(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-10
(54)【発明の名称】防腐剤系およびそれを含む組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/368 20060101AFI20231002BHJP
A61K 8/46 20060101ALI20231002BHJP
A61Q 19/10 20060101ALI20231002BHJP
A61K 8/44 20060101ALI20231002BHJP
A61K 8/41 20060101ALI20231002BHJP
【FI】
A61K8/368
A61K8/46
A61Q19/10
A61K8/44
A61K8/41
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023512128
(86)(22)【出願日】2021-08-19
(85)【翻訳文提出日】2023-04-07
(86)【国際出願番号】 EP2021073005
(87)【国際公開番号】W WO2022038218
(87)【国際公開日】2022-02-24
(32)【優先日】2020-08-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521042714
【氏名又は名称】ユニリーバー・アイピー・ホールディングス・ベスローテン・ヴェンノーツハップ
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100172683
【氏名又は名称】綾 聡平
(74)【代理人】
【識別番号】100219265
【氏名又は名称】鈴木 崇大
(74)【代理人】
【識別番号】100203208
【氏名又は名称】小笠原 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】ミラー,ジェイミー・リン
(72)【発明者】
【氏名】リエンゾ,マシュー・ジョセフ
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA122
4C083AB032
4C083AB332
4C083AC122
4C083AC242
4C083AC302
4C083AC311
4C083AC312
4C083AC402
4C083AC471
4C083AC532
4C083AC551
4C083AC661
4C083AC662
4C083AC712
4C083AC791
4C083AC792
4C083AC841
4C083AC842
4C083AD242
4C083AD352
4C083BB48
4C083CC23
4C083DD23
4C083EE01
4C083EE11
(57)【要約】
本発明は、置換アミノ酸と、安息香酸および/またはその誘導体とを含む天然防腐剤系に関する。この防腐剤系は、そのような組成物が3.5~8.2の範囲のpHを有するように製剤化されている場合であっても、最終用途組成物に対して優れた抗菌利益および色安定性を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
5.2~7.8のpHを有し、イセチオネートを含む洗浄組成物のための防腐剤系であって、
(a)置換アミノ酸を含む第1の成分;および
(b)安息香酸、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、アミノ安息香酸またはそれらの混合物を含む第2の成分、
を含み、
前記第1の成分と第2の成分とは、1:4~4:1の重量比で存在し、前記組成物はデヒドロ酢酸ナトリウムを含んでいてもよく、存在する場合、デヒドロ酢酸ナトリウムおよび前記第2の成分が、前記デヒドロ酢酸ナトリウムが前記防腐剤系中のデヒドロ酢酸ナトリウムと第2の成分との総重量に基づいて5重量%未満、好ましくは3重量%未満、最も好ましくは2重量%未満を構成する量で存在し、前記第1の成分および第2の成分に加えて前記洗浄組成物中に防腐剤が存在しない防腐剤系。
【請求項2】
5.2~7.8のpHを有し、イセチオネートを含む洗浄組成物のための防腐剤系であって、
(a)デカノイルグリシン、N-カプリロイルグリシン、N-ウンデシレノイルグリシン、N-ウンデシレノイルフェニルアラニンまたはそれらの混合物を含む置換アミノ酸を含む第1の成分;
(b)安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、アミノ安息香酸またはそれらの混合物を含む第2の成分、
を含み、
前記第1の成分と第2の成分とが、1:4~4:1の重量比であり、前記組成物がデヒドロ酢酸ナトリウムを実質的に含まず、前記第1の成分および第2の成分に加えて前記洗浄組成物中に防腐剤が存在しない防腐剤系。
【請求項3】
防腐剤系を含み、イセチオネートを含み、局所適用される5.2~7.8のpHを有する洗浄組成物であって、
前記防腐剤系が、
(a)置換アミノ酸を含む第1の成分;および
(b)安息香酸および/またはその誘導体を含む第2の成分、
を含み、
前記第1の成分と第2の成分とが、1:4~4:1の重量比で存在し、前記組成物はデヒドロ酢酸ナトリウムを含んでいてもよく、存在する場合、デヒドロ酢酸ナトリウムおよび前記第2の成分が、前記デヒドロ酢酸ナトリウムが前記防腐剤系中のデヒドロ酢酸ナトリウムと第2の成分との総重量に基づいて5重量%未満、好ましくは3重量%未満、最も好ましくは2重量%未満を構成する量で存在し、30~82重量%の水を含み、前記第1の成分および第2の成分に加えてその中に防腐剤が存在しない洗浄組成物。
【請求項4】
0.125重量%未満のデヒドロ酢酸ナトリウムを含み、40~80重量%の水を含む、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記第1の成分がデカノイルグリシン、N-カプリロイルグリシン、N-ウンデシレノイルグリシン、N-ウンデシレノイルフェニルアラニンまたはそれらの混合物であり、前記第2の成分が安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、アミノ安息香酸またはそれらの混合物であり、4.5~8のpHを有する、請求項3または4に記載の組成物。
【請求項6】
6~7.7、好ましくは6.4~7.1のpHを有する、請求項3~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記第1の成分がN-カプリロイルグリシンもしくはウンデシレノイルグリシンまたはそれらの混合物であり、前記第2の成分が安息香酸ナトリウムである、請求項3~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
ベビーウォッシュである、請求項3~7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記第1および第2の成分が、組成物の0.2~4重量%の総重量で前記組成物中に存在し、pHが5.2~7.8である、請求項3から8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
カンナビゲロールおよび/またはカンナビジオールをさらに含む、請求項3~9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
40~85重量%の水、および6.2~7.5のpHを有する、請求項3~10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記第1の成分が、ウンデシレノイルフェニルアラニンおよびカプリロイルグリシンを2:1~1:2、好ましくは1.5:1~1:1.5の重量比で含む、請求項3から11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
前記第1の成分がウンデシレノイルフェニルアラニンを含み、6.4~7.1、好ましくは6.5~7.1、最も好ましくは6.6~7.1のpHを有し、水が30~85重量%を構成する、請求項3~12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
皮膚を、請求項3~13のいずれか一項に記載の組成物と接触させることによって皮膚を処置する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防腐剤系およびそれを含む組成物に関する。より詳細には、本発明は、安息香酸および/またはその誘導体と組み合わせて置換アミノ酸を含む防腐剤系に関する。本発明の防腐剤系は、驚くべきことに、そのような組成物が3.5~8.2の範囲のpHを有するように製剤化されている場合であっても、最終用途組成物に対して優れた抗菌利益を提供する。さらに、そのような系は、予想外にも、デヒドロ酢酸ナトリウムを実質的に含まない組成物に製剤化された場合、優れた抗菌利益ならびに優れた色安定性を提供する。
【背景技術】
【0002】
DMDMヒダントイン、パラベン、メチルイソチアゾリノンならびにメチルクロロイソチアゾリノンは、消費者製品中に見られる一般的に使用される防腐剤である。このような防腐剤は、長年にわたって安全に使用されており、特定の最終用途組成物の完全性および安定性を維持するのによく働くことが知られている。消費者製品における使用に適した別の防腐剤は、安息香酸ナトリウムである。しかしながら、安息香酸ナトリウムは、一般に安全であると見なされているが、酸性pH範囲内の組成物での使用が良いことが周知である。それにもかかわらず、新しい防腐剤系、特に、広範囲のpH値で製剤化された全範囲の消費者製品にわたって良好に機能するのに適した天然由来成分を含み得る系を開発することが望まれている。天然由来のものを含む防腐剤系は、製品の保存に有効であり、皮膚感作性ではなく、消費者製品、特に局所適用される消費者製品の感覚特性に悪影響を及ぼさないべきである。それらはまた、それらが添加される製品に色の変化などの負の組成特性を誘発してはならない。
【0003】
優れた抗菌利益をもたらすことに加えて、防腐剤系は、環境に有害であってはならず、最も脆弱な消費者である乳児に使用するのに十分に穏やかであるべきである。
【0004】
したがって、本発明は、天然由来成分を含むことができ、広範囲のpH値で製剤化された組成物における使用に適した防腐剤系に関する。防腐剤系は、置換アミノ酸と、安息香酸および/またはその誘導体とを含む。本発明の防腐剤系は、驚くべきことに、そのような組成物が3.5~8.2の範囲のpHを有するように製剤化されている場合であっても、最終用途組成物に対して優れた抗菌利益を提供する。さらに、そのような系は、予想外にも、最終用途組成物の色および臭いに悪影響を与えず、デヒドロ酢酸ナトリウムを実質的に含まない組成物に製剤化された場合、優れた抗菌利益を提供する。
【0005】
追加情報
防腐剤系を作製するための取り組みが開示されている。米国特許出願公開第2012/0190744A1号明細書には、化粧品製剤のための防腐剤系が記載されている。
【0006】
防腐剤系を作製するためのさらに別の取り組みが開示されている。米国特許出願第A1号には、非毒性防腐剤組成物が記載されている。
【0007】
相乗的混合物を作製するためのさらに他の取り組みも開示されている。米国特許第7,582,681B2号には、1,2-アルカンジオールを含む抗菌活性化合物が記載されている。
【0008】
上記の追加情報のいずれも、本発明において特許請求されるような系を有する防腐剤系および最終用途組成物を記載していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許出願公開第2012/0190744A1号明細書
【特許文献2】米国特許出願第A1号明細書
【特許文献3】米国特許第7,582,681B2号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
第1の態様では、本発明は、
(a)置換アミノ酸を含む第1の成分;および
(b)安息香酸および/またはその誘導体を含む第2の成分、
を含み、
第1の成分と第2の成分とは、1:4~4:1の重量比で存在し、組成物はデヒドロ酢酸ナトリウムを含んでいてもよく、存在する場合、デヒドロ酢酸ナトリウムおよび第2の成分は、デヒドロ酢酸ナトリウムが防腐剤系中のデヒドロ酢酸ナトリウムと第2の成分との総重量の5重量%未満(好ましくは3重量%未満、最も好ましくは2重量%未満)を構成する量で存在する、防腐剤系に関する。
【0011】
第2の態様では、本発明は、
(a)C6-C20脂肪族または脂環式置換アミノ酸を含む第1の成分;および
(b)安息香酸および/またはその誘導体を含む第2の成分、
を含み、組成物がデヒドロ酢酸塩を実質的に含まない防腐剤系に関する。
【0012】
第3の態様では、本発明は、
(a)デカノイルグリシン、N-カプリロイルグリシン、N-ウンデシレノイルグリシン、N-ウンデシレノイルフェニルアラニンまたはそれらの混合物を含む置換アミノ酸を含む第1の成分;
(b)安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、アミノ安息香酸またはそれらの混合物を含む第2の成分、
を含み、
第1の成分と第2の成分とは、1:4~4:1の重量比であり、組成物がデヒドロ酢酸ナトリウムを実質的に含まない防腐剤系に関する。
【0013】
第4の態様において、本発明は、本発明の第1、第2および/または第3の態様の防腐剤組成物を含む、局所適用されるかまたは経口摂取される、3.5~8.2の範囲のpHを有する製品である最終用途組成物に関する。
【0014】
第5の態様において、本発明は、最終用途組成物を保存する方法であって、30重量%~82重量%の水を含む最終用途組成物中に、本発明の第1、第2および/または第3の態様の防腐剤組成物を含める工程を含む方法に関する。
【0015】
第6の態様では、本発明は、皮膚を本発明の第5の態様の最終用途組成物と化粧品として接触させることによって皮膚を処置する方法に関する。
【0016】
第7の態様において、本発明は、最終用途組成物の色、香りおよび微生物学的安定性を保存するための、本発明の第1または第2の態様の防腐剤系の使用に関する。
【0017】
本発明のすべての他の態様は、以下の説明および実施例からより容易に明らかになると思われる。
【0018】
本明細書で使用する皮膚とは、腕(脇の下を含む)、顔、足、首、胸、手、脚、臀部および頭皮(毛髪を含む)の皮膚を含むことを意味する。本明細書で使用される系は、置換アミノ酸と安息香酸および/またはその誘導体との混合物を含む組成物または配合物を意味する。置換アミノ酸は、炭化水素/脂質置換アミノ酸を含む。最終用途組成物は、クリーム、ローション、バーム、セラム、ゲル、ムース、エアロゾル、デオドラント、制汗剤、シャンプー、コンディショナー、メークアップまたはバーおよび液体を含むパーソナルウォッシュなどの局所適用の即時使用組成物を含むことを意味する。そのような最終用途組成物はまた、食品または飲料組成物、医薬組成物(すなわち、医薬目的のための薬物組成物)、経口サプリメントまたはホームケア組成物、例えば硬質表面洗浄剤または洗濯洗剤組成物であり得る。一実施形態では、最終用途組成物は、非治療的および美容的目的(例えば、汚れおよび/または臭いの原因の細菌を除去するため)のための液体パーソナルウォッシュ組成物、最も好ましくは非治療的および美容的液体ボディウォッシュである。別の実施形態では、最終用途組成物はシャンプー組成物である。以下に記載されるように、本発明の最終用途組成物は、皮膚軟化剤、ビタミンおよび/またはその誘導体、レゾルシノール、レチノイン酸前駆体、着色剤、モイズチャライザー、日焼け止め剤、それらの混合物などの、添加された皮膚有益成分を含んでいてもよい。皮膚有益成分は、水溶性であっても、または油溶性であってもよい。したがって、最終用途組成物は、3.5~8.2のpHを有する水性系組成物であり、該組成物は水連続性または油連続性であり得るが、好ましくは水連続性である。本明細書で使用される粘度は、ブルックフィールドヘリパスTDを用いて、4rpmにおいて25℃の温度で1分間測定される。さらに別の実施形態では、本発明の最終用途組成物は、リーブオンスキンローションまたはクリームである非治療用の化粧品組成物である。特に明記がない限り、本明細書に記載されるすべての範囲は、その中に包含されるすべての範囲を含むことを意味する。本明細書で使用される場合、実質的に含まないとは、0.0125重量%未満を意味する。色安定性は、白から茶色への色の変化など、ネガティブで識別可能な色の変化がないことを意味する。抗菌利益とは、米国薬局方(USP)の一般第51章に記載されているように、少なくとも14日間で2のlog殺滅を意味し、14日間で2未満のlog殺滅は許容不能であり、失敗となる。用語「含む」は、用語「本質的にからなる」および「からなる」を包含することを意味する。誤解を避けるために、および説明のために、油、水、安息香酸ナトリウムおよび置換アミンを含む本発明の最終用途組成物は、本質的にそれからなる組成物およびそれからなる組成物を含むことを意味する。比較実施例を除いて、または他に明示されている場合を除いて、材料または条件の量または比、ならびに/あるいは材料および/または使用の物理的特性を示すこの説明におけるすべての数字は、「約」という用語によって修飾されると理解されるべきである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の防腐剤系に関して、第1および第2の成分は、多くの場合、その中に包含されるすべての重量比を含めて、1:4~4:1の重量比である。本発明の一実施形態では、第1および第2の成分の重量比は、その中に包含されるすべての重量比を含めて、1:3~3:1であり、さらに別の実施形態では、第1の成分対第2の成分の重量比は1:2~2:1である。
【0020】
本発明の最終用途組成物に関して、第1および第2の成分の総重量は、その中に包含されるすべての範囲を含めて、最終用途組成物の総重量の0.2~4重量%である。本発明の一実施形態では、第1および第2の成分の総重量は、最終用途組成物の総重量の0.4~3重量%であり、さらに別の実施形態では0.5~2重量%である。さらに別の実施形態では、最終用途組成物中の第1および第2の成分の総重量は、最終用途組成物の総重量の0.6~1.2重量%である。
【0021】
第1の成分は置換アミノ酸を含む。多くの場合また好ましくは、置換アミノ酸は、C6-C20、好ましくはC7-C18、最も好ましくはC8-C12脂肪族または脂環式置換アミノ酸を含む。本発明の一実施形態では、第1の成分は、特定された置換アミノ酸(すなわち、デカノイルグリシン、N-カプリロイルグリシン、N-ウンデシレノイルグリシンおよび/またはN-ウンデシレノイルフェニルアラニン)の1~3つを含む。本発明の別の実施形態では、第1の成分は、特定された置換アミノ酸の1~2つを含む。本発明のさらに別の実施形態では、N-カプリロイルグリシンもしくはウンデシレノイルグリシンまたはその両方が本発明の第1の成分中に存在する。本発明のさらに別の実施形態では、第1の成分は、N-カプリロイルグリシンもしくはウンデシレノイルグリシン、またはその中に包含されるすべての重量比を含めて、1:5~5:1、好ましくは3:1~1:3、最も好ましくは2:1~1:2(さらに好ましくは1:1.5~1.5:1)の重量比のそれらの混合物である。さらに別の実施形態では、第1の成分はウンデシレノイルフェニルアラニンである。
【0022】
第2の成分に関して、それは安息香酸および/またはその誘導体を含む。本発明の一実施形態では、第2の成分は、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、アミノ安息香酸またはそれらの混合物などの安息香酸誘導体を含む。本発明の別の実施形態では、第2の成分は、安息香酸ナトリウムもしくは安息香酸カリウム、またはその中に包含されるすべての重量比を含めて1:5~5:1、好ましくは3:1~1:3、最も好ましくは2:1~1:2の重量比でその両方を含む。さらに別の実施形態では、第2の成分は、安息香酸ナトリウムもしくは安息香酸カリウムまたはそれらの混合物である。アミノ安息香酸に関して、使用に適した好ましいアミノ安息香酸には、p-アミノ安息香酸ナトリウムもしくはカリウムまたはそれらの混合物が含まれる。
【0023】
デヒドロ酢酸ナトリウムは、本発明における使用のために任意選択であり、使用される場合、典型的には、本発明の防腐剤系を有する最終用途組成物の0.0125重量%未満を構成する。したがって、本発明の防腐剤組成物を使用する最終用途組成物は、デヒドロ酢酸ナトリウムを実質的に含まない。本発明の一実施形態では、デヒドロ酢酸ナトリウムが最終用途組成物の0.0001%~0.075重量%未満で存在する。さらに別の実施形態では、防腐剤系および最終用途組成物は、デヒドロ酢酸ナトリウムを含まない(すなわち、0.0重量%)。
【0024】
本発明のさらに別の実施形態では、最終用途組成物は、30~82重量%の水、好ましくは40~80重量%の水、最も好ましくは45~78重量%の水を含む。本発明のさらに別の実施形態では、最終用途組成物は、50~77重量%の水、好ましくは52~76重量%の水、最も好ましくは53~75重量%の水を含む。本発明のさらに別の実施形態では、防腐剤系中の第1の成分の総重量と第2の成分の総重量とは等しくなく、防腐剤系中の第1の成分の総重量は、多くの場合防腐剤系中の第2の成分の重量の55~80%、好ましくは58~75%、最も好ましくは60~70%である。
【0025】
最終用途組成物としては、茶飲料、スポーツ系飲料などの飲料であり得る。茶飲料には、カメリア・シネンシス変種シネンシス(Camellia sinensis var.sinensis)またはカメリア・シネンシス変種アッサミカ(Camellia sinensis var.assamica)植物などの茶植物から調製されるものが含まれる。さらに茶飲料には、アスパラサス・リネアリス(Aspalathus linearis)植物から得られるルイボス茶飲料が含まれる。茶飲料は、摘まんだばかりの茶葉から得られる飲料、および紅茶、ウーロン茶、緑茶またはそれらの混合物として分類されるものを含む乾燥茶から得られる飲料を含むことが意図されている。
【0026】
スポーツ系飲料は、炭酸飲料(飲料のpHが3.5以上である限り)であってもよく、ビタミン、野菜抽出物、人工および天然の両方の甘味料、ならびにカフェインを含むことができる。
【0027】
ホームケア組成物は、テーブルトップ、トイレおよび窓洗浄剤を含む硬質表面洗浄剤ならびに洗濯洗剤であり得る。そのような組成物は、従来の水性系である。表面を洗浄および消毒する組成物は、多くの場合、洗浄対象の表面上に注入、噴出または噴霧される、界面活性剤を含む溶液を含む。溶液を従来の増粘剤で増粘して、溶液が表面からあまりに急速に流出されるのを防ぐことができる。特に、トイレ洗浄目的のためには、多くの場合それらは、容器を圧迫することによって表面に送達され得るように、噴出口が設けられた容器に包装される。そのような噴出口は、消費者に優しい方法で製品の排出を可能にするように容器に取り付けられる。
【0028】
本発明の防腐剤系を含む最終用途組成物として適した洗濯洗剤は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、またはその両方からなる界面活性剤系を含有することができ、さらに洗浄力増強剤、汚れ除去ポリマー(例えば、水分散性スルホン化ポリエステル)、芳香剤および水を含有していてもよい。
【0029】
本発明の一実施形態では、最終用途組成物はエマルジョンであり、身体に局所適用され、皮膚、頭皮、爪および/または毛髪に残るものである。
【0030】
局所適用される最終用途組成物(例えば、リーブオン組成物)に使用される油は、それが室温で液体であり、局所組成物での使用に適しているという程度にだけ制限される。
【0031】
使用に適した油の例示的な例としては、シリコーン油が挙げられる。シリコーン油は、揮発性および不揮発性の種類に分類することができる。本明細書で使用する「揮発性」という用語は、周囲温度において測定可能な蒸気圧を有する材料を指す。揮発性シリコーン油は、好ましくは、3~9個、好ましくは4~5個のケイ素原子を含む環状または直鎖状のポリジメチルシロキサンから選択される。本発明において有用な不揮発性シリコーン油としては、ポリアルキルシロキサン、ポリアルキルアリール5シロキサンおよびポリエーテルシロキサンコポリマーが挙げられる。本明細書で有用なこのような本質的に不揮発性のポリアルキルシロキサンとしては、例えば25℃において5~約100,000センチストークスの粘度を有するポリジメチルシロキサン(ジメチコンなど)が挙げられる。多くの場合好ましいシリコーン源は、シクロペンタシロキサンおよびジメチコン溶液である。
【0032】
本発明の防腐剤系を含む最終用途組成物のための適切なエステルとしては、(1)10~20個の炭素原子を有する脂肪酸のアルケニルまたはアルキルエステル、例えば、パルミチン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソプロピル、イソノナン酸イソノニル(isononyl isonanonoate)、ミリスチン酸オレイル、ミリスチン酸イソプロピル、ステアリン酸オレイルおよびオレイン酸オレイル;(2)エーテル-エステル、例えば、エトキシル化脂肪族アルコールの脂肪酸エステル;(3)多価アルコールエステル、例えば、エチレングリコールモノおよびジ脂肪酸エステル、ジエチレングリコールモノおよびジ脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール(200-6000)モノおよびジ脂肪酸エステル、プロピレングリコールモノおよびジ脂肪酸エステル、ポリプロピレングリコール2000モノオレート、ポリプロピレングリコール2000モノステアレート、エトキシル化プロピレングリコールモノステアレート、グリセリルモノ-およびジ脂肪酸エステル、ポリグリセロールポリ-脂肪酸エステル、エトキシル化グリセリルモノステアレート、1,3-ブチレングリコールモノステアレート、1,3-ブチレングリコールジステアレート、ポリオキシエチレンポリオール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、およびポリオキシ-エチレンソルビタン脂肪酸エステル;(4)ステロールエステル、例えば、大豆ステロールおよびコレステロールの脂肪酸エステルがそれらの例として挙げられる。これらの混合物も同様に使用に適している。
【0033】
使用され得るさらに他の油としては、大豆油(水添大豆油を含む)、ヒマワリ油、ヤシ油、パーム核油、ヒマシ油、ナタネ油、パーム油、ブドウ種子油、シアバター、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、ベニバナ油、魚油またはそれらの混合物のようなトリグリセリド(動物および/または植物)が挙げられる。
【0034】
使用に適したさらに他の油としては、鉱油、ホホバ油、イソパラフィン、C12-C15アルキルベンゾエート、ポリアルファオレフィン、イソヘキサデカン、ワセリン、それらの混合物(上記の油を含む)などが挙げられる。多くの場合、大豆油およびヒマワリ油が好ましいトリグリセリドである。カプリル酸/カプリン酸トリグリセリドは、最終用途組成物に含める別の好ましい油である。
【0035】
油連続性最終用途組成物に関して、乳化剤の使用が適切であり、乳化剤は通常、その中に包含されるすべての範囲を含めて2.5~7.5、好ましくは3~6.5、最も好ましくは3~6のHLBを有する。水連続性最終用途組成物に関して、使用に適した乳化剤は通常、その中に包含されるすべての範囲を含めて7.5超~18、好ましくは8~15、最も好ましくは8~12のHLBを有する。そのような乳化剤は、最終用途組成物が例えばリーブオンローションまたはクリームである場合に好ましい。
【0036】
このような油連続性エマルジョンでの使用に適した乳化剤の種類の実例は、イソステアリン酸プロピレングリコール、ステアリン酸グリコールセスキオレイン酸ソルビタン、レシチン、オレス-2、ステアレス-2、セテス-2ステアリン酸グリセリル、ジポリヒドロキシステアリン酸PEG-30である。使用に適したさらに他の乳化剤としては、ジステアリン酸グリコール、オレイン酸グリセリル、モノオレイン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、ラウリルPEG-10、(トリメチルシロキシ)シリルエチルジメチコン(Dow Corning(登録商標)ES-5300)またはそれらの混合物が挙げられる。水連続性組成物の場合、使用に適した例示的な乳化剤としては、ラウリン酸ソルビタン、ポリソルベート20、ポリソルベート85、オレス-10、セテス10、レシチン、ペグ-7オリベート(peg-7 olivate)、ジオレイン酸PEG-8、Tween 40、60、80またはそれらの混合物が挙げられる。
【0037】
乳化剤は、典型的には、最終用途組成物の0.3~10重量%、好ましくは2.5~8重量%、最も好ましくは3.5~7.5重量%を構成する。
【0038】
本発明の一実施形態では、最終用途組成物は、乳児に使用しても十分安全で穏やかな液体ボディウォッシュを含む洗浄剤である。そのようなボディウォッシュは、硫酸塩を含んでも含まなくてもよい従来の界面活性剤系を含むものである。ボディウォッシュは、界面活性剤として、石鹸および/または合成洗剤を含むことができる。
【0039】
洗浄組成物に使用され得るアニオン性界面活性剤としては、脂肪族スルホネート、例えば第一級アルカン(例えば、C8-C22)スルホネート、第一級アルカン(例えば、C8-C22)ジスルホネート、C8-C22アルケンスルホネート、C8-C22ヒドロキシアルカンスルホネートまたはアルキルグリセリルエーテルスルホネート(AGS);またはアルキルベンゼンスルホネートなどの芳香族スルホネートを挙げることができる。アニオン性はまた、アルキル硫酸塩(例えば、C12-C18アルキル硫酸塩)またはアルキルエーテル硫酸塩(アルキルグリセリルエーテル硫酸塩を含む)であってもよい。好ましいアルキルエーテル硫酸塩は、式:
RO(CH2CH2O)nSO3M;
(式中、Rは8~18個の炭素、好ましくは12~18の炭素を有するアルキルまたはアルケニルであり、nは、少なくとも1.0、好ましくは5未満、最も好ましくは1~4の平均値を有し、Mはナトリウム、カリウム、アンモニウムまたは置換アンモニウムなどの可溶化カチオンである)
を有するものである。
【0040】
アニオン性はまた、アルキルスルホサクシネート(モノ-およびジアルキル、例えばC6-C22スルホサクシネートを含む);アルキルおよびアシルタウレート(多くの場合、メチルタウレート)、アルキルおよびアシルサルコシネート、スルホアセテート、C8-C22アルキルホスフェートおよびホスホネート、アルキルホスフェートエステルおよびアルコキシルアルキルホスフェートエステル、アシルラクテート、C8-C22モノアルキルサクシネートおよびマレエート、スルホアセテート、アルキルグルコシドおよびアシルイセチオネートなどであってもよい。
【0041】
スルホサクシネートは、式:
R1O2CCH2CH(SO3M)CO2M;
を有するモノアルキルスルホサクシネートおよび式:
R1CONHCH2CH2O2CCH2CH(SO3M)CO2Mのアミド-MEAスルホサクシネート(式中、R1はC8-C22アルキルの範囲である)
であってもよい。
【0042】
サルコシネートは、一般に、式:
R2CON(CH3)CH2CO2M(式中、R2はC8-C20アルキルの範囲である)によって示される。
【0043】
タウレートは、一般に、式:
R3CONR4CH2CH2SO3M
(式中、R3はC8-C20アルキルであり、R4はC1-C4アルキルである)によって特定される。
【0044】
Mは、前述のように可溶化カチオンである。
【0045】
最終用途洗浄組成物は、C8-C18アシルイセチオネートを含有し得る。これらのエステルは、アルカリ金属イセチオネートと、6~18個の炭素原子および20未満のヨウ素価を有する混合脂肪族脂肪酸との反応によって調製される。混合脂肪酸の少なくとも75%は12~18個の炭素原子を有し、最大25%は6~10個の炭素原子を有する。
【0046】
アシルイセチオネートは、「Fatty Acid Esters of Polyalkoxylated isethonic acid」と題された、Ilardiらの米国特許第5,393,466号;1995年2月28日発行に記載されたようなアルコキシル化イセチオネートであり得、当該特許は参照により本明細書に組み込まれる。この化合物は、一般式:
R5C-(O)-O-C(X)H-C(Y)H-(OCH2-CH2)m-SO3M
(式中、R5は8~18個の炭素を有するアルキル基であり、mは1~4の整数であり、XおよびYはそれぞれ独立して水素または1~4個の炭素を有するアルキル基であり、Mは前述の可溶化カチオンである)
を有する。
【0047】
本発明の一実施形態では、使用されるアニオン性界面活性剤は、ラウロイルグリシン酸ナトリウム、ココイルグリシン酸ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ココイルグルタミン酸ナトリウム、ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイルメチルタウリン酸ナトリウム、ココイルメチルタウリン酸ナトリウムまたはそれらの混合物である。このようなアニオン性界面活性剤は、Galaxy Surfactants、Clariant、Sino LionおよびInnospecなどの供給業者から市販されている。
【0048】
洗浄組成物での使用に適した両性界面活性剤(pHに応じて双性イオン性であり得る)としては、アシルアンホ酢酸ナトリウム、アシルアンホプロピオン酸ナトリウム、アシルアンホ二酢酸二ナトリウムおよびアシルアンホ二プロピオン酸二ナトリウムが挙げられ、アシル(すなわち、アルカノイル基)はC7-C18アルキル部分を含み得る。使用に適した両性界面活性剤の実例としては、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、ココアンホ酢酸ナトリウム、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、ココアンホ酢酸ナトリウムおよびそれらの混合物が挙げられる。
【0049】
洗浄組成物に使用され得る双性イオン界面活性剤に関して、そのような界面活性剤は、少なくとも1つの酸基を含む。このような酸基は、カルボン酸基またはスルホン酸基であってもよい。それらは、多くの場合第四級窒素を含み、したがって、第四級アミノ酸であり得る。それらは、一般に全体的な構造式:
R6--[--C(O)--NH(CH2)q--]r--N+--(R7--)(R8)A--B(式中、R6は、7~18個の炭素原子のアルキルまたはアルケニルであり;R7およびR8はそれぞれ独立して、1~3個の炭素原子のアルキル、ヒドロキシアルキルまたはカルボキシアルキルであり;qは2~4であり;rは0~1であり;Aは、ヒドロキシルで置換されていてもよい1~3個の炭素原子のアルキレンであり、およびBは、--CO2--または--SO3--である)に従う7~18個の炭素原子のアルキルまたはアルケニル基を含むべきである。
【0050】
本発明での使用に適した上記一般式内の双性イオン界面活性剤には、式:
R6--N+--(R7)(R8)CH2CO2
-
の単純ベタインおよび式:
R6--CONH(CH2)t--N+--(R7)(R8)CH2CO2
-(式中、tは2または3である)のアミドベタインが含まれる。
【0051】
両方の式において、R6、R7およびR8は先に定義した通りである。R6は、特に、基R6の少なくとも半分、好ましくは少なくとも4分の3が10~14個の炭素原子を有するような、ヤシ油由来のC12およびC14アルキル基の混合物であり得る。R7およびR8は、好ましくはメチルである。
【0052】
さらなる可能性は、双性イオン界面活性剤が式:
R6--N+--(R7)(R8)(CH2)3SO3
-
または
R6--CONH(CH2)u--N+--(R7)(R8)(CH2)3SO3
-
(式中、uは2もしくは3である)のスルホベタインであるか、または--(CH2)3SO3
-が--CH2C(OH)(H)CH2SO3
-で置き換えられたこれらの変異体であることである。
【0053】
これらの式において、R6、R7およびR8は先に定義した通りである。
【0054】
使用に適した双性イオン界面活性剤の実例としては、ココジメチルカルボキシメチルベタイン、ココアミドプロピルベタインおよびラウリルアミドプロピルベタインなどのベタインが挙げられる。使用に適した追加の双性イオン界面活性剤としては、ココアミドプロピルスルタインが挙げられる。このような界面活性剤は、Stepan Companyのような供給業者から製造販売されており、上述の界面活性剤の混合物を使用することは本発明の範囲内である。
【0055】
非イオン性界面活性剤もまた、本発明の最終用途組成物中に使用することができる。使用される場合、非イオン性界面活性剤は、典型的には、0.5、1、1.5または2重量%という低いレベルおよび6、8、10または12重量%という高いレベルで使用される。使用され得る非イオン性物質としては、特に、疎水性基および反応性水素原子を有する化合物、例えば脂肪族アルコール、酸、アミドまたはアルキルフェノールと、アルキレンオキシド、特にエチレンオキシド単独またはプロピレンオキシド一緒との反応生成物が挙げられる。具体的な非イオン性界面活性剤化合物は、アルキル(C6-C22)フェノールエチレンオキシド縮合物、脂肪族(C8-C18)第一級または第二級直鎖または分枝アルコールとエチレンオキシドとの縮合生成物、およびエチレンオキシドと、プロピレンオキシドおよびエチレンジアミンの反応生成物との縮合によって製造される生成物である。他の非イオン性界面活性剤としては、長鎖第三級アミンオキシド、長鎖第三級ホスフィンオキシド、ジアルキルスルホキシドなどが挙げられる。
【0056】
本発明の一実施形態では、非イオン性界面活性剤は、以下の構造a)HOCH2(CH2)s(CH2CH2O)v Hまたはb)HOOC(CH2)c(CH2CH2O)d H(式中、sおよびvはそれぞれ独立して、最大18の整数であり;cおよびdはそれぞれ独立して、1以上の整数である)を有する脂肪酸/アルコールエトキシレートを含む。本発明の一実施形態では、sおよびvはそれぞれ独立して6~18であり;cおよびdはそれぞれ独立して1~30である。非イオン性界面活性剤の他の選択肢としては、式HOOC(CH2)i-CH=CH--(CH2)k(CH2CH2O)z H(式中、i、kはそれぞれ独立して5~15であり;zは5~50である)を有するものが挙げられる。本発明の別の実施形態では、iおよびkはそれぞれ独立して6~12であり;zは15~35である。
【0057】
非イオン性物質は、多糖アミドなどの糖アミドも含み得る。具体的には、この界面活性剤は、参照により本発明に組み込まれる1995年2月14日発行の「Compositions Comprising Nonionic Glycolipid Surfactants、と題されたAuらによる米国特許第5,389,279号に記載のラクトビオンアミドのうちの1つであり得、または参照により本出願に組み込まれる1991年4月23日発行の「Use of N-Poly Hydroxyalkyl Fatty Acid Amides as Thickening Agents for Liquid Aqueous Surfactant Systems」と題されたKelkenbergによる米国特許第5,009,814号に記載の糖アミドのうちの1つであり得る。
【0058】
本発明の一実施形態では、カチオン性界面活性剤を最終用途洗浄組成物に使用することができる。
【0059】
カチオン性界面活性剤の1つのクラスには、セチルまたはステアリルピリジニウムクロリド、アルキルアミドエチルピリリノジウム(pyrrylinodium)メチルサルフェート、およびラピリウムクロリドなどの複素環アンモニウム塩が含まれる。
【0060】
テトラアルキルアンモニウム塩は、使用に適した別の有用なクラスのカチオン性界面活性剤である。例としては、セチルまたはステアリルトリメチルアンモニウムクロリドまたはブロミド;水素化パームまたはタロウトリメチルアンモニウムハライド;ベヘニルトリメチルアンモニウムハライドまたはメチルサルフェート;デシルイソノニルジメチルアンモニウムハライド;ジタロウ(またはジステアリル)ジメチルアンモニウムハライド、およびベヘニルジメチルアンモニウムクロリドが挙げられる。
【0061】
使用され得るカチオン性界面活性剤のさらに他のタイプは、様々なエトキシル化第四級アミンおよびエステル第四級アンモニウム化合物(ester quat)である。例としては、PEG-5ステアリルアンモニウムラクテート(例えば、Clariant社製Genamin KSL)、PEG-2ココアンモニウムクロリド、PEG-15水素化タロウアンモニウムクロリド、PEG 15ステアリルアンモニウムクロリド、ジパルミトイルエチルメチルアンモニウムクロリド、ジパルミトイルヒドロキシエチルメチルサルフェートおよびステアリル(strearyl)アミドプロピルジメチルアミンラクテートが挙げられる。
【0062】
使用に適したさらに他の有用なカチオン性界面活性剤には、絹、小麦、およびケラチンタンパク質の第四級化加水分解物が含まれ、上述のカチオン性界面活性剤の混合物を使用することは本発明の範囲内である。
【0063】
使用される場合、カチオン性界面活性剤は、典型的には、最終用途組成物の1.0重量%以下を構成する。存在する場合、これらは典型的には、その中に包含されるすべての範囲を含めて、最終用途洗浄組成物の0.01~0.7重量%、より典型的には0.1~0.5重量%を構成する。
【0064】
本発明の一実施形態では、最終用途洗浄組成物は、ポリマー第四級アンモニウム化合物(その塩を含む)を実質的に含まなくてもよい。別の実施形態では、洗浄組成物は、0.1重量%未満のポリマー第四級アンモニウム化合物を含む。さらに別の実施形態では、洗浄組成物は、0.01重量%未満のポリマー第四級アンモニウム化合物を含む。さらに別の実施形態では、洗浄組成物は、ポリマー第四級アンモニウム化合物を含まない(すなわち、0.0%)。
【0065】
本発明のさらに別の実施形態では、水は、その中に包含されるすべての範囲を含めて、最終用途組成物の70~80重量%を構成する。
【0066】
本発明の一実施形態では、最終用途組成物(または水が存在する場合は防腐剤系)のpHは4.5~8.0である。本発明のさらに別の実施形態では、最終用途組成物のpHは5.2~7.8である。本発明のさらに別の実施形態では、組成物のpHは、その中に包含されるすべての範囲を含めて、6超~7.7、好ましくは6.2~7.5、最も好ましくは6.4~7.1である。別の実施形態では、最終用途組成物は、6.5~7.1のpHを有し、さらに別の実施形態では、6.6~7.1のpHを有する。
【0067】
本発明の防腐剤系および最終用途組成物のpHを調整するのに適した調整剤を使用することもできる。そのようなpH調整剤としては、トリエチルアミン、NaOH、KOH、H2SO4、HCl、C6H8O7(すなわち、クエン酸)またはそれらの混合物が挙げられる。pH調整剤は、防腐剤系(水が含まれる場合)および最終用途組成物の最終pHがそれぞれ独立して、その中に包含されるすべての範囲を含めて3.5~8.2になるような量で添加される。
【0068】
水相のpHは、Thermo Scientific(登録商標)から製造販売されているpH計などの従来の機器を使用して評価される。
【0069】
本発明での使用に適した任意選択の皮膚有益剤に関して、それは局所適用することができ、所望のpHで最終用途組成物中で適合性である程度にのみ限定される。
【0070】
そのような組成物の水部分に含めるのに適した有益剤の実例は、アルギニン、バリンまたはヒスチジンなどのアミノ酸のような酸である。使用に適した追加の水溶性有益剤としては、ビタミンB2、ナイアシンアミド(ビタミンB3)、ビタミンB6、ビタミンC、それらの混合物などが挙げられる。そのようなビタミンの水溶性誘導体も使用することができる。例えば、テトラヘキシルデカン酸アスコルビル(ascorbyl tetraisopalmitate)、リン酸アスコルビルマグネシウムおよびアスコルビルグリコシド(ascorbyl glycoside)などのビタミンC誘導体を、単独または互いに組み合わせて使用することができる。使用に適した他の水溶性有益剤としては、4-エチルレゾルシノール、セージ、アロエベラ、緑茶、ブドウ種子、タイム、カモミール、ノコギリソウ、キュウリ、カンゾウ、ローズマリー抽出物またはそれらの混合物のような抽出物が挙げられる。エンスリゾールのような水溶性日焼け止め剤も使用され得る。本発明の最終用途組成物中に存在する場合の任意選択の水溶性有益剤(混合物を含む)の総量は、最終用途組成物の総重量に基づいて、その中に包含されるすべての範囲を含めて0.0~10重量%、好ましくは0.001~8重量%、最も好ましくは0.01~6重量%の範囲であり得る。
【0071】
油(すなわち、非水)可溶性有益剤が含まれていてもよいことも本発明の範囲内である。このような油溶性有益剤に関する唯一の制限は、それらが局所適用された場合に皮膚に利益を提供するのに適していることである。
【0072】
本発明の最終用途組成物に任意に使用されていてもよい油溶性有益剤のタイプの実例としては、ステアリン酸、ビタミンA、D、EおよびKのようなビタミン(およびそれらの油溶性誘導体)、エチルヘキシルメトキシシンナメート、ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェノールトリアジン、2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3-ジフェニル-2-プロパン酸、ドロメトリゾールトリシロキサン、3,3,5-トリメチルシクロヘキシル2-ヒドロキシベンゾエート、2-エチルヘキシル-2-ヒドロキシベンゾエートまたはそれらの混合物のような日焼け止め剤が挙げられる。
【0073】
使用に適した他の任意選択の油溶性有益剤としては、4-ヘキシルレゾルシノール、4-フェニルエチルレゾルシノール、4-シクロペンチルレゾルシノール、4-シクロヘキシルレゾルシノール4-イソプロピルレゾルシノールまたはそれらの混合物のようなレゾルシノールが挙げられる。また、4-シクロヘキシル-5-メチルベンゼン-1,3-ジオール、4-イソプロピル-5-メチルベンゼン-1,3-ジオール、これらの混合物などの5-置換レゾルシノールを使用してもよい。5-置換レゾルシノールおよびそれらの合成は、同一出願人による米国特許出願公開第2016/0000669A1号に記載されている。
【0074】
使用に適したさらに他の油溶性活性物質としては、オメガ-3脂肪酸、オメガ-6脂肪酸、クリンバゾール、ファルネソール、ウルソール酸、ミリスチン酸、ゲラニルゲラニオール、オレイルベタイン、ココイルヒドロキシエチルイミダゾリン、ヘキサノイルスフィンゴシン、12-ヒドロキシステアリン酸、ペトロセリン酸、共役リノール酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、テルピネオール、それらのチモール混合物などが挙げられる。
【0075】
本発明の一実施形態では、使用される任意選択の油溶性有益剤はレチノイン酸前駆体である。好ましくは、レチノイン酸前駆体は、レチノール、レチナール、プロピオン酸レチニル、パルミチン酸レチニル、酢酸レチニルまたはそれらの混合物である。典型的には、プロピオン酸レチニル、パルミチン酸レチニルおよびそれらの混合物がより好ましい。
【0076】
任意選択の(すなわち、0.0~1.5重量%の)油溶性活性物質が本発明の最終組成物の油相で使用される場合、それは、典型的には、その中に包含されるすべての範囲を含めて、最終用途組成物の総重量の0.001~1.3重量%を構成し、別の実施形態では0.05~1.2重量%、さらに別の実施形態では0.1~0.5重量%を構成する。
【0077】
所望であれば、潜在的に有害な微生物の増殖から保護するために、(本発明の防腐剤系に加えて)従来の防腐剤を最終用途組成物に含めてもよい。化粧品化学者は、適切な防腐剤に精通しており、保存負荷試験を満足させ、製品の安定性を提供するために日常的にそれらを選択する。使用に適した伝統的であるが任意選択の防腐剤には、ヒダントイン誘導体およびプロピオネートが含まれる。特に好ましい防腐剤は、ヨードプロピニルブチルカルバメート、フェノキシエタノール、ヒドロキシアセトフェノン、エチルヘキシルグリセリン、メチルパラベン、プロピルパラベン、イミダゾリジニル尿素、ジメチル-ジメチル(DMDM)ヒダントインおよびベンジルアルコールならびにそれらの混合物である。使用に適した別の防腐剤としては、クロロフェネシンが挙げられる。防腐剤は、組成物の使用、およびエマルジョン中の防腐剤と他の成分との間の不適合の可能性を考慮して選択されるべきである。使用される場合、これらの任意選択の防腐剤は、その中に包含されるすべての範囲を含めて、最終組成物の総重量の0.001~2重量%の範囲の量で使用することができる。本発明の好ましい実施形態では、本発明の防腐剤系のみが、追加の任意選択の防腐剤なしで使用される。
【0078】
ヘキシレングリコールおよび1,2-オクタンジオールなどの従来の防腐増強剤を、典型的には最終用途組成物の0.2~1重量%使用することも本発明の範囲内である。
【0079】
本発明の任意選択であるが好ましい実施形態では、本発明で使用される安息香酸は天然であり、したがって、果実、野菜、液果および海産食品のような供給源から得られ、安息香酸ナトリウムのようなその誘導体は、天然に見出される安息香酸に由来する。したがって、安息香酸誘導体は、安息香酸の標準的な中和反応によって調製される。
【0080】
増粘剤は、場合により、本発明の最終用途組成物における使用に適している。多糖類が特に有用である。例としては、繊維、デンプン、天然/合成のガムおよびセルロース系が挙げられる。デンプンの代表例は、ヒドロキシプロピルデンプンリン酸ナトリウムおよびオクテニルコハク酸デンプンアルミニウムなどの化学的に加工されたデンプンである。多くの場合、マルトデキストリンであるタピオカデンプンが好ましい。適切なガムとしては、キサンタン、スクレロチウム、ペクチン、カラヤ、アラビア、寒天、グアー(アカシア属グアーを含む)、カラギーナン、アルギネートおよびこれらの組み合わせが挙げられる。適切なセルロース系としては、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム(セルロースガム/カルボキシメチルセルロース)およびセルロース(例えば、セルロースミクロフィブリル、セルロースナノ結晶または微結晶セルロース)が挙げられる。セルロースミクロフィブリルの供給源には、二次細胞壁材料(例えば、木材パルプ、綿)、細菌セルロース、および一次細胞壁材料が含まれる。好ましくは、一次細胞壁材料の供給源は、果実、根、球根、塊茎、種子、葉およびそれらの組み合わせからの実質組織から選択され;より好ましくは、柑橘類果実、トマト果実、モモ果実、カボチャ果実、キウィフルーツ、リンゴ果実、マンゴー果実、サトウダイコン、ビート根、カブ、パースニップ、トウモロコシ、エンバク、コムギ、エンドウおよびそれらの組み合わせから選択され;さらにより好ましくは、柑橘類果実、トマト果実およびそれらの組み合わせから選択される。一次細胞壁材料の最も好ましい供給源は、柑橘類果実由来の実質組織である。Herbacel(登録商標)によってAQ Plusとして入手可能なものなどの柑橘類繊維も、セルロースミクロフィブリルの供給源として使用することができる。セルロース源は、Colloidal Polymer Science,Kalia et al.,“Nanofibrillated cellulose:surface modification and potential applications”(2014),Vol 292,Pages 5-31に記載のものを含む公知の方法のいずれかによって表面修飾することができる。
【0081】
さらに別のクラスの有効な増粘剤は合成ポリマーである。このカテゴリーには、カルボマー、アクリレートコポリマー、アクリレート/アクリレート(C10-C30)アルキルアクリレートクロスポリマーなどの架橋ポリアクリレート、Sepigel(登録商標)305などのポリアクリルアミド、およびSimulgel EG(登録商標)およびAristoflex(登録商標)AVCなどのタウレートコポリマーが含まれ、これらのコポリマーは、INCI命名法によりそれぞれ、アクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウリンナトリウムおよびアクリロイルジメチルタウレート/ビニルピロリドンコポリマーとして同定されている。増粘に適した別の好ましい合成ポリマーはアクリレート系ポリマーであり、Simulgel INS100の名称でSeppic社によって製造販売されている。炭酸カルシウム、ヒュームドシリカ、およびケイ酸-アルミニウム-マグネシウムも使用することができる。
【0082】
使用する場合、この増粘剤の量は、最終用途組成物の0.001~5重量%の範囲であり得る。マルトデキストリン、キサンタンガム、およびカルボキシメチルセルロースが、多くの場合好ましい増粘剤である。
【0083】
最終用途組成物の粘度は、典型的には、750~55,000cps、好ましくは1,000~40,000cps、最も好ましくは2,500~30,000cpsである。
【0084】
香料、固定剤、キレート剤(EDTAなど)塩(NaClなど)、乳白剤(TiO2など)およびスクラブ剤が、本発明の最終用途組成物に含まれていてもよい。これらの物質のそれぞれは、その中に包含されるすべての範囲を含めて、最終用途組成物の総重量の約0.03~約5重量%、好ましくは0.1~3重量%の範囲であり得る。スクラブ剤が使用される限り、選択されるものは、本発明の最終用途組成物を分配するために使用されるポンプおよびアクチュエータの性能を妨げないように十分に小さい粒径でなければならない。
【0085】
従来の保湿剤は、そのようなエマルジョンが局所適用される場合に皮膚の保湿を助けるために、本発明における添加剤として使用されていてもよい。これらは、一般に、多価アルコールタイプの材料である。典型的な多価アルコールとしては、グリセロール(すなわち、グリセリン(glycerineまたはglycerin))、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(例えば、PPG-9)、ポリエチレングリコール、ソルビトール、ヒドロキシプロピルソルビトール、ヘキシレングリコール、1,3-ブチレングリコール、イソプレングリコール、1,2,6-ヘキサントリオール、エトキシル化グリセロール、プロポキシル化グリセロールおよびそれらの混合物が挙げられる。グリセリン(glycerin)、プロピレングリコールまたはそれらの混合物が最も好ましい。使用される保湿剤の量は、液体および組成物の総重量の0.0~35重量%の範囲内のすべてであり得る。保湿剤は、最終用途組成物の総重量の0.0~20重量%、好ましくは0.001~15重量%、(最も好ましくは2~12重量%)を構成する。
【0086】
使用に適した別の任意選択の添加剤としては、2.5~25重量%のカンナビゲロールおよび/または0.5~10重量%のカンナビジオールを含む麻実油が挙げられる。使用する場合、このような油は、その中に包含されるすべての範囲を含めて、最終用途組成物の0.0001~12重量%、好ましくは最終用途組成物0.01~5重量%を構成する。
【0087】
本発明の防腐剤系および最終用途組成物を製造する場合、所望の成分は、周囲温度から90℃の温度で、中程度の剪断および大気条件下で従来の装置を使用して混合することができる。
【0088】
最終用途組成物用の包装は、消費者による使用が望まれ、本発明の最終用途組成物を運ぶのに適している程度にのみ限定される。典型的には、包装は、ボトル、ジャー、スプレーポンプ、チューブまたはタブであり得る。好ましくは、包装は、耐久性があるが軽量であり、環境への影響が制限されることを確実にするために、少なくとも10重量%以上の消費者使用後樹脂(PCR)を含む。好ましい実施形態では、本発明の防腐剤系は天然または天然由来であり、包装はすべてPCRまたは生分解性である。
【0089】
提供される実施例は、本発明の理解を容易にするためのものである。実施例は、特許請求の範囲を限定する意図のものではない。
【0090】
[実施例]
実施例の配合物は、成分を中程度の剪断で、大気条件下、約35~70℃の温度において混合することによって作製した。作製した各配合物を分割し、5つの異なる/別個のアリコートに秤量した。次いで、5つの異なるアリコートに、以下に特定されるそれぞれの生物または生物混合物を接種し、チャレンジ製剤を得た。接種材料は配合物重量の1%に等しく、開始時にチャレンジされている配合物の特徴を変化させなかった。接種後、すべての配合物を手動で完全に混合して、それぞれの微生物を均一に分配した。次いで、チャレンジ製剤を試験期間中約25℃で保存した。
【0091】
次いで、7日間、14日間および28日間で、チャレンジ製剤を生存微生物についてサンプリングした。これらの試料をペトリ皿に播種し、このような試験生物に適した、American Type Culture Collection(ATCC)で特定された従来の条件下で、基準がある範囲によって定義された場合に範囲の中点を選択してインキュベートした。インキュベーション後、微生物コロニー数をカウントし、得られた数字に適切な希釈係数を掛けて、サンプル単位当たりの微生物数を得た。
【0092】
【0093】
【0094】
AI--後に以下のシャーシにおいて特定される
抗菌キー(Antimicrobial Key)
プール1:シュードモナス・エルギノーザ(Pseudomonas aeruginosa)+バークホリデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)(グラム陰性)
プール2:クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)+エンテロバクター・ゲルゴビエ(Enterobacter gergoviae)(グラム陰性)
3:スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)(Staph.aur.)
4:カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)(酵母)
5:アスペルギルス・ブラジリエンシス(Aspergillus brasiliensis)(カビ)
完全な根絶(「CE」)-存在するすべての抗菌剤による破壊/死滅
【0095】
【0096】
色の外観を、以下に特定される時間に視覚的に評価した。
【0097】
【0098】
【0099】
【0100】
【0101】
【0102】
【0103】
【0104】
【0105】
【0106】
【0107】
【0108】
【0109】
【0110】
【0111】
【0112】
【0113】
【0114】
【0115】
【0116】
【0117】
回収されたデータは、防腐剤系が本発明に従って調製され使用される場合、優れた抗菌利益(少なくとも2のlog殺滅、完全な根絶)が色安定性と共に達成され、驚くべきことに、デヒドロ酢酸塩を含まない組成物を配合する場合にも達成されることを実証している。さらに、訓練されたパネリストはまた、本発明に従って使用された防腐剤系が、それらが配合された組成物の香りに悪影響を及ぼさず、組成物は、安定性試験が完了した後にその場でいかなる悪臭も生じないと結論付けた。
【0118】
本発明と一致しない組成物、すなわち、シャーシとして配合物Oを有する組成物は、優れた抗菌利益を示さなかった。
【手続補正書】
【提出日】2022-11-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
6.2~7.5のpHを有し、C
8-C
18イセチオネートを含む洗浄組成物のための防腐剤系であって、
(a)N-カプリロイルグリシンおよびN-ウンデシレノイルグリシンを2:1~1:2の重量比で含む置換アミノ酸を含む第1の成分;
(b)安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、アミノ安息香酸またはそれらの混合物を含む第2の成分、
を含み、
前記第1の成分と第2の成分とが、1:3~3:1の重量比であり、前記組成物がデヒドロ酢酸ナトリウムを実質的に含まず、前記第1の成分および第2の成分に加えて前記洗浄組成物中に防腐剤が存在しない防腐剤系。
【請求項2】
防腐剤系を含み、C
8-C
18イセチオネートを含み、局所適用される6.2~7.5のpHを有する洗浄組成物であって、
前記防腐剤系が、
(a)置換アミノ酸を含む第1の成分であり、但し、前記第1の成分はN-カプリロイルグリシンおよびN-ウンデシレノイルグリシンを2:1~1:2の重量比で含む;および
(b)安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、アミノ安息香酸またはそれらの混合物を含む第2の成分、
を含み、
前記第1の成分と第2の成分とが、1:3~3:1の重量比で存在し、前記組成物はデヒドロ酢酸ナトリウムを実質的に含まず、30~82重量%の水を含み、前記第1の成分および第2の成分に加えて前記組成物中に防腐剤が存在せず、第1および第2の成分の総重量が、最終用途組成物の総重量の0.2~4重量%である、洗浄組成物。
【請求項3】
0.125重量%未満のデヒドロ酢酸ナトリウムを含み、40~80重量%の水を含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
6.4~7.1のpHを有する、請求項2~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記第1の成分がN-カプリロイルグリシンおよびウンデシレノイルグリシンまたはそれらの混合物であり、前記第2の成分が安息香酸ナトリウムである、請求項2~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
ベビーウォッシュである、請求項2~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
カンナビゲロールおよび/またはカンナビジオールをさらに含む、請求項2~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
40~85重量%の水を有する、請求項2~7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
皮膚を、請求項2~8のいずれか一項に記載の組成物と接触させることによって皮膚を処置する方法。
【国際調査報告】