(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-05
(54)【発明の名称】測定対象物位置に位置決めされた測定対象物に指向性照明を提供するための集光ユニット、画像化装置、及び画像化装置を使用して測定フィールド内の少なくとも1つの測定対象物のシルエット輪郭を記録する方法、並びに減衰素子の使用
(51)【国際特許分類】
G01B 11/24 20060101AFI20230928BHJP
【FI】
G01B11/24 K
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023526125
(86)(22)【出願日】2021-10-26
(85)【翻訳文提出日】2023-05-08
(86)【国際出願番号】 EP2021079681
(87)【国際公開番号】W WO2022090227
(87)【国際公開日】2022-05-05
(31)【優先権主張番号】102020128394.6
(32)【優先日】2020-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513155138
【氏名又は名称】イェノプティック オプティカル システムズ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100149249
【氏名又は名称】田中 達也
(72)【発明者】
【氏名】アンドレイ チェルヌーク
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ゴットシャル
(72)【発明者】
【氏名】フランク リヒター
(72)【発明者】
【氏名】ラルフ ハンバッハ
(72)【発明者】
【氏名】アンドレ ダテ
【テーマコード(参考)】
2F065
【Fターム(参考)】
2F065AA52
2F065DD02
2F065DD09
2F065FF01
2F065FF02
2F065FF04
2F065GG04
2F065GG07
2F065LL02
2F065LL04
2F065LL21
2F065LL30
(57)【要約】
本発明は、測定対象物位置(001)に位置決めされた測定対象物(110)の指向性照明を提供するための集光ユニット(100)に関し、前記集光ユニット(100)は、光束ビーム(105)を発するための光源(120)、及び正の屈折力を有する光学素子(125)を備える。集光ユニット(100)は、さらに、光源(120)及び光学素子(125)と共通の光軸(130)に配置された少なくとも1つの減衰素子(300)であって、減衰素子(300)に対する光束(105)の入射に対して場所依存性の光強度減衰効果を有し、特に、光強度減衰効果は光軸(130)から減衰素子(300)の縁部に向かって減少する、少なくとも1つの減衰素子(300)を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象物位置(001)に位置決めされた測定対象物(110)の指向性照明を提供するための集光ユニット(100)であって、以下の特徴:
- 光束(105)を発するための少なくとも1つの光源(120)、
- 正の屈折力を有する光学素子(125)、及び
- 前記光源(120)及び前記光学素子(125)と共通の光軸(130)に配置された少なくとも1つの減衰素子(300)であって、前記減衰素子(300)を通る前記光束(105)の入射に対して場所依存性の光強度減衰効果を有し、特に、前記光強度減衰効果は前記光軸(130)から前記減衰素子(300)の縁部に向かって減少する、少なくとも1つの減衰素子(300)、
を含む、集光ユニット(100)。
【請求項2】
前記減衰素子(300)が板状にされ、及び/又は、前記減衰素子(300)が、前記光学素子(125)の、前記光源(120)に向く又は前記光源(120)から離れる方を向く側に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の集光ユニット(100)。
【請求項3】
前記光軸(130)に配置された第2の減衰素子(300)によって特徴付けられ、前記第2の減衰素子(300)は、前記第2の減衰素子(300)を通る前記光束(105)の入射に対して場所依存性の光強度減衰効果を有し、特に、前記第2の減衰素子(300)は板状にされ、及び/又は、前記第2の減衰素子(300)の光強度減衰効果は、前記光軸(130)から前記第2の減衰素子の縁部に向かって減少し、及び/又は、前記減衰素子(300)は、前記光源(120)と前記光学素子(125)との間の前記光路(130)に配置され、前記光学素子(125)は、前記光源(120)と前記第2の減衰素子(300)との間に配置される、請求項1又は2に記載の集光ユニット(100)。
【請求項4】
前記光学素子(125)がフレネルレンズとして形成されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の集光ユニット(100)。
【請求項5】
前記減衰素子(300)が前記光学素子(125)の光入射表面又は光出射表面に配置されることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の集光ユニット(100)。
【請求項6】
前記光学素子(125)の構造高さと前記光学素子(125)の開口孔の比が1未満、特に0.5未満であることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の集光ユニット(100)。
【請求項7】
少なくとも前記減衰素子(300)が、勾配フィルタ、吸収及び/又は反射バイナリフィルタ、周期的又はランダムに分布した散乱要素を有する散乱フィルタ、回折又はホログラフィック光学素子(125)及び/又は部分反射器として設計されることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の集光ユニット(100)。
【請求項8】
前記光源(120)が、少なくとも1つのLED光源(120)、ファイバ、散乱又は変換光源として設計されること、及び/又は、前記光源(120)が、前記光学素子(125)の焦点距離fの5分の1未満である拡張部を有することを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の集光ユニット(100)。
【請求項9】
前記集光ユニット(100)及び/又は前記光学素子(125)の開口を制限するために拡散器、回折素子及び/又は干渉フィルタが前記光軸(130)に設けられることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の集光ユニット(100)。
【請求項10】
視野(440)において測定対象物位置(001)に位置決め可能である及び/又は位置決めされる測定対象物(110)を光学的に測定するための画像化装置(10)であって、以下の特徴:
- 前記測定対象物(110)を照らすための、請求項1~9のいずれか一項に記載の集光ユニット(100)、
- 画像化光学ユニット(400、410、420)、及び
- イメージセンサ(430)であって、前記画像化光学ユニット(400、410、420)は前記測定対象物(110)を前記イメージセンサ(430)上で画像化するように設計され、少なくとも前記減衰素子(300)は、前記イメージセンサ(430)上の前記視野(440)に割り当てられたイメージ野(450)を均質に照らすように設計されているイメージセンサ(430)、
を含む、画像化装置(10)。
【請求項11】
請求項10に記載された画像化装置を使用して測定位置(001)内の少なくとも1つの測定対象物(110)のシルエット輪郭を記録する方法(1000)であって、以下のステップ:
- 前記集光ユニット(100)を使用して照明光束を生成し(1010)、前記照明光束を使用して前記測定対象物(110)を照らすステップ、
- 画像化光学ユニットによって、前記測定対象物(110)のシルエットをイメージセンサ(430)上に画像化するステップ(1020)、及び
- 前記イメージセンサ(430)を使用して前記測定対象物(110)のシルエット輪郭を記録するステップ(1030)、
を含む方法(1000)。
【請求項12】
前記画像化ステップ(1020)において、前記測定対象物(110)のシルエットが、前記イメージセンサ(430)上で、対象物側でテレセントリックに、及び/又は画像側でテレセントリックに画像化されることを特徴とする、請求項11に記載の方法(1000)。
【請求項13】
画像化装置(10)のイメージセンサ(430)上のイメージ野(450)の照明を均質化するために、減衰素子(300)を通過する光束(105)の入射に対して場所依存性の光強度減衰効果を有する前記減衰素子(300)の使用であって、前記画像化装置(10)が、
o 前記イメージ野(450)に関連する視野(440)内の測定対象物位置(001)に位置決めされた測定対象物(110)の平行照明を提供するための集光ユニット(100)、
o 画像化光学ユニット(400、410、420)、及び
o 前記画像化光学ユニット(400、410、420)のイメージ平面内に配置された前記イメージセンサ(430)、
を備える、使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定対象物位置に位置決めされた測定対象物に指向性照明を提供するための集光ユニット、画像化装置、及び主請求項による画像化装置を使用して測定フィールド内の少なくとも1つの測定対象物のシルエット輪郭を記録する方法、並びに減衰素子を通る光束入射に対する場所依存性光強度減衰効果を有する減衰素子の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
測定対象物を光学的に測定可能とするために、特に、角度分布の点で測定対物レンズに適合した照明、効率的な照明、すなわち高輝度の照明、及びこの測定対象物の均質な照明が重要な役割を果たす。この測定対象物を最適に照らすために、集光ユニットが用いられることが多いが、この集光ユニットは複数の部品から構成されており、特にテレセントリックシステム用の照明では、光の方向に長い構造形態を必要とし、多くの調整と材料支出が必要となる。一方、既存のフラットエミッタは、コンパクトな構造形態を提供するが、例えば、シルエット輪郭法における精密測定に必要な許容開口数(NA)が厳しく制限された検出システム(典型的なシステムはNA<0.1)に対して高い効率を維持しながら低いNAを有する強力な指向性の照明を達成しない。米国特許第6 283 599 B1号明細書からは、調整可能で均一な明るさを持つプロジェクタが知られている。その欠点は、使用される反射器とレンズの組み合わせによって要求される長い構造長さ、及び多数の必要とされる光学素子である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
このような背景から、ここで提示されるアプローチは、測定対象物位置に位置決めされた測定対象物に指向性照明を提供するための改良された集光ユニットを提供する。また、改良された画像化装置と、画像化装置を使用して測定フィールド内の少なくとも1つの測定対象物のシルエット輪郭を記録するための改良された方法を提示する。
【0004】
本明細書に提示されたアプローチは、測定対象物位置に位置決めされた測定対象物の指向性照明を提供するための集光ユニットであって、以下の特徴:
- 光束を発するための少なくとも1つの光源;
- 正の屈折力を有する光学素子;及び
- 光源及び光学素子と共通の光軸に配置された少なくとも1つの減衰素子であって、減衰素子を通る光束入射に対して場所依存性の光強度減衰効果を有し、特に、光強度減衰効果は光軸から減衰素子の縁部に向かって減少する、少なくとも1つの減衰素子、
を含む集光ユニットを創出する。
【0005】
光学素子は、光束が光学素子を出た後、光学素子を通る光ビーム入射の方向を変えるように設計された素子として理解することができる。例えば、レンズ、プリズム又は同様のものを光学素子として理解することができる。減衰素子は、減衰素子を通過する光束入射の強度が低減される素子として理解することができる。したがって減衰素子はダンピング素子として機能する。特に、減衰素子は、ここでは、光束が減衰素子を通過する第1の位置における光束の強度が、第2の位置において減衰素子を通過する光束の強度と異なる程度まで低減されるように設計されている。減衰素子は、異なる地点で減衰素子に入射する光ビームの強度を異なる程度に低減するようにも設計されている。この場合、具体的には、減衰素子の縁部領域における減衰効果は、例えば、光軸上に位置し得る減衰素子の中心部により近い領域における減衰効果よりも低く設定される。したがって、縁部領域で減衰素子に入射する光ビームの強度は、中央領域で減衰素子を通過する光ビームの強度よりも低減されない。
【0006】
本明細書に提示されたアプローチは、減衰素子を使用することにより、光学素子の異なる領域による光束の場所依存性のダンピング効果を補償できるという発見に基づいている。これは、例えば、この光学素子の異なる位置で光学素子を通過することによって生じる自然なケラレに起因して光束の強度の損失が異なる場合に特に有利である。高い効率と小さな設置スペースは、光源の高い開口数NA光源を必要とし、ここでレンズの開口の放射照度は、自然なケラレに起因して縁部に向かって強く減少するので、平行化された光束の強度は個々の領域で均質ではなく、したがって、測定対象物位置に位置決めされた測定対象物の均質な照明のために使用できないであろう。対照的に、現在提案されている減衰素子を使用することにより、技術的に非常に簡単な方法で、光学素子を通過する際にあまり強く低減されなかった領域において、光束の強度をより強く低減させることができる。このようにして、測定対象物を照らすための良好な均質な照明特性に加えて、(フラットライトの既存の実装とは対照的に)高い効率と、必要な設置スペースに対する低い場所要件のみを有する集光ユニットを非常に有利に実装することができる。
【0007】
本明細書に提示されたアプローチの有利な一実施形態によれば、減衰素子は板状にされてもよく、及び/又は、減衰素子は、光学素子の、光源に向く又は光源から離れる方を向く側に配置されてもよい。板状の減衰素子を使用することにより、技術的に簡単で安価な光学部品を使用して、そのような減衰素子を実装することができる。光源に向く側に減衰素子を配置することで、空間的に小さな素子を減衰素子として使用できるという利点が提供される。一方、光源から離れる方を向く側に減衰素子を配置することで、減衰素子上の異なる領域の透過性を細かく調整することにより、光束にわたって非常に均質な光強度を提供又は設定できるという利点が提供される。減衰素子は、光学素子の表面上のコーティングとして、例えば、場所依存性吸収層として設計することもできる。
【0008】
本明細書に提示されたアプローチのさらなる実施形態によれば、光路に配置された第2の減衰素子を設けることができ、この第2の減衰素子はそれを通る光束入射に対して場所依存性の光強度減衰効果を有する。特に、第2の減衰素子は、板状にされてもよく、及び/又は、光軸から第2の減衰素子の縁部に向かって光強度減衰効果が減少してもよく、及び/又は、減衰素子は、光源と光学素子との間の光路に配置されてもよく、光学素子は、光源と第2の減衰素子との間に配置されてもよい。本明細書に提示されたアプローチのこのような実施形態は、2つの減衰素子を使用することによって、集光ユニットによって放出される光束の非常に精密で細かく調整可能な均質性分布を達成できるという利点を提供する。
【0009】
本明細書に提示されたアプローチの一実施形態は、光学素子がフレネルレンズとして形成されるという点で特に有利である。このような実施形態は、集光ユニットから放出される光束の非常に均質な光分布及び低い発散性に起因して光軸に沿って短い集光ユニットの実装を達成できるという利点を提供する。
【0010】
さらに、減衰素子が光学素子の光入射表面又は光出射表面に配置される、本明細書に提示されたアプローチの実施形態が考えられる。例えば、減衰素子は、光学素子の表面上に蒸着又は積層されることができる。本明細書に提示されたアプローチのこのような実施形態は、光学素子と減衰素子の間の距離を最小化又は完全になくすことができるため、アライメントの必要性がないことに加え、非常に設置スペースが節約された集光ユニットを製造できるという利点を提供する。
【0011】
ここで提示されるアプローチの一実施形態は、光学素子の構造高さと光学素子の開口孔の比が1未満、特に0.5未満であるという点で特に有利である。構造高さは、この場合、集光ユニットの(例えば3次元的な)高さとして理解することができる。例えば、光学素子又は減衰素子の直径は、この場合、開口孔として使用又は考慮されることができる。提示されたアプローチのこのような実施形態は、可能な限り小さい又は短い構造高さを有する集光ユニットを実装するという利点を提供する。したがって、所与の制限内で均質性と効率を最大化する際に、最適なアスペクト比を達成することができる。このようにして、このように設計された集光ユニットを使用して測定対象物を照らすと、その後、この測定対象物のシルエットを、正確且つ容易に非常に効率的に検出することができる。
【0012】
本明細書に提示されたアプローチの一実施形態は、少なくとも減衰素子が、勾配フィルタ、吸収及び/又は反射バイナリフィルタ、周期的又はランダムに分布した散乱要素を有する散乱フィルタ、回折又はホログラフィック光学素子及び/又は部分反射器として設計されるという点で特に有利である。このような実施形態は、このようにして安価な集光ユニットを製造可能とするために、技術的に成熟し、正確に動作し、通常安価で広く入手可能な素子を減衰素子に使用できるという利点を提供する。減衰素子は、特に、一実施形態において、個々のセグメント又は画素の吸収特性及び/又は反射特性の個別制御によって場所依存性の光強度減衰効果を設定することができる電子部品として実装することも可能である。このような減衰素子は、液晶透過型ディスプレイとして有利に具現化することができる。
【0013】
本明細書に提示されたアプローチのさらなる実施形態によれば、光源を、LED光源、ファイバ、散乱又は変換光源として、例えば光混合ロッドとして、及び/又は複数の光源を有するものとして設計することができ、及び/又は光源は、光学素子の焦点距離fの5分の1未満である拡張部を有することができる。有利な実施形態は、測定対物レンズのNAに対する光源の拡張部の適合が行われる集光ユニットによって特に達成される。例えば、0.2*fの値は、発散NAill<0.1に対して使用することができるが、わずかに大きい値が使用される光源を使用することも可能であろう。このような実施形態では、効率が高く、シルエット輪郭に良好なコントラストが形成されるという利点がある。
【0014】
測定位置に位置決めされた測定対象物を特に良好に光学的に測定できるようにするために、本明細書に提示されたアプローチのさらなる実施形態によれば、測定位置に位置決めされた測定対象物に入射する光はその角度分布にも影響を及ぼされることができ、これは集光ユニットによって発せられる。これは、例えば、角度分布を測定対物レンズの開口数NAに適合させることにおいて行うことができ、ここで、例えば、NAill<NAObjという典型的な制限が提供され得るが、開口数を拡張することも考えられる。代替的又は追加的に、光束の光線の特別な角度分布を生成することができる(特に、光源の形状と組み合わせて、例えば暗視野用のリングとして)。このような機能を実装するために、本明細書に提示されたアプローチの一実施形態によれば、集光ユニット及び/又は光学素子の開口を制限するために拡散器、回折素子及び/又は干渉フィルタを光路に設けることができる。
【0015】
測定フィールドにおいて測定対象物位置に位置決め可能である及び/又は位置決めされる測定対象物を光学的に測定するための画像化装置として本明細書に提示されたアプローチの一実施形態は有利であり、この画像化装置は以下の特徴:
- 測定対象物を照らすための、本明細書に提示されたアプローチの変形例による集光ユニット、
- 画像化対物レンズ、及び
- イメージセンサであって、画像化対物レンズは測定対象物をイメージセンサ上で画像化するように設計され、少なくとも減衰素子は、イメージセンサ上の視野に関連するイメージ野を均質に照らすように設計されているイメージセンサ、
を含む。
【0016】
画像は有利に透過光画像とすることができる。また画像は有利にシルエット輪郭とすることができる。
【0017】
このような実施形態により、本明細書に提示されたアプローチの利点を、特に効率的且つ費用対効果の高い方法で実装することができる。さらに、減衰素子の光強度減衰効果は、画像化対物レンズによるケラレも考慮されるように設計することができる。このようにして、イメージセンサの照明の均質性のさらなる向上を達成することができる。
【0018】
さらに、本明細書に提示されたアプローチのさらなる実施形態によれば、本明細書に記載されたアプローチの変形例による画像化装置を使用して測定フィールド内の少なくとも1つの測定対象物のシルエット輪郭を記録する方法が同じく提示され、この方法は以下のステップを含む:
- 集光ユニットを使用して照明光束を生成し、照明光束を使用して測定対象物を照らすステップ、
- 画像化対物レンズによって、測定対象物のシルエットをイメージセンサ上に画像化するステップ、
- イメージセンサを使用して測定対象物のシルエット輪郭を記録するステップ。
【0019】
このような実施形態によっても、本明細書に提示されたアプローチの利点を効率的且つ費用対効果的に実現することができる。
【0020】
本明細書に提示されたアプローチの一実施形態によれば、画像化ステップにおいて、測定対象物のシルエットが、イメージセンサ上で、対象物側でテレセントリックに、及び/又は画像側でテレセントリックに画像化されると、測定フィールドにおける測定対象物のシルエット輪郭を特に正確に記録することができる。
【0021】
特に有利な一実施形態によれば、画像化装置のイメージセンサ上のイメージ野の照明を均質化するために、減衰素子を通過する光束入射に対して場所依存性の光強度減衰効果を有する減衰素子の使用も提示される。この画像化装置は、
o イメージ野に関連する視野内の測定対象物位置に位置決めされた測定対象物の平行照明を提供するための集光ユニット、
o 画像化光学ユニット、及び
o 画像化光学ユニットのイメージ平面内に配置されたイメージセンサ、
を備える。
【0022】
特に有利な例示的な実施形態は、添付の図面に基づいて、以下に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】画像化装置の例示的な実施形態の概略図を示す。
【
図2】光学素子の開口面、又は測定対象物の平面における放射照度の例示的な強度曲線の図を示す。
【
図3】画像化装置のさらなる例示的な実施形態の概略図を示す。
【
図4】画像化装置のさらなる例示的な実施形態の概略図を示す。
【
図5】減衰素子の機能を説明するために、光路の下流に光学素子が配置された光源の例示的な配置の概略断面図を示す。
【
図6】X軸にプロットされたアスペクト比に対してY軸にプロットされた効率を示す例示的な図を示す。
【
図7】画像化装置のさらなる例示的な実施形態の概略図を示す。
【
図8】画像化装置のさらなる例示的な実施形態の概略図を示す。
【
図9】画像化装置のさらなる例示的な実施形態の概略図を示す。
【
図10】画像化装置のここで提示される変形例を使用して測定フィールドにおける少なくとも1つの測定対象物のシルエット輪郭を記録する方法の例示的な実施形態のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
同一及び/又は機能的に同一の要素は、異なる図において同一及び/又は同様の参照符号で指定されており、これらの要素のさらに広範囲に及ぶ記載は、簡略化及び読みやすさのために省略されている。
【0025】
図1は、本明細書に提示されたアプローチの例示的な実施形態の基本的な配置として使用され得るような、画像化装置10の例示的な実施形態の概略図を示す。画像化装置10は、低発散の光束105を生成又は提供するための集光ユニット100を備える。これは、例えばシルエット輪郭法においてテレセントリック検出器ユニット115によって高精度で測定されるべき測定位置001の対象物平面内の測定対象物110を照らすのに特に適している。この用途では、検出システム115に調和した可能な最少の開口数NAが有利である。このような集光ユニット100は、ここでは、例えば、少なくとも、LED、レーザダイオード、ファイバ、散乱又は変換光源などの光源120からなり、これは、例えば、光学素子125の焦点に位置決めされる。したがって、
図1は、集光ユニット100が、光源120からの光束105を、光束105が平行化されるフレネルレンズなどの光学素子125上に出力する配置を示す。光源120は、ここでは、例えば、単一の発光素子からなる。エミッタ又は光源120のサイズ又は幅は、例えば、集光ユニット100を出るときの最終的な光束105の開口数NAが0.1未満となるように選択される。光源120及び光学素子125は、共通の光軸130上に配置又は整列される。
【0026】
開口又は孔Dは、光軸に垂直な開口面におけるビーム路の最大の拡張部として理解され得る。開口面は、光学素子の光出射側主表面であり得る。構造高さは、光軸に沿った光学素子の光出射側表面(又はzが光軸方向に定義される場合、その最大のz座標)又は減衰素子の光出射表面のいずれか測定が大きい方までの光源の距離として理解され得る。
【0027】
集光ユニット100、ひいては画像化装置10の可能な最もコンパクトな構造を達成するために、光学素子125は、その焦点距離がその開口に対して可能な限り小さくなるように選択される。この比率が小さく選択されるほど、平行化された光束105のビーム密度は縁部に向かって低下する。これは、自然なケラレ=光軸までの距離の増加によりレンズの開口の放射照度の低下が生じる(角度の投影と光源までの距離の増加に起因する)ことの結果である。
【0028】
図2は、光学素子の開口面、又は測定対象物110の(測定)平面001における放射照度の例示的強度曲線Iをy軸にプロットした図である。参照符号(a)が付された、光軸130からの半径方向の距離rにわたる光強度Iの曲線は、光軸からの距離rが大きい縁部領域においてこの高いダンピング挙動を示している。このように曲線(a)は、放射密度の不均一な分布を示し、これは測定対象物110の測定精度に悪影響を及ぼす。
【0029】
これに対して、
図2の参照符号(b)を付した曲線において示されるように、光束105の光強度のほぼ一定なレベルは、検出器ユニット115による測定位置001での測定対象物110の可能な最も精密且つ詳細な光学的評価を達成するために望ましいであろう。このような曲線(b)は、適切な減衰素子を使用することにより、本明細書に提示したアプローチに従って得ることができる。
【0030】
図3は、
図1の表現に従う光学部品の配置を有し、集光ユニット100内の光路130に配置された減衰素子300で補足された画像化装置10のさらなる例示的な実施形態の概略図を示す。このようにして、曲線(a)に従って
図2を参照して記載されたビーム密度の勾配は、光源120と光学素子125との間の位置、及び/又は光源120から離れる方向に面した光学素子125の側の位置で、場所依存性の(光強度)減衰効果を有する減衰素子300により補正される。このようにして、集光ユニット100から出力される光束105のビーム密度又は強度を、
図2に曲線(b)に従って示すように、集光ユニット100の開口全体にわたって所定の強度分布に補正することができる。
【0031】
光源120と光学素子125との間の位置及び/又は光源120と反対側の光学素子125の側の減衰素子300は、例えば、グラデーションフィルタ(グレーフィルタ)、バイナリフィルタ(吸収又は反射)、周期的又はランダムに分布する散乱素子(回折光学素子又はホログラフィック光学素子)を有する散乱フィルタ又は部分反射器(偏光依存性、偏光非依存性又は着色)により実装することができる。さらに、減衰素子300を光学素子上に層として蒸着又は積層することも考えられ、このようにすれば非常にコンパクトな集光ユニット100を実現することができる。
【0032】
図3に示すように、光源100から離れる方を向いた光学素子125の側に減衰素子300を配置する構成又は配置では、光源120から発せられた光束105は、まず光学素子125を通り、次に減衰素子300を通る。この場合、光学素子125の下流側の位置における減衰素子300のサイズ/幅は、光学素子125のサイズ/幅にほぼ一致する。両方の要素、すなわち減衰素子300及び光学素子125の正確な距離は、自由に選択することができる。
【0033】
第2の構成では、減衰素子300は、光源120と光学素子125との間の位置に配置され、光束105は最初にそれを通過し、次に光学素子125を通過する。この場合、光源120と光学素子125との間の位置における減衰素子300のサイズは、その3次元位置と関係している。発せられる光束105が開口全体にわたってできるだけ均一なビーム密度であるためには、それに応じて距離を精密に調整する必要がある。この構成において、減衰素子300として部分反射器を使用する場合、光学素子125の周囲の表面は、反射光を吸収することが想定される。光束105の特定の空間及び角度依存性の放射特性は、光源120と光学素子125との間の位置、及び/又は、光源120から離れる方を向いた光学素子125の側の位置に(例えば同じく複数の)減衰素子300を集積することにより、達成することができる。ビーム経路に偏向ミラーやビームスプリッタを必要とせず、したがって光学素子125の焦点距離によって実質的に決定される集光ユニット100のコンパクトな縦型構造形態を実現することが可能である。
【0034】
図4は、
図3の表現に従う光学部品の配置を有し、光路130に配置された検出器ユニット115の光学部品によって補足される画像化装置10のさらなる例示的な実施形態の概略図を示す。光検出システム及び/又は検出器ユニット115は、光学部品として、対象物側光学素子400(例えばレンズを備える)、ストップ素子410(例えば開口)、イメージ側光学素子420(例えば同様にレンズ)及び表面センサ素子又はイメージセンサ430を備える。対象物側光学素子400、ストップ素子410及び/又はイメージ側光学素子420は、画像化光学ユニット又は画像化対物レンズとして組み合わせることができる。光束105の達成された横方向ビーム密度の品質は、光検出ユニット115の表面センサ素子又はイメージセンサ430の均質な照明とその対象物側の開口数によってここで定義される。
【0035】
特に有利には、この画像化装置10は、シルエット輪郭法において使用することができ、その際、測定対象物110のシルエットがイメージセンサ430上に形成される。均質に照らされた影のパラドックスを回避するために、視野440とイメージ野450とが定められる。視野440は、この場合、画像化光学ユニット(
図4の説明図によれば、例えば、対象物側素子400、ストップ素子410、イメージ側素子420)によりイメージセンサ430に画像化可能な対象物側領域を指定する。イメージ野450は、例えば、
図4に示す領域に対応し、これは、開口410のイメージセンサ430への作用に起因して見える領域、画像化光学ユニットの開口を通して見える領域、及び/又はイメージセンサ430の高感度表面によって囲まれる対象物側視野440のイメージ平面の一部に対応する。イメージ野450は、イメージセンサ430の高感度表面全体を構成できるが、そうである必要はない。イメージ野430の照明の均質性は、有利には、測定対象物110の存在なしに決定することができる。
【0036】
センサ430のこのような均質な照明をもたらすために、本明細書に提示したアプローチによれば、画像化光学ユニットに有利に適合した集光ユニット100が使用される。
【0037】
図5は、ここではフレネルレンズとして設計されている、光路130の下流に配置された光学素子125を有する光源120の例示的な配置の概略断面図を示す。開口数NA
LEDを有する単一のエミッタとして設計されている光源120によって発せられた光105は、フレネルレンズなどの光学素子125を通過する。
図2の図からの曲線(a)に従って光学素子125の後に生じるであろう光束105のビーム密度又は強度分布の半径方向の勾配は、均質な照明を達成するために減衰素子300を介してここで補正され、ほぼ一定のレベルに均等化されるので、集光ユニット100は、開口数NA
illにおいて非常に均質な光分布を有する光束105を有する。また、
図5では、光源120の放射角が光軸までの距離に応じて大きくなっていること、並びに、光学素子125までの増大する距離が、光学素子125の平面内での放射照度の低減を引き起こすこと(自然なケラレ)も確認できる。
【0038】
集光ユニット100の全体効率ηは、簡単なモデルで以下の関係でここで求めることができる:集光効率η
1600は、光学素子125の有効開口を照射する、光源120によって発せられた光の割合を記述する。ランバート・エミッタ(Lambertian emitter)の場合、以下の結果となる。
【数1】
ここで
図5の説明図に従う光源NA
LEDの開口数、開口孔の直径D、及び光学素子125の焦点距離fである。対象物平面における放射照度E(γ)は、レンズ又は光学素子125の自然なケラレに起因する:
【数2】
【0039】
光源120と光学素子125の間の位置、及び/又は光源120とは反対側の光学素子125の側の位置で理想的に想定された減衰素子300は、均質性要件(ここでは50%)に従って放射照度をE‘(γ)に低減する。
【数3】
【0040】
効率η
2610は、以下のように減衰素子を有する光放射束φ‘と減衰素子を有しない光放射束φの比からもたらされる:
【数4】
【0041】
システムの全体効率ηは、各効率の積である:
η=η1η2
【0042】
図6は、アスペクト比をX軸に、効率をY軸にプロットした図を示す。集光ユニット100の公称合計効率ηは、画像化システムにおける50%の局所強度均質性(E’
min/E‘
max)の想定要件に関して、個々の効率η
1600とη
2610から、アスペクト比f/Dの関数として計算することができる。
【0043】
新規な集光ユニット100の本明細書に提示された概念は、(優先順位に従って)開口にわたる角度のわずかな変動を伴う指向性照明の他の実践と異なる:
- 1未満の低アスペクト比(光学素子125の焦点距離/光学素子125の直径)に起因する。
- 出射ビーム束における低NAill<0.1での高い効率
- 高い均質性
【0044】
均質な光分布の良好な設定に加えて、簡単な構造及びアライメント労力の低さ又は無さも、ここで提示された集光ユニット100において特に有利である。低開口数(NAill<0.1、これは発散角±5.7°に対応する)、照らされる表面(測定対象物110の領域における測定フィールド)の大きな直径D、及び同時に集光ユニット100の低い構造高さbと大きな照明表面を有する集光ユニット100を提供することができる。
【0045】
本明細書に提示されたアプローチは、いくつかの異なる用途、例えば、テレセントリック測定対物レンズ用の、又は小さな開口を有するコンパクトな測定顕微鏡用の適合された照明に用いることができる。
【0046】
以下の記載において、集光ユニット100の特に有利な例示的な実施形態が再び説明され、そこでは明瞭さの理由から減衰素子300の配置は省略されているが、減衰素子300は、先に記載したように、光源120と光学素子125の間及び光学素子125の後のビーム経路内の両方に配置できることがここで留意される。
【0047】
図7は、光軸又は光路130に平行なテレセントリック照明が(光源120を光軸130に直交しそれに関して対称な光学素子125としての集束レンズの焦点面において整列させることによって)提供される画像化装置10の例示的な実施形態の概略図を示す。
【0048】
図8は、光軸130に対して平行ではない(すなわち斜めの)テレセントリック照明が実行される(例えば、光軸130に対して光源120又はエミッタ又は光学素子125としての集束レンズが直交変位することによって)、画像化装置10の例示的な実施形態の概略図を示す。
【0049】
図9は、画像化装置10の例示的な実施形態の概略図を示し、非テレセントリック照明が(例えば、光源120又はエミッタ又は光学素子125としての集束レンズの軸方向のデフォーカスによって)実行される。これにより、集光ユニット100を非テレセントリック画像化対物レンズ115へ同様に適応させることができる
【0050】
図10は、ここで提示された変形例による画像化装置を使用して測定フィールド内の少なくとも1つの測定対象物のシルエット輪郭を記録するための方法1000の例示的な実施形態のフローチャートを示し、方法1000は、集光ユニット100を使用して照明光を生成し、照明光を使用して測定対象物を照らすステップ1010を含み、さらに、方法1000は、画像化装置によって測定対象物のシルエットをイメージセンサに画像化するステップ1020を含む。最後に、方法1000は、イメージセンサを使用して測定対象物のシルエット輪郭を記録するステップ1030を含む。
【国際調査報告】