(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-10
(54)【発明の名称】エアロゾル生成物品の製造方法
(51)【国際特許分類】
A24C 5/01 20200101AFI20231002BHJP
【FI】
A24C5/01
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023512798
(86)(22)【出願日】2021-09-17
(85)【翻訳文提出日】2023-04-17
(86)【国際出願番号】 EP2021075593
(87)【国際公開番号】W WO2022058482
(87)【国際公開日】2022-03-24
(32)【優先日】2020-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エスエイ
【住所又は居所原語表記】8,rue Kazem Radjavi,1202 Geneva,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワグナー, マーカス
(72)【発明者】
【氏名】シュヴァーネベック, ジュリア
(72)【発明者】
【氏名】スタメール, マルティナ
(72)【発明者】
【氏名】シュミッド, マルロ-リアンダー
(72)【発明者】
【氏名】セイツ, フェリックス
【テーマコード(参考)】
4B144
【Fターム(参考)】
4B144CB12
4B144CB32
4B144CB35
4B144CL07
4B144CM01
(57)【要約】
エアロゾル生成物品(1)を連続的に製造する方法は、(i)エアロゾル生成基材(10)の連続ウェブ(34)を提供することと、(ii)エアロゾル生成基材(10)の連続ウェブ(34)の表面に少なくとも1つのサセプタパッチ(28)を適用することと、(iii)エアロゾル生成基材(10)の連続ウェブ(34)及びその表面に適用された少なくとも1つのサセプタパッチ(28)を切断して、複数のエアロゾル生成ストリップ(16)及び複数のサセプタストリップ(18)を形成することと、(iv)複数のエアロゾル生成ストリップ(16)及び複数のサセプタストリップ(18)を連続ロッド(88)に形成することと、を含む。
【選択図】
図2a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成物品(1)を連続的に製造するための方法であって、
(i)エアロゾル生成基材(10)の連続ウェブ(34)を提供することと、
(ii)エアロゾル生成基材(10)の前記連続ウェブ(34)の表面に少なくとも1つのサセプタパッチ(28)を適用することと、
(iii)エアロゾル生成基材(10)の前記連続ウェブ(34)及びその前記表面に適用された前記少なくとも1つのサセプタパッチ(28)を切断して、複数のエアロゾル生成ストリップ(16)及び複数のサセプタストリップ(18)を形成することと、
(iv)前記複数のエアロゾル生成ストリップ(16)及び前記複数のサセプタストリップ(18)を連続ロッド(88)に形成することと、
を含む方法。
【請求項2】
ステップ(iii)が、エアロゾル生成基材(10)の前記連続ウェブ(34)と、その前記表面に適用された前記少なくとも1つのサセプタパッチ(28)とを同時に切断することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ステップ(iii)は、回転カッターユニット(78)を使用して実行される、請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記回転カッターユニット(78)は、円周方向に延びる第1の切断構造(84)を有する第1の切断ドラム(80)と、円周方向に延びる第2の切断構造(86)を有する第2の切断ドラム(82)とを含み、前記第1の切断構造(84)及び前記第2の切断構造(86)は協働して、エアロゾル生成基材(10)の前記連続ウェブ(34)及びその前記表面に適用された前記少なくとも1つのサセプタパッチ(28)を切断して、前記複数のエアロゾル生成ストリップ(16)と前記複数のサセプタストリップ(18)とを形成する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記複数のエアロゾル生成ストリップ(16)の各々及び前記複数のサセプタストリップ(18)の各々は、約0.5mm~2.0mmの幅を有し、好ましくは1.0mmの幅を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
ステップ(ii)は、前記少なくとも1つのサセプタパッチ(28)を、接着剤(47)を使用してエアロゾル生成基材(10)の前記連続ウェブ(34)の前記表面に接着することを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記方法は、ステップ(ii)の後、ステップ(iii)の前に、前記接着剤(47)を加熱して前記接着剤を硬化させ又は固化させることを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
ステップ(i)で提供されるエアロゾル生成基材(10)の前記連続ウェブ(34)は、中心線を有する実質的に平坦な表面を含み、ステップ(ii)は、前記少なくとも1つのサセプタパッチ(28)を実質的に前記中心線に沿って前記実質的に平坦な表面に適用することを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
ステップ(ii)は、エアロゾル生成基材(10)の前記連続ウェブ(34)の前記表面に、複数のサセプタパッチ(28)を、それぞれの連続するサセプタパッチ(28)の間の予め定義される一定間隔(74)で連続的に適用することを含み、
ステップ(iii)は、エアロゾル生成基材(10)の前記連続ウェブ(34)及びその前記表面に適用された前記複数のサセプタパッチ(28)を切断して、複数のエアロゾル生成ストリップ(16)及び複数のサセプタストリップ(18)を形成することを含む、
請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つのサセプタパッチ(28)は、5mm~50mmの長さを有し、好ましくは、前記少なくとも1つのサセプタパッチ(28)は、10mm~30mmの長さを有する、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記方法は、
(v)前記連続ロッド(88)を切断して複数の個々のエアロゾル生成物品(1)を形成すること、
をさらに含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、エアロゾル生成物品に、より具体的には、エアロゾル生成物品を加熱して、ユーザによる吸入のためのエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成デバイスと共に使用するためのエアロゾル生成物品に関する。本開示の実施形態は、特に、エアロゾル生成物品を連続的に製造する方法に関する。本開示は、携帯型(ハンドヘルド)エアロゾル生成デバイスと共に使用するためのエアロゾル生成物品の製造に特に適用可能である。
【背景技術】
【0002】
近年、(エアロゾル生成デバイス又は蒸気生成デバイスとしても知られる)リスク低減デバイス又はリスク修正デバイスの人気及び使用は、従来のタバコ製品の使用に代わるものとして、急速に成長してきた。エアロゾル生成物質を加熱し又は加温してユーザが吸入するためのエアロゾルを発生させる、様々なデバイス及びシステムが利用可能である。
【0003】
一般に入手可能なリスク低減デバイス又はリスク修正デバイスは、基材加熱式のエアロゾル生成デバイス又はいわゆる加熱非燃焼式のデバイスである。このタイプのデバイスは、エアロゾル生成基材を、典型的には150℃~300℃の範囲の温度に加熱することによって、エアロゾル又は蒸気を生成する。エアロゾル生成基材を燃やしたり燃焼させたりせずにエアロゾル生成基材をこの範囲内の温度に加熱することにより、蒸気を発生させ、蒸気は通常冷却されて凝縮し、デバイスのユーザが吸入するためのエアロゾルを形成する。
【0004】
現在利用可能なエアロゾル生成デバイスは、いくつかの異なる手法のうちの1つを使用して、エアロゾル生成基材に熱を与えることができる。そのような手法の1つは、誘導加熱システムを採用するエアロゾル生成デバイスを提供することである。そのようなデバイスでは、誘導コイルがデバイスに設けられ、誘導加熱可能サセプタがエアロゾル生成基材を加熱するために設けられる。ユーザがデバイスを作動させると、電気エネルギーが誘導コイルに供給され、続いてこれにより交流電磁場が発生する。サセプタがこの電磁場と結合して熱を発生させ、この熱は、例えば伝導によって、エアロゾル生成基材に伝達され、エアロゾル生成基材が加熱されるとエアロゾルが発生する。
【0005】
ユーザがエアロゾル生成デバイスに挿入できるエアロゾル生成物品の形態でエアロゾル生成基材及び誘導加熱可能サセプタの両方を一緒に提供することが便利であり得る。したがって、エアロゾル生成物品の製造を容易にし、特にエアロゾル生成物品を容易に且つ一貫して大量生産できるようにする方法を提供するニーズが存在する。
【発明の概要】
【0006】
本開示の第1の態様によれば、エアロゾル生成物品を連続的に製造する方法であって、
(i)エアロゾル生成基材の連続ウェブを提供することと、
(ii)エアロゾル生成基材の連続ウェブの表面に少なくとも1つのサセプタパッチを適用することと、
(iii)エアロゾル生成基材の連続ウェブ及びその表面に適用された少なくとも1つのサセプタパッチを切断して、複数のエアロゾル生成ストリップ及び複数のサセプタストリップを形成することと、
(iv)複数のエアロゾル生成ストリップ及び複数のサセプタストリップを連続ロッドに形成することと、
を含む方法が提供される。
【0007】
この方法によって生成されたエアロゾル生成物品は、エアロゾル生成ストリップを燃やすことなくエアロゾル生成ストリップを加熱して、エアロゾル生成ストリップの少なくとも1つの成分を揮発させ、それにより、冷却及び凝縮してエアロゾル生成デバイスのユーザによる吸入用のエアロゾルを形成する蒸気を発生させるために、エアロゾル生成デバイスと共に使用するためのものである。上記エアロゾル生成デバイスは、ハンドヘルド携帯型デバイスである。
【0008】
概していうと、蒸気とは、臨界温度よりも低い温度で気相である物質であり、これは、温度を低下させることなく圧力を増加させることによって蒸気を液体に凝縮させ得ることを意味する。一方、エアロゾルは、空気中又は別のガス中の微細な固体粒子又は液滴の浮遊物である。しかしながら、本明細書では、「エアロゾル」及び「蒸気」という用語は、特に、ユーザが吸入するために発生される吸入可能媒体の形態に関して同義で使用され得ることに留意されたい。
【0009】
本開示に係る方法は、エアロゾル生成物品の製造を容易にし、特に、エアロゾル生成物品を一貫して比較的容易に大量生産することを可能にする。本開示に係る方法によって製造されたエアロゾル生成物品におけるエアロゾル生成ストリップとサセプタストリップとの組み合わせは、エアロゾル生成デバイス内のエアロゾル生成物品の使用中にサセプタストリップからエアロゾル生成ストリップへの効果的な熱伝達を提供する。これにより、エアロゾル生成ストリップの効果的且つ均一な加熱、したがって信頼性の高い蒸気生成が提供される。
【0010】
ステップ(iii)は、エアロゾル生成基材の連続ウェブと、その表面に適用された少なくとも1つのサセプタパッチとを同時に切断することを含み得る。単一の結合的な切断ステップの提供により、エアロゾル生成物品の大量生産を容易にすることができる。
【0011】
ステップ(iii)は、回転カッターユニットを使用して実行することができる。回転カッターユニットは、第1の切断ドラムと第2の切断ドラムとを含んでもよい。第1の切断ドラムは、円周方向に延びる第1の切断構造を有してもよい。第2の切断ドラムは、円周方向に延びる第2の切断構造を有してもよい。第1及び第2の切断構造は、協働して、エアロゾル生成基材の連続ウェブ及びその表面に適用された少なくとも1つのサセプタパッチを切断して、複数のエアロゾル生成ストリップと複数のサセプタストリップとを形成することができる。回転カッターユニットを使用すると、エアロゾル生成物品の連続的且つ高速な製造を容易に達成することができる。
【0012】
複数のエアロゾル生成ストリップの各々及び複数のサセプタストリップの各々は、約0.1mm~5.0mm、場合によっては約0.5mm~2.0mmの幅を有してもよい。複数のエアロゾル生成ストリップの各々及び複数のサセプタストリップの各々は、1.0mmの幅を有してもよい。これらの幅寸法は、本開示に係る方法を使用して製造されたエアロゾル生成物品が最適な数のエアロゾル生成ストリップ及びサセプタストリップを含み、エアロゾル生成物品を通る均一な空気流及び許容可能な量の蒸気又はエアロゾルの生成を可能にすることを確実にする。エアロゾル生成ストリップ及び/又はサセプタストリップの幅が小さすぎる場合、ストリップの強度が低下することがあり、その結果、エアロゾル生成物品の大量生産が困難になる場合がある。
【0013】
ステップ(ii)は、少なくとも1つのサセプタパッチを、接着剤を使用してエアロゾル生成基材の連続ウェブの表面に接着することを含んでもよい。これにより、サセプタパッチとエアロゾル生成基材の連続ウェブとの間の良好な結合が達成され、エアロゾル生成基材の連続ウェブと接着されたサセプタパッチがステップ(iii)中に効果的且つ確実に切断されてエアロゾル生成ストリップ及びサセプタストリップを形成できることが保証される。
【0014】
この方法は、ステップ(ii)の後、ステップ(iii)の前に、接着剤を加熱して接着剤を硬化させ又は固化させることを含んでもよい。これは、サセプタパッチとエアロゾル生成基材の連続ウェブとの間の結合を強化するために役立ち得る。但し、過度の加熱によってエアロゾル生成基材からの1つ又は複数の揮発性成分の放出が始まる虞があるため、トレードオフが必要であり、狙いは、エアロゾル生成デバイスにおいてこの方法によって製造されたエアロゾル生成物品の加熱の期間中にのみ揮発性成分が放出されるべきであるということである。一方で、加熱が不十分であれば、接着剤が硬化又は固化しないかもしれない。したがって、エアロゾル生成基材と接着剤の両方の特性に基づいて、加熱温度を慎重に選択する必要がある。
【0015】
ステップ(i)で提供されるエアロゾル生成基材の連続ウェブは、中心線を有し得る実質的に平坦な表面を含んでもよい。ステップ(ii)は、少なくとも1つのサセプタパッチを実質的に中心線に沿って実質的に平坦な表面に適用することを含み得る。中心線に沿ったサセプタパッチの正確で一貫した配置により、本開示に係る方法によって製造されたエアロゾル生成物品が一貫した再現可能な特性を有することが保証される。
【0016】
ステップ(ii)は、エアロゾル生成基材の連続ウェブの表面に、複数のサセプタパッチを、それぞれの連続するサセプタパッチ間の予め定義される一定間隔で連続的に適用することを含んでもよい。それぞれの連続するサセプタパッチ間の予め定義される一定の「間隔」は、連続する(すなわち相前後する)サセプタパッチ間の最短距離、すなわち連続する(すなわち相前後する)サセプタパッチのエッジ間の距離又はギャップである。ステップ(iii)は、エアロゾル生成基材の連続ウェブ及びその表面に適用された複数のサセプタパッチを切断して、複数のエアロゾル生成ストリップ及び複数のサセプタストリップを形成することを含み得る。これにより、エアロゾル生成物品の大量生産が容易に達成される。
【0017】
少なくとも1つのサセプタパッチは、5mm~50mm、好ましくは10mm~30mmの長さを有してもよい。少なくとも1つのサセプタパッチは、0.1mm~5mm、好ましくは0.5mm~2mmの幅を有してもよい。少なくとも1つのサセプタパッチは、1μm~500μm、好ましくは10μm~100μm、場合によっては50μmの厚さを有してもよい。これらの寸法を有するサセプタパッチは、エアロゾル生成物品の製造に特に適している。
【0018】
上記方法は、(v)連続ロッドを切断して個々のエアロゾル生成物品を形成することをさらに含んでもよい。個々のエアロゾル生成物品はそれぞれ、単一のサセプタパッチを切断することによってステップ(iii)で形成された複数のサセプタストリップを含み得る。これにより、エアロゾル生成物品の連続的な大量生産が容易に達成される。
【0019】
ステップ(v)は、相前後するサセプタパッチを切断することにより、ステップ(iii)で形成されたサセプタストリップ間の位置で連続ロッドを切断することを含んでもよい。連続ロッドをこのように切断することにより、連続ロッドを切断することで形成される個々のエアロゾル生成物品が個々のサセプタパッチから形成される複数のサセプタストリップをそれぞれ含むこと、したがってエアロゾル生成物品が一貫して再現可能になることが保証される。また、ステップ(v)においてはサセプタストリップが切断されないので、切断ステップ中の(例えば、切断ユニット上での)摩耗が最小限に抑えられる。
【0020】
ステップ(v)は、相前後するサセプタパッチを切断することによりステップ(iii)で形成されたサセプタストリップ間の実質的な中間点で連続ロッドを切断することを含んでもよい。このようにして、サセプタストリップの端部は、得られたエアロゾル生成物品の両端から内側に離間され、エアロゾル生成物品のいずれの端部からも見えない。これは、サセプタストリップがエアロゾル生成物品の遠位端で見えないことを確実にすることによって、本開示に係る方法によって製造されたエアロゾル生成物品のユーザによる受け入れ易さを改善することができる。さらに、サセプタストリップは結果として得られるエアロゾル生成物品のエアロゾル生成基材に完全に埋め込まれることになるため、これにより、サセプタストリップはエアロゾル生成ストリップによって完全に取り囲まれ、したがってサセプタストリップからエアロゾル生成ストリップへの熱伝達が最大化されるので、エアロゾル又は蒸気がより効率的に発生可能となり得る。
【0021】
ステップ(iii)の期間中に切断されてサセプタストリップを形成する少なくとも1つのサセプタパッチは、誘導加熱可能サセプタ材料を含んでよく、アルミニウム、鉄、ニッケル、ステンレス鋼、炭素鋼、及びそれらの合金、例えばニッケルクロム又はニッケル銅のうちの1つ又は複数などであるが、これらに限定されない。エアロゾル生成デバイスにおいてエアロゾル生成物品を使用している最中に、付近に電磁場を印加すると、サセプタストリップは、渦電流及び磁気ヒステリシス損失のために熱を発生することができ、電磁界から熱へのエネルギー変換をもたらす。
【0022】
エアロゾル生成基材は、任意のタイプの固体又は半固体の物質であり得る。エアロゾル発生固形物の例示的なタイプとしては、粉末、顆粒、ペレット、シュレッド、ストランド、粒子、ゲル、ストリップ、ルーズリーフ、カットリーフ、カットフィラー、多孔質材料、発泡材料、又はシートが挙げられる。エアロゾル生成基材は、植物由来の材料を含んでもよく、特にタバコを含み得る。それは、例えば、タバコと、セルロース繊維、タバコ茎繊維、及びCaCO3などの無機充填剤のうちの1つ又は複数と、を含む再構成タバコを含み得る。
【0023】
したがって、エアロゾル生成物品が一緒に使用されることを意図したエアロゾル生成デバイスを、「加熱式タバコデバイス」、「加熱非燃焼式タバコデバイス」、「タバコ製品気化用デバイス」などと呼ぶことができ、これらの効果を実現するために適したデバイスとして解釈される。本明細書に開示される特徴は、任意のエアロゾル生成基材を気化させるように設計されたデバイスに等しく適用可能である。
【0024】
連続ロッドは、紙製ラッパーで囲まれていてもよい。したがって、上記方法は、連続ロッドを紙製ラッパーで包むことをさらに含んでもよい。
【0025】
エアロゾル生成物品は実質的にスティックの形状で形成されてもよく、好適な形態で配置されたエアロゾル生成基材を有する管状領域を有するシガレットに概ね類似し得る。エアロゾル生成物品は、エアロゾル生成物品の近位端に、例えばセルロースアセテート繊維を含むフィルタセグメントを含むことができる。フィルタセグメントは、マウスピースフィルタを構成することができる。フィルタセグメントは、エアロゾル生成基材と同軸に位置合わせされてもよい。一部の設計には、1つ又は複数の蒸気収集領域、冷却領域、及び他の構造も含まれ得る。
【0026】
エアロゾル生成基材は、エアロゾルフォーマを含んでもよい。エアロゾルフォーマの例としては、グリセリン又はプロピレングリコールなどの多価アルコール及びその混合物が挙げられる。典型的には、エアロゾル生成基材は、乾燥重量ベースで約5%~約50%のエアロゾルフォーマ含有量を含み得る。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成基材は、乾燥重量ベースで約10%~約20%、場合により乾燥重量ベースで約15%のエアロゾルフォーマ含有量を含み得る。
【0027】
加熱すると、エアロゾル生成基材、特にエアロゾル生成ストリップは、揮発性化合物を放出し得る。揮発性化合物は、ニコチン又はタバコ香味料などの香味化合物を含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1a】エアロゾル生成物品の概略断面側面図である。
【
図1b】
図1aの線A-Aに沿った概略断面図である。
【
図2a】
図1a及び
図1bに示したエアロゾル生成物品を製造するための、本開示に係る装置及び方法の概略図である。
【
図2b】エアロゾル生成基材及びサセプタパッチが
図2aに示される装置を通って矢印によって示される方向に移動するときのエアロゾル生成基材及びサセプタパッチの平面図である。
【
図3】接着領域及び非接着領域を示す、サセプタ材料の連続ウェブの一部の平面図である。
【
図4】サセプタ材料の連続ウェブからのサセプタパッチの形成と、エアロゾル生成基材の連続ウェブの表面へのサセプタパッチの適用とを概略的に示す、
図2aの装置及び方法の一部の機能図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
ここで、本開示の実施形態について、単なる例として、添付の図面を参照しながら説明する。
【0030】
最初に
図1a及び
図1bを参照すると、エアロゾル生成物品1を誘導加熱し、それによってデバイスのユーザによる吸入用のエアロゾルを発生させる誘導加熱システムを含むエアロゾル生成デバイスと共に使用するための、エアロゾル生成物品1が示されている。そのようなデバイスについては、当技術分野では知られており、本明細書ではさらに詳細には説明しない。エアロゾル生成物品1は細長く、遠位端11a及び近位端(又はマウス端)11bを有し、実質的に円筒形である。円形の断面により、ユーザによる物品1の取り扱い、及びエアロゾル生成デバイスのキャビティ又は加熱コンパートメントへの物品1の挿入が容易になる。
【0031】
エアロゾル生成物品1は、第1端10a及び第2端10bを有するエアロゾル生成基材10と、誘導加熱可能サセプタ12とを含む。エアロゾル生成基材10及び誘導加熱可能サセプタ12は、ラッパー14内に配置され、それによって取り囲まれる。ラッパー14は、実質的に非導電性且つ非透磁性の材料を含む。図示の例では、ラッパー14は紙製ラッパーであり、シガレット用巻紙を含むことができる。
【0032】
エアロゾル生成物品1は、遠位端11aと近位(マウス)端11bとの間で測定される全長が、30mm~100mm、好ましくは50mm~70mm、場合によっては約55mmであってもよい。エアロゾル生成基材10は、第1端10aと第2端10bとの間で測定される全長が、5mm~50mm、好ましくは10mm~30mm、場合によっては約20mmであってもよい。エアロゾル生成物品1は、直径が、5mm~10mm、好ましくは6mm~8mm、場合によっては約7mmであってもよい。
【0033】
エアロゾル生成基材10は、エアロゾル生成材料を含む複数の細長い第1ストリップ15を含む。複数の細長い第1ストリップ15は、エアロゾル生成ストリップ16を構成し、エアロゾル生成物品1の長手方向に実質的に配向される。細長い第1ストリップ15は、典型的には長手方向に折り目がなく、気流経路が中断されないこと、及び物品1を通る均一の気流が実現され得ることを保証する。
【0034】
誘導加熱可能サセプタ12は、誘導加熱可能サセプタ材料を含む複数の細長い第2ストリップ13を含む。複数の細長い第2ストリップ13は、サセプタストリップ18を構成し、またエアロゾル生成物品1の長手方向に実質的に配向される。細長い第2ストリップ13は、長手方向に折り目がなく、エアロゾル生成基材10においてホットスポットを防止する。
【0035】
エアロゾル生成物品1は、エアロゾル生成材料を含む複数の細長い第3ストリップ17(
図1bを参照)を含む。また、細長い第3ストリップ17は、エアロゾル生成ストリップ16を構成し、エアロゾル生成物品1の長手方向に実質的に配向される。細長い第3ストリップ17は、細長い第1ストリップ15と同じ長さを有し、したがってエアロゾル生成物品1内のエアロゾル生成ストリップ16はすべて同じ長さを有する。細長い第2ストリップ13は細長い第3ストリップ17に接着され、細長い第2ストリップ13と細長い第3ストリップ17は同じ幅を有する。また、好ましい実施形態では、細長い第1ストリップ15は、細長い第2ストリップ13及び細長い第3ストリップ17と同じ幅を有する。
【0036】
細長い第1ストリップ15、細長い第2ストリップ13、及び細長い第3ストリップ17は、実質的にロッド形状のエアロゾル生成物品1を形成するように配置され、ロッド形状のエアロゾル生成物品1の断面全体にわたってランダムに分布させることができ、それによりそれらは、エアロゾル生成物品1の断面内では複数の異なる向きを有する。
図1bからは明らかではないが、エアロゾル生成基材10の断面を実質的に満たすのに十分な数の細長い第1ストリップ15が設けられ、単に例示の目的でより少ない数の細長い第1ストリップ15が示されていることが理解されるであろう。加熱要件に応じて、任意の適切な数の細長い第2ストリップ13をエアロゾル生成基材10内に配置できることにも留意されたい。細長い第2ストリップ13の各々は、有利には細長い第1ストリップ15によって取り囲まれ、それによって、細長い第1ストリップ15への熱伝達が最大化され、細長い第2ストリップ13間の接触の可能性が最小限に抑えられることを保証する。
【0037】
図1aに最もよく示されるように、複数の細長い第1ストリップ15の各々は遠位端15aを有し、複数の細長い第2ストリップ13の各々は遠位端13aを有する。細長い第1ストリップ15の遠位端15aは、エアロゾル生成基材10の第1端10aを形成し、それに対応して、エアロゾル生成物品1の遠位端11aを形成する。細長い第2ストリップ13は、細長い第1ストリップ15及び細長い第3ストリップ17よりも短い。細長い第2ストリップ13の遠位端13aは、細長い第1ストリップ15の遠位端15aから内側に配置される。したがって、細長い第2ストリップ13の遠位端13aは、エアロゾル生成物品1の遠位端11aでは見えない。
【0038】
エアロゾル生成物品1は、エアロゾル生成基材10の下流に配置されたマウスピースセグメント20を含む。エアロゾル生成基材10及びマウスピースセグメント20は、構成要素を適所に保持するように、ラッパー14の内側に同軸整列で配置されて、ロッド形状のエアロゾル生成物品1を形成する。
【0039】
図示の実施形態では、マウスピースセグメント20は、下流方向に、言い換えると、エアロゾル生成物品1の遠位端11aから近位(マウス)端11bへ、順次且つ同軸整列で配置された以下の構成要素、冷却セグメント22、中央ホールセグメント23及びフィルタセグメント24を含む。冷却セグメント22は紙製ラッパー14の厚みを超える厚みを有する中空紙管22aを含む。中央ホールセグメント23は、セルロースアセテート繊維と可塑剤とを含む硬化混合物を含むことができ、マウスピースセグメント20の強度を高めるように機能する。フィルタセグメント24は、典型的にはセルロースアセテート繊維を含み、マウスピースフィルタとして機能する。加熱された蒸気がエアロゾル生成基材10からエアロゾル生成物品1の近位(マウス)端11bに向かって流れると、蒸気は、冷却セグメント22及び中央ホールセグメント23を通過するときに冷却され及び凝縮して、フィルタセグメント24を介したユーザによる吸入に適切な特性を備えたエアロゾルを形成する。
【0040】
細長い第1ストリップ15及び細長い第3ストリップ17は、典型的には、タバコなどの植物由来の材料を含む。細長い第1ストリップ15及び細長い第3ストリップ17は、有利なことに、タバコと、セルロース繊維、タバコ茎繊維、及びCaCO3などの無機充填剤のうちの任意の1つ又は複数とを含む、再構成タバコを含むことができる。
【0041】
細長い第1ストリップ15及び細長い第3ストリップ17は、典型的には、グリセリン又はプロピレングリコールなどのエアロゾルフォーマを含む。典型的には、細長い第1ストリップ15及び細長い第3ストリップ17は、乾燥重量ベースで約5%~約50%のエアロゾルフォーマ含有量を含む。加熱すると、細長い第1ストリップ15及び細長い第3ストリップ17は、場合によりニコチン又はタバコ香味料などのフレーバー化合物を含む、揮発性化合物を放出する。
【0042】
エアロゾル生成デバイスでの物品1の使用中に、時間変化する電磁場が細長い第2ストリップ13の近くに印加されると、渦電流及び磁気ヒステリシス損失により、細長い第2ストリップ13に熱が発生する。熱は、細長い第2ストリップ13から細長い第1ストリップ15及び細長い第3ストリップ17に伝達され、細長い第1ストリップ15及び細長い第3ストリップ17を燃焼させずに加熱して、1つ又は複数の揮発性化合物を放出し、それによって蒸気を発生する。ユーザがフィルタセグメント24を通して吸入すると、加熱された蒸気が、エアロゾル生成基材10の第1端10aからエアロゾル生成基材10の第2端10bに向かって、そしてフィルタセグメント24に向かって、物品1を通って下流方向に吸い込まれる。上述のように、加熱された蒸気が冷却セグメント22及び中央ホールセグメント23を通ってフィルタセグメント24に向かって流れると、加熱された蒸気が冷却され及び凝縮して、フィルタセグメント24を通してユーザが吸入するために適した特性を有するエアロゾルを形成する。
【0043】
[エアロゾル生成物品の製造]
ここで、
図1a及び
図1bを参照しながら上で説明したエアロゾル生成物品1などの、本開示に係るエアロゾル生成物品を製造するために適した装置30及び方法について説明する。
【0044】
図2aを参照すると、
図1a及び
図1bを参照しながら上で説明したエアロゾル生成物品1を製造する装置30及び方法の概略図が示されている。
図2bは、装置30を通って
図2bの矢印の方向に移動するときのエアロゾル生成基材10及びサセプタパッチ28の平面図である。
【0045】
装置30は、実質的に平坦な表面を有するエアロゾル生成基材10の連続ウェブ34を運ぶ基材供給リール32(例えば、第1のボビン)と、エアロゾル生成基材10の連続ウェブ34のフィードを制御するための第1のフィードローラ36とを含む。また、装置30は、当業者によって理解されるように、ウェブ張力調整器及びウェブエッジ制御システムを含むことができるが、これらの追加の構成要素は、本開示の文脈において必須ではなく、したがって簡明さのために省略されている。
【0046】
装置30は、サセプタ材料の連続ウェブ40を運ぶサセプタ供給リール38(例えば、第2のボビンと)、サセプタ材料の連続ウェブ40のフィードを制御するためのフィードローラ42、44と、接着剤塗布ユニット46と、サセプタ切断ユニット48とを含む。
【0047】
装置30は、オプションのヒータ50、ストリップ切断ユニット52、フィードローラ54、ロッド形成ユニット56、及びロッド切断ユニット58をさらに含む。
【0048】
[サセプタパッチの準備]
動作中、エアロゾル生成基材10の連続ウェブ34は、基材供給リール32から連続的に供給される。同時に、サセプタ材料の連続ウェブ40が、フィードローラ42、44を介して、サセプタ供給リール38から接着剤塗布ユニット46に連続的に供給される。接着剤塗布ユニット46は、サセプタ材料の連続ウェブ40の表面に接着剤47を塗布する。図示の例では、接着剤塗布ユニット46は、接着剤47をサセプタ材料の連続ウェブ40の表面に断続的に、且つウェブ40の全幅にわたって塗布する。このようにして、別個の接着領域60(
図3及び
図4を参照)が、サセプタ材料の連続ウェブ40の表面に形成され、非接着領域62が、サセプタ材料の連続ウェブ40の移動方向に相前後する接着領域60の間に形成される。
【0049】
サセプタ材料の連続ウェブ40は、接着剤塗布ユニット46から、サセプタ材料の連続ウェブ40を連続的に切断して複数のサセプタパッチ28を形成するサセプタ切断ユニット48に供給される。
図2bに最もよく示されるように、サセプタ材料の連続ウェブ40、したがってサセプタパッチ28は、エアロゾル生成基材10の連続ウェブ34の幅より実質的に小さい幅を有する。例えば、エアロゾル生成基材10の連続ウェブ34は、約140mmの幅を有してよく、それに対して、サセプタ材料の連続ウェブ40、したがってサセプタパッチ28は、約0.1mm~5mmの幅を有してよい。いくつかの実施形態では、サセプタパッチ28は、サセプタ材料の連続ウェブ40の移動方向に約5mm~50mmの長さを有してもよく、約1μm~500μmの厚さを有してもよい。
【0050】
接着剤塗布ユニット46によってサセプタ材料の連続ウェブ40に塗布された接着剤47によるサセプタ切断ユニット48の汚れを最小限にする目的で、サセプタ切断ユニット48は、非接着領域62で、すなわち、サセプタ材料の連続ウェブ40の表面の接着領域60の間の位置で、サセプタ材料の連続ウェブ40を切断する。これは、サセプタ切断ユニット48の動作をサセプタ材料の連続ウェブ40の移動と同期させることによって達成することができる。
【0051】
図5を参照すると、サセプタ切断ユニット48は、支持ドラム66及び切断ドラム68を備える回転切断ユニット64を含む。支持ドラム66は、サセプタ材料の連続ウェブ40をその外周において支持し、複数の円周方向に離間した凹部70をその外周において含む。支持ドラム66は、典型的には吸引ドラムであり、サセプタ材料の連続ウェブ40及びサセプタパッチ28は、吸引ポート67を介して加えられる吸引力によって吸引ドラムの外周に支持される。切断ドラム68は、円周方向に離間した複数の切断要素72、例えば突出する切断ブレードをその周囲に含み、切断要素72は、
図5の矢印によって示されるように、対向方向にある支持ドラム66及び切断ドラム68の双方の同期的な回転の最中に、円周方向に離間した凹部70と協働する(例えば、その中へと伸びる)。これが、サセプタ材料の連続ウェブ40の連続的な剪断切断をもたらして、複数のサセプタパッチ28を形成する。
【0052】
[サセプタパッチの適用]
例えば
図2b及び
図4に示されるように、それぞれの連続するサセプタパッチ28のエッジの間が予め定義される一定の間隔74となるように、サセプタ切断ユニット48によって提供されるサセプタパッチ28は、エアロゾル生成基材10の連続ウェブ34の表面に適用され得る。予め定義される一定の間隔74は、例えば、1mm~20mmであってよい。相前後するサセプタパッチ28のエッジ間に予め定義される一定の間隔74を生み出すために、支持ドラム66によって運ばれるサセプタ材料の連続ウェブ40が切断ドラム68によって切断されてサセプタパッチ28を形成した直後の所定の期間にわたって、サセプタ切断ユニット48は、サセプタ材料の連続ウェブ40と支持ドラム66との間の相対的な動きを許容する。この相対的な動きにより、サセプタパッチ28がサセプタ材料の連続ウェブ40から切断された後、サセプタ材料の連続ウェブ40は静止したままであるか、又は減速して短時間移動することができる。例えば、支持ドラム66によってサセプタ材料の連続ウェブ40に加えられる吸引力を減少させ、一方で同時に、切断済みのサセプタパッチ28と支持ドラム66との間に適切な吸引力を維持してサセプタパッチ28と支持ドラム66との間に相対的な動きがないことを確実化することによって、サセプタ材料の連続ウェブ40と支持ドラム66との間の相対的な動きが達成され得る。このようにして、サセプタ切断ユニット48によってサセプタ材料の連続ウェブ40から切断されたサセプタパッチ28は、サセプタパッチ28が切断されたサセプタ材料の連続ウェブ40より速い速度で短時間運ばれ、それによって、相前後するサセプタパッチ28のエッジ間に所望の予め定義される一定の間隔74が生み出される。
【0053】
接着剤47が塗布されたサセプタパッチ28は、実質的に連続ウェブ34の中心線に沿って、エアロゾル生成基材10の連続ウェブ34の表面に、連続的かつ逐次的に接着される。相前後するサセプタパッチ28は、サセプタパッチ28がサセプタ切断ユニット48で形成されるときに生じるサセプタパッチ28のエッジ間の予め定義される一定の間隔74だけエアロゾル生成基材の連続ウェブ34の移動方向に離間される。サセプタパッチ28とエアロゾル生成基材10の連続ウェブ34の実質的に平坦な表面との間に十分な接着性があることを確実化するために、サセプタパッチ28を、
図2aに概略的に示されるカムローラ76によって実質的に平坦な表面に押し付けることができる。カムローラ76の回転は、エアロゾル生成基材10の連続ウェブ34の動きと同期され、そのため、連続するサセプタパッチ28に押圧力が加えられるが、連続するサセプタパッチ28の間の離間した領域には加えられない。
【0054】
接着剤塗布ユニット46によってサセプタ材料の連続ウェブ40に(したがってサセプタパッチ28に)塗布された接着剤47の特性に応じて、エアロゾル生成基材10の連続ウェブ34及びその表面に接着されたサセプタパッチ28を、オプションのヒータ50によって加熱することができる。これは、接着剤47を硬化させ又は固化させるのに役立ち、それにより、各サセプタパッチ28とエアロゾル生成基材10の連続ウェブ34の表面との間の良好な結合を確実化することができる。接着剤47を硬化又は固化するために十分な加熱を確実に達成すると同時に、エアロゾル生成基材10からの揮発性成分の放出を回避し又は少なくとも最小限に抑えるために、加熱温度は、エアロゾル生成基材10及び接着剤47の双方の特性に基づいて慎重に選択されなければならない。
【0055】
[ストリップ切断]
離間したサセプタパッチ28がその表面に接着されたエアロゾル生成基材10の連続ウェブ34は、エアロゾル生成基材10の連続ウェブ34とサセプタパッチ28とを同時に切断するストリップ切断ユニット52(
図6に最も良く示されている)にフィードされて、複数の連続したエアロゾル生成ストリップ16及び複数のサセプタストリップ18を形成する。一実施形態では、ストリップ切断ユニット52は、エアロゾル生成基材10の連続ウェブ34及びサセプタパッチ28を切断して、エアロゾル生成ストリップ16及び約1mmのストリップ幅を有するサセプタストリップ18を形成する。したがって、サセプタパッチ28が上記のように5mmの幅を有する場合、各サセプタパッチ28を切断することによって5つのサセプタストリップ18が形成されることが理解される。
【0056】
サセプタパッチ28を切断することによって形成されたサセプタストリップ18の端部は、相前後するサセプタパッチ28のエッジの間に存在したのと同じ予め定義される一定間隔74だけ縦方向に離間される。
図2a及び
図6に示されるように、ストリップ切断ユニット52は回転カッターユニット78であり、第1及び第2の切断ドラム80、82を含む。第1の切断ドラム80は、円周方向に延びる第1の切断構造84を含み、第2の切断ドラム82は、円周方向に延びる第2の切断構造86を含む。第1及び第2の切断構造84、86は協働して(例えば噛み合い)、エアロゾル生成基材10の連続ウェブ34及びサセプタパッチ28を連続ウェブ34の移動方向に剪断切断して、複数のエアロゾル生成ストリップ16及び複数のサセプタストリップ18を形成する。
図2b及び
図6から理解されるように、その表面にサセプタパッチ28が接着されたエアロゾル生成基材10の連続ウェブ34の中央領域を切断することによって形成されるエアロゾル生成ストリップ16は、それらに接着されたサセプタストリップ18(すなわち、細長い第2ストリップ13)を有し、細長い第3ストリップ17を構成するのは、この中央領域を切断することによって形成されるエアロゾル生成ストリップ16である。他方、エアロゾル生成基材10の連続ウェブ34の側部領域を切断することによって形成されるエアロゾル生成ストリップ16について、サセプタパッチ28の対向する両側では、エアロゾル生成ストリップ16はそれらに接着されたサセプタストリップ18を有しておらず、細長い第1ストリップ15を構成するのは、これらの側部領域を切断することによって形成されるエアロゾル生成ストリップ16である。
【0057】
[ロッド形成]
エアロゾル生成ストリップ16及びサセプタストリップ18は、ロッド形成ユニット56に運ばれ、そこで連続ロッド88に形成される。所望ならば、ラッピング紙の連続シート(図示せず)を、供給リール(図示せず)からロッド形成ユニット56に供給することができ、又はロッド形成ユニット56の下流に配置可能な別のラッピングユニットに(やはり供給リールから)供給することができる。ラッピング紙のシートは、ロッド形成ユニット56又は別個のラッピングユニットを通って移送され案内されながら、エアロゾル生成ストリップ16及びサセプタストリップ18の周りに、連続ロッド88をラッパー14が囲むように巻き付けられ得る。
【0058】
[ロッド切断]
(オプションとしてラッパー14によって囲まれる)連続ロッド88は、次にロッド切断ユニット58に移送され、そこで、適切な位置で所定の長さに切断されて複数のエアロゾル生成物品1を形成する。ロッド切断ユニット58によって形成されるエアロゾル生成物品1は、5mm~50mm、好ましくは10mm~30mmの長さを有することができる。この長さは、
図1a及び
図1bを参照しながら上で説明したエアロゾル生成基材10の長さに対応することが理解されよう。連続ロッド88は、好ましくは、連続サセプタパッチ28を切断することによって形成されるサセプタストリップ18の端部間の実質的に中間点で、反復的にロッド切断ユニット58によって切断される。このようにして、サセプタストリップ18はロッド切断ユニット58によって切断されず、それによって切断要素の摩耗が減少する。さらに、サセプタストリップ18はエアロゾル生成ストリップ16よりも短いため、サセプタストリップ18の端部は、ロッド切断ユニット58によって形成されるエアロゾル生成物品1のいずれの端部でも見えない。この種の方法は、エアロゾル生成物品1の大量生産に特に適していることが理解されよう。
【0059】
[最終組み立て]
さらなるユニット(図示せず)をロッド切断ユニット58の下流に配置することができ、上述のマウスピースセグメント20などの1つ又は複数の追加の構成要素を提供し、これらをロッド切断ユニット56によって形成される個々のエアロゾル生成物品1と組み立てるように構成して、例えば
図1に示されるタイプの完成したエアロゾル生成物品1を形成することができる。この場合、ロッド切断ユニット58の下流に別個のラッピングユニットを設けて、組み立てられた構成要素を同時にラッピングして完成したエアロゾル生成物品1を形成することができるようにすることができる。さらなるユニットは、装置30の一部を形成してもよく、又は最終組み立てラインの一部を形成する別個のスタンドアロンのユニットであってもよい。
【0060】
先行する段落で例示的な複数の実施形態を記述したが、添付の請求項の範囲から逸脱することなく、これらの実施形態に対する様々な変形形態がなされ得ることを理解されたい。従って、請求項の広さ及び範囲は、上述の例示的な実施形態に限定すべきではない。
【0061】
上述の特徴の全ての可能な変形形態における任意の組み合わせは、本明細書に別途提示されるか又は文脈により明らかに矛盾する場合を除いて、本開示に包含される。
【0062】
文脈から明らかに別の意味に解釈されない限り、本明細書及び請求項全体を通して、「含む("comprise")」、「含んでいる("comprising")」等の単語は、排他的又は網羅的な意味ではなく、包括的に、すなわち「含むが、それに限定されない」という意味で解釈されるものとする。
【国際調査報告】