(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-05
(54)【発明の名称】変圧器のヘリックス巻線の生産
(51)【国際特許分類】
C25D 1/04 20060101AFI20230928BHJP
H01F 41/061 20160101ALI20230928BHJP
H01F 41/04 20060101ALI20230928BHJP
【FI】
C25D1/04 311
H01F41/061
H01F41/04 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023516776
(86)(22)【出願日】2021-09-07
(85)【翻訳文提出日】2023-05-15
(86)【国際出願番号】 US2021049302
(87)【国際公開番号】W WO2022060595
(87)【国際公開日】2022-03-24
(32)【優先日】2020-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515186323
【氏名又は名称】エンフェーズ エナジー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Enphase Energy, Inc.
【住所又は居所原語表記】1420 North McDowell Boulevard, Petaluma, California 94954, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・ジェイ・ハリソン
【テーマコード(参考)】
5E002
【Fターム(参考)】
5E002AA01
(57)【要約】
変圧器のために用いられるヘリックス巻線を生産するための方法および装置が提供される。例えば、装置は、導電性マンドリルを備え、前記導電性マンドリルは、細長本体部と、小穴ディテール部を備える頭部と、前記細長本体部に沿って配された巻線構造と、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
変圧器のために用いられるヘリックス巻線を生産するための装置であって、
導電性マンドリルを備え、
前記導電性マンドリルは、
細長本体部と、
小穴ディテール部を備える頭部と、
前記細長本体部に沿って配された巻線構造と、を備える、
装置。
【請求項2】
前記細長本体部と、前記頭部と、前記巻線構造のうち電気めっきされない部分とは、絶縁材料で覆われており、
前記小穴ディテール部は、前記絶縁材料で覆われていない、
請求項1の装置。
【請求項3】
前記絶縁材料は、エポキシ塗料である、
請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記巻線構造のうち電気めっきされる部分は、前記巻線構造の上面および底面を含む、
請求項1または2に記載の装置。
【請求項5】
前記導電性マンドリルは、チタンから形成されている、
請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記巻線構造は、2つの3ターン巻線構造と、1つの6ターン巻線構造と、を備える、
請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記巻線構造は、高純度の銅の電着のための電解液中に前記導電性マンドリルが配された際に電気めっきされるように構成された、上面および底面を備える、
請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記電解液は、硫酸銅、シアン化銅、および酢酸銅のうち少なくとも一つを含む、
請求項1、2、および5から7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記小穴ディテール部は、高純度の銅の電着のための電解液中に前記導電性マンドリルが配された際に電気めっき電源の負端子に接続されるように構成されている、
請求項1、2、および5から7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
変圧器のために用いられるヘリックス巻線を生産するためのシステムであって、
電源と、
電解液を保持する容器と、
前記電源の正端子に接続され、前記容器中に配され、前記電解液に囲まれた、アノードと、
導電性マンドリルと、を備え、
前記導電性マンドリルは、
細長本体部と、
前記電源の負端子に接続される小穴ディテール部を備える、頭部と、
前記細長本体部に沿って配される巻線構造と、を備える、
システム。
【請求項11】
前記細長本体部と、前記頭部と、前記巻線構造のうち電気めっきされない部分とは、絶縁材料で覆われており、
前記小穴ディテール部は、前記絶縁材料で覆われていない、
請求項10のシステム。
【請求項12】
前記絶縁材料は、エポキシ塗料である、
請求項10または11に記載のシステム。
【請求項13】
前記巻線構造のうち電気めっきされる部分は、前記巻線構造の上面および底面を含む、
請求項10または11に記載のシステム。
【請求項14】
前記導電性マンドリルは、チタンから形成されている、
請求項10に記載のシステム。
【請求項15】
前記巻線構造は、2つの3ターン巻線構造と、1つの6ターン巻線構造と、を備える、
請求項10に記載のシステム。
【請求項16】
前記巻線構造は、高純度の銅の電着のための前記電解液中に前記導電性マンドリルが配された際に電気めっきされるように構成された、上面および底面を備える、
請求項10に記載のシステム。
【請求項17】
前記電解液は、硫酸銅、シアン化銅、および酢酸銅のうち少なくとも一つを含む、
請求項10に記載のシステム。
【請求項18】
前記巻線構造に電気めっきされた銅を除去するように構成された除去装置をさらに備える、
請求項10、11、および14から17のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項19】
変圧器のために用いられるヘリックス巻線を生産するための方法であって、
導電性マンドリルを電解液中に沈める工程と、
前記導電性マンドリルに電源から電力を供給しながら、前記電解液中において前記導電性マンドリルを回転させる工程と、
前記導電性マンドリルの巻線構造に電気めっきされた銅を除去する工程と、を含む、
方法。
【請求項20】
前記巻線構造に電気めっきされた銅を除去する前に、前記導電性マンドリルの前記巻線構造から残留電解質を除去する工程をさらに含む、
請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、一般に、変圧器の巻線に関し、特に、フラットなヘリックス巻線を製造するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のラウンド変圧器ワイヤーとは対照的に、平面変圧器(planar transformers)は、「フラットな」巻線構造を利用する。現在、フラットな巻線構造を生産するために、主に3つの異なる技術が用いられている。プリント回路基板(PCB)、ホイル巻線、およびヘリックス巻線である。
【0003】
PCB巻線構造は、2つの主要な利点を有する。すなわち、変圧器の巻線を形成するために用いられるPCBは、変圧器に接続される他の電子部品を接続するために用いられるPCBと同一のPCBにすることができる。また、巻線を非常に薄くすることができ、これは高周波の動作に適している(典型的なPCBの銅の厚さは35μm)。しかしながら、PCB巻線が有する主要な欠点は、多層巻線を製造することが困難なことである。多層巻線を可能にするために、「ブラインドビア」および「ベリードビア」をサポート可能な、特殊なPCB製造方法を用いることができる。しかしながら、これらの特殊なPCBプロセスには費用がかかる。また、ブラインドビアおよびベリードビアを用いたとしても、この技術の利用にあたっては、依然として多くの設計上の妥協が存在する。
【0004】
ホイル巻線は、ホイルを非常に薄くできるという利点を有し、これは高周波の動作に有利である。しかしながら、この巻線構造は、多層巻線を製造するための設計上の挑戦(設計上の妥協およびコスト)に関して欠点を有する。
【0005】
ヘリックス巻線構造は、螺旋状に巻回された「フラットなワイヤー」を作り出すための「圧延機」プロセスを用いる。この構造は、各ターンが隣接する層上に位置し、任意の巻線ターン数で作成可能という利点を有する。この巻線構造の主要な欠点は、圧延機プロセスが、薄い(かつ幅広い)巻線を生産することができないということである。生産可能な最も薄いフラットなワイヤーは、厚さが約200μm、幅がたった4mmであり、結果として幅と厚さとの比(巻線アスペクト比)が20:1である。
【0006】
したがって、幅と厚さとのアスペクト比が非常に高いヘリックス巻線を効率よく生産するための方法および装置が必要とされている。
【発明の概要】
【0007】
本開示の少なくともいくつかの実施形態によれば、変圧器のために用いられるヘリックス巻線を生産するための装置であって、導電性マンドリルを備え、前記導電性マンドリルは、細長本体部と、小穴ディテール部を備える頭部と、前記細長本体部に沿って配された巻線構造と、を備える、装置が提供される。
【0008】
本開示の少なくともいくつかの実施形態によれば、変圧器のために用いられるヘリックス巻線を生産するためのシステムであって、電源と、電解液を保持する容器と、前記電源の正端子に接続され、前記容器中に配され、前記電解液に囲まれた、アノードと、導電性マンドリルと、を備え、前記導電性マンドリルは、細長本体部と、前記電源の負端子に接続される小穴ディテール部を備える、頭部と、前記細長本体部に沿って配される巻線構造と、を備える、システムが提供される。
【0009】
本開示の少なくともいくつかの実施形態によれば、変圧器のためのヘリックス巻線を生産するための方法であって、導電性マンドリルを電解液に沈める工程と、前記導電性マンドリルに電源から電力を供給しながら、前記電解液中において前記導電性マンドリルを回転させる工程と、前記導電性マンドリルの巻線構造に電気めっきされた銅を除去する工程と、を含む、方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本開示の上述した特徴が詳細に理解できるような方法で、本開示の特定の説明が、実施形態への参照によって行われ、そのいくつかは添付の図面に図示される。ただし、添付の図面は、本開示の典型的な実施形態のみを示している。したがって、添付の図面は本開示の範囲を制限するものとはみなされない。というのも、本開示は他の同等に効果的な実施形態を認め得るものであるためである。
【0011】
【
図1】本開示の少なくともいくつかの実施形態による、ヘリックス巻線を生産するためのマンドリルの側面図である。
【0012】
【
図2】本開示の少なくともいくつかの実施形態による、ヘリックス巻線を生産するための
図1のマンドリルを用いたシステムのダイアグラムである。
【0013】
【
図3】本開示の少なくともいくつかの実施形態による、ヘリックス巻線を生産するための
図2のシステムを用いた方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示の実施形態は、非常に薄く(例えば、約10μmから約100μm)かつ幅広で高い巻線アスペクト比(例えば、1,000:1)を有する、シングルターンまたはマルチターンの多層ヘリックス巻線を生産するための方法および装置を備える。様々な実施形態において、ヘリックス巻線を製造するために、所望の巻線を生産するために適切なサイズおよび形状とされた巻線構造を備えるマンドリルを使用した電着(電気めっき)生産プロセスが採用される。このプロセスは、高純度な銅巻線を生産可能であることからも利益があり、これは変圧器の巻線にとって望ましい特徴である。
【0015】
図1は、本開示の少なくともいくつかの実施形態による、ヘリックス巻線を生産するためのマンドリル100の側面図である。マンドリル100(例えば、導電性マンドリル)は、マンドリル100の一端部上に位置する頭部104から延びる本体部102(例えば、細長本体部)を備える。頭部104は、1以上の適切な形状(例えば、円形、長方形、楕円形等)を有した小穴ディテール部(eyelet detail)106を有する。例えば、図示の実施形態においては、小穴ディテール部106は円形状を有して示されている。
【0016】
本体部102は、1以上の適切な金属から形成される。例えば、少なくともいくつかの実施形態においては、本体部102は、チタンから形成され、製造される巻線の所望の形状に基づいて適切なサイズおよび形状とされる。例えば、本体部102は、所望の巻線形状を生産する筒形状、長方形状、楕円形状等の形状を有し得る。図示の実施形態においては、本体部102は、概して筒形状の、細長い構造を有している。あるいは、本体部102は、長方形状のヘリックス巻線を生産するために用いられ得る、長方形形状を有し得る。あるいは、本体部102は、非連続な形状を有し得る。例えば、本体部102は、概して筒形状である部分と、長方形状である部分と、を有し得る。マンドリル100は、製造される巻線の数およびサイズ(すなわち、巻き数)に基づいて、任意の所望の長さであり得る。
【0017】
本体部102のまわりに巻きつけられているものは、1以上の巻線構造である。例えば、少なくともいくつかの実施形態においては、2つの3ターン巻線構造1081および1082と、1つの6ターン巻線構造1083(まとめて巻線構造108と呼ばれる)とが、本体部102のまわりに巻きつけられ得る。巻線構造108は、生産予定の巻線のために任意の巻き数を有していてもよい。巻線構造108は、マンドリル100の形成要素の一部であってもよい。または、巻線構造108は、別個に製造されて本体部102に固着されてもよい。
【0018】
薄いホイル巻線を作り出すために、本体部102は、巻線構造108上への高純度な銅の電着に適した電解液(例えば、硫酸銅、シアン化銅、または酢酸銅等のうち少なくとも一つ)内に置かれる。マンドリル100の表面のうち電気めっきされない部分(
図1において網掛けで示された領域)は、エポキシ塗料または類似の絶縁材料を用いて絶縁される。
図1に示すように、本体部102および頭部104は、絶縁材料で覆われる。一方、小穴ディテール部106は、巻線構造108の上面109および底面111(
図1においては仮想線で示されている)とともに、絶縁材料で覆われていない。図示の実施形態においては、2つの3ターン巻線構造108
1および108
2が、各々、3つの上面109および3つの底面111を有し、6ターン巻線構造108
3が、6つの上面109および6つの底面111を有している。
【0019】
マンドリル100は電気を通し、したがって電気めっき可能であるが、チタンは、銅を電気めっきするのに極めて不適な卑金属である(いくつかの実施形態においては、銅を電気メッキするのに極めて不適な、チタン以外の卑金属が用いられてもよい)。そのため、電解めっきされた銅は、マンドリル100の露出面(例えば、上面109および底面111)に対して分離不能に固着しない。そして、堆積した薄い銅のホイルは、所望の巻線を生産するために、巻線構造108の露出面から容易に剥がすことができる。巻線構造108の各々は、2つの同一なヘリックス巻線を生産する。1つのヘリックス巻線は、巻線構造108の上面109に電気めっきされたものである。もう1つのヘリックス巻線は、巻線構造108の底面111に電気めっきされたものである。
【0020】
様々な実施形態において、小穴ディテール部106は、電着プロセスの間、電解液中にマンドリル100を吊るすのに用いられてもよく、また、電気めっき電源の負端子への接続を容易にしてもよい。堆積プロセスは、電解液中に複数のマンドリル100が同時に浮かんでいるバッチプロセスであってもよい。例えば、いくつかの実施形態においては、数百(またはそれ以上)のマンドリルが同時に処理されてもよい。
【0021】
図2は、本開示の少なくともいくつかの実施形態による、ヘリックス巻線を生産するための
図1のマンドリル100を用いたシステム200のダイアグラムである。
図3は、本開示の少なくともいくつかの実施形態による、ヘリックス巻線を生産するための方法300のフローチャートである。
【0022】
例えば、方法300は、302において、電解液204を保持する容器201中に導電性マンドリル(例えば、マンドリル100)を沈める工程を有する。例えば、少なくともいくつかの実施形態においては、移送装置207が、マンドリル100を電解液204中に沈めるように構成され得る。少なくともいくつかの実施形態においては、移送装置207が容器201の上面に連結され得、移送装置207のケーブル209(または他の適切な装置)がマンドリル100の小穴ディテール部106に取り付けられ得る。
【0023】
少なくともいくつかの実施形態においては、一般に、堆積処理は、1つのマンドリル100(または複数のマンドリル)を沈めることができる電解液204(例えば、硫酸銅、シアン化銅、および/または酢酸銅の少なくとも一つ)をかき混ぜる機構を含む。例えば、電解液中におけるポンピング動作、電解液中における攪拌(stirring)動作、電解液中における回転、および電解液中におけるマンドリル100のディッピング等である。例えば、次に、304において、方法300は、導電性マンドリルに電源から電力を供給しながら、電解液中において導電性マンドリルを回転させる工程を有する。例えば、マンドリル100を、ケーブル209に連結された1以上の適切な回転装置(例えば、スピナー、モーター、アクスル、ベアリング、ギア、ホイール等のうち1つ以上)を用いて回転させ得る。例えば、少なくともいくつかの実施形態においては、移送装置207は、ケーブル209に接続されたモーター(不図示)を含み得る。当該モーターは、一旦マンドリル100が電解液204中に沈められると、マンドリル100を回転させる。マンドリル100が回転している間、電源203は、電気めっきの手順が容易になるよう、マンドリル100に電力を供給するように構成されている。例えば、少なくともいくつかの実施形態においては、マンドリル100の小穴ディテール部106が電源203の負端子に接続され得、容器中に配されたアノード205が電源203の正端子に接続され得る。これにより、巻線構造108の上面109および底面111上への高純度の銅の電着のために用いることが可能な電気回路が形成される。少なくともいくつかの実施形態においては、電源203は、約0.5ボルトから約6ボルトを供給し得る。少なくともいくつかの実施形態においては、電源203は、マンドリル100が回転する前または後においてマンドリル100に電力を供給するように構成され得る。
【0024】
電着された銅206の厚さは、マンドリル100が電気めっきされる時間の長さを制御することで決定され得る。電気めっきの時間が長いほど、銅の厚さは大きくなる。例えば、少なくともいくつかの実施形態においては、マンドリル100が電気めっきされる時間は、約10μmから約100μmの厚さをもたらすように計算され得る。
【0025】
次に、少なくともいくつかの実施形態においては、306において、方法300は、導電性マンドリルの巻線構造に電気めっきされた銅を除去する工程を有する。例えば、一旦所望の厚さの銅が電着されると、マンドリル100は電解液から除去され得る。そして、少なくともいくつかの実施形態においては、巻線構造に電気めっきされた銅(例えば、電着された銅のヘリックス巻線)を除去する前に、方法300は、マンドリル100の巻線構造108から残留電解質(residue electrolyte)を除去する工程を有する。例えば、任意の残留電解質を除去するために、マンドリル100は、(例えば、水中において)洗浄されてもよいし、エッチングされてもよい。その後、電着された銅のヘリックス巻線を巻線構造108から簡単に剥がす/かき落とす(peeled/scrapped)ことができ、さらなる巻線を製造するのにマンドリル100を再利用することができる。例えば、少なくともいくつかの実施形態においては、移送装置207は、マンドリル100を除去装置211に移送するように構成され得る。少なくともいくつかの実施形態においては、除去装置211は、鋭利な刃を備えることができる。当該刃は、電着された銅のヘリックス巻線を巻線構造108の上面109および底面111から除去するように構成された、ナイフまたはチセルの形(例えば、剥がし/かき落としホイール(peeling/scrapping wheel)または他の適切な装置上に配される)を取り得る。除去装置211は、システム200の構成要素、または、システム200と連動して動作するように構成されたスタンドアローンの構成要素であり得る。
【0026】
ここで開示された方法によれば、非常に薄く(例えば、10μm~100μmのオーダーの)かつ幅広で高い巻線アスペクト比(例えば、1,000:1)を有する、高純度の銅のヘリックス巻線を、比較的迅速かつコスト効率の高い方式で生産することができる。
【0027】
さまざまな実施形態においては、例えば確立された工業的プロセスを用いて、銅の上に絶縁層を提供するために、製造された巻線をさらに処理してもよい。
【0028】
1以上の代替実施形態においては、ここで説明された技術が、他の応用例のための3次元銅部品を生産するために用いられてもよい。例えば、ここで説明された方法の有用性は、極めて高いアスペクト比(例えば、非常に幅広/長いながらも非常に薄い)、複合曲面(例えば、展開不可能な面)、および重なり合う面を含む複雑な2次元面を有する部品、ならびに、ここで説明されたマンドリルから電気めっき部品を剥がすことを可能にする形状の他の電気めっき部品を有する部品を作る能力に基づき得る。
【0029】
上記は本開示の実施形態向けであるが、本開示の他のさらなる実施形態が、本開示の基本的な範囲から逸脱することなく考案されてもよい。
【符号の説明】
【0030】
100 マンドリル
102 本体部
104 頭部
106 小穴ディテール部(eyelet detail)
108 巻線構造
1081 3ターン巻線構造
1082 3ターン巻線構造
1083 6ターン巻線構造
109 上面
111 底面
200 システム
201 容器
203 電源
204 電解液
205 アノード
207 移送装置
211 除去装置
300 方法
【国際調査報告】