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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-06
(54)【発明の名称】温度ヒューズ
(51)【国際特許分類】
   H01H 37/76 20060101AFI20230929BHJP
【FI】
H01H37/76 B
H01H37/76 K
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023518463
(86)(22)【出願日】2022-08-18
(85)【翻訳文提出日】2023-03-22
(86)【国際出願番号】 CN2022113371
(87)【国際公開番号】W WO2023020584
(87)【国際公開日】2023-02-23
(31)【優先権主張番号】202122003888.2
(32)【優先日】2021-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513150007
【氏名又は名称】厦門賽爾特電子有限公司
【住所又は居所原語表記】No.8001 West Xiangan Road, Torch High-Tech Industrial District, Xiangan District, Xiamen, Fujian 361000 China
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】洪 ▲尭▼祥
(72)【発明者】
【氏名】陳 暁健
【テーマコード(参考)】
5G502
【Fターム(参考)】
5G502AA02
5G502AA11
5G502BB19
5G502FF02
(57)【要約】
本願は保護装置の分野に関し、特に温度ヒューズに関し、押棒と感温体とを直接接触させて伝動を実現する態様を変更し、両方にばね機構を増設することで押棒と感温体との間接伝動を実現する。具体的には、ばね機構はばね及びばねピンを備え、ばねはばねピンの一端に外装され、温度ヒューズがトリガーされていないときにばねは圧縮状態にあり、感温体はばねピンの他端に当接し、押棒の一端はリードに当接し、押棒の他端はばねピンの一側壁の端部に当接し、ばねの伸縮方向における感温体の長さは、ばねの伸縮方向においてばねピンに当接する押棒の長さ以上であり、感温体がトリガーされると、ばねの圧縮弾力が解放されて押棒の他端とばねピンとを分離し、さらにリードが自体の弾力の作用により接点と分離して回路を遮断する。上記構造によって感温体の劣化による電極の接触不良という問題を克服する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度ヒューズであって、押棒及び押棒ばねを備え、ばね機構、及び感温体をさらに備え、前記ばね機構はばね及びばねピンを備え、前記ばねはばねピンの一端に外装され、前記温度ヒューズがトリガーされていないときに前記ばねは圧縮状態にあり、前記感温体は前記ばねピンの他端に当接し、前記押棒の一端は押棒ばねに当接し、前記温度ヒューズがトリガーされていないときに前記押棒ばねは圧縮状態にあり、前記押棒の他端はばねピンの一側壁の端部に当接し、ばねの伸縮方向における前記感温体の長さは、ばねの伸縮方向においてばねピンに当接する押棒の長さ以上である、ことを特徴とする温度ヒューズ。
【請求項2】
前記ばねピンは、ベースと、それぞれ前記ベースの両端の同じ側に設けられる2つのピン本体と、ベースに設けられる接続部とを備え、前記接続部とピン本体はベースの異なる側にあり、前記ばねはピン本体に外装され、前記感温体は接続部に当接し、前記押棒の他端は前記ベースの2つのピン本体間に位置する部分に当接する、ことを特徴とする請求項1に記載の温度ヒューズ。
【請求項3】
前記温度ヒューズはシェルをさらに備え、前記シェルの一端部に間隔をあけて設けられる2つの電極シートが設けられ、2つの前記電極シートはそれぞれリード及び接点に1対1で対応して電気的に接続される、ことを特徴とする請求項2に記載の温度ヒューズ。
【請求項4】
前記シェルの内部にガイドプレートが設けられ、前記ガイドプレートは押棒の位置に対応して設けられる、ことを特徴とする請求項3に記載の温度ヒューズ。
【請求項5】
前記シェルの内部に銅製キャップが設けられ、前記感温体は前記銅製キャップ内に設けられる、ことを特徴とする請求項3に記載の温度ヒューズ。
【請求項6】
前記接続部は円筒状を呈し、前記銅製キャップの内部空間は円筒状であり、前記感温体は円筒状を呈し、前記接続部の外径は感温体の外径に等しく、前記銅製キャップの内径は前記接続部の外径よりも大きい、ことを特徴とする請求項5に記載の温度ヒューズ。
【請求項7】
前記シェルは取り付け板をさらに備え、前記シェルの他端部に開口部を有し、前記取り付け板は、リベットによって前記シェルの開口部に固定されて前記開口部を封止し、前記銅製キャップは前記取り付け板の内側壁に当接している、ことを特徴とする請求項5に記載の温度ヒューズ。
【請求項8】
前記シェル内にキャビティが設けられ、前記キャビティ内に絶縁マイカシート及び抵抗線が設けられ、前記抵抗線は、電極シートに設けられる溶接ピンに電気的に接続され、前記絶縁マイカシートは抵抗線と取り付け板との間に設けられる、ことを特徴とする請求項7に記載の温度ヒューズ。
【請求項9】
前記シェルの材質はセラミック又はプラスチックである、ことを特徴とする請求項3に記載の温度ヒューズ。
【請求項10】
前記押棒の材質はセラミック又はプラスチックである、ことを特徴とする請求項1に記載の温度ヒューズ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は保護装置の分野に関し、特に温度ヒューズに関する。
【0002】
本願は、2021年08月18日に中国特許庁に提出された、出願番号が202122003888.2、名称が「温度ヒューズ」である中国特許出願の優先権を主張し、その全内容が引用により本願に組み込まれている。
【背景技術】
【0003】
温度ヒューズは過熱保護素子であり、保護される電子機器が不具合や故障が発生して発熱し、温度が温度ヒューズの溶断温度に達すると、ヒューズが溶断し、それによって回路を遮断する。温度ヒューズは、感温体、電極、セラミックケース、押棒、及びばねなどから構成される。通常、このタイプの製品は、最底部に溶融しやすい感温体を配置し、その上に押棒を配置してリードを押動し、動作時、溶融しやすい感温体が溶融し、押棒に対する支持がなくなり、リードと電極との接触が解除されて回路を遮断するという構造を使用しているが、この構造は溶融しやすい感温体の劣化、収縮に伴い、リードと電極接点の圧力が変化し、接触不良の問題を引き起こしてしまうという欠点を抱えている。
【発明の概要】
【0004】
本願が解決しようとする技術的課題は、感温体の劣化に起因する電極接点の圧力変化によって接触不良を引き起こしてしまうという問題を効果的に解決できる温度ヒューズを提供することである。
【0005】
上記技術的課題を解決するために、本願の技術的解決手段は、以下の通りである。
【0006】
温度ヒューズであって、対向して設けられるリード及び接点を備え、ばね機構、感温体及び押棒をさらに備え、前記ばね機構はばね及びばねピンを備え、前記ばねはばねピンの一端に外装され、前記温度ヒューズがトリガーされていないときに前記ばねは圧縮状態にあり、前記感温体は前記ばねピンの他端に当接し、前記押棒の一端はリードに当接し、前記押棒の他端はばねピンの一側壁の端部に当接し、ばねの伸縮方向における前記感温体の長さは、ばねの伸縮方向においてばねピンに当接する押棒の長さ以上である。
【0007】
さらには、前記ばねピンは、ベースと、それぞれ前記ベースの両端の同じ側に設けられる2つのピン本体と、ベースに設けられる接続部とを備え、前記接続部とピン本体はベースの異なる側にあり、前記ばねはピン本体に外装され、前記感温体は接続部に当接し、前記押棒の他端は、前記ベースの2つのピン本体間に位置する部分に当接する。
【0008】
さらには、前記温度ヒューズはシェルをさらに備え、前記シェルの一端部には間隔をあけて設けられる2つの電極シートが設けられ、2つの前記電極シートはそれぞれリード及び接点に1対1で対応して電気的に接続される。
【0009】
さらには、前記シェルの内部にガイドプレートが設けられ、前記ガイドプレートは押棒の位置に対応して設けられる。
【0010】
さらには、前記シェルの内部に銅製キャップが設けられ、前記感温体は前記銅製キャップ内に設けられる。
【0011】
さらには、前記接続部は円筒状を呈し、前記銅製キャップの内部空間は円筒状であり、前記感温体は円筒状を呈し、前記接続部の外径は感温体の外径に等しく、前記銅製キャップの内径は前記接続部の外径よりも大きい。
【0012】
さらには、取り付け板をさらに備え、前記シェルの他端部に開口部を有し、前記取り付け板は、リベットによって前記シェルの開口部に固定されて前記開口部を封止し、前記銅製キャップは前記取り付け板の内側壁に当接している。
【0013】
さらには、前記シェル内にキャビティが設けられ、前記キャビティ内に絶縁マイカシート及び抵抗線が設けられ、前記抵抗線は、電極シートに設けられる溶接ピンに電気的に接続され、前記絶縁マイカシートは抵抗線と取り付け板との間に設けられる。
【0014】
さらには、前記シェルの材質はセラミック又はプラスチックである。
【0015】
さらには、前記押棒の材質はセラミック又はプラスチックである。
【0016】
本願の有益な効果として、
本願に係る温度ヒューズは、押棒と感温体とを直接接触させて伝動を実現する態様を変更し、両方の間にばね機構を増設することで押棒と感温体との間接伝動を実現し、具体的には、前記ばね機構はばね及びばねピンを備え、前記ばねはばねピンの一端に外装され、前記温度ヒューズがトリガーされていないときに前記ばねは圧縮状態にあり、前記感温体は前記ばねピンの他端に当接し、前記押棒の一端はリードに当接し、前記押棒の他端はばねピンの一側壁の端部に当接し、ばねの伸縮方向における前記感温体の長さは、ばねの伸縮方向においてばねピンに当接する押棒の長さ以上であり、感温体がトリガーされると、ばねの圧縮弾力が解放されて押棒の他端とばねピンとを分離し、さらにリードが自体の弾力の作用により接点と分離して回路を遮断する。上記構造によって感温体の劣化による電極の接触不良という問題を克服する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本願の実施例に係る温度ヒューズの構造模式図である。
図2】本願の実施例に係る温度ヒューズの押棒の配置形態である。
図3】本願の実施例に係る別の温度ヒューズの押棒の配置形態である。
図4】本願の実施例1に係る温度ヒューズの構造分解図である。
図5】本願の実施例1に係る温度ヒューズの別の構造分解図である。
図6】本願の実施例2の温度ヒューズの構造分解図である。
図7】本願の実施例2の温度ヒューズの組立断面図である。
図8】本願の実施例2の温度ヒューズの部分構造模式図である。
図9】本願の実施例2の温度ヒューズの部分正面図である。
図10】本願の実施例3の温度ヒューズの構造分解図である。
図11】本願の実施例3の温度ヒューズの組立断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本願の技術的内容、実現する目的及び効果を詳細に説明するために、以下、実施形態及び図面を参照しつつ説明する。
【0019】
図1を参照し、図1は本願に係る温度ヒューズの構造模式図であり、電極シート、押棒ばね、押棒及びばね機構を備え、前記押棒ばねのばねは前記押棒に外装される。
【0020】
図2及び図3に示すように、図2及び図3はそれぞれ本願に係る温度ヒューズの押棒の設計形態であり、図2には、ガイドピンに突起があり、ブリッジを固定して押棒を形成することが示され、図3には、ホルダーをガイドピンに溶接し、ホルダーの内部にフローティングばねを配置し、ブリッジを固定して押棒を形成することが示される。
【0021】
図4~5を参照し、本願の実施例1であり、本実施例では、図4及び図5は、それぞれ本願の実施例1の構造分解図である。本考案の温度ヒューズは2つの電極シートを有し、それぞれセラミックケースに加締められ、リード及び接点はそれぞれ2つの電極シートにスポット溶接され、ガイドピン17とホルダー16は一体的に溶接され、ホルダー16の内部において、フローティングばね18は、ブリッジ19を付勢してブリッジ19が接点2に接触するときにフローティング圧力を有するようにし、上記ガイドピン17、ホルダー16、フローティングばね18及びブリッジ19は一体式押棒を形成し、押棒の前端に押棒ばね20が配置されている。温度ヒューズがトリガーされていないときに押棒ばね20は圧縮状態にあり、抵抗線(作用について、製品を定格電流の大きい回路に使用する場合、抵抗線は消弧作用を発揮し、リードが接点から分離するとアークが発生することを防止する)は電極シートに溶接された溶接ピンに接続され、ばねはセラミックケースのキャビティ内に配置され、感温体は銅製キャップ内に配置され、上端がばねピンを支持し、ばねピンのピン本体の下端部と銅製キャップは大きな隙間嵌めを形成し、大きな隙間は感温体の溶融排出に有利であり、ばねピンの上端は2つのばねを支持し、取り付け板はセラミックケースに加締められることで、温度伝達及び固定の作用を発揮し、カバープレートはリベットとセラミックケースとの隙間によって防塵、封止作用を発揮する。
【0022】
図6~9に示すように、本願に係る温度ヒューズは、対向して設けられるリード及び接点を備え、ばね機構、感温体及び押棒をさらに備え、前記ばね機構はばね及びばねピンを備え、前記ばねはばねピンの一端に外装されている。前記温度ヒューズがトリガーされていないときに前記ばねは圧縮状態にあり、前記感温体は前記ばねピンの他端に当接し、前記押棒の一端はリードに当接し、前記押棒の他端はばねピンの一側壁の端部に当接し、ばねの伸縮方向における前記感温体の長さは、ばねの伸縮方向においてばねピンに当接する押棒の長さ以上である。
【0023】
上記説明からわかるように、本願の有益な効果にとして、
本願に係る温度ヒューズは、押棒と感温体とを直接接触させて伝動を実現する態様を変更し、両方の間にばね機構を増設することで押棒と感温体との間接伝動を実現する。具体的には、前記ばね機構はばね及びばねピンを備え、前記ばねはばねピンの一端に外装され、前記温度ヒューズがトリガーされていないときに前記ばねは圧縮状態にあり、前記感温体は前記ばねピンの他端に当接し、前記押棒の一端はリードに当接し、前記押棒の他端はばねピンの一側壁の端部に当接し、ばねの伸縮方向における前記感温体の長さは、ばねの伸縮方向においてばねピンに当接する押棒の長さ以上であり、感温体がトリガーされると、ばねの圧縮弾力が解放されて押棒の他端とばねピンとを分離し、さらにリードが自体の弾力の作用により接点と分離して回路を遮断する。上記構造によって感温体の劣化による電極の接触不良という問題を克服する。
【0024】
さらには、前記ばねピンは、ベースと、それぞれ前記ベースの両端の同じ側に設けられる2つのピン本体と、ベースに設けられる接続部とを備え、前記接続部とピン本体はベースの異なる側にあり、前記ばねはピン本体に外装され、前記感温体は接続部に当接し、前記押棒の他端は前記ベースの2つのピン本体間に位置する部分に当接する。
【0025】
上記説明からわかるように、上記構造によって、感温体と押棒との間接伝動を実現する。
【0026】
さらには、前記温度ヒューズはシェルをさらに備え、前記シェルの一端部には間隔をあけて設けられる2つの電極シートが設けられ、2つの前記電極シートはそれぞれリード及び接点に1対1で対応して電気的に接続される。
【0027】
さらには、前記シェルの内部にガイドプレートが設けられ、前記ガイドプレートは押棒の位置に対応して設けられる。
【0028】
上記説明からわかるように、上記構造によって、ガイドプレートはシェル内に加締めて固定され、且つ押棒の位置に対応して設けられることで、押棒の脱落を防止できる。
【0029】
さらには、前記シェルの内部に銅製キャップが設けられ、前記感温体は前記銅製キャップ内に設けられる。
【0030】
上記説明からわかるように、上記構造によって感温体を制限する。
【0031】
さらには、前記接続部は円筒状を呈し、前記銅製キャップの内部空間は円筒状であり、前記感温体は円筒状を呈し、前記接続部の外径は感温体の外径に等しく、前記銅製キャップの内径は前記接続部の外径よりも大きい。
【0032】
上記説明からわかるように、上記構造によって、ばねピンの接続部と銅製キャップとの間には大きな隙間嵌めを形成し、大きな隙間は感温体の溶融排出に有利である。
【0033】
さらには、前記シェルは取り付け板をさらに備え、前記シェルの他端部に開口部を有し、前記取り付け板は、リベットによって前記シェルの開口部に固定されて前記開口部を封止し、前記銅製キャップは前記取り付け板の内側壁に当接している。
【0034】
上記説明からわかるように、上記構造によって、取り付け板はリベットによってシェルに加締められることで、封止作用を発揮するとともに、銅製キャップ制限の作用も発揮する。また、従来の温度ヒューズは、樹脂などの材料で封止を行い、温度が高すぎると封止材料が溶融するため、高温環境に適用できない。一方、上記構造の封止方式によれば、耐高温の特性を有し、高融点の温度ヒューズを実現できる。
【0035】
さらには、前記シェル内にキャビティが設けられ、前記キャビティ内に絶縁マイカシート及び抵抗線が設けられ、前記抵抗線は、電極シートに設けられる溶接ピンに電気的に接続され、前記絶縁マイカシートは抵抗線と取り付け板との間に設けられる。
【0036】
上記説明からわかるように、上記構造によって、製品を定格電流の大きい回路に使用する場合、抵抗線は消弧作用を発揮し、リードが接点から分離するとアークが発生することを防止する。
【0037】
さらには、前記シェルの材質はセラミック又はプラスチックである。
【0038】
さらには、前記押棒の材質はセラミック又はプラスチックである。
【0039】
上記説明からわかるように、上記構造によって、耐温性は500℃以上に達することができる。
【0040】
図6~9に本願の実施例2を示す。
本願に係る温度ヒューズは、リード1、接点2、ばね機構、感温体3、押棒4、シェル5、ガイドプレート6、電極シート7、マイカシート8、銅製キャップ9、取り付け板10及びリベット11を備え、本実施例では、前記シェルの材質はセラミック又はプラスチックである。前記押棒の材質はセラミック又はプラスチックである。
【0041】
前記シェル5の対向する両端部はいずれも開口部であり、具体的には上端開口部及び下端開口部である。
上記リード1、接点2、ばね機構、感温体3、押棒4、ガイドプレート6及び銅製キャップ9のそれぞれはいずれもシェル5の内部に設けられ、2つの電極シート7は間隔をあけて上端開口部の両側に設けられ、マイカシート8も上端開口部に設けられ且つ2つの電極シートの間に位置し、2つの電極シートは該製品の2つの接続端子として機能する。本実施例では、マイカシートは側面から電極シートとシェルとの隙間に挿入可能であり、防塵、封止作用を発揮する。
【0042】
上記リード1及び接点2は対向して設けられ、2つの前記電極シートはそれぞれリード及び接点に1対1で対応して電気的に接続され、
前記ばね機構はばね12及びばねピン13を備え、ばねピン13は、ベース131と、それぞれ前記ベース131の両端の同じ側に設けられる2つのピン本体132と、ベース131に設けられる接続部133とを備え、前記接続部133とピン本体132はベースの異なる側にあり、前記ばね12はピン本体132に外装され、前記ばね12はばねピン13の一端に外装され、前記温度ヒューズがトリガーされていないときに前記ばねは圧縮状態にあり、前記感温体3は前記ばねピン13の他端に当接し、前記押棒4の一端はリード1に当接し、前記押棒4の他端はばねピン13の一側壁の端部に当接し、ばねの伸縮方向における前記感温体3の長さは、ばねの伸縮方向における押棒4の長さに一致する。前記感温体3は接続部133に当接し、前記押棒4の他端は前記ベースの2つのピン本体間に位置する部分に当接する。
【0043】
前記シェル5の内部にガイドプレート6が設けられ、前記ガイドプレートは押棒の位置に対応して設けられる。ガイドプレートはシェル内にリベットで固定され、且つ押棒の位置に対応して設けられることで、押棒の脱落を防止できる。
【0044】
前記シェル5の内部に銅製キャップ9が設けられ、前記感温体3は前記銅製キャップ9内に設けられ、前記接続部133は円筒状を呈し、前記銅製キャップ9の内部空間は円筒状であり、前記感温体3は円筒状を呈し、前記接続部の外径は感温体の外径に等しく、前記銅製キャップの内径は前記接続部の外径よりも大きい。ばねピンの接続部と銅製キャップの間には大きな隙間嵌めを形成し、大きな隙間は感温体の溶融排出に有利である。
【0045】
前記取り付け板10は、リベット11によって前記シェルの下端開口部に固定されて前記下端開口部を封止し、前記銅製キャップ9は、前記取り付け板10の内側壁に当接している。
【0046】
好ましくは、前記シェルはセラミックシェルであり、前記感温体はトリガーメカニズムが300℃よりも高い材料を使用する。さらに温度ヒューズは300℃以上の温度に適用できる。
【0047】
図6~11に本願の実施例3を示す。
上記実施例2との相違点として、シェル内に抵抗線が増設されている。具体的には、前記シェル内にキャビティが設けられ、前記キャビティ内に絶縁マイカシート15及び抵抗線14が設けられ、前記抵抗線14は電極シート7に設けられる溶接ピンに電気的に接続され、前記絶縁マイカシート15は抵抗線14と取り付け板10との間に設けられる。上記構造によって、製品を定格電流の大きい回路に使用する場合、抵抗線は消弧作用を発揮し、リードが接点から分離するとアークが発生することを防止する。
【0048】
以上のように、本願に係る温度ヒューズは、押棒と感温体とを直接接触させて伝動を実現する態様を変更し、両方の間にばね機構を増設することで押棒と感温体との間接伝動を実現し、具体的には、前記ばね機構はばね及びばねピンを備え、前記ばねはばねピンの一端に外装され、前記温度ヒューズがトリガーされていないときに前記ばねは圧縮状態にあり、前記感温体は前記ばねピンの他端に当接し、前記押棒の一端はリードに当接し、前記押棒の他端はばねピンの一側壁の端部に当接し、ばねの伸縮方向における前記感温体の長さは、ばねの伸縮方向においてばねピンに当接する押棒の長さ以上であり、感温体がトリガーされると、ばねの圧縮弾力が解放されて押棒の他端とばねピンとを分離し、さらにリードが自体の弾力の作用により接点と分離して回路を遮断する。上記構造によって感温体の劣化による電極の接触不良という問題を克服する。また、耐高温の利点を有する。
【0049】
以上、本願の実施例を説明したが、本願の特許請求の範囲を限定するものではなく、本願の明細書及び図面の内容を用いて行われる同等の変更や関連技術分野での直接又は間接的な応用はすべて同様に本願の特許の保護範囲に含まれる。
【0050】
本明細書に記載の「1つの実施例」、「実施例」又は「1つ又は複数の実施例」は、実施例を参照しつつ説明される特定の特徴、構造又は特性が本願の少なくとも1つの実施例に含まれることを意味する。なお、ここで、「1つの実施例では」の用語の例は必ずしもすべて同一の実施例ではない。
【0051】
本明細書では、多くの詳細な説明を行った。しかしながら、本願の実施例は、これらの詳細な説明がなくても実践され得ることは理解されたい。いくつかの例では、本明細書の理解を曖昧にしないために、周知の方法、構造及び技術は詳細に示されていない。
【0052】
なお、以上の実施例は本願の技術的解決手段を説明するためのものに過ぎず、それを限定するものではなく、前述した実施例を参照しつつ本願を詳細に説明したが、当業者が理解できるように、前述した各実施例に記載の技術的解決手段を変更したり、その一部の技術的特徴に対して同等置換を行ったりすることができ、これらの変更や置換は、対応する技術的解決手段の本質を本願の各実施例の技術的解決手段の趣旨及び範囲から逸脱させることがない。
【符号の説明】
【0053】
1、リード
2、接点
3、感温体
4、押棒
5、シェル
6、ガイドプレート
7、電極シート
8、マイカシート
9、銅製キャップ
10、取り付け板
11、リベット
12、ばね
13、ばねピン
131、ベース
132、ピン本体
133、接続部
14、抵抗線
15、絶縁マイカシート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2023-03-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
図1】本願の実施例に係る温度ヒューズの構造模式図である。
図2】本願の実施例に係る温度ヒューズの押棒の配置形態である。
図3】本願の実施例に係る別の温度ヒューズの押棒の配置形態である。
図4】本願の実施例1に係る温度ヒューズの構造分解図である。
図5本願の実施例2の温度ヒューズの構造分解図である。
図6本願の実施例2の温度ヒューズの組立断面図である。
図7本願の実施例2の温度ヒューズの部分構造模式図である。
図8本願の実施例2の温度ヒューズの部分正面図である。
図9本願の実施例3の温度ヒューズの構造分解図である。
図10本願の実施例3の温度ヒューズの組立断面図である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
4を参照し、本願の実施例1であり、本実施例では、図4は、本願の実施例1の構造分解図である。本考案の温度ヒューズは2つの電極シートを有し、それぞれセラミックケースに加締められ、リード及び接点はそれぞれ2つの電極シートにスポット溶接され、ガイドピン17とホルダー16は一体的に溶接され、ホルダー16の内部において、フローティングばね18は、ブリッジ19を付勢してブリッジ19が接点2に接触するときにフローティング圧力を有するようにし、上記ガイドピン17、ホルダー16、フローティングばね18及びブリッジ19は一体式押棒を形成し、押棒の前端に押棒ばね20が配置されている。温度ヒューズがトリガーされていないときに押棒ばね20は圧縮状態にあり、抵抗線(作用について、製品を定格電流の大きい回路に使用する場合、抵抗線は消弧作用を発揮し、リードが接点から分離するとアークが発生することを防止する)は電極シートに溶接された溶接ピンに接続され、ばねはセラミックケースのキャビティ内に配置され、感温体は銅製キャップ内に配置され、上端がばねピンを支持し、ばねピンのピン本体の下端部と銅製キャップは大きな隙間嵌めを形成し、大きな隙間は感温体の溶融排出に有利であり、ばねピンの上端は2つのばねを支持し、取り付け板はセラミックケースに加締められることで、温度伝達及び固定の作用を発揮し、カバープレートはリベットとセラミックケースとの隙間によって防塵、封止作用を発揮する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0047】
10~11に本願の実施例3を示す。
上記実施例2との相違点として、シェル内に抵抗線が増設されている。具体的には、前記シェル内にキャビティが設けられ、前記キャビティ内に絶縁マイカシート15及び抵抗線14が設けられ、前記抵抗線14は電極シート7に設けられる溶接ピンに電気的に接続され、前記絶縁マイカシート15は抵抗線14と取り付け板10との間に設けられる。上記構造によって、製品を定格電流の大きい回路に使用する場合、抵抗線は消弧作用を発揮し、リードが接点から分離するとアークが発生することを防止する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正の内容】
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2023-03-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
に示すように、本願に係る温度ヒューズは、対向して設けられるリード及び接点を備え、ばね機構、感温体及び押棒をさらに備え、前記ばね機構はばね及びばねピンを備え、前記ばねはばねピンの一端に外装されている。前記温度ヒューズがトリガーされていないときに前記ばねは圧縮状態にあり、前記感温体は前記ばねピンの他端に当接し、前記押棒の一端はリードに当接し、前記押棒の他端はばねピンの一側壁の端部に当接し、ばねの伸縮方向における前記感温体の長さは、ばねの伸縮方向においてばねピンに当接する押棒の長さ以上である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0040】
に本願の実施例2を示す。
本願に係る温度ヒューズは、リード1、接点2、ばね機構、感温体3、押棒4、シェル5、ガイドプレート6、電極シート7、マイカシート8、銅製キャップ9、取り付け板10及びリベット11を備え、本実施例では、前記シェルの材質はセラミック又はプラスチックである。前記押棒の材質はセラミック又はプラスチックである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0047】
10に本願の実施例3を示す。
上記実施例2との相違点として、シェル内に抵抗線が増設されている。具体的には、前記シェル内にキャビティが設けられ、前記キャビティ内に絶縁マイカシート15及び抵抗線14が設けられ、前記抵抗線14は電極シート7に設けられる溶接ピンに電気的に接続され、前記絶縁マイカシート15は抵抗線14と取り付け板10との間に設けられる。上記構造によって、製品を定格電流の大きい回路に使用する場合、抵抗線は消弧作用を発揮し、リードが接点から分離するとアークが発生することを防止する。
【国際調査報告】