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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-05
(54)【発明の名称】自動車投光器用の照射装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 41/265 20180101AFI20230928BHJP
   F21S 41/19 20180101ALI20230928BHJP
   F21S 41/43 20180101ALI20230928BHJP
   F21V 5/04 20060101ALI20230928BHJP
   G02B 3/00 20060101ALN20230928BHJP
   F21W 102/135 20180101ALN20230928BHJP
【FI】
F21S41/265
F21S41/19
F21S41/43
F21V5/04 200
F21V5/04 400
F21V5/04 650
G02B3/00 Z
F21W102:135
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023517365
(86)(22)【出願日】2021-07-26
(85)【翻訳文提出日】2023-03-15
(86)【国際出願番号】 EP2021070886
(87)【国際公開番号】W WO2022063461
(87)【国際公開日】2022-03-31
(31)【優先権主張番号】20198338.4
(32)【優先日】2020-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】593045569
【氏名又は名称】ツェットカーヴェー グループ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】ハックル、ジークマー
(72)【発明者】
【氏名】ピューリンガー、ヤコブ
(72)【発明者】
【氏名】ダナー、マルクス
(57)【要約】
【課題】偏向された光線が比較的小さい領域に集中されるという問題を解決し、改善された照射装置を提供する。
【解決手段】自動車投光器用の照射装置(10)であって、照射装置(10)は、以下の構成を含む:光を放出するように設けられている少なくとも1つの光源を用いてロービーム配光を生成するための少なくとも1つのライトモジュール(11)と、非対称の明暗境界を生成するための光学的に関与する絞りエッジを有する光線絞り(20)と、但しライトモジュール(11)は、自動車投光器内の照射装置(10)の取り付け位置において光線絞り(20)の上側に配設されており、光線絞り(20)の光学的に関与する絞りエッジと組み合わせてロービーム配光を生成するように作用し、光軸線(B)を有する投射レンズ(100)とを含み、投射レンズ(100)は、ライトモジュール(11)により生成可能な光を照射装置(10)の前方で主放射方向に結像するように設けられており、但し投射レンズ(100)は、光入射面(110)と、光入射面(110)とは反対側の凸状の光出射面(120)とを有し、ここで投射レンズ(100)は、投射レンズ(100)に配設された光学装置(200)を含み、光学装置(200)は、それぞれに作用面(211)を有する多数のフリーフォームレンズ(210)を含み、光学装置(200)は、投射レンズ(100)に入射してフリーフォームレンズ(210)の作用面(211)を介して出射する光の一部をロービーム配光の非対称の明暗境界の上方の領域に向けて導くように設けられている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車投光器用の照射装置(10)であって、前記照射装置(10)は、以下の構成を含む:
- 光を放出するように設けられている少なくとも1つの光源を用いてロービーム配光を生成するための少なくとも1つのライトモジュール(11)と、
- 明暗境界を生成するための光学的に関与する絞りエッジを有する光線絞り(20)と、但し前記ライトモジュール(11)は、自動車投光器内の前記照射装置(10)の取り付け位置において前記光線絞り(20)の上側に配設されており、前記光線絞り(20)の光学的に関与する前記絞りエッジと組み合わせてロービーム配光を生成するように作用し、
- 光軸線(B)を有する投射レンズ(100)とを含み、前記投射レンズ(100)は、前記ライトモジュールにより生成可能な光を前記照射装置(10)の前方で主放射方向に結像するように設けられており、但し前記投射レンズ(100)は、光入射面(110)と、前記光入射面(110)とは反対側の凸状の光出射面(120)とを有する構成であり、
前記投射レンズ(100)は、前記投射レンズに配設された光学装置(200)を含み、前記光学装置(200)は、それぞれに作用面(211)を有する多数のフリーフォームレンズ(210)を含み、前記光学装置は、前記投射レンズ(100)に入射して前記フリーフォームレンズの前記作用面を介して出射する光の一部を前記ロービーム配光の非対称の前記明暗境界の上方の領域に向けて導くように設けられていること、
を特徴とする照射装置。
【請求項2】
前記光学装置(200)は、前記投射レンズ(100)の前記光出射面(120)に配設されており、凸状の前記光出射面(120)と離隔した前記光出射面(120)の作用部を構成すること、
を特徴とする、請求項1に記載の照射装置。
【請求項3】
それぞれの前記フリーフォームレンズ(210)の前記作用面(211)と、前記光出射面(120)とは、共通の面交線においてスタートエッジ(211a)を形成し、前記作用面(211)は、前記スタートエッジ(211a)から出発し、前記光出射面(120)から、好ましくは前記主放射方向の方向で、2つの側方エッジに沿って、前記スタートエッジ(211a)とは反対側のスロープエッジ(211b)に至るまで離れていくように延在し、前記スロープエッジ(211b)は、第1終端部(212a)と第2終端部(212b)を有し、前記第1終端部(212a)は、前記光出射面(120)上への直角投影における面法線に沿って、前記光出射面(120)に対して第1間隔(A1)を有し、また前記第2終端部(212b)は、前記光出射面(120)上への直角投影における面法線に沿って、前記光出射面(120)に対して第2間隔(A2)を有すること、
を特徴とする、請求項2に記載の照射装置。
【請求項4】
前記光学装置(200)の前記フリーフォームレンズ(210)は、自動車投光器内の前記照射装置(10)の取り付け位置において、水平方向の列に相並んで配設されており、前記作用面(211)の前記第1間隔(A1)は、水平方向に配設された前記フリーフォームレンズのうちの最初の前記フリーフォームレンズから出発し、最後の前記フリーフォームレンズに至るまでの経過において、最初は前記第2間隔(A2)よりも小さく、前記光軸線(B)までの経過において、前記第1間隔(A1)は増加していき且つ前記第2間隔(A2)は減少していき、それにより前記フリーフォームレンズの前記第1間隔(A1)は、前記光軸線(B)の領域で前記第2間隔(A2)と同じであり、また前記光軸線(B)から離れていく経過において、前記第1間隔(A1)は更に増加していき且つ第2間隔は更に減少していくこと、
を特徴とする、請求項3に記載の照射装置。
【請求項5】
前記光学装置(200)は、前記投射レンズ(100)の前記光入射面(110)に配設されており、前記光入射面(110)と離隔した前記光入射面(110)の作用部を構成すること、
を特徴とする、請求項1に記載の照射装置。
【請求項6】
前記フリーフォームレンズ(210)は、互いに平行な複数の列に相並んで配設されていること、
を特徴とする、請求項5に記載の照射装置。
【請求項7】
それぞれの前記フリーフォームレンズ(210)の前記作用面(211)と、前記光入射面(110)とは、共通の面交線においてスタートエッジ(211a)を形成し、前記作用面(211)は、前記スタートエッジ(211a)から出発し、前記光入射面(110)から、2つの側方エッジに沿って、前記スタートエッジ(211a)とは反対側のスロープエッジ(211b)に至るまで離れていくように延在し、前記スロープエッジ(211b)は、第1終端部(212a)と第2終端部(212b)を有し、前記第1終端部(212a)は、前記光入射面(110)上への直角投影における面法線に沿って、前記光入射面(120)に対して第1間隔(A1)を有し、また前記第2終端部(212b)は、前記光入射面(110)上への直角投影における面法線に沿って、前記光入射面(110)に対して第2間隔(A2)を有すること、
を特徴とする、請求項6に記載の照射装置。
【請求項8】
或る前記作用面(211)の前記第1間隔(A1)と前記第2間隔(A2)は、同じ大きさであり、好ましくは、各前記作用面(211)の前記第1間隔(A1)と前記第2間隔(A2)は、同じ大きさであること、
を特徴とする、請求項7に記載の照射装置。
【請求項9】
前記光学装置(200)の前記フリーフォームレンズ(210)は、所定のロゴ、例えば製造者ロゴが形成されているように互いに配設されていること、
を特徴とする、請求項6~8のいずれか一項に記載の照射装置。
【請求項10】
前記フリーフォームレンズ(210)は、一列に直接的に相並んで互いに配設されていること、
を特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の照射装置。
【請求項11】
前記作用面(211)は、湾曲して形成されていること、
を特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の照射装置。
【請求項12】
前記明暗境界は、非対称又は真っ直ぐであること、
を特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載の照射装置。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載の照射装置を少なくとも1つ備えた自動車投光器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車投光器用の照射装置に関し、該照射装置は、以下の構成を含む:
- 光を放出するように設けられている少なくとも1つの光源を用いてロービーム配光を生成するための少なくとも1つのライトモジュールと、
- 明暗境界を生成するための光学的に関与する絞りエッジを有する光線絞りと、但しライトモジュールは、自動車投光器内の該照射装置の取り付け位置において光線絞りの上側に配設されており、光線絞りの光学的に関与する絞りエッジと組み合わせてロービーム配光を生成するように作用し、
- 光軸線を有する投射レンズとを含み、投射レンズは、ライトモジュールにより生成可能な光を該照射装置の前方で主放射方向に結像するように設けられており、但し投射レンズは、光入射面と、光入射面とは反対側の凸状の光出射面とを有する。
【0002】
更に本発明は、本発明による照射装置を少なくとも1つ備えた自動車投光器に関する。
【背景技術】
【0003】
明暗境界の上方に位置する配光の領域は、オーバヘッド領域又はサインライト領域(交通標識の視認性に由来)とも呼ばれる。
【0004】
この領域内の法的な測定点は、水平線の上方で4°に至るまで延在し、それぞれ測定点で生じる照度に対する最小値と最大値、並びに所謂累積値により特徴付けられる。
【0005】
ロービーム機能を有する投射システムは、システムに起因し、明暗境界の上方の光は極めて少なく、その理由は、このオーバヘッド領域が、投射システムにおいて使用される光線絞りにより効果的に遮光されるからである。
【0006】
効果的な遮光のためには、適切な光量でそれらの測定点を十分に照射するための特別な措置が必要である。この際、明暗境界の近傍で規定の最大値を守ることも同時に顧慮しなくてはならない。これらの最大値は、所謂グレア値とも呼ばれる。
【0007】
光学装置は、一般的に投射レンズの「元来の」光入射面又は光出射面の変更に関するものであり、この際、明暗境界の上の領域に光を偏向させるためには、一般的に極めて異なる形式の変更が可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そのような光学装置を用いた全ての既知の解決策で発生する基本的な問題は、偏向された光線が比較的小さい領域に集中されるという問題であり、それにより一方では、この領域に多すぎる光が達し、また他方では、他の領域が低すぎる光値を有し、つまりこの領域は、既知の解決策で均等に照らされることはないという問題である。
【0010】
本発明の課題は、改善された照射装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題は、投射レンズが、該投射レンズに配設された光学装置(オプティカルデバイス)を含み、該光学装置は、それぞれに作用面を有する多数のフリーフォームレンズ(自由形状レンズ)を含み、この際、光学装置は、投射レンズに入射してフリーフォームレンズの作用面を介して出射する光の一部をロービーム配光の非対称の明暗境界の上方の領域に向けて導くように設けられていることにより、解決される。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、発明を実施するための形態について説明する。
【0013】
複数の作用面と、投射レンズにおけるそれらの延在形状とを目標を定めて適切に選択することにより、ロービーム配光において、できるだけ幅広で且つ均等に照らされるサインライトが可能とされる。
【0014】
光学装置は、投射レンズの光出射面に配設されており、凸状の光出射面と離隔した(ないし異なる)光出射面の作用部(マニピュレート部)を構成することができる。
【0015】
それぞれのフリーフォームレンズの作用面と、光出射面とは、共通の面交線においてスタートエッジを形成することができ、この際、作用面は、スタートエッジから出発し、光出射面から、好ましくは主放射方向の方向で、2つの側方エッジに沿って、スタートエッジとは反対側のスロープエッジに至るまで離れていくように(間隔が大きくなるように)延在し、スロープエッジは、第1終端部と第2終端部を有し、この際、第1終端部は、光出射面上への直角投影における面法線に沿って、光出射面に対して第1間隔を有し、またこの際、第2終端部は、光出射面上への直角投影における面法線に沿って、光出射面に対して第2間隔を有する。
【0016】
光学装置のフリーフォームレンズは、自動車投光器内の照射装置の取り付け位置において、水平方向の列に相並んで配設されていることができ、この際、作用面の第1間隔は、水平方向に配設されたフリーフォームレンズのうちの(一方の端の)最初のフリーフォームレンズから出発し、(他方の端の)最後のフリーフォームレンズに至るまでの経過において、最初は第2間隔よりも小さく、この際、光軸線までの経過において、第1間隔は増加していき且つ第2間隔は減少していき、それによりフリーフォームレンズの第1間隔は、光軸線の領域で第2間隔と同じであり、また光軸線から離れていく経過において、第1間隔は更に増加していき且つ第2間隔は更に減少していく。
【0017】
光学装置は、投射レンズの光入射面に配設されており、光入射面と離隔した(ないし異なる)光入射面の作用部(マニピュレート部)を構成することもできる。
【0018】
この際、フリーフォームレンズは、互いに平行な複数の列に相並んで配設されていることができる。
【0019】
またこの際、それぞれのフリーフォームレンズの作用面と、光入射面とは、共通の面交線においてスタートエッジを形成することができ、この際、作用面は、スタートエッジから出発し、光入射面から、2つの側方エッジに沿って、スタートエッジとは反対側のスロープエッジに至るまで離れていくように延在し、スロープエッジは、第1終端部と第2終端部を有し、この際、第1終端部は、光入射面上への直角投影における面法線に沿って、光入射面に対して第1間隔を有し、またこの際、第2終端部は、光入射面上への直角投影における面法線に沿って、光入射面に対して第2間隔を有する。
【0020】
この際、或る作用面の第1間隔と第2間隔は、同じ大きさであることができ、またこの際、好ましくは、各作用面の第1間隔と第2間隔は、同じ大きさである。
【0021】
またこの際、光学装置のフリーフォームレンズは、所定のロゴ、例えば製造者ロゴ(メーカロゴ)が形成されているように互いに配設されていることができる。
【0022】
フリーフォームレンズは、一列に直接的に相並んで互いに配設されていることができる。
【0023】
作用面は、湾曲して形成されていることができる。
【0024】
明暗境界は、非対称又は真っ直ぐであることができる。
【0025】
前記課題は、同様に、本発明による照射装置を少なくとも1つ備えた自動車投光器により解決される。
【0026】
以下、例示の図面に基づき、本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】例示の一照射装置を側面図として示す図であり、この際、照射装置は、ライトモジュールを含み、ライトモジュールの光は、光線絞りを介し、投射レンズを用いて照射装置の前方に投射可能である。
図2図1の投射レンズの正面図を示す図であり、この際、投射レンズは、複数のフリーフォームレンズを有する光学装置を含んでいる。
図3図2の光学装置の斜視図を示す図である。
図4A】例示の一フリーフォームレンズを斜視図として示す図である。
図4B】他の例示の一フリーフォームレンズを斜視図として示す図である。
図4C】他の例示の一フリーフォームレンズを斜視図として示す図である。
図5】上方から見た、投射レンズと光学装置の断面図を示す図である。
【実施例
【0028】
図1は、自動車投光器用の例示の照射装置10を示しており、照射装置10は、少なくとも1つの光源を用いてロービーム配光を生成するためのライトモジュール11を含んでいる。
【0029】
更に照射装置10は、例えば非対称の明暗境界を生成するための光学的に関与する絞りエッジを有する光線絞り(ビームシェード)20を含み、この際、ライトモジュール11は、自動車投光器内の照射装置10の取り付け位置において光線絞り20の上側に配設されており、光線絞り20の光学的に関与する絞りエッジと組み合わせてロービーム配光を生成するように作用する。
【0030】
更に照射装置10は、光軸線Bを有する投射レンズ100を含み、投射レンズ100は、ライトモジュール11により生成可能な光を照射装置10の前方で主放射方向に結像するように設けられており、この際、投射レンズ100は、光入射面110と、光入射面110とは反対側の凸状の光出射面120とを有する。
【0031】
投射レンズ100には、光出射面120において光学装置(オプティカルデバイス)200が配設されており、光学装置200は、例えば図2図3で見てとれるように(形状として)凸状の光出射面120と離隔した(ないし異なる;abweichend)光出射面120の作用部(マニピュレート部)を構成し、それぞれに作用面211を有する多数のフリーフォームレンズ(自由形状レンズ)210を含んでいる。この際、光学装置200は、投射レンズ100に入射してフリーフォームレンズ210の作用面211を介して出射する光の一部をロービーム配光の非対称の明暗境界の上方の領域に向けて導くように設けられている。
【0032】
図4Aから図4Cは、フリーフォームレンズ210の例示の実施形態を示しており、この際、それぞれのフリーフォームレンズ210の作用面211と、光出射面120とは、共通の面交線においてスタートエッジ211aを形成し、この際、作用面211は、スタートエッジ211aから出発し、光出射面120から、好ましくは主放射方向の方向で、2つの側方エッジに沿って、スタートエッジ211aとは反対側のスロープエッジ211bに至るまで離れていくように延在し、スロープエッジ211bは、第1終端部212aと第2終端部212bを有し、この際、第1終端部212aは、光出射面120上への直角投影における面法線に沿って、光出射面120に対して第1間隔A1を有し、またこの際、第2終端部212bは、光出射面120上への直角投影における面法線に沿って、光出射面120に対して第2間隔A2を有する。この際、それらの作用面211は、湾曲して形成されており、好ましくは異なって湾曲して形成されている。
【0033】
図4Aに示された実施形態において、第1間隔A1は、第2間隔A2よりも大きく、この際、第2間隔A2は、ゼロである。
【0034】
図4Bに示された実施形態において、第1間隔A1は、第2間隔A2よりも大きい。
【0035】
図4Cに示された実施形態において、第1間隔A1は、第2間隔A2と同じ大きさである。
【0036】
図面に示された例において、光学装置200のフリーフォームレンズ210は、自動車投光器内の照射装置10の取り付け位置において、水平方向の列に相並んで配設されており、この際、投射レンズ100と光学装置200を上方から示している図5に概略的に図示されているように、作用面211の第1間隔A1は、水平方向に配設されたフリーフォームレンズ210のうちの(一方の端の)最初のフリーフォームレンズ210(図5では右端のもの)から出発し、(他方の端の)最後のフリーフォームレンズ210(図5では左端のもの)に至るまでの経過において、最初は第2間隔A2よりも小さく、この際、光軸線Bまでの経過において、第1間隔A1は増加していき且つ第2間隔A2は減少していき、それによりフリーフォームレンズ210の第1間隔A1は、光軸線Bの領域で第2間隔A2と同じであり、また光軸線Bから離れていく更なる経過において、第1間隔A1は更に増加していき且つ第2間隔A2は更に減少していく。
【0037】
更にまた、光学装置200は、他の一例として、投射レンズ100の光入射面110に配設されていることも可能であり、この際、フリーフォームレンズ210は、互いに平行な複数の列に相並んで配設されている。
【0038】
この際、それぞれのフリーフォームレンズ210の作用面211(図面に示された例と類似)と、光入射面110とは、共通の面交線においてスタートエッジ211aを形成し、この際、作用面211は、スタートエッジ211aから出発し、光入射面110から、2つの側方エッジに沿って、スタートエッジ211aとは反対側のスロープエッジ211bに至るまで離れていくように延在し、スロープエッジ211bは、第1終端部212aと第2終端部212bを有し、この際、第1終端部212aは、光入射面110上への直角投影における面法線に沿って、光入射面110に対して第1間隔A1を有し、またこの際、第2終端部212bは、光入射面110上への直角投影における面法線に沿って、光入射面110に対して第2間隔A2を有する。
【0039】
この際、或る作用面211の第1間隔A1と第2間隔A2は、同じ大きさであり、またこの際、好ましくは、各作用面211の第1間隔A1と第2間隔A2は、同じ大きさである。
【0040】
例えば、光学装置200のフリーフォームレンズ210は、光学装置200が光入射面110に配設されている場合には、所定のロゴ、例えば製造者ロゴ(メーカロゴ)が形成されているように互いに配設されることができる。
【符号の説明】
【0041】
10 照射装置
11 ライトモジュール
20 光線絞り
100 投射レンズ
110 光入射面
120 光出射面
200 光学装置
210 フリーフォームレンズ
211 作用面
211a スタートエッジ
211b スロープエッジ
212a 第1終端部
212b 第2終端部
A1 第1間隔
A2 第2間隔
B 光軸線
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
【手続補正書】
【提出日】2023-03-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車投光器用の照射装置あって、前記照射装置(10)は、以下の構成を含む:
- 光を放出するように設けられている少なくとも1つの光源を用いてロービーム配光を生成するための少なくとも1つのライトモジュール(11)と、
- 明暗境界を生成するための光学的に関与する絞りエッジを有する光線絞り(20)と、但し前記ライトモジュール(11)は、自動車投光器内の前記照射装置(10)の取り付け位置において前記光線絞り(20)の上側に配設されており、前記光線絞り(20)の光学的に関与する前記絞りエッジと組み合わせてロービーム配光を生成するように作用し、
- 光軸線(B)を有する投射レンズ(100)とを含み、前記投射レンズ(100)は、前記ライトモジュール(11)により生成可能な光を前記照射装置(10)の前方で主放射方向に結像するように設けられており、但し前記投射レンズ(100)は、光入射面(110)と、前記光入射面(110)とは反対側の凸状の光出射面(120)とを有する構成であり、
前記投射レンズ(100)は、前記投射レンズ(100)に配設された光学装置(200)を含み、前記光学装置(200)は、それぞれに作用面(211)を有する多数のフリーフォームレンズ(210)を含み、前記光学装置(200)は、前記投射レンズ(100)に入射して前記フリーフォームレンズ(210)の前記作用面(211)を介して出射する光の一部を前記ロービーム配光の記明暗境界の上方の領域に向けて導くように設けられていること、
を特徴とする照射装置。
【請求項2】
前記光学装置(200)は、前記投射レンズ(100)の前記光出射面(120)に配設されており、凸状の前記光出射面(120)と離隔した前記光出射面(120)の作用部を構成すること、
を特徴とする、請求項1に記載の照射装置。
【請求項3】
それぞれの前記フリーフォームレンズ(210)の前記作用面(211)と、前記光出射面(120)とは、共通の面交線においてスタートエッジ(211a)を形成し、前記作用面(211)は、前記スタートエッジ(211a)から出発し、前記光出射面(120)から、つの側方エッジに沿って、前記スタートエッジ(211a)とは反対側のスロープエッジ(211b)に至るまで離れていくように延在し、前記スロープエッジ(211b)は、第1終端部(212a)と第2終端部(212b)を有し、前記第1終端部(212a)は、前記光出射面(120)上への直角投影における面法線に沿って、前記光出射面(120)に対して第1間隔(A1)を有し、また前記第2終端部(212b)は、前記光出射面(120)上への直角投影における面法線に沿って、前記光出射面(120)に対して第2間隔(A2)を有すること、
を特徴とする、請求項2に記載の照射装置。
【請求項4】
前記光学装置(200)の前記フリーフォームレンズ(210)は、自動車投光器内の前記照射装置(10)の取り付け位置において、水平方向の列に相並んで配設されており、前記作用面(211)の前記第1間隔(A1)は、水平方向に配設された前記フリーフォームレンズ(210)のうちの最初の前記フリーフォームレンズ(210)から出発し、最後の前記フリーフォームレンズ(210)に至るまでの経過において、最初は前記第2間隔(A2)よりも小さく、前記光軸線(B)までの経過において、前記第1間隔(A1)は増加していき且つ前記第2間隔(A2)は減少していき、それにより前記フリーフォームレンズ(210)の前記第1間隔(A1)は、前記光軸線(B)の領域で前記第2間隔(A2)と同じであり、また前記光軸線(B)から離れていく経過において、前記第1間隔(A1)は更に増加していき且つ第2間隔は更に減少していくこと、
を特徴とする、請求項3に記載の照射装置。
【請求項5】
前記光学装置(200)は、前記投射レンズ(100)の前記光入射面(110)に配設されており、前記光入射面(110)と離隔した前記光入射面(110)の作用部を構成すること、
を特徴とする、請求項1に記載の照射装置。
【請求項6】
前記フリーフォームレンズ(210)は、互いに平行な複数の列に相並んで配設されていること、
を特徴とする、請求項5に記載の照射装置。
【請求項7】
それぞれの前記フリーフォームレンズ(210)の前記作用面(211)と、前記光入射面(110)とは、共通の面交線においてスタートエッジ(211a)を形成し、前記作用面(211)は、前記スタートエッジ(211a)から出発し、前記光入射面(110)から、2つの側方エッジに沿って、前記スタートエッジ(211a)とは反対側のスロープエッジ(211b)に至るまで離れていくように延在し、前記スロープエッジ(211b)は、第1終端部(212a)と第2終端部(212b)を有し、前記第1終端部(212a)は、前記光入射面(110)上への直角投影における面法線に沿って、前記光入射面(110)に対して第1間隔(A1)を有し、また前記第2終端部(212b)は、前記光入射面(110)上への直角投影における面法線に沿って、前記光入射面(110)に対して第2間隔(A2)を有すること、
を特徴とする、請求項6に記載の照射装置。
【請求項8】
或る前記作用面(211)の前記第1間隔(A1)と前記第2間隔(A2)は、同じ大きさであり、又は各前記作用面(211)の前記第1間隔(A1)と前記第2間隔(A2)は、同じ大きさであること、
を特徴とする、請求項7に記載の照射装置。
【請求項9】
前記光学装置(200)の前記フリーフォームレンズ(210)は、所定のロゴ、又は製造者ロゴが形成されているように互いに配設されていること、
を特徴とする、請求項~8のいずれか一項に記載の照射装置。
【請求項10】
前記フリーフォームレンズ(210)は、一列に直接的に相並んで互いに配設されていること、
を特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の照射装置。
【請求項11】
前記作用面(211)は、湾曲して形成されていること、
を特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の照射装置。
【請求項12】
前記明暗境界は、非対称又は真っ直ぐであること、
を特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載の照射装置。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載の照射装置を少なくとも1つ備えた自動車投光器。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
【特許文献1】独国特許出願公開第102012107426号
【特許文献2】独国特許出願公開第102012107427号
【特許文献3】欧州特許出願公開第2578929号
【特許文献4】オーストリア国実用新案第8253号
【特許文献5】欧州特許出願公開第2985522号
【特許文献6】独国特許出願公開第102014118745号
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
前記課題は、投射レンズが、該投射レンズに配設された光学装置(オプティカルデバイス)を含み、該光学装置は、それぞれに作用面を有する多数のフリーフォームレンズ(自由形状レンズ)を含み、この際、光学装置は、投射レンズに入射してフリーフォームレンズの作用面を介して出射する光の一部をロービーム配光の暗境界の上方の領域に向けて導くように設けられていることにより、解決される。
即ち本発明の第1の視点により、
自動車投光器用の照射装置であって、前記照射装置は、以下の構成を含む:
- 光を放出するように設けられている少なくとも1つの光源を用いてロービーム配光を生成するための少なくとも1つのライトモジュールと、
- 明暗境界を生成するための光学的に関与する絞りエッジを有する光線絞りと、但し前記ライトモジュールは、自動車投光器内の前記照射装置の取り付け位置において前記光線絞りの上側に配設されており、前記光線絞りの光学的に関与する前記絞りエッジと組み合わせてロービーム配光を生成するように作用し、
- 光軸線を有する投射レンズとを含み、前記投射レンズは、前記ライトモジュールにより生成可能な光を前記照射装置の前方で主放射方向に結像するように設けられており、但し前記投射レンズは、光入射面と、前記光入射面とは反対側の凸状の光出射面とを有する構成であり、
前記投射レンズは、前記投射レンズに配設された光学装置を含み、前記光学装置は、それぞれに作用面を有する多数のフリーフォームレンズを含み、前記光学装置は、前記投射レンズに入射して前記フリーフォームレンズの前記作用面を介して出射する光の一部を前記ロービーム配光の前記明暗境界の上方の領域に向けて導くように設けられていること、
を特徴とする照射装置が提供される。
更に本発明の第2の視点により、
前記照射装置を少なくとも1つ備えた自動車投光器が提供される。
尚、本願の特許請求の範囲に付記された図面参照符号は、専ら本発明の理解の容易化のためのものであり、図示の形態への限定を意図するものではないことを付言する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
本発明において、以下の形態が可能である。
(形態1)
自動車投光器用の照射装置であって、前記照射装置は、以下の構成を含む:
- 光を放出するように設けられている少なくとも1つの光源を用いてロービーム配光を生成するための少なくとも1つのライトモジュールと、
- 明暗境界を生成するための光学的に関与する絞りエッジを有する光線絞りと、但し前記ライトモジュールは、自動車投光器内の前記照射装置の取り付け位置において前記光線絞りの上側に配設されており、前記光線絞りの光学的に関与する前記絞りエッジと組み合わせてロービーム配光を生成するように作用し、
- 光軸線を有する投射レンズとを含み、前記投射レンズは、前記ライトモジュールにより生成可能な光を前記照射装置の前方で主放射方向に結像するように設けられており、但し前記投射レンズは、光入射面と、前記光入射面とは反対側の凸状の光出射面とを有する構成であり、
前記投射レンズは、前記投射レンズに配設された光学装置を含み、前記光学装置は、それぞれに作用面を有する多数のフリーフォームレンズを含み、前記光学装置は、前記投射レンズに入射して前記フリーフォームレンズの前記作用面を介して出射する光の一部を前記ロービーム配光の非対称の前記明暗境界の上方の領域に向けて導くように設けられていること。
(形態2)
前記光学装置は、前記投射レンズの前記光出射面に配設されており、凸状の前記光出射面と離隔した前記光出射面の作用部を構成すること、が好ましい。
(形態3)
それぞれの前記フリーフォームレンズの前記作用面と、前記光出射面とは、共通の面交線においてスタートエッジを形成し、前記作用面は、前記スタートエッジから出発し、前記光出射面から、好ましくは前記主放射方向の方向で、2つの側方エッジに沿って、前記スタートエッジとは反対側のスロープエッジに至るまで離れていくように延在し、前記スロープエッジは、第1終端部と第2終端部を有し、前記第1終端部は、前記光出射面上への直角投影における面法線に沿って、前記光出射面に対して第1間隔を有し、また前記第2終端部は、前記光出射面上への直角投影における面法線に沿って、前記光出射面に対して第2間隔を有すること、が好ましい。
(形態4)
前記光学装置の前記フリーフォームレンズは、自動車投光器内の前記照射装置の取り付け位置において、水平方向の列に相並んで配設されており、前記作用面の前記第1間隔は、水平方向に配設された前記フリーフォームレンズのうちの最初の前記フリーフォームレンズから出発し、最後の前記フリーフォームレンズに至るまでの経過において、最初は前記第2間隔よりも小さく、前記光軸線までの経過において、前記第1間隔は増加していき且つ前記第2間隔は減少していき、それにより前記フリーフォームレンズの前記第1間隔は、前記光軸線の領域で前記第2間隔と同じであり、また前記光軸線から離れていく経過において、前記第1間隔は更に増加していき且つ第2間隔は更に減少していくこと、が好ましい。
(形態5)
前記光学装置は、前記投射レンズの前記光入射面に配設されており、前記光入射面と離隔した前記光入射面の作用部を構成すること、が好ましい。
(形態6)
前記フリーフォームレンズは、互いに平行な複数の列に相並んで配設されていること、が好ましい。
(形態7)
それぞれの前記フリーフォームレンズの前記作用面と、前記光入射面とは、共通の面交線においてスタートエッジを形成し、前記作用面は、前記スタートエッジから出発し、前記光入射面から、2つの側方エッジに沿って、前記スタートエッジとは反対側のスロープエッジに至るまで離れていくように延在し、前記スロープエッジは、第1終端部と第2終端部を有し、前記第1終端部は、前記光入射面上への直角投影における面法線に沿って、前記光入射面に対して第1間隔を有し、また前記第2終端部は、前記光入射面上への直角投影における面法線に沿って、前記光入射面に対して第2間隔を有すること、が好ましい。
(形態8)
或る前記作用面の前記第1間隔と前記第2間隔は、同じ大きさであり、好ましくは、各前記作用面の前記第1間隔と前記第2間隔は、同じ大きさであること、が好ましい。
(形態9)
前記光学装置の前記フリーフォームレンズは、所定のロゴ、例えば製造者ロゴが形成されているように互いに配設されていること、が好ましい。
(形態10)
前記フリーフォームレンズは、一列に直接的に相並んで互いに配設されていること、が好ましい。
(形態11)
前記作用面は、湾曲して形成されていること、が好ましい。
(形態12)
前記明暗境界は、非対称又は真っ直ぐであること、が好ましい。
(形態13)
前記照射装置を少なくとも1つ備えた自動車投光器。
【国際調査報告】