(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-10
(54)【発明の名称】モジュラー再構成可能電気AC/DC変換器
(51)【国際特許分類】
H02M 7/12 20060101AFI20231002BHJP
【FI】
H02M7/12 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023512407
(86)(22)【出願日】2021-08-20
(85)【翻訳文提出日】2023-04-17
(86)【国際出願番号】 EP2021073198
(87)【国際公開番号】W WO2022038288
(87)【国際公開日】2022-02-24
(32)【優先日】2020-08-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521460608
【氏名又は名称】プロドライヴ・テクノロジーズ・イノヴェーション・サービシーズ・ベーフェー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ヨハン・ヴァルター・コラール
(72)【発明者】
【氏名】ダーヴィト・メンツィ
(72)【発明者】
【氏名】ジョルディ・エバーツ
【テーマコード(参考)】
5H006
【Fターム(参考)】
5H006CA02
5H006CB08
5H006DA02
5H006DA04
5H006DB01
5H006DC02
5H006DC05
(57)【要約】
電気変換器(10)は、複数のAC端子と、第1のDC端子と、第2のDC端子と、複数の変換器モジュール(11)とを備える。複数の変換器モジュールの各々はACノードを備える。第2のDC端子は複数の変換器モジュールの共通ノードを形成する。複数の変換器モジュールのACノードと複数のAC端子との間の接続が再構成可能であり、電気変換器は、変換器モジュールが第1のグループ(101,102,103)にグループ化される、第1の複数個の相電圧を有する第1のAC信号とDC信号とを変換する第1の動作モードに従って動作すること、および変換器モジュールが第2のグループに並べ替えられる、単相電圧を有する第2のAC信号とDC信号とを変換する第2の動作モードに従って動作することが可能になる。電気変換器は、第1のグループと第2のグループとの同じグループに割り当てられた複数の変換器モジュールを並列に動作させるように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
AC信号とDC信号とを変換するための電気変換器(10,20)であって、
複数のAC端子(a,b,c,g,N)と、
第1のDC端子(DC
+)と、
第2のDC端子(DC
-)と、
複数の変換器モジュール(11,21,22)と
を備え、前記複数の変換器モジュールの各々が、
ACノード(a
1,111)と、
第1のスイッチノード(A)を備える第1の変換器段(12)と、
第2のスイッチノード(B)を備える第2の変換器段(13)と、
第1のインダクタ(L)であって、前記第1のスイッチノードおよび前記第2のスイッチノードが前記第1のインダクタの対向する端子に接続される、第1のインダクタ(L)と、
第1のキャパシタ(C)であって、前記第2のDC端子が前記複数の変換器モジュールの前記第1のキャパシタ(C)の共通ノードを形成するように、前記ACノード(a
1,111)および前記第2のDC端子(DC
-)が前記第1のキャパシタの対向する端子に接続される、第1のキャパシタ(C)と
を備え、
前記複数の変換器モジュールの前記ACノード(a
1,111)と前記複数のAC端子との接続が再構成可能であり、前記電気変換器が、第1の複数p
1≧2個の相電圧を有する第1のAC信号と前記DC信号とを変換するように構成された第1の動作モードに従って動作すること、および単相電圧または第2の複数p
2個の相電圧を有する第2のAC信号と前記DC信号とを変換するように構成された第2の動作モードに従って動作することが可能になり、それにより、前記第1の動作モードにおいて前記第1のAC信号と前記DC信号とを変換することに寄与する前記複数の変換器モジュール(11,21,22)が、前記第2の動作モードにおける前記第2のAC信号と前記DC信号との変換またはアクティブ容量性エネルギー蓄積(C
PPB)に寄与し、
前記複数の変換器モジュールが少なくともp
1k個の変換器モジュールであり、kは、2に等しいかまたは2よりも大きい正の整数であり、前記第1の動作モードにおいて、前記p
1k個の変換器モジュールがp
1個の第1のグループ(101,102,103)にグループ化され、前記第2の動作モードにおいて、前記p
1k個の変換器モジュールが少なくとも2つの第2のグループ(104,105)に並べ替えられ、前記電気変換器が、前記第1のグループと前記第2のグループとの同じグループに並列に割り当てられた複数の変換器モジュールを動作させるように構成される、電気変換器。
【請求項2】
p
1≧3である、請求項1に記載の電気変換器。
【請求項3】
前記第2のAC信号が単相電圧を有する、請求項2に記載の電気変換器。
【請求項4】
前記第1のグループ(101,102,103)が等しい数の変換器モジュール(11,21)を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の電気変換器。
【請求項5】
前記第2のグループが等しい数または異なる数の変換器モジュール(11,21)を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の電気変換器。
【請求項6】
前記第2のAC信号が単相電圧を有し、前記第2のグループが2つ(104,105)である、請求項1から5のいずれか一項に記載の電気変換器。
【請求項7】
前記第1のDC端子と前記第2のDC端子との両端間に接続された第2のキャパシタ(C
dc)を備え、前記複数の変換器モジュールの前記第2の変換器段が前記第2のキャパシタに並列接続される、請求項1から6のいずれか一項に記載の電気変換器。
【請求項8】
前記複数のAC端子(a,b,c,g,N)と前記ACノード(111)との間に接続されたACフィルタ(14)を備え、前記ACフィルタが、コモンモードチョーク(L
CM)を備えるコモンモードフィルタを備える、請求項1から7のいずれか一項に記載の電気変換器。
【請求項9】
前記コモンモードチョーク(L
CM)が、前記複数の変換器モジュールの各々のための分岐を備え、前記分岐が、前記複数の変換器モジュールの各々の前記ACノード(111)に接続されるか、または前記複数の変換器モジュールの各々の前記ACノード(111)に接続可能である、請求項8に記載の電気変換器。
【請求項10】
前記ACノード(111)の一側面において前記第1のキャパシタ(C)の端子を再構成可能な様式で相互接続するための第1のスイッチング手段(112)を備える、請求項1から9のいずれか一項に記載の電気変換器。
【請求項11】
前記第1のスイッチング手段(112)が、前記第1のグループおよび/または前記第2のグループの同じグループに割り当てられた前記変換器モジュールの前記第1のキャパシタ(C)の端子を相互接続するように構成される、請求項1から6のいずれか一項を引用する請求項10に記載の電気変換器。
【請求項12】
前記第1のスイッチング手段(112)が第1の数の前記分岐を第2の数の前記複数の変換器モジュールに接続するように構成され、前記第1の数と前記第2の数とが等しくない、請求項9を引用する請求項10または11に記載の電気変換器。
【請求項13】
制御ユニット(15)を備え、前記制御ユニットは、前記第1のDC端子と前記第2のDC端子との間のDC電圧(U
dc)が、それぞれの前記第1のキャパシタ(C)の両端間の第1の電圧(u
an,u
gn)よりも小さいかまたは前記第1の電圧(u
an,u
gn)に等しい第3の動作モードに従って、および前記DC電圧(U
dc)が前記第1の電圧(u
an,u
gn)よりも大きい第4の動作モードに従って、前記複数の変換器モジュール(11)の各々を動作させるように構成される、請求項1から12のいずれか一項に記載の電気変換器。
【請求項14】
制御ユニット(15)を備え、前記第1の変換器段(12)および前記第2の変換器段(13)が、それぞれの前記第1のスイッチノード(A)および前記第2のスイッチノード(B)に動作可能に接続されたアクティブ半導体スイッチ(T
1,T
2,T
3,T
4)を備え、前記制御ユニットが、パルス幅変調を介して前記第1の変換器段および前記第2の変換器段の前記アクティブ半導体スイッチを相互排他的に動作させるように構成される、請求項1から13のいずれか一項に記載の電気変換器。
【請求項15】
前記第2のAC信号が単相電圧を有し、前記制御ユニット(15)が、前記第2の動作モードにおけるアンフォルダー動作のために前記複数のAC端子(N)のうちの1つに接続された前記複数の変換器モジュールのうちの1つまたは複数の第1の変換器モジュールの前記アクティブ半導体スイッチ(T
1,T
2,T
3,T
4)を動作させるように構成され、好ましくは、前記制御ユニットが、前記第1の動作モードにおいてパルス幅変調を介して前記1つまたは複数の第1の変換器モジュールを動作させるように構成される、請求項14に記載の電気変換器。
【請求項16】
制御ユニット(15)を備え、前記制御ユニットが、それぞれの前記第1のキャパシタ(C)の両端間の第1の基準電圧(u
*
an,u
*
gn)に基づいて前記複数の変換器モジュールの各々についてのデューティサイクル(d
A,d
B)を独立して決定するように構成される、請求項1から15のいずれか一項に記載の電気変換器。
【請求項17】
前記複数の変換器モジュール(22)のうちの少なくとも1つが、前記第2の動作モードにおいて電力脈動バッファとして動作させられるように構成される、請求項1から16のいずれか一項に記載の電気変換器。
【請求項18】
電力脈動バッファとして動作させられるように構成された前記少なくとも1つの変換器モジュール(21)が、前記第2の動作モードにおいて前記第1のキャパシタ(C)を充電および放電するように構成される、請求項17に記載の電気変換器。
【請求項19】
電力脈動バッファとして動作させられるように構成された前記少なくとも1つの変換器モジュール(21)が、バッファキャパシタ(C
PPB)と、前記バッファキャパシタを充電および放電するために前記第2の動作モードにおいて前記バッファキャパシタ(C
PPB)を前記少なくとも1つの変換器モジュール(21)に動作可能に接続するように構成された第2のスイッチング手段とをさらに備える、請求項17または18に記載の電気変換器。
【請求項20】
前記第2のスイッチング手段が、前記バッファキャパシタ(C
PPB)を前記第1のキャパシタ(C)に並列に接続するように構成される、請求項19に記載の電気変換器。
【請求項21】
前記第2の変換器段(13)が、前記第2の動作モードにおいて前記バッファキャパシタを充電および放電するために動作可能であるように、前記第2のスイッチング手段(212)が、前記第1のスイッチノード(A)と前記バッファキャパシタ(C
PPB)の端子との間の前記第1のインダクタ(L)の端子(213)の接続を切り替えるように構成される、請求項19に記載の電気変換器。
【請求項22】
前記第2のスイッチング手段(212)が、前記第2の動作モードにおいて前記第1のDC端子および前記第2のDC端子と前記第1のスイッチノード(A)との間の前記第1の変換器段(12)のブリッジ脚(24)をそれぞれのAC端子に接続するようにさらに構成される、請求項21に記載の電気変換器。
【請求項23】
特に電気車両駆動バッテリーを充電するための、バッテリー充電システムであって、前記バッテリー充電システムは電源を備え、前記電源が請求項1から22のいずれか一項に記載の電気変換器(10)を備える、バッテリー充電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単相AC-DC動作と3相AC-DC動作の両方を可能にする電気AC/DC変換器に関する。特に、本発明は、バック(buck)およびブースト機能を可能にするそのような電気変換器に関する。
【背景技術】
【0002】
電気車両(EV)のさらなる普及をサポートするために、バッテリー充電器システムは、欧州の3相グリッド(たとえば400Vrms線間電圧)に取り付けられる場合、ならびに米国のスプリット単相グリッド(たとえば、2×120Vrms線中性間電圧の分相単相接続の場合の240Vrms線間電圧)に取り付けられる場合の両方で、公称電力動作が可能であるべきである。さらに、充電システムは、バックブースト機能が必要とされるように、様々なEVバッテリー公称電圧との適合性を可能にするために、一般に400V~750Vの広いDC出力電圧範囲をカバーすることが必要とされる。
【0003】
一般的な3相整流器システムは、(第1の)線導体に1つの相端子を取り付け、1つの相端子が接続されない、中性/第2の線導体に第2の相端子を取り付けることによって単相グリッド上で動作することができる。結果として、採用される構成要素の過大寸法決定(overdimensioning)なしに、公称出力電力の約1/3のみが単相動作において与えられ得る。
【0004】
「WO2020/079019」は、3相動作と単相動作の両方を可能にするAC/DC変換器トポロジーを開示している。単相動作において、整流器の3つの相は並列に動作させられ、線導体に接続されるが、中性導体は低周波アンフォルダー(unfolder)ブリッジ脚に接続される。単相動作における鉄心飽和を回避するために4相コモンモードチョークが必要とされる。このトポロジーは、したがって、3相動作と単相動作の両方における全出力変換を可能にする。しかしながら、このトポロジーは単段力率補正(Power Factor Correction)(PFC)整流器を備え、PFC整流器は、バック動作またはブースト動作に限定され、したがって、広いDC出力電圧範囲に適合するために追加のDC/DC変換器段を必要とする。
【0005】
「Antivachis M.ら,Three-Phase Buck-Boost Y-Inverter with Wide DC Input Voltage Range, Proc. of the IEEE Applied Power Electronics Conference and Exposition (APEC),1492~1499頁,2018年3月」は、超コンパクトで高効率の変換器の実現をもたらす、追加のDC/DC変換器段の必要なしに3相ブーストおよびバック動作を可能にする相モジュラー3モジュールYインバータを開示している。しかしながら、Yインバータでは3相動作のみが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2020/079019号
【特許文献2】オランダ特許第2026176号明細書
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Antivachis M.ら,Three-Phase Buck-Boost Y-Inverter with Wide DC Input Voltage Range,Proc. of the IEEE Applied Power Electronics Conference and Exposition (APEC),1492~1499頁,2018年3月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本開示の目的は、従来技術のAC/DC変換器と比較してシステム性能が改善された、場合によっては、ハードウェア数が低減され、および/または構成要素の過大寸法決定の必要がない、3相AC/DC変換と単相AC/DC変換の両方を可能にする電気AC/DC変換器を提供することである。本開示の目的は、3相動作ならびに単相動作においてモジュラリティ(modularity)を維持することを可能にする上記のタイプの電気変換器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様によれば、したがって、添付の特許請求の範囲に記載された電気変換器が提供される。本明細書で説明する電気変換器は、AC信号とDC信号とを変換するために動作可能であり、有利には、整流器動作、インバータ動作、または両方のために、すなわち双方向電力フローのために使用される。
【0010】
本開示による電気変換器は、複数のAC端子と、第1のDC端子と、第2のDC端子と、複数の変換器モジュールとを備える。複数の変換器モジュールの各々は、ACノードと、第1のスイッチノードを備える第1の変換器段と、第2のスイッチノード、第1のインダクタ、および第1のキャパシタを備える第2の変換器段とを備える。第1および第2のスイッチノードは、第1のインダクタの対向する端子に接続される。ACノードおよび第2のDC端子は、第2のDC端子が複数の変換器モジュールの第1のキャパシタの共通ノードを形成するように、第1のキャパシタの対向する端子に接続される。複数の変換器モジュールのACノードと複数のAC端子との間の接続が再構成可能であり、電気変換器が第1の動作モードに従って動作すること、および第2の動作モードに従って動作することが可能になる。第1の動作モードは、第1の複数p1≧2個の相電圧を有する第1のAC信号とDC信号とを変換するように構成される。第2の動作モードは、第1の動作モードにおいて第1のAC信号とDC信号とを変換することに寄与する複数の変換器モジュールが、第2の動作モードにおける第2のAC信号とDC信号との変換またはアクティブ容量性エネルギー蓄積に寄与するように、単相電圧または第2の複数p2個の相電圧を有する第2のAC信号とDC信号とを変換するように構成される。
【0011】
本開示による電気変換器は、AC端子とDC端子との間のグループを並列に動作させるように構成された複数の変換器モジュールを備えるモジュラー構造を採用する。ACグリッド電流は変換器モジュールの間で共有され、それにより各変換器モジュールがモジュラー様式で独立して制御されることが可能になる。本発明の電気変換器の1つの利点は、変換器が、モジュラリティの損失なしに、3相動作と単相動作とを切り替えるときに並列変換器モジュールのグループを並べ替えることによって再構成され得ることである。このモジュラー手法は、さらに、スイッチング損失を低減し、構成要素過大寸法決定の必要をなくすことを可能にする。
【0012】
本開示のさらなる態様によれば、添付の特許請求の範囲に記載されている電気バッテリー充電システムが提供される。
【0013】
本開示のさらなる態様によれば、AC信号とDC信号とを変換するための方法が本明細書で説明される。第1の動作モードにおいて、本方法は、複数の変換器モジュールを構成することと、第1の複数p1≧2個の相電圧、有利にはp1≧3個の相電圧を有するAC信号とDC信号とを変換することとを含む。第2の動作モードにおいて、本方法は、複数の変換器モジュールを再構成することと、単相電圧または第2の複数p2個の相電圧を有するAC信号とDC信号とを変換することとを含む。
【0014】
有利には、複数の変換器モジュールは少なくともp1k個の変換器モジュールであり、kは、2に等しいかまたは2よりも大きい正の整数である。第1の動作モードにおいて、p1k個の変換器モジュールは、第1の複数p1≧2個の相電圧を有する第1のAC信号とDC信号とを変換するために、p1個の第1のグループにグループ化される。第2の動作モードにおいて、p1k個の変換器モジュールは、少なくとも2つの第2のグループに並べ替えられる。第1のグループと第2のグループとの同じグループに割り当てられた変換器モジュールは並列に動作させられる。
【0015】
次に、同じ参照番号が同じ特徴を示す添付の図面を参照しながら、本発明の態様についてより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】それぞれの3相端子に接続された2つの並列化されたモジュールの3つのグループをもつ3相ACグリッドに接続された、本発明による6モジュールY変換器(整流器)の斜視図を表す図である。
【
図2】線導体と中性導体とに接続された3つの並列化されたモジュールの2つのグループをもつ単相ACグリッドに接続された
図1の6モジュールY変換器を表す図である。
【
図3】
図1および
図2の変換器のためのビルディングブロックとして使用される変換器モジュールを表す図である。
【
図4】瞬時入出力電圧比に応じた、
図3の変換器モジュールのバックおよびブースト段の得られたデューティサイクルを表す図である。
【数1】
および400VのDC電圧の場合の3相動作における
図1の電気変換器の主要な波形、すなわち、AC端子電圧とDC端子電圧とを表す図である。
【数2】
および400VのDC電圧の場合の3相動作における
図1の電気変換器の主要な波形、すなわち、
図3の単一変換器モジュールのバック段(A)のデューティサイクルとブースト段(B)のデューティサイクルとを表す図である。
【数3】
および400VのDC電圧の場合の3相動作における
図1の電気変換器の主要な波形、すなわち、2つの並列化された変換器モジュールが相電流を等しく共有するときの相端子および変換器モジュール電流を表す図である。
【数4】
および400VのDC電圧の場合の3相動作における
図1の電気変換器の主要な波形、すなわち、システム瞬時電力および平均電力を表す図である。
【数5】
および400VのDC電圧の場合の単相動作における
図2の電気変換器の主要な波形、すなわち、AC端子電圧とDC端子電圧とを表す図である。
【数6】
および400VのDC電圧の場合の単相動作における
図2の電気変換器の主要な波形、すなわち、ライン端子gに接続された
図3の単一変換器モジュールのバック段(A)のデューティサイクルとブースト段(B)のデューティサイクルとを表す図である。
【数7】
および400VのDC電圧の場合の単相動作における
図2の電気変換器の主要な波形、すなわち、3つの並列化された変換器モジュールが線電流を等しく共有するときの、ライン端子gに接続された変換器モジュールの相端子および電流を表す図である。
【数8】
および400VのDC電圧の場合の単相動作における
図2の電気変換器の主要な波形、すなわち、システム瞬時電力および平均電力を表す図である。
【
図7】400VのDC電圧による、およびAC側端子電圧については時変オフセット電圧による、単相動作における
図2の電気変換器のAC端子電圧波形とDC端子電圧波形とを表す図である。
【
図8】400VのDC電圧による、およびAC側端子電圧については最小一定オフセット電圧による、単相動作における
図2の電気変換器のAC端子電圧波形とDC端子電圧波形とを表す図である。
【
図9】400V~650Vの広いDC電圧範囲内での6.6kWの一定のシステム電力についてのDC出力電圧および電流範囲を表す図である。
【
図10】3相動作と単相動作の両方において
図1および
図2の電気変換器を動作させるための制御ユニットの例示的な実施形態を表す図である。制御ユニットはカスケード型制御構造を実装し、可能な測定が示されている。
【
図11A】各グループ内の変換器モジュールの入力キャパシタのAC側端子が3相動作において相互接続された、
図1の電気変換器を表す図である。
【
図11B】各グループ内の変換器モジュールの入力キャパシタのAC側端子が単相動作において相互接続された、
図2の電気変換器を表す図である。
【
図12A】変換器モジュールが単相動作において等しくない数の変換器モジュールのグループにグループ化された、
図2の電気変換器を表す図である。
【
図12B】変換器モジュールのグループが
図12Aの場合のように構成され、ACフィルタ構造が
図2の場合のように構成された、
図2の電気変換器を表す図である。
【
図13】単相動作における
図12Aの電気変換器のブースト動作についての端子電圧波形を表す図である。
【
図14】単相動作における
図12Aの電気変換器のバックおよびブースト動作についての端子電圧波形を表す図である。
【
図15A】1つの変換器モジュールが電力脈動バッファとして働くことが可能である、3相グリッドに接続された、本明細書で説明する別の電気変換器を表す図である。
【
図15B】2つの変換器モジュールがそれぞれの相端子に接続され、第3の変換器モジュールがグリッドから切断され、電力脈動バッファとして働く、単相グリッドに接続された
図15Aの電気変換器を表す図である。
【
図16A】電力脈動バッファとして働く変換器モジュールの代替構成をもつ、
図15Aの電気変換器を表す図である。
【
図16B】単相グリッドに接続され、電力脈動バッファとして働く変換器モジュールの切り替え可能な接続を示す、
図16Aの電気変換器を表す図である。
【
図17】本明細書で説明する電気変換器を備えるバッテリー充電システムを表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1および
図2を参照すると、本開示の態様による電気変換器10は、3相動作の場合(
図1)はa、b、c、または単相動作の場合(
図2)はg、Nと参照される相端子とACインターフェースの間に構成された、複数の、場合によっては同等の変換器モジュール11を備え、gはラインを表し、Nは中性接続端子を表す。電気変換器10は、したがって、3相AC-DC変換と単相AC-DC変換の両方において動作することが可能である。
【0018】
図1および
図2に示されている電気変換器10は、すべて負のDCリンクレールnを基準にされた6つの変換器モジュール11を備え、負のDCリンクレールnは負のDC端子DC
-に接続される。
図1に示されている3相動作において、2つの変換器モジュール11が各相端子a、b、cに並列に接続され、したがって各2つの並列変換器モジュールの3つのグループ101、102、103を形成する。中性端子Nは、有利には、変換器モジュールのいずれにも接続されず、負のDC端子にも接続されない。各グループ101、102、103の2つの変換器モジュールは、有利には、それぞれの相電流i
a、i
b、i
cを等しく共有する、すなわち、相aに接続されたグループ103の変換器モジュールの場合、i
1=i
a/2である。
図2に示されている単相動作において、電気変換器10は、3つの変換器モジュール11が各端子g(グリッド線)とN(中性)とに並列に接続され、したがってそれぞれ3つの並列変換器モジュール11の2つのグループ104、105を形成するように再構成される。単相グリッド電流i
gは、有利には、それらの間で等しく共有され、i
1=i
g/3である。
【0019】
より一般的には、電気変換器は、p
1×k個のモジュール、有利にはp
1×p
2×k個のモジュールを備え、p
1、p
2およびkは正の整数
【数9】
であり、有利にはp
1>p
2であり、電気変換器は、p
1個の相電圧を有する第1のAC信号とDC信号とを変換するための第1の動作状態と、p
2個の相電圧を有する第2のAC信号とDC信号とを変換するための第2の動作状態との間で再構成可能であると述べられ得る。
図1および
図2の例では、k=1、p
1=3およびp
2=2である。これらの2つの動作状態間の再構成は、変換器モジュールを、第1の動作状態におけるp
2k個の並列動作型変換器モジュールのp
1個のグループと、第2の動作状態におけるp
1k個の並列動作型変換器モジュールのp
2個のグループとに構成することによって実施される。p
1×p
2×k個のモジュールの存在は、p
1相動作が実行されるのかp
2相動作が実行されるのかに応じて変換器モジュールが再グループ化されるような、変換器構成についての自由度を示し、それにより、両方の場合において、電力変換のためのすべてのモジュールの利用が可能になる。再構成は、機械接点スイッチまたはリレーによってなど、手動でまたは自動的に実施され得る。
【0020】
(単相動作と3相動作の両方における)すべてのグループの変換器モジュールは、それぞれ正のDC端子DC+および負のDC端子DC-に接続された端子を有するDCリンクキャパシタCdcに並列接続される。
【0021】
3相動作と単相動作の両方において電磁干渉(EMI)放出規格に準拠するために、好適なフィルタ構造14が電気変換器のAC側に与えられ得る。フィルタ構造14は、有利には、コモンモード(CM)フィルタを備える。コモンモードフィルタは、有利には変換器モジュールの数に等しい数の巻線を有するコモンモードチョークLCMを備えるか、またはそのようなコモンモードチョークLCMからなることができ、たとえば、6変換器モジュール電気変換器10の場合、LCMは6巻線チョークである。さらに、または代替的に、当技術分野で知られているように、差動モードフィルタが与えられ得る。したがって、フィルタ構造14は、コモンモードキャパシタCCMと、差動モードキャパシタCDMと、差動モードインダクタLDMと、コモンモードインダクタLCMとのうちの1つまたは複数を備えることができる。
【0022】
1つのそのような変換器モジュール11は、
図3に分離されたビューで表されている。変換器モジュール11は2つの段12および13を備える。第1の段12は、AC側キャパシタCの両端間に接続され、スイッチノードAを備える。AC側キャパシタCはACノードa
1と負のDCリンクレールnとの間に接続される。第1の段12は、それぞれキャパシタCの対向する端子(すなわち、ACノードa
1および負のDCリンクレールn)をスイッチノードAに接続する能動スイッチT
1およびT
2をもつハーフブリッジなど、好適な変換回路を備える。
図3では、電気変換器10のフィルタ構造14(
図1)のそれぞれの分岐は省略されている。しかしながら、相端子aと変換器モジュールのACノードa
1との間に任意の好適なフィルタ分岐が接続され得ることは明らかであろう。
【0023】
第2の段13は、正のDCリンクノードpと負のDCリンクレールnとの間に接続され、スイッチノードBを備える。第2の段13は、それぞれ正のDCリンクレール(ノードp)と負のDCリンクレールnとをスイッチノードBに接続する能動スイッチT3およびT4をもつハーフブリッジなど、好適な変換回路を備える。
【0024】
スイッチノードAおよびBは物理的インダクタLの対向する端子に接続される。
【0025】
上記のトポロジーは、各変換器モジュール11がノードa1におけるAC信号とノードpおよびn間のDC信号とのバックブーストAC/DC変換を独立して実行することを可能にする。以下で詳細に説明するように、第1の段12は、バック変換器動作が必要とされるときに動作させられるが、第2の段13は、ブースト変換器動作が必要とされるときに動作させられる。バック段およびブースト段は、有利には、相互排他的な様式で動作させられるが、これは、2つの段12、13の一方のみがある時点においてパルス幅変調されるが、他の段は、それのスイッチノードA、Bが、それぞれ、それぞれのACノードa1、および正のDCリンクノードpにクランプされていることを意味する。そうすることによって、単一段高周波エネルギー変換が得られ、性能の改善をもたらす。
【0026】
第1の段12および/または第2の段13のハーフブリッジは任意の他の好適な変換回路と交換され得、それにより単一段のバックまたはブーストAC/DC変換を得ることが可能になることに留意することが好都合であろう。好適な変換回路の1つの例は、その内容が参照により本明細書に組み込まれる、2020年7月30日に出願されたオランダ特許第2026176号に記載されているような(マルチレベル)フライングキャパシタ回路である。
【0027】
図3を参照すると、単一段の高周波エネルギー変換を達成するために、変換器モジュール11は、2つの可能な動作モード、すなわちブースト動作およびバック動作の一方における瞬時変調深度m(t)=u
an(t)/U
dc(すなわち入出力電圧比)に応じて作動している。
【0028】
(AC端子aにリンクされた変換器モジュール11の)ブースト動作モードは、それぞれの相入力電圧uanがUdcよりも低いときに選択される。バックブリッジ脚(段12)の上側スイッチT1は永久にオンにされ、したがって段12のスイッチノードAはAC端子電圧にクランプされる。ブースト段13は、スイッチノードBの電圧が、AC端子電圧に等しい局所平均値を有する(すなわち、1つのパルス周期にわたって平均化される)ように、パルス幅変調(PWM)によって制御される。この動作モードにおいて、2次入力フィルタが有利には相インダクタLとAC側キャパシタCとによって形成される。
【0029】
バック動作モードは、uanがUdcを超えるときに選択される。ブーストブリッジ脚(段13)の上側スイッチT3は永久にオンにされ、ブースト段13のスイッチノードBは正のDCリンクレール(ノードp)にクランプされる。段12は、次に、スイッチノードAの電圧が、DC電圧Udcに等しい局所平均値を有するように、AC端子電圧を逓減するためにPWM動作させられる。この動作モードにおいて、AC側キャパシタCのみが入力フィルタとして作動しており、インダクタ電流iL1は高い基本(局所平均)電流<iL1>≧i1を示す。
【0030】
バック段12の能動スイッチT1、T2および、ブースト段13の能動スイッチT3、T4は、有利には、半導体スイッチングデバイス、たとえば、電界効果トランジスタ(FET)、特にMOSFETデバイスである。
【0031】
したがって、変換器モジュール11の段12、13は、
【数10】
によって定義され得る、バック段12の時変デューティサイクルd
Aおよびブースト段13の時変デューティサイクルd
Bで動作させられる。デューティサイクルは
図4に図式的に表されている。これらのデューティサイクルはそれぞれバック段12およびブースト段13の相互排他的な高周波動作を保証する。また、
図4から見られるように、デューティサイクルd
Aとデューティサイクルd
Bの両方が有利には連続しており、それにより簡単な制御構造が可能になり、変調領域の変更中の過渡振動が回避される。
【0032】
再び
図1を参照すると、3相動作において、電気変換器10は、6つの変換器モジュール11が、並列に動作し、3相端子a、b、cの各々に接続された各2つの変換器モジュールの3つのグループ101~103にグループ化されるように構成される。各グループ101~103の2つの変換器モジュール11は同等であり、したがってそれぞれの相電流を等しく共有し、たとえば、相aの場合、
【数11】
である。整流器動作において、変換器モジュールは、上記で示したように1/2の相電流を用いて独立して動作させられる。所望の平均出力電力
【数12】
に等しい一定の瞬時電力Pがグリッドから引き出される。有利には、2つの並列化された変換器モジュールには、段12および13の能動スイッチのインターリーブされた動作と、低減された高周波EMI放出とを可能にするために、360°/2k=180°位相シフトされたPWMキャリアが与えられる。
【0033】
図5A~
図5Dを参照すると、AC端子と負のDCリンクレールnとの間の電圧、すなわち、u
an(および2つの他の相b、cの場合はu
bnおよびu
cn)と示されたキャパシタCの両端間の電圧は厳密に正であり、それにより変換器モジュールをDC/DC変換器として動作させることが可能になる。コモンモードオフセットu
CM=1/3(u
an+u
bn+u
cn)は対応する電流経路を有しないので、正弦波グリッド電流i
a、i
b、i
cを調整することができる。u
CMは、厳密に正の端子電圧の要件によってのみ制約され、たとえば不連続パルス幅変調(DPWM)を可能にするために使用され得、それにより、有利には、スイッチング行為の回数を33%だけ減らし、したがって、半導体スイッチング損失の実質的な減少を特徴化することが可能になる。平均システム出力電力
【数13】
および400VのDC電圧の場合の主要な変換器波形が
図5A~
図5Dに示されている。
【0034】
再び
図2を参照すると、単相動作において、電気変換器10は、6つの変換器モジュール11が3つの並列の変換器モジュールの2つのグループ104、105にグループ化されるように構成される。グループ105の変換器モジュールはラインgに接続され、グループ104の変換器モジュールはグリッドの中性端子Nに接続される。
【0035】
図6A~
図6Dを参照すると、u
gnおよびu
Nnと示されている、AC端子g、Nと負のDCリンクレールnとの間の電圧、すなわち、キャパシタCの両端間の電圧は厳密に正であり、それにより変換器モジュールをDC/DC変換器として動作させることが可能になる。ラインgに接続された変換器モジュールの入力電流はi
1=i
g/3によって与えられる。有利には、変換器モジュールの各グループ104、105は、それぞれの相が最も低い電圧を有するグリッド基本周期T
acの1/2中にクランプされ、すなわちT
1およびT
4は永久にオンであり、それによりスイッチング行為の回数を50%だけ減らすことが可能になる。グリッド基本周期の1/2中に最も高い相電圧を有する104、105の他のグループは、上記で説明したように通常動作させられる(すなわち、PWMを用いたブーストまたはバック動作)。
平均システム出力電力
【数14】
および400VのDC電圧の場合の主要な変換器波形が
図6A~
図6Dに示されている。u
gnおよびu
Nnは永久にDCリンク電圧U
dc=400Vを下回るので、
図6Bに表示されているデューティサイクル波形において観測され得るように、すべての変換器モジュールはアクティブであるときにブーストモードで動作させられる。また、この動作モードにおいて、並列化された変換器モジュールには、有利には、ブースト段のインターリーブされた動作を可能にするために360°/3k=120°位相シフトされたPWMキャリアを供給することができ、それにより高周波EMI放出の低減が可能になる。
【0036】
単相動作において、負のDCリンクレールnに対する端子電圧オフセットu
off=(u
gn+u
Nn)/2が相殺し、単相動作が変換器モジュールのパワー半導体の間の伝導およびスイッチング応力を再分配することを可能にする自由度を示す。
図7は第1の可能な端子電圧波形を示す。ここで、端子電圧オフセットu
offは時変的であり、それにより変換器モジュールの各グループ104および105を基本周期T
acの50%中にのみPWM動作させることが可能になる。
図8は、一定の端子電圧オフセットを用いた第2の可能な端子電圧波形を示す。後者の場合、変換器モジュールのグループ104とグループ105の両方は連続的にPWM動作させられる必要がある。
【0037】
3相動作と単相動作の両方の場合の、
図1および
図2に示されている電気変換器についての電流応力分析を実行した。この目的のために、
図9に示されているように2つの動作点
【数15】
を選択した。動作点
【数16】
は、400VのDC電圧および出力電力
【数17】
を指す。動作点
【数18】
は650VのDC電圧および出力電力
【数19】
を指す。2つの動作点
【数20】
についての3相動作および単相動作における1つの変換器モジュールの得られた構成要素RMSおよびピーク電流応力が表1に示されている。線電流(すなわちi
gまたはi
a)は(3相動作と比較して)単相動作において3倍高くなるが、それは3k個の並列化された変換器モジュールの間で共有されるので、線電流は構成要素応力に、したがって構成要素寸法決定に直接の影響を及ぼさないことに留意することが好都合であろう。
【0038】
表1から、変換器モジュール入力電流i
1はEMIフィルタの誘導性構成要素中の支配的な損失ドライバ(すなわち、
図1および
図2におけるL
CM、L
DM/CM)を表し、単相動作において2倍高くなることが導出され得る。したがって、フィルタ構成要素過大寸法決定が有利であろう。
【0039】
インダクタ電流i
Lおよび半導体電流i
T1、i
T2、i
T3について、高周波電流リップルも得られた電流RMSおよびピーク値に影響を及ぼすので、単相動作の場合の応力増加はあまり目立たない。半導体スイッチT
4のみが、一定のブースト動作、ならびに
図6Aによるクランピングによって与えられる最高2.5倍の実質的な電流応力増加に直面する。同時に、クランピングはスイッチング行為の回数、したがってT
4におけるスイッチング損失を低減する。
表1:325V
pkのグリッド線中性間電圧の場合の3相動作および単相構成における、
図9においてハイライトされた(すなわち、400Vおよび650VのDC出力電圧を用いた)2つの動作点
【数21】
についてのモジュール構成要素RMSおよびピーク電流応力。構成要素指定子は
図1および
図2を指し、ここで、i
aおよびi
gはそれぞれ3相動作および単相動作における線電流に対応し、i
T1、i
T2、i
T3、i
T4はそれぞれ半導体スイッチT
1、T
2、T
3、T
4を通る電流である。線電流はグループ内の並列のモジュール間で等しく分離され、検討されている動作点内の各構成要素の最大に発生する応力は、ボールドでハイライトされており、それぞれ3相(2つの並列化された変換器モジュール)動作および単相(3つの並列化された変換器モジュール)動作について比較される。
【0040】
【0041】
T
4の電流応力は、より高いオフセット電圧u
offを選択することによって、および/または、有利には、
図6Aに示されているT
1およびT
4のクランピング間隔中に(単相動作において低い電流応力をもつ)T
2をオンにすることによって低減され得、それにより、T
2とT
4との間の電流共有と、全体的な伝導損失の低減とが可能になる。
【0042】
図10を参照すると、変換器10は、3相動作と単相動作の両方において電気変換器を動作させるように構成された制御ユニット15を備える。制御ユニット15は、モジュラー/独立様式で異なる変換器モジュール11を動作させるための個々の制御モジュールを備えることができる。単一の変換器モジュール11、たとえば、AC端子aにリンクされたグループ103の変換器モジュールのうちの1つを動作させるための1つのそのような個々の制御モジュール16が
図10に概略的に示されている。
【0043】
制御ユニット15は、有利には、当技術分野で知られているようにカスケード型制御構造をもつ力率補正(PFC)整流器制御を実行するように構成される。有利には、3相ACグリッド電圧ua、ub、ucと、単相ACグリッド電圧ugNと、3相グリッド電流ia、ib、icと、単相グリッド電流igと、インダクタ電流iLとを測定するための測定手段が与えられる。DC側で、有利には、DC端子電圧Udcと、有利にはDC端子電流Idcとを測定するための測定手段が与えられるこれらの測定は、有利には、制御ユニット15に入力される。
【0044】
3相動作において、電流制御が3相電流制御ブロック151によって実行される。正弦波グリッド電流基準
【数22】
は、DC電圧エラーと、測定されたAC電圧u
a、u
b、u
cとに基づいて導出される。次いで、必要とされるグリッド電流を実現するために、AC端子電圧基準
【数23】
が設定される。これらのAC端子電圧基準は、各変換器モジュールを独立して動作させるためにそれぞれの制御モジュール16に供給される。
【0045】
単相動作の場合、電流制御が単相電流制御ブロック152によって実行される。グリッド入力電力Pは本線周波数の2倍で変動しており、したがって、測定されたDC電圧は、有利には、それの基準値と比較する前にノッチフィルタ(図示せず)を用いて処理される。所望の平均出力電力を与えるために、(3相動作と比較して)3倍高く、この場合も測定されたグリッド電圧u
gNと同相であるグリッド電流基準
【数24】
が設定される。その後、グリッド電流エラーに基づいて、測定されたグリッド電圧u
gNと、場合によってはオフセット電圧基準
【数25】
と、入力端子電圧基準
【数26】
とが導出される。前述のように、オフセット電圧基準は、たとえば、より低い端子電圧基準が0に等しくなるように、一定の値または時変値に設定され得る。
【0046】
(そのうちの1つのみが
図10に示されている)制御モジュール16による変換器モジュールの基本的な制御は、選択された単相または3相構成から独立して動作し、線電流基準は、有利には、各相について並列化されたモジュールの間で等しく共有される、すなわち、3相の場合は
【数27】
であり、単相の場合は
【数28】
である。
【0047】
制御モジュール16は、AC電圧制御ブロック161と、インダクタ電流制御ブロック162と、変調器163とを備える。インダクタ電流制御ブロック162の出力信号は変調器163に供給され、それによりバック段12とブースト段13との相互排他的な動作のためのデューティサイクルが生成される。能動スイッチT1、T2、T3およびT4のための制御信号は、次いで、当技術分野で知られているように、生成されたデューティサイクルからPWMを使用して生成される。
【0048】
図11A~
図11Bを参照すると、電気変換器10には、1つのグループ内のすべての変換器モジュールのAC側キャパシタCのAC側端子111を相互接続するための追加のスイッチング手段112(たとえば機械接点スイッチまたはリレー)が与えられ得る。相互接続は、1つのグループの変換器モジュール間のインターリーブされたPWM動作が実行されたときに、インターリーブされた電流が少なくとも部分的に相殺することを可能にし、有利には、それにより、EMI規制に準拠するために必要とされるフィルタ減衰が低減される。端子111間の相互接続は、3相動作(
図11A)、単相動作(
図11B)のいずれか、または3相動作と単相動作の両方のために与えられ得る。相互接続112は、有利にはスイッチング可能であり、それにより、3相動作モードと単相動作モードとの間で再構成するときに、場合によっては自動再構成が可能になる。
【0049】
上記の実施形態では、変換器モジュールのすべてのグループ101~103および104~105は等しい数の変換器モジュールを備えていたが、これは、特に単相動作の場合、そうである必要はない。
図12Aを参照すると、単相動作において、ACライン端子gに接続された変換器モジュールのグループ105は並列に構成された4つの変換器モジュール11を備えるが、中性端子Nに接続されたグループ104は2つの変換器モジュール11のみを備えるように、電気変換器10を構成することが可能である。この場合、グループ104の変換器モジュールは、アンフォルダー回路として動作させられる、すなわち、単に線電流の帰還経路を与えるように構成されるであろう。グループ104の変換器モジュールのアンフォルダー動作により、半導体T
1は永久にオンにされ、T
3およびT
2/T
4は、それぞれグリッド基本周期の1/2でpおよびnに交互にクランプされる。アンフォルダー動作において、グループ104の変換器モジュールは、したがって、高い半導体伝導応力を有するであろうが、実際にスイッチング損失はない。したがって、より少ない変換器モジュールをこの目的のために使用することができ、たとえば2つの変換器モジュールがこのタスクのために十分であり、さらに、残りの(第3の)変換器モジュールを、ライン端子gに接続されたグループ105に割り当てることができる。グループ105の変換器モジュールは上記で説明したようにPWM動作させられ、したがって、半導体スイッチT
1~T
4は、高周波(HF)動作させられ、したがって、伝導損失とスイッチング損失の両方に直面する。追加された変換器モジュールにより、グループ105の4つの変換器モジュールは、
図2の構成の場合のグリッド電流の1/3と比較して、グリッド電流の1/4を等しく共有する。それによって、半導体上の電流応力を低減するとともに、半導体利用を改善することができる。
【0050】
単相動作における
図12Aによる変換器構成についての端子電圧波形は、ブースト動作については
図13に示され、バックおよびブースト動作については
図14に示されている。
図13を参照すると、DCリンク電圧U
dcがu
gnよりも高いとき、変換器モジュールのグループ104は永久にアンフォルダー動作中である。この場合、u
Nnは、基本周波数レベル上でブロック形であるが、u
gNは正弦波である必要がある。変換器モジュールのグループ105は、したがって永久にブースト動作中であり、制御モジュール16によって独立して制御され得る。電圧オフセットu
off=0.5(u
gn+u
Nn)は時変的であることに留意することが好都合であろう。
【0051】
(たとえば、一般に、低減された電力のみが出力において与えられなければならない、極めて低いDC電圧の場合の)バック動作における端子電圧波形が
図14に示されている。バック動作において、すなわち、端子Nに割り当てられた変換器モジュールのグループ104は、u
NnがU
dcを超えるときに、短い周期T
PWMを除いてアンフォルダー回路として動作させられる。T
PWM中に、変換器モジュールのグループ104は、たとえば、
図10に関して上記で説明した制御ストラテジーに基づいてPWM動作させられる。変換器モジュールのグループ105は有利にはクランプされる、すなわち、T
1およびT
4は永久にオンである。
【0052】
さらなる代替実施形態では、
図12Bを参照すると、単相動作のための
図12Aの変換器モジュール構成、すなわち、Nに接続されたグループ104に構成された2つの変換器モジュールと、gに接続されたグループ105に構成された4つの変換器モジュールとは保たれるが、AC側フィルタ構造14は2つのAC端子gとNとの間で、すなわち3-3構成において等しく共有される。言い換えれば、差動モードおよび/またはコモンモードインダクタL
DM/CMおよびL
CMの巻線が
図11Bの構成とまったく同様に端子gとNとの間で等しく共有され、それにより、等しい数の巻線(分岐)をもつ2つのフィルタグループ141および142が得られるように、ACフィルタ14はAC端子に接続されるが、
図12Aの4/2変換器モジュール構成は維持される。したがって、フィルタグループ141は端子Nと変換器モジュールのグループ104との間に接続され、フィルタグループ142は端子gと変換器モジュールのグループ105との間に接続される。これは、
図12Bに示されているように、1つのグループ内の変換器モジュールのAC側キャパシタCのAC側端子111を相互接続する追加のスイッチング手段112を好適に切り替えることによって得られ得る。有利には、スイッチング手段112のうちの少なくとも1つは、
図12Bに示されているように、変換器モジュールをそれのそれぞれのACフィルタ分岐から切断することを可能にするべきである。これにより、変換器モジュールの4/2構成の利点を保持しながら、基本周波数電流応力をACフィルタ14内で一様に分散させることが可能になる。
【0053】
単相整流器動作において、
図6Dに示されているように、線周波数の2倍で脈動する時変電力Pがグリッドから引き出される。出力電力リップルは、適切なサイズのDCリンクキャパシタC
dcを与えることによって低減され得る。代替的に、単相動作において使用するためにアクティブ電力脈動バッファ(PPB)を与え、それにより大きいDCリンクキャパシタ不要にすることができる。アクティブPPBは、DCリンクとバッファキャパシタとをインターフェースするハーフブリッジ変換器など、バッファキャパシタと変換器回路とを備えることができる。有利には、変換器回路は、変換器モジュール11と同等であるように与えられ得る。PPBとして使用される変換器モジュールのバックブースト機能は、有利には、所望のDCリンク電圧を上回るならびに下回る広い範囲内でバッファキャパシタ電圧を変動させることを可能にする。
【0054】
図15A~
図15Bを参照すると、電気変換器20の変換器モジュール21のうちの1つまたは複数、たとえば変換器モジュール22に、単相動作においてPPBとして使用するためのそれぞれのバッファキャパシタC
PPBを与えることができる。変換器モジュール21、22は、上記で説明した変換器モジュール11と同等であり得る。3相動作において、
図15Aに示されているように、C
PPBはAC端子aから切断され、それにより、
図1に関して説明したように、変換器モジュール22は、それぞれのAC端子a、b、cに接続されたモジュラーグループにおける他の変換器モジュール21とともに動作することが可能になる。単相動作において、
図15Bに示されているように、変換器モジュール22はACグリッドから切断され、バッファキャパシタC
PPBは、PPBとして動作するためにフィルタキャパシタCおよび/またはC
DM/CMに並列接続される。C
PPBの両端間の電圧はDCリンク電圧U
dcを上回り得、ならびに下回り得る。
図15Bにおいて、コモンモードチョークL
CMがノード211においてバッファキャパシタ/変換器モジュール22から切断されることが示されているが、これは要件ではなく、コモンモードチョークは取り付けたままにすることができる。たとえば、キャパシタCおよび/またはC
DM/CMが十分なエネルギー蓄積機能を与えるときに、バッファキャパシタC
PPBは随意であることに留意することは好都合であろう。PPB変換器モジュールは、単相動作の場合の最小DCリンクキャパシタンス値を低減する。
【0055】
図16A~
図16Bを参照すると、PPBとして作動する変換器モジュール22は、好適なスイッチング回路212を与えることによって改変され、それにより、単相動作において、バッファキャパシタC
PPBをスイッチノードBに動作可能に接続する間にスイッチノードBをスイッチノードAから切断することが可能になる。特に、スイッチング回路212は、端子213をC
PPBに接続する間にスイッチノードAをインダクタLのそれぞれの端子213から切断するように構成される。スイッチング回路212は、有利には、さらに、スイッチノードAが中性端子Nに接続される間に正のDCリンクレールpと負のDCリンクレールnにわたってブリッジ脚T
1/T
2を接続するように構成される。そうすることによって、変換器モジュール22は、(ここで、DCリンク電圧を厳密に下回るPPB電圧を用いて)ブースト段13のみがPPB23として作動するように分離される。有利には、ブリッジ脚T
1/T
2はアンフォルダー回路24として作動し、それにより、端子gに並列接続された変換器モジュール21が並列化され、したがって変換器モジュール21は、グリッド電流を等しく共有することが可能になる。
【0056】
図15A~
図15Bおよび
図16A~
図16Bにおいて参照した変換器モジュール21および場合によっては変換器モジュール22は、前に説明した変換器モジュール11として単一の変換器モジュールを指すことができるか、または代替的に、上記実施形態のいずれかにおいて説明した変換器モジュールのグループ101~103および104~105を指すことができることに留意することが好都合であろう。特に有利な実施形態では、
図12Aおよび
図12Bに関して説明した4/2変換器モジュール構成を、変換器モジュール11の4つのグループ105のうちの1つがPPBとして使用されるように適応させることができる。したがって、単相動作において、変換器モジュールの3つのグループ105と、変換器モジュールの2つのグループ104と、1つのPPBモジュールとをもつ構成が得られるが、すべての6つの変換器モジュール11は、3相動作においてグループ101~103に割り当てられるために利用可能であろう。
【0057】
単相動作と3相動作の両方において、得られたグリッド電流は、それぞれのグリッド電圧と必ずしも同相である必要はなく、本発明の態様による電気変換器は、静的VAR補償器(SVC)適用例においても採用することができることに留意することが好都合であろう。
【0058】
本明細書で説明した電気変換器は、3相動作と単相動作の両方の場合に、上記で説明した同様の制御構造をもつインバータとして動作させることができる。さらに、電気変換器による双方向電力フローが可能であり、それによりその電気変換器をACグリッドへの電力注入のために使用することが可能になる。
【0059】
図17を参照すると、バッテリー充電システム700は電源ユニット704を備える。電源ユニット704は、一方の側では端子a、b、cを通してACグリッドに結合され、他方の側では(端子P’、N’において)、たとえば、電源ユニット704をバッテリー703に接続することを可能にするスイッチデバイスを備えるインターフェース702に結合される。電源ユニット704は、上記で説明したように、電気変換器のうちのいずれか1つ、たとえば変換器10を備え、本システムではDC-DC変換器であるさらなる変換器段701を備えることができる。電源ユニット704、たとえば変換器段701は、無線電力伝達の場合など、空気(図示せず)を通して誘導結合されたコイルのペアを備えることができる。代替的に、DC-DC変換器段701は、1つまたは複数の、場合によっては分離されたDC-DC変換器を備えるか、あるいは1つまたは複数の、場合によっては分離されたDC-DC変換器からなることができる。場合によっては、インターフェース702は、たとえば有線電力伝達において、プラグおよびソケットを備えることができる。代替的に、プラグおよびソケットは入力において(たとえば、ノードa、b、cにおいて)与えることができる。
【0060】
本開示による電気変換器の別の可能な適用例は電気モーター駆動システムのトラクションインバータとしてである。
【符号の説明】
【0061】
10 電気変換器
11 変換器モジュール
12 バック段
13 ブースト段
14 フィルタ構造
15 制御ユニット
16 制御モジュール
20 電気変換器
21 変換器モジュール
22 変換器モジュール
23 電力脈動バッファ
24 アンフォルダー回路
101 第1のグループ
102 第1のグループ
103 第1のグループ
104 第2のグループ
105 第2のグループ
111 ACノード
112 スイッチング手段
141 フィルタグループ
142 フィルタグループ
151 3相電流制御ブロック
152 単相電流制御ブロック
161 AC電圧制御ブロック
162 インダクタ電流制御ブロック
163 変調器
211 ノード
212 スイッチング回路
213 端子
700 バッテリー充電システム
701 変換器段
702 インターフェース
703 バッテリー
704 電源ユニット
【手続補正書】
【提出日】2022-10-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
AC信号とDC信号とを変換するための電気変換器(10,20)であって、
複数のAC端子(a,b,c,g,N)と、
第1のDC端子(DC
+)と、
第2のDC端子(DC
-)と、
複数の変換器モジュール(11,21,22)と
を備え、前記複数の変換器モジュールの各々が、
ACノード(a
1,111)と、
第1のキャパシタ(C)であって、前記第2のDC端子が前記複数の変換器モジュールの前記第1のキャパシタ(C)の共通ノードを形成するように、前記ACノード(a
1
,111)が、前記第1のキャパシタの第1の端子に接続され、かつ前記第2のDC端子(DC
-
)が、前記第1の端子に対向する前記第1のキャパシタの第2の端子に接続される、第1のキャパシタ(C)と、
第1の変換器段(12)であって、第1のスイッチノード(A)
と、前記第1のキャパシタの前記第1の端子を前記第1のスイッチノード(A)に接続する第1のアクティブ半導体スイッチ(T
1
)および前記第1のキャパシタの前記第2の端子を前記第1のスイッチノード(A)に接続する第2のアクティブ半導体スイッチ(T
2
)を備えるハーフブリッジとを備える第1の変換器段(12)と、
第2の変換器段(13)であって、第2のスイッチノード(B)
と、前記第1のDC端子を前記第2のスイッチノード(B)に接続する第3のアクティブ半導体スイッチ(T
3
)および前記第2のDC端子を前記第2のスイッチノード(B)に接続する第4のアクティブ半導体スイッチ(T
4
)を備えるハーフブリッジとを備える第2の変換器段(13)と、
第1のインダクタ(L)であって、前記第1のスイッチノードおよび前記第2のスイッチノードが前記第1のインダクタの対向する端子に接続される、第1のインダクタ(L)
と
を備え、
前記複数の変換器モジュールの前記ACノード(a
1,111)と前記複数のAC端子との接続が再構成可能であり、前記電気変換器が、第1の複数p
1≧2個の相電圧を有する第1のAC信号と前記DC信号とを変換するように構成された第1の動作モードに従って動作すること、および単相電
圧を有する第2のAC信号と前記DC信号とを変換するように構成された第2の動作モードに従って動作することが可能になり、それにより、前記第1の動作モードにおいて前記第1のAC信号と前記DC信号とを変換することに寄与する前記複数の変換器モジュール(11,21,22)が、前記第2の動作モードにおける前記第2のAC信号と前記DC信号との変換またはアクティブ容量性エネルギー蓄積(C
PPB)に寄与し、
前記複数の変換器モジュールが少なくともp
1k個の変換器モジュールであり、kは、2に等しいかまたは2よりも大きい正の整数であり、前記第1の動作モードにおいて、前記p
1k個の変換器モジュールがp
1個の第1のグループ(101,102,103)にグループ化され、前記第2の動作モードにおいて、前記p
1k個の変換器モジュール
が2つの第2のグループ(104,105)に並べ替えられ、
前記2つの第2のグループ(104,105)が、前記2つの第2のグループのうちの一方(105)に割り当てられた、前記複数の変換器モジュールのうちのより多い数の変換器モジュールと、前記2つの第2のグループのうちの他方(104)に割り当てられた、前記複数の変換器モジュールのうちの少なくとも2つの変換器モジュールとを含み、前記電気変換器が、前記第1のグループと前記第2のグループとの同じグループに並列に割り当てられた複数の変換器モジュールを動作させるように構成され
、
前記第2の動作モードがブースト動作モードを含み、前記ブースト動作モードにおいて、前記電気変換器が、パルス幅変調を介して前記2つの第2のグループのうちの前記一方(105)に割り当てられた複数の変換器モジュールを動作させ、アンフォルダー動作に従って前記2つの第2のグループのうちの前記他方(104)に割り当てられた複数の変換器モジュールを動作させ、それにより、前記第1のアクティブ半導体スイッチ(T
1
)が、前記第1のスイッチノード(A)をそれぞれの前記ACノードにクランプするように切り替えられ、前記第3のアクティブ半導体スイッチ(T
3
)、および前記第2のアクティブ半導体スイッチ(T
2
)または前記第4のアクティブ半導体スイッチ(T
4
)が、前記第2のAC信号の基本周期の半分において前記第2のスイッチノード(B)をそれぞれの前記第1のDC端子および前記第2のDC端子に交互にクランプするように切り替えられる、ように構成される、電気変換器。
【請求項2】
前記第2の動作モードがバック動作モードを含み、前記バック動作モードにおいて、前記電気変換器が、それぞれの前記第1のキャパシタ(C)の両端間の電圧が前記第1のDC端子と前記第2のDC端子との間の電圧(U
DC
)よりも小さいかまたは前記電圧(U
DC
)に等しい場合に、前記アンフォルダー動作に従って前記2つの第2のグループのうちの前記他方(104)に割り当てられた複数の変換器モジュールを動作させ、それぞれの前記第1のキャパシタ(C)の両端間の電圧が前記第1のDC端子と前記第2のDC端子との間の電圧(U
DC
)を超える場合に、パルス幅変調を介して前記2つの第2のグループのうちの前記他方(104)に割り当てられた複数の変換器モジュールを動作させるように構成される、請求項1に記載の電気変換器。
【請求項3】
前記バック動作モードにおいて、前記電気変換器が、クランプされたモードで前記2つの第2のグループのうちの前記一方(105)に割り当てられた複数の変換器モジュールを動作させ、それにより、前記第1のアクティブ半導体スイッチ(T
1
)が、前記第1のスイッチノード(A)をそれぞれの前記ACノードにクランプするように切り替えられ、前記第4のアクティブ半導体スイッチ(T
4
)が、前記第2のスイッチノード(B)を前記第2のDC端子にクランプするように切り替えられる、ように構成される、請求項2に記載の電気変換器。
【請求項4】
p
1≧3である、請求項1に記載の電気変換器。
【請求項5】
前記第1のグループ(101,102,103)が等しい数の変換器モジュール(11,21)を有する、請求項1から
4のいずれか一項に記載の電気変換器。
【請求項6】
前記第2のAC信号が単相電圧を有し、前記第2のグループが2つ(104,105)である、請求項1から5のいずれか一項に記載の電気変換器。
【請求項7】
前記第1のDC端子と前記第2のDC端子との両端間に接続された第2のキャパシタ(C
dc)を備え、前記複数の変換器モジュールの前記第2の変換器段が前記第2のキャパシタに並列接続される、請求項1から6のいずれか一項に記載の電気変換器。
【請求項8】
前記複数のAC端子(a,b,c,g,N)と前記ACノード(111)との間に接続されたACフィルタ(14)を備え、前記ACフィルタが、コモンモードチョーク(L
CM)を備えるコモンモードフィルタを備える、請求項1から7のいずれか一項に記載の電気変換器。
【請求項9】
前記コモンモードチョーク(L
CM)が、前記複数の変換器モジュールの各々のための分岐を備え、前記分岐が、前記複数の変換器モジュールの各々の前記ACノード(111)に接続されるか、または前記複数の変換器モジュールの各々の前記ACノード(111)に接続可能である、請求項8に記載の電気変換器。
【請求項10】
前記ACノード(111)の一側面において前記第1のキャパシタ(C)の端子を再構成可能な様式で相互接続するための第1のスイッチング手段(112)を備える、請求項1から9のいずれか一項に記載の電気変換器。
【請求項11】
前記第1のスイッチング手段(112)が、前記第1のグループおよび/または前記第2のグループの同じグループに割り当てられた前記変換器モジュールの前記第1のキャパシタ(C)の端子を相互接続するように構成される、請求項1から6のいずれか一項を引用する請求項10に記載の電気変換器。
【請求項12】
前記第1のスイッチング手段(112)が第1の数の前記分岐を第2の数の前記複数の変換器モジュールに接続するように構成され、前記第1の数と前記第2の数とが等しくない、請求項9を引用する請求項10または11に記載の電気変換器。
【請求項13】
制御ユニット(15)を備え、前記制御ユニットは、前記第1のDC端子と前記第2のDC端子との間のDC電圧(U
dc)が、それぞれの前記第1のキャパシタ(C)の両端間の第1の電圧(u
an,u
gn)よりも小さいかまたは前記第1の電圧(u
an,u
gn)に等しい第3の動作モードに従って、および前記DC電圧(U
dc)が前記第1の電圧(u
an,u
gn)よりも大きい第4の動作モードに従って、前記複数の変換器モジュール(11)の各々を動作させるように構成される、請求項1から12のいずれか一項に記載の電気変換器。
【請求項14】
制御ユニット(15)を備え
、前記制御ユニットが、パルス幅変調を介して
前記第1のアクティブ半導体スイッチおよび前記第2のアクティブ半導体スイッチを相互排他的に動作させ
、パルス幅変調を介して前記第3のアクティブ半導体スイッチおよび前記第4のアクティブ半導体スイッチを相互排他的に動作させるように構成される、請求項1から13のいずれか一項に記載の電気変換器。
【請求項15】
前記制御ユニットが、前記第1の動作モードにおいてパルス幅変調を介し
て1つまたは複数
の変換器モジュールを動作させるように構成される、請求項14に記載の電気変換器。
【請求項16】
制御ユニット(15)を備え、前記制御ユニットが、それぞれの前記第1のキャパシタ(C)の両端間の第1の基準電圧(u
*
an,u
*
gn)に基づいて前記複数の変換器モジュールの各々についてのデューティサイクル(d
A,d
B)を独立して決定するように構成される、請求項1から15のいずれか一項に記載の電気変換器。
【請求項17】
前記複数の変換器モジュール(22)のうちの少なくとも1つが、前記第2の動作モードにおいて電力脈動バッファとして動作させられるように構成される、請求項1から16のいずれか一項に記載の電気変換器。
【請求項18】
電力脈動バッファとして動作させられるように構成された前記少なくとも1つの変換器モジュール(21)が、前記第2の動作モードにおいて前記第1のキャパシタ(C)を充電および放電するように構成される、請求項17に記載の電気変換器。
【請求項19】
電力脈動バッファとして動作させられるように構成された前記少なくとも1つの変換器モジュール(21)が、バッファキャパシタ(C
PPB)と、前記バッファキャパシタを充電および放電するために前記第2の動作モードにおいて前記バッファキャパシタ(C
PPB)を前記少なくとも1つの変換器モジュール(21)に動作可能に接続するように構成された第2のスイッチング手段とをさらに備える、請求項17または18に記載の電気変換器。
【請求項20】
前記第2のスイッチング手段が、前記バッファキャパシタ(C
PPB)を前記第1のキャパシタ(C)に並列に接続するように構成される、請求項19に記載の電気変換器。
【請求項21】
前記第2の変換器段(13)が、前記第2の動作モードにおいて前記バッファキャパシタを充電および放電するために動作可能であるように、前記第2のスイッチング手段(212)が、前記第1のスイッチノード(A)と前記バッファキャパシタ(C
PPB)の端子との間の前記第1のインダクタ(L)の端子(213)の接続を切り替えるように構成される、請求項19に記載の電気変換器。
【請求項22】
前記第2のスイッチング手段(212)が、前記第2の動作モードにおいて前記第1のDC端子および前記第2のDC端子と前記第1のスイッチノード(A)との間の前記第1の変換器段(12)のブリッジ脚(24)をそれぞれのAC端子に接続するようにさらに構成される、請求項21に記載の電気変換器。
【請求項23】
特に電気車両駆動バッテリーを充電するための、バッテリー充電システムであって、前記バッテリー充電システムは電源を備え、前記電源が請求項1から22のいずれか一項に記載の電気変換器(10)を備える、バッテリー充電システム。
【国際調査報告】