(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-10
(54)【発明の名称】エアロゾル発生物品の製造方法
(51)【国際特許分類】
A24C 5/01 20200101AFI20231002BHJP
【FI】
A24C5/01
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023517886
(86)(22)【出願日】2021-09-17
(85)【翻訳文提出日】2023-03-17
(86)【国際出願番号】 EP2021075595
(87)【国際公開番号】W WO2022058483
(87)【国際公開日】2022-03-24
(32)【優先日】2020-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エスエイ
【住所又は居所原語表記】8,rue Kazem Radjavi,1202 Geneva,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100210398
【氏名又は名称】横尾 太郎
(72)【発明者】
【氏名】バーグナー,マルクス
(72)【発明者】
【氏名】シュバーネベック,ユリア
(72)【発明者】
【氏名】シュタマー,マルティナ
(72)【発明者】
【氏名】シュミット,マルロ-レアンダー
(72)【発明者】
【氏名】ザイツ,フェリックス
【テーマコード(参考)】
4B144
【Fターム(参考)】
4B144CB12
4B144CB25
4B144CB32
4B144CB35
(57)【要約】
エアロゾル発生物品(1)を連続的に製造する方法は、(i)エアロゾル発生基材(10)の連続ウェブ(34)を提供することであって、連続ウェブ(34)は、中心線(18)を有する実質的に平坦な表面を含む、提供することと、(ii)少なくとも1つのサセプタパッチ(28)を実質的に中心線(18)に沿って実質的に平坦な表面に適用して、少なくとも1つのサセプタパッチ(28)の両側にエアロゾル発生基材(10)の連続ウェブ(34)の露出された領域(90)を残すことと、(iii)エアロゾル発生基材(10)の連続ウェブ(34)の露出された領域(90)を切断して、少なくとも1つのサセプタパッチ(28)の両側に複数のエアロゾル発生ストリップ(15、16)を形成することと、(iv)複数のエアロゾル発生ストリップ(15、16)及び少なくとも1つのサセプタパッチ(28)を連続ロッド(88)に形成することと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生物品(1)を連続的に製造する方法であって、
(i)エアロゾル発生基材(10)の連続ウェブ(34)を提供することであって、前記連続ウェブ(34)は、中心線(18)を有する実質的に平坦な表面を含むことと、
(ii)少なくとも1つのサセプタパッチ(28)を実質的に前記中心線(18)に沿って前記実質的に平坦な表面に適用して、前記少なくとも1つのサセプタパッチ(28)の両側にエアロゾル発生基材(10)の前記連続ウェブ(34)の露出された領域(90)を残すことと、
(iii)エアロゾル発生基材(10)の前記連続ウェブ(34)の前記露出された領域(90)を切断して、前記少なくとも1つのサセプタパッチ(28)の両側に複数のエアロゾル発生ストリップ(15、16)を形成することと、
(iv)前記複数のエアロゾル発生ストリップ(15、16)及び前記少なくとも1つのサセプタパッチ(28)を連続ロッド(88)に形成することと
を含む、方法。
【請求項2】
ステップ(iii)が、回転カッターユニット(78)を使用して実行される、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記回転カッターユニット(78)が、円周方向に延びる第1の切断構造(84)を有する第1の切断ドラム(80)と、円周方向に延びる第2の切断構造(86)を有する第2の切断ドラム(82)とを含み、
前記第1及び第2の切断構造(84、86)は協働して、エアロゾル発生基材(10)の前記連続ウェブ(34)の前記露出された領域(90)を切断して、前記複数のエアロゾル発生ストリップ(15、16)を形成する、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の切断ドラム(80)及び前記第2の切断ドラム(82)が、それらの間に、前記少なくとも1つのサセプタパッチ(28)及びステップ(ii)の間に前記少なくとも1つのサセプタパッチ(28)が適用される前記エアロゾル発生基材(10)の一部(17)を収容する非切断領域(92)を画定する、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の切断ドラム(80)が前記非切断領域(92)に前記第1の切断構造(84)なしで形成されるか、
又は、前記第2の切断ドラム(82)が前記非切断領域(92)に前記第2の切断構造(86)なしで形成されるか、
又は、前記第1及び第2の切断ドラム(80、82)の両方が、前記非切断領域(92)に前記第1及び第2の切断構造(84、86)なしでそれぞれ形成される、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の切断ドラム(80)が、前記非切断領域(92)内のその表面に円周方向に延びる凹部(94)を含み、
前記少なくとも1つのサセプタパッチ(28)の少なくとも一部が、前記円周方向に延びる凹部(94)に収容される、
請求項4または5に記載の方法。
【請求項7】
前記複数のエアロゾル発生ストリップ(15、16)のそれぞれが、約0.5mm~2.0mmの幅を有し、好ましくは1.0mmの幅を有する、
請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
ステップ(ii)が、接着剤(47)を使用してエアロゾル発生基材(10)の前記連続ウェブ(34)の前記実質的に平坦な表面に前記少なくとも1つのサセプタパッチ(28)を接着することを含む、
請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
ステップ(ii)が、エアロゾル発生基材(10)の前記連続ウェブ(34)の前記実質的に平坦な表面に、複数のサセプタパッチ(28)を、それぞれの連続するサセプタパッチ(28)間の所定の一定の間隔(74)で連続的に適用することを含み、
ステップ(iii)が、エアロゾル発生基材(10)の前記連続ウェブ(34)の前記露出された領域(90)を切断して、前記サセプタパッチ(28)の両側に複数のエアロゾル発生ストリップ(15、16)を形成することを含み、
ステップ(iv)が、前記複数のエアロゾル発生ストリップ(15、16)及び前記サセプタパッチ(28)を連続ロッド(88)に形成することを含む、
請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
(v)前記連続ロッド(88)を切断して、少なくとも1つのサセプタパッチ(28)をそれぞれ含む複数の個々のエアロゾル発生物品(1)を形成すること
を更に含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つのサセプタパッチ(28)が5mm~50mmの長さを有し、
好ましくは、前記少なくとも1つのサセプタパッチ(28)が10mm~30mmの長さを有する、
請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、エアロゾル発生物品について、より具体的には、エアロゾル発生物品を加熱して、ユーザによる吸入のためのエアロゾルを発生するためのエアロゾル発生デバイスで使用するためのエアロゾル発生物品に関する。本開示の実施形態は、特に、エアロゾル発生物品を連続的に製造する方法に関する。本開示は、携帯型(ハンドヘルド)エアロゾル発生デバイスと共に使用するためのエアロゾル発生物品の製造に特に適用可能である。
【背景技術】
【0002】
近年、(エアロゾル発生デバイス又は蒸気発生デバイスとしても知られる)リスク低減デバイス又はリスク修正デバイスの人気及び使用は、従来のタバコ製品の使用に代わるものとして、急速に成長してきた。エアロゾル発生物質を加熱加温してユーザが吸入するためのエアロゾルを発生させる、様々なデバイス及びシステムが入手可能である。
【0003】
一般に入手可能なリスク低減デバイス又はリスク修正デバイスは、基材加熱式エアロゾル発生デバイス又はいわゆる加熱非燃焼式デバイスである。このタイプのデバイスは、エアロゾル発生基材を、典型的には150℃~300℃の範囲の温度に加熱することによって、エアロゾル又は蒸気を発生する。エアロゾル発生基材を燃やしたり燃焼させたりせずにエアロゾル発生基材をこの範囲内の温度に加熱することにより、蒸気を発生させ、蒸気は通常冷却されて凝縮し、デバイスのユーザが吸入するためのエアロゾルを形成する。
【0004】
現在利用可能なエアロゾル発生デバイスは、いくつかの異なる手法のうちの1つを使用して、エアロゾル発生基材に熱を与えることができる。そのような手法の1つは、誘導加熱システムを採用するエアロゾル発生デバイスを提供することである。そのようなデバイスでは、誘導コイルがデバイスに設けられ、誘導加熱可能サセプタがエアロゾル発生基材を加熱するために設けられる。ユーザがデバイスを作動させると、電気エネルギーが誘導コイルに供給され、続いてこれにより交流電磁場が発生する。サセプタがこの電磁場と結合して熱を発生させ、この熱は、例えば伝導によって、エアロゾル発生基材に伝達され、エアロゾル発生基材が加熱されるとエアロゾルが発生する。
【0005】
ユーザがエアロゾル発生デバイスに挿入できるエアロゾル発生物品の形態でエアロゾル発生基材及び誘導加熱可能サセプタの両方を一緒に提供することが便利であることがある。したがって、エアロゾル発生物品の製造を容易にし、特にエアロゾル発生物品を容易に且つ一貫して大量生産できるようにする方法を提供する必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の態様によれば、エアロゾル発生物品を連続的に製造する方法であって、
(i)エアロゾル発生基材の連続ウェブを提供することであって、連続ウェブは、中心線を有する実質的に平坦な表面を含む、提供することと、
(ii)少なくとも1つのサセプタパッチを実質的に中心線に沿って実質的に平坦な表面に適用して、少なくとも1つのサセプタパッチの両側にエアロゾル発生基材の連続ウェブの露出された領域を残すことと、
(iii)エアロゾル発生基材の連続ウェブの露出された領域を切断して、少なくとも1つのサセプタパッチの両側に複数のエアロゾル発生ストリップを形成することと、
(iv)複数のエアロゾル発生ストリップ及び少なくとも1つのサセプタパッチを連続ロッドに形成することと、
を含む方法が提供される。
【0007】
この方法によって生成されたエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基材を燃やすことなくエアロゾル発生基材を加熱して、エアロゾル発生基材の少なくとも1つの成分を揮発させ、それにより、冷却及び凝縮してエアロゾル発生デバイスのユーザによる吸入用のエアロゾルを形成する加熱された蒸気を発生させるために、エアロゾル発生デバイスと共に使用するためのものである。エアロゾル発生デバイスは、ハンドヘルド携帯型デバイスである。
【0008】
一般論として、蒸気とは、臨界温度よりも低い温度で気相である物質であり、これは、温度を低下させることなく圧力を増加させることによって蒸気を液体に凝縮させ得ることを意味する。一方、エアロゾルは、空気中又は別のガス中の微細な固体粒子又は液滴の浮遊物である。しかしながら、本明細書では、「エアロゾル」及び「蒸気」という用語は、特に、ユーザが吸入するために発生される吸入可能媒体の形態に関して同義で使用され得ることに留意されたい。
【0009】
本開示による方法は、エアロゾル発生物品の製造を容易にし、特に、エアロゾル発生物品を一貫して比較的容易に大量生産することを可能にする。ステップ(iii)において少なくとも1つのサセプタパッチを切断することなくエアロゾル発生ストリップが形成されるので、(例えば、切断ユニット上での)切断ステップ中の摩耗が最小限に抑えられる。本開示による方法によって製造されるエアロゾル発生物品におけるエアロゾル発生ストリップとサセプタ(サセプタパッチをストリップに切断することなく形成される)との組み合わせは、エアロゾル発生デバイス内のエアロゾル発生物品の使用中にサセプタからエアロゾル発生ストリップへの効果的な熱伝達を提供する。これにより、エアロゾル発生ストリップの効果的且つ均一な加熱、したがって信頼性の高い蒸気発生が提供される。
【0010】
エアロゾル発生基材の連続ウェブの実質的に平坦な表面の中心線に沿った少なくとも1つのサセプタパッチの正確且つ一貫した位置決めは、本開示による方法によって製造されたエアロゾル発生物品が一貫した反復可能な特性を有することを保証するのに更に役立つ。
【0011】
ステップ(iii)は、回転カッターユニットを使用して実行することができる。回転カッターユニットは、第1の切断ドラムと第2の切断ドラムとを含むことができる。第1の切断ドラムは、円周方向に延びる第1の切断構造を有し得る。第2の切断ドラムは、円周方向に延びる第2の切断構造を有し得る。第1及び第2の切断構造は、協働してエアロゾル発生基材の連続ウェブの露出された領域を切断し、複数のエアロゾル発生ストリップを形成することができる。回転カッターユニットを使用すると、エアロゾル発生物品の連続的且つ高速な製造を容易に達成することができる。
【0012】
第1の切断ドラム及び第2の切断ドラムは、その間に非切断領域を画定することができる。非切断領域は、少なくとも1つのサセプタパッチと、ステップ(ii)の間に少なくとも1つのサセプタパッチが適用されるエアロゾル発生基材の一部とを収容することができる。非切断領域の提供により、サセプタパッチとエアロゾル発生基材の下にある部分(サセプタパッチ用の細長いキャリアストリップとして機能する)が切断されないことが保証されると同時に、高速製造が達成されるのを確実にする。
【0013】
第1の切断ドラムは、非切断領域に第1の切断構造なしで形成することができる。例えば、第1の切断ドラムは、その非切断領域の表面に円周方向に延びる凹部を含むことができる。第2の切断ドラムは、非切断領域に第2の切断構造なしで形成することができる。例えば、第2の切断ドラムは、その非切断領域の表面に円周方向に延びる凹部を含むことができる。いくつかの実施形態では、第1及び第2の切断ドラムの両方が、非切断領域に第1及び第2の切断構造なしでそれぞれ形成されてもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのサセプタパッチの少なくとも一部は、円周方向に延びる凹部に収容され得る。これらの構成は、サセプタパッチ及びエアロゾル発生基材の下にある部分(すなわち、細長いキャリアストリップ)がステップ(iii)中に切断されず、高速製造が達成されることを確実に保証する。
【0014】
複数のエアロゾル発生ストリップのそれぞれは、約0.1mm~5.0mm、場合によっては約0.5mm~2.0mmの幅を有することができる。複数のエアロゾル発生ストリップのっそれぞれは、1.0mmの幅を有し得る。これらの幅寸法は、本開示による方法を使用して製造されたエアロゾル発生物品が適切な数のエアロゾル発生ストリップを含み、エアロゾル発生物品を通る均一な空気流及び許容可能な量の蒸気又はエアロゾルの発生を可能にすることを確実にする。エアロゾル発生ストリップの幅が小さすぎる場合、ストリップの強度が低下することがあり、その結果、エアロゾル発生物品の大量生産が困難になる場合がある。
【0015】
ステップ(ii)は、少なくとも1つのサセプタパッチを、接着剤を使用してエアロゾル発生基材の連続ウェブの実質的に平坦な表面に接着することを含み得る。これにより、サセプタパッチとエアロゾル発生基材の連続ウェブとの間の良好な結合が達成され、サセプタパッチがエアロゾル発生基材の連続ウェブに対して動かないことが保証される。このことは、エアロゾル発生基材の連続ウェブの露出された領域のみがステップ(iii)中に切断されてエアロゾル発生ストリップを形成することを保証するのに役立ち得る。
【0016】
ステップ(ii)は、エアロゾル発生基材の連続ウェブの実質的に平坦な表面に、複数のサセプタパッチを、それぞれの連続するサセプタパッチ間の所定の一定の間隔で連続的に適用することを含むことができる。それぞれの連続するサセプタパッチ間の所定の一定の「間隔」は、連続する(すなわち隣接する)サセプタパッチ間の最短距離、すなわち連続する(すなわち隣接する)サセプタパッチのエッジ間の距離又はギャップである。ステップ(iii)は、エアロゾル発生基材の連続ウェブの露出された領域を切断して、サセプタパッチの両側に複数のエアロゾル発生ストリップを形成することを含むことができる。ステップ(iv)は、複数のエアロゾル発生ストリップ及びサセプタパッチを連続ロッドに形成することを含むことができる。これにより、エアロゾル発生物品の大量生産が容易に達成される。
【0017】
少なくとも1つのサセプタパッチは、5mm~50mm、好ましくは10mm~30mmの長さを有することができる。少なくとも1つのサセプタパッチは、0.1mm~7mm、好ましくは1mm~5mmの幅を有することができる。少なくとも1つのサセプタパッチは、1μm~500μm、好ましくは10μm~100μm、場合によっては50μmの厚さを有することができる。これらの寸法を有するサセプタパッチは、エアロゾル発生物品の製造に特に適している。
【0018】
方法は、(v)連続ロッドを切断して複数の個々のエアロゾル発生物品を形成することを更に含み得る。個々のエアロゾル発生物品はそれぞれ、少なくとも1つのサセプタパッチを含んでもよい。したがって、ステップ(v)は、連続ロッドを切断して、少なくとも1つのサセプタパッチをそれぞれ含む複数の個々のエアロゾル発生物品を形成することを含み得る。これにより、エアロゾル発生物品の連続大量生産が容易に達成される。
【0019】
ステップ(v)は、隣接するサセプタパッチ間の位置で連続ロッドを切断することを含み得る。連続ロッドをこのように切断することにより、連続ロッドを切断することによって形成される個々のエアロゾル発生物品がサセプタパッチをそれぞれ含むこと、したがってエアロゾル発生物品が一貫して再現可能になることが保証される。また、ステップ(v)中にサセプタパッチが切断されないので、切断ステップ中の(例えば、切断ユニット上での)摩耗が最小限に抑えられる。
【0020】
ステップ(v)は、隣接するサセプタパッチ間の実質的に中間点で連続ロッドを切断することを含み得る。このようにして、サセプタは、得られたエアロゾル発生物品の両端から内側に離間され、エアロゾル発生物品のいずれの端部からも見えない。これは、本開示による方法によって製造されたエアロゾル発生物品のユーザ受容性を改善することができる。更に、サセプタは、結果として得られるエアロゾル発生物品のエアロゾル発生基材(すなわち、エアロゾル発生ストリップ)に完全に埋め込まれており、これにより、サセプタ全体がエアロゾル発生ストリップによって取り囲まれ、したがってサセプタからエアロゾル発生ストリップへの熱伝達が最大化されるので、エアロゾル又は蒸気がより効率的に発生可能となり得る。
【0021】
各サセプタパッチは、アルミニウム、鉄、ニッケル、ステンレス鋼、炭素鋼、及びそれらの合金、例えばニッケルクロム又はニッケル銅のうちの1つ又は複数などであるが、これらに限定されない、誘導加熱可能サセプタ材料を含み得る。エアロゾル発生デバイス内のエアロゾル発生物品の使用中に、付近に電磁場を印加すると、サセプタ材料は、渦電流及び磁気ヒステリシス損失のために熱を発生することができ、電磁界から熱へのエネルギー変換をもたらす。
【0022】
エアロゾル発生基材は、任意のタイプの固体又は半固体の物質であり得る。エアロゾル発生固形物の例示的なタイプとしては、粉末、顆粒、ペレット、シュレッド、ストランド、粒子、ゲル、ストリップ、ルーズリーフ、カットリーフ、カットフィラー、多孔質材料、発泡材料、又はシートが挙げられる。エアロゾル発生基材は、植物由来の物質を含み得、特にタバコを含み得る。それは、例えば、タバコと、セルロース繊維、タバコ茎繊維、及びCaCO3などの無機充填剤のうちの1つ又は複数と、を含む再構成タバコを含み得る。
【0023】
したがって、エアロゾル発生物品が一緒に使用されることを意図したエアロゾル発生デバイスを、「加熱式タバコデバイス」、「加熱非燃焼式タバコデバイス」、「タバコ製品気化用デバイス」などと呼ぶことができ、これらの効果を実現するのに適したデバイスとして解釈される。本明細書に開示される特徴は、任意のエアロゾル発生基材を気化させるように設計されたデバイスに等しく適用可能である。
【0024】
連続ロッドは、紙製ラッパーで囲まれていてもよい。したがって、この方法は、連続ロッドを紙製ラッパーで包むことを更に含むことができる。
【0025】
エアロゾル発生物品は実質的にスティックの形状で形成されてもよく、好適な形態で配置されたエアロゾル発生基材を有する管状領域を有するシガレットに概ね類似し得る。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生物品の近位端に、例えばセルロースアセテート繊維を含むフィルタセグメントを含むことができる。フィルタセグメントは、マウスピースフィルタを構成することができ、複数のエアロゾル発生ストリップによって構成されるエアロゾル発生基材と同軸に整列することができる。一部の設計には、1つ又は複数の蒸気収集領域、冷却領域、及び他の構造も含まれ得る。例えば、エアロゾル発生物品は、フィルタセグメントの上流に少なくとも1つの管状セグメントを含むことができる。管状セグメントは、蒸気冷却領域として機能することができる。蒸気冷却領域は、有利なことに、エアロゾル発生ストリップを加熱することによって発生される加熱された蒸気が、冷却及び凝縮されて、例えばフィルタセグメントを通して、ユーザによる吸入のための適切な特性を有するエアロゾルを形成することを可能にし得る。
【0026】
エアロゾル発生基材は、エアロゾルフォーマを含んでもよい。エアロゾルフォーマの例としては、グリセリン又はプロピレングリコールなどの多価アルコール及びその混合物が挙げられる。典型的には、エアロゾル発生基材は、乾燥重量ベースで約5%~約50%のエアロゾルフォーマ含有量を含み得る。いくつかの実施形態では、エアロゾル発生基材は、乾燥重量ベースで約10%~約20%、場合により乾燥重量ベースで約15%のエアロゾルフォーマ含有量を含み得る。
【0027】
加熱すると、エアロゾル発生基材(すなわち、エアロゾル発生ストリップ)は、揮発性化合物を放出し得る。揮発性化合物は、ニコチン又はタバコ香味料などの香味化合物を含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1a】エアロゾル発生物品の一例の概略側断面図である。
【
図1b】
図1aの線A-Aに沿った拡大概略断面図である。
【
図2a】
図1a及び
図1bに示したエアロゾル発生物品を製造するための装置及び方法の概略図である。
【
図2b】エアロゾル発生基材及びサセプタパッチが
図2aに示される装置を通って矢印によって示される方向に移動するときのエアロゾル発生基材及びサセプタパッチの平面図である。
【
図3】接着領域及び非接着領域を示す、サセプタ材料の連続ウェブの一部の平面図である。
【
図4】サセプタ材料の連続ウェブからのサセプタパッチの形成と、エアロゾル発生基材の連続ウェブの表面へのサセプタパッチの適用とを概略的に示す、
図2aの装置及び方法の一部の機能図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
ここで、本開示の実施形態について、単なる例として、添付の図面を参照しながら説明する。
【0030】
最初に
図1a及び
図1bを参照すると、エアロゾル発生物品を誘導加熱し、それによってデバイスのユーザによる吸入用のエアロゾルを発生させる誘導加熱システムを含むエアロゾル発生デバイスと共に使用するための、エアロゾル発生物品の一例が示されている。そのようなデバイスについては、当技術分野では知られており、本明細書では更に詳細には説明しない。エアロゾル発生物品1は、細長く実質的に円筒形である。円形の断面により、ユーザによる物品1の取り扱い、及びエアロゾル発生デバイスのキャビティ又は加熱コンパートメントへの物品1の挿入が容易になる。
【0031】
エアロゾル発生物品1は、第1の端部10a及び第2の端部10bを有するエアロゾル発生基材10と、誘導加熱可能サセプタ12とを含む。エアロゾル発生基材10及び誘導加熱可能サセプタ12は、ラッパー14内に配置され、それによって取り囲まれる。ラッパー14は、実質的に非導電性且つ非透磁性の材料を含む。図示の例では、ラッパー14は紙製ラッパーであり、シガレット用巻紙を含むことができる。
【0032】
エアロゾル発生物品1は、遠位端11aと近位(マウス)端11bとの間で測定された全長が、30mm~100mm、好ましくは50mm~70mm、場合によっては約55mmであってもよい。エアロゾル発生基材10は、第1の端部10aと第2の端部10bとの間で測定された全長が、5mm~50mm、好ましくは10mm~30mm、場合によっては約20mmであってもよい。エアロゾル発生物品1は、直径が、5mm~10mm、好ましくは6mm~8mm、場合によっては約7mmであってもよい。
【0033】
エアロゾル発生基材10は、エアロゾル発生材料を含む複数の細長い第1のストリップ15を含む。複数の細長い第1のストリップ15は、エアロゾル発生ストリップ16を構成し、エアロゾル発生物品1の長手方向に実質的に配向される。細長い第1のストリップ15は、典型的には長手方向に折り目がなく、気流経路が中断されないこと、及び物品1を通る均一の気流が実現され得ることを保証する。
【0034】
誘導加熱可能サセプタ12は、誘導加熱可能サセプタ材料を含む細長い第2のストリップ13を含む。したがって、細長い第2のストリップ13は、これもエアロゾル発生物品1の長手方向に実質的に配向された、ストリップ形状又はブレード形状の細長いサセプタ12と見なすことができる。
図1bに明確に見られるように、細長い第1のストリップ15のそれぞれは、細長い第2のストリップ13の幅よりも小さい幅を有する。
【0035】
エアロゾル発生物品1は、第1及び第2の主表面17a、17bを有する少なくとも1つの細長いキャリアストリップ17を含む。細長いキャリアストリップ17は、エアロゾル発生材料を含み、したがって、エアロゾル発生ストリップ16も構成する。細長いキャリアストリップ17は、エアロゾル発生物品1の長手方向に実質的に配向されている。細長いキャリアストリップ17は、細長い第1のストリップ15と同じ長さを有し、したがって、エアロゾル発生物品1内のエアロゾル発生ストリップ16はすべて同じ長さを有する。
【0036】
細長い第2のストリップ13は、細長いキャリアストリップ17に接着され、
図1bに明確に見られるように、細長いキャリアストリップ17は、細長い第2のストリップ13の幅よりも大きい幅を有する。細長い第2のストリップ13は、第1及び第2の対向面13b、13cを有する。第2の面13cは、細長いキャリアストリップ17の第2の主表面17bに接着され、細長いキャリアストリップ17によって、より具体的には第2の主表面17bによってその全体が覆われる。
【0037】
細長い第1のストリップ15、細長い第2のストリップ13、及び細長いキャリアストリップ17は、実質的にロッド形状のエアロゾル発生物品1を形成するように配置され、細長い第1のストリップ15は、ロッド形状のエアロゾル発生物品1の断面全体にわたってランダムに分布することができ、それらがエアロゾル発生物品1の断面内に複数の異なる配向を有するようになる。
図1bからは明らかではないが、エアロゾル発生基材10の断面を実質的に満たすのに十分な数の細長い第1のストリップ15が設けられており、より少ない数の細長い第1のストリップ15が単に例示目的のために示されていることが理解されるであろう。細長い第2のストリップ13及び細長いキャリアストリップ17は、エアロゾル発生基材10、したがってエアロゾル発生物品1の断面内のほぼ中央に配置される。そのような配置は、細長い第2のストリップ13から細長い第1のストリップ15への均一な熱伝達が行われることを保証するのに役立つ。
【0038】
図1bに最もよく示されるように、中央に配置された細長いキャリアストリップ17とそれに接着された細長い第2のストリップ13は、エアロゾル発生基材10の断面内、したがってエアロゾル発生物品1の断面内に第1及び第2の領域5、6を画定する。第1の領域5は、細長いキャリアストリップ17の第1の主表面17aに面し、第2の領域6は、細長いキャリアストリップ17の第2の主表面17bに面する。第1及び第2の領域5、6は両方とも、複数の細長い第1のストリップ15を含む。
【0039】
図1aに最もよく示されるように、複数の細長い第1のストリップ15のそれぞれは遠位端15aを有し、細長い第2のストリップ13は遠位端13aを有する。細長い第1のストリップ15の遠位端15aは、エアロゾル発生基材10の第1の端部10aを形成し、それに対応して、エアロゾル発生物品1の遠位端11aを形成する。細長い第2のストリップ13は、細長い第1のストリップ15及び細長いキャリアストリップ17よりも短い。細長い第2のストリップ13の遠位端13aは、細長い第1のストリップ15の遠位端15aから内側に配置される。したがって、細長い第2のストリップ13(すなわち、細長いサセプタ12)の遠位端13aは、エアロゾル発生物品1の遠位端11aでは見えない。
【0040】
エアロゾル発生物品1は、エアロゾル発生基材10の下流に配置されたマウスピースセグメント20を含む。エアロゾル発生基材10及びマウスピースセグメント20は、構成要素を適所に保持するように、ラッパー14の内側に同軸整列で配置されて、ロッド形状のエアロゾル発生物品1を形成する。
【0041】
図示の実施形態では、マウスピースセグメント20は、下流方向に、言い換えると、エアロゾル発生物品1の遠位端11aから近位(マウス)端11bまで、順次且つ同軸整列で配置された以下の構成要素、冷却セグメント22、中央ホールセグメント23及びフィルタセグメント24を含む。冷却セグメント22は紙製ラッパー14の厚みを超える厚みを有する中空紙管22aを含む。中央ホールセグメント23は、セルロースアセテート繊維と可塑剤とを含む硬化混合物を含むことができ、マウスピースセグメント20の強度を高めるように機能する。フィルタセグメント24は、典型的にはセルロースアセテート繊維を含み、マウスピースフィルタとして機能する。加熱された蒸気がエアロゾル発生基材10からエアロゾル発生物品1の近位(マウス)端11bに向かって流れると、蒸気は、冷却セグメント22及び中央ホールセグメント23を通過するときに冷却及び凝縮して、フィルタセグメント24を介したユーザによる吸入に適切な特性を備えたエアロゾルを形成する。
【0042】
細長い第1のストリップ15及び細長いキャリアストリップ17は、典型的には、タバコなどの植物由来の材料を含む。細長い第1のストリップ15及び細長いキャリアストリップ17は、有利なことに、タバコと、セルロース繊維、タバコ茎繊維、及びCaCO3などの無機充填剤のうちの任意の1つ又は複数とを含む、再構成タバコを含むことができる。
【0043】
細長い第1のストリップ15及び細長いキャリアストリップ17は、典型的には、グリセリン又はプロピレングリコールなどのエアロゾルフォーマを含む。典型的には、細長い第1のストリップ15及び細長いキャリアストリップ17は、乾燥重量ベースで約5%~約50%のエアロゾルフォーマ含有量を含む。加熱すると、細長い第1のストリップ15及び細長いキャリアストリップ17は、場合によりニコチン又はタバコ香味料などのフレーバー化合物を含む、揮発性化合物を放出する。
【0044】
エアロゾル発生デバイスでの物品1の使用中に、時間変化する電磁場が細長い第2のストリップ13の近くに印加されると、渦電流及び磁気ヒステリシス損失により、細長い第2のストリップ13に熱が発生する。熱は、細長い第2のストリップ13から細長い第1のストリップ15及び細長いキャリアストリップ17に伝達され、細長い第1のストリップ15及び細長いキャリアストリップ17を燃焼させずに加熱して、1つ又は複数の揮発性化合物を放出し、それによって蒸気を発生する。ユーザがフィルタセグメント24を通して吸入すると、加熱された蒸気が、エアロゾル発生基材10の第1の端部10aからエアロゾル発生基材10の第2の端部10bに向かって、そしてフィルタセグメント24に向かって、物品1を通って下流方向に吸い込まれる。上述のように、加熱された蒸気が冷却セグメント22及び中央ホールセグメント23を通ってフィルタセグメント24に向かって流れると、加熱された蒸気が冷却及び凝縮されて、フィルタセグメント24を通してユーザが吸入するのに適した特性を有するエアロゾルを形成する。
【0045】
[エアロゾル発生物品の製造]
ここで、
図1a及び
図1bを参照して上述したエアロゾル発生物品1などの、本開示によるエアロゾル発生物品を製造するのに適当な装置30及び方法について説明する。
【0046】
図2aを参照すると、
図1a及び
図1bを参照して上述したエアロゾル発生物品1を製造する装置30及び方法の概略図が示されている。
図2bは、装置30を通って
図2bの矢印の方向に移動するときのエアロゾル発生基材10及びサセプタパッチ28の平面図である。
【0047】
装置30は、中心線18を有する実質的に平坦な表面を有するエアロゾル発生基材10の連続ウェブ34を運ぶ基材供給リール32(例えば、第1のボビン)と、エアロゾル発生基材10の連続ウェブ34のフィードを制御するための第1のフィードローラ36とを含む。装置30はまた、当業者によって理解されるように、ウェブ張力調整器及びウェブエッジ制御システムを含むことができるが、これらの追加の構成要素は、本開示の文脈において必須ではなく、したがって、簡単にするために省略されている。
【0048】
装置30は、サセプタ材料の連続ウェブ40を運ぶサセプタ供給リール38(例えば、第2のボビン)と、サセプタ材料の連続ウェブ40のフィードを制御するためのフィードローラ42、44と、接着剤塗布ユニット46と、サセプタ切断ユニット48とを含む。
【0049】
装置30は、オプションのヒータ50、ストリップ切断ユニット52、フィードローラ54、ロッド形成ユニット56、及びロッド切断ユニット58を更に含む。
【0050】
[サセプタパッチの準備]
動作中、エアロゾル発生基材10の連続ウェブ34は、基材供給リール32から連続的に供給される。同時に、サセプタ材料の連続ウェブ40が、フィードローラ42、44を介して、サセプタ供給リール38から接着剤塗布ユニット46に連続的に供給される。接着剤塗布ユニット46は、サセプタ材料の連続ウェブ40の表面に接着剤47を塗布する。図示の例では、接着剤塗布ユニット46は、接着剤47をサセプタ材料の連続ウェブ40の表面に断続的に、且つウェブ40の全幅にわたって塗布する。このようにして、別個の接着領域60(
図3及び
図4を参照)が、サセプタ材料の連続ウェブ40の表面に形成され、非接着領域62が、サセプタ材料の連続ウェブ40の移動方向に隣接する接着領域60の間に形成される。
【0051】
サセプタ材料の連続ウェブ40は、接着剤塗布ユニット46から、サセプタ材料の連続ウェブ40を連続的に切断して複数のサセプタパッチ28を形成するサセプタ切断ユニット48に供給される。
図2bに最もよく示されるように、サセプタ材料の連続ウェブ40、したがってサセプタパッチ28は、エアロゾル発生基材10の連続ウェブ34の幅より実質的に小さい幅を有する。例えば、エアロゾル発生基材10の連続ウェブ34は、約140mmの幅を有することができるのに対し、サセプタ材料の連続ウェブ40、したがってサセプタパッチ28は、約0.1mm~7mmの幅を有することができる。いくつかの実施形態では、サセプタパッチ28は、サセプタ材料の連続ウェブ40の移動方向に約5mm~50mmの長さを有することができ、約1μm~500μmの厚さを有することができる。
【0052】
接着剤塗布ユニット46によってサセプタ材料の連続ウェブ40に塗布された接着剤47によるサセプタ切断ユニット48の汚れを最小限にするために、サセプタ切断ユニット48は、非接着領域62で、すなわち、サセプタ材料の連続ウェブ40の表面の接着領域60の間の位置で、サセプタ材料の連続ウェブ40を切断する。これは、サセプタ切断ユニット48の動作をサセプタ材料の連続ウェブ40の移動と同期させることによって達成することができる。
【0053】
図5を参照すると、サセプタ切断ユニット48は、支持ドラム66及び切断ドラム68を備える回転切断ユニット64を含む。支持ドラム66は、サセプタ材料の連続ウェブ40をその周囲で支持し、その周囲に複数の円周方向に離間した凹部70を含む。支持ドラム66は、典型的には吸引ドラムであり、サセプタ材料の連続ウェブ40及びサセプタパッチ28は、吸引ポート67を介して加えられる吸引力によって吸引ドラムの周囲に支持される。切断ドラム68は、円周方向に離間した複数の切断要素72、例えば突出する切断ブレードをその周囲に含み、切断要素72は、
図5の矢印によって示されるように、支持ドラム66及び反対方向の切断ドラム68の両方の同期回転中に円周方向に離間した凹部70と協働する(例えば、その中に延在する)。これは、サセプタ材料の連続ウェブ40の連続的な剪断切断をもたらして、複数のサセプタパッチ28を形成する。以下の説明から明らかになるように、各サセプタパッチ28は、
図1a及び
図1bを参照して上述した完成したエアロゾル発生物品1の細長い第2のストリップ13(すなわち、細長いサセプタ12)に対応する。
【0054】
[サセプタパッチの適用]
サセプタ切断ユニット48によって提供されるサセプタパッチ28は、エアロゾル発生基材10の連続ウェブ34の表面に適用することができるので、例えば
図2b及び
図4に示されるように、それぞれの連続するサセプタパッチ28のエッジ間に一定の所定の間隔74が存在する。一定の所定の間隔74は、例えば、1mm~20mmであり得る。隣接するサセプタパッチ28のエッジ間に一定の所定の間隔74を生成するために、サセプタ切断ユニット48は、サセプタ材料の連続ウェブ40と支持ドラム66の間の相対移動を、支持ドラム66によって運ばれるサセプタ材料の連続ウェブ40が、切断ドラム68によって切断されてサセプタパッチ28を形成した直後の所定の期間許可する。この相対運動により、サセプタパッチ28がサセプタ材料の連続ウェブ40から切断された後、サセプタ材料の連続ウェブ40は静止したままであるか、又は減速して短時間移動することができる。サセプタ材料の連続ウェブ40と支持ドラム66との間の相対運動は、例えば、支持ドラム66によってサセプタ材料の連続ウェブ40に加えられる吸引力を減少させ、一方で同時に、サセプタパッチ28と支持ドラム66との間に相対的な動きがないことを保証するために、既に切断されたサセプタパッチ28と支持ドラム66との間に適切な吸引力を維持することによって、達成することができる。このようにして、サセプタ切断ユニット48によってサセプタ材料の連続ウェブ40から切断されたサセプタパッチ28は、サセプタパッチ28が切断されたサセプタ材料の連続ウェブ40より速い速度で短時間運ばれ、それによって、隣接するサセプタパッチ28のエッジ間に所望の一定の所定の間隔74が生じる。
【0055】
接着剤47が塗布されたサセプタパッチ28は、実質的に中心線18に沿って、エアロゾル発生基材10の連続ウェブ34の平坦な表面に連続的に続けて接着される。エアロゾル発生基材の連続ウェブ34の露出された側部領域90は、それによって、サセプタパッチ28の両側に形成される(
図2b参照)。なぜなら、上述したように、エアロゾル発生基材10の連続ウェブ34は、サセプタパッチ28より実質的に広いからである。隣接するサセプタパッチ28はまた、サセプタパッチ28がサセプタ切断ユニット48で形成されるときに生じるサセプタパッチ28のエッジ間の一定の所定の間隔74だけエアロゾル発生基材10の連続ウェブ34の移動方向に離間される。
【0056】
サセプタパッチ28とエアロゾル発生基材10の連続ウェブ34の実質的に平坦な表面との間に十分な接着性があることを保証するために、サセプタパッチ28は、
図2aに概略的に示されるカムローラ76によって実質的に平坦な表面に押し付けることができる。カムローラ76の回転は、エアロゾル発生基材10の連続ウェブ34の動きと同期され、そのため、押圧力は連続するサセプタパッチ28に加えられるが、連続するサセプタパッチ28の間の離間した領域には加えられない。
【0057】
接着剤塗布ユニット46によってサセプタ材料の連続ウェブ40に(したがってサセプタパッチ28に)塗布された接着剤47の特性に応じて、エアロゾル発生基材10の連続ウェブ34及びその表面に接着されたサセプタパッチ28は、オプションのヒータ50によって加熱することができる。これは、接着剤47を硬化又は固化させるのに役立ち、それにより、各サセプタパッチ28とエアロゾル発生基材10の連続ウェブ34の平坦な表面との間の良好な結合を保証することができる。加熱温度は、エアロゾル発生基材10と接着剤47の両方の特性に基づいて慎重に選択し、接着剤47を硬化又は固化するのに十分な加熱が達成されることを保証すると同時に、エアロゾル発生基材10からの揮発性成分の放出を回避又は少なくとも最小限に抑えなければならない。
【0058】
[ストリップ切断]
離間したサセプタパッチ28がその平坦な表面に接着されたエアロゾル発生基材10の連続ウェブ34は、ストリップ切断ユニット52にフィードされる。ストリップ切断ユニット52は、サセプタパッチ28を切断することなく、エアロゾル発生基材10の連続ウェブ34の露出された側部領域90のみを切断して、サセプタパッチ28に沿って複数の連続エアロゾル発生ストリップ16を形成する。一実施形態では、ストリップ切断ユニット52は、エアロゾル発生基材10の連続ウェブ34の露出された側部領域90を切断して、約1mmのストリップ幅を有するエアロゾル発生ストリップ16を形成する。
【0059】
図2a及び
図6に示されるように、ストリップ切断ユニット52は回転カッターユニット78であり、第1及び第2の切断ドラム80、82を含む。第1の切断ドラム80は、円周方向に延びる第1の切断構造84を含み、第2の切断ドラム82は、円周方向に延びる第2の切断構造86を含む。第1及び第2の切断構造84、86は協働して(例えば噛み合い)、エアロゾル発生基材10の連続ウェブ34の露出された側部領域90を連続ウェブ34の移動方向に剪断切断して、連続エアロゾル発生ストリップ16を形成し、具体的には、
図1a及び
図1bに示される細長い第1のストリップ15を形成する。
【0060】
エアロゾル発生基材10の連続ウェブ34の露出された側部領域90のみを切断して細長い第1のストリップ15を形成するために、第1及び第2の切断ドラム80、82は、それらの間に、サセプタパッチ28と、サセプタパッチ28が接着されるエアロゾル発生基材10の連続ウェブ34の部分とを収容する非切断領域92を画定する。図示の実施形態では、第1の切断ドラム80は、非切断領域92に第1の切断構造84なしで形成される。同様に、第2の切断ドラム82も、非切断領域92に第2の切断構造86なしで形成される。更に、第1の切断ドラム80は、非切断領域92の表面に円周方向に延びる凹部94を含むので、サセプタパッチ28の少なくとも一部は、エアロゾル発生基材10の連続ウェブ34の露出された側部領域90の切断中に円周方向に延びる凹部94に収容することができる。したがって、エアロゾル発生基材10の連続ウェブ34の露出された側部領域90が切断されて、それぞれ第1及び第2の切断ドラム80、82上の第1及び第2の切断構造84、86の間の協働によって細長い第1のストリップ15を形成するとき、非切断領域92に収容され、ストリップに切断されていないエアロゾル発生基材10の連続ウェブ34の中央部分は、
図1bを参照して上述した細長いキャリアストリップ17を構成することが理解されるであろう。
【0061】
[ロッド形成]
エアロゾル発生基材10の連続ウェブ34の露出された側部領域90を切断することによって形成されたエアロゾル発生ストリップ16、細長いキャリアストリップ17、及び接着されたサセプタパッチ28は、ロッド形成ユニット56に運ばれ、そこでそれらはロッド88に形成される。必要に応じて、ラッピング紙の連続シート(図示せず)は、供給リール(図示せず)からロッド形成ユニット56に供給することができるか、又はロッド形成ユニット56の下流に配置できる別のラッピングユニットに(再び供給リールから)供給することができる。ラッピング紙のシートが、ロッド形成ユニット56又は別個のラッピングユニットを通って移送され案内されると、それをエアロゾル発生ストリップ16及びサセプタパッチ28の周りにラッピング紙を巻き付けることができるので、連続ロッド88がラッパー14によって囲まれる。
【0062】
[ロッド切断]
連続ロッド88(オプションでラッパー14によって囲まれている)は、次にロッド切断ユニット58に移送され、そこで、適切な位置で所定の長さに切断されて複数のエアロゾル発生物品1を形成する。ロッド切断ユニット58によって形成されるエアロゾル発生物品1は、5mm~50mm、好ましくは10mm~30mmの長さを有することができる。この長さは、
図1a及び
図1bを参照して上述したエアロゾル発生基材10の長さに対応することが理解されよう。連続ロッド88は、好ましくは、サセプタパッチ28のエッジ間の実質的に中間点で、ロッド切断ユニット58によって繰り返し切断される。このようにして、サセプタパッチ28はロッド切断ユニット58によって切断されず、それによって切断要素の摩耗が減少する。更に、サセプタパッチ28はエアロゾル発生ストリップ16よりも短いため、個々のサセプタパッチ28の端部(すなわち、細長い第2のストリップ13)は、ロッド切断ユニット58によって形成されたエアロゾル発生物品1のいずれの端部でも見えない。このタイプの方法は、エアロゾル発生物品1の大量生産に特に適していることが理解されよう。
【0063】
[最終組み立て]
更なるユニット(図示せず)をロッド切断ユニット58の下流に配置することができ、上述のマウスピースセグメント20などの1つ又は複数の追加の構成要素を提供し、これらをロッド切断ユニット56によって形成される個々のエアロゾル発生物品1と組み立てるように構成して、例えば
図1に示されるタイプの完成したエアロゾル発生物品1を形成することができる。この場合、ロッド切断ユニット58の下流に別個のラッピングユニットを設けて、組み立てられた構成要素を同時にラッピングして完成したエアロゾル発生物品1を形成することができるようにすることができる。更なるユニットは、装置30の一部を形成してもよく、又は最終組み立てラインの一部を形成する別個のスタンドアロンのユニットであってもよい。
【0064】
これまでの段落では例示的な実施形態について説明してきたが、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、これらの実施形態に対して様々な修正をすることができることを理解されたい。したがって、特許請求の広さ及び範囲は、上述した例示的な実施形態に限定されるべきではない。
【0065】
本明細書において別途記載のない限り又は文脈に明らかに矛盾しない限り、すべての可能な変形形態における上述した特徴の任意の組み合わせは、本開示によって包含される。
【0066】
文脈上、明らかに他の意味に解すべき場合を除き、本明細書及び特許請求の範囲の全体を通して、「含む」、「含んでいる」などの語は、排他的意味又は網羅的意味とは反対に、包括的に、すなわち「含むが、限定されない」という意味で解釈されるべきである。
【国際調査報告】