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特表2023-542186車両シート用のエアバッグ装置及びエアバッグ装置を備えた車両シート
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-05
(54)【発明の名称】車両シート用のエアバッグ装置及びエアバッグ装置を備えた車両シート
(51)【国際特許分類】
   B60R 21/2338 20110101AFI20230928BHJP
   B60R 21/207 20060101ALI20230928BHJP
【FI】
B60R21/2338
B60R21/207
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023518136
(86)(22)【出願日】2021-09-08
(85)【翻訳文提出日】2023-03-20
(86)【国際出願番号】 EP2021074630
(87)【国際公開番号】W WO2022063571
(87)【国際公開日】2022-03-31
(31)【優先権主張番号】102020125263.3
(32)【優先日】2020-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503358097
【氏名又は名称】オートリブ ディベロップメント エービー
(74)【代理人】
【識別番号】100124110
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 大介
(74)【代理人】
【識別番号】100120400
【弁理士】
【氏名又は名称】飛田 高介
(72)【発明者】
【氏名】シェーンヒェン、アーント
(72)【発明者】
【氏名】ヤブッシュ、ロナルド
(72)【発明者】
【氏名】ラングホフ、ハンス-イェルク
(72)【発明者】
【氏名】グレーサー、アント-クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】チルステア、アレクサンドル
(72)【発明者】
【氏名】エーラス、イェンス
【テーマコード(参考)】
3D054
【Fターム(参考)】
3D054AA02
3D054AA03
3D054AA07
3D054AA21
3D054CC11
3D054CC47
3D054DD07
3D054FF16
(57)【要約】

本発明は、車両シート用のエアバッグ装置に関し、エアバッグ装置は、
少なくとも1つのエアバッグモジュール(1)であって、少なくとも1つのエアバッグ(2)を含み、かつ車両シートの背もたれ(10)及び/又はシートクッション(11)に取り付けられるように設計されている少なくとも1つのエアバッグモジュール(1)と、エアバッグモジュール(1)のためのキャッチストラップ機構(3)であって、エアバッグ(2)に取り付けられた少なくとも1つのキャッチストラップ構成(4)を含み、車両シートに取り付けられるように設計されているキャッチストラップ機構(3)と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両シート用のエアバッグ装置であって、少なくとも1つのエアバッグ(2)を含み、かつ前記車両シートに取り付けられるように設計されている、少なくとも1つのエアバッグモジュール(1)と、
前記エアバッグ(2)に取り付けられた少なくとも1つのキャッチストラップ構成(4)を含み、かつ前記車両シートに取り付けられるように設計されている、前記エアバッグモジュール(1)のための少なくとも1つのキャッチストラップ機構(3)と、
を備え、前記キャッチストラップ機構(3)は、前記キャッチストラップ構成(4)のための引き締め装置(5)を備え、
前記引き締め装置(5)は、引き締め要素(6)であって、特に火工的に加速可能であり、かつ前記キャッチストラップ構成(4)に結合されており、それにより、前記引き締め装置(5)のトリガによって引き起こされる前記エアバッグ(2)の引き締めの経路が、前記引き締め要素(6)によってカバーされる経路の少なくとも1.5倍に相当する、ことを特徴とする、エアバッグ装置。
【請求項2】
前記キャッチストラップ構成(4)の、前記車両シートに締結可能な端部は、前記車両シートに移動不能に固定可能であり、前記引き締め要素(6)は、引き締めプロセス中に前記キャッチストラップ構成(4)に向かって移動可能である、請求項1に記載のエアバッグ装置。
【請求項3】
前記キャッチストラップ機構(3)は、前記キャッチストラップ構成(4)のための第1のガイド要素(7)を有し、前記第1のガイド要素(7)は、前記キャッチストラップ構成(4)が、前記第1のガイド要素(7)によって前記引き締め要素(6)と前記エアバッグ(2)との間で強制的に案内されるように構成されている、請求項1又は2に記載のエアバッグ装置。
【請求項4】
前記キャッチストラップ構成(4)の前記端部は、初期位置にある前記引き締め要素(6)に極めて隣接して前記車両シートに固定されることができ、前記第1のガイド要素(7)は、初期位置にある前記引き締め要素(6)に極めて隣接して配置されている、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアバッグ装置。
【請求項5】
前記引き締め装置(5)の引き締め要素(6)は、直線的に加速されることができ、特に、前記引き締め要素(6)が前記背もたれ(10)の特に側方フレームの方向に直線経路をカバーするように、前記車両シートの前記背もたれ(10)に取り付けられることができる、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアバッグ装置。
【請求項6】
前記引き締め装置(5)は、前記背もたれ(10)の後側に取り付けることができ、前記キャッチストラップ機構(3)は、前記キャッチストラップ構成(4)が、初期位置において、前記背もたれ(10)の前記後側から、前記背もたれ(10)の一方の側に配置された前記エアバッグモジュール(1)に向かって曲げられるように、前記背もたれ(10)の上側に取り付けられることができる第2のガイド要素(8)を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のエアバッグ装置。
【請求項7】
前記キャッチストラップ機構(3)の第2のガイド要素(8)は、前記キャッチストラップ構成(4)が、前記第2のガイド要素(8)によって、引き締め方向に移動可能であり、かつ前記引き締め方向と反対方向への移動は抑制又は阻止されるように設計されている、請求項1~6のいずれか一項に記載のエアバッグ装置。
【請求項8】
前記引き締め装置(5)はホルダ(9)を含み、前記ホルダ(9)によって、前記引き締め装置(5)は前記背もたれ(10)に締結することができ、前記ホルダ(9)は、設置状態において、上部フレーム支柱から前記背もたれ(10)の後側まで延びる、請求項1~7のいずれか一項に記載のエアバッグ装置。
【請求項9】
前記エアバッグ装置は2つのエアバッグモジュール(1)を備え、前記2つのエアバッグモジュール(1)は前記背もたれ(10)の反対側に配置可能であり、キャッチストラップ構成(3)は各エアバッグモジュール(1)に関連付けられている、請求項1~8のいずれか一項に記載のエアバッグ装置。
【請求項10】
背もたれ(10)と、
シートクッション(11)と、
請求項1~9のいずれか一項に記載のエアバッグ装置と、
を備える自動車用の車両シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両シート用のエアバッグ装置であって、少なくとも1つのエアバッグモジュールであって、少なくとも1つのエアバッグを含み、かつ車両シートの背もたれ及び/又はシートクッションに取り付けられるように設計されている、少なくとも1つのエアバッグモジュールと、エアバッグモジュールのためのキャッチストラップ機構であって、エアバッグに取り付けられた少なくとも1つのキャッチストラップ構成を含み、車両シートの背もたれ及び/又はシートクッションに取り付けられるように設計されている少なくとも1つのキャッチストラップ機構と、を備えるエアバッグ装置に関する。本発明はまた、背もたれと、シートクッションと、この種のエアバッグ装置とを備える、自動車用の車両シートに関する。
【0002】
このような車両シートは、例えば米国特許出願公開第2017/0259774 A1号から公知であり、この車両シートでは、背もたれの互いに反対側の側部のそれぞれにエアバッグモジュールが設けられており、そのエアバッグモジュールのエアバッグはキャッチストラップに接続されている。キャッチストラップは、トリガされると展開するエアバッグの展開動作を少なくとも部分的に予め決定し、エアバッグをその展開(膨張)状態において所定の位置に保持するために設けられている。しかしながら、キャッチストラップが固定長で車両シートに一旦結合された後は、キャッチストラップが展開プロセス及び展開状態のエアバッグの配置に対して動的に影響を及ぼすことは不可能である。
【0003】
したがって、本発明の目的は、従来技術に関して説明した欠点を解消し、特に、展開プロセス又は展開した状態のエアバッグの位置に影響を与えることが可能なエアバッグ装置及びそのようなエアバッグ装置を備える車両シートを明示することである。
【0004】
目的は、独立請求項の特徴を有するエアバッグ装置によって達成される。エアバッグ装置の有利な進歩が、従属請求項及び明細書に示されており、有利な進歩の個々の特徴は、技術的に合理的なやり方で互いに組み合わせることができる。
【0005】
目的は、特に、最初に述べた特徴を有するエアバッグ装置によって達成され、キャッチストラップ機構は、キャッチストラップ構成のための引き締め装置を備え、引き締め装置は、引き締め要素であって、特に火工的に加速可能であり、かつキャッチストラップ構成に結合されて、それにより、引き締め装置のトリガによって引き起こされるエアバッグの引き締めの経路が、引き締め要素によってカバーされる経路の少なくとも1.5倍に相当する、引き締め要素を含む。
【0006】
エアバッグモジュールは、特にハウジングを備えることができ、ハウジングの形状は、車両シートの背もたれ又はシートクッションに取り付けられるように設計される。インフレータもまた、ハウジング内又はハウジング上に配置することができ、このインフレータは、エアバッグに流体的に接続されており、トリガされるとインフレータによって生成されたガスによってエアバッグが展開されるようになっている。
【0007】
キャッチストラップ機構のキャッチストラップ構成は、好ましくは、(キャッチ)ストラップ又はケーブルなどの厳密に1つの布地要素からなるが、互いに接続された又はエアバッグに接続された複数の布地要素からなることもできる。各キャッチストラップ構成は、一方の端部によってエアバッグに接続され、他方の端部によって車両シート、特に背もたれ又はシートクッションに、特に動かないように取り付けられることができる。
【0008】
ここで、少なくとも1つのキャッチストラップ構成が引き締め装置に結合される。引き締め装置は、少なくとも1つの加速可能な引き締め要素を有し、引き締め要素は、例えば、電気機械的に又は火工的に加速されることができる。こうして、電気機械式又は火工式の駆動装置を作動させることによって、関連付けられたキャッチストラップ構成の引き締めプロセスをトリガすることができる。このような引き締めプロセスの間、特に、エアバッグに接続されており、エアバッグの展開中にエアバッグと共に移動するキャッチストラップ構成の端部が引き込まれ、その結果、展開プロセス又は展開されたエアバッグの位置が変更され得る。したがって、(引き締められたキャッチストラップ構成の場合に)エアバッグに接続されたキャッチストラップ構成の端部が引き締めプロセス中に(すなわち、引き締めの開始と終了との間に)引き込まれる経路の長さは、引き締め経路と呼ばれる。対照的に、引き締め要素によってカバーされる経路は、引き締めプロセス中に(すなわち、引き締めの開始と終了との間に)引き締め要素がカバーする経路の長さに相当する。キャッチストラップ構成は引き締め要素に連結されているので、引き締め要素の移動は、エアバッグに連結されたキャッチストラップ構成の端部の移動と同時に起きる。
【0009】
ここで、本発明は、引き締め経路が、引き締め要素によってカバーされる経路の少なくとも1.5倍、好ましくは少なくとも又は正確に2倍、特に好ましくは少なくとも又は正確に3倍、さらには少なくとも4倍又は正確に4倍に相当することを提案する。したがって、引き締め経路は引き締め要素によってカバーされる経路よりも著しく長いので、引き締め要素の、特に直線移動のための空間はエアバッグの引き締め経路よりも小さく、引き締め装置を大幅によりコンパクトに設計することができる。あるいは、引き締め要素によってカバーされる経路の長さを同じままとして、引き締め経路を増加させることができる。
【0010】
引き締め装置は、特に、引き締め装置を車両シートの背もたれに締結することができるホルダであって、設置状態において、背もたれの上部フレーム支柱から背もたれの後側まで延びるホルダを有することができる。特に火工式駆動装置を備えた引き締め要素だけでなく、引き締め装置のさらなる要素もホルダに締結することができる。特に、ホルダは、設置状態において車両シートに対して固定的なやり方で配置される、キャッチストラップ構成の端部のための締結具を既に備えることができる。したがって、本発明によるエアバッグ装置は、エアバッグモジュール及びホルダに締結されたキャッチストラップ機構に加えて、組み立て中に車両シートに容易に取り付けることができる2つのモジュールのみを備え、2つのモジュールはキャッチストラップ構成を介して互いに接続されている。
【0011】
一実施形態では、キャッチストラップ構成の、車両シートに締結可能な端部は、車両シートに移動不能に固定可能であり、引き締め要素は、引き締めプロセス中にキャッチストラップ構成に対して移動可能である。したがって、キャッチストラップ構成全体が引き締め要素によって移動されるのではなく、展開プロセスによって引き締められたキャッチストラップ構成が、少なくとも部分的に車両シート上の固定点に対して変位される。したがって、引き締め要素とエアバッグに取り付けられた端部との間での、キャッチストラップ構成の(強制された)案内に応じて、引き締め要素によってカバーされる経路の長さよりも大きな引き締め経路を作り出すことができる。この場合、(強制)ガイドの配置によってキャッチストラップ構成のプーリ状の構成を形成することができ、その結果、引き締め経路が引き締め要素によってカバーされる経路よりも長くなる。この場合、引き締め要素の移動は、特に、初期位置にあるキャッチストラップ構成のある部分に対して横方向に起きる。この場合、引き締め要素は、キャッチストラップ構成の1つ、2つ、又はそれ以上の部分に同時に作用することができる。
【0012】
したがって、引き締め要素は、引き締め動作中にキャッチストラップ構成に作用し、駆動装置によって駆動される要素であり、引き締め要素は、引き締め装置の駆動装置がトリガされることにより、キャッチストラップ構成が延びる方向に対し特に横方向に加速される。引き締め要素は、例えば、キャッチストラップ構成が案内されるアイレットを含むことができる。
【0013】
キャッチストラップ機構は、キャッチストラップ構成のための第1のガイド要素を有することができ、第1のガイド要素は、キャッチストラップ構成が第1のガイド要素によって引き締め要素とエアバッグとの間で強制的に案内されるような方法で、特にホルダ上に配置される。
【0014】
これに関連して、特に、一方では、キャッチストラップ構成の端部は、車両シート上で、初期位置にある(具体的にはホルダに固定された)引き締め要素に極めて隣接して(すなわち、具体的には5cm未満、さらには2cm未満以内で)固定することができ、他方では、第1のガイド要素も同様に、初期位置にある引き締め要素に極めて隣接して(特に5cm以内、好ましくは2cm以内で)配置される。したがって、キャッチストラップ構成の固定された端部と第1のガイド要素とは、好ましくは互いに最大で10cm、特に好ましくは最大で5cm離れており、引き締め経路は、引き締め要素が固定された端部と第1のガイド要素との間に配置されるときに引き締め要素によってカバーされる経路のほぼ2倍に相当する。
【0015】
一実施形態では、引き締め装置の引き締め要素は直線的に加速することができ、引き締め装置は、好ましくは、引き締め要素が引き締め動作中に背もたれの具体的には側方フレームの方向に直線経路をカバーするような方法で、具体的にはホルダを介して車両シートの背もたれに取り付け可能である又は取り付けられている。予期せぬ故障が発生し、意図された引き締め動作の後に引き締め要素を停止させることができない場合、引き締め要素はフレームに衝突し、したがってそれ以上の損傷を与えない。
【0016】
したがって、引き締め要素は、好ましくは、初期位置と引き締めプロセスの終了時の位置との間で直線移動を行う。
【0017】
特にこれに関連して、引き締め装置は背もたれの後側に取り付けることができ、キャッチストラップ機構は、キャッチストラップ構成のための第2のガイド要素を備え、キャッチストラップ構成は、初期位置において、背もたれの後側から背もたれの一方の側に配置されたエアバッグモジュールに向かって曲げられるように、特にホルダによって背もたれの上側に取り付けられることができる。したがって、この実施形態では、キャッチストラップ構成は、特に、背もたれの後側に配置されたその固定された端部から、引き締め要素に沿って、第1のガイド要素を介して、第2のガイド要素を介して、次いで背もたれの上側で、背もたれの側部のエアバッグモジュールまで延びる。キャッチストラップ構成の強制案内は、エアバッグの展開中にも予め決定され、それによって、第2のガイド要素とキャッチストラップ構成のエアバッグに締結された端部との間の部分の向きが展開中に変化し、張力付与プロセスは、第2のガイド要素とキャッチストラップ構成のエアバッグに締結された端部との間の部分の長さを減少させる。
【0018】
キャッチストラップ機構の第2のガイド要素は、特に、その表面構造の実施形態がキャッチストラップ構成と接触することによって、キャッチストラップ構成は第2のガイド要素によって引き締め方向に移動可能であり、かつ引き締め方向と反対の方向への移動は抑制又は阻止されるような方法で設計することができる。したがって、引き締めプロセスの終了時において、引き締め位置は、引き締め要素によってだけでなく、第2のガイド要素によっても維持される。この場合、第2のガイド要素は、キャッチストラップ構成(特にケーブル)のための一種のチャネルを形成することができ、チャネルを画定する表面構造は、キャッチストラップ構成がより大きな抵抗なしに一方向にのみ移動可能であるように設計されている。
【0019】
好ましい実施形態において、エアバッグ装置は、背もたれの2つの反対側の側部に配置することができる2つのエアバッグモジュールを備える。この場合、キャッチストラップ機構は各エアバッグモジュールに関連付けることができ、第2のキャッチストラップ機構の駆動装置、駆動される引き締め要素及びガイドもまた1つのホルダに締結されることができる。
【0020】
本発明及び技術的環境について、図を参照して例として以下に説明する。図は、概略的に以下のものを示す。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】車両シートの背面図である。
図2】車両シートの後側の斜視図である。
図3】引き締めプロセス前の展開されたエアバッグを有する斜視図である。
図4】引き締めプロセス後の斜視図である。
図5】引き締めプロセス後の背面図である。
図6】引き締めプロセス前の展開されたエアバッグを有する、乗員を伴う前方からの斜視図である。
図7】引き締めプロセス後の図6による図である。
図8】ガイド要素の詳細図である。
図9】1つのエアバッグモジュールのみを有する車両シートの実施形態を示す。
【0022】
図1図8に示すエアバッグ装置は、車両シートの背もたれ10に締結されている。エアバッグ装置は、車両シートの背もたれ10の側方フレームの外側に配置された2つのエアバッグモジュール1を備える。エアバッグモジュール1のハウジング内には、それぞれの場合に、折り畳まれた状態のエアバッグ2が配置されている。
【0023】
エアバッグ装置はまた、2つのキャッチストラップ機構3を備え、各キャッチストラップ機構3は、ケーブルとして設計されたキャッチストラップ構成4を含む。キャッチストラップ構成4は、それぞれの場合に、一方の端部によってエアバッグ2に、他方の端部によってホルダ9に締結されている。キャッチストラップ構成は、ホルダ9上の固定された締結部から、すべてホルダ9上に配置されている引き締め要素6、第1の案内要素7、及び第2の案内要素8によって案内される。引き締め要素6は、火工式駆動装置12に接続されている。引き締め要素6は、火工式駆動装置12によって、背もたれ10の側方フレームの方向に直線的に加速され得る。
【0024】
図3及び図6は、関連付けられたインフレータが点火された後に呈するエアバッグ2の展開状態を示す。この状態では、エアバッグ2は乗員の肩部の前方に配置されている。図4図5及び図7から具体的に分かるように、関連付けられた引き締め要素6は、火工式駆動装置12をトリガすることによって加速されることができ、その結果、関連付けられたエアバッグ2に接続されたキャッチストラップ構成4の端部は、背もたれ10の方向に、したがって乗員の肩上に引っ張られる。この場合、キャッチストラップ構成4は、第1のガイド要素7及び第2のガイド要素8を通して引っ張られ、一方、キャッチストラップ構成4の他の端部は、ホルダ9上に固定的なやり方で保持される。キャッチストラップ構成4をこのように案内することにより、エアバッグ2によってカバーされる引き締め経路は、引き締め要素6によってカバーされる経路よりも大きい。
【0025】
図8から分かるように、キャッチストラップ構成4と接触する表面構造(複数のリブが斜めに並んで配置されている)のために、第2のガイド装置8は、キャッチストラップ構成4の反対方向への移動は抑制又は阻止される一方で、キャッチストラップ構成4が第2のガイド要素8によって引き締め方向に移動することができるように設計されている。
【0026】
図9は、1つだけのエアバッグモジュール1と、したがって1つだけのキャッチストラップ機構3とを備えるエアバッグ装置の実施形態を示す。トリガされると、関連付けられたエアバッグ2は、乗員の胸部の前で展開し、キャッチストラップ構成4によって乗員に向かって移動することができる。
【符号の説明】
【0027】
1 エアバックモジュール
2 エアバッグ
3 キャッチストラップ機構
4 キャッチストラップ構成
5 引き締め装置
6 引き締め要素
7 第1のガイド要素
8 第2のガイド要素
9 ホルダ
10 背もたれ
11 シートクッション
12 火工式駆動装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】