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特表2023-542202レイングコイルの冷却均一性を向上させる冷却ローラーテーブル及び使用方法
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  • 特表-レイングコイルの冷却均一性を向上させる冷却ローラーテーブル及び使用方法 図1
  • 特表-レイングコイルの冷却均一性を向上させる冷却ローラーテーブル及び使用方法 図2
  • 特表-レイングコイルの冷却均一性を向上させる冷却ローラーテーブル及び使用方法 図3
  • 特表-レイングコイルの冷却均一性を向上させる冷却ローラーテーブル及び使用方法 図4
  • 特表-レイングコイルの冷却均一性を向上させる冷却ローラーテーブル及び使用方法 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-05
(54)【発明の名称】レイングコイルの冷却均一性を向上させる冷却ローラーテーブル及び使用方法
(51)【国際特許分類】
   B21B 45/02 20060101AFI20230928BHJP
   B21B 39/00 20060101ALI20230928BHJP
   B21B 39/14 20060101ALI20230928BHJP
   B21B 39/12 20060101ALI20230928BHJP
【FI】
B21B45/02 320M
B21B39/00 B
B21B39/14 B
B21B39/00 F
B21B39/12 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023518333
(86)(22)【出願日】2021-08-03
(85)【翻訳文提出日】2023-03-21
(86)【国際出願番号】 CN2021110165
(87)【国際公開番号】W WO2022227325
(87)【国際公開日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】202110466469.4
(32)【優先日】2021-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523025469
【氏名又は名称】中天鋼鉄集団有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】523025296
【氏名又は名称】常州中天特鋼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100207561
【弁理士】
【氏名又は名称】柳元 八大
(72)【発明者】
【氏名】康 永林
(72)【発明者】
【氏名】王 礼銀
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲テイ▼
(72)【発明者】
【氏名】万 文華
(72)【発明者】
【氏名】左 錦中
(72)【発明者】
【氏名】楊 科大
(57)【要約】
本発明によれば、ローラーテーブル本体(1)と、交互して配置されるようにローラーテーブル本体(1)の両側に取り付けられる複数の案内機構(2)と、を含み、前記ローラーテーブル本体(1)は、コイル(3)を輸送するために用いられ、前記案内機構(2)は、コイル(3)の接合点(31)が均等に分布されるようにコイル(3)の動作軌跡を変更するために用いられるレイングコイルの冷却均一性を向上させる冷却ローラーテーブル及び使用方法が開示される。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローラーテーブル本体(1)と、交互して配置されるようにローラーテーブル本体(1)の両側に取り付けられる複数の案内機構(2)と、を含み、前記ローラーテーブル本体(1)は、コイル(3)を輸送するために用いられ、前記案内機構(2)は、コイル(3)の接合点(31)が均等に分布されるようにコイル(3)の動作軌跡を変更するために用いられる、
ことを特徴とするレイングコイルの冷却均一性を向上させる冷却ローラーテーブル。
【請求項2】
前記案内機構(2)は、固定座(23)と、位置が調整可能に固定座(23)に取り付けられる案内滑車(26)とを含み、前記案内滑車(26)の位置調整方向は、ローラーテーブル本体(1)の搬送方向と交差する、
ことを特徴とする請求項1に記載のレイングコイルの冷却均一性を向上させる冷却ローラーテーブル。
【請求項3】
前記固定座(23)には、ローラーテーブル本体(1)に架設されるホルダ(22)が固定して接続され、
前記ホルダ(22)には、ローラーテーブル本体(1)の外側に位置する台座(21)が固定して接続される、
ことを特徴とする請求項2に記載のレイングコイルの冷却均一性を向上させる冷却ローラーテーブル。
【請求項4】
前記固定座(23)には、案内滑車(26)が移動するための溝口(231)が形成され、
前記固定座(23)の頂面には、支持アーム(24)と二つの位置決め板(27)とが設けられ、
前記支持アーム(24)及び溝口(231)は、いずれも二つの位置決め板(27)の間に位置し、
前記位置決め板(27)には、ローラーテーブル本体(1)の中心線に向かって延在する調整孔(271)が形成され、
前記調整孔(271)には、軸部が支持アーム(24)と螺合する固定スクリュ(28)が設けられ、
前記支持アーム(24)の底面には、車軸(25)が設けられ、前記案内滑車(26)と、前記車軸(25)とは、回転可能に接続されるとともに軸方向に固定されている、
ことを特徴とする請求項2に記載のレイングコイルの冷却均一性を向上させる冷却ローラーテーブル。
【請求項5】
前記固定座(23)の両側には、案内板(29)が設けられている、
ことを特徴とする請求項2に記載のレイングコイルの冷却均一性を向上させる冷却ローラーテーブル。
【請求項6】
請求項2~5のいずれか1項に記載の冷却ローラーテーブルの使用方法であって、
案内滑車(26)がコイル(3)と接触することによりコイル(3)の動作軌跡が変化し、最終的にS字型の動作軌跡をなし、コイル(3)の積み重ねられた接合点(31)が整然とずれるように、コイル(3)の圧延仕様に基づいて、ローラーテーブル本体(1)の同じ側における隣接する二つの案内滑車(26)間の距離又は/及び案内滑車(26)がローラーテーブル本体(1)の中心に向かって延出する長さを調整するステップを含む、
ことを特徴とする冷却ローラーテーブルの使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、線材生産設備の技術分野に関し、特にレイングコイルの冷却均一性を向上させる冷却ローラーテーブル及び使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高速線材生産プロセスにおいて、鋼材の複合性能を向上させることが極めて重要である。鋼中の組織を均一にし、その成分の偏析を改善する方法は多くあり、主に製鋼プロセスにおける鋼の凝固構造の制御、冷却速度の制御及び合金元素の調整などを含む。鋼圧延プロセスには、加熱制度及び制御冷却工程が含まれる。制御冷却工程は、主に異なる鋼種の「C」曲線又は「CCT」曲線に基づいて制定され、電機電力及びOptiflexにより、それぞれローラーテーブル本体の動作速度を制御し、領域に異なる風量を割り当てる。図5に示すように、現在のステルモア空冷工程では、コイルは、空冷ローラーテーブル本体において連続円状に分布されており、両側の接合点の積み重ね厚さが大きく、中間の積み重ね厚さが薄く、積み重ね円全体の積厚が一致せず、辺縁接合点位置の温度波動が大きくなり、接合点の熱ムラを引き起こすだけではなく、線材完成品の同輪性能にも影響することになる。
【発明の概要】
【0003】
本発明が解決すべき技術的問題は、従来技術においてコイルがローラーテーブル本体において連続円状に分布されており、両側の接合点の積み重ね厚さが大きく、中間の積み重ね厚みが薄くなり、接合点の熱ムラを引き起こし、完成品コイルの性能が低下するという問題を克服するために、レイングコイルの冷却均一性を向上させる冷却ローラーテーブル及び使用方法を提供することである。
【0004】
本発明でその技術的問題を解決するために採用される技術的手段は、ローラーテーブル本体と、交互して配置されるようにローラーテーブル本体の両側に取り付けられる複数の案内機構と、を含み、前記ローラーテーブル本体は、コイルを輸送するために用いられ、前記案内機構は、コイルの接合点が均等に分布されるようにコイルの動作軌跡を変更するために用いられるレイングコイルの冷却均一性を向上させる冷却ローラーテーブルである。ローラーテーブル本体の案内機構の設計により、線材の動作軌跡を変更することができ、積み重ねが厚い接合点位置を整然とずらし、冷却不均一性を低減させ、線材の組織構造を改善し、空冷ローラーテーブル本体の辺縁接合点位置の温度波動が理想的な効果を奏するようにし、コイルの同輪性能差を低減させ、線材の巻き性能の均一化を実現することが可能となる。
【0005】
案内機構の生産、取付及び案内滑車による異なるサイズのコイル調整の案内という問題を解決するために、前記案内機構は、固定座と、位置が調整可能に固定座に取り付けられる案内滑車とを含み、前記案内滑車の位置調整方向は、ローラーテーブル本体の搬送方向と交差することをさらに含む。前記固定座は、位置が調整可能にローラーテーブル本体に取り付けられ、前記固定座の調整方向とローラーテーブル本体の搬送方向とが平行であり、位置が調整可能な案内滑車及び固定座により、異なる仕様のコイルの動作軌跡を変更し、使用範囲を増加させることができる。
【0006】
固定座の調整と取付の問題を解決するために、前記固定座には、ローラーテーブル本体に架設されるホルダが固定して接続され、前記ホルダには、ローラーテーブル本体の外側に位置する台座が固定して接続されることをさらに含む。台座は、カウンタウェイトを増加させる役割を果たし、案内機構が架設された後の安定性が向上する。
【0007】
案内滑車の調整と取付の問題を解決するために、前記固定座には、案内滑車が移動するための溝口が形成され、前記固定座の頂面には、支持アームと二つの位置決め板とが設けられ、前記支持アーム及び溝口は、いずれも二つの位置決め板の間に位置し、前記位置決め板には、ローラーテーブル本体の中心線に向かって延在する調整孔が形成され、前記調整孔には、軸部が支持アームと螺合する固定スクリュが設けられ、前記支持アームの底面には、車軸が設けられ、前記案内滑車と、前記車軸とは、回転可能に接続されるとともに軸方向に固定されていることをさらに含む。固定座の溝口、支持アーム及び位置決め板の調整孔の設計により、案内滑車が縦方向に移動してコイルのサイズに基づいて両側の案内滑車間の距離を調整可能になる。
【0008】
案内滑車とローラーテーブル本体との間の隙間へのコイル線材の入り込みという問題を解決するために、前記固定座の両側には、案内板が設けられていることをさらに含む。両側に追加して取り付けられる案内板は、案内滑車とローラーテーブル本体の内側との隙間への線材の頭尾の入り込み並びに逆挿入の発生及び大量クロールの発生などの生産事故を効果的に回避することができる。
【0009】
案内機構の取付と使用の問題を解決するために、この方法は、案内滑車がコイルと接触することによりコイルの動作軌跡が変化し、最終的にS字型の動作軌跡をなし、コイルの積み重ねられた接合点が整然とずれるように、コイルの圧延仕様に基づいて、ローラーテーブル本体の同じ側における隣接する二つの案内滑車間の距離又は/及び案内滑車がローラーテーブル本体の中心に向かって延出する長さを調整するステップを含むことをさらに含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るレイングコイルの冷却均一性を向上させる冷却ローラーテーブル及び使用方法によれば、ローラーテーブル本体の案内機構の設計により、線材の動作軌跡を変更することができ、積み重ねが厚い接合点位置を整然とずらし、冷却不均一性を低減させ、線材の組織構造を改善することができる。
【0011】
空冷ローラーテーブル本体の辺縁接合点位置の温度波動が理想的な効果を奏するようにし、コイルの同輪性能差を低減させ、線材の同輪性能の均一化を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
以下、図面及び実施例を参照しながら本発明についてさらに説明する。
【0013】
図1】本発明の構造を示す概略図である。
図2】本発明の案内機構の拡大構造を示す概略図である。
図3】本発明の案内機構の側面視構造を示す概略図である。
図4】本発明の案内機構の前面視構造を示す概略図である。
図5】コイルの元の状態の輸送構造を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
現在、図面を参照しながら本発明についてさらに詳細に説明する。これらの図面は、いずれも簡略化された概略図であり、概略的な形態のみで本発明の基本的な構造について説明するため、本発明に関連する構成のみを示している。
【0015】
図1は、本発明の構造を示す概略図である。レイングコイルの冷却均一性を向上させる冷却ローラーテーブルは、ローラーテーブル本体1と、交互して配置されるようにローラーテーブル本体1の両側に取り付けられる複数の案内機構2と、を含み、前記ローラーテーブル本体1は、コイル3を輸送するために用いられ、前記案内機構2は、コイル3の接合点31が均等に分布されるようにコイル3の動作軌跡を変更するために用いられる。ローラーテーブル本体1の案内機構2の設計により、線材の動作軌跡を変更することができ、積み重ねが厚い接合点位置を整然とずらし、冷却不均一性を低減させ、線材の組織構造を改善し、空冷ローラーテーブル本体1の辺縁接合点位置の温度波動が理想的な効果を奏するようにし、コイル3の同輪性能差を低減させ、線材の巻き性能の均一化を実現することが可能となる。
【0016】
図2に示すように、前記案内機構2は、固定座23と、位置が調整可能に固定座23に取り付けられる案内滑車26とを含み、前記案内滑車26の位置調整方向は、ローラーテーブル本体1の搬送方向と交差する。前記固定座23は、位置が調整可能にローラーテーブル本体1に取り付けられ、前記固定座23の調整方向とローラーテーブル本体1の搬送方向とが平行であり、位置が調整可能な案内滑車26及び固定座23により、異なる仕様のコイル3の動作軌跡を変更し、使用範囲を増加させることができる。
【0017】
取付時には、案内滑車26は、尾端がローラーテーブル本体1内のローラ間に挿通され、案内機構2がずれないようにリミット固定の役割を果たすことになる。
【0018】
図3に示すように、前記固定座23には、ローラーテーブル本体1に架設されるホルダ22が固定して接続され、前記ホルダ22には、ローラーテーブル本体1の外側に位置する台座21が固定して接続される。台座21は、カウンタウェイトを増加させる役割を果たし、案内機構2が架設された後の安定性が向上する。
【0019】
図2図3及び図4に示すように、前記固定座23には、案内滑車26が移動するための溝口231が開設され、前記固定座23の頂面には、支持アーム24と二つの位置決め板27とが設けられ、前記支持アーム24及び溝口231は、いずれも二つの位置決め板27の間に位置し、前記位置決め板27には、ローラーテーブル本体1の中心線に向かって延在する調整孔271が開設され、前記調整孔271には、軸部が支持アーム24と螺合する固定スクリュ28が設けられ、前記支持アーム24の底面には、車軸25が設けられ、前記案内滑車26と、前記車軸25とは、回転可能に接続されるとともに軸方向に固定されている。固定座23の溝口231、支持アーム24及び位置決め板27の調整孔271の設計により、案内滑車26が縦方向に移動してコイルのサイズに基づいて両側の案内滑車26間の距離を調整可能になる。
【0020】
図2及び図4に示すように、前記固定座23の両側には、案内板29が設けられている。案内板29は、溶接により固定され、案内滑車26とローラーテーブル本体1の内側との隙間への線材の頭尾の入り込み並びに逆挿入の発生及び大量クロールの発生などの生産事故を効果的に回避することができる。
【0021】
冷却ローラーテーブルの使用方法において、この方法は、案内滑車26がコイル3と接触することによりコイル3の動作軌跡が変化し、最終的にS字型の動作軌跡をなし、コイル3の積み重ねられた接合点31が整然とずれるように、コイル3の圧延仕様に基づいて、ローラーテーブル本体1の同じ側における隣接する二つの案内滑車26間の距離又は/及び案内滑車26がローラーテーブル本体1の中心に向かって延出する長さを調整するステップを含む。分布距離は2~4メートルである。
【0022】
高速線材冷却ローラーテーブルの両側に案内滑車を追加して取り付けることにより、レイングコイル3の動作軌跡を変更し、冷却ローラーテーブルから搬送される積み重ねコイル3の接合点位置を整然とずらし、冷却速度を均一にし、冷却が均一になるように高速線材コイル3の高低温度点の温度差を低減させ、ひいては高速線材全長の組織性能が均一になるように保証する。
【0023】
本発明に基づく上記理想の実施例を示唆として、上記の説明内容を通して、当業者は、本件発明の技術的思想の範囲から逸脱することなく様々な変更及び修正を行うことができる。本件発明の技術的範囲は、明細書の内容に限定されるものではなく、特許請求の範囲に従ってその技術的な範囲を特定する必要がある。
【符号の説明】
【0024】
1、ローラーテーブル本体
2、案内機構
21、台座
22、ホルダ
23、固定座
231、溝口
24、支持アーム
25、車軸
26、案内滑車
27、位置決め板
271、調整孔
28、固定スクリュ
29、案内板
3、コイル
31、接合点
32、非接合点
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】