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特表2023-542409立体分散型液体霧化熱交換器、制御方法及び冷凍システム、エアコン
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  • 特表-立体分散型液体霧化熱交換器、制御方法及び冷凍システム、エアコン 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-06
(54)【発明の名称】立体分散型液体霧化熱交換器、制御方法及び冷凍システム、エアコン
(51)【国際特許分類】
   F28C 3/08 20060101AFI20230929BHJP
   F25B 1/00 20060101ALI20230929BHJP
【FI】
F28C3/08 A
F25B1/00 396D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023518922
(86)(22)【出願日】2021-09-14
(85)【翻訳文提出日】2023-03-22
(86)【国際出願番号】 CN2021118126
(87)【国際公開番号】W WO2022062954
(87)【国際公開日】2022-03-31
(31)【優先権主張番号】202011021378.1
(32)【優先日】2020-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523104878
【氏名又は名称】ベイジン ジンカールン エンジニアリング デザイン アンド リサーチ インスティテュート カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,ジエングオ
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ,チョンジュン
(72)【発明者】
【氏名】シエ,ウェイボ
(72)【発明者】
【氏名】ワン,チュエンジアン
(72)【発明者】
【氏名】カン,ジエンフイ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,ジーロン
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ,フイ
(72)【発明者】
【氏名】ハオ,リーシュエン
(72)【発明者】
【氏名】マオ,トンチン
(72)【発明者】
【氏名】ツァオ,ウェンジー
(72)【発明者】
【氏名】チャオ,ハイイン
(72)【発明者】
【氏名】リー,ジュンゾン
(57)【要約】
本出願は立体分散型液体霧化熱交換器、制御方法及び冷凍システム、エアコンを開示している。
立体分散型液体霧化熱交換器はハウジング(1)、吸気装置(2)、熱交換装置(3)及び液体霧化装置を含み、吸気装置(2)はハウジング(1)内に負圧を形成するために用いられ、液体霧化装置は液体供給管、霧化カランドリア管(4)、及び霧化ヘッド(5)を含み、霧化カランドリア管(4)は液体供給管に接続され、霧化ヘッド(5)は霧化カランドリア管(4)に設けられ、霧化カランドリア管(4)はハウジング(1)内に立体且つ分散的に設けられ、霧化ヘッド(5)には霧化ヘッド(5)を開け又は閉じるように制御する制御装置が設けられ、制御装置は制御センターに連通し、制御センターは所定の時間、所定の霧化ヘッド(5)の開度に基づいて、ランダム関数に従って、開け又は閉じる必要がある霧化ヘッド(5)をランダムに選択し、各霧化ヘッド(5)の開け又は閉じを何れもランダムにすることで、ハウジング内の霧化液体を均一にする効果を達成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング、前記ハウジングの外部に設けられてハウジング内に負圧を形成するために用いられる吸気装置、前記ハウジング内に設けられる熱交換装置及び液体霧化装置を含む立体分散型液体霧化熱交換器であって、
前記液体霧化装置は液体供給管、霧化カランドリア管及び霧化ヘッドを含み、前記霧化カランドリア管は前記液体供給管に接続され、前記霧化ヘッドは前記霧化カランドリア管に設けられ、前記霧化カランドリア管は前記ハウジング内に立体且つ分散的に設けられ、前記霧化ヘッドには、霧化ヘッドを開け又は閉じるように制御する制御装置が設けられ、制御装置は制御センターに連通していることを特徴とする立体分散型液体霧化熱交換器。
【請求項2】
制御センターは所定の時間、所定の霧化ヘッドの開度に基づいて、ランダム関数に従って、開け又は閉じる必要がある霧化ヘッドをランダムに選択し、各霧化ヘッドの開け又は閉じは何れもランダムであり、ハウジング内の霧化液体を均一に分布させ、制御センターはスマートコンピュータであることを特徴とする請求項1に記載の立体分散型液体霧化熱交換器。
【請求項3】
前記霧化ヘッドの周囲には、冷媒を流通させる熱交換装置が配置され、霧化ヘッドは霧化された液体を噴出し、霧化液体は熱交換装置の周囲に拡散し、液体ミセルは、負圧の作用で、前記熱交換装置内の二酸化炭素と放射熱交換を完成した後、吸気装置によってハウジングから抽出されることを特徴とする請求項1に記載の立体分散型液体霧化熱交換器。
【請求項4】
冷房時に、キャビティ内の水ミセルは、熱交換装置内に流通している二酸化炭素の放射熱を吸収すると、大きなミセルから小さなミセルに動的且つ連続的に分解されて、熱を奪って二酸化炭素冷媒を凝縮させて液化させることを特徴とする請求項3に記載の立体分散型液体霧化熱交換器。
【請求項5】
前記霧化カランドリア管は行列形式で階層的に配置され、前記霧化カランドリア管には複数の霧化ヘッドが設けられることを特徴とする請求項1に記載の立体分散型液体霧化熱交換器。
【請求項6】
前記熱交換装置は複数熱交換手段で積層されて形成され、熱交換手段は二酸化炭素を流通させる多行配管、及び多行配管を固定するフィンを含み、前記多行配管と前記フィンとは固定フレームによって固定され、二酸化炭素は入口端部から流入して、出口端部から排出され、前記熱交換手段内には霧化カランドリア管が設けられることを特徴とする請求項1に記載の立体分散型液体霧化熱交換器。
【請求項7】
複数の熱交換手段の多行配管は積層された後、互いに直列接続され、熱交換手段はハウジングに固定され、霧化カランドリア管は液体供給管にそれぞれ接続されることを特徴とする請求項6に記載の立体分散型液体霧化熱交換器。
【請求項8】
前記霧化カランドリア管には、霧化カランドリア管を開け又は閉じるように制御する制御装置が設けられ、制御装置は、スマートコンピュータである制御センターに連通していることを特徴とする請求項1に記載の立体分散型液体霧化熱交換器。
【請求項9】
前記霧化ヘッドは超音波霧化装置であり、前記超音波霧化装置は、超音波に応じて水を霧化させる超音波霧化シートを含み、
熱交換が完成した水蒸気は循環せず、回収されず、直接的に大気に排出されることを特徴とする請求項1に記載の立体分散型液体霧化熱交換器。
【請求項10】
前記吸気設備は負圧送風機、磁気浮上負圧送風機又は真空吸気ポンプであることを特徴とする請求項1に記載の立体分散型液体霧化熱交換器。
【請求項11】
前記ハウジングは密閉ハウジングであり、吸気装置は密閉ハウジング内に所定負圧値を形成し、より効率的な熱交換を実現し、
吸気装置の排気量はハウジング内の霧化液体の蒸発量より大きく、ハウジング内の蒸気を十分に排出して、霧化液体の蒸発効率を向上するとともに、ハウジング内の負圧環境を保持することを特徴とする請求項1に記載の立体分散型液体霧化熱交換器。
【請求項12】
前記熱交換器は圧力調節装置を含み、圧力調節装置の吸気口はハウジングの外に設けられ、排気口はハウジング内に設けられ、圧力調節装置によって調節気流をハウジング内に導入させ、ハウジング内の蒸気の流れを促進し、ハウジング内にエアロゾルを形成することを特徴とする請求項1に記載の立体分散型液体霧化熱交換器。
【請求項13】
液体供給管はハウジング外部の液体タンクに連通して、液体をハウジング内に持続的に供給し、
液体は軟水であり、軟水はカルシウム、マグネシウムなどの無機塩類物質が除去されたものであり、外部不純物の混入を減少させ、凝縮管のスケール形成を最大限に回避して、熱交換管路の使用寿命を延長することを特徴とする請求項1に記載の立体分散型液体霧化熱交換器。
【請求項14】
立体分散型液体霧化熱交換器の制御方法であって、霧化ヘッドを熱交換器のハウジング内に立体且つ分散的に配置し、制御センターは霧化ヘッドの制御装置に対して符号化を行い、熱交換器が全負荷で運転する必要がない場合、制御センターは、必要な霧化ヘッドの開度を入力し、所定の時間ごとに、ランダム関数に基づいて開け又は閉じる必要がある霧化ヘッドを選択し、各霧化ヘッドの開け又は閉じを何れもランダムにして、ハウジング内の霧化液体を均一にする効果を達成することを特徴とする制御方法。
【請求項15】
冷凍システムであって、順に接続された圧縮機、熱交換器、液体貯蔵器及び蒸発器を含み、前記熱交換器は請求項1~13の何れか1項に記載の立体分散型液体霧化熱交換器である冷凍システム。
【請求項16】
室内熱交換器、及び管路を介して前記室内熱交換器に接続される室外機を含む二酸化炭素マルチ型セントラルエアコンであって、前記室外機は二酸化炭素圧縮機、液体貯蔵器及び熱交換器を含み、前記セントラルエアコンは二酸化炭素を単一循環作動媒体とし、前記熱交換器は請求項1~13の何れか1項に記載の立体分散型液体霧化熱交換器であることを特徴とするエアコン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は熱交換器の分野に関して、特に、立体分散型液体霧化熱交換器、制御方法及び冷凍システム、エアコンに関している。
【背景技術】
【0002】
現在、我国の商業施設のエアコンのエネルギー消費の比例が高く、建物の省エネの発展及び要求がさらに向上していることに連れて、伝統の商業用エアコンシステムの短所がますます明らかになっている。冷媒について、現在、国内外のエアコンシステムは何れもフロンを冷媒とするが、フロンは大気のオゾン層を破壊し、且つ高い温室効果を有する。アンモニア(R77)の不安定性、且つそのコストが非常に高く、冷凍システムには不安全な要素が存在するため、アンモニア(R717)もエアコンの冷媒に適していない。システムの装着について、一般的に、エアコンシステムは水源式ヒートポンプユニット又は空気式ヒートポンプユニットであり、水をブラインとしてエンド送風機コイルパイプ内に輸送して、必要な冷熱又は熱量建物に提供する。システムの構造が複雑であり、冷凍設備以外、水循環システムを設計する必要があり、冷媒と水とが二回熱交換を行った後、水ポンプによって水をユーザー側に輸送して使用する。このような設計は、大きな設備機械室を必要とし、建物の空間を占用し、これは間違いなく投資を増やす上に、単位面積のエネルギー消費が高く、システムの効率が低いなどの問題が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
高効率で、省エネで、環境にやさしい冷媒として、二酸化炭素は幅広い見通し及び相当な経済価値がある。ところが、二酸化炭素の固有特性のため、動作温度が臨界温度より高い場合、どんなに高い圧力をかけても、二酸化炭素を液化させることができず、本分野において偏見がずっと存在し、単一二酸化炭素を媒体とする冷凍システムは大範囲の冷凍に適用されることができないため、二酸化炭素冷凍システムの冷凍効率を大幅に低減させ、二酸化炭素冷凍システムの普及及び応用を制限する。
【0004】
従来の空気冷却型熱交換器及び蒸発冷却型熱交換器は何れも外部から空気を導入し、外部温度及び湿度が何れも高い場合、熱交換効果は外部の自然風の温度・湿度に大きく影響される。特に、高温多湿の地域では、このような熱交換器の冷凍効果が相変わらず悪いとともに、エネルギー消費が非常に大きく、ますます冷凍需求を満たし難い。また、現在の熱交換器はほとんど全体的に開けられ又は閉じられ、実際の使用過程で、エネルギーを十分に利用するために、熱交換器全体を全部的に開ける必要がない。通常の凝縮手段により二酸化炭素を液化させて凝縮させがたいという問題を解決し、二酸化炭素システムの全体的な効率を向上させ、高環境適合性作動媒体である二酸化炭素を実際の工事に大幅に応用して、且つ省エネ・環境にやさしいために、本発明の技術案を提出する。
【0005】
従来技術の不足を克服するために、本発明は、省エネ且つ環境にやさしく、熱交換効率が高く、制御が容易である立体分散型液体霧化熱交換器及びその制御方法を提供することを目的とする。本発明は立体分散型液体霧化熱交換器を含む冷凍システム、セントラルエアコンをさらに提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明が提供する立体分散型液体霧化熱交換器の技術案は以下の通り、
ハウジング、ハウジングの外部に設けられてハウジング内に負圧を形成するために用いられる吸気装置、ハウジング内に設けられる熱交換装置及び液体霧化装置を含む立体分散型液体霧化熱交換器であって、液体霧化装置は液体供給管、霧化カランドリア管及び霧化ヘッドを含み、霧化カランドリア管は液体供給管に接続され、霧化ヘッドは霧化カランドリア管に設けられ、霧化カランドリア管はハウジング内に立体且つ分散的に設けられ、霧化ヘッドには、霧化ヘッドを開け又は閉じるように制御する制御装置が設けられ、制御装置は制御センターに連通している。
【0007】
好ましくは、制御センターは所定の時間、所定の霧化ヘッドの開度に基づいて、ランダム関数に従って、開け又は閉じる必要がある霧化ヘッドをランダムに選択し、各霧化ヘッドの開け又は閉じは何れもランダムであり、ハウジング内の霧化液体を均一に分布させ、制御センターはスマートコンピュータである。
【0008】
好ましくは、霧化ヘッドの周囲には、冷媒を流通させる熱交換装置が配置され、霧化ヘッドは霧化後の液体を噴出し、霧化液体は熱交換装置の周囲に拡散し、液体ミセルは、負圧の作用で、熱交換装置内の二酸化炭素と放射熱交換を完成した後、吸気装置によってハウジングから抽出される。
【0009】
好ましくは、冷房時、キャビティ内の水ミセルは、熱交換装置内に流通している二酸化炭素の放射熱を吸収すると、大きなミセルから小さなミセルに動的且つ連続的に分解されて、熱を奪って、二酸化炭素冷媒を凝縮させて液化させる。
【0010】
好ましくは、霧化カランドリア管は行列形式で階層的に配置され、霧化カランドリア管には複数の霧化ヘッドが設けられる。
【0011】
好ましくは、熱交換装置は複数熱交換手段で積層されて形成され、熱交換手段は二酸化炭素を流通させる多行配管、及び多行配管を固定するフィンを含み、多行配管とフィンとは固定フレームによって固定され、二酸化炭素は入口端部から流入して、出口端部から排出され、熱交換手段内には霧化カランドリア管が設けられる。
【0012】
好ましくは、複数の熱交換手段の多行配管は積層された後、互いに直列接続され、熱交換手段はハウジングに固定され、霧化カランドリア管は液体供給管にそれぞれ接続される。
【0013】
好ましくは、霧化カランドリア管には、霧化カランドリア管を開け又は閉じるように制御する制御装置が設けられ、制御装置は、スマートコンピュータである制御センターに連通している。
【0014】
好ましくは、霧化ヘッドは超音波霧化装置であり、超音波霧化装置は、超音波に応じて水を霧化させる超音波霧化シートを含む。
熱交換が完成した水蒸気は循環せず、回収されず、直接的に大気に排出される。
【0015】
好ましくは、吸気設備は負圧送風機、磁気浮上負圧送風機又は真空吸気ポンプである。
【0016】
好ましくは、ハウジングは密閉ハウジングであり、吸気装置は密閉ハウジング内に所定負圧値を形成し、より効率的な熱交換を実現し、
吸気装置の排気量はハウジング内の霧化液体の蒸発量より大きく、ハウジング内の蒸気を十分に排出して、霧化液体の蒸発効率を向上するとともに、ハウジング内の負圧環境を保持する。
【0017】
好ましくは、熱交換器は圧力調節装置を含み、圧力調節装置の吸気口はハウジング外部に設けられ、排気口はハウジング内に設けられ、圧力調節装置によって調節気流をハウジング内に導入させ、ハウジング内の蒸気の流れを促進し、ハウジング内にエアロゾルを形成する。
【0018】
好ましくは、液体供給管はハウジング外部の液体タンクに連通して、液体をハウジング内に持続的に供給し、
液体は軟水であり、軟水はカルシウム、マグネシウムなどの無機塩類物質が除去されたものであり、外部不純物の混入を減少させ、凝縮管のスケール形成を最大限に回避して、熱交換管路の使用寿命を延長する。
【0019】
立体分散型液体霧化熱交換器の制御方法であって、霧化ヘッドを熱交換器のハウジング内に立体且つ分散的に配置し、制御センターは霧化ヘッドの制御装置に対して符号化を行って、熱交換器が全負荷で運転する必要がない場合、制御センターは、必要な霧化ヘッドの開度を入力し、所定の時間ごとに、ランダム関数に基づいて開け又は閉じる必要がある霧化ヘッドを選択し、各霧化ヘッドの開け又は閉じを何れもランダムにして、ハウジング内の霧化液体を均一にする効果を達成する。
【0020】
冷凍システムであって、順に接続された圧縮機、熱交換器、液体貯蔵器及び蒸発器を含み、熱交換器は上記の立体分散型液体霧化熱交換器である。
【0021】
室内熱交換器、及び管路を介して室内熱交換器に接続される室外機を含む二酸化炭素マルチ型セントラルエアコンであって、室外機は二酸化炭素圧縮機、液体貯蔵器及び熱交換器を含み、セントラルエアコンは二酸化炭素を単一循環作動媒体とし、熱交換器は上記の立体分散型液体霧化熱交換器である。
【発明の効果】
【0022】
本発明の実施は以下の技術効果を含み、
本発明の立体分散型液体霧化熱交換器の制御センターは所定の時間(例如1秒~300秒)、所定の霧化ヘッドの開度(例えば、10%~95%霧化ヘッド)に基づいて、ランダム関数に従って、開け又は閉じる必要がある霧化ヘッドをランダムに選択し、各霧化ヘッドの開け又は閉じを何れもランダムにすることで、ハウジング内の霧化液体を均一にする効果を達成する。正確に制御するとともに、エネルギーの浪費を回避する。
【0023】
霧化ヘッドの周囲には、冷媒を流通させる熱交換装置が配置され、霧化ヘッドは霧化後の液体を噴出し、霧化液体は熱交換装置の周囲に拡散し、液体ミセルは、負圧の作用で、熱交換装置内の二酸化炭素と放射熱交換を完成した後、吸気装置によってハウジングから抽出される。冷房時、キャビティ内の水ミセルは、熱交換装置内に流通している二酸化炭素の放射熱を吸収すると、大きなミセルから徐々に小さなミセルに分解され、熱を奪って、二酸化炭素冷媒を凝縮させて液化させる。水ミセルは動的且つ連続的に小水ミセルに分解されて、熱を奪う。
【0024】
複数の熱交換手段の多行配管は積層された後、互いに直列接続され、熱交換手段はハウジングに固定され、霧化カランドリア管は液体供給管にそれぞれ接続される。熱交換装置は、複数の熱交換手段が積層されるように配置されることで、装着及びメンテナンスを便利にして、ある熱交換手段が壊れた場合、壊れた熱交換手段を個別に取り外して、メンテナンス又は交換を行う。そして、熱交換装置の大きさを容易に大きくし又は小さくして、製造工程を簡略化する。
【0025】
本発明の熱交換器によれば、負圧条件で、熱を放射する場合、エアロゾルは大きなミセルから徐々に小さなミセルに分解されて、熱交換を行って、圧力調節装置には外部ガスが混入する以外、外部ガスの混入がなく、高温高湿の条件でも、熱交換に影響していないため、異なる気候条件で正常に使用できる。
【0026】
本発明の二酸化炭素マルチ型セントラルエアコンによれば、二酸化炭素を循環作動媒体とすることは、差圧が大きく、流動性がよく、密度が小さく、超臨界相転移という優勢を具備するため、高層ビルに適用され、100メートル以上の高さで循環を完成でき、これは従来のフロンマルチ型セントラルエアコンにとって不可能であり、また、従来のブラインは何れも循環弁を配置する必要があり、エネルギーを消耗した上に、コストが高い。伝統のエアコンに対して、本発明のセントラルエアコンの効率は2倍以上向上し、エネルギーを50%以上節約する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の実施例の立体分散型液体霧化熱交換器の断面構造模式図である。
図2】熱交換手段の立体構造模式図である。
図3】熱交換手段の正面構造模式図である。
図4】熱交換手段の平面構造模式図である。
図5】立体分散型液体霧化熱交換器を有する冷凍システムの構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、実施例及び図面を結合して本発明を詳しく説明し、ここで、記載の実施例は何れかの限定作用を具備していなく、ただ本発明を理解するためのものである。
【0029】
図1図4を参照して、本実施例が提供する立体分散型液体霧化熱交換器はハウジング1、ハウジング1の外部に設けられてハウジング1内に負圧を形成する吸気装置2、ハウジング1内に設けられる熱交換装置3及び液体霧化装置を含み、液体霧化装置は液体供給管(図示せず)、霧化カランドリア管4及び霧化ヘッド5を含み、霧化カランドリア管4は液体供給管に接続され、霧化ヘッド5は霧化カランドリア管4に設けられ、霧化カランドリア管4はハウジング1内に立体且つ分散的に設けられ、霧化ヘッド5には、霧化ヘッド5を開け又は閉じるように制御する制御装置が設けられ、制御装置は、スマートコンピュータである制御センターまで連通している。制御センターは所定の時間(例えば、1秒~300秒)、所定の霧化ヘッド5の開度(例えば、10%~95%霧化ヘッド5)に基づいて、ランダム関数に従って、開閉する必要がある霧化ヘッド5をランダムに選択し、各霧化ヘッド5の開け又は閉じを何れもランダムにすることで、ハウジング1内の霧化液体を均一にする効果を達成する。正確に制御するとともに、エネルギーの浪費を回避する。
【0030】
具体的に、図1を参照して、霧化ヘッド5の周囲には、冷媒を流通させる熱交換装置3が配置され、霧化ヘッド5は霧化された液体を噴出し、霧化液体は熱交換装置3の周囲に拡散し、液体ミセルは、負圧の作用で、熱交換装置3内の二酸化炭素と放射熱交換を完成した後、吸気装置2によってハウジング1から抽出される。冷房時、キャビティ内の水ミセルは、熱交換装置3内に流通している二酸化炭素の放射熱を吸収すると、大きなミセルから徐々に小さなミセルに分解されて、熱を奪って、二酸化炭素冷媒を凝縮させて液化させる。水ミセルは動的且つ連続的に小水ミセルに分解されて、熱を奪う。
【0031】
図1を参照して、霧化カランドリア管4は行列形式で階層的に配置され、霧化カランドリア管4には複数の霧化ヘッド5が設けられる。例示として、具体的に、18行*12孔の霧化行列を選択してもよい。図1を参照して、熱交換器のハウジング1には18個の霧化カランドリア管4が設けられ、9層に分けて配置され、各行の霧化カランドリア管4には12個の霧化ヘッド5が設けられ、合計、216個の霧化ヘッド5があり、各霧化ヘッド5には、その開け又は閉じを制御する制御装置が設けられ、制御装置は制御センターまで連通し、実際の運転過程で、スプレーヘッドを50%開けば、冷房又は暖房要求を実現できる場合、従来のヤリ方は、霧化カランドリア管4を行全体的に閉じ、このように操作すれば、必然的にハウジング1内の霧化液体の分布が不均一になって、熱交換の効果に影響し、108個の霧化ヘッド5を人工に閉じても、同じように、不均一になる問題を招致し、且つその操作が不便であり、本発明において、制御センターは一定の時間(例えば、30秒)ごとに、108個の霧化ヘッド5をランダムに閉じることで、各霧化ヘッド5のランダム的な開け又は閉じの確率が同様であり、ハウジング1内の霧化液体は常に均一状態にある。
【0032】
図2図4を参照して、熱交換装置3は複数の熱交換手段6から積層されて形成され、熱交換手段6は二酸化炭素を流通させる多行配管60、及び多行配管60を固定するフィン61を含み、多行配管60とフィン61とは固定フレーム62によって固定され、二酸化炭素は入口端部から流入して、出口端部から排出され、熱交換手段6内には霧化カランドリア管4が設けられる。複数の熱交換手段6の多行配管60は積層された後、互いに直列接続され、熱交換手段6はハウジング1に固定され、霧化カランドリア管4は液体供給管にそれぞれ接続される。熱交換装置3は、複数の熱交換手段6が積層されるように配置されることで、装着及びメンテナンスを便利にして、ある熱交換手段6が壊れた場合、壊れた熱交換手段を個別に取り外してメンテナンス又は交換を行う。そして、熱交換装置3の大きさを容易に大きくし又は小さくして、製造工程を簡略化する。
【0033】
さらに、霧化カランドリア管4には、霧化カランドリア管4を開け又は閉じるように制御する制御装置が設けられ、制御装置は、スマートコンピュータである制御センターまで連通している。霧化ヘッド5全体を個別に制御してもよいし、霧化カランドリア管4を制御してもよく、制御方式が便利且つ柔軟である。
【0034】
霧化ヘッド5に対して超音波霧化装置を選択してもよく、超音波霧化装置は、超音波と協働して水を霧化させる超音波霧化シートを含む。超音波霧状化水自体はスケール除去機能を備え、熱交換管路及びフィン61の表面のスケール形成を回避する。水蒸気及び未蒸発の水ミストは直接的に大気に排出される。熱交換が完成した水蒸気は循環していなく、回収されず、直接的に大気に排出され、水ミセルの分解過程で、主に熱を内部エネルギーに変換し、排出された水蒸気の温度が高くないため、ヒートアイランド現象は発生することがない。吸気設備は負圧送風機、磁気浮上負圧送風機又は真空吸気ポンプである。
【0035】
具体的に、ハウジング1は密閉ハウジングであり、吸気装置2は密閉ハウジング内に所定負圧値を形成させ、より効率的な熱交換を実現する。吸気装置2の排気量はハウジング1内の霧化液体の蒸発量より大きく、ハウジング1内の蒸気を十分に排出して、霧化液体の蒸発効率を向上させる一方、ハウジング1内の負圧環境を保持する。熱交換器は圧力調節装置をさらに含み、圧力調節装置の吸気口はハウジング1の外部に設けられ、排気口はハウジング1内に設けられ、圧力調節装置によって調節気流をハウジング1内に導入させ、ハウジング1内の蒸気の流れを促進し、ハウジング1内にエアロゾルを形成する。圧力調節装置は1つ又は複数のファンであってもよく、ファンはハウジング1の底部に近接するように設けられ、ファンが回動すると、ハウジング1内の蒸気及び霧化液体の流れを促進する。ここで、従来の空気冷却型熱交換器及び蒸発冷却型熱交換器の原理と異なり、本発明の熱交換器によれば、負圧条件で、熱を放射する場合、エアロゾルは大きなミセルから徐々に小さなミセルに分解されて、熱交換を行って、圧力調節装置には外部ガスが混入する以外、外部ガスの混入がなく、高温高湿の条件でも、熱交換に影響していないため、異なる気候条件で正常に使用できる。
【0036】
具体的に、液体供給管はハウジング1の外部の液体タンク(図示せず)又は液体管に連通し、液体をハウジング1内に持続的に供給し、液体供給管は1本の直線状管路であってもよいし、並列配置された2本又は複数本の管路であってもよいし、或いは1本の管路を採用して盤状に巻回されて配置されてもよい。
【0037】
本発明における液体について、水を優先的に使用し、好ましくは、軟水を使用し、軟水はカルシウム、マグネシウムなどの無機塩類物質が除去されたため、外部不純物の混入を減少させ、凝縮管のスケール形成を最大限に回避して、熱交換管路の使用寿命を延長する。液体霧化装置は各滴の水を元の水滴の体積の1/500ほどに霧化させ、マイクロレベル又はナノレベルの水ミストを形成し、空気との接触面積を増やし、蒸発速度は300倍以上速まって、微細化された水滴が液体から気体になる過程で吸収された熱は、水の温度が1℃上昇する時、吸収された熱の540倍ほどであり、大量の熱を吸収する作用を達成し、熱交換効果を大幅に強化させる。
【0038】
本実施例は立体分散型液体霧化熱交換器の制御方法をさらに提供し、霧化ヘッド5を熱交換器のハウジング1内に立体且つ分散的に配置し、制御センターは霧化ヘッド5の制御装置に対して符号化を行い、熱交換器は全負荷で運転する必要がない場合、必要な霧化ヘッド5の開度を入力し、所定の時間ごとに制御センターはランダム関数に基づいて開け又は閉じる必要がある霧化ヘッド5を選択し、各霧化ヘッド5の開け又は閉じを何れもランダムにすることで、ハウジング1内の霧化液体を均一にする効果を達成する。ランダム関数について、従来のランダム関数を選択してもよく、本発明は限定していなく、贅言していない。立体分散の方式は、行列形式で階層的に配置される方式を指す。
【0039】
図5を参照して、本実施例は冷凍システムをさらに提供し、順に接続された圧縮機7、熱交換器8、液体貯蔵器9及び蒸発器10を含み、熱交換器8は上記の立体分散型液体霧化熱交換器である。
【0040】
本実施例は二酸化炭素マルチ型セントラルエアコンをさらに提供し、室内熱交換器及び管路によって室内熱交換器に接続される室外機を含み、室外機は二酸化炭素圧縮機、液体貯蔵器及び室外熱交換器を含み、セントラルエアコンは二酸化炭素を単一循環作動媒体とし、室外熱交換器は上記の立体分散型液体霧化熱交換器である。
【0041】
冷房モードで、二酸化炭素媒体の流れ方向は二酸化炭素圧縮機、室外熱交換器、液体貯蔵器、室内熱交換器を順に通過し、冷房を完成する。暖房モードで、二酸化炭素媒体の流れ方向は二酸化炭素圧縮機、室内熱交換器、液体貯蔵器、室外熱交換器を順に通過し、暖房を完成する。四方切換弁によって冷房と暖房との切換を実現し、これについて、本実施例は贅言していない。二酸化炭素を循環作動媒体とすることは、差圧が大きく、流動性がよく、密度が小さく、超臨界相転移という優勢を具備するため、高層ビルに適用され、100メートル以上の高さで循環を完成でき、それは従来のフロンマルチ型セントラルエアコンにとって不可能であり、また、従来のブラインは何れも循環弁を配置する必要があり、エネルギーを消耗した上に、コストが高い。伝統のエアコンに対して、本発明のセントラルエアコンの効率は2倍以上向上し、エネルギーを50%以上節約する。
【0042】
最後、以上の実施例は本発明の保護範囲を限定していなく、ただ本発明の技術案を説明するためのものであり、好適な実施例を参照して本発明を詳しく説明したが、当業者であれば理解できるように、本発明の技術案に対して補正又は等価置き換えを行ってもよく、これらの補正又は等価置き換えは本発明の技術案の実質及び範囲から逸脱しない。
【符号の説明】
【0043】
1 ・・・ハウジング;
2 ・・・吸気装置;
3 ・・・熱交換装置;
4 ・・・霧化カランドリア管;
5 ・・・霧化ヘッド;
6 ・・・熱交換手段;
60 ・・・多行配管;
61 ・・・フィン;
62 ・・・固定フレーム;
7 ・・・圧縮機;
8 ・・・熱交換器;
9 ・・・液体貯蔵器;
10 ・・・蒸発器。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】