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特表2023-542464シカ科動物用の地衣類抽出物ベースの調合物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-10
(54)【発明の名称】シカ科動物用の地衣類抽出物ベースの調合物
(51)【国際特許分類】
   A61K 36/10 20060101AFI20231002BHJP
   A23K 10/30 20160101ALI20231002BHJP
   A61K 36/09 20060101ALI20231002BHJP
   A61K 9/14 20060101ALI20231002BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20231002BHJP
   A61K 9/12 20060101ALI20231002BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20231002BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20231002BHJP
   A61K 47/42 20170101ALI20231002BHJP
   A61K 31/07 20060101ALI20231002BHJP
   A61K 31/355 20060101ALI20231002BHJP
   A61K 31/593 20060101ALI20231002BHJP
   A61K 47/44 20170101ALI20231002BHJP
   A23K 50/10 20160101ALI20231002BHJP
【FI】
A61K36/10
A23K10/30
A61K36/09
A61K9/14
A61K9/08
A61K9/12
A61P43/00 121
A61P25/00
A61K47/42
A61K31/07
A61K31/355
A61K31/593
A61K47/44
A23K50/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023505973
(86)(22)【出願日】2021-07-27
(85)【翻訳文提出日】2023-02-22
(86)【国際出願番号】 US2021070996
(87)【国際公開番号】W WO2022027024
(87)【国際公開日】2022-02-03
(31)【優先権主張番号】63/056,793
(32)【優先日】2020-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523029537
【氏名又は名称】ズー ファーマ ダイナミクス リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100188433
【弁理士】
【氏名又は名称】梅村 幸輔
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【弁理士】
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100214396
【弁理士】
【氏名又は名称】塩田 真紀
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】カンケ ブライアン
【テーマコード(参考)】
2B005
2B150
4C076
4C086
4C088
4C206
【Fターム(参考)】
2B005BA05
2B005BA07
2B150AA02
2B150AB10
2B150BC06
2B150CE30
2B150CJ07
2B150DD57
4C076AA12
4C076AA25
4C076AA29
4C076BB01
4C076CC01
4C076EE41
4C076EE51
4C076FF70
4C086AA01
4C086AA10
4C086BA09
4C086DA14
4C086MA03
4C086MA04
4C086MA05
4C086MA13
4C086MA17
4C086MA43
4C086MA52
4C086NA14
4C086ZA02
4C086ZC61
4C086ZC75
4C088AA11
4C088AA17
4C088MA07
4C088MA08
4C088NA14
4C088ZA02
4C088ZC61
4C088ZC75
4C206AA01
4C206AA10
4C206CA10
4C206MA03
4C206MA04
4C206MA05
4C206MA33
4C206MA37
4C206MA63
4C206MA72
4C206NA14
4C206ZA02
4C206ZC61
4C206ZC75
(57)【要約】
レインディア地衣類(reindeer lichen)抽出物(ハナゴケ(Cladonia Rangiferina))と、ラング地衣類(lung lichen)抽出物(コナカブトゴケ(Lobaria Pulmonaria))と、ウィッチズヘア地衣類(witch's hair lichen)抽出物(アレクトリア・サルメントーサ(Alectoria Sarmentosa))との混合物を含有する地衣類抽出物ベースの調合物;これら地衣類抽出物ベースの調合物を含有する、飼料ペレット、タンパク質ブロック、および溶液;地衣類抽出物ベースのスプレー洗浄剤調合物;ならびに、これら調合物をシカ科動物に投与するための方法を開示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レインディア地衣類(reindeer lichen)抽出物(ハナゴケ(Cladonia Rangiferina))と、
ラング地衣類(lung lichen)抽出物(コナカブトゴケ(Lobaria Pulmonaria))と、
ウィッチズヘア地衣類(witch's hair lichen)抽出物(アレクトリア・サルメントーサ(Alectoria Sarmentosa))と
の混合物を含む、地衣類抽出物ベースの調合物。
【請求項2】
レインディア地衣類抽出物が、10:1、20:1、30:1、40:1、またはそれらの組み合わせの比でのハナゴケ全植物体の抽出物である、請求項1記載の調合物。
【請求項3】
ラング地衣類抽出物が、10:1、20:1、30:1、40:1、またはそれらの組み合わせの比でのコナカブトゴケ全植物体の抽出物である、請求項1記載の調合物。
【請求項4】
ウィッチズヘア地衣類抽出物が、10:1、20:1、30:1、40:1、またはそれらの組み合わせの比でのアレクトリア・サルメントーサ全植物体の抽出物である、請求項1記載の調合物。
【請求項5】
パウダー形態である、請求項1記載の調合物。
【請求項6】
タンパク質と、脂肪と、繊維と、ビタミンと、ミネラルと、保存剤と、乳化剤とを、タンパク質ブロックの形態でさらに含み;前記混合物が、1重量%~40重量%のレインディア地衣類抽出物(ハナゴケ)と、1重量%~40重量%のラング地衣類抽出物(コナカブトゴケ)と、5重量%~45重量%のウィッチズヘア地衣類抽出物(アレクトリア・サルメントーサ)とを含む、請求項1記載の調合物。
【請求項7】
レインディア地衣類抽出物が、10:1、20:1、30:1、40:1、またはそれらの組み合わせの比でのハナゴケ全植物体の抽出物である、請求項6記載の調合物。
【請求項8】
ラング地衣類抽出物が、10:1、20:1、30:1、40:1、またはそれらの組み合わせの比でのコナカブトゴケ全植物体の抽出物である、請求項6記載の調合物。
【請求項9】
ウィッチズヘア地衣類抽出物が、10:1、20:1、30:1、40:1、またはそれらの組み合わせの比でのアレクトリア・サルメントーサ全植物体の抽出物である、請求項6記載の調合物。
【請求項10】
タンパク質と、脂肪と、繊維と、ビタミンと、ミネラルと、保存剤と、乳化剤とを、飼料サプリメントの形態でさらに含み;前記混合物が、1重量%~40重量%のレインディア地衣類抽出物(ハナゴケ)と、1重量%~40重量%のラング地衣類抽出物(コナカブトゴケ)と、5重量%~45重量%のウィッチズヘア地衣類抽出物(アレクトリア・サルメントーサ)とを含む、請求項1記載の調合物。
【請求項11】
レインディア地衣類抽出物が、10:1、20:1、30:1、40:1、またはそれらの組み合わせの比でのハナゴケ全植物体の抽出物である、請求項10記載の調合物。
【請求項12】
ラング地衣類抽出物が、10:1、20:1、30:1、40:1、またはそれらの組み合わせの比でのコナカブトゴケ全植物体の抽出物である、請求項10記載の調合物。
【請求項13】
ウィッチズヘア地衣類抽出物が、10:1、20:1、30:1、40:1、またはそれらの組み合わせの比でのアレクトリア・サルメントーサ全植物体の抽出物である、請求項10記載の調合物。
【請求項14】
水を含む溶液をさらに含む、請求項1記載の調合物。
【請求項15】
レインディア地衣類抽出物が、10:1、20:1、30:1、40:1、またはそれらの組み合わせの比でのハナゴケ全植物体の抽出物である、請求項14記載の調合物。
【請求項16】
ラング地衣類抽出物が、10:1、20:1、30:1、40:1、またはそれらの組み合わせの比でのコナカブトゴケ全植物体の抽出物である、請求項14記載の調合物。
【請求項17】
ウィッチズヘア地衣類抽出物が、10:1、20:1、30:1、40:1、またはそれらの組み合わせの比でのアレクトリア・サルメントーサ全植物体の抽出物である、請求項14記載の調合物。
【請求項18】
レインディア地衣類抽出物(ハナゴケ)およびラング地衣類抽出物(コナカブトゴケ)のうち少なくとも1つを含む成分と、
酵素安定剤と、
保存剤と、
抗菌活性物質と、
担体溶媒と
を含む、地衣類抽出物ベースのスプレー洗浄剤調合物。
【請求項19】
担体溶媒が水である、請求項18記載のスプレー調合物。
【請求項20】
前記成分が5%~40%の量で存在する、請求項18記載のスプレー調合物。
【請求項21】
レインディア地衣類抽出物(ハナゴケ)と、ラング地衣類抽出物(コナカブトゴケ)と、ウィッチズヘア地衣類抽出物(アレクトリア・サルメントーサ)との混合物を含む組成物をシカ科動物に投与する段階
を含む、方法。
【請求項22】
前記組成物が、タンパク質と、脂肪と、繊維と、ビタミンと、ミネラルと、保存剤と、乳化剤とを、タンパク質ブロックの形態でさらに含み;前記混合物が、1重量%~40重量%のレインディア地衣類抽出物(ハナゴケ)と、1重量%~40重量%のラング地衣類抽出物(コナカブトゴケ)と、5重量%~45重量%のウィッチズヘア地衣類抽出物(アレクトリア・サルメントーサ)とを含む、請求項21記載の方法。
【請求項23】
前記組成物が、タンパク質と、脂肪と、繊維と、ビタミンと、ミネラルと、保存剤と、乳化剤とを、飼料サプリメントの形態でさらに含み;前記混合物が、1重量%~40重量%のレインディア地衣類抽出物(ハナゴケ)と、1重量%~40重量%のラング地衣類抽出物(コナカブトゴケ)と、5重量%~45重量%のウィッチズヘア地衣類抽出物(アレクトリア・サルメントーサ)とを含む、請求項21記載の方法。
【請求項24】
前記組成物が、水を含む溶液をさらに含む、請求項21記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる、2020年7月27日に提出された米国特許仮出願第63/056,793号の提出日の恩典を主張する。
【0002】
分野
本開示は、地衣類抽出物ベースの調合物と;このベース調合物を含有する、飼料ペレット、タンパク質ブロック、および溶液と;地衣類抽出物ベースのスプレー洗浄剤と;この調合物をシカ科動物に投与するための方法と、に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
慢性消耗性疾患(CWD)は、シカ、エルク、トナカイ、ニホンジカ、およびムースなどのシカ科動物に影響を及ぼすプリオン関連疾患である。CWDは、感染したシカ科動物との、または生存能力がある環境中のCWDプリオンとの直接接触によって、より多くの動物が感染性プリオンと接触していることから問題となっている。シカ科動物間の伝染は、餌による誘因または給餌など、動物が集まることを促す活動によって強化される。より多くのシカ科動物が感染するにつれて、それに続く環境汚染が倍増し、CWDの蔓延持続に重要な役割を果たしている。
【0004】
先行する研究(Prion Research Laboratory, 2002)では、地表上の一部の地衣類(コナカブトゴケ(Lobaria Pulmonaria)およびハナゴケ(Cladonia Rangiferina)からの抽出物)が、慢性消耗性疾患の原因となる感染性プリオンを破壊する潜在能力を有する可能性があることが提唱された。地衣類は、抗菌特性および抗ウイルス特性を有する独特の有機化合物を生成する。
【発明の概要】
【0005】
概要
本開示の1つの局面において、レインディア地衣類(reindeer lichen)抽出物(ハナゴケ)と、ラング地衣類(lung lichen)抽出物(コナカブトゴケ)と、ウィッチズヘア地衣類(witch's hair lichen)抽出物(アレクトリア・サルメントーサ(Alectoria Sarmentosa))との混合物を含む、シカ科動物用のベース調合物が提供される。
【0006】
本開示の別の局面において、地衣類抽出物の混合物と、タンパク質と、脂肪と、繊維と、ビタミンと、ミネラルと、保存剤と、乳化剤とを、タンパク質ブロックの形態で含有する調合物が提供され、ここで混合物は、1重量%~40重量%のレインディア地衣類抽出物(ハナゴケ)と、1重量%~40重量%のラング地衣類抽出物(コナカブトゴケ)と、5重量%~45重量%のウィッチズヘア地衣類抽出物(アレクトリア・サルメントーサ)とを含有する。
【0007】
本開示の別の局面において、地衣類抽出物の混合物と、タンパク質と、脂肪と、繊維と、ビタミンと、ミネラルと、保存剤と、乳化剤とを、飼料サプリメントの形態で含有する調合物が提供され、ここで混合物は、1重量%~40重量%のレインディア地衣類抽出物(ハナゴケ)と、1重量%~40重量%のラング地衣類抽出物(コナカブトゴケ)と、5重量%~45重量%のウィッチズヘア地衣類抽出物(アレクトリア・サルメントーサ)とを含む。
【0008】
本開示の別の局面において、レインディア地衣類抽出物(ハナゴケ)およびラング地衣類抽出物(コナカブトゴケ)のうち少なくとも1つの成分と、酵素安定剤と、保存剤と、抗菌活性物質(antimicrobial active)と、担体溶媒とを含む、地衣類抽出物ベースのスプレー洗浄剤調合物が提供される。
【0009】
本開示の別の局面において、レインディア地衣類抽出物(ハナゴケ)と、ラング地衣類抽出物(コナカブトゴケ)と、ウィッチズヘア地衣類抽出物(アレクトリア・サルメントーサ)との混合物を含む組成物をシカ科動物に投与する段階を含む方法が提供される。
【0010】
本開示のこれらおよび他の局面は、以下の詳細な説明と添付の特許請求の範囲とを検討することによって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示に基づくタンパク質ブロック(PPB)の写真である。
図2】本開示に基づくベース調合物(CPP)を含有する飼料サプリメント(PPFS)の写真である。
図3】本開示に基づく、水溶で使用するための、ベース調合物(CPP)を含有するパウダー状ベース調合物(PWP)の写真である。
図4】本開示に基づくさまざまな調合物を含有するスプレー洗浄剤のボトルの写真である。
図5】安定性試験の前後の5%ラング地衣類調合物の写真である。
図6】安定性試験の前後の10%ラング地衣類調合物の写真である。
図7】安定性試験の前後の15%ラング地衣類調合物の写真である。
図8】安定性試験の前後の20%ラング地衣類調合物の写真である。
図9】安定性試験の前後の5%レインディア地衣類調合物の写真である。
図10】安定性試験の前後の10%レインディア地衣類調合物の写真である。
図11】安定性試験の前後の15%レインディア地衣類調合物の写真である。
図12】安定性試験の前後の20%レインディア地衣類調合物の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
詳細な説明
本開示は、シカ科動物に投与するためのさまざまな調合物および方法に関する。シカ科動物用の本ベース調合物は、ペレット状飼料、タンパク質ブロック、および飲用水において使用するための、ならびに、シカ科動物およびある一定の畜産施設に使用するためのスプレー洗浄剤において使用するための、添加物である。シカ科動物用の本ベース調合物は、3つの植物抽出物の組み合わせである。シカ科動物用の本ベース調合物は、レインディア地衣類(ハナゴケ)、ラング地衣類(コナカブトゴケ)、およびウィッチズヘア地衣類(アレクトリア・サルメントーサ)の抽出物を含む。ウィッチズヘア地衣類(アレクトリア・サルメントーサ)抽出物を含有する調合物は、この抽出物を伴わない調合物より消化性が75%高い。
【0013】
全植物体を収穫し、高温滅菌を通じてパウダー形態に処理する。それらの外見は茶黄色の細かいパウダーで、中程度の匂いと中程度の味とを伴う。パウダーは重金属類について試験し、標準に適合することを確認する。パウダーの微生物試験を行い、標準に適合することを確認する。
【0014】
高温滅菌の処理を通じて、全植物体を10:1、20:1、30:1、および40:1の抽出比で抽出する。特定の製品調合物について、正確な抽出比が用いられる。
【0015】
レインディア地衣類抽出物(ハナゴケ)は、製造される特定の製品への添加物として1重量%~40重量%のパーセンテージ範囲で使用される。
【0016】
ラング地衣類抽出物(コナカブトゴケ)は、製造される特定の製品への添加物として1重量%~40重量%のパーセンテージ範囲で使用される。
【0017】
ウィッチズヘア地衣類抽出物(アレクトリア・サルメントーサ)は、製造される特定の製品への添加物として5重量%~45重量%のパーセンテージ範囲で使用される。
【0018】
好ましいベース調合物は平均10:1の抽出比を含有し、使用される各製品のベースパーセンテージは平均15%である。
【0019】
1つの態様において、ベース調合物は、安定性のため製造工程においてある一定の保存剤と乳化剤とを含有する。ベース調合物は、動物の器官系における担体として用いられる、ある一定のミネラルをさらに含有する。好適な添加物には、植物性タンパク質製品、穀物製品、リン酸モノカルシウム、糖蜜製品、炭酸カルシウム、リン酸二カルシウム、塩、亜酸化マンガン、硫酸第一鉄、酸化鉄、酸化亜鉛、硫酸銅、炭酸コバルト、エチレンジアミン・デュヒリオダイド(ethylendiamine duhyriodide)、ビタミンAサプリメント、ビタミンD3サプリメント、天然および人工の着色剤、植物油、亜セレン酸ナトリウム、加工穀物副産物、マグネシウム雲母、塩化カリウム、ヨウ素酸カルシウム、ビタミンEサプリメント、硫酸亜鉛、硫酸マンガン、鉱油、炭酸コバルト、珪藻土、乾燥海藻ミール、チコリー根(chickory root)、クローブ、サッカリンナトリウム、ヘミセルロース抽出物、オリガヌム油、レモングラス油、加工穀物副産物、飼葉製品、サッカロミセス・セレビシエ(saccharomyces cerevisae)、乾燥リケニホルミス菌抽出物、ビタミンEサプリメント、ビタミンB12サプリメント、d-ビオチン、リボフラビンサプリメント、d-パントテン酸カルシウム、メナジオン重硫酸ナトリウム複合体(menadione sodium bisulfate complex)、葉酸、一硝酸チアミン、塩化コリン、亜鉛アミノ酸複合体、マンガンアミノ酸複合体、銅アミノ酸複合体、硫酸コバルト、グルコヘプトン酸コバルト、地衣類抽出物、および人工調味料が含まれる。
【0020】
シカ科動物用の飼料サプリメントは、レインディア地衣類抽出物(ハナゴケ)と、ラング地衣類抽出物(コナカブトゴケ)と、ウィッチズヘア地衣類抽出物(アレクトリア・サルメントーサ)との混合物であるベース調合物を含有する、ペレット状のシカ科動物用飼料製品である。1つの態様において、飼料サプリメントは、タンパク質と、脂肪と、繊維と、ビタミンと、ミネラルと、保存剤と、乳化剤とを、飼料サプリメントの形態で含有し、ここで前記混合物は、1重量%~40重量%のレインディア地衣類抽出物(ハナゴケ)と、1重量%~40重量%のラング地衣類抽出物(コナカブトゴケ)と、5重量%~45重量%のウィッチズヘア地衣類抽出物(アレクトリア・サルメントーサ)とを含有する。
【0021】
シカ科動物用のタンパク質ブロック製品は、レインディア地衣類抽出物(ハナゴケ)と、ラング地衣類抽出物(コナカブトゴケ)と、ウィッチズヘア地衣類抽出物(アレクトリア・サルメントーサ)との混合物であるベース調合物を含有する。1つの態様において、タンパク質ブロックは、タンパク質と、脂肪と、繊維と、ビタミンと、ミネラルと、保存剤と、乳化剤とを、タンパク質ブロックの形態で含有し、ここで前記混合物は、1重量%~40重量%のレインディア地衣類抽出物(ハナゴケ)と、1重量%~40重量%のラング地衣類抽出物(コナカブトゴケ)と、5重量%~45重量%のウィッチズヘア地衣類抽出物(アレクトリア・サルメントーサ)とを含有する。
【0022】
シカ科動物用の水溶液は、レインディア地衣類抽出物(ハナゴケ)と、ラング地衣類抽出物(コナカブトゴケ)と、ウィッチズヘア地衣類抽出物(アレクトリア・サルメントーサ)との混合物であるベース調合物を含有する。100%のベース調合物が水と混合されてもよく、そしてその溶液がシカ科動物の飲水源に添加されてもよい。
【0023】
スプレー製品は、飼槽および水桶などを含む畜産施設においてスプレー洗浄剤として使用される。このスプレー洗浄剤製品は地衣類抽出物を含有する。好ましくは、地衣類抽出物は5%~40%の量で存在する。好適な地衣類抽出物は、レインディア地衣類抽出物(ハナゴケ)、ラング地衣類抽出物(コナカブトゴケ)、もしくはその混合物を含有するか、または、レインディア地衣類抽出物(ハナゴケ)と、ラング地衣類抽出物(コナカブトゴケ)と、ウィッチズヘア地衣類抽出物(アレクトリア・サルメントーサ)との混合物であるベース調合物を含有する。
【0024】
以下の具体的実施例を参照しながら本開示をさらに例証する。理解される点として、これらの実施例は実例として供されるのであり、本開示または添付の特許請求の範囲を限定することは意図されていない。
【実施例
【0025】
実施例1‐タンパク質ブロック
この実施例は、本開示に基づく、図1に示すタンパク質ブロックの形態における調合物を示す。
【0026】
粗タンパク質 最小量 20.00%
粗脂肪 最小量 2.0%
粗繊維 最大量 8.0%
カルシウム 最小量 5.0%
カルシウム 最大量 10.0%
リン 最小量 3.0%
カリウム 最小量 1.0%
塩 最小量 1.0%
塩 最大量 10.0%
銅 最小量 500 ppm
セレン 最小量 2.0 ppm
亜鉛 最小量 200 ppm
ビタミンA 最小量 18,000 IU/lb
ビタミンD3 最小量 2,000 IU/lb
ビタミンE 最小量 75 IU/lb
ベース調合物 最小量 1.0%
【0027】
成分:
植物性タンパク質製品、穀物製品、リン酸モノカルシウム、糖蜜製品、炭酸カルシウム、リン酸二カルシウム、塩、亜酸化マンガン、硫酸第一鉄、酸化鉄、酸化亜鉛、硫酸銅、炭酸コバルト、エチレンジアミン・デュヒリオダイド、ビタミンAサプリメント、ビタミンD3サプリメント、天然および人工の着色剤、植物油、亜セレン酸ナトリウム、加工穀物副産物、マグネシウム雲母、塩化カリウム、ヨウ素酸カルシウム、ビタミンEサプリメント、硫酸亜鉛、硫酸マンガン、鉱油、炭酸コバルト、珪藻土、乾燥海藻ミール、チコリー根、クローブ、サッカリンナトリウム、ヘミセルロース抽出物、オリガヌム油、レモングラス油、地衣類抽出物。
【0028】
実施例2‐飼料サプリメント
この実施例は、本開示に基づく、図2に示す飼料サプリメント用の調合物を示す。
【0029】
粗タンパク質 最小量 16.0%
リジン 最小量 1.0%
粗脂肪 最小量 6.0%
粗繊維 最大量 20.0%
カルシウム 最小量 5.0%
リン 最小量 1.0%
塩 最大量 6.0%
銅 最小量 500 ppm
マンガン 最小量 40 ppm
セレン 最小量 3.0 ppm
亜鉛 最小量 250 ppm
ビタミンA 最小量 20,000 IU/lb
ビタミンD3 最小量 2000 IU/lb
ビタミンE 最小量 55 IU/lb
ベース調合物 最小量 1.0%
【0030】
成分:
加工穀物副産物、飼葉製品、植物性タンパク質製品、缶入り糖蜜(can molasses)、リン酸二カルシウム、リン酸モノカルシウム、炭酸カルシウム、塩、サッカロミセス・セレビシエ、乾燥リケニホルミス菌抽出物、ビタミンAサプリメント、ビタミンD3サプリメント、ビタミンEサプリメント、ビタミンB12サプリメント、d-ビオチン、リボフラビンサプリメント、d-パントテン酸カルシウム、メナジオン重硫酸ナトリウム複合体、葉酸、一硝酸チアミン、塩化コリン、硫酸亜鉛、亜鉛アミノ酸複合体、硫酸マンガン、マンガンアミノ酸複合体、硫酸銅、銅アミノ酸複合体、エチレンジアミン・ジヒドリオダイド(ethylenediamine dihydriodide)、硫酸コバルト、グルコヘプトン酸コバルト、亜セレン酸ナトリウム、地衣類抽出物、および人工調味料。
【0031】
実施例3‐シカ科動物用の飲用水調合物
非滅菌
活性成分:図3に示すベース調合物パウダー、100%。
1パケットのベース調合物を混合する(水50ガロンに対してベース調合物5オンス)。
適応:
投与:30日ごとに5日間、シカ科動物用飲用水に添加して経口投与する。
使用法:ガラス製またはプラスチック製の容器内で半ガロンの水にパッケージ全体の内容物を混ぜ合わせる。撹拌して溶解させる。その濃縮溶液を泡が消えるまで静置する。溶液を飲水源に添加する。
残留物に関する警告:残留物に関する警告はない。
注意事項:
最良の結果を得るには、新鮮な水がある清浄な飲水源を用いること。
ヒト用ではない。
【0032】
実施例4‐スプレー製品
この実施例ではさまざまなスプレー洗浄剤調合物の安定性を試験する。
【0033】
後述の調合物に基づき、地衣類抽出物ベースのスプレー洗浄剤を作った。5%ラング調合物以外のすべての調合物は好ましい安定性を有することが見いだされた。良好なサンプルは、経時処理後、目に見える変化、匂いの変化、またはスプレー可能性の変化を示さなかった。
【0034】
(表2)先行研究による調合物
【0035】
表2に基づき、地衣類抽出物およびグリセロールを5、10、15、および20%として、レインディア地衣類およびラング地衣類抽出物のスプレー洗浄剤を作った。それぞれを300 gのバッチとして作った。各スプレー調合物をそれぞれ32オンスのスプレーボトルに入れた。スプレーボトルはラベル付けし、表面上に調合物をスプレーできる能力を試験するためにチェックした。図4に、調合物を含有するスプレーボトルを示す。スプレー試験後、安定性をチェックするためにスプレーボトルを安定性試験槽内に7日間置いた(40℃、湿度75%)。安定性試験槽は、設定された温度と湿度とに対するサンプルの安定性を試験するために、温度と湿度とに関して制御された環境を提供する。
【0036】
スプレーボトルを安定性試験槽内に置く前に約20 mLの各調合物を取り置いた。安定性試験の前に集めたサンプルとの目視比較を行うため、7日後に、約20 mLの各調合物を集めた。サンプルが依然として容易にスプレー可能であることを確認するために、各ボトルを再度スプレーした。
【0037】
図5(5%)、図6(10%)、図7(15%)、図8(20%)は、ラング地衣類調合物について、安定性試験の前と後とを示している。5%調合物は、試験後に、浮遊する粒子を有していた。これは不合格として分類される。10%、15%、20%のラング地衣類調合物は、試験後に、注目すべき差異を有していなかった。すべての調合物が安定性試験の前および後にスプレー可能であった。
【0038】
図9(5%)、図10(10%)、図11(15%)、図12(20%)は、レインディア地衣類スプレー調合物について、安定性試験の前と後とを示している。5%、10%、15%、および20%のレインディア地衣類調合物は、試験後に、注目すべき差異を有していなかった。すべての調合物が安定性試験の前および後にスプレー可能であった。すべてのスプレー調合物が安定性試験合格と考えられた。
【0039】
さまざまな態様を本明細書において詳しく描写および説明したが、当業者に明らかであろう点として、本開示の趣旨から逸脱することなくさまざまな改変、追加、および置換などが行われる可能性があり、したがってこれらは添付の特許請求の範囲において定義される本開示の範囲内に入るとみなされる。
図1
図2
図3
図4
図5
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【国際調査報告】