(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-10
(54)【発明の名称】電池、電力消費機器、電池を製造する方法と機器
(51)【国際特許分類】
H01M 50/291 20210101AFI20231002BHJP
H01M 50/204 20210101ALI20231002BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20231002BHJP
H01M 50/507 20210101ALI20231002BHJP
H01M 50/569 20210101ALI20231002BHJP
H01M 50/588 20210101ALI20231002BHJP
H01M 50/591 20210101ALI20231002BHJP
H01M 50/249 20210101ALI20231002BHJP
H01M 10/625 20140101ALN20231002BHJP
【FI】
H01M50/291
H01M50/204 401H
H01M10/613
H01M50/507
H01M50/569
H01M50/204 401D
H01M50/204 201
H01M50/588
H01M50/591
H01M50/249
H01M10/625
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023513820
(86)(22)【出願日】2021-07-30
(85)【翻訳文提出日】2023-02-27
(86)【国際出願番号】 CN2021109606
(87)【国際公開番号】W WO2023004750
(87)【国際公開日】2023-02-02
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100159329
【氏名又は名称】三縄 隆
(72)【発明者】
【氏名】▲曾▼ 智▲敏▼
(72)【発明者】
【氏名】唐 ▲ユ▼
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼ ▲海▼奇
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲鵬▼
(72)【発明者】
【氏名】黄 小▲騰▼
【テーマコード(参考)】
5H031
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H031AA09
5H031KK00
5H040AA28
5H040AA31
5H040AS07
5H040AT02
5H040AT06
5H040AY06
5H040DD03
5H040DD07
5H043AA13
5H043AA19
5H043BA19
5H043CA04
5H043CA21
5H043FA04
5H043GA23
5H043GA25
5H043JA03F
(57)【要約】
本出願の実施例は、電池、電力消費機器、電池を製造する方法と機器を提供する。該電池は、複数の電池セル(20)を含む電池セルグループ(201)と、電池セルグループ(201)の第1の面(2111)上に設置される冷却システム(30)と、電池セルグループ(201)の第1の面(2111)に隣接する第2の面(2112)上に設置される信号伝送アセンブリ(24)であって、バスバー部品(241)と絶縁層(242)とを含み、絶縁層(242)はバスバー部品(241)をパッケージングするためのものであり、絶縁層(242)は開孔を有し、バスバー部品(241)は開孔位置で電池セルグループ(201)における電池セル(20)と電気的に接続するためのものである信号伝送アセンブリ(24)と、信号伝送アセンブリ(24)を被覆して冷却システム(30)に発生した凝縮液が信号伝送アセンブリ(24)に到着することを阻止するための被覆部材(25)とを含む。本出願の電池、電力消費機器、電池を製造する方法と機器は、電池の安全性を向上させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池であって、
複数の電池セル(20)を含む電池セルグループ(201)と、
前記電池セルグループ(201)の第1の面(2111)上に設置される冷却システム(30)と、
前記電池セルグループ(201)の第2の面(2112)上に設置される信号伝送アセンブリ(24)であって、前記第2の面(2112)は前記第1の面(2111)に隣接し、前記信号伝送アセンブリ(24)はバスバー部品(241)と絶縁層(242)とを含み、前記絶縁層(242)は前記バスバー部品(241)をパッケージングするためのものであり、前記絶縁層(242)は開孔を有し、前記バスバー部品(241)は前記開孔位置で前記電池セルグループ(201)における電池セル(20)と電気的に接続するためのものである信号伝送アセンブリ(24)と、
前記信号伝送アセンブリ(24)を被覆して前記冷却システム(30)に発生した凝縮液が前記信号伝送アセンブリ(24)に到着することを阻止するための被覆部材(25)と、
を含むことを特徴とする電池。
【請求項2】
前記絶縁層(242)は前記冷却システム(30)に向かって前記冷却システム(30)に近い位置まで延伸し、且つ前記位置において前記冷却システム(30)から離れる方向に向かって反転して前記被覆部材(25)を形成することを特徴とする請求項1に記載の電池。
【請求項3】
前記絶縁層(242)の反転部分は前記電池セルグループ(201)の第3の面(2113)に固定接続され、前記第3の面(2113)は前記第1の面(2111)に平行することを特徴とする請求項2に記載の電池。
【請求項4】
前記絶縁層(242)の反転部分のエッジには、前記第3の面(2113)に固定接続するためのヘミング領域(2421)が設置されていることを特徴とする請求項3に記載の電池。
【請求項5】
前記絶縁層(242)は、反転位置において前記第2の面(2112)と前記冷却システム(30)に向かう夾角領域(2422)を形成し、前記夾角領域(2422)は、前記冷却システム(30)を接着するための接着剤を収集するように構成されることを特徴とする請求項2~4のいずれか一項に記載の電池。
【請求項6】
前記被覆部材(25)は前記第2の面(2112)を被覆するカバープレートであることを特徴とする請求項1に記載の電池。
【請求項7】
前記カバープレートは、前記第1の面(2111)に固定接続するための第1の接続領域(251)を含むことを特徴とする請求項6に記載の電池。
【請求項8】
前記カバープレートは、前記電池セルグループ(201)の第3の面(2113)に固定接続するための第2の接続領域(252)をさらに含み、前記第3の面(2113)は前記第1の面(2111)に平行することを特徴とする請求項7に記載の電池。
【請求項9】
前記カバープレート上には、前記凝縮液を案内するための排液溝(253)が設置されていることを特徴とする請求項6~8のいずれか一項に記載の電池。
【請求項10】
前記カバープレート上にバスバー溝(254)がさらに設置され、前記バスバー溝(254)は前記排液溝(253)と連通し、前記バスバー溝(254)は、前記凝縮液を収集し且つ前記凝縮液を前記排液溝(253)に導入するためのものであることを特徴とする請求項9に記載の電池。
【請求項11】
前記カバープレートの材料は絶縁材料であることを特徴とする請求項6~10のいずれか一項に記載の電池。
【請求項12】
前記電池セルグループ(201)はN個の電池セル列を含み、前記N個の電池セル列は第1の方向に沿って並べられ、前記N個の電池セル列のうちの各電池セル列の電池セル(20)は第2の方向に沿って並べられ、前記第1の方向は前記第2の方向に垂直であり、Nは正整数であり、
ここで、前記第1の面(2111)は、前記第1の方向に垂直であり、前記第2の面(2112)は、前記第1の方向と前記第2の方向によって確定される平面に平行することを特徴とする請求項1~11のいずれか一項に記載の電池。
【請求項13】
第1の方向に沿って、前記冷却システム(30)の投影は、前記被覆部材(25)の投影を覆い、前記第1の面(2111)は前記第1の方向に垂直であることを特徴とする請求項1~12のいずれか一項に記載の電池。
【請求項14】
前記冷却システム(30)の前記被覆部材(25)に近い端部は、前記被覆部材(25)に向かって傾斜して設置されることを特徴とする請求項1~13のいずれか一項に記載の電池。
【請求項15】
電力消費機器であって、請求項1~14のいずれか一項に記載の電池を含み、前記電池は、電気エネルギーを提供するためのものであることを特徴とする電力消費機器。
【請求項16】
電池を製造する方法であって、
複数の電池セル(20)を含む電池セルグループ(201)を提供することと、
前記電池セルグループ(201)の第1の面(2111)上に設置される冷却システム(30)を提供することと、
前記電池セルグループ(201)の第2の面(2112)上に設置される信号伝送アセンブリ(24)を提供することであって、前記第2の面(2112)は前記第1の面(2111)に隣接し、前記信号伝送アセンブリ(24)はバスバー部品(241)と絶縁層(242)とを含み、前記絶縁層(242)は前記バスバー部品(241)をパッケージングするためのものであり、前記絶縁層(242)は開孔を有し、前記バスバー部品(241)は、前記開孔位置で前記電池セルグループ(201)における電池セル(20)と電気的に接続するためのものであることと、
前記信号伝送アセンブリ(24)を被覆して前記冷却システム(30)に発生した凝縮液が前記信号伝送アセンブリ(24)に到着することを阻止するための被覆部材(25)を提供することと、
を含むことを特徴とする電池を製造する方法。
【請求項17】
電池を製造する機器であって、提供モジュールを含み、前記提供モジュールは、
複数の電池セル(20)を含む電池セルグループ(201)を提供することと、
前記電池セルグループ(201)の第1の面(2111)上に設置される冷却システム(30)を提供することと、
前記電池セルグループ(201)の第2の面(2112)上に設置される信号伝送アセンブリ(24)を提供することであって、前記第2の面(2112)は前記第1の面(2111)に隣接し、前記信号伝送アセンブリ(24)はバスバー部品(241)と絶縁層(242)とを含み、前記絶縁層(242)は前記バスバー部品(241)をパッケージングするためのものであり、前記絶縁層(242)は開孔を有し、前記バスバー部品(241)は前記開孔位置で前記電池セルグループ(201)における電池セル(20)と電気的に接続するためのものであることと、
前記信号伝送アセンブリ(24)を被覆して前記冷却システム(30)に発生した凝縮液が前記信号伝送アセンブリ(24)に到着することを阻止するための被覆部材(25)を提供することと、
に用いられることを特徴とする電池を製造する機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、電池技術分野に関し、特に電池、電力消費機器、電池を製造する方法と機器に関する。
【背景技術】
【0002】
環境汚染の日々の深刻化に伴い、新エネルギー産業はますます人々の注目を集めている。新エネルギー産業において、電池技術は、その発展に係る重要な要素である。
【0003】
電池技術の発展において、安全性の問題が無視できない問題となっている。電池の安全性を確保できなければ、その電池を使用することはできない。
【0004】
電池は高温高湿な環境において、その電池の筐体内で凝縮液が発生しやすく、安全上の潜在的なリスクをもたらし、電池の安全性に影響を及ぼす。そのため、どのように電池の安全性を向上させるかは、電池技術において早急な解決が待たれる技術課題となっている。
【発明の概要】
【0005】
本出願は、電池の安全性を向上させることができる電池、電力消費機器、電池を製造する方法と機器を提供する。
【0006】
第1の態様によれば、電池を提供し、該電池は、複数の電池セルを含む電池セルグループと、前記電池セルグループの第1の面上に設置される冷却システムと、前記電池セルグループの第2の面上に設置される信号伝送アセンブリであって、前記第2の面は前記第1の面に隣接し、前記信号伝送アセンブリはバスバー部品と絶縁層とを含み、前記絶縁層は前記バスバー部品をパッケージングするためのものであり、前記絶縁層は開孔を有し、前記バスバー部品は前記開孔位置で前記電池セルグループにおける電池セルと電気的に接続するためのものである信号伝送アセンブリと、前記信号伝送アセンブリを被覆して前記冷却システムに発生した凝縮液が前記信号伝送アセンブリに到着することを阻止するための被覆部材とを含む。
【0007】
そのため、本出願の実施例の電池において、第1の面上に冷却システムが設置され、複数の電池セルの間の電気的接続を実現するために、第1の面に隣接する第2の面に信号伝送アセンブリが設置され、また、該電池は該信号伝送アセンブリを被覆するための被覆部材をさらに含み、このように、冷却システムに凝縮液が発生した場合、該被覆部材は、該凝縮液が信号伝送アセンブリに到着することを阻止することによって、電池短絡の発生を回避し、該電池の安全性を向上させることができる。
【0008】
任意選択的に、該第1の面は電池セルグループにおける面積の最も大きい面であってもよく、このように、冷却システムが該第1の面に設置される場合、該電池セルグループの冷却システムに対面する面積をより大きくすることができ、該電池セルグループの放熱速度を向上させることによって、より良い温度調整効果を達成することができる。
【0009】
いくつかの実施例において、前記絶縁層は前記冷却システムに向かって前記冷却システムに近い位置まで延伸し、且つ前記位置において前記冷却システムから離れる方向に向かって反転して前記被覆部材を形成する。
【0010】
絶縁層に被覆部材が形成されることによって、追加の部品を増加する必要がなく、構造がシンプルであり、加工が容易である。
【0011】
いくつかの実施例において、前記絶縁層の反転部分は前記電池セルグループの第3の面に固定接続され、前記第3の面は前記第1の面に平行する。
【0012】
いくつかの実施例において、前記絶縁層の反転部分のエッジにヘミング領域が設置されており、前記ヘミング領域は、前記第3の面に固定接続され、さらに該絶縁層の反転部分と電池セルグループとの間の固定、つまり被覆部材と電池セルグループとの間の固定を実現するためのものである。
【0013】
任意選択的に、ヘミング領域は接着剤などによって第3の面に固定接続されてもよい。
【0014】
いくつかの実施例において、前記絶縁層は、反転位置において前記第2の面と前記冷却システムに向かう夾角領域を形成し、前記夾角領域は、前記冷却システムを接着するための接着剤を収集するように構成される。
【0015】
接着剤を採用して接着の方式によって冷却システムを第1の面上に固定する場合、該夾角領域は、溢れた余剰の接着剤を収集するための接着剤溢れ領域として機能し、さらに該接着剤による電池内の他の部品への影響を回避することができる。
【0016】
いくつかの実施例において、前記被覆部材は前記第2の面を被覆するカバープレートである。
【0017】
カバープレートによって、電池セルグループの信号伝送アセンブリを被覆して、凝縮液が信号伝送アセンブリに進入することを遮断することができ、構造シンプルであり、加工が容易である。
【0018】
いくつかの実施例において、前記カバープレートは、前記第1の面に固定接続するための第1の接続領域を含む。
【0019】
いくつかの実施例において、前記カバープレートは、前記電池セルグループの第3の面に固定接続するための第2の接続領域をさらに含み、前記第3の面は前記第1の面に平行する。
【0020】
該カバープレートを取り付けて固定する時、該第1の接続領域及び/又は第2の接続領域によって固定することができ、例えば、第1の接続領域を接着剤によって第1の面に固定し、第2の接続領域を接着剤によって第3の面に固定し、さらに例えば接着剤などによって冷却システムを第1の面に固定し、さらに該カバープレートと電池セルグループとの間の固定及び冷却システムと電池セルグループとの間の固定を実現する。
【0021】
いくつかの実施例において、前記カバープレート上には、前記凝縮液を案内するための排液溝が設置されている。例えば、該排液溝によって凝縮液を信号伝送アセンブリから離れる位置に排出することができ、例えば、凝縮液を筐体の底部に排出し、又は筐体から排出することができる。
【0022】
いくつかの実施例において、前記カバープレート上にバスバー溝がさらに設置され、前記バスバー溝は前記排液溝と連通し、前記バスバー溝は、前記凝縮液を収集し且つ前記凝縮液を前記排液溝に導入するためのものである。
【0023】
具体的には、凝縮液の収集を容易にするように、バスバー溝を冷却システムに近い位置に設置してもよく、該凝縮液は、バスバー溝を経て排液溝に流れ、さらに信号伝送アセンブリに影響を及ぼさない位置に排出される。
【0024】
いくつかの実施例において、前記カバープレートの材料は絶縁材料である。
【0025】
任意選択的に、該カバープレートの材料は、信号伝送アセンブリにおける絶縁層の材料と同じであってもよく、又は異なってもよい。
【0026】
いくつかの実施例において、前記電池セルグループはN個の電池セル列を含み、前記N個の電池セル列は第1の方向に沿って並べられ、前記N個の電池セル列のうちの各電池セル列の電池セルは第2の方向に沿って並べられ、前記第1の方向は前記第2の方向に垂直であり、Nは正整数であり、ここで、前記第1の面は、前記第1の方向に垂直であり、前記第2の面は、前記第1の方向と前記第2の方向によって確定される面に平行する。
【0027】
いくつかの実施例において、第1の方向に沿って、前記冷却システムの投影は、前記被覆部材の投影を覆い、前記第1の面は前記第1の方向に垂直である。
【0028】
このように、冷却システムは該被覆部材を覆うことができ、該被覆部材も冷却システムの取り付けに影響を及ぼさず、且つ該冷却システムに発生した凝縮液を、被覆部材によって良好に遮断することができる。
【0029】
いくつかの実施例において、前記冷却システムの被覆部材に近い端部は、前記被覆部材に向かって傾斜して設置され、このように、冷却システムの表面に発生した凝縮液は該傾斜部分を経て滑り落ちることができ、このように、凝縮液が冷却システム表面に集まって排出できないことを回避し、電池の安全性をさらに向上させることができる。
【0030】
第2の態様によれば、電力消費機器を提供し、前記電力消費機器は、第1の態様における電池を含み、前記電池は、電気エネルギーを提供するためのものである。
【0031】
いくつかの実施例において、前記電力消費機器は、車両、船舶又は宇宙船である。
【0032】
第3の態様によれば、電池を製造する方法を提供し、前記方法は、複数の電池セルを含む電池セルグループを提供することと、前記電池セルグループの第1の面上に設置される冷却システムを提供することと、前記電池セルグループの第2の面上に設置される信号伝送アセンブリを提供することであって、前記第2の面は前記第1の面に隣接し、前記信号伝送アセンブリはバスバー部品と絶縁層とを含み、前記絶縁層は前記バスバー部品をパッケージングするためのものであり、前記絶縁層は開孔を有し、前記バスバー部品は、前記開孔位置で前記電池セルグループにおける電池セルと電気的に接続するためのものであることと、前記信号伝送アセンブリを被覆して前記冷却システムに発生した凝縮液が前記信号伝送アセンブリに到着することを阻止するための被覆部材を提供することとを含む。
【0033】
第4の態様によれば、電池を製造する機器を提供し、上記第3の態様の方法を実行するモジュールを含む。
【0034】
本出願の実施例の技術案において、電池に含まれる電池セルグループの第1の面上に冷却システムが設置され、複数の電池セルの間の電気的接続を実現するために、第1の面に隣接する第2の面に信号伝送アセンブリが設置され、また、該電池は該信号伝送アセンブリを被覆するための被覆部材をさらに含み、このように、冷却システムに凝縮液が発生した場合、該被覆部材は、該凝縮液が信号伝送アセンブリに到着することを阻止することによって、電池短絡の発生を回避し、該電池の安全性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】本出願の一実施例が開示した車両の構造概略図である。
【
図2】本出願の一実施例が開示した電池の分解構造概略図である。
【
図3】本出願の一実施例が開示した電池セルの分解構造概略図である。
【
図4】本出願の一実施例が開示した別の電池の分解構造概略図である。
【
図5】本出願の一実施例が開示した電池内部の一部のアセンブリの分解概略図である。
【
図6】本出願の一実施例が開示した別の電池内部の一部のアセンブリの分解概略図である。
【
図7】本出願の一実施例が開示した電池内部の一部のアセンブリの取り付けた後の概略図である。
【
図9】本出願の一実施例が開示した電池を製造する方法の概略的フローチャートである。
【
図10】本出願の一実施例が開示した電池を製造する機器の概略的ブロック図である。
【0036】
図面において、図面は、実際の縮尺に応じて描かれるものではない。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、図面と実施例を参照して本出願の実施形態をさらに詳細に説明する。以下の実施例の詳細な説明と図面は、本出願の原理を例示的に説明するために使用されるが、本出願の範囲を限定するために使用されるべきではなく、すなわち、本出願は、説明された実施例に限定されない。
【0038】
なお、本出願の説明において、特に説明がない限り、「複数」の意味は、2つ以上であり、「上」、「下」、「左」、「右」、「内」、「外」などの用語により示される方位又は位置関係は、示された装置又は素子が特定の方位を有しなければならず、特定の方位で構成及び操作されなければならないことを示したり、暗示したりするのではなく、本出願を容易に説明し、説明を単純化するためだけのものであるため、本出願の限定として理解されるべきではない。さらに、「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、説明のみを目的として使用されており、相対的な重要性を示したり、暗示したりするものとして理解されるべきではない。「垂直」は、厳密な意味での垂直ではないが、誤差の許容範囲内である。「平行」は、厳密な意味での平行ではないが、誤差の許容範囲内である。
【0039】
本出願において「実施例」と言及する場合、実施例で説明された特定の特徴、構造又は特性が本出願の少なくとも一つの実施例に含まれてもよいことを意味する。明細書における各箇所に記載されたこの語句は、必ずしも全てが同じ実施例を指すものではなく、他の実施例と相互排他する独立した又は代替的な実施例でもない。当業者は、本出願に説明された実施例が他の実施例と組み合わされてもよいことを明示的かつ暗示的に理解できる。
【0040】
以下の説明に現れる方位詞はいずれも、図に示されている方向であり、本出願の特定の構造を限定するものではない。なお、本出願の説明において、明確に指定及び限定されていない限り、「取り付け」、「繋がり」、「接続」という用語は、広義に理解されるべきであり、たとえば、固定接続されることであってもよいし、取り外し可能に接続されることであってもよいし、一体的に接続されることであってもよいし、直接接続されることであってもよいし、中間媒体を介して間接的に接続されることであってもよい。当業者にとって、本出願における上記用語の特定の意味は、特定の状況に従って理解することができる。
【0041】
本出願における「及び/又は」という用語は、関連対象の関連関係を記述するものに過ぎず、3つの関係が存在してもよいことを表し、例えば、A及び/又はBは、単独のA、AとBとの組み合わせ、単独のBの三つのケースを表してもよい。また、本出願における文字である「/」は、一般的には前後関連対象が「又は」の関係であることを表す。
【0042】
本出願において、電池セルは、リチウムイオン二次電池、リチウムイオン一次電池、リチウム硫黄電池、ナトリウムリチウムイオン電池、ナトリウムイオン電池又はマグネシウムイオン電池などを含んでもよいが、本出願の実施例では、それを限定しない。電池セルは、円柱体、扁平体、長方体、又はその他の形状などを有してもよく、本出願の実施例ではこれについても限定しない。電池セルは、パッケージングの形態によって、一般的には、柱形電池セル、直方体角形電池セルとパウチ電池セルの3つの種類に分けられ、本出願の実施例では、それを限定しない。
【0043】
本出願の実施例で言及した電池は、より高い電圧と容量を提供するために1つ又は複数の電池セルを含む単一の物理的モジュールを指す。例えば、本出願で言及した電池は、電池パックなどを含んでもよい。電池は、一般的には、1つ又は複数の電池セルをパッケージングするための筐体を含む。筐体は、液体又はその他の異物が電池セルの充電又は放電に影響を与えることを回避することができる。
【0044】
電池セルは、電極アセンブリと電解液を含み、電極アセンブリは正極板、負極板とセパレータを含む。電池セルは、主に金属イオンが正極板と負極板との間で移動することにより動作する。正極板は、正極集電体と正極活物質層とを含み、正極活物質層は、正極集電体の表面に塗布されており、正極活物質層が塗布されていない集電体は、正極活物質層が塗布された集電体から突出しており、正極活物質層が塗布されていない集電体は、正極タブとされる。リチウムイオン電池を例にして、正極集電体の材料はアルミニウムであってもよく、正極活物質は、コバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム、三元リチウム又はマンガン酸リチウムなどであってもよい。負極板は、負極集電体と負極活物質層とを含み、負極活物質層は、負極集電体の表面に塗布されており、負極活物質層が塗布されていない集電体は、負極活物質層が塗布された集電体から突出しており、負極活物質層が塗布されていない集電体は、負極タブとされる。負極集電体の材料は銅であってもよく、負極活物質は、炭素又はシリコンなどであってもよい。大電流を流しても溶断が生じないように、正極タブの数は複数で積層されており、負極タブの数は複数で積層されている。セパレータの材質は、ポリプロピレン(PP)又はポリエチレン(PE)などであってもよい。また、電極アセンブリは、巻回型構造であってもよいし、積層型構造であってもよく、本出願の実施例はこれに限定されるものではない。
【0045】
異なる電力需要を満たすために、電池は複数の電池セルを含んでもよく、ここで、複数の電池セルの間は、直列接続又は並列接続又は直並列接続されてもよく、直並列接続は、直列接続と並列接続との混合を指す。任意選択的に、複数の電池セルをまず直列接続又は並列接続又は直並列接続して電池モジュールを構成し、複数の電池モジュールを直列接続又は並列接続又は直並列接続して電池を構成する。つまり、複数の電池セルは直接的に電池を構成してもよく、又は、まず電池モジュールを構成し、さらに電池モジュールで電池を構成してもよい。電池はさらに電力消費機器に設けられ、電力消費機器のために電気エネルギーを提供する。
【0046】
電池技術の発展は、多岐にわたる設計因子、例えば、エネルギー密度、サイクル寿命、放電容量、充放電レートなどの性能パラメータを同時に考慮しなければならず、また、電池の安全性を考慮する必要もある。
【0047】
電池セルに対し、安全上の主なリスクは充電と放電する過程にあり、適切な温度設計が必要とされる。電池セルを適切な温度に制御するために、電池内に冷却システムを設けてもよい。冷却システムは、冷媒を収容して電池セルの温度を低減させるためのものである。冷却システムは冷却部品又は冷却板などと呼ばれてもよく、冷媒は冷却流体と呼ばれてもよく、さらに具体的には、冷却液又は冷却ガスと呼ばれてもよい。冷却流体は、循環して流れることによって、より高い温度調節効果を達成する。任意選択的に、冷媒は水、水とエチレングリコールの混合液、又は空気などであってもよい。冷媒が水である場合、冷却システムは、水冷板と呼ばれてもよい。
【0048】
電池の筐体において、以上で言及した電池セル及び冷却システムの他、信号伝送アセンブリ及び電池の他の部品をさらに含んでもよい。いくつかの実施例において、筐体には、電池セルを固定するための構造を設置してもよい。筐体の形状は、収容される複数の電池セルに基づいて決定されればよい。いくつかの実施例において、筐体は、6つの壁を有する直方体であってもよい。
【0049】
理解すべきこととして、本出願の実施例の信号伝送アセンブリは、電池セルの電圧及び/又は温度などの信号を伝送するために用いることができる。該信号伝送アセンブリは、複数の電池セルの間の電気的接続、例えば、並列又は直列又は直並列接続を実現するためのバスバー部品を含んでもよい。バスバー部品は、電池セルの電極端子を接続することによって電池セル間の電気的接続を実現することができる。いくつかの実施例において、バスバー部品は、溶接によって電池セルの電極端子に固定することができる。バスバー部品は電池セルの電圧を伝送し、複数の電池セルを直列接続すると、高い電圧を得るが、これに応じて、バスバー部品で形成された電気的接続は「高圧接続」と呼ばれてもよい。
【0050】
バスバー部品の他、該信号伝送アセンブリは、電池セルの状態を検知するためのセンサデバイスをさらに含んでもよく、例えば、該センサデバイスは、電池セルの温度、荷電状態などのセンシング信号を測定及び伝送するために用いることができる。本出願の実施例において、電池内の電気的接続部品はバスバー部品及び/又はセンサデバイスを含んでもよい。
【0051】
バスバー部品とセンサデバイスは、絶縁層にパッケージングして信号伝送アセンブリを形成することができる。それに応じて、信号伝送アセンブリは、電池セルの電圧及び/又はセンシング信号を伝送するために用いることができる。信号伝送アセンブリは電池セルの電極端子との接続位置に絶縁層がなく、即ち、絶縁層がここで開孔を有することによって、電池セルの電極端子と接続する。
【0052】
電池は高温高湿な環境において、電池の筐体内で凝縮液が発生しやすく、これは電池内の信号伝送アセンブリに安全上の潜在的なリスクをもたらし、信号伝送アセンブリの電気的接続故障と失効を引き起こし、さらに電池の安全性に影響を及ぼすおそれがあると考えられる。具体的には、電池内の高温高湿なガスが電池の筐体内の冷却システムに当たると、凝縮液が発生し、この凝縮液が電池内の電気的接続領域に滴下すると、電池の安全性に影響を与えるおそれがある。
【0053】
これに鑑み、本出願は技術案を提供し、電池の電気的接続を実現する信号伝送アセンブリの外部に被覆部材を設置して、該信号伝送アセンブリを被覆することによって、冷却システムに発生した凝縮液が電気的接続領域に到着することを阻止し、このように、凝縮液が電池内の電気的接続領域に影響を及ぼさず、信号伝送アセンブリに影響を及ぼさないようにすることができるため、電池の安全性を向上させることができる。
【0054】
電池において、以上で言及した各部品の他、電池の筐体上には、筐体内外の圧力をバランスするための圧力バランス機構が設置されてもよい。例えば、筐体内の圧力が筐体外より高い時、筐体内部のガスは圧力バランス機構を介して筐体外へ流れることができ、筐体内の圧力が筐体外より低い時、筐体外部のガスは圧力バランス機構を介して筐体内部に流れることができる。
【0055】
以上で説明された電池の筐体における各部品は、本出願の実施例を限定するものとして理解すべきではなく、つまり、本出願の実施例における電池用の筐体は、上記部品を含んでもよく、上記部品を含まなくてもよいことを理解されたい。
【0056】
本出願の実施例で説明された技術案はいずれも電池を使用する様々な装置、例えば、携帯電話、携帯型デバイス、ノートパソコン、電動スクーター、電動玩具、電動工具、電動車両、船舶及び宇宙機などに適用でき、例えば、宇宙機は飛行機、ロケット、スペースシャトル及び宇宙船などを含む。
【0057】
理解すべきこととして、本出願の実施例で説明された技術案は、上記で説明された機器のみに適用できるというわけではなく、電池を使用する全ての機器に適用できるが、説明を簡潔にするために、下記実施例では、電動車両を例にして説明する。
【0058】
例えば、
図1に示すように、本出願の一実施例による車両1の構造概略図である。車両1は、燃料油自動車、ガス自動車又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は、純電気自動車、ハイブリッド自動車やレンジエクステンダー自動車などであってもよい。車両1の内部には、モータ40と、コントローラ50と、電池10とが設置されてもよく、コントローラ50は、電池10がモータ40に給電するように制御するためのものである。例えば、車両1の底部又は先頭又は後尾に電池10を設置してもよい。電池10は、車両1への給電に用いられてもよい。例えば、電池10を車両1の動作電源とすることができ、車両1の電気回路システムに用いられ、例えば、車両1の始動、ナビゲーション及び走行時の動作電力需要に用いられる。本出願の別の実施例では、電池10は、車両1の動作電源として用いることができるだけでなく、車両1の駆動電源として、燃料油又は天然ガスの代わりに、又はその一部の代わりに車両1に駆動動力を提供することもできる。
【0059】
様々な電力使用の需要を満たすために、電池10は複数の電池セルを含んでもよい。例えば、
図2に示すように、本出願の一実施例による電池10の構造概略図である。電池10は、少なくとも一つの電池モジュール200を含んでもよい。電池モジュール200は、複数の電池セル20を含む。電池10は筐体11をさらに含んでもよく、筐体11の内部は中空構造であり、複数の電池セル20は筐体11内に収容される。
図2に示すように、筐体11は2つの部分を含んでもよく、ここでそれぞれ第1の部分111(上筐体)と第2の部分112(下筐体)と呼び、第1の部分111と第2の部分112は一体に係合される。第1の部分111と第2の部分112の形状は、複数の電池セル20を組み合わせた形状に応じて決定でき、第1の部分111と第2の部分112のうちの少なくとも一つは一つの開口を有してもよい。例えば、
図2に示すように、第1の部分111と第2の部分112は、いずれも中空の長方体であってもよく、且つそれぞれ一つの面のみが開口面であり、第1の部分111の開口と第2の部分112の開口とが対向して設置されるとともに、第1の部分111と第2の部分112とが互いに係合して、密閉のキャビティを有する筐体11を形成する。また、例えば、
図2に示されるものと異なり、第1の部分111と第2の部分112のうちの一方のみが開口を有する中空長方体であり、他方が開口をカバーするための板状であってもよい。例えば、ここで第2の部分112が中空長方体であり、且つ一面のみが開口面であり、第1の部分111が板状である場合を例にすると、第1の部分111は、第2の部分112の開口位置をカバーすることにより、密閉のキャビティを有する筐体を形成し、該キャビティは、複数の電池セル20を収容するために用いることができる。複数の電池セル20を互いに並列接続又は直列接続又は直並列接続して組み立てた後に、第1の部分111と第2の部分112を係合して形成された筐体11内に置く。
【0060】
任意選択的に、電池10は他の構造をさらに含んでもよいが、ここでは説明を省略する。例えば、該電池10は、複数の電池セル20の間の電気的接続、例えば、並列又は直列又は直並列接続を実現するためのバスバー部材をさらに含んでもよい。具体的に、バスバー部材は、電池セル20の電極端子に接続されることで電池セル20の間の電気的接続を実現することができる。さらに、バスバー部品は、溶接によって電池セル20の電極端子に固定することができる。複数の電池セル20の電気エネルギーは、さらに導電機構により筐体を貫通して引き出すことができる。任意選択的に、導電機構は、バスバー部材に属するものであってもよい。
【0061】
様々な電力需要に応じて、電池セル20の数は、任意の数値に設定されてもよい。複数の電池セル20を直列、並列、又は直並列接続することにより、大きい容量又は電力を実現することができる。各電池10に含まれる電池セル20の数が多い場合があるため、取り付けを容易にするために、電池セル20をグループ化して設置し、各グループの電池セル20が電池モジュールを構成してもよい。電池モジュールに含まれる電池セル20の数は限定されず、需要に応じて設ければよい。電池は、複数の電池モジュールを含んでもよく、これら電池モジュールは、直列、並列、又は直並列に接続することができる。
【0062】
図3に示すように、本出願の一実施例による電池セル20の構造概略図であり、電池セル20は、一つ又は複数の電極アセンブリ22と、ハウジング211と、エンドキャップ212とを含む。ハウジング211とエンドキャップ212は、外筐又は電池ボックス21を形成する。ハウジング211の壁及びエンドキャップ212は、いずれも電池セル20の壁と呼ばれ、ここで、長方体型の電池セル20に対し、ハウジング211の壁は、底壁と4つの側壁を含む。ハウジング211は、1つ又は複数の電極アセンブリ22を組み立てた後の形状に基づいて決定され、例えば、ハウジング211は、中空の長方体又は立方体又は円柱体であってもよく、かつハウジング211における1つの面は、1つ又は複数の電極アセンブリ22がハウジング211内に置かれることが可能であるように、開口を有する。例えば、ハウジング211が中空の長方体又は立方体である場合、ハウジング211における一つの平面が開口面であり、即ち、該平面は壁体を有さず、ハウジング211の内外を連通させる。ハウジング211が中空の円柱体であり得る場合、ハウジング211の端面が開口面であり、即ち、該端面は壁体を有さず、ハウジング211の内外を連通させる。エンドキャップ212は、開口を覆うとともに、ハウジング211に接続されることによって、電極アセンブリ22を配置する密閉のキャビティを形成する。ハウジング211内には、電解質、例えば、電解液が充填されている。
【0063】
該電池セル20は二つの電極端子214をさらに含んでもよく、二つの電極端子214はエンドキャップ212上に設置されてもよい。エンドキャップ212は、一般的には平板形状であり、二つの電極端子214は、エンドキャップ212の平板表面上に固定され、二つの電極端子214は、それぞれ正電極端子214aと負電極端子214bである。各電極端子214には、それぞれ一つの接続部品23(又は集電部品23と呼ばれる)が対応して設置され、それは、エンドキャップ212と電極アセンブリ22との間に位置し、電極アセンブリ22と電極端子214とを電気的に接続するためのものである。
【0064】
図3に示すように、各電極アセンブリ22は、第1のタブ221aと第2のタブ222aを有する。第1のタブ221aと第2のタブ222aとは、極性が逆である。例えば、第1のタブ221aが正極タブであれば、第2のタブ222aは負極タブである。1つ又は複数の電極アセンブリ22の第1のタブ221aは1つの接続部材23を介して1つの電極端子に接続され、1つ又は複数の電極アセンブリ22の第2のタブ222aはもう1つの接続部材23を介してもう1つの電極端子に接続される。例えば、正電極端子214aは1つの接続部材23を介して正極タブに接続され、負電極端子214bはもう1つの接続部材23を介して負極タブに接続される。
【0065】
該電池セル20において、実際の使用上の需要に応じて、電極アセンブリ22は一つ又は複数設置されてもよいが、
図3に示すように、電池セル20内に4つの独立した電極アセンブリ22が設置されている。
【0066】
電池セル20上に、放圧機構をさらに設置してもよい。放圧機構は、電池セル20の内圧又は温度が閾値に達したときに作動して内圧又は温度を逃がすためのものである。
【0067】
放圧機構はいかなる可能な放圧構造であってもよいが、本出願の実施例では、それを限定しない。例えば、放圧機構は、放圧機構が設けられている電池セル20の内部温度が閾値に達する時に溶融できるように構成されている感温性放圧機構であってもよく、及び/又は、放圧機構は、放圧機構が設けられている電池セル20の内部気圧が閾値に達する時に破裂できるように構成されている感圧性放圧機構であってもよい。
【0068】
理解すべきこととして、本出願の実施例における電池10に含まれる複数の電池セル20は、筐体11内でいずれかの方向に沿って並べられ且つ配置されてもよい。例えば、
図3に示される長方体形状の電池セル20を例として、
図2に示すように、複数の電池セル20を、
図3に示す鉛直方向のように筐体内に取り付けることができ、それにより取り付けられた複数の電池セル20のエンドキャップ212が上筐体111に対面することに対し、電池セル20のハウジング211の底壁が下筐体112に対面する。さらに例えば、
図2と異なり、複数の
図3に示される電池セル20を筐体内に横方向に設置してもよい。
【0069】
具体的には、
図4は、本出願の一実施例による電池10の別の分解概略図を示し、
図4に示すように、複数の電池セル20を筐体内に横方向に設置してもよい。
図4に示すように、電池10は、複数の電池セル20を含んでもよく、該複数の電池セル20は、複数層に並べられてもよく、例えば、
図4において、例として、二層の電池セル20を設置する。電池10における最上層の電池セル20にとっては、該最上層における各電池セル20の側壁のうちの面積の最も大きい側壁は、下筐体112の開口位置に向かい、つまり、上筐体111(
図4には図示せず)に向かい、それに対して、電池10における最下層の電池セル20にとっては、該最下層における各電池セル20の側壁のうちの面積の最も大きい側壁は、下筐体112の底壁に向かい、つまり、下筐体112における、開口に対向する壁に向かう。つまり、
図3と
図4に示すように、複数の電池セル20のエンドキャップ212の一端は下筐体112の側壁に対面し、つまり、下筐体112における、開口に隣接する壁に対面し、このように、
図2に示される電池セル20の取り付け方式に比べ、
図4に示される取り付け方式は、電池セル20の放熱により有利である。
【0070】
電池セル20が適切な温度で動作できるようにさらに制御するために、電池10の温度を確保するように、該電池10に冷却システム30をさらに設置してもよい。具体的には、
図4に示すように、該冷却システム30は、複数の電池セル20の上方に設置されてもよく、それにより電池セル20の面積の大きい側壁が該冷却システム30に向かい、電池セル20の放熱面積を増加させ、電池セル20の放熱により有利である。
【0071】
任意選択的に、該冷却システム30の上方に上筐体111を設置して、上筐体111を下筐体112と係合することによって、該電池10の筐体を形成することができ、又は、冷却システム30は、上筐体111内に集積して、占有する空間を減少させることができ、即ち該冷却システム30は、上筐体111として、下筐体112と係合して該電池10の筐体11を形成することができる。
【0072】
電池10が高温高湿な環境において、筐体内で凝縮液が発生しやすく、特に冷却システム30の表面と周囲で凝縮液が発生する可能性があるため、
図4に示される電池セルの取り付け方式に対し、冷却システム30に発生した凝縮液が滴下する場合、電池10内の電気的接続領域に安全上の潜在的なリスクをもたらし、電池10の安全性に影響を及ぼす可能性が高い。具体的には、電池10内の高温高湿なガスが電池10の筐体11内の冷却システム30に当たると、凝縮液が発生し、該凝縮液が電池10内の電気的接続領域に滴下すると、電池10の安全性に影響を及ぼすおそれがある。
【0073】
そのため、本出願の実施例は、上記問題を解決できる電池10を提供した。
【0074】
具体的には、
図5は、本出願の実施例による電池10の一部の分解概略図を示し、
図5に示すように、本出願の実施例による電池10は、電池セルグループ201を含んでもよく、いずれか一つの電池セルグループ201にとっては、該電池セルグループ201は複数の電池セル20を含んでもよい。例えば、
図5は、一つの電池セルグループ201を例とし、該電池セルグループ201は4個の電池セル20を含んでもよい。
【0075】
具体的には、いずれか一つの電池セルグループ201に対して、複数の方式によって複数の電池セル20を並べることができる。例えば、
図5に示すように、電池セルグループ201は、N個の電池セル列を含んでもよく、Nは正整数であり、そして該N個の電池セル列は第1の方向Xに沿って並べられ、例えば、
図5においてN=2とし、それに対して、N個の電池セル列のうちの各電池セル列の電池セル20は第2の方向Yに沿って並べられてもよく、第1の方向Xは第2の方向Yに垂直である。
【0076】
図5に示すように、該電池10は、電池セルグループ201の第1の面2111上に設置される冷却システム30をさらに含む。理解すべきこととして、複数の電池セル20が電池10の筐体11内に設置される方向によって、該第1の面2111は、該電池セルグループ201の任意の表面を指してもよい。例えば、各電池セル20が長方体であることを例として、電池セル20の放熱能力を向上させるために、
図5に示すように、冷却システム30を面積の最も大きい側壁の上方に設置してもよく、その場合、電池セルグループ201の該冷却システム30に向かう面は第1の面2111であり、該第1の面2111は、該電池セルグループ201における面積の最も大きい面であり、例えば、
図5に示すように、該第1の面2111は第1の方向Xに垂直であり、このように、電池セルグループ201の放熱速度を向上させ、良い温度調整効果を達成することができる。
【0077】
図5に示すように、該電池10は、電池セルグループ201の第2の面2112上に設置される信号伝送アセンブリ24をさらに含んでもよく、ここで、該第2の面2112は第1の面2111に隣接する。具体的には、信号伝送アセンブリ24は、電池セル20の電圧及び/又は温度信号の伝送を実現するために用いることができる。例えば、該信号伝送アセンブリ24はバスバー部品241と絶縁層242とを含んでもよく、絶縁層242はバスバー部品241をパッケージングするためのものであり、絶縁層242は開孔(図示せず)を有し、バスバー部品241は、開孔位置で電池セルグループ201における電池セル20と電気的に接続するためのものである。
【0078】
任意選択的に、本出願の実施例における絶縁層242は、熱間プレスの方式によって該バスバー部品241をパッケージングするとともに、開孔を設置する方式によって、バスバー部品241が開孔位置によって電池セルグループ201における電池セル20の間の電気的接続を実現することができる。
【0079】
本出願の実施例において、本出願の実施例の信号伝送アセンブリ24は、電池セル20の間の様々な形式の電気的接続を実現するために用いることができる。例えば、電池10内の電気的接続領域は、バスバー部品241が設置されている領域を含んでもよく、また、電池10内には、電池セル20の状態を検知するためのセンサデバイスがさらに設置されてもよく、電池10内の電気的接続領域は、センサデバイスが設置されている領域をさらに含んでもよい。任意選択的に、本出願の実施例の信号伝送アセンブリ24はセンサデバイスを含んでもよく、絶縁層242は、さらに該センサデバイスをパッケージングするために用いることができる。
【0080】
図5に示される電池セル20と冷却システム30の並べ方式の場合、電池10は高温高湿な環境において、電池10の筐体内で凝縮液が発生しやすく、特に冷却システム30で発生した凝縮液は、電池10内の電気的接続領域に滴下する可能性があり、例えば、バスバー部品241上に滴下する可能性があり、その場合、電池10が短絡し且つ失効することを引き起こし、電池10の安全性に影響を及ぼすおそれがあることを考慮すると、該
図5に示すように、電池10は、信号伝送アセンブリ24を被覆して冷却システム30に発生した凝縮液が信号伝送アセンブリ24に到着することを阻止するための被覆部材25をさらに含んでもよい。
【0081】
そのため、本出願の実施例の電池10において、第1の面2111上に冷却システム30が設置され、複数の電池セル20の間の電気的接続を実現するために、第1の面2111に隣接する第2の面2112に信号伝送アセンブリ24が設置され、また、該電池10は該信号伝送アセンブリ24を被覆するための被覆部材25をさらに含み、このように、冷却システム30に凝縮液が発生した場合、該被覆部材25は、該凝縮液が信号伝送アセンブリ24に到着することを阻止することによって、電池10の短絡の発生を回避し、該電池10の安全性を向上させることができる。
【0082】
理解すべきこととして、本出願の実施例の被覆部材25は、様々な形式によって設置されてもよく、以下では、図面を結び付けながら詳細に記述する。
【0083】
任意選択的に、一つの実施例として、該被覆部材25は、信号伝送アセンブリ24が位置する第2の面2112を被覆できるカバープレートであってもよい。具体的には、
図5に示すように、電池10のために、第2の面2112を被覆できるカバープレート25を、被覆部材25として設置してもよい。任意選択的に、該カバープレート25は、いずれかの絶縁材料を選択してもよく、例えば、該カバープレート25は、絶縁層242と同じ又は異なる絶縁材料を選択してもよく、本出願の実施例はそれを限定しない。
【0084】
任意選択的に、該カバープレート25は、様々な方式によって電池セルグループ201に固定されてもよい。例えば、
図5に示すように、該カバープレート25は、第1の面2111に固定接続するための第1の接続領域251を含んでもよい。さらに、該カバープレート25は、電池セルグループ201の第3の面2113に固定接続するための第2の接続領域252をさらに含んでもよく、ここで、第3の面2113は第1の面2111に平行し、且つ第3の面2113は第2の面2112に隣接する。第1の接続領域251及び/又は第2の接続領域252は、カバープレート25によって第1の方向Xの両端で屈曲して形成することができる。具体的には、該カバープレート25を取り付ける時、該第1の接続領域251及び/又は第2の接続領域252によって、該カバープレート25を信号伝送アセンブリ24が位置する第2の面2112に固定することができ、例えば、両面テープなどの接着剤によって第1の接続領域251及び/又は第2の接続領域252をそれぞれ対応する第1の面2111及び/又は第3の面2113上に固定することができ、さらに接着剤などによって、該冷却システム30を第1の面2111上に固定することによって、該カバープレート25と電池セルグループ201との固定、及び冷却システム30と電池セルグループ201との固定を実現し、しかし本出願の実施例はこれに限定されるものではない。
【0085】
理解すべきこととして、
図5に示すように、本出願の実施例のカバープレート25上には、凝縮液を案内するための排液溝253がさらに設置されてもよく、例えば、該排液溝253によって凝縮液を信号伝送アセンブリ24から離れる位置に排出することができ、例えば、凝縮液を筐体11の底部に排出し、又は筐体11から排出することができる。
【0086】
任意選択的に、
図5に示すように、該カバープレート25上にはバスバー溝254がさらに設置されてもよく、バスバー溝254は排液溝253と連通し、バスバー溝254は、凝縮液を収集し且つ凝縮液を排液溝253に導入するためのものである。具体的には、該バスバー溝254は、凝縮液の収集を容易にするように、排液溝253に比べて、冷却システム30により近くなってもよく、凝縮液による信号伝送アセンブリ24への影響を回避するように、収集された凝縮液を排液溝253によって他の位置に排出する。
【0087】
任意選択的に、別の実施例として、本出願の実施例の被覆部材25は、さらに絶縁層242の一部であってもよい。具体的には、
図6は、本出願の実施例による電池10の一部のアセンブリの別の分解概略図を示し、
図7は、
図6における各部分のアセンブリの取り付けた後の概略図であり、
図8は、
図7における領域Aの局所拡大図である。
図6~
図8に示すように、本出願の実施例の被覆部材25は、さらに絶縁層242で反転して形成されてもよく、このように、絶縁層242によって被覆部材25を直接形成することができ、構造を簡略化し、加工を容易にする。
【0088】
図6~
図8に示すように、絶縁層242は、冷却システム30に向かって該冷却システム30に近い位置まで延伸し、且つ該位置において引き返して反転し、つまり該位置において冷却システム30から離れる方向に向かって反転して、被覆部材25を形成することによって、第2の面2112を覆う。具体的には、信号伝送アセンブリ24を加工する時、絶縁層242において第2の面2112を反転させ且つ覆うことができる部分を事前に残してもよく、さらに熱間プレスなどの方式によって絶縁層242とバスバー部品241を加工して信号伝送アセンブリ24を形成する時、絶縁層242の一部はバスバー部品241をパッケージングし且つ電池セル20のエンドキャップ212に固定され、絶縁層242の事前に残した部分は、反転して、第2の面2112を覆う被覆部材25を形成することができ、さらに凝縮液を遮断する効果を達成することができる。該構造は、部品を追加して増加する必要がなく、加工プロセスが簡単であり、取り付けがより容易である。
【0089】
任意選択的に、該絶縁層242の反転部分は、電池セルグループ201の第3の面2113に固定接続することによって、該反転部分と電池セルグループ201との固定を実現することができる。例えば、
図6に示すように、絶縁層242の反転部分のエッジにはヘミング領域2421が設置されてもよく、該ヘミング領域2421が第3の面2113に固定接続されることによって、さらに絶縁層242の反転部分と電池セルグループ201との間の固定を実現する。例えば、該ヘミング領域2421は、接着剤によって第3の面2113に接着して固定されてもよい。
【0090】
任意選択的に、
図8に示すように、絶縁層242は、反転位置において第2の面2112と冷却システム30に向かう夾角領域2422を形成することができ、該夾角領域2422は、冷却システム30を接着するための接着剤を収集するように構成され、このように、接着剤を採用して接着の方式によって冷却システム30を第1の2111に固定する場合、該夾角領域2422は、接着剤溢れ領域としてもよく、溢れた余剰の接着剤を収集するために用いられてもよく、該接着剤による電池10内の他の部品への影響を回避することができる。
【0091】
理解すべきこととして、上記いずれか一つの被覆部材25にとっては、該被覆部材25は、冷却システム30のカバー範囲内に設置されてもよい。具体的には、
図5~
図8に示すように、第1の方向Xに沿って、冷却システム30の投影は、該被覆部材25が冷却システム30の取り付けに影響を及ぼさず、且つ該冷却システム30に発生した凝縮液を被覆部材25によってより良好に遮断することができるように、該被覆部材25の投影を完全に覆ってもよい。
【0092】
任意選択的に、本出願の実施例の冷却システム30の該被覆部材25に近い端部は、該被覆部材25に向かって傾斜して設置されてもよい。具体的には、
図5~
図8に示すように、該冷却システム30の被覆部材25に近い端部に一段の傾斜セグメント31を設置してもよく、冷却システム30の表面に発生した凝縮液が該傾斜セグメント31を経て滑り落ちることができるように、該傾斜セグメント31は被覆部材25の方向に向かって傾斜し、このように、凝縮液が冷却システム30の表面に集まって排出できないことを回避することができるとともに、該傾斜セグメント31は信号伝送アセンブリ24から離れる方向に向かって延伸し、大量の凝縮液が信号伝送アセンブリ24付近に滴下することを回避することができ、信号伝送アセンブリ24の安全性を向上させた。
【0093】
そのため、本出願の実施例の電池10において、第1の面2111上に冷却システム30が設置され、複数の電池セル20の間の電気的接続を実現するために、第1の面2111に隣接する第2の面2112に信号伝送アセンブリ24が設置され、また、該電池10は、該信号伝送アセンブリ24を被覆するための被覆部材25をさらに含み、このように、冷却システム30に凝縮液が発生した場合、該被覆部材25は、該凝縮液が信号伝送アセンブリ24に到着することを阻止することによって、電池10の短絡の発生を回避し、該電池10の安全性を向上させることができる。
【0094】
本出願の一実施例は、電力消費機器をさらに提供する。該電力消費機器は、該電力消費機器のために電気エネルギーを提供するための上記各実施例における電池10を含んでもよい。任意選択的に、電力消費機器は、車両1、船舶又は宇宙機であってもよい。
【0095】
以上は、本出願の実施例による電池及び電力消費機器を記述した。以下は、本出願の実施例による電池を製造する方法と機器を説明する。ここで、詳細に説明されない部分は、上記の各実施例を参照することができる。
【0096】
図9は、本出願の一実施例の電池を製造する方法300の概略的フローチャートを示す。
図9に示すように、該方法300は、310:複数の電池セル20を含む電池セルグループ201を提供することと、320:前記電池セルグループ201の第1の面2111上に設置される冷却システム30を提供することと、330:前記電池セルグループ201の第2の面2112上に設置される信号伝送アセンブリ24を提供することであって、前記第2の面2112は前記第1の面2111に隣接し、前記信号伝送アセンブリ24はバスバー部品241と絶縁層242とを含み、前記絶縁層242は前記バスバー部品241をパッケージングするためのものであり、前記絶縁層242は開孔を有し、前記バスバー部品241は、前記開孔位置で前記電池セルグループ201における電池セル20と電気的に接続するためのものであることと、340:前記信号伝送アセンブリ24を被覆して前記冷却システム30に発生した凝縮液が前記信号伝送アセンブリ24に到着することを阻止するための被覆部材25を提供することとを含んでもよい。
【0097】
図10では、本出願の一実施例による電池を製造する機器400の概略的ブロック図が示されている。
図10に示すように、電池を製造する機器400は、提供モジュール410を含んでもよい。前記提供モジュール410は、複数の電池セル20を含む電池セルグループ201を提供することと、前記電池セルグループ201の第1の面2111上に設置される冷却システム30を提供することと、前記電池セルグループ201の第2の面2112上に設置される信号伝送アセンブリ24を提供することであって、前記第2の面2112は前記第1の面2111に隣接し、前記信号伝送アセンブリ24はバスバー部品241と絶縁層242とを含み、前記絶縁層242は前記バスバー部品241をパッケージングするためのものであり、前記絶縁層242は開孔を有し、前記バスバー部品241は、前記開孔位置で前記電池セルグループ201における電池セル20と電気的に接続するためのものであることと、前記信号伝送アセンブリ24を被覆して前記冷却システム30に発生した凝縮液が前記信号伝送アセンブリ24に到着することを阻止するための被覆部材25を提供することとに用いられる。
【0098】
好ましい実施例を参照して本出願を説明したが、本出願の範囲から逸脱することなく、それに対して様々な改善を行うことができ、そのうちの部材を同等のものに置き換えることができる。特に、構造上の矛盾がない限り、各実施例で言及される各技術的特徴はいずれも、任意の方法で組み合わせることができる。本出願は、本明細書に開示される特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に含まれるすべての技術案を含む。
【符号の説明】
【0099】
20 電池セル
24 信号伝送アセンブリ
25 被覆部材
30 冷却システム
201 電池セルグループ
241 バスバー部品
242 絶縁層
2111 第1の面
2112 第2の面
【手続補正書】
【提出日】2023-02-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池であって、
複数の電池セ
ルを含む電池セルグルー
プと、
前記電池セルグルー
プの第1の
面上に設置される冷却システ
ムと、
前記電池セルグルー
プの第2の
面上に設置される信号伝送アセンブ
リであって、前記第2の
面は前記第1の
面に隣接し、前記信号伝送アセンブ
リはバスバー部
品と絶縁
層とを含み、前記絶縁
層は前記バスバー部
品をパッケージングするためのものであり、前記絶縁
層は開孔を有し、前記バスバー部
品は前記開孔位置で前記電池セルグルー
プにおける電池セ
ルと電気的に接続するためのものである信号伝送アセンブ
リと、
前記信号伝送アセンブ
リを被覆して前記冷却システ
ムに発生した凝縮液が前記信号伝送アセンブ
リに到着することを阻止するための被覆部
材と、
を含
む電池。
【請求項2】
前記絶縁
層は前記冷却システ
ムに向かって前記冷却システ
ムに近い位置まで延伸し、且つ前記位置において前記冷却システ
ムから離れる方向に向かって反転して前記被覆部
材を形成す
る請求項1に記載の電池。
【請求項3】
前記絶縁
層の反転部分は前記電池セルグルー
プの第3の
面に固定接続され、前記第3の
面は前記第1の
面に平行す
る請求項2に記載の電池。
【請求項4】
前記絶縁
層の反転部分のエッジには、前記第3の
面に固定接続するためのヘミング領
域が設置されてい
る請求項3に記載の電池。
【請求項5】
前記絶縁
層は、反転位置において前記第2の
面と前記冷却システ
ムに向かう夾角領
域を形成し、前記夾角領
域は、前記冷却システ
ムを接着するための接着剤を収集するように構成され
る請求項2~4のいずれか一項に記載の電池。
【請求項6】
前記被覆部
材は前記第2の
面を被覆するカバープレートであ
る請求項1に記載の電池。
【請求項7】
前記カバープレートは、前記第1の
面に固定接続するための第1の接続領
域を含
む請求項6に記載の電池。
【請求項8】
前記カバープレートは、前記電池セルグルー
プの第3の
面に固定接続するための第2の接続領
域をさらに含み、前記第3の
面は前記第1の
面に平行す
る請求項7に記載の電池。
【請求項9】
前記カバープレート上には、前記凝縮液を案内するための排液
溝が設置されてい
る請求項6~8のいずれか一項に記載の電池。
【請求項10】
前記カバープレート上にバスバー
溝がさらに設置され、前記バスバー
溝は前記排液
溝と連通し、前記バスバー
溝は、前記凝縮液を収集し且つ前記凝縮液を前記排液
溝に導入するためのものであ
る請求項9に記載の電池。
【請求項11】
前記カバープレートの材料は絶縁材料であ
る請求項6~10のいずれか一項に記載の電池。
【請求項12】
前記電池セルグルー
プはN個の電池セル列を含み、前記N個の電池セル列は第1の方向に沿って並べられ、前記N個の電池セル列のうちの各電池セル列の電池セ
ルは第2の方向に沿って並べられ、前記第1の方向は前記第2の方向に垂直であり、Nは正整数であり、
ここで、前記第1の
面は、前記第1の方向に垂直であり、前記第2の
面は、前記第1の方向と前記第2の方向によって確定される平面に平行す
る請求項1~11のいずれか一項に記載の電池。
【請求項13】
第1の方向に沿って、前記冷却システ
ムの投影は、前記被覆部
材の投影を覆い、前記第1の
面は前記第1の方向に垂直であ
る請求項1~12のいずれか一項に記載の電池。
【請求項14】
前記冷却システ
ムの前記被覆部
材に近い端部は、前記被覆部
材に向かって傾斜して設置され
る請求項1~13のいずれか一項に記載の電池。
【請求項15】
電力消費機器であって、請求項1~14のいずれか一項に記載の電池を含み、前記電池は、電気エネルギーを提供するためのものであ
る電力消費機器。
【請求項16】
電池を製造する方法であって、
複数の電池セ
ルを含む電池セルグルー
プを提供することと、
前記電池セルグルー
プの第1の
面上に設置される冷却システ
ムを提供することと、
前記電池セルグルー
プの第2の
面上に設置される信号伝送アセンブ
リを提供することであって、前記第2の
面は前記第1の
面に隣接し、前記信号伝送アセンブ
リはバスバー部
品と絶縁
層とを含み、前記絶縁
層は前記バスバー部
品をパッケージングするためのものであり、前記絶縁
層は開孔を有し、前記バスバー部
品は、前記開孔位置で前記電池セルグルー
プにおける電池セ
ルと電気的に接続するためのものであることと、
前記信号伝送アセンブ
リを被覆して前記冷却システ
ムに発生した凝縮液が前記信号伝送アセンブ
リに到着することを阻止するための被覆部
材を提供することと、
を含
む電池を製造する方法。
【請求項17】
電池を製造する機器であって、提供モジュールを含み、前記提供モジュールは、
複数の電池セ
ルを含む電池セルグルー
プを提供することと、
前記電池セルグルー
プの第1の
面上に設置される冷却システ
ムを提供することと、
前記電池セルグルー
プの第2の
面上に設置される信号伝送アセンブ
リを提供することであって、前記第2の
面は前記第1の
面に隣接し、前記信号伝送アセンブ
リはバスバー部
品と絶縁
層とを含み、前記絶縁
層は前記バスバー部
品をパッケージングするためのものであり、前記絶縁
層は開孔を有し、前記バスバー部
品は前記開孔位置で前記電池セルグルー
プにおける電池セ
ルと電気的に接続するためのものであることと、
前記信号伝送アセンブ
リを被覆して前記冷却システ
ムに発生した凝縮液が前記信号伝送アセンブ
リに到着することを阻止するための被覆部
材を提供することと、
に用いられ
る電池を製造する機器。
【国際調査報告】