(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-06
(54)【発明の名称】少なくとも2台の農業用ロボットで土地区画を作業する方法
(51)【国際特許分類】
A01B 69/00 20060101AFI20230929BHJP
【FI】
A01B69/00 303
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023516652
(86)(22)【出願日】2021-09-14
(85)【翻訳文提出日】2023-03-21
(86)【国際出願番号】 EP2021075213
(87)【国際公開番号】W WO2022063639
(87)【国際公開日】2022-03-31
(32)【優先日】2020-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591090851
【氏名又は名称】クーン エスアーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100092277
【氏名又は名称】越場 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100155446
【氏名又は名称】越場 洋
(72)【発明者】
【氏名】ホリンガー,マリー
(72)【発明者】
【氏名】ポティエ,フィリッブ
(72)【発明者】
【氏名】ラブリー,クエンティン
(72)【発明者】
【氏名】ジャラジエール,ベヌワ
【テーマコード(参考)】
2B043
【Fターム(参考)】
2B043AA04
2B043AB20
2B043BA09
2B043BB20
2B043EA06
2B043ED16
(57)【要約】
本発明は共通の中央管理・制御システム(SC)によって送信される指令および/または命令に従って、自律的かつ独立して機能する少なくとも2台の農業用ロボット(R1、R2、..Ri)によって一つの区画を作業する方法に関し、区画(P)を、反対側端に各端縁部を有する少なくとも2つのバンド状の異なる作業領域(Z1、Z2...Zj)と、このバンド(Z1、Z2...Zj)の各端縁部に沿って延びたポンド領域(F、F')とに細分割する。本発明の特徴は、各ポンド領域(F、F')をポンド領域のポーション(少部分)(PF1、PF1';PF2,PF2';...PFj、PFj')に細分割し,ポンド領域の各ポーションは作業帯域(Z1、Z2、...Zj)を形成する各バンドの端縁部と対向しポンド領域のポーション(PF1、PF1';PF2,PF2';...PFj、PFj')の少なくとも一部分を、所定ポンド領域のポーション(PF1、PF1';PF2,PF2';...PFj、PFj')を通過中または通過しようとするロボット(R1,R2,...,Ri)あるいは所定のポンド領域のポーションでの作業を開始する、または、実行中または完了するロボット(R1、R2、...Ri)に一時的かつ排他的に割り当てる点にある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
共通の中央管理および制御システム(SC)によって送信される指令および/またはコマンドに従って、少なくとも2台の農業機械またはロボット(R2、R1、...、Ri)の作業車団によって、一つの区画(P)で自律的かつ独立した動作で同時に作業する方法であって、作業すべき作業区画(P)を、その作業区画(P)での作業の開始前または作業中に徐々に、少なくとも2つの別々の作業領域(Z1、Z2、...、Zj)に細分化し、この作業領域(Z1、Z2、...、Zj)の全体で作業区画(P)の利用可能な表面積すなわち有用領域(SU)の実質的に全体を覆い、各作業領域(Z1、Z2、...、Zj)は、各端部に2つの反対側端縁部(EB、EB')を有するバンド(帯体)の形をした作業区画の一部分(fraction)と、各々が上記バンド(Z1、Z2、...、Zj)の2つの反対側端縁部の所で隣接する端縁部(EBまたはEB')に沿って延びた一つのポンド領域(F、F')とから成り、このポンド領域(F、F')の各々を複数のポンド領域のポーション(PF1、PF1';PF2,PF2';...;PFj,PFj')に細分割し、その各ポーションは作業領域(Z1、Z2、...、Zj)を形成するバンド(帯体)の一つの2つの反対側端縁部(EB、EB')の一つと対向し且つそれと連続し、ポンド領域のポーション(PF1、PF1';PF2,PF2';...;PFj,PFj')の少なくともの少なくとも一部分(fraction)を、所定のポンド領域のポーション(PF1,PF1';PF2,PF2';...;PFj、PFj')を横切っている、または、横切ろうとしているロボット(R1、R2、...、Ri)あるいは所定のポンド領域のポーション(PF1,PF1';PF2,PF2';...;PFj、PFj')に関連する作業領域(Z1、Z2、...、Zj)での作業を開始予定または実行中または完了予定のロボット(R1、R2、...、Ri)に、一時的且つ排他的に割り当て、その他のロボットの少なくともいくつかの動作および/または動きは上記の中央管理・は制御システムを通じて上記の一時的且つ排他的な割り当てによって影響を受けることがあることを特徴とする方法。
【請求項2】
所定のポンド領域の一つのポーションまたはそのポーションの一部分(PF1、PF1';PF2,PF2';...;PFj,PFj')を、その所定のポンド領域の一つのポーションまたはそのポーションの一部分(fraction)に最初に入る一つのロボット(R1、R2、...、Ri)に、一時的かつ排他的に、割り当てることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
共通の中央管理・制御システム(MS)によって適用される所定の優先順位付け論理規則に従って、特定のロボット(R1,R2,...,Ri)に、一時的かつ排他的に、ポンド領域の一つのポーションまたはそのポーションの一部分(PF1、PF1';PF2,PF2';...;PFj,PFj')を割り当てることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
共通の中央管理・制御システム(SC)のレベルで事前にプログラムされた割り当てルールを適用することによって、特定のロボット(R1,R2,...,Ri)に、一時的かつ排他的に、ポンド領域の一つのポーションまたはそのポーションの一部分(PF1、PF1';PF2,PF2';...;PFj,PFj')を割り当てた後に、必要に応じて、その区画(P)で動作する他のロボットの操作と動きを、上記中央管理・制御システム(SC)によって調整および制御することを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
特定のロボット(R1,R2,...,Ri)に対するポンド領域の一つのポーションまたはそのポーションの一部分(PF1、PF1';PF2,PF2';...;PFj,PFj')の一時的かつ排他的な割り当てが、関係する作業領域の端縁部(EB、EB')に直接隣接する、そのポンド領域の一つのポーションのバンド部分(bande fractionnaire)(BF)のみに関係することを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
異なるロボット(R2、R1、...、Ri)へのポンド領域の一つのポーション(PF1、PF1';PF2,PF2';...;PFj,PFj')の一時的かつ排他的な割り当てが、そのロボットによって考慮される区画(P)の作業領域(Z1、Z2、...Zj)の作業の進行につれて徐々に実行されることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
区画(P)がその周辺のポンド領域を含み、このポンド領域が作業領域(Z1、Z2、...、Zj)の端縁部(EB、EB')に沿った末端部の2つのポンド領域領域(F、F')と、この末端部の2つのポンド領域領域(F、F')に連続した2つの横方向のポンド領域領域(F、F')とを含む場合に、これら2つの横方向のポンド領域領域に最初に入るロボット(R1、R2、...、Ri)に、一時的かつ排他的に、これら2つの横方向のポンド領域領域(F、F')を割り当てることを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも作業段階の間に、農業用ロボット(R2、R1、Ri)の1つに各作業領域(Z2、Z1、Zj)を一時的且つ排他的に割り当て、有利には、作業領域(Z1、Z2、Zj)の大部分の幅(Lz)はそれに排他的に割り当てられる農業用ロボット(R1、R2、Ri)の作業幅(Lr)以上であり、好ましくはその整数倍に等しく、上記区画(P)の作業の実施過程において、まだ作業が残っている作業領域(Z1、Z2、Zj)の各農業用ロボット(R1、R2、Ri)に対する一時的且つ排他的に割り当ては、排他的に割り当てた各農業用ロボットの各作業領域で進行中の作業の完了度に応じて徐々に行うことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
各農業ロボットに最初の作業領域を排他的に割り当てた後に、各農業用ロボットに、上記区画(P)のまだ作業されていない部分(PRP)を形成する将来の作業領域への次の割り当てを、上記区画(P)の作業中の所定時点で、各農業用ロボットに割り当てた各作業領域で進行中の作業の完了度に応じて各農業用ロボットに徐々に実行することを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
上記区画(P)の作業前またはその開始時に、一つの作業領域に一つの農業用ロボットを割り当てて、全ての作業領域(Z1、Z2、Zj)に各農業用ロボット(R1、R2、Ri)を割り当て、上記区画(P)の作業中に、作業が残されている作業領域の各農業ロボットの間での再割り当てを、行動の変化、各ロボットの利用可能性および/または状態、あるいは、排他的に割り当てた各ロボットによって所定時間でまだ作業すべき作業領域での作業の実際のまたは予測可能な進捗状況に応じて介在させることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項11】
上記区画(P)の細分化および作業領域(Z1,Z2,Zj)の各農業用ロボット(R1,R10,Ri)への排他的割当てが、作業領域の変更時のポンド領域(F)の所におけるロボットの交差を最小化するように行い、特定のロボット(R2、R1、Ri)への所定の作業領域(Z2、Z1、Zj)の排他的な割り当ては、バンド状の作業領域(Z1、Z2、..,Zj)の両末端部(EB、EB')の1つと連続した対向したポンド領域のポーションを上記の特定のロボットに一時的且つ排他的に行うか、予約時に予め行うことを特徴とする請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
自律的かつ独立して機能する、適切な作業ツールを備えた少なくとも2台の農業機械またはロボット(R1、R2、...Ri)の作業者団と、指令および/またはコマンドを各ロボットへ送信でき、各ロボットの動作および/またはステータスの情報を送受信できる共通の中央管理・制御システム(SC)とを含み、各ロボットが測位装置または衛星測位装置を備え、上記中央管理・制御システム(SC)が、この区画(P)での作業開始前および/またはその作業中に徐々に、作業すべき上記区画(P)を少なくとも2つの別個の作業領域(Z1、Z2,...,Zj)に細分化する手段を備え、上記作業領域の全体で上記区画の実質的に全てを覆い、各作業領域(Z1、Z2、...、Zj)は反対端に2つの端縁部(EB、EB')を有するバンド形をした上記区画の部分(fraction)と、上記バンドの反対端の2つの両端の各々に連結した隣接する端縁部(EBまたはEB')に沿って延びるポンド領域領域(F、F')とで構成される、農業アセンブリであって、
上記中央管理・制御システム(SC)が、各ポンド領域領域(F、F')を、各々が作業領域(Z1、Z2、...、Zj)を形成するバンドの2つの1つの端縁部(EBおよびEB')の一つと対向し連続して位置したポンド領域のポーション(PF1,PF1';PF2、PF2';...;PFj、PFj')に細分割でき、且つ、少なくとも一つのポンド領域のポーション(PF1,PF1';PF2、PF2';...;PFj、PFj')を、所定のポンド領域のポーション(PF1,PF1';PF2、PF2';...;PFj、PFj')を横切ろうとしている、または横切っているロボット(R1、R2、...、Ri)あるいは所定のポンド領域のポーション(PF1,PF1';PF2、PF2';...;PFj、PFj')に関連する作業領域(Z1、Z2、...、Zj)の作業を開始、実行中または完了したロボット(R1、R2、...、Ri)に、一時的かつ排他的に、割り当てる手段をさらに有することを特徴とする農業アセンブリ。
【請求項13】
一つの区画(P)の作業中にロボット(R1、R2、Ri)の作業者団を管理するための請求項1~11のいずれか一項に記載の方法を実施するための請求項12に記載の農業アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は農業機械の分野、より詳細には農地の区画(parcelle agricole)の土壌作業または植物耕作に関するものであり、その対象は少なくとも2台の農業機械またはロボットの作業車団(フリート(flotte)、作業車の集合、隊列)によって自動的かつ同時に作業をする方法と、この方法を実行するための農業アセンブリ(組立体)とにある。
【背景技術】
【0002】
農業分野では、複数の自律型農業機械(ロボット)の一つの作業車団(フリート)によって一つの区画で作業を行う場合、システム効率を確保するためにその区画内での作業を分散することが重要であるということは知られている。同様に、複数の異なる農業機械の間での衝突の危険性を可能な限り回避することも重要である。
【0003】
一つの区画(parcelle)Pは典型的には「メインフィールド」CP(最適に利用可能な有用面積SU)と、このメインフィールドCPと隣接するその周辺の全部または一部を囲む領域(zone de fourriere、囲む領域、収容場所、以下、「ポンド領域」という)とに分けられる([
図1]参照)([
図1]ではメインフィールドの外周全体がポンド領域である)。従来、このポンド領域は区画の作業列(rang)または作業経路の少なくとも両端に存在し、機械がUターンするために使用され、より一般的にはメインフィールドの一つの作業列(rang)から別の作業列(rang)に移動する時に使用される。
【0004】
公知の通常の方法では、一つの同じ作業車団内の各自律走行車は他の自律走行車の位置を常に知るために(無線周波数によって直接または中央システムを介して)相互に通信している。別の解決方法としてマスタースレーブ型(スレーブロボットがマスターロボットの経路をたどって再現する)も存在する。
【0005】
しかし、これらの公知の解決方法では常に双方向の通信交換が必要であり、ロボット間で永続的な通信が必要である。その結果、データフローや機械とネットワークとの間の接続が必然的に複雑になる。
【0006】
また、公知の別のマスタースレーブ解決方法では、マスターロボットに対してスレーブロボットが依存することが要求される。従って、2台のマシンは実際には独立して動くことができず、ペアまたはグループでのみ動作するため効率が低下する。さらに、各ロボットを恒久的な通信リンクを介して管理する必要もある。
【0007】
さらに他の解決方法では、作業区画(parcelle)を作業する農業ロボットの作業幅に対応する固定幅の作業領域(zones de travail)に分割し(各領域は一つのパスで作業され)、その作業区画を異なるロボットに割り当て、これらの作業区画を各ロボットの作業の進捗状況に応じてリアルタイムで割り当て/再割り当てすることを推奨している。このような解決方法は、[特許文献1](欧州特許第EP3,508,045号公報)または[特許文献2](米国特許出願公開第US2019/0146513号明細書)に開示されている。
【0008】
後者の場合、(特定ゾーンのタスクを終了した後に)ロボットがポンド領域を通って新しいゾーンに行きたい時、または、一つのゾーンの終わりにポンド領域でUターンしたい時、さらには、障害物(特に、他のロボット)によって通過がブロック(阻止)された時には、そのゾーンを通過中またはその出口にあるロボットは、目標に到達するためまたは操作を実行するためには通路が空くのを待つか、代替ルートを探す必要がある(最短代替ルートの選択)。この場合、端部で隣接しているポンド領域の部分がブロックされているゾーンまたは作業列での通過が一時的に禁止され、ロボットがゾーンを変更する必要がある場合でも通過が許可されない。
【0009】
その結果、公知の全ての解決策、特に最後の解決策では、複数の農業用ロボットの場合、ポンド領域での作業車団の管理(優先順位付け、衝突回避等)が複雑になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】欧洲特許第EP3,508,045号公報
【特許文献2】米国特許出願公開第US2019/0146513号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、上記欠点を克服し、特に衝突管理をできる限り無くし、ロボット間の通信を必要とせずに異なる複数のロボットを効果的に調整(coordination)できるようにする解決策を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するための本発明の対象は、作業区画での作業の開始前または作業中に徐々に、作業すべき作業区画を、その作業区画の利用可能な表面積すなわち利用面積の実質的に全体を覆うように、少なくとも2つの別々の作業領域(zones de travail)に細分化(subdiviser)し、その各作業領域はバンド(帯体)の形をした上記作業区画の一部から成り、このバンド(帯体)は各端部に2つの反対側端縁部を有し、各バンド(帯体)の2つの反対側端縁部の各々の互いに隣接する端部に沿って一つのポンド領域のゾーンが延びており、本発明ではさらに、このポンド領域の各ゾーンをポンド領域の複数の各ポーション(portions、一部分、少部分)に細分化(subdiviser)し、このポンド領域のポーションは互いに対向し且つ作業領域を形成する一つのバンド(帯体)の両端部の各端縁部と連続し、さらに、ポンド領域のポーションの少なくとも一部分を、所定のポンド領域のポーションを横断しようとしている、または、横断中のロボット、あるいは、そのポンド領域のポーションに関連する作業区域の作業を開始するか、実施中か、または作業を完了するロボットに、一時的且つ排他的に割り当て、他のロボットの少なくとも一部分の動きおよび/または移動は、上記央管理・制御システムを通じて、上記の一時的且つ排他的な割り当てによって影響を受けることがある(influences)ことを特徴とする方法にある。
【0013】
本発明は、好ましい実施形態に関する以下の説明からよりよく理解できよう。しかし、本発明が下記実施例に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】区画PがメインフィールドCPとそれに隣接してその周辺の全部または一部をポンド領域とからなることを示す図。[
図1]ではメインフィールドの外周全体がポンド領域である。
【
図2】四角形の区画の場合に、区画フィールドをその周囲全体を囲むポンド領域に細分割し、そのポンド領域をポーション(少部分)に細分割した図。
【
図3】[
図2]の区画をA-B-C、A-B-C、...タイプの同じパターンまたは反復パターンで均一な作業領域に交互に割り当てた後を表す図。
【
図4】フィールド全体を[
図3]と同様の異なるパターンまたは反復パターンに従って均一な作業領域に交互に割り当て、さらにサイズが異なる(幅が狭い)(端部の)バンドを有する[
図2]および[
図3]の区画を表す図。
【
図5】フィールド全体を[
図4]と同じパターンまたは反復パターン(タイプA-B-C、A-B-C,...)に従って均一な作業領域を交互に割り当て、るが、横方向にポンド領域は無く(作業列の両端のポンド領域のみ)、(末端)バンドは異なるサイズを有する図。
【
図6】[
図2]の区画を表すが、この図には本発明方法を実施するための農業アッセンブリーの一つの例の主要構成要素(中央管理システム-自律型ロボット農業作業機械)が示してある。
【
図7】メインフィールドが4つの異なるロボットによって処理されている区画を示し、この図はロボット間の競合/衝突を本発明方法(ポンド領域の部分の排他的割り当て)によって管理できることを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[
図2]~[
図6]に示すように、本発明は共通の中央管理・制御システム(SC)から送信される指令および/またはコマンドに従って、自律的かつ独立した動作をする少なくとも2台の農業機械またはロボット(R1、R2、...、Ri)の作業車団(flotte)によって一つの区画(P)を同時に作業する方法に関するものである。
【0016】
本発明方法では、上記区画(P)の作業の開始前、またはその作業中に徐々に、上記区画(P)を少なくとも2つの異なる作業領域(Z1、Z2、...、Zj)に細分化し、この作業領域(Z1、Z2、...、Zj)の全体で上記区画(P)の利用可能領域または有用領域(SU)-メインフィールドCP-ともよばれる-の実質的に全てをカバーし、各作業領域(Z1、Z2、...、Zj)はバンド(bande、帯体)の形をした上記作業区画のポーション(少部分)から成り、このバンド(帯体)は両端部に2つの反対側端縁部(EB、EB')を有し、一つのポンド領域(F、F')のゾーンは各バンド(帯体)(Z1、Z2、...、Zj)の2つの反対側端縁部に隣接する端縁部(EB、EB')に沿って延びている。
【0017】
本発明方法の特徴は、各ポンド領域(F、F')のゾーンがポンド領域のポーション(一部分)(PF1、PF1';PF2,PF2';...;PFj,PFj')に細分割され、このポンド領域のポーションは互いに対向し(situee en regard)、作業領域(Z1、Z2、...、Zj)を形成するバンドの一つの2つの両端縁部(EBおよびEB')の一つと連続し、このポンド領域のポーション(PF1、PF1';PF2,PF2';...;PFj,PFj')の少なくとも一つを、所定のポンド領域のポーションを横断しようとしている、または横断中のロボット、あるいは、そのポンド領域のポーションに関連する作業区域の作業を開始するか、作業中か、または作業を完了するロボット(R1、R2、...、Ri)に、一時的且つ排他的に、割り当て、その他のロボットの少なくとも一部分の動きおよび/または移動は上記央管理・制御システムを通じて上記の一時的且つ排他的な割り当てによって影響を受ける(influences)点にある。
【0018】
もちろん、作業列の方向に沿ってメインフィールドCPの両側に延びた横方向(サイド)のポンド領域FL、FL'が存在する場合には、本発明方法をその横方向(サイド)のポンド領域FL、FL'の部分またはゾーンにも適用できる。これらの横方向(サイド)のポンド領域FL、FL'の各部分はポンド領域のポーションPFとして扱われる。
【0019】
すなわち、中央管理・制御システムを通じて特定の時間に、特定の農業用ロボットへポンド領域のポーションを排他的に割り当てることによって、本発明では同じ区画で同時に活動するロボットの作業車団の管理を容易にでき、特に、潜在的な衝突の処理を著しく容易にでき、ロボット間の交差(croisements)を制限することができる。さらに、各ロボットは他のロボットの位置を知る必要はなく、特に、互いの間での通信を必要としない。
【0020】
一般に、ポンド領域のポーション(またはそのポーションの少なくとも一部)を、それを必要とする所定のロボットに、少なくともこのロボットがそこに存在している間、一時的且つ排他的に、与えることも本発明の範囲内である。他のロボットのアクセスを禁止した状態で排他的に割り当てる本発明方法は(あるロボット専用に予約されたポーションにそのロボットが実際のアクセスする前に)少なくとも少しは予想し、ユーザーの選択に応じた種々のルール(優先順位付け、時系列、ロボットのタイプに対応...)を適用して行うのが好ましい。
【0021】
単純な場合の第1の実施例では、本発明方法で、ポンド領域のポーションまたはその一部(PF1、PF1';PF2,PF2';..;PFj,PFj')を、そのポンド領域のポーションまたはその一部に最初に入る、または、入ろうとしているロボット(R1、R2、...Ri)に、一時的かつ排他的に、与えることができる。
【0022】
第2の変形実施例では、特定のポンド領域のポーションまたはその一部(PF1、PF1';PF2,PF2';..;PFj,PFj')を、共通の中央管理・制御システム(MS)によって適用される所定の論理優先順位付け規則に従って、特定のロボット(R1、R2,...Ri)に与える。サイズが異なる農業用ロボットの場合には、より大型のロボットを優先させることができる。
【0023】
同じ作業領域Zの両端縁部EBおよびEB'に位置する2つのポンド領域PFおよびPF'の2つのポーションを2つの異なるロボット(例えば、第1のポーションでUターンして作業領域Zに戻るロボットと、2つのゾーン間を移動して他のポーションへ移動する別のロボット)に一時的かつ排他的に割り当てることももちろんできる。
【0024】
本発明の特性によって、本発明方法では、ポンド領域のポーション(PF1、PF1';PF2,PF2';...;PFj,PFj')を特定のロボット(R1、R2、...、Ri)に排他的割り当てた後に、必要に応じて、共通の中央管理・制御システム(CS)のレベルで事前にプログラムされた割り当てルールを適用して、その区画(P)で動作する他のロボットの操作と動きを上記システム(SC)でよって調整し、制御(pilotage)する。他のロボットのこの制御は、例えば、排他的に割り当てられたポーションを通過する可能性が高い他のロボットに対するアクセスの一時的移動禁止ゾーンのアップデート(en une mise 濬och jour)にすることができる。
【0025】
ポンド領域(F、F')の幅は、関連する作業領域の幅、その深さ(関連する作業バンドの長手方向寸法)および側面部のポンド領域のポーション(FL、FL')の幅に依存する。
【0026】
特に、ポンド領域PFのポーションがかなりの深い場合には、特定のロボット(R1、R2、...、Ri)に一時的且つ排他的に割り当てるポンド領域のポーション囲む(PF1、PF1';PF2,PF2';...;PFj、PFj')を関係する作業領域の端縁部(EB、EB')に直接隣接する関係するポンド領域のポーションのバンドの部分(BF)のみに関係付けることができる。換言すれば、BFの相補的なバンド部分(PFjに対するBFを補完する部分)の交通とアクセスを自由にすることができる(逆も適用可能-BF交通自由)。別の変形例では、[
図7]に示すように、ポンド領域のポーション(PF1、PF1';PF2,PF2';...;PFj、PFj')をそのポーションの内部に位置する一つのポーション(RF)として一時的且つ排他的な割り当て、それを例えば、特定ロボット(R1)の待機エリア、駐車場、給油エリア、メンテナンスエリア等にすることができる。
【0027】
本発明の特徴から、異なるロボット(R1、R2、...、Ri)へのポンド領域のポーション(PF1、PF1';PF2,PF2';...;PFj,PFj')の一時的且つ排他的な割り当ては、所定区画(P)の作業領域(Z1、Z2、...、Zj)での作業ロボットの作業の進行状況に応じて徐々に実行するのが有利である。
【0028】
すなわち、選択したオプションに応じて、関連する区画(P)の作業開始前に作業領域(Z1、Z2、...、Zj)をすべて確立する(区画の事前分割)か、区画(P)の作業の進行状況に応じて徐々に定義することができる。幅がより小さい端部バンドまたは最終BTを除いて、全てが同じ幅Lzを有していても(有していなくても)よい(特にロボットが同一である場合)。
【0029】
区画(P)が周辺にポンド領域を有し、しかも、作業領域(Z1、Z2、...、Zj)の端縁部(EB、EB')に存在する2つの端部のポンド領域ゾーン(F、F')とこの2つの端部のポンド領域ゾーンと連結した2つの横方向のポンド領域ゾーン(FL、FL')とを含む場合には、2つの横方向のポンド領域ゾーン(FL、FL')の各々の一部分または全体を、対応する横方向のポンド領域ゾーンに最初に入るロボット(R1、R2、...、Ri)に割り当てることができる。
【0030】
本発明の有利な特徴によって、本発明では各作業領域(Z1、Z2、Zj)を農業用ロボット(R1、R2、Ri)の中の1つに(そのロボットによって実行される)少なくとも作業段階中に排他的に割り当てることができる。作業領域(Z2、Z1、Zj)の幅(Lz)の大部分はそれが排他的に割り当てられる農業ロボット(R1、R2、Ri)の作業幅(Lr)以上であり、好ましくはその整数倍に等しいのが有利である。
【0031】
また、まだ作業されていない作業領域(Z1、Z2、Zj)の区画(P)の作業中の各種農業用ロボット(R1、R2、Ri)への排他的な割当は、それぞれに割り当てられた各農業用ロボットによる各種作業領域で進行中の作業の完了度に応じて徐々に行われる。
【0032】
さらに、各農業ロボットに第1の専用作業エリアを最初に割り当てた後、区画(P)の作業中の所定の時点で、その区画(P)のまだ作業されていない部分(PRP)を形成する将来作業エリアを各農業ロボットの割り当てを、各作業領域でのそれぞれ割り当てられた各農業ロボットの作業中に、その作業の進行度に応じて順次行う。
【0033】
区画(P)の作業前またはその開始時に、各ゾーン毎に一つの農業用ロボットを割り当てて全ての作業領域(Z1、Z2、Zj)を異なる農業用ロボット(R1、R2、Ri)に割り当て、その区画(P)の作業の実現中に、作業が残っている作業領域を異なる農業用ロボット間に再割り当てる操作を、各ロボットの動作、使用可能性および/または状態の進化、さらには、排他的に割り当てられた各ロボットの作業領域でのその瞬間の作業の実際または予測可能な将来の進捗状況に応じて所定時間に介入させるのが有利である。
【0034】
区画(P)の細分化および各農業用ロボット(R1、R2、Ri)の作業領域(Z1、Z2、Zj)の排他的割当ては、作業領域の交換時に、一時的且つ排他的な割り当てられる特定のロボット(R1、R2、Ri)あるいはバンドを形成する特定の作業領域(Z2、Z1、...、Zj)の2つの両端縁部(EBおよびEB')の一つに対向し、それと連続して延びるポンド領域の一つまたは複数のポーションが少なくとも優先予約された特定のロボットに一時的且つ排他的な割り当てる時に、ポンド領域(F)の所で各ロボットが交差するのを最小化するように行うのが有利である。
【0035】
排他的な作業領域と同様に、互いに隣接するポンド領域のポーションは互いに直接接していなくてもよい。
【0036】
作業領域における作業の定義、排他的割り当ておよび管理は、例えば、本出願人が本日出願したフランス特許出願第FR2009696号に記載の方法に従って実施することができる。
【0037】
[
図7]は比較的複雑な衝突/衝突管理の例を示している。この例では、2台のロボットR1とR2は、次の(将来の)移動のために、R1はパーキングエリア(RF)を離れて、自分に割り当てられている作業エリア(Z1)へ向かおうとしており、R2は作業を完了したばかりの作業エリア(Z2)を離れ、ロボット(R3)が作業した作業エリア(Z3)と連続して延びているポンド領域(PF3)のポーシンにあるパーキングエリア(RF)へ向かおうとしている。作業領域(Z4)はロボット(R4)によってこれから作業され、ロボット(R3)と(R4)はポンド領域部分(PF3およびPF4)でターンしようとしている。この状況および構成では、最初に移動するロボットに優先権を与えることができる。この図ではロボット(R1)が最初に移動し、(Z1)に到達するために交差しなければならない全てのポンド領域のポーション(PF1、PF2およびPF4)が一時的かつ排他的に予約される。従って、(R2)と(R4)は最初にそれぞれの作業領域で待機する。(R1)がポンド領域の部分(PF3)を通過することはないのでR3はUターンすることができる。(PF4)は(R1)の通行のために一時的に予約され、(R4)は(R1)が通過するまで待ってからUターンする。しかし、この場合、時間的優先順位付け以外のロジック(例えば、ロボットの大きさまたは重要度、実行するタスクの種類等)が適用されない限り、(R1)の通過の前に(PF2)より前に(PF4)は解放されるので、(R2)が(PF3)で(RF)に来る前にそれを実行できる。
【0038】
本発明はさらに、[
図6]に示すように、適切な作業ツールを供えた自律的かつ独立して作業する少なくとも2台の機械または農業用ロボット(R1、R2、...Ri)の作業車団と、上記ロボットと通信でき、指令および/またはコマンドを送信、受信でき、ロボットの動作および/またはステータス情報を返送できる共通の中央管理・制御システム(SC)とを含む、区画(P)を自動化作業するための農業アセンブリ(集合体)にも関するものである。
【0039】
各ロボットは測位装置または衛星測位を備えており、上記中央管理・制御システム(SC)は、作業すべき区画(P)をその区画(P)の作業開始前および/またはその作業中に徐々に、少なくとも2つの作業領域(Z1、Z2、...,Zj)に細分割する手段を有している。
【0040】
上記作業領域の全体で上記区画の表面の実質的に全体をカバーする。各作業領域(Z1、Z2、...、Zj)はバンド状の両端縁部(EB、EB')を有する上記区画のポーション(一部)で構成され、バンド状の2つの端縁部(Z1、Z2、...、Zj)には連続する互いに隣接する端縁部(EBまたはEB')に沿って1つのポンド領域(F、F')が延びている。必要に応じて、横方向のポンド領域(FL、FL')も存在できる。
【0041】
本発明では、共通中央管理・制御システム(SC)が、各ポンド領域領域(F、F')を、一つの作業ゾーン(Z1、Z2、...、Zj)を形成するバンドの1つの両端縁部(EBおよびEB')1つに対向し、それと連続するポンド領域のポーション(PF1、PF1';PF2,PF2';...;PFj、PFj')に細分割し、そのポンド領域部分のポーション(PF1、PF1';PF2,PF2';...;PFj、PFj')の少なくとも一部を、一時的かつ排他的に、所定のポンド領域のポーション(PF1、PF1';PF2、PF2';...;PFj,PFj')を横切ろうとしている、または横切っているロボット(R2、R2、...、Ri)、あるいは、上記ポンド領域のポーション(PF1、PF1';PF2、PF2';...;PFj,PFj')に関連する作業ゾーン(Z1、Z2、…、Zj)の作業を開始するか、実行中であるか、または完了する予定であるロボット(R2、R2、...、Ri)に割り当てることができる手段(処理ユニット、計算、指令プログラム)を有している。
【0042】
上記アセンブリは、区画(P)の作業中にロボット(R1、R2、Ri)の作業車団を確実に管理するために、上記方法を実施するのが好ましい。
【0043】
本発明が添付図面の記載および記載した実施形態に限定されないことはもちろんである。特に、各要素の構成の観点からの修正または技術的等価物の置換をしても本発明の保護の分野を逸脱するものではない。
【国際調査報告】