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特表2023-542119ポリマー着色剤を含有するヘアケア組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-05
(54)【発明の名称】ポリマー着色剤を含有するヘアケア組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/86 20060101AFI20230928BHJP
   A61Q 5/02 20060101ALI20230928BHJP
   A61Q 5/10 20060101ALI20230928BHJP
   A61Q 5/12 20060101ALI20230928BHJP
   A61K 8/49 20060101ALI20230928BHJP
   A61K 8/45 20060101ALI20230928BHJP
   A61K 8/46 20060101ALI20230928BHJP
【FI】
A61K8/86
A61Q5/02
A61Q5/10
A61Q5/12
A61K8/49
A61K8/45
A61K8/46
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023516790
(86)(22)【出願日】2021-09-10
(85)【翻訳文提出日】2023-04-07
(86)【国際出願番号】 US2021049776
(87)【国際公開番号】W WO2022056205
(87)【国際公開日】2022-03-17
(31)【優先権主張番号】63/077,737
(32)【優先日】2020-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】599060788
【氏名又は名称】ミリケン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】Milliken & Company
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】ローソン、リチャード
(72)【発明者】
【氏名】チン、ハイフー
(72)【発明者】
【氏名】スティーブンス、エリック
(72)【発明者】
【氏名】フロイント、ウェスリー
(72)【発明者】
【氏名】デイ、サンジーブ
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA122
4C083AB032
4C083AB082
4C083AB112
4C083AB242
4C083AB282
4C083AB332
4C083AB372
4C083AB432
4C083AC012
4C083AC032
4C083AC072
4C083AC082
4C083AC092
4C083AC112
4C083AC122
4C083AC152
4C083AC172
4C083AC182
4C083AC212
4C083AC232
4C083AC252
4C083AC272
4C083AC302
4C083AC312
4C083AC342
4C083AC352
4C083AC392
4C083AC432
4C083AC442
4C083AC482
4C083AC532
4C083AC542
4C083AC582
4C083AC642
4C083AC662
4C083AC692
4C083AC712
4C083AC782
4C083AC792
4C083AC812
4C083AC852
4C083AC862
4C083AD042
4C083AD092
4C083AD132
4C083AD152
4C083AD162
4C083AD222
4C083AD282
4C083AD352
4C083AD392
4C083AD412
4C083AD442
4C083AD632
4C083AD662
4C083BB24
4C083BB53
4C083CC05
4C083CC33
4C083CC36
4C083CC38
4C083DD23
4C083EE26
4C083EE28
(57)【要約】
本発明は、少なくとも1種のヘアケア原料成分および少なくとも1種のポリマー着色剤を含有するヘアケア組成物に関する。本発明はまた、ヒトの頭髪または顔毛を着色するための方法であって、以下の工程:(a)少なくとも1種のポリ(アルキレンオキシ)置換発色団着色剤を含有するヘアケア組成物を準備する工程と;(b)ヘアケア組成物を毛髪に適用する工程と;(c)ヘアケア組成物を毛髪にある期間接触させる工程とを含む、方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトの頭髪または顔毛を着色するための方法であって、以下の工程:
(a)少なくとも1種のポリ(アルキレンオキシ)置換発色団着色剤を含有するヘアケア組成物を準備する工程と;
(b)前記ヘアケア組成物を毛髪に適用する工程と;
(c)前記ヘアケア組成物を前記毛髪にある期間接触させる工程と
を含む、方法。
【請求項2】
前記ヘアケア組成物が、少なくとも1種のヘアケア原料成分をさらに含有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法が、前記ヘアケア組成物を前記毛髪から除去する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ポリ(アルキレンオキシ)置換発色団着色剤が、前記組成物の0.001~20重量%の濃度で存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ポリ(アルキレンオキシ)置換発色団着色剤が、前記組成物の0.01~20重量%の濃度で存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記発色団着色剤のポリ(アルキレンオキシ)置換基が、2~4個の炭素原子を有するアルキレンオキシド残基で構成されるポリマー性基である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ポリ(アルキレンオキシ)置換基の平均分子量が132~10,000である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記着色剤の発色団が、アゾ、カルバゾール、ピラゾロン、シアニン、フタロシアニン、アントラキノン、アザ[18]アヌレン、ホルマザン銅錯体、ニトロソ、ニトロ、ジアリールメタン、トリアリールメタン、キサンテン、アクリジン、メチン、チアゾール、インダミン、アジン、オキサジン、チアジン、キノリン、インジゴイド、インドフェノール、ラクトン、アミノケトン、ヒドロキシケトン、ナフタリミド、およびスチルベン発色団から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記発色団が、構造:
【化1】
[式中、ARおよびARは、アルケニル基、置換アルケニル基、アリール基、置換アリール基、ヘテロアリール基、および置換ヘテロアリール基からなる群から独立に選択され;前記ARまたはAR基のうちの1つは、別のアゾ発色団で任意にさらに置換されて、ビスアゾを形成する]を有する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記置換ヘテロアリール基が置換チアゾリウム基である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記着色剤が、以下の構造:
【化2】
[式中、各々のRa11~Ra110基は、水素、重水素およびRからなる群から独立に選択され;各々のRは、ハロゲン、ニトロ、ニトリル、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アリール、置換アリール、アルキニル、置換アルキニル、-(CH-O-R、-(CH-NR、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)O、-C(O)NR、-OC(O)R、-OC(O)OR、-OC(O)NR、-S(O)、-S(O)OR、-S(O)、-S(O)NR、-NRC(O)R、-NRC(O)OR、-NRC(O)SR、-NRC(O)NR、-OR、-NR、-P(O)、-P(O)(OR、-P(O)(OR)O、および-P(O)(Oからなる群から独立に選択され;前記添え字nは0~4の整数であり、R、RおよびRは、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アリール、置換アリール、アルキニル、置換アルキニル、およびRからなる群から独立に選択され;Rは28~500の範囲の前記モノマー分子量を有する1つ以上の有機モノマーで構成される有機基である]を有する、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記Ra11、Ra12、およびRa13のうちの少なくとも1つが、ハロゲン、ニトロ、ニトリル、ニトロソ、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NR、-OC(O)R、-OC(O)OR、-OC(O)NR、-S(O)、-S(O)OR、-P(O) および-P(O)(OR基から選択される電子求引性基である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記Ra11およびRa13基が-CN基であり、Ra12がメチル基である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
a16、a17、a18、a19、Ra110が、水素、ハロゲン、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、2-ブチル基、tert-ブチル基、-(CH-O-R、-(CH-NR、-OR、および-NRから独立に選択され、Ra16、a17、a18、a19、Ra110のうちの少なくとも1つが-OR、または-NRである、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
a16、a17、a18、a19、Ra110のうちの2つ以上が、共有結合を介して互いに連結して、式Iのベンゼン環に縮合した環構造を形成する、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
式Iの前記ベンゼン環に縮合した前記環構造が、ナフタレン、テトラヒドロキノリン、テトラヒドロイソキノリン、インドリン、およびイソインドリンのうちの1つである、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記環構造が1つ以上のRa16基で置換されている、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
、R、またはRのうちの2つが同じ炭素または窒素基に結合し、前記環構造を形成する、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記環構造がピペラジン、ピペリジン、およびピロリジンのうちの1つである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記環構造が1つ以上のRa16基でさらに置換されている、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記着色剤が、以下の構造:
【化3】
[式中、各々のxおよびyは、独立に、0~20の整数である]によるチオフェンアゾ着色剤である、請求項14に記載の方法。
【請求項22】
前記発色団が、構造:
【化4】
[式中、eおよびfは、独立に、0~4の整数であり、各々のR20およびR21は、ハロゲン、ヒドロキシ基、ニトロ基、ニトリル基、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アリール基、置換アリール基、ヘテロアリール基、および置換ヘテロアリール基、-S(O)OH、-S(O)[M]、-C(O)OR、-C(O)R、-C(O)NR、-NRC(O)OR、-NRC(O)SR、-OR、-NR、-S(O)、-S(O)NR、および-P(O)からなる群から独立に選択され;Mはカチオンであり;RおよびRは、水素、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、および置換アリール基からなる群から独立に選択される]を有する、請求項8に記載の方法。
【請求項23】
前記発色団が、
【化5】
[式中、h、i、およびjは、独立に、0~4の整数であり;ただし、構造IIIaにおいて、hは0~2の整数であるものとし;Y31は、=O、=S、=NR34、および=N3435からなる群から選択され;R30は、-O、-S、-OR36および-NR3637からなる群から選択され;各々のR34、R35、36およびR37は、水素、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、ヘテロアリール基、置換ヘテロアリール基、アシル基、-C(O)OR、-C(O)R、および-C(O)NRからなる群から独立に選択され;各々のR31、32およびR33基は、ハロゲン、ヒドロキシ基、ニトロ基、ニトリル基、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アリール基、置換アリール基、ヘテロアリール基、および置換ヘテロアリール基、-S(O)OH、-S(O)[M]、-C(O)OR、-C(O)R、-C(O)NR、-NRC(O)OR、-NRC(O)SR、-OR、-NR、-S(O)、-S(O)NR、および-P(O)からなる群から独立に選択され;Mはカチオンであり;RおよびRは、水素、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、および置換アリール基からなる群から独立に選択され;X30、X31、X32、およびX33は、炭素原子および窒素原子からなる群から独立に選択され、ただし、X30、X31、X32、およびX33のうちの2つ以下は窒素原子であるものとする]から選択される構造を有する、請求項8に記載の方法。
【請求項24】
前記発色団が、構造:
【化6】
[式中、X42は、酸素原子、硫黄原子、SiR4546、およびNR45からなる群から選択され;Y41は、=O、=S、=NR46、および=N4546からなる群から選択され;R45およびR46は、水素、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、ヘテロアリール基、置換ヘテロアリール基、-S(O)OH、-S(O)[M]、-C(O)OR、-C(O)R、および-C(O)NRからなる群から選択され;lは0~3の整数であり、mは0~4の整数であり、各々のR41およびR42は、ハロゲン、ヒドロキシ基、ニトロ基、ニトリル基、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アリール基、置換アリール基、ヘテロアリール基、および置換ヘテロアリール基、-S(O)OH、-S(O)[M]、-C(O)OR、-C(O)R、-C(O)NR、-NRC(O)OR、-NRC(O)SR、-OR、-NR、-S(O)、-SR、-S(O)NR、および-P(O)からなる群から独立に選択され;Mはカチオンであり;少なくとも1つのR42基は、-OR、-SRおよび-NRからなる群から選択され;RおよびRは、水素、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、および置換アリール基からなる群から独立に選択される]を有する、請求項8に記載の方法。
【請求項25】
前記発色団が、構造:
【化7】
[式中、AR51は、アルケニル基、置換アルケニル基、アリール基、置換アリール基、ヘテロアリール基、置換ヘテロアリール基からなる群から選択され;R52、R53およびR54は、水素およびR51からなる群から独立に選択され;各々のR51は、ハロゲン、ヒドロキシ基、ニトロ基、ニトリル基、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アリール基、置換アリール基、ヘテロアリール基、および置換ヘテロアリール基、-S(O)OH、-S(O)[M]、-C(O)OR、-C(O)R、-C(O)NR、-NRC(O)OR、-NRC(O)SR、-OR、-NR、-S(O)、-S(O)NR、および-P(O)から独立に選択され、Mはカチオンであり、ただしR51は水素ではないものとし;RおよびRは、水素、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、および置換アリール基からなる群から独立に選択され;cは1~10の整数であり;X50、X51、X52、およびX53は、炭素原子および窒素原子からなる群から独立に選択され、ただし、X50、X51、X52、およびX53のうちの2つ以下は窒素原子であるものとし;gは1~4の整数である]を有し;前記構造Vが、任意にその対イオンを伴うことによって、電気的中性を維持するイオン形態で存在する、請求項8に記載の方法。
【請求項26】
前記発色団が、構造:
【化8】
[式中、各々のR61、R62、R63、およびR64基は、独立に選択されるハロゲン、ヒドロキシ基、ニトロ基、ニトリル基、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アリール基、置換アリール基、ヘテロアリール基、置換ヘテロアリール基、-S(O)OH、-S(O)[M]、-C(O)OR、-C(O)R、-C(O)NR、-NRC(O)OR、-NRC(O)SR、-OR、-NR、-S(O)、-S(O)NR、および-P(O)であり;Mはカチオンであり;n、o、pおよびqは0~4から独立に選択される整数であり;RおよびRは、水素、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、および置換アリール基からなる群から独立に選択され;Qは、水素、金属イオン、または半金属であり;Aはアニオンであり;xは正の整数であり;yはゼロを含む整数であることによって、二価の基-Q-は中性となる]を有する、請求項8に記載の方法。
【請求項27】
前記発色団が、構造:
【化9】
[式中、各々のR71、R72およびR73基は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ基、ニトロ基、ニトリル基、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アリール基、置換アリール基、ヘテロアリール基、置換ヘテロアリール基、-S(O)OH、-S(O)[M]、-C(O)OR、-C(O)R、-C(O)NR、-NRC(O)OR、-NRC(O)NRNR、-NRC(O)SR、-OR、-NR、-S(O)、-S(O)NR、および-P(O)から独立に選択され;Mはカチオンであり;n、o、pおよびqは0~4から独立に選択される整数であり;R、R、RおよびRは、水素、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、および置換アリール基からなる群から独立に選択され、ただし、少なくとも1つのR72基は-ORまたは-NR基であるものとする]を有する、請求項8に記載の方法。
【請求項28】
前記発色団が、
【化10】
[式中、XおよびXは、炭素原子および窒素原子からなる群から選択され;aは0~5の整数であり、ただし、XおよびXのうちの1つが窒素原子である場合、aは0~4の整数であり、XとXの両方が窒素原子である場合、aは0~3の整数であるものとし;各々のRは、ハロゲン、ヒドロキシ基、ニトロ基、ニトリル基、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アリール基、置換アリール基、ヘテロアリール基、および置換ヘテロアリール基、-S(O)OH、-S(O)[M]、-C(O)OR、-C(O)R、-C(O)NR、-NRC(O)OR、-NRC(O)SR、-OR、-NR、-S(O)、-S(O)NR、および-P(O)からなる群から独立に選択され;Mはカチオンであり;RおよびRは、水素、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、および置換アリール基からなる群から独立に選択され;RおよびRは、アルケニル基、置換アルケニル基、アリール基、置換アリール基、ヘテロアリール基、および置換ヘテロアリール基からなる群から選択され;Yは、=O、=S、=NR、および=Nからなる群から選択される]から選択される構造を有し;前記構造VIIIおよびVIIIaが、その対イオンを伴うことによって、電気的中性を維持するイオン形態で独立におよび任意に存在する、請求項8に記載の方法。
【請求項29】
前記発色団が、構造:
【化11】
[式中、AR11は、アルケニル基、置換アルケニル基、アリール基、置換アリール基、ヘテロアリール基、および置換ヘテロアリール基からなる群から選択され;R11およびR14は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ基、ニトロ基、ニトリル基、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アリール基、置換アリール基、ヘテロアリール基、置換ヘテロアリール基、-S(O)OH、-S(O)[M]、-C(O)OR、-C(O)R、-C(O)NR、-NRC(O)OR、-NRC(O)SR、-OR、-NR、-S(O)、-S(O)NR、および-P(O)からなる群から独立に選択され;Mはカチオンであり;RおよびRは、水素、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、および置換アリール基からなる群から独立に選択され;bは1~10の整数である]を有する、請求項8に記載の方法。
【請求項30】
少なくとも50モル%の前記ポリ(アルキレンオキシ)置換発色団着色剤が5000未満の分子量を有する、請求項8に記載の方法。
【請求項31】
前記ポリ(アルキレンオキシ)置換発色団着色剤がモノマー残基を含有し、前記ポリ(アルキレンオキシ)置換基中の少なくとも75%の前記モノマー残基が、-CHCHO-および-CHCH(CH)O-から選択される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
少なくとも50モル%の前記ポリ(アルキレンオキシ)置換発色団着色剤が、2000未満の分子量を有する、請求項8に記載の方法。
【請求項33】
前記ポリ(アルキレンオキシ)置換発色団着色剤がモノマー残基を含有し、前記ポリ(アルキレンオキシ)置換基中の少なくとも75%のモノマー残基が-CHCHO-である、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記ヘアケア組成物が非酸化性毛髪着色クリーム剤である、請求項1に記載の方法。
【請求項35】
前記非酸化性毛髪着色クリーム剤が半永久毛髪着色クリーム剤である、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記非酸化性毛髪着色クリーム剤が一時的毛髪着色クリーム剤である、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
前記ヘアケア組成物が酸化性毛髪着色クリーム剤である、請求項1に記載の方法。
【請求項38】
前記酸化性毛髪着色クリーム剤が準永久毛髪着色クリーム剤である、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記酸化性毛髪着色クリーム剤が永久毛髪着色クリーム剤である、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記ヘアケア組成物がシャンプーである、請求項1に記載の方法。
【請求項41】
前記ヘアケア組成物がコンディショナーである、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、少なくとも1種のヘアケア原料成分および少なくとも1種のポリマー着色剤を含有するヘアケア組成物に関する。
【背景】
【0002】
[0002]自分の毛髪を着色したいという消費者の願望と共に種々のヘアダイが発明された。典型的には、2つのカテゴリーのヘアダイが存在する。第1のカテゴリーは、プロダイの形態である酸化性または永久染料として公知であり、適用中に酸化して色を形成する。このクラスのいくつかの周知の例はフェニレンジアミンおよびパラ-アミノフェノールであり、これらは追加のカプラー(たとえば、レゾルシノール、m-アミノフェノールなど)とブレンドする。他方のカテゴリーは多くの場合非酸化性または直接染料と呼ばれる。これらの染料は予め形成された染料分子である。このカテゴリーの中の例として、Basic Red 76、Acid Violet 43、HC Blue 15、およびHC Blue 16が挙げられる。
【0003】
[0003]しかし、現在の毛髪用分子染料は弱点を有する。予め形成された染料はコンジュゲートされた、剛性の有機化合物であり、多くの場合、ヘアケア組成物に溶解するのが困難である。溶解されていない染料は、処理した毛髪に、不均一な色相、または時には色のスポットを残す可能性がある。加えて、ヘアダイの毒性もまた懸案事項である。さらに、現在の直接染料は非常に急速に洗い落とされる傾向にあり、よって半永久と考えられる。よって、現在のヘアダイをさらに改善することが継続して必要とされる。この側面において、ポリマー液体着色剤は、配合するのが簡単であり、その分子量の高さが皮膚へのこれらの浸透を困難にするため、毒性についての懸念が低いことから、従来のヘアダイよりも優れている。ポリマー液体着色剤はまた、現在の染料と比較して優れた洗浄性能を有するようにも見える。
【簡単な概要】
【0004】
[0004]一側面において、本発明は、ヒトの頭髪または顔毛を着色するための方法であって、以下の工程:(a)少なくとも1種のポリ(アルキレンオキシ)置換発色団着色剤を含有するヘアケア組成物を準備する工程と;(b)ヘアケア組成物を毛髪に適用する工程と;(c)ヘアケア組成物を毛髪にある期間接触させる工程とを含む方法に関する。ヘアケア組成物は、少なくとも1種のヘアケア原料成分をさらに含有してもよい。
【0005】
[0005]ポリ(アルキレンオキシ)置換発色団着色剤は、組成物の0.001~20重量%、または組成物の0.01~20重量%の濃度で存在してもよい。発色団のポリ(アルキレンオキシ)置換基は、2~4個の炭素原子を有するアルキレンオキシド残基で構成されるポリ(アルキレンオキシ)ポリマーから水素または基を除去することにより形成されるポリマー置換基である。さらに、ポリ(アルキレンオキシ)置換基の平均分子量は132~10,000であってもよい。発色団着色剤はアゾ、カルバゾール、ピラゾロン、シアニン、フタロシアニン、アントラキノン、アザ[18]アヌレン、ホルマザン銅錯体、ニトロソ、ニトロ、ジアリールメタン、トリアリールメタン、キサンテン、アクリジン、メチン、チアゾール、インダミン、アジン、オキサジン、チアジン、キノリン、インジゴイド、インドフェノール、ラクトン、アミノケトン、ヒドロキシケトン、ナフタリミド、およびスチルベン発色団から選択される。
【0006】
[0006]本発明の一側面において、発色団は、構造:
【0007】
【化1】
【0008】
[式中、ARおよびARは、アルケニル基、置換アルケニル基、アリール基、置換アリール基、ヘテロアリール基、および置換ヘテロアリール基からなる群から独立に選択され;ARまたはAR基のうちの1つは、別のアゾ発色団でさらに置換されて、ビスアゾを形成することができる]を有する。
【0009】
[0007]本発明の別の側面において、発色団は、構造:
【0010】
【化2】
【0011】
[式中、eおよびfは、独立に、0~4の整数であり;各々のR20およびR21は、ハロゲン、ヒドロキシ基、ニトロ基、ニトリル基、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アリール基、置換アリール基、ヘテロアリール基、および置換ヘテロアリール基、-S(O)OH、-S(O)[M]、-C(O)OR、-C(O)R、-C(O)NR、-NRC(O)OR、-NRC(O)SR、-OR、-NR、-S(O)、-S(O)NR、および-P(O)からなる群から独立に選択され;Mはカチオンであり;RおよびRは、水素、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、および置換アリール基からなる群から独立に選択される]を有する。
【0012】
[0008]本発明のさらなる側面において、発色団は、
【0013】
【化3】
【0014】
[式中、h、i、およびjは、独立に、0~4の整数であり、ただし、構造IIIaにおいて、hは0~2の整数であるものとする。Y31は、=O、=S、=NR34、および=N3435からなる群から選択され;R30は、-O、-S、-OR36および-NR3637からなる群から選択される。各々のR34、R35、36およびR37は、水素、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、ヘテロアリール基、置換ヘテロアリール基、アシル基、-C(O)OR、-C(O)R、および-C(O)NRからなる群から独立に選択される。各々のR31、32およびR33基は、ハロゲン、ヒドロキシ基、ニトロ基、ニトリル基、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アリール基、置換アリール基、ヘテロアリール基、および置換ヘテロアリール基、-S(O)OH、-S(O)[M]、-C(O)OR、-C(O)R、-C(O)NR、-NRC(O)OR、-NRC(O)SR、-OR、-NR、-S(O)、-S(O)NR、および-P(O)からなる群から独立に選択され;Mはカチオンであり;RおよびRは、水素、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、および置換アリール基からなる群から独立に選択される。X30、X31、X32、およびX33は、炭素原子および窒素原子からなる群から独立に選択され、ただし、X30、X31、X32、およびX33のうちの2つ以下は窒素原子であるものとする]から選択される構造を有する。
【0015】
[0009]本発明のさらに別の側面において、発色団は、構造:
【0016】
【化4】
【0017】
[式中、X42は、酸素原子、硫黄原子、SiR4546、およびNR45からなる群から選択される。Y41は、=O、=S、=NR46、および=N4546からなる群から選択され;R45およびR46は、水素、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、ヘテロアリール基、置換ヘテロアリール基、-S(O)OH、-S(O)[M]、-C(O)OR、-C(O)R、および-C(O)NRからなる群から選択される。lは0~3の整数であり、mは0~4の整数である。各々のR41およびR42は、ハロゲン、ヒドロキシ基、ニトロ基、ニトリル基、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アリール基、置換アリール基、ヘテロアリール基、および置換ヘテロアリール基、-S(O)OH、-S(O)[M]、-C(O)OR、-C(O)R、-C(O)NR、-NRC(O)OR、-NRC(O)SR、-OR、-NR、-S(O)5、-SR、-S(O)NR、および-P(O)からなる群から独立に選択され;Mはカチオンであり、少なくとも1つのR42基は、-OR、-SRおよび-NRからなる群から選択される。RおよびRは、水素、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、および置換アリール基からなる群から独立に選択される]を有する。
【0018】
[0010]本発明の別の側面において、発色団は、構造:
【0019】
【化5】
【0020】
[式中、AR51は、アルケニル基、置換アルケニル基、アリール基、置換アリール基、ヘテロアリール基、置換ヘテロアリール基からなる群から選択され;R52、R53およびR54は、水素およびR51からなる群から独立に選択され;各々のR51は、ハロゲン、ヒドロキシ基、ニトロ基、ニトリル基、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アリール基、置換アリール基、ヘテロアリール基、および置換ヘテロアリール基、-S(O)OH、-S(O)[M]、-C(O)OR、-C(O)R、-C(O)NR、-NRC(O)OR、-NRC(O)SR、-OR、-NR、-S(O)、-S(O)NR、および-P(O)から独立に選択され、Mはカチオンであり、ただし、R51は水素ではないものとし;RおよびRは、水素、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、および置換アリール基からなる群から独立に選択され;cは1~10の整数である。X50、X51、X52、およびX53は、炭素原子および窒素原子からなる群から独立に選択され、ただし、X50、X51、X52、およびX53のうちの2つ以下は窒素原子であるものとし、gは1~4の整数である]を有し;構造Vは任意に、その対イオンを伴うことによって、電気的中性を維持するイオン形態で存在する。
【0021】
[0011]本発明の一側面において、発色団は、構造:
【0022】
【化6】
【0023】
[式中、各々のR61、R62、R63、およびR64基は、独立に選択されるハロゲン、ヒドロキシ基、ニトロ基、ニトリル基、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アリール基、置換アリール基、ヘテロアリール基、置換ヘテロアリール基、-S(O)OH、-S(O)[M]、-C(O)OR、-C(O)R、-C(O)NR、-NRC(O)OR、-NRC(O)SR、-OR、-NR、-S(O)、-S(O)NR、および-P(O)であり;Mはカチオンであり、n、o、pおよびqは0~4から独立に選択される整数であり;RおよびRは、水素、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、および置換アリール基からなる群から独立に選択され;Qは、水素、金属イオン、または半金属であり;Aはアニオンであり;xは正の整数であり、yはゼロを含む整数であることによって、二価の基-Q-は中性となる]を有する。
【0024】
[0012]本発明のまたさらなる側面において、発色団は、構造:
【0025】
【化7】
【0026】
[式中、各々のR71、R72およびR73基は、独立に選択される水素、ハロゲン、ヒドロキシ基、ニトロ基、ニトリル基、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アリール基、置換アリール基、ヘテロアリール基、置換ヘテロアリール基、-S(O)OH、-S(O)[M]、-C(O)OR、-C(O)R、-C(O)NR、-NRC(O)OR、-NRC(O)NRNR、-NRC(O)SR、-OR、-NR、-S(O)、-S(O)NR、および-P(O)であり;Mはカチオンであり;n、o、pおよびqは0~4から独立に選択される整数であり;R、R、RおよびRは、水素、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、および置換アリール基からなる群から独立に選択され、ただし、少なくとも1つのR72基は-ORまたは-NR基であるものとする]を有する。
【0027】
[0013]本発明の別の側面において、発色団は、
【0028】
【化8】
【0029】
[式中、XおよびXは、炭素原子および窒素原子からなる群から選択され;aは0~5の整数であり、ただし、XおよびXのうちの1つが窒素原子である場合、aは0~4の整数であり、XとXの両方が窒素原子である場合、aは0~3の整数であるものとし;各々のRは、ハロゲン、ヒドロキシ基、ニトロ基、ニトリル基、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アリール基、置換アリール基、ヘテロアリール基、および置換ヘテロアリール基、-S(O)OH、-S(O)[M]、-C(O)OR、-C(O)R、-C(O)NR、-NRC(O)OR、-NRC(O)SR、-OR、-NR、-S(O)、-S(O)NR、および-P(O)からなる群から独立に選択され;Mはカチオンであり;RおよびRは、水素、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、および置換アリール基からなる群から独立に選択され;RおよびRは、アルケニル基、置換アルケニル基、アリール基、置換アリール基、ヘテロアリール基、および置換ヘテロアリール基からなる群から選択され;Yは、=O、=S、=NR、および=Nからなる群から選択される]から選択される構造を有し;構造VIIIおよびVIIIaは、その対イオンを伴うことによって、電気的中性を維持するイオン形態で独立におよび任意に存在してもよい。
【0030】
[0014]本発明のさらなる側面において、発色団は、構造:
【0031】
【化9】
【0032】
[式中、AR11は、アルケニル基、置換アルケニル基、アリール基、置換アリール基、ヘテロアリール基、および置換ヘテロアリール基からなる群から選択され;R11およびR14は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ基、ニトロ基、ニトリル基、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アリール基、置換アリール基、ヘテロアリール基、置換ヘテロアリール基、-S(O)OH、-S(O)[M]、-C(O)OR、-C(O)R、-C(O)NR、-NRC(O)OR、-NRC(O)SR、-OR、-NR、-S(O)、-S(O)NR、および-P(O)からなる群から独立に選択され;Mはカチオンであり;RおよびRは、水素、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、および置換アリール基からなる群から独立に選択され;bは1~10の整数である]を有する。
【0033】
[0015]本発明の別の側面において、少なくとも50モル%のポリ(アルキレンオキシ)置換発色団着色剤は、5000未満の分子量、または2000未満の分子量さえ有する。加えて、ポリ(アルキレンオキシ)置換発色団着色剤は、モノマー残基を含有し、ポリ(アルキレンオキシ)置換基中の少なくとも75%のモノマー残基は-CHCHO-および-CHCH(CH)O-から選択される。本発明のさらなる側面において、ポリ(アルキレンオキシ)置換発色団着色剤は、モノマー残基を含有し、ポリ(アルキレンオキシ)置換基中の少なくとも75%のモノマー残基は-CHCHO-である。
【0034】
[0016]本発明のさらなる側面において、ヘアケア組成物は非酸化性毛髪着色クリーム剤である。非酸化性毛髪着色クリーム剤は、半永久毛髪着色クリーム剤であってもよいし、一時的毛髪着色クリーム剤であってもよい。
【0035】
[0017]本発明のさらに別の側面において、ヘアケア組成物は酸化性毛髪着色クリーム剤である。酸化性毛髪着色クリーム剤は準永久毛髪着色クリーム剤であってもよいし、永久毛髪着色クリーム剤であってもよい。
【0036】
[0018]本発明のさらなる側面において、ヘアケア組成物はシャンプーまたはコンディショナーである。
【詳細な説明】
【0037】
[0019]ここで記載される本発明は、少なくとも1種のヘアケア原料成分および少なくとも1種のポリマー着色剤を含有するヘアケア組成物である。ポリマー着色剤を含有するヘアケア組成物は、毛髪(たとえば、ヒトの毛髪、動物の毛など)への直接的適用に好適であり、従来の技術ヘアダイよりも安定性およびシェーディングが改善されている。
【0038】
[0020]ここで使用される場合、「毛髪」という用語は、生命体に結合しているケラチン線維、たとえば、ヒトの頭髪、ヒトの顔毛、動物の毛などを含むことが意図される。
【0039】
[0021]ここで使用される場合、「アルコキシ」という用語は、C~Cアルコキシおよび繰返し単位、たとえば、ブチレンオキシド、グリシドールオキシド、エチレンオキシド、またはプロピレンオキシドを有するポリオールのアルコキシ誘導体を含むことが意図される。
【0040】
[0022]ここで使用される場合、「ポリアルキレンオキシ」および「ポリオキシアルキレン」という用語は、ここで交換可能なように使用されており、以下の繰返し単位を含有する分子構造を一般的に指す:-CHCHO-、-CHCHCHO-、-CHCHCHCHO-、-CHCH(CH)O-、-CHCHCH(CH)O-、およびこれらの何れかの組合せ。さらに、ポリオキシアルキレン構成物質は、C2~20酸化アルキレン、グリシドール、およびこれらの混合物から選択される1つ以上のモノマーからなる群から選択されてもよい。
【0041】
[0023]ここで使用される場合、別段の規定がなされない限り、「アルキル」および「アルキルでキャップされた」という用語は、C~C100アルキル基、C~C50アルキル基、C~C25アルキル基、またはさらにはC10~C20アルキル基を含むことが意図される。
【0042】
[0024]ここで使用される場合、別段の規定がなされない限り、「アリール」という用語は、C~C18アリール基、および、一側面において、C~C12アリール基を含むことが意図される。
【0043】
[0025]ここで使用される場合、別段の規定がなされない限り、「アリールアルキル」という用語は、C~C18アリールアルキル基および、一側面においては、C~Cアリールアルキル基を含むことが意図される。
【0044】
[0026]ここで使用される場合、別段の規定がなされない限り、「アルカノイル」という用語は、式-C(O)R(式中、Rはアルキル基、好ましくはC~C29アルキル基である)である一価の基を指す。
【0045】
[0027]ここで使用される場合、別段の規定がなされない限り、「アルケニル」という用語は、非環式オレフィン型炭化水素より任意の炭素原子から水素原子を除去することで得られる、一価の基を指す。本定義の文脈において、「非環式オレフィン型炭化水素」という用語は、1つ以上の炭素-炭素二重結合を含む非環式炭化水素を指す。
【0046】
[0028]ここで使用される場合、別段の規定がなされない限り、「アルケノイル」という用語は、式-C(O)R(式中、Rはアルケニル基であり、好ましくはC~C29アルケニル基である)の一価の基を指す。
【0047】
[0029]ここで使用される場合、別段の規定がなされない限り、「アロイル」という用語は、式-C(O)R(式中、Rはアリール基であり、好ましくはC~C10アリール基である)の一価の基を指す。
【0048】
[0030]「エチレンオキシド」、「プロピレンオキシド」、および「ブチレンオキシド」という用語は、それぞれ、「EO」、「PO」、および「BO」というこれらの典型的な名称によりここで示される場合がある。
【0049】
[0031]別段の指示がなされない限り、すべての百分率および比は重量によって計算される。別段の指示がなされない限り、すべての百分率および比は全組成物を基準にして計算される。
【0050】
[0032]ヘアケア組成物は、毛髪への適用に好適な如何なる物理的形態であってもよく、これは、これらに限定されないが、液体、クリーム剤、スプレー、コンディショナー、ゲル、ムースなどを含む。ヘアケア組成物は、これらに限定されないが、酸化性ヘアクリーム、非酸化性ヘアクリーム、脱色組成物、シャンプー、コンディショナー、およびここで記載されている原料成分を毛髪に適用するためのビヒクルとして有用な他の何れかの組成物を含むことが意図される。本発明の組成物の適用に対して好適な物理的形態およびビヒクルのさらなる詳細および例はまた、SingerらのUSPN9,820,922においても見出すことができる。
【0051】
[0033]本発明では、ヘアケア組成物は少なくとも1種のヘアケア原料成分を含む。ヘアケア原料成分として、たとえば、これらに限定されないが、皮膚軟化油、界面活性剤、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性、双性イオンまたはベタイン界面活性剤、極性溶媒、キレート剤、pH調整剤、コンディショニング剤およびこれらの混合物が挙げられる。酸化剤はまた酸化調合物に含まれていてもよい。さらに、酸化剤は非酸化調合物から排除されていてもよい。
【0052】
[0034]本発明のヘアケア組成物は、一般的に全組成物の約0.01~99重量%、好ましくは約0.1~98重量%、より好ましくは約45~95重量%の水を含む、水性ベースである。
【0053】
[0035]ヘアケア組成物は、従来のアニオン性、両性、双性イオン、非イオン性、および/またはカチオン性界面活性剤に基づく、たとえば、ヘアシャンプーを含んでもよい。好適な市販のシャンプーは毛髪を、洗浄し、脂肪分泌の残渣および/またはスタイリング薬剤の残渣ならびに他の不純物を毛髪表面および頭皮から除去する。
【0054】
[0036]ヘアケア組成物はまたヘアコンディショナーを含んでもよい。ヘアコンディショニングとは、ケア用のいわゆる洗い流せる調合物(すなわち、洗い流す調合物)またはいわゆるつけっぱなしの調合物(すなわち、洗い流さないで毛髪上に残る調合物)、特にケア用シャンプーまたはコンディショナーを用いて毛髪を処理することを意味すると当業者により理解されている。この処理は、湿ったおよび乾燥状態において、毛髪のその長さ全体に沿っても先端でも特に櫛通りを良くし(もつれにくさ)、触覚特性、たとえば、滑らかさ、柔らかさおよび柔軟性を改善し、さらに毛髪の光沢を良くし、帯電を減少させ、スタイリングの容易さを改善する。よって全体的には、ケアされた、全体的に健康な毛髪の状態は、コンディショニングにより達成される。
【0055】
[0037]皮膚軟化油
[0038]所望する場合、ヘアクリーム組成物は1種以上の皮膚軟化油を含有してもよい。このような油は、毛髪へのコンディショニング作用を提供する。存在する場合、このような油は、全組成物の約0.001~45重量%、好ましくは約0.01~40重量%、より好ましくは約0.1~35重量%の範囲であってよい。好適な油として、シリコーン、たとえば、ジメチコン、フェニルシリコーン、脂肪性アルキルシリコーン、たとえば、セチルもしくはステアリルジメチコン、またはジメチコンコポリオールもしくはセチルジメチコンコポリオールと一般的に呼ばれているシリコーン界面活性剤が挙げられる。植物もしくは動物由来の様々な動物、植物、または鉱油、または合成油もまた好適である。例として、ヒマワリ、ヒマシ種子、オレンジ、レモン、ホホバ由来の油、鉱油などが挙げられる。一般的な他の例として、セテアリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、ラノリンアルコール、ココナッツアルコールなどが挙げられる。
【0056】
[0039]界面活性剤
[0040]酸化性染料組成物は1種以上の界面活性剤を含んでもよい。好適な界面活性剤として、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられる。存在する場合、界面活性剤は、第1の組成物の約0.001~50重量%、好ましくは約0.005~45重量%、より好ましくは約0.1~40重量%の範囲であってよい。
【0057】
[0041]非イオン性界面活性剤
非イオン性界面活性剤の例として、アルコキシ化アルコールまたはエーテル、アルコキシ化カルボン酸、ソルビタン誘導体などが挙げられる。アルコキシ化アルコール、またはエーテルは、アルコールと、酸化アルキレン、普通酸化エチレンまたは酸化プロピレンとの反応により形成される。好ましくは、アルコールは6~30個の炭素原子を有する脂肪族アルコール、および直鎖または分枝の、飽和または不飽和の炭素鎖である。このような原料成分の例として、ステアレス2~30(ステアリルアルコールと酸化エチレンの反応により形成され、酸化エチレンの繰返し単位の数は2~30である);ラウレス2~30(ラウリルアルコールと酸化エチレンとの反応により形成され、酸化エチレンの繰返し単位の数は2~30である);オレス2~30(オレイルアルコールと酸化エチレンとの反応により形成され、酸化エチレンの繰返し単位の数は2~30である);セテアレス2~100(セチルおよびステアリルアルコールの混合物と酸化エチレンとの反応により形成され、分子中の酸化エチレンの繰返し単位の数は2~100である);セテス1~45(セチルアルコールと酸化エチレンとの反応により形成され、酸化エチレンの繰返し単位の数は1~45である)などが挙げられる。特に好ましいのは、非イオン性界面活性剤がステアレス20またはセテアレス20(cetearth-20)の場合である。同様に好適であるのは、アルコキシ化カルボン酸であり、これはカルボン酸と酸化アルキレンまたはポリマーエーテルとの反応により形成される。
【0058】
[0042]また好適であるのは、様々な種類のアルコキシ化ソルビタンおよびアルコキシ化ソルビタン誘導体である。たとえば、ソルビタンのアリコキシ化、特に、エトキシ化はポリアルコキシ化ソルビタン誘導体をもたらす。ポリアルコキシ化ソルビタンのエステル化は、ソルビタンエステル、たとえば、ポリソルベートをもたらす。このような原料成分の例として、ポリソルベート20~85、オレイン酸ソルビタン、パルミチン酸ソルビタン、セスキイソステアリン酸ソルビタン、ステアリン酸ソルビタンなどが挙げられる。好ましい一態様ではポリソルベート20が好ましい。
【0059】
[0043]アニオン性界面活性剤
[0044]ヘアクリーム組成物は1種以上のアニオン性界面活性剤を任意に含有してもよい。アニオン性界面活性剤の好ましい範囲は、全酸化性組成物の約0.01~25重量%、好ましくは0.5~20重量%、より好ましくは1~15重量%である。好適なアニオン性界面活性剤として、式ROSOMおよびRO(CO)SOM(式中、Rは約10~20個の炭素原子のアルキルまたはアルケニルであり、xは1~約10であり、Mは水溶性カチオン、たとえば、アンモニウム、ナトリウム、カリウム、またはトリエタノールアミンカチオンである)を一般的に有する硫酸アルキルおよび硫酸アルキルエーテルが挙げられる。
【0060】
[0045]本発明の組成物に使用することができる別の種類のアニオン性界面活性剤は、一般式:R-SO-M(式中、Rは、約8~約24個の炭素原子、好ましくは12~約18個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖、飽和した脂肪族炭化水素ラジカルからなる群から選択され、Mはカチオンである)の有機、硫酸反応生成物の水溶性塩である。このようなアニオン性界面活性剤の例は、炭化水素の有機硫酸反応生成物の塩、たとえば、8~24個の炭素原子を有するn-パラフィン、およびスルホン化剤、たとえば、三酸化硫黄である。
【0061】
[0046]アニオン性界面活性剤と同様に好適なものは、イセチオン酸でエステル化し、水酸化ナトリウムで中和した脂肪酸の反応生成物、またはアルカノルアミンもしくは水酸化アンモニウムとの脂肪酸反応物である。脂肪酸は、たとえば、ヤシ油から由来してもよい。脂肪酸の例としてまた、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸なども挙げられる。
【0062】
[0047]加えて、スクシネートおよびスクシニメートは好適なアニオン性界面活性剤である。このクラスとして、化合物、たとえば、N-オクタデシル二ナトリウムスルホスクシネート;N-(1,2-ジカルボキシエチル)-N-オクタデシルスルホスクシネート四ナトリウム;およびナトリウムスルホコハク酸のエステル、たとえば、ナトリウムスルホコハク酸のジヘキシルエステル、ナトリウムスルホコハク酸のジオクチルエステルなどが挙げられる。
【0063】
[0048]他の好適なアニオン性界面活性剤として、約12~24個の炭素原子を有するオレフィンスルホン酸塩が挙げられる。「オレフィンスルホン酸塩」という用語は、錯体を形成していない三酸化硫黄の手段によりアルファオレフィンをスルホン化し、これに続いて、反応中に形成された何れかのスルトンが加水分解して対応するヒドロキシ-アルカンスルホネートを付与するような条件で、酸性反応混合物を中和することにより生成することができる化合物を意味する。オレフィンスルホン酸塩が得られるアルファオレフィンは、約12~24個の炭素原子、好ましくは約14~16個の炭素原子を有するモノオレフィンである。
【0064】
[0049]他のクラスの好適なアニオン性有機界面活性剤はβアルコキシアルカンスルホネートまたはその水溶性石鹸、たとえば、C10~20脂肪酸の塩、たとえばココナッツおよびタロウベースの石鹸である。好ましい塩はアンモニウム、カリウム、およびナトリウム塩である。
【0065】
[0050]さらなる別のクラスのアニオン性界面活性剤として、式:(RはC8~24アルキルまたはアルケニルラジカル、好ましくはC10~18であり;RはH、C1~4アルキル、フェニル、または-CHCOOMであり;RはCX-またはC1~2アルコキシであり、各々のXは独立にHまたはC1~6アルキルまたはアルキルエステルであり、nは1~4であり、MはHまたは上に記載されているような塩形成カチオンである)を有するN-アシルアミノ酸界面活性剤およびその塩(アルカリ、アルカリ土類、およびアンモニウム塩)が挙げられる。このような界面活性剤の例はN-アシルサルコシネートであり、ラウロイルサルコシネート、ミリストイルサルコシネート、ココイルサルコシネート、およびオレオイルサルコシネートを含み、好ましくはナトリウムまたはカリウムの形態である。
【0066】
[0051]カチオン性、双性イオンまたはベタイン界面活性剤
[0052]ある特定の種類の両性、双性イオン、またはカチオン性の界面活性剤もまた両親媒性界面活性材料として使用することができる。このような界面活性剤の説明は米国特許第5,843,193号に記載されており、この特許はその全体を参照によりここで援用する。
【0067】
[0053]本発明の組成物に使用することができる両性界面活性剤は脂肪族第二級または第三級アミンの誘導体として一般的に記載されており、この誘導体において一方の脂肪族ラジカルは、8~18個の炭素原子の直鎖または分枝鎖アルキルであり、他方の脂肪族ラジカルは、アニオン性基、たとえば、カルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート、またはホスホネートを含有する。
【0068】
[0054]また、好適な両性の界面活性剤はモノカルボキシレートまたはジカーボキシレート、たとえば、コカンホカルボキシプロピオネート、ココアンホカルボキシプロピオン酸、コカンホカルボキシグリシネート、およびココアンホアセテートである。
【0069】
[0055]他の種類の両性界面活性剤として、R-NH(CHCOOMのアミノアルカノエートまたは式:R-[(CHCOOM]のイミノジアルカノエートおよびこれらの混合物(式中、nおよびmは1~4であり、RはC8~22アルキルまたはアルケニルであり、Mは水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムまたはアルカノールアンモニウムである)が挙げられる。このような両性界面活性剤の例として、n-アルキルアミノプロピオネートおよびn-アルキルイミノジプロピオネートが挙げられる。双性イオン界面活性剤もまた本発明の組成物の使用に対して好適であり、これには、ベタイン、たとえば、高級アルキルベタイン、たとえば、ココジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルジメチルアルファカルボキシエチルベタイン、セチルジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルビス-(2-ヒドロキシエチル)カルボキシメチルベタイン、ステアリルビス-(2-ヒドロキシプロピル)カルボキシメチルベタイン、オレイルジメチルガンマ-カルボキシルエチルベタイン、およびこれらの混合物が含まれる。また好適であるのは、スルホ-およびアミド-ベタイン、たとえば、ココジメチルスルホプロピルベタイン、ステアリルジメチルスルホプロピルベタインなどである。特に好ましいのはコカミドプロピルベタインである。
【0070】
[0056]極性溶媒
[0057]ヘアクリーム組成物は水以外の様々な非水性極性溶媒をまた含んでもよく、これらには一価、二価、または多価アルコール、および類似の水溶性原料成分が含まれる。存在する場合、このような極性溶媒は、極性溶媒の第1の組成物の約0.01~25重量%、好ましくは約0.05~15重量%、より好ましくは約0.1~10重量%の範囲であってもよい。好適な一価アルコールの例として、エタノール、イソプロパノール、ベンジルアルコール、ブタノール、ペンタノール、エトキシエタノールなどが挙げられる。使用することができる二価、または多価アルコール、ならびに糖および他の種類の保湿剤の例として、グリセリン、グルコース、フルクトース、マンノース、マンニトール、マルチトール、ラクチトール、イノシトールなどが挙げられる。好適なグリコールとして、4~250個の繰返すエチレングリコール単位を有するプロピレングリコール、ブチレングリコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、エトキシジグリコールなどが挙げられる。
【0071】
[0058]キレート剤
[0059]酸化性染料組成物は、金属イオンと錯体化し、不活化させることによって、組成物の安定性または作用に対するこれらの有害作用を阻止することが可能な0.0001~5%、好ましくは0.0005~3%、より好ましくは0.001~2%の1種以上のキレート剤を任意に含有することができる。特に、キレート剤は、水中に見出される金属イオンをキレートし、これらのイオンが、染料の毛髪線維表面への堆積および反応を妨げるのを阻止する。好適なキレート剤として、EDTAおよびそのカルシウム、ナトリウム、またはカリウム誘導体、HEDTA、クエン酸ナトリウム、TEA-EDTAなどが挙げられる。
【0072】
[0060]pH調節剤
[0061]少量の酸または塩基を添加して、酸化性染料組成物のpHを所望のpH範囲に調節することが望ましいこともある。好適な酸として、塩酸、リン酸、エチドロン酸などが挙げられる。好適な塩基として、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。また好適であるのは、第一級、第二級、または第三級アミンまたはその誘導体、たとえば、アミノメチルプロパノール、モノエタノールアミンなどである。リン酸塩、たとえば、リン酸カリウム、リン酸二ナトリウムなどもまた使用することができる。pH調整剤の示唆される範囲は、全組成物の約0.00001~8重量%、好ましくは約0.00005~6重量%、より好ましくは約0.0001~5重量%である。
【0073】
[0062]コンディショニング剤
[0063]ヘアクリーム組成物はまた、ヘアコンディショニング剤を含んでもよい。ここでの使用に好適なコンディショニング剤として、これらに限定されないが、カチオン性界面活性剤、不溶性シリコーン、非揮発性炭化水素、非揮発性炭化水素エステル、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0074】
[0064]ここでの使用に好ましいコンディショニング剤として、カチオン性界面活性剤、カチオン性ポリマー、不溶性シリコーンコンディショニング剤、アミノ官能化シリコーンおよび飽和C14~C22直鎖脂肪族アルコールおよびこれらの混合物が挙げられる。
【0075】
[0065]存在する場合、不溶性シリコーンコンディショニング剤は、組成物の約0.1~10重量%、好ましくは約0.1重量%~約5重量%、より好ましくは約1重量%~約3重量%のレベルで存在する。好適な不溶性シリコーンとして、ポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン、ポリエーテルシロキサンコポリマー、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0076】
[0066]他の追加成分
[0067]本発明の組成物は典型的には、ヘアケア組成物に一般的に利用されるいくつかの他の成分、たとえば、シャンプー、コンディショナー、スタイリングエイドおよび着色剤をさらに含み、これらは当業者に周知の、たとえば、増粘剤および希釈剤である。さらに、いくつかの任意の材料は、ここに各々記載された組成物に組成物の約0.001重量%~約5重量%、好ましくは約0.01重量%~約3重量%、より好ましくは約0.05重量%~約2重量%のレベルで添加することができる。このような材料として、タンパク質およびポリペプチドおよびその誘導体;水溶性または可溶化性保存剤、たとえば、DMDMヒダントイン、Germall 115、ヒドロキシ安息香酸のメチル、エチル、プロピルおよびブチルエステル、EDTA、Euxyl(RTM)K400、天然保存剤、たとえば、ベンジルアルコール、ソルビン酸カリウムおよびビサボロール、安息香酸、安息香酸ナトリウムおよび2-フェノキシエタノール;抗酸化剤、たとえば、亜硫酸ナトリウム、ヒドロキノン、重亜硫酸ナトリウム、二亜硫酸ナトリウムおよびチオグリコール酸、亜ジチオン酸ナトリウム、エリソルビン酸および他のメルカプタン;H2O2安定剤、たとえば、スズ化合物、たとえば、スズ酸ナトリウム、水酸化第二スズおよびオクタン酸スズ、アセトアニリド、フェナセチンコロイド状シリカ、たとえば、ケイ酸マグネシウム、硫酸オキシキノリン、リン酸ナトリウム、およびピロリン酸四ナトリウム;およびヒドロキシベンゾエート;保湿剤、たとえば、ヒアルロン酸、キチン、およびデンプングラフトしたポリアクリル酸ナトリウムならびにメチルセルロース、デンプン、高級脂肪族アルコール、パラフィン油、脂肪酸など;溶媒;抗菌剤;低温相改質剤、たとえば、アンモニウムイオン源(たとえばNH4Cl);粘度調節剤、たとえば、硫酸マグネシウムおよび他の電解質;第4級アミン化合物、たとえば、ジステアリル-、ジラウリル-、ジ水素化牛脂-、ジメチル塩化アンモニウム、ジセチルジエチルメチル硫酸アンモニウム、ジタロウジメチルメチル硫酸アンモニウム、ジソヤジメチル塩化アンモニウムおよびジココジメチル塩化アンモニウム;酵素安定剤、たとえば、カルシウムまたはボレート種の水溶性供給源;TiO2およびTiO2-コーティングした雲母;香水および香水可溶化剤;ならびにゼオライトおよびその誘導体および金属イオン捕捉剤、たとえば、ポリカルボキシレート、アミノポリカルボキシレート、ポリホスホネート、アミノポリホスホネートなど、ならびに水軟化剤、たとえば、クエン酸ナトリウム、無機過酸素酸化剤および酵素が挙げられる。
【0077】
[0068]酸化剤組成物
[0069]加えて、水性ヘアクリーム組成物はまた酸化剤を含んでもよい。最も多くの場合使用される水性酸化剤は過酸化水素であるが、他の過酸化物または酸化剤、たとえば、カルシウム過酸化物も使用することができる。好ましくは水性酸化剤組成物中の過酸化水素濃度は、約10~40容量の範囲であり、これは、組成物中に存在する過酸化水素の容量ベースの量である。
【0078】
[0070]追加の好適な酸化剤(ここでは「脱色剤」とも呼ばれる)としては、たとえば、過酸化水素の供給源、たとえば、ここに援用されるKirk Othmer’s Encyclopedia of Chemical Technology、第4版(1992、John Wiley & Sons)、4巻、271~300頁「Bleaching Agents(Survey).」に詳細に記載されているものが挙げられる。これらの過酸化水素源としては種々の形態の過ホウ酸ナトリウムおよび過炭酸ナトリウムが挙げられ、これらの化合物の被覆および改変された形態を含む。
【0079】
[0071]ここで使用される好ましい過酸化水素の供給源は、過酸化水素それ自体を含む、任意の好都合な供給源とすることができる。たとえば、過ホウ酸塩、たとえば、過ホウ酸ナトリウム(任意の水和物だが好ましくは一または四水和物)、炭酸ナトリウム過酸化水素化物もしくは等価な過炭酸塩、ピロリン酸ナトリウム過酸化水素化物、尿素過酸化水素化物、または過酸化ナトリウムをここで使用することができる。利用可能な酸素の供給源、たとえば、過硫酸塩脱色剤(たとえば、DuPont製のOXONE)もまた有用である。過ホウ酸ナトリウム一水和物、過炭酸ナトリウム、過硫酸ナトリウム、および過硫酸カリウムが特に好ましい。任意の好都合な過酸化水素源の混合物を使用することもできる。
【0080】
[0072]本発明の組成物はまた、脱色剤として、塩素系脱色物質を含んでいてもよい。このような薬剤は当技術分野において周知であり、たとえば、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム(「NaDCC」)が挙げられる。
【0081】
[0073]本発明の一側面において、組成物中の過酸素脱色剤成分が活性化剤(過酸前駆体)と配合される。活性化剤は、組成物の約0.01重量%から、好ましくは約0.5重量%から、より好ましくは約1重量%~約15重量%まで、好ましくは約10重量%まで、より好ましくは約8重量%までのレベルで存在する。脱色活性化剤は、ここで使用される場合、過酸化水素と共に使用されると供給源が脱色活性化剤に対応する過酸のインサイチュー生成を生じさせる、任意の化合物である。活性化剤の様々な非限定的な例は、米国特許第5,576,282号;第4,915,854号、および第4,412,934号に開示されている。ここで有用な他の典型的な脱色剤および活性化剤については、米国特許第4,634,551号も参照されたい。
【0082】
[0074]好ましい活性化剤は、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、ベンゾイルカプロラクタム(BzCL)、4-ニトロベンゾイルカプロラクタム、3-クロロベンゾイルカプロラクタム、ベンゾイルオキシベンゼンスルホネート(BOBS)、ノナノイルオキシベンゼンスルホネート(NOBS)、安息香酸フェニル(PhBz)、デカノイルオキシベンゼンスルホネート(C10-OBS)、ベンゾイルバレロラクタム(BZVL)、オクタノイルオキシベンゼンスルホネート(C-OBS)、過加水分解性エステル、およびこれらの混合物、最も好ましくは、ベンゾイルカプロラクタムおよびベンゾイルバレロラクタムからなる群から選択される。約8~約11のpH範囲における特に好ましい脱色活性化剤は、OBSまたはVL脱離基を有するものから選択される。
【0083】
[0075]好ましい疎水性脱色活性化剤としては、ノナノイルオキシベンゼンスルホネート(NOBS);4-[N-(ノナノイル)アミノヘキサノイルオキシ]-ベンゼンスルホネートナトリウム塩(NACA-OBS)この例は、米国特許第5,523,434号に記載されている;ドデカノイルオキシベンゼンスルホネート(LOBSまたはC12-OBS);10-ウンデセノイルオキシベンゼンスルホネート(UDOBSまたは10位に不飽和を有するC11-OBS);およびデカノイルオキシ安息香酸(DOBA)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0084】
[0076]好ましい脱色活性化剤は、Burnsらの米国特許第5,998,350号;Christieらの米国特許第5,698,504号;Christieらの米国特許第5,695,679号;Willeyらの米国特許第5,686,401号;Hartshornらの米国特許第5,686,014号;Willeyらの米国特許第5,405,412号;Willeyらの米国特許第5,405,413号;Mitchelらの米国特許第5,130,045号;およびChungらの米国特許第4,412,934、ならびに同時係属中の特許出願番号第08/064,564号に記載されているものであり、これらのすべては参照によりここで援用される。
【0085】
[0077]また、第四級置換脱色活性化剤が含まれていてもよい。本発明の組成物は、好ましくは、第四級置換脱色活性化剤(QSBA)または第四級置換過酸(QSP、好ましくは第四級置換過カルボン酸または第四級置換ペルオキシイミド酸)を含み;より好ましくは、前者を含む。好ましいQSBA構造は、Willeyらの米国特許第5,686,015号;Taylorらの米国特許第5,654,421号;Gosselinkらの米国特許第5,460,747号;Miracleらの米国特許第5,584,888号;およびTaylorらの米国特許第5,578,136号にさらに記載されており;これらのすべては参照によりここで援用される。
【0086】
[0078]ここで有用な追加の脱色剤活性化剤は、各々がここで上記において引用されている、米国特許第5,698,504号;第5,695,679号;および第5,686,014号に記載されているようにアミド置換されている。このような脱色活性化剤の好ましい例としては、(6-オクタンアミドカプロイル)オキシベンゼンスルホネート、(6-ノナンアミドカプロイル)オキシベンゼンスルホネート、(6-デカンアミドカプロイル)オキシベンゼンスルホネート、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0087】
[0079]他の有用な活性化剤は、各々がここで上記において引用されている、米国特許第5,698,504号;第5,695,679号;および第5,686,014号、ならびにHodgeらの米国特許第4,966,723号に開示されている。これらの活性化剤としては、ベンゾオキサジン型活性化剤、たとえば、1,2位において--C(O)OC(R)=N-部分が縮合したC環が挙げられる。
【0088】
[0080]ニトリル、たとえば、アセトニトリルおよび/またはアンモニウムニトリルならびに他の第四級窒素含有ニトリルは、ここで有用なもう1つのクラスの活性化剤である。このようなニトリル脱色活性化剤の非限定的な例は、米国特許第6,133,216号;第3,986,972号;第6,063,750号;第6,017,464号;第5,958,289号;第5,877,315号;第5,741,437号;第5,739,327号;および第5,004,558号;ならびに欧州特許第790 244号、第775 127号、第1 017 773号、および第1 017 776号;ならびにWO99/14302、WO99/14296、およびWO96/40661に記載されており、これらのすべては参照によりここで援用される。
【0089】
[0081]活性化剤および詳細な用途に応じて、使用時のpHが約6~約13、好ましくは約9.0~約11.5である脱色系から、良好な脱色結果を得ることができる。たとえば、中性付近または中性未満のpH範囲に対しては、典型的には電子吸引性部分を有する活性化剤が使用される。アルカリおよび緩衝剤を使用してそのようなpHを確保することができる。
【0090】
[0082]各々がここで上記において引用されている、米国特許第5,698,504号;第5,695,679号および第5,686,014号に記載されているアシルラクタム活性化剤、特にアシルカプロラクタム(たとえば、WO94-28102Aを参照されたい)およびアシルバレロラクタム(参照によりここで援用される、Willeyらの米国特許第5,503,639号を参照されたい)もまたここで有用であり得る。
【0091】
[0083]有機過酸化物、特に過酸化ジアシルもまた使用に好適であり得る。これらは、Kirk Othmer、Encyclopedia of Chemical Technology、17巻、John Wiley and Sons、1982 27~90頁、特に63~72頁において重点的に説明されており、すべてが参照によりここで援用される。ジアシルペルオキシドが使用される場合、これは、好ましくは、色のケアをはじめとした生地のケアに対して最小限の悪影響を与えるものである。
【0092】
[0084]本発明の組成物および方法はまた、金属含有脱色触媒、好ましくはマンガンおよびコバルト含有脱色触媒を任意に含むことができる。
【0093】
[0085]金属含有脱色触媒の一種は、決まった脱色触媒活性を有する遷移金属カチオン(たとえば、銅、鉄、チタン、ルテニウム タングステン、モリブデン、またはマンガンカチオン)、脱色触媒活性をほとんどまたはまったく有さない補助的金属カチオン(たとえば、亜鉛またはアルミニウムカチオン)、ならびに触媒および補助的金属カチオンに対して決まった安定度定数を有する封鎖剤、特にエチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、およびこれらの水溶性塩を含む、触媒系である。このような触媒は、Braggの米国特許第4,430,243号に開示されている。
【0094】
[0086]所望であれば、ここでの組成物をマンガン化合物によって触媒することができる。このような化合物および使用の程度は当技術分野において周知であり、たとえば、米国特許第5,576,282号;第5,246,621号;第5,244,594号;第5,194,416号;および第5,114,606号;ならびに欧州特許出願公開番号第549,271A1号;第549,272A1号;第544,440A2号;および第544,490A1号に開示されているマンガン系触媒が挙げられる。これらの触媒の好ましい例としては、MnIV (u-O)(1,4,7-トリメチル-1,4,7-トリアザシクロノナン)(PF、MnIII (u-O)(u-OAc)(1,4,7-トリメチル-1,4,7-トリアザシクロノナン)(ClO、MnIV (u-O)(1,4,7-トリアザシクロノナン)(ClO、MnIIIMnIV (u-O)(u-OAc)-(1,4,7-トリメチル-1,4,7-トリアザシクロノナン)(ClO、MnIV(1,4,7-トリメチル-1,4,7-トリアザシクロノナン)-(OCH(PF)、およびこれらの混合物が挙げられる。他の金属系脱色触媒としては、米国特許第4,430,243号および第5,114,611号に開示されているものが挙げられる。脱色を強化するために種々の錯体配位子と共にマンガンを使用することは、以下においても報告されている:米国特許第4,728,455号;第5,284,944号;第5,246,612号;第5,256,779号;第5,280,117号;第5,274,147号;第5,153,161号;および第5,227,084号。
【0095】
[0087]ここで有用なコバルト脱色触媒は公知であり、たとえば、米国特許第5,597,936号;第5,595,967号;および第5,703,030号;ならびにM.L.Tobe、「Base Hydrolysis of Transition-Metal Complexes」、Adv.Inorg.Bioinorg.Mech.、(1983)、2、1~94頁に記載されている。ここで有用な最も好ましいコバルト触媒は式[Co(NHOAc]Ty(式中、「OAc」はアセテート部分を表し、「Ty」はアニオンを表す)を有するコバルトペンタアミンアセテート塩、とりわけ、コバルトペンタアミンアセテートクロリド[Co(NHOAc]Cl;ならびに[Co(NHOAc](OAc);[Co(NHOAc](PF;[Co(NHOAc](SO);[Co(NHOAc](BF;および[Co(NHOAc](NO(ここでは「PAC」)である。
【0096】
[0088]これらのコバルト触媒は公知の手順によって、たとえば、米国特許第6,302,921号;第6,287,580号;第6,140,294号;第5,597,936号;第5,595,967号;および第5,703,030号;Tobeの論文およびそこで引用されている参考文献;ならびに米国特許第4,810,410号;J.Chem.編(1989)、66(12)、1043~45;The Synthesis and Characterization of Inorganic Compounds、W.L.Jolly(Prentice-Hall;1970)、461~3頁;Inorg. Chem.、18、1497~1502(1979);Inorg. Chem.、21、2881~2885(1982);Inorg. Chem.、18、2023~2025(1979);Inorg.Synthesis、173~176頁(1960);ならびにJournal of Physical Chemistry、56、22~25(1952)で教示されているように、容易に調製される。
【0097】
[0089]ここでの組成物はまた、好適には、マクロ多環式リジッド配位子の遷移金属錯体を脱色触媒として含んでいてもよい。使用される量は触媒有効量であり、好適には約1ppb以上、たとえば、約99.9%以下、より典型的には約0.001ppm以上、好ましくは約0.05ppm~約500ppmである(「ppb」は10億分の1重量部を表し、「ppm」は100万分の1重量部を表す)。
【0098】
[0090]本発明の組成物における使用に好適な大環状リジッド配位子の遷移金属脱色触媒としては、一般に公知の化合物を挙げることができるが、以下の何れかにより非限定的に例示される:
ジクロロ-5,12-ジメチル-1,5,8,12-テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(II)
ジクロロ-5,12-ジエチル-1,5,8,12-テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(II)
ジアコ-5,12-ジメチル-1,5,8,12-テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(II)ヘキサフルオロホスフェート
ジアコ-5,12-ジエチル-1,5,8,12-テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(II)ヘキサフルオロホスフェート
アコ-ヒドロキシ-5,12-ジメチル-1,5,8,12-テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(III)ヘキサフルオロホスフェート
ジアコ-5,12-ジメチル-1,5,8,12-テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(II)テトラフルオロボレート
ジクロロ-5,12-ジメチル-1,5,8,12 テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(III)ヘキサフルオロホスフェート
ジクロロ-5,12-ジエチル-1,5,8,12-テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(III)ヘキサフルオロホスフェート
ジクロロ-5,12-ジ-n-ブチル-1,5,8,12-テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(II)
ジクロロ-5,12-ジベンジル-1,5,8,12-テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(II)
ジクロロ-5-n-ブチル-12-メチル-1,5,8,12-テトラアザ-ビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(II)
ジクロロ-5-n-オクチル-12-メチル-1,5,8,12-テトラアザ-ビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(II)
ジクロロ-5-n-ブチル-12-メチル-1,5,8,12-テトラアザ-ビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(II)
[0091]実際問題として、また、限定としてではなく、ここでの組成物および方法を調整して、親油性流体および脱色系を含む組成物中で活性脱色触媒種を少なくとも1億分の1のオーダーとすることができ、親油性流体および脱色系を含む組成物中で好ましくは約0.01ppm~約25ppm、より好ましくは約0.05ppm~約10ppm、最も好ましくは約0.1ppm~約5ppmの活性脱色触媒種を生じる。
【0099】
[0092]ここでの組成物は、1つ以上の脱色増強化合物を含んでいてもよい。脱色増強化合物は、低温での用途において脱色の有効性を増大させる。脱色増強剤は、通常の過酸素脱色源と共に作用して、脱色の有効性を増大させる。通常、これは活性酸素移動剤、たとえば、ジオキシラン、オキサジリジン、またはオキサジリジニウムのインサイチュー生成によって達成される。あるいは、予備形成されたジオキシラン、オキサジリジン、およびオキサジリジニウムを使用してもよい。
【0100】
[0093]約+3~約-3の正味電荷を有する、カチオン性イミン、双性イオン性イミン、アニオン性イミン、および/またはポリイオン性イミン、ならびにこれらの混合物が、本発明に従う使用に好適な脱色増強化合物に含まれる。これらの本発明のイミン脱色増強化合物としては、一般構造式:
【0101】
【化10】
【0102】
[式中、
~Rは、水素、またはフェニル、アリール、複素環式環、アルキル、およびシクロアルキルラジカルからなる群から選択される無置換もしくは置換ラジカルであってもよい]
のものが挙げられる。
【0103】
[0094]双性イオン脱色増強剤が好ましい脱色増強化合物に含まれ、これらは米国特許第5,576,282号および第5,718,614号に記載されている。他の脱色増強化合物としては、米国特許第5,360,569号;第5,442,066号;第5,478,357号;第5,370,826号;第5,482,515号;および第5,550,256号;ならびにWO95/13351、WO95/13352、およびWO95/13353に記載されているカチオン脱色増強剤が挙げられる。
【0104】
[0095]過酸素源は当技術分野において周知であり、本発明で利用される可能性のある過酸素源はこれら周知の過酸素源の何れかを含んでいてもよく、それらとしては、過酸素源化合物に加えて、消費者による使用条件下でインサイチューで有効量の過酸素を生じる化合物が挙げられる。過酸素源は、過酸化水素の供給源、過酸化水素源と脱色活性化剤の反応による過酸アニオンのインサイチュー生成、予備形成された過酸化合物、または好適な過酸素源の混合物を含んでいてもよい。当然ながら、当業者は他の過酸素の供給源を本発明の範囲から逸脱することなく利用してもよい点を認識する。脱色増強化合物は、存在する場合、好ましくは本発明の脱色系において過酸素源と共に利用される。
【0105】
[0096]予備形成された過酸もまた脱色剤として好適である。予備形成された過酸化合物は、ここで使用される場合、安定であって消費者による使用条件下で有効量の過酸または過酸アニオンを生じる、任意の好都合な化合物である。予備形成された過酸化合物は、過カルボン酸およびその塩、過炭酸およびその塩、過イミド酸およびその塩、ペルオキシ一硫酸およびその塩、ならびにこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。これらの化合物の例は、Miracleらの米国特許第5,576,282号に記載されている。
【0106】
[0097]好適な有機ペルオキシカルボン酸の1つのクラスは、一般式:
【0107】
【化11】
【0108】
[式中、
Rは、1~約22個の炭素原子を含むアルキレンもしくは置換アルキレン基、またはフェニレンもしくは置換フェニレン基であり、
Yは、水素、ハロゲン、アルキル、アリール、-C(O)OH、または-C(O)OOHである]
を有する。
【0109】
本発明における使用に好適な有機ペルオキシ酸は、1つまたは2つのペルオキシ基を含むことができ、脂肪族でも芳香族でもあり得る。有機ペルオキシカルボン酸が脂肪族である場合、無置換過酸は一般式:
【0110】
【化12】
【0111】
[式中、
Yは、たとえば、H、CH、CHCl、C(O)OH、またはC(O)OOHであり得;
nは0~20の整数である]
を有する。有機ペルオキシカルボン酸が芳香族である場合、無置換過酸は一般式:
【0112】
【化13】
【0113】
[式中、
Yは、たとえば、水素、アルキル、アルキルハロゲン、ハロゲン、C(O)OH、またはC(O)OOHであり得る]
を有する。
【0114】
[0098]ここで有用な典型的なモノペルオキシ酸としては、アルキルおよびアリールペルオキシ酸、たとえば、
(i)ペルオキシ安息香酸および環置換ペルオキシ安息香酸、たとえば、ペルオキシ-a-ナフトエ酸、モノペルオキシフタル酸(マグネシウム塩六水和物)、ならびにo-カルボキシベンズアミドペルオキシヘキサン酸(ナトリウム塩);
(ii)脂肪族、置換脂肪族、およびアリールアルキルモノペルオキシ酸、たとえば、ペルオキシラウリン酸、ペルオキシステアリン酸、N-ノナノイルアミノペルオキシカプロン酸(NAPCA)、N,N-(3-オクチルスクシノイル)アミノペルオキシカプロン酸(SAPA)、およびN,N-フタロイルアミノペルオキシカプロン酸(PAP);
(iii)アミドペルオキシ酸、たとえば、ペルオキシコハク酸(NAPSA)またはペルオキシアジピン酸(NAPAA)のモノノニルアミド
が挙げられる。
【0115】
[0099]ここで有用な典型的なジペルオキシ酸としては、アルキルジペルオキシ酸およびアリールジペルオキシ酸、たとえば、
(i)1,12-ジペルオキシドデカン二酸;
(ii)1,9-ジペルオキシアゼライン酸;
(iii)ジペルオキシブラッシル酸;ジペルオキシセバシン酸、およびジペルオキシイソフタル酸;
(iv)2-デシルジペルオキシブタン-1,4-二酸;
(v)4,4’-スルホニルビスペルオキシ安息香酸
が挙げられる。
【0116】
[00100]このような脱色剤は、Hartmanの米国特許第4,483,781号およびBurnsらの第4,634,551号;Banksらの欧州特許出願第0,133,354号;ならびにChungらの米国特許第4,412,934号に開示されている。供給源には、Burnsらの米国特許第4,634,551号に記載されているような、6-ノニルアミノ-6-オキソペルオキシカプロン酸も含まれる。過硫酸塩化合物、たとえば、E.I.DuPont de Nemours of Wilmington、DEにより製造され市販されているOXONEを、ペルオキシ一硫酸の好適な供給源として利用することもできる。PAPは、たとえば、米国特許第5,487,818号;第5,310,934号;第5,246,620号;第5,279,757号、および第5,132,431号に開示されている。
【0117】
[00101]フォトブリーチもまた、本発明の組成物における使用に好適であることもあり、これらに限定されないが、米国特許第4,217,105号および第5,916,481号に記載されているフォトブリーチを含む。
【0118】
[00102]酵素系を脱色剤として使用してもよい。また、過酸化水素は、過酸化水素を生成することが可能な酵素系(すなわち、酵素およびそれに対する基質)を添加することで存在していてもよい。このような酵素系は、1991年10月9日に出願された欧州特許出願第91202655.6号に開示されている。
【0119】
[00103]本発明の組成物および方法は、別の脱色系、たとえば、オゾンおよび二酸化塩素等を活用してもよい。オゾンを用いた脱色は、毛髪に接触させる溶液中に、約20~約300g/mのオゾン含有量を有するオゾン含有ガスを導入することにより達成してもよい。溶液中の気体:液体比は、1:2.5~約1:6に維持すべきである。米国特許第5,346,588号はオゾンを従来の脱色系の代替として活用するための方法を記載しており、参照によりここで援用される。
【0120】
[00104]着色剤
[00105]本開示の着色剤組成物は、ポリマー着色剤以外の1種以上の着色剤を任意に含有し得る。これらの色化合物は、酸化性染料前駆体、直接染料、色素、およびこれらの混合物から選択することができる。酸化染料は、1種以上のカプラーと任意に組み合わせた1種以上の酸化ベースから一般に選択される。例として、酸化ベースは、パラ-フェニレンジアミン、ビス(フェニル)アルキレンジアミン、パラ-アミノフェノール、オルト-アミノフェノールおよび複素環ベース、およびその付加塩から選択される。
【0121】
[00106]言及することができるパラ-フェニレンジアミンの中には、たとえば、パラ-フェニレンジアミン、パラ-トルエンジアミン、2-クロロ-パラ-フェニレンジアミン、2,3-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、2,6-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、2,6-ジエチル-パラ-フェニレンジアミン、2,5-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ジエチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ジプロピル-パラ-フェニレンジアミン、4-アミノ-N,N-ジエチル-3-メチルアニリン、N,N-ビス(ベータ-ヒドロキシエチル)-パラ-フェニレンジアミン、4-N,N-ビス(ベータ-ヒドロキシエチル)アミノ-2-メチルアニリン、4-N,N-ビス(ベータ-ヒドロキシエチル)アミノ-2-クロロアニリン、2-ベータ-ヒドロキシエチル-パラ-フェニレンジアミン、2-メトキシメチル-パラ-フェニレンジアミン、2-フルオロ-パラ-フェニレンジアミン、2-イソプロピル-パラ-フェニレンジアミン、N-(ベータ-ヒドロキシプロピル)-パラ-フェニレンジアミン、2-ヒドロキシメチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ジメチル-3-メチル-パラ-フェニレンジアミン、N-エチル-N-(ベータ-ヒドロキシエチル)-パラ-フェニレンジアミン、N-(ベータ,ガンマ-ジヒドロキシプロピル)-パラ-フェニレンジアミン、N-(4’-アミノフェニル)-パラ-フェニレンジアミン、N-フェニル-パラ-フェニレンジアミン、2-ベータ-ヒドロキシエチルオキシ-パラ-フェニレンジアミン、2-ベータ-アセチルアミノエチルオキシ-パラ-フェニレンジアミン、N-(ベータ-メトキシエチル)-パラ-フェニレンジアミン、4-アミノフェニルピロリジン、2-チエニル-パラ-フェニレンジアミン、2-β-ヒドロキシエチルアミノ-5-アミノトルエンおよび3-ヒドロキシ-1-(4’-アミノフェニル)ピロリジン、ならびにその酸との付加塩がある。
【0122】
[00107]上述されたパラ-フェニレンジアミンの中でも、パラ-フェニレンジアミン、パラ-トルエンジアミン、2-イソプロピル-パラ-フェニレンジアミン、2-ベータ-ヒドロキシエチル-パラ-フェニレンジアミン、2-ベータ-ヒドロキシエチルオキシ-パラ-フェニレンジアミン、2,6-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、2,6-ジエチル-パラ-フェニレンジアミン、2,3-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ビス(ベータ-ヒドロキシエチル)-パラ-フェニレンジアミン、2-クロロ-パラ-フェニレンジアミンおよび2-ベータ-アセチルアミノエチルオキシ-パラ-フェニレンジアミン、ならびにその酸との付加塩が特に好ましい。
【0123】
[00108]言及することができるビス(フェニル)アルキレンジアミンの中には、たとえば、N,N’-ビス(ベータ-ヒドロキシエチル)-N,N’-ビス(4’-アミノフェニル)-1,3-ジアミノプロパノ-I、N,N’-ビス(ベータ-ヒドロキシエチル)-N,N’-ビス(4’-アミノフェニル)エチレンジアミン、N,N’-ビス(4-アミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N’-ビス(ベータ-ヒドロキシエチル)-N,N’-ビス(4-アミノフェニル)テトラメチレンジアミン-e、N,N’-ビス(4-メチルアミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N’-ビス(エチル)-N,N’-ビス(4’-アミノ-3’-メチルフェニル)エチレンジアミンおよび1,8-ビス(2,5-ジアミノフェノキシ)-3,6-ジオキサオクタン、およびこれらの付加塩がある。
【0124】
[00109]言及することができるパラ-アミノフェノールの中には、たとえば、パラ-アミノフェノール、4-アミノ-3-メチルフェノール、4-アミノ-3-フルオロフェノール、4-アミノ-3-クロロフェノール、4-アミノ-3-ヒドロキシメチルフェノール、4-アミノ-2-メチルフェノール、4-アミノ-2-ヒドロキシメチルフェノール、4-アミノ-2-メトキシメチルフェノール、4-アミノ-2-アミノメチルフェノール、4-アミノ-2-(ベータ-ヒドロキシエチルアミノメチル)フェノールおよび4-アミノ-2-フルオロフェノール、ならびに酸とのその付加塩がある。言及することができるオルト-アミノフェノールの中には、たとえば、2-アミノフェノール、2-アミノ-5-メチルフェノール、2-アミノ-6-メチルフェノールおよび5-アセトアミド-2-アミノフェノール、およびその付加塩がある。言及することができる複素環ベースの中には、たとえば、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体およびピラゾール誘導体がある。
【0125】
[00110]言及することができるピリジン誘導体の中には、化合物、たとえば、2,5-ジアミノピリジン、2-(4-メトキシフェニル)アミノ-3-アミノピリジンおよび3,4-ジアミノピリジン、ならびにその付加塩がある。本開示において有用な他のピリジン酸化ベースは、たとえば、特許出願FR2801308に記載されている、3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン酸化ベースまたはその付加塩である。例として言及することができるのは、ピラゾロ[1,5-a]ピリド-3-イルアミン、2-アセチルアミノピラゾロ[1,5-a]ピリド-3-イルアミン、2-モルホリン-4-イルピラゾロ[1,5-a]ピリド-3-イルアミン、3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-2-カルボン酸、2-メトキシピラゾロ[1,5-a]ピリド-3-イルアミン、(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリド-7-イル)メタノール、2-(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリド-5-イル)エタノール、2-(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリド-7-イル)エタノール、(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリド-2-イル)メタノール、3,6-ジアミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン、3,4-ジアミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン、ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3,7-ジアミン、7-モルホリン-4-イルピラゾロ[1,5-a]ピリド-3-イルアミン、ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3,5-ジアミン、5-モルホリン-4-イルピラゾロ[1,5-a]ピリド-3-イルアミン、2-[(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリド-5-イル)(2-ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール、2-[(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリド-7-イル)(2-ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール、3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-オール、3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-4-オール、3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-6-オール、3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-7-オール、2-quadrature-ヒドロキシエトキシ-3-アミノ-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン;2-(4-ジメチルピペラジニウム-1-イル)-3-アミノ-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン;およびその付加塩を含む。
【0126】
[00111]より具体的には、本開示に有用な酸化ベースは、3-アミノピラゾロ-[1,5-a]-ピリジンから選択され、好ましくは2位の炭素原子上で以下により置換されている:
(a)1つの(ジ)(Ci~C)(アルキル)アミノ基、前記アルキル基はヒドロキシ、アミノ、イミダゾリウム基のうちの少なくとも1つで置換されていてもよい;
(b)5~7員の鎖、および1~3個のヘテロ原子を含有する1つのヘテロシクロアルキル基、これは潜在的にはカチオン性であり、1つ以上の(Ci~C-アルキル、たとえば、ジ(C1~C4)アルキルピペラジニウムで潜在的に置換されている;または
(c)1つの(Ci~C6)アルコキシ、1つ以上のヒドロキシ基、たとえば、quadrature-ヒドロキシアルコキシ、およびその付加塩で潜在的に置換されている。
【0127】
言及することができるピリミジン誘導体の中には、化合物、たとえば、2,4,5,6-テトラアミノピリミジン、4-ヒドロキシ-2,5,6-トリアミノピリミジン、2-ヒドロキシ-4,5,6-トリアミノピリミジン、2,4-ジヒドロキシ-5,6-ジアミノピリミジン、2,5,6-トリアミノピリミジンおよびこれらの付加塩があり、互変異性平衡が存在する場合には、これらの互変異性形態がある。
【0128】
言及することができるピラゾール誘導体の中には、化合物、たとえば、4,5-ジアミノ-1-メチル-ピラゾール、4,5-ジアミノ-1-(ベータ-ヒドロキシエチル)ピラゾール、3,4-ジアミノ-ピラゾール、4,5-ジアミノ-1-(4’-クロロベンジル)ピラゾール、4,5-ジアミノ-1,3-ジメチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-メチル-1-フェニル-ピラゾール、4,5-ジアミノ-1-メチル-3-フェニルピラゾール、4-アミノ-1,3-ジメチル-5-ヒドラジノピラゾール、1-ベンジル-4,5-ジアミノ-3-メチル-ピラゾール、4,5-ジアミノ-3-tert-ブチル-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-tert-ブチル-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-(ベータ-ヒドロキシエチル)-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチル-3-メチル-ピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチル-3-(4’-メトキシフェニル)ピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチル-3-ヒドロキシメチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-ヒドロキシメチル-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-ヒドロキシメチル-1-イソプロピルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-メチル-1-イソプロピルピラゾール、4-アミノ-5-(2’-アミノエチル)アミノ-1,3-ジメチルピラゾール、3,4,5-トリアミノピラゾール、1-メチル-3,4,5-トリアミノピラゾール、3,5-ジアミノ-1-メチル-4-メチルアミノピラゾール、3,5-ジアミノ-4-(ベータ-ヒドロキシエチル)アミノ-1-メチルピラゾール、およびその付加塩がある。4,5-ジアミノ-1-(ベータ-メトキシエチル)ピラゾールも使用することができる。
【0129】
[00112]また、言及することができるピラゾール誘導体には、ジアミノ-N,N-ジヒドロピラゾロピラゾロン、たとえば、以下の化合物およびその付加塩が含まれる:2,3-ジアミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン、2-アミノ-3-エチルアミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン、2-アミノ-3-イソプロピルアミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン、2-アミノ-3-(ピロリジン-1-イル)-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン、4,5-ジアミノ-1,2-ジメチル-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン、4,5-ジアミノ-1,2-ジエチル-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン、4,5-ジアミノ-1,2-ジ-(2-ヒドロキシエチル)-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン、2-アミノ-3-(2-ヒドロキシエチル)アミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン、2-アミノ-3-ジメチルアミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン、2,3-ジアミノ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1H,6H-ピリダジノ[1,2-a]ピラゾール-1-オン、4-アミノ-1,2-ジエチル-5-(ピロリジン-1-イル)-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン、4-アミノ-5-(3-ジメチルアミノピロリジン-1-イル)-1,2-ジエチル-1,2-ジヒドロピラゾール--3-オン、2,3-ジアミノ-6-ヒドロキシ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン。2,3-ジアミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オンおよび/またはその塩が好ましくは使用される。4,5-ジアミノ-1-(ベータ-ヒドロキシエチル)ピラゾールおよび/または2,3-ジアミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オンおよび/またはその塩が複素環ベースとして優先的に使用される。
【0130】
[00113]本開示による組成物は、ケラチン線維の染色または着色に慣例的に使用されているものから有利に選択される1種以上のカプラーを任意に含み得る。これらのカプラーの中でも、特にメタ-フェニレンジアミン、メタ-アミノフェノール、メタ-ジフェノール、ナフタレンベースのカプラーおよび複素環カプラー、さらにその付加塩を言及することもできる。たとえば、2-メチル-5-アミノフェノール、5-N-(ベータ-ヒドロキシエチル)アミノ-2-メチルフェノール、3-アミノフェノール、5-アミノ-6-クロロ-o-クレゾール(3-アミノ-2-クロロ-6-メチルフェノール)、1,3-ジヒドロキシベンゼン、1,3-ジヒドロキシ-2-メチル-ベンゼン、4-クロロ-1,3-ジヒドロキシベンゼン、2,4-ジアミノ-1-(ベータ-ヒドロキシエチルオキシ)ベンゼン、2-アミノ-4-(ベータ-ヒドロキシエチルアミノ)-1-メトキシベンゼン、1,3-ジアミノベンゼン、1,3-ビス(2,4-ジアミノ-フェノキシ)プロパン、3-ウレイドアニリン、3-ウレイド-1-ジメチルアミノ-ベンゼン、セサモール、1-ベータ-ヒドロキシエチルアミノ-3,4-メチレン-ジオキシベンゼン、アルファ-ナフトール、2-メチル-1-ナフトール、6-ヒドロキシインドール、4-ヒドロキシインドール、4-ヒドロキシ-N-メチルインドール、2-アミノ-3-ヒドロキシピリジン、6-ヒドロキシベンゾモルホリン、3,5-ジアミノ-2,6-ジメトキシピリジン、1-N-(ベータ-ヒドロキシエチル)アミノ-3,4-メチレン-ジオキシベンゼン、2,6-ビス(J-ヒドロキシエチルアミノ)トルエン、6-ヒドロキシ-インドリン、2,6-ジヒドロキシ-4-メチルピリジン、1-H-3-メチルピラゾール-5-オン、1-フェニル-3-メチルピラゾール-5-オン、2,6-ジメチル-ピラゾロ[1,5-b]-1,2,4-トリアゾール、2,6-ジメチル[3,2-c]-1,2,4-トリアゾールおよび6-メチルピラゾロ[1,5-a]ベンゾイミダゾール、酸とのその付加塩、およびこれらの混合物を言及することができる。
【0131】
[00114]一般的に、本開示の文脈において使用することができる酸化ベースの付加塩およびカプラーは、酸との付加塩、たとえば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、トシル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、リン酸塩および酢酸塩から特に選択される。酸化ベース(複数可)は各々有利には、組成物の総重量に対して0.001重量%~10重量%に相当し、好ましくは本開示の組成物の総重量に対して0.005重量%~5重量%に相当する。カプラー(複数可)は、これらが存在する場合、各々有利には、組成物の総重量に対して、0.001重量%~10重量%に相当し、好ましくは、本開示の組成物の総重量に対して、0.005重量%~5重量%に相当する。
【0132】
[00115]本開示による組成物は、b)1種以上の合成または天然の直接染料または色素を含むことができる。好適な染料または色素として、これらに限定されないが、欧州議会および欧州理事会の規制(EC)No1223/2009のAnnex IVに列挙されたものが挙げられる。言及することができる好適な直接染料の例として、単独でまたは混合物としての、アゾ直接染料;(ポリ)メチン染料、たとえば、シアニン、ヘミシアニンおよびスチリル;カルボニル染料;アジン染料;ニトロ(ヘテロ)アリール染料;トリ(ヘテロ)アリールメタン染料;ポルフィリン染料;フタロシアニン染料、および天然直接染料が挙げられる。多くの直接染料はカチオン性直接染料である。ヒドラゾノカチオン性染料、アゾカチオン性染料、およびジアゾカチオン性染料を挙げることができる。特定の例として、Basic Red51、Basic Yellow87およびBasic Orange31またはその誘導体が挙げられる:中でも本開示に従い使用することができる天然直接染料として、ローソン、ジュグロン、アリザリン、プルプリン、カルミン酸、ケルメス酸、パープロガリン、プロトカテクアルデヒド、インジゴ、イサチン、クルクミン、スピヌロシン、アピゲニジンおよびオルセインを挙げることができる。これらの天然染料を含有する抽出物または浸出液、特にヘナベースの湿布、または抽出物もまた使用され得る。これらが存在する場合、直接染料(複数可)はより具体的には本開示の組成物の総重量の0.001重量%~10重量%、好ましくは0.005重量%~5重量%に相当する。
【0133】
[00116]アルカリ化剤
[00117]ヘアケア組成物は、アルカリ性のpHを有してもよい。例示的pHとして、7、8、9、10、11、12、13または14が挙げられる。一部の態様では、毛髪着色組成物のpHは、約7、8、または9~約9、10、11または12の範囲であることができる。毛髪着色組成物のアルカリ性は1種以上のアルカリ化剤から誘導され得る。一部の態様では、アルカリ化剤は、このような組成物をアルカリ性にするのに十分な量の、アンモニアもしくはアンモニア気体を生成する化合物および/またはアミンもしくはアンモニウムベースの化合物であってよい。さらなる態様では、アルカリ化剤は、アルカノルアミン、たとえば、モノエタノールアミン(MEA)およびイソプロパノールアミンから選択されてもよい。アルカリ性は、アンモニウム化合物から誘導されてもよい(たとえば、NHOH)。1種以上のアルカリ化剤は、全組成物の約0、または1、2、3、4、5、10~約5、10、13、15、18、20、25または30重量%より大きい範囲の量で存在し得る。
【0134】
[00118]ヘアケア組成物は、界面活性剤のクリーム剤、水溶液、均一な分散液、もしくは懸濁液、またはさらには液体の形態でもよい。このような組成物は、許容されるだけ相安定しており、典型的には、約1~1,000,000cps、より好ましくは約10~100,000、最も好ましくは100~20,000cpsの範囲である粘度を有する。本発明の目的に対して、粘度は、Brookfield LVDV-II+粘度計装置で、室温、1rpmで、対応するカップおよびスピンドルを用いて測定する。
【0135】
[00119]本発明のヘアケア組成物は少なくとも1種のポリ(アルキレンオキシ)置換発色団着色剤を含有する。「ポリ(アルキレンオキシ)置換発色団着色剤」という用語は、一般に、少なくとも1つのオリゴマー性またはポリマー性ポリ(アルキレンオキシ)鎖に結合している少なくとも1つの発色団部分を有する着色剤を指し、この鎖は少なくとも2つの繰返し単位、好ましくは少なくとも3つの繰返し単位を有する。オリゴマーまたはポリマー置換基は、何れかの好適な手段、たとえば、共有結合、イオン結合、または好適な静電相互作用を介して発色団部分に結合することができる。一般に、ポリマー着色剤は、UV-vis分光法で測定した場合、約300ナノメートル~約900ナノメートルの間の範囲の吸光度を有することを特徴とすることができる。本発明の一側面において、ポリマー着色剤は400ナノメートル~700ナノメートルの範囲の最大吸光度を有する。
【0136】
[00120]製造方法の関数として、ポリマー着色剤は分子量分布として典型的に表される分子量を有する。したがって、ポリマー着色剤の分子量は、その分子量分布で決定される平均分子量として一般に報告される。
【0137】
[00121]ポリマー着色剤の発色団部分は広く変動することができ、当技術分野で染料または色素として特徴付けられる化合物を含むことができる。使用される実際の基は、たとえば、所望の色、色堅牢度、および安定性の特徴に大幅に依存する。発色団部分は、窒素、酸素、硫黄などの好適な連結部分を介して少なくとも1つのポリアルキレンオキシ置換基に結合していてもよい。
【0138】
[00122]一側面において、ポリマー着色剤は中性または帯電していない分子であってよい。さらなる側面において、ポリマー着色剤は非イオン性、アニオン性、またはカチオン性であってもよい。ポリマー着色剤は正電荷と負電荷との両方を有する発色団基を含有してもよい。さらに、ポリマー着色剤は双性イオンまたは両性イオンであってもよい。
【0139】
[00123]発色団の例として、ニトロソ、ニトロ、アゾ(モノアゾ、ビスアゾ、トリスアゾ、テトラキスアゾ、およびポリアゾを含む)、ホルマザン、アゾメチンおよびその金属錯体)、スチルベン、ビス-スチルベン、ビフェニル、オリゴフェネチレン、フルオレン、クマリン、ナフタルアミ、ジアリールメタン、トリアリールメタン、キサンテン、アクリジン、キノリン、メチン(ポリメチンを含む)、チアゾール、インダミン、インドフェノール、アジン、チアジン、オキサジン、アミノケトン、ヒドロキシケトン、アントラキノン(アントラピラゾリン、アントロン、アントラピリドン、アントラピリジン、フラバントロン、ピラントロン、ベンズアントロン、ペリレン、ペリノン、ナフタリミドおよび形式的にアントラキノンに関係した他の構造を含む)、インジゴイド(チオインジゴイドを含む)、フタロシアニン発色団基、およびこれらの混合物が挙げられる。本発明の一側面において、ポリマー着色剤はアゾポリマー着色剤である。
【0140】
[00124]好適なポリマー鎖の例はポリアルキレンオキシ鎖である。「ポリアルキレンオキシ」という用語は、ここで使用される場合、以下の繰返し単位:-CHCHO-、CHCHCHO-、-CHCHCHCHO-、-CHCH(CH)O-、-CHCH(CHCH)O-、CHCHCH(CH)O-、CHCH(O-)(CHO-)、およびこれらの任意の組合せを含有する分子構造を一般的に指す。
【0141】
[00125]発色団基に結合し得るこのような基の典型は、ポリマー性エポキシド基、たとえば、ポリアルキレンオキシド基およびそのコポリマー基である。着色剤を得るために利用することができる典型的なポリアルキレンオキシドおよびそのコポリマーとして2~20個の炭素原子、またはより好ましくは、2~6個の炭素原子を含有する酸化アルキレンモノマーから作製されるものが挙げられる。例としては、ポリエチレンオキシド;ポリプロピレンオキシド;ポリブチレンオキシド;オキセタン;テトラヒドラフラン;ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、およびポリブチレンオキシドのコポリマー;ならびにポリマー置換基の大部分がポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、および/またはポリブチレンオキシドであるブロックコポリマーをはじめとした他のコポリマーが挙げられる。さらに、このようなポリアルキレンオキシ基は約132~約10,000、好ましくは約176~約5000の範囲の平均分子量を有していてもよい。
【0142】
[00126]着色剤は、ヘアケア組成物を含む原料成分に化学的に結合していてもいなくてもよいので、組成物における着色剤の適正な機能が考慮される限り、ポリアルキレンオキシ基の末端基の正確な化学的識別情報は重大となり得ないことを理解されたい。これを考慮に入れて、ある特定の末端基が特定されているある特定の最も好ましい着色剤が定義される。このような末端基の列挙は、そのより広範な態様において、本発明を限定すると決して解釈されるものではない。このような最も好ましい態様によると、着色剤は、以下を特徴としてもよい:
R{A[(アルキレンオキシ構成要素)
[式中、Rは有機発色団基であり、Aは、-N=、-O-、-SO-、-SON=、または-CO-からなる群から独立に選択される、前記有機発色団基における連結化学結合(一重、二重、および三重結合を含む)または部分であり、アルキレンオキシ構成要素のアルキレン部分は2~約4個の炭素原子を含有し、nは0~約230から独立に選択される整数であり、その一方で少なくとも1つのnは2以上である。Aが-O-、-SO-、-CO-である場合、mは1であり、Aが-N=および-SON=である場合、mは1または2であり、xは1~5の整数であり、すべてのn値の合計は2~約230であり、Rは、水素、アルキル基および
【0143】
【化14】
【0144】
[00127]からなる群から独立に選択され、Rは、Hであるか、約20個までの炭素原子を含有するアルキルラジカル、または約20個までの炭素原子を含有するカルボキシ末端アルキルラジカルであり、jおよびkはOH、OMまたはORであり、Mは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、たとえば、ニッケルなど、またはアンモニウムのカチオン部分であり、Rは、約20個までの炭素原子を含有するアルキルラジカルであり、Rは、-CH-、-CHCH-、CHCHCH-、-CHCHCHCH-、-CHCH(CH)-、-CHCH(CHCH)-、CHCHCH(CH)-、CHCH(OR)(CH)-から選択される]。
【0145】
[00128]オリゴマー性構成物質は、これらに限定されないが、(i)C~C20アルキレンオキシ基、グリシドール基、およびグリシジル基からなる群から選択される少なくとも2つのモノマー、または繰返し単位を含むオリゴマー、(ii)構造(I):
【0146】
【化15】
【0147】
と一致する芳香族または脂肪族オリゴマー性エステル、および(iii)(i)と(ii)の組合せ、からなる群から選択されるオリゴマー性構成物質を含む、何れかの好適な構成物質であることができる。構造(I)において、RおよびRは、水素およびC~C10アルキル基からなる群から独立に選択され、fは、1~10の間の整数ならびに1および10を含む整数であり、gは1~20の間ならびに1および20を含む何れかの正の整数または分数である。当業者であれば理解するように、個々のポリマー着色剤分子上のオリゴマー性構成物質の長さは変動し得るので、gに対して好適な値には、整数と分数の両方が含まれる。よって、gに対する値は、ポリマー着色剤分子の所与の試料または集まりに対するエステル鎖の平均長を表す。ある特定の態様では、ポリマー着色剤は、2つ以上の酸化エチレンモノマー基からなる1種以上のオリゴマー性構成物質を含むことができる。
【0148】
[00129]ポリマー着色剤はアルコキシ化されていてもよい。アリコキシ化は、当業者に周知の手順により行われる(たとえば、USPN4,137,243;5,082,938;5,135,972;5,591,833;6,593,483;7,587,857;9,056,963;および9,068,081を参照されたい)。
【0149】
[00130]例示的ポリマー着色剤として、Liquitint(登録商標)ポリマー着色剤、Cleartint(登録商標)ポリマー液体濃縮着色剤、Reactint(登録商標)ポリマー着色剤、およびPalmer(登録商標)ポリマー着色剤が挙げられ、これらのすべてはMilliken Chemical、a division of Milliken &Company of Spartanburg、SCから入手可能である。Liquitint(登録商標)ポリマー着色剤は水溶性、非染色性の着色剤であることを特徴とする。ポリマー着色剤は洗濯洗剤、生地柔軟剤、ならびに他の消費者および工業用洗浄製品に広く使用されている。Liquitint(登録商標)ポリマー着色剤は一般的に明るい液体着色剤であるが、特定の着色剤に応じて、異なる程度の水溶解度を示す。これらの着色剤は、これらの最終用途の製剤中に存在する他の化学物質と一般に相容性があり、典型的には取扱いが簡単なことも特徴とし得る。Liquitint(登録商標)ポリマー着色剤を使用して、水系と固体系の両方に色を与えることができる。Liquitint(登録商標)ポリマー着色剤はその独特なポリマー質により、皮膚、織物、硬い表面、装置などへより弱い染色を提供する。
【0150】
[00131]Reactint(登録商標)ポリマー着色剤は、着色ポリウレタンおよび他の熱硬化性樹脂に対して有用な液体ポリマー着色剤である。これらの着色剤は、ポリオールに化学的に結合している発色団からなる反応性ポリマー着色剤である。この配置は、ポリマー着色剤が反応してポリウレタンポリマーマトリックスとなることを可能にする。固体粒子の液体中分散液である色素ペースト剤とは異なり、Reactint(登録商標)ポリマー着色剤はポリオールに溶解性のある100%均質な液体であり、時間の経過と共に沈降しない。この純粋な液体および簡単に分散する性質により、ポリウレタンフォームおよび樹脂を生成しながら、Reactint(登録商標)着色剤をインラインおよびオンザフライでブレンドすることが可能である。
【0151】
[00132]Palmer(登録商標)ポリマー着色剤は、洗浄可能な用途、たとえば、マーカー、ペイントおよび他の技術製品の洗浄可能な用途に使用するために特別に開発された液体着色剤である。これらの着色剤は重金属を含有せず、無毒性であり、優れた非染色特性を皮膚、生地および他の表面上に有する。Palmer(登録商標)ポリマー着色剤は、水性インク製剤と非常に良好な相容性を有し、明るい色を提供する。
【0152】
[00133]本発明の一側面において、発色団は、構造:
【0153】
【化16】
【0154】
[式中、ARおよびARは、アルケニル基、置換アルケニル基、アリール基、置換アリール基、ヘテロアリール基、および置換ヘテロアリール基からなる群から独立に選択され;ARまたはAR基のうちの1つは、別のアゾ発色団でさらに置換されて、ビスアゾを形成することができる]を有する。一側面において、置換ヘテロアリール基は置換チアゾリウム基である。
【0155】
[00134]本発明の別の側面において、発色団は、構造:
【0156】
【化17】
【0157】
[式中、eおよびfは、独立に、0~4の整数であり;各々のR20およびR21は、ハロゲン、ヒドロキシ基、ニトロ基、ニトリル基、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アリール基、置換アリール基、ヘテロアリール基、および置換ヘテロアリール基、-S(O)OH、-S(O)[M]、-C(O)OR、-C(O)R、-C(O)NR、-NRC(O)OR、-NRC(O)SR、-OR、-NR、-S(O)、-S(O)NR、および-P(O)からなる群から独立に選択され;Mはカチオンであり;RおよびRは、水素、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、および置換アリール基からなる群から独立に選択される]を有する。
【0158】
[00135]本発明の別の側面において、発色団は、
【0159】
【化18】
【0160】
[式中、h、i、およびjは、独立に、0~4の整数であり;ただし、構造IIIaにおいて、hは0~2の整数であるものとする。Y31は、=O、=S、=NR34、および=N3435からなる群から選択され;R30は、-O、-S、-OR36および-NR3637からなる群から選択される。各々のR34、R35、36およびR37は、水素、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、ヘテロアリール基、置換ヘテロアリール基、アシル基、-C(O)OR、-C(O)R、および-C(O)NRからなる群から独立に選択される。各々のR31、32およびR33基は、ハロゲン、ヒドロキシ基、ニトロ基、ニトリル基、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アリール基、置換アリール基、ヘテロアリール基、および置換ヘテロアリール基、-S(O)OH、-S(O)[M]、-C(O)OR、-C(O)R、-C(O)NR、-NRC(O)OR、-NRC(O)SR、-OR、-NR、-S(O)、-S(O)NR、および-P(O)からなる群から独立に選択され;Mはカチオンであり、RおよびRは、水素、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、および置換アリール基からなる群から独立に選択される。X30、X31、X32、およびX33は、炭素原子および窒素原子からなる群から独立に選択され、ただし、X30、X31、X32、およびX33のうちの2つ以下は窒素原子であるものとする]から選択される構造を有する。
【0161】
[00136]本発明の別の側面において、発色団は、構造:
【0162】
【化19】
【0163】
[式中、X42は、酸素原子、硫黄原子、SiR4546、およびNR45からなる群から選択される。Y41は、=O、=S、=NR46、および=N4546からなる群から選択され;R45およびR46は、水素、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、ヘテロアリール基、置換ヘテロアリール基、-S(O)OH、-S(O)[M]、-C(O)OR、-C(O)R、および-C(O)NRからなる群から選択される。lは0~3の整数であり、mは0~4の整数である。各々のR41およびR42は、ハロゲン、ヒドロキシ基、ニトロ基、ニトリル基、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アリール基、置換アリール基、ヘテロアリール基、および置換ヘテロアリール基、-S(O)OH、-S(O)[M]、-C(O)OR、-C(O)R、-C(O)NR、-NRC(O)OR、-NRC(O)SR、-OR、-NR、-S(O)5、-SR、-S(O)NR、および-P(O)からなる群から独立に選択され;Mはカチオンであり;少なくとも1つのR42基は、-OR、-SRおよび-NRからなる群から選択される。RおよびRは、水素、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、および置換アリール基からなる群から独立に選択される。]を有する。
【0164】
[00137]本発明の別の側面において、発色団は、構造:
【0165】
【化20】
【0166】
[式中、AR51は、アルケニル基、置換アルケニル基、アリール基、置換アリール基、ヘテロアリール基、置換ヘテロアリール基からなる群から選択され;R5253およびR54は、水素およびR51からなる群から独立に選択される。各々のR51は、ハロゲン、ヒドロキシ基、ニトロ基、ニトリル基、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アリール基、置換アリール基、ヘテロアリール基、および置換ヘテロアリール基、-S(O)OH、-S(O)[M]、-C(O)OR、-C(O)R、-C(O)NR、-NRC(O)OR、-NRC(O)SR、-OR、-NR、-S(O)、-S(O)NR、および-P(O)から独立に選択され、Mはカチオンであり、ただし、R51は水素ではないものとし;RおよびRは、水素、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、および置換アリール基からなる群から独立に選択され、cは1~10の整数である。X50、X51、X52、およびX53は、炭素原子および窒素原子からなる群から独立に選択され、ただし、X50、X51、X52、およびX53のうちの2つ以下は窒素原子であるものとし;gは1~4の整数である]を有し;構造Vはその対イオンを伴うことによって、電気的中性を維持するイオン形態で存在することができる。
【0167】
[00138]本発明の別の側面において、発色団は、構造:
【0168】
【化21】
【0169】
[式中、各々のR61、R62、R63、およびR64基は、独立に選択されるハロゲン、ヒドロキシ基、ニトロ基、ニトリル基、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アリール基、置換アリール基、ヘテロアリール基、置換ヘテロアリール基、-S(O)OH、-S(O)[M]、-C(O)OR、-C(O)R、-C(O)NR、-NRC(O)OR、-NRC(O)SR、-OR、-NR、-S(O)、-S(O)NR、および-P(O)であり;Mはカチオンであり;n、o、pおよびqは0~4から独立に選択される整数である。RおよびRは、水素、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、および置換アリール基からなる群から独立に選択される。Qは、水素、金属イオン、または半金属であり;Aはアニオンである。xは正の整数であり、yはゼロを含む整数であることによって、二価の基-Q-は中性となる]を有する。
【0170】
[00139]本発明の別の側面において、発色団は、構造:
【0171】
【化22】
【0172】
[式中、各々のR71、R72およびR73基は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ基、ニトロ基、ニトリル基、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アリール基、置換アリール基、ヘテロアリール基、置換ヘテロアリール基、-S(O)OH、-S(O)[M]、-C(O)OR、-C(O)R、-C(O)NR、-NRC(O)OR、-NRC(O)NRNR、-NRC(O)SR、-OR、-NR、-S(O)、-S(O)NR、および-P(O)から独立に選択され;Mはカチオンであり;n、o、pおよびqは0~4から独立に選択される整数である。R、R、RおよびRは、水素、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、および置換アリール基からなる群から独立に選択され、ただし、少なくとも1つのR72基は-ORまたは-NR基であるものとする]を有する。
【0173】
[00140]本発明の別の側面において、発色団は、
【0174】
【化23】
【0175】
[式中、XおよびXは、炭素原子および窒素原子からなる群から選択され;aは0~5の整数であり、ただし、XおよびXのうちの1つが窒素原子である場合、aは0~4の整数であり、XとXの両方が窒素原子である場合、aは0~3の整数であるものとし;各々のRは、ハロゲン、ヒドロキシ基、ニトロ基、ニトリル基、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アリール基、置換アリール基、ヘテロアリール基、および置換ヘテロアリール基、-S(O)OH、-S(O)[M]、-C(O)OR、-C(O)R、-C(O)NR、-NRC(O)OR、-NRC(O)SR、-OR、-NR、-S(O)、-S(O)NR、および-P(O)からなる群から独立に選択され;Mはカチオンであり;RおよびRは、水素、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、および置換アリール基からなる群から独立に選択され;RおよびRは、アルケニル基、置換アルケニル基、アリール基、置換アリール基、ヘテロアリール基、および置換ヘテロアリール基からなる群から選択され;Yは、=O、=S、=NR、および=Nからなる群から選択される]から選択される構造を有し;構造VIIIおよびVIIIaは、その対イオンを伴うことによって、電気的中性を維持するイオン形態で存在することができる。
【0176】
[00141]本発明の別の側面において、発色団は、構造:
【0177】
【化24】
【0178】
[式中、AR11は、アルケニル基、置換アルケニル基、アリール基、置換アリール基、ヘテロアリール基、および置換ヘテロアリール基からなる群から選択され;R11およびR14は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ基、ニトロ基、ニトリル基、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アリール基、置換アリール基、ヘテロアリール基、置換ヘテロアリール基、-S(O)OH、-S(O)[M]、-C(O)OR、-C(O)R、-C(O)NR、-NRC(O)OR、-NRC(O)SR、-OR、-NR、-S(O)、-S(O)NR、および-P(O)からなる群から独立に選択され;Mはカチオンであり;RおよびRは、水素、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、および置換アリール基からなる群から独立に選択され;bは1~10の整数である]を有する。
【0179】
[00142]本発明の一側面において、着色剤は、以下の構造:
【0180】
【化25】
【0181】
[式中、各々のRa11~Ra110基は、水素、重水素およびRからなる群から独立に選択され;各々のRは、ハロゲン、ニトロ、ニトリル、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アリール、置換アリール、アルキニル、置換アルキニル、-(CH-O-R、-(CH-NR、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)O、-C(O)NR、-OC(O)R、-OC(O)OR、-OC(O)NR、-S(O)、-S(O)OR、-S(O)、-S(O)NR、-NRC(O)R、-NRC(O)OR、-NRC(O)SR、-NRC(O)NR、-OR、-NR、-P(O) -P(O)(OR、-P(O)(OR)O、および-P(O)(Oからなる群から独立に選択され;添え字nは0~4の整数であり;R、RおよびRは、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アリール、置換アリール、アルキニル、置換アルキニル、およびRからなる群から独立に選択され;Rは、28~500の範囲の前記モノマー分子量を有する1つ以上の有機モノマーで構成される有機基である]を有する。本発明の別の側面において、Ra11、Ra12、およびRa13のうちの少なくとも1つは、ハロゲン、ニトロ、ニトリル、ニトロソ、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NR、-OC(O)R、-OC(O)OR、-OC(O)NR、-S(O)、-S(O)OR、-P(O) および-P(O)(OR基から選択される電子求引性基である。またさらなる側面において、Ra11およびRa13基は-CN基であり、Ra12はメチル基である。本発明の別の側面において、Ra16、a17、a18、a19、Ra110は、水素、ハロゲン、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、2-ブチル基、tert-ブチル基、-(CH-O-R、-(CH-NR、-OR、および-NRから独立に選択され、Ra16、a17、a18、a19、Ra110のうちの少なくとも1つは-OR、または-NRである。さらなる側面において、Ra16、a17、a18、a19、Ra110のうちの2つ以上は、式I-Aにおいて、共有結合を介して互いに連結して、ベンゼン環に縮合した環構造を形成する。別の側面において、式I-Aにおいてベンゼン環に縮合した環構造は、ナフタレン、テトラヒドロキノリン、テトラヒドロイソキノリン、インドリン、およびイソインドリンのうちの1つである。別の側面において、環構造は1つ以上のRa16基で置換されている。さらに別の側面において、R、R、またはRのうちの2つは同じ炭素または窒素基に結合し、環構造を形成する。さらなる側面において、環構造はピペラジン、ピペリジン、およびピロリジンのうちの1つである。別の側面において、環構造は1つ以上のRa16基でさらに置換されている。
【0182】
[00143]本発明の一側面において、着色剤は以下の構造によるチオフェンアゾ着色剤である:
【0183】
【化26】
【0184】
[式中、各々のxおよびyは、独立に、0~20の整数である]。
【0185】
[00144]ポリマー着色剤と組み合わせて、ヘアケア組成物の着色剤部分を形成することができる他の着色剤もまた本発明の範囲内であると想定される。たとえば、以下のクラスのうちの1種以上から選択される着色剤が好適であり得る:酸性染料、塩基性染料、直接染料、溶媒染料、建染染料、媒染染料、インジゴイド染料、反応性染料、分散染料、硫黄染料、蛍光色素;色素、有機と無機の両方;天然着色剤など。よって、ヘアケア組成物の着色剤は、ポリマー着色剤と非ポリマー着色剤とのブレンドまたは混合物で構成されてもよい。ポリマー着色剤および非ポリマー着色剤は同じ発色団基を有してもよいし、またはこれらは異なる発色団基を有してもよい。
【0186】
[00145]本発明のヘアケア組成物は、少なくとも1つのヘアケア原料成分を少なくとも1つのポリマー着色剤と合わせることにより調製される。こうして形成されたヘアケア組成物は実質的に均質の混合物となり得る。
【0187】
[00146]本発明のヘアケア組成物を調製するための方法は、以下の工程で構成される:
(a)少なくとも1種のヘアケア原料成分を準備する工程;
(b)少なくとも1種のポリマー着色剤を準備する工程;および
(c)少なくとも1種のヘアケア原料成分と少なくとも1種のポリマー着色剤とを組み合わせて、ポリマー着色剤含有ヘアケア組成物を形成する工程。
【0188】
[00147]本発明に従い毛髪に色を適用するための方法は、以下の工程で構成される:
(a)ポリマー着色剤含有ヘアケア組成物を準備する工程;
(b)ポリマー着色剤含有ヘアケア組成物を毛髪に適用する工程;
(c)ポリマー着色剤含有ヘアケア組成物を毛髪にある期間接触させる工程;および
(d)任意に、ポリマー着色剤含有ヘアケア組成物を毛髪から除去する工程。
【0189】
[00148]本発明に従い毛髪を脱色し、色成分を適用するための方法は、以下の工程で構成される:
(a)ポリマー着色剤含有ヘアケア組成物を準備する工程であって、組成物が酸化剤をさらに含む工程;
(b)組成物を毛髪に適用する工程;
(c)組成物を毛髪にある期間接触させる工程;および
(d)任意に、組成物を毛髪から除去する工程。
【0190】
[00149]ヘアケア組成物は、毛髪に、10秒~1時間の範囲、または30秒~45分間の範囲、または1分間~30分間の範囲、または3分間~15分間の範囲の期間接触させることができる。毛髪は、ヘアケア組成物の適用前、水で湿らせてもよいし、または毛髪は、ヘアケア組成物が毛髪に適用される時点で乾燥していてもよい。
【0191】
[00150]ヘアケア組成物は、永久(たとえば、元の色彩強度の80%が20洗浄サイクル後に依然として可視である)、半永久(たとえば、元の色彩強度の80%が20洗浄サイクルまで可視であるが、その後は可視でなくなる)、または一時的(たとえば、元の色彩強度の80%が5洗浄サイクル後まで可視であるが、その後は可視でなくなる)であることができる。毛髪上のヘアカラーの永続性は、組成物に含まれる特定のポリマー着色剤、および/または組成物に含まれるポリマー着色剤の量に依存し得る。たとえば、ヘアケア組成物中のポリマー着色剤の量を増加させると、毛髪上の色はより長く持続し得る。対照的に、組成物中に含まれるポリマー着色剤の量が少ないと、毛髪上で色が持続する時間が短くなり得る。また、着色処理の間、毛髪と接触したままであるヘアケア組成物の時間量が、色の量、色および/またはシェードの深さ、ならびに毛髪上のヘアカラーの永続性に影響を与え得る。たとえば、毛髪着色処理の間、組成物を毛髪上により長い期間放置することは、より深みのあるシェードおよび/または色ならびに毛髪上でより長く持続する色をもたらし得る。
【0192】
[00151]本発明の一側面において、ヘアクリーム中のポリマー着色剤の量は0.0001%~10%の範囲または0.1%~5%の範囲である。
【0193】
[00152]本発明の一側面において、ヘアクリーム中のポリマー着色剤の分子量は、100~10000ダルトンの範囲または200~5000ダルトンの範囲または300~2000ダルトンの範囲である。
【0194】
[00153]ここに記載されている少なくとも1種のポリマー着色剤は、毛髪の着色において使用するためのヘアケア組成物に添加することができる。その結果、本発明はまた少なくとも1種のポリマー着色剤を含有する毛髪(またはケラチン含有材料)も包含する。本発明は、毛髪(またはケラチン含有材料)を脱色および/または着色するための方法であって、毛髪を準備する工程、ここに記載されているヘアケア組成物を毛髪に適用および/または堆積する工程、組成物を毛髪にある期間接触させる工程、およびこうして処理された毛髪をさらに撹拌し、すすぎ、および/または乾燥させる工程を含む方法をさらに包含する。
【0195】
[00154]非酸化性系での適用に対して、典型的には単一成分が存在し、これは多くの場合、以前に列挙されたヘアケア原料成分、および一緒に混合された色成分を含有するクリーム剤である(ただしこれに限定されない)。単一成分クリーム剤を毛髪に付けると、色成分は毛髪上に直接堆積する。次いで、着色したクリーム剤を洗い流すと、毛髪上に着色剤が残留する。
【0196】
[00155]酸化性系での適用に対して、典型的には2成分が存在する。1つの成分は酸化性の種(たとえば、過酸化水素)を含有する。第2の成分は、他の種、典型的にはpHを上昇させるように設計されている他の種を含有するが、他の酸化性の種、たとえば、過硫酸塩も含有する。本発明の一側面において、2種の成分は、毛髪に適用する前に一緒に混合する。最初の適用は第2の成分中ではなく、過酸化水素クリーム剤中のポリマー着色剤を含む。しかし、代わりに、ポリマー着色剤を第2の成分に入れることは想像できる。
【0197】
[00156]よって、一態様では、少なくとも1種のポリマー着色剤は酸化剤を含有するクリーム剤に混合する。使用直前に、ポリマー着色剤/過酸化水素を含有するクリーム剤を少なくとも1種の他の成分と混合して、過酸化水素を活性化させるのに十分な量だけpHを上昇させる。代替の態様では、ポリマー着色剤を第2の成分に添加してもよい。この事例では、第2の成分は、非着色過酸化水素クリーム剤に使用直前に添加する。
【0198】
[00157]ここで記載される本発明は、主にポリマー着色剤を含有するヘアケア組成物を対象とするが、本発明はこれらの組成物のみに限定されるわけではない。組成物はポリマー着色剤と別の着色剤の組合せを含有してもよい。他の着色剤は、たとえば、染料、色素、およびこれらの組合せを含む。
【0199】
[00158]好適な染料は小分子染料を含む。好適な小分子染料は、Direct Blue、Direct Red、Direct Violet、Acid Blue、Acid Red、Acid Violet、Basic Blue、Basic VioletおよびBasic Red、またはこれらの混合物の色指標(C.I.)分類に入る染料からなる群から選択される小分子染料を含む。小分子染料の例は、色指標(Society of Dyers and Colourists、Bradford、UK)番号Direct Violet 9、Direct Violet 35、Direct Violet 48、Direct Violet 51、Direct Violet 66、Direct Violet 99、Direct Blue 1、Direct Blue 71、Direct Blue 80、Direct Blue 279、Acid Red 17、Acid Red 73、Acid Red 88、Acid Red 150、Acid Violet 15、Acid Violet 17、Acid Violet 24、Acid Violet 43、Acid Red 52、Acid Violet 49、Acid Violet 50、Acid Blue 15、Acid Blue 17、Acid Blue 25、Acid Blue 29、Acid Blue 40、Acid Blue 45、Acid Blue 75、Acid Blue 80、Acid Blue 83、Acid Blue 90およびAcid Blue 113、Acid Black 1、Basic Violet 1、Basic Violet 3、Basic Violet 4、Basic Violet 10、Basic Violet 35、Basic Blue 3、Basic Blue 16、Basic Blue 22、Basic Blue 47、Basic Blue 66、Basic Blue 75、Basic Blue 159からなる群から選択されるもの、色指標(Society of Dyers and Colourists、Bradford、UK)番号Acid Violet 17、Acid Violet 43、Acid Red 52、Acid Red 73、Acid Red 88、Acid Red 150、Acid Blue 25、Acid Blue 29、Acid Blue 45、Acid Blue 113、Acid Black 1、Direct Blue 1、Direct Blue 71からなる群から選択される小分子染料を含む。
【0200】
[00159]好適な色素は、フラバントロン、インダントロン、1~4個の塩素原子を含有する塩化インダントロン、ピラントロン、ジクロロピラントロン、モノブロモジクロロピラントロン、ジブロモジクロロピラントロン、テトラブロモピラントロン、ペリレン-3,4,9,10-テトラカルボン酸ジイミド(イミド基は非置換であっても、またはC~C-アルキルもしくはフェニルもしくは複素環ラジカルで置換されていてもよく、フェニルおよび複素環ラジカルは水に溶解性を付与しない置換基をさらに保持してもよい)、アントラピリミジンカルボン酸アミド、ビオラントロン、イソビオラントロン、ジオキサジン色素、分子1個当たり2個までの塩素原子を含有してもよい銅フタロシアニン、ポリクロロ-銅フタロシアニンまたは分子1個当たり14個までの臭素原子を含有するポリブロモクロロ-銅フタロシアニンおよびこれらの混合物からなる群から選択される色素を含む。
【0201】
[00160]本発明の一側面において、ヘアケア組成物の成分は、成分を何れか好都合な順序で組み合わせること、および生成した成分の組合せを混合する、たとえば、撹拌することで、相の安定した半液体(すなわちクリーム剤)組成物を形成することにより調製することができる。このような組成物を調製するための別の方法では、少なくとも主要な割合の液体成分、好ましくは実質的にすべての液体成分を含有する液体マトリックスが形成され、この液体の組合せに剪断撹拌を付与することにより液体成分は十分に混和される。たとえば、メカニカルスターラーを用いた迅速なかき混ぜを有効に利用することができる。剪断撹拌が維持されている間、何れの固体形態の原料成分の、その実質的にすべてを添加することができる。混合物の撹拌を継続し、必要であれば、液相中の不溶性固相微粒子による溶液または均一な分散液を形成するために、この時点で混合物の撹拌を強めることができる。ここまでで記載した組成物調製手順の変形形態として、液体成分の1つ以上の微量部分と予備混合された粒子の溶液またはスラリーである撹拌された混合物に、固体成分の1つ以上を添加してもよい。組成物成分のすべてを添加した後、混合物の撹拌を、要求された粘度および相安定性特性を有する組成物を形成するのに十分な時間継続する。多くの場合、これは約30~60分間の撹拌を伴う。
【0202】
[00161]本発明のヘアケア組成物は、組成物を毛髪に適用するおよび/または色性能を増強するのに有用な他の分子、化合物、および/または薬剤と組み合わせることができる。他の分子、化合物および/または薬剤は、たとえば、界面活性剤、溶媒、保存剤、抗微生物剤、抗菌剤、香水など、およびこれらの組合せを含む。
【0203】
[00162]本発明のヘアケア組成物は、何れかの数の追加の任意の原料成分をまた含んでもよい。これらとして、従来の毛髪着色剤組成物成分、たとえば、皮膚軟化油、界面活性剤(非イオン性、アニオン性、カチオン性、双性イオン、ベタイン界面活性剤を含んでもよい)、極性溶媒、キレート剤、pH調整剤、コンディショニング剤、および他の原料成分が挙げられる。種々の任意のヘアクリーム組成物原料成分は、ここでの組成物に存在する場合、組成物および/または着色処理に対するそれらの望ましい寄与をもたらすために通常利用される濃度において活用されるべきである。多くの場合、このような任意のヘアクリーム組成物原料成分の総量は、組成物の約0.01重量%~約50重量%、より好ましくは約0.1重量%~約30重量%の範囲であることができる。
【0204】
[00163]

[00164]以下のポリマー着色剤を作製し、様々な異なるヘアケア組成物において評価した:
[00165]
【0205】
【表1-1】
【0206】
【表1-2】
【0207】
【表1-3】
【0208】
【表1-4】
【0209】
【表1-5】
【0210】
【表1-6】
【0211】
[00166]すべての上記着色剤は、以下の種々の適用例に示されているように毛髪に色を付与することができる。これらの材料はポリマー性であるため、繰返し単位の平均数の周辺に分布が存在する;上記表に列挙された材料に対して、繰返し単位の平均値が列挙されている。
【0212】
[00167]ポリマー着色剤を含有するヘアケア組成物を調製するため、ポリマー着色剤をヘアカラー成分と混合してもよいし、着色剤をすでに作製されたヘアケア組成物に添加してもよい。たとえば、以下の本発明によるヘアケア組成物を調製することができる:
[00168]ヘアクリーム調合物1~3
[00169]
【0213】
【表2】
【0214】
[00170]ヘアケア組成物は、ホモジナイザーミルに取り付けたビーカー内に水を入れ、70~75℃に加熱することにより調製することができる。次いで、ホモジナイザーミルのスイッチを入れ、ビーガムをビーカー内に振りかける。混合物を15分間粉砕する。温度を維持しながら、エトキシジグリコール、EDTA二ナトリウム、エリソルビン酸およびメチルパラベンを混合物に添加し、これを約15分間さらに粉砕する。別個のビーカー内で、アミノメチルプロパノール、モノエタノールアミン、および水を合わせ、次いでこの混合物を他の原料成分の混合物に添加する。バッチをタービン/スイープケトルに移す。
【0215】
[00171]別個に、油原料成分-オレイン酸、セテアリルアルコール、乳化ワックス、オレス-20、オレイルアルコール、およびステアレス21-を合わせ、70~75℃に加熱する。次いで、油相を他の原料成分と合わせ、温度を70~75℃で維持しながら、よく混合する。バッチを35~40℃に冷却した。フレグランスオイルおよび色成分を添加し、組成物をさらなる15分間の間混合する。バッチを25℃に冷却する。
【0216】
[00172]あるいは、本発明によるヘアケア組成物は、上記ポリマー着色剤の例を、市販のヘアケア組成物と混合することによって調製することもできる。これらのヘアケア組成物は半永久毛髪着色クリーム剤を含んでもよい。このような例として、Igora ColorWorx Dilutor(Schwarzkopf)、Colorista Clear Mixer(L’Oreal)、Color Charm Paints Clear(Wella)、およびColor Fresh Create Tomorrow Clear(Wella)を挙げることができる。これらのヘアケア組成物はまたシャンプーを含んでもよい。このような例として、After Color Treatment Shampoo(Fanola)、Tresemme Pro Pure Micellar Moisture Shampoo(Unilever)、Pantene Nutrient Blends Illuminating Color Care Shampoo(P&G)、BC Bonacure pH 4.5 Color Freeze Micellar Rich Shampoo(Schwarzkopf)、Free & Clear Shampoo for Sensitive Skin(Pharmaceutical Specialties、Inc.)、EverPure Blonde Shampoo(L’Oreal)、およびSchauma 7 Herbs Shampoo(Schwarzkopf)を挙げることができる。これらのヘアケア組成物はまたコンディショナー、ディープコンディショナー、およびコンディショニングマスクを含んでもよい。このような例として、EverPure Blonde Conditioner(L’Oreal)、Pantene Nutrient Blends Illuminating Color Care Conditioner(P&G)、Pantene Pro-V Classic Clean Conditioner(P&G)、Nutri Care Restructuring Conditioner(Fanola)、Schauma 7 Herbs Conditioner(Schwarzkopf)を挙げることができる。これらのヘアケア組成物はまた、様々な洗い流さない製品、たとえば、洗い流さないコンディショナー、ヘアスプレー、ムース、ゲル、ワックスなどを含んでもよい。
【0217】
ポリマー着色剤はまた以下の手順で評価した:ポリマー着色剤をヘアケア組成物に添加した。SpeedMixerを1500rpmで使用して、各々の試料を混合し、目視により均一な混合物が得られるまでこれを続けた(SpeedMixer Inc.、Landrum、SC)。着色されたヘアケア組成物を、毛髪試料を有する大きな秤量皿に移した。特定量の混合物を毛髪全体にわたり拡散し、指先部で毛髪に塗り込み、混合物が毛髪全体にわたり均一に完全に組み込まれるまでこれを続けた。量はヘアケア組成物の種類に基づき異なり、各々の例において特定されている。着色されたヘアケア組成物を特定量の時間の間毛髪上に静置させ、次いで毛髪試料をぬるま湯で十分にすすぎ、櫛で梳かし、オーブン内、60℃で45分間乾燥させた。時間量はヘアケア組成物の種類に基づき異なり、各々の例において特定されている。6mm開口を有するX-Rite Color i7を使用して、毛髪の色を測定した。各々の測定の結果は、D-65、10°オブザーバーベースでのL、a、b値であった。測定をしている間、毛髪は堅くねじり、開口に押し込んだ。6~8回の平均測定値を使用した。試料を比較するまたは毛髪上に堆積させた色成分の量を評価する主要な手段は、以下に記載されている通り計算したΔE、およびASTM Method E313の通り計算した黄色度指数(YI)であった。
【0218】
[00173]ΔEを計算するための方法:
[00174]ΔEを使用して、毛髪を染色する場合のポリマー着色剤の効率を示した。着色前および着色後に毛髪からL、a、b値を取った。L、a、b、ΔL、Δa、Δbの変化を計算し、これを以下の方程式によりΔE値に変換した:
【0219】
【数1】
【0220】
より高いΔE値は、染色前と染色後にヘアカラーのより大きな変化があったこと、よって、より効率的な毛髪着色剤であることを意味する。
【0221】
[00175]適用例1
[00176]ブロンドの毛髪見本(暗い黒色から脱色したブロンド)を着色することで、本発明のポリマー着色剤を半永久毛髪着色剤として評価した。ブロンドのヒト毛髪見本はスタイリストによる着色を評価するために一般的に使用されており、多くの異なる小売業者から入手することができる。この例のヘアケア組成物は非着色の半永久毛髪着色クリーム剤、Igora ColorWorx Dilutor(Schwarzkopf)であった。各々の着色剤に対して、クリーム剤中の色の量を調節することによって、各々の試料が同じ色強度を示すようにした。これは、ポリマー鎖長が異なるにもかかわらず、各々のクリーム剤中の発色団の量または吸光度は同じであることを意味した。1cm経路長、メタノール中1グラム/リットルの濃度で測定した場合、着色されたクリーム剤の最大吸光度は0.1であった。使用したクリーム剤の量は、毛髪1グラム当たりクリーム剤1グラムであった。すすぎ落す前に、クリーム剤を毛髪に20分間接触させた。ヤクヘア上に堆積した色成分の量を評価するため、着色毛髪対非着色毛髪に対するΔE値を使用した。結果は表3に示されている。表3において評価されていない表1からの例示化合物は他の試験で評価されている。
【0222】
[00177]
【0223】
【表3】
【0224】
[00178]適用例2
[00179]表3から、ポリマー鎖長は、脱色した毛髪上への堆積に影響を与えるように見える(例として、例6対7、12対13、18対20、28対29を比較されたい)。ポリマー長が短いほど、より高い堆積をもたらす傾向にある。脱色した毛髪からの異なる基材へのこの作用をさらに研究するために、同じ発色団ではあるが、ポリマー長が異なる3種の異なる着色剤をヤクの腹部毛髪上で試験した。この例におけるヘアケア組成物は非着色の半永久毛髪着色クリーム剤、Igora ColorWorx Dilutor(Schwarzkopf)であった。クリーム剤中の色成分の量を調節することによって、各々の試料が同じ色強度を示すようにした。これは、ポリマー鎖長が異なるにもかかわらず、各々のクリーム剤中の発色団の量または吸光度は同じであることを意味した。適用例1と同様に、1cm経路長、メタノール中1グラム/リットルの濃度で測定した場合、着色されたクリーム剤の最大吸光度は0.1であった。この実験に対して、毛髪基材としてヤク腹部毛髪を使用し、上記手順を使用して毛髪を着色した。使用したクリーム剤の量は、毛髪1グラム当たりクリーム剤2グラムであった。クリーム剤を毛髪に20分間接触させてからすすぎ落した。ヤクヘア上に堆積した色成分の量を評価するため、着色毛髪対非着色毛髪に対するΔE値を使用した。結果は表4に示されている。堆積した色成分の量は、ポリマー鎖長が増加するにつれて低減している。EO単位の数が増加するにつれて、堆積量は低減する傾向にある。結果は、5~6のEO単位が最適であることを示している。
【0225】
[00180]
【0226】
【表4】
【0227】
[00181]適用例3
[00182]ブロンドの毛髪(暗い黒色から脱色したブロンド)を着色することによって、本発明のポリマー着色剤を現在市販のヘアダイと比較した。赤色着色剤(例16)をIgora ColorWorx希釈剤クリーム剤中に1.5重量%入れて、染料4-ヒドロキシプロピルアミノ-3-ニトロフェノールおよび3-ニトロ-p-ヒドロキシエチルアミノフェノールを含有する現在の商品Igora ColorWorx Redクリーム剤と比較した。黄色着色剤(例35)を同様にIgora ColorWorx希釈剤クリーム剤に1.5重量%入れて、染料HC Yellow No.13およびHC Yellow No.2を含有する現在の商品Igora ColorWorx Yellowクリーム剤と比較した。
【0228】
[00183]各々の着色されたクリーム剤を上記に概説されている通り毛髪上に堆積させた。使用したクリーム剤の量は毛髪1グラム当たりクリーム剤2グラムであった。クリーム剤を毛髪に20分間接触させてからすすぎ落した。次いで、毛髪のL色を上記に概説されている通り測定した。次いで、Schauma7 Herbs Shampoo(Schwarzkopf)を使用して毛髪を洗浄し、以下の手順を使用してヘアドライヤーで乾燥させた。40℃水道水を使用して、毛髪を十分に濡らした。次いで、シャンプー(毛髪1グラム当たりシャンプー0.2グラム)を毛髪に添加し、指を使用して、30秒間もみ込んだ。毛髪およびシャンプーをシャーレ内でもう30秒間静置させ、次いで40℃の水道水を使用して30秒間すすいだ。次いで、ヘアドライヤーを使用して毛髪試料を乾燥させた。毛髪を洗浄し、2回乾燥させ、次いでそのL色を測定した。次いで毛髪を洗浄し、もう2回乾燥させ、再度測定した。毛髪上に堆積した色成分の量および各一連の洗浄後に毛髪上に保持された色成分の量を評価するために、何れか特定の洗浄状態における着色毛髪対非着色毛髪に対するΔE値を使用した。洗浄した毛髪のΔE値を、未洗浄の、最初に堆積したヘアカラー成分のΔE値で割ることにより、2および4回の洗浄後に保持されたヘアカラー成分を評価した。より高い値は洗浄中のヘアカラー成分のより良い滞留を示し、100%の値は色損失がないことを意味した。
【0229】
[00184]ポリマー着色剤は、比較染料(Igora RedおよびIgora Yellow)と比較して優れた洗浄性能を示した。赤色ポリマー着色剤は、4回の洗浄後、Igora Redよりも実質的により多くの色成分が残留していることを示した。ポリマー着色剤の絶対ΔE数は染料製品のほぼ2倍であり、保持した色成分は、染料に対する48%のみと比較して、ほぼ85%であった。黄色ポリマー着色剤は、黄色染料製品よりもさらにより大きな改善を示した。黄色ポリマー着色剤に対して保持された色成分は、黄色の染料に対する37%のみと比較して78%であった。
【0230】
[00185]
【0231】
【表5】
【0232】
[00186]試験結果は、ポリマーのサイズを減少させると、堆積が増加することを示しているので、表5に例示されたこの挙動は予期していないものである。よって、事実上ポリマー長ゼロの染料であれば、ポリマー着色剤よりも優れていることが予想されるであろう。しかし、理論に制約されることなく、ポリマーは着色剤のあらゆる凝集を阻止するので、ポリマー着色剤は、染料と比較して、より良い洗浄性能を示すと考えられ、これは染料において非常によく起きることである(特に毛髪着色に一般的に使用されるような一般に親油性であるクリーム剤において)。ポリマー着色剤は凝集せず、クリーム剤に完全に分散するので、ポリマー着色剤は、凝集する可能性の強い染料よりも、毛髪線維をより均一にコーティングすることができると考えられている。このより均一にコーティングされた毛髪線維は、染料と比較して洗浄中の色の損失が少ないことを実証した。これは、凝集した染料による毛髪線維のコーティングは均一性がより劣るからである。
【0233】
[00187]適用例4
[00188]ポリマー着色剤は、従来のヘアダイのように、様々な異なる毛髪着色調合物において広く使用することができる。これは単一ポリマー着色剤(例10)を用いて、これをいくつかの異なる市販の非着色半永久毛髪着色クリーム剤中に0.16質量%混合することによって実証され、これを脱色したブロンド毛髪に適用した。使用したクリーム剤の量は毛髪1グラム当たりクリーム剤1グラムであった。クリーム剤を毛髪に20分間接触させてからすすぎ落した。非着色毛髪に対する着色毛髪のΔEを測定することにより毛髪上に堆積した色成分の量を評価し、これが表6に示されている。
【0234】
[00189]4種の異なるクリーム剤を評価し、各々のクリーム剤中の原料成分は異なった。Igora ColorWorx Dilutor(Schwarzkopf)は、常水、セテアリルアルコール、PEG-8-ココナッツアルコール、セテアレス-20、ココアンホジプロピオン酸二ナトリウム、メチルパラベン、キサンタンガム、硫酸、ケイ酸ナトリウム、プロピルパラベン-エチドロン酸、エタノールアミンを含有した。Colorista Clear Mixer(L’Oreal)は、常水、セテアリルアルコール、ベヘントリモニウムクロリド、アモジメチコン、セチルアルコール、C12~15安息香酸アルキル、イソプロピルアルコール、ヒドロキシエチル-セルロース、トリデセス-6、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、ジグルコン酸クロルヘキシジン、ステアリルアルコール、ミリスチルアルコール、クエン酸、塩化セトリモニウム、2-オレアミド-1,3-オクタデカンジオール、フマル酸、水酸化ナトリウムを含有した。Color Charm Paints Clear(Wella)は、常水、セテアリルアルコール、プロピレングリコール、ステアレス-20、フェノキシエタノール、パルファム/フレグランス、リン酸カリウム、ヘキシルシンナマル、水酸化ナトリウム、クエン酸を含有した。Color Fresh Create Tomorrow Clear(Wella)は、常水、セテアリルアルコール、プロピレングリコール、ステアレス-20、フェノキシエタノール、雲母、リン酸カリウム、二酸化チタン/C177891、水酸化ナトリウム、クエン酸を含有する。ポリマー着色剤はすべての評価したクリーム剤中で極めて有効であり、これらの材料は、各々が多種多様な原料成分を有する広範囲な異なる調合物において有効であることを実証するものである。
【0235】
[00190]
【0236】
【表6】
【0237】
[00191]適用例5
[00192]毛髪着色は多くの場合、特別に設計された毛髪着色クリーム剤を使用して行われるが、他のヘアケア組成物を使用して毛髪を着色またはトーニングすることもまた望ましい。シャンプーは、色成分を毛髪上に堆積させるためにも使用することができる、よく使用されているヘアケア組成物である。様々なポリマー着色剤を使用して、シャンプー調合品で毛髪を着色することができる。この例のヘアケア組成物はシャンプー、BC Bonacure pH4.5 Color Freeze Micellar Rich Shampoo(Schwarzkopf)であった。各々の着色剤に対して、シャンプー中の着色剤の量を調節することによって、各々の試料が同じ色強度を示すようにした。これは、ポリマー鎖長および発色団の種類が異なるにもかかわらず、各々のシャンプー中の発色団の量または吸光度は同じであることを意味した。1cm経路長、メタノール中1グラム/リットルの濃度で測定した場合、着色されたシャンプーの最大吸光度は0.25であった。この実験に対しては、脱色したブロンド毛髪を毛髪基材として使用し、上記手順を使用して毛髪を着色した。使用したシャンプーの量は毛髪1グラム当たりシャンプー0.2グラムであった。シャンプーを毛髪に3分間接触させてからすすぎ落した。毛髪上に堆積した色成分の量を評価するため、シャンプー後の毛髪対シャンプー前の毛髪に対するΔE値を使用した。
【0238】
[00193]加えて、シャンプー後およびシャンプー前の毛髪試料に対して黄色度指数(YI)を計算し、シャンプー処理によるYIの変化(ΔYI)を計算した。濃い色の毛髪を脱色する場合、ある特定のメラニン色素の優先的な破壊があり、これが望ましくない暖色のオレンジ色/黄色または「真ちゅう色」のトーンを脱色した毛髪にもたらす。シャンプーにおける染料の主要な用途は、この暖色のトーンを、より涼しいまたはより白色のトーンにくすんだ色にすることである。毛髪のΔYIを評価することによって、所望しない暖色のトーンをトーニングまたはくすんだ色にするという所望の作用を観察することができる。YIが多く低減するほど、毛髪は黄色または真ちゅう色に見えにくくなる。言い換えると、シャンプートリートメントのΔYIが負であるほど、着色剤は所望しない黄色トーンをより良くカバーする。
【0239】
[00194]シャンプーに対して評価したポリマー着色剤に加えて、シャンプーに一般的に使用されている市販の染料もまた比較試料に含められた。External D&C Violet2(Acid Violet 43としても公知)は、シャンプー1グラム当たりの吸光度という点でポリマー着色剤と等しくなるように配合した。粉末状染料をシャンプー中に完全に分散させるためには、さらなる混合および時間が必要とされた。結果は表7に示されている。ポリマー着色剤は、ΔEにより判定された場合様々な堆積性能を示す。予想外に、一部のポリマー着色剤は、シャンプー中で、一般的に使用されている染料、Ext.D&C Violet 2よりも、毛髪上への大きな堆積を示す。ポリマー着色剤のシェードが毛髪の黄色トーンをくすんだ色にするのに適当な場合(たとえば、例10および例11)、ΔYIは比較染料より負が強く、これは、これらのポリマー着色剤が黄色トーンをくすんだ色にするのにより有効であることを意味する。一部の着色剤、たとえば、例30は、脱色した毛髪において黄色トーンをくすんだ色にするのに望ましいシェードではないが、他の着色、たとえば、黄色、赤色、ピンク色などに対して使用することができる。
【0240】
[00195]
【0241】
【表7】
【0242】
[00196]適用例6
[00197]染料含有シャンプーで脱色した毛髪をトーニングするために、シャンプーを毎日使用することができないことは公知である。なぜなら染料は、各々の洗浄サイクルを通して、継続して堆積または増大する傾向があるからである。よって、毛髪は、着色剤が継続して増大するにつれて、黄色から望ましくトーニングされて、不本意にも紫色または青色へと進んでしまう。ポリマー着色剤の物理的特性は、染料と比べて異なるため、ポリマー着色剤はより良い水平化挙動を示すことができ、この場合、充填量に応じてある特定のレベルまで増大し、次いで増大は停止する。これにより、シャンプーを安全に毎日使用すること、および毛髪の望ましくない過剰トーニングまたは紫色/青色シェーディングが生じることなく、望まれたレベルのトーニングを得ることが可能となる。ポリマー着色剤(例10)をシャンプーに配合し、毛髪を繰り返し洗浄し、複数のサイクルで乾燥させた。Ext.D&C Violet 2を使用して、比較例用のシャンプーを作製し、これを用いて同じ実験を行った。
【0243】
[00198]この例に対するシャンプーは、BC Bonacure pH 4.5 Color Freeze Micellar Rich Shampoo(Schwarzkopf)であった。各々の着色剤/染料に対して、シャンプー中の着色剤の量を調節することによって、各々の試料が同じ色強度を示すようにした。1cm経路長、メタノール中1グラム/リットルの濃度で測定した場合、着色されたシャンプーの最大吸光度は0.043であった。これは多くの市販のトーニングシャンプーと同様のレベルの着色剤充填量である。脱色したブロンド毛髪を毛髪基材として使用した。使用したシャンプーの量は、毛髪1グラム当たりシャンプー0.2グラムであった。シャンプーを毛髪に3分間接触させてからすすぎ落した。各々の洗浄における毛髪上に堆積した色成分の量を評価するため、各々のシャンプー洗浄後の毛髪対各々のシャンプー洗浄前の毛髪に対するΔE値を使用した。結果が表8に示されている。以前と同様に、ポリマー着色剤は、最初の洗浄において、染料より多く堆積する。染料もポリマー着色剤も、最初の洗浄よりも、第2のおよび第3の洗浄においてより低い堆積を示す。驚くことに、ポリマー着色剤は、第3の洗浄を過ぎると、洗浄回数が増加すると共に少なくなっていく堆積を示し、水平化を示す。その一方で染料は、第3の洗浄を過ぎても変わらない堆積量を示し、毛髪上での染料の継続した増大を示す。この場合ポリマー着色剤は望ましい挙動:初期の強い堆積、これに続く急速な水平化を示す。これによって、消費者は、1回または2回洗浄しただけで、後に明白な作用を観察し、しかも過剰なトーニングまたは紫色または青色の不本意な着色に対してあまり心配することなく、安全に継続してシャンプーを使用することが可能となる。
【0244】
[00199]
【0245】
【表8】
【0246】
[00200]適用例7
[00201]多くの異なるシャンプー調合物を使用して、ポリマー着色剤を毛髪上に送達することができる。これは、単一のポリマー着色剤(例2)を用いて、これをいくつかの異なる市販のシャンプー調合物に0.65質量%混合することによって実証され、これを脱色したブロンド毛髪に適用した。使用したシャンプーの量は、毛髪1グラム当たりシャンプー0.2グラムであった。シャンプーを毛髪に3分間接触させてからすすぎ落した。未洗浄の、非着色毛髪と比べて、洗浄した毛髪のΔEを測定することによって毛髪上に堆積した色成分の量を評価した。これは表9に示されている。
【0247】
[00202]7種の異なるシャンプーを評価し、各々のシャンプー中の原料成分は異なった。Free&Clear Shampoo for Sensitive Skin(Pharmaceutical Specialties、Inc.)は、精製水、ラウリルグルコシド、ココ-グルコシド、アクリレートコポリマー、ココイルグルタミン酸二ナトリウム、ココイルグリシンナトリウム、グリセリン、ヤシ脂肪酸スクロース、パンテノール、ペンチレングリコール、1,2-ヘキサンジオール、ココイルグルタミン酸ナトリウム、EDTA二ナトリウム、カプリリルグリコール、水酸化ナトリウム、塩化ナトリウムを含有した。After Color Treatment Shampoo(Fanola)は、常水(水)、ラウリル硫酸アンモニウム、ミレス硫酸ナトリウム、ココアンフォ酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ジステアリン酸グリコール、ラウレス硫酸ナトリウム、パルファム(フレグランス)、コカミドMEA、クエン酸、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、ラウレス-10、加水分解小麦タンパク質、トリエチレングリコール、ベンジルアルコール、プロピレングリコール、酢酸トコフェロール、安息香酸ナトリウム、フェノキシエタノール、メチルクロロイソチアゾリノンメチルイソチアゾリノン、アマ(Linum Usitatissimum)種子油(亜麻仁種子油)、硝酸マグネシウム、塩化マグネシウムを含有した。Tresemme Pro Pure Micellar Moisture Shampoo(Unilever)は、水(常水)、ココアミドプロピルベタイン、タウリン酸メチルココイルナトリウム、塩化ナトリウム、フレグランス(パルファム)、安息香酸ナトリウム、クエン酸、ココナッツ酸、ポリクオタニウム-10、ステアラミドプロピルジメチルアミン、EDTA二ナトリウム、PPG-9、サリチル酸ベンジル、ヘキシルシンナマル、リモネン、リナロールを含有した。Schauma 7 Herbs Shampoo(Schwarzkopf)は、常水、ラウレス硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ココアミドプロピルベタイン、加水分解ダイズタンパク質、ナイアシンアミド、塩化マグネシウム、カモミール(Chamomilla Recutita)花抽出物、セージ(Salvia Officinalis)葉抽出物、レモンバーム(Melissa Officinalis)葉抽出物、セイヨウイラクサ(Urtica Dioica)抽出物、スギナ(Equisetum Arvense)抽出物、ローズマリー(Rosmarinus Officinalis)葉抽出物、ホップ(Humulus Lupulus)抽出物、ホホバ(Simmondsia Chinensis)種子油、ココアンホジ酢酸二ナトリウム、ヤシ油脂肪酸PEG-7グリセリル、安息香酸ナトリウム、コカミドMEA、クエン酸、ジステアリン酸グリコール、パルファム、ラウレス-4、硬化ヒマシ油、PEG-40硬化ヒマシ油、ポリクオタニウム-10、リナロール、ベンジルアルコール、プロピレングリコール、ヘキシルシンナマル、CI47005、CI42090を含有した。Pantene Nutrient Blends Illuminating Color Care Shampoo(P&G)は、水、ラウラミドプロピルベタイン、イセチオン酸ココイルナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸、フレグランス、安息香酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、ポリクオタニウム-10、ジメチコノール、EDTA四ナトリウム、パンテノール、パントテニルエチルエーテル、ヒスチジン、ビオチンを含有した。BC Bonacure pH 4.5 Color Freeze Micellar Rich Shampoo(Schwarzkopf)は、常水(Water、Eau)、ラウレス硫酸ナトリウム、乳酸、ココアミドプロピルベタイン、コカミドMEA、加水分解ケラチン、ステアルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解ケラチン、プルヌスアルメニアカ(Prunus Armeniaca)(アンズ)核油、パンテノール、PEG-12ジメチコン、ココアンホジ酢酸二ナトリウム、ヤシ油脂肪酸PEG-7グリセリル、ポリクオタニウム-10、水酸化カルシウム、安息香酸ナトリウム、塩化ナトリウム、パルファム(フレグランス)、ジステアリン酸グリコール、PEG-40硬化ヒマシ油、ラウレス-4、硬化ヒマシ油、ジオレイン酸PEG-120メチルグルコース、PEG-12アリルエーテル、ベンゾフェノン-4、PEG-12、Mica、サリチル酸ベンジル、ブチルフェニルメチルプロピオナール、リナロールリモネン、プロピレングリコール、炭酸カルシウム、CI77891(二酸化チタン)、CI17200(Red 33)を含有した。EverPure Blonde Shampoo(L’Oreal)は、常水/水/Eau、ココ-ベタイン、ラウレススルホコハク酸二ナトリウム、イセチオン酸ココイルナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、ジステアリン酸グリコール、塩化ナトリウム、デシルグルコシド、パルファム/フレグランス、ポリクオタニウム-10、アモジメチコン、PPG-5-セテス-20、プロピレングリコール、オレイン酸PEG-55プロピレングリコール、水素添加ココナッツ酸、カルボマー、水酸化ナトリウム、アクリレート/ベヘネス-25メタクリレートコポリマー、ベンゾフェノン-4、イセチオン酸ナトリウム、ブチレングリコール、安息香酸、トリデセス-6、リナロール、ヒドロキシシトロネラール、酢酸ナトリウム、塩化セトリモニウム、安息香酸ナトリウム、イソプロピルアルコール、アイリスフロレンティーナ(Iris Florentina)根抽出物、キンセンカ(Celendula Officinalis)花抽出物、メチルクロロイソチアゾリノン、CI60730/EXT、Violet 2、塩化マグネシウム、メチルイソチアゾリノン、CI17200/Red 33、クエン酸を含有した。
【0248】
[00203]ポリマー着色剤は、すべての評価したシャンプーにおいて堆積を示し、これは、各々が多種多様な原料成分を有する広範囲な異なる調合物において、これらの材料が機能することを実証するものである。シャンプーは、サルフェートまたはベタインおよび様々な異なる他の添加物、たとえば、カチオン性添加物、シリコーンなどを含まない一部のものを含めて、様々な異なる界面活性剤を有する。異なる調合物の全域にわたり性能にいくらかの変動があるが、相対的な変化は全般的に小さい。
【0249】
[00204]
【0250】
【表9】
【0251】
[00205]適用例8
[00206]他のヘアケア組成物を使用して、毛髪を着色またはトーニングするのもまた望ましい。コンディショナーは、色成分を毛髪上に堆積させるために使用することもできるヘアケア組成物に一般的に使用されている。様々なポリマー着色剤を使用して、コンディショナー調合物で毛髪を着色することができる。この例のヘアケア組成物はコンディショナー、EverPure Blonde Conditioner(L’Oreal)であった。各々の着色剤に対して、コンディショナー中の着色剤の量を調節することによって、各々の試料が同じ色強度を示すようにした。これは、ポリマー鎖長および発色団の種類が異なるにもかかわらず、各々のコンディショナー中の発色団の量または吸光度は同じであることを意味した。1cm経路長、メタノール中1グラム/リットルの濃度で測定した場合、着色されたコンディショナーの最大吸光度は0.25であった。この実験に対して、脱色したブロンド毛髪を毛髪基材として使用し、上記手順を使用して毛髪を着色した。使用したコンディショナーの量は、毛髪1グラム当たりコンディショナー0.2グラムであった。コンディショナーを毛髪に3分間接触させてからすすぎ落した。毛髪上に堆積した色成分の量を評価するために、コンディショニング後の毛髪対コンディショニング前の毛髪に対するΔE値を使用した。
【0252】
[00207]加えて、コンディショニング後およびコンディショニング前に対する黄色度指数(YI)を前に記載されたように計算した。コンディショナーに対して評価したポリマー着色剤に加えて、コンディショナーに一般的に使用されている市販の染料もまた比較試料に含んだ。External D&C Violet 2(Acid Violet 43としても公知)は、コンディショナー1グラム当たりの吸光度という点でポリマー着色剤と等しくなるように配合した。結果は表10に示されている。予想外に、評価したポリマー着色剤のすべては、コンディショナー中で、一般的に使用されている染料、Ext.D&C Violet 2よりも、毛髪上への大きな堆積を示す。ΔYIもまた比較染料より負が強く、これは、これらのポリマー着色剤が黄色トーンをくすんだ色にするのにより有効であることを意味する。また予想外に、いくつかのポリマー着色剤は、シャンプーからよりも、コンディショナーからの方がずっと多くの堆積を示す。例1は、シャンプー中よりも、コンディショナー中においてΔEが13倍大きいことを示す(表7を参照されたい);同様に、例2は、シャンプー中で示したΔEの2倍超のΔEをコンディショナー中で示す。ポリマー着色剤は、これらの液体性質により、コンディショナーへの非常に良好なブレンドを示す。
【0253】
[00208]
【0254】
【表10】
【0255】
[00209]適用例9
[00210]多くの異なるコンディショナー調合物を使用して、ポリマー着色剤を毛髪上に送達することができる。これは、単一のポリマー着色剤(例1)を用いて、これをいくつかの異なる市販のコンディショナー調合物に1質量%混合することによって実証され、これを脱色したブロンド毛髪に適用した。使用したコンディショナーの量は、毛髪1グラム当たりコンディショナー0.2グラムであった。コンディショナーを毛髪に3分間接触させてからすすぎ落した。コンディショニングしていない、非着色の毛髪と比べて、コンディショニング後の毛髪のΔEを測定することにより、毛髪上に堆積した色成分の量を評価し、これが表11に示されている。
【0256】
[00211]各々のコンディショナー中の原料成分が異なる、4種の異なるコンディショナーを評価した。Pantene Pro-V Classic Clean Conditioner(P&G)は、水、ステアリルアルコール、ステアラミドプロピルジメチルアミン、セチルアルコール、グルタミン酸、フレグランス、ビス-アミノプロピルジメチコン、ベンジルアルコール、クエン酸、EDTA二ナトリウム、ヒスチジン、パンテノール、パントテニルエチルエーテル、メチルクロロイソチアゾリノン、メチルイソチアゾリノンを含有した。Pantene Nutrient Blends Illuminating Color Care Conditioner(P&G)は、水、ステアリルアルコール、シリコーンクオタニウム-26、ベヘントリモニウムクロリド、セチルアルコール、フレグランス、ベンジルアルコール、EDTA二ナトリウム、パンテノール、パントテニルエチルエーテル、ヒスチジン、クエン酸、水酸化ナトリウム、ビオチン、メチルクロロイソチアゾリノン、メチルイソチアゾリノンを含有した。Nutri Care Restructuring Conditioner(Fanola)は、水、ステアリルアルコール、シリコーンクオタニウム-26、ベヘントリモニウムクロリド、セチルアルコール、フレグランス、ベンジルアルコール、EDTA二ナトリウム、パンテノール、パントテニルエチルエーテル、ヒスチジン、クエン酸、水酸化ナトリウム、ビオチン、メチルクロロイソチアゾリノン、メチルイソチアゾリノンを含有した。EverPure Blonde Conditioner(L’Oreal)は、常水/水/Eau、セテアリルアルコール、グリセリン、ベヘントリモニウムクロリド、セチルエステル、ミリスチン酸イソプロピル、プロピレングリコールクオタニウム-80、パルファム/フレグランス、ポリソルベート20、イソプロピルアルコール、フェノキシエタノール、ポリクオタニウム-37、パラフィンリキダム/鉱油/Huile Minerale、トコフェロール酢酸エステル、ブチレングリコール、リナロール、クロルヘキシジンジヒドロクロリド、クエン酸、Ppg-1トリデセス-6、ヘキシルシンナマル、ヒドロキシシトロネラール、アクリレートコポリマー、オレイン酸ソルビタン、アイリスフロレンティーナ(Iris Florentina)根抽出物、キンセンカ(Calendula Officinalis)花抽出物、CI60730/EXT.Violet 2、CI17200/Red33、BHTを含有した。
【0257】
[00212]この場合、ある特定のコンディショナーの間で性能におけるいくらかの差異があったが、ポリマー着色剤は、すべての評価したコンディショナーにおいて強い堆積を示している。これは、各々が多種多様な原料成分を有する広範囲な異なる調合物において、これらの材料が機能することを実証するものである。
【0258】
[00213]
【0259】
【表11】
【0260】
[00214]適用例10
[00215]上記の例は、従来のヘアダイと比較して、ポリマー着色剤に対する予期せぬ利点および差異を実証している。着色剤がクリーム剤に完全に溶解すると仮定して、着色剤は、ある特定のヘアケア製品中、特に過酸化水素を含有する酸化性ヘアクリーム中で安定性が低いと予想し得る。驚くことに、12%過酸化水素を含有する酸化性クリーム剤中で安定していたこの種類のポリマー着色剤のいくつかの例を、以下に記載されている通り発見した。
【0261】
[00216]いくつかのポリマー着色剤を市販の酸化性ヘアクリーム中の安定性および着色性能について試験した。各々の試料をFanola 40 Vol Perfumed Cream Developer(Fanola of Italyから入手可能)に添加した。これは約12%の過酸化水素を含有した。SpeedMixerを1500rpmで使用して、各々の試料を混合し、これを目視により均一な混合物が得られるまで(最低90秒;SpeedMixer、Inc.、Landrum、SC製)続けた。各々の試料中に含有される色の量は、各々の試料が同じ色強度を示すように調節した。着色されたクリーム剤の最大吸光度は、1cm経路長で、メタノール中1グラム/リットルの濃度で測定した場合、0.67であった。混合後、試料を最初に室温で7日間貯蔵し、次いで40℃のオーブンに移動した。UV-VISで測定した場合、時間ゼロにおいてクリーム剤中で測定した元の色に基づき、50%の色損失に到達するのに要する室温での相当日数により色の安定性を評価した。色の損失とは、過酸化物を含む酸化性クリーム剤原料成分からの化学変化による退色である。評価したこれらの着色剤の多くは、以下の表13に示されている通り酸化性乳剤中で安定していた。
【0262】
[00217]室温での相当日数は以下の方程式で計算した:
室温での相当日数
=室温で貯蔵された日+40℃で貯蔵された日3.48
[00218]色の50%劣化に対する室温での相当日数を使用して、以下の表に従い評定を行った。「1」の値は、組成物が最も安定していることを示す一方、「5」の値はそれが最も安定していないことを示した。
【0263】
[00219]
【0264】
【表12】
【0265】
[00220]
【0266】
【表13】
【0267】
[00221]適用例11
[00222]毛髪を明るい色、たとえば、青色、赤色、黄色に強く着色することに加えて、毛髪の脱色または明色化処理中に曝露されるアンダートーンのスペクトルをくすんだ色にするために、あまり目立たない量のある特定の色を制御可能なように堆積させることもまた要望されている。明るいブラウンの毛髪であれば、たとえば、脱色時には黄色のアンダートーンを曝露することになる。したがって、色の法則により紫ベースのトナーが、黄色がかった色相をくすんだ色にして、プラチナまたはシルバーのブロンドのシェードをもたらす。トナーの濃度は、リフトが色の堆積により遮蔽されないように調整することもできる。本発明によると、毛髪を明色化し、様々な色のシェードを効果的に堆積させることが同時にできる毛髪脱色剤の組成物を使用する単一工程の方法が存在する。これは、脱色剤組成物中に染料を含めることによって達成される。上記に実証されているように、いくつかの青色および紫色ポリマー着色剤は、酸化性クリーム剤中で良好な安定性を示すので、紫色着色剤を酸化性ヘアクリームに事前に混合し、次いで望ましくない黄色トーンをくすんだ色にする着色剤を堆積させながら、同時に毛髪を明色化することができる。これは以下で実証されている。
【0268】
[00223]材料:
ブロンド毛髪(軽く脱色した濃い色の毛髪))を、幅3cm、長さ20cmに切った。
Fanola Violet Bleach Powder
Fanola 40Vol.(12%過酸化物)酸化性クリーム剤
[00224]手順:
[00225]毛髪を最初に秤量して、必要とされるクリーム剤の量を計算した(毛髪1グラム当たり4グラムのクリーム剤)。色および酸化性クリームディベロッパーを上に記載されているように混合した。混合物をチェックし、色が完全に均質であることを確実にするために必要な場合には再混合した。Fanola Violet Bleach Powder(Fanola of Italyから入手可能)を小さな秤量皿に入れて秤量した(2部のクリーム剤と1部の脱色剤粉末)。適量の酸化性クリーム剤を脱色剤粉末に添加した。綿棒の木製の末端を使用して、完全に混合するまで脱色剤/クリーム剤を撹拌した。脱色剤/クリーム剤混合物を、毛髪試料を有する大きな秤量皿に移した。混合物を毛髪全体にわたり拡散し、混合物が毛髪全体にわたり均一に完全に組み込まれるまで、指先部で毛髪に塗り込んだ。脱色剤は、毛髪上で15分間静置させ、次いで毛髪試料をぬるま湯で十分にすすぎ、櫛で梳かし、オーブン内、60℃で45分間乾燥させた。6mm開口、D-65光源を有するX-Rite Color-eyeを使用して、毛髪の色を測定した。測定をしている間、毛髪は堅くねじり、開口に押し込んだ。平均6~8回の測定値を使用した。
【0269】
[00226]前に記載されている通り、黄色度指数(YI)を各々の試料に対して計算した。YIは、毛髪がどれくらい良好に明色化されたかおよびトーニングされたかに対する良い目安である。最初の毛髪は、その黄色の色により、白色指標(YI)-48.9を有した。処理後、YI値は減少し、毛髪が明色化されたことを示した。処理した毛髪と最初の毛髪との間のYIの差異、ΔYIを記録した。より大きいほど、より負であり、ΔYIは毛髪のより良い明色化を示す。
【0270】
[00227]最初の毛髪、脱色剤対照(染料なし)、ならびに例1および比較例External D&C Violet 2を含有する脱色剤組成物のYIおよびΔYI値が表14に示されている。例1を用いた脱色剤組成物は、比較例External D&C Violet 2を用いた脱色剤対照および脱色剤よりもより良く明色化をもたらした。
【0271】
[00228]
【0272】
【表14】
【0273】
[00229]ここで引用される出版物、特許出願、および特許を含めたすべての参考文献は、各々の参考文献が参照により援用されるように個別および具体的に指示されその全体がここで記載されるのと同程度に、参照によりここで援用される。
【0274】
[00230]「a」および「an」および「the」という用語の使用、ならびに本出願の主題を記載する文脈における(とりわけ、以下の特許請求の範囲の文脈における)類似の指示物は、ここで別段の指示がなされるまたは文脈により明確に否定されることがない限り、単数形と複数形の両方を包含するものと解釈される。「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」、および「含む・含有する(containing)」という用語は、別段の注記がなされない限り、オープンエンドの用語(すなわち、「・・・を含むが、これらに限定されない」を意味する)として解釈される。ここで、値の範囲についての言及は、ここで別段の指示がなされない限り、その範囲に収まる各々の別個の値を個別に指す簡潔な方法として機能するように意図されているにすぎず、各々の別個の値は、ここで個別に言及されているかのように本明細書に組み込まれる。ここで記載されるすべての方法は、ここで別段の指示がなされるまたは別途文脈により明確に否定されることがない限り、任意の好適な順序で行うことができる。あらゆるすべての例、またはここで提示される例示の文言(たとえば、「such as」)は、本出願の主題をより明らかにすることを意図しているにすぎず、別段の特許請求がなされない限り、主題の範囲の限定を提起するものではない。本明細書中の文言は何れも、何れかの特許請求されていない要素がここで記載される主題の実践に必須であることを示していると解釈されてはならない。
【0275】
[00231]特許請求された主題を実施するための本発明者らが知る最良の形態を含め、本出願の主題の好ましい態様をここで記載する。それらの好ましい態様の変形形態は、前述の記載を読めば当業者には明らかとなるであろう。熟練者はこのような変形形態を適宜に利用すると本発明者らは予測し、本発明者らは、ここで記載される主題がここで具体的に記載されるものと異なる形で実践されることを意図している。したがって、本開示は、ここに添付される特許請求の範囲で言及される主題のすべての改変形態および等価形態を、適用法により許容されるものとして含む。さらに、ここで別段の指示がなされるまたは別途文脈により明確に否定されることがない限り、それらのあらゆる可能な変形形態における上述の要素のあらゆる組合せが本開示に包含される。
【国際調査報告】