(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-10
(54)【発明の名称】電池セル、電池及び電池セルを電源として使用する装置
(51)【国際特許分類】
H01M 50/15 20210101AFI20231002BHJP
H01M 50/103 20210101ALI20231002BHJP
【FI】
H01M50/15
H01M50/103
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023512758
(86)(22)【出願日】2022-02-09
(85)【翻訳文提出日】2023-02-21
(86)【国際出願番号】 CN2022075666
(87)【国際公開番号】W WO2022206176
(87)【国際公開日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】202120635838.3
(32)【優先日】2021-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100159329
【氏名又は名称】三縄 隆
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ ▲シン▼
(72)【発明者】
【氏名】葛 ▲銷▼明
【テーマコード(参考)】
5H011
【Fターム(参考)】
5H011AA09
5H011BB03
5H011CC06
5H011DD13
(57)【要約】
本願発明は、電池セル、電池及び電池セルを電源として使用する装置に関し、当該電池セルは、筐体とエンドカバーを含み、前記筐体には開口が配置されており、前記エンドカバーは前記開口を覆うために用いられ、かつ前記筐体にシール接続されており、前記筐体又は前記エンドカバーのうちの一方には切欠が配置されており、他方には突起が配置されており、前記突起は前記切欠の形状に合わせるように前記切欠内に配置され、前記エンドカバーは前記突起と前記切欠との嵌め合わせにより前記筐体に装着される。従来技術とは異なり、本願発明における電池セルのエンドカバーは突起と切欠との嵌め合わせにより筐体に装着されることで、エンドカバーと筐体との擦り付けによる金属屑の筐体内への落下を効果的に減少させることができ、電池セルがより安全となる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口が配置されている筐体と、
前記開口を覆うために用いられ、前記筐体にシール接続されるエンドカバーと、
を含み、
前記筐体又は前記エンドカバーのうちの一方に切欠が配置されており、他方に突起が配置されており、前記突起が前記切欠の形状に合わせるように前記切欠内に配置され、前記エンドカバーが、前記突起と前記切欠との嵌め合わせにより前記筐体に装着されている、電池セル。
【請求項2】
前記筐体は、複数の側壁を含み、前記複数の側壁が前記開口を囲んで形成し、前記切欠が前記側壁の少なくとも1つに設けられ、前記切欠が前記側壁の厚さ方向において前記筐体の側壁を貫通することを特徴とする、請求項1に記載の電池セル。
【請求項3】
前記切欠は、鉛直方向における最大深さが前記エンドカバーの厚さよりも小さいことを特徴とする、請求項2に記載の電池セル。
【請求項4】
前記電池セルは、前記エンドカバーの底部に配置されている絶縁部材をさらに含み、前記切欠は、鉛直方向における最大深さが前記絶縁部材の前記鉛直方向における最大厚さよりも小さい、或いはそれと等しいことを特徴とする、請求項2から3のいずれか一項に記載の電池セル。
【請求項5】
前記切欠の底部には、上階段及び下階段を含む階段が配置されており、前記突起と前記下階段とは互いに嵌め合っていることを特徴とする、請求項2から4のいずれか一項に記載の電池セル。
【請求項6】
前記切欠の側面と前記切欠の底面とがなす角は、直角又は鈍角であることを特徴とする、請求項2から5のいずれか一項に記載の電池セル。
【請求項7】
前記突起の外周面と前記筐体の外周面とは、面一である、又は
鉛直方向において、前記突起の外周面の投影は、前記筐体の外周面の投影の範囲内にあることを特徴とする、請求項2から6のいずれか一項に記載の電池セル。
【請求項8】
前記筐体は、多角形の筐体であり、前記エンドカバーは、多角形のカバー板であり、前記切欠は、前記筐体の一角にあり、前記突起は、前記カバー板の一角に対応的に配置されている、請求項1から7のいずれか一項に記載の電池セル。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の電池セルを含む、電池。
【請求項10】
請求項1から8のいずれか一項に記載の電池セルを含む電池セルを電源として使用する、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、2021年3月29日に提出された「電池セル、電池及び電池セルを電源として使用する装置」という名称の中国特許第202120635838.3号を引用し、それを引用により全体として本願発明に取り込まれる。
【0002】
本願発明は、エネルギー貯蔵技術の分野に関し、特に電池セル、電池及び電池セルを電源として使用する装置に関する。
【背景技術】
【0003】
ある場合において、一般的には、エンドカバーを筐体の開口に入れて取り付けるように、筐体の開口がエンドカバーの大きさよりも大きい、又はそれと等しい。しかしながら、エンドカバー又は筐体は生産中において、生産誤差が安定していないので、筐体とエンドカバーとを取り付けると、締まり嵌めという問題が生じやすく、締まり嵌めによりエンドカバーと筐体との擦り付けで金属屑が生じてしまい、金属屑が筐体内に落ちることにより、電池セルの内部の短絡を起こし、安全的問題をもたらす可能性がある。
【発明の概要】
【0004】
そのため、エンドカバーと筐体との擦り付けで金属屑が生じてしまい、金属屑が筐体内に落ちることにより、電池セルの内部の短絡を起こし得るという技術的問題を解決するために、電池セル及びその電気設備を提供する。
【0005】
上述した目的を実現するために、発明者は、開口が配置されている筐体と、開口を覆うために用いられ、筐体にシール接続されるエンドカバーとを含み、筐体又はエンドカバーのうちの一方に切欠が配置されており、他方に突起が配置されており、突起が切欠の形状に合わせるように切欠内に配置され、エンドカバーが突起と切欠との嵌め合わせにより筐体に装着されている、電池セルを提供する。
【0006】
上述した技術方案におけるエンドカバーが突起と切欠との嵌め合わせにより筐体に装着されているので、エンドカバーと筐体との擦り付けによる金属屑の筐体内への落下を効果的に減少させることができ、電池セルがより安全となる。
【0007】
いくつかの実施形態において、筐体は複数の側壁を含み、複数の側壁が開口を囲んで形成し、切欠が側壁の少なくとも1つに設けられ、切欠が側壁の厚さ方向において筐体の側壁を貫通する。
【0008】
このように、切欠が側壁の少なくとも1つに設けられ、切欠が側壁の厚さ方向において筐体の側壁を貫通し、エンドカバーが突起と切欠との嵌め合わせで筐体に固定されることにより、エンドカバーと筐体の側壁との擦り付けを減少させる。
【0009】
いくつかの実施形態において、切欠の鉛直方向における最大深さはエンドカバーの厚さよりも小さい。
【0010】
このように、切欠の鉛直方向における最大深さがエンドカバーの厚さよりも小さいことにより、使用の過程中において、切欠と突起とをレーザーにより溶接するときに、エンドカバーの底部によりレーザーを遮断することができ、レーザーがエンドカバーの底部から筐体の内部まで透過し、電池セルの破壊を引き起こすことを防止することができる。
【0011】
いくつかの実施形態において、電池セルは、エンドカバーの底部に配置されている絶縁部材をさらに含み、切欠の鉛直方向における最大深さが絶縁部材の鉛直方向における最大厚さよりも小さい、又はそれと等しい。
【0012】
このように、切欠の鉛直方向における最大深さが絶縁部材の鉛直方向における最大厚さよりも小さい、又はそれと等しいことにより、使用の過程中において、切欠と突起とをレーザーにより溶接するときに、絶縁部材の底部によりレーザーを遮断することができ、レーザーが絶縁部材の底部から筐体の内部まで透過し、電池セルの破壊を引き起こすことを防止することができる。
【0013】
いくつかの実施形態において、切欠の底部には、上階段及び下階段を含む階段が配置されており、突起と下階段とは互いに嵌め合っている。
【0014】
この際、切欠と突起とをレーザーにより溶接するときに、レーザーが上階段により遮断されるので、レーザーがエンドカバーの側面から筐体の内部まで透過し、電池セルの破壊を引き起こすことを防止することができる。
【0015】
いくつかの実施形態において、切欠の側面と切欠の底面とがなす角は直角又は鈍角である。
【0016】
切欠と突起構造の加工を便利にするために、切欠の側面と切欠の底面とがなす角を直角又は鈍角にし、かつ、それにより切欠と突起との装着を便利にし、装着効率を向上させる。
【0017】
いくつかの実施形態において、突起の外周面と筐体の外周面とは面一である、又は鉛直方向において、突起の外周面の投影は、筐体の外周面の投影の範囲内にある。
【0018】
この際、2つ以上の電池セルを並べて配置する場合、電池セルの突起による隣り合う電池セルの傷付けを避けるために、突起の外周面と筐体の外周面とを面一にする、又は鉛直方向において、突起の外周面の投影を筐体の外周面の投影の範囲内にすることにより、突起による隣り合う電池セルの傷付けを効果的に減少させることができる。
【0019】
いくつかの実施形態において、筐体は多角形の筐体であり、エンドカバーは多角形のカバー板であり、切欠は筐体の一角にあり、突起がカバー板の一角に対応的に配置されている。
【0020】
円形の筐体とは異なり、多角形の筐体とエンドカバーとの締まり嵌め位置は一般的に多角形の筐体の曲がり角にあるが、これを避けるために、切欠を多角形の筐体の曲がり角にセットすることで、多角形の筐体とエンドカバーとの曲がり角にある締まり嵌めという技術的問題を減少させる。
【0021】
上述した目的を実現するために、発明者は、上述した発明者が提供するいずれかの電池セルを含む電池をさらに提供する。
【0022】
上述した目的を実現するために、発明者は、上述した発明者が提供するいずれかの電池セルを含む電池セルを電源として使用する装置をさらに提供する。
【0023】
従来技術とは異なり、当該電池及び当該電気装置による技術的効果はいずれも、その電池セルはエンドカバーが突起と切欠との嵌め合わせにより筐体に装着されることにより、筐体とエンドカバーとの擦り付けを減少させ、擦り付けによる金属屑の筐体内への落下を減少させることができ、電池セルがより安全となる。
【0024】
本願発明の実施形態に係る技術方案をより明らかに説明するために、以下に本願発明の実施形態に用いられる添付図面について簡単に説明するが、以下に述べる添付図面は、本願発明のいくつかの実施形態に過ぎず、当業者であれば、創作的労働を必要としない前提において、添付図面に基づいてその他の添付図面を得ることができることは、言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本願発明における一実施形態の車両の構造模式図である。
【
図2】本願発明における一実施形態の電池の構造模式図である。
【
図3】本願発明における一実施形態の電池セルの爆発図である。
【
図4】本願発明における一実施形態の筐体の構造模式図である。
【
図5】本願発明における一実施形態のエンドカバーと筐体とを嵌め合わせる前の部分構造模式図である。
【
図6】本願発明における別の一実施形態のエンドカバーと筐体とを嵌め合わせる前の部分構造模式図である。
【
図7】本願発明におけるまた別の一実施形態のエンドカバーと筐体とを嵌め合わせる前の部分構造模式図である。
【
図8】本願発明におけるさらに別の実施形態のエンドカバーと筐体とを嵌め合わせる前の部分構造模式図である。
【
図9】本願発明における一実施形態の電池セルの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
技術方案の技術内容、構造的特徴、実現する目的及び効果を詳しく説明するために、以下に具体的な実施形態により、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0027】
本願発明における説明において、別に明確な規定や限定がない限り、「第一」、「第二」という用語は、説明する目的のために用いられるものに過ぎず、相対的重要性を指示又は示唆すると理解すべきではない。また、別に規定または説明がない限り、「複数」という用語は、2つ以上(2つを含む)のことをいう。また、「接続」、「固定」などの用語は、広義的に理解されるべきであり、例えば、「接続」というのは、固定接続であってもよく、着脱可能に接続してもよく、一体に接続してもよく、電気的に接続してもよく、また、直接接続してもよく、中間媒体を介して間接的に接続してもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて本発明における上記用語の具体的意義を理解することができる。
【0028】
本明細書における説明において、本願発明における実施形態に記載の「上」、「下」、「左」、「右」などの方位詞は、図面に基づいて説明されるものであり、本願発明における実施形態を限定する意図はないことは、理解されるべきである。なお、文脈において、1つの素子がもう1つの素子の「上」又は「下」に接続されるという場合、もう1つの素子の「上」又は「下」に直接接続されるだけではなく、中間素子を介してもう1つの素子の「上」又は「下」に間接的に接続されてもよいことは、理解されるべきである。
【0029】
本願発明における実施形態に記載の技術方案はいずれも、例えば、携帯電話、携帯型設備、ノートパソコン、電気自転車、電気おもちゃ、電動工具、電気車両、ボート及び航空機などのような、各種の電池を使用する装置に適用され、中でも、航空機は、飛行機、ロケット、宇宙飛行機及び宇宙船などを含む。
【0030】
例えば、
図1には、本願発明における一実施形態の車両3の構造模式図を示し、車両3は、ガソリン車、ガス車又は新エネルギー車であってもよく、新エネルギー車は、純粋電気自動車、ハイブリッド自動車又は航続距離延長型自動車などであってもよい。
【0031】
車両3の内部には、モーター31、コントローラ32及び電池2を配置してもよく、コントローラ32により電池2を制御してモーター31に電気供給する。例えば、車両3の底部又は前部又は後部には、電池2を配置してもよい。電池2は、車両の電気供給に用いられ、例えば、電池2は、車両3のオペレーショナル電源として車両3の回路システムに用いられてもよく、例えば、車両3の起動、ナビゲーション及び走行のための作動電気ニーズに対応する。本願発明における別の一実施形態において、電池2は、車両3のオペレーショナル電源だけでなく、ガソリンや天然ガスの代わりに、或いはそれらの一部の代わりに、車両3の駆動電源として車両3に駆動力を供給してもよい。
【0032】
本願発明における実施形態で言及される電池2とは、より高い電圧と容量を供給するように1つ又は複数の電池セルを含む単一の物理的モジュールである。例えば、本願発明で言及される電池2は、電池モジュールや電池パックなどを含んでもよい。電池2は、一般的に1つ又は複数の電池セル1をパッケージするためのケースを含む。ケースにより、液体又はその他の異物による電池セルの充電又は放電への影響を防止することができる。
【0033】
例えば、
図2に示すように、本願発明における一実施形態の電池2は、電池モジュール21及びケースを含み、電池モジュール21はケース内に収容されてもよく、電池モジュール21の数は1つ又は複数であり、本実施形態では、複数の電池モジュール21を並んでケース内に配置する。ケースのタイプには、制限がなく、ケースは、枠状ケース、盤状ケース又はボックス状ケースなどであってもよく、具体的には、ケースは上ケース22と下ケース23を含んでもよく、下ケース23は電池モジュール21を格納するために用いられ、上ケース22と下ケース23とは蓋合わせされる。
【0034】
電池モジュール21は、2つ以上の電池セルを含み、2つ以上の電池セルは並んで配置され、電池モジュール21を形成するように互いに電気接続されている。
【0035】
本願発明において、電池セルは、リチウムイオン二次電池、リチウムイオン一次電池、リチウム硫黄電池、ナトリウムリチウムイオン電池、ナトリウムイオン電池又はマグネシウムイオン電池などを含んでもよく、本願発明の実施形態では限定しない。電池セルは、円柱体、扁平体、直方体又はその他の形状などをなしてもよく、本願発明の実施形態でも限定しない。電池セルは、一般的にパッケージ方式で、円筒形電池セル、直方体電池セル及びソフトパック電池セルに分類され、本願発明の実施形態でも限定しない。
【0036】
図3に示されるように、電池セル1は、電極部品13及び電解液を含み、電極部品13は、正極シート(不図示)、負極シート(不図示)及びセパレータ(不図示)からなる。電池セル1は主に、金属イオンが正極シートと負極シートとの間で移動することにより作動する。正極シートは、正極集電体および正極活物質層を含み、正極活物質層は正極集電体の表面にコートされ、正極活物質層がコートされていない正極集電体は正極活物質層がコートされている正極集電体に突出し、正極活物質層がコートされていない正極集電体が正極タブとなる。リチウムイオン電池を例としていえば、正極集電体の材料はアルミニウムであってもよく、正極活物質はコバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム、三元リチウム又はマンガン酸リチウムなどであってもよい。負極シートは、負極集電体及び負極活物質層を含み、負極活物質層は負極集電体の表面にコートされ、負極活物質層がコートされていない負極集電体は負極活物質層がコートされている負極集電体に突出し、負極活物質層がコートされていない負極集電体が負極タブとなる。負極集電体の材料は銅であってもよく、負極活物質はカーボンやケイ素などであってもよい。大電流が流しても溶断しないようにするために、正極タブの数が複数で積層しており、負極タブの数が複数で積層している。セパレータの材質は、ポリプロピレン(polypropylene、PP)又はポリエチレン(polyethylene、PE)などであってもよい。なお、電極部品13は、巻取型構造でも、積層型構造でもよいが、本願発明の実施形態はこれに限らない。
【0037】
図3及び
図4に示されるように、当該電池セル1はさらに、二つの電極端子14を含んでもよく、二つの電極端子14はエンドカバー12に配置されてもよい。エンドカバー12は通常、平板形状であり、二つの電極端子14はそれぞれ正電極端子14及び負電極端子14である。各電極端子14にはそれぞれ、電極部品13と電極端子14とを電気接続するための接続部材(集電部材ともいう)が1つずつ設けられている。
【0038】
当該電池セル1はさらに、筐体11を含んでもよく、筐体11はアルミニウム、アルミニウム合金又はニッケルめっき鋼などの金属材料から作製されてもよく、筐体11は六面体形状又はその他の形状を有し、かつ開口113を有してもよい。筐体11には収納キャビティが設けられ、電極部品13が筐体11の収納キャビティ内に収納されている。筐体11の開口113はエンドカバー12で覆われ、エンドカバー12はアルミニウム、アルミニウム合金などの金属材料から作製されてもよく、エンドカバー12のサイズと電池の筐体11の開口113のサイズとが合っている。
【0039】
従来のエンドカバー12又は筐体11は、生産中において、生産誤差が安定していないので、筐体11とエンドカバー12とを取り付けると、締まり嵌めという問題が生じやすく、締まり嵌めによりエンドカバー12と筐体11との擦り付けで金属屑が生じてしまい、金属屑が筐体11内に落ちることにより、電池セル1の内部の短絡を起こし、安全的問題をもたらす可能性がある。
【0040】
そのため、本願発明の実施形態は、筐体11又はエンドカバー12のうちの一方に切欠が配置されており、他方に突起が配置されており、突起が切欠の形状に合わせるように切欠内に配置され、エンドカバー12が突起と切欠との嵌め合わせにより筐体11に装着されている技術方案を提供し、切欠と突起とを互いに固定することで、エンドカバー12と筐体11とを装着するときに発生する擦り付けによる金属屑の問題を減少させることができ、電池セル1がより安全となる。
【0041】
いくつかの実施形態において、筐体11に突起121が配置されており、エンドカバー12に切欠111が配置されており、突起121は形状が切欠111の形状に合わせるように切欠111内に配置されてもよい。
【0042】
いくつかの実施形態において、エンドカバー12に突起121が配置されており、筐体11に切欠111が配置されており、突起121は形状が切欠111の形状に合わせるように切欠111内に配置され、エンドカバー12は突起121と切欠111との嵌め合わせにより筐体11に装着されている。
【0043】
本願発明の実施形態では、主にエンドカバー12に突起121が配置されており、筐体11に切欠111が配置されているものを例として説明する。
【0044】
本願発明のいくつかの実施形態において、エンドカバー12と筐体11とは、溶接、例えばレーザー溶接により固定されている。
【0045】
図4に示されるように、筐体11は複数の側壁112を含み、複数の側壁112が開口113を囲んで形成し、筐体11はさらに、複数の側壁112とともに囲んで筐体11を形成する底壁を含み、切欠111は側壁112に配置され、かつ側壁112の厚さ方向(図面では矢印x又は矢印yで示される方向)に沿って筐体11の側壁112を貫通する。このように、切欠111を側壁112に配置し、切欠111が側壁112の厚さ方向(図面では矢印x又は矢印yで示される方向)に沿って筐体11の側壁112を貫通することにより、エンドカバー12は突起121と切欠111の嵌め合わせにより筐体11に固定され、エンドカバー12と筐体11との擦り付け問題を減少させる。
【0046】
いくつかの実施形態において、筐体11は多角形の筐体11であり、エンドカバー12は多角形のカバー板であり、切欠111は筐体11の一角にあり、突起121がカバー板の一角に対応的に配置されている。円形の筐体11とは異なり、多角形の筐体11とエンドカバー12との締まり嵌め位置は一般的に多角形の筐体11の曲がり角にあるが、これを避けるために、切欠111を多角形の筐体11の曲がり角にセットすることで、多角形の筐体11とエンドカバー12との曲がり角にある締まり嵌めという問題を減少させる。
【0047】
本実施形態において、筐体11は矩形筐体11であり、エンドカバー12は矩形カバー板であり、切欠111は矩形筐体11の一角にあり、突起121は矩形カバー板の一角に対応的に配置されている。本実施形態において、矩形筐体11の四角のいずれにも1つの切欠111が配置されており、矩形カバー板の四角のいずれにも1つの突起121が配置されている。筐体11とエンドカバー12との嵌め合わせ位置が筐体11の四角にあるので、筐体11とエンドカバー12との締まり嵌めを減少させるために、切欠111も筐体11の四角に配置する。このように、エンドカバー12の長辺、短辺と筐体11の内長辺、内短辺との嵌め合わせだけで、筐体11とエンドカバー12との曲がり角にある締まり嵌めという技術的問題を効果的に減少させることができる。
【0048】
矩形筐体11の四角の少なくとも1つには切欠111が配置されており、対応する矩形カバー板の四角の少なくとも1つには突起121が配置されていることは理解される。矩形筐体11とエンドカバー12との締まり嵌め位置は一般的に矩形筐体11の曲がり角にあるが、これを避けるために、切欠111を矩形筐体11の曲がり角にセットすることで、矩形筐体11とエンドカバー12との曲がり角にある締まり嵌めという技術的問題を減少させる。
【0049】
本実施形態において、筐体11の四角はフィレットであり、エンドカバー12の四角と筐体11の四角とは合っている。この場合、筐体11の四角はフィレットであり、エンドカバー12の四角もフィレットであり、突起121はエンドカバー12の四角に配置されており、突起121のフィレットは筐体11のフィレットよりも小さい、又はそれと等しい。2つ以上の電池セル1を並んで配置する場合、電池セル1のエンドカバー12で隣り合う電池セル1が傷付けられるリスクを減少させるために、本実施形態において、突起121のフィレットと筐体11のフィレットとを一致にし、フィレットの範囲は2ミリメートル(mm)-5ミリメートル(mm)である。
【0050】
別の実施形態において、筐体11は円柱形であり、筐体11に切欠111が配置されており、エンドカバー12は円形のエンドカバー12であり、エンドカバー12に突起121が配置されており、それも本実施形態の保護範囲にある。
【0051】
図5から
図7に示されるように、いくつかの実施形態において、エンドカバー12には突起121が配置されており、筐体11には切欠111が配置されており、突起121は切欠111内に配置され、突起121の形状と切欠111の形状とは合っており、エンドカバー12は突起121と切欠111との嵌め合わせにより筐体11に装着されている。
【0052】
いくつかの実施形態において、
図6及び
図7に示されるように、切欠111は二つの側面1113及び一つの底面1114を含み、切欠111の側面1113と切欠111の底面1114とがなす角は直角又は鈍角であり、対応する突起121の形状構造は、切欠111の形状構造に応じて変化する。切欠111と突起121構造の加工を便利するために、切欠111の側面1113と切欠111の底面1114とがなす角を直角又は鈍角にし、かつ、それにより切欠111と突起121との装着を便利にし、装着効率を向上させる。切欠111の側面1113と切欠111の底面1114とがなす角が鈍角である場合、角度が110°-150°であり、他の角度に比べ、切欠111の側面1113と切欠111の底面1114とがなす角を直角又は鈍角にすることで、加工が便利となり、装着も便利となる。
【0053】
いくつかの実施形態において、
図6及び
図7に示されるように、切欠111は筐体11に配置されており、切欠111の鉛直方向(図面では矢印zで示される方向)における最大深さはエンドカバー12の厚さよりも小さい。このように、使用の過程中において、切欠111と突起121とをレーザー溶接する場合、エンドカバー12の底部によりレーザーが遮断されるので、レーザーがエンドカバー12の底部から筐体11の内部まで透過し、電池セル1の破壊を引き起こすことを防止できる。
【0054】
いくつかの実施形態において、
図8に示されるように、切欠111は筐体11に配置されており、筐体11は切欠111の底部に上階段1111及び下階段1112を含む階段が配置され、突起121と下階段1112とは互いに嵌め合っている。この際、エンドカバー12の突起121を筐体11の切欠111内に取り付け、突起121の底部と下階段1112とをレーザー溶接する場合、レーザーが意外に突起121と切欠111との間の隙間を透過しても、階段によりレーザーも遮断されるので、レーザーがエンドカバー12の側面から筐体11の内部まで透過し、電池セル1の破壊を引き起こすことを防止できる。
【0055】
図9及び
図10に示されるように、本実施形態において、突起121の外周面と筐体11の外周面とは面一であり、筐体11の外周面とは側壁112の収納キャビティから離れる表面をいい、突起121の外周面とはエンドカバー12の筐体11の外周面に対応する表面をいう。この際、2つ以上の電池セル1を並んで配置する場合、電池セル1の突起121で隣り合う電池セル1を傷付けるリスクを避けるために、突起121の外周面と筐体11の外周面とが面一であるようにする。又は、別の実施形態において、鉛直方向(図面では矢印zで示される方向)において、突起121の外周面の投影が筐体11の外周面上の投影の範囲にあることによっても、電池セル1の突起121で隣り合う電池セル1を傷付けるリスクを減少させることができ、それも本実施形態の保護範囲にある。
【0056】
図10を参照すると、いくつかの本実施形態において、電池セル1はエンドカバー12の底部に配置されている絶縁部材122をさらに含み、切欠111は筐体11に配置され、切欠111の鉛直方向(図面では矢印zで示される方向)における最大深さは絶縁部材122の鉛直方向(図面では矢印zで示される方向)における最大厚さよりも小さく、又はそれと等しく、ここでは絶縁部材122の底部の上にある切欠111の底部をいう。このように、切欠111を筐体11に配置する場合、切欠111の鉛直方向(図面では矢印zで示される方向)における最大深さが絶縁部材122の鉛直方向(図面では矢印zで示される方向)における最大厚さよりも小さい、又はそれと等しいことにより、筐体11の切欠111とエンドカバー12とをレーザー溶接する場合、絶縁部材122によりレーザーが遮断されるので、レーザーがエンドカバー12の側面から筐体11の内部まで透過し、電池セル1の破壊を引き起こすことを防止できる。
【0057】
切欠111と突起121の形状、大きさ、角を如何に調整や変化しても、切欠111と突起121とを互いに固定することができれば、いずれも本実施形態の保護範囲にあることを先に説明しておく。
【0058】
使用の過程中において、電極部品13を筐体11内に入れ、エンドカバー12の突起121が筐体11の切欠111に対応し、エンドカバー12を筐体11の開口113に蓋合わせ、そしてレーザーにより溶接を行い、エンドカバー12の突起121と筐体11の切欠111とを溶接して固定することにより、装着が完了する。
【0059】
本願発明におけるエンドカバー12は突起121と切欠111との嵌め合わせにより筐体11に装着され、エンドカバー12と筐体11の内壁との擦り付けを減少させ、擦り付けによる金属屑の筐体11内への落下を減少させる。
【0060】
本文では上述した各実施形態を説明したが、これにより本願発明の特許の保護範囲を制限することはないことを先に説明しておく。そのため、本願発明の革新的な精神に基づいて本文に記載の実施形態に対する変更や補正、または本願発明の明細書及び添付図面の内容により作成される等価構造や等価スキームの変換、又は以上の技術方案を直接又は間接的にその他の関連する技術分野に適用することは、いずれも本願発明の保護範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0061】
1 電池セル
11 筐体
111 切欠
1111 上階段
1112 下階段
1113 側面
1114 底面
112 側壁
113 開口
12 エンドカバー
121 突起
122 絶縁部材
13 電極部品
14 電極端子
2 電池
21 電池モジュール
22 上ケース
23 下ケース
3 車両
31 モーター
32 コントローラ
【国際調査報告】