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  • 特表-ユーザの電子認識のための装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-06
(54)【発明の名称】ユーザの電子認識のための装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/35 20130101AFI20230929BHJP
   G06F 21/32 20130101ALI20230929BHJP
   G06K 19/077 20060101ALI20230929BHJP
   G06K 7/10 20060101ALI20230929BHJP
【FI】
G06F21/35
G06F21/32
G06K19/077 228
G06K7/10 244
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023518874
(86)(22)【出願日】2021-09-01
(85)【翻訳文提出日】2023-05-22
(86)【国際出願番号】 EP2021074128
(87)【国際公開番号】W WO2022063536
(87)【国際公開日】2022-03-31
(31)【優先権主張番号】102020000022510
(32)【優先日】2020-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522154412
【氏名又は名称】バッジョ,ジョバンニ
【氏名又は名称原語表記】BAGGIO, GIOVANNI
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バッジョ,ジョバンニ
(57)【要約】
ユーザの電子認識のための装置は、ユーザが着用することができる本人確認要素(11,111)と、本人確認要素(11,111)を読み取ってユーザを検出するための要素(12,112)とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの電子認識のための装置であって、
前記ユーザが着用することができる本人確認要素(11,111)と、
前記本人確認要素(11,111)を読み取って前記ユーザを検出するための要素(12,112)とを備えることを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記本人確認要素(11,111)はNFC/RFIDタグ(13)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記本人確認要素(11,111)を読み取って前記ユーザを検出するための前記要素(12,112)は、
前記NFC/RFIDタグ(13)を読み取るための手段(16)と、
前記ユーザの少なくとも1つの生体特徴を読み取るための手段(17)とを含むことを特徴とする、先行する請求項のうちの1つまたは複数に記載の装置。
【請求項4】
前記NFC/RFIDタグ(13)は、ツークのWISeKey社(WISeKeyは登録商標)の商用名VaultIC(登録商標)によって知られているシリーズのタイプであることを特徴とする、先行する請求項のうちの1つまたは複数に記載の装置。
【請求項5】
前記NFC/RFIDタグ(13)は、860MHz~960MHzの間で構成された波長を有する極超短波で動作することを特徴とする、先行する請求項のうちの1つまたは複数に記載の装置。
【請求項6】
前記本人確認要素(11,111)は、指輪(11,111)、腕輪または腕時計から選択的に選択されたものであることを特徴とする、先行する請求項のうちの1つまたは複数に記載の装置。
【請求項7】
前記本人確認要素(11,111)は、前記タグ(13)のための台座(15)が設けられた収容部(14)を含むことを特徴とする、先行する請求項のうちの1つまたは複数に記載の装置。
【請求項8】
少なくとも1つの生体特徴を読み取るための前記手段(17)は、指紋リーダを含むことを特徴とする、先行する請求項のうちの1つまたは複数に記載の装置。
【請求項9】
少なくとも1つの生体特徴を読み取るための前記手段(17)は、顔認識手段および/または虹彩認識手段を含むことを特徴とする、先行する請求項のうちの1つまたは複数に記載の装置。
【請求項10】
前記本人確認要素(11,111)を読み取って前記ユーザを検出するための前記要素(12,112)は、マウス(12)、スマートフォン(112)、支払端末、ポータブルPCのキーボードに一体化されたモジュールから選択的に選択されたものであることを特徴とする、先行する請求項のうちの1つまたは複数に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの電子認識のための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
数種類の動作を実行できるようにするためにユーザ認証を必要とする電子システムがますます広く普及している。
【0003】
これは、たとえば、支払動作を承認できるようにするために本人自身であることを証明する必要がある銀行支払システムの場合である。
【0004】
現在、PSD2として知られているEU指令2015/2366に従った最も安全な本人確認システムは、
口座の資格証明をウェブページおよび/またはスマートフォンの専用のアプリケーションに入力することと、
SMSまたはスマートフォンアプリケーションのいずれかによって構成されるスマートフォンを介したトークンによって、ならびに、PINおよび/または指紋および/または顔認識によって、動作を承認することとによる二段階本人確認を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、この背景技術は、いくつかの危険な状態を有している。
実際に、現行のシステムにおいてスマートフォンを使用する必要性は、上記スマートフォンの盗難または紛失の結果として、以下の考えられる理由に起因するリスクを伴う可能性がある。
【0006】
・容易に推測できるPINおよび/またはパスワード
・生体保護(指紋および/または顔認識)の欠如
・遠隔制御起動の失敗
・旧型であるかまたは更新されていないウイルス対策および/またはオペレーティングシステムの欠如
・オープンな(すなわち、安全でない/保護されていない)Wi-Fiネットワーク(Wi-Fiは登録商標)の使用
さらに、この手順は、さまざまな金融機関および/または承認組織によって異なるさまざまな電子認識システムにユーザが精通している必要があることを伴う。
【0007】
さらに、このような複雑さは、時として、ユーザに特定の手順を回避する方法を見つけさせたり、セキュリティを害するほどに簡略化された設定を構成させたりする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目標は、上記の局面のうちの1つまたは複数において背景技術を向上させることができるユーザの電子認識のための装置を提供することである。
【0009】
この目標の範囲内で、本発明の目的は、スマートフォンを使用することなく、現行の公知の機器よりも高速でのユーザ認識を可能にする、ユーザの電子認識のための装置を提供することである。
【0010】
本発明の別の目的は、公知のタイプの同様の装置よりも高いセキュリティでのユーザ認識を可能にする、ユーザの電子認識のための装置を提供することである。
【0011】
本発明のさらなる目的は、動作にスマートフォンが絶対に必要であるわけではない、ユーザの電子認識のための装置を提供することである。
【0012】
本発明の目的は、さらに、任意の既存の解決策に代わるやり方で背景技術の欠点を克服することである。
【0013】
とりわけ、本発明の目的は、信頼性が高く、比較的提供しやすい、競争力のある価格の、ユーザの電子認識のための装置を提供することである。
【0014】
この目標ならびに以下でより明らかになるこれらのおよび他の目的は、ユーザの電子認識のための装置であって、
上記ユーザが着用できる本人確認要素と、
上記本人確認要素を読み取って上記ユーザを検出するための要素とを備えることを特徴とする、装置によって実現される。
【0015】
本発明のさらなる特徴および利点は、非限定的な例として添付の図面に示されている本発明に係るユーザの電子認識のための装置のいくつかの好ましいが排他的でない実施形態の説明からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明に係るユーザの電子認識のための装置の第1の要素の側面図である。
図2図1の要素の上面図である。
図3図1の第1の要素の別の実施形態または構成の図である。
図4】本発明に係るユーザの電子認識のための装置の第2の要素の図である。
図5図4の要素の変形例の図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図面を参照して、本発明に係るユーザの電子認識のための装置は、
ユーザが着用できる本人確認要素11,111と、
本人確認要素11,111を読み取って上記ユーザを検出するための要素12,112とを備える。
【0018】
特に、本人確認要素11,111は、図1図3に示されるように、着用可能であって、たとえば指輪によって構成される。
【0019】
しかし、他の実施形態では、本人確認要素11,111は、腕輪および/または腕時計などの他のタイプの着用可能なものによって構成される。
【0020】
このような本人確認要素11,111は、NFC/RFID(近距離無線通信/無線周波数識別)タグ13を含む。
【0021】
上記NFC/RFIDタグ13には、固有のコードが設けられている。
たとえば、NFC/RFIDタグ13は、ツーク(スイス)のWISeKey社(WISeKeyは登録商標)の商用名VaultIC(登録商標)によって知られているシリーズのタイプである。
【0022】
好ましくは、NFC/RFIDタグ13は、860MHz~960MHzの間で構成された波長を有する極超短波(UHF:UltraHigh Frequency)で動作する。
【0023】
本人確認要素11,111は、タグ13のための台座15が設けられた収容部14を含む。
【0024】
本発明の1つの特異点は、本人確認要素11,111を読み取ってユーザを検出するための要素12,112が、
タグ13(したがって、その固有のコード)を読み取るための手段16と、
ユーザの少なくとも1つの生体特徴を読み取るための手段17とを含む点にある。
【0025】
図4に示される例では、要素12はマウスであり、少なくとも1つの生体特徴を読み取るための手段17は指紋リーダによって構成される。
【0026】
図5に示される例では、要素112はその代わりにスマートフォンであり、少なくとも1つの生体特徴を読み取るための手段17はこの場合にも指紋リーダによって構成される。
【0027】
図面に示されていない他の実施形態では、本人確認要素11,111を読み取ってユーザを検出するための要素は、別のタイプ、たとえば支払端末および/またはポータブルPCのキーボードに直接一体化されたモジュールなどである。
【0028】
さらに、図面に示されていない他の実施形態では、本人確認要素11,111を読み取ってユーザを検出するための要素12,112は、たとえば顔および/または虹彩などのユーザの他の生体特徴も読み取るための手段17を含むことができる。
【0029】
この場合、生体特徴を読み取るための手段17は、顔認識および/または虹彩認識手段を含む。
【0030】
本発明に係る電子本人確認装置の動作は、以下の通りである。
最初に、本人確認要素11,111を読み取ってユーザを検出するための要素12,112は、信用機関の支払システムまたは別の組織のプラットフォームなどの所望のプラットフォーム上で動作することを可能にされる。
【0031】
本人確認要素11,111を読み取ってユーザを検出するための要素12,112は、その固有のMAC(メディアアクセス制御)アドレスを登録することによって有効にされる。
【0032】
さらに、本人確認要素11,111を読み取ってユーザを検出するための要素12,112は、
タグ13を読み取るための手段16が、本人確認要素11,111に含まれるタグ13(および、その固有のコード)を認識することができ、
ユーザの生体特徴を読み取るための手段17が、(たとえば、ユーザの指紋ならびに/またはユーザの顔および/もしくは虹彩の画像を登録することによって)これらの特徴を認識することができるように構成される。
【0033】
ユーザは、たとえば支払いなどの動作を承認する必要がある場合、信用機関のプラットフォーム上で動作することを可能にされた、本人確認要素11,111を読み取ってユーザを検出するための要素12,112を使用して、
本人確認要素11,111を読み取ってユーザを検出するための要素12,112の、生体特徴を読み取るための手段17を介した、予め設定された生体特徴の固有の読み取りと、
タグ13を読み取るための手段16を介した、本人確認要素11,111に含まれるタグ13の固有の読み取りとによって、本人を明らかにする。
【0034】
本人確認要素11,111を読み取ってユーザを検出するための要素12,112は、
生体特徴と、
特定のユーザの本人確認要素11,111に含まれるタグ13とに固有に関連付けられる、ということに留意すべきである。
【0035】
したがって、他のユーザは、識別することができないため、本人確認要素11,111を読み取ってユーザを検出するための当該要素12,112および/または当該本人確認要素11,111による所与のプラットフォーム上での動作を承認することができない。
【0036】
しかし、本人確認要素11,111を読み取ってユーザを検出するための要素12,112は、複数のユーザにも関連付けられることができ、その結果、各々の個々のユーザについて、ユーザの生体特徴とユーザの本人確認要素11,111との間の固有の組み合わせを検出することができる。
【0037】
このようにして、たとえば図面に示されていない支払端末などの、本人確認要素11,111を読み取ってユーザを検出するための同一の要素を用いて、複数のユーザを識別して、これらのユーザが安全に動作を実行することを可能にすることができる。
【0038】
この場合、本人確認要素を読み取ってユーザを検出するための要素は、当該要素が所与の登録されたユーザの生体特徴と本人確認要素11,111との間の固有の組み合わせを検出する場合に限り所与の動作を承認することを可能にする。
【0039】
本人確認要素11,111は、ユーザによって着用可能であるので、着用可能でないために盗難または紛失のリスクが高いスマートフォンを必要とする現行のトークンよりもはるかに安全である、ということにも留意すべきである。
【0040】
さらに、本発明に係る装置を用いると、ユーザは、さまざまな信用機関または他の組織のさまざまなプラットフォームのための異なる手順および/またはアクセスコードを記憶しなくてもよく、各プラットフォームについて1つの装置がユーザにとって十分である、ということに留意すべきである。
【0041】
さらに、本発明に係る装置を用いると、ユーザの写真を各要素11,111に関連付けることができ、上記写真は、第三者が人/ユーザを視覚的にも識別することを可能にするために、要素11,111および指紋の読み取り後に上記第三者が利用できるインターフェイス上で公開/表示されることができる、ということに留意すべきである。
【0042】
実際には、本発明は、所期の目標および目的を実現して、現行の公知の装置よりも高速でのユーザ認識を可能にするが、スマートフォンを必要としない、ユーザの電子認識のための装置を提供することが分かった。
【0043】
本発明は、公知のタイプの同様の装置よりも高いセキュリティでのユーザ認識を可能にする、ユーザの電子認識のための装置を提供する。
【0044】
さらに、本発明は、動作にスマートフォンを必要としない、ユーザの電子認識のための装置を提供する。
【0045】
このように考案された本発明は、多くの修正および変更が可能であり、それらは全て添付の特許請求の範囲の範囲内であり、さらに、全ての詳細は、他の技術的に等価の要素と置き換えられてもよい。
【0046】
実際には、使用される材料は、それらが特定の用途ならびに考えられ得る形状および寸法に適合する限り、要件および技術水準に従った任意のものであってもよい。
【0047】
本願が優先権を主張するイタリア特許出願番号第102020000022510号における開示は、引用によって本明細書に援用される。
【0048】
任意の請求項において言及される技術的特徴の後に参照符号が続く場合、それらの参照符号は、請求項の理解度を高めるという唯一の目的のために含まれており、したがって、このような参照符号は、このような参照符号によって例として特定される各要素の解釈に対していかなる限定的な影響も有さない。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】