(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-05
(54)【発明の名称】サイズ制御放射標識粒子
(51)【国際特許分類】
A61K 51/00 20060101AFI20230928BHJP
A61K 9/14 20060101ALI20230928BHJP
A61K 47/04 20060101ALI20230928BHJP
A61K 47/24 20060101ALI20230928BHJP
A61K 33/24 20190101ALI20230928BHJP
A61K 33/241 20190101ALI20230928BHJP
A61K 9/10 20060101ALI20230928BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20230928BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20230928BHJP
【FI】
A61K51/00
A61K9/14
A61K47/04
A61K47/24
A61K33/24
A61K33/241
A61K9/10
A61P35/00
A61K45/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023516758
(86)(22)【出願日】2021-09-15
(85)【翻訳文提出日】2023-05-12
(86)【国際出願番号】 EP2021075300
(87)【国際公開番号】W WO2022058337
(87)【国際公開日】2022-03-24
(32)【優先日】2020-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2021-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517455465
【氏名又は名称】オンコインベント アクスィエ セルスカプ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100138210
【氏名又は名称】池田 達則
(72)【発明者】
【氏名】ロイ ホー.ラルセン
(72)【発明者】
【氏名】ティナ ベー.ベーンスドルフ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C085
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA22
4C076AA31
4C076BB11
4C076CC27
4C076DD25B
4C076DD63
4C076GG12
4C076GG16
4C084AA19
4C084MA23
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4C084NA05
4C084ZB261
4C084ZB262
4C085KB02
4C085KB05
4C086AA01
4C086AA02
4C086HA04
4C086MA03
4C086MA05
4C086MA23
4C086MA41
4C086NA05
4C086ZB26
(57)【要約】
本開示は、崩壊性化合物と、放射性核種と、およびリン含有添加剤とを含んでいる粒子に関する。リン含有添加剤、例えば、ホスホネートは、医療用途に対する粒子のサイズを制御する特有の能力をもっている。特に、がん分野において、当該用途は、医薬品としての粒子の使用、およびイメージングを可能にする。
図1は、前記要約と合わせて読むべきである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
崩壊性化合物、放射性核種、およびリン含有添加剤を含んでいる粒子であって、
前記崩壊性化合物が、CaCO
3を含んでおり、そして、
前記リン含有添加剤が、オルトホスフェート、直鎖のオリゴホスフェート、およびポリホスフェート、環状ポリホスフェート、ホスホネート、ビスホスホネート、およびポリホスホネートからなる群より選ばれる、前記粒子。
【請求項2】
前記リン含有添加剤が、ヘキサメタリン酸ナトリウム(SHMP)、EDTMPーエチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)および/またはパミドロネートである、請求項1に記載の粒子。
【請求項3】
前記リン含有添加剤が、EDTMPーエチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)である、請求項1又は2に記載の粒子。
【請求項4】
前記放射性核種が、
225Ra、
224Ra、
223Ra、
225Ac、
212Bi、
227Th、
211At、
213Bi、
212Pb、
64Cu、
67Cu、
166Ho、
177Lu、
32P、
186Re、
188Re、
153Sm、
89Sr、
161Tb、
90Y、
220Rn、
216Po、
212Po、
208Tl、
18F、
67Ga、
86Y、
99mTc、
111In、
203Pb、
83Sr、
152Tbおよび
155Tbからなる群より選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載の粒子。
【請求項5】
前記放射性核種が、プロジェニー放射性核種である
212Bi、
212Poおよび
208Tlを伴う
212Pbである、αプロジェニーを伴う治療に適したβ放射体である、請求項1~4のいずれか一項に記載の粒子。
【請求項6】
前記放射性核種が、プロジェニー放射性核種である
220Rn、
216Po、
212Pb、
212Bi、
212Poおよび
208Tlを伴う、α放射体
224Raからなる群より選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載の粒子。
【請求項7】
前記放射性核種が、
224Raであり、前記リン含有添加剤が、EDTMPーエチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)である、請求項1~6のいずれか一項に記載の粒子。
【請求項8】
前記放射性核種が、
212Pbであり、そして、前記リン含有添加剤が、パミドロネートである、請求項1~6のいずれか一項に記載の粒子。
【請求項9】
前記粒子のサイズが、1nmから500μmである、請求項1~8のいずれか1に記載の粒子。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の粒子を1または複数含んでいる組成物。
【請求項11】
さらに、希釈剤、担体、界面活性剤、および/または賦形剤を含んでいる医薬品組成物である、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
前記リン含有添加剤が、組成物または懸濁液中に存在することで、粒子の部分として存在することで、粒子の表面上に存在することで、粒子の分散中に存在することで、組成物または懸濁液および/または粒子の分散の部分として存在することで、または粒子の部分および組成物または粒子懸濁液の部分として存在することで、例えば、粒子中または上に0.01-80%存在することで、粒子と会合している、請求項10又は11に記載の組成物。
【請求項13】
投与量当たり1kBqから10GBqである放射性核種の量で、または複数回投与の工業規模生産に適した50MBqから100GBqである放射性核種の量で調製された、請求項10~12のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項14】
前記組成物が、請求項1~9のいずれか一項に記載の単分散または多分散の粒子を含んでいる粒子懸濁液である、請求項10~13のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項15】
非経口使用、例えば、静脈内注射、腔内注射、および/または腫瘍内注射に適している、請求項10~14のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
医薬品としての使用のための、請求項1~9のいずれか1項に記載の粒子、または請求項10~15のいずれか1項に記載の組成物または医薬品組成物。
【請求項17】
がん治療における使用のための、請求項1~9のいずれか1に関する粒子、または請求項10~15のいずれか1に関する組成物または医薬品組成物であって、前記がんが、腹腔内がん、頭蓋内がん、胸膜がん、膀胱がん、噴門がん、くも膜下腔がん、および非空洞性の標的、例えば、メラノーマ、非小細胞肺がんからなる群より選択される、粒子、組成物、または医薬品組成物。
【請求項18】
他のがん治療、例えば、化学療法(タキサン(例えば、パクリタキセル、ドセタキセル)、プラチン(例えば、カルボプラチン、シスプラチン)、ドキソルビシン、マイトマイシン))、DNA修復阻害剤、例えば、PARP阻害剤(例えば、オラパリブ、ルカパリブ、ニラパリブ、タラゾパリブ、ベリパリブ、パミパリブ、CEP9722、E7016および3-アミノベンズアミド)、および放射線免疫療法との組み合わせにおいて使用される、請求項15~17に記載の使用のための、請求項1~9のいずれか1に記載の粒子、または請求項10~15のいずれか1項に記載の組成物または医薬品組成物。
【請求項19】
ホスホネートおよび/またはホスフェート化合物の前記濃度が、1ml当たり、1マイクログラムから1000ミリグラム、例えば、最終溶液1ml当たり、0.1mgから10mg、または、最終溶液中の粒子1グラム当たり、1マイクログラムから1000ミリグラムである、請求項10~15のいずれか一項に記載の組成物または医薬品組成物。
【請求項20】
前記方法が、放射性核種の担体を使用するかまたは使用しないで、崩壊性化合物、放射性核種、およびリン含有添加剤を互いに接触させることを含んでいる、請求項1~7のいずれか1に関する粒子の調製方法。
【請求項21】
崩壊性化合物および放射性核種は、初めのステップにおいて、粒子を形成し、その後、当該粒子は、リン含有添加剤によってコーティングされるか、または少なくとも部分的に当該粒子と会合されているリン含有添加剤を伴っており、例えば当該粒子内に取り込まれたリン含有添加剤を伴っている、請求項20に記載の粒子を製造する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、崩壊性化合物と、放射性核種と、およびリン含有添加剤とを含んでいる粒子に関する。リン含有添加剤、例えば、ホスホネートおよびホスフェートは、医療適用に対する粒子のサイズを制御する特有の能力をもっている。特に、がん分野において、当該適用は、医薬品としての粒子の使用、およびイメージングを可能にする。
【背景技術】
【0002】
放射標識されたマイクロ粒子は、がんの放射線治療および放射線滑膜切除術(すなわち、滑膜炎の治療のために、関節内に微小放射活性粒子を注入)を伴う関節炎の治療における痛みの治療での使用に対して、有望性を示している。
【0003】
ゆっくり崩壊するナノサイズ粒子およびマイクロサイズ粒子を使用することが望ましい。そして、この目的のために、非毒性塩の結晶粒子が有望である。これらの結晶粒子は、経時的に形態及びサイズ、特に懸濁液中の時に、不安定となりうる。粒子が、好収率で放射標識されうること、および粒度分布および結晶粒子の形態が、患者の体内に注射するために経時的に安定であることが重要である。
【0004】
いくつかの適用において、放射線治療の粒子懸濁液を投与する前に、粒子の体内分布を知っておくことは、有用となりうる。in vivoで、粒子分布のイメージングを可能にするため、イメージングに適切な放射性核種で放射標識された安定化した粒子でできている粒子は、この目的のため、有用となりうる。決定された粒度分布の粒子は、異なる体内区画における液体分布を評価するイメージング目的に対して有用となりうる。そして、決定された粒度分布の粒子は、ある種のがんの特異的治療のために、適用され、かつ設計されうる。
【0005】
医療用途のためのその様な粒子に必要なものは、粒子サイズをコントロールすること、および意図した使用のために最適化するように設計されることに関する。粒子は、非崩壊性でも崩壊性でもありうる。非崩壊性粒子を使用することで、利点は、全身毒性の低いリスクでありうる。不利点は、潜在的により不均一な放射線量分布、およびホットスポットからのいくつかの局所的な毒性リスクを含んでいる。原発腫瘍および肝臓への転移の治療のため、非崩壊性のガラススフィアー(TheraSphere)(登録商標)またはレジンベーススフィアー(SIR-Sphere)(登録商標)で安定的にラベルされた高エネルギーβ放出物質90Yを使用した放射線塞栓術のために、安定した放射線治療粒子は使用されている。この場合には、肝臓組織は、腸などに対する有毒な放射に対して、保護されるであろう。
【0006】
いくつかの放射性核種をゆっくりと放出する崩壊性粒子を使用することで、ありうる利点としては、親核種および/または短命の娘核種の改善された拡散による、より均一な放射線量分布と、局所毒性を引き起こす「ホットスポット」の傾向がより低いこととが挙げられる。ありうる不利点としては、放出された放射性核種の血液への起こりうる運搬、およびさらなる再分配のため生じる全身毒性の潜在的な可能性が挙げられる。崩壊性粒子は、化学療法薬のような他の細胞毒性化合物に主に使用され、そして、現在、放射性核種には使用されていない。
【0007】
放射標識された崩壊性結晶粒子の主な問題点は、懸濁液において、経時的に/保存中に、再結晶および粒子サイズの不安定性であり、その割合は、エネルギー入力、例えば、オートクレーブによって、増加されうる。粒子は、様々な懸濁液中において、経時的に、そしてまた生理食塩水、PBS、TRISを含んでいる試験されるすべての一般的な溶液中においてオートクレーブしたときにも、粒度分布および形態を変化しうる。
【0008】
従って、非毒性塩でできている粒子を基盤とした放射性核種の改善されたデリバリーシステムは、医療適用に対して興味深く、そして、崩壊性粒子のサイズを安定化する方法は請け負われている。
【発明の概要】
【0009】
その幅広い態様において、本発明は、崩壊性化合物、放射性核種、およびリン含有添加剤を含んでいる粒子に関する。
【0010】
崩壊性化合物は、CaCO3、MgCO3、SrCO3、BaCO3、ハイドロキシアパタイトCa5(PO4)3(OH)およびフルオロアパタイトを含んでいるカルシウムホスフェート、および主要成分としてこれらのいずれかを伴う複合物からなる群から選択されうる。崩壊性化合物は、CaCO3である。
【0011】
リン含有添加剤は、オルトホスフェート、直鎖のオリゴホスフェート、およびポリホスフェート、および環状ポリホスフェートからなる群から選択されるホスフェートでありうる。
【0012】
ポリホスフェートは、ピロホスフェート、トリポリホスフェートおよびトリホスホノホスフェートからなる群から選択されうる。リン含有添加剤は、環状ポリホスフェート、例えば、ヘキサメタリン酸ナトリウム(SHMP)でありうる。リン含有添加剤は、ホスホネートでありうる。ホスホネートは、ビスホスホネートでありうる。ビスホスホネートは、エチドロネート、クロドロネート、チルドロネート、パミドロネート、ネリドロネート、オルパドロネート、アレンドロネート、イバンドロネート、リセドロネート、およびゾレドロネートからなる群から選択されうる。ホスホネートは、ポリホスホネートでありうる。ポリホスホネートは、EDTMPーエチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、DOTMP-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-テトライルーテトラキス(メチルホスホン酸)及びDTPMP-ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)からなる群から選択されうる。
【0013】
放射性核種は、225Ra、224Ra、223Ra、225Ac、227Th、211At、213Bi、64Cu、67Cu、166Ho、177Lu、32P、186Re、188Re、153Sm、89Sr、161Tb、90Y、220Rn、216Po、212Pb、212Bi、212Po、208Tl、18F、67Ga、99mTc、111In、203Pb、64Cu、152Tbおよび155Tbからなる群から選択されうる。放射性核種は、225Ac、211At、213Bi、212Bi、225Ra、224Ra、223Ra及び227Thからなる治療に適しているα放射線核種からなる群から選択されうる。放射性核種は、64Cu、67Cu、166Ho、177Lu、32P、186Re、188Re、153Sm、89Sr、161Tb、90Yからなる治療に適しているβ放射線核種からなる群から選択されうる。放射性核種は、治療に適したαプロジェニーである212Pbを伴うβ放射体でありうる。放射性核種は、α放射体224Raとそのプロジェニー放射性核種である220Rn、216Po、212Pb、212Bi、212Poおよび208Tlからなる群から選択されうる。放射性核種は、18F、67Ga、99mTc、111In、203Pb、64Cu、152Tbおよび155Tbからなるイメージングに適している放射性核種からなる群から選択されうる。
【0014】
粒子サイズは1nmから500μmでありうる。
【0015】
崩壊性化合物は、PEG修飾CaCO3、mAbs及びFabsを含んでいるタンパク質修飾CaCO3、炭水化物修飾CaCO3、脂質修飾CaCO3、ビタミン修飾CaCO3、有機化合物修飾CaCO3、ポリマー修飾CaCO3、および/または無機結晶修飾CaCO3からなる群から選択されうる。
【0016】
本発明の1つの態様は、本発明の1または複数の粒子を含んでいる組成物に関する。
【0017】
組成物は、本発明の1または複数の粒子、および希釈剤、担体、界面活性剤、および/または賦形剤を含んでいる医薬品組成物となりうる。
【0018】
本発明の組成物は投与量当たり1kBqから10GBqである放射性核種の量で、または複数投与商業規模生産に適した50MBqから100GBqである放射性核種の量で調製されうる。
【0019】
組成物は、本発明の単分散の粒子または多分散の粒子を含んでいる粒子懸濁液でありうる。
【0020】
本発明の組成物は、非経口での使用、例えば、静脈注射、腔内注射、および/または腫瘍内注射に適しうる。
【0021】
本発明の1つの態様は、医薬品としての使用するための本発明の粒子、組成物、または医薬品組成物に関する。
【0022】
本発明の1つの態様は、腔内治療、放射線塞栓術、または放射線滑膜切除術における使用のための本発明の粒子、組成物、または医薬品組成物に関する。
【0023】
本発明の1つの態様は、がんの治療における使用に対する本発明の粒子、組成物、または医薬品組成物に関する。
【0024】
本発明の1つの態様は、がんの治療における使用に対する本発明の粒子、組成物、または医薬品組成物であって、前記がんは、腹腔内がん、頭蓋内がん、胸膜がん、膀胱がん、噴門がん、くも膜下腔がん、非空洞性の標的、例えば、メラノーマ、非小細胞肺がんからなる群から選択される、前記粒子、組成物、または医薬品組成物に関する。
【0025】
本発明の1つの態様は、イメージングにおける使用に対する本発明の粒子、組成物、または医薬品組成物に関する。
【0026】
本発明の1つの態様は、本発明に関する使用のための、本発明の粒子、組成物、または医薬組成物に関しており、当該粒子、組成物又は医薬組成物は、他のがん治療、例えば、化学療法(タキサン(例えば、パクリタキセル、ドセタキセル)、プラチン(例えば、カルボプラチン、シスプラチン)、ドキソルビシン、マイトマイシン))、DNA修復阻害剤、例えば、PARP阻害剤(例えば、オラパリブ、ルカパリブ、ニラパリブ、タラゾパリブ、ベリパリブ、パミパリブ、CEP9722、E7016および3-アミノベンズアミド)、および放射線免疫療法とを組み合わせて使用される。
【0027】
ホスホネートおよび/またはホスフェート化合物の濃度は、ml当たり1マイクログラムから1000ミリグラム、例えば、最終溶液ml当たり、0.1mgから10mg、または最終溶液中の1グラム粒子あたり、1マイクログラムから1000ミリグラムである。
【0028】
本発明の1つの態様は、本発明に関する粒子の調製に対する方法に関しており、当該方法は、放射性核種の担体を使用するまたは使用しないで、崩壊性化合物、放射性核種、およびリン含有添加剤を互いに接触させることを含んでいる。崩壊性化合物および放射性核種は、初めのステップにおいて粒子を形成しうる。そして、粒子は、リン含有添加剤によって、サイズが制御されている。
【0029】
[発明の詳細な説明]
本発明者は、リン含有添加剤の適用によって、崩壊性化合物によりできており、かつ放射性核種を含んでいる粒子の調製および維持において、いくつかの有益な効果を加えられることを、驚くべきことに発見している。そのような化合物は、しばしば非毒性塩であり、例えば、非毒性塩の結晶粒子である。本粒子は、がん治療およびイメージングを含んでいる多くの医療適用に対して有益である。
【0030】
有益な効果のいくつかは、経時的に、および高温(例えば、オートクレーブの間)でも安定であることを含んでいる。安定性は、粒度分布、形態を維持するために、粒子に会合した放射性核種の放出を引き起こさないために高められる。そのようなパラメータは、臨床用途を意図されている製品の製造、輸送、および保管においてかなり重要である。粒子が、それらの意図した使用を基盤として設計されうることを理解することはまた重要である。そのうえ、例えば、放射線塞栓術における使用のために大きい粒子を設計することは可能である。そして、大きい粒子は、そのサイズにより、腫瘍を取り囲んでいる血管中に捕捉される。一方で、マイクロ粒子は、空洞の治療に対して適用されうる。そして、マイクロ粒子が膜(例えば、腹膜)を素早く通過することを妨げることが望まれており、そしてナノ粒子は、静脈内の使用に必要とされる。リン含有添加剤、例えば、ビスホスホネート、ポリホスホネート、およびポリホスフェートは、粒子安定剤として使用することができ、、それによって、粒度分布を維持でき、そして、放射性核種が会合されている粒子の放出をすることがないということは、予測できない発見であった。120oCでオートクレーブし、室温で数日間保存した後、本マイクロ粒子は、そのサイズおよび放射標識を維持していた。これにより、無菌生産が可能になり、並びに輸送のためや、臨床用途(実施例6、7および11参照)のための放射標識された粒子懸濁液の操作のための時間も許容される。
【0031】
従って、本粒子および本発明の組成物は、懸濁液中に、経時的に、および/または保管しているときに、増加した安定性と、粒子再結晶予防という有益な技術の利点を持っている。例えば、エネルギー入力であるオートクレーブにより、再結晶の割合、およびサイズ変化の割合は、増加されうる。本粒子は、様々な懸濁液中において、経時的に、及び生理食塩水、PBS、TRISを含んでいるすべての一般的な溶液試験において、オートクレーブされた時にも、粒度分布および形態を変化するであろう。それゆえに、リン含有添加剤は、組成物または懸濁液中において、粒子の安定性を増加するために使用されうる。それゆえに、リン含有添加剤は、経時的に、および/またはオートクレーブのような増加されたエネルギー入力を伴う、粒子の再結晶の予防に使用されうる。
【0032】
従って、本発明は、崩壊性化合物、放射性核種、およびリン含有添加剤を含んでいる粒子に関する。リン含有添加剤は、粒子中に取り込まれうる、粒子表面と会合されうる、もしくは、粒子の周辺に存在しうる。すなわち、本粒子は、組成物または懸濁液の一部である。従って、本発明の1つの態様は、粒子を含んでいる組成物または懸濁液であって、本粒子は、崩壊性化合物、放射性核種、およびリン含有添加剤を含んでおり、前記リン含有添加剤は、組成物または懸濁液中に存在することで、粒子と結合している、前記組成物又は懸濁液に関する。その存在は、粒子の一部としてありうる。その存在は、粒子の表面に存在しうる。その存在は、粒子の分散中にありうる。その存在は、組成物または懸濁液、および/または粒子の分散の一部としてありうる。その存在は、粒子の一部としても、および組成物または粒子の懸濁液の一部としてもありうる。これらの個々の成分は、粒子の意図された使用に応じた異なる性質を持っている粒子の異なるタイプ中に混合されうる。これは、リン含有添加剤、例えば、EDTMPおよび/またはパミドロネートが、少なくとも微小量で発見されるであろうこと、または個別の粒子と結合しているであろうことを意味している。それゆえに、もし、組成物中、たとえば、溶液中の粒子が、リン含有添加剤の内容を試験された場合、通常、リン含有添加剤、例えば、EDTMPおよび/またはパミドロネートは、少なくとも粒子表面に、または粒子内において発見されうる。リン含有添加剤、例えば、EDTMPおよび/またはパミドロネートの組成物中(例えば溶液)の合計量は、粒子設計に応じて様々であるが、組成物中のリン含有添加剤の合計量の少なくとも0.01-80%が、粒子内または粒子表面に存在し、残りの部分は、組成物中に存在することを意味する。組成物中の、粒子内または粒子表面上に存在するリン含有添加剤の合計量の少なくとも0.01-80%は、0.1-50%、例えば、10-50%、例えば、20-80%、例えば、10-80%でありうる。
【0033】
崩壊性化合物
本発明の崩壊性化合物は、崩壊されうる任意の化合物でありうる。前記崩壊は、高pH、低pH、温度、プロテアーゼ、酵素、ヌクレアーゼ、および/またはファゴサイトーシスをも含んでいる、エンドサイトーシスのような細胞プロセスに起因するものからなる群から選択される任意の経路によって、起こりうる。それゆえに、崩壊性化合物は、非毒性塩、または非毒性塩の結晶でありうる。本発明の1または複数の実施形態において、崩壊性化合物は、CaCO3、MgCO3、SrCO3、BaCO3、ハイドロキシアパタイトCa5(PO4)3(OH)およびフルオロアパタイトを含んでいるカルシウムホスフェート、および主要成分としてこれらのいずれかを伴う複合物からなる群から選択されうる。主要成分は、本粒子の合計分子量の少なくとも20%と定義されており、例えば、本粒子の合計分子量の少なくとも30%、例えば、本粒子の合計分子量の少なくとも40%、例えば、本粒子の合計分子量の少なくとも50%、例えば、本粒子の合計分子量の少なくとも60%、例えば、本粒子の合計分子量の少なくとも70%、例えば、本粒子の合計分子量の少なくとも80%、例えば、本粒子の合計分子量の少なくとも90%、例えば、本粒子の合計分子量の少なくとも95%、例えば、本粒子の合計分子量の少なくとも98%、例えば、本粒子の合計分子量の少なくとも99%である。
【0034】
崩壊性化合物は、PEG修飾CaCO3、mAbs及びFabsを含んでいるタンパク質修飾CaCO3、炭水化物修飾CaCO3、脂質修飾CaCO3、ビタミン修飾CaCO3、有機化合物修飾CaCO3、ポリマー修飾CaCO3、および/または無機結晶修飾CaCO3からなる群から選択されるCaCO3でありうる。
【0035】
崩壊性化合物は、PEG修飾MgCO3、mAbs及びFabsを含んでいるタンパク質修飾MgCO3、炭水化物修飾MgCO3、脂質修飾MgCO3、ビタミン修飾MgCO3、有機化合物修飾MgCO3、ポリマー修飾MgCO3、および/または無機結晶修飾MgCO3からなる群から選択されるMgCO3でありうる。
【0036】
崩壊性化合物は、PEG修飾SrCO3、mAbs及びFabsを含んでいるタンパク質修飾SrCO3、炭水化物修飾SrCO3、脂質修飾SrCO3、ビタミン修飾SrCO3、有機化合物修飾SrCO3、ポリマー修飾SrCO3、および/または無機結晶修飾SrCO3からなる群から選択されるSrCO3でありうる。
【0037】
崩壊性化合物は、PEG修飾BaCO3、mAbs及びFabsを含んでいるタンパク質修飾BaCO3、炭水化物修飾BaCO3、脂質修飾BaCO3、ビタミン修飾BaCO3、有機化合物修飾BaCO3、ポリマー修飾BaCO3、および/または無機結晶修飾BaCO3からなる群から選択されるBaCO3でありうる。
【0038】
崩壊性化合物は、PEG修飾Ca5(PO4)3(OH)、mAbs及びFabsを含んでいるタンパク質修飾Ca5(PO4)3(OH)、炭水化物修飾Ca5(PO4)3(OH)、脂質修飾Ca5(PO4)3(OH)、ビタミン修飾Ca5(PO4)3(OH)、有機化合物修飾Ca5(PO4)3(OH)、ポリマー修飾Ca5(PO4)3(OH)、および/または無機結晶修飾Ca5(PO4)3(OH)からなる群から選択されるCa5(PO4)3(OH)でありうる。
【0039】
崩壊性化合物は、PEG修飾フルオロアパタイト、mAbs及びFabsを含んでいるタンパク質修飾フルオロアパタイト、炭水化物修飾フルオロアパタイト、脂質修飾フルオロアパタイト、ビタミン修飾フルオロアパタイト、有機化合物修飾フルオロアパタイト、ポリマー修飾フルオロアパタイト、および/または無機結晶修飾フルオロアパタイトからなる群から選択されるフルオロアパタイトでありうる。
【0040】
本複合物粒子は、上記の定義の通り、結合されている主要な成分である2または複数のこれらの崩壊性化合物を含んでいてもよい。
【0041】
本崩壊性化合物は、他の塩またはタンパク質またはペプチドと共に複合物として使用されてもよく、そして、オレエートおよび類似物のような界面活性剤によって表面修飾を受けていてもよい。
【0042】
特別の実施形態において、本崩壊性化合物は、本崩壊性化合物のポリエチレングリコール(PEG)修飾粒子または無機結晶修飾崩壊性化合物からなる群から選択される化合物と共に使用される。
【0043】
特別の実施形態において、本崩壊性化合物は、機能性レセプターおよび/またはモノクローナル抗体および誘導体を含んでいる抗原基や、ビタミン及び誘導体で修飾されておりレセプターや抗原が、粒子を、個別の標的細胞及び疾患組織へ結合させる。これは、本粒子の修飾が、他の化合物の崩壊性化合物への付加に関することを意味する。これは、様々な方法において、そして、相互作用、例えば、双極子ー双極子相互作用、イオン双極子およびイオン誘導双極子力、水素結合、ファンデルワールス力、および力の相対的強弱度(relative strength of forces)によって起こりうる。
【0044】
キレート剤は、標的親和分子、例えば、モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体または抗体誘導体、ビタミンまたはビタミン誘導体と優先的に結合されて、使用されうる。
【0045】
モノクローナル抗体(mAbs)、ポリクローナル抗体(pAbs)、抗原結合断片(Fabs)および他のタイプのポリペプチドおよびタンパク質は、特定の標的化を本粒子内に含めるために使用することができ、すなわち、特定標的分子を添加することによって、本粒子は、体内のある標的細胞に対する親和性を高めることができるであろう。
【0046】
リン含有添加剤
リン含有添加剤は、ホスフェートでもよく、従って、ホスフェート含有添加剤にもなりうる。リン含有添加剤は、ホスホネートでもよく、従って、ホスホネート含有添加剤にもなりうる。
【0047】
ホスホネートおよびホスホン酸は、C―PO(OH)2またはC―PO(OR)2基(R=アルキル、アリル)を含んでいる有機リン化合物である。ホスホン酸は、一般に塩として取り扱われ、有機溶媒への溶解性は悪いが、水および一般のアルコールへの溶解性はある、一般的な不揮発性の固体である。従って、ホスホネートの様々な塩および酸は、ホスホネートの定義の一部と理解される。
【0048】
一般的に、リン酸は、それぞれのリン原子の酸化度が+5で、4つの酸素原子と結合しており、そのうちの1つが2重結合であり、正四面体の頂点に配置されている、リンオキソ酸である。プロトンH+として水素原子を取り除くと、リン酸はホスフェートアニオンになる。一部の除去は、様々な水素ホスフェートアニオンをもたらす。
【0049】
リン含有添加剤は、ホスホネートであり得る。ホスホネートはビスホスホネートであり得る。ビスホスホネートは、エチドロネート、クロドロネート、チルドロネート、パミドロネート、ネリドロネート、オルパドロネート、アレンドロネート、イバンドロネート、リセドロネート、およびゾレドロネートからなる群から選択されうる。本発明の1または複数の実施形態において、ビスホスホネートは、エチドロネートである。本発明の1または複数の実施形態において、ビスホスホネートは、クロドロネートである。本発明の1または複数の実施形態において、ビスホスホネートは、チルドロネートである。本発明の1または複数の実施形態において、ビスホスホネートは、パミドロネートである。本発明の1または複数の実施形態において、ビスホスホネートは、ネリドロネートである。本発明の1または複数の実施形態において、ビスホスホネートは、オルパドロネートである。本発明の1または複数の実施形態において、ビスホスホネートは、アレンドロネートである。本発明の1または複数の実施形態において、ビスホスホネートは、イバンドロネートである。本発明の1または複数の実施形態において、ビスホスホネートは、リセドロネートである。本発明の1または複数の実施形態において、ビスホスホネートは、ゾレドロネートである。
【0050】
ホスホネートはポリホスホネートであり得る。ポリホスホネートは、EDTMPーエチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、DOTMP-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-テトライルーテトラキス(メチルホスホン酸)及びDTPMP-ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)からなる群から選択されうる。本発明の1または複数の実施形態において、ホスホネートは、EDTMPーエチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)である。本発明の1または複数の実施形態において、ホスホネートは、DOTMP-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-テトライルーテトラキス(メチルホスホン酸)である。本発明の1または複数の実施形態において、ホスホネートは、DTPMP-ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)である。
【0051】
1つの実施形態において、本発明の粒子は、崩壊性化合物としてCaCO3を、リン含有添加剤としてEDTMPーエチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)を、放射性核種として224Raを含んでいる。
【0052】
1つの実施形態において、本発明の粒子は、崩壊性化合物としてCaCO3を、リン含有添加剤としてパミドロネートを、放射性核種として212Pbを含んでいる。
【0053】
ホスフェート含有添加剤は、オルトホスフェート、直鎖のオリゴホスフェート、およびポリホスフェート、および環状ポリホスフェートからなる群から選択されうる。ポリホスフェートは、ピロホスフェート、トリポリホスフェートおよびトリホスホノホスフェートからなる群から選択されうる。リン含有添加剤は、環状ポリホスフェート、例えば、ヘキサメタリン酸ナトリウム(SHMP)でありうる。
【0054】
ホスホネート化合物および/またはホスフェート化合物の濃度は、ml当たり、1マイクログラムから1000ミリグラム、例えば、最終溶液ml当たり、0.1mgから10mg、または最終溶液中の1グラム粒子あたり1マイクログラムから1000ミリグラムである。実施例6において使用された粒子および方法を用いると、1グラムCaCO
3当たり0.001-0.046グラムのEDTMPの範囲で試験を実施し、サイズ制御を得るためには、1グラムCaCO
3粒子あたり、少なくとも、0.013グラムのEDTMPが必要であった。SHMPおよびパミドロネートに対して、濃度を試験して、1グラムCaCO
3当たり0.015-0.200グラムのSHMP、および1グラムCaCO
3当たり0.008-0.016グラムのパミドロネートが、多分散懸濁液中のサイズの安定化に寄与していた。実施例12(
図5)は、少なくとも1%のEDTMPの添加が、マイクロ粒子のサイズ制御に寄与することを示す。
【0055】
従って、ホスフェート含有添加剤、例えば、EDTMPに対して、患者服用量の範囲は、mL当たり、1ugから1g、またはg粒子当たり、1ugから1gであり得る。例えば、患者服用量は、2.5mg/mL、または25mg/グラムCaCO3のような崩壊性化合物でありうる。ホスフェート含有添加剤、例えば、EDTMPの添加は、0.1-10%でありうる。前記添加は、0.5-5%または0.5-2%でもありうる。前記添加は、少なくとも1%でありうる。
【0056】
ホスフェート含有添加剤、例えば、EDTMPは、10ml製品当たり、24.4mg EDTMPのようなホスフェート含有添加剤の濃度において使用されうる。例えば、10mL製品当たり、20から30mgの範囲である。
【0057】
ホスフェート含有添加剤、例えば、EDTMPは、賦形剤としても使用されうり、最終濃度5.6mM(2.44mg/mL)で、4.6-6.6mMの範囲である。
【0058】
ホスフェート含有添加剤、例えば、EDTMPは、24.4mg/g炭酸カルシウム、または1グラム炭酸カルシウム当たり、10mg-50mgの範囲で使用される。
【0059】
ホスフェート含有添加剤、例えば、EDTMPは、2.4%w/wで使用されてもよく、その範囲は、1-20%w/wである。
【0060】
EDTMPのようなホスフェート含有添加剤の量は、10ml製品当たり、24.4mgでもよい。
【0061】
ホスフェート含有添加剤、例えば、EDTMPまたはEDTMPA(酸)は、5.6mM (2.44mg/mL)の濃度で賦形剤として使用されうる。
【0062】
EDTMPまたはEDTMPA(酸)のようなホスフェート含有添加剤の濃度は、5.6 mM±15%であってもよい。
【0063】
ホスホネート含有添加剤、例えば、パミドロネートに対して、患者服用量の範囲は、mL当たり1ugから1g、またはg粒子当たり1ugから1gであってもよい。例えば、患者服用量は、2.5mg/mL、または25mg/1グラムCaCO3のような崩壊性化合物であってもよい。ホスフェート含有添加剤、例えば、パミドロネートの添加は、0.1-10%であってもよい。前記添加は、0.5-5%または0.5-2%であってもよい。前記添加は、少なくとも1%であってもよい。
【0064】
ホスフェート含有添加剤、例えば、パミドロネートは、10ml製品当たり、10mgホスフェート含有添加剤、例えば、パミドロネートの濃度において使用されてもよい。例えば、その範囲は、10ml製品当たり、5から50mgの範囲である。
【0065】
ホスフェート含有添加剤、例えば、パミドロネートは、最終濃度4mM (1mg/mL)で賦形剤として使用されてもよい。その範囲は、0.1-10mMである。
【0066】
ホスフェート含有添加剤、例えば、パミドロネートは、0.01g/g炭酸カルシウム、または1mg-50mg/1グラム炭酸カルシウムの範囲で使用されてもよい。
【0067】
ホスフェート含有添加剤、例えば、パミドロネートは、1%w/wで使用されてもよい。その範囲は、0.1-5%w/wである。
【0068】
パミドロネートのようなホスフェート含有添加剤の量は、10ml製品当たり10mgであってもよい。
【0069】
ホスフェート含有添加剤、例えば、パミドロネートまたはパミドロン酸は、4mM(1mg/mL)の濃度で賦形剤として使用されてもよい。
【0070】
パミドロネートまたはパミドロン酸のようなホスフェート含有添加剤の濃度は、4mM±25%であってもよい。
【0071】
実施例13は、沈降速度が、粒子サイズの縮小により、減少されることを示している。製品の臨床投与における利点を有する、懸濁液の取り扱いに対する改善された特徴がある。それゆえに、ホスフェート含有添加剤、例えば、EDTMPの添加は、粒子サイズの縮小による、沈降速度に対して重要な影響を与えうる。実施例14は、層被包の有無によるCaCO3マイクロ粒子上の212Pbおよび 224Raの保持比較を示し、特に212Pbの保持が、製品におけるホスフェート含有添加剤、例えば、EDTMPに層を添加することで、どのように改善されるかを示している。実施例15の例は、異なる量の層被包マイクロ粒子およびフリーラジウム224の間のラジウム224および鉛212(lead-212)両方の体内分布の比較を示す。骨の減少されたレベルは、マイクロ粒子の増加している量を取り込む。
実施例16は、MPs上に吸着された化学的に同等な安定娘核種208Pbの蓄積量が、時間と共に増加することを示している。実施例17は、212Pb及びカルシウムの両方とEDTMPのよく知られた錯体形成性質は、212Pb-EDTMP複合体が、MPsと結合できることを指し示すことを示している。
【0072】
放射性核種
治療目的のために、α線、β線およびオージェ電子を放出する放射性核種が知られている。放出された粒子の質量およびエネルギーにおける多様性により、組織におけるそれらの範囲およびそれによる線エネルギー付与(LET)は、有意に異なる。LETは、単位長さ当たりの物質へのエネルギー移動であると定義されている。一般的に、低LETβ放射体は、高LETα放射体およびオージェ放射体よりも、大きな腫瘍の治療により適していると考えられている。そして、それは、微小転移病および単細胞病の治療に好まれている。それゆえに、本発明の粒子における放射性核種は、意図した使用に関して、適合しうる。
【0073】
局所治療、例えば、腹腔内空洞におけるα粒子放出化合物の主要な医療上の利点は、より短い範囲であり、一般に、医療用β放射体からのβ粒子に対するmmからcmの範囲と比較して、αは0.1mm未満である。
【0074】
腹腔内(intraperitoneal:IP)使用の場合は、放射線感受性腸クリプト細胞のような内部器官のより深い範囲に照射するため、α放射体の使用は、腔内の環境において、毒性リスクを減少させる。細胞を殺すのに、極めて少ないαの衝突が必要とされており、修復できない2本鎖結合の損傷を生じさせる高い確率のため、DNA鎖損傷の高い修復能力のような細胞耐性機構は、問題が少ないので、放出されたα粒子の高い線エネルギー付与は、また利点である。
【0075】
崩壊あたりの高い効果は、低い放射能が必要とされていることを意味するものであり、大半のα放射体およびβ放射体が保護される必要のあるX線及びγ線を放出することから、病院スタッフおよび関係者を遮蔽する必要性を低減する。
【0076】
がんが巨大腫瘤病変として特徴づけられた状況において、α粒子と比較してより長い範囲のβ粒子は、利点となりうる。より長いβ粒子の経路長は、いわゆるクロスファイア効果(cross-fire effect)を生じさせ、有意に多くの近傍及び離れた細胞への照射により、放射標識された粒子が生じたところからさらに離れている細胞に損傷が引き起される。
【0077】
本文脈において、プロジェニーは、親放射線核種の崩壊の結果物である放射線核種であると理解されている。従って、例えば、224Raが親放射性核種であるとき、220Rnは、娘放射性核種であり、216Poは孫娘放射性核種であり、そして、212Pbは、ひ孫娘放射性核種である。それゆえに、220Rn、216Poおよび212Pbはすべて224Raのプロジェニー放射性核種であると理解される。
【0078】
従って、α線放出放射性核種224Raと娘放射性核種220Rn、孫娘放射性核種216Po、およびひ孫娘放射性核種212Pbは、1つの実施形態内である。224Raが放射性核種であるとき、本発明粒子に対して、これらすべては、前記粒子によって、含まれているであろう。
【0079】
本発明粒子における放射性核種は、225Ra、224Ra223Ra、225Ac、212Bi、227Th、211At、213Bi、212Pb、64Cu、67Cu、166Ho、177Lu、32P、 186Re、188Re、153Sm、89Sr、161Tb、90Y、220Rn、216Po、212Po、 208Tl、18F、67Ga、86Y、99mTc、111In、203Pb、83Sr、152Tbおよび 155Tbからなる群から選択されうる。前記放射性核種は、225Ac、211At、213Bi、212Bi、225Ra、224Ra、223Raおよび227Thからなる治療に適したα放射線核種からなる群から選択されうる。前記放射性核種は、64Cu、67Cu、166Ho、177Lu、32P、186Re、188Re、153Sm、89Sr、161Tb、90Yからなる治療に適したβ放射線核種からなる群から選択されうる。放射性核種は、治療に適したαプロジェニーである212Pbを伴う、β放射体でありうる。放射性核種は、プロジェニー放射性核種である220Rn、216Po、212Pb、212Bi、212Poおよび208Tlを伴う、α放射体224Raからなる群から選択されうる。放射性核種は、18F、67Ga、86Y、99mTc、111In、203Pb、64Cu、83Sr、152Tbおよび155Tbからなるイメージングに適した放射性核種からなる群から選択されうる。本発明の1または複数の実施形態において、放射性核種は、225Raである。本発明の1または複数の実施形態において、放射性核種は、224Raである。本発明の1または複数の実施形態において、放射性核種は、223Raである。本発明の1または複数の実施形態において、放射性核種は、225Acである。本発明の1または複数の実施形態において、放射性核種は、212Biである。本発明の1または複数の実施形態において、放射性核種は、227Thである。本発明の1または複数の実施形態において、放射性核種は、211Atである。本発明の1または複数の実施形態において、放射性核種は、213Biである。本発明の1または複数の実施形態において、放射性核種は、212Pbである。本発明の1または複数の実施形態において、放射性核種は、64Cuである。本発明の1または複数の実施形態において、放射性核種は、67Cuである。本発明の1または複数の実施形態において、放射性核種は、166Hoである。本発明の1または複数の実施形態において、放射性核種は、177Luである。本発明の1または複数の実施形態において、放射性核種は、32Pである。本発明の1または複数の実施形態において、放射性核種は、186Reである。本発明の1または複数の実施形態において、放射性核種は、153Smである。本発明の1または複数の実施形態において、放射性核種は、89Srである。本発明の1または複数の実施形態において、放射性核種は、161Tbである。本発明の1または複数の実施形態において、放射性核種は、90Yである。本発明の1または複数の実施形態において、放射性核種は、220Rnである。本発明の1または複数の実施形態において、放射性核種は、216Poである。本発明の1または複数の実施形態において、放射性核種は、212Biである。本発明の1または複数の実施形態において、放射性核種は、212Poである。本発明の1または複数の実施形態において、放射性核種は、208Tlである。本発明の1または複数の実施形態において、放射性核種は、18Fである。本発明の1または複数の実施形態において、放射性核種は、67Gaである。本発明の1または複数の実施形態において、放射性核種は、99mTcである。本発明の1または複数の実施形態において、放射性核種は、111Inである。本発明の1または複数の実施形態において、放射性核種は、203Pbである。本発明の1または複数の実施形態において、放射性核種は、152Tbである。本発明の1または複数の実施形態において、放射性核種は、155Tbである。本発明の1または複数の実施形態において、放射性核種は、83Srである。本発明の1または複数の実施形態において、放射性核種は、86Yである。
【0080】
これらの放射性核種は、本発明の粒子内において結合されていてもよい。それゆえ、前記粒子は、上述した放射性核種の1、2、またはそれ以上を含んでいる。これは、放射性核種が崩壊し、そしてその天然のプロジェニーになる自然要因により生じ得る。例えば、224Raが親放射性核種であり、220Rnが娘放射性核種で、216Poが孫娘放射性核種で、そして、212Pbがひ孫娘放射性核種の時、そのような状況が生じ得る。それゆえに、220Rn、216Poおよび212Pbは、すべて224Raのプロジェニー放射性核種であると見なされており、自動的な224Raの自然崩壊により、粒子中に、一定量存在するであろう。
【0081】
自然崩壊からの量よりも多くの量を含んでいることは、粒子の意図した使用のために有益となりうるため、2または複数の放射性核種は、本粒子中に含まれていてもよい。例えば、もし、224Raおよび212Pbが、本粒子の形成のために、混合されるなら、これは生じ得る。この状況において、もし、本粒子が、精製された224Raと調製されたら、存在するであろう量よりも、粒子中の212Pbのレベルはより高く存在するであろう。
【0082】
患者適用量あたりに使用される放射性核種の量は、1kBqから10GBqの範囲において、より好ましくは、100kBqから100MBq、よりいっそう好ましい範囲は、0.5MBqから25MBqであってもよい。適用量範囲は、患者服用量あたり、10MBqから10GBqであってもよい。適用量範囲は、患者服用量あたり、10MBqから5GBqであってもよい。前記範囲は、β放射体、α放射体、またはこれの組み合わせに対してでありうる。前記範囲は、治療またはイメージングに対してでありうる。適用量は、がんのタイプ、および、例えば、その病気がどれぐらい侵攻性であるかによる。1つの実施形態において、適用量は、10-100kBq/kg、例えば、20-50kBq/kgである。他の実施形態において、適用量は、10-1000kBq/kg、例えば、25-300kBq/kgである。さらなる実施形態において、適用量は、100-500kBq/kg、例えば、150-300kBq/kgである。1つの実施形態において、服用量は、1-100 MBq/kg、例えば、5-20MBq/kgである。他の実施形態において、服用量は、1-1000MBq/kg、例えば、10-50MBq/kgである。さらなる実施形態において、服用量は、100-500MBq/kg、例えば、150-300MBq/kgである。
【0083】
本発明の1つの実施形態において、医薬組成物は、投与量あたり、1kBqから10 GBqである放射性核種の量で調製される。例えば、100患者投与量が、1日あたり1バッチで生産される場合、医薬組成物は100の1回投与バイアル、または即時使用シリンジに分配される合計1~10GBqから成り立ちうる。
【0084】
本発明の他の実施形態において、医薬組成物は、複数投与商業規模生産、例えば、50MBqから100GBqに対して適している放射性核種の量で調製される。
【0085】
従って、本発明の組成物は、投与量あたり、1kBqから10GBqである放射性核種の量で、または、複数投与商業規模生産に適している50MBqから100GBqである放射性核種の量で調整されてもよい。
【0086】
形態および組成物
本粒子は、様々な特徴を持つことができ、そして、粒子のサイズは、意図した使用および用途により、変更してもよい。
【0087】
結晶のタイプは、任意の知られた崩壊性化合物の形態であってもよく、そして、1nmから500μmに変化するサイズが使用されてもよい。前記サイズは、100nmから50μmの範囲で存在していてもよく、さらに好ましくは、サイズは、1-10μmの範囲である。1つのより好ましい実施形態において、前記サイズは、1-10μmである。他のより好ましい実施形態において、前記サイズは、100nmから5μm、および他には10-100nmである。他のより好ましい実施形態において、前記サイズは、1-20μm、および他には2-10μmである。
【0088】
ある態様は、本発明に関する1または複数の粒子を含有している組成物に関する。組成物は、崩壊性化合物、放射性核種、およびリン含有添加剤を含有する単分散の粒子または多分散の粒子を含有する粒子懸濁液であってもよい。
【0089】
本発明の1または複数の実施形態は、本発明の粒子の使用であって、放射性核種は、放射性核種によって標識された表面、粒子体積の一部として標識された封入体、または、放射標識された後、放射標識された表面を保護し、放射性核種の放出を抑制する材料の層でカバーされた表面標識粒子である、前記使用に関する。本発明粒子は、放射性核種標識された粒子となっていてもよく、それにより、もともとの表面をカバーするために、材料の層が加えられ、放射性核種を被包する。実施例5は、粒子を調製するこれらの様々なタイプについて記述している。
【0090】
表面標識は、要素の親和性によって引き起こされる、放射性核種の結晶粒子への吸着として実行されてもよく、または、追加の無機化合物が沈殿過程を促進する共沈殿として実行されてもよい。キレート剤は、この過程において使用されてもよい。そして、前記キレート剤は、粒子内に、または粒子表面に取り込まれ得る。
【0091】
本発明のある態様は、崩壊性化合物および放射性核種を含有する粒子を含んでいる組成物に関しており、ここでリン含有添加剤は、前記組成物中に含まれている。前記組成物は、粒子懸濁液であってもよい。前記リン含有添加剤は、粒子内に取り込まれてもよい。リン含有添加剤は、粒子表面と会合されていてもよく、または、粒子周辺、すなわち、粒子の一部である組成物または懸濁液において存在していてもよい。従って、本発明の1つの態様は、粒子を含有する組成物または懸濁液であって、前記粒子は、崩壊性化合物、放射性核種およびリン含有添加剤を含んでおり、そして、リン含有添加剤は、組成物または懸濁液において存在することで、粒子と会合している、前記組成物または懸濁液に関する。リン含有添加剤は、粒子の一部として存在してもよい。その存在は、粒子の表面上にあってもよい。その存在は、組成物または粒子の懸濁液の一部として存在してもよい。その存在は、粒子の一部として、および組成物または粒子の懸濁液として存在しうる。
【0092】
本発明の一または複数の実施形態は、固相および液相の混合物である粒子懸濁液に関する。リン含有添加剤は、液相において存在していてもよい。リン含有添加剤は、固相に存在してもよい。リン含有添加剤は、液相および固相に存在してもよい。固相において、リン含有添加剤は、表面上に、または粒子内に埋め込まれて、または表面または固相内に埋め込まれるの両方で、存在してもよい。固相は、ナノ粒子、マイクロ粒子、またはこれら2つの組み合わせでできていてもよい。放射性核種は、粒子の表面と会合されていてもよく、または、体積中に、または、粒子の容積中に、またはその両方に埋め込まれていてもよい。それゆえに、固相は、崩壊性化合物および放射性核種を含有しており、リン含有添加剤を伴うか又は伴わない、粒子を含んでいる。しかし、リン含有添加剤が固相の一部でないときは、リン含有添加剤は、常に、液相に存在しうる。崩壊性化合物、放射性核種、およびリン含有添加剤は、本明細書で開示された任意のものであってもよい。
【0093】
リン含有化合物は、放射性核種と組み合わせても、または、組み合わせなくてもよい。
【0094】
本発明の組成物は、好ましくは、水性組成物である。従って、この実施形態において、液相は、水層である。組成物は塩類組成物であってもよい。組成物は、アルコール組成物であってもよい。組成物は、ゲルマトリックス組成物であってもよい。本発明の組成物は、本発明粒子の懸濁液であってもよい。
【0095】
従って、本発明のさらなる態様は、組成物、または本発明に関する1または複数の粒子および希釈剤、担体、界面活性剤、分散剤および/または賦形剤を含んでいる医薬品組成物に関する。
【0096】
許容できる担体および薬学的担体は、非毒性緩衝液、賦形剤、等張液、溶媒および共溶媒、抗菌性の保存剤、酸化防止剤、湿潤剤、消泡剤、および増ちょう剤等を含んでいるが、これには限定されない。より具体的には、薬学的担体は、生理食塩水(0.9%)、半生理食塩水、乳酸リンゲル液、溶解ラクトース、ブドウ糖、例えば、3.3%ブドウ糖/0.3%生理食塩水であってもよいが、これには限定されない。生理学的に許容される担体は、放射線分解安定剤、例えば、アスコルビン酸、ヒト血清アルブミンを含んでいてもよく、それらは、保存および輸送の間、放射性医薬品の完全性を保護する。
【0097】
本粒子は、医療注射液と同等な様々な緩衝液、例えば、溶解塩および/またはタンパク質および/または脂質および/または糖類中に分散されていてもよい。
【0098】
医薬組成物は、多数の粒子を含んでいてもよい。これらは同じものでも異なるものでもよい。
【0099】
医療用途
本粒子および組成物または本発明は、放射線治療の化合物および/または放射線治療の混合物(組成物および溶液)として使用されてもよい。
【0100】
本発明の1つの態様は、医薬としての使用するための、粒子、組成物または本発明の医薬組成物に関する。本発明の1つの態様は、がん治療における使用のための、粒子、組成物または本発明の医薬組成物に関する。
【0101】
非経口注射は、少なくとも、静脈内の(IV)、筋肉内の(IM)、皮下の(SC)、および皮内の(ID)投与を包含している用語である。従って、本発明の1または複数の実施形態は、非経口注射を含んでいる投与における、本発明の粒子、組成物、または医薬品組成物の使用に関する。本発明の1または複数の実施形態は、静脈内の(IV)投与を含んでいる投与における、本発明の粒子、組成物、または医薬品組成物の使用に関する。本発明の1または複数の実施形態は、筋肉内の(IM)投与を含んでいる投与における、本発明の粒子、組成物、または医薬品組成物の使用に関する。本発明の1または複数の実施形態は、皮下の(SC)投与を含んでいる投与における、本発明の粒子、組成物、または医薬品組成物の使用に関する。本発明の1または複数の実施形態は、皮内の(ID)投与を含んでいる投与における、本発明の粒子、組成物、または医薬品組成物の使用に関する。本発明の1または複数の実施形態は、腫瘍内の投与を含んでいる投与における、本発明の粒子、組成物、または医薬品組成物の使用に関する。
【0102】
本発明の粒子の医学的使用は、(1)腔内治療(2)放射線塞栓術(3)放射線滑膜切除術(4)イメージング(5)医療機器においてでありうるヒトまたは獣医学の使用を含んでいる。
【0103】
腔内治療は、例えば、腹腔内がん、頭蓋内がん、胸膜がん、膀胱がん、噴門がん、くも膜下腔がん治療を含んでいてよい。粒子が使用されうる空洞の例は、頭蓋腔、胸腔、肺腔、脊髄空洞、骨盤空洞、心膜、肋膜空洞、膀胱腔またはこれらの空洞のどれの範囲内ででも、腹膜または髄膜と器官の上で蔓延しているがんを含むこれらの組合せで使用されうる。本発明の一つの実施形態において、前記がんは、腹腔内がん、頭蓋内がん、胸膜がん、膀胱がん、噴門がん、くも膜下腔がん治療からなる群から選択されうる。本発明の1つの実施形態において、前記がんは、転移がん、肺がん、卵巣がん、大腸がん、胃がん、すい臓がん、乳がん、腫瘍性髄膜炎、腹膜がん、胸水、悪性中皮腫、乳がん、肉腫、膠芽腫および星細胞腫のような脳がん、前立腺がん、および肝臓がんからなる群より選択される。本発明の1または複数の実施形態は、前記がんが転移がんである、本発明の使用に関する。本発明の1または複数の実施形態は、前記がんが肺がんである、本発明の使用に関する。本発明の1または複数の実施形態は、前記がんが卵巣がんである、本発明の使用に関する。本発明の1または複数の実施形態は、前記がんが大腸がんである、本発明の使用に関する。本発明の1または複数の実施形態は、前記がんが胃がんである、本発明の使用に関する。本発明の1または複数の実施形態は、前記がんが胃がんである、本発明の使用に関する。本発明の1または複数の実施形態は、前記がんがすい臓がんである、本発明の使用に関する。本発明の1または複数の実施形態は、前記がんが乳がんである、本発明の使用に関する。本発明の1または複数の実施形態は、前記がんが腫瘍性髄膜炎である、本発明の使用に関する。本発明の使用に関する。本発明の1または複数の実施形態は、前記がんが腹膜がんである、本発明の使用に関する。本発明の1または複数の実施形態は、前記がんが胸水である、本発明の使用に関する。本発明の1または複数の実施形態は、前記がんが胸水である、本発明の使用に関する。本発明の1または複数の実施形態は、前記がんが胸水である、本発明の使用に関する。本発明の1または複数の実施形態は、前記がんが悪性中皮腫である、本発明の使用に関する。本発明の1または複数の実施形態は、前記がんが乳がんである、本発明の使用に関する。本発明の1または複数の実施形態は、前記がんが前立腺がんである、本発明の使用に関する。本発明の1または複数の実施形態は、前記がんが心臓がんである、本発明の使用に関する。本発明の1または複数の実施形態は、前記がんが肉腫である、本発明の使用に関する。本発明の1または複数の実施形態は、前記がんが膠芽腫および星細胞腫のような脳がんである、本発明の使用に関する。本発明の1または複数の実施形態は、前記がんが膀胱がんである、本発明の使用に関する。本発明の1または複数の実施形態は、前記がんが肝臓がんである、本発明の使用に関する。
【0104】
本発明の1つの態様は、がん治療における使用に対する本発明の粒子、組成物、または医薬品組成物に関する。そして前記がんは、腹腔内がん、頭蓋内がん、胸膜がん、膀胱がん、噴門がん、くも膜下腔がん、非空洞性の標的、例えば、メラノーマ、非小細胞肺がんからなる群から選択される。
【0105】
がんとの組み合わせというよりもむしろ、感染、または炎症である病気を治療、または改善することが、本発明粒子の使用に対する特別の実施形態である。例えば、前記炎症は、関節炎であってもよい。
【0106】
本発明の1つの実施形態では、感染は、細菌感染およびウィルス感染からなる群より選択される。
【0107】
放射線塞栓術は、本発明粒子を、血管に投与し、腫瘍組織によって浸潤されている肝臓または他の固形器官における腫瘍へもたらすことにより、器官、例えば、肝臓における原発腫瘍または転移がんの治療を含んでいてもよい。
【0108】
慢性炎症を含んでいる関節障害に対する放射線滑膜切除術は、放射性物質を使用する有痛関節症に対する標的放射線療法である。その使用は、血友病関節炎の治療を含んでいる。
【0109】
今日、放射線滑膜切除術は、炎症性の病気、または、リウマチ様疾患、様々な関節滑膜の関節症、特に、膝、手および足首に対して使用されているβ粒子放出化合物を基盤としている。崩壊性である本明細書で述べられている粒子は、放射線滑膜切除術においてかなり有益となり得る。
【0110】
本粒子は、局所注射、例えば、腔内により、好ましくは投与される。特別の態様において、本粒子は、腫瘍に直接注射される。
【0111】
本発明の他の態様は、本発明の粒子または医薬品組成物を、それを必要とする個人に投与することを含んでいる治療法または改善法に関する。
【0112】
本発明の組成物は、非経口での使用、例えば、静脈注射、腔内注射、および/または腫瘍内注射に適しうる。
【0113】
本発明の1つの態様において、本発明に関する粒子は、医療機器である、または、医療機器中に、含まれている。
【0114】
医療機器は、任意の器具、装置、機器、ソフトウェア、道具、または他の物であり、単体または、組み合わせで使用される。そして、そのメーカーによって、特有の診断目的および/または治療目的で使用されることおよびその適切な適用が必要不可欠であると意図されており、そのメーカーによって、ヒトのために、下記の目的:診断、予防、モニタリング、病気の治療、病気の緩和;診断、モニタリング、治療、緩和、損傷またはハンディキャップに対する補償;検査、解剖または生理学的プロセスの置き換えまたは修正;受胎のコントロール;で使用されると意図されているソフトウェアを含んでいる。そして、それは、薬理学的な手段、免疫学的な手段、代謝的な手段によって、人体内また人体上で、その主要な意図した作用を達成しない。しかし、それは、そのような手段によって、その機能内で、促進されてもよい。
【0115】
医療機器は、意図された使用および適用に関して、様々である。例は、シンプルデバイス、例えば、舌圧子、体温計、およびディスポーサブル手袋からアドバンスドデバイス、例えば、医療検査、移植、および装具の管理において、補助するコンピューターに及ぶ。
【0116】
FDAによれば、医療機器は、器具、器械、道具、機械、移植片、in vitro試薬、もしくは、他の類似の物または関連した物である。そして、構成部品または付属品は:公式の国民医薬品集、または米国薬局方、またはそれらの任意の付録に承認されている、ヒトまたは他の動物において、病気または他の状態の診断、もしくは病気の治療(cure)、軽減、治療(treatment)、予防における使用に意図されている、または人または他の動物の体の構造または任意の機能に影響することを意図されている。そして、それは、ヒトまたは他の動物の体の中または表面で、化学作用を通じて、いずれかのそれの主要な意図した目的を達成しない。そして、それは、いずれかのその主要な意図した目的の達成のために代謝されることに左右されない。
【0117】
本粒子は、代謝されず、そしてまた体内で重要な化学作用を示すことはない。粒子は、代謝されないように設計され、または体内でいかなる化学作用を示さない放射能の担体である。そして、これは、毒性などのきわめて限定的な望まない副作用を伴う放射線療法を可能にする。
【0118】
従って、1つの実施形態では、用語“医療機器”は、上記FDAの定義として理解される。
【0119】
イメージング
がんのイメージングは、がんの研究および診断で使用されている多くの手段を包含する総称である。病気の診断および病気の分類のためにもともと使用されており、現在、がんのイメージングは、外科手術および放射線治療を補助するため、がん治療の初期応答を探すため、治療に応答していない患者を特定するためにも使用されている。一要素は、病気の診断およびモニタリングにおける本願の放射性物質が関与する核イメージングである。核医学イメージングは、X線のような外部源によって生じた放射線よりもむしろ、体内から放出している放射線を記録するため、ある意味では、核医学イメージングは、インサイドアウトに行われた放射線医学、または内放射線医学(endoradiology)である。加えて、強調が、解剖学的構造のイメージングよりも、機能においているため、核医学スキャンは、放射線医学とは異なる。この理由から、生理学イメージングモダリティと呼ばれている。単一光子放射断層撮影(SPECT)および陽電子放出断層撮影(PET)は、核医学における2つの最も一般的なイメージングモダリティである。
【0120】
核医学において、診断的イメージングと治療が組み合わされた手法は、セラノスティクスと名付けられている。放射標識された粒子の体内分布の視覚化は、患者が治療からの恩恵をもっているおよび/または投与されるべき最適用量を決定する恩恵をもっているかどうかの予測を助けうる。放射標識された粒子の体内分布の視覚化は、患者が治療からの恩恵を受けるかを予測すること、及び/又は投与されるべき最適用量を決定することを手助けすることができる。幾つかの治療用の放射性核種は、それらをイメージングされることを可能にする性質が衰退したとしても、ほんのわずかのものだけが、放射能の体内分布の明確で正確な決定を可能にする性質を衰退する。それゆえに、薬剤を治療上の放射性核種の代用物で放射標識する考えが確立された。in vivoの診断的イメージングに対して、99mTc、 18Fおよび67Gaのような短命ガンマ線放射体、または陽電子放射体が一般に使用される。最適なイメージング性質にもかかわらず、治療用の放射性核種とは異なる化学的性質により、これらの放射性核種を使用することは、すべての場合において、実行可能ではない。加えて、診断用の放射性核種と治療用の放射性核種との間のかなり異なる放射性核種は、体内分布の解釈を複雑にしうる。それゆえに、例えば、それらは、両方とも、類似の半減期(2.8日対2.7日)をもった三価金属であるため、111Inは、90Yの代用物として使用されている。同じ元素の放射性核種のペア、治療に適した性質を衰退するものと、イメージングに適した性質を衰退するものを使用する、いわゆる、セラノスティクな放射性核種のペアを使用するという考えも現れてきている。その例は、86Y/90Y、64Cu/67Cu、83Sr/89Sr、52Tb/161Tbおよび203Pb/212Pbである。
【0121】
したがって、本発明の1つの態様は、イメージングにおいて使用するための本発明の粒子、組成物、または医薬品組成物に関する。本発明の1または複数の実施形態において、前記イメージングは、核医学イメージングである。
【0122】
併用療法
崩壊性粒子は、多くの異なる追加の化合物を含んでいてもよい。これらは、標的指向性、安定性、溶解性、および崩壊速度を含んでいる様々な目的に役立ちうる。
【0123】
本発明の1つの実施形態において、前記粒子は、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、放射性免疫複合体、免疫複合体、キレート抗体複合体、葉酸および葉酸誘導体を含んでいるビタミン、ペプチド、小分子抗体、およびアフィボディ(affibodies)からなる群より選択される1または複数の化合物を含んでいる。
【0124】
1つの実施形態において、本粒子は、腫瘍細胞上の抗原を含んでいる受容体に対して親和性を持っている、抗体、フラグメント抗体、またはタンパク質またはペプチドまたはビタミン誘導体(標的指向性複合体(targeting conjugate))を含んでいる。
【0125】
他の実施形態において、本粒子は、腫瘍細胞上の抗原を含んでいる受容体に対して親和性を持っている、放射標識された、抗体、フラグメント抗体、またはタンパク質またはペプチドまたはビタミン誘導体(標的指向性複合体(targeting conjugate))を含んでいる。それにより、前記標識された粒子は、表面上の一般的な粒子放射線を与えるであろうし、そして、標識された抗体または類似体は、受容体または抗原に結合することで、腫瘍細胞に対して、特有のα粒子線量を与える。
【0126】
本発明における放射性核種は、2官能性キレート剤を使用して、標的指向性分子と結合されていてもよい。
【0127】
これらは、環状の、直線状の、または分岐状のキレート剤であってもよい。骨格窒素に結合された酸性基(例えば、カルボキシアルキル)を伴った直鎖状の、環状の、または分岐状のポリアザアルカン骨格を含んでいる、ポリアミノポリ酸キレート剤が特に言及されてもよい。
【0128】
適したキレート剤の例は、DOTA誘導体、例えば、p-イソチオシアナトベンジル-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-四酢酸(p-SCN-Bz-DOTA)およびTCMSと名付けられた、このDOTA化合物のテトラ第一アミドバリアント、およびDTPA誘導体、例えば、p-イソチオシアナトベンジル-ジエチレントリアミン五酢酸(p-SCN-Bz-DTPA)を含んでおり、前者は環状キレート剤、後者は直線状のキレート剤である。
【0129】
錯体生成部分のメタル化は、錯体生成部分とターゲティング部分との結合の前後で、行われてもよい。
【0130】
放射標識を行う前に、キレート剤が抗体に結合されている場合、費やす時間という観点から、放射標識手順は、一般に、より便利となる。
【0131】
本発明の1つの態様は、本発明に関する使用のための、本発明の粒子、組成物、または医薬品組成物に関する。そして、それは、他のがん治療と併用して使用される。
【0132】
療法の例は、タキサン(例えば、パクリタキセル、ドセタキセル)、プラチン(例えば、カルボプラチン、シスプラチン)、ドキソルビシン、マイトマイシンのような化学療法である。他の例は、DNA修復阻害剤、例えば、PARP阻害剤(例えば、オラパリブ、ルカパリブ、ニラパリブ、タラゾパリブ、ベリパリブ、パミパリブ、CEP 9722、E7016および3-アミノベンズアミド)である。さらなる例は、放射免疫療法である。
【0133】
DNA修復阻害剤は、ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ阻害剤(PARPi)、MGMT阻害剤、DNA依存性プロテインキナーゼ阻害剤(DNA-PK阻害剤)、毛細血管拡張性運動失調症及びRad3関連(ATR)キナーゼ阻害剤、毛細血管拡張性運動失調症変異(ATM)キナーゼ阻害剤、Wee1キナーゼ阻害剤、または、チェックポイントキナーゼ1および2(CHK1/2)阻害剤からなる群より選択されうる。
【0134】
本発明の1または複数の実施形態において、PARPiは、オラパリブ、ルカパリブ、ニラパリブ、タラゾパリブ、ベリパリブ、パミパリブ、CEP9722、E7016および3-アミノベンズアミドからなる群より選択される。
【0135】
前記PARPiは、オラパリブであってもよい。前記PARPiは、ルカパリブであってもよい。前記PARPiは、ニラパリブであってもよい。前記PARPiは、タラゾパリブであってもよい。前記PARPiは、ベリパリブであってもよい。前記PARPiは、パミパリブであってもよい。前記PARPiは、CEP9722であってもよい。
前記PARPiは、E7016であってもよい。前記PARPiは、3-アミノベンズアミドであってもよい。
【0136】
粒子調製の方法
本発明の1つの態様は、本発明に関する粒子の調製方法に関し、そして、前記方法は、放射性核種の担体を使用するかまたは使用しないで、崩壊性化合物、放射性核種、およびリン含有添加剤を互いに接触させることを含んでいる。崩壊性化合物および放射性核種は、初めの段階において、第一粒子を形成しうる。そして、それは、すでに放射標識された粒子へ崩壊性化合物を添加する追加のステップをともなっていてもよく、これにより、積層粒子を与える。その後、リン含有添加剤が添加され、前記粒子を安定化する。このプロセスにおいて、リン含有添加剤は、粒子の一部となりうる、および前記粒子が存在する組成物中に残り得る。リン含有添加剤は、粒子の一部としても、粒子を含有する組成物中に残っているの両方でもありうる。異なる粒子調製の例は、実施例1および実施例5においてみることができる。粒子調製の他の例は、実施例18においてみることができる。
【0137】
リン含有化合物、例えば、ホスホネートおよびホスフェートは、結晶粒子を安定化する添加剤として適用されうる。すなわち、それらは、本明細書で述べられているリン含有添加剤である。サイズ制御を達成するために、これらの形成の間、粒子の形成完了後、標識の後、または最終形成にむけて、それらは結晶粒子のような粒子に適用されうる。製品は、オートクレーブにより殺菌されてもよく、そして添加剤は、このプロセスの前後で、含まれていてもよい。サイズ制御添加剤は、最終製品を調製するために使用されるキットの構成要素として使用されてもよい。
【0138】
実施例18は、より小さなマイクロ粒子(CaCO3SMPs)を生産するために、自然に起こる沈降反応中に、グリセロールの添加によって生産された炭酸カルシウムマイクロ粒子について述べている。
【0139】
従って、実施形態において、追加のサイズ制御添加剤は、粒子の調製中に、添加される。実施形態において、追加のサイズ制御添加剤は、これには限定されないが、ジオールまたはトリオールのようなアルコールである。実施形態において、追加のサイズ制御添加剤は、エチレングリコール(EG)、PEG、グリセロールおよびデキストラン、エタノールからなる群より選択される。実施形態において、追加のサイズ制御添加剤は、グリセロールである。
【0140】
リン含有化合物は、単分散の粒子および多分散の粒子の結晶粒子を安定化できる。粒子は溶液中に形成されるので、前記粒子は一般に単分散である。しかし、それらは、与えられた類似範囲内のサイズをもつなどの特徴を共有しうる。
【0141】
従って、本発明の1つの態様は、崩壊性化合物を含んでいる粒子のサイズを制御するためのリン含有添加剤の使用に関する。本発明の他の態様は、崩壊性化合物を含んでいる粒子を安定化するためのリン含有添加剤の使用に関する。放射性核種が添加される前後で、これらの粒子は、本発明の粒子でありうる。それゆえに、前記粒子は、崩壊性化合物自体であってもよい。本発明の1つの実施形態において、崩壊性化合物は、結晶粒子である。
【0142】
混合物中にプロジェニー212Pbを伴う224Ra溶液又は組成物は、粒子標識前に、212Pbと錯体形成するためにキレート剤―抗体コンジュゲートで前処理をして、212Pb抗原特異的治療のための放射性免疫複合体と、一般的な腔内治療のためのα放射体、例えば、224Ra標識粒子とを含んでいる、前記2成分療法システムを製造する。生物学的化合物、例えば、抗体は、これらの粒子の一部となりうる。その後、これらはリン含有添加剤と混合されてもよく、これにより、サイズ制御粒子を与える。組成物の粒子は、212Pb抗原―特有治療に対する組成物中の、212Pb標識された粒子であってもよい。
【0143】
1つの実施形態は、放射性核種、例えば、抗原―特有治療のための放射性免疫複合体、崩壊性化合物、およびリン含有添加剤を含んでいる3成分システムまたキットに関する。
【0144】
これを使用するより好ましい方法は、抗体が結合されたキレート剤を含んでいるバイアルAと、放射性核種、例えば、娘核種と平衡状態の224Raを含んでいるバイアルBと、マイクロ粒子を含んでいるバイアルCとを含んでいるキットによるものであろう。これによりAの内容物は、バイアルBに添加され、またはその逆で、そして、混合物がバイアルCに移される前に、数分間から数時間インキュベートされ、リン含有添加剤と混合される前に、数分から数時間さらにインキュベートされ、続いて、シリンジに移され、患者に注射される。
【0145】
224Ra粒子は、そのようなシステムにおいて、抗腫瘍活性に対して強く貢献すると予測されているため、この原理は、例えば、治療に必要とされる212Pb-放射性免疫複合体のレベルを有意に減少させ得る。
【0146】
本発明の他の態様は、本発明に関するナノ粒子またはマイクロ粒子、および任意に当該キットの使用に関する説明書を含んでいるキットに関する。
【0147】
本発明の1つの実施形態において、本キットは、モノクローナル抗体を含んでいる、分子結合キレート剤を含んでいる。
【0148】
放射性核種は、数日間の半減期を持っているので、現在の方法および製品は、集中生産およびエンドユーザーへの集中した発送を可能にしている。本発明の他の態様は、カルシウムおよびカーボネイト中でゆっくりと溶解する生分解性粒子の使用である。それにより、生体内ですでに十分存在する少量の製品を生産する。以下の特徴は注目すべきである。:放射線核種、例えば、224Raが、炭酸カルシウムのような崩壊性化合物に吸着された時、より長く存在するβ放射体212Pb(t1/2=10.6時間)の崩壊前に、超短命の216Po(t1/2=0.16秒)と共に、2つのα粒子を放出する短命220Rn(t1/2 =56秒)の重要な放出がある。鉛は、例えば、炭酸カルシウムとかなり高い沈殿性を示す。そのため、i.p.流体中の212Pbは、体循環中に漏出した212Pbを減らす粒子と再結合する傾向である。
【0149】
したがって、224Raが崩壊してガスとなり、粒子から拡散し、その後さらに崩壊して212Pbとなり、炭酸カルシウムと沈殿することは、非常に特殊な技術的特徴である。
【0150】
あらかじめ製造された粒子と、その後の表面沈降または放射性核種をより深く含めるための放射性核種共沈は、治療用製品の生産に有益な2つの方法である。いったん放射性核種と崩壊性化合物が第一粒子を形成した後は、リン含有添加剤が第一粒子のサイズを制御し、本発明の粒子となり得る。
【0151】
粒子はナノメートルから数十マイクロメートルのサイズで製造され、高い標識収率で放射標識され、そして数日間貯蔵することができ、これにより、即時使用の粒子懸濁液の集中生産および病院への発送が可能になるので、重要である。粒子の完全性にリスクを与えることなく、これは行い得るし、それゆえに、粒子が完全性を維持し、そして意図した使用に必要とされるサイズを有することを保証する。
【0152】
本発明の1つの態様としては、本明細書で述べられている任意の方法によって生産された粒子に関する。
【0153】
一般
本発明による化合物に関連して上述した任意の特徴および/または態様は、本明細書に記載の方法に類推して適用されることを理解されるべきである。
【0154】
本発明を説明するために、以下の図および実施例は提供される。これらは例示であることを意図しており、いかなる意味でも限定するものとして解釈されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0155】
【
図1】
224Ra-CaCO
3-マイクロ粒子の異なるバリアントの腹腔内投与後1日目の
224RaのEx vivo組織分布:(A)1mgおよび5mgの添加剤なしの表面が標識されたもの、(B)EDTMP中の、表面が標識され、層で保護された1.2mg、6mg、および12mgの
224Ra-CaCO
3-マイクロ粒子、(C)異なる量のSHMPで洗浄された表面が標識された
224Ra-CaCO
3-マイクロ粒子、(D)EDTMP中の、封入体が標識された
224Ra-CaCO
3-マイクロ粒子。データは、それぞれのマウスの個別のデータポイントを表す記号に加え、棒線は、集められた器官および組織の1グラム組織当たりの注射された服用量のメディアン%を表していることを示されている。
【
図2】カチオン性の
224Raの腹腔内投与後1日目の放射能のEx vivo組織分布:データは、それぞれのマウスの個別のデータポイントを表す記号に加え、棒線は、集められた器官および組織の1グラム組織当たりの注射された服用量のメディアン%を表していることを示されている。
【
図3】1×10
6ES-2細胞を腹腔内に接種され、そして、一日後に、0.9%NaCl、または
224Ra-標識CaCO
3マイクロ粒子の5つの異なるバリアントの腹腔内注射で処理された胸腺欠損ヌードフォックスヌーマウス(athymic nude Foxnu mice)のカプランマイヤー生存プロット。N=5-6マウス/群
【
図4】5×10
4CT26を腹腔内に接種されたBALB/cマウスのカプランマイヤー生存プロット。WT細胞および0.9%NaCl、または
224Ra-標識CaCO
3マイクロ粒子の4つの異なるバリアントの腹腔内注射で処理され一日経過後のもの。N=7-8マウス/群
【
図5】CaCO
3マイクロ粒子の粒度分布。(a)原料として使用されたオートクレーブされていないCaCO
3-MPsと比較された、生理食塩水中に懸濁され、初日にオートクレーブされた、異なるEDTMP%(w/w)を伴った、非標識、非放射性のCaCO
3-MPs(MPs:マイクロ粒子)。(b)原料として使用されたオートクレーブされていないCaCO
3-MPsと比較された、異なるEDTMP%(w/w)を伴った、表面
224Ra標識CaCO
3-MPs。(c)原料として使用されたオートクレーブされていないCaCO
3-MPsと比較された、異なるEDTMP%(w/w)を伴った、オートクレーブされた層被包
224Ra表面標識CaCO
3-MPs。(d)表面標識MPsおよび層被包表面標識MPsの比較、(b)および(c)の抜粋、Dv:体積平均直径(volumetric diameter)、Dv10は10パーセンタイルである。
【
図6】非放射性のオートクレーブされたCaCO
3の異なるサイズのマイクロ粒子の沈降速度。(a)それぞれ、懸濁液を30秒および4分静置した後の、EDTMPを伴った、0.9%NaCl中に懸濁された疑義表面標識MPsとEDTMPを伴わないものとの比較。(b)異なるサイズの懸濁されたCaCO
3-MPsの濁度評価、すべての疑似表面は標識され;層被包MPsはXを伴うマーカーラインで示されている。Dv:体積平均直径(volumetric diameter)、Dv50は50パーセンタイルである。
【
図7】様々なEDTMP濃度を伴った、CaCO
3マイクロ粒子(MPs)上の吸着された
212Pbおよび
224Raの放射化学分析。記号は、独立したサンプルを表し、EDTMP濃度は、CaCO
3に関係する。(a)標識後、異なる日における、MPs上の吸着された
212Pbの割合(%RCP)で、表面標識MPs対層被包表面標識MPs。(b)標識後、異なる日における、MPs上の吸着された
224Raの割合(%RCP)で、表面標識MPs対層被包表面標識MPs。(c)標識後、異なる日における、ITLCセットアップにおける0.9%NaCl中の
212Pb
2+の非特異的な移動を差し引いた後の液相中の
212Pb-EDTMPの割合で、表面標識MPs対層被包表面標識MPs。
【
図8】i.p.注射後、一日目の層被包
224Ra表面標識CaCO
3マイクロ粒子の体内分布。 棒線はメディアンを表し、記号は、個別の動物を表す。等しいまたはほぼ等しい質量で処理された動物は、1つの群においてプールされている。(a)
224Raの1グラム組織当たりの注射された服用量割合。(b)(a)における同じサンプルからの、
212Pbの1グラム組織当たりの注射された服用量割合。
224RaCl
2群中の1つの頭蓋骨に対する
224Raおよび
212Pbの欠損データおよび12mg群における1つの血液サンプルに対する
212Pbの欠損データがある。
【
図9】表面を
224Raで標識した後の日数を関数として、2.5%(w/w)EDTMPを伴った、層被包マイクロ粒子上の
208Pbおよび
212Pbの分布。
224Raが娘核種と平衡状態にあり、0日目に、
224Ra、
212Pb、および
208Pbのそれぞれに対して総量200原子(またはa.u.)を伴っていると想定されている。MPs上の吸着された
208Pbおよび
212Pb(RCP)対溶液中の
208Pbおよび
212Pbの等しい割合は、0-3日では94%RCP、4―6日では81%RCP、および7日目では79%RCPであると想定されている。
224Raの崩壊ごとに1個の
208Pb原子が生成され、
212Pb原子の総数は
224Raと
212Pbの崩壊を考慮したベイトマン方程式で求められる。
【
図10】
212Pb
2+および
212Pb-EDTMPの非放射性疑似標識CaCO
3-MPs、表面標識MPs、および層被包表面標識MPsに対する吸着割合。EDTMP濃度は、CaCO
31グラム当たりのグラムについての、MP懸濁液中の相対濃度を表す。
【
図11】オートクレーブおよび
212Pbで標識後の懸濁液中の様々なCaCO
3粒子の放射化学性質。メディアン直径は、レーザー回折計測に基づいている。(a)
212Pbが添加された後の時間の関数として、放射標識収率の割合(RCPと同じ量)(b、c)(b)の標識と同じ日または(c)の少なくとも21時間経過後の粒子サイズおよび/またはホスホネートのタイプの関数としてのRCP割合。等張液中で、ヒト血清アルブミンとインキュベートされた後の(b、c)における粒子タイプ状の保持された
212Pb。
【
図12】i.p.注射後の指定時間における組織1グラム当たりの注射された服用量の割合として評価された
212Pbの体内分布。棒線は、メディアンを表し、そして、記号は個々の動物を表す。(a、b、c)(a)2時間、(b)6時間、および(c)24時間の後の組織1グラム当たりの注射された服用量の割合を伴って、
212PbCl
2として投与されたフリー
212Pb
2+と比較した、パミドロネート中の
212Pb-CaCO
3マイクロ粒子。(d)パミドロネート中の
212Pb-CaCO
3マイクロ粒子の体内分布とグリセロール存在下で生産された、パミドロネート中のより小さなマイクロ粒子(SMPs)の体内分布との比較。尿および/または膀胱のデータは、(a、c、d)では1つの群の2/3のマウスのデータが欠落しており、(b、d)では1つの尿サンプルが欠落しているため、報告されていない。
【
図13】ES-2細胞を腹腔内に接種され、そして、一日後に、0.9%NaCl、またはパミドロネート中の異なる活性濃度の
212Pb-CaCO
3MPsで処理された胸腺欠損ヌードフォックスヌーマウスの生存プロット。
【0156】
実施例
実施例1―マイクロ粒子の調製
Volodkin et al.2004に記述されているプロトコールに基づいた任意の沈殿方法により、224Ra表面標識に続いて使用された結晶CaCO3マイクロ粒子を調製した。調製されたマイクロ粒子が、遠心分離により集められる前に、0.33M Na2CO3(Merck, Darmstadt, Germany)と0.33M CaCl2(Merck)の等しい量を一般の撹拌器(Eurostar 20, IKA(登録商標)-Werke GmbH & Co. KG,120 Staufen, Germany)により勢いよく混合した。沈殿物を欧州薬局方水(ph.Eur water)により洗浄し、そして、加熱真空オーブン内で乾燥させた。レーザー回折式粒度分布計(Mastersizer 3000, Malvern Instruments Ltd, Worcestershire, UK)により計測したとき、マイクロ粒子は、主に球形構造を持ち、メディアン直径は、4から7μmであった。
【0157】
マイクロ粒子は、1MまでのNa2CO3のストック溶液と224Raを含んでいるCaCl2と混合し、実施例5においてさらに記述されるように、封入体標識マイクロ粒子を作成することでまた調製した。実施例5は、また、いくつかの適用においての方法について記述している。表面保護のための薄い被包を作成するために、すでに標識されているマイクロ粒子の表面上にCaCO3の層を調製した。
【0158】
実施例2―サイズ制御のためのリン含有添加剤の使用
リン含有化合物、例えば、ホスホネートおよびホスフェートは、添加剤として添加されて、結晶粒子を安定化しうる。サイズ制御を達成するため、これらの形成の間、結晶粒子の形成後、標識後、または、最終形成に対して、それらは結晶粒子に添加してもよい。製品は、オートクレーブにより、殺菌されてもよく、そして、添加剤は、この過程の前後で添加してもよい。サイズ制御添加剤は、最終製品を調製するために使用されるキットの構成要素として使用してもよい。
【0159】
ホスホネートおよびホスホン酸は、C―PO(OH)2またはC―PO(OR)2基(R=アルキル、アリル)を含んでいる有機リン化合物である。ホスホン酸は、一般に塩として取り扱われ、有機溶媒への溶解性は悪いが、水および一般のアルコールへの溶解性はある、一般的な不揮発性の固体である。ビスホスホネートは、エチドロネート(HEDP)、クロドロネート、チルドロネート、パミドロネート、ネリドロネート、オルパドロネート、アレンドロネート、イバンドロネート、リセドロネート、ゾレドロネートを含んでいる。ポリホスホネートは、EDTMPーエチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、DOTMP-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-テトライルーテトラキス(メチルホスホン酸)及びDTPMP-ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)を含んでいる。
【0160】
一般的に、リン酸は、それぞれのリン原子の酸化度が+5で、4つの酸素原子と結合しており、そのうちの1つが2重結合であり、正四面体の頂点に配置されている、リンオキソ酸である。プロトンH+として水素原子を取り除くと、リン酸はホスフェートアニオンになる。一部の除去は、様々な水素ホスフェートアニオンをもたらす。ホスフェートは、オルトホスフェート、直鎖のオリゴホスフェート、およびポリホスフェート、例えば、ピロホスフェート、トリポリホスフェートおよびトリホスホノホスフェート、および環状ポリホスフェート、例えば、ヘキサメタリン酸ナトリウム(SHMP)を含んでいる。
【0161】
実施例3―224Ra及び212Pbの生産
224Raジェネレーターは、228Th源と、アクチニドレジンとを混合し、それをカラムにローディングすることで、調製した。1M HNO3中の228Th源は、Eckert & Ziegler(Braunschweig, Germany)またはOak Ridge National Laboratory(TN, USA)から購入し、そして、DIPEX(登録商標)Extractantをベースとしたアクチニドレジンは、Eichrom Technologies LLC(Lisle, IL)社の2mLプレパックカートリッジから得た。アクチニドレジンカートリッジ中の材料を取り出し、レジンを1M HCl(Sigma-Aldrich)で調製した。約0.25 mLアクチニドレジンのスラリー、0.25 mL 1 M HCl、及び1 M HNO3中の0.1 mL228Thを、ガラス瓶(4 mL vial, E-C sample, Wheaton, Millville, NJ)の中で調製し、そして、228Thの固定化のために、一般的な攪拌と共に、4時間室温で、インキュベートした。そして、数日間放置した。228Thを含有している部分をトップにローディングする前に、0.2 mLの不活性のアクチニドレジンをはじめに添加することで、ジェネレーターカラムを、1mLフィルトレーションカラム(Isolute SPE, Biotage AB, Uppsala, Sweden)中に調製した。不活性レジンは、もし、ジェネレーター操作の間に、228Thが放出された場合に、キャッチャー層として役立てるため、カラムの底に導入した。その後、ジェネレーターの用量を増やした。ジェネレーターカラムにローディングする前に、0.4 mLのアクチニドレジンを含有するスラリーと、1 M HNO3中の0.5 mL 228Thと、0.5 mL 1 MHClとを、上述した通り、調製した。
【0162】
ラジウムー224は、1-2mLの1M HClにより、ジェネレーターカラムから定期的に溶出できる。さらなる精製のために、ジェネレーターカラムからの未精製の溶出物を、2番目のアクチニドレジンカラムに直接ローディングした。2番目のカラムを1M HClで洗浄した。この溶出物を、蒸発させて、閉鎖系で乾燥物を得た。ガラス瓶をヒータブロックに置き、そして、テフロン(登録商標)チューブ注入口およびガラス瓶のラバー/テフロン(登録商標)隔膜中の出口を通じて、N2ガスを流した。酸の蒸気を、N2ガスの流れによって、飽和NaOHのビーカーに通した。蒸留後に残っている放射性残留物を、0.2mLまたはそれ以上の0.1M HClで溶出した。放射性同位体キャリブレーター(CRC-25R, Capintec Inc., Ramsey, NJ)を使用して、前記方法中の合計抽出活性を計測した。
【0163】
鉛212(Lead-212)は、Hassfjell S., 2001の方法から変更を加えた、新規で単純化されたシングルチャンバー拡散システムを使用して、220Rnの放射を介した224Raから生産した。上述のように調製した、約2-20μLの224RaCl2溶液(~250kBq)を3mLマイクロ反応容器ガラスv-vial(Supelco, Darmstadt, Germany)のスクリューキャップのシリコン隔壁を通じてあらかじめ挿入したシリンジチップに取り付けた小さな紙片(15×5mm)の表面上に分配した。スクリューキャップは、紙片とv-vialの内面が接触しないように慎重にv-vialに取り付けた。密封されたv-vialは、ヒュームフード内で一晩放置した。次に、224Ra源からガラス瓶内の空気を介して放出された220Rnは、その短命娘核種216Poを介して212Pbに拡散・崩壊し、容器内に沈殿した。20~28時間後、224Raがバイアルに混入しないように、紙片のついたキャップを慎重に外した。その後、212Pbは1M HClでガラス壁から洗い流され、新しい容器に移された。
【0164】
実施例4―放射能の計測方法
約30kBqまでの放射性サンプルは、
212Pbの定量化のために60-110keVのエネルギー範囲において、及び
224Raの定量化のために65-345keVのエネルギー範囲において、NaIガンマカウンタによって、計測した。表1においてみられるように、これらのエネルギー範囲において、最も豊富なx線及びγ線は
212Pbからである。これらのウィンドウのカウントは、主に
212Pbに由来し、シリーズの他の核種からの寄与は最小限であると仮定されている。ラジウムー224活性は、65-345 keVウィンドウのカウントに基づいて間接的に決定した。サンプル中に存在する初めの
212Pbが崩壊し、そして、過渡平衡に達したとき、初めの計測後、2から4日間のサンプルを再計測することで、これを実行した。純粋な
224Ra源は、
224Ra及び
212Pbの半減期に基づく約2日間後に、平衡状態に到達する。
【表1】
【0165】
放射性同位体キャリブレーター(CRC-25R or CRC-55tR Capintec Inc., Ramsey, NJ, USA)を使用して、50kBq超のサンプルを計測した。
【0166】
サンプル中の224Ra及び212Pbのリアルタイムの分布を決定するため、高純度ゲルマニウム検知器(a Broad Energy Germanium detector BE383OP or a Standard Electrode Coaxial Germanium detector GC3518, Mirion-Canberra, USA)を使用した。機器とともに使用される分光分析ソフトウェアパッケージは、Genieアルゴリズムをベースにしていた。
【0167】
実施例5―224Raの標識:表面標識、封入体標識、及び層保護CaCO3マイクロ粒子
ラジウム標識CaCO3マイクロ粒子は、3つの異なる手順により調製した。
1.あらかじめ調製されたCaCO3マイクロ粒子の表面上に224Raを吸着させることによる表面標識。
2.CaCO3マイクロ粒子の形成の間に、CaCO3マイクロ粒子中に224Raを取り込むことによる封入体標識。
3.放射標識の後、CaCO3の層をもともとの層の上に析出させ、放射性核種を包みこんだ表面標識CaCO3マイクロ粒子。
【0168】
表面標識のため、CaCO3マイクロ粒子は放射標識の直前に水で3回、0.1M Na2SO4 (Merck)で2回洗浄した。ラジウム-224溶液(0.035-0.5M NH4OAcを含む0.1M HCl中)を、微粒子表面への224Ra2+の共沈のためにCaCO3に対して0.004w/w%Ba2+と0.6w/w%SO4
2-(Merck)の存在下で微粒子に添加した。放射標識は、0.9%生理食塩水(Merck)の溶液中で公転(HulaMixer, Invitrogen, Thermo Fisher Scientific, MA, US)させながら1.5時間かけて行われた。
【0169】
マグネチックスターラ(BioSan MS3000、Riga, Latvia)で混合しながら、または手で振り、かつボルテックスしながら、0.004から0.3w/w% Ba2+(CaCO3に対して)を含有している所望量の0.33 Mまたは1M CaCl2溶液と、所望量の224Raとを、0.6から0.7w/w%SO4
2-(CaCO3に対して)を含有している同量の0.33Mまたは1M Na2CO3溶液に素早く注入し、封入体標識CaCO3マイクロ粒子を調製した。いくつかの目的では、結晶化を遅らせるために1mg/mlのゼラチン(Sigma-Aldrich)をCaCO3結晶化段階で添加し、冷蔵庫で一晩保存した。
【0170】
層保護CaCO3マイクロ粒子を224Raで表面標識し、過剰な標識液を除去した。その後、CO3
2-イオンとCa2+イオンを0.33-0.66Mの濃度で含む溶液にマイクロ粒子を分散し、激しく攪拌しながら、元の表面を覆うようにCaCO3の薄い層を析出させた。
【0171】
すべての場合において、過剰な積層または標識溶液は、CaCO3マイクロ粒子をNaClまたはリン化合物を添加したNaClに分散させる前に、それぞれ0.9%NaClで1回または2回洗浄する前に、除去した。2回の洗浄工程が行われた場合、リン化合物は最初の洗浄工程の後に添加され、それによってマイクロ粒子は追加の洗浄に供された。最後に、放射標識されたマイクロ粒子懸濁液をオートクレーブした。
【0172】
実施例6―EDTMP、パミドロネート、及びSHMPを伴ったCaCO3マイクロ粒子のサイズ制御
0.9%NaCl中の、濃度を変えた添加剤(EDTMP、パミドロネート、SHMP)の溶液に懸濁する前に、炭酸カルシウムマイクロ粒子は、注射用水(WFI)で3回、場合によっては追加で0.1M硫酸ナトリウムで2回洗浄した。比較のため、添加剤ゼロのサンプルは、0.9%NaClのみに懸濁させた。マイクロ粒子濃度は30mg/mlから250mg/mlまで変化させた。懸濁液は121°Cで21分間オートクレーブ処理した。場合によっては、実施例5に記載したように224Raで表面標識したCaCO3マイクロ粒子上で計測を行った。
【0173】
懸濁液を調製し、そして室温で保管してから8日までに、レーザー回折式粒度分布計(Mastersizer 3000, Malvern Instruments Ltd, Worcestershire, UK)を使用して、オートクレーブされた懸濁液の粒子サイズを計測した。添加剤および添加剤濃度、マイクロ粒子粒度分布および計測日は、表2に要約している。比較のために、水中に懸濁しているときは、未処理のCaCO
3原料の体積基準のメディアン直径は、与えられる。添加剤非存在下では、サンプル調製後すぐにメディアン粒子径が3倍の増加を引き起こし、5日後には水性媒体中で成長が続くため、さらに大きなマイクロ粒子となった。添加剤であるEDTMP、SHMP、またはパミドロネートを加えることで、未加工の原料に関してマイクロ粒子サイズを安定させた。添加剤濃度の影響はEDTMPで最も顕著で、CaCO
3に対して0.001g/gの濃度では試料調製から5日後にマイクロ粒子サイズを安定させることができなかったのに対し、EDTMP濃度が0.013g/g以上では少なくとも8日までサイズが安定したままだった。
【表2】
【0174】
実施例7―in vitro CaCO
3マイクロ粒子上の放射能の保持:添加剤としてのリン化合物の影響
表面標識、封入体標識、または層保護を含んでいるCaCO
3マイクロ粒子の放射標識は、実施例5において述べた通り行った。CaCO
3に対して、0-0.100g/gの範囲の添加剤(EDTMP、パミドロネート、またはSHMP)濃度である0.9%NaCl中に、マイクロ粒子を、12.5-250mg/ml濃度で懸濁した。懸濁液をオートクレーブし、そして室温で放置した。マイクロ粒子上の
224Ra及び
212Pbの保持を決定するため、オートクレーブの後、サンプルの一定分量を異なる時間点で分取した。その後、マイクロ粒子を遠心分離により液相から分離し、得られたペレット画分および上清画分中の放射能を、HPGe検知器またはHidex自動ガンマカウンタを使用して(詳細は実施例4を参照)計測した。マイクロ粒子上の保持された放射能割合を、ペレット画分における活性と分離前の全体サンプルにおける活性との比で定義した。表面標識CaCO
3マイクロ粒子および層保護CaCO
3マイクロ粒子上の
212Pb及び
224Raの両方からの保持された放射能の概要は、それぞれ表3および表4に与えられる。おそらく、より高いEDTMP量を伴う
212Pb保持のより低い程度に対する傾向を除いて、サンプル調製から1週目において、リン化合物の添加は、マイクロ粒子上の保持された放射能の割合に影響を与えない。すべての試験された添加剤の量は、マイクロ粒子のサイズを制御できた(実施例6を参照)。
【表3】
【表4】
【0175】
実施例8―マウスにおける腹腔内に投与された
224Ra標識CaCO
3マイクロ粒子の体内分布
施設内で飼育し、健康的な胸腺欠損ヌードフォックスヌーマウス(athymic nude Foxn
nu mice)を使用した。マウスに異なるバリアントの
224Ra-CaCO
3-マイクロ粒子またはカチオン性の
224Raを腹腔内に投与し(詳細は表5を参照)、注射から約1日後に、前記動物が麻酔下にある間に、心臓穿刺により、血液を収集した。直後に、選択された器官および組織を収集し、計量し、そしてHidexガンマカウンタにより放射能を計測する前に、前記動物を安楽死させた。
224Raと最も長い半減期である
212Pb(10.6時間)を伴う娘核種の1グラム組織当たりの注射された服用量当たりの割合を推定した。犠牲にした後できるだけ早く行ったサンプルの計測は、
212Pbの量を推定するために使用し、一方で、犠牲にした後最低2日目の再計測は、
224Raの量を決定するために使用した。計測された放射能を、サンプルと一緒に計測された注射物の標準サンプル中の放射能と直接比較した。
【表5】
【0176】
ex vivoの生体内分布データは、組織分布は、サイズ制御添加剤を使用している
224Ra-CaCO
3-マイクロ粒子(
図1B、C及びD)とサイズ制御添加剤を使用していない
224Ra-CaCO
3-マイクロ粒子(
図1A)との間で、おおむね類似していたことを示す。IP投与されたカチオン性の
224Raと比較して(
図2)、大腿骨および頭蓋骨における減少された取り込みを反映しているように、リン含有添加剤が使用されている
224Ra-CaCO
3-マイクロ粒子のすべてのバリアントは、放射能の増加されたIP保持率を示す。添加物なしのバリアントに対して(
図1A)、1mgを投与した後の骨中の
224Raの保持率は、IP注射後のカチオン性の
224Raの保持率と同等である。他方で、1mgの層保護における
224RaのIP保持率は、有意に改善されている(
図1B)。
【0177】
実施例9―マウス卵巣がん異種移植モデルにおけるリン化合物中に分散された放射標識されたマイクロ粒子の治療効果。
ヒト卵巣がんは、しばしば腹水をもたらし、そして、それゆえに、リン化合物中に分散された放射標識されたマイクロ粒子の治療効果は、免疫不全マウスにおける腹水として樹立された侵攻性の腫瘍細胞成長を生み出す卵巣がん異種移植モデルにおいて研究されていた。
【0178】
異種移植は、施設内で飼育された4-5週齢のメスの胸腺欠損ヌードFoxnnuマウス中に、ES-2細胞懸濁液(0.2mlRPMI中に1×106細胞)の1回のIP注射により、作成した。約1日後に、マウスを異なるバリアントの224Ra標識CaCO3マイクロ粒子を腹腔内投与処理した(表5)。コントロール群のマウスには、0.9%NaCl IPを投与した。治療効果は、生存時間により、評価した。体重、行動、姿勢及び外観における変化を週に2回、マウスが病気の進行を示している兆候を示したときは、それよりも頻繁に、観察した。マウスがあらかじめ設定されたエンドポイントに到達したとき、エンドポイントには、急激な体重減少(一週間以内に10%を超える)、腹水の蓄積および/または悪液質に起因する可動性の深刻な障害を含んでおり、マウスは、頚椎脱臼により、安楽死させた。
【0179】
生存時間は、腫瘍細胞接種後の日数として記録した。そして、カプラン・マイヤー生存曲線は、
図3に存在し、そして、メディアン生存時間は、表6に存在する。生存曲線の比較は、すべての実験群は、コントロール群と有意に異なっていたことを明らかにした(ペアワイズログランク検定、p≦0.0014、0.05のファミリーワイズ有意水準)。腫瘍細胞接種後19日目に、生理食塩水コントロール群におけるすべてのマウスを安楽死させた。一方で、
224Ra-標識CaCO
3マイクロ粒子治療群におけるすべてのマウスは、本研究のエンドポイントに到達しなかった。リン添加物を使用していたかどうかまたはどちらであるか(EDTMP対SHMP)またはマイクロ粒子が表面標識であるかまたは封入体標識であるかにかかわりなく、生理食塩水コントロールと比較して、すべての
224Ra-治療は生存において類似の延長を示した。
【表6】
【0180】
実施例10―同系の大腸がんモデルマウスにおけるリン化合物中に分散された放射標識マイクロ粒子の抗腫瘍活性。
大腸がんは、頻繁に、腹膜腔における転移を引き起こし、そして、それゆえに、リン化合物中に分散された放射標識されたマイクロ粒子の治療効果は、免疫応答性マウスにおけるIP大腸がんの同系モデルにおいて、調査されていた。
【0181】
腫瘍は、マウス大腸がん細胞株CT26の一回のIP注射により、樹立した。約6週齢のメスBALB/cAnNRjマウス(Janvier Labs,フランス)におけるWT(0.2 ml PBS中の5 × 104細胞)。一日後、マウスを異なるバリアントの224Ra-標識CaCO3マイクロ粒子の腹腔内注射処置をした(表8)。コントロール群のマウスを、0.9 %NaCl IPで投与した。生存時間によって計測されるように、効能は、急激な体重変化、腹水の発達、身体的外見のスコアリングおよび腹部における触知可能な腫瘍の発達に基づいていた。マウスがこれらのあらかじめ設定されたエンドポイントに到達したとき、マウスを頚椎脱臼により安楽死させた。
【0182】
生存時間は、腫瘍細胞接種後の日数として記録した。そして、カプラン・マイヤー生存曲線は
図4に存在し、そして、メディアン生存時間は、表7に存在する。メディアン生存は、異なる
224Ra-CaCO
3-マイクロ粒子に対して、27から33日目のコントロール群において、18日目から増加した。リン化合物を使用していたかどうかまたはどちらであるか(EDTMP対SHMP)またはマイクロ粒子が表面標識であるかまたは封入体標識であるかにかかわりなく、生理食塩水コントロールと比較して、すべての
224Ra-治療は生存において類似の延長を示した。
【表7】
【0183】
実施例11―パミドロネート中の鉛212標識炭酸カルシウムマイクロ粒子。
炭酸カルシウムマイクロ粒子および212Pb溶液を、実施例1および実施例3において前述した通り、作成した。乾燥CaCO3マイクロ粒子をWFI中に懸濁し、超音波処理をし、そして、WFIで合計3回洗浄した。マイクロ粒子を25-50mg/mlの濃度で0.9%NaCl中に最終的に懸濁し、そして、パミドロネート二ナトリウムを、0.01g/gの相対的なパミドロネート/CaCO3濃度を目的に、懸濁液に添加した。室温まで冷却される前に、密閉されたヘッドスペースガラス瓶において、懸濁液を、121°Cで20分間オートクレーブした。鉛212溶液は、それぞれ10v/v%の5M酢酸アンモニウムおよび1M水酸化ナトリウムを添加することで、pH中和を行った。放射標識過程において、約50%のマイクロ粒子懸濁液に応じた212Pb溶液の用量を、シリンジの使用により、マイクロ粒子懸濁液とともに、密閉された容器に添加した。その後、前記懸濁液をボルテックスし、30分から60分の間水平な撹拌機に置いた。マイクロ粒子質量当たりの活性は、3-99kBq/mgで異なる。いくつかの場合において、マイクロ粒子懸濁液は、標識手順の後、0.9%NaClでさらに希釈した。
【0184】
放射標識の収率は、懸濁液(上清S及び粒子ペレットP)の小さなサンプル一定分量におけるマイクロ粒子からの液相を分離することで、評価した。放射能は、HPGe検知器またはHidex自動ガンマカウンタのいずれかを使用することにより、両方の分画において計測した。放射標識の収率は、CPM(P)/CPM(S)+CPM(P)として評価した。そして、CPMは分当たりのカウントを意味する。
【0185】
表8において、放射標識の収率の概要が与えられている。水平な攪拌の間のインキュベーション時間は、放射標識の収率には影響しないが、より高い活性濃度を伴う改善された収率の傾向がある。
【表8】
【0186】
実施例12―EDTMP添加による炭酸カルシム層の追加をした場合とそうでない場合の放射標識された炭酸カルシウムのサイズ制御。
様々な濃度を伴うEDTMPの懸濁液中の、非標識、疑似標識、および放射標識されたCaCO3-MPs(MPs:マイクロ粒子)のサイズは、レザー回析(Mastersizer 3000, Malvern Instruments Ltd., Worcestershire, UK)により計測した。少量の乾燥CaCO3-MPsを水中に分散させ、そして、超音波処理をして分散させることにより、放射標識および疑似標識のための原料として使用された非オートクレーブCaCO3-MPsを基準として使用した。経時的なサイズ安定性は、室温での保管後7日後の計測による放射標識されたCaCO3-MPsにおいて、計測した。表面標識MPsは、層被包MPsと比較した。
【0187】
ラジウムー224によって放射標識され、そしてオートクレーブにより懸濁液を殺菌する前に、炭酸カルシウムの層を追加することで、さらに被包された炭酸カルシウムマイクロ粒子のサイズを制御するEDTMPの能力を調査した。
図5は、少なくとも1%のEDTMPの添加は、マイクロ粒子のサイズ制御をもたらしたことを示す。
【0188】
この実施例は、EDTMPによるサイズ制御は、放射標識および層被包製品に対して達成されることも示す。
【0189】
実施例13―EDTMP添加による炭酸カルシウムマイクロ粒子のサイズ制御による懸濁液中のマイクロ粒子の沈降速度の減速。
溶液中に懸濁し続けるMPsの能力は、沈降速度によって評価した。そして、それは、サンプルの目視検査およびEDTMPを添加した場合と添加しなかった場合の非放射性の疑似標識CaCO
3-MPsの異なる懸濁液の濁度の評価により、調査した。濁度は、CaCO
3-MP懸濁液を水(注射用の水)で希釈し、そして、分光光度計(Hitachi U-1900, Hitachi High-Tech, Tokyo, Japan)を使用して、800nmの波長で、30分以上、吸光度の変化を計測することで、評価した。CaCO
3による潜在的な吸光を減少させ、そして、粒子による光散乱を改善するために、800nmの波長を選んだ。それゆえに、時間とともに、吸光度が減少することは、MPsによる減少された光散乱、および沈降に起因するそれらによるサンプルの減少された濁度と直接的に関連する。
図6を参照。
【0190】
この実施例は、沈降速度は、粒子サイズの減少により、減少されることを示している。製品の臨床投与の観点から利点のある懸濁液の処理に対する改善された特徴がある。
【0191】
実施例14―EDTMPおよび層被包による放射化学性質
放射化学的純度は、ある期間後の、MPs上の保持された放射性核種の割合として定義した。懸濁液の小さな一定分量は、遠心分離により、MP分画Pおよび上清分画Sに分離した。放射化学的純度の割合である%RCPは、P分画における放射能の割合として定義した。:
【0192】
CPM(P)/CPM(P+S)CPMは、分当たりのカウントを意味する(counts per minute)。2つの分画中の放射能を、Hidex自動ガンマカウンタ(Hidex Oy, Turku, Finland)を使用することで、別々に計測した。212Pbの放射能は、60-110keVウィンドウにおいて、カウントすることで、定量化した。224Raに対して、放射能は、2つの分画を少なくとも2日間の間崩壊させた後、224Raとプロジェニー212Pbの間の過渡平衡を仮定し、そして、65-345keVウィンドウにおいて212Pb活性を計測することで、間接的に決定した。ガンマエネルギーとX線は、主にこの娘核種から発生した。212Pb及び224Ra%RCPの経時的な安定性を評価するために、室温で最長7日間の保管の後、サンプリングと計測を繰り返した。
【0193】
MPsからの放出された
212Pbと溶液中のEDTMPの間の錯体形成は、異なるバリアントの
224Ra-CaCO
3-MPsの液相において、評価した(
図7)。遠心分離により、液体分画を、MPsから初めに分離した。得られた上清中の
212Pb-EDTMP錯体の程度は、インスタント薄層クロマトグラフィー(ITLC)ストリップ(Tec-Control Chromatography Systems #150-772, Biodex Medical Systems, Inc., NY, United States)を使用して、計測した。このシステムにおいて、キレートされた
212Pbは移動相と共に移動し、一方で、大半(>90%)の結合しなかった
212Pb
2+は、元々の線上に残る。従って、
212Pb-EDTMP錯体の評価が可能となる。水(医薬品グレード)または0.9%NaClを移動相として使用し、そして、溶媒先端がトップラインに到達した後、ストリップを半分にカットした。2つの部分にある
212Pbの放射能は、上述した通り、ガンマカウンタにより、計測した。キレート化の程度は、
224Ra-CaCO
3-MPsの液体分画における移動した
212Pbの割合によって定義し、そして、EDTMP非添加の0.9% NaCl溶液中のフリー
212Pb
2+の不特定な移動を引き算することで定量化した。数式1は、キレート化の割合を述べている;A
212Pb-EDTMPは、
224Ra-CaCO
3-MPsの上清における計測された活性を意味し、A
212Pbは、0.9%NaCl溶液中のフリー
212Pb
2+の計測された活性を意味し、そして、mおよびoは、ITLCストリップの2つの部分を意味する;mは、移動相とともに移動されたこと(migrated with the mobile phase)を意味し、oは、元々の線(origin line)を意味する。
【数1】
【0194】
この実施例は、層被包のある場合とない場合のCaCO3マイクロ粒子上の212Pb及び224Raの保持の比較を示し、そして、EDTMP中の製品の層追加により、特に、212Pbの保持がどのように改善されるかを示している。
【0195】
実施例15―EDTMP中の層被包
224Ra-CaCO
3-MPsのi.p.注射後のラジウムー224および鉛212の体内分布。
添加されたEDTMPを含んだ層被包
224Ra-CaCO
3-MPsの体内分布は、施設内で生育されたメスの胸腺欠損ヌードマウス(Hsd: Athymic Nude-Foxn1nu)において評価した。上述した通り、炭酸カルシウムマイクロ粒子を標識し、そしてオートクレーブした。質量服用量(mg服用量)の影響は、等張注入溶液(Plasmalyte, Baxter International Inc., IL, United States)を用いて希釈液を作成し、1-12mgCaCO
3および6-18 kBqの範囲の服用量をテストすることで、検討した。1回のi.p.注射後の1日目、マウスを頚椎脱臼で安楽死させ、そして、組織サンプルを得て放射能を計測した。それぞれの治療に関して投与された服用量の25-50%に応じた3つの標準試料を使用して、注入された放射能服用量を決定した。組織の
212Pbおよび
224Raの放射能並びに標準試料の放射能は、上述した通り、ガンマカウンタを使用することで、計測した。そして、1グラム組織当たりの注入された服用量割合(%ID/g)を計算した。崩壊および/または
224Raおよび
212Pbのイングロース(ingrowth)の校正は、2つの理由より、%ID/gの計算において、実行しなかった。第一に、標準試料および組織試料を、2-3時間未満の時間間隔でカウントした(すなわち、
224Raの半減期の3%)ことによる。そして、第二に、誤差伝搬を、計測された活性が、機器の定量の限界に近いまたは下のとき、
224Raの計測における不確実性の結果として、回避できえたことによる。i.p.注射後1日目のフリー
224Raの骨格蓄積に対する参考として、1つのグループのマウスは、Westrom et alによって以前に述べられている通りに調製された~30kBq
224RaCl
2を受け取った。
図8を参照。
【0196】
この実施例は、異なる量の層被包マイクロ粒子およびフリーラジウムー224間のラジウムー224および鉛212の両方の生体内分布の比較を示す。マイクロ粒子の量が増加するにつれ、骨の吸収レベルは低下した。
【0197】
実施例16―2.5%(w/w)EDTMPを含んでいる層被包マイクロ粒子上の208Pbおよび 212Pbの分布。
MPs上に吸着された化学的に等価な安定娘核種208Pbの蓄積量は、時間と共に増加するが、これは212Pbの吸着に対して少しの影響しか与えないように思える。このEDTMP濃度における表面標識バリアントに対して、212Pbの%RCPは、0日目にたった56%であり、4日目に70%まで増加する。
【0198】
実施例17―212Pb2+ および212Pb-EDTMPの炭酸カルシウムマイクロ粒子への吸着
212Pbとカルシウムの両方とEDTMPの知られている錯体生成特性は、212Pb-EDTMP複合体が、MPsと結合することが可能なことをも示している。この仮説を検証するために、212Pb-EDTMPの溶液を添加した後で、層被包のある場合とない場合の両方について、非放射性疑似標識CaCO3-MPs上の212Pbの吸着を評価した。17-20%の212Pb-EDTMPがMPs上に吸着したことを発見した;代わりに結合していない212Pb2+ (212PbCl2)を添加したときは、吸着は96%まで増加した。212Pb-EDTMPの減少された吸着は、表面標識MPsおよび層被包MPsの両方の212Pbの%RCPが、MP懸濁液中でより高いEDTMP濃度において減少されたという一般的な観察に則している。
【0199】
実施例18―より小さなマイクロ粒子(CaCO3SMPs)の調製
炭酸カルシウムマイクロ粒子を2つの異なる手順により作成し、2つの異なるサイズ集団をもった粒子を作成した。CaCO3マイクロ粒子生産の1つの手順は、実施例1において詳述した通りであった。もう一方の手順は、初めの手順と類似であったが、より小さいマイクロ粒子(CaCO3SMPs)の生産をするために、自然に起こる沈降反応の間に、グリセロールを添加した。1MのCaCl2およびNa2CO3(Merck)溶液を混合する前に、グリセロール(Sigma-Aldrich)をそれぞれの溶液に50%(v/v)の濃度で添加し、前記溶液を0.5Mまで希釈した。2つの溶液を、6000RPM、30分間でオーバーヘッドスターラーを用いて、激しい攪拌下で組み合わせた。180°Cで乾燥させる前に、CaCO3SMPsの沈殿物を注射用の水(WFI)で3回洗浄した。マイクロ粒子の粒度分布は、レーザー回折式粒度分布計(Mastersizer 3000, Malvern Instruments Ltd, Worcestershire, UK)を用いて、計測した。実施例19、20および21において使用されているCaCO3MPおよびCaCO3SMPsは、それぞれ、およそ5μmおよび2μmの体積基準メディアン直径を有していた。212Pbによる標識は、実施例11において述べられている通り実行した。
【0200】
実施例19―オートクレーブし、そして212Pbで標識した後の懸濁液中の様々なCaCO3粒子の放射化学的性質。
212Pb放射標識粒子(実施例1または実施例18において生産され、そして実施例11において述べられている通り標識された)の計測には、放射能濃度、放射化学収率/放射化学純度、経時的安定性、および親核種224Raの起こりうるブレイクスルーを決定することを含んでいる。212Pb溶液の放射能レベルおよび懸濁液中の標識されたCaCO3粒子のガラス瓶を、電離箱ドーズキャリブレータ(Capintec Inc., NJ, USA)を用いて、計測した。放射標識収率割合である%RCYは、懸濁液の少量の一定分量を、粒子分画Pおよび上清分画Sに分離し、粒子上の吸着された212Pbの割合を計測することで、決定した。2つの分画は、自動ガンマカウンタ(Hidex Automatic Gamma Counter, Hidex Oy, Turku, Finland)により、別々に計測した。%RCPは、CPM(P)/CPM (P+S)の比率として計算した。そして、CPMは、それぞれの分画における分あたりのカウント(counts per minute)を意味し、粒子上の吸着された212Pbの分画を意味する。
【0201】
In vitro安定性は、37°Cで1.5-21時間、10g/Lヒト血清アルブミン(Sigma-Aldrich, MO, USA)を添加し、約pH7の等張注入溶液(Plasmalyte, Baxter, IL, USA)における212Pb-CaCO3MPs/SMPsのインキュベーションからなるin vitroのセットアップにおけるマイクロ粒子上の保持された212Pbの割合として定義した。希釈を、初期の25 mg/mlのCaCO3濃度から2mg/mlまたは6mg/mlまで実行した。希釈された粒子をインキュベーション溶液から分離し、そして2つの部分における放射能を、上述したRCPの決定に対して計測した。
【0202】
すべてのバリアントは、これらの実験において、90%超の212Pb%RCPを示し、希釈および2-6mg/mlのインキュベーションは、粒子タイプ依存および濃度依存と考えられる212Pbのインキュベーション溶液への放出をもたらした。粒子上の212Pbの保持は、最も大きな再結晶粒子および最も低い濃度に対して、最も低かった。90分から21時間までの延長したインキュベーション期間の寄与は軽微であった。バテライトマイクロ粒子上の212Pbの保持は、MPsと比較したSMPsのより高い安定性の傾向とともに、高かった。
【0203】
【0204】
実施例20―マウスにおける腹腔内に投与された212Pb-標識CaCO3マイクロ粒子の体内分布。
212Pb-CaCO3MPsおよび212Pb-CaCO3SMPsを実施例11のように標識した。鉛212の体内分布を、腫瘍―フリーマウスに、212Pb-CaCO3MPsをi.p.投与した後に評価し、そして、0.9%NaCl中のフリー212Pb2+(212PbCl2)のi.p.投与と比較した。体積基準メディアン粒子直径が5μmの5mg 212Pb-CaCO3MPsの服用量を調査した。治療後2、6、および24時間後にマウスを頚椎脱臼により犠牲にし、そして、放射能計測および1グラム組織当たりの注射された服用量の割合(%ID/g)の計算のために、組織サンプルを収集した。2番目の実験において、5mg212Pb-CaCO3MPsおよび体積基準メディアン直径が3μm未満の212Pb-CaCO3SMPsの体内分布を比較した。放射能計測を、適切な校正係数を用いて、Hidex自動ガンマカウンタにより実行し、Bqデータを得た。計測は、10.6時間の半減期の212Pbを用いて校正された崩壊であった。腎臓および肝臓のサンプルの再計測は、崩壊の24時間超後に実行し、212Pbと娘核種の間の過渡平衡を保証した。高いレベルの212Pbは、212PbCl2が注射された後2時間後に腎臓で検知され得た。血液、肝臓および骨格においてもかなりの量であった。MP-結合212Pbに対して、%ID/gは、脾臓における場合と同じくこれらの組織においても有意に減少した。6時間後には、腎臓における212Pbのレベルは、両方のバリアントに対して減少しており、クリアランスを示していた。しかし、骨格においては安定を維持していた。そして、これらの組織においては、212PbCl2と比較してMP-結合212Pbの%ID/gは有意に高かった。24時間後、すなわち、2つの物理的212Pbの半減期超後に、軟組織の大半における%ID/gは減少し、MP-結合とフリーバリアントの間の統計的有意差は、頭蓋骨を除いて検知されなかった(p<0.020)。そして、骨格に蓄積された212Pbは、MPsに対するより早いタイムポイントに関して増加していた。
【0205】
【0206】
実施例21―マウスにおける腹腔内投与された212Pb-標識CaCO3の治療効果。
空洞性がんの治療に対する212Pb-CaCO3MPs1%パミドロネートの治療効果の研究は、卵巣がんのi.p.異種移植マウスモデルにおいて実行した。ヌードマウスに300000のES-2細胞(ATCC, Wesel, Germany)をi.p.接種し、次の日に2-5mgおよび63-430kBq212Pb-CaCO3MPsの服用量で処置した。上述したように、すべての放射能服用量は、標準試料から遡及的に測定および計算した。コントロール動物には、生理食塩水、または生理食塩水および1%(w/w)パミドロネート中に懸濁された非標識CaCO3MPsを与えた。有意な治療効果を、生理食塩水コントロールおよびパミドロネートを含む非標識CaCO3MPsと比較して、パミドロネート中の212Pb-CaCO3MPsの試験された服用量のすべてに対して観察した。前記効果は、標識MPsの服用量依存に現れていた。
【0207】
【0208】
発明事項
【0209】
事項1
崩壊性化合物、放射性核種、およびリン含有添加剤を含んでいる粒子。
【0210】
事項2
前記崩壊性化合物が、CaCO3、MgCO3、SrCO3、BaCO3、ハイドロキシアパタイトCa5(PO4)3(OH)およびフルオロアパタイトを含んでいるカルシウムホスフェート、および主要成分としてこれらのいずれかを伴う複合物からなる群から選択される、事項1に関する粒子。
【0211】
事項3
前記崩壊性化合物が、CaCO3である、事項1~2に関する粒子。
【0212】
事項4
前記リン含有添加剤が、オルトホスフェート、直鎖のオリゴホスフェート、およびポリホスフェート、および環状ポリホスフェートからなる群から選択されるホスフェートである、事項1~3に関する粒子。
【0213】
事項5
前記リン含有添加剤が、ピロホスフェート、トリポリホスフェートおよびトリホスホノホスフェートからなる群から選択されるポリホスフェートである、事項1~3に関する粒子。
【0214】
事項6
前記リン含有添加剤が、ヘキサメタリン酸ナトリウム(SHMP)である環状ポリホスフェートである、事項1~3に関する粒子。
【0215】
事項7
前記リン含有添加剤が、ホスホネートである、事項1~3に関する粒子。
【0216】
事項8
前記ホスホネートが、ビスホスホネートである、事項7に関する粒子。
【0217】
事項9
前記ビスホスホネートが、エチドロネート、クロドロネート、チルドロネート、パミドロネート、ネリドロネート、オルパドロネート、アレンドロネート、イバンドロネート、リセドロネート、およびゾレドロネートからなる群から選択される、事項8に関する粒子。
【0218】
事項10
前記ホスホネートが、ポリホスホネートである、事項7に関する粒子。
【0219】
事項11
前記ポリホスホネートが、EDTMPーエチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、DOTMP-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-テトライルーテトラキス(メチルホスホン酸)及びDTPMP-ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)からなる群より選択される、事項10に関する粒子。
【0220】
事項12
前記放射性核種が、225Ra、224Ra、223Ra、225Ac、212Bi、227Th、211At、213Bi、212Pb、64Cu、67Cu、166Ho、177Lu、32P、186Re、188Re、153Sm、89Sr、161Tb、90Y、220Rn、216Po、212Po、208Tl、18F、67Ga、86Y、99mTc、111In、203Pb、83Sr、152Tbおよび155Tbからなる群より選択される、事項1~11に関する粒子。
【0221】
事項13
前記放射性核種が、225Ac、211At、213Bi、212Bi、225Ra、224Ra、223Raおよび227Thからなる治療に適したα放射性核種からなる群より選択される、事項1~12に関する粒子。
【0222】
事項14
前記放射性核種が、64Cu、67Cu、166Ho、177Lu、32P、186Re、188Re、153Sm、89Sr、161Tb、90Yからなる治療に適したβ放射性核種からなる群より選択される、事項1~12に関する粒子。
【0223】
事項15
前記放射性核種が、治療に適したαプロジェニーである212Pbを伴う、β放射体である、事項1~12に関する粒子。
【0224】
事項16
前記放射性核種が、プロジェニー放射性核種である220Rn、216Po、212Pb、212Bi、212Poおよび208Tlを伴う、α放射体である224Raからなる群より選択される、事項1~12に関する粒子。
【0225】
事項17
前記放射性核種が、18F、67Ga、86Y、99mTc、111In、203Pb、83Sr、152Tbおよび155Tbからなるイメージングに適した放射性核種からなる群より選択される、事項1~12に関する粒子。
【0226】
事項18
前記粒子のサイズが、1nmから500μmである、事項1~17のいずれか1に関する粒子。
【0227】
事項19
前記崩壊性化合物が、PEG修飾CaCO3、mAbs及びFabsを含んでいるタンパク質修飾CaCO3、炭水化物修飾CaCO3、脂質修飾CaCO3、ビタミン修飾CaCO3、有機化合物修飾CaCO3、ポリマー修飾CaCO3、および/または無機結晶修飾CaCO3からなる群から選択される、事項1~18のいずれか1に関する粒子。
【0228】
事項20
事項1~19のいずれか1に関する1または複数の粒子を含んでいる組成物。
【0229】
事項21
事項1~19のいずれか1に関する1または複数の粒子および希釈剤、担体、界面活性剤および/または賦形剤を含んでいる医薬品組成物である組成物。
【0230】
事項22
服用量当たり1kBqから10GBqである放射性核種の量で、または多回投与型商業規模生産に適した50MBqから100GBqである放射性核種の量で調製された、事項21に関する医薬品組成物または事項15に関する組成物。
【0231】
事項23
前記組成物が、事項1~19において定義されている単分散または多分散の粒子を含んでいる粒子懸濁液である、事項20に関する組成物または事項21~22のいずれかに関する医薬品組成物。
【0232】
事項24
事項20~23のいずれか1に関する組成物または医薬品組成物であって、それが、非経口使用、例えば、静脈内注射、腔内注射、および/または腫瘍内注射に適している、医薬品組成物。
【0233】
事項25
医薬品として使用のための、事項1~19のいずれか1に関する粒子、または事項20~24のいずれか1に関する組成物または医薬品組成物。
【0234】
事項26
腔内治療、放射線塞栓術、または放射線滑膜切除術における使用のための、事項1~19のいずれか1に関する粒子または事項20~24のいずれか1に関する組成物または医薬品組成物。
【0235】
事項27
がん治療における使用のための、事項1~19のいずれか1に関する粒子、または事項20~24のいずれか1に関する組成物または医薬品組成物。
【0236】
事項28
事項26~27に関する使用のための、事項1~19のいずれか1に関する粒子、または事項20~24のいずれか1に関する組成物または医薬品組成物であって、前記がんが、腹腔内がん、頭蓋内がん、胸膜がん、膀胱がん、噴門がん、くも膜下腔がん、および非空洞性の標的、例えば、メラノーマ、非小細胞肺がんからなる群より選択される、組成物または医薬品組成物。
【0237】
事項29
イメージングにおける使用のための、事項1~19のいずれか1に関する粒子、または事項20~24のいずれか1に関する組成物または医薬品組成物。
【0238】
事項30
事項26~27に関する使用のための、事項1~19のいずれか1に関する粒子、または事項20~24のいずれか1に関する組成物または医薬品組成物であって、それが、他のがん治療、例えば、化学療法(タキサン(例えば、パクリタキセル、ドセタキセル)、プラチン(例えば、カルボプラチン、シスプラチン)、ドキソルビシン、マイトマイシン))、DNA修復阻害剤、例えば、PARP阻害剤(例えば、オラパリブ、ルカパリブ、ニラパリブ、タラゾパリブ、ベリパリブ、パミパリブ、CEP9722、E7016および3-アミノベンズアミド)、および放射線免疫療法との組み合わせにおいて使用される、組成物または医薬品組成物。
【0239】
事項31
事項1~19のいずれか1に関する粒子、または事項20~24のいずれか1に関する組成物または医薬品組成物であって、それが、医療機器である、または医療機器中に含まれている、組成物または医薬品組成物。
【0240】
事項32
ホスホネートおよび/またはホスフェート化合物の前記濃度が、ml当たり、1マイクログラムから1000ミリグラム、例えば、最終溶液ml当たり、0.1mgから10mg、または、最終溶液中のグラム粒子当たり、1マイクログラムから1000ミリグラムである、事項20~24に関する組成物または医薬品組成物。
【0241】
事項33
事項1~19のいずれか1に関する粒子の調製方法であって、そして、前記方法は、放射性核種の担体を使用するまたは使用しないで、崩壊性化合物、放射性核種、およびリン含有添加剤を互いに接触させることを含んでいる、調製方法。
【0242】
事項34
崩壊性化合物および放射性核種は、初めのステップにおいて、粒子を形成し、その後、それは、リン含有添加剤によってコーティングされる、事項33に関する粒子の調製方法。
【0243】
事項35
粒子を含んでいる組成物または懸濁液であって、前記粒子が、崩壊性化合物、放射性核種、リン含有添加剤を含んでおり、そして、前記リン含有添加剤が、組成物または懸濁液において存在することで、粒子と結合している、組成物または懸濁液。
【0244】
事項36
前記リン含有添加剤が、粒子の一部である、事項35に関する組成物または懸濁液。
【0245】
事項37
リン含有添加剤が、組成物または粒子懸濁液の一部である、事項35~36に関する組成物または懸濁液。
【0246】
事項38
リン含有添加剤が、前記粒子の一部であり、そして、組成物または粒子懸濁液の一部でもある、事項35~37に関する組成物または懸濁液。
【0247】
事項39
前記粒子懸濁液が、固相と液相の混合物である、事項35~38に関する組成物または懸濁液。
【0248】
事項40
前記リン含有添加剤が、液相に存在する、事項35~39に関する組成物または懸濁液。
【0249】
事項41
前記リン含有添加剤が、固相に存在する、事項35~40に関する組成物または懸濁液。
【0250】
事項42
前記リン含有添加剤が、固相および液相に存在する、事項35~41に関する組成物または懸濁液。
【0251】
事項43
前記リン含有添加剤が、表面上または粒子中に埋め込まれている、または表面上または固相に埋め込まれているの両方である、事項35~42に関する組成物または懸濁液。
【国際調査報告】