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特表2023-542407単段二酸化炭素マルチ型冷暖房多機能セントラルエアコン
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-06
(54)【発明の名称】単段二酸化炭素マルチ型冷暖房多機能セントラルエアコン
(51)【国際特許分類】
   F25B 1/00 20060101AFI20230929BHJP
   F24F 1/0003 20190101ALI20230929BHJP
   F24F 5/00 20060101ALI20230929BHJP
   F25B 13/00 20060101ALI20230929BHJP
【FI】
F25B1/00 396D
F24F1/0003
F24F5/00 L
F24F5/00 102K
F25B13/00 A
F25B13/00 351
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023518919
(86)(22)【出願日】2021-09-14
(85)【翻訳文提出日】2023-03-22
(86)【国際出願番号】 CN2021118123
(87)【国際公開番号】W WO2022062953
(87)【国際公開日】2022-03-31
(31)【優先権主張番号】202011014307.9
(32)【優先日】2020-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523104878
【氏名又は名称】ベイジン ジンカールン エンジニアリング デザイン アンド リサーチ インスティテュート カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,ジエングオ
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ,チョンジュン
(72)【発明者】
【氏名】シエ,ウェイボ
(72)【発明者】
【氏名】ワン,チュエンジアン
(72)【発明者】
【氏名】カン,ジエンフイ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,ジーロン
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ,フイ
(72)【発明者】
【氏名】ハオ,リーシュエン
(72)【発明者】
【氏名】マオ,トンチン
(72)【発明者】
【氏名】ツァオ,ウェンジー
(72)【発明者】
【氏名】チャオ,ハイイン
(72)【発明者】
【氏名】リー,ジュージャン
(72)【発明者】
【氏名】ゾン,シエンティン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,シーホン
【テーマコード(参考)】
3L049
3L092
【Fターム(参考)】
3L049BB20
3L092AA02
3L092BA08
3L092BA17
3L092BA21
3L092UA04
3L092UA21
3L092UA31
3L092UA34
3L092VA06
(57)【要約】
本出願は単段二酸化炭素マルチ型冷暖房多機能セントラルエアコンを開示している。二酸化炭素を循環作動媒体とする単段二酸化炭素循環システムを含み、単段二酸化炭素循環システムは室外機、及び並列接続された複数の端末熱交換器(6)を含み、二酸化炭素媒体は互いに連通している二酸化炭素圧縮機(1)、室外熱交換器(3)、液体貯蔵タンク(5)及び端末熱交換器(6)において循環冷房及び/又は循環暖房を完成する。循環作動媒体として、二酸化炭素は、差圧が大きく、流動性がよく、密度が小さいという優勢を備え、高層ビルに適用され、100メートル以上の高さで循環を完成できる。二酸化炭素圧縮機(1)の排気端の管路には給湯装置が設けられ、氷蓄冷設備及び床暖房装置が直列接続され、システムにおける二酸化炭素を消防に用いることで、一台のセントラルエアコンで多機能を実現する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
単段二酸化炭素マルチ型冷暖房多機能セントラルエアコンであって、単一の二酸化炭素を循環作動媒体とする単段二酸化炭素循環システムを含み、前記単段二酸化炭素循環システムは室外機、及び並列接続された複数の端末熱交換器を含み、二酸化炭素媒体は互いに連通している二酸化炭素圧縮機、室外熱交換器、液体貯蔵タンク及び端末熱交換器において循環冷房及び/又は循環暖房を完成することを特徴とする単段二酸化炭素マルチ型冷暖房多機能セントラルエアコン。
【請求項2】
二酸化炭素圧縮機、室外熱交換器及び液体貯蔵タンクは室外機として構成され、冷媒又は熱媒を提供し、端末熱交換器は室内に設けられ、空間の温度を調節し、1台の室外機は30台以上の室内機を動かせ、二酸化炭素媒体の循環は100メートル以上の高層ビルにおいて完成可能であることを特徴とする請求項1に記載の単段二酸化炭素マルチ型冷暖房多機能セントラルエアコン。
【請求項3】
前記セントラルエアコンは第1の高圧四方弁及び第2の高圧四方弁を含み、前記第1の高圧四方弁の4つの接続口は二酸化炭素圧縮機の吸気端、二酸化炭素圧縮機の排気端、室外熱交換器、端末熱交換器にそれぞれ接続され、前記第2の高圧四方弁の4つの接続口は室外熱交換器、液体貯蔵タンクの給液口、液体貯蔵タンクの出液口、端末熱交換器にそれぞれ接続されることを特徴とする請求項1に記載の単段二酸化炭素マルチ型冷暖房多機能セントラルエアコン。
【請求項4】
前記液体貯蔵タンクと第2の高圧四方弁との間の管路には第1の一方向リリーフ弁が設けられることを特徴とする請求項3に記載の単段二酸化炭素マルチ型冷暖房多機能セントラルエアコン。
【請求項5】
前記室外熱交換器と前記液体貯蔵タンクとの間の管路には第1の電子膨張弁が設けられ、前記端末熱交換器の管路には第2の電子膨張弁群が直列接続されることを特徴とする請求項1に記載の単段二酸化炭素マルチ型冷暖房多機能セントラルエアコン。
【請求項6】
冷房モードで、前記第1の高圧四方弁は、二酸化炭素圧縮機の排気端と室外熱交換器の吸気端とを導通させ、端末熱交換器の出口端と二酸化炭素圧縮機の吸気端とを導通させ、第2の高圧四方弁は、室外熱交換器の出口端と液体貯蔵タンクの入口端とを導通させ、液体貯蔵タンクの出口端と端末熱交換器の入口端とを導通させ、二酸化炭素媒体の流れ方向は、二酸化炭素圧縮機、第1の高圧四方弁、室外熱交換器、第1の電子膨張弁、第2の高圧四方弁、第1の一方向リリーフ弁、液体貯蔵タンク、第2の電子膨張弁群、及び端末熱交換器を順に通過して冷房を完成し、冷房時、蒸発温度を6~10℃の間に制御し、体感効果がよりよく、
暖房モードで、第1の高圧四方弁は二酸化炭素圧縮機の排気端と端末熱交換器とを導通させ、室外熱交換器と二酸化炭素圧縮機の吸気端とを導通させ、第2の高圧四方弁は室外熱交換器と液体貯蔵タンクとを導通させ、液体貯蔵タンクと端末熱交換器とを導通させ、二酸化炭素媒体の流れ方向は二酸化炭素圧縮機、第1の高圧四方弁、端末熱交換器、液体貯蔵タンク、第2の高圧四方弁、第1の電子膨張弁、室外熱交換器を順に通過して暖房を完成することを特徴とする請求項3に記載の単段二酸化炭素マルチ型冷暖房多機能セントラルエアコン。
【請求項7】
前記セントラルエアコンは圧力調節装置をさらに含み、前記圧力調節装置は、管路を介して前記液体貯蔵タンクに連通しているとともに、前記二酸化炭素圧縮機の吸気端の管路に接続される圧力調節タンクを含むことを特徴とする請求項1に記載の単段二酸化炭素マルチ型冷暖房多機能セントラルエアコン。
【請求項8】
前記圧力調節タンクと前記二酸化炭素圧縮機の吸気端の管路との間には第3の電子膨張弁が設けられ、前記圧力調節タンクは、底部が前記液体貯蔵タンクの天井部に連通し、天井部が前記二酸化炭素圧縮機の吸気端の管路に接続されることを特徴とする請求項7に記載の単段二酸化炭素マルチ型冷暖房多機能セントラルエアコン。
【請求項9】
前記セントラルエアコンは、二酸化炭素圧縮機の排気端の管路に接続される給湯装置をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の単段二酸化炭素マルチ型冷暖房多機能セントラルエアコン。
【請求項10】
前記給湯装置は貯水タンク、給湯管、第2の一方向リリーフ弁、及び第1の電磁弁を含み、前記給湯管は前記貯水タンク内に設けられ、その両端が二酸化炭素圧縮機の排気端の管路にそれぞれ連通し、前記第2の一方向リリーフ弁は前記給湯管の出口端の管路に設けられ、前記第1の電磁弁は二酸化炭素圧縮機の排気端の管路に設けられて、給湯管と二酸化炭素圧縮機の排気端の管路との接続位置の間にあり、温水を作るかどうかを制御するために用いられ、前記貯水タンクは冷水入口及び温水出口を含み、冷水入口を介して一定の圧力を有する冷水を貯水タンク内に導入させ、貯水タンク内の水は給湯管によって熱交換を行って、温水を生成することを特徴とする請求項9に記載の単段二酸化炭素マルチ型冷暖房多機能セントラルエアコン。
【請求項11】
前記セントラルエアコンは床暖房装置を含み、前記床暖房装置は床暖房配管及び第6の電磁弁を含み、前記第6の電磁弁は前記床暖房配管の管路に直列接続され、前記床暖房装置と前記端末熱交換器とは並列接続されることを特徴とする請求項1に記載の単段二酸化炭素マルチ型冷暖房多機能セントラルエアコン。
【請求項12】
前記セントラルエアコンは、前記端末熱交換器と並列接続される冰蓄冷設備を含み、前記冰蓄冷設備は並列接続された冰蓄冷冷蔵庫、冰蓄冷冷凍庫又は冰蓄冷保冷庫のうちの1種又は何れか数種を含むことを特徴とする請求項1に記載の単段二酸化炭素マルチ型冷暖房多機能セントラルエアコン。
【請求項13】
第4の電子膨張弁群は冰蓄冷設備の管路に直列接続され、冰蓄冷設備の入口管路には第2の電磁弁が設けられ、冰蓄冷設備の出口管路には第3の電磁弁が設けられ、冰蓄冷設備の出口端は二酸化炭素圧縮機の吸気端に接続され、その管路には第4の電磁弁が設けられることを特徴とする請求項12に記載の単段二酸化炭素マルチ型冷暖房多機能セントラルエアコン。
【請求項14】
前記セントラルエアコンの循環管路には二酸化炭素消火装置が接続され、前記二酸化炭素消火装置は消防管路、及び消防管路に直列接続された第5の電磁弁を含み、消防管路は二酸化炭素循環管路に接続されることを特徴とする請求項1に記載の単段二酸化炭素マルチ型冷暖房多機能セントラルエアコン。
【請求項15】
前記室外熱交換器はエアロゾル生成装置及び熱交換管路を含み、前記エアロゾル生成装置のエアロゾルは熱交換室に入り、エアロゾルにおける水ミセルは、熱交換管路内の冷媒による放射熱を吸収する時、徐々に大きなミセルから小さなミセルに分解され、エアロゾルは大きなミセルから小さなミセルに分解される過程で、熱を吸収し、二酸化炭素冷媒を凝縮させて液化させ、エアロゾルは大きなミセルから小さなミセルに分解される過程全体で動的且つ連続であることを特徴とする請求項1に記載の単段二酸化炭素マルチ型冷暖房多機能セントラルエアコン。
【請求項16】
前記エアロゾル生成装置は密閉ハウジング、吸気設備及び水霧化装置を含み、前記吸気設備は密閉ハウジングにおいて負圧を形成するために用いられ、前記水霧化装置は液体の水を、より大きな比表面積を有する水ミストに霧化させるために用いられ、霧状化の水及び空気は負圧の作用で密閉ハウジング内にエアロゾルを形成し、エアロゾルは熱交換室に入って熱交換を行い、熱交換が完成した水は直接的に大気に排出されることを特徴とする請求項5に記載の単段二酸化炭素マルチ型冷暖房多機能セントラルエアコン。
【請求項17】
前記密閉ハウジングの内壁及び/又は熱交換管路の表面には撥水剤がコーティングされており、壁にかかる水滴の形成を回避することを特徴とする請求項16に記載の単段二酸化炭素マルチ型冷暖房多機能セントラルエアコン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエアコンの分野に関して、特に単段二酸化炭素マルチ型冷暖房多機能セントラルエアコンに関している。
【背景技術】
【0002】
セントラルエアコンは領域ごと装着されて制御され、各室内で個別に運転して、各領域内の空気をそれぞれ調節し、エネルギー効率がよく、快適さがよく、外観が美観であり、運転が静かであるなどの優勢を具備し、ますます幅広く使用されている。マルチ型の方式は、エネルギーを節約し、運転費用が低く、運転が確実であり、ユニットの適応性がよく、冷凍・加熱の温度範囲が広いなどの特点を有し、商業用及び住宅用に適する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のマルチ型セントラルエアコンは一般的にフロンを冷凍作動媒体とし、フロンの密度が大きく、粘度が大きく、差圧が小さいという特点のため、以下の欠陥を有し、即ち、1)駆動される端末装置の数が少なく、経験に基づいて、駆動されるエンドファンコイルユニットの数は一般的に10台以下であり、独立空間が多い使用シーンであれば、必然的に室外機の数を増やし、コストが高く、装着が不便であり、維持コストが高い。2)フロンの粘度が大きく、室内機と室外機との装着落差が小さく、配管の距離が短いため、使用範囲を制限する。3)冬に暖房する時、気候に大きく影響され、周囲温度が―5℃以下である場合、熱効率がひどく減衰し、さらに、正常に動作できない状況があるため、現在、マルチ型エアコンの、低温暖房における使用効果が良くなく、加熱効果を維持するために、室内機には一般的に補助電気ヒーターが配置され、自動に使用され、エネルギー消費を増やす。4)フロン冷媒の値段が高く、維持コストも高い。5)環境にやさしくなく、フロンが大気に排出されると、オゾン含有量の低下を招致し、地球での生物が紫外線によってひどく傷つけられ、また、温室効果ガスの1つとして、成層圏下部及び対流圏の温度が高くなる。従って、人々は、フロン汚染問題の方法及び技術を努力に解決し、環境汚染問題の解决手段は主に制限、使用禁止、代替品の開発及びフロンの無害化を含む。国際社会の、省エネルギー・排出低減、環境保護に対する注目がますます強くなっていることに連れて、フロン冷媒の淘汰も速くなって、安全、環境にやさしい冷媒として、二酸化炭素は幅広い見通し及び相当な経済価値がある。出願人は、二酸化炭素を冷凍作動媒体とする研究に取り組んで、数年の研究の末、二酸化炭素を冷凍作動媒体として、セントラルエアコンの分野に適用する。
【0004】
以上のように、本発明は、二酸化炭素をエアコンの循環作動媒体とし、構造が簡単であり、環境にやさしく、コストが低く、効率が高い二酸化炭素マルチ型エアコンを提供することを研究動機とする。
【0005】
本発明は、従来技術の不足を克服するために、二酸化炭素をエアコンの循環作動媒体とし、構造が簡単であり、環境にやさしく、効率が高く、コストが低い単段二酸化炭素マルチ型冷暖房多機能セントラルエアコンを提供することを目的とする。本発明のマルチ型エアコンシステムは、天然の環境にやさしい作動媒体である二酸化炭素を唯一の冷凍作動媒体とし、二酸化炭素の密度が小さく、粘度が小さく、差圧が大きいため、駆動される端末装置の数が多い。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明が提供する単段二酸化炭素マルチ型冷暖房多機能セントラルエアコンの技術案は以下の通り、
単段二酸化炭素マルチ型冷暖房多機能セントラルエアコンであって、二酸化炭素を循環作動媒体とする単段二酸化炭素循環システムを含み、単段二酸化炭素循環システムは室外機、及び並列接続された複数の端末熱交換器を含み、二酸化炭素媒体は互いに連通している二酸化炭素圧縮機、室外熱交換器、液体貯蔵タンク及び端末熱交換器において循環冷房及び/又は循環暖房を完成する。
【0007】
好ましくは、二酸化炭素圧縮機、室外熱交換器及び液体貯蔵タンクは室外機として構成され、冷媒又は熱媒を提供し、端末熱交換器は室内に設けられ、空間の温度を調節し、1台の室外機は30台以上の室内機を動かせ、二酸化炭素媒体の循環は100メートル以上の高層ビルにおいて完成可能であり、セントラルエアコンの冷凍効率copは4.5より大きい。
【0008】
好ましくは、セントラルエアコンは第1の高圧四方弁及び第2の高圧四方弁を含み、第1の高圧四方弁の4つの接続口は二酸化炭素圧縮機の吸気端、二酸化炭素圧縮機の排気端、室外熱交換器、端末熱交換器にそれぞれ接続され、第2の高圧四方弁の4つの接続口は室外熱交換器、液体貯蔵タンクの給液口、液体貯蔵タンクの出液口、端末熱交換器にそれぞれ接続される。
【0009】
好ましくは、液体貯蔵タンク及び第2の高圧四方弁の管路には第1の一方向リリーフ弁が設けられる。
【0010】
好ましくは、室外熱交換器と液体貯蔵タンクとの間の管路には第1の電子膨張弁が設けられ、端末熱交換器の管路には第2の電子膨張弁群が直列接続される。
【0011】
好ましくは、冷房モードで、第1の高圧四方弁は二酸化炭素圧縮機の排気端と室外熱交換器の吸気端とを導通させ、端末熱交換器の出口端と二酸化炭素圧縮機の吸気端とを導通させ、第2の高圧四方弁は室外熱交換器の出口端と液体貯蔵タンクの入口端とを導通させ、液体貯蔵タンクの出口端と端末熱交換器の入口端とを導通させ、二酸化炭素媒体の流れ方向は二酸化炭素圧縮機、第1の高圧四方弁、室外熱交換器、第1の電子膨張弁、第2の高圧四方弁、第1の一方向リリーフ弁、液体貯蔵タンク、第2の電子膨張弁群、及び端末熱交換器を順に通過して冷房を完成し、冷房時、蒸発温度を6~10℃の間に制御し、体感効果がよりよく、
暖房モードで、第1の高圧四方弁は二酸化炭素圧縮機の排気端と端末熱交換器とを導通させ、室外熱交換器と二酸化炭素圧縮機の吸気端とを導通させ、第2の高圧四方弁は室外熱交換器と液体貯蔵タンクとを導通させ、液体貯蔵タンクと端末熱交換器とを導通させ、二酸化炭素媒体の流れ方向は二酸化炭素圧縮機、第1の高圧四方弁、端末熱交換器、液体貯蔵タンク、第2の高圧四方弁、第1の電子膨張弁、室外熱交換器を順に通過して暖房を完成する。
【0012】
好ましくは、セントラルエアコンは圧力調節装置をさらに含み、圧力調節装置は、管路を介して液体貯蔵タンクに連通しているとともに、二酸化炭素圧縮機の吸気端の管路に接続される圧力調節タンクを含む。
【0013】
好ましくは、圧力調節タンクと二酸化炭素圧縮機の吸気端の管路との間には第3の電子膨張弁が設けられ、圧力調節タンクは、底部が液体貯蔵タンクの天井部に連通し、圧力調節タンクの天井部が二酸化炭素圧縮機の吸気端の管路に接続される。
【0014】
好ましくは、セントラルエアコンは、二酸化炭素圧縮機の排気端の管路に接続される給湯装置をさらに含む。
【0015】
好ましくは、給湯装置は貯水タンク、給湯管、第2の一方向リリーフ弁、第1の電磁弁を含み、給湯管は貯水タンク内に設けられ、その両端が二酸化炭素圧縮機の排気端の管路にそれぞれ連通し、第2の一方向リリーフ弁は給湯管の出口端の管路に設けられ、第1の電磁弁は二酸化炭素圧縮機の排気端の管路に設けられ、給湯管と二酸化炭素圧縮機の排気端の管路との接続位置の間にあり、温水を作るかどうかを制御するために用いられ、貯水タンクは冷水入口及び温水出口を含み、冷水入口によって一定の圧力を有する冷水を貯水タンク内に導入させ、貯水タンク内の水は給湯管によって熱交換を行って、温水を生成する。
【0016】
好ましくは、セントラルエアコンは床暖房装置を含み、床暖房装置は床暖房配管及び第6の電磁弁を含み、第6の電磁弁は床暖房配管の管路に直列接続され、床暖房装置と端末熱交換器とは並列接続される。
【0017】
好ましくは、セントラルエアコンは、端末熱交換器と並列接続される冰蓄冷設備を含み、冰蓄冷設備は並列接続された冰蓄冷冷蔵庫、冰蓄冷冷凍庫又は冰蓄冷保冷庫のうちの1種又は何れか数種を含む。
【0018】
好ましくは、第4の電子膨張弁群は冰蓄冷設備の管路に直列接続され、冰蓄冷設備の入口管路には第2の電磁弁が設けられ、冰蓄冷設備の出口管路には第3の電磁弁が設けられ、冰蓄冷設備の出口端は二酸化炭素圧縮機の吸気端に接続され、その管路には第4の電磁弁が設けられる。
【0019】
好ましくは、セントラルエアコンの循環管路には二酸化炭素消火装置が接続され、二酸化炭素消火装置は消防管路、及び消防管路に直列接続された第5の電磁弁を含み、消防管路は二酸化炭素循環管路に接続される。
【0020】
好ましくは、室外熱交換器はエアロゾル生成装置及び熱交換管路を含み、エアロゾル生成装置のエアロゾルは熱交換室に入り、エアロゾルにおける水ミセルは、熱交換管路内の冷媒による放射熱を吸収する時、徐々に大きなミセルから小さなミセルに分解され、エアロゾルは大きなミセルから小さなミセルに分解される過程で、熱を吸収し、二酸化炭素冷媒を凝縮させて液化させ、エアロゾルは大きなミセルから小さなミセルに分解される過程全体で動的且つ連続である。
【0021】
好ましくは、エアロゾル生成装置は密閉ハウジング、吸気設備及び水霧化装置を含み、吸気設備は密閉ハウジングにおいて負圧を形成するために用いられ、水霧化装置は液体の水を、より大きな比表面積を有する水ミストに霧化させるために用いられ、霧状化の水及び空気は負圧の作用で密閉ハウジング内にエアロゾルを形成し、エアロゾルは熱交換室に入って熱交換を行い、熱交換が完成した水は直接的に大気に排出される。
【0022】
好ましくは、密閉ハウジングの内壁及び/又は熱交換管路の表面には撥水剤がコーティングされており、壁にかかる水滴の形成を回避する。
【発明の効果】
【0023】
本発明の実施は以下の技術効果を含み、
本発明の単段二酸化炭素マルチ型冷暖房多機能セントラルエアコンは従来のマルチ型エアコンと違っており、従来のマルチ型エアコンは一般的にフロン冷凍システムと水循環システムとをカスケードして、水の循環によって温度を調節し、本発明において、二酸化炭素の単段循環を使用すればセントラルエアコンのマルチ型の要求を満たすことができ、二酸化炭素圧縮機の吸気圧力を制御することで、蒸発温度を制御し、例えば、蒸発温度を6~10℃の間に制御し、体感効果がよりよい。二酸化炭素を循環作動媒体とすることは、差圧が大きく、流動性がよく、密度が小さく、超臨界相転移という優勢を具備するため、高層ビルに適用され、100メートル以上の高さで循環を完成でき、従来のフロンマルチ型セントラルエアコンにとって不可能であり、また、従来のブラインは何れも循環弁を配置する必要があり、エネルギーを消耗した上に、コストが高い。伝統のエアコンに対して、本発明のセントラルエアコンの効率は2倍以上向上し、エネルギーを50%以上節約する。
【0024】
本発明の単段二酸化炭素マルチ型冷暖房多機能セントラルエアコンはさらに一台で多機能を実現し、二酸化炭素圧縮機の排気端の管路には給湯装置が設けられ、生活用温水を生成し、氷蓄冷設備を直列接続し、夜中、谷の電気によって建物内の蓄冷冷蔵庫、蓄冷冷凍庫又は蓄冷保冷庫装置が冷凍を行う場合、保冷庫、冷蔵庫/冷凍庫などの低温装置は、そのシステムの効率が低く、消費電力が大きく、現地電力網への衝撃を軽減するために、蓄冷技術によって谷の電気を合理に利用する。床暖房装置を直列接続してもよく、セントラルエアコンの二酸化炭素はさらに消防・消火に用いられてもよく、二酸化炭素を消防の媒体とすることで、消防工事のコストを低減させ、二酸化炭素を消火に用いると、物品に対して二回破壊を起こすことがなく、天然の優勢を備え、同様体積を有する貯蔵タンクであれば、気体貯蔵の量より、液体貯蔵の量が遥かに多く、消火面積がより大きい。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の実施例の単段二酸化炭素マルチ型冷暖房多機能セントラルエアコンの冷房モードのシステム模式図である。
図2】本発明の実施例の単段二酸化炭素マルチ型冷暖房多機能セントラルエアコンの暖房モードのシステム模式図である。
図3】床暖房装置、蓄冷設備、消防装置を含むセントラルエアコンの冷房モードのシステム模式図である。
図4】床暖房装置、蓄冷設備、消防装置を含むセントラルエアコンの暖房モードのシステム模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、実施例及び図面を結合して本発明を詳しく説明し、ここで、記載の実施例は何れかの限定作用を具備していなく、ただ本発明を理解するためのものである。
【0027】
図1図4を参照して、本実施例が提供する単段二酸化炭素マルチ型冷暖房多機能セントラルエアコンは、二酸化炭素を循環作動媒体とする単段二酸化炭素循環システムを含み、単段二酸化炭素循環システムは室外機及び並列接続された複数の端末熱交換器6(室内機)を含み、二酸化炭素媒体は互いに連通している二酸化炭素圧縮機1、室外熱交換器3、液体貯蔵タンク5和端末熱交換器6において循環冷房及び/又は暖房を完成する。さらに、セントラルエアコンは第1の高圧四方弁2及び第2の高圧四方弁4を含み、第1の高圧四方弁2の4つの接続口は二酸化炭素圧縮機1の吸気端、二酸化炭素圧縮機1の排気端、室外熱交換器3、端末熱交換器6にそれぞれ接続され、第2の高圧四方弁4の4つの接続口は室外熱交換器3、液体貯蔵タンク5の給液口、液体貯蔵タンク5の出液口、端末熱交換器6にそれぞれ接続される。冷房と暖房の切り替えを実現する。単段の意味は、カスケードシステムと違って、二酸化炭素のみで循環を行って、カスケードを必要としない。
【0028】
二酸化炭素圧縮機1、室外熱交換器3及び液体貯蔵タンク5を室外機として構成し、冷媒又は熱媒を提供し、端末熱交換器6は室内に設けられ、空間の温度を調節する。二酸化炭素媒体の循環は100メートル以上の高層ビルにおいて完成可能であり、セントラルエアコンの冷凍効率copは4.5より大きい。1台の室外機は30台以上の室内機を動かせ、最大、100台以上を動かせる。
【0029】
二酸化炭素媒体の循環は100メートル以上の高層ビルにおいて完成可能であり、セントラルエアコンの冷凍効率copは4.5より大きい。二酸化炭素のGWPは1であり、ODPは0であり、高環境適合性冷媒に属し、よい安全性及び化学安定性を備え、無毒、不燃、各種の潤滑油に適応し、よい熱物性を備え、単位容積の冷凍量が大きく、運動粘度が低く、優れた流動及び熱伝達特性を具備する。ところが、二酸化炭素の臨界温度が低い(31.1℃)ため、夏の環境温度で、容易に気体状態に保持され、臨界圧力が高く(7.38MPa)、気体状態にある時の圧力が高いため、システムの運転圧力が高くなって、スロットル損失が大きくなる。二酸化炭素の特性に基づいて、本発明の技術案を使用すれば、セントラルエアコン内の圧力を適切な範囲内に保持することを保証した上に、COは室外熱交換器の出口に位置する時、液体状態であることを確保することで、端末熱交換器6内の熱交換効果がよりよくなって、1台のマスタ装置はより多くの端末熱交換器6(100台以上)を動かせることができ、システムの安全且つ正常な運転を保証する。
【0030】
図1を参照して、液体貯蔵タンク5及び第2の高圧四方弁4の管路には第1の一方向リリーフ弁8が設けられる。第1の一方向リリーフ弁8は一方向で流通しかできないとともに、圧力調節作用を備え、セントラルエアコンにおける圧力を常に適用な範囲内に保持し、システムの効率的な運転を確保する。室外熱交換器3と液体貯蔵タンク5との間の管路には、スロットル・降圧作用を有する第1の電子膨張弁7が設けられる。端末熱交換器6の管路にはスロットル・降圧作用を有する第2の電子膨張弁群9が直列接続される。
【0031】
図1は冷房モードでの二酸化炭素の流れ方向の模式図であり、冷房モードで、第1の高圧四方弁2は二酸化炭素圧縮機1の排気端と室外熱交換器3の吸気端とを導通させ、端末熱交換器の出口端と二酸化炭素圧縮機1の吸気端とを導通させ、第2の高圧四方弁4は室外熱交換器3の出口端と液体貯蔵タンク5の入口端とを導通させ、液体貯蔵タンク5の出口端と端末熱交換器6の入口端とを導通させ、二酸化炭素媒体の流れ方向は、二酸化炭素圧縮機1、第1の高圧四方弁2、室外熱交換器3、第1の電子膨張弁7、第2の高圧四方弁4、第1の一方向リリーフ弁8、液体貯蔵タンク5、第2の電子膨張弁群9、及び端末熱交換器6を順に通過し、冷房を完成する。冷房モードで、第1の電子膨張弁7は最大開度に開けられ、設定された過熱度に基づいて第2の電子膨張弁群9は開度の大きさを自動に調節し、第3の電子膨張弁101はその開度を調節することで、液体貯蔵タンク5内の圧力を一定に制御するという目的を達成し、システムの安全且つ効率的な運転を保持する。
【0032】
図2は暖房モードでの二酸化炭素の流れ方向の模式図であり、暖房モードで、第1の高圧四方弁2は二酸化炭素圧縮機1の排気端と端末熱交換器6とを導通させ、室外熱交換器3と二酸化炭素圧縮機1の吸気端とを導通させ、第2の高圧四方弁4は室外熱交換器3と液体貯蔵タンク5とを導通させ、液体貯蔵タンク5と端末熱交換器6とを導通させ、二酸化炭素媒体の流れ方向は二酸化炭素圧縮機1、第1の高圧四方弁2、端末熱交換器6、液体貯蔵タンク5、第2の高圧四方弁4、第1の電子膨張弁7、及び室外熱交換器3を順に通過し、暖房を完成する。暖房モードで、第2の電子膨張弁群9は全部的に最大開度に開けられ、設定された過熱度に基づいて第1の電子膨張弁7は開度の大きさを自動に調節し、第3の電子膨張弁101はその開度を調節することで、液体貯蔵タンク5内の圧力を一定に制御するという目的を達成し、システムの安全且つ効率的な運転を保持する。
【0033】
本発明の単段二酸化炭素マルチ型冷暖房多機能セントラルエアコンは従来のマルチ型エアコンと違っており、従来のマルチ型エアコンは一般的にフロン冷凍システムと水循環システムとをカスケードして、水の循環によって温度を調節し、本発明において、二酸化炭素の単段循環を使用すればセントラルエアコンのマルチ型の要求を満たすことができ、二酸化炭素圧縮機1の吸気圧力を制御することで、蒸発温度を制御し、例えば、蒸発温度を6~10℃の間に制御し、体感効果がよりよい。二酸化炭素を循環作動媒体とすることは、差圧が大きく、流動性がよく、密度が小さいという優勢を備え、高層ビルに適用され、100メートル以上の高さで循環を完成でき、従来のフロンマルチ型セントラルエアコンにとって不可能であり、また、従来のブラインは何れも循環弁を配置する必要があり、エネルギーを消耗する上に、コストが高い。伝統のエアコンに対して、本発明のセントラルエアコンの効率は2倍以上向上し、エネルギーを50%以上節約する。
【0034】
図3及び図4を参照して、本発明の単段二酸化炭素マルチ型冷暖房多機能セントラルエアコンはさらに一台で多機能を実現し、二酸化炭素圧縮機1の排気端の管路には給湯装置が設けられ、生活用温水を生成し、氷蓄冷設備を直列接続し、夜中、谷の電気によって建物内の蓄冷冷蔵庫、蓄冷冷凍庫又は蓄冷保冷庫装置が冷凍を行う場合、保冷庫、冷蔵庫/冷凍庫などの低温装置は、そのシステムの効率が低く、消費電力が大きく、現地電力網への衝撃を軽減するために、蓄冷技術によって谷の電気を合理に利用する。床暖房装置を直列接続してもよく、セントラルエアコンの二酸化炭素はさらに消防・消火に用いられてもよく、二酸化炭素を消防の媒体とすることで、消防工事のコストを低減させ、二酸化炭素を消火に用いると、物品に対して二回破壊を起こすことがなく、天然の優勢を備え、同様体積を有する貯蔵タンクであれば、気体貯蔵の量より、液体貯蔵の量が遥かに多く、消火面積がより大きい。
【0035】
本発明の二酸化炭素マルチ型セントラルエアコンを実際テストに用いて、実際工事テストデータによれば、オフィス領域の面積は2700mであり、端末熱交換器6の数は82台であり、室外熱交換器3はフラッシュ型密閉熱交換器を採用し、室外熱交換器3の面積は2000mであり、15ピースを有する3台の二酸化炭素圧縮機1のみを使用し、凝縮負荷は200KWであり、周囲温度が34℃である環境で、蒸発圧力が45barである場合、凝縮圧力を80bar以下に安定させ、システム冷凍効率copは4.5~5.5の間にあり、夜、システム冷凍効率copは6に達することができ、従来のフロンシステムの冷凍効率より遥かに高く、実践観察に基づいて、二酸化炭素マルチ型による駆動可能なエンドの数は数百台に達することができる。
【0036】
図3を参照して、セントラルエアコンは圧力調節装置をさらに含み、圧力調節装置は、管路によって液体貯蔵タンク5に連通しているとともに、二酸化炭素圧縮機1の吸気端の管路に接続される圧力調節タンク100を含む。システムの運転に連れて、液体貯蔵タンク5の圧力が高くなり、液体貯蔵タンク5内の圧力が臨界値より高くなった場合、液体貯蔵タンク5におけるものは、非液体の高密度ガスであり、冷凍能力が大幅に低下し、圧力が高くなると、システムの安全性を低減させ、また、より耐圧の部品を提供する必要があるため、製造コストを増やし、上記構造によって、液体貯蔵タンク5の圧力が高すぎる場合、液体貯蔵タンク5、圧力調節タンク100、二酸化炭素圧縮機1、及び室外熱交換器3は小さな循環を形成し、液体貯蔵タンク5内の圧力を低減させ、さらに冷凍を行う。また、配置された圧力調節タンク100は液体冷媒を貯蔵し、液体冷媒は高速で回転している二酸化炭素圧縮機1内に入ることがなく、二酸化炭素圧縮機1の損壊を回避する。圧力調節タンク100の第2の作用は以下の通り、即ち、セントラルエアコンは夏、長期間にわたって停止する時、熱を吸収するため、液体貯蔵タンク5の液体の密度が変化し、例えば、停止時、液体貯蔵タンク5内のものは28℃の液体(この時、密度は約655.28kg/mである)であり、圧力は対応する飽和圧力であり、長期間にわたって停止し、又は環境熱が放射している時、管内の圧力は35℃、80barに達すると、密度は約419.09kg/mであり、質量保存に基づいて、当該部分の膨張した流体を貯蔵するための別の空間を必要とする。圧力調節タンク100を配置することで、停止時、液体が膨張するという問題を解決する。圧力調節タンク100と二酸化炭素圧縮機1の吸気端の管路との間には第3の電子膨張弁101が設けられる。第3の電子膨張弁101を配置することで、液体貯蔵タンク5内の圧力を臨界点以下に正確に制御し、タンク内の温度はタンク圧に対応する飽和温度又は一定の過冷を有する温度であり、システムの運転はより効率的である。具体的に、圧力調節タンク100の底部は液体貯蔵タンク5の天井部に連通し、このように接続されることで、液体貯蔵タンク5内のガスはより容易に圧力調節タンク100に入る。圧力調節タンク100の天井部は二酸化炭素圧縮機1の吸気端の管路に接続される。
【0037】
図3及び図4を参照して、セントラルエアコンは給湯装置をさらに含み、給湯装置は二酸化炭素圧縮機1の排気端の管路に接続され、給湯装置は貯水タンク110、給湯管111、第2の一方向リリーフ弁112、第1の電磁弁113を含み、給湯管111は貯水タンク110内に設けられ、給湯管111の両端は二酸化炭素圧縮機1の排気端の管路にそれぞれ連通し、第2の一方向リリーフ弁112は給湯管111の出口端の管路に設けられ、低温の二酸化炭素媒体の還流を回避するとともに、一定の圧力制御作用を備え、第1の電磁弁113は二酸化炭素圧縮機1の排気端の管路に設けられ、給湯管111と二酸化炭素圧縮機1の排気端の管路との接続位置の間にあり、温水を作るかどうかを制御し、貯水タンク110は冷水入口114及び温水出口115を含み、冷水入口114によって一定の圧力を有する冷水を貯水タンク110内に導入させ、貯水タンク110内の水は給湯管111によって熱交換を行って、60℃以上の温水を生成し、温水出口115は生活用水管路に接続される。温水を作る時、第1の電磁弁113は閉じられ、二酸化炭素圧縮機1の熱気は給湯管111を通過して温水を作ってから、一方向リリーフ弁を介して熱交換器へ流れ、温水の温度が設定要求に達した場合、第1の電磁弁113は開けられ、二酸化炭素圧縮機1の熱気は直接的に室外熱交換器3へ流れる。給湯管111に対してコイルパイプ又はフィンチューブを選択し、熱交換面積を大きくする。ここで、セントラルエアコンは冷凍を行う場合、給湯装置は二酸化炭素の熱気を降温させ、熱交換器の熱交換効率を大きくして、生活用温水を提供するとともに、冷凍システムの冷凍圧力を軽減し、非常にエネルギーを節約する。
【0038】
図3及び図4を参照して、セントラルエアコンは床暖房装置を含み、床暖房装置は床暖房配管120及び第6の電磁弁121を含み、第6の電磁弁121は床暖房配管120の管路に直列接続され、床暖房装置と端末熱交換器6とは並列接続され、セントラルエアコンの二酸化炭素媒体は床暖房配管120において循環でき、第6の電磁弁121が開けられた場合、設定された過熱度に基づいて第1の電子膨張弁7は開度の大きさを自動に調節し、暖房を実現する。
【0039】
図3及び図4を参照して、セントラルエアコンは、端末熱交換器6に並列接続される冰蓄冷設備を含み、セントラルエアコンの二酸化炭素媒体は冰蓄冷設備において循環できる。冰蓄冷設備は並列接続された冰蓄冷冷蔵庫、冰蓄冷冷凍庫、冰蓄冷保冷庫のうちの1種又は何れか数種を含み、第4の電子膨張弁群130は冰蓄冷設備の管路に直列接続され、設定された過熱度に基づいて、開度の大きさを自動に調節し、冷凍を実現する。冰蓄冷設備の入口管路には第2の電磁弁131が設けられ、冰蓄冷設備の出口管路には第3の電磁弁132が設けられ、冰蓄冷設備の出口端は二酸化炭素圧縮機1の吸気端に接続され、その管路には第4の電磁弁133が設けられ、第2の電磁弁131、第3の電磁弁132及び第4の電子膨張弁群130が協働することで、以下の機能を実現でき、即ち、1)冰蓄冷設備は冷凍を行う場合、第2の電磁弁131、第3の電磁弁132及び第4の電子膨張弁群130を開けて、二酸化炭素冷媒の、冰蓄冷設備での循環を実現する;2)夜中、端末熱交換器6の必要な冷却量は大幅に低下し、第2の電磁弁131及び第4の電子膨張弁群130を開けて、第3の電磁弁132を閉じて、蓄冷設備に対して蓄冷を行う。夜中、谷の電気によって建物内の蓄冷冷蔵庫、蓄冷冷凍庫又は蓄冷保冷庫装置が冷凍を行う場合、保冷庫、冷蔵庫/冷凍庫などの低温装置は、そのシステムの効率が低く、消費電力が大きく、現地電力網への衝撃を軽減するために、蓄冷技術によって谷の電気を合理に利用し、第2の電磁弁131、第4の電磁弁133、第4の電子膨張弁群130を開ける。エアコンエンドが暖房を行って又は床暖房を使用して暖房を行って、且つ夜中、谷の電気を使用して蓄冷設備に対して冷凍を行う場合、蓄冷設備と室外熱交換器とは並列接続の関係にあり、この際、第3の電磁弁132を閉じて、第2の電磁弁131、第4の電磁弁133を開ける。
【0040】
図3及び図4を参照して、セントラルエアコンの循環管路には二酸化炭素消火装置が接続され、二酸化炭素消火装置は消防管路140、及び消防管路140に直列接続された第5の電磁弁141を含む。冷凍システムにおける二酸化炭素を消防の媒体とすることで、消防工事のコストを低減させ、二酸化炭素を消火に用いると、物品に対して二回破壊を起こすことがなく、天然の優勢を備え、同じ体積を有する貯蔵タンクであれば、気体貯蔵の量より、液体貯蔵の量が遥かに多く、消火面積がより大きい。天然の作動媒体として、二酸化炭素は難燃且つ爆発しにくいという特性を備え、当該特性によって建物領域に対して消火を行って、ある部屋の煙センサー又は温度センサーは、火事が発生すると判定した場合、当該部屋内の第5の電磁弁141及び主液体供給管路の第2の電磁弁131を開けるように制御することで、液体二酸化炭素はノズルから部屋に入って消火を行って、部屋の濃度が設定値に達した場合、第2の電磁弁131及び第5の電磁弁141を閉じる。
【0041】
図3及び図4を参照して、室外熱交換器3はエアロゾル生成装置(図示せず)及び熱交換管路150を含み、エアロゾル生成装置のエアロゾルは熱交換室に入り、エアロゾルにおける水ミセルは、熱交換管路150内の冷媒による放射熱を吸収する時、大きなミセルから徐々に小さなミセルに分解し、エアロゾルは大きなミセルから小さなミセルに分解する過程で、熱を吸収し、二酸化炭素冷媒を凝縮させて液化させ、エアロゾルは大きなミセルから小さなミセルに分解する過程全体で動的且つ連続である。
【0042】
エアロゾル生成装置は密閉ハウジング、吸気設備及び水霧化装置を含み、吸気設備は密閉ハウジングにおいて負圧を形成し、水霧化装置は液体の水を、より大きな比表面積を有する水ミストに霧化させ、負圧の作用で霧状化の水及び空気は密閉ハウジング内にエアロゾルを形成し、エアロゾルはエアロゾル入口151から熱交換管路150に入って熱交換を行って、熱交換が完成した水は循環しなく、回収されず、エアロゾル出口152から直接的に大気に排出され、エアロゾルの分解過程で、主に熱を内部エネルギーに変換し、排出された水蒸気の温度が高くないため、ヒートアイランド現象は発生することがない。そして、水は環境を汚染しないため、環境にやさしいとともに、コストを低減させる。熱交換の方式は対流、伝導、放射という3つの方式を有し、本発明の熱交換管路150における高温の二酸化炭素は、熱を放射し、エアロゾル内の小さなミセルを分解させて、熱を奪う熱交換方式であり、熱交換の効率が大幅に向上する。
【0043】
ここで、従来の空気冷却型熱交換器及び蒸発冷却型熱交換器の原理と異なり、本発明の室外熱交換器は、負圧条件で、エアロゾルによって熱を放射する場合、大きなミセルから徐々に小さなミセルに分解して熱交換を行って、高温高湿の条件でも、熱交換に影響していなく、異なる気候条件で正常に使用される。
【0044】
また、水は霧滴に霧化された後、その体積が小さくなるため、より容易に四散してなびかせることで、霧滴の流動性を速めて、室外熱交換器3と熱効果を迅速に完成でき、直接接触・熱交換を行う過程で、小さな体積を有する霧滴における大部分は熱を吸収して蒸気に蒸発され、冷凍効率を大幅に向上させる。
【0045】
例示として、密閉ハウジングの内壁及び/又は熱交換管路の表面には撥水剤がコーティングされ、撥水剤は無汚染・無公害の超疎水性物質であり、噴出された微細な水滴が衝突して超大水滴に結合され、密閉ハウジングの内壁及び熱交換装置の表面に結合されることを最大限に避けて、壁にかかる水滴を形成し、熱交換の効率に影響することを回避する。
【0046】
ここで、本発明の記載に出現可能な「正面/裏面」、「上/下」、「左/右」、「垂直/水平」、「内/外」などの用語で指示された方位又は位置関係は図面による方位又は位置関係であり、指された装置又は素子が特定の方位を備え、特定の方位で構造されて操作されなければならないと指示又は暗示していなく、ただ、本発明を便利に記載して記載を簡略化するためのものであるので、本発明を限定していない。また、「第1」、「第2」、「第3」などの用語は相対重要性を指示又は暗示していなく、ただ記載のためのものである。記載を便利にするために、以下の「左」「右」「上」「下」は、図面自体の左、右、上、下の方向と一致するが、本発明の構造を限定していない。
【0047】
本発明の記載において、特に明示的に規定及び限定がない限り、「装着」、「連結」、「連通」、「接続」、「接」などの用語を広義で理解すべきであり、例えば、固定接続、取り外し可能な接続、又は一体接続であってもよく、機械接続、電気接続であってもよく、直接的な連結、中間媒体による間接的な連結、さらに2つの素子内部の連通であってもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて上記用語の、本発明における具体的な意味を理解すればよい。
【0048】
最後、以上の実施例は本発明の保護範囲を限定していなく、ただ本発明の技術案を説明するためのものであり、好適な実施例を参照して本発明を詳しく説明したが、当業者であれば理解できるように、本発明の技術案に対して補正又は等価置き換えを行ってもよく、これらの補正又は等価置き換えは本発明の技術案の実質及び範囲から逸脱しない。
【符号の説明】
【0049】
1 ・・・二酸化炭素圧縮機;
2 ・・・第1の高圧四方弁;
3 ・・・室外熱交換器;
4 ・・・第2の高圧四方弁;
5 ・・・液体貯蔵タンク;
6 ・・・端末熱交換器;
7 ・・・第1の電子膨張弁;
8 ・・・第1の一方向リリーフ弁;
9 ・・・第2の電子膨張弁群;
100 ・・・圧力調節タンク;
101 ・・・第3の電子膨張弁;
110 ・・・貯水タンク;
111 ・・・給湯管;
112 ・・・第2の一方向リリーフ弁;
113 ・・・第1の電磁弁;
114 ・・・冷水入口;
115 ・・・温水出口;
120 ・・・床暖房配管;
121 ・・・第6の電磁弁;
130 ・・・第4の電子膨張弁群;
131 ・・・第2の電磁弁;
132 ・・・第3の電磁弁;
133 ・・・第4の電磁弁;
140 ・・・消防管路;
141 ・・・第5の電磁弁;
150 ・・・熱交換管路;
151 ・・・エアロゾル入口;
152 ・・・エアロゾル出口。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】