(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-06
(54)【発明の名称】園芸モジュール、関連する溝アセンブリ、およびそれから形成された移動式溝システム
(51)【国際特許分類】
A01G 31/02 20060101AFI20230929BHJP
A01G 31/00 20180101ALI20230929BHJP
A01G 9/00 20180101ALI20230929BHJP
【FI】
A01G31/02
A01G31/00 601B
A01G9/00 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023540981
(86)(22)【出願日】2021-08-25
(85)【翻訳文提出日】2023-04-28
(86)【国際出願番号】 AU2021050960
(87)【国際公開番号】W WO2022056577
(87)【国際公開日】2022-03-24
(32)【優先日】2020-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523093170
【氏名又は名称】ガイア プロジェクト オーストラリア プロプライエタリー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】GAIA PROJECT AUSTRALIA PTY LTD
【住所又は居所原語表記】B106/460 Victoria Street, Brunswick, Victoria 3056 Australia
(74)【代理人】
【識別番号】110000198
【氏名又は名称】弁理士法人湘洋特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヘンナヤカ,ナドゥン
【テーマコード(参考)】
2B314
2B327
【Fターム(参考)】
2B314NA09
2B314NC24
2B314NC32
2B314ND16
2B314ND27
2B314ND38
2B314PB08
2B327ND15
2B327NE01
2B327NE09
2B327QA05
2B327TA02
2B327TA11
2B327TA22
2B327TC08
2B327UA03
(57)【要約】
園芸用移動式溝システムの一部を形成するために、同様の溝アセンブリと共に使用するように構成された溝アセンブリであって、(a)成長し、収穫されるそれぞれの作物を受け入れるための離間した開口部を有する細長い作物ホルダと、(b)離間した作物の根の上を水が流れることができるチャネルとを備え、作物成長プロセス中に作物密度を変えることができるように、離間した開口部間の距離の調整を可能にするように構成される、溝アセンブリ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
園芸用移動式溝システムの一部を形成するために、同様の溝アセンブリと共に使用するように構成された溝アセンブリであって、
(a)成長し、収穫されるそれぞれの作物を受け入れるための離間した開口部を有する細長い作物ホルダと、
(b)前記離間した作物の根の上を水が流れることができるチャネルと
を備え、
作物成長プロセス中に作物密度を変えることができるように、前記離間した開口部間の距離の調整を可能にするように構成される、溝アセンブリ。
【請求項2】
前記細長い作物ホルダが、複数のモジュールを備え、各モジュールは、前記離間した開口部のそれぞれ1つを有し、少なくとも1つの隣接するモジュールと移動可能に係合するように構成され、それにより、使用中、隣接するモジュールは互いに対して移動して、前記作物が成長するにつれて離間した作物間の距離を増加させることができる、請求項1に記載の溝アセンブリ。
【請求項3】
隣接するモジュールが、互いに対して摺動可能に移動可能である、請求項2に記載の溝アセンブリ。
【請求項4】
隣接するモジュールが、前記モジュール間の相対移動を可能にするように互いに伸縮可能に関連付けられる、請求項2または3に記載の溝アセンブリ。
【請求項5】
各モジュールが、ヘッド部分およびテール部分を有するトレイを備え、1つのモジュールの前記ヘッド部分は、隣接するモジュールの前記テール部分と解放可能に係合可能である、請求項2から4のいずれか一項に記載の溝アセンブリ。
【請求項6】
前記モジュールが、前記チャネルの上部を実質的に閉じるように前記チャネルに解放可能に固定可能である、請求項2から5のいずれか一項に記載の溝アセンブリ。
【請求項7】
前記モジュールが、隣接するモジュールを一緒に解放可能にロックし、前記隣接するモジュール間の移動を制限するための相補的なインターロック特徴を備える、請求項2から6のいずれか一項に記載の溝アセンブリ。
【請求項8】
前記チャネルが、前記モジュールの離間した開口部間の前記距離が増加するにつれて延びるように構成される、請求項2から7のいずれか一項に記載の溝アセンブリ。
【請求項9】
前記チャネルが、一緒に接続された2つまたはそれ以上のチャネル部分を備え、各部分は、隣接する部分と移動可能に係合するように構成され、それにより、使用中、隣接する部分は、互いに対して移動して、前記作物が成長するにつれて前記部分によって画定された前記チャネルの長さを増加させることができる、請求項8に記載の溝アセンブリ。
【請求項10】
前記部分が、前記部分間の相対移動を可能にするように互いに伸縮可能に関連付けられる、請求項9に記載の溝アセンブリ。
【請求項11】
請求項2から10のいずれか一項に記載の溝アセンブリの複数のモジュールのうちの1つとして使用するためのモジュール。
【請求項12】
請求項1から10のいずれか一項に記載の2つ以上の隣接する溝アセンブリを備える、園芸用途で使用するための移動式溝システムであって、前記溝システムは、作物成長プロセス中に、
(a)前記作物が成長するにつれて、隣接する溝間の空間を増加させ、
(b)前記作物が成長するにつれて、隣接する作物間の距離を増加させる
ことによって前記作物間の間隔を変えるように構成される、移動式溝システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
オーストラリア仮特許出願第2020903306号明細書の特許明細書の全内容が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本特許明細書は、園芸用途で使用するための移動式溝システムの一部を形成するように構成された溝アセンブリを開示する。園芸モジュールも本明細書に開示される。モジュールは、本発明の溝アセンブリと共に使用するように適合されてもよい。モジュールは、深水培養水耕植え付け用途に使用されるように構成されてもよい。
【背景技術】
【0003】
作物成長の栄養膜技術を利用することが多い水耕システムを含む様々な園芸システムでは、植物密度に基づいて成長面積を変えることによって作物成長の効率および生産性を改善するために、移動式溝システムが使用される。
【0004】
図1は、既存の移動式溝システム2がどのように機能するかの概略図を示す。各溝4は、作物6が植え付けられ、成長する細長いチャネルを備える。移動式溝システム2は、作物が成長するにつれて、溝4が横方向に互いに徐々に離間するように構成される。このように、作物6がより小さいときである成長過程の初期段階では、作物は、隣接する溝内の1つまたは複数の作物6が太陽光および他の栄養素を受けるのを妨げないので、より密に一緒に詰め込まれ得る。したがって、移動式溝システム2を移動させることにより、隣接する溝4内の作物(例えば、レタス)が成長するにつれて互いに適切に、しかし不必要には離間しないようにすることができ、それによって、作物6が成長する限られた空間をより効率的に利用することができる。
【0005】
しかし、既存の溝4自体は、隣接する作物6が成長するにつれてそれらの間の間隔を調整することができない。したがって、共通の溝4に沿って成長する作物6は、特に作物6が成長プロセスの初期段階で比較的小さい場合、必要以上に離間され得る。この結果、限られた作物成長空間の使用は最適とは言えず、エネルギー消費を増加させる可能性がある。
【0006】
さらに、既存の溝4は、典型的には比較的長く、輸送、清掃、異なる生育地域への適応、アップグレード、セットアップおよび/または設置が困難である。また、溝4が損傷または故障する場合には、溝4全体を交換することも珍しくなく、これは、費用がかかり無駄な費用となり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記に対処し、および/または少なくとも有用な代替案を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様によれば、園芸用移動式溝システムの一部を形成するために、同様の溝アセンブリと共に使用するように構成された溝アセンブリであって、
(a)成長し、収穫されるそれぞれの作物を受け入れるための離間した開口部を有する細長い作物ホルダと、
(b)離間した作物の根の上を水が流れることができるチャネルと
を備え、
作物成長プロセス中に作物密度を変えることができるように、離間した開口部間の距離の調整を可能にするように構成される、溝アセンブリが提供される。
【0009】
本発明の実施形態では、細長い作物ホルダは、複数のモジュールを備え、各モジュールは、離間した開口部のそれぞれ1つを有し、少なくとも1つの隣接するモジュールと移動可能に係合するように構成され、それにより、使用中、隣接するモジュールは互いに対して移動して、作物が成長するにつれて離間した作物間の距離を増加させることができる。
【0010】
本発明の実施形態では、隣接するモジュールは、互いに対して摺動可能に移動可能である。
【0011】
本発明の実施形態では、隣接するモジュールは、それらの間の相対移動を可能にするように互いに伸縮可能に関連付けられる。
【0012】
本発明の実施形態では、各モジュールは、ヘッド部分およびテール部分を有するトレイを備え、1つのモジュールのヘッド部分は、隣接するモジュールのテール部分と解放可能に係合可能である。
【0013】
本発明の実施形態では、モジュールは、チャネルの上部を実質的に閉じるように、チャネルに解放可能に固定可能である。
【0014】
本発明の実施形態では、モジュールは、隣接するモジュールを一緒に解放可能にロックし、それらの間の移動を制限するための相補的なインターロック特徴を備える。
【0015】
本発明の実施形態では、チャネルは、モジュールの離間した開口部間の距離が増加するにつれて延びるように構成される。
【0016】
本発明の実施形態では、チャネルは、一緒に接続された2つまたはそれ以上のチャネル部分を備え、各部分は、隣接する部分と移動可能に係合するように構成され、それにより、使用中、隣接する部分が互いに対して移動して、作物が成長するにつれて部分によって画定されたチャネルの長さを増加させることができる。
【0017】
本発明の実施形態では、その部分は、その部分間の相対移動を可能にするように互いに伸縮可能に関連付けられる。
【0018】
本発明の第2の態様によれば、本発明の第1の態様によるアセンブリの複数のモジュールのうちの1つとして使用するためのモジュールが提供される。
【0019】
本発明の第3の態様によれば、本発明の第1の態様による2つ以上の隣接する溝アセンブリを備える、園芸用途で使用するための移動式溝システムであって、溝システムは、作物成長プロセス中に、
(a)作物が成長するにつれて、隣接する溝間の空間を増加させ、
(b)作物が成長するにつれて、隣接する作物間の距離を増加させることによって作物間の間隔を変えるように構成される、移動式溝システムが提供される。
【0020】
本発明をより容易に理解することができるように、次に、添付の図面を参照して、一実施形態を単なる例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】従来技術の移動式溝システムの上面概略図である。
【
図2】本発明の実施形態による、溝アセンブリから形成された移動式溝システムの上面斜視図である。
【
図3】本発明の実施形態による、溝アセンブリから形成された移動式溝システムの上面図である。
【
図4(a)】本発明の実施形態による溝アセンブリの外側チャネル部分の後方斜視図である。
【
図4(b)】本発明の実施形態による溝アセンブリの内側チャネル部分の正面斜視図である。
【
図5(a)】
図4(a)の外側チャネル部分の正面斜視図である。
【
図5(b)】
図4(b)の内側チャネル部分の背面斜視図である。
【
図6(a)】
図5(b)の内側チャネル部分の背面断面図である。
【
図6(b)】
図5(a)の外側チャネル部分の背面断面図である。
【
図7(a)】本発明の実施形態による溝アセンブリと共に使用するための、本発明の実施形態によるモジュールの正面斜視図である。
【
図7(b)】本発明の実施形態による溝アセンブリと共に使用するための、本発明の実施形態によるモジュールの背面斜視図である。
【
図8(a)】
図7(a)のモジュールの正面図である。
【
図8(b)】
図7(a)のモジュールの背面図である。
【
図9(a)】作物を保持するためのポットが嵌合された、
図7(a)のモジュールの正面斜視図であり、ポットはモジュールにねじり可能にロックされ得る。
【
図9(b)】
図9(a)の配置の底面斜視図である。
【
図10(a)】本発明の実施形態による溝アセンブリの正面断面図である。
【
図10(b)】
図10(a)の溝アセンブリの背面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、従来技術の移動式溝システム2を示しており、その溝4は、植え付け端部(すなわち、
図1の上部)から収穫端部(すなわち、
図1の下部)まで徐々に進行する。溝4が成長耕地を横切って進行するにつれて、隣接する溝4間の空間8は、作物6が成長するにつれて広がるように構成される。
【0023】
しかし、既存の溝4では、同じ溝4に沿って植え付けられた隣接する作物6間の間隔10は、固定されている。したがって、共通の溝4に沿って植え付けされた作物6は、あたかも完全に成長し、収穫される準備ができているかのように互いに離間されなければならないが、大部分の成長プロセスの場合、作物6は、作物6間にこのような空間10を必要としない。
【0024】
例えば、
図1の最上部の植え付け端部は、成長プロセスの比較的初期の段階を示しているが、それでもなお、溝4に沿った作物6は、将来の作物の成長に適応するために、比較的大きな程度10で互いから離間されている。溝4に沿った隣接する作物6間の間隔または距離10も成長プロセスと共に変えることができる場合、限られた成長空間をより良好に利用することができ、別様では移動式溝システム2全体の未使用空間に利用されるであろう照明および環境制御システムによって消費されるエネルギーの削減を含んで、生産性および効率の向上をもたらすことができる。
【0025】
さらに、溝4に沿った植物6間の不必要な間隔10を減少させることにより、作物6を成長させるために必要な空間全体を減少させることができる。これは、人工照明を使用する垂直および/または屋内農業システムにおいて特に重要であり得、ここでは、空間およびエネルギー節約が非常に重要であり得る。
【0026】
図2および
図3を参照すると、本発明の実施形態は、共通の溝12に沿って植え付けされた隣接する作物間の距離の変化を可能にする移動式溝システム14の一部を形成することができる溝アセンブリ12を提供する。したがって、作物間の間隔は、横方向(すなわち、隣接する溝12間)だけでなく、長手方向(すなわち、同じ溝12に沿って)においても成長プロセス中に変えることができる。
【0027】
図2は、本発明の実施形態による4つの溝12を示す。後述するように、各溝アセンブリ12は、栄養膜技術を介して作物に栄養を与えるために水が流れることができるチャネル16と、成長するそれぞれの作物を受け入れるための離間した開口部20を有する細長い作物ホルダ18とを備える。溝12は、離間した開口部20間の間隔または距離、したがってその中に植え付けされた隣接する作物間の間隔を、作物が成長するにつれて増加させることができるように構成される。
【0028】
溝アセンブリ12aの第1の対が、作物を受け入れるための開口部20aが互いに比較的近接している後退状態で示されている。この配置は、成長プロセスの初期段階に適しており、この場合、隣接する溝12aを互いに近づけることができ、共通の溝12aに沿った作物を互いに近づけることができ、それによって所与の空間においてより多くの作物を植え付けて成長させることが可能である。
【0029】
アセンブリ12bの第2の対は、伸長された状態で示されている。特に、伸長されたアセンブリ12bは、横方向に互いに離間しており、隣接する作物保持開口部20b間の間隔は、ここではより大きくなった作物が依然として互いに十分に離間することができるように増加している。アセンブリ12bのこの伸長された配置は、成長プロセスの後の段階に適しており、それにより、隣接する作物間に適切な間隔があるため、これらの作物は、太陽光および他の栄養素を収集する互いの能力を妨げない。
【0030】
図3は、各溝12が本発明の実施形態による溝アセンブリ12から形成される、移動式溝システム14を示す。作物成長プロセスの初期植え付け端において、隣接する溝12aは、各溝12aの隣接する開口部20aと共に、互いに比較的近接している。作物が成長し、移動式溝システム14に沿って収穫端に向かって前進するにつれて、隣接する溝12bは、各溝12の隣接する開口部20bと共に、互いにますます離間される。このようにして、作物密度および空間利用は、変化する作物成長プロセスを通してより良好に最適化され、整合され得る。
【0031】
次に、本発明の実施形態による溝アセンブリ12について説明する。
【0032】
図4(a)から
図5(b)を参照すると、溝アセンブリ12は、溝アセンブリ12の伸長可能なチャネル16を形成するために互いに摺動可能に係合するように配置された細長い本体24を有する2つのチャネル部分22a、22bを備え、この伸長可能なチャネル内では、水が流れて植え付けられた作物に栄養を与えることができる。伸長可能なチャネル16は、内側チャネル部分22aと外側チャネル部分22bとを備え、内側チャネル22aは、外側チャネル22b内に少なくとも部分的に入れ子になるかまたは受け入れられるように構成される。
【0033】
内側チャネル22aは、水がチャネル16にそれを介して入ることができる水入口26を備え、外側チャネル22bは、水が植え付けられた作物の根の上を流れた後にチャネル16からそれを介して出ることができる出口28を備える。外側チャネル22bは、接続されたチャネル部分22a、22bの間からの漏れをシールするためのEPDMゴム30などのシール手段を備えることができる。
【0034】
図2を参照すれば、溝アセンブリ12aが後退すると、内側チャネル22aは、外側チャネル22b内に実質的に収容される。内側チャネル22aは、溝12bの組み合わされたチャネル16の長さを増加させるように、外側チャネル22bから長手方向に伸長可能である。この目的のために、チャネル部分22a、22bは、チャネル部分22a、22bの互いに対する摺動可能な移動を容易にする特徴を備えることができる。例えば、図示の実施形態では、チャネル部分22a、22bは、それぞれの下方に延びるリップ32、32’’を備え、そのリップは、自動機構を介して駆動されて(例えば、長手方向に引っ張られるかまたは押されて)、溝アセンブリ12を後退状態から前進状態に移動することができる。
【0035】
図6(a)および
図6(b)を参照すると、各チャネル部分22a、22bの長手方向側部の上端は、両方のチャネル部分22a、22bが長手方向に互いに摺動可能に係合可能であることを可能にする相補的なガイド、くぼみ、またはレール34を備える。この係合は、
図10(a)および
図10(b)に示されており、内側チャネル22aのC字形レール34aは、外側チャネル22bのレール34bを実質的に受け入れる。2つのチャネル部分22a、22b間のこの係合は、長手方向を除いて互いに対するそれらの位置をロックするのに役立ち、それによって、溝アセンブリ12の伸長可能なチャネル16が拡張中に比較的真っ直ぐで細長い形状を維持することを確実にする。水密ロックを容易にするために、一緒に固定されると、チャネル部分22a、22bは、それらの間にゴムシール30を付勢してこれら上に圧力を維持する。
【0036】
図7(a)から
図9(b)は、成長する作物を受け入れるように構成された開口部20を有するトレイ状モジュール36を示す。モジュール36は、隣接する同様のモジュール36に相互接続可能になるように構成されて、本発明の溝アセンブリ12の伸長可能な細長い作物ホルダ18を形成する。モジュール36は、ヘッド要素38aとテール要素38bとを備え、一方のモジュール36のヘッド38aは、同様のモジュール36のテール38bに解放可能に固定可能である。この目的のために、
図8(a)および
図8(b)を参照すると、ヘッド要素38aおよびテール要素38bの各々には、横方向の長手方向に延びる相補的なくぼみまたはレール状特徴40a、40bが設けられており、これを介して、一方のモジュール36のヘッド38aを、別の同様のモジュール36のテール38bの中または下に少なくとも部分的に差し入れることができる。
【0037】
図9(a)および
図9(b)を参照すると、モジュール36が後退構成にあるとき、ヘッド要素38aの前縁または壁42は、テール要素38bの前壁45に当接するように構成される。
【0038】
作物成長プロセスの間、隣接するモジュール36は、それらのそれぞれの作物保持開口部20間の距離を増加させるために互いに離れるように徐々に移動することができる。図示の実施形態では、一方のモジュール36のヘッド要素38aは、隣接するモジュール36のテール要素38bの下から徐々に摺動する。
【0039】
モジュール36はまた、それらが互いに離れるように摺動することができる最大範囲を制限するように作用するロックまたは制限手段44を備えて構成される。例えば、
図9(a)および
図9(b)を参照すると、ヘッド要素38aには上方に突出するリップ44aが設けられ、テール要素38bには相補的な下方に突出するリップ44bが設けられる。モジュール36は、リップ44a、44bが互いに当接するまで互いに対して外側に摺動するように構成され、この当接は、隣接するモジュール36間のさらなる拡張または摺動を制限する。
【0040】
モジュール36間の解放可能な接続を容易にするために、各モジュール36のヘッドおよび/またはテール要素38a、38bは、弾性的に変形可能なフラップまたはタブ状特徴46で構成されてもよい。例えば、
図7(a)および
図7(b)を参照すると、テール38bには、平行であり、離間したスロット48の対が設けられ、その対間には、上方および下方に弾性的に付勢され得るテール38bの中央フラップまたはタブ状特徴46bが画定される。このようにして、モジュール36は、テール38bのフラップ状特徴46bを上方にこじ開け、ヘッド38aの上方に突出するリップ44aに対して下方に突出するリップ44bをクリップ留めすることによって、スナップフィット機構を介して互いにクリップ留めされ、クリップ解除され得る。
【0041】
図10(a)および
図10(b)を参照すると、モジュール36の長手方向レール状ガイド40a、40bはまた、モジュール36が、溝アセンブリ12の内側および外側のチャネル22a、22bの対応するレール34a、34bに摺動可能に係合することを可能にする。図示の実施形態では、ヘッド要素38aの内側L字形レール40aは、内側チャネルのC字形レール34aを摺動可能に受け入れるように構成される。一方、テール要素38bの外側L字形レール40bは、外側チャネル22bのレール34bによって摺動可能に受け入れられるように構成される。このようにして、組み立てられると、各モジュール36の位置は、モジュール36がチャネル16の方向に隣接するモジュール36から徐々に離間することができるように長手方向を除いて、細長いチャネル16に実質的にロックされる。
【0042】
図2および
図3を再び参照すれば、モジュール36が互いに、そしてチャネル部分22a、22bに相互接続されて組み合わせられたチャネル16の上部を実質的に取り囲んだ状態で、モジュール36の列は、それぞれの作物を受け入れるための離間した開口部20を有する細長い作物ホルダ18を一緒に画定する。一方、チャネル部分22a、22bは、水が入口端部26を介して入り、離間した作物の根の上を流れ、出口端部28を介して出ることができる単一のチャネル16を機能的に画定する。
【0043】
各長手方向の溝アセンブリ12がそこから形成された移動式溝システム14に沿って進行するにつれて、および作物が成長するにつれて、チャネル部分22a、22bは、チャネル16の全長を延びるように互いに対して徐々に延びることができる。チャネル16の伸長は、モジュール36の開口部20が互いにますます離間するように、モジュールの対応する摺動可能な移動を引き起こすように構成されることが想定される。この目的のために、
図4(a)から
図6(b)を参照すると、内側チャネル22aの入口端部26および外側チャネル22bの出口端部28は、モジュールのリップ44と係合するように配置された突出リップ50を備える。例えば、外側チャネル22bの下方に突出するリップ50bは、モジュール36のテール要素38bの上方に突出するリップ44b上をクリップするように配置される。同様に、内側チャネル22aの上方に突出するリップ50aは、モジュール36のヘッド要素38aの下方に突出するリップ44aの下方でクリップするように配置される。このようにして、チャネル部分22a、22bが互いに離れるように摺動されると、相互接続されたモジュール36のそれぞれの端部にクリップされたチャネル部分22a、22bの対応する入口端部および出口端部は、モジュール36のリンクされたそれぞれの端部を相反する方向に引っ張るように作用し、それによって隣接するモジュール36を互いから引き離して、その作物保持開口部20間の距離を増加させる。
【0044】
モジュール36は、内側チャネル22aおよび外側チャネル22bの両方に対して固定可能かつ摺動可能であるように構成されることが理解されよう。これは、外側チャネル22bに固定された作物成長プロセスを開始することができるが、チャネル16が延びるにつれて(
図2のように)内側チャネル22a上に摺動するモジュール36に特に関連する。この目的のために、
図10(a)および
図10(b)を参照すると、溝アセンブリ12の伸長前に、すべてのモジュール36が、外側チャネル22bに摺動可能に係合される。特に、外側L字形くぼみまたはレール40bは、外側チャネル22bの対応する長手方向レール34bに係合されるか、または少なくとも部分的にこれによって受け入れられる。内側チャネル22aが外側チャネル22bから延びて全体的な溝12の伸びをもたらすと、一部のモジュール36は、もはや外側チャネル22bに直接係合されず、代わりに内側チャネル22aと摺動可能に係合するように進行する。特に、これらのモジュール36は、内側チャネル22aに滑らかに移行し、それによって、内側L字形レール40aは、内側チャネル22aのC字形レール34aに係合するか、またはこれを受け入れる。
【0045】
本発明の範囲から逸脱することなく、上記実施形態の多くの変更が当業者には明らかであろう。例えば、チャネル16は、伸縮可能に伸長可能な単一のチャネルとして形成することができる。あるいは、チャネル16はまた、3つ以上のチャネル部分から形成されてもよい。
【0046】
細長い作物ホルダ18(例えば、相互接続されたモジュール36から形成される)は、チャネル16に固定可能である必要はないことが想定される(例えば、モジュール36は、単にチャネル16の上に吊り下げられるか、またはその上に着座することができる。作物ホルダ18は、チャネル16から独立して伸長可能であり得ることも想定される)。
【0047】
細長い作物ホルダ18は、一緒に接合された複数の個々のモジュール36から形成される必要はない。代替的な実施形態では、作物ホルダ18は、固定されているか、または他の様態で互いに容易に切断できない伸縮可能に関連付けられたモジュールから形成することができる。
【0048】
別の実施形態では、チャネル部分およびモジュールは、互いに物理的に区別されないことが想定される。例えば、作物保持上面を有することに加えて、各モジュールはまた、隣接するモジュールの本体と接合されると、水が流れることができる細長いチャネルを画定する本体を含むことができる。
【0049】
前述の論議は、主に水平移動式溝システムの文脈であるが、本発明の溝アセンブリの実施形態、およびその新規かつ発明的な態様は、当然ながら、他の植物成長技術および状況に適合させることができる。例えば、拡張可能な溝アセンブリは、垂直農法または植え付け構成および設置に利用されてもよい。
【0050】
前述の説明および図面は、主に、互いに伸縮可能にリンクされ、水が流れることができるチャネルに固定されたモジュールを有する移動式溝システムに関する。しかし、モジュール36のモジュール性および伸長可能な機能性は、移動式溝システム、または細長いチャネルに限定される必要はない。例えば、相互接続可能なモジュールは、(湛液型水耕または浮遊式ラフト技術としても知られている)深水培養などの他の植物成長条件で使用することができ、モジュールは単に水域に浮くように配置され得ることが想定される。そのような実施形態では、モジュールは、チャネルへの取り付けを可能にするくぼみまたはレールを備える必要はない。モジュールは、作物成長プロセス中に互いに離れるように延びることができるように、隣接するモジュール(例えば、伸縮可能)に移動可能に相互接続可能であればよい。モジュールの幾何学的形状およびそれらを構成する材料はまた、水域でのモジュールの安定した浮遊を容易にするように構成されてもよい。
【0051】
本明細書および以下の特許請求の範囲を通して、文脈がそうでないことを要求しない限り、「備える(comprise)」という単語、ならびに「備える(comprises)」および「備えている(comprising)」などの変形は、記載された整数もしくはステップまたは整数もしくはステップの群を含むが、任意の他の整数もしくはステップまたは整数もしくはステップの群を除外しないことを意味すると理解される。
【0052】
本明細書における任意の先行する刊行物(またはそれに由来する情報)または任意の既知の事項への参照は、その先行する刊行物(またはそれに由来する情報)または既知の事項が、本明細書が関連する努力の分野における共通の一般知識の一部を形成することの同意または承認または任意の形態の示唆として解釈されず、また、そのように解釈されてはならない。
【国際調査報告】