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特表2023-542258研磨ディスク及び基板クリーニング装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-06
(54)【発明の名称】研磨ディスク及び基板クリーニング装置
(51)【国際特許分類】
   B24D 11/00 20060101AFI20230929BHJP
   B24B 45/00 20060101ALI20230929BHJP
【FI】
B24D11/00 A
B24B45/00 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022515749
(86)(22)【出願日】2021-09-14
(85)【翻訳文提出日】2022-03-09
(86)【国際出願番号】 CN2021118207
(87)【国際公開番号】W WO2023024190
(87)【国際公開日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】202110965606.9
(32)【優先日】2021-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517333336
【氏名又は名称】武漢華星光電半導体顕示技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】WUHAN CHINA STAR OPTOELECTRONICS SEMICONDUCTOR DISOLAY TECHNOLOGY CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】305 Room,Building C5 Biolake of Optics Valley,No.666 Gaoxin Avenue,.Wuhan East Lake High-tech Development Zone Wuhan,Hubei 430079 China
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】▲馬▼ ▲澤▼浩
(72)【発明者】
【氏名】沈 ▲海▼洋
【テーマコード(参考)】
3C034
3C063
【Fターム(参考)】
3C034BB52
3C063AA02
3C063AB05
3C063AB07
3C063BA02
3C063BA32
3C063BF07
3C063BG07
3C063BG23
3C063FF05
(57)【要約】
本願は、研磨ディスク及び基板クリーニング装置を提供し、該研磨ディスクは、厚さ自己適応層、前記厚さ自己適応層の2つの互いに背向する2つの表面に固定されたベース層及び研磨片を含み、前記ベース層は研磨ヘッドに接続され、前記研磨片は製品と接触して製品を研磨してクリーニングし、前記厚さ自己適応層は、研磨ディスクによりクリーニング対象製品に印加された圧力に応じて変形できることで、前記研磨ディスクをクリーニング対象製品の表面と完全に接触させることができることにより、研磨ディスクのクリーニング面積が100%に達することができ、製品のクリーニングの歩留まりを向上させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
研磨ディスクであって、前記研磨ディスクは、
ベース層と、
前記ベース層に設置され、圧力に応じて変形することができる厚さ自己適応層と、
前記厚さ自己適応層のうちの前記ベース層から離れた一側に設置され、製品と接触して製品を研磨してクリーニングする研磨片と、を含む研磨ディスク。
【請求項2】
前記厚さ自己適応層の厚さの範囲は4mm~5mmであり、前記厚さ自己適応層の硬度の範囲は30HRC~40HRCである、請求項1に記載の研磨ディスク。
【請求項3】
前記研磨片の厚さの範囲は0.5mm~1mmである、請求項1に記載の研磨ディスク。
【請求項4】
前記厚さ自己適応層と研磨片との間に金属ガスケットが設置され、前記金属ガスケットの中心は、前記研磨片及び発泡体の中心といずれも重なり、かつ前記金属ガスケットの直径が前記研磨片の直径よりも小さい、請求項1に記載の研磨ディスク。
【請求項5】
前記金属ガスケットの直径と前記研磨片の直径との比は1/5~1/4の間にある、請求項4に記載の研磨ディスク。
【請求項6】
前記金属ガスケットの厚さの範囲は0.2mm~0.3mmである、請求項4に記載の研磨ディスク。
【請求項7】
前記厚さ自己適応層の材料は発泡体又は発泡パッドである、請求項1に記載の研磨ディスク。
【請求項8】
前記厚さ自己適応層の周側に防水材料層が設けられている、請求項1に記載の研磨ディスク。
【請求項9】
前記研磨片の周側にフランジが設けられ、前記フランジの高さは、前記厚さ自己適応層の変形量が最大のときに有する厚さよりも小さい、請求項1に記載の研磨ディスク。
【請求項10】
基板クリーニング装置であって、研磨ヘッドと、前記研磨ヘッドに接続された研磨ディスクとを含み、前記研磨ディスクは、
ベース層と、
前記ベース層に設置され、圧力に応じて変形することができる厚さ自己適応層と、
前記厚さ自己適応層のうちの前記ベース層から離れた一側に設置され、製品と接触して製品を研磨してクリーニングする研磨片と、を含む、基板クリーニング装置。
【請求項11】
前記厚さ自己適応層の厚さの範囲は4mm~5mmであり、前記厚さ自己適応層の硬度の範囲は30HRC~40HRCである、請求項10に記載の基板クリーニング装置。
【請求項12】
前記研磨片の厚さの範囲は0.5mm~1mmである、請求項10に記載の基板クリーニング装置。
【請求項13】
前記厚さ自己適応層と研磨片との間に金属ガスケットが設置され、前記金属ガスケットの中心は、前記研磨片及び発泡体の中心といずれも重なり、かつ前記金属ガスケットの直径が前記研磨片の直径よりも小さい、請求項10に記載の基板クリーニング装置。
【請求項14】
前記研磨片は磁性金属材質であり、前記金属ガスケットと前記研磨片とは磁気吸着により固定される、請求項13に記載の基板クリーニング装置。
【請求項15】
前記金属ガスケットの直径と前記研磨片の直径との比は1/5~1/4の間にある、請求項13に記載の基板クリーニング装置。
【請求項16】
前記金属ガスケットの厚さの範囲は0.2mm~0.3mmである、請求項13に記載の基板クリーニング装置。
【請求項17】
前記厚さ自己適応層の材料は発泡体又は発泡パッドである、請求項10に記載の基板クリーニング装置。
【請求項18】
前記厚さ自己適応層の周側に防水材料層が設けられている、請求項10に記載の基板クリーニング装置。
【請求項19】
前記研磨片の周側にフランジが設けられ、前記フランジの高さは、前記厚さ自己適応層の変形量が最大のときに有する厚さよりも小さい、請求項10に記載の基板クリーニング装置。
【請求項20】
前記研磨ヘッドは前記研磨ディスクに取り外し可能に接続される、請求項10に記載の基板クリーニング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、表示の技術分野に関し、特に、表示装置に含まれる基板をクリーニングするための研磨ディスク及び前記研磨ディスクを含む基板クリーニング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザーリフトオフ(Laser Lift Off、LLO)技術は、簡単に操作でき、実行可能性が高く、かつ基板を損傷せずに基板と有機材料層を効果的に分離することができるため、広い応用分野を有する。レーザーリフトオフ技術とは、フレキシブル表示パネルの製造において、レーザーを利用して硬質基板とフレキシブル基板を分離する場合、レーザー(Laser)が硬質基板を透過してフレキシブル基板のレーザー作用領域の有機材料に吸収され、レーザー作用領域の有機材料の構造がレーザーの作用で破壊されることにより、硬質基板とフレキシブル基板を分離することを指す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ガラスに汚れや欠陥があると、ガラスの下にあるフレキシブル基板のレーザーエネルギーの吸収に影響を及ぼすことがあるため、この部分のフレキシブル基板と硬質基板をうまく剥離することができず、さらにフレキシブル基板を損傷して、不良品を形成する。したがって、基板をレーザーリフトオフする前の研磨クリーニング効果は非常に重要である。研究により、研磨クリーニング面積は、研磨ディスクと製品との平行度による深刻な影響を受け、通常、研磨ディスクとクリーニング対象製品との平行度が不合格である場合に有効な研磨面積はわずか30%であり、かつ長時間の研磨中にずれが生じることがあり、調整するたびに時間がかかり、かつ安定した効果を長期間維持できず、製品歩留まりに影響を及ぼすことが発見された。現在、主流の機器メーカーが主に採用している方法は、洗浄機の吐出位置に自動光学監視を追加してLLO機器に入る前の汚れを制御し、基準を超える汚れを排出することであるが、LLOに投入される製品が減少し、稼働率に大きな影響を及ぼすことがある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述した課題を解決するために、本願によって提供される技術的解決手段は、以下のとおりである。
【0005】
研磨ディスクであって、前記研磨ディスクは、
ベース層と、
前記ベース層に設置され、圧力に応じて変形することができる厚さ自己適応層と、
前記厚さ自己適応層のうちの前記ベース層から離れた一側に設置され、製品と接触して製品を研磨してクリーニングする研磨片と、を含む、研磨ディスク。
【0006】
一実施例において、前記厚さ自己適応層の厚さの範囲は4mm~5mmであり、前記厚さ自己適応層の硬度の範囲は30HRC~40HRCである。
【0007】
一実施例において、前記研磨片の厚さの範囲は0.5mm~1mmである。
【0008】
一実施例において、前記厚さ自己適応層と研磨片との間に金属ガスケットが設置され、前記金属ガスケットの中心は、前記研磨片及び発泡体の中心といずれも重なり、かつ前記金属ガスケットの直径が前記研磨片の直径よりも小さい。
【0009】
一実施例において、前記金属ガスケットの直径と前記研磨片の直径との比は1/5~1/4の間にある。
【0010】
一実施例において、前記金属ガスケットの厚さの範囲は0.2mm~0.3mmである。
【0011】
一実施例において、前記厚さ自己適応層の材料は発泡体又は発泡パッドである。
【0012】
一実施例において、前記厚さ自己適応層の周側に防水材料層が設けられている。
【0013】
一実施例において、前記研磨片の周側にフランジが設けられ、前記フランジの高さは、前記厚さ自己適応層の変形量が最大のときに有する厚さよりも小さい。
【0014】
本願は、さらに、基板クリーニング装置に関する。
【0015】
基板クリーニング装置であって、それは、研磨ヘッドと、前記研磨ヘッドに接続された研磨ディスクとを含み、前記研磨ディスクは、
ベース層と、
前記ベース層に設置され、圧力に応じて変形することができる厚さ自己適応層と、
前記厚さ自己適応層のうちの前記ベース層から離れた一側に設置され、製品と接触して製品を研磨してクリーニングする研磨片と、を含む。
【0016】
一実施例において、前記厚さ自己適応層の厚さの範囲は4mm~5mmであり、前記厚さ自己適応層の硬度の範囲は30HRC~40HRCである。
【0017】
一実施例において、前記研磨片の厚さの範囲は0.5mm~1mmである。
【0018】
一実施例において、前記厚さ自己適応層と研磨片との間に金属ガスケットが設置され、前記金属ガスケットの中心は、前記研磨片及び発泡体の中心といずれも重なり、かつ前記金属ガスケットの直径が前記研磨片の直径よりも小さい。
【0019】
一実施例において、前記研磨片は磁性金属材質であり、前記金属ガスケットと前記研磨片とは磁気吸着により固定される。
【0020】
一実施例において、前記金属ガスケットの直径と前記研磨片の直径との比は1/5~1/4の間にある。
【0021】
一実施例において、前記金属ガスケットの厚さの範囲は0.2mm~0.3mmである。
【0022】
一実施例において、前記厚さ自己適応層の材料は発泡体又は発泡パッドである。
【0023】
一実施例において、前記厚さ自己適応層の周側に防水材料層が設けられている。
【0024】
一実施例において、前記研磨片の周側にフランジが設けられ、前記フランジの高さは、前記厚さ自己適応層の変形量が最大のときに有する厚さよりも小さい。
【0025】
一実施例において、前記研磨ヘッドは前記研磨ディスクに取り外し可能に接続される。
【発明の効果】
【0026】
本願によって提供される研磨ディスク及び基板クリーニング装置は、研磨片のうちの研磨面から離れた一端に厚さ自己適応層を設置することにより、前記厚さ自己適応層が、研磨ディスクによりクリーニング対象製品に印加された圧力に応じて変形することができることで、前記研磨ディスクをクリーニング対象製品の表面に完全に密着させることができる。研磨片とクリーニング対象製品との接触面積を増加させることにより、研磨片と製品が平行ではないことによるクリーニング死角をなくすことで、クリーニング効果を向上させ、歩留まりを大幅に改善する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本願の実施例によって提供される研磨ディスクの使用シーンの構造概略図である。
図2】本願の第1の実施例によって提供される研磨ディスクの断面概略図である。
図3】本願の第2の実施例によって提供される研磨ディスクの断面概略図である。
図4図3で提供される研磨ディスクの分解構造の概略図である。
図5】本願の第3の実施例によって提供される研磨ディスクの断面概略図である。
図6】本願の第4の実施例によって提供される研磨ディスクの断面概略図である。
図7】本願の第5の実施例によって提供される研磨ディスクの断面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本願の実施例における図面を参照して、本願の実施例における技術的解決手段を明確かつ完全に説明する。明らかなように、説明された実施例は、本願の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではない。本願における実施例に基づいて、当業者が創造的な労働をしない前提で得られる全ての他の実施例は、いずれも本願の保護範囲に属するものである。
【0029】
なお、本願の説明において、用語「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」などで示す方向又は位置関係は、図面に示す方向又は位置関係に基づくものであり、本願を容易に説明し説明を簡略化するためのものに過ぎず、示された装置又は部品が特定の方向を有するとともに、特定の方向で構成されて動作しなければならないことを指示又は示唆するものではない。したがって、本願を限定するものであると理解すべきではない。また、用語「第1の」、「第2の」は、説明のみを目的とするものであり、相対的な重要性を指示又は示唆するか又は指示された技術的特徴の数を暗示的に指示すると理解すべきではない。これにより、「第1の」、「第2の」で限定された特徴は、1つ又は複数の上記特徴を明示的又は暗示的に含むことができる。本願の説明において、「複数」とは、明確かつ具体的な限定がない限り、2つ以上を意味する。
【0030】
本願は、異なる例において参照数字及び/又は参照アルファベットを繰り返して用いることができ、このような繰り返しは、簡略化及び明確化を目的とし、それ自体は検討された様々な実施形態及び/又は設置の間の関係を示さない。
【0031】
以下、具体的な実施例を参照して本願の上記研磨ディスク及び基板クリーニング装置を詳細に説明する。
【実施例1】
【0032】
図1及び図2を参照すると、基板クリーニング装置100は、研磨ヘッド1と、研磨ヘッド1の一端に設置された研磨ディスク2とを含む。上記研磨ディスク2は、厚さ自己適応層20、上記厚さ自己適応層20の互いに背向する2つの表面に位置するベース層22及び研磨片24を含む。上記研磨ディスク2が上記ベース層22を介して上記研磨ヘッド1に固定されるため、変形を防止するために、上述したベース層22の硬度を高くする必要がある。上記厚さ自己適応層20は、可撓性を有するため、研磨ディスク2によりクリーニング対象製品103に印加された圧力に応じて変形することができるようにすることで、上記研磨ディスク2をクリーニング対象製品103の表面に完全に密着させることができる。
【0033】
上記研磨ディスク2は研磨ヘッド1に取り外し可能に固定される。例えば、真空吸着、磁気吸着又は両面テープによる粘着固定を採用することができる。研磨ディスク2を交換するときに接着剤が完全に除去できないことにより、後続のクリーニング効果に影響を及ぼすことを回避するために、好ましくは、真空吸着によって固定する。
【0034】
本実施例において、上記硬質材料層の厚さ及び材質に特別な要件はなく、変形しない材料であればここで使用され得る。例えば、樹脂材料、金属材料などである。
【0035】
上記研磨片24の厚さは、上記厚さ自己適応層20の厚さよりも小さい。このように設計する目的は、研磨ディスク2を発泡体の伸縮変化に適応させることにある。本実施形態において、上記研磨片24の厚さの範囲は、厚さ0.5mm~1mmであり、好ましくは、0.5mmであり、発泡体の特定の圧縮変形に適応することができる。
【0036】
上記研磨片24の材質は、アルミナ、酸化セリウム、酸化ケイ素などを選択してもよく、本実施例において、研磨片24の材質はアルミナである。上述した材質で製造して形成された研磨片24は、研磨の硬度要件を満たし、かつ屑が落下する現象を防止することができる。
【0037】
他の実施例において、上記研磨片24は、金属のうち、高い硬度と磁性を有する物質を選択してもよい。
【0038】
上記厚さ自己適応層20の厚さの範囲は4~5mmである。上記厚さ自己適応層20の硬度の範囲は30HRC~40HRCである。好ましくは、上記厚さ自己適応層20の硬度の範囲は35HRCである。厚さ自己適応層20が硬すぎると、伸縮性が低くなるため、適応性の要件を満たせなくなることがあり、柔らかすぎると、研磨片24が変形しすぎて、製品を載置する載置台101を摩耗することがある。
【0039】
上記厚さ自己適応層20は、圧力に応じて変形することができ、上記厚さ自己適応層20の材料は、発泡体若しくは発泡パッド又はスプリングで形成された弾性部材である。当然ながら、外力の作用で変形し、かつ外力を取り除くと変形しなくなる。硬度が30~40度であることにより厚さを調整する他の構造又は材料は、いずれもここで使用することができる。本実施形態において、上記厚さ自己適応層20は、発泡体であり、例えば、繊維発泡体、長尺状発泡体又は純色発泡体であってもよい。
【0040】
本実施例において、上記研磨片24と上記厚さ自己適応層20は強力瞬間接着剤で固定され、上記厚さ自己適応層20とベース層22は強力瞬間接着剤で固定される。
【0041】
そのうちのいくつかの実施例において、上記ベース層22、厚さ自己適応層20及び研磨片24は直径が同じであり、上記研磨ディスク2は、円形又は方形である。本実施例において、上記研磨ディスク2は円形である。
【0042】
載置台101に配置され、厚さが0.7mmのクリーニング対象製品103をクリーニングするために上記基板クリーニング装置100を使用する場合、研磨のパラメータを以下のように設定することができる。駆動端を起動して、載置台101からの研磨片24の高さHを約0.3mmにすると、研磨ディスク2の下向き押し込み量(厚さ自己適応層20の変形量)が0.2~0.4mmであり、研磨のシリンダ圧が0.16~0.2Mpaであり、研磨ヘッドの回転速度が150~250r/sである。最後に、検査を経て、上記研磨ディスク2は製品と完全に接触することができるようになり、研磨ディスク2の有効なクリーニング面積が100%に達することができ、歩留まりが大幅に向上した。
【実施例2】
【0043】
図3及び図4を参照すると、図3及び図4で提供される研磨ディスク4の構造は、第1の実施例で提供される研磨ディスク2の構造とほぼ同じであり、その相違点は、上記厚さ自己適応層20と研磨片24との間に金属ガスケット26がさらに設置されていることにある。上記金属ガスケット26の中心は、上記研磨片24及び厚さ自己適応層20の中心といずれも重なり、かつ上記金属ガスケット26の直径が上記研磨片24の直径よりも小さい。
【0044】
金属ガスケット26を設置する目的は、以下のとおりである。ウェーハなどの小型製品の研磨プロセスにおいて、研磨ディスク2のサイズが製品のサイズよりも大きいため、研磨片24のエッジに受ける力が大きくなることで、研磨ディスク2の中間部分がやや高く周辺が低くなり、中間位置で覆われる基板は完全に研磨されないという現象が現れることがあるが、厚さ自己適応層20と研磨片24との間に一層の金属ガスケット26を追加することで、研磨ディスク2の中間での押し込み量を増加させ、クリーニング効果を向上させることができる。
【0045】
本実施例において、上記金属ガスケット26の直径と前記研磨片24の直径との比は1/5~1/4の間にある。上記金属ガスケット26の厚さの範囲は0.2~0.3mmである。
【0046】
例えば、本実施例において、上記研磨片の直径は13cmであり、金属ガスケットの直径は3cmである。
【0047】
本実施例において、上記研磨片24は磁性金属材質であり、上記金属ガスケット26と上記研磨片24とは磁気吸着により固定される。このようにして、互いに接触している金属ガスケット26と上記研磨片24の表面を完全に密着させることができ、一方では、金属ガスケット26を利用して研磨片24の強度を強化することができ、他方では、両者の位置を安定的に固定し、金属ガスケット26の位置がずれてクリーニング効果に影響を及ぼすことを防止することができる。
【実施例3】
【0048】
図5を参照すると、図5で提供される研磨ディスク6の構造は、第1の実施例で提供される研磨ディスク2の構造とほぼ同じであり、その相違点は、上記研磨片24の周縁にフランジ28が形成され、上記フランジ28の高さは、上記厚さ自己適応層20が最大限に変形した場合に有する厚さよりも小さいことにある。上記厚さ自己適応層20は、上記フランジ28と研磨片24の上表面とで形成された収容溝内に設置される。好ましい実施例において、フランジ28の高さの範囲は1.5~2.5mmである。
【0049】
フランジ28を設置する目的は、研磨クリーニング中に、基板の表面に脱イオン水を噴射することがあるため、フランジ28を利用して、脱イオン水などの汚れが上記厚さ自己適応層20の円周側面から上記厚さ自己適応層20に入ることを阻止することである。上記フランジ28の高さを、上記厚さ自己適応層20が最大限に変形した場合に有する厚さよりも小さくする目的は、厚さ自己適応層20の適応性に影響せず、製品の表面に完全に密着させて製品の表面を全面的にクリーニングする能力を達成できるようにすることである。
【実施例4】
【0050】
図6を参照すると、図6で提供される研磨ディスク7の構造は、図5で提供される研磨ディスク6の構造とほぼ同じであり、その相違点は以下のとおりである。上記研磨片24の表面に金属ガスケット26が固定されることにより、研磨ディスク2の中間部分の押し込み量を増加させる。すなわち、研磨ディスク6と製品との接触面積を増加させ、クリーニング効果を向上させる。
【実施例5】
【0051】
図7を参照すると、図7で提供される研磨ディスク8の構造は、第1の実施例で提供される研磨ディスク2の構造とほぼ同じであり、その相違点は以下のとおりである。上記厚さ自己適応層20の円周表面に防水コーティング30が設けられ、防水コーティング30を利用して、上記厚さ自己適応層20の円周側面にある小さい孔を完全に密封する。
【0052】
防水コーティング30を設置する目的は、研磨クリーニング中に、基板の表面に脱イオン水を噴射することがあるため、上記防水コーティング30を利用して、脱イオン水などの汚れが上記厚さ自己適応層20の円周側面から上記厚さ自己適応層20に入ることを阻止することである。
【0053】
当然ながら、本実施例において、上記厚さ自己適応層20と研磨片24との間に金属ガスケット26を追加してもよいことは理解できる。
【0054】
以上より、本願の利点は、以下のとおりである。本願によって提供される基板クリーニング装置100は、研磨片24の一端に厚さ自己適応層20を設置することにより、上記厚さ自己適応層20は、研磨ディスク2によりクリーニング対象製品103に印加された圧力に応じて変形することができるようになる。よって、上記研磨ディスク2をクリーニング対象製品103の表面に完全に密着させ、研磨片24とクリーニング対象製品103との接触面積を増加させることができる。これにより、研磨片24と製品が平行でなくなることによるクリーニング死角をなくすことで、クリーニング効果を向上させ、歩留まりを大幅に改善する。
【0055】
研磨ディスク4及び7のサイズがクリーニング対象製品103のサイズよりも大きい場合、厚さ自己適応層20と研磨片24との間に一層の金属ガスケット26を追加することで、研磨ディスク4及び7の中間押し込み量を増加させ、クリーニング効果を向上させることができる。
【0056】
以上より、本願では好ましい実施例を前述のとおり開示したが、上述した好ましい実施例は、本願を限定するものではなく、当業者であれば、本願の主旨及び領域から逸脱しない範囲内で様々な変形や修飾を行うことができるため、本願の保護範囲は、特許請求の範囲で限定された範囲を基準とする。
【符号の説明】
【0057】
1 研磨ヘッド
2 研磨ディスク
4 研磨ディスク
6 研磨ディスク
7 研磨ディスク
8 研磨ディスク
20 自己適応層
22 ベース層
24 研磨片
26 金属ガスケット
28 フランジ
30 防水コーティング
100 基板クリーニング装置
101 載置台
103 クリーニング対象製品
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】