IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エルジー エナジー ソリューション リミテッドの特許一覧

特表2023-542176バッテリーモジュール、それを含むバッテリーパック及び自動車
<>
  • 特表-バッテリーモジュール、それを含むバッテリーパック及び自動車 図1
  • 特表-バッテリーモジュール、それを含むバッテリーパック及び自動車 図2
  • 特表-バッテリーモジュール、それを含むバッテリーパック及び自動車 図3
  • 特表-バッテリーモジュール、それを含むバッテリーパック及び自動車 図4
  • 特表-バッテリーモジュール、それを含むバッテリーパック及び自動車 図5
  • 特表-バッテリーモジュール、それを含むバッテリーパック及び自動車 図6
  • 特表-バッテリーモジュール、それを含むバッテリーパック及び自動車 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-05
(54)【発明の名称】バッテリーモジュール、それを含むバッテリーパック及び自動車
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/342 20210101AFI20230928BHJP
   H01M 50/211 20210101ALI20230928BHJP
   H01M 50/213 20210101ALI20230928BHJP
   H01M 50/35 20210101ALI20230928BHJP
【FI】
H01M50/342 201
H01M50/211
H01M50/213
H01M50/35 201
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023518028
(86)(22)【出願日】2022-06-09
(85)【翻訳文提出日】2023-03-17
(86)【国際出願番号】 KR2022008168
(87)【国際公開番号】W WO2022265299
(87)【国際公開日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】10-2021-0078975
(32)【優先日】2021-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ジン-ヨン・パク
(72)【発明者】
【氏名】ホ-ジュネ・チ
(72)【発明者】
【氏名】ジン-ハ・パク
(72)【発明者】
【氏名】ジェ-ミン・ユ
【テーマコード(参考)】
5H012
5H040
【Fターム(参考)】
5H012AA01
5H012AA03
5H012CC08
5H012FF01
5H040AA33
5H040AS07
5H040AT01
5H040AT04
5H040AT06
5H040AY05
5H040CC20
5H040LL01
5H040LL06
5H040NN01
(57)【要約】
バッテリーモジュール、それを含むバッテリーパック及び自動車が開示される。本発明の一実施例によるバッテリーモジュールは、複数のバッテリーセルと、複数のバッテリーセルが収納されるケースと、ケースに締結される締結部材と、を含み、ケースの内部で発生したガスが締結部材を通して排出されることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のバッテリーセルと、
前記複数のバッテリーセルが収納されるケースと、
前記ケースに締結される締結部材と、を含み、
前記ケースの内部で発生したガスが前記締結部材を通して排出されることを特徴とする、バッテリーモジュール。
【請求項2】
前記締結部材には、前記ガスが排出されるベントホールが形成されたことを特徴とする、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項3】
前記締結部材は、
前記ケースの内側の下方から上方に向かって配置されて前記ケースの外側へ突出し、雄ねじ山が形成され、前記ベントホールが形成されたボルトと、
前記ケースの外側で前記ボルトに結合するように雌ねじ山が形成されたナットと、を含むことを特徴とする、請求項2に記載のバッテリーモジュール。
【請求項4】
前記締結部材は、
前記ケースの内側から側面に向かって配置され、前記ケースの外側へ突出し、雄ねじ山が形成され、前記ベントホールが形成されたボルトと、
前記ケースの外側で前記ボルトに結合するように雌ねじ山が形成されたナットと、を含むことを特徴とする、請求項2に記載のバッテリーモジュール。
【請求項5】
前記ケースには雌ねじ山が形成され、
前記締結部材は、
前記ケースの内側の下方から上方に向かって配置されて前記ケースの外側へ突出し、前記ケースの前記雌ねじ山に締結される雄ねじ山が形成され、前記ベントホールが形成されたねじとして設けられたことを特徴とする、請求項2に記載のバッテリーモジュール。
【請求項6】
前記締結部材は、
前記ベントホールが形成された本体部と、
前記本体部の端部に結合し、前記ケースの内部で発生した前記ガスによって破断される破断部と、を含むことを特徴とする、請求項2に記載のバッテリーモジュール。
【請求項7】
前記破断部は、前記本体部よりも薄く形成されたことを特徴とする、請求項6に記載のバッテリーモジュール。
【請求項8】
前記破断部には、前記ガスの圧力によって破断されるように破断溝が形成されたことを特徴とする、請求項6に記載のバッテリーモジュール。
【請求項9】
前記本体部と前記破断部は、相異なる材質で設けられることを特徴とする、請求項6に記載のバッテリーモジュール。
【請求項10】
前記本体部は金属材質から製作され、前記破断部は複合樹脂材質から製作されることを特徴とする、請求項9に記載のバッテリーモジュール。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載のバッテリーモジュールを含む、バッテリーパック。
【請求項12】
請求項1から10のいずれか一項に記載のバッテリーモジュールを含む、自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーモジュール、それを含むバッテリーパック及び自動車に関し、より詳しくは、ケースの内部に生成されたガスを円滑に排出可能なバッテリーモジュール、それを含むバッテリーパック及び自動車に関する。
【0002】
本出願は、2021年6月17日出願の韓国特許出願第10-2021-0078975号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
モバイル機器に関する技術開発及び需要が増加するにつれ、エネルギー源としての二次電池の需要が急激に増加しつつあり、従来、二次電池としてニッケルカドミウム電池または水素イオン電池が用いられていたが、最近は、ニッケル系の二次電池に比べてメモリー効果がほとんど起こらないため充電及び放電が自由であり、自己放電率が非常に低く、エネルギー密度が高いリチウム二次電池が広く用いられている。
【0004】
このようなリチウム二次電池は、主にリチウム系酸化物と炭素材をそれぞれ正極活物質と負極活物質として使用する。リチウム二次電池は、このような正極活物質及び負極活物質がそれぞれ塗布された正極板及び負極板がセパレータを挟んで配置された電極組立体と、電極組立体を電解液とともに封止して収納する外装材、即ち、電池ケースと、を備える。
【0005】
リチウム二次電池は、正極、負極及びこれらの間に介されるセパレータ及び電解質で構成され、正極活物質及び負極活物質に何を使用するかによって、リチウムイオン電池(Lithium Ion Battery,LIB)、リチウムポリマー電池(Polymer Lithium Ion Battery,PLIB)などに分けられる。通常、これらのリチウム二次電池の電極は、アルミニウムまたは銅シート、メッシュ、フィルム、ホイルなどの集電体に、正極または負極活物質を塗布した後、乾燥することで形成される。そして、多様な種類の二次電池は、バッテリーセルを保護するカバーが備えられ、複数のバッテリーセルが積層されてケースに収納されたバッテリーモジュールと、複数のバッテリーモジュールが含まれたバッテリーパックと、を含む。
【0006】
一方、リチウム二次電池は、二次電池の充電と放電時、二次電池の内部にガスが発生することがあり、このようなガスによって二次電池が損傷することは勿論、爆発や発火にまでつながることがあるため、問題になり得る。
【0007】
特に、二次電池が爆発や発火する場合、二次電池が適用された装置の破損は勿論、それを使用する使用者が怪我をする恐れがあるだけでなく、二次電池の外装材の破損によって二次電池の内部の電解液が流出して短絡や感電のような被害が発生し得る。
【0008】
さらに、バッテリーによって駆動されるハイブリッド自動車や電気自動車、または電力貯蔵装置などの場合、出力と容量が非常に大きいため、内部におけるガス発生による被害はさらに深刻になり得る。
【0009】
このようなガスの発生による多様な問題を解決するために、二次電池の内部でのガス発生時、これを排出する構造が設けられ得る。
【0010】
従来技術の場合、ケースにガス排出のためのベントホールが形成され、ケースに形成されたベントホールによってはガスの排出が円滑ではないという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、ケースの内部にガスが発生したとき、ガスを円滑に排出可能なバッテリーモジュール、それを含むバッテリーパック及び自動車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一面によれば、複数のバッテリーセルと、前記複数のバッテリーセルが収納されるケースと、前記ケースに締結される締結部材と、を含み、前記ケースの内部で発生したガスが前記締結部材を通して排出されることを特徴とするバッテリーモジュールが提供され得る。
【0013】
そして、前記締結部材には、前記ガスが排出されるベントホールが形成され得る。
【0014】
また、前記締結部材は、前記ケースの内側の下方から上方に向かって配置されて前記ケースの外側へ突出し、雄ねじ山が形成され、前記ベントホールが形成されたボルトと、前記ケースの外側で前記ボルトに結合するように雌ねじ山が形成されたナットと、を含み得る。
【0015】
そして、前記締結部材は、前記ケースの内側から側面に向かって配置され、前記ケースの外側へ突出し、雄ねじ山が形成され、前記ベントホールが形成されたボルトと、前記ケースの外側で前記ボルトに結合するように雌ねじ山が形成されたナットと、を含み得る。
【0016】
また、前記ケースには雌ねじ山が形成され、前記締結部材は、前記ケースの内側の下方から上方に向かって配置されて前記ケースの外側へ突出し、前記ケースの前記雌ねじ山に締結される雄ねじ山が形成され、前記ベントホールが形成されたねじとして設けられ得る。
【0017】
そして、前記締結部材は、前記ベントホールが形成された本体部と、前記本体部の端部に結合し、前記ケースの内部で発生した前記ガスによって破断される破断部と、を含み得る。
【0018】
また、前記破断部は、前記本体部よりも薄く形成され得る。
【0019】
そして、前記破断部には、前記ガスの圧力によって破断されるように破断溝が形成され得る。
【0020】
また、前記本体部と前記破断部は、相異なる材質で設けられ得る。
【0021】
そして、前記本体部は金属材質から製作され、前記破断部は複合樹脂材質から製作され得る。
【0022】
なお、本発明の他面によれば、前述したバッテリーモジュールを含むバッテリーパックが提供され、また、前記バッテリーモジュールを含む自動車が提供され得る。
【発明の効果】
【0023】
本発明の実施例は、締結部材を通して排出可能であるので、ケースの内部に発生したガスが円滑に排出される効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の一実施例によるバッテリーモジュールの全体斜視図である。
図2図1のA-A’による断面図である。
図3図2のB部分の拡大図である。
図4】本発明の一実施例によるバッテリーモジュールにおいて、締結部材のうちボルトの斜視図である。
図5図3の他の実施例を示した図である。
図6】本発明の一実施例によるバッテリーモジュールにおいて、ケースの内部のガスが締結部材を通して排出される過程を示した図である。
図7】本発明の一実施例によるバッテリーモジュールにおいて、ケースの内部のガスが締結部材を通して排出される過程を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施例を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。したがって、本明細書に記載された実施例及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0026】
図面における各構成要素またはその構成要素をなす特定部分の大きさは、説明の便宜及び明確性のために誇張または省略されるか、概略的に示されることがある。したがって、各構成要素の大きさは、実際の大きさを完全に反映することではない。本発明に関連する公知の機能または構成についての具体的な説明が、本発明の要旨を不要にぼやかすと判断される場合、その説明を略する。
【0027】
本明細書において使用される「結合」、「接続」という用語は、一つの部材と他の部材とが直接結合するか、または直接接続する場合のみならず、一つの部材が接続部材を介して他の部材に間接的に結合するか、または間接的に接続する場合も含む。
【0028】
図1は、本発明の一実施例によるバッテリーモジュールの全体斜視図であり、図2は、図1のA-A’による断面図であり、図3は、図2のB部分の拡大図であり、図4は、本発明の一実施例によるバッテリーモジュールにおいて締結部材のうちボルトの斜視図であり、図5は、図3の他の実施例を示した図であり、図6及び図7は、本発明の一実施例によるバッテリーモジュールにおいてケースの内部のガスが締結部材を通して排出される過程を示した図である。
【0029】
図面を参照すると、本発明の一実施例によるバッテリーモジュール10は、複数のバッテリーセル100と、ケース200と、締結部材300と、を含む。
【0030】
図1及び図2を参照すると、複数のバッテリーセル100は、ケース200の内部に収納されて保護される。ここで、バッテリーセル100は、多様である。例えば、バッテリーセル100は、パウチ型バッテリーセルで設けられるか、または円筒型のバッテリーセルとして設けられ得る。
【0031】
バッテリーセル100には電極リードが備えられ、バッテリーセル100に備えられた電極リードは、外部機器に接続される一種の端子であって、伝導性材質が使用され得る。
【0032】
電極リードは、正極電極リード及び負極電極リードを含み得る。正極電極リード及び負極電極リードは、バッテリーセル100の長手方向に対して互いに反対方向に配置されるか、または正極電極リード及び負極電極リードがバッテリーセル100の長手方向に対して互いに同じ方向に位置し得る。
【0033】
正極電極リードと負極電極リードは、多様な材質で設けられ得、例えば、正極電極リードはアルミニウム材質から製作され、負極電極リードは銅材質から製作され得る。
【0034】
電極リードは、バスバー400に電気的に結合し得る。バッテリーセル100は、正極板/セパレータ/負極の順に配列される単位セル(Unit Cell)、または正極板/セパレータ/負極板/セパレータ/正極板/セパレータ/負極の順に配列されたバイセル(Bi-Cell)を、電池容量に合わせて複数個積層した構造を有し得る。
【0035】
複数のバッテリーセル100が多様にケース200の内部に収納され得る。例えば、複数のバッテリーセル100が互いに積層されることでセル積層体の形態で収納され得る。ここで、バッテリーセル100は、多様な構造を有することができ、複数のバッテリーセル100は、多様な方式で積層され得る。
【0036】
バッテリーセル積層体は、各々のバッテリーセル100を収納するカートリッジ(図示せず)が複数で備えられ得る。各々のカートリッジ(図示せず)は、プラスチックの射出成形によって製造可能であり、バッテリーセル100を収納する収納部が形成された複数のカートリッジ(図示せず)が積層され得る。
【0037】
複数のカートリッジ(図示せず)が積層されたカートリッジ組立体には、コネクター要素または端子要素が備えられ得る。コネクター要素は、例えば、バッテリーセル100の電圧または温度に関わるデータを提供できるBMS(Battery Management System,図示せず)などに接続されるための多様な形態の電気的接続部品または接続部材が含まれ得る。
【0038】
そして、端子要素は、バッテリーセル100に接続されるメイン端子として正極端子及び負極端子を含む。
【0039】
図1及び図2を参照すると、ケース200には、複数のバッテリーセル100、例えば、バッテリーセル積層体、またはバッテリーセル積層体が収納されたカートリッジ組立体が収納される。
【0040】
ここで、ケース200は、バッテリーセル100によるバッテリーセル積層体、またはバッテリーセル積層体が収納されたカートリッジ組立体を囲むように設けられ得る。即ち、ケース200は、バッテリーセル100の全体を囲み、これによって外部の振動や衝撃からバッテリーセル100を保護する。
【0041】
ケース200は、バッテリーセル100、例えば、バッテリーセル積層体、またはカートリッジ組立体の形状に対応する形状に形成され得る。例えば、バッテリーセル積層体、またはカートリッジ組立体が六面体形状で設けられる場合、ケース200もこれに対応するように六面体形状で設けられ得る。
【0042】
ケース200に収納されたバッテリーセル100は、充電と放電過程で内部にガスが発生し、このようにケース200の内部で発生したガスは、締結部材300を通して排出される。ここで、締結部材300には、ガスを排出可能なベントホール313が形成され得る。これについての詳細な説明は後述する。
【0043】
締結部材300は、ケース200に締結される。締結部材300は、ケース200のみを締結することも可能であるが、ケース200に結合してバスバー400を固定するように設けられ得る。
【0044】
締結部材300は、一実施例で、ボルト310及びナット320を含むように構成されることがあり、他の実施例で、ケース200に直接結合するねじ330を含むように構成されることもある。
【0045】
まず、締結部材300がボルト310及びナット320を含む実施例について説明する。
【0046】
図2及び図3を参照すると、ボルト310は、ケース200の内側の下方から上方に向かって配置され、ケース200の外側へ突出する。そして、ボルト310には、ベントホール313が形成される。
【0047】
そして、図示していないが、図2及び図3についての他の実施例で、ボルト310がケース200の内側から側面に向かって配置され、ケース200の外側へ突出するように設けられ得る。ここで、ボルト310には、ベントホール313が形成される。
【0048】
一方、他の実施例で、ボルト310がケース200の内側から底面に向かって配置され、ケース200の外側へ突出するように設けられ得る。
【0049】
ここで、例えば、ボルト310は、本体部311と破断部312を含み得る。本体部311には、ベントホール313が形成される。即ち、本体部311の内部は、ガスが移動する中空のベントホール313が形成される。ここで、図3及び図4を参照すると、本体部311の外側の周りには、雄ねじ山314が形成される。
【0050】
そして、破断部312は、本体部311の端部に結合し、ケース200の内部で発生したガスによって破断されるように設けられる。即ち、ケース200の内部のガス圧力が予め設定された値を超過する場合、破断部312が破断されるように設けられ得る。
【0051】
図4を参照すると、破断部312は、ガス圧力によって破断されるように本体部311よりも薄く形成され得る。
【0052】
または、ガス圧力によって破断部312が破断されやすくなるように破断部312には破断溝315が形成され得る。ここで、図4では、破断溝315が十字形に形成されているが、破断溝315は、多様な形状であり得る。
【0053】
一方、本体部311と破断部312は、相異なる材質で設けられ得る。例えば、本体部311は、剛性を考慮して金属材質から製作され、破断部312は、破断が容易になるように各種複合樹脂材質から製作され得る。
【0054】
破断部312は、破断が容易になるように、例えば、薄いプラスチック材質で設けられ得る。
【0055】
例えば、破断部312は、ポリエチレンフィルムで設けられ得るが、破断部312の材質はこれに限定されない。
【0056】
そして、相異なる材質の本体部311と破断部312は、インサート射出方式によって製作され得る。但し、製作方式がインサート射出に限定されない。
【0057】
ナット320は、ケース200の外側でボルト310に結合する。ナット320には、ボルト310の雄ねじ山314に対応する雌ねじ山321が形成される。
【0058】
図2を参照すると、ボルト310がケース200の内側の下方から上方に向かうように配置されており、ナット320がケース200の外側でボルト310に結合するように設けられる。即ち、ボルト310は、ケース200の内側に位置し、ナット320はケース200の外側に位置する。
【0059】
または、ボルト310がケース200の内側から側面に向かうように配置されており、ナット320がケース200の外側でボルト310に結合するように設けられ得る。この場合にも、ボルト310はケース200の内側に位置し、ナット320はケース200の外側に位置する。
【0060】
そして、ボルト310とナット320との間にバスバー400が介在されて固定され得る。図2では、締結部材300であるボルト310とナット320がバスバー400を固定するように示されているが、ボルト310とナット320は、ケース200のみを固定するように設けられるか、またはケース200とバスバー400を共に固定するように設けられることも可能である。
【0061】
ここで、ボルト310の配置方向に沿ってガスの移動方向がガイドされ得る。即ち、ケース200の内部で発生したガスは、ボルト310に形成されたベントホール313に沿って移動するので、図2のようにボルト310がケース200の下方から上方に向かうように配置される場合、ガスはケース200の下方から上方に向かってベントホール313に沿って移動しながらケース200の外側へ排出され得る。
【0062】
または、ボルト310がケース200の側面に向かうように配置される場合、ガスはケース200の側面に向かってベントホール313に沿って移動しながらケース200の外側へ排出され得る。
【0063】
即ち、ケース200の内部で発生したガスは、ボルト310の本体部311に形成されたベントホール313に沿って移動するので、本体部311は、ガスの移動方向をガイドでき、これによって使用者が所望する方向へガスを排出することができるという効果を奏する。
【0064】
一方、前述したように、締結部材300は、ケース200の締結機能またはバスバー400の締結機能のみならず、ガス排出機能を有するので、締結部材300一つだけで二つの機能が可能であり、ガス排出のための別の構成が不要であるため、製作が容易になり、費用が節減される効果を奏する。
【0065】
次に、締結部材300の他の実施例で、締結部材300がケース200に直接結合するように周りに雄ねじ山331が形成されたねじ330を含む実施例について説明する。ボルト310がナット320に結合すると、ねじ330はケース200に直接結合するという点が相違であり、その他、ねじ330の基本的な構成、例えば、本体部と破断部からなる構成などはボルト310と共通するので、ねじ330とボルト310の共通部分は、前述したボルト310の説明を代わりにする。
【0066】
図5を参照すると、ケース200には、雌ねじ山210が形成される。そして、締結部材300がねじ330のみを含む場合、ナット320が不要であり、ねじ330に形成された雄ねじ山331がケース200に形成された雌ねじ山210に結合する。
【0067】
ここで、締結部材300は、ボルト310と同様にケース200の内側の下方から上方に向かって配置され、ケース200の外側へ突出するようにケース200の雌ねじ山210に締結される。そして、ねじ330の内側には、ベントホール332が形成される。
【0068】
図5のように、ねじ330は、バスバー400ではなくケース200を締結して固定する用途で使用され得る。但し、これに限定されず、必要に応じて、他の部材、例えば、ワッシャー(washer)などと共にバスバー400を固定するように設けられ得る。
【0069】
以下、図面を参照して本発明の一実施例によるバッテリーモジュール10の作用及び効果について説明する。
【0070】
本発明の一実施例によるバッテリーモジュール10は、ケース200の内部に複数のバッテリーセル100が収納され、ケース200を固定するか、またはバスバー400などを固定するための締結部材300がケース200に締結される。
【0071】
ここで、締結部材300の内側には、ガスが移動する中空のベントホール313、332が形成され得る。
【0072】
図6を参照すると、ケース200の内部にガスが発生してガス圧力がボルト310の破断部312を加圧し、図7を参照すると、ガス圧力によって破断部312が破断されながらケース200の内部のガスがケース200の外部へ排出される。
【0073】
これによって、ケース200の内部に発生したガスが円滑に排出される効果を奏する。
【0074】
一方、本発明の一実施例によるバッテリーパック(図示せず)は、前述したような本発明の一実施例によるバッテリーモジュール10を一つ以上含み得る。また、前記バッテリーパック(図示せず)は、バッテリーモジュール10の加え、バッテリーモジュール10を収納するためのハウジング、バッテリーモジュール10の充放電を制御するための各種装置、例えば、BMS、電流センサー、ヒューズなどをさらに含み得る。
【0075】
なお、本発明の一実施例による自動車(図示せず)は、前述したバッテリーモジュール10またはバッテリーパック(図示せず)を含むことができ、前記バッテリーパック(図示せず)には、前記バッテリーモジュール10が含まれ得る。そして、本発明の一実施例によるバッテリーモジュール10は、前記自動車(図示せず)、例えば、電気自動車やハイブリッド自動車のような電気を使用するように設けられる所定の自動車(図示せず)に適用可能である。
【0076】
以上、本発明を限定された実施例と図面によって説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明が属する技術分野における通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は、バッテリーモジュール、それを含むバッテリーパック及び自動車に関し、特に、二次電池関連産業に利用可能である。
【符号の説明】
【0078】
10 バッテリーモジュール
100 バッテリーセル
200 ケース
210 雌ねじ山
300 締結部材
310 ボルト
311 本体部
312 破断部
313 ベントホール
314 雄ねじ山
315 破断溝
320 ナット
321 雌ねじ山
331 雄ねじ山
332 ベントホール
400 バスバー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】