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特表2023-542179電気モータを作動させる方法、制御装置、ピストンポンプ
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  • 特表-電気モータを作動させる方法、制御装置、ピストンポンプ 図1
  • 特表-電気モータを作動させる方法、制御装置、ピストンポンプ 図2
  • 特表-電気モータを作動させる方法、制御装置、ピストンポンプ 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-05
(54)【発明の名称】電気モータを作動させる方法、制御装置、ピストンポンプ
(51)【国際特許分類】
   H02P 29/00 20160101AFI20230928BHJP
   B60T 17/00 20060101ALI20230928BHJP
【FI】
H02P29/00
B60T17/00 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023518037
(86)(22)【出願日】2021-08-11
(85)【翻訳文提出日】2023-05-13
(86)【国際出願番号】 EP2021072405
(87)【国際公開番号】W WO2022063481
(87)【国際公開日】2022-03-31
(31)【優先権主張番号】102020211994.5
(32)【優先日】2020-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100177839
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 玲児
(74)【代理人】
【識別番号】100172340
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 始
(74)【代理人】
【識別番号】100182626
【弁理士】
【氏名又は名称】八島 剛
(72)【発明者】
【氏名】エムデ,クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】シュミットライン,アンドレアス
【テーマコード(参考)】
3D049
5H501
【Fターム(参考)】
3D049BB03
3D049BB39
3D049HH12
3D049HH47
3D049HH51
3D049RR01
3D049RR05
5H501AA05
5H501DD01
5H501GG03
5H501HB07
5H501PP03
(57)【要約】
【課題】 本発明は、特にピストンポンプ(9)の電気モータ(1)を作動させる方法に関する。
【解決手段】 電気モータ(1)はロータシャフト(3)を有し、出力要求に依存してロータシャフト(3)についての目標回転数(nSoll)と目標回転方向をもって制御され、ロータシャフト(3)の実際回転数(nIst)が監視される。本発明による方法は、ゼロに等しい実際回転数(nIst)とゼロに等しくない目標回転数(nSoll)のもとで目標回転方向が設定された持続時間(t)のあいだ変更され、引き続き電気モータ(1)が再び目標回転数(nSoll)と目標回転方向をもって制御されることを特徴とする。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特にピストンポンプ(9)の電気モータ(1)を作動させる方法であって、前記電気モータ(1)はロータシャフト(3)を有し、出力要求に依存して前記ロータシャフト(3)についての目標回転数(nSoll)と目標回転方向をもって制御され、前記ロータシャフト(3)の実際回転数(nIst)が監視される、方法において、
ゼロに等しい実際回転数(nIst)とゼロに等しくない目標回転数(nSoll)のもとで目標回転方向が設定された持続時間(t)のあいだ変更され、引き続き前記電気モータ(1)が再び目標回転数(nSoll)と目標回転方向をもって制御されることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記電気モータ(1)を制御するために前記ロータシャフト(3)の角度位置(φ)に依存してモータ巻線(2)が通電され、前記ロータシャフト(3)の実際角度位置(φIst)が検出され、設定された持続時間(t)のあいだオフセット(φOffset)が付与され、そこから角度位置(φ)を決定し、前記オフセット(φOffset)は前記ロータシャフト(3)の回転方向が変更されるように選択されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
設定される持続時間(t)は2から5ミリ秒の間であることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
電気モータのための制御装置(7)において、前記制御装置(7)は請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法を実施するために特別にセットアップされる、制御装置。
【請求項5】
電気モータ(1)を有するピストンポンプ(9)において、前記電気モータ(1)はロータシャフト(3)を有し、前記ロータシャフト(3)はカム(12)または偏心ディスクを有し、前記ピストンポンプ(9)のピストン(10)は、前記ロータシャフト(3)の回転が軸方向への前記ピストン(10)の長手方向スライドを惹起するように、前記カム(12)または前記偏心ディスクに当接する、ピストンポンプにおいて、請求項4に記載の制御装置(7)を有することを特徴とするピストンポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特にピストンポンプの電気モータを作動させる方法に関し、電気モータはロータシャフトを有し、出力要求に依存してロータシャフトについての目標回転数と目標回転方向をもって制御され、ロータシャフトの実際回転数が監視される。
【0002】
さらに、本発明は電気モータのための制御装置に関し、およびピストンポンプに関する。
【背景技術】
【0003】
自動車のブレーキ設備の一部としてのブレーキコントロールシステムは、特に、アンチロックシステム(ABS)ないしビークルダイナミックコントロール(エレクトロニックスタビリティプログラムESP)は、通常、電気モータによって駆動可能な少なくとも1つのピストンポンプを有している。ピストンポンプは、ブレーキ設備のブレーキ回路で液圧を生成するために作動可能である。そのために電気モータのロータシャフトが、カムまたは偏心ディスクと回転不能に結合される。カムは特にロータシャフトに直接配置されるか、または、伝動装置を介してロータシャフトと回転不能に結合されていてよい。ロータシャフトは回転軸を中心として回転する。カムにより、ロータシャフトの回転運動がピストンポンプのピストンの並進運動ないし長手方向運動へと変換される。カムは、ピストンがカムによって押圧力で付勢されて、この押圧力によりスライド可能に支承されたピストンが長手方向へ変位するように、ピストンに当接する。この変位は、ばね部材および/またはブレーキ回路の圧力に抗して行われる。電気モータは、変位距離に依存するばね力および/またはブレーキ回路の圧力に抗してピストンが変位するときに引き起こされる負荷トルクを克服するために、駆動トルクを印加しなければならない。このとき電気モータによって最大に提供可能な駆動トルクは、通常、最大の負荷トルクよりも大きい。負荷トルクはカムの1回転のうち一度だけ最大になり、それは、ピストンの最大の変位に達したときである。そのときに、変位距離に依存するばね力と、ブレーキ回路の圧力とがいずれも最大になるからである。ロータシャフトがさらに回転すると、ピストンが再び当初の方向に戻るように変位する。ばね部材による初期応力に基づき、ピストンがカムに圧着されるからである。電気モータの制御は、通常、出力要求に依存して特定の圧力に到達するために、またはブレーキ回路でのピストンポンプの圧送容積に到達するために、ロータシャフトについての目標回転数と目標回転方向をもって行われる。しかし、電気モータの駆動トルクが負荷トルクを克服するのに十分でないと、電気モータがロックされる可能性がある。このようなケースは、特に、電気モータの消費出力およびこれに伴って最大の駆動トルクを制限する、車両の低い自動車電気システム電圧に基づいて、または、いっそう高い電気抵抗につながる電気モータのモータ巻線の高い温度に基づいて、または、ピストンでの摩擦の増大に基づいて、発生する可能性がある。ロックされた電気モータによっては出力要求を満たすことができず、ないしは、ピストンポンプのピストンを操作することができない。このようなロックを克服するために、想定される最大の負荷トルクを克服するのに必要となるはずであるよりも高い最大駆動トルクを有するように電気モータを構成することが知られており、それにより、電気モータがロックされるケースが生じることはない。
【発明の概要】
【0004】
請求項1の構成要件を有する本発明による方法は、ゼロに等しい実際回転数とゼロに等しくない目標回転数のもとで目標回転方向が設定された持続時間のあいだ変更され、引き続き電気モータが再び目標回転数と目標回転方向をもって制御されることを特徴とする。電気モータの制御はまず、従来技術から知られているように、出力要求に依存して、電気モータのロータシャフトについての目標回転数と目標回転方向をもって行われる。このときロータシャフトの実際回転数も監視される。ロックされた電気モータは、実際回転数がゼロに等しく目標回転数がゼロに等しくないことを手掛かりに認識される。電気モータのロックを解消するために、本発明によると、ロックされた電気モータが認識されると設定された持続時間のあいだ目標回転方向が変更され、それにより、ロータシャフトが一時的に反対方向へと回転する。設定されたこの持続時間の後に、電気モータが再び目標回転数と目標回転方向をもって制御され、それによりロータシャフトが再び当初に設定された方向へ回転する。このとき回転方向の変更は、反対方向へ回転するときに電気モータが、当初に設定された方向へ回転するときよりも低い負荷トルクしか克服しなくてすみ、それに伴い、電気モータの駆動トルクに関わる要求が減り、または少なくとも低くなるという想定のもとで行われる。この想定は、冒頭に説明したカムへのピストンの配置に依拠していて、この配置のもとでは、カムの1回転のうち負荷トルクが一度だけ、ピストンの最大の変位に達したときに最大になる。そのときに、変位距離に依存するばね力と、ブレーキ回路の圧力とがいずれも最大になるからである。回転方向の変更は、ピストンが戻るように変位し、負荷トルクが、およびこれに伴って電気モータの駆動トルクに関わる要求が、減ることにつながる。設定された持続時間の後に電気モータが再び目標回転方向に制御されたとき、最大の負荷トルクの方向への回転から目標回転方向で発生する負荷トルクを克服するために、加速度の結果として生じる追加の運動エネルギーを利用することができ、この運動エネルギーによって負荷トルクを克服可能であり、そのために目標トルクを引き上げなくてよい。このように本発明の方法は、ロックされた電気モータが認識され、電気モータの適当な制御によってピストンの操作が再び可能になるという利点があり、それは、電気モータのロータシャフトが一時的に反対方向へ、そして再び目標回転方向に回転することによる。このことは、電気モータの目標トルクが引き上げられることなしに実現される。特に、いっそう高い最大トルクを有する電気モータを使用する必要がない。
【0005】
本発明の好ましい実施形態では、電気モータを制御するためにロータシャフトの角度位置に依存してモータ巻線が通電され、ロータシャフトの実際角度位置が検出され、設定された持続時間のあいだオフセットが付与され、そこから角度位置を決定することが意図され、オフセットは、ロータシャフトの回転方向が変更されるように選択される。電気モータが電子整流式ないしはブラシレス式のモータである場合、電気モータを制御するために、ロータシャフトの角度位置に依存してモータ巻線が通電されるのが好ましい。そのために、まずロータシャフトの実際角度位置が検出される。特に、そのためにロータシャフトに永久磁石が取り付けられ、それにより、これに対してアライメントされたセンサが、特にホール効果をベースとするセンサが、永久磁石の磁場のアライメントを検出し、そこから実際角度位置が判定される。電気モータを制御するために利用される角度位置は、ロックされた電気モータが認識された後に、設定された持続時間のあいだ実際角度位置がオフセットを付与されることによって決定される。すなわち角度位置は、実際角度位置とオフセットとの合計に相当する。このオフセットは、オフセットがなければ行われたはずであるのとは別様に巻線が通電されたためにロータシャフトの回転方向が変更されるように選択される。すなわちオフセットによってモータ巻線は、このことが実際角度位置のもとで、ロータシャフトが一時的に反対方向に回転することにつながるように通電される。そのようにして、ロータシャフトが新たな実際角度位置へと回転し、そこから電気モータがあらためて回転方向を変更されたとき、当初に設定されていた方向に回転する場合よりも低い負荷トルクしか克服しなくてよい。設定された持続時間の後、角度位置はオフセットをもはや付与されず、それによりこの角度位置が実際角度位置に相当する。すなわち角度位置にオフセットを付与することは、特に電気モータの制御のために構成された制御装置に、目標回転方向の変更をパラメータとして委ねなくてよいという利点があり、それに代えて、操作される角度位置から直接的に変更がもたらされる。
【0006】
別の好ましい実施形態では、設定される持続時間は2から5ミリ秒の間であることが意図される。設定される持続時間が2から5ミリ秒の間のインターバルで規定されることで、電気モータが十分に長い持続時間にわたって制御されることが保証されるという利点があり、それにより、当初の目標回転方向とは反対向きのロータシャフトの実際の回転が可能となる。この持続時間は、ロータシャフトの回転数に依存して十分に短いという利点もあり、それにより、ロータシャフトが特に特定の回転の回数だけ、または1回転の特定の部分だけ、変更された目標回転方向へと回転する。このことが特に好ましいのは、特にロータシャフトにカムが直接配置される場合に該当するように、電気モータによって克服されるべき負荷トルクが、ロータシャフトの1回転のうちに少なくとも1つの最大値を有している場合である。
【0007】
本発明による電気モータのための制御装置は、請求項4の構成要件をもって、制御装置が本発明による方法を実施するために特別にセットアップされることを特徴とする。そこから、すでに述べた利点がもたらされる。その他の好ましい構成要件および構成要件の組合せは、上記の説明ならびに特許請求の範囲から明らかとなる。
【0008】
請求項5の構成要件を有する本発明のピストンポンプは電気モータを有し、電気モータはロータシャフトを有し、ロータシャフトはカムまたは偏心ディスクを有し、ピストンポンプのピストンは、ロータシャフトの回転が軸方向へのピストンの長手方向スライドを惹起するように、カムまたは偏心ディスクに当接する。ピストンポンプは本発明による制御装置を有することを特徴とする。そこからも、すでに挙げた利点がもたらされる。その他の好ましい構成要件および構成要件の組合せは、上記の説明ならびに特許請求の範囲から明らかとなる。
【0009】
次に、図面を参照しながら本発明について詳しく説明する。そのために次のものを示す。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】制御装置およびインバータとともに示す電気モータである。
図2】ピストンポンプの一部である。
図3】電気モータを作動させる方法である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、モータ巻線2と、端面側に永久磁石4が配置されたロータシャフト3とを有する電気モータ1を示している。電気モータ1は、電子整流式ないしブラシレス式の電気モータである。電気モータ1の制御は、通常、出力要求に依存してロータシャフト3についての目標回転数nSollと目標回転方向をもって行われる。電気モータ1を制御するために、本例では永久磁石4の磁場5のアライメントが、これに対してアライメントされたセンサ6によって検出されて、そこからロータシャフト3の実際角度位置φIstが判定される。制御装置7が、出力要求と角度位置φに依存してモータ巻線2に通電をするインバータ8を制御する。このとき通常のケースでは、角度位置φは実際角度位置φIstに相当する。
【0012】
図2は、ピストン10とばね部材11とを有するピストンポンプ9の一部を示している。ピストンポンプ9は、特に、ブレーキ設備のブレーキ回路で液圧を生成するために作動可能である。ピストンポンプ9のピストン10はカム12に当接する。カム12は電気モータ1のロータシャフト3と回転不能に結合されている。本例では、カム12は電気モータ1のロータシャフト3に直接取り付けられている。カム12は偏心ディスクとして構成されており、すなわち円形であり、偏心的にロータシャフト3に取り付けられている。しかしながら、カム12がロータシャフト3に直接取り付けられるのではなく、伝動装置を介してロータシャフト3と回転不能に結合されることも同様に可能である。ロータシャフト3は回転軸を中心として回転する。カム12により、ロータシャフト3の回転運動が、ピストンポンプ9のピストン10の並進運動ないし長手方向運動へと変換される。カム12は、ピストン10がカム12によって押圧力で付勢されて、この押圧力によりスライド可能に支承されたピストン10が長手方向へ変位するように、ピストン10に当接する。この変位は、ばね部材11および/またはブレーキ回路の圧力に抗して行われる。ピストン10が最大に変位した後、ロータシャフト3がさらに回転すると、ピストン10は再び当初の方向へ戻るように変位する。ばね部材11による初期応力に基づいて、ピストン10がカム12に圧着されるからである。
【0013】
次に図3を参照しながら、ピストンポンプ9の電気モータ1を作動させる好ましい方法について説明する。そのために図3は、この方法をフローチャートを用いて示している。特にこの方法により、ロックされた電気モータ1が認識され、電気モータ1の適切な制御によってピストン10の操作が再び可能となることが保証される。
【0014】
ステップS1で制御装置7が出力要求に依存して、特にブレーキ回路でのピストンポンプ9の特定の圧力または圧送容積を達成するために、ロータシャフト3についての目標回転数nSollと目標回転方向を判定する。それと同時に、センサ6がロータシャフト3の実際角度位置φIstを判定する。ステップS2で制御装置7が実際回転数nIstを判定し、これを目標回転数nSollと比較する。ステップS1およびS2は継続して実行される。
【0015】
実際回転数nIstと目標回転数nSollが等しい大きさであるとき、本方法はステップS5をもって続行される。しかし実際回転数nIstがゼロに等しく、目標回転数nSollがゼロに等しくないときには、電気モータ1がロックされている。その場合にはステップS3で、オフセットφOffsetが判定される。このオフセットφOffsetは、オフセットφOffsetがなければ行われたはずであるのとは別様に巻線2が通電されたためにロータシャフト3の回転方向が変更されるように選択される。すなわちオフセットφOffsetによってモータ巻線2は、このことが実際角度位置φIstのもとで、ロータシャフト3が一時的に反対方向に回転することにつながるように通電される。そのようにしてモータ巻線2は、変更された回転方向のトルクがロータシャフト3に取り付けられた永久磁石4によって生じるように通電される。このように、そのとき特に磁場5のアライメントから判定される実際角度位置φIstのもとで、オフセットφOffsetは、実際角度位置φIstとオフセットφOffsetとの合計としての角度位置φが、モータ巻線2の好ましい通電につながるように決定される。
【0016】
ステップS4で制御装置7は、角度位置φに依存してインバータ8を制御する。このとき角度位置φは設定された持続時間tのあいだ、実際角度位置φIstとオフセットφOffsetとの合計に相当する。モータ巻線2は出力要求に即して通電され、それにより、電気モータ1のロータシャフト3は目標回転方向と反対向きに回転する。このとき設定される持続時間tは2から5ミリ秒の間である。設定される持続時間tが2から5ミリ秒の間のインターバルで規定されることで、電気モータ1が十分に長い持続時間にわたって制御され、それにより、ロータシャフト3が実際に当初の目標回転方向と反対向きに回転する。設定される持続時間tは、ロータシャフト3の回転数に依存して十分に短くなってもいるので、ロータシャフト3は特に1回転の特定の部分についてのみ、変更された目標回転方向へと回転する。ステップS5で、制御装置7は角度位置φに依存してインバータ8を制御する。このとき角度位置φは、実際角度位置φIstに相当する。モータ巻線2が出力要求に即して通電され、それにより、電気モータ1のロータシャフト3は目標回転方向へと目標回転数nSollで回転する。
【符号の説明】
【0017】
1 電気モータ
2 モータ巻線
3 ロータシャフト
7 制御装置
9 ピストンポンプ
10 ピストン
12 カム
Ist 実際回転数
Soll 目標回転数
t 持続時間
φ 角度位置
φIst 実際角度位置
φOffset オフセット
図1
図2
図3
【国際調査報告】