に基づいて説明される。具体的に、中継機能は、リモート通信デバイス(例えば、UE)のためのマルチホップ間接ネットワーク接続を有効にする。これは、具体的に、通信デバイスの改良されたカバー範囲及びIoT通信デバイスの改良された低電力動作を達成するために行われる。
【0039】
本開示を通して、「eNB」(4G専門用語)及び「gNB」(5G専門用語)という略語は、セルラ基地局又はWiFiアクセスポイントなどのアクセスデバイスを意味することが意図されている。gNBは、集中型制御プレーンユニット(gNB-CU-CP)、複数の集中型ユーザプレーンユニット(gNB-CU-UP)及び/又は複数の分散型ユニット(gNB-DU)で構成される。eNB/gNBは、コアネットワーク(CN)において機能するためのインターフェースを提供する、無線アクセスネットワーク(RAN)の一部である。RANは、ワイヤレス通信ネットワークの一部である。RANは、無線アクセス技術(RAT)を実施する。概念的に、RANは、携帯電話などの通信デバイス、コンピュータ、又は任意のリモート制御のマシンの間にあり、それのCNとの接続を提供する。CNは、RANを介して相互に接続された顧客に多数のサービスを提供する、通信ネットワークのコア部分である。より具体的には、CNは、通信ネットワーク或いは他のネットワークを介して通信ストリームを管理する。4Gネットワークの3GPP(登録商標)仕様書TS 23.303及びTS 24.334において、いわゆる近接サービス(ProSe:proximity service)機能は、アクセスデバイス(eNB)のカバー範囲内に一時的にないセルラ通信デバイス(例えば、UE)の接続性などを可能にするために定義される。この特定の機能は、ProSe UE対ネットワーク中継、又は中継UEと呼ばれる。中継UEは、OoC UEとeNBとの間において2つの方向(上流及び下流)でアプリケーション及びネットワークデータトラフィックを中継することによって別のOoC UE(すなわち、間接的に接続されたリモート通信デバイス)がeNB(すなわち、アクセスデバイス)に通信するのを助ける中継通信デバイスである。中継UEとOoC UEとの間のローカル通信は、D2D通信又はサイドリンク通信又はPC5通信と呼ばれる。「PC5」という略語は、ProSeによって定義されるものとしての及びV2X(3GPP(登録商標)仕様TS 23.287/TR 37.985を参照)のサイドリンク通信を示すためにも使用される5Gネットワークにおけるサイドリンク通信のインターフェースを指定する。さらに、「UL」という略語は、通信デバイス(例えば、UE)からアクセスデバイス(例えば、eNB、gNB)へのアップリンク方向について使用され、「DL」という略語は、アクセスデバイス(例えば、eNB、gNB)から通信デバイス(例えば、UE)へのダウンリンク方向を表し、そして、「SL」という略語は、2つ以上の通信デバイス(例えば、UE)の間のサイドリンク通信を表す。
【0040】
さらに、「論理チャネル」という用語は、一般に、層2の論理チャネルを示す。実施形態において、論理チャネルは、例えば、MAC論理チャネル、RLCチャネル(すなわち、RLCベアラ)、又はPDCPエンティティによって実施される無線ベアラである。
【0041】
中継関係が確立された後は、OoC UEは、中継UEを介して接続され、「リモートUE」の機能を果たす。一般に、UEは、直接的にネットワークに(直接ネットワーク接続)、又は別のUEを中継UEとして使用することによって(間接ネットワーク接続)、又は両方のタイプの接続を使用することによって、接続することができる。「上流」という用語は、アクセスデバイスに向けたデータについて又はアクセスデバイスに(ホップの数に関して)より近い通信デバイスを示すために使用され、一方、「下流」という用語は、RANにおいて通信デバイスに向けられたアクセスデバイスからのデータフローについて又はアクセスデバイスから(ホップの数に関して)さらに離れた通信デバイスを示すために使用される。接頭辞「親」は、リモート又は中継通信デバイスによって使用されている上流中継通信デバイスを示し、接頭辞「子」は、所与の中継通信デバイスに直接接続された(例えば、単一ワイヤレスリンクを介して)下流中継通信デバイス、又は親として特定の中継通信デバイスを直接に使用している下流リモート通信デバイスを示す。
【0042】
進行中の標準化作業(例えば、3GPP(登録商標)仕様TR 22.866 v17.1.0)は、複数のワイヤレスホップ及び商業若しくはIoTアプリケーションエリアのための中継の使用を介して通信をサポートするようにシングルホップ中継のコンセプトを拡張する。ProSeリリース15は、アクセスデバイス(例えば、eNB)及び4G CNへの間接ネットワーク接続をリモート通信デバイスが有することを可能にするために、ネットワークに向けた単一ホップ(アクセスデバイス)を提供する中継通信デバイスを単に可能にする。3GPP(登録商標)リリース17は、5GS(5Gシステム)及び/又はNR無線アクセス技術を使用しているとき、中継器を含むProSeが5Gネットワークにおいてどのように動作することになるかを定義することになる。リリース18以降に関して、目的は、5GSのためのマルチホップ中継を可能にすることであり、そこで、中継UEは、他の中継UEなどに接続され得る。
【0043】
さらに、3GPP(登録商標)仕様書TR 23.733 v15.1.0及びTR 36.746 v15.1.1は、アーキテクチャ強化に関する、例えば、より広いネットワークに接続するために中継UEを使用することによって非常に低い電力でIoTデバイス(リモートUEの役割)が動作することを可能にするための、研究を提供する。中継UEは、物理的に非常に近いので、それは、非常に低い電力の送信を使用して、達成され得る。この作業はまた、ProSeへのセキュリティ、速度及び安定性改善を含む。ProSeのこれらの拡張は、強化されたProSe(「eProSe」)と呼ばれる。
【0044】
eProSeにおける1つの提案される改善は、第2のプロトコル層(すなわち、L2)において動作する強化された中継アーキテクチャである。新しいL2アーキテクチャは、アプリケーション及び/又はユーザデータのリモート通信デバイスへの終端間インターネットプロトコル(IP)パケット及びパケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)パケット送信を提供することを意図されている。このアーキテクチャの利益は、リモート通信デバイスが、モニタリング及び課金目的の並びに通信デバイスを介するアクセスデバイスによる改良された制御に関係する、CN内の登録されたエンティティとして直接可視になる、ということである。リモートUEは、それが直接接続されているかのように、CN及びアクセスデバイス(例えば、gNB)のすべての機能にアクセスすることができる。
【0045】
さらに、それが4Gにおいてどのようであったかと同様に中継機構を維持する、ProSe5Gにおいて中継する層3(L3)に関する代替提案もまた存在する。L3中継に関する3GPP(登録商標)文書において定義された制御プレーンスタックはまだ存在しない。通常は、このソリューションにおけるリモートUEは、CNとの制御プレーン接続を有さず、それの中継UEへの制御プレーン接続のみを有するので、それは、除外される。
【0046】
スケジューリング機構を実施するための要素は、第2のプロトコル層(すなわち、L2)の前述の新しい中継アーキテクチャを考慮する1つ又は複数のホップを潜在的に介して、終端間からUEで動作することができる無線資源制御(RRC)プロトコルでもよい。それは、非タイムクリティカルな、静的又は半静的なスケジュール情報のために使用される。言い換えれば、スケジュールの構成。ここで、ConfiguredGrantConfigは、アップリンク又はサイドリンクスケジューリングの情報要素である。
【0047】
スケジューリング機構を実施するための別の要素は、ある種のイベント、測定又は構成を効率的に信号伝達するために使用される、MAC層を介する存在するUL/DL/SL送信の間に挿入された短い要素(又は情報要素(IE))である、媒体アクセス制御(MAC)プロトコルの制御要素(CE)である。さらなるMAC CEが、チャネル状態情報(CSI)報告、サウンディング参照信号(SRS:Sounding Reference Signal)、又は間欠受信(DRX:Discontinuous Reception)などの様々な他の3GPP(登録商標)機構を実行するときに通信デバイス(例えば、UE)のビヘイビアを制御するためにアクセスデバイス(例えば、gNB)によって使用される。
【0048】
さらなる要素は、特別な盲目的に検出可能な変調又はコーディングを有する低ビットレート制御チャネル(例えば、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH))で送られる短いメッセージである、ダウンリンク制御情報(DCI)の使用である。この機構は、物理プロトコル層(PHY L1)において実施され、MAC PDUヘッダ構造を使用する必要はない。ここで、様々なDCIフォーマットは、異なる情報コンテンツと定義され得る。動的スケジューリングのための通信資源は、DCIにおいて示され得る。DLデータ送信は、例えば、1ms未満後に、DCIメッセージに続くが、4ms先までスケジュールされ得る。ULについて、スケジューリングは、次の時間スロット1~2ms先について行わるが、8ms先までになり得る。
【0049】
さらなる要素は、アップリンク又はサイドリンク制御情報(UCI、SCI)の使用である。これは、例えば、通信資源が利用可能でないときに、使用されるスケジューリング要求(SR)ビットを含む。SRに応答して、アクセスデバイス(例えば、gNB)のスケジューラは、将来の通信デバイス(例えば、UE)のアップリンク通信資源を割り当てることになる。
【0050】
前述の資源スケジューリングの概説は、通信デバイス(例えば、UE)のために適用可能であり、マルチホップソリューションについても同様に使用され得る。したがって、様々な実施形態によれば、後述するように、新しいネットワーク要素が追加される必要がある、又は存在する要素が拡張される必要がある。単一又はマルチホップ中継通信デバイスが、ネットワークに導入される場合、そのとき、現存するソリューションは、アクセスデバイス(例えば、gNB)と通信デバイス(例えば、UE)との間の直接リンクで動作し、中継を介してアクセスデバイスと通信デバイスとの間の間接リンクでは必ずしも動作しないので、現存するソリューションは、十分でないことがある。
【0051】
最初に述べたように、スケジューラは、資源割り当てとそれがUEに送る推奨ビットレート値との間の十分な一致について注意することが期待される。例えば、スケジューラは、UEにgNBが推奨したおおよその値のビットレートでそれがデータを送ることを可能にする、このUEが周期的に循環する資源を認めていることを意味する、特定のUEへの永続的スケジュールを割り当てることができる。
【0052】
これは、例えば、3GPP(登録商標)仕様TS 38.321 v15.5.0、NRにおいて定義されたものとしての推奨ビットレートMAC CEを使用することによって、達成され得る。このMAC層CEは、ULデータ(UEに由来する)の又は特定の論理チャネルID(LCID)のDLデータ(UEに進む)のUEの所望のビットレートをgNB/スケジューラに示すためにUL方向で使用され得る。さらに、このMAC層CEは、ULデータ(UEに由来する)の又はDLデータ(UEに進む)の推奨ビットレートのgNB/スケジューラからの指示としてDL方向において使用され得る。
【0053】
推奨ビットレートMAC CEは、LCID、すなわち、要求/推奨が保持する単一論理チャネル、を含む。LCIDは、6ビット長である「ビットレート」フィールドを含み、そこで、ビット値は、以下のテーブルにあるように解釈されることになっている:
【0054】
【表1】
【0055】
gNBは、独自の決定に基づいて-推奨を提供するために-推奨ビットレートMAC CEをUEに送ることができる、及び/又は、UEは、推奨ビットレートMAC CEをgNBに送ること、次いで、所望のビットレート値を含むことによって、特定のLCIDの推奨について問い合わせることができる。
【0056】
5G仕様書では、推奨ビットレートMAC CEは、4Gにおけるよりも一般的なやり方で定義される、ということに留意されたい。4G仕様書では、それは、RRCで信号伝達する一般RAN能力の下で「MMTEL-パラメータ-r14」として3GPP(登録商標)仕様TS 36.331 v15.2.2においてMMtel(マルチメディア電話法)特有の特徴として具体的に定義された。5Gでは、それは、3GPP(登録商標)仕様TS 38.331 v15.5.1、NRにおいて、RRCで信号伝達する一般RAN能力の下で「MAC-ParametersCommon」の下で定義された。RRCを使用して、eNB/gNBは、推奨ビットレートMAC CEが上流方向でサポートされるか(eNB/gNBに向けたクエリとして)及び/又は下流方向でサポートされるか(UEに向けた推奨として)をUEに信号伝達する。
【0057】
図1は、中継通信デバイスを有するネットワークアーキテクチャを概略的に示す。
【0058】
図1に示すシナリオにおいて、5Gコアネットワーク(CN)100は、無線アクセスネットワークの複数の基地局(すなわち、gNB)20に接続される。第1のUE10-1は、基地局20のそれぞれに直接的に又は間接的に接続され、上流データを2つ以上の下流UE10-Dからそれぞれの(サービング)基地局20に及び下流データをそれぞれの基地局20から2つ以上の下流UE10-Dに移送するように構成された中継UEの機能を果たす。間接的に接続された第1のUE10-1(図1の左枝)のケースでは、少なくとも1つの親UE10-Pが、第1のUE10-1とそれぞれの基地局20との間の中継UEとして接続される。
【0059】
さらに、それぞれの第1のUE10-1の無線範囲(カバー範囲)内にある1つ又は複数の下流の第2のUE10-2が、提供され、それぞれが、リモートUE又は中継UE又は両方の機能を果たす並びにワイヤレスリンクを介してそれぞれの第1のUE10-1に直接的に及びそれぞれの第1のUE10-1の中継機能を介してそれぞれの基地局20に間接的に接続する能力を有する。点線は、さらなるUE(図示せず)への可能な/オプションのリンクを示す。
【0060】
コアネットワーク100は、ネットワークスライス選択機能(NSSF)、ユーザプレーン機能(UPF)、セッション管理機能(SMF)、及びアクセス及びモビリティ管理機能(AMF)などのネットワーク機能を含む。
【0061】
様々な実施形態によれば、基地局20又は基地局20を介して作動するコアネットワークにおける機能は、論理チャネルID(LCID)のデータレート推奨及び/又は制限を含む第1のUE10-1への下流データを提供する。単一LCIDのこのデータレート推奨及び/又は制限は、少なくとも2つのUEの集合体データレート推奨及び/又は制限を含む。集合体データレート推奨及び/又は制限を受信した後、第1のUE10-1は、第2のUE10-2のうちの1つが新しいデータレート推奨及び/又は制限を受信することになっている関連LCIDに少なくとも部分的に基づいて決定する。次いで、第1のUE10-1は、受信された集合体データレート推奨及び/又は制限に少なくとも部分的に基づく、新しいデータレート推奨及び/又は制限を含む第2のUE10-2のうちの少なくとも1つへの下流データを提供する。
【0062】
複数の第2のUE10-2が提供される一例では、第1のUE10-1によって提供される新しいデータレート推奨及び/又は制限は、受信されたデータに含まれた集合体推奨及び/又は制限の値より低い推奨及び/又は制限値を含む。
【0063】
別の例では、第1のUE10-1によって提供される新しいデータレート推奨及び/又は制限は、前記受信されたデータに含まれる集合体データレート推奨及び/又は制限の値と等しい推奨/制限値を有する。
【0064】
さらなる例では、第1のUE10-1に送られる集合体データレート推奨及び/又は制限は、集合体データレート推奨及び/又は制限が上流データフローに又は下流データフローに適用されるかどうかを示すためのインジケータデータを含む。
【0065】
さらなる例では、UEは、それの無線範囲内にある上流UEに又は基地局20にLCIDの集合体の所望のデータレート要求を送ることができる。
【0066】
さらなる例では、第2のUE10-2のうちの少なくとも1つが、LCIDの所望のデータレート要求を第1のUE10-1に送信するために配置され、そこで、第1のUE10-1は、そのLCIDの及びオプションで1つ又は複数の他のLCIDのデータレート推奨及び/又は制限で要求に応じる。
【0067】
さらなる例では、第1のUE10-1は、LCIDの所望のデータレート要求を無線範囲内の上流UE(例えば、親UE10-P)又は基地局20に送るように配置され、そこで、要求は、第2のUE10-2から受信された少なくとも1つの所望のデータレート要求によって及びそのような要求に少なくとも部分的に基づいて、トリガされる。上流の所望のデータレート要求は、LCIDの単一所望のデータレートを含み、そこで、単一の所望のレートは、複数の受信された所望のデータレートの追加の合計である。推奨及び/又は制限値のルックアップテーブルが、一実施形態で使用される場合、上流UE(例えば、親UE10-P又は基地局20)に送られる所望のデータレートの追加の合計(和)は、近似値(例えば、少なくとも所望のデータレートの和以上であるテーブルからの最低値)である。
【0068】
一例では、第1のUE10-1(すなわち、中継UE)は、例えば、親UE10-P又は基地局20からの1Mbpsの、集合体データレート制限を受信し、これをそれ自体のために使用するための第1の制限(例えば、500kbps)と(1つの)第2のUE(すなわち、子UE)10-2のために使用するための第2の制限(例えば、500kbps)とに分ける。或いは、受信される集合体レート推奨のケースでは、これは、第1のUE10-1自体(リモートUE役で作動している、すなわち、データプロデューサ/コンシューマ自体、又はデータプロデューサ/コンシューマとして正規のUE役で作動している)及び第1のUE10-1の子リモートUEのために使用される。図1では、それら自体でさらなる子を有さない第2のUE10-2は、リモートUEと考えることができる。もちろん、任意の分配(例えば、それ自体のために20%及び1つの下流UEのために80%)が、実施される。
【0069】
さらに、中継UEは、「直接接続された」モードでも正規のUEとして機能することを常に可能にされる。また、中継UEは、それ自体がリモートUEとして機能することを可能にされ得る。逆に、リモートUEは、中継UEとして機能することを可能にされ得る。
【0070】
集合体データレート推奨及び/又は制限は、第1のUE10-1によって解釈され、それに基づいて、第1のUEは、新しいデータレート推奨及び/又は制限を生成し、少なくとも1つの下流デバイスに送ることになる。この点で、下流UEに転送される層3(L3)又はより高いデータ(例えば、NAS及びユーザデータ)と新しく作成される及び転送されない層2(L2)MAC-CE要素とは区別される必要がある、ということに留意されたい。作成がどのように機能するかは、中継機能の技術的ソリューションに依存する。L2中継アーキテクチャにおいて、第1のUE10-1はまた、新しいデータレート推奨を送るために、RLCチャネルを追加しなければならない(RLCはたった1つのホップを介して作動するので)。これは、自動的に又はRRCセットアップ手順によってトリガされる。例えば、L2中継ソリューションにおいて、第1のUE10-1は、第1のUE10-1がそれに応答して無線リンク制御(RLC)チャネル及びそれの関連論理MACチャネルIDを作成することになるような、RRCrlc-BearerToAddModList要素又はサイドリンクRLCチャネル作成のために定義された類似の要素を受信する。
【0071】
さらに、集合体データレート推奨及び/又は制限が、第1のUE10-1に少なくとも1つの中継UE(例えば、図1の左枝の親UE10-P)によってホップバイホップで下流に渡される。そのようなケースでは、第1のUE10-1は、移動中に少なくとも1つの中継UEによって修正された可能性もある少なくとも1つの中継UEの中継機能を介して基地局20から集合体データレート推奨及び/又は制限を受信する。したがって、第1のUE10-1は、少なくとも1つの上流中継UEから直接にそれの集合体データレート推奨及び/又は制限を受信し、それが基地局20から来ていることを認識しない。
【0072】
例では、集合体データレート推奨及び/又は制限は、親UE10-P(例えば、MAC CE推奨ビットレートのような方法)によって又は直接にアクセスデバイス20によって(例えば、中継UE10-1に複数の中継ホップを介してRRCを介して送られる)作成される。両方のケースで、集合体データレート推奨及び/又は制限を伝えるメッセージが、親UE10-Pによって第1のUE10-1に送られ、その一方で、メッセージのクリエータは、異なり得る。
【0073】
図2は、様々な実施形態による中継通信デバイスのブロック図を概略的に示す。
【0074】
提案される強化レート推奨機能に関連するブロックのみが図2には示されている、ということに留意されたい。他のブロックは、簡潔にするために、省略されてある。
【0075】
図2の中継通信デバイスは、図1の第1のUE10-1或いはデータレート推奨及び/又は制限機能を有する任意のワイヤレスネットワークのための任意の他のタイプの中継通信デバイスに対応する。
【0076】
図2によれば、中継通信デバイスは、アンテナを介してワイヤレスメッセージ及び/又は他のワイヤレス信号を送信及び受信するためのトランシーバユニット(TRX)21を備える。新しいデータレート推奨又は制限を有するメッセージは、アクセスデバイス(例えば、図1の基地局20)又は別の上流通信デバイス(例えば、図1の親UE10-P)からトランシーバユニット21によって受信された集合体データレート推奨及び/又は制限からチャネル検出器(CH-ID)22によって導出された論理チャネル識別(ID)(例えば、LCID)に少なくとも部分的に基づいて、個々のデータレート推奨及び/又は制限クリエータ(IDR-R/L)24によって作成される。
【0077】
さらに、中継通信デバイスは、親(上流)デバイスの論理チャネルIDと子(下流)デバイス及び/又はリモート下流通信デバイスの関連論理チャネルIDとの間のマッピングテーブルを提供するルックアップテーブル(LUT)25を有するメモリを備える。
【0078】
ルックアップテーブル25のマッピングテーブルにおいて提供される情報及び受信されたデータレート推奨及び/又は制限から取得された集合体データレートに基づいて、個々のデータレート推奨及び/又は制限クリエータ24は、1つ又は複数の下流通信デバイスのうちの少なくとも1つの新しいデータレート推奨及び/又は制限を作成し、導出された下流通信デバイスに及び/又は受信された論理チャネルIDに関連してマッピングテーブルに記載された下流通信デバイスに、導出された論理チャネルIDを有する論理チャネルを介して新しいデータレート推奨及び/又は制限を送信する。送信は、直接的又は間接的(例えば、複数のホップを介して、及び/又はネットワーク機能を介して)である。中継通信デバイスは、それ自体の所望のデータレート及び/又はデータレート制限を考慮して新しいデータレート推奨及び/又は制限を作成する。
【0079】
それにより、強化されたデータレート推奨及び/又は制限が、提供され得、それによって、直接及び間接接続された中継通信デバイスが、マッピングテーブルを介して一緒に考慮される。
【0080】
図3は、様々な実施形態によるアクセスデバイスのブロック図を概略的に示す。
【0081】
提案される強化された推奨機能に関連するブロックのみが図3には示されている、ということに留意されたい。他のブロックは、簡潔にするために省略されている。
【0082】
図3のアクセスデバイスは、図1の基地局(gNB)20又は資源スケジューリング機能を有する任意のワイヤレスネットワークのための任意の他のタイプのアクセスデバイスに対応する。
【0083】
図3によれば、アクセスデバイスは、アンテナを介してワイヤレスメッセージ及び/又は他のワイヤレス信号を送信及び受信するためのトランシーバユニット(TRX)31を備える。集合体データレート推奨及び/又は制限を有するメッセージが、下流通信デバイスからトランシーバユニット31によって受信された集合体の所望のデータレートからチャネル検出器(CH-ID)32によって導出された論理チャネルID(例えば、LCID)に基づいて集合体データレート推奨及び/又は制限クリエータ(ADR-R/L)34によって生成される。一例では、アクセスデバイス(例えば、図1の基地局(gNB)20)はまた、自発的にこれらのデータレート推奨及び/又は制限を送り得る。このケースでは、チャネル検出器32は、受信された「所望のデータレート」メッセージにではなくて、他の考慮すべき事項(例えば、利用可能な資源及びそれらの公平な分配)に従う。
【0084】
さらに、アクセスデバイスは、論理チャネルIDと関連する直接及び間接接続されたリモート下流通信デバイスとの間のマッピングテーブルを提供するルックアップテーブル(LUT)35を有するメモリを備える。マッピングテーブルは、直接接続された通信デバイス(例えば、中継UE)ごとに定義された1つのテーブルである。一例では、アクセスデバイスに記憶された複数のマッピングテーブルが存在することが可能であり、それぞれの直接接続された通信デバイスは、すべての論理チャネルをアクセスデバイスとの通信のために自由に使える、すなわち、これらの通信デバイスの間で論理チャネルIDに関する競争は存在しない。代替として、マッピングテーブルは、すべての通信デバイスの1つのテーブルとして実施され得る。その場合、例えば、通信デバイスごとに1つのエントリが存在し、直接接続された通信デバイスの論理チャネル識別子は、それぞれのテーブルエントリに関連し得、直接接続された通信デバイスの識別子は、それぞれのテーブルエントリに関連し得る。したがって、例えば、LCID4は、直接接続された中継UE1のリモートUE{x,y,z}にマップされ、直接接続された中継UE2の異なるリモートUE{a,b}に同様にマップされる。
【0085】
受信された論理チャネルID及び集合体の所望のデータレートに基づいて、集合体データレート推奨及び/又は制限クリエータ34は、マッピングテーブル内の情報に基づいて下流通信デバイスの少なくとも1つの集合体データレート推奨及び/又は制限を作成し、受信された論理チャネルIDを有する論理チャネルを介して少なくとも1つの集合体データレート推奨及び/又は制限を送信する。したがって、それが、特定の論理チャネルIDを特定の直接接続された中継通信デバイスに送る場合、マッピングテーブルは、アドレス指定されるべき通信デバイスを導出するためにアクセスデバイスによって使用される。送信は、直接的又は間接的である(例えば、複数のホップにわたる、及び/又はネットワーク機能を介する)。
【0086】
それにより、強化されたデータレート推奨及び/又は制限が提供され、それによって、直接及び間接接続された中継通信デバイスがマッピングテーブルを介して一緒に考慮される。
【0087】
図2及び図3のブロック図の個々のブロックは、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル論理アレイ(PLA)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又は同類のものなどの個別のハードウェア回路によって、又はデジタル信号プロセッサ(DSP)又は他のソフトウェア制御プロセッサ回路によって、実施される。
【0088】
図4は、セルラ又は他のワイヤレスネットワークの中継通信デバイス(例えば、図1の第1のUE10-1)において実施される、様々な実施形態による強化レート推奨及び/又は制限手順の流れ図を概略的に示す。
【0089】
第1のステップS401において、中継通信デバイスは、集合体データレート推奨及び/又は制限を親通信デバイス又はアクセスデバイスから受信する。次いで、ステップS402において、論理チャネルID(例えば、LCID)が、受信された集合体データレート推奨及び/又は制限から導出される。ステップS403において、下流デバイス及び/又は関連リモート通信デバイスの関連論理チャネルIDが、中継通信デバイスにおいて利用可能なマッピングテーブルから導出される。次いで、ステップS404において、関連論理チャネルIDを有する新しいデータレート推奨及び/又は制限が、受信された集合体データレート推奨及び/又は制限と中継通信デバイスの独自のデータレート要件のオプションの考慮の下でマッピングテーブルから導出された下流デバイス及び/又は関連リモート通信デバイスの関連論理チャネルIDとに少なくとも部分的に基づいて、作成される。
【0090】
最後に、ステップS405において、作成された新しいデータレート推奨及び/又は制限は、1つ又は複数の下流通信デバイスに送信される。
【0091】
図5は、セルラ又は他のワイヤレスネットワークのアクセスデバイス(例えば、図1の基地局(gNB)20又はeNB又はアクセスポイント)において実施される、様々な実施形態による集合体の所望のレート報告手順の流れ図を概略的に示す。
【0092】
第1のステップS501において、アクセスデバイスは、論理チャネルの集合体の所望のデータレートを下流通信デバイスから受信する。次いで、ステップS502において、関連論理チャネルの論理チャネルID(例えば、LCID)が、決定される。ステップS503において、マッピングテーブルが、決定された論理チャネルID関連の直接及び間接接続された下流通信デバイスから導出するために、調べられる。次いで、ステップS504において、集合体データレート推奨及び/又は制限が、受信された集合体の所望のデータレート及び関連する直接及び間接接続された下流通信デバイスに少なくとも部分的に基づいて、作成される。
【0093】
最後に、ステップS505において、作成された集合体データレート推奨及び/又は制限が、関連する下流通信デバイスに、すなわち、要求しているデバイスに戻して、送信される。これは、例えば、MAC CEにあるような、論理チャネルを介するシングルホップ送信、或いは、例えば、IPパケット、PDCP PDU、又はRRCメッセージにあるような潜在的マルチホップ送信である。
【0094】
もちろん、推奨及び/又は制限が、要求している通信デバイスのみならず、他の下流デバイスにも送られ、データレート推奨及び/又は制限が要求された論理チャネルのみならず、他の論理チャネルにも送られるように、所望のデータレートの最初のクエリは、資源割り当ての変更をトリガした。
【0095】
図4及び図5の流れ図のステップは、それぞれに、中継通信デバイス又はアクセスデバイスにおいて提供されたプロセッサ又は計算ユニットを制御するために使用される1つ又は複数のソフトウェアルーチンに基づいて、実施される、ということに留意されたい。
様々な実施形態によれば、新しい及び/又は集合体データレート推奨又は制限及び/又は集合体の所望のデータレートの送信は、以下のオプションのうちの少なくとも1つによって、達成される:
1.RRCプロトコルが、L2中継アーキテクチャの場合、中継通信デバイスとアクセスデバイスとの間で中継される終端間で、使用される。RRCメッセージが、潜在的に複数のホップを介するMACプロトコルを介する無線リンク制御(RLC)を介するPDCPを介して次々に移送される。このオプションは、移送の信頼性が保証される(PDCPを介して、再送信を使用して)及び完全性保護が適用される、という利益を有する。RRCは、データレート推奨値及び/又は制限を運ぶための追加のメッセージ又はフィールドで拡張される。さらに、RRC PDUは、他のより高い層のプロトコルのPDU、例えばNASプロトコルコンテナ(例えば、N1 SMコンテナ)、或いは、送信されたデータレート推奨及び/又は制限、又は所望のデータレートを含む、IPv4/IPv6パケットを次々に運ぶ。また、サイドリンクを介するRRCが、例えば、拡張されたRRCReconfigurationSidelinkメッセージを使用して、例えば、3GPP(登録商標)仕様TS 38.331において定義されたように、使用され得る。
2.PDCP制御又はデータPDUが、例えば、データレート推奨値及び/又は制限を運ぶための新しいPDCPメッセージを定義することによって、使用される。PDCP PDUが、送信されたデータレート推奨及び/又は制限或いは所望のデータレートを含む、他のより高い層のプロトコル、例えば、SDAP、IPv6又はIPv4、のPDUを次々に運ぶ。一例として、SDAPヘッダデータが、例えば、データレート推奨及び/又は制限を運ぶための新しいSDAPヘッダフィールドを定義することによって、使用される。
3.MAC制御要素(CE)が、使用される。これは、軽い方法であり、そこでは、場合により、例えば、「パディングBSR」MAC CEによって達成されるように、移送ブロック内の未使用の空間を都合よく使用することさえも可能である。それはまた、例えば、推奨ビットレートが下流/上流方向に関連しているかどうかを示すための(又は、それがアップリンク/ダウンリンク又はサイドリンク方向にあるかを識別する)追加フィールド、LCID値が意図された下流UE、及び/又はLCID値によって識別された論理チャネルがそれらの間に確立された、又は確立されることになる、下流UEの識別(例えば、L2識別)を示す/識別するための可能な付加的フィールド、を有する、拡張されたMAC CE要素、例えば、拡張された推奨ビットレートMAC CE、を使用する。推奨ビットレートMAC CEはまた、複数のLCID及び対応するビットレート値を単一メッセージに統合/結合するために、拡張される。推奨ビットレートMAC CEはまた、制御要素が推奨又はクエリであるかどうかを識別するために、単一ビット、又はフラグ、を含むように拡張される。
4.UL又はDLチャネルを介して(例えば、物理アップリンク/ダウンリンク制御チャネル(PUCCH、PDCCH)又は物理アップリンク/ダウンリンク共用チャネル(PUSCH、PDSCH)を介する)中継通信デバイスとアクセスデバイスとの間で直接送られる、拡張されたアップリンク又はダウンリンク制御情報(UCI、DCI)データフォーマットが、が使用される。
5.SL接続を介して中継通信デバイスによって別の中継通信デバイスに送られる、拡張されたサイドリンク制御情報(SCI)データフォーマット内。
6.直接にアクセスデバイスに若しくはアクセスデバイスからRRCを介して、そしてまた直接上流又は下流中継通信デバイスへの単一無線ホップを介してMAC CEを介して送信することによる、前述のオプションの組合せ。又は、例えば、次いで子中継通信デバイスから1つ又は複数の所望のデータレート報告を収集する及びアクセスデバイスに直接に集合体の所望のデータレートとしてRRCを使用するこれらを送る中継通信デバイスにMAC CEを介して。
【0096】
図6は、一実施形態による第1のUEにおけるLCIDの間の1対1のマッピングを有するネットワークアーキテクチャを概略的に示す。
【0097】
この実施形態では、1対1のマッピングが、それぞれに第1のUEとそれの親ノード(UE0)との間で使用されるLCIDiと、第1のUE(UE1)と第2のUE(UE2、UE3)との間で使用されるLCIDjとの間で第1のUE(UE1)において実施され、そこで、第2のUEは、中継UE(UE2)、リモートUE(UE3)、又はその両方(UE2)である。図6の例では、第2のUE(UE2)は、それ自体のデータのそれ自体のLCIDも取得するので、両方の機能性を含む。
【0098】
これは、第1のUE(UE1)が、LCIDiを示すそれの親ノード(UE0)からデータレート推奨又は制限を受信するとき、UE1が、内部マッピングテーブル25において、対応する第2のUE(UE2及び/又はUE3)と新しいデータレート推奨又は制限を第2のUEに送るための論理チャネルを識別するLCIDjとを探索することができる、ということを暗示する。逆に、第1のUE(UE1)が、LCIDjを示す第2のUE(UE2又はUE3)から所望のデータレート要求を受信するとき、それは、新しい所望のデータレート要求をそれの親ノード(UE0)に送るときに使用するための対応するLCIDiをマッピングテーブル25において探索することができ、そこで、所望のデータレート値は、第2のUEから受信された値に少なくとも部分的に基づく。
【0099】
ダウンリンク及びアップリンク通信のための3GPP(登録商標)リリース15(例えば、3GPP(登録商標)仕様TS 38.321 v15.7.0のテーブル6.2.1-1及び6.2.1-2)で定義されたものとしてのLCID値が、サイドリンク通信のためにも使用されるとき、LCIDは、「1」から「32」の範囲にあり得る。その場合、この実施形態において、それぞれの第2のUEが、論理チャネルを介して通信することができるように、第1のUEとそれの親ノード(UE0)との間の通信リンクに関して割り当てられた論理チャネルの少なくとも1つの関連LCIDを必要な場合、第1のUE(U1、中継UE)は、多くて32個の第2のUEをサポートすることができる。アップリンク及びダウンリンクのより多数のLCID値が、eLCID拡張機構を通して3GPP(登録商標)リリース16(例えば、3GPP(登録商標)仕様TS 38.321 v16.0.0のテーブル6.2.1-1/1a/1b及び6.2.1-2/2a/2b)において定義されている(チャネル範囲320から(2^16+191)が追加される)。これは、直接接続された中継UE(例えば、UE0)が非常に多数の子UE(例えば、中継UE1、又はリモートUE)をサポートすることを可能にする。中継UE、リモートUE及びアクセスデバイスは、関連する標準仕様の異なるバージョンをサポートするので、これらのデバイスのうちのいくつかは、それらが理解及びサポートするLCIDの数に関して異なる制約を有する。例えば、リリース16のUEは、サイドリンク通信のLCID識別子値「4」から「19」のみをサポートする(3GPP(登録商標)仕様TS 38.321 v16.0.0のテーブル6.2.4-1を参照)。リモートUE又は中継UEが、eLCID拡張機構によって提供された拡大された数のLCIDをサポートし、一方で、下流リモートUE若しくは中継UE、又は上流中継UEが、リリース16の制限された数のLCIDのみをサポートする場合、例えば、制限された数のLCIDのみをサポートする及び代わりに上流アクセスデバイス又は中継UEに新しいLCIDを報告するそれぞれの下流UEの異なるLCIDを割り当てることによって、制限された数のLCIDを多数のLCIDにマップする、マップが、中継UEにおいて作成される。このようにして、より古いリモートUE又は中継UEが、後方互換性のある方式でサポートされ得る。この目的で、マッピングはまた、それがサポートするLCIDの数をそれぞれの下流UEについて含む、又は、それがサポートする標準仕様のバージョンを含む(例えば、3GPP(登録商標)は、これについて「能力報告」を使用し、したがって、「サポート拡張:真」と述べるフラグにより近い)。新しいLCIDの割り当ては、これを考慮し、例えば、より古い下流UEへの割り当てのために値「4」から「19」のみを予約し、より新しい下流UEのために拡張されたセットの値を予約する。同様に、上流UE又はアクセスデバイスが、LCID値「4」から「19」のみを扱うことができる場合、そのとき、任意の上流論理チャネルのLCIDは、それらの値の中から選ばれなければならない。
第2のUE(中継UE(UE2)又はリモートUE(UE3)又は両方(UE2)である)が、LCIDjによって識別された追加の上流論理チャネルを作成するとき、この実施形態は、それの親ノードとのワイヤレスリンク上のLCIDiを有する追加論理チャネルを第1のUEが作成する必要があることになる、ということを暗示する。第2のUEのLCIDjから来る中継データトラフィックは、次いで、論理チャネルLCIDiを介して移送されることになり、そして逆に、LCIDiを介する着信中継データは、転送される場合、LCIDjを介して第2のUEに送られることになる。LCIDiについて受信された任意のビットレート推奨又は制限は、次いで、LCIDjを示す及び受信された値と通常は等しい推奨又は制限値を示す第2のUEに送られることになる新しいデータレート推奨及び/又は制限の作成をトリガすることになる。
【0100】
第2のUEはまた、第1のUEのように作動して及びマッピングテーブルを使用して、提案される強化された推奨又は制限手順をオプションで実施することができる、ということに留意されたい。
【0101】
基地局(gNB)20は、例えば、直接接続されたUE(UE0)に、例えば、推奨ビットレートMAC CEを使用して、下流にデータレート推奨及び/又は制限を送ることができる。これらのデータレート推奨及び/又は制限を受信する直接接続されたUEは、例えば、同等のサイドリンク推奨ビットレートMAC CEを使用して、新しいデータレート推奨を第1のUE(UE1)に及び/又は、例えば、同等のサイドリンクビットレート制限MAC CEを送って、新しいデータレート制限を第1のUE(UE1)に送ることができる。これらの推奨及び/又は制限を受信する第1のUE(UE1)は、サイドリンク推奨ビットレートMAC CEを使用して新しいデータレート推奨を下流の第2のUE(UE2、UE3)に送ることができる。もちろん、後述の実施形態で示すような他の方法も使用することができる。
【0102】
一実施形態において、中継UEの基地局(gNB)20は、第1のUEの下流UE(例えば、第2のUE(UE2、UE3))は新しい論理チャネルを必要としていると決定すること及び/又は第1のUEの下流の新しい中継UE又はリモートUE(例えば、UE2、UE3又はUE4)がネットワークトポロジに追加されると決定することに応答して、基地局20からUEに送られたRRC再構成メッセージを使用して、第1のUE(UE1)に新無線ベアラ(例えば、データ無線ベアラ、DRB)又は新しいRLCチャネルの作成を要求する。RRCメッセージを使用することは、基地局20と第1のUEとの間の制御プレーン接続性を必要とする。要求は、第1のUEにおいて、新無線ベアラに関連して、新しい論理チャネルの作成をトリガする。
【0103】
別の実施形態において、第1のUEは、第1のUEに関する新無線ベアラの作成の後に、或いは下流UEは新しい論理チャネルを必要とすると決定した及び/又は第1のUEの新しい中継UE又はリモートUE下流がネットワークトポロジに追加されると決定したとき、新しいPDUセッションの確立をコアネットワーク(CN)100に要求する。これは、基地局20と第1のUEとの間の制御プレーン接続性を必要とする。コアネットワークが、新しいPDUセッションを受け入れる場合、第1のUEは、このPDUセッションを使用してこの特定の下流UEとコアネットワークとの間のデータトラフィックを中継する。
【0104】
さらに別の実施形態において、例えば、制御プレーン接続性がないので、RRCを使用することができない場合、関係するUEのうちの1つによる、例えば、第1のUEによる又は新しい論理チャネルを必要とするUEによる又は新しい論理チャネルを必要とするUEの親中継UEによる、サイドリンク通信チャネルのLCIDの自己選択が、使用され得る、或いはProSe-D2D/V2X-SL通信のLCID選択のために3GPP(登録商標)において任意の他の機構が考慮される。1つの可能な実装形態はまた、基地局20の無線範囲内に直接ある中継UEのみが、RRCメッセージングを使用して実施形態を実施し、その一方で、基地局20の無線範囲内にない他のUEは、他の実施形態を実施する、ということになり得る。
【0105】
したがって、無線ベアラが、基地局20の要求に応じて作成され、通信デバイス(UE)が、新しいPDUセッションを要求する、又は通信デバイスが、それ自体でLCIDを選択する。これらのオプションはまた、どんなアーキテクチャ選択が行われたか(L2/L3)及びさらなるソリューション選択に応じて、並びに中継通信デバイス(例えば、第1のUE)が基地局20に直接的に又は間接的に接続されているかどうかに応じて、結合され得る。
【0106】
オプションで、第1のUEは、前に定義されたような「等しい」の代わりに、より低い推奨又は制限値を第2のUEに送る。これは、例えば、第1のUEが、利用可能な制限されたバッファ空間を有し、それの現在のバッファサイズを減らす必要があるが、第2のUEにまだ供したい場合に、有用である。或いは、もちろん単一論理チャネル(及び対応するデータ無線ベアラ、DRB)の共用が3GPP(登録商標)仕様書によって可能にされることになる場合にのみ可能になり得る、それ自体の目的でチャネルLCIDiに関する容量の一部を第1のUEが使用する場合である。
【0107】
マッピングテーブル25における親通信デバイス(P-CD)の論理チャネル(LCIDi)と子通信デバイス(CH-CD)の論理チャネル(LCIDj)との間の提案された1対1のマッピングは、例えば、上流ノード(例えば、基地局(gNB)20、又は第1のUE(UE1)の別の親中継UE(図6のUE0))によるきめの細かい推奨データレート制御のために使用され得る。図6の第1のUE(UE1)のマッピングテーブル25において、親通信デバイス(UE0)は、第1のUE(UE1)に対する論理チャネルP-LCID1、P-LCID3、P-LCID4、及びP-LCID5を作成し、そして、子通信デバイスとしての第1のUE(UE1)が、第2のUE(UE2、UE3)に対する論理チャネルCH-LCID3、CH-LCID4、CH-LCID4’及びCH-LCID9を作成した。マッピングテーブル25の現在の状況によれば、P-LCID1は、CH-LCID4’及びUE3と関連し、P-LCID3は、CH-LCID4及びUE2と関連し、P-LCID4は、CH-LCID9及びUE2と関連し、P-LCID5は、子UE側に関連論理チャネルを有さない(例えば、UE1は、リモートUEの役割でそれ自体のデータ通信のためにこのCH-LCID5を使用しているので)。図6に示された2つのCH-LCID4は、2つの別個の論理チャネル(UE1とUE2との間の第1のCH-LCID4並びにUE1とUE3との間の第2のCH-LCID4’)である、ということに留意されたい。MACサブヘッダ内に含まれたLCIDは、ソース層2のID及び行先層2のIDの組合せの範囲内の論理チャネルを一意に識別する。
【0108】
上流ノード(UE0)が、特定の下流リモートUE(図6のUE3又はUE4)のデータレートを推奨したいとき、上流ノード(UE0)は、リモートUEに関連する特定の論理チャネルP-LCIDi(例えば、図6のP-LCID1)のサイドリンク推奨ビットレートMAC CEを送ることができる。それのマッピングテーブル25のCH-LCIDj(例えば、図6のCH-LCID4’)が、直接接続されたリモートUE(UE3)に関連する場合、第1のUE(中継UEであるUE1)は、次いで、例えば、サイドリンク推奨ビットレートMAC CEを使用することによって、リモートUE(UE3)に直接送られる新しい推奨においてこの同じ推奨値を使用することになる。別法として、リモートUE(UE4)が、第1のUEに直接接続されず間接的に接続された場合、そのとき、CH-LCIDj(例えば、図6のCH-LCID4)は、非直接的に接続されたリモートUE(UE4)がそれのデータ中継進路において使用している、次の下流中継(UE2)を指すことになる。次いで、第1のUE(UE1)は、リモートUE(UE4)に向けた進路において次のホップの中継UE(UE2)に直接に、例えば、新しいサイドリンク推奨ビットレートMAC CEを使用することによって、推奨値を送ることになる。次のホップの中継UE(UE2)はまた、第1のUE(UE1)と同じアルゴリズムを適用し、したがって、最終的には、推奨は、目標とされたリモートUE(UE4)に到達する。
【0109】
前述の使用例は、それによって上流ノード(例えば、基地局(gNB)20又は親中継UE(UE0))がそれぞれのLCIDiと対応する子UEとの間の正確なマッピングを学習することができる標準機構が存在すると仮定する。これは、例えば、基地局(gNB)について達成され得る:ネットワークに加わるそれぞれの新しいリモートUEが、RRC信号伝達を使用して、基地局にそれ自体を登録する。応答して、基地局は、RRC信号伝達を使用して、基地局自体とリモートUEとの間の新しいデータ無線ベアラ(DRB)、並びに新しいリモートUEの上流であるすべての中継UEにおいて必要とされる任意の新しい論理チャネル(例えば、MAC論理チャネル及び/又はRLCチャネル)を作成し、そして、基地局はまた、すべてのこれらの中継UEにおいて必要とされるようなマッピングテーブル25構成を信号伝達する同じRRCを介して実行する。この場合、基地局が正確なマッピングをこのように学習することができるように、基地局は、構成全体を編成する。それはまた、例えば、基地局とリモートUEとの間の制御プレーン接続性がない場合に、以下のように達成され得る:ネットワークに加わるそれぞれの新しいリモートUEが、1つのホップのRRC信号伝達、リンクローカルIP通信、ProSeディスカバリメッセージ、又はその他を含み得る、D2D通信の形を使用して、それの親中継UEにそれ自体を登録する。親中継UEは、新しい論理チャネルを新しい下流子リモートUEに割り当てる。親中継UEは、基地局に直接接続されない場合、同じ又は類似のD2D通信を使用してそれの次の上流親中継UEに論理チャネル割り当てを報告する。この次の親が、順番に、報告する中継UEに向けて新しい論理チャネルを作成する。この次の親が、それの次の上流親中継に新しい論理チャネル割り当てを次々に報告する、など。基地局と直接接続した最終中継UEは、例えば、RRC信号伝達を使用して、基地局に論理チャネル識別及び構成に関する集合的な収集された情報を報告する。また、それは、コアネットワーク機能を介して新しいPDUセッションを作成するためのプロセスを開始する。次いで、コアネットワークは、基地局(gNB)20に新しいPDUセッションの作成に関する決定を送り、その決定はまた、基地局(gNB)20を介して、要求している中継UEに送られることになる。基地局は、新しいPDUセッションの中継UEの独自のLCIDを有する特定のデータ無線ベアラを割り当てることができる(1つのベアラは、ベアラプロパティに応じて、1つ又は複数のLCIDに関連する)。このように、コアネットワークは、所与の中継UEのためにアクティブなリモートUEを認識することができ、そして、基地局(gNB)20もまた、これらの中継UEを認識することができ、それぞれの関連LCIDiを知っている。
【0110】
オプションで、第1のUE(UE1)は、例えば子UEからの推奨ビットレートMAC CE又は他の手段を使用して、受信された下流UEからの複数の所望のビットレートメッセージを集める。第1のUEは、集合体の所望のビットレートを有する新しい報告メッセージが、例えば、未来の時点において、送信されることになっている、対応する上流P-LCIDiに、それがメッセージを受信したCH-LCIDjをマップすることによって、これらの値を上流に報告する。特定のトリガ条件及び/又はタイマは、上流送信の時間を管理することができる。複数のP-LCIDiに関する所望のビットレートメッセージを有する複数の報告が、単一上流メッセージに統合される。
【0111】
第1のUE(UE1)が、下流の第2のUE(UE2又はUE3)に向けたマッピングテーブル25においてマッチを発見しない場合、これは、以下のように処理され得る:
【0112】
P-LCIDiが、第1のUEの独自の通信のために使用される場合、そのとき、P-LCIDiは、集合体ビットレート推奨自体を使用する。
【0113】
又は、P-LCIDiが、既に離れた、接続を断った、例えばハンドオーバ手順により、又は反応しないリモート/中継UEに関連する場合、第1のUE(UE1)は、ある特定の時間にわたりこのP-LCIDiの推奨メッセージを無視することができる。何らかのポイントで、基地局(gNB)20は、新しい状況に気付き、チャネルはもう必要ないので、P-LCIDiの除去を要求する。或いは、第1のUE(UE1)は、直ちに又は未来の時点における上流UE(UE0)又は基地局(gNB)20へのP-LCIDiのエラーメッセージ報告(例えば、送られる未来の/次のMAC PDUに含まれる)を返すことができる。或いは、第1のUE自体が、LCIDiによって示された論理チャネル及び/又はそれに関連するデータ無線ベアラを取り除く又は非活動化するための手順をそれ自体で開始する。或いは、第1のUE自体が、リモートUEが接続を断ったからにはそれはもう必要ないので、もしあれば、P-LCIDiに関連するPDUセッションを停止するための手順を開始する。オプションで、第1のUEは、それの下流UEの1つが離れた、接続を断った(例えば、自発的に)、ハンドオーバ手順(例えば、gNBによって又は下流UE自体によって開始される)を介して別の親デバイス(例えば、別の中継UE又はgNB)にハンドオーバされた又は反応しなくなったという決定によってトリガされる、それの残りの下流リモート/中継UEのうちの1つ又は複数への新しいデータレート推奨を送る。これは、例えば、上流デバイスが次のデータレート推奨を送るまで待つ必要なしに、新しいネットワークトポロジ状況を所与として、それの残りの接続された下流デバイス(UE)により最適なやり方で上流デバイスから受信された前の推奨を第1のUEが迅速に再分配することを可能にする。
【0114】
さもなければ、P-LCIDiが完全に未知又は予期されていない場合、第1のUE(UE1)は、メッセージを無視する。これは、頻繁に起こることが予期されていないエラー状況である。
【0115】
第2のUE(UE2、UE3)は、それの親中継器として第1のUE(UE1)に接続されたままで、3GPP(登録商標)節電方法を適用する。したがって、そこに推奨/制限が配信される必要がある第2のUEが、第1のUEが推奨/制限ビットレートを送りたい時間に、利用不可能である、ということが起こる。
【0116】
第2のUEが、DRX又はeDRX又はPSMのため、利用不可能な場合、次いで、第1のUEは、推奨/制限をキャッシュし、(1)データが、第2のUE、すなわちMAC PDU、に送られることになっている、又は(2)第2のUEが、再びスリープ解除し、新しいデータ、すなわちMAC PDU、を第1のUEに送り始め、次いで、推奨/制限を送る、次の機会まで待機すべきである。ケース1では、それは、例えば、送られたMAC PDU内部にMAC CEとして、含まれる。ケース2では、それは、例えば、スリープ解除の後に第2のUEによって第1のUEに送られたMAC PDUのイベントに続いて第2のUEに送られたMAC PDUにおいてMAC CEとして、或いはデータ又はMAC PDUの受信を確認するために第1のUEによって第2のUEに送られたACKメッセージの一部として、含まれる。
【0117】
新しい推奨が、上流ノードから第1のUEによって受信される間に、第2のUEが、まだ利用不可能な場合、次いで、古いキャッシュされた推奨は、破棄され得る。
【0118】
第2のUEが、長時間にわたり利用不可能な場合、第2のUEは、離れた可能性があり、利用不可能な下流の第2のUEのケースに関して前述された対応するオプションが、提供され得る。
【0119】
図7は、様々な実施形態による第1のUE(UE1)における論理チャネル(LCID)の間の1対多のマッピングを有するネットワークアーキテクチャを概略的に示す。
【0120】
この実施形態について、図6の前の実施形態は、開始ポイントと考えることができる。ここで、差は、1対多のマッピングが、それぞれに、第1のUEとそれの親ノード(UE0)との間で使用されるP-LCIDi(例えば、図7のP-LCID1、P-LCID3、P-LCID4及びP-LCID15)と、第1のUEと第2のUE(UE2からUE6)との間で使用されるCH-LCIDj(例えば、図7のCH-LCID2、CH-LCID3、CH-LCID8、CH-LCID9、CH-LCID17、CH-LCID18、CH-LCID23及びCH-LCID29)との間で第1のUE(UE1)において実施される、ということである。
【0121】
これは、第1のUE(UE1)が、P-LCIDiを示すそれの親ノード(UE0)からのデータレート推奨を受信するとき、UE1は、潜在的に複数の対応する第2のUEと新しいデータレート推奨を送るべき論理チャネルを識別する潜在的に複数の対応するCH-LCIDjとをそれの内部マッピングテーブル25において探索することができる、ということを暗示する。
【0122】
図7の例において、上流P-LCID1から受信された単一集合体データレート推奨は、それぞれのCH-LCID8、CH-LCID17、CH-LCID23、CH-LCID2及びCH-LCID29を有する5つの下流の第2のUE(UE2、UE3、UE4、UE5及びUE6)にマップすることができる。次いで、3000kbit/sのP-LCID1の単一データレート推奨は、それぞれにUE2へのCH-LCID8の1000kbit/s、UE3へのCH-LCID17の500kbit/s、UE4へのCH-LCID23の500kbit/s、UE5へのCH-LCID2の500kbit/s及びUE6へのCH-LCID29の500kbit/sの5つの下流データレート推奨(マッピングテーブル25における「REC」)にマップする。
【0123】
一例では、これらの下流UE(UE2)のうちの第1のUE2は、後で説明されるように、第1のUEによって実行される何らかのサービスの品質(QoS)関連ポリシに基づいて、優先度を与えられる。論理チャネル(上流、下流、中継関連、非中継関連など)の任意の品質インジケータ又は複数の論理チャネルから来る複数の品質インジケータは、ポリシ実行のために第1のUE(UE1)によって使用され得る。
【0124】
UE2及びUE6は、さらなる下流UE(UE7、UE8)を有する中継器であり、したがって、潜在的に帯域幅に関するより高いニーズを有し得るので、代替ポリシは、UE2及びUE6により多くのビットレートを割り当て得る。
【0125】
別の例では、論理上流チャネルP-LCID1で受信された、又はP-LCID1を示す単一集合体データレート推奨は、2つの第2のUE、3つの論理下流チャネルCH-LCID8、CH-LCID9及びCH-LCID10を有する第1の1つ及び1つの論理下流チャネルCH-LCID16を有する第2の1つにマップし得る。
【0126】
逆に、第1のUE(UE1)が、CH-LCIDjを示す第2のUEから所望のデータレート要求を受信するとき、UE1は、新しい所望のデータレート要求をそれの親ノード(UE0)に送るときに使用するために、対応するP-LCIDiをマッピングテーブル15において探索することができ、そこで、所望のデータレート値は、第2のUEから受信された値に少なくとも部分的に基づく。
【0127】
新しい第2のUE(中継(例えば、UE2及びUE6)又はリモート(例えば、UE3からUE5)又は両方)が、第1のUE(UE1)に接続するとき、この実施形態は、第1のUEがそれの親ノード(UE0)とのワイヤレスリンク上の新しいP-LCIDiを有する追加論理チャネルを要求することになることを必要としない。新しい第2のUEの中継データトラフィックは、原則として、第1のUE(UE1)とそれの親ノード(UE0)との間の存在する論理チャネル(例えば、P-LCID1)を介して移送され得る。
【0128】
オプションで、第1のUE(UE1)は、第2のUEに下流推奨/制限値を送信し、これらの和は、上流デバイスからの受信された集合体推奨/制限値より低い。これは、例えば、第1のUE(UE1)が、利用可能な限られたバッファ空間を有する及びそれのバッファサイズを減らす必要がある場合、或いはUE1が、同じ上流P-LCIDiそれ自体のいくらかの容量を使用する必要がある場合に、有用である。代替オプションとして、ビットレートID値を実際のビットレートにマップする、テーブルが、使用される。次いで、下流に送られる推奨の和は、受信された集合体推奨値を超えてはならない。
【0129】
オプションで、その推奨が、第2のUEに送られた前の推奨/制限から大幅に外れない場合、第1のUE(UE1)は、下流推奨/制限を第2のUEにさらに送らない。
【0130】
一実施形態において、第1のUE(UE1)は、複数の下流UEの間のビットレートの公平な共用を実行する。一例として、すべての中継/リモートUE(UE2からUE8)は、上流及び下流ノードとのそれらの通信においてサイドリンク推奨ビットレートMAC CE又は別のMAC CEを使用する。
【0131】
次いで、第1のUE(UE1)は、1つ又は複数の別個の論理チャネルを介して中継関連のデータトラフィックを上流に運ぶように構成され、一方、基地局(gNB)20へ/からの第1のUE(UE1)それ自体のデータ(第1のUEによって実行される中継動作に関連しない)は、異なる論理チャネルを使用して転送される。
【0132】
第1のUE(UE1)が、それの上流ノード(UE0)からサイドリンク推奨ビットレートMAC CEを受信し、含まれたP-LCIDiが、中継関連の論理チャネルである場合、次いで、UE1は、先ず、それらのデータをこの論理チャネルを通して流すすべての関連する下流UEのセットを識別する。
【0133】
第1のUE(UE1)がこの論理チャネルP-LCIDiの推奨データレート値Vrecを受信したと仮定する。次いで、UE1は、下流CH-LCIDj(同じ又は異なる値になり得る)にLCIDのあらゆるセットメンバについてマップし、新しい推奨値Vrec_i≦Vrecを含む推奨ビットレートMAC CEをあらゆるメンバに送り、そこで、すべてのVrec_iのiにわたる和は、値Vrecを超えない。
【0134】
それにより、利用可能なデータレート推奨は、潜在的に複数の下流UEのセットにわたって分配され得る。
【0135】
前述の分配は、推奨データレートの分配を導くために各セットメンバ(すなわち、下流UE)の前に受信された所望のデータレートを使用すること(例えば、前述のような推奨データレートクエリ機構を使用すること)によって、公平に行われ得る。すなわち、セット内の別のUEの2倍のデータレートを望むセット内のUEは、他方のUEの約2倍の推奨データレートを受信することになる。
【0136】
図8は、単一論理チャネルが一群の通信デバイスの中継データを示す、1対多のチャネルマッピングを有するネットワークアーキテクチャの一例を概略的に示す。
【0137】
図8の一実施形態において、第1のUE(UE1)は、集合体推奨データレートで応答する基地局(gNB)20への集合体の所望のデータレート要求を送り、そこで、ポリシが、データレート推奨を下流UEに分配するために使用される。この実施形態は、下流UEから受信されるいくつかの所望のデータレートを収集することと、次いで基地局(gNB)20に結合された数(集合体の所望のデータレート)を送ることと、次いで、次いでポリシを使用して下流UEに分配される、基地局(gNB)20からの推奨データレート合計値(集合体データレート推奨)を受信することとを包含する。
【0138】
図8の具体例において、第1のUE(UE1)によって使用される単一論理チャネルP-LCID5は、第1のUE(UE1)のすべての下流UEで構成される一群のUEのすべての中継データを示す。これを達成するために、第1のUE(UE1)のマッピングテーブル25は、論理親チャネルP-LCID5をマッピングテーブルにおいて「A」で示された一群のすべての下流UE(UE2からUE4)にマップする。追加で、論理親チャネルP-LCID1が、第1のUE(UE1)の独自のデータ(OD:own data)のために使用される。
【0139】
さらに、親中継UE(UE0)のマッピングテーブル25は、それぞれ、論理親チャネルP-LCID25、P-LCID26及びP-LCID27を親中継UE(UE0)、子デバイスUE1の論理チャネルCH-LCID5、及び子デバイスUE1の論理チャネルCH-LCID1の独自のデータ(OD)使用にマップし、そこで、論理親チャネルP-LCID25は、親中継UE(UE0)の独自のデータ(OD)のために使用される。
【0140】
第1のUE(UE1)は、第1のUE(UE1)の同じ上流論理チャネルP-LCID5に割り当てられた複数の子UE(中継器及び/又はリモート)から受信された所望のビットレートの和くらいの、1つの集合体の所望のビットレート値上流(例えば、論理チャネルP-LCID5を示す)を送る。
【0141】
親中継UE(UE0)は、集合体の所望のビットレート値を第1のUE(UE1)から受信し、論理チャネルP-LCID26の集合体の所望のビットレートと同じ値を上流に基地局(gNB)20へと送る。
【0142】
基地局(gNB)20は、決定されたUE(UE2からUE4)が第1のUE(UE1)に直接的に又は間接的に接続されているかどうかにかかわらず、P-LCID26を示す及びどのグループのUE(図8でグループとして円で囲まれたUE2からUE4)について集合体の所望のビットレートが維持するかをそれが決定することができるメッセージに含まれたLCID情報による1つの集合体の所望の総ビットレートメッセージを受信する。
【0143】
図9は、一意の下流LCIDを有する、すなわち、1つのデータレート推奨/制限がリモートUEごとに使用される、ネットワークアーキテクチャの一例を概略的に示す。
【0144】
図9の第1のUE(UE1)によって使用されるマッピングテーブル25は、この例ではUEを示さない、ということに留意されたい。ここで、下流LCIDは一意の値であり、したがって、マッピングテーブル25は、もはやそれの識別によって子UEを示す必要はない。下流LCIDは一意なので、子UEの識別は、LCIDから直接に得られる。
【0145】
マッピングテーブル25は、論理親チャネルP-LCID1、P-LCID3、P-LCID4及びP-LCID5を子デバイスUE2の一意の論理子チャネルCH-LCID4、子デバイスUE3のCH-LCID5、及び子デバイスUE2のCH-LCID9にそれぞれマップし、そこで、論理親チャネルP-LCID5は、下流論理チャネルにまだマップされていない。
【0146】
したがって、そのチャネル上のすべてのトラフィックはその特定のリモートUEに関連していると仮定すると、基地局(gNB)20は、正しいチャネル(例えば、P-LCID3)を選ぶだけで、個々のデータレート推奨及び/又は制限を選択されたリモートUE(例えば、UE3)に送ることができる。
【0147】
図9のケースは、図6の1対1のマッピングケースの特定のサブケースである、ということに留意されたい。そこで、各中継UEは、3GPP(登録商標)仕様TS 23.287v16.2.0に記載のV2Xサイドリンクソリューションによって、子ごとのL2識別(ID)を各中継UEが知っているように、それの子UEを有するSLリンクセットアップを有し、したがって、各中継UEは、マッピングテーブル25においてL2子UE識別を使用することができる。
【0148】
一実施形態において、基地局(gNB)20は、中継ネットワークトポロジ全体(例えば、通信デバイスの前のチャネル作成、構成及び/又は委託手順及び/又は報告手順又は同類のものに基づく)を知っていると、並びに、トポロジに関連して、基地局(gNB)20は、UEによって作成及び/又は使用される異なる論理チャネル及び/又は無線ベアラの目的(例えば、データトラフィック中継目的)及びそれらの関連LCIDを知っていると仮定する。したがって、図8の例では、基地局(gNB)20は、論理チャネルCH-LCID5を示す第1のUE(UE1)に新しい推奨としてこの値が分配されることになる論理チャネルP-LCID26のUE0への集合体推奨値を送ることによって、それを知る。
【0149】
さらに、基地局(gNB)20はまた、選択されたポリシを使用して、それの下流の第2のUE(UE2及びUE3)を介して第1のUE(UE1)がこの値を分配することになることを知っており、そこで、第2のUEの中継タイプUE(UE2)はまた、それ自体(UE2)及びそれの子UE(UE4)を介して第1のUE(UE1)からの受信された集合体データレート推奨を共有する。
【0150】
データレート分配のポリシが、基地局(gNB)20によって(例えば、RRC構成メッセージを介して)管理されるケースでは、第1のUE(UE1)によって使用される正確な共用方法(ポリシ)はまた、基地局(gNB)20によって知られている。ポリシが、固定されている(別のオプション)場合、そのとき、基地局(gNB)は、固定ポリシが使用されていることを知ることになる。一般に、ポリシは、設計詳細に依存している、及び/又は1セットの構成パラメータ及び/又はルール(例えば、どのアクションが所与の条件の下でとられるべきかを定義するルール)によっても定義される。これらのセットの構成パラメータ、ポリシ及び/又はルールは、gNB、PCF(AMFを介する)、SMFなどの1つ又は複数の異なるネットワークエンティティによって提供される、及び/又はユニバーサル集積回路カード(UICC)又はアプリケーションプログラムなどの第1のUEにおいて1つ又は複数のローカルエンティティによって提供される。これらのケースのうちのいくつかにおいて、例えば、第1のUEがポリシ要素をgNBに通信する又は他のネットワークエンティティ(例えば、PCF又はSMF)がポリシ要素をgNBに通信するとき、gNBは、効果的ポリシ又はその部分を知っている。他のケースでは、例えば、アクティブポリシ要素が、gNBに通信されない及びgNBによって決定されない場合、gNBは、効果的ポリシを知らない。
【0151】
親中継UE(UE0)における論理チャネルのLCIDの間の1対1のマッピングのケースでは、基地局(gNB)20は、論理チャネルP-LCID26の親中継UE(UE0)に送られる推奨値は、第1のUE(UE1)の論理チャネルP-LCID5と等しい親中継UE(UE0)の論理チャネルCH-LCID5に等しい推奨値を有する新しい推奨として送られることになる、ということを知っている。
【0152】
スケジューラ情報に基づいて、基地局(gNB)20は、UE(UE2からUE4)のグループの総推奨データレート値(集合体データレート推奨)を決定する。
【0153】
集合体データレート推奨の総推奨データレート値は、集合体の所望のビットレートメッセージにおいて示されたのと同じ論理チャネルP-LCID26を示す推奨ビットレートMAC CE要素として親中継UE(UE0)に送り返される。
【0154】
親中継UE(UE0)は、論理チャネルCH-LCID5を示す新しいサイドリンク推奨ビットレートMAC CEを第1のUE(UE1)に送る。第1のUE(UE1)は、前述の論理チャネルLCID5によって示されたようなUEのグループ内にあるUE(UE2からUE4)の間で推奨ビットレートを分配するために、ポリシを適用する。これは、下流UE及び第1のUE(UE1)それ自体を含む。第1のUE(UE1)は、新しい推奨をUE2及びUE3(すなわち、その子)にのみ送る。次いで、UE2は、さらにその子UE4に別の新しい推奨を送る。ポリシは、グループ全体に推奨を分配するために、適用される。
【0155】
ポリシは、前述の公平な共用ポリシ又は任意の他のポリシになり得る。ポリシは、基地局(gNB)20によって又はコアネットワークにおける機能によって、構成可能である。前述の例では、論理チャネルCH-LCID5は、すべてのそれの子UE(第1のUE(UE1)のマッピングテーブル25における「A」)を示す。したがって、第1のUE(UE1)は、それぞれの子UEに、選択されたポリシによる集合体データレート推奨の総推奨データレート値の特定の割合/部分くらいの値を含む推奨データレートメッセージ(サイドリンク推奨ビットレートMAC CE又は別のMACタイプのCE)を送る。子UE2が、推奨データレートメッセージを第1のUEから受信した後、子UE2は、それが受信した総推奨データレートの特定の割合/部分をそれの子UE4に割り当てる及び残りをそれ自体に割り当てるために、ポリシを適用する。子UE2は、割り当てられたデータレートを含む推奨データレートメッセージ(例えば、サイドリンク推奨ビットレートMAC CE又は他のMAC CE)をその子UE4に送る。
【0156】
既に前述したように、中継UEは、データレート予算を下流UEにさらに分配する必要があり、リモートのみのUEはその必要がないので、ポリシの例は、リモートUEによりも中継UEにより多くのデータレートを提供することになり得る。
【0157】
本明細書に記載の実施形態は、推奨の代わりにデータレート制限を定義する、別のMAC CE要素、又は修正されたものと実施され得る。すなわち、推奨ビットレートMAC CEフォーマットは、そのようなものとして再使用することができるが、サイドリンクビットレート制限MAC CEなどの異なるタイプのMAC CE又は他のタイプとして定義され得る。MAC CE要素によって運ばれるデータレート制限は、AMBR(Aggregated Maximum Bit Rate:集合の最大ビットレート)として、例えば、論理チャネル又は論理チャネルのセットごとに、GFBR(Guaranteed Flow Bit Rate:保証フロービットレート)、MFBR(Maximum Flow Bit Rate:最大フロービットレート)、又は他のタイプとして表現される。そのようなデータレート制限はまた、そこから中継UE又はリモートUEが、対応するデータレート制限を引き出す又は調べることができる、インデックス値又は識別子値、例えば、5G QoS識別子(5QI)、PC5 QoS識別子(PQI)、QoSフロー識別子(QFI)、又は制限の事前構成されたテーブルへのインデックス値によって表現される。そのようなデータレート制限はまた、識別子値及び別のタイプの制限値、例えば、所与のPQIに関連する総ビットレート制限の何パーセントがデータレート制限として使用されるべきかを示す相対的パーセンテージ値と共にPQI値などの組合せとして表現される。
【0158】
さらに、本明細書に記載の実施形態は、データレート推奨及びデータレート制限と実施され得る。したがって、両方のタイプの情報が、別個のMAC CE要素又は結合された新しいMAC CE要素において運ばれる。
【0159】
追加で、一実施形態では、推奨及び/又は制限は、子UEが、例えば親中継UEに向けてサイドリンク接続を介して、サポートすることができる最大データレートに対する、相対値として定義される。例えば、推奨及び/又は制限は、UEによってサポートされるDL及びUL最大データレート(例えば、3GPP(登録商標)仕様TS 38.306 v16.0.0のセクション4.1.2において定義されるような)と同様に計算される。アクセスデバイス又は親中継UEは、例えば、その下流UEのサポートされる最大サイドリンクデータレートの割合又はパーセンテージのインジケータとして、エンコードされた下流UEに推奨及び/又は制限を送信する。この場合、親中継UEは、下流UEとのそれの通信リンクにより最大サイドリンクデータレート計算を行うために必要なパラメータを知っている。下流UEはまた、これらのパラメータに基づいて、それ自体の最大サイドリンクデータレートを計算し、そうして、下流UEは、受信された相対(例えば、割合/パーセンテージ)インジケータ値から絶対推奨及び/又は制限値を導出することができる。
【0160】
本明細書に記載の任意の実施形態において、構成可能なポリシが、中継UE(例えば、第1のUE)において実施され、追加ビットが、中継UEにおいて適用されるポリシを選択する(有限個のポリシから)ことができるようにMAC CE要素又は他の運搬メッセージにおいてオプションで追加される。一例では、推奨ビットレートMAC CEは、この目的のために使用され得る「予約済みの」未使用のビットのカップルを有する。別のオプションとして、ビットは、適用される下流中継UEにおけるポリシを選択するために、別の目的で使用され、そこで、選択されたポリシは、それのさらなる下流UEへの推奨ビットレートの分配に影響を及ぼす。さらなるオプションとして、ポリシは、選択された標準の仕様(例えば、3GPP(登録商標))によって事前に定義される、事前に構成される(例えば、UICCにおいて)、或いは、例えば、UEが中継UEになる瞬間に又は中継UEの動作中に、動的に構成される。例えば、ポリシは、NASプロトコルを介してUEに送られる、5G信号伝達されるQoSルールを使用して、構成される。ポリシ又はポリシのセットはまた、RRCプロトコルを使用して構成要素として、又はシステム情報ブロック(SIB)の部分として、又はPCF(AMFを介する)、gNB又はSMFなどの1つ又は複数のネットワークエンティティによって提供される1セットの構成パラメータ及び/又はルールとして、送られる。
【0161】
実施形態の修正形態において、そこから選択する1セットのポリシはまた、MAC CE要素において示された特定のLCIDに関連することが中継UEによって知られているQoSインジケータに基づいて、選択される。
【0162】
例示的ポリシは、「推奨ビットレートの90%までをすべての高優先度論理チャネルの間で公平に分配し、残りの10%を低優先度論理チャネルの間で公平に分配する」又は「推奨ビットレートの40%までをあなた自身のために使用し、残りの60%を下流UEの間で公平に分配する」ことになり得る。
【0163】
別の実施形態において、構成可能なポリシが、中継UE(例えば、第1のUE)において使用され、そこで、ビットレート推奨を上流通信デバイスから受信するときの分配ポリシのポリシ選択は、品質インジケータの値(例えば、5QI値などの5G QoSインジケータ)に基づき得る。品質インジケータ(例えば、5QI又はPQI)は、それが使用するそれぞれの論理チャネル識別(LCID)の中継UEにおいて知られている。品質インジケータの1つの具体例は、中継UEと複数のそれのリモートUEとの間のそれぞれのPC5サイドリンク接続に関連するPC5品質インジケータ(PQI)である。総推奨(上流親デバイスから中継UEによって受信されるものとしての)が下流リモートUEのすべてのデータレート要件を受け入れるのには不十分であるケースでは、そのような値は、最高優先度のPQI値を有するリモートUEが、総データレート推奨の相対的に大きなシェアを割り当てられる、ポリシを選択するために、中継UEによって一緒に使用及び比較され得る。品質インジケータの別の具体例は、中継UEによって使用されるQoSフローについて通知制御が有効にされるときにこのようにして送られる、3GPP(登録商標) TS 23.501バージョン17.0.0セクション5.7.2.4.1bにおいて定義されたようなQoSパラメータ(例えば、5QI、GFBR、MFBR)の変化をUEに知らせるために送られる中継UEへのSMFからのNAS信号伝達メッセージである。中継UEにおいて、新しい品質インジケータ値の受信は、中継UEのリンク上流の現在のQoS条件にアクティブポリシが常に最もよく合うように、異なるポリシの選択をトリガする。例示的状況及びポリシとして、GFBR値の低減は、より少ないサービスをそれの下流中継/リモートUEに提供するという代償を払って、それ自体の上流データトラフィックが、通常通りに、すなわちデータレート低減なしに、送られ得ることをよりよく保証するために、上流デバイスからの受信データレート推奨のより低い相対割合が、それの下流中継/リモートUEに伝搬されている、新しいポリシを選択するように中継UEをトリガする。SMFから中継UEへのNAS信号伝達メッセージを使用する前述の通知制御機構はまた、中継UEのために使用される代替QoSプロファイル(23.501セクション5.7.1.2aによる)が存在するケースにおいて、使用される。このケースでは、RANが、現在のQoSがこれ以上保証され得ないと決定するとき、RANは、これをSMF(次にUEに知らせることになる)に知らせることができ、同時に、RANは、RANによって満たすことができるUEの新しいQoSレベルを実現するために、定義された代替QoSパラメータを有する代替QoSプロファイルを選択する。選択された代替QoSプロファイルはまた、SMFを介してUEに信号伝達されることになる。この信号伝達メッセージに含まれる品質パラメータは、前述と正確に同じやり方で、新しいポリシの選択をトリガすることができる。何らかの時点において、RANは、中継UEが、対応する(異なる)ポリシを中継UEが選択することを再び可能にして、この事実を通知されることになる、同じ信号伝達機構を次いで使用して、最初の/最も好ましいQoSレベル、又はよりよい代替QoSレベル、を中継UEに再び提供することができる。別法として、所望のQoSが、変化する条件によりこれ以上達成不可能であり、選択された代替QoSプロファイルを使用して、これに応じてその下流デバイスのデータレート推奨を変更する場合に、中継UEが、別のQoSプロファイルを選択するために使用することができる、中継UEへの1セットの代替QoSプロファイルが、gNB、PCF/SMF又は他のコアネットワーク機能によって、プロビジョニングされる。
【0164】
さらなる一実施形態において、中継UE(例えば、第1のUE)は、上流対下流QoSマッピングを示すテーブルをプロビジョニングされる。具体的に、これは、エントリが上流5QI品質インジケータを下流論理チャネルの対応するPQI品質インジケータにマップする、及びその逆の、1つ又は複数のエントリを有するテーブルでもよい。中継UEは、次いで、このテーブルを使用して、特定の下流UEの、所望の又は達成可能な終端間QoS、又はその特性、を決定する。この情報は、分配ポリシを決定する及び/又は分配ポリシの一部として、決定された終端間QoS特性に基づいて下流推奨の特定の値を計算するために、次に使用される。
【0165】
さらに別の実施形態において、ポリシは、例えば中継UEによって供される下流中継UEになり得る、中継UEのいくつかの下流通信デバイスに基づいて中継UEによって選択される。このケースでは、中継UEは、この特定の下流中継UEが、下流通信デバイス(Ntot)の総数の相対的多数(Nr)、例えば(Nr/Ntot)>0.5、に供していると、決定する。中継UEは、次いで、それの受信データレート推奨及び/又は制限予算の特定のより大きい割合(例えば、(Nr/Ntot))をその1つの下流中継UEに割り当てることを決定する。この例にあるように、選択されるポリシの詳細は、測定されたパラメータ、受信されたシステム情報及び/又はパラメータ、或いはローカルに記憶されたポリシテンプレートなどのローカルに入手可能な情報に基づいて中継UEによってローカルに生成される。一般に、選択されるポリシはまた、例えば仕様又は実装形態によって、予め決定される、前述のようにローカルに生成される、及び/又は、例えばネットワーク機能若しくはUICCに記憶された情報によって、事前に構成される、及び/又は、例えばgNBからのRRC通信によって、動作中に動的に構成される、複数のポリシ候補から選択される。さらなる実施形態において、ポリシは、下流通信デバイスのタイプに基づいて中継UEによって選択される。これは、通信リンクを介して中継UEに直接接続された下流デバイス(すなわち、子デバイス)でもよく、或いは、それは、さらに下流にあり、したがって、中継UEに直接接続されていない下流デバイスでもよい。選択されるポリシに通常は影響を及ぼすデバイスタイプの一例は、中継UEデバイスタイプ又はリモートUEデバイスタイプの区別である。(後者は、そのとき、リモートUEとして機能している間に同時に中継UEとして機能していない。)中継UEの1つの有利なポリシは、そのとき、タイプ中継UEであるそれらの子下流デバイスにそれの受信データレート推奨及び/又は制限の相対的に大きい割合を割り当てることである。これらのデバイスは、さらに他の下流中継UE又はリモートUEに供している可能性が高いので、リモートUEタイプデバイスは、それを行っていない。したがって、中継UEタイプデバイスは、それらの下流デバイスによりよく供するために、利用可能な総データレートの相対的により高い割り当てを必要とする可能性がより高い。この手法のさらなる改良は、「他の中継UEに供する中継UE」、「リモートUEのみに供する中継UE」、「現在はリモートUEに供していない中継UE」、及び「リモートUE」の間で分類することである。このリスト内の前述のデバイスタイプは、次いで、リストにおいて後から述べられたデバイスタイプよりも相対的により高い比率の利用可能なデータレート推奨予算を通常は割り当てられる。他のデバイスタイプ分類もまた、例えば、NRベースの無線デバイス、LTEベースの無線デバイス、NR RedCap(Reduced Capability:低減された能力)無線デバイス、NB-IoT/LTE-Mデバイス、Wi-Fi無線デバイスなどの無線アクセス技術に基づくデバイスタイプを定義して、行われ得る。或いは、現在のデバイスアクティビティに基づいて、「ビデオストリーミングデバイス」、「オーディオストリーミングデバイス」、「非ストリーミングデバイス」などのデバイスタイプを区別して、行われ得る。また、多様なこれらのデバイスタイプ分類は、デバイスタイプに基づいてポリシ選択を実施するとき、結合され得る。別法として又は追加で、中継UEは、リモートUE又はgNB又はコアネットワーク機能又は上流若しくは下流UEからの情報、移送されること及びこれを使用してポリシを選択すること及び/又は1つ又は複数の下流デバイスのデータレート推奨を決定すること及び/又は1つ又は複数の上流デバイスのデータレート推奨クエリを決定することが期待されたデータのタイプ(例えば、損失のないストリーミングデータ、損失のあるストリーミングデータ、音声通話関連データ、ビデオ通話関連データ、AR/VR関連データ、バルクデータ、遅延センシティブデータ、遅延センシティブでないデータ、I/Oデータなど)、を受信する。
【0166】
さらなる一実施形態において、ポリシは、ネットワークスライス識別子に基づいて、中継UEによって、選択される。このスライス識別子は、中継UEがすべてのそれの上流通信について現在接続されている、5Gネットワークスライスを識別することができる。或いは、そのスライス識別子は、下流通信デバイス(UE)が現在接続された(5G)ネットワークスライスを識別することができる。選択のこのやり方の代表的な有利な使用の一例として、中継UEは、それの子中継UEのうちの1つが、高優先度公共サービスのために予約された特別なネットワークスライスにおいて動作しており、その一方で、他の下流UEは、デフォルト優先度を有するネットワークスライスにおいて動作している、と決定する(それ自体で又はRANの助けを得て)。この(高い)優先度に基づいて、データレート推奨及び/又は制限の相対的に高い割合が、高優先度ネットワークスライスに供する中継UEに割り当てられ得る。場合により、より低優先度の下流UEは、さらに、高優先度ネットワークスライスデバイスに可能な限り多くの容量を残すために、データレート推奨及び/又は制限としてゼロを送られ得る。別の例として、中継UEが、特定の状況(例えば、1つのスライスが特定の地理的領域においてのみ提供される又は特定の基地局が到達可能なとき)に基づいて、異なる時間に異なるスライス(例えば、それが接続する2つの全スライスのうちの1つのスライス)につながれる場合、それが接続された中継UEの現在のネットワークスライスのネットワークスライス識別子が、ポリシを選択するために使用される。異なる優先度/QoS要件/目的を有する異なるネットワークを構成する、それぞれのスライスは、中継がデータレート推奨及び/又は制限をそれの下流デバイスにどのように割り当てるかに関してそれの特定のルールを課すことを望むことがある。接続された現在のネットワークスライスのスライス識別子を使用することは、その要求に合わせたポリシを必要として、例えば、リモートUEに供する特定のネットワークスライスがより重要又は重要でないと考えられるかに応じて、スライスの運用及び性能目標を満たすための正しいポリシ又はポリシのセットを中継UEが選択することを可能にする。
【0167】
任意の他の実施形態と結合される又は独立して実施される、さらに別の実施形態において、中継UEは、反射型QoS(TS 23.501において定義されるような)をサポートする。中継UEは、初期登録中に又はPDUセッションセットアップ中に(例えば、1つ又は複数の下流UEの中継通信のために使用されることになるPDUセッションのセットアップ中に)又はNASメッセージをAMF/SMF又は他のコアネットワークファンクションに送ることによって、反射型QoSをサポートするそれの能力を送る。反射型QoSが、トリガされて1つ又は複数のQoSフローのために使用される(例えば、SMFによって)場合、NG-RAN及びUPFは、中継UEにそれぞれのQoSフロー(確立されたPDUセッション内)を介してそれぞれの下流メッセージにQoSフロー識別子(QFI)を含めるために知らされる。この実施形態では、中継UEは、対応するPC5 QoSフローを決定するためのみならず、有利にはデータ推奨ポリシを選択して1つ又は複数の下流UEのデータ推奨を適用及び/又は変更する及び/又は1つ又は複数の下流UEに新しいデータレート推奨メッセージを送るために、メッセージNG-RANを介して受信されるメッセージにおいて、受信されたQFIを使用する。現在の3GPP(登録商標)仕様書のように、中継UEのそれぞれの下流メッセージにおけるNG-RANの反射型QoS構成及びUPF及びQFIは、反射型QoSが使用されるときにのみ適用される。しかしながら、NG-RANから中継UEへのそれぞれの下流メッセージにQFIを常に含むことは、有益である。残念ながら、これは、上流メッセージの中継UE(SMFによって事前に構成される)においてQoSフロー構成及びフィルタを更新するために反射型QoSを適用すべき時に混乱を生じさせ、反射型QoS又は事前に構成されたQoS構成が中継UEによって使用されることになるか否かに関するNG-RAN及び/又はSMF/UPF及び/又は他のコアネットワーク機能における混乱も生じさせる。したがって、中継UEによって適用されている反射型QoSと非反射型QoSとを区別するために、この実施形態では、SMFは、例えば、QoSフローにつき、反射型QoSが適用される必要があるか否かのUEへのメッセージを送る(例えば、NASを介して)、及び/又は、SMFは、UEが反射型QoSのサポートを示した場合でも、反射型QoSタイマ値/構成をUEに送るのを省略する。反射型QoSタイマ情報が、UEによって受信された場合、次いで、QFI値を含むNG-RANを介するメッセージを受信したとき、任意の新しいQoSフロー構成又はフィルタを導出しないことになる及び/又は任意の(事前)構成されたQoSフロー構成、フィルタ又はQoSマッピングを更新しないことになる及び/又は任意のデフォルトタイマを適用しないことになる及び/又はタイマをリセットしないことになる。
【0168】
前述のように、データレート推奨及び/又は制限情報をエンコードするための様々な他の手段が、使用され得る。
【0169】
例としては、推奨値に加えて制限(例えば、最大)値を結合するMAC CE要素、或いは整数カテゴリ又はクラス番号の代わりにビットレート値(例えば、kbit/sec)を示す整数を含むMAC CE要素がある。さらに、前述したように、データレート情報を中継UE(例えば、第1のUE)又はリモートUEに送る様々な手段が、使用され得る。例としては、MAC CE、PDCPプロトコル(基地局(gNB)から中継UE又はシングルホップまでの、例えば、中継UEからリモートUEまでの、終端間、或いはシングルホップ、例えば、中継UEから中継UEまでの、になり得る)、RRCプロトコル(例えば、新しく定義された構成要素内部で、基地局(gNB)から中継UE又はシングルホップまでの(例えば、中継UEからリモートUEまでの又は中継UEから中継UEまでの))がある。
【0170】
非中継UEについて、従来の手順(推奨ビットレートMAC CEクエリ手順などの)が、(集合体の)所望のデータレート要求をいつ送るかを決定するために使用され得る。それはまた、送るべき時に、処理系依存になり得る。
【0171】
所望のデータレート要求情報を有する上流メッセージをいつ送るべきかの中継UE(例えば、第1のUE)に関する例としては、以下があり得る:
1.少なくともN(構成可能なN)個のデータレートメッセージが下流UEから受信されるとすぐにデータレート情報を有する上流メッセージを送る。
2.タイマ終了に基づいて、そこで、タイマは、下流UEから受信されたメッセージに応答して、開始され得る(既に実行していない場合)。
3.下流UEから受信されたメッセージの組合せが、前の(例えば、最後の)報告された値と比較して、所望のアップリンク/ダウンリンクデータレートの有意な変更につながるとき。
4.下流データパケット内の利用可能な空間と前述のオプションのうちの1つ又は複数を結合するルールに基づいて。
【0172】
1つ又は複数の下流ノードへの上流ノード(UE又は基地局(gNB))から受信された推奨をいつ送るべきかの中継UE(例えば、第1のUE)に関する例としては、以下があり得る:
1.上流ノードから推奨を受信した直後、
2.タイマ終了に基づいて、又は
3.下流データパケット内の利用可能な空間と前述のオプションのうちの1つ又は複数を結合するルールに基づいて。
【0173】
複数のUEについて、複数のデータレートクエリの結合された報告、或いはデータレート推奨、又は制限、又は制限及び推奨の結合された報告のために定義された特定のフォーマットが存在する。
【0174】
一例としては、3GPP(登録商標)仕様TS 38.321 v15.5.0において定義されているように、存在する推奨ビットレートMAC CEを使用することがある。複数のこれらが、必要に応じて、単一MAC PDUで送られ得、又は複数が、複数のMAC PDUに分散されて送られ得る。
【0175】
別法として、メッセージは、タプルのリストで構成され得る:
{LCID_i,UL/DL or upstream/downstream or UL/DL/SL_i,Data Rate recommendation_i}
【0176】
或いは、メッセージは、タプルのリストで構成され得る:
{UE-ID_k,LCID_i,UL/DL_i,Data Rate recommendation_i}
ここで、UE-IDは、RAN内の特定のリモート/中継UEの又はメッセージの送信者の特定のリモート/中継UE下流の短い識別子である、(これは、原則として、IDがより短くエンコードされることを可能にする)。
【0177】
或いは、メッセージは、タプルのリストで構成され得る:
{LCID_i,UL/DL_i,Data Rate recommendation_i,Data Rate limit_i}
【0178】
前述のフォーマット例は、MAC CEにおいてラップされ得る、又は前述のその他のプロトコルのうちの1つを介して移送され得る。
【0179】
一実施形態において、基地局(gNB)は、中継UE又はリモートUEがそれの現在のものの最上部に追加の上流中継UEを必要とすると、受信された報告に基づいて、決定し得る。そうでないなら、1つ又は複数の決定的データストリームの所望のデータレート(例えば、高優先度、リアルタイム、又は低レイテンシデータ)は、満たすことはできない。この必要性を満たすために、基地局(gNB)は、追加の親中継UEを獲得するように又はより多くの帯域幅(すなわち、データレート)を提供することができる新しい親中継UEによる置換を開始するように特定の中継UE又はリモートUEに指示する。
【0180】
1つのセットの実施形態において、基地局(gNB)及びそれのスケジューラは、UE(例えば、UE2、そこで、UE1は、UE2と等しくても等しくなくてもよい)に関する別の論理チャネル(LCID2)の(集合体の)所望のデータレートに関する新しい情報を受信することによってトリガされて、基地局(gNB)に直接接続された少なくとも1つの特定のUE(例えば、UE1)の1つの論理チャネル(LCID1)の推奨データレートを制御する及び/又はそれに影響を及ぼす。基地局(gNB)又はそれのスケジューラは、例えば、LCID2のUE2が、そこでより多くのデータレートが望ましいことを示す場合には、LCID1のためにより少ない資源を、そしてLCID2のためにより多くの資源をスケジュールし、逆の場合も同様に、又は、LCID2のUE2が、より少ないデータレートが必要とされる/望ましいことを示す場合には、LCID1のためにより多くの資源を、そしてLCID2のためにより少ない資源をスケジュールする。
【0181】
関連実施形態は、LCID2のUE2が、そこでより多くのデータレートが望ましいことを示す場合には、LCID1に関して前のより低い推奨データレートを送ることであり、そして逆の場合も同様に、又は、LCID2のUE2が、より少ないデータレートが必要とされる/望ましいことを示す場合には、LCID1に関して前より高い推奨データレートを送ることである。
【0182】
前述の例では、前述のケースでは、それぞれにより少ない/より多い資源がLCID1のために利用可能なので、送られる推奨は、それぞれにより低い/より高い。
【0183】
さらなる一実施形態において、中継UE(例えば、第1のUE)は、それのバッファが閾値より上を満たすときには下流UEへのデータレート推奨を減らす、又はそれのバッファ状況に基づいて下流UEにそれのデータレート推奨を適合させる。
【0184】
例えば、合計したバッファ済みデータサイズ(基地局(gNB)に向けた上流の保留中データ)が、指定の閾値を超える場合、中継UEは、下流UEへの推奨データレートを減らすポリシを開始する。或いは、推奨データレートの低減は、特定の上流LCIDの上流データバッファの状況に応じて、1つ又は複数のLCIDに特有になり得る。中継UEの合計したバッファサイズが、指定の閾値未満に再び減ったとき、中継UEは、推奨の低減なしにそれの最初のポリシを再び適用し始める。
【0185】
前述のいくつかの実施形態において、データレート推奨は、基地局(gNB)によって最初に作成されて、次いで、1つ又は複数の中継UEに送られた。このようにして、データレート推奨は、基地局(gNB)によって開始されたセルラネットワークのローカル部分に「トリクルダウン」する。
【0186】
しかしながら、データレート推奨及び/又は制限の他の開始機構(例えば、RRC又はSDAP又はPDCP)が、使用され得る。
【0187】
コアネットワークからの、すなわち、そのような情報を運ぶコアネットワーク内の任意の機能からもたらされる、他のタイプの制御メッセージもまた存在し得る。そのような他のメッセージは、例えば、UEによって固守されるべきアップリンクのスライス特有のデータ制限、又はUEが従うべき推奨を伝えるために使用される。
【0188】
1つ又は複数の下流UEに送られる推奨及び/又は制限制御メッセージは、受信されたデータレート推奨/制限情報に基づき、推奨/制限を受信するために使用されるものとは別のプロトコルを使用して、送られる。
【0189】
例えば、推奨ビットレートMAC CE又はサイドリンク推奨ビットレートMAC CEは、拡張されたSDAPプロトコルメッセージを介して送られた制限に基づいて、中継UE(例えば、第1のUE)によって子UEに推奨データレート値を送るために使用され得る。この場合、推奨は、制限値に基づいて送られる。下流UEは、最も多くの基地局機能及び/又はコアネットワーク機能へのアクセスを有さないOoCでもよく、例えば、下流UEは、基地局への/からの制御プレーンメッセージングを使用すること又はコアネットワークとPDUセッションを確立することができない可能性があった。このデータレート推奨ソリューションで、OoC UEは、中継UEを介して間接的にデータレート推奨をさらに受信し、それらの上流データに推奨を適用することができる。
【0190】
別法として、中継UE(例えば、第1のUE)は、前述のデータレート制限情報に基づいて、例えば、新しく定義されるサイドリンクビットレート制限MAC CE又は類似のものを使用して、下流UEに制限値を送る。
【0191】
データレート制限/推奨を下流UEに潜在的に送るためのさらなる手段は、サイドリンク(SL)、すなわち、PC5インターフェース、を介するRRCプロトコルを介する。
【0192】
UE対ネットワーク(U2N)中継の少なくとも層2(L2)又は層3(L3)シングルホップ中継アーキテクチャにおいて使用される一実施形態について、次に説明する。その実施形態は、サイドリンク推奨ビットレートMAC制御要素を表す「SL-RBR」と呼ばれる新しいサイドリンク(SL-SCH)MAC CEを定義する。SL-RBRが、範囲20~61内の新しい6ビットの論理チャネル(LCID)値、例えば61、を割り当てられる。SL-RBRは、2つのオクテットの固定サイズを有する。SL-RBRは、以下のフィールドのうちの1つ又は複数を含む:
・Q:「クエリ」(1ビット):このSL-RBRがビットレート推奨(Q=0)をエンコードするかどうか又はこのSL-RBRがビットレート推奨のクエリ(Q=1)であるかどうかを示す。以下では、「SL-RBR」という名は、Q=0を有するSL-RBRを示し、「SL-RBR-Q」は、Q=1セットを有するSL-RBRを示す。
・LCID(6ビット):ビットレートが推奨される、又は推奨クエリが、Q=0及びQ=1のそれぞれの場合について、行われる、論理チャネル識別を示す。
・UL/DL(1ビット):このSL-RBR/SL-RBR-Qが上流(1)データフロー方向に適用されるか又は下流(0)データフロー方向に適用されるかを示す。
・ビットレート(6ビット):それぞれに推奨(Q=0)又は要求(Q=1)のビットレート値をエンコードする、TS 38.321 v16.3.0のテーブル6.1.3.20-1へのインデックス。「要求」値は、ビットレートのUEの優先、すなわち、要求されたレート、と見ることができる。
・X(1ビット):適用可能な(1)又は適用不可能な(0)ビットレート乗数。乗数は、適用可能な場合、同じ増倍率を使用して、TS 38.321 v16.3.0セクション6.1.3.20に記載されたのと類似の手段でビットレート値に適用される。この倍数は、中継UE及びリモートUEを含むUEにRRCを介して送られるオプションのパラメータbitRateMultiplier-r16を使用して、gNBによって構成される。代替として、サイドリンク通信のための別個の乗数を指定する、新しいパラメータbitRateMultiplierSLが、定義される。
・R(1ビット):0にセットされた、予約済みビット。
【0193】
リモートUEトラフィックは、中継UEとgNBとの間の少なくとも1つの特定の論理チャネルによって、中継される。そのようなチャネルは、ここでは、リモートUEの「プロキシLCID」と呼ばれる。そのようなプロキシLCIDは、Uuインターフェースで使用され、その一方で、PC5を介してリモートUEによって直接使用されるLCIDは、異なる論理チャネルであり、したがって、異なる論理チャネル識別子(LCID)を有する。1つのプロキシLCIDは、例えば、中継UEによって又はgNBによって(例えば、適合層の一部として)構築されるPC5を介して使用されるLCIDへのUuを介して使用されるLCIDのマッピング(逆もしかり)に応じて、又は例えばgNBによって送られる構成に、若しくはこの場合には論理チャネル選択の3GPP(登録商標)標準において定義された特定のルールに応じて、1つの、又は複数の、リモートUEに供し得る。オプションで、プロキシLCIDはまた、gNBへの/からのそれ自体のデータトラフィックの移送のために中継UE自体に供する。L2中継アーキテクチャの場合には、新しいリモートUE又は中継UEの受け入れ並びにリモートUEとgNBとの間のRAN L2終端間接続のその後のセットアップのためにリモートUE、中継UE、及びgNBの間に定義された手順が存在する。L3中継アーキテクチャの場合には、新しいリモートUE又は中継UEの受け入れ並びに中継UEとgNBとの間の接続、及び/又は中継UEとリモートUEとの間の接続のその後のセットアップのためにも定義された手順が存在する。前述のセットアップ手順は、特定のリモートUEのための、又は特定のリモートUEに関連する特定のサイドリンクLCIDのためのプロキシLCIDとして、特定のLCIDを割り当てるために使用される。
【0194】
1つ又は複数のリモートUEに供する中継UEは、プロキシLCID(すなわち、Uuに関して使用される論理チャネルのID)のgNBからの推奨ビットレートMAC CEのダウンリンク受信、又はリモートUEからのSL-RBR-Qの受信などの特定のイベントによってトリガされて、それのリモートUEのうちの1つ又は複数に送られ得る。トリガがgNBからの推奨ビットレートMAC CEのDL受信である場合に、供されるリモートUEのうちのどれが新しいSL-RBRを受信するのに適格であるかは、gNBからのその受信されたMAC CEに含まれた特定のプロキシLCID値に関連するリモートUEのセットによって決定される。同様に、クエリのために、中継UEは、タイマ終了又はそれのリモートUEのうちの1つ又は複数からのSL-RBR-Qの受信などの特定のイベントによってトリガされて、それのgNBにアップリンクで推奨ビットレートクエリMAC CE(プロキシLCIDを示す)を送ることができる。中継UEによってgNBに送られたこのMAC CEに含むべきLCD値は、特定のトリガ条件によって決定される。例えば、トリガが、タイマに基づく場合、LCID値は、トリガされたタイマがそのために作成された論理チャネルによって、決定される。又は、例えば、トリガが、1つの特定のリモートUEからのSL-RBR-Qの受信だった場合、そのとき、LCID値は、通常は、その特定のリモートUEに関連するプロキシLCIDと等しいものとして決定される。
【0195】
中継UEは、受信された推奨ビットレートを1セットの1つ又は複数の下流リモートUEに分配するためのいくつかのポリシのうちの1つを使用し得る。gNBからの受信された推奨ビットレートメッセージは、ポリシを実行する及び/又は特定の記憶されたポリシを選択するための入力パラメータとして中継UEによって使用される、LCIDフィールドを含む。ポリシは、本明細書に記載のように、中継UEにおいて固定される、又は予め構成される、又は、例えば、中継UEにRRCプロトコルを介して送られたデータ、を使用して、例えばgNBによって、動的に構成される。本実施形態及びそれの変形形態の代表的な有利なポリシは:
1.公平な分配-中継UEは、同じプロキシLCIDに関連するN個のリモートUEにわたって均等にビットレートを分けることができる(ここで、Nは1でもよい)。この場合、gNBは、例えばNによって割り切れる及びそれによりSL-RBRにおける正確な分割結果値のエンコードを可能にするレート値を望ましくは推奨する。
2.要求されたビットレートに比例する分配-中継UEは、N個の適用可能なリモートUEのそれぞれの要求ビットレートにおおよそ比例してビットレートを分けることができる。適用されたUEのセットは、通常は、同じプロキシLCID値を共用するすべてのリモートUEである。適用可能なUEが、SL-RBR-Qを使用してビットレートを(まだ)要求しなかった場合、中継は、それが合計したレート推奨の割合(1/N)を必要とすると、又はそれが明示的要求を行うまでそれは何も要求しない(0)と決定することができる。この決定アルゴリズムは、gNBによって構成可能、又は中継UEにおけるデフォルトアルゴリズムである、或いは状況パラメータ(例えば、供されるリモートUEの数、データロードなど)に依存している。
3.ストリーミングデータプロデューサ及び/又はコンシューマのみへの分配-中継UEは、SL-RBRを使用してデータレート推奨を過去に要求した特定のプロキシLCIDのリモートUEのサブセットの記録をつけることができる。Nメンバのこのサブセット(Nは1でもよい)のみが、前述のポリシ1によるデータレート推奨のさらなる分配のために使用される。
4.履歴ビットレートの使用-前述のポリシ2と同様に、しかし、推奨が固定割合を使用していることを要求しなかったリモートUEを仮定しないで、このポリシは、そのリモートUE中継UEによって観測された実際の履歴データレートを使用する。これは、そのリモートUEの優先は、過去にそれが行ったようなデータストリーミングを継続することであると仮定する。
【0196】
5.知られている品質インジケータに比例する分配-中継UEは、それぞれの下流リモートUEを品質インジケータ、例えば、PQIなどのQoS値、にマップするテーブルを記憶する。中継UEは、望ましくは、それぞれの下流リモートUEが、品質インジケータに従ったビットレート推奨を少なくとも受信する、すなわち、それが、それぞれのリモートUEがそれのQoS要件を満たすことを可能にする、ように、集合体ビットレート推奨を分ける。別法として又は追加で、中継UEは、それらの品質インジケータによって決定されるものとしてのより厳しいQoS要件、より厳しい意味、例えば、TS 23.287によって定義されたようなより低いデフォルト優先レベルを有するPQI、又はTS 23.287によって定義されたようなより低い最大パケットエラーレートを有するPQI、又はより高い帯域幅要件を有するそれらのリモートUEに集合体ビットレート推奨のより大きなシェアを割り当てる。
6.現在の中継負荷に適合した分配-このポリシ態様は、その他のポリシのうちの1つと結合され得る。この場合、中継UEは、現在の中継負荷の指示、すなわち、例えば、ユーザデータ送信、ユーザデータ受信、データ中継動作、計算、感知動作を含む、それの機能により中継UEの資源に関する負荷を説明する、1つ又は複数の変数を使用する内部で計算された指示、に基づいて、1つ又は複数のリモートUEへの計算される推奨値を下げる。負荷インジケータの例としては、デバイス温度、メモリ使用量、電池エネルギ消費、中継動作のメモリバッファ使用量、CPU負荷パーセンテージ、サイドリンク資源プールにおける資源利用性パーセンテージなどがある。通常は、中継UEは、この負荷指示がより高いとき、そのような負荷インジケータを使用して下流推奨ビットレートの計算値をより低くする。これは、中継UEがそれ自体の資源要件及び制限に対してそれのリモートUEに向けたそれのサービスの平衡を保つことを可能にする。
7.リモートUEリンク品質への適合-このポリシ態様は、その他のポリシのうちの1つと結合され得る。中継UEは、特定のリモートUEに向けたリンク品質又はリンクの類似のインジケータに基づいて、計算されるビットレート推奨値を適合させることになる。例えば、中継UEは、リモートUEへの特定のリンクが低品質を有し、したがって、そのリモートUEへの又はからの実効ビットレートは、ある特定の決定された閾値値を超えることはできないと決定する。次いで、中継UEは、ポリシにより計算された推奨値を減らすことを決定し、低減された値をリモートUEに送る。
【0197】
中継UEは、gNBに送られる含まれた要求値を有する単一アップリンク推奨ビットレートクエリMAC CEに複数の受信されたビットレート推奨クエリ(Q=1を有するSL-RBR)を統合するためのいくつかのポリシのうちの1つ又は複数を使用し得る。このポリシは、本明細書に記載のように、中継UEにおいて固定される、又は予め構成される、又はRRCプロトコルを介して中継UEに送られるデータを使用するgNBによって動的に構成される。本実施形態の代表的な有利なポリシは:
1.要求されたビットレートの合計-中継UEは、同じプロキシLCIDに関連するリモートUEから受信された任意のUL/DLビット=0要求を合計し、UL/DLビット=0アップリンクを有する1つの推奨ビットレートクエリとしての近似合計をgNBに送る、並びに、任意のUL/DL=1要求を合計し、UL/DL=1を有するgNBへの1つの推奨ビットレートクエリアップリンクとしての近似合計を送ることになる。正確な合計が、ビットレートフィールドの6ビットを使用して、許可されたビットレート値のうちの1つとしてエンコードされ得ない場合、そのとき、ビットレートの2番目に高い数が、中継UEによって選択される。
2.要求された及び履歴のビットレートの合計-中継UEは、前述のポリシ1のように要求を合計することになるが、追加で、中継UEは、SL-RBR-Qをまだ送らなかった又は最近それを送らなかった1つ又は複数のリモートUEの履歴で観測された実際のデータレートを使用する。これらの履歴レートは、その合計に追加される。これは、SL-RBR要求を(最近)送らなかったそれらのリモートUEの優先は、それらが過去に行ったようなデータストリーミングを継続することである、と仮定する。
3.現在の中継負荷への適合-このポリシ態様は、その他のポリシのうちの1つ又は複数と結合され得る。この場合、中継UEは、現在の中継負荷の指示、すなわち、例えば、ユーザデータ送信、ユーザデータ受信、データ中継動作、計算、感知動作を含む、それの機能による中継UEの資源への負荷を説明する、1つ又は複数の変数を使用する内部で計算された指示、に基づいて、計算される要求値を下げることになる。負荷インジケータの例には、デバイス温度、メモリ使用量、電池エネルギ消費、中継動作のメモリバッファ使用量、CPU負荷パーセンテージ、サイドリンク資源プールにおける資源利用パーセンテージなどがある。通常は、中継UEは、この負荷指示がより高いときに、上流推奨ビットレートクエリの計算される要求値をより大きく減らすために、そのような負荷インジケータを使用する。これは、中継UEがそれ自体の資源要件及び制限に対するそれのリモートUEに向けたそれのサービスの平衡を保つことを可能にする。
4.リモートUEリンク品質への適合-このポリシ態様は、その他のポリシのうちの1つ又は複数と結合され得る。中継UEは、特定のリモートUEに向けたリンクのリンク品質又は類似のインジケータに基づいて、計算される要求値を適合させることになる。例えば、中継UEは、リモートUEへの特定のリンクが、低品質を有しており、したがって、そのリモートUEへの又はからの実効ビットレートは、ある特定の決定された閾値値を超えることができない、と決定する。そのリモートUEが、この閾値より高いビットレートを要求する場合、中継UEは、この値を減らすことを決定し、次いで、この低減された値を使用するポリシを適用することができる。これは、ケース3と類似しているが、ここでは、低減は、他の理由で行われ、異なって計算される。
【0198】
送信されるSL-RBRの量を制限するために、UEは、TS 38.321における存在するタイマbitRateQueryProhibitTimerに類似のタイマbitRateQuerySlProhibitTimerを使用して、SL-RBRが送られ得るレートを抑制する。
【0199】
中継UEが、特定のリモートUEへのSL-RBRの送信機会を有さない場合、中継UEは、次の送信機会が生じるまで、メモリにそのリモートUEに送られることになっている最新のSL-RBRを保持する。或いは別法として、中継UEは、次の送信機会が開始する直前に送るためのSL-RBRの最適な値を計算する。この実施形態の第1の変形形態において、フィールドQは、SL-RBR及びSL-RBR-Q内に存在せず、そうではなくて、2つの異なるLCID値が、それぞれにL-RBR及びSL-RBR-Qのために割り当てられる。例えば、SL-RBRの値61及びSL-RBR-Qの値60。これは、次いで他の目的で使用される、MAC CEにおけるペイロードの1ビットを節約する利点を有する。
【0200】
UE対ネットワーク(U2N)中継の層2(L2)シングルホップ中継アーキテクチャにおいて少なくとも使用され得る代替実施形態について、次に説明する。そのような代替実施形態は、前の実施形態と全く同様のSL-RBRと、加えて、中継MAC制御要素の推奨ビットレートを表す「RBR-R」もまた定義する。RBR-Rは、新しいDL-SCH論理チャネル(LCID又はeLCID)値、例えば46又は308を割り当てられる。それはまた、中継クエリMAC制御要素の推奨ビットレートを示すための「RBR-R-Q」を定義する。RBR-R-Qは、新しいUL-SCH論理チャネル(LCID又はeLCID)値、例えば44又は249、を割り当てられる。RBR-R/RBR-Qは、4つのオクテットの固定サイズを有する。それは、以下のフィールドのうちの1つ又は複数を含む:
・リモートID(16ビット):L2識別子(その一部)としてエンコードされた、リモートUEの識別。これは、(RBR-R-Qの場合)中継UEに関するビットレート推奨について問い合わせた又は(RBR-Rの場合)中継UEによってビットレート推奨を提供されることになっているリモートUEの識別をエンコードする。
・SL-LCID(6ビット):ビットレートがRBR-Rにおいて推奨される、又は推奨クエリがRBR-R-Qについて行われる、リモートIDの識別されたリモートUEに関連するSL論理チャネル識別を示す。オプションで、このフィールドは、さらなる代替実施形態において除外され得、この場合、RBR-R/RBR-R-Qは、中継UEとリモートID識別されたリモートUEとの間で使用されるすべての(アクティブな)SL LCIDに関連する。
・UL/DL(1ビット):このRBR-R/RBR-R-Qが上流(1)データフロー方向に適用されるか下流(0)データフロー方向に適用されるかを示す。
・ビットレート(6ビット):それぞれに推奨(Q=0)又は要求(Q=1)のビットレート値をエンコードする、TS 38.321 v16.3.0のテーブル6.1.3.20-1へのインデックス。「要求」値は、ビットレートに関するUEの優先、すなわち、要求されたレート、と考えることができる。
・X(1ビット):適用可能な(1)又は適用不可能な(0)ビットレート乗数。乗数は、適用可能な場合、同じ増倍率を使用してTS 38.321 v16.3.0セクション6.1.3.20に記載されたのと類似の手段でビットレート値に適用される。この倍数は、中継UE及びリモートUEを含むUEにRRCを介して送られるオプションのパラメータbitRateMultiplier-r16を使用して、gNBによって構成される。代替として、サイドリンク通信の別個の乗数を指定する、新しいパラbitRateMultiplierSLが、定義される。
・R(2ビット):予約済みビット、0に設定される。オプションで、予約済みビットは、2つのリモートUEの短い16ビットのリモートID識別が他の方法で衝突する場合に有用である、より大きいリモートIDアドレスが含まれていることを示すリモートID拡張ビットとして使用される。
【0201】
L2中継アーキテクチャの場合、新しいリモートUEの受け入れ及びリモートUEとgNBとの間のRAN L2終端間接続のセットアップのためのリモートUE、中継UE、及びgNBの間の手順が存在する。同様に、L3中継アーキテクチャについて、新しい中継UE又はリモートUEの受け入れのための、又はUuを介する中継UEとgNBとの間の接続のセットアップのための、又はPC5を介する中継UEとリモートUEとの間の接続のセットアップのための手順が存在する。そのような手順はまた、前の実施形態において説明したように「プロキシLCID」をセットアップする。1つ又は複数のリモートUEに供する中継UEは、gNBからのRBR-R MAC CEのダウンリンク受信、又はリモートUEからのSL-RBR-Qの受信などの特定のイベントによってトリガされて、SL-RBRをそれのリモートUEのうちの1つ又は複数に送ることができる。トリガがgNBからのRBR-R MAC CEのDL受信である場合に、供されているリモートUEのうちのどれが新しいSL-RBRを受信すべきかは、多くの場合、その受信されたMAC CEにおいて示されたリモートID値によって、決定される。同様に、クエリについて、中継UEは、タイマ終了、或いはそれのリモートUEのうちの1つ又は複数からのSL-RBR-Qの受信などの特定のイベントによってトリガされて、それのgNBにアップリンクにおいてRBR-R-QMAC CE(リモートIDフィールド内のリモートUEIDを示す)を送ることができる。gNBに送られるこのMAC CEに含むSL-LCID値(適用可能な場合)及びリモートID値が、リモートUEの識別、及び (適用可能な場合)そのリモートUEのどのサイドリンクLCIDについてクエリがgNBに行われるべきかに基づいて、決定される。通常は、リモートIDは、トリガするSL-RBR-Qを中継UEに送った同じリモートUEを識別し、そして、SL-LCIDフィールド(適用可能な場合)は、そのトリガするSL-RBR-Qに示されたサイドリンクLCIDを識別する。
【0202】
中継UEは、受信された推奨ビットレートをさらにリモートUEに分配するためのいくつかの下流ポリシのうちの1つを使用し得る。ポリシは、本明細書の他の箇所で説明されるように、中継UEにおいて固定される、又は予め構成される、又はRRCプロトコルを介して中継UEに送られるデータを使用してgNBによって動的に構成される。本実施形態の代表的な有利なポリシは:
1.ベストエフォート分配-SL-RBRの包含に利用可能な空間を有する目標リモートUEへのMAC PDUが送られているときに、できる限り速やかにSL-RBRを送る。
2.時間限界分配-ポリシ1のように、しかし、MAC PDUがいくつかの構成された時間制限内に目標リモートUEに送られていない場合に、新しいMAC PDUを作成し、このPDUがより高い層のデータを含まなくても、そのMAC PDUをリモートUEに送る。
3.レイジ分配-目標リモートUEが、中継トリガに関するSL-RBR-Q及び/又は特定のタイマを信号伝達するまで、受信された推奨をローカルにバッファする。次いで、応答して、ポリシ1又は2を使用して、SL-RBRを使用して、バッファされた推奨を送る。
4.gNBフォールバックを有するレイジ分配-ポリシ3のように、しかし、SL-RBR-Q内の要求ビットレートが、バッファ済み値より高い場合に、gNBへの新しいRBR-R-Qをトリガし、応答RBR-Rを待ち、次いで、ポリシ1又は2を使用して、リモートUEにこの新しい値を提供する。
5.デルタのみの分配-他のポリシ1~4のうちの1つを使用し、さらに、そのSL-RBRの推奨値が、SL-RBRを使用して同じリモートUEに前に送られた値と等しい場合に、SL-RBRの送信を抑制する。オプションで、最後の送信イベントが、構成された時間間隔より長かった場合には、抑制は使用されない。
【0203】
中継UEは、受信されたビットレート推奨クエリ(Q=1を有するSL-RBR)をgNBにRBR-R-Qクエリとして送るためのいくつかの上流ポリシのうちの1つを使用し得る。ポリシは、本明細書の他の箇所で説明されるように、中継UEにおいて固定される、又は予め構成される、或いは、例えば、RRCプロトコルを介して中継UEに送られるデータを使用して、例えば、gNBによって、動的に構成される。本実施形態の代表的な有利なポリシは:
1.ベストエフォート送信-このMAC CEの包含のために利用可能な空間を有する、gNBへのMAC PDUが送られているとき、トリガするイベントの後にできる限り速やかにRBR-R-Qを送る。
2.時間限界分配-ポリシ1のように、しかし、下流ポリシ2に類似の時間制限もまた適用する。
3.デルタのみの分配-ポリシ1又は2のうちの1つを使用し、加えて、ビットレート値が、同じリモートUE及び同じSL-LCIDのRBR-R-Qを使用してgNBに前に送られた値と等しい場合に、RBR-R-Qの送信を抑制する。オプションで、最後の送信イベントが、構成された時間間隔より長かった場合には、抑制は使用されない。
【0204】
送信されるRBR-R-Qの量を制限するために、UEは、TS 38.321における存在するタイマbitRateQueryProhibitTimerに類似のタイマbitRateRelayQueryProhibitTimerを使用して、RBR-R-Qが送られ得るレートを制約する。
【0205】
この実施形態の利点は、gNBへの推奨のより多くの制御を提供して、gNBが、それが供するそれぞれのリモートUEのビットレート推奨を詳細に決定することができる、ということである。
【0206】
さらに別の代替実施形態について、L2中継アーキテクチャに適用される前の実施形態と同じ原理に基づいて、後述する。前の実施形態に関連する本実施形態の主要な差は、SL-RBR及びSL-RBR-QがRBR-R及びRBR-R-Qをそれぞれに送る代わりに、gNBと中継UEとの間の通信で送られる適合ヘッダ内で直接運ばれる、ということである。適合ヘッダは、TR23.752v1.0.0付属書類Aにおいて定義されるようなRLCとPDCPプロトコル層との間にあるUuインターフェースのプロトコル層のヘッダである。適合ヘッダは、単に、中継UEによって中継される必要があるPDCP PDUをラップするために使用される、すなわちそれに添付される、ということに留意されたい。適合ヘッダは、適合層の「目標LCID」フィールド又は類似のフィールドにおいて示されたサイドリンクチャネル(LCID)を介して、適合層の「目標UE識別」フィールド又は類似のフィールドにおいて示されたUEにサイドリンク(PC5インターフェース)を介して送られることになっているMAC CEなどの他の情報要素(IE)を含むように、可変長のヘッダとして定義される。具体的には、適合ヘッダは、適合ヘッダの全長又はIEコンテナの長さのみを示す、少なくとも1つの「長さ」フィールドを含む。IEコンテナは、1つの、又はオプションで1つ又は複数の、MAC CEを含む。中継動作に関連する状況報告又は構成設定などの他のデータもまた、IEコンテナにIEとして含まれる。MAC CEを有するそのようなIEを受信するとき、PC5を介して目標UEに送られることになっている実際のMAC CEを決定すること、及び目標UEとのそれのPC5接続を介して目標UEに決定されたMAC CEを送信しようと試みることは、中継UEの責任である。含まれたSL-RBRに具体的に関するこの決定を行うとき、中継UEは、IEコンテナ内のSL-RBRに含まれるものとしてのフィールドにそれの送信されるSL-RBRの基礎を完全に置く、又は、中継UEは、推奨ビットレート値を適合させる(例えば、それが高負荷である場合にはより低い値に、又は何らかの他のポリシにより値を下げて)。逆もまた同様に、中継UEは、SL-RBR-QをリモートUEから受信することと、適合ヘッダにおいてIEに埋め込まれたgNBへのそのようなクエリの送信(MAC PDU空間が存在する及びトリガ条件がそれを可能にするという条件で)との責任を有する。これは、gNBが前の実施形態におけるように特定のリモートUEへのSL-RBRとして詳細な推奨を送ることと、それに基づいて中継UEがリモートUEへのそれの最終推奨のよりよく情報に通じた決定を行うことができる、詳細な推奨で中継UEをよりよく助けることとを可能にし、そしてまた、中継UEを介してリモートUEから来るすべての特定のクエリ(SL-RBR-Q)をgNBが受信し、それにより粒度の細かい情報を得ることを可能にする。gNBは、DLパケットのIEコンテナ内にSL-SCH MAC CE直接に含み、中継UEは、ULパケットのIEコンテナ内にSL-SCH MAC CEを直接含むので、これは、第2の実施形態について述べたのと同じ利点と、追加で、DL-SCHに関する新しいMAC CEタイプ定義が必要とされないという利点とを有する。それはまた、適合ヘッダ内のIEコンテナはまた、中継UEがすべてのこれらのMAC CEに関して知っていること及びそれらを解析することができることを必要とせずに、リモートUEに中継様式で他のタイプのSL MAC CEを送るために、gNBによって、使用され得るという追加の利点を有し、それは、例えば、レガシ中継UEは知らない、新しいタイプのSL MAC CEが導入される場合に、有用である。SL-RBR-QなどのMAC CEメッセージを運ぶために適合ヘッダを使用する代わりに、中継UEはまた、適合層ヘッダを受信されたSL-RBR-Qメッセージに、例えば、それをRLC/PDCPメッセージにカプセル化した後に、追加する。
【0207】
次に、中継UE又はリモートUEが、それの現在の親中継UEからの接続を切りながら、それを新しい親中継UEに割り当てさせるための手順を実行する場合に適用される一実施形態について説明し、そこでは、古い親中継UE及び新しい親中継UEの両方が、同じgNBによって直接的に又は間接的に供される。この手順は、ここで、UEのgNB内ハンドオーバと呼ばれる。この実施形態は、前述の実施形態のいずれかと結合され得る。gNB内ハンドオーバを開始するためのトリガは、gNBからUEへ又はそれの現在の親中継UEへのメッセージ又は命令でもよく、或いは、そのようなトリガは、それがハンドオーバを必要とするという中継UE自体による決定でもよい。いずれの場合にも、親中継UEは、ハンドオーバの通知を受けることになる、又は親中継UEは、UEの接続解除に最終的に気付くことになる。これは、任意の残りの下流中継又はリモートUEへのデータレート推奨及び/又は制限を再決定するためのトリガである。加えて、オプションで、gNBは、例えば、子UEとしてのUEの出発又は緊急出発による総量を下げて、(古い)親中継UEへの新しいデータレート推奨及び/又は制限を自発的に送り得る。また、オプションで、親中継UEは、更新された状況を所与としてそれが新しい推奨を必要とすることを示すために、それの親通信デバイス(例えば、gNB、又は中継UE)にデータレート推奨クエリを自発的に送り得る。gNBは、次いで、更新されたデータレート推奨及び/又は制限でこのクエリに応答する。ハンドオーバされたUEが、それの新しい親中継UEに接続した後は、ハンドオーバされたUEは、新しい親にそれの所望のデータレートを通知するために及び新しい親にデータレート推奨を要求するために、その親にオプションで新しいデータレート推奨クエリを送る。親中継UEは、この要求に推奨で直接応答する、又は、親中継UEは、それの上流デバイスもまた新しい状況における下流デバイスの所望のデータレートに気付いていることを確実にするために、それ自体の上流通信デバイス(例えば、gNB、又は中継UE)にデータレート推奨クエリを送信する。いずれの場合にも、この手順の目的は、新しい親中継UEが、(リモートUEとして又は中継UEとして、又はその両方として)新しい親にここで接続されたハンドオーバされたUEに新しいデータレート推奨を送ることができる、ということである。UEは、これらの識別子の選択のために使用される方法(例えば、それは、gNBによって構成される)に依存して、それが古い親と使用したもの以外の新しい親との他の論理チャネル識別子(例えば、異なるLCID値)を使用する、ということに留意されたい。
【0208】
前述に類似の実施形態が、gNB間ハンドオーバの場合、すなわち、UE(中継UE又はリモートUE)がそれの現在の親中継UEから離れることになる及び異なるgNBによって供される新しい親中継UEに、直接的に又は間接的に、接続することになる手順、について定義され得る。この場合には、前述で定義されたのと同じビヘイビアが、古い親中継UE及び新しい親中継UEによって、並びにハンドオーバされたUEによって、使用され得る。
【0209】
gNB内ハンドオーバ及びgNB間ハンドオーバの両方の場合について、リモートUEの(古い)親中継UEは、別の親中継UEへのリモートUEのハンドオーバを受けて(例えば、ハンドオーバを中継UEに知らせる又は中継UE自体によってトリガされたリモートUE又はgNBからの信号(例えば、ハンドオーバ要求)を受信した後に)又は1つのgNBから別のgNBへの中継UEのハンドオーバを受けて、それらのチャネルに関連する論理チャネル割り当て及び/又はQoS構成(例えば、QoSフロー/フィルタ/ポリシ)及び/又は(最新の)データレート推奨構成及び/又は関連ポリシ、及び/又はデータレート推奨又はデータレート推奨クエリに関連する最近のメッセージのリストに関する情報と共にリモートUE及び/又は古い若しくは新しいgNB及び/又はコアネットワーク機能(例えば、AMF又はSMF)にメッセージを送る。この情報は、次いで、リモートUE及び/又は新しいgNBを新しい親中継UEに知らせるために、リモートUE及び/又は古い若しくは新しいgNB及び/又はそれぞれのコアネットワーク機能によって使用され、新しい親中継UEは、古い親中継UEがリモートUEとのそれの中継通信のために適用した類似の構成/ポリシ/論理チャネルを適用するために、この情報を使用することができる。これは、よりスムーズで、速いハンドオーバ手順を可能にする。
【0210】
さらに、gNB間ハンドオーバの場合、中継UEがハンドオーバの前に接続されたgNBは、論理チャネル割り当て及び/又はそれらのチャネルに関連するQoS構成(例えば、QoSフロー/フィルタ/ポリシ)及び/又は(最新の)データレート推奨構成及び/又は関連ポリシ及び/又は推奨データレートに関連する最近のメッセージ又は中継UE及び/又はそれの接続された下流UEに関連するデータレート推奨クエリのリストに関する情報を、中継UEがハンドオーバの後に接続される新しいgNBに送る。
【0211】
要約すると、セルラ又は他のワイヤレスネットワークにおいて、中継通信デバイスは、OoCエリア内のリモート通信デバイスの間接ネットワーク接続をサポートして、それによりアクセスデバイスカバー範囲を拡張する及びアクセスデバイスの最適なカバー範囲内にないことがある通信デバイスの利用可能なデータ容量を増やすために、導入され得る。直接接続された通信デバイスについて、ビットレート推奨の機構、ビットレートクエリ及び所望のビットレート指示が、定義される。しかしながら、これらの存在する機構は、中継通信デバイスを介して間接的に接続された通信デバイスのために機能しない。したがって、受信された推奨及び/又は制限に示された論理チャネルの識別に少なくとも部分的に基づいて1つ又は複数の下流通信デバイスについての新しいデータレート推奨及び/又は制限を決定することが提案される。
【0212】
本発明は、図面及び前述の説明において詳細に図解及び説明されているが、そのような図解及び説明は、実例又は例示と考えられるべきであり、制限として考えられるべきではない。本発明は、開示された実施形態に制限されない。提案される強化されたレート推奨又は制限は、中継器が使用されるすべてのタイプのワイヤレスネットワークにおいて、実施され得る。例えば、本発明は、セルラワイヤレス通信標準、特に第3世代パートナシッププロジェクト(3GPP(登録商標))5G仕様、を使用して通信するデバイスに適用され得る。
【0213】
したがって、ワイヤレス通信デバイスは、異なるタイプのデバイス、例えば、携帯電話、車両(車両対車両(V2V)通信又はより一般的なビークルトゥーエブリシング(V2X)通信のための)、V2Xデバイス、IoTハブ、病院での使用又はファーストレスポンダの使用向けの、健康管理、医療(緊急)診断及び治療デバイスのための低電力医療センサを含む、IoTデバイス、仮想現実(VR)ヘッドセットなど、になり得る。
【0214】
さらに、本発明は、複数のワイヤレス(例えば、4G/5G)接続されたセンサ又はアクチュエータノードが参加する医療アプリケーション又は接続されたヘルスケアにおいて、ワイヤレス(例えば、4G/5G)接続された機器が、時折、ある特定の平均データレートの連続的データストリームを消費又は生成する、医療アプリケーション又は接続されたヘルスケア、例えばビデオ、超音波、X線、コンピュータ断層撮影(CT)イメージングデバイス、リアルタイム患者センサ、医療スタッフによって使用されるオーディオ又は音声又はビデオストリーミングデバイス、において、ワイヤレス、モバイル又は固定型、センサ又はアクチュエータノード(例えば、スマートシティ、物流、農業など)を含む一般IoTアプリケーションにおいて、緊急サービス及び重大通信アプリケーションにおいて、V2Xシステムにおいて、高周波数(例えば、mmWave)RFを使用する5Gセルラネットワークの改良されたカバー範囲のシステム、及び中継が使用される5G通信の任意の他のアプリケーションエリアにおいて、適用され得る。
【0215】
さらに、前述の実施形態は、通常は、下流通信デバイスのための中継データを運ぶための単一の新しいMAC/RLC論理チャネルの作成について説明しているが、2つ以上の論理チャネルが、下流通信デバイスの中継データを運ぶために、例えば、単一無線ベアラが2つ以上のMAC/RLC論理チャネルを必要とする状況に対処するために、作成される、類似の実施形態が、可能である。開示された実施形態への他の変更形態が、図面、開示及び添付の特許請求の範囲の研究から、本請求の発明を実施する際に当業者によって理解され、もたらされ得る。本請求において、「備える(含む)」という単語は、他の要素又はステップを排除せず、単数形は、複数の存在を排除しない。単一プロセッサ又は他のユニットは、本請求において述べられたいくつかの項目の機能を遂行し得る。ある特定の手段が相互に異なる従属請求項において列挙されているという事実のみで、有利にこれらに手段の組合せを使用することができないことを示さない。前述の説明は、本発明のある種の実施形態を詳述する。しかしながら、前述のものが文章内でどれほど詳細に現れても、本発明は、多数のやり方で実施することができ、したがって、開示された実施形態に限定されない、ということが理解されよう。本発明のある種の特徴又は態様を説明するときの特定の専門用語の使用は、その専門用語が、その専門用語が関連する本発明の特徴又は態様の任意の特定の特性を含むように制限されるように本明細書で再定義されていることを暗示すると理解されるべきではない、ということに留意されたい。
【0216】
単一ユニット又はデバイスが、本請求において列挙されたいくつかの項目の機能を遂行し得る。相互に異なる従属請求項においてある特定の手段が列挙されているという事実だけで、有利にこれらの手段の組合せが使用され得ないということを示さない。
【0217】
図4及び5に示されたもののような記載の動作は、それぞれに、コンピュータプログラムのプログラムコード手段として及び/又は関連通信デバイス又はアクセスデバイスの専用ハードウェアとして、実施され得る。コンピュータプログラムは、他のハードウェアの部分と共に又は他のハードウェアの部分として共に供給される適切な媒体、例えば、光記憶媒体又はソリッドステート媒体、で記憶及び/又は分散され得るが、他の形で、例えば、インターネット又は他のワイヤード若しくはワイヤレス電気通信システムを介して、も分散され得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】