(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-10
(54)【発明の名称】遠隔識別するためのRFIDタグを備える医療用容器
(51)【国際特許分類】
A61J 1/05 20060101AFI20231002BHJP
G06K 19/077 20060101ALI20231002BHJP
【FI】
A61J1/05 313
G06K19/077 280
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023517892
(86)(22)【出願日】2021-09-15
(85)【翻訳文提出日】2023-05-12
(86)【国際出願番号】 EP2021075395
(87)【国際公開番号】W WO2022058394
(87)【国際公開日】2022-03-24
(32)【優先日】2020-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】310021434
【氏名又は名称】ベクトン ディキンソン フランス
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417-1880, UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】セドリック リヴィエ
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス ウーヴラード
【テーマコード(参考)】
4C047
【Fターム(参考)】
4C047AA27
4C047CC04
4C047CC25
4C047DD23
4C047DD26
4C047DD27
4C047DD28
(57)【要約】
本発明の医療用容器(1)は、医薬品のリザーバを画定する筒状のバレル(10)を備える。バレル(10)は、医薬品の注射された量または残りの量を示す目盛りを有するスケール(14)を備えている。バレル(10)は、スケール(14)の少なくとも一部を形成する、追従する、または重なるアンテナ(42)を含むRFIDタグ(4)をさらに備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医薬品のためのリザーバを画定する管状のバレル(10)を備えた医療用容器(1)であって、前記バレル(10)には、前記医薬品の注射された量または残りの量を示す目盛りを有するスケール(14)が設けられており、前記バレル(10)はRFIDタグ(4)さらに備え、前記RFIDタグ(4)は、前記スケール(14)の少なくとも一部を形成または追従するアンテナ(42)を備える、ことを特徴とする、医療用容器(1)。
【請求項2】
前記RFIDタグ(4)はチップ(40)を含み、前記チップ(40)および前記アンテナ(42)が透明基板(60)上に付けられる、請求項1に記載の医療用容器(1)。
【請求項3】
前記透明基板(60)には、前記RFIDタグ(4)を前記バレル(10)に取り付けるための接着剤(66)が設けられている、請求項2に記載の医療用容器(1)。
【請求項4】
前記RFIDタグ(4)のチップ(40)および/または前記アンテナ(42)は、セラミック金属印刷、金属印刷、またはグラフェン印刷、エッチングまたはスタンピングによって形成されている、請求項2または3のいずれか一項に記載の医療用容器(1)。
【請求項5】
前記RFIDタグ(4)の少なくとも前記アンテナ(42)は、前記バレル(10)の外壁上に直接、セラミック金属印刷、金属印刷、またはグラフェン印刷によって形成されている、請求項1に記載の医療用容器(1)。
【請求項6】
前記RFIDタグ(4)は、超高周波RFIDタグ(4)である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の医療用容器(1)。
【請求項7】
前記アンテナ(42)は、前記RFIDタグ(4)のチップ(40)に取り付けられた2つの脚部(420)を備えたダイポールアンテナ(42)であり、前記脚部(420)のそれぞれは、前記スケール(14)の前記少なくとも1つの部分を形成する、追従する、または重なる、請求項1に記載の医療用容器(1)。
【請求項8】
一方の前記脚部(420)が前記チップ(40)に近位に延在し、他方の前記脚部が前記チップ(40)に遠位に延在する、請求項7に記載の医療用容器(1)。
【請求項9】
前記RFIDタグ(4)は前記アンテナ(42)よりも幅が広くないチップ(40)を含む、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の医療用容器(1)。
【請求項10】
前記アンテナ(42)は、直線、または正弦、正方形、三角形、鋸歯状、もしくはパルス波形のいずれかを有する、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の医療用容器(1)。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか一項に記載の医療用容器(1)の製造のための方法であって、バレル(10)スケール(14)の少なくとも一部を形成する、追従する、または重なるRFIDアンテナ(42)を形成するステップを含む、方法。
【請求項12】
(i)RFIDタグ(4)の前記アンテナ(42)およびチップ(40)を透明基板(60)上に付けるステップと、
(ii)前記透明基板(60)を前記バレル(10)の外壁に付けるステップと、
(iii)固有デバイス識別子を前記RFIDタグ(4)に格納するステップと、
を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
(i)RFIDタグ(4)の少なくとも前記アンテナ(42)を前記バレル(10)の外壁に直接付けるステップと、
(ii)固有デバイス識別子を前記RFIDタグ(4)に格納するステップと、
を含む、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFIDタグを備える医療用容器、および前記医療用容器を製造する方法に関する。
【0002】
本出願において、コンポーネントまたはデバイスの遠位端は、ユーザの手から最も遠い端を意味すると理解されるべきであり、近位端は、ユーザの手に最も近い端を意味すると理解されるべきである。同様に、本出願において、「遠位方向」は、本発明の医療用容器に関して、注射の方向を意味すると理解されるべきであり、「近位方向」は、前記注射の方向とは反対の方向、すなわち、注射操作のために容器を保持するユーザの手に向かう方向、を意味すると理解されるべきである。
【0003】
例えば、事前充填可能なまたは事前充填されたシリンジのような医療用注射デバイスは、通常、医薬品のための容器を形成する中空の本体またはバレルを含む。この本体は、任意に針が設けられる遠位端と、フランジが通常設けられる近位端とを含む。
【0004】
医療用注射デバイスなどの医療用容器の製造工程から、該医療用容器の最終ラベリング、最終使用または廃棄までの個別のトレーサビリティに対するニーズが増大している。
【0005】
例えば、WO2017157784から、一連の印刷された機械読取り可能な固有の識別子コードによって囲まれた円筒側面を有するレセプタクルが知られている。これらの印刷された固有の識別子コードは、サプライチェーンに沿った各レセプタクルの追跡を可能にする。しかし、これらの固有の識別子コードはレセプタクルの外側に印刷されており、したがって、例えば、レセプタクルの取扱中または使用中に、それらが除去または損傷され得る。さらに、固有の識別子コードはレセプタクルの一部を覆い、したがって、それらはユーザの目視検査プロセスへの影響を有し得る。最後に、インクジェットプリンタが、レセプタクルの外側に識別子コードを印刷するために使用される。しかし、インクを使用するこの印刷方法は、レセプタクルの汚染のリスクをもたらし得る。さらに、レセプタクルが、例えば、密封されたパッケージに入れられる場合、印刷された固有の識別子コードへのアクセスを有し得ない
【0006】
シリンジプランジャの挿入セクション上に位置決めされたRFIDタグを含む、事前充填されたシリンジが、文書WO2019189451から公知である。文書US20060186204は、結合された多周波数電磁および光通信システムを開示する。文書US20060232413は、光学コードを含むアンテナを有するRFIDタグを開示する。文書US20180093042は、充填レベルの容量決定のためのセンサを開示する。
【0007】
このコンテキストにおいて、本発明の目的は、目視検査への影響が限定され、製造プロセスへの影響が限定され、改善された読み取り範囲を有する医療用容器の効率的な個別識別を可能にすることによって、上記の欠点を軽減する(alleviates)デバイスを提供することである。
【0008】
本発明の第1の態様は、医薬品のためのリザーバを画定する管状バレルを備える医療用容器であって、前記バレルは、医薬品の注射された量または残りの量を示す目盛りを有するスケールを備え、バレルは、RFIDタグをさらに備え、医療用容器は、RFIDタグがスケールの少なくとも一部を形成する、追従する、または重なるアンテナを備えることを特徴とする。
【0009】
したがって、本発明の医療用容器は、製造工程から医療用容器の最終使用までの各医療用容器の個別のトレーサビリティを可能にする。実際、本発明の医療用容器に含まれるRFIDタグは、前記医療用容器の遠隔識別を可能にする。アンテナがスケールの少なくとも一部を形成する、追従する、または重なるという事実は、アンテナの長さを増加させることを可能にし、それによって読取り範囲を改善する。さらに、アンテナがスケールに近接している、またはスケールと共に形成または重なることさえあるので、製品の側面、したがって目視検査、への影響は限られている。エンドユーザの製品イメージへの影響も限られている。
【0010】
スケールの少なくとも一部を形成するアンテナによって、アンテナ自体がスケールの少なくとも1つの部分であり得ることが理解されるべきである。したがって、アンテナがなければ、スケールのそのような部分は存在しない。アンテナが完全なスケールを形成し得ることに留意されたい。
【0011】
あるいは、スケールの少なくとも一部に続くアンテナによって、アンテナがスケールの前記少なくとも1つの部分に隣接して延在し得ることが理解されるべきである。その結果、アンテナはスケールに沿って延在し得る、および/または、例えば、もしあれば1つまたはいくつかの目盛りマークでスケールと交差し得る。
【0012】
スケールの少なくとも一部と重なるアンテナによって、アンテナがスケールの前記少なくとも一部の上にあり、したがって、スケールの外形上に延在することが理解されるべきである。
【0013】
一実施形態では、RFIDタグはチップを含み、チップおよびアンテナは透明基板上に付けられる。
【0014】
基板は、チップおよびアンテナを一緒に維持することを可能にし、基板の透明性は、医療用容器の目視検査への影響をさらに制限することを目的とする。
【0015】
一実施形態では、基板は、RFIDタグをバレルに取り付けるための接着剤を備える。
【0016】
これは、製造プロセスへの限定された影響を可能にする。
【0017】
一実施形態では、RFIDタグのチップおよび/またはアンテナは、セラミック金属印刷、金属印刷またはグラフェン印刷、エッチングまたはスタンピングによって形成される。
【0018】
有利な一実施形態では、RFIDタグの少なくともアンテナは、バレルの外壁に直接グラフェン、金属またはセラミック金属印刷によって形成される。RFIDタグのチップも、金属印刷またはグラフェン印刷によって形成され得る。
【0019】
これにより、非常に薄いチップおよびアンテナが可能となり、したがって、医療用容器の外形寸法への影響がさらに限定される。
【0020】
好ましくは、RFIDタグは、超高周波RFIDタグ(UHF-RFID)である。
【0021】
好ましくは、アンテナは、RFIDタグのチップに取り付けられた2つの脚部を備えるダイポールアンテナであり、前記脚部の各々は、スケールの少なくとも1つの部分を、形成する、追従する、または重なる。
【0022】
好ましくは、前記脚部の一方は、チップの近位側に延在し、他方の脚は、チップの遠位側に延在する。
【0023】
これは、読み取り範囲を改善する。
【0024】
一実施形態では、RFIDタグはアンテナよりも広くないチップを含む。
【0025】
これは、医療用容器の目視検査への影響を制限する。したがって、チップは、アンテナによって形成され得るスケールによって隠され得る。
【0026】
一実施形態では、スケールは目盛り付きスケールである。また、アンテナは、直線、または正弦、正方形、三角形、鋸歯状、もしくはパルス波形のいずれかを有し得る。
【0027】
したがって、アンテナは、目盛り付きスケールのいずれかの目盛りを形成または重ね得る。
【0028】
本発明の別の態様は、上記の医療用容器を製造するための方法であって、この方法は、バレルスケールの少なくとも一部を形成する、追従する、または重なるRFIDアンテナを形成するステップを含む。
【0029】
一実施形態では、この方法は、
(i)例えば、印刷、エッチング、またはスタンピングによって、透明基板上にRFIDタグのアンテナおよびチップを付けられるステップと、
(ii)好ましくは接着剤によって、バレルの外壁上に基板を付けられるステップと、
(iii)RFIDタグ内に固有デバイス識別子(UDI)(Unique Device Identifier)を格納するステップと、
を含む。
代替の実施形態では、本方法は、
(i)好ましくはセラミック金属、金属またはグラフェン印刷によって、バレルの外壁上に直接、RFIDタグの少なくともアンテナを付けられるステップと、
(ii)RFIDタグ内に固有デバイス識別子(UDI)を格納するステップと、
を含む。
【図面の簡単な説明】
【0030】
本発明およびそれから生じる利点は、添付図面を参照して以下に示す詳細な説明から以下のように明らかになる。
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態による医療用容器の側面図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態による医療用容器のバレルの斜視図である。
【
図3】
図3は、本発明の一実施形態による医療用容器のRFIDタグの概略図である。
【
図4】
図4は、本発明の一実施形態による医療用容器のRFIDタグのアンテナの異なる可能な形状を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1を参照すると、本発明の一実施形態による、事前充填可能なまたは事前充填されたシリンジなどの医療用容器1が示されている。医療用容器はまた、バイアル、カートリッジ、または容積スケールが実装され得る任意の医療用容器とすることができる。医療用容器1は、医薬品を収容するためのリザーバを画定する円筒形のバレル10を備える。バレル10は、縦軸Aに沿って延在し、リザーバと流体連通する流体通路を画定する長手方向遠位先端の形態であり得る遠位端(不図示)を有する。
図1に示すように、キャップ12は、医療用容器1の使用前に遠位先端を覆い得る。医療用容器1はまた、リザーバ内に収容された医薬品を排出するために、その遠位端にプランジャストッパを有するプランジャロッド(不図示)を含み得る。バレル10は、ガラスまたはプラスチック材料で作られ得る。
【0032】
図1または
図2に示されるように、バレル10は、縦軸Aに平行に延在する目盛り付きスケール14を有する。目盛り付きスケール14は、目盛りマーク140を含む。目盛りマーク140は、医療用容器1の使用中に、リザーバ内の医薬品または既に注射された医薬品の残りの量を示し得る。目盛りマーク140は、縦軸Aに直交し得る、かつ互いに平行であり得る。容積量を示す
図142は、特定の目盛線140に隣接して配置され得る。
【0033】
さらに
図1および
図2を参照すると、医療用容器1は、バレル10上に配置されたRFIDタグ4、好ましくは受動タグ、をさらに備える。RFIDタグ4は、医療用容器1の遠隔識別を可能にするように構成される。RFIDタグ4は、チップ40およびアンテナ42を含む。チップ40は、固有デバイス識別子(UDI)、および製品コードまたはバッチ番号などの追加データを格納するためのメモリを含み得る。
【0034】
本発明によれば、アンテナ42は、目盛り付きスケール14を部分的にまたは完全に形成し、追従し、または重なる。
図1および
図2に示す例において、アンテナ42は、目盛り付きスケール14を完全に形成する。すなわち、アンテナ42は、目盛り付きスケール14である。図示されない他の実施形態において、アンテナ42は、アンテナ42が既存の目盛り付きスケール14に隣接する、またはこれと重なるように、バレル10に追加され得る。アンテナ42自体が目盛り付きスケール14または目盛り付きスケール14の少なくとも一部を形成する、沿って延在する、または上にあるという事実は、医療用容器1の外観に対する視覚的影響を制限することを可能にする。
【0035】
図示しない実施形態では、例えば、医療用容器1は既存の目盛りマーク140を含み得、アンテナ42は前記目盛りマーク140を接続するように縦軸Aと平行に延在し得る。別の実施形態(不図示)では、アンテナ42は1つまたは複数の目盛りマーク140のみを形成し得る。
【0036】
図1および
図2の例では、アンテナ42は、医療用容器1の縦軸Aに実質的に平行に延在し、バレル10に沿って所定の間隔で前記縦軸Aに直交するピークを画定する。これらのピークは、目盛りマーク140を形成する。
【0037】
図1および
図2に示されるアンテナ42は、目盛り付きスケール14を形成する方形波を有するが、バレル10の縦軸Aに沿って目盛りマーク140を規定する任意の他の形態が適切であり得ることが企図される。例えば、
図4に示されるように、アンテナ42は、正弦44a、正方形44b、三角形44c、鋸歯状44d、またはパルス波形のいずれかを有し得る。あるいは、アンテナ42はまた、縦軸Aに沿って延在する直線として形成され得、目盛りマーク140は、アンテナ42に重ね合わされたりしない、またはアンテナ42の上にはない。あるいは、目盛り付きスケール14は、バレル10の外壁の周りに設計された実質的にリング形状を有し得る。したがって、アンテナ42は、そのようなリング形状の目盛り付きスケール14の形状に追従し得る。
【0038】
図3を参照すると、RFIDタグ4は、透明湿潤インレイ6の形態であり得る。代替的に、RFIDタグ4は、乾燥インレイまたは感圧ラベルの形態であり得る。RFID湿潤インレイ6およびRFID乾燥インレイは、例えば紙またはポリエチレンテレフタレート(PET)で作られた基板60を含むことができる。RFIDタグ4は、基板60の一方の側に配置できる。RFID湿潤インレイおよびRFID乾燥インレイは、更に、RFIDタグ4の上面に、シリコン処理された紙のような少なくとも1つの保護層62を含むことができる。保護層62は、接着層64によって取り付けられ得る。
【0039】
RFID湿式インレイは、基板60の他の側面上の接着裏材66と、裏紙68、例えばシリコンライナー、とを含むので、「湿式」と記載される。RFID湿式インレイは、RFIDステッカーのようなものであり、「ピールアンドスティック」タイプのタグを必要とする用途に理想的である。RFID乾式インレイは、接着裏材がないために「乾式」と記載される。感圧ラベルは、ハイテクステッカーに類似している。
【0040】
RFIDインレイ6は、蒸気滅菌、電子ビーム滅菌、蒸気過酸化水素殺菌、またはEtO滅菌などの滅菌プロセスに耐えるように構成されることに留意されたい。
【0041】
一実施形態では、チップ40および/またはアンテナ42は、セラミック金属印刷、金属印刷、またはグラフェン印刷によって形成され得る。これらは、バレル10上に直接形成される場合を除き、エッチングまたはスタンピングによっても形成され得る。セラミック金属、金属またはグラフェン印刷は、RFIDインレイ6上に、またはバレル10の外壁上に直接形成され得る。チップ40および/またはアンテナ42がバレル10の外壁上に直接印刷される場合、RFIDインレイ6は不要であり、より詳細には、バレル自体以外の基板も接着剤も不要であり得る。好ましくは、少なくともアンテナ42は、金属印刷、セラミック金属印刷、またはグラフェン印刷によって形成される。
【0042】
RFIDタグ4は、低周波(約30KHz~300KHz)RFIDタグ4(LF-RFID)、高周波(約1~15MHz)RFIDタグ4(HF-RFID)、または好ましくは、超高周波(約400~1000MHz)RFIDタグ4(UHF-RFID)であり得る。RFIDリーダは、例えば、最大約10cmの距離でLF-RFIDタグ4、約1メートルの距離でHF-RFIDタグ4、および約15メートルの距離でUHF-RFIDタグ4を読み取ることができる。
【0043】
RFIDタグ4はまた、HF-NFC(High-Frequency Near Field Communication)タグであり得る。通常、周波数は約13.56MHzである。この実施形態では、例えば、NFCリーダは、数センチメートルまでの距離でHF-NFCタグを読み取ることができる。HF-NFCは、HF-RFIDとは異なり、それをNFCスマートフォンによって読み取ることができる。一実施形態では、RFIDタグ4は、HF-NFCおよびUHF RFIDを同時に含む二重周波数タグである。例えば、それを、NFCスマートフォンおよびUHFリーダの両方によって読み取ることができる。
【0044】
RFIDタグ4がUHF-RFIDタグ4である
図2を参照すると、アンテナ42は、チップ40に取り付けられた2つの脚420を備えるダイポール型アンテナ42であり得る。前記脚420の各々は、目盛り付きスケール14の少なくとも一部または完全な目盛り付きスケール14を形成する、追従する、または重なる。好ましくは、前記脚部420のうちの1つは、チップ40の近位に延在し、他方の脚部420は、チップ40の遠位に延在する。
【0045】
使用される周波数(UHF、HF、LF、NFC)に応じて、アンテナ42の異なる設計が可能である。例えば、RFIDタグ4がHF-RFIDまたはNFC-RFIDである場合、アンテナ42は、実質的にリング形状を有し得、したがって目盛り付きスケール14の1つの目盛線を形成し得る。
【0046】
一実施形態では、RFIDタグ4は、アンテナ42よりも幅が広くないチップ40を含むため、チップ40をその小さいサイズのおかげで、スケールパターン内に隠すことができる。例えば、チップ40は、約1mm幅であり得る。アンテナ42およびチップ40は、通常、RFIDタグ4の最も厚い要素であるが、RFIDインレイに対して、制限された余分な層を追加するように十分に薄く、最大のRFIDインレイ厚さは、0.5mmまで、好ましくは0.4mm未満、および理想的には0.3mm未満である。
【0047】
本発明はまた、上述の医療用容器1を製造するための方法に関し、この方法は、バレル10の目盛り付きスケール14の少なくとも一部、を形成する、追従する、または重なるRFIDアンテナ42を形成するステップを含む。
【0048】
一実施形態では、この方法は、RFIDタグ4のアンテナ42およびチップ40を、例えば、印刷、エッチング、またはスタンピングによって、透明基板60上に付けるステップを含む。この第1のステップ中、アンテナ42は、最初に、例えば、印刷、エッチング、またはスタンピングによって基板60上に付けられ得、次に、チップ40は、アンテナ42を保持し、前記アンテナ42に接合される基板60上に追加され得る。さらに、この方法は、前記RFIDタグ4を含む基板60を、好ましくは接着剤によって、バレル10の外壁上に付けるステップと、固有デバイス識別子(UDI)をRFIDタグ4に格納するステップとを含む。
【0049】
代替の実施形態では、本方法は、アンテナ42およびRFIDタグ4のチップ40を、好ましくは金属またはグラフェン印刷によって、バレル10の外壁に付けるステップと、固有デバイス識別子(UDI)をRFIDタグ4に格納するステップとを含む。
【国際調査報告】