(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-06
(54)【発明の名称】顕微手術補助装置
(51)【国際特許分類】
G02B 21/00 20060101AFI20230929BHJP
G02B 21/06 20060101ALI20230929BHJP
G02B 21/22 20060101ALI20230929BHJP
G02B 21/24 20060101ALI20230929BHJP
A61B 90/25 20160101ALI20230929BHJP
【FI】
G02B21/00
G02B21/06
G02B21/22
G02B21/24
A61B90/25
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023518807
(86)(22)【出願日】2021-04-25
(85)【翻訳文提出日】2023-03-23
(86)【国際出願番号】 CN2021089570
(87)【国際公開番号】W WO2022062383
(87)【国際公開日】2022-03-31
(31)【優先権主張番号】202011009438.8
(32)【優先日】2020-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519341142
【氏名又は名称】ズーマックス メディカル コーポレーション,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】王 吉龍
(72)【発明者】
【氏名】何 進
(72)【発明者】
【氏名】李 剣月
(72)【発明者】
【氏名】杜 雷
(72)【発明者】
【氏名】朱 誠杰
【テーマコード(参考)】
2H052
【Fターム(参考)】
2H052AA13
2H052AB18
2H052AB19
2H052AB21
2H052AC01
2H052AC04
2H052AC14
2H052AC30
2H052AD02
2H052AF14
2H052AF21
(57)【要約】
【課題】本発明の実施例において顕微手術補助装置を提供する。
【解決手段】顕微手術補助装置は、鏡筒と非メガネ方式3Dディスプレイ装置を含み、鏡筒内にはイメージングユニットが取り付けられ、イメージングユニットは、大型対物レンズ群、ズームレンズ群、第一鏡筒対物レンズ及び感光素子を含み、大型対物レンズ群、ズームレンズ群、第一鏡筒対物レンズ及び感光素子は1つの観察光路に順に配置され、大型対物レンズ群は少なくとも1つの正レンズ群と少なくとも1つの負レンズ群を含み、正レンズ群と負レンズ群は1つの光軸上に配置され、正レンズ群と負レンズ群との間の距離を調節することができ、非メガネ方式3Dディスプレイ装置は感光素子に連結され、非メガネ方式3Dディスプレイ装置と観察者との間の距離は400~1200mmであり、非メガネ方式3Dディスプレイ装置の視野角は120°以上である。本発明の顕微手術補助装置により、観察者は非メガネ方式3Dディスプレイ装置を直接に観察しながら手術を行うことができる。顕微手術補助装置は構造が簡単であり、画像に対して複雑なデータ処理をする必要がないので、システムの遅延を低減することができる。また、非メガネ方式3Dディスプレイ装置を使用する場所の条件と使用の習慣が異なることによりいろいろな固定手段を採用することにより、構造を簡単にし、安定性を向上させることができる。顕微手術補助装置に目視観察部品を更に取り付けることにより従来の技術の目視観察をすることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鏡筒(1)と非メガネ方式3Dディスプレイ装置(2)を含み、前記鏡筒(1)内にはイメージングユニット(10)が取り付けられ、前記イメージングユニット(10)は、大型対物レンズ群(11)、ズームレンズ群(12)、第一鏡筒対物レンズ(13)及び感光素子(14)を含み、前記大型対物レンズ群(11)、ズームレンズ群(12)、第一鏡筒対物レンズ(13)及び感光素子(14)は1つの観察光路(15)に順に配置され、前記大型対物レンズ群(11)は少なくとも1つの正レンズ群(111)と少なくとも1つの負レンズ群(112)を含み、前記正レンズ群(111)と負レンズ群(112)は1つの光軸上に配置され、前記正レンズ群(111)と負レンズ群(112)との間の距離を調節することができ、前記非メガネ方式3Dディスプレイ装置(2)は前記感光素子(14)に連結され、前記非メガネ方式3Dディスプレイ装置(2)と観察者(5)との間の距離は400~1200mmであり、前記非メガネ方式3Dディスプレイ装置(2)の視野角は120°以上であることを特徴とする顕微手術補助装置。
【請求項2】
前記正レンズ群(111)は異なる材料で構成される少なくとも2つの光学レンズを含み、前記負レンズ群(112)は異なる材料で構成される少なくとも2つの光学レンズを含み、前記負レンズ群(112)は観察対象に近づいており、前記負レンズ群(112)は外側面(1121)と裏側面(1122)を含み、前記外側面(1121)と裏側面(1122)はいずれも凹面であり、前記外側面(1121)の曲率半径の絶対値は前記裏側面(1122)の曲率半径の絶対値より小さいことを特徴とする請求項1に記載の顕微手術補助装置。
【請求項3】
前記正レンズ群(111)と負レンズ群(112)との間の距離の調節範囲は6mm以上であることを特徴とする請求項1に記載の顕微手術補助装置。
【請求項4】
前記鏡筒(1)内には少なくとも1つの照明ユニット(3)が取り付けられ、各前記照明ユニット(3)は前記大型対物レンズ群(11)により照明光線を観察対象に照らし、前記大型対物レンズ群(11)に入射する照明光線の方向は前記大型対物レンズ群(11)の光軸の方向に平行であり、
前記照明ユニット(3)は、1つの照明光路(35)に順に配列されている光源モジュール(31)、集光レンズ群(32)、アパチャー(33)及び投射レンズ群(34)を含み、前記光源モジュール(31)は少なくとも一種のLED光源(311)を含み、前記光源モジュール(31)中の少なくとも一種のLED光源(311)は所定の照明光路(35)により観察対象に光線を照らすことができることを特徴とする請求項1に記載の顕微手術補助装置。
【請求項5】
前記投射レンズ群(34)は少なくとも1つの第一レンズ(341)を含み、前記第一レンズ(341)は駆動手段により第一レンズ(341)の光軸の方向に移動することができ、
前記ズームレンズ群(12)は無段拡大構造であり、前記ズームレンズ群(12)は少なくとも2組の第二レンズ(121)を含み、前記第二レンズ(121)は駆動手段により2つの第二レンズ(121)の光軸の方向にそれぞれ移動することができることを特徴とする請求項4に記載の顕微手術補助装置。
【請求項6】
前記顕微手術補助装置は前記投射レンズ群(34)とズームレンズ群(12)との間に取り付けられる伝動装置を更に含み、前記投射レンズ群(34)とズームレンズ群(12)は前記伝動装置により連動することを特徴とする請求項5に記載の顕微手術補助装置。
【請求項7】
前記顕微手術補助装置は2つの観察光路(15)を具備し、前記顕微手術補助装置は観察ユニット(4)を更に含み、前記観察ユニット(4)は、接眼レンズ(41)、屈折レンズ群(42)及び第二鏡筒対物レンズ(43)を含み、前記イメージングユニット(10)はスペクトロスコープ組(16)を更に含み、1つの観察光路(15)において、光線は前記大型対物レンズ群(11)とズームレンズ群(12)を順に通過した後前記スペクトロスコープ組(16)に入射し、前記スペクトロスコープ組(16)は光線を2つの部分に分光し、分光される一部の光線は前記第一鏡筒対物レンズ(13)を通過した後前記感光素子(14)に入射し、他の光線は、第二鏡筒対物レンズ(43)、屈折レンズ群(42)及び接眼レンズ(41)を順に通過することを特徴とする請求項1に記載の顕微手術補助装置。
【請求項8】
前記顕微手術補助装置は支持構造(6)を更に含み、前記支持構造(6)は、ベース(61)と、該ベース(61)上に垂直方向に取り付けられる支持棒(62)と、該支持棒(62)上に回転可能に取り付けられる大型横方向アーム(63)と、該大型横方向アーム(63)上に回転可能に取り付けられる小型横方向アーム(64)と、該小型横方向アーム(64)に回転可能に取り付けられるバランスアーム(65)とを含み、前記鏡筒(1)と観察ユニット(4)は前記バランスアーム(65)上に取り付けられ、
前記非メガネ方式3Dディスプレイ装置(2)は前記大型横方向アーム(63)または支持棒(62)上に取り付けられるか或いは、前記顕微手術補助装置は支持台(21)と該支持台(21)上に取り付けられる連結棒(22)を更に含み、前記非メガネ方式3Dディスプレイ装置(2)は前記連結棒(22)の一端に連結され、前記非メガネ方式3Dディスプレイ装置(2)は前記支持台(21)と連結棒(22)により地面に置かれるか或いは天井に掛けられることを特徴とする請求項7に記載の顕微手術補助装置。
【請求項9】
前記連結棒(22)の他端は前記支持台(21)上に移動及び回転可能に連結され、前記連結棒(22)は前記支持台(21)に相対して連結棒(22)の軸方向に移動するか或いは連結棒(22)を回転軸として回転することができることを特徴とする請求項8に記載の顕微手術補助装置。
【請求項10】
前記非メガネ方式3Dディスプレイ装置(2)のサイズは12~16インチであり、前記顕微手術補助装置は、採集装置、処理装置及び駆動装置を更に含み、前記採集装置は観察者(5)の肉眼の位置情報を採集するように配置され、前記処理装置は、採集された肉眼の位置情報で前記駆動装置の作動を制御することにより、前記非メガネ方式3Dディスプレイ装置(2)の表示角度を調節するように配置されることを特徴とする請求項1に記載の顕微手術補助装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用機器の技術分野に属し、特に、顕微手術補助装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
顕微手術は拡大装置を採用することにより細かい手術を実施するものである。従来の手術用光学顕微鏡で手術をすることにより、患部の組織を拡大し、肉眼で観察できない微細の組織を観察し、組織の立体感を獲得することができる。それにより、医者さんが組織を正確に解剖するか或いは縫合することをサポートすることができる。肉眼で血管を観察しながら肉眼の縫合手術をする医者さんの経験が豊富であっても、顕微外科手術に初めて着手するとき、顕微外科手術の訓練を受けないことにより、目と手の調和をとることができず、顕微手術の操作に影響を与えるおそれがある。顕微手術をよく行うため、一定の訓練と適応が必要である。
【0003】
従来の手術顕微鏡の接眼レンズの射出ひとみの位置(Exit pupil position)は固定しており、射出ひとみの直径は約2mmである。イメージング視野の全域を観察するため、操作者は目の瞳孔を接眼レンズの射出ひとみの位置に合わせる姿勢を長く維持する必要がある。現在の顕微鏡は観察者の目に合うように設計されているが、目の瞳孔を接眼レンズの射出ひとみの位置に長く合わせることにより操作者は疲労感を感じるおそれがある。患者の特殊な部位を治療するとき、手術顕微鏡を多く傾斜させる場合も多い。その場合、操作者は目を移動させることにより手術顕微鏡の接眼レンズの移動に合わせる必要がある。その問題を解決するため、手術顕微鏡の接眼レンズの移動を抑制する補償手段が提案されたが、その補償手段は、補償の範囲が小さいとの欠点を有しており、かつ手術顕微鏡を多く傾斜させるたびに補償手段を調節する必要がある。
【0004】
そのため、ディスプレイ装置でビデオ画像を表示する技術が提案されたが、一般のディスプレイ装置は物体画面の深さに関する情報を表示することができないので、そのディスプレイ装置を現実の手術に用いることができない。
【0005】
従来の技術において、偏光(polarization)技術による3Dディスプレイ装置を採用してきたが、観察者が偏光眼鏡(Polarizing glasses)を着用しないと3D画像を視聴することができないので、観察者の操作に影響を与えるおそれがある。また、FPR光学フィルムの画素レベルの構造を更に小さくすることができないので、その構造を大型のディスプレイ装置にのみ使用することができる。そのディスプレイ装置を観察者から2m以上離れている箇所に置き、かつ観察者がディスプレイ装置の正面に立たないと、理想的な画像を観察することができない。観察者が視線を遠く離れている物体から近く離れている物体にそらすか或いは近く離れている物体から遠く離れている物体にそらすとき、目のレンズ(lens)はその距離の変化の適応に一定の時間がかかる。したがって、操作者が視線を遠く離れている3Dディスプレイ装置から近く離れている顕微鏡または他の装置にそらすとき、目のレンズは焦点を再び調節する必要があるので、使用者の連続的な観察に影響を与えるおそれがある。偏光による光線の損失により、使用者の肉眼の主観的輝度(subjective luminance)は低下し、視覚の疲労感を感じるおそれがある。
【0006】
中国特許公開第CN109147913A号には手術顕微鏡の2つのマイクロイメージを同時に表示するシステム及び方法が開示されている。前記システムは、手術顕微鏡、処理装置、非メガネ方式3Dディスプレイ装置及び投影スクリーンを含み、処理装置は2つの出力端と処理モジュールを含む。処理モジュールは、手術画像を受信するとき画素の3D頂点座標(3D vertex coordinates)で手術画像の空間変換を実施することにより、レンダリングイメージ(Rendered image)を獲得する。つぎに、レンダリングイメージにより1つの深さ情報付き画像を獲得し、1つの深さ情報付き画像を合成することによりマルチビューイメージ(Multi-view image)を獲得する。最後は、2つの出力端によりマルチビューイメージを非メガネ方式3Dディスプレイ装置と投影スクリーンに同時に送信する。その技術により手術顕微鏡で手術をする効果を向上させることができる。しかしながら、採集された画像に対してデータの変換と処理を実施することにより画像の遅延が大幅に増加するおそれがあるので、その技術を実際の手術に用いることができない。
【0007】
中国特許公開第CN111045202A号には手術顕微鏡が開示されている。前記手術顕微鏡は、照明システム、イメージングシステム及び画像処理システムを含む。複数の光学イメージングサブシステムで画像を同時に形成し、複数のイメージングシステムがいろいろなイメージング機能に対応することにより、複数の光路と機能で画像を合成することにより被写体深度(depth of field)が大きく、解像度が高い左眼画像と右眼画像を獲得することができる。つぎに、2つの画像に対して3D合成を実施することにより、最終の3D画像のフィーリングオフ深さ(feeling of depth)を大幅に低減し、解像度を大幅に向上させることができる。それにより被写体深度が大きく、解像度が高い画像を獲得することができる。前記手術顕微鏡はよい快適性を有しているので、快適性に対する要求を満たすことができる。その発明も採集された画像に対して複雑なデータ処理を実施することにより画像の遅延が大幅に増加するおそれがあるので、その技術を手術に用いることができない。また、手術顕微鏡に8つのイメージングシステムを取り付ける必要があるので、前記手術顕微鏡は、構造が複雑であり、製造のコストが多くかかわるとの欠点を有している。
【0008】
従来の技術の課題を解決するため、新しい技術的事項を提案する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は顕微手術補助装置を提供することにある。本発明の顕微手術補助装置により、観察者は非メガネ方式3Dディスプレイ装置を直接に観察しながら手術を行うことができる。本発明の顕微手術補助装置は、構造が簡単であり、システムの遅延が少ないとの利点を有している。また、非メガネ方式3Dディスプレイ装置を使用する場所の条件と使用の習慣が異なることにより、いろいろな固定手段を採用することができるので、構造が簡単であり、安定性がよいとの利点を有している。顕微手術補助装置に観察部品を更に取り付けることにより従来の技術のように目視観察をすることができる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の目的を実現するため、本発明の実施例において下記顕微手術補助装置を提供する。前記顕微手術補助装置は、鏡筒と非メガネ方式3Dディスプレイ装置を含み、前記鏡筒内にはイメージングユニットが取り付けられ、前記イメージングユニットは、大型対物レンズ群、ズームレンズ群、第一鏡筒対物レンズ及び感光素子を含み、前記大型対物レンズ群、ズームレンズ群、第一鏡筒対物レンズ及び感光素子は1つの観察光路に順に配置され、前記大型対物レンズ群は少なくとも1つの正レンズ群と少なくとも1つの負レンズ群を含み、前記正レンズ群と負レンズ群は1つの光軸上に配置され、前記正レンズ群と負レンズ群との間の距離を調節することができ、前記非メガネ方式3Dディスプレイ装置は前記感光素子に連結され、前記非メガネ方式3Dディスプレイ装置と観察者との間の距離は400~1200mmであり、前記非メガネ方式3Dディスプレイ装置の視野角は120°以上である。
【0011】
本発明の実施例において、前記正レンズ群は異なる材料で構成される少なくとも2つの光学レンズを含み、前記負レンズ群は異なる材料で構成される少なくとも2つの光学レンズを含み、前記負レンズ群は観察対象に近づいており、前記負レンズ群は外側面と裏側面を含み、前記外側面と裏側面はいずれも凹面であり、前記外側面の曲率半径の絶対値は前記裏側面の曲率半径の絶対値より小さい。
【0012】
本発明の実施例において、前記正レンズ群と負レンズ群との間の距離の調節範囲は6mm以上である。
【0013】
本発明の実施例において、前記鏡筒内には少なくとも1つの照明ユニットが取り付けられ、各前記照明ユニットは前記大型対物レンズ群により照明光線を観察対象に照らし、前記大型対物レンズ群に入射する照明光線の方向は前記大型対物レンズ群の光軸の方向に平行であり、前記照明ユニットは、1つの照明光路に順に配列されている光源モジュール、集光レンズ群、アパチャー及び投射レンズ群を含み、前記光源モジュールは少なくとも一種のLED光源を含み、前記光源モジュール中の少なくとも一種のLED光源は所定の照明光路により観察対象に光線を照らすことができる。
【0014】
本発明の実施例において、前記投射レンズ群は少なくとも1つの第一レンズを含み、前記第一レンズは駆動手段により第一レンズの光軸の方向に移動することができ、前記ズームレンズ群は無段拡大構造であり、前記ズームレンズ群は少なくとも2組の第二レンズを含み、前記第二レンズは駆動手段により2つの第二レンズの光軸の方向にそれぞれ移動することができる。
【0015】
本発明の実施例において、前記顕微手術補助装置は前記投射レンズ群とズームレンズ群との間に取り付けられる伝動装置を更に含み、前記投射レンズ群とズームレンズ群は前記伝動装置により連動する。
【0016】
本発明の実施例において、前記顕微手術補助装置は2つの観察光路を具備し、前記顕微手術補助装置は観察ユニットを更に含み、前記観察ユニットは、接眼レンズ、屈折レンズ群及び第二鏡筒対物レンズを含み、前記イメージングユニットはスペクトロスコープ組を更に含み、1つの観察光路において、光線は前記大型対物レンズ群とズームレンズ群を順に通過した後前記スペクトロスコープ組に入射し、前記スペクトロスコープ組は光線を2つの部分に分光し、分光される一部の光線は前記第一鏡筒対物レンズを通過した後前記感光素子に入射し、他の光線は、第二鏡筒対物レンズ、屈折レンズ群及び接眼レンズを順に通過する。
【0017】
本発明の実施例において、前記顕微手術補助装置は支持構造を更に含み、前記支持構造は、ベースと、該ベース上に垂直方向に取り付けられる支持棒と、該支持棒上に回転可能に取り付けられる大型横方向アームと、該大型横方向アーム上に回転可能に取り付けられる小型横方向アームと、該小型横方向アームに回転可能に取り付けられるバランスアームとを含み、前記鏡筒と観察ユニットは前記バランスアーム上に取り付けられ、前記非メガネ方式3Dディスプレイ装置は前記大型横方向アームまたは支持棒上に取り付けられるか或いは、前記顕微手術補助装置は支持台と該支持台上に取り付けられる連結棒を更に含み、前記非メガネ方式3Dディスプレイ装置は前記連結棒の一端に連結され、前記非メガネ方式3Dディスプレイ装置は前記支持台と連結棒により地面に置かれるか或いは天井に掛けられる。
【0018】
本発明の実施例において、前記連結棒の他端は前記支持台上に移動及び回転可能に連結され、前記連結棒は前記支持台に相対して連結棒の軸方向に移動するか或いは連結棒を回転軸として回転することができる。
【0019】
本発明の実施例において、前記非メガネ方式3Dディスプレイ装置のサイズは12~16インチであり、前記顕微手術補助装置は、採集装置、処理装置及び駆動装置を更に含み、前記採集装置は観察者の肉眼の位置情報を採集するように配置され、前記処理装置は、採集された肉眼の位置情報で前記駆動装置の作動を制御することにより、前記非メガネ方式3Dディスプレイ装置の表示角度を調節するように配置される。
【発明の効果】
【0020】
従来の技術と比較してみると、本発明の顕微手術補助装置により下記発明の効果を奏することができる。
(1)本発明の顕微手術補助装置により、観察者は非メガネ方式3Dディスプレイ装置を直接に観察しながら手術を行うことができる。前記顕微手術補助装置は構造が簡単であり、画像に対して複雑なデータ処理をする必要がないので、システムの遅延を低減することができる。
(2)本発明の顕微手術補助装置において、非メガネ方式3Dディスプレイ装置と観察者5との間の距離を400~1200mmにし、非メガネ方式3Dディスプレイ装置を臨床装置の付近に取り付けることにより、観察者は非メガネ方式3Dディスプレイ装置とその付近の臨床装置を容易に観察することができ、非メガネ方式3Dディスプレイ装置とその付近の臨床装置を観察するため観察者が移動することを避けることができる。また、非メガネ方式3Dディスプレイ装置が観察者のそばに位置することにより、非メガネ方式3Dディスプレイ装置の輝度の損失を低減し、視聴の快適性を確保することができる。また、非メガネ方式3Dディスプレイ装置を観察者の付近に取り付けることにより使用者の近距離の観察習慣に合わせることができる。非メガネ方式3Dディスプレイ装置を使用する場所の条件と使用の習慣が異なることによりいろいろな固定手段を採用することにより、構造を簡単にし、安定性を向上させることができる。
(3)本発明の顕微手術補助装置において、いろいろな組織に対していろいろな拡大率を採用することにより観察の利便性を向上させることができる。
(4)本発明の顕微手術補助装置において、焦点距離の調節が可能な大型対物レンズ群により焦平面の位置を容易に調節することができる。すなわち、焦平面の位置(作業距離)を調節することにより手術に合う画面の深さを獲得することができる。また、2つのズームレンズ群が取り付けられるにより、いろいろな拡大率を獲得し、患部の全域または局部を観察することができる。
(5)本発明の顕微手術補助装置において、非メガネ方式3Dディスプレイ装置を使用することにより、観察者は非メガネ方式3Dディスプレイ装置の正面に立つ必要がなく、所定の視聴角度内において観察対象をよく観察することができ、非メガネ方式3Dディスプレイ装置の方向を調節する必要がない。
(6)本発明の顕微手術補助装置に目視観察部品を更に取り付けることにより従来の技術のように目視観察をすることができる。
(7)本発明の顕微手術補助装置において、前記大型対物レンズ群に入射する照明光線の方向が前記大型対物レンズ群の光軸の方向に平行であることにより反射による光線の損失を低減することができる。また、2つの照明光路を対称状態に配置することにより、照明の強度を向上させ、装置全体の横方向のサイズを低減し、鏡筒のバランスを取ることができる。
(8)本発明の顕微手術補助装置において、投射レンズ群とズームレンズ群が連動し、かつ倍率を変換させて観察をするとき照明光線のライトスポットを小さくすることにより、光の照射により視野外の組織に損傷を負わせることを抑制することができる。また、視野内の照度を向上させ、高倍率の観察をするとき肉眼の主観的輝度が低下することを補償することができる。
(9)本発明の顕微手術補助装置において、前記非メガネ方式3Dディスプレイ装置が観察者の肉眼に従って回転することにより最適な視聴角度を獲得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の実施例に係る顕微手術補助装置の構造を示す図である。
【
図2a】本発明の実施例に係る顕微手術補助装置の正レンズ群と負レンズ群との間の距離を調節するとき光路が変化することを示す図である。
【
図2b】本発明の実施例に係る顕微手術補助装置の正レンズ群と負レンズ群との間の距離を調節するとき光路が変化することを示す図である。
【
図3】
図3は本発明の実施例に係る顕微手術補助装置に観察ユニットが取り付けられている光路を示す図である。
【
図4】本発明の実施例に係る顕微手術補助装置に観察ユニットが取り付けられている構造を示す図である。
【
図5】本発明の実施例に係る顕微手術補助装置を歯科の臨床に使用することを示す図である。
【
図6a】本発明の実施例に係る顕微手術補助装置に2つの照明光路が設計されていることを示す図である。
【
図6b】本発明の実施例に係る顕微手術補助装置に2つの照明光路が設計されていることを示す図である。
【
図7】本発明の実施例に係る顕微手術補助装置において投射レンズ群とズームレンズ群が連動するときの光路を示す図である。
【
図8】本発明の実施例に係る顕微手術補助装置の非メガネ方式3Dディスプレイ装置の可視角度と距離を示す図である。
【
図9a】本発明の実施例に係る顕微手術補助装置の非メガネ方式3Dディスプレイ装置がフレームのいろいろな位置に取り付けられていることをそれぞれ示す図である。
【
図9b】本発明の実施例に係る顕微手術補助装置の非メガネ方式3Dディスプレイ装置がフレームのいろいろな位置に取り付けられていることをそれぞれ示す図である。
【
図9c】本発明の実施例に係る顕微手術補助装置の非メガネ方式3Dディスプレイ装置がフレームのいろいろな位置に取り付けられていることをそれぞれ示す図である。
【
図10a】本発明の実施例に係る顕微手術補助装置の非メガネ方式3Dディスプレイ装置がフレーム以外のいろいろな位置に取り付けられていることをそれぞれ示す図である。
【
図10b】本発明の実施例に係る顕微手術補助装置の非メガネ方式3Dディスプレイ装置がフレーム以外のいろいろな位置に取り付けられていることをそれぞれ示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の事前設定目的を達成しようとする技術的手段と発明の効果をより詳細に説明するため、以下、図面と好適な実施例により本発明の具体的な実施形態、構造、特徴及び発明の効果を詳細に説明する。
【0023】
図1~
図10を参照すると、
図1は本発明の実施例に係る顕微手術補助装置の構造を示す図であり、
図2aと
図2bは本発明の実施例に係る顕微手術補助装置の正レンズ群(Positive lens group)と負レンズ群(Negative lens group)との間の距離を調節するとき光路が変化することをそれぞれ示す概略図であり、
図3は本発明の実施例に係る顕微手術補助装置に観察ユニットが取り付けられている光路を示す概略図であり、
図4は本発明の実施例に係る顕微手術補助装置に観察ユニットが取り付けられている構造を示す図であり、
図5は本発明の実施例に係る顕微手術補助装置を歯科の臨床に使用することを示す図であり、
図6aと
図6bは本発明の実施例に係る顕微手術補助装置に2つの照明光路が設計されていることを示す図であり、
図7は本発明の実施例に係る顕微手術補助装置において投射レンズ群とズームレンズ群が連動するときの光路を示す図であり、
図8は本発明の実施例に係る顕微手術補助装置の非メガネ方式3Dディスプレイ装置の可視角度と距離を示す図であり、
図9aと
図9bは本発明の実施例に係る顕微手術補助装置の非メガネ方式3Dディスプレイ装置がフレームのいろいろな位置に取り付けられていることをそれぞれ示す図であり、
図10aと
図10bは本発明の実施例に係る顕微手術補助装置の非メガネ方式3Dディスプレイ装置がフレーム以外のいろいろな位置に取り付けられていることをそれぞれ示す図である。
【0024】
実施例
本発明の顕微手術補助装置は鏡筒1と非メガネ方式3Dディスプレイ装置(Autostereoscopy display device)2を含む。前記鏡筒1内にはイメージングユニット(Imaging Unit)10が取り付けられ、前記イメージングユニット10は、大型対物レンズ群(objective)11、ズームレンズ群12、第一鏡筒対物レンズ13及び感光素子(light-sensitive element)14を含む。
図1、
図2a及び
図2bに示すとおり、前記大型対物レンズ群11、ズームレンズ群12、第一鏡筒対物レンズ13及び感光素子14は1つの観察光路15に順に配置される。
【0025】
前記大型対物レンズ群11は少なくとも1つの正レンズ群111と少なくとも1つの負レンズ群112を含む。前記正レンズ群111と負レンズ群112は1つの光軸上に配置され、前記正レンズ群111と負レンズ群112との間の距離を調節することができる。前記正レンズ群111と負レンズ群112との間の距離の調節範囲は6mm以上である。焦点距離の調節が可能な大型対物レンズ群により焦平面(focal plane)の位置を容易に調節することができる。すなわち、焦平面の位置(作業距離)を調節することにより手術に合う画面の深さを獲得することができる。正レンズ群111と負レンズ群112との間の距離を調節することにより焦平面の位置(作業距離)を調節することができる。
図2aと
図2bに示すとおり、焦平面の位置(作業距離)の調節の範囲は正レンズ群111と負レンズ群112との間の距離に正比例する。前記正レンズ群111は異なる材料で構成される少なくとも2つの光学レンズを含み、前記負レンズ群112は異なる材料で構成される少なくとも2つの光学レンズを含む。前記負レンズ群112は観察対象に近づいている。前記負レンズ群112は外側面1121と裏側面1122を含み、前記外側面1121と裏側面1122はいずれも凹面である。前記外側面1121の曲率半径(Radius of curvature)の絶対値は前記裏側面1122の曲率半径の絶対値より小さい。
【0026】
本発明の好適な実施例において2つの観察光路15を設計することが好ましい。各観察光路15には1つのズームレンズ群12、第一鏡筒対物レンズ13及び感光素子14が取り付けられ、2つの観察光路15は1つの大型対物レンズ群11を共用する。2つのズームレンズ群12が取り付けられるにより、いろいろな拡大率(Magnification)を獲得し、患部の全域または局部を観察することができる。前記ズームレンズ群12として無限焦点(afocal)型ガリレオ構造(Galileo structure)を採用することが好ましい。ズームレンズ群12は有段拡大が可能なズームレンズ群と無段拡大が可能なズームレンズ群に大別される。前記ズームレンズ群12が無段拡大構造であるとき、ズームレンズ群12は少なくとも2組の第二レンズ121を含み、前記第二レンズ121は駆動手段により2つの第二レンズの光軸の方向にそれぞれ移動することができる。本発明の顕微手術補助装置は、前記ズームレンズ群12と焦点距離の調節が可能な大型対物レンズ群を一緒に使用することにより、いろいろな深さを有している組織に対していろいろな拡大率を獲得し、観察の利便性を向上させることができる。
【0027】
図4または
図9a~
図9cに示すとおり、本発明の顕微手術補助装置は支持構造6を更に含み、前記支持構造6は、ベース61と、該ベース61上に垂直方向に取り付けられる支持棒62と、該支持棒62上に回転可能に取り付けられる大型横方向アーム63と、該大型横方向アーム63上に回転可能に取り付けられる小型横方向アーム64と、該小型横方向アーム64に回転可能に取り付けられるバランスアーム65とを含む。前記鏡筒1は前記バランスアーム65に取り付けられる。
【0028】
前記非メガネ方式3Dディスプレイ装置2は前記感光素子14に連結される。前記非メガネ方式3Dディスプレイ装置2のサイズは12~16インチである。
図8に示すとおり、前記非メガネ方式3Dディスプレイ装置2と観察者5との間の距離は400~1200mmであり、前記非メガネ方式3Dディスプレイ装置2の視野角(viewing angle)は120°以上である。好ましい視野角は90°以上である。非メガネ方式3Dディスプレイ装置を使用する場所の条件と使用の習慣が異なることにより、いろいろな固定手段を採用することができる。構造が簡単であり、安定性がよい固定手段を採用することが好ましい。
図9aに示すとおり、非メガネ方式3Dディスプレイ装置2を前記大型横方向アーム63の上表面に取り付けることにより非メガネ方式3Dディスプレイ装置2を支持棒62の上方に位置させるか或いは、
図9cに示すとおり、非メガネ方式3Dディスプレイ装置2を前記大型横方向アーム63の下部に取り付けるか或いは、
図9bに示すとおり、非メガネ方式3Dディスプレイ装置2を前記支持棒62上に直接に取り付けることができる。非メガネ方式3Dディスプレイ装置2を大型横方向アーム63または支持棒62に取り付けるとき、非メガネ方式3Dディスプレイ装置2を回転可能に取り付けるか或いは回転不可能に固定させるか或いは着脱可能に取り付けるか或いは移動可能に取り付けることができる。
図10aに示すとおり、非メガネ方式3Dディスプレイ装置2を支持構造6上に取り付けず、支持台21と連結棒22により非メガネ方式3Dディスプレイ装置2を地面に置くか或いは、
図10bに示すとおり、非メガネ方式3Dディスプレイ装置2を天井に掛けることができる。
図10aに示す構造において、前記非メガネ方式3Dディスプレイ装置2は前記連結棒22の一端に連結され、前記連結棒22の他端は前記支持台21上に移動及び回転可能に連結される。前記連結棒22は前記支持台21に相対して連結棒22の軸方向に移動するか或いは連結棒22を回転軸として回転することにより、非メガネ方式3Dディスプレイ装置2を所定の位置に止めることができる。非メガネ方式3Dディスプレイ装置と観察者5との間の距離を400~1200mmにし、非メガネ方式3Dディスプレイ装置を臨床装置の付近に取り付けることにより、観察者5は非メガネ方式3Dディスプレイ装置とその付近の臨床装置を容易に観察することができ、非メガネ方式3Dディスプレイ装置とその付近の臨床装置を観察するため観察者が移動することを避けることができる。また、非メガネ方式3Dディスプレイ装置が観察者5のそばに位置することにより、非メガネ方式3Dディスプレイ装置の輝度の損失を低減し、視聴の快適性を確保することができる。また、非メガネ方式3Dディスプレイ装置を観察者5の付近に取り付けることにより使用者の近距離の観察習慣に合わせることができる。本発明は非メガネ方式3Dディスプレイ装置2を採用することにより、観察者5は非メガネ方式3Dディスプレイ装置を直接に観察しながら手術を行うことができる。顕微手術補助装置は構造が簡単であり、画像に対して複雑なデータ処理をする必要がないので、システムの遅延を低減することができる。また、非メガネ方式3Dディスプレイ装置を使用することにより、観察者5は非メガネ方式3Dディスプレイ装置の正面に立つ必要がなく、所定の視聴角度内において観察対象をよく観察することができ、非メガネ方式3Dディスプレイ装置の方向を調節する必要がない。
図5に示すとおり、歯科の治療において、医者さんは通常六時の位置に位置しているが、患者の上顎の歯を検査するため九時の位置または三時の位置に移動する場合があるが、医者さんが六時の位置から九時の位置または三時の位置に移動しても非メガネ方式3Dディスプレイ装置の方向を調節する必要がない。
【0029】
本発明の他の実施例において、前記顕微手術補助装置は、採集装置、処理装置及び駆動装置を更に含み、前記採集装置は観察者5の肉眼の位置情報を採集するように配置され、前記処理装置は、採集された肉眼の位置情報で前記駆動装置の作動を制御することにより、前記非メガネ方式3Dディスプレイ装置2の表示角度を調節するように配置される。その場合、前記非メガネ方式3Dディスプレイ装置2が観察者5の肉眼に従って回転することにより最適な視聴角度を獲得することができる。
【0030】
図6aと
図6bに示すとおり、前記鏡筒1内には少なくとも1つの照明ユニット3が取り付けられ、各前記照明ユニット3は前記大型対物レンズ群11により照明光線を観察対象に照らすことができる。前記大型対物レンズ群11に入射する照明光線の方向が前記大型対物レンズ群11の光軸の方向に平行であることにより反射による光線の損失を低減することができる。また、2つの照明光路35を対称状態に配置することにより、照明の強度を向上させ、装置全体の横方向のサイズを低減し、鏡筒1のバランスを取ることができる。前記照明ユニット3は、1つの照明光路35に順に配列されている光源モジュール31、集光レンズ群32、アパチャー33及び投射レンズ群34を含む。前記光源モジュール31は少なくとも一種のLED光源311を含み、前記光源モジュール31中の少なくとも一種のLED光源311は所定の照明光路35により観察対象に光線を照らすことができる。前記光源モジュール31は、白色光源だけでなく、少なくとも一種の単色光源(蛍光モードに使用される)を更に含み、白色光源の光線と単色光源の光線は照明光路35にそれぞれ入射することができる。前記投射レンズ群34は少なくとも1つの第一レンズ341を含み、前記第一レンズ341は駆動手段により第一レンズの光軸の方向に移動することができる。
【0031】
本発明の実施例において、本発明の顕微手術補助装置は、前記投射レンズ群34とズームレンズ群12との間に取り付けられる伝動装置を更に含み、前記投射レンズ群34とズームレンズ群12は前記伝動装置により連動することができる。
図7には伝動装置が示されておらず、図面中の折線は前記投射レンズ群34とズームレンズ群12の連動関係を指すものである。低倍率で観察物を観察するとき、対物側のイメージング視野の直径は大きい。その場合、照明光線のライトスポット(light spot)をイメージング視野全域に照らす必要がある。低倍率を高倍率に変換させるとき、イメージング視野の直径は迅速に小さくなる。そのとき、照明光路35の投射レンズ群34を調節することにより照明光線のライトスポットを小さくし、光の照射により視野外の組織に損傷を負わせることを抑制することができる。また、視野内の照度(Illuminance)を向上させ、高倍率の観察をするとき肉眼の主観的輝度(subjective luminance)が低下することを補償することができる。
【0032】
本発明の実施例において、
図4に示すとおり、本発明の顕微手術補助装置は前記鏡筒1に観察ユニット4を更に設置することにより肉眼観察をすることができる。
図3に示すとおり、前記観察ユニット4は、接眼レンズ(eyepiece)41、屈折レンズ群42(またはプリズム組)及び第二鏡筒対物レンズ43を含む。前記イメージングユニット10はスペクトロスコープ(spectroscope)組16を更に含む。1つの観察光路15において、光線は前記大型対物レンズ群11とズームレンズ群12を順に通過した後前記スペクトロスコープ組16に入射する。前記スペクトロスコープ組16は光線を2つの部分に分光し、分光される一部の光線は前記第一鏡筒対物レンズ13を通過した後前記感光素子14に入射し、他の光線は、第二鏡筒対物レンズ43、屈折レンズ群42及び接眼レンズ41を順に通過する。その場合、観察者5は非メガネ方式3Dディスプレイ装置2に表示されている観察対象を観察するか或いは肉眼で観察対象を直接に観察することができるので、顕微手術補助装置の操作の利便性と容易性を大幅に増加させることができる。
【0033】
この明細書において、「含む」、「具備する」との用語またはそれらに類似している用語は非排除性(Excludability)用語である。すなわち、そのような用語は、記載されている事項だけでなく、記載されていない他の事項を更に含むことができる。
【0034】
この明細書において、前、後、上、下等の方向性用語は、図面中の部品が図面に位置している位置と部品が他の部品に相対している位置を定義するものであり、本発明の技術的事項を詳細に説明するために用いるものである。注意すべきことは、この明細書において方向性用語を用いることにより本発明を限定する意図はない。
【0035】
矛盾が生じない場合、本発明の実施例または実施例中の特徴を組み合わせることができる。
【0036】
以上、本発明の好適な実施例を説明してきたが、前記実施例は本発明の例示にしか過ぎないものであるため、本発明は前記実施例の構成にのみ限定されるものでない。この技術分野の技術者は本発明の要旨を逸脱しない範囲において設計の変更、代替、改良等をすることができ、そのような設計の変更、代替、改良等があっても本発明に含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0037】
1 鏡筒
10 イメージングユニット
11 大型対物レンズ群
111 正レンズ群
112 負レンズ群
1121 外側面
1122 裏側面
12 ズームレンズ群
121 第二レンズ
13 第一鏡筒対物レンズ
14 感光素子
15 観察光路
16 スペクトロスコープ組
2 非メガネ方式3Dディスプレイ装置
21 支持台
22 連結棒
3 照明ユニット
31 光源モジュール
311 LED光源
32 集光レンズ群
33 アパチャー
34 投射レンズ群
341 第一レンズ
35 照明光路
4 観察ユニット
41 接眼レンズ
42 屈折レンズ群
43 第二鏡筒対物レンズ
5 観察者
6 支持構造
61 ベース
62 支持棒
63 大型横方向アーム
64 小型横方向アーム
65 バランスアーム
【国際調査報告】