(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-05
(54)【発明の名称】長尺な束ねた材料を結束するための巻付け装置および束ねた材料を粘着テープで結束するための方法
(51)【国際特許分類】
B65H 35/07 20060101AFI20230928BHJP
B65H 16/00 20060101ALI20230928BHJP
【FI】
B65H35/07
B65H16/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023516755
(86)(22)【出願日】2021-09-10
(85)【翻訳文提出日】2023-03-27
(86)【国際出願番号】 DE2021100753
(87)【国際公開番号】W WO2022053112
(87)【国際公開日】2022-03-17
(31)【優先権主張番号】102020123771.5
(32)【優先日】2020-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523090456
【氏名又は名称】コマックス テーピング ゲー・エム・ベー・ハー ウント コー. カー・ゲー
【氏名又は名称原語表記】Komax Taping GmbH & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Am Grubener Weg 15, 36151 Burghaun, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】シュテフェン シュメルツ
(72)【発明者】
【氏名】ハンス ペーター フラードゥング
(72)【発明者】
【氏名】イェルク ソディース
(72)【発明者】
【氏名】マークス ライズィンガー
【テーマコード(参考)】
3F052
3F062
【Fターム(参考)】
3F052AA00
3F052BA03
3F052DA01
3F062AA06
3F062AB02
3F062BA08
3F062BC01
3F062BD05
3F062BF11
3F062BG00
(57)【要約】
長尺な束ねた材料を結束するための巻付け装置および束ねた材料を粘着テープで結束するための方法。長尺な束ねた材料を粘着テープで結束するための巻付け装置では、所定の長さの粘着テープのためのロールが巻付け頭部内に保持されている。前記所定の長さは、結束するべきセクションに合わせて測定されている。このことにより、束ねた材料の近傍で粘着テープを切断することを回避できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺な束ねた材料(2)を粘着テープで結束するための巻付け装置(1)であって、巻付け頭部(5)と、前記巻付け頭部(5)が備える回転可能に支持されている回転体(22)と、前記粘着テープを備蓄するためのロール(24)と、前記粘着テープを所定の長さに切断するための切断装置(30)と、を有する巻付け装置(1)において、
前記切断装置(30)は、前記巻付け頭部(5)の外側に配置されており、前記所定の長さの粘着テープは、前記巻付け頭部(5)内に保持されていることを特徴とする、巻付け装置(1)。
【請求項2】
前記ロール(24)は、前記回転体(22)上に配置されており、前記ロール(24)上の前記粘着テープは、前記所定の長さに制限されていることを特徴とする、請求項1に記載の巻付け装置(1)。
【請求項3】
所定の長さの倍数の長さの粘着テープを備える備蓄ロール(12)が前記巻付け頭部(5)の外側に配置されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の巻付け装置(1)。
【請求項4】
巻取りユニット(11)は、所定の長さの倍数の長さの粘着テープを有する前記備蓄ロール(12)および前記所定の長さの粘着テープを収容するための少なくとも1つのロール体(15)を備え、ならびに前記備蓄ロール(12)から前記ロール体(15)に前記粘着テープを移送するためのテープ引渡し装置(29)を有することを特徴とする、請求項3に記載の巻付け装置(1)。
【請求項5】
前記巻取りユニット(11)は、前記ロール体(15)を保持するための複数の収容部(13、14)を有することを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の巻付け装置(1)。
【請求項6】
前記収容部(13、14)は、前記巻取りユニットが前記粘着テープを移送する準備が整っている巻取り位置から、前記ロール(24)を備えた前記収容部(13、14)が前記巻付け頭部(5)への移送の準備が整っている受渡し位置に移動可能であることを特徴とする、請求項4または5に記載の巻付け装置(1)。
【請求項7】
前記切断装置(30)は、前記巻取りユニット(11)上に配置されていることを特徴とする、請求項4から6のいずれか1項に記載の巻付け装置(1)。
【請求項8】
前記巻取りユニット(11)は、異なる粘着テープを備える、複数の備蓄ロール(121)を有することを特徴とする、請求項4から7のいずれか1項に記載の巻付け装置(1)。
【請求項9】
粘着テープを想定される前記束ねた材料(2)のセクション(16)に合わせた長さに切断するステップと、
巻付け頭部(5)内に想定される長さに切断された粘着テープを提供するステップと、
所定の長さに切断された粘着テープで前記束ねた材料(2)の前記セクション(16)を結束するステップと、
を有することを特徴とする、巻付け装置(1)を用いて束ねた材料(2)を粘着テープで結束するための方法。
【請求項10】
前記所定の長さの粘着テープが備蓄ロール(12)から引きはがされ、前記所定の長さの粘着テープがロール体(15)に巻付けられおよび前記備蓄ロール(12)の前記粘着テープから切離され、ならびに前記所定の長さの粘着テープを備える前記ロール体(15)が前記巻付け頭部(5)に供給されることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長尺な束ねた材料を粘着テープで結束するための、巻付け頭部と、前記巻付け頭部が備える回転可能に支持されている回転体と、前記粘着テープを備蓄するためのロールと、前記粘着テープを所定の長さに切断するための切断装置とを有する巻付け装置に関する。さらに、本発明は、束ねた材料を、巻付け装置を用いて粘着テープで結束するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
このような巻付け装置は、例えば、独国特許出願公開第102017109819号明細書により知られている。当該巻付け装置では、ロールに大量の粘着テープが備蓄されている。ただし、束ねた材料の各セクションは、前記セクションを結束するための、所定の長さのテープを必要とする。このために、巻付け装置は、対応するセクションを結束した後に粘着テープを切断するための切離し装置を有する。したがって、切離し装置は、束ねた材料の近傍で切断作業を行う必要があり、このことは、異なる厚さの束ねた材料の場合、前記束ねた材料に切込んでしまう危険性を有する。さらに、粘着テープの備蓄を備えるロールと、切離し装置の配置とによって、巻付け頭部の寸法が非常に大きくなる。その結果、巻付け頭部は非常に扱いにくく、その運動に大量のエネルギを必要とする。
【0003】
独国実用新案第202015001990号明細書により、粘着テープのための備蓄ロールが巻付け頭部から離れた所に保管されている巻付け装置が知られている。当該巻付け装置においても、切断装置は束ねた材料の近傍に配置されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明に課せられた課題は、本明細書の冒頭で述べたようなタイプの巻付け装置を、束ねた材料の近傍における粘着テープの切断が回避されるように改善することである。さらに、束ねた材料が特に確実に結束されることを保証する方法を確立することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、上述の1つ目の課題は、切断装置が巻付け頭部の外側に配置されており、所定の長さの粘着テープが巻付け頭部内に保持されていることによって解決される。
【0006】
当該構成により、巻付け頭部内に切断装置を配置することが回避される。巻付け頭部には、束ねた材料の結束するべきセクションに必要な量の粘着テープのみが搭載されているため、束ねた材料を結束した後に粘着テープを切断する必要がない。このことにより、切断工具による束ねた材料の破損が確実に回避される。切断装置を排除することによって、巻付け頭部を特に小さくかつコンパクトに構成することができる。束ねた材料の所定のセクションを結束するための所定の長さの粘着テープが使い果たされた後、次のセクションのための新たな粘着テープを巻付け頭部に設置することができる。このことにより、1つの束ねた材料をセクションごとに異なる粘着テープで容易に結束することができる。
【0007】
ロールが回転体の内側に配置されており、かつロール上の粘着テープが所定の長さに制限されていることは、巻付け頭部の寸法をさらに縮小することに貢献する。この結果、ロールは粘着テープの備蓄を必要とせず、したがってロールを特に小さく保つことができる。
【0008】
本発明の別の有利な改善によれば、所定の長さの倍数の長さの粘着テープを備える備蓄ロールが巻付け頭部の外側に配置されている場合、充分な量の粘着テープを提供することが特に容易になる。
【0009】
本発明の別の有利な改善によれば、巻取りユニットが、所定の長さの倍数の長さの粘着テープを有する備蓄ロールおよび所定の長さの粘着テープを収容するための少なくとも1つのロール体を備え、ならびに備蓄ロールからロール体に粘着テープを移送するためのテープ引渡し装置を有する場合、所定の長さの粘着テープの巻付け頭部への移送が特に容易になる。
【0010】
本発明の別の有利な改善によれば、巻取りユニットがロール体を保持するための複数の収容部を有する場合、所定の長さの粘着テープを巻付け頭部に装入することが特に容易である。この構成により、所定の長さの粘着テープを有するロール体を準備しつつ、既に準備されている別のロール体を巻付け頭部に提供することができる。このことにより、巻付け頭部が現在のセクションを結束している間に、巻取りユニット内で、束ねた材料の次のセクションのための所定の長さの粘着テープを有する次のロール体を準備することができる。この結果、ロール体を交換する際の中断を特に短く保つことができる。
【0011】
本発明の別の有利な改善によれば、巻取りユニットが粘着テープを移送する準備が整っている巻取り位置から、ロールを備えた収容部が巻付け頭部への移送の準備が整っている受渡し位置へと収容部が移動可能であることは、ロールの受渡し速度をさらに高めることに貢献する。
【0012】
本発明の別の有利な改善によれば、切断装置が巻取りユニット上に配置されている場合、切断装置は束ねた材料から遠く離れている。この構成により、束ねた材料が切断装置によって破損することが確実に回避される。
【0013】
用いるべき粘着テープに課せられる要求は、束ねた材料のセクションによって異なる場合がある。本発明の別の有利な改善によれば、巻取りユニットが異なる粘着テープを備えた複数の備蓄ロールを有する場合、1つの束ねた材料の異なるセクションに対して異なる粘着テープを容易に適用することができる。このことにより、例えば、自動車のためのケーブルハーネスとして構成された束ねた材料の、各セクションに課せられた異なる要求に沿うために必要とされる場合、1つのセクションを特に耐水性の粘着テープで結束し、また別のセクションを特に耐摩耗性の粘着テープで結束することができる。同様に、例えば、自動車内でのケーブルハーネスの配線作業を容易にするために、異なる色の粘着テープを適用することができる。
【0014】
上述された2つ目の課題、すなわち、束ねた材料を粘着テープで結束するための特に確実な方法の確立は、本発明によれば、以下のステップによって解決される:
想定される束ねた材料のセクションに合わせた長さに粘着テープを切断するステップ、
想定される長さに切断された粘着テープを巻付け頭部内に提供するステップ、
所定の長さに切断された粘着テープで束ねた材料のセクションを結束するステップ。
【0015】
この構成により、束ねた材料から遠く離れた場所で粘着テープを切断することができる。本発明により、束ねた材料の破損が回避される。さらに、束ねた材料のセクションによって異なる粘着テープを容易に使用することができる。
【0016】
本発明の別の有利な改善によれば、所定の長さの粘着テープが備蓄ロールから引きはがされ、所定の長さの粘着テープがロール体に巻付けられ、および備蓄ロールの粘着テープから分離され、ならびに所定の長さの粘着テープを備えるロール体が巻付け頭部に供給される場合、所定の長さの粘着テープを提供することが特に容易である。
【0017】
本発明は、多数の実施形態を許容する。それらの基本原理をさらに明瞭にするために、そのうちの1つを図に示し、以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図2】
図1の巻取装置の巻付け頭部の拡大図である。
【
図3】
図1の巻取装置の巻取りユニットの拡大図である。
【
図4】
図1の束ねた材料の簡略化された構成の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、例えば、分岐している多数の供給線からなる自動車用のケーブルハーネスのような、束ねた材料2を結束するための巻付け装置1を示している。供給線は、電線および/またはホースであってもよい。巻付け装置1の個々の構成要素には、プログラミング可能な制御ユニット3によって電流とデータが供給される。
【0020】
巻付け装置1は、ロボットアーム4上に配置されている巻付け頭部5を有する。ロボットアーム4は、模式的に示されている複数の関節6~9を有し、その結果、巻付け頭部5は、3つの空間軸すべての方向に移動、枢動、およびその長手軸10を中心に回転させることができる。関節6~9はそれぞれ、制御ユニット3によって制御される、図示されていない駆動手段を有する。
【0021】
さらに、巻付け装置1は、巻取りユニット11を有する。巻取りユニット11は、1つまたは複数の粘着テープの備蓄ロールを保持し、かつ所定の長さの粘着テープを送り出すことができるロール体15のための2つの収容部13、14を有する。所定の長さの粘着テープは、
図4に示されている束ねた材料2の限定されたセクション16に合わせて測定される。
【0022】
束ねた材料2は、保持要素18によって取付け板17上に張設されている。第2の取付け板19は、巻付け頭部5とは反対側を向いており、もう一方の取付け板17上の束ねた材料2が結束されている間に、新たな束ねた材料を第2の取付け板19に装入することができる。取付け板17、19は、一方の取付け板17またはもう一方の取付け板19のうちのいずれかが巻付け頭部5に対向するように、板駆動装置20によって回転させることができる。板駆動装置20が、取付け板17、19を図面の平面に対して垂直な方向に高度調整または移動できるように構成されていてもよいことは自明である。
【0023】
図2は、束ねた材料2を結束する前の、
図1の巻付け頭部5の拡大図を示す。巻付け頭部5は、
図1に示した図に対して、背面からの図を示している。巻付け頭部5は、束ねた材料2を挿入するための開口部21と、回転駆動可能な回転体22とを有する。回転体22は、束ねた材料2を支持するための可動カウンタージョー23と、束ねた材料2の想定されたセクション16のための所定の長さの粘着テープを備えるロール24とを保持する。ロール24は、前記ロール体15と、その上に巻付けられた想定の長さの粘着テープとから構成される。さらに、回転体22上には、粘着テープを案内し、かつロール24から引きはがすための案内装置25が配置されている。
【0024】
巻付け頭部5は、回転体22の両側に配置された、束ねた材料2を案内しかつ支持するための案内要素26が、半径方向において外側に向かって枢動されている基本位置にある。巻付けのためには、最初に、粘着テープの先端部がロール24から引きはがされ、開口部21の前に保持される。次に、束ねた材料2が粘着テープの先端部に到達するように、巻付け頭部5を、その開口部21で束ねた材料2の関連するセクション16上へと動かす。さらに、案内要素26は、束ねた材料2に向かって枢動し、束ねた材料2を取り囲む。そのことに続く、回転体22の回転と、巻付け頭部5が、同時に束ねた材料2に沿って案内されることとにより、粘着テープは、粘着テープ2の想定されているセクション16に巻付けられる。ロール24は、巻付けされるべき束ねた材料2のセクション16のための所定の長さの粘着テープのみを有しているため、粘着テープが使い果たされるとセクション16の巻付けが完了する。このような巻付け頭部5の基本原理は従来技術により公知であるため、これ以上の開示については従来技術を参照されたい。
【0025】
図3は、
図1の巻付け装置1の巻取りユニット11を示す。当該巻取りユニット11は、粘着テープの備蓄を備える少なくとも1つの備蓄ロール12と、ロール体15のための2つの収容部13、14とを保持する。図示されていない別の実施形態では、異なる粘着テープを備える複数の備蓄ロール12を上下に配置することができる。収容部13、14は、両面枢動アーム27の端部に配置されている。枢動アーム27は、中央軸受け28を有するため、収容部13、14の位置を変更することができる。図示されていない別の実施形態では、例えば回転可能なプレート上に、複数の収容部を配置することができることは自明である。
【0026】
一方の収容部は、所定量の粘着テープが巻付けられたロール体15を巻付け頭部5が受取り、空のロール体15を巻付け頭部5から巻取りユニット11内に返還することができる、受渡し位置にある。当該受渡しは、巻付け頭部5をロボットアーム4によって、対応する姿勢で受渡し位置の上へと動かすことによって実行される。もう一方の収容部13は、ロール体15が備蓄ロール12から所定量の粘着テープを巻取ることができる、巻取り位置にある。
【0027】
巻取りユニット11は、粘着テープを備蓄ロール12から引きはがし、巻取り位置にあるロール体15に供給することができる、テープ引渡し装置29をさらに有する。このことにより、所定の長さの粘着テープをロール体15に巻付けることができる。さらに、巻取りユニット11は、備蓄ロール12上に存在する粘着テープから所定の長さの粘着テープを分離するための切断装置30を有する。
【0028】
図4は、自動車のケーブルハーネスではよく見られる、端部に挿入コンタクト31~33を備えた、
図1の束ねた材料の、特に簡略化された構成を示す。束ねた材料2は、上述のように粘着テープで結束されるべき3つのセクション16、16′、16′′を有する。セクション16、16′、16′′は、それぞれ長さが異なり、異なる屈曲または角度を有する。各々のセクション16、16′、16′′は、結束のために所定の長さの粘着テープを必要とする。粘着テープの所定の長さは、それぞれのセクション16、16′、16′′の長さ、その直径、および単位長さ当たりの粘着テープの想定される巻付け回数から算出される。束ねた材料2の図示された実施例では、すなわち、それぞれが所定の長さの粘着テープを備える3つのロール体15を提供するべきである。
【国際調査報告】