(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-10
(54)【発明の名称】タッチ構造及びタッチ表示パネル
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20231002BHJP
G06F 3/044 20060101ALI20231002BHJP
【FI】
G06F3/041 490
G06F3/041 422
G06F3/044 125
G06F3/044 122
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022533552
(86)(22)【出願日】2020-06-30
(85)【翻訳文提出日】2022-06-03
(86)【国際出願番号】 CN2020099256
(87)【国際公開番号】W WO2022000263
(87)【国際公開日】2022-01-06
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(71)【出願人】
【識別番号】511121702
【氏名又は名称】成都京東方光電科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】CHENGDU BOE OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1188,Hezuo Rd.,(West Zone),Hi-tech Development Zone,Chengdu,Sichuan,611731,P.R.CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハ ファン
(72)【発明者】
【氏名】トン カモン
(72)【発明者】
【氏名】ファン ツォン
(72)【発明者】
【氏名】ドン シャンダン
(72)【発明者】
【氏名】ヂャン シュン
(72)【発明者】
【氏名】ウェン ピン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン イー
(72)【発明者】
【氏名】ワン ユ
(72)【発明者】
【氏名】ワン スーユー
(72)【発明者】
【氏名】リョウ ティンリアン
(72)【発明者】
【氏名】ロ チャン
(57)【要約】
タッチ構造及びタッチ表示パネルであって、前記タッチ構造は、第1タッチ電極と、第2タッチ電極とを含み、前記第1タッチ電極は第1方向に沿って延在し、前記第2タッチ電極は第2方向に沿って延在し、前記第1方向と前記第2方向は交差し、前記第1タッチ電極は直列接続された複数の第1タッチ電極部を含み、前記複数の第1タッチ電極部のそれぞれは第1本体部及び複数の第1インターデジタル部を含み、前記複数の第1インターデジタル部は前記第1本体部から突出し、前記複数の第1タッチ電極部のうち少なくとも1つにおける少なくとも1つの第1インターデジタル部は、第1指部有効電極及び第1指部ダミー電極を含み、前記第1指部ダミー電極は前記第1指部有効電極から絶縁され、前記第1指部有効電極は前記第1本体部に接続される。該タッチ構造は、タッチ性能を効果的に向上させることができる。
【選択図】
図3B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1タッチ電極と、第2タッチ電極と、を含むタッチ構造であって、
前記第1タッチ電極は第1方向に沿って延在し、前記第2タッチ電極は第2方向に沿って延在し、前記第1方向と前記第2方向は交差し、
前記第1タッチ電極は直列接続された複数の第1タッチ電極部を含み、前記複数の第1タッチ電極部のそれぞれは第1本体部及び複数の第1インターデジタル部を含み、前記複数の第1インターデジタル部は前記第1本体部から突出し、
前記複数の第1タッチ電極部のうち少なくとも1つは、ダミー電極を含み、前記ダミー電極の少なくとも一部は、前記少なくとも1つの第1タッチ電極部における少なくとも1つの第1インターデジタル部に位置し、
前記少なくとも1つの第1タッチ電極部における前記少なくとも1つの第1インターデジタル部は第1指部有効電極を含み、前記ダミー電極は前記第1指部有効電極から絶縁され、前記第1指部有効電極は前記少なくとも1つの第1タッチ電極部における第1本体部に接続される、
タッチ構造。
【請求項2】
前記ダミー電極の、前記少なくとも1つの第1インターデジタル部に位置する部分は第1指部ダミー電極であり、前記第1指部ダミー電極は前記第1指部有効電極の内部に位置する、
請求項1に記載のタッチ構造。
【請求項3】
前記複数の第1タッチ電極部及び前記複数の第2タッチ電極部はそれぞれ、複数の金属線を接続することによって形成された複数の金属グリッドを含む、
請求項2に記載のタッチ構造。
【請求項4】
前記第1指部有効電極の前記第1指部ダミー電極のいずれかの一方側に位置する部分はいずれも少なくとも2つの第1信号チャネルを含み、
前記少なくとも2つの第1信号チャネルのそれぞれは複数の金属線を順に接続することによって形成される、
請求項3に記載のタッチ構造。
【請求項5】
前記第1指部ダミー電極の外輪郭は不規則な多角形であり、
前記第1指部有効電極の、前記第1指部ダミー電極の各辺と前記第1指部ダミー電極が位置する第1インターデジタル部の周縁との間に位置する部分は、いずれも少なくとも2つの第1信号チャネルを含む、
請求項3に記載のタッチ構造。
【請求項6】
前記第2タッチ電極は直列接続された複数の第2タッチ電極部を含み、前記複数の第2タッチ電極部のそれぞれは第2本体部及び複数の第2インターデジタル部を含み、前記複数の第2インターデジタル部は前記第2本体部から突出する、
請求項2~5のいずれか1項に記載のタッチ構造。
【請求項7】
前記複数の第2タッチ電極部のうち少なくとも1つにおける少なくとも1つの第2インターデジタル部は、第2指部有効電極及び第2指部ダミー電極を含み、前記第2指部ダミー電極は前記有効電極から絶縁され、前記第2指部有効電極は前記第2本体部に接続される、
請求項6に記載のタッチ構造。
【請求項8】
前記複数の第1インターデジタル部と複数の第2インターデジタル部は、同じ層に絶縁して設けられ、互いに入れ子状に配列される、
請求項6又は7に記載のタッチ構造。
【請求項9】
前記ダミー電極は、前記少なくとも1つの第1タッチ電極部における第1本体部に位置する第1主要なダミー電極をさらに含み、前記少なくとも1つの第1タッチ電極部における第1本体部は第1主要な有効電極を含み、前記第1主要なダミー電極は前記第1主要な有効電極から絶縁され、
前記各第1タッチ電極部における第1主要な有効電極は第1指部有効電極に電気的に接続される、
請求項2~8のいずれか1項に記載のタッチ構造。
【請求項10】
前記第1主要な有効電極は少なくとも1つのバー状の電極を含み、前記第1主要なダミー電極は複数のダミーサブ電極を含み、前記少なくとも1つのバー状の電極は前記複数のダミーサブ電極を互いに分離する、
請求項9に記載のタッチ構造。
【請求項11】
前記少なくとも1つのバー状の電極のそれぞれは少なくとも2つの第2信号チャネルを含み、前記少なくとも2つの第2信号チャネルのそれぞれは複数の金属線を順に接続することによって形成される、
請求項10に記載のタッチ構造。
【請求項12】
前記複数のダミーサブ電極のうち1つは前記第1指部ダミー電極に接続される、
請求項10又は11に記載のタッチ構造。
【請求項13】
前記第1主要なダミー電極はダミー本体部及び複数のダミーインターデジタル部を含み、前記複数のダミーインターデジタル部は、前記ダミー本体部から突出し、前記第1主要な有効電極と同じ層に互いに入れ子状になるように絶縁される、
請求項9~12のいずれか1項に記載のタッチ構造。
【請求項14】
前記ダミー本体部は矩形であり、前記複数のダミーインターデジタル部は前記矩形の4辺から突出する、
請求項13に記載のタッチ構造。
【請求項15】
前記第1主要なダミー電極は4つの相補部をさらに含み、
前記4つの相補部はそれぞれ前記ダミー本体部の4つの頂点に対応して設けられて、前記第1主要なダミー電極の外輪郭が矩形であるようにする、
請求項14に記載のタッチ構造。
【請求項16】
前記複数の第2タッチ電極部のうち少なくとも1つの第2本体部は第2主要な有効電極及び第2主要なダミー電極を含み、
前記第2主要なダミー電極は、前記第2主要な有効電極の内部に位置すると共に、前記第2主要な有効電極から絶縁される、
請求項9~15のいずれか1項に記載のタッチ構造。
【請求項17】
前記第1タッチ電極と前記第2タッチ電極は交差箇所でタッチユニットを形成し、前記タッチユニットは、交差箇所で接続された2つの第1タッチ電極部のお互いに対向する半分と、前記交差箇所で接続された2つの第2タッチ電極部のお互いに対向する半分と、前記2つの第1タッチ電極部を接続する第1接続部と、前記2つの第2タッチ電極部を接続する第2接続部を含み、
前記各タッチユニットの有効面積は前記タッチユニットの総面積の36%~48%である、
請求項16に記載のタッチ構造。
【請求項18】
第1タッチ電極と、第2タッチ電極と、を含むタッチ構造であって、
前記第1タッチ電極は第1方向に沿って延在し、前記第2タッチ電極は第2方向に沿って延在し、前記第1方向と前記第2方向は交差し、
前記第1タッチ電極は複数の第1タッチ電極部を含み、前記複数の第1タッチ電極部のそれぞれは第1本体部及び複数の第1インターデジタル部を含み、前記複数の第1インターデジタル部は前記第1本体部から突出し、
前記第1本体部は、互いに絶縁された第1主要な有効電極及び第1主要なダミー電極を含み、
前記複数の第1タッチ電極部のうち少なくとも1つの第1主要なダミー電極はダミー本体部及び複数のダミーインターデジタル部を含み、前記ダミー本体部は矩形であり、前記複数のダミーインターデジタル部は前記矩形の4辺から突出し、
前記第1主要なダミー電極は4つの相補部をさらに含み、前記4つの相補部はそれぞれ前記ダミー本体部の4つの頂点に対応して設けられ、前記第1主要なダミー電極の外輪郭が矩形であるようにする、
タッチ構造。
【請求項19】
前記各相補部とそれに隣接するダミーインターデジタル部は、第3方向に沿って並列に設けられ、且つ第4方向に沿った最大サイズが同じであり、前記第3方向は前記第4方向とは異なる、
請求項18に記載のタッチ構造。
【請求項20】
前記4つの相補部のそれぞれは、前記ダミー本体部と互いに間隔をあけ又は互いに接続される、
請求項18又は19に記載のタッチ構造。
【請求項21】
タッチ表示パネルであって、
ベース基板と、
表示構造と、
請求項1~20のいずれか1項に記載のタッチ構造と、を含み、
前記表示構造及び前記タッチ構造は前記ベース基板上に順に積層されて設けられる、
タッチ表示パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施例は、タッチ構造及びタッチ表示パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯しやすく、操作しやすいなどの目的を達成するために、従来のキーボード又はマウスに代わって入力デバイスとしてタッチパネルを使用する電子製品が数多く存在する。タッチパネルを入力デバイスとして統合したこれらの電子装置では、タッチ及び表示機能を同時に有するタッチ表示装置は、現在注目されている製品の1つである。タッチ機能を実現するためのタッチ電極構造は、ユーザ体験に影響を与える重要な要素である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示の少なくとも1つの実施例はタッチ構造を提供し、第1タッチ電極と、第2タッチ電極とを含み、前記第1タッチ電極は第1方向に沿って延在し、前記第2タッチ電極は第2方向に沿って延在し、前記第1方向と前記第2方向は交差し、前記第1タッチ電極は直列接続された複数の第1タッチ電極部を含み、前記複数の第1タッチ電極部のそれぞれは第1本体部及び複数の第1インターデジタル部を含み、前記複数の第1インターデジタル部は前記第1本体部から突出し、前記複数の第1タッチ電極部のうち少なくとも1つはダミー電極を含み、前記ダミー電極の少なくとも一部は、前記少なくとも1つの第1タッチ電極部における少なくとも1つの第1インターデジタル部に位置し、前記少なくとも1つの第1タッチ電極部における前記少なくとも1つの第1インターデジタル部は第1指部有効電極を含み、前記ダミー電極は前記第1指部有効電極から絶縁され、前記第1指部有効電極は前記少なくとも1つの第1タッチ電極部における第1本体部に接続される。
【0004】
いくつかの例では、前記ダミー電極の前記少なくとも1つの第1インターデジタル部に位置する部分は第1指部ダミー電極であり、前記第1指部ダミー電極は前記第1指部有効電極の内部に位置する。
【0005】
いくつかの例では、前記複数の第1タッチ電極部及び前記複数の第2タッチ電極部はそれぞれ、複数の金属線を接続することによって形成された複数の金属グリッドを含む。
【0006】
いくつかの例では、前記第1指部有効電極の前記第1指部ダミー電極のいずれか一方側に位置する部分はいずれも少なくとも2つの第1信号チャネルを含み、前記少なくとも2つの第1信号チャネルのそれぞれは複数の金属線を順に接続することによって形成される。
【0007】
いくつかの例では、前記第1指部ダミー電極の外輪郭は不規則な多角形である。
【0008】
前記第1指部有効電極の、前記第1指部ダミー電極の各辺と前記第1指部ダミー電極が位置する第1インターデジタル部の周縁との間に位置する部分は、いずれも少なくとも2つの第1信号チャネルを含む。
【0009】
いくつかの例では、前記第2タッチ電極は直列接続された複数の第2タッチ電極部を含み、前記複数の第2タッチ電極部のそれぞれは第2本体部及び複数の第2インターデジタル部を含み、前記複数の第2インターデジタル部は前記第2本体部から突出する。
【0010】
いくつかの例では、前記複数の第2インターデジタル部のうちの少なくとも1つは第2指部有効電極及び第2指部ダミー電極を含み、前記第2指部ダミー電極は、前記第2指部有効電極の内部に位置し、前記有効電極から絶縁され、前記第2指部有効電極は前記第2本体部に接続される。
【0011】
いくつかの例では、前記複数の第1インターデジタル部と複数の第2インターデジタル部は、同じ層に絶縁して設けられ、互いに入れ子状に配列される。
【0012】
いくつかの例では、前記複数の第1タッチ電極部のそれぞれの第1本体部は第1主要な有効電極及び第1主要なダミー電極を含み、前記第1主要なダミー電極は前記第1主要な有効電極から絶縁され、前記各第1タッチ電極部における第1主要な有効電極は第1指部有効電極に電気的に接続される。
【0013】
いくつかの例では、前記第1主要な有効電極は少なくとも1つのバー状の電極を含み、前記第1主要なダミー電極は複数のダミーサブ電極を含み、前記少なくとも1つのバー状の電極は前記複数のダミーサブ電極を互いに分離する。
【0014】
いくつかの例では、前記少なくとも1つのバー状の電極のそれぞれは少なくとも2つの第2信号チャネルを含み、前記少なくとも2つの第2信号チャネルのそれぞれは複数の金属線を順に接続することによって形成される。
【0015】
いくつかの例では、前記複数のダミーサブ電極の1つは前記第1指部ダミー電極に接続される。
【0016】
いくつかの例では、前記第1主要なダミー電極はダミー本体部及び複数のダミーインターデジタル部を含み、前記複数のダミーインターデジタル部は、前記ダミー本体部から突出し、前記第1主要な有効電極と同じ層に互いに入れ子状になるように絶縁される。
【0017】
いくつかの例では、前記ダミー本体部は矩形であり、前記複数のダミーインターデジタル部は前記矩形の4辺から突出する。
【0018】
いくつかの例では、前記第1主要なダミー電極は4つの相補部をさらに含み、前記4つの相補部はそれぞれ前記ダミー本体部の4つの頂点に対応して設けられ、前記第1主要なダミー電極の外輪郭は矩形である。
【0019】
いくつかの例では、前記複数の第2タッチ電極部の少なくとも1つの第2本体部は第2主要な有効電極及び第2主要なダミー電極を含み、前記第2主要なダミー電極は前記第2主要な有効電極から絶縁される。
【0020】
いくつかの例では、前記第1タッチ電極と前記第2タッチ電極は交差箇所でタッチユニットを形成し、前記タッチユニットは、交差箇所で接続された2つの第1タッチ電極部のお互いに対向する半分と、前記交差箇所で接続された2つの第2タッチ電極部のお互いに対向する半分と、前記2つの第1タッチ電極部を接続する第1接続部と、前記2つの第2タッチ電極部を接続する第2接続部とを含み、前記各タッチユニットの有効面積は前記タッチユニットの総面積の36%~48%を占める。
【0021】
本開示の少なくとも1つの実施例はタッチ構造をさらに提供し、第1タッチ電極と、第2タッチ電極とを含み、前記第1タッチ電極は第1方向に沿って延在し、前記第2タッチ電極は第2方向に沿って延在し、前記第1方向と前記第2方向は交差し、前記第1タッチ電極は複数の第1タッチ電極部を含み、前記複数の第1タッチ電極部のそれぞれは第1本体部及び複数の第1インターデジタル部を含み、前記複数の第1インターデジタル部は前記第1本体部から突出し、前記複数の第1タッチ電極部のうち少なくとも1つの第1本体部は第1主要な有効電極及び第1主要なダミー電極を含み、前記第1主要なダミー電極はダミー本体部及び複数のダミーインターデジタル部を含み、前記ダミー本体部は矩形であり、前記複数のダミーインターデジタル部は前記矩形の4辺から突出し、前記第1主要なダミー電極は4つの相補部をさらに含み、前記4つの相補部はそれぞれ前記ダミー本体部の4つの頂点に対応して設けられ、前記第1主要なダミー電極の外輪郭は矩形である。
【0022】
いくつかの例では、前記各相補部とそれに隣接するダミーインターデジタル部は、第3方向に沿って並列に設けられ、且つ第4方向に沿った最大サイズが同じであり、前記第3方向は前記第4方向とは異なる。
【0023】
いくつかの例では、前記4つの相補部のそれぞれは、前記ダミー本体部と互いに間隔をあけ又は互いに接続される。
【0024】
本開示の少なくとも1つの実施例はタッチ表示パネルをさらに提供し、ベース基板と、前記ベース基板上に積層されて設けられた表示構造と、上記いずれかの実施例に係るタッチ構造とを含む。
【0025】
本開示の実施例の技術案をより明確に説明するために、以下、実施例又は関連技術の説明において使用する必要がある図面を簡単に説明し、言うまでもなく、以下に説明する図面は本開示のいくつかの実施例に関するものに過ぎず、本開示を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】
図1はタッチ構造の作動原理の模式図である。
【
図2】
図2は本開示の少なくとも1つの実施例に係るタッチ構造の模式図である。
【
図3A】
図3Aは本開示のいくつかの別の実施例に係るタッチ構造の模式図である。
【
図4】
図4は本開示のさらなる実施例に係るタッチ構造の模式図である。
【
図7】
図7は本開示のさらなる実施例に係るタッチ構造の模式図である。
【
図8】
図8は本開示の少なくとも1つの実施例に係るタッチパネルの模式図である。
【
図9A】
図9Aは本開示の少なくとも1つの実施例に係るタッチ表示パネルの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照しながら、本開示の実施例の技術案を明確で、且つ完全に説明し、図面に示され且つ以下の説明に詳述される非限定的な例示的実施例を参照しながら、本開示の例示的な実施例及びそれらの複数の特徴及び有利な詳細をより完全に説明する。なお、図示されている特徴は、必ずしも比例で描かれているものではない。本開示は、例示の実施例を明確にするために、既知の材料、コンポーネント及びプロセス技術の説明を省略する。与えられる例は、本開示の例示的な実施例の実施を理解しやすく、及び当業者が例示的な実施例を実施できることのみを意図する。従って、これらの例は、本開示の実施例の範囲を限定するものとして理解されるべきではない。
【0028】
特に定義されない限り、本開示で使用される技術用語又は科学用語は、当業者が理解できる一般的な意味を有する。本開示で使用される「第1」、「第2」及び類似する用語は、いかなる順序、数又は重要性を示さず、異なる構成要素を区別するためのものに過ぎない。また、本開示の各実施例では、同じ又は類似する参照符号は同じ又は類似する部材を表す。
【0029】
有機発光ダイオード(OLED)表示パネルは、自発光が可能で、コントラストが高く、エネルギーの消耗が低く、視角が広く、応答速度が速く、撓曲パネルに使用でき、使用温度範囲が広く、製造が簡単であるなどのような特徴を有し、広範な発展の将来性を有する。ユーザの多様なニーズを満たすために、タッチ機能、指紋認識機能などの複数の機能を表示パネルに統合することは非常に重要である。例えば、OLED表示パネルにオンセル(on-cell)タッチ構造を形成することは一種の実現方法であり、該方法は、タッチ構造をOLED表示パネルの封止膜に形成することにより、表示パネルのタッチ機能を実現する。
【0030】
例えば、相互容量式タッチ構造は複数のタッチ電極を含み、該複数のタッチ電極は異なる方向に延在するタッチ駆動電極及びタッチ感知電極を含み、タッチ駆動電極Txとタッチ感知電極Rxは、互いに交差する箇所でタッチ感知のための相互容量を形成する。タッチ駆動電極Txは励起信号(タッチ駆動信号)を入力することに用いられ、タッチ感知電極Rxはタッチ感知信号を出力することに用いられる。例えば縦方向に延在するタッチ駆動電極に励起信号を入力し、例えば横方向に延在するタッチ感知電極からタッチ感知信号を受信することにより、横方向及び縦方向の電極結合点(例えば、交差点)の静電容量値の大きさを反映する検出信号を得ることができる。指がタッチスクリーン(例えば、カバーガラス)に触れると、タッチポイント付近のタッチ駆動電極とタッチ感知電極との間の結合に影響を与えるため、この2つの電極間の交差点での相互容量の静電容量を変更し、その結果、タッチ感知信号が変化する。タッチ感知信号に基づくタッチスクリーンの2次元静電容量変化量のデータに基づいて、タッチポイントの座標を算出することができる。
【0031】
図1は相互容量式タッチ構造の原理図を示す。
図1に示すように、タッチ駆動回路130の駆動下で、タッチ駆動電極Txにタッチ駆動信号が印加されて、電界線Eが生成され、該電界線Eはタッチ感知電極Rxによって受け取られて基準静電容量を形成する。指がタッチスクリーン110に触れると、人体が導体であるため、タッチ駆動電極Txによって生成された電界線Eの一部は、指に案内されて指静電容量(Finger Capacitance)を形成し、タッチ感知電極Rxが受け取った電界線Eを減少させ、従って、タッチ駆動電極Txとタッチ感知電極Rxとの間の静電容量値が減少する。タッチ駆動回路130は、タッチ感知電極RXによって上記の静電容量値の大きさを取得し、基準静電容量と比較して静電容量値変化量を取得し、該静電容量値変化量のデータ及び各タッチ静電容量の位置座標に基づいて、タッチポイントの座標を算出することができる。
【0032】
ローグラウンドマス(Low Ground Mass、LGM)で、タッチ構造とグラウンドとの間の静電容量C0が小さく、タッチ構造からグラウンドへ電荷を輸送する困難性が高くなり、その結果、タッチ駆動回路によって収集された信号量が小さくなり、タッチ性能が弱く、ひいてはタッチを実現することができない。研究によると、ローグラウンドマスで、タッチ性能は指とタッチ電極との間の相互容量に関連し、該相互容量が大きいほど、タッチ性能が弱くなり、例えば、大きな指によるタッチ、多くの指によるタッチの場合、指とタッチ電極との間の相互容量が顕著に増加し、タッチ感知量に深刻な影響を与え、誤報点、誤タッチを引き起こし、該タッチ構造がフレキシブル製品に適用される場合、タッチ構造と指との間のカバーフィルム(cover film)が薄いため、さらに指とタッチ電極との間の静電容量を増加させ、製品のタッチ性能を低下させる。
【0033】
1つの解決手段としては、タッチ電極にダミー電極を設けることにより、タッチ電極の有効面積を減少し、指とタッチ電極との間の静電容量を低減する。しかし、ダミー電極の面積が大きすぎると、タッチ電極の抵抗が大きくなり、タッチ感度が低下する。
【0034】
本開示の少なくとも1つの実施例はタッチ構造を提供し、第1タッチ電極と、第2タッチ電極とを含み、前記第1タッチ電極は第1方向に沿って延在し、前記第2タッチ電極は第2方向に沿って延在し、前記第1方向と前記第2方向は交差し、前記第1タッチ電極は直列接続された複数の第1タッチ電極部を含み、前記複数の第1タッチ電極部のそれぞれは第1本体部及び複数の第1インターデジタル部を含み、前記複数の第1インターデジタル部は前記第1本体部から突出し、少なくとも1つの第1タッチ電極部はダミー電極を含み、該ダミー電極の少なくとも一部は少なくとも1つの第1インターデジタル部に位置し、該少なくとも1つの第1インターデジタル部は第1指部有効電極を含み、前記第1指部ダミー電極は前記有効電極から絶縁され、前記第1指部有効電極は前記第1本体部に接続される。
【0035】
本開示の実施例に係るタッチ構造は、タッチ電極のインターデジタル部にダミー電極を設けることによりタッチ電極の有効面積を減少するとともに、タッチ電極の本体部ではダミー電極の面積が大きすぎるため抵抗が大きくなることを回避でき、それによりタッチ構造の、ローグラウンドマスでのタッチ性能を向上させる。
【0036】
図2は本開示の実施例に係るタッチ構造20であり、
図2に示すように、該タッチ構造は、第1方向D1に沿って延在する複数の第1タッチ電極210と、第2方向D2に沿って延在する複数の第2タッチ電極220とを含み、第1方向D1は第2方向D2とは異なり、例えば、両者は直交する。例えば、該第1タッチ電極210はタッチ感知電極であり、第2タッチ電極220はタッチ駆動電極である。しかし、本開示の実施例はこれを限定しない。他の例では、第1タッチ電極210はタッチ駆動電極で、第2タッチ電極220はタッチ感知電極であってもよい。
【0037】
各第1タッチ電極210は、第1方向D1に沿って順に配置され、直列接続された第1タッチ電極部211を含み、各第2タッチ電極220は、第2方向D2に沿って順に配置され、直列接続された第2タッチ電極部221を含む。
図2に示すように、各第1タッチ電極部211及び第2タッチ電極部221の外輪郭はいずれも菱形ブロック状である。他の例では、該第1タッチ電極部211及び第2タッチ電極部221の外輪郭は、三角形、バー状などの他の形状であってもよい。
【0038】
該タッチ電極構造20は、第1接続部212と、第2接続部222とをさらに含み、第1方向D1に隣接する第1タッチ電極部211は第1接続部212を通して電気的に接続され、該第1タッチ電極210を形成し、第2方向D2に隣接する第2タッチ電極部221は第2接続部222を通して電気的に接続され、該第2タッチ電極220を形成する。
【0039】
各第1タッチ電極210と各第2タッチ電極220は、互いに絶縁されて交差し、交差する箇所で複数のタッチユニット200を形成し、各タッチユニット200は、交差箇所で接続された2つの第1タッチ電極部211のそれぞれの一部、及び、該交差箇所で接続された2つの第2タッチ電極部221のそれぞれの少なくとも一部を含む。
図2の右側には、1つのタッチユニット200の拡大模式図を示す。図に示すように、各タッチユニット20は、互いに隣接する2つの第1タッチ電極部211の各半分の領域、及び、互いに隣接する2つの第2タッチ電極部221の各半分の領域を含み、すなわち、1つの第1タッチ電極部111の領域及び1つの第2タッチ電極部221の領域を平均的に含み、各タッチユニット200の第1タッチ電極部211と第2タッチ電極部221との交点(すなわち、第1接続部と第2接続部との交差箇所)は座標を計算するための基準点を形成する。指が静電容量式スクリーンに触れると、タッチポイント付近の第1タッチ電極と第2タッチ電極との間の結合に影響を与えるため、この2つの電極間の相互容量を変更する。タッチスクリーンの静電容量変化量データに基づき、該基準点に基づいて各タッチポイントの座標を算出することができる。例えば、各タッチユニット200の面積は、人間の指とタッチパネルとの接触面積に相当し、該タッチユニットの面積が大きすぎるとパネルにタッチの死角が発生し、小さすぎると誤タッチ信号を生成するおそれがある。
【0040】
各タッチユニット200の平均辺長はPであり、該タッチ構造20のピッチ(Pitch)と称する。例えば、該ピッチPのサイズ範囲は3.7mm~5mmであり、例えば4mmであり、これは人間の指のタッチパネルに接触する直径が約4mmためである。例えば、該ピッチのサイズは、各第1タッチ電極部211の平均辺長及び各第2タッチ電極部221の平均辺長と同じであり、隣接する第1タッチ電極部211の中心距離、隣接する第2タッチ電極部221の中心距離と同じである。
【0041】
図2に示すように、第1タッチ電極部211及び第2タッチ電極部221はそれぞれ、本体部241(本開示の第1本体部又は第2本体部の一例)と、該本体部241から突出する複数のインターデジタル部242(本開示の第1インターデジタル部又は第2インターデジタル部の一例)を含み、該第1タッチ電極部211の複数のインターデジタル部242は、隣接する第2タッチ電極部221の複数のインターデジタル部242と同じ層に絶縁して設けられ、互いに入れ子状に配列される。
【0042】
該インターデジタル部は、同じ面積でタッチ電極部の周長を大きくすることができ、従って、タッチ電極部の自己容量(静電容量負荷)を増加させずに相互容量を効果的に増加させ、それによりタッチ感度を向上させる。例えば、該本体部241の形状は円形又は多角形(例えば、矩形又は菱形)であってもよく、該インターデジタル部の形状は、平行四辺形(例えば、矩形)、三角形、台形、六角形、半円形などの形状の少なくとも1つを含み、すなわち、該タッチ電極部の外輪郭は、鋸歯形、波形などであってもよい。
図2に示すように、各インターデジタル部242は、凸字状、すなわち2つの矩形の組み合わせであり、単一の矩形の形状と比較して、第1タッチ電極部211の辺長をさらに長くする。
【0043】
例えば、複数のインターデジタル部242はタッチ電極部の本体部241の周囲に分布する。例えば、該本体部241は矩形であり、各辺に対応するインターデジタル部242の数は3~10であり、例えば6~10である。いくつかの別の例では、該本体部は円形であってもよく、複数のインターデジタル部242は該円形の円周上に均一に分布する。
【0044】
例えば、各インターデジタル部242の長さは、隣接する第1タッチ電極部211の中心距離の1/10~1/3であり、すなわち隣接する第1タッチ電極部211の中心点の間の距離である。例えば、該中心距離は、該タッチ構造のピッチPである。不規則なインターデジタル部については、例えば、該長さは、該インターデジタル部440の平均長さ、最大長さ又は最小長さであってもよい。
【0045】
例えば、各インターデジタル部242の幅は、隣接する第1タッチ電極部211の中心距離の1/10~1/4であり、例えば、該タッチ構造のピッチPの1/10~1/4である。不規則なインターデジタル部については、例えば、該幅は、該インターデジタル部440の平均幅、最大幅又は最小幅であってもよい。
【0046】
例えば、隣接するインターデジタル部242の間の間隔は該タッチ構造のピッチPの1/20~1/10である。隣接するインターデジタルの間隔が不均一である場合、例えば、該間隔dは、該インターデジタル部242の平均間隔、最大間隔又は最小間隔であってもよい。
【0047】
図2に示すように、該第1タッチ電極部211の少なくとも1つのインターデジタル部242は第1指部有効電極251及び第1指部ダミー電極252を含み、該第1指部ダミー電極252は該第1指部有効電極251から絶縁され、該第1指部有効電極251は該第1タッチ電極部211の本体部241に接続される。該第1指部有効電極251は、該第1タッチ電極部211において有効な電気的接続を行い且つ有効な検出役割を果たすことができる部分である。例えば、該第1指部ダミー電極252は該第1指部有効電極251の内部に位置する。例えば、該第1指部ダミー電極252は該第1指部有効電極251によって完全に囲まれ、又は、該第1指部ダミー電極252は該第1指部有効電極251によって部分的に囲まれ、例えば、該第1指部ダミー電極252の少なくとも一辺は、該第1指部有効電極251に直接隣接しなくてもよく、例えば、該第1指部ダミー電極252の少なくとも一辺は、該第1タッチ電極部211の本体部241に隣接してもよい。例えば、該第1指部ダミー電極252は、該第1タッチ電極部211の本体部241に位置するダミー電極に接続されてもよい。本開示の実施例はこれを限定しない。例えば、該第1指部ダミー電極252と該第1指部有効電極251は同じ層に設けられ、互いに絶縁され、該第1指部有効電極251に中空領域が存在すると見なすことができ、該第1指部ダミー電極252は該中空領域に位置し、該第1指部有効電極251と間隔をあけて設けられる。
【0048】
例えば、該第1指部ダミー電極252及び該第1指部有効電極251はそれぞれ複数の金属グリッドを含み、両者は金属線の切れ目を通して互いに絶縁される。
【0049】
なお、本開示の「同じ層に設けられる」こととは、2つ又は複数の構造が同一膜層から同じ又は異なるパターニングプロセスによって形成されることを意味し、従って材料が同じである。
【0050】
例えば、該第1指部ダミー電極252は本体部241と間隔をあける。
【0051】
例えば、該第1指部ダミー電極252はフローティング(floating)状態にあり、すなわち、他の構造に電気的に接続されず、又はいかなる電気信号を受信しない。
【0052】
例えば、第1指部ダミー電極252の外輪郭は規則な形状(例えば、矩形、菱形など)又は不規則な形状であってもよい。
【0053】
例えば、該外輪郭とは、該第1指部ダミー電極252の端部を直線で接続した形状を指す。
【0054】
図3Aは本開示の別の実施例に係るタッチ構造の模式図を示し、図面では、第1方向D2に隣接する2つの第1タッチ電極部211、及び第2方向D2に隣接する2つの第2タッチ電極部221を模式的に示し、該2つの第2タッチ電極部221は第2接続部222を通して電気的に接続される。図面では、隣接するタッチ電極部間の境界を破線で模式的に示す。
【0055】
図3Bは
図3Aの領域Aの拡大模式図を示し、該領域Aは、隣接する第1タッチ電極部211と第2タッチ電極部221の境界に対応する。
図3Bでは、第1タッチ電極部211と第2タッチ電極部221の境界を破線で示し、インターデジタル部242の指部ダミー電極を破線ブロックで示す。
【0056】
例えば、
図3Bに示すように、第1タッチ電極部211及び第2タッチ電極部221はそれぞれ、複数の金属線を接続することによって形成された複数の金属グリッドを含む。例えば、該金属グリッドの形状は、四角形(例えば、矩形又は菱形)、五角形、六角形などの多角形である。
【0057】
図3Bに示すように、該第1指部有効電極251の、該第1指部ダミー電極252のいずれの一方側に位置する部分はいずれも少なくとも2つの信号チャネル261(本開示の第1信号チャネルの一例)を含み、該信号チャネル261は複数の金属線を順に接続することによって形成され、複数の信号チャネルの間は重ならない(すなわち、共通の金属線がない)。
【0058】
例えば、
図3Bに示すように、該第1指部ダミー電極252の外輪郭は不規則な多角形であり、それにより、該第1指部有効電極251の、該第1指部ダミー電極252のいずれの辺と該第1指部ダミー電極252が位置するインターデジタル部242の周縁との間に位置する部分がいずれも2つの信号チャネル261を含むことを確保する。
【0059】
この設置により、タッチ信号が該第1指部有効電極251における効果的な伝送を確保し、それによりダミー電極を設けることによるタッチ感度の低下を回避する。
【0060】
例えば、第2タッチ電極部221のインターデジタル部242については、同様に設けられてもよく、
図3Bは、第2タッチ電極部221のインターデジタル部242に位置する第2指部ダミー電極253を示す。具体的な説明は、第1指部ダミー電極252の説明を参照すればよく、ここで繰り返し説明しない。
【0061】
例えば、タッチ電極部の本体部にダミー電極を設けることでタッチ電極の有効面積をさらに減少してもよく、それにより指とタッチ電極との間の静電容量を低減させ、タッチ性能を向上させる。
【0062】
図3Aに示すように、第1タッチ電極部211の本体部251は第1主要な有効電極281及び第1主要なダミー電極282を含み、該第1主要な有効電極281と第1主要なダミー電極282は互いに絶縁され、該第1タッチ電極部211の第1主要な有効電極281は、その第1指部有効電極251に互いに電気的に接続されることで互いに連通して信号チャネルを形成する。例えば、該第1主要なダミー電極282は該第1主要な有効電極281の内部に位置する。
【0063】
例えば、該第1主要なダミー電極282はフローティング状態にあり、すなわち他の構造に電気的に接続されず、又はいかなる電気信号を受信しない。
【0064】
例えば、該第1主要な有効電極281は少なくとも1つのバー状の電極を含み、該バー状の電極は、該第1タッチ電極部211の有効電極を形成するようにインターデジタル部242の第1指部有効電極251に電気的に接続される。該第1主要なダミー電極282は複数のダミーサブ電極を含み、該バー状の電極は複数のダミーサブ電極を互いに分離する。
【0065】
タッチ電極部の本体部にバー状の電極を設けて複数のダミーサブ電極を互いに分離することにより、ダミー電極が連続的に設けられることによるタッチの死角を回避できるとともに、該交差構造がダミー電極の内部に有効な信号チャネルを形成し、該タッチ電極の抵抗を低減させる。
【0066】
図3Cは
図3Aの領域Bの拡大模式図を示す。
図3A及び
図3Cに示すように、該第1主要な有効電極381は互いに交差し接続された2つのバー状の電極281aを含み、該第1主要なダミー電極282は4つのダミーサブ電極282aを含み、該2つのバー状の電極281aは互いに交差して4つの領域を画定し、該4つのダミーサブ電極282aはそれぞれ該4つの領域に位置する。例えば、各ダミーサブ電極282aはいずれも、インターデジタル部242に位置する第1指部ダミー電極252と互いに間隔を開ける。
【0067】
例えば、
図3Cに示すように、各バー状の電極281bは少なくとも2つの信号チャネル262(本開示の第2信号チャネルの一例)を含み、各信号チャネルは複数の金属線を順に接続することによって形成され、それにより信号チャネルの抵抗を低減させる。
図3Cでは、1つの信号チャネル262を模式的に示す。複数の信号チャネルの間は重ならない(すなわち、共通の金属線がない)。
【0068】
例えば、各バー状の電極281bの延在方向は第1方向D1又は第2方向D2の両方とは異なり、例えば、該2つのバー状の電極281bは互いと直交し、両者の延在方向はそれぞれ第1方向D1と45度の角をなす。例えば、該2つのバー状の電極281bはそれぞれ該本体部241の2つの辺と平行である。
【0069】
該バー状の電極281bは、該タッチ電極の本体部の、信号伝送方向に沿った両側を連通させることができ、例えば、
図3Aに示すように、タッチ信号は該第1タッチ電極210で第1方向D1に沿って伝送され、各バー状の電極281bはいずれも該本体部251の第1方向D1に沿った両側(すなわち、
図3Aの左右両側)を貫通して信号チャネルを形成する。
【0070】
本開示の実施例は、交差構造に備えられるバー状の電極の数及び各バー状の電極の延在方向を限定せず、該バー状の電極は、該タッチ電極の本体部の信号伝送方向に沿った両側に信号チャネルを形成でき、該タッチ電極のインターデジタル部における有効電極と電気的な接続を形成できればよい。例えば、いくつかの別の例では、該第1主要な有効電極381は、第1方向に沿って延在する1つのバー状の電極を備えてもよく、第1主要なダミー電極282は、該バー状の電極によって分離された2つのダミーサブ電極を含む。
【0071】
例えば、各タッチユニット200について、有効面積は該タッチユニットの総面積の52%~64%を占め、すなわち、ダミー電極(中空領域)の面積は該タッチユニットの総面積の36%~48%を占める。ダミー電極の面積の割合が大きすぎると、タッチ電極の抵抗が高くなり、ダミー電極の面積の割合が小さすぎると、ローグラウンドマスでのタッチ構造のタッチ性能を効果的に向上させることができない。
【0072】
図4は本開示のさらなる別の実施例に係るタッチ構造の模式図を示し、図面では、1つのタッチユニット200の模式図を示す。
図3Aに示す実施例との相違点としては、
図4に示すタッチ構造では、第1タッチ電極部211の第1主要なダミー電極282における各ダミーサブ電極282aはいずれもインターデジタル部242の少なくとも1つの第1指部ダミー電極252に接続される。
【0073】
図5Aは
図3Aの領域Cの拡大模式図を示し、該領域Cは、第1タッチ電極210と第2タッチ電極220との交点、すなわちブリッジ接続領域であり、
図5Bは
図5Aの断面線I-I’に沿った断面図である。
図5Aでは、隣接する第1タッチ電極部211と第2タッチ電極部221の境界を破線で示す。
【0074】
図5A~5Bに示すように、該タッチ構造は、第1タッチ電極層201、第2タッチ電極層202、及び該第1タッチ電極層201と第2タッチ電極層202との間に位置する絶縁層203を含み、該第1タッチ電極層は、複数の第1金属線51によって画定された複数の第1金属グリッド52を含み、第2タッチ電極層は、複数の第2金属線61によって画定された複数の第2金属グリッド62を含む。第1タッチ電極210の第1タッチ電極部211と、第1接続部212及び第2タッチ電極220の第2タッチ電極部221とはいずれも該第1タッチ電極層201に位置し、且つそれぞれは複数の第1金属グリッド52を含む。該第2タッチ電極220の第2接続部222は第2タッチ電極層202に位置し、絶縁層203のビア230を通して第2タッチ電極部221に電気的に接続され、それにより第2方向D2に隣接する2つの第2タッチ電極部221を電気的に接続する。
【0075】
例えば、
図5Bに示すように、該タッチ構造20は該タッチ構造の上方に位置するカバープレート34をさらに含んでもよく、該カバープレート34は、例えばガラスカバープレート又は有機フレキシブルカバープレートである。
【0076】
別のいくつかの例では、該タッチ構造20を保護するために該カバープレート34の代わりに透明保護層(例えば、透明な光学接着剤)を用いてもよく。
【0077】
図6A及び
図6Bでは、それぞれ
図5Aに対応して該第1タッチ電極層及び該第2タッチ電極層を示し、
図6Aでは、隣接する第1タッチ電極部211と第2タッチ電極部221の境界を破線で示し、第1接続部212を破線で囲む。
【0078】
図5A~5B及び
図6A~6Bに示すように、例えば、第2方向D2に隣接する第2タッチ電極部221は2つの第2接続部222を通して電気的に接続される。このデュアルチャネル構造の設置により、デバイスの歩留まりを効果的に向上させることができる。例えば、信号線が交差する位置で、相互容量の静電気破壊により短絡故障を引き起こしやすく、検出過程で該2つの第2接続部222の1つのチャネルに短絡故障が発生すると検出した場合、該チャネルを切り取っても(例えば、レーザ切断により)、回路構造は依然として別のチャネルを通して正常に作動できる。
【0079】
例えば、第2タッチ電極部221の少なくとも2つの第1金属グリッド52における複数の第1金属線51の、第2金属グリッド層60における正投影は、それぞれ各第2接続部222における少なくとも2つの第2金属グリッド62の複数の第2金属線61と重なり、それにより該少なくとも2つの第1金属グリッド52は、該少なくとも2つの第2金属グリッド62と重なる複数の頂点を有し、ビア230は該重なる頂点に対応して設けられ、ビア230が対応して設けられた該頂点は接続頂点と称する。
【0080】
なお、本開示の第1金属線/第2金属線とは、第1金属グリッド/第2金属グリッドの隣接する2つの頂点を接続する金属線を指し、すなわち、各第1金属線/第2金属線は第1金属グリッド/第2金属グリッドの1つの辺に対応する。
【0081】
例えば、各接続頂点に直接接続された第1金属線51はいずれも完全なものであり、すなわち、第1金属グリッド52の2つの頂点の間に接続され、中間には切れ目がない。例えば、各接続頂点が位置する第1金属グリッド52はいずれも完全なものであり、すなわち、該第1金属グリッド52の全ての第1金属線51はいずれも完全なものである。この設置により、タッチ信号の該第2タッチ電極部221から該第2接続部222に入力される伝送効率及び有効性を向上させることができる。
【0082】
例えば、各第2接続部222は、少なくとも2つの信号チャネル263を含み、
図6Bでは、1つの信号チャネル263を例示的に示す。該信号チャネル263は、順に接続されている複数の第2金属線61で構成され、該信号チャネル263の両端は、それぞれ1つの第2金属グリッド62の頂点に対応し、1つのビア230を通して第1金属グリッド52の接続頂点に電気的に接続され、それにより隣接する2つの第2タッチ電極部221の間で信号を効果的に伝送する。例えば、複数の信号チャネル263には、互いに重なる(共通)第2金属線61がない。
【0083】
例えば、
図6Bに示すように、第2接続部222の第2金属グリッド62はいずれも完全なグリッドであり、該第2金属グリッド62の第2金属線61にはいずれも切れ目がない。その理由としては、第2接続部222の金属グリッドの数が少ないため、このようにして、第2接続部222の歩留まりを向上させ、信号の有効な伝送を確保することができる。
【0084】
例えば、
図6Aに示すように、各第1タッチ電極部211は、順に接続されている複数の第1金属線51で構成された少なくとも1つの信号チャネル264を通して隣接する第1接続部212に電気的に接続される。
図6Aでは、各第1タッチ電極部211は、3つの信号チャネル264を通して隣接する1つの第1接続部222と電気的に接続されることを示し、各信号チャネル264が3本の第1金属線51を含む。
図5A及び
図6Bに示すように、該信号チャネル264の各第1金属線51と第2接続部222の第2金属線61とは第1タッチ電極層201と垂直な方向に重なり、画素の開口率に影響を与えない。
【0085】
例えば、
図6Aに示すように、複数の信号チャネル264は互いに間隔をあけて設けられる。該第1タッチ電極部211の第1金属グリッド52と第1接続部212の第1金属グリッド52との間には共通の第1金属線51がなく、すなわち、両者は、共通の第1金属線51を通して電気的に接続されない。
【0086】
この設置により、第1タッチ電極部211と第2接続部222における金属線の重なりをできるだけ減少させ、それにより両者間の相互容量を減少させることができる。第1タッチ電極210と第2タッチ電極220との間の相互容量値がタッチ信号のため変化する場合、基準相互容量値が小さいため、該変化量を検出しやすく、それによりタッチ検出の感度を向上させる。
【0087】
例えば、
図6Aに示すように、第1接続部212の周縁に位置する周縁の第1金属グリッド52のいずれかにおいても欠けがあり、例えば、少なくとも1つの辺が欠け、それにより第2金属線61は第1金属線51と重ならない。
【0088】
例えば、
図6A及び
図6Bに示すように、各第2接続部222は互いに接続された第2金属グリッド62を含み、各第2金属グリッドは第2方向D2と平行な第2金属線61aを含み、各第2金属線61aは、いずれも第1タッチ電極層201と垂直な方向に第1金属線51と重ならない。例えば、該第2金属グリッド62は六角形であり、各第2金属グリッドは第2方向D2と平行な2つの第2金属線61aを含む。
【0089】
例えば、
図6Aに示すように、該第1接続部212の周縁の第1金属線のうち、信号チャネル264に電気的に接続された第1金属線を除き、他の第1金属線は、該第1接続部212から離れる端部に切れ目(切り欠き)を形成する。
図6Aに示すように、該第1接続部212は、例えば、中央部の切れ目を有する周縁の第1金属線を含み、該切れ目は、1本の第1金属線51を2本の第1金属線分に分離し、該2本の第1金属線分は、それぞれ該第1接続部212及び該第1接続部212に隣接する第2タッチ電極部221に属し、それにより該第1接続部212と該第2タッチ電極部221との絶縁を実現する。
【0090】
本開示の少なくとも1つの実施例はタッチ構造をさらに提供し、第1タッチ電極と、第2タッチ電極とを含み、該第1タッチ電極は第1方向に沿って延在し、該第2タッチ電極は第2方向に沿って延在し、該第1方向と第2方向は交差し、該第1タッチ電極は複数の第1タッチ電極部を含み、各第1タッチ電極部は第1本体部及び複数の第1インターデジタル部を含み、該複数の第1インターデジタル部は前記第1本体部から突出する。該第1本体部は第1主要な有効電極及び第1主要なダミー電極を含み、該第1主要なダミー電極は、該第1主要な有効電極の内部に位置し、該第1主要な有効電極から絶縁され、該第1主要なダミー電極はダミー本体部及び複数のダミーインターデジタル部を含み、該ダミー本体部は矩形であり、該複数のダミーインターデジタル部は該矩形の4辺から突出し、該第1主要なダミー電極は、4つの相補部をさらに含み、該4つの相補部はそれぞれ該ダミー本体部の4つの頂点に対応して設けられ、該第1主要なダミー電極の外輪郭は矩形である。
【0091】
本実施例のタッチ構造の第1タッチ電極の構造は、上記のいずれかの実施例に係るタッチ構造に適用できる。
【0092】
図7は該タッチ構造の第1タッチ電極部の模式図を示す。
図7に示すように、該第1タッチ電極部211は本体部241及び複数のインターデジタル部242を含み、複数の第1インターデジタル部241は該本体部241から突出する。該本体部は第1主要な有効電極281及び第1主要なダミー電極282を含み、該第1主要なダミー電極282は、該第1主要な有効電極281の内部に位置し、且つ該第1主要な有効電極282から絶縁される。該第1主要なダミー電極282はダミー本体部291及び複数のダミーインターデジタル部292を含み、該ダミー本体部291の外輪郭は矩形であり、複数のダミーインターデジタル部292は該矩形の4辺から突出し、該第1主要な有効電極291と同じ層に互いに入れ子状になるように絶縁される。該第1主要なダミー電極282は4つの相補部250をさらに含み、該4つの相補部250はそれぞれ該ダミー本体部291の4つの頂点に対応して設けられ、該第1主要なダミー電極の外輪郭は矩形である。
図7では、該第1タッチ電極部の本体部241、ダミー本体部291及び第1主要なダミー電極282の外輪郭をそれぞれ破線で示す。
【0093】
例えば、該ダミー本体部291は矩形であり、互いに交差する第1辺291aと第2辺291bを含み、該第1辺291a及び第2辺291bはそれぞれ第3方向D3及び第4方向D4に沿って延在し、第3方向D3は第4方向D4と異なり、例えば、両者は直交する。例えば、第3方向D3は第1方向D1又は第2方向D2と異なり、第4方向D4は第1方向D1又は第2方向D2と異なる。例えば、第3方向D3は第1方向D1及び第2方向D2の両方とも45度の角をなし、第4方向D4は第1方向D1及び第2方向D2の両方とも45度の角をなす。
【0094】
例えば、複数のダミーインターデジタル部292は該第1辺291aから第4方向D4に沿って突出し、該第1辺291aから突出する各ダミーインターデジタル部292は、該第1辺291aと平行な側辺292aを含み、複数のダミーインターデジタル部292は該第2辺292aから第3方向D3に沿って突出し、該第2辺292bから突出する各ダミーインターデジタル部292は、該第2辺291bと平行な側辺292aを含む。例えば、該ダミー本体部291の同一辺に位置する複数のダミーインターデジタル部292の側辺292aは互いに揃い、1本のダミー直線に並列に位置し、該ダミー直線は、すなわち該第1主要なダミー電極282の外輪郭の一部である。例えば、各ダミーインターデジタル部292は矩形又は台形である。
【0095】
例えば、該ダミー本体部291の同一側辺から突出する複数のダミーインターデジタル部292の突出方向に沿った最大サイズは同じである。例えば、
図7に示すように、該第1辺291aから突出する複数のダミーインターデジタル部292は、第3方向D3に沿って並列に設けられ、且つ第4方向D4に沿った最大長さが同じである。
【0096】
例えば、該ダミー本体部291の同一側辺から突出する複数のダミーインターデジタル部292の突出方向と直交する方向に沿った平均サイズは同じである。例えば、
図7に示すように、該第1辺291aから突出する複数のダミーインターデジタル部292の第3方向D3に沿った平均サイズは同じである。
【0097】
例えば、
図7に示すように、該第1タッチ電極部の本体部241は矩形であり、該矩形は、第3方向D3及び第4方向D4に沿って配置される。該矩形の対向する2つの辺に配置されたインターデジタル部242は交互に設けられ、すなわち、該矩形の1つの側辺に設けられたインターデジタル部242は、該側辺に対向する側辺のインターデジタル部242間の隙間に対応する。例えば、該矩形の第3方向D3に対向する2つの辺に配置されたインターデジタル部242は、第3方向D3に交互に設けられ、該矩形の第4方向D4に対向する2つの辺に配置されたインターデジタル部242は、第4方向D4に交互に設けられる。
【0098】
例えば、
図7に示すように、該ダミー本体部291の対向する2つの側辺に設けられたダミーインターデジタル部292は1対1で対応する。例えば、
図7に示すように、該ダミー本体部291の各側辺に2つのダミーインターデジタル部292が設けられ、第3方向又は第4方向に対向する2つの側辺のダミーインターデジタル部292は、該第3方向又は第4方向に1対1で対応して重なる。
【0099】
例えば、各相補部250は矩形であり、該第1辺291a及び第2辺291bとそれぞれ平行な2つの側辺250aを含み、該2つの側辺250aは、それぞれ該第1主要なダミー電極282の外輪郭に位置する。
【0100】
例えば、各相補部250は、該相補部250に隣接するダミーインターデジタル部292と並列され、且つ該ダミーインターデジタル部292の突出方向に沿った最大サイズが同じである。
【0101】
例えば、各相補部250について、該相補部250に隣接するダミーインターデジタル部292の突出方向(例えば、
図7に示す第3方向D3又は第4方向D4)と直交する方向(例えば、
図7に示す第4方向D4又は第3方向D3)に、該相補部の平均サイズは、隣接する該ダミーインターデジタル部292の平均サイズよりも大きい。
【0102】
例えば、
図7に示すように、各相補部250と該ダミー本体部291は、互いに間隔をあけ又は互いに接続される。
【0103】
本開示の実施例に係るタッチ構造は、主に第1タッチ電極部を例として説明されるが、第1タッチ電極部についての説明及び設置は、同様に第2タッチ電極部に適用でき、ここでは繰り返し説明しない。
【0104】
例えば、該第1タッチ電極層201及び第2タッチ電極層202の材料は、アルミニウム、モリブデン、銅、銀などの金属材料、又はこれらの金属材料の合金材料を含み、例えば、銀パラジウム銅合金(APC)材料又はチタンアルミニウムチタン(Ti-Al-Ti)の積層構造である。
【0105】
例えば、第1金属線21又は第2金属線22の平均線幅は3ミクロンである。例えば、金属線の切れ目の幅(所属する金属線の長手方向に沿ったサイズ)は5.2ミクロンである。
【0106】
例えば、該絶縁層203の材料は無機絶縁材料であってもよく、例えば、該無機絶縁材料は透明材料である。例えば、該無機絶縁材料は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素などのケイ素の酸化物、ケイ素の窒化物又はケイ素の窒素酸化物、又は酸化アルミニウム、窒化チタンなどの金属窒素酸化物を含む絶縁材料であってもよい。
【0107】
例えば、該絶縁層203の材料は有機絶縁材料であってもよく、それによって優れた曲げ抵抗性を取得する。例えば、該有機絶縁材料は透明材料である。例えば、該有機絶縁材料はOCA光学接着剤である。例えば、該有機絶縁材料は、ポリイミド(PI)、アクリレート、エポキシ樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などを含んでもよい。
【0108】
本開示の実施例は、上記タッチ構造を含むタッチパネルをさらに提供する。
図8は本開示の少なくとも1つの実施例に係るタッチパネルの模式図である。
図8に示すように、該タッチパネル40は、タッチ領域301及び該タッチ領域301以外の非タッチ領域302を含み、該タッチ構造20は該タッチ領域301に位置する。例えば、該第1タッチ電極210は該矩形の短手方向に沿って延在し、該第2タッチ電極220は該矩形の長手方向に沿って延在する。明確にするために、図面では、該第1タッチ電極及び第2タッチ電極の構造を詳細に示していない。
【0109】
例えば、
図8に示すように、該タッチパネル40は、該非タッチ領域302に位置する複数の信号線450をさらに含む。各第1タッチ電極210及び各第2タッチ電極220は、それぞれ1本の信号線450に電気的に接続され、該信号線を通してタッチコントローラ又はタッチ集積回路(図示せず)に接続される。例えば、第1タッチ電極210はタッチ感知電極であり、第2タッチ電極220はタッチ駆動電極であるが、本開示の実施例はこれを限定しない。
【0110】
該タッチ集積回路は、例えば、タッチチップであり、該タッチパネル40の第2タッチ電極220にタッチ駆動信号を提供し、該第1タッチ電極210からタッチ感知信号を受信して該タッチ感知信号を処理することに用いられ、例えば、処理されたデータ/信号をシステムコントローラに提供して、タッチ感知機能を実現する。
【0111】
例えば、
図8に示すように、該複数の信号線450の該タッチ集積回路に接続される一端は、いずれも該タッチ領域301の同一側(例えば
図8の下側)に配置されてもよく、このように該タッチ集積回路との接続は容易である。
【0112】
本開示の少なくとも1つの実施例はタッチ表示パネルをさらに提供し、ベース基板と、該ベース基板上に順に積層されて設けられた表示構造と、上記いずれかの実施例に係るタッチ構造20とを含む。
【0113】
図9Aは本開示の少なくとも1つの実施例に係るタッチ表示パネルの平面模式図を示し、
図9Bは
図9Aの断面線II-II’に沿った断面図を示す。
【0114】
図9A及び
図9Bに示すように、該タッチ表示パネル30は、ベース基板31と、ベース基板31上に順に積層されて設けられた表示構造32と、上記タッチ構造20とを含む。タッチ構造20は、表示構造32のベース基板31から離れる一方側、且つ使用中にユーザに近い側に位置する。
【0115】
例えば、該表示構造32は、アレイに沿って配置された複数のサブ画素を含み、例えば、該画素アレイは、第1方向D1及び第2方向D2に沿って配置される。例えば、該タッチ表示パネルはOLED表示パネルであり、該複数のサブ画素は、緑色サブ画素(G)、赤色サブ画素(R)及び青色サブ画素(B)を含む。各サブ画素は、発光素子23及び該発光素子23を駆動して発光させる画素駆動回路を含む。本開示の実施例は、画素駆動回路のタイプ及び具体的な構成を限定せず、例えば、該画素駆動回路は、電流駆動型のものであってもよく、電圧駆動型のものであってもよく、2T1C(すなわち、2つのトランジスタと1つのコンデンサ、該2つのトランジスタは、駆動トランジスタ及びデータ書き込みトランジスタを含む)駆動回路であってもよく、2T1Cに基づき補償回路(補償トランジスタ)、発光制御回路(発光制御トランジスタ)、リセット回路(リセットトランジスタ)などをさらに含む駆動回路であってもよい。
【0116】
明確にするために、
図9Bでは、該画素駆動回路の、該発光素子23に直接電気的に接続された第1トランジスタ24のみを示し、該第1トランジスタ24は、駆動トランジスタであってもよく、飽和状態で、発光素子23を駆動して発光させる電流の大きさを制御するように構成される。例えば、該第1トランジスタ24は発光制御トランジスタであってもよく、発光素子23を駆動して発光させる電流が流れるか否かを制御することに用いられる。本開示の実施例は、第1トランジスタの具体的なタイプを限定しない。
【0117】
例えば、発光素子23は有機発光ダイオードであり、第1電極231、発光層233及び第2電極232を含む。第1電極231と第2電極232の一方は陽極であり、他方は陰極であり、例えば、第1電極231は陽極であり、第2電極232は陰極である。例えば、発光層233は有機発光層又は量子ドット発光層である。例えば、発光素子23は、発光層233に加えて、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層などの補助機能層をさらに含んでもよい。例えば、発光素子23はトップエミッション構造であり、第1電極231は反射性を有するが、第2電極232は透過性又は半透過性を有する。例えば、第1電極231は、高い仕事関数の材料であって陽極として機能し、例えばITO/Ag/ITO積層構造であり、第2電極232は、低い仕事関数の材料であって陰極として機能し、例えば半透過性の金属又は金属合金材料であり、例えばAg/Mg合金材料である。
【0118】
第1トランジスタ24は、ゲート341、ゲート絶縁層342、活性層343、第1極344及び第2極345を含み、該第2極345は発光素子23の第1電極231に電気的に接続される。本開示の実施例は、第1トランジスタ24のタイプ、材料、構造を限定せず、例えば、トップゲート型、ボトムゲート型などであってもよく、第1トランジスタ24の活性層343は、アモルファスシリコン、ポリシリコン(低温ポリシリコン及び高温ポリシリコン)、酸化物半導体(例えば、インジウムガリウムスズ酸化物(IGZO))などであってもよく、第1トランジスタ24はN型又はP型であってもよい。
【0119】
本開示の実施例で使用されるトランジスタは、いずれも薄膜トランジスタ又は電界効果トランジスタ又は同じ特性を有する他のスイッチングデバイスであってもよく、本開示の実施例では、薄膜トランジスタを例として説明する。ここで使用されるトランジスタのソース、ドレインは、構造的に対称であってもよいため、そのソース、ドレインは、構造的に区別がなくてもよい。本開示の実施例では、トランジスタのゲート以外の2つの極を区別するために、そのうちの一方の極が第1極、他方の極が第2極と直接説明する。
【0120】
図9A及び
図9Bに示すように、該表示構造32は画素画定層320をさらに含み、該画素画定層320は、該発光素子23の第1電極231に設けられ、複数の開口部321が形成され、それぞれ複数のサブ画素の第1電極231を露出し、それにより各サブ画素の画素開口領域を画定し、サブ画素の発光層は該画素開口領域に形成され、第2電極232は共通電極(すなわち、複数のサブ画素が共有する)として形成され、
図9Aでは、緑色サブ画素の画素開口領域310、赤色サブ画素の画素開口領域320、及び青色サブ画素の画素開口領域330が示される。
【0121】
図9Bでは、第2タッチ電極層202のパターンを示していない。例えば、該第2タッチ電極層202は、第1タッチ電極層201のベース基板31に近い一方側に位置する。
【0122】
該第1タッチ電極層201の複数の第1金属線51及び第2タッチ電極層202の複数の第2金属線61の、ベース基板31における正投影は、複数のサブ画素の画素開口領域の、ベース基板21における正投影の外に位置し、すなわち、画素開口領域間の画素分離領域の、ベース基板21における正投影内に位置し、該画素分離領域は、すなわち該画素画定層320の非開口領域322である。該画素分離領域は複数のサブ画素の画素開口領域を分離し、各サブ画素の発光層を分離し、クロスカラーを防止することに用いられる。
【0123】
例えば、第1金属グリッド52又は第2金属グリッド62のメッシュは、少なくとも1つの画素開口領域を覆う。例えば、第1金属グリッド52又は第2金属グリッド62のメッシュは、2つの緑色サブ画素の画素開口領域310を覆い、該2つの緑色サブ画素の画素開口領域310は、ペアで設けられ、第2方向D2に並列に配置される。
【0124】
図9Bに示すように、該表示構造32は、該発光素子23と該タッチ構造20との間に位置する第1封止層33をさらに含み、該封止層33は、発光素子23を密封することで、外部の湿気及び酸素が該発光素子及び駆動回路に侵入して、例えば発光素子23などのデバイスを損傷することを防止するように配置される。例えば、封止層33は、単層構造又は多層構造であってもよく、例えば、有機薄膜、無機薄膜、又は有機薄膜及び無機薄膜を交互に積層させた多層構造を含む。
【0125】
例えば、
図9Bに示すように、該タッチ表示パネル30は、表示構造32とタッチ構造20との間に位置するバッファ層22をさらに含む。例えば、該バッファ層22は、該第1封止層33に形成され、タッチ構造40と表示構造32との間の接着力を高めることに用いられる。例えば、該バッファ層22は無機絶縁層であり、例えば、該バッファ層22の材料は、窒化ケイ素、酸化ケイ素又はケイ素の窒素酸化物であってもよい。例えば、該バッファ層22は、酸化ケイ素層及び窒化ケイ素層を交互に積層させた構造を含んでもよい。
【0126】
本開示の少なくとも1つの実施例は、上記タッチ表示パネル30を含む電子装置をさらに提供する。
【0127】
例えば、該電子装置は、ディスプレイ、OLEDパネル、OLEDテレビ、電子ペーパー、携帯電話、タブレットパソコン、ノートパソコン、デジタルフォトフレーム、ナビゲータなどの表示機能及びタッチ機能を備えた任意の製品又は部材であってもよい。
【0128】
以上は、本開示の例示的な実施形態に過ぎず、本開示の保護範囲を限定するものではなく、本開示の保護範囲は、添付の特許請求の範囲により決まる。
【国際調査報告】